JP3667185B2 - 粘着テープ又はシート及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、柔軟性、被着体への追従性、カット性、着色性等に優れた粘着テープ又はシート及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
軟質塩化ビニル樹脂を基材とし、その一面に粘着剤層が積層されてなる、いわゆる、ビニルテープは柔軟性、被着体への追従性、カット性、電気絶縁性等に優れ、必要に応じ着色したり、耐候性を付与するのが容易なので、電気絶縁テープ、防食テープ、封緘テープ、マーキングシート等の用途に広く使用されている。
【0003】
このうち、マーキングシートは、例えば、看板、広告板、シャッター、窓などに用いる広告ステッカー類;自動車、オートバイ、モーターボート、スノーモービルなどに用いられる装飾用ストライプステッカー類;交通標識、案内板などに用いる表示用ステッカー類等に広く使用されているが、被着体の凹凸や曲面への追従性や経時により収縮しないことが要求されるため、基材は、塩化ビニル樹脂に可塑剤、顔料等を添加し、一般的にはカレンダー法で、特に耐侯性や強度に高度な品質が要求されるようなマーキングシートなどではキャスト法によって成形されている(例えば、特公平5−88862号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、塩化ビニル樹脂は塩素を含有しているため、使用後に焼却処理するとダイオキシンが発生するので、環境衛生上問題があり、塩素を含まない樹脂を基材とし、ビニルテープと同様の性質を有する粘着テープ又はシートが要望されている。
【0005】
例えば、特開平3−45672号公報には、ポリウレタンフィルムを基材として使用するマーキングフィルムが記載されているが、上記ポリウレタンフィルムはイソシアネート成分として、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネート基間の距離の短いジイソシアネートを使用しているため柔軟性が不足し、被着体の凹凸や曲面への追従性が不足していた。
【0006】
又、特開平8−20750号公報には、重量平均分子量が80,000〜500,000であり、クロス分別法による0℃以上10℃以下での溶出量が全樹脂量の45〜80重量%、10℃超70℃以下での溶出量が全樹脂量の5〜35重量%、70℃超95℃以下での溶出量が全樹脂量の1〜30重量%、そして95℃超125℃以下での溶出量が全樹脂量の3〜35重量%であるポリプロピレン系樹脂を基材として使用するマーキングフィルムが記載されている。このポリプロピレン系樹脂は柔らかすぎ、また光沢のあるフィルムは得られないし、得られたフィルムはカットしにくいという欠点を有している。又、耐候性が低く、安定剤を添加しても2年間程度しか使用できないという欠点があった。
【0007】
本発明の目的は、上記欠点に鑑み、柔軟性があり、被着体への追従性が優れ且つカット性に優れた粘着テープ又はシート及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
又、他の目的は、着色性、耐候性等に優れ、マーキングテープ又はシートとして好適に使用できる粘着テープ又はシート及びその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1の本発明は、ポリオール成分100重量部と、架橋点間距離(重量平均分子量/イソシアネート基数)が220〜570のポリイソシアネート成分A重量部よりなるウレタン樹脂層の一面に粘着剤層が積層されてなる粘着テープ又はシートであって、上記Aは下記式で表され、
A=100aX/Y
(式中、aは定数;0.067〜0.135、Xは上記ポリオール成分の水酸基価、Yは、ポリイソシアネート成分中のイソシアネート基の重量%)
5℃及び35℃における、2%伸長時強度が0.40〜2.20Kg/15mm幅であり、破断伸度が50〜300%であることを特徴とする粘着テープ又はシートである。
【0010】
第2の本発明は、ポリオール成分100重量部と、架橋点間距離(重量平均分子量/イソシアネート基数)が220〜570のポリイソシアネート成分A重量部よりなるウレタン樹脂層とオレフィン系樹脂層と粘着剤層が順次積層されてなる粘着テープ又はシートであって、上記Aは下記式で表され、
A=100aX/Y
(式中、aは定数;0.067〜0.135、Xは上記ポリオール成分の水酸基価、Yは、ポリイソシアネート成分中のイソシアネート基の重量%)
5℃及び35℃における、2%伸長時強度が0.40〜2.20Kg/15mm幅であり、破断伸度が50〜300%であることを特徴とする粘着テープ又はシートである。
【0011】
第3の本発明は、第1の離型紙の一面に粘着剤層が積層されてなる第1の積層体を得る工程、ポリオール成分100重量部、架橋点間距離(重量平均分子量/イソシアネート基数)が220〜570のポリイソシアネート成分A重量部及び溶剤よりなる反応性樹脂組成物を第2の離型紙に塗布、乾燥し、第2の離型紙の一面に、架橋率が20〜93%のウレタン樹脂層が形成されてなる第2の積層体を得る工程、及び、第1の積層体の粘着剤層と、第2の積層体のウレタン樹脂層とが接するように第1の積層体と第2の積層体を積層し、ウレタン樹脂の反応を完了させる工程からなり、上記Aは下記式で表されることを特徴とする第1の本発明の粘着テープ又はシートの製造方法である。
A=100aX/Y
(式中、aは定数;0.067〜0.135、Xは上記ポリオール成分の水酸基価、Yは、ポリイソシアネート成分中のイソシアネート基の重量%)
第4の本発明は、オレフィン系樹脂層の一面に、粘着剤層と第1の離型紙が順次積層されてなる第1の積層体を得る工程、ポリオール成分100重量部、架橋点間距離(重量平均分子量/イソシアネート基数)が220〜570のポリイソシアネート成分A重量部及び溶剤よりなる反応性樹脂組成物を第2の離型紙に塗布、乾燥し、第2の離型紙の一面に、架橋率が20〜93%のウレタン樹脂層が形成されてなる第2の積層体を得る工程、及び、第1の積層体のオレフィン系樹脂層と、第2の積層体のウレタン樹脂層とが接するように第1の積層体と第2の積層体を積層し、ウレタン樹脂の反応を完了させる工程からなり、上記Aは下記式で表されることを特徴とする第2の本発明の粘着テープ又はシートの製造方法である。
A=100aX/Y
(式中、aは定数;0.067〜0.135、Xは上記ポリオール成分の水酸基価、Yは、ポリイソシアネート成分中のイソシアネート基の重量%)
【0012】
第5の本発明は、オレフィン系樹脂層の一面に、粘着剤層と第1の離型紙が順次積層されてなる第1の積層体を得る工程、及び、ポリオール成分100重量部、架橋点間距離(重量平均分子量/イソシアネート基数)が220〜570のポリイソシアネート成分A重量部及び溶剤よりなる反応性樹脂組成物を前記オレフィン系樹脂層に塗布、乾燥し、架橋率が20〜93%のウレタン樹脂層を形成した後、該ウレタン樹脂層に第2離型紙を積層し、ウレタン樹脂の反応を完了させる工程からなり、上記Aは下記式で表されることを特徴とする第2の本発明の粘着テープ又はシートの製造方法である。
A=100aX/Y
(式中、aは定数;0.067〜0.135、Xは上記ポリオール成分の水酸基価、Yは、ポリイソシアネート成分中のイソシアネート基の重量%)
【0013】
【発明の実施の形態】
第1の本発明は、ポリオール成分とポリイソシアネート成分よりなるウレタン樹脂層の一面に粘着剤層が積層されてなる、特定の機械的物性を有する粘着テープ又はシート(以下「粘着シート」という)である。
【0014】
上記ポリオール成分は、分子内に2個以上の水酸基を有し、ポリイソシアネート成分と反応してウレタン樹脂となる、従来からウレタン樹脂の原料として使用されている任意のポリオールが使用可能であり、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール等が挙げられ、塗膜の密着性、耐薬品性、耐候性等の優れたアクリルポリオールが好適に使用される。
【0015】
アクリルポリオールとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレートとアルキル(メタ)アクリレートの共重合体が好ましい。
【0016】
上記アルキル(メタ)アクリレートは炭素数12以下のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2ーエチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等が挙げられ、単独で共重合されてもよいし、2種以上が組み合わされて共重合されてもよい。
【0017】
又、必要に応じて、上記水酸基含有(メタ)アクリレート及びアルキル(メタ)アクリレートと共重合可能な、スチレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル、N−ビニルピロリドン等のモノマーや(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、(メタ)アクリルアミド等の極性基を有するモノマーが共重合されてもよい。又、必要に応じて2種以上の共重合体が併用されてもよい。
【0018】
ポリオール成分のガラス転移温度(Tg)は、低くなると得られるウレタン樹脂が柔らかくなって機械的強度が低下し、高くなると脆くなるので、0〜100℃が好ましく、より好ましくは30〜80℃である。
【0019】
又、ポリオール成分の水酸基価は、低くなると得られるウレタン樹脂の架橋密度が低く、柔らかくなって機械的強度が低下し、高くなると得られるウレタン樹脂の架橋密度が高く、脆くなるので、20〜150が好ましい。
【0020】
尚、本発明における水酸基価とは、ポリオール成分1gから得られるアセチル化物に結合している酢酸を中和するのに必要な水酸化カリウムの量(mg)をいう。
【0021】
又、ポリオール成分の重量平均分子量は、上記Tg及び水酸基価を満足し、溶剤に溶解しうるものであれば特に限定されず、一般に1,000〜500,000である。
【0022】
上記ポリイソシアネート成分は、分子内に2個以上のイソシアネート基を有し、ポリオール成分と反応してウレタン樹脂となるポリイソシアネートであり、架橋点間距離が220〜570のポリイソシアネートが使用される。尚、ポリイソシアネートの架橋点間距離とは、ポリイソシアネートの重量平均分子量をそのポリイソシアネートの有するイソシアネート(NCO)基の数で徐した値であり、2種類以上のポリイソシアネートを併用する際には、各ポリイソシアネートの架橋点間距離を重量比で相加平均した値を言う。
【0023】
ポリイソシアネートの架橋点間距離が大きくなると架橋されたポリオールとポリオールの間隔が広くなり、得られたウレタン樹脂が柔らかくなり、小さくなると間隔が狭くなり、得られたウレタン樹脂が固く脆くなる。従って、架橋点間距離が220〜570に調整されたポリイソシアネートが使用され、好ましくは250〜550のポリイソシアネートが使用される。
【0024】
架橋点間距離が220未満のポリイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート等のジイソシアネート;ジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物;ジイソシアネートのビウレット体;ジイソシアネートのイソシアヌレート体及びこれらの縮合体等が挙げられ、混合物であってもよい。 実際に販売されている架橋点間距離が200未満のポリイソシアネートとしては、例えば住友バイエルウレタン社製、商品名スミジュールN3200(HDIのビュレットを主体とする固形分濃度100重量%、重量平均分子量670、イソシアネート基数3.7、架橋点間距離181、イソシアネート基含有量23.0重量%)があげられる。
【0025】
架橋点間距離が220〜570のポリイソシアネートとしては、上記ジイソシアネートとトリメチロールプロパン付加物、そのイソシアネートのトリメチロールプロパンの間にポリエステルジオールが付加されたもの、ジイソシアネートとポリエステルジオールやポリエステルポリオールとの付加物、ジイソシアネートのビウレット体、ジイソシアネートのイソシアヌレート体、その縮合体又はその混合物が好ましい。
【0026】
実際に販売されている架橋点間距離が220〜570のポリイソシアネートとしては以下のものがあげられる。
【0027】
例えば、住友バイエルウレタン社製、商品名スミジュールHTはトリメチロールプロパンへのHDI付加物を主体とする酢酸エチル溶液(固形分濃度75重量%、重量平均分子量1100、イソシアネート基数4.5、架橋点間距離244、イソシアネート基含有量13.0重量%)であり、日本ポリウレタン工業社製、商品名コロネートHLは、トリメチロールプロパンへのHDIの付加物を主体とする酢酸エチル溶液(固形分濃度75重量%、重量平均分子量850、イソシアネート基数3.4、架橋点間距離250、イソシアネート基含有量12.8重量%)であり、日本ポリウレタン工業社製、商品名コロネートHLSは、上記コロネートHLのラクトンエステル架橋体を主体とする酢酸エチル溶液(固形分濃度75重量%、重量平均分子量900、イソシアネート基数2.3、架橋点間距離391、イソシアネート基含有量10.0重量%)である。
【0028】
この他、住友バイエルウレタン社製、商品名デスモジュールE3265、旭化成社製、商品名デュラネートE−402等が挙げられる。
【0029】
又、架橋点間距離が570を越えるポリイソシアネートとしては、例えば、住友バイエルウレタン社製、商品名デスモジュールTPLS2010/1があげられる。これは、HDIの重合物(固形分濃度100重量%、重量平均分子量1540、イソシアネート基数2.6、架橋点間距離592、イソシアネート基含有量10.4重量%)である。
【0030】
ウレタン樹脂層は、ポリオール成分100重量部とポリイソシアネート成分A重量部よりなるが、Aは下記式で表される。
A=100aX/Y
式中、aは定数であって、0.067〜0.135であり、Xは上記ポリオール成分の水酸基価であり、Yはポリイソシアネート成分中のイソシアネート基の含有量(重量%)である。
【0031】
ウレタン樹脂は、ポリオール成分の水酸基とポリイソシアネート成分のイソシアネート基が反応して形成されるのであり、イソシアネート基が少ないと(ポリイソシアネート成分の添加量が少ないと)架橋密度が低く、残存水酸基が多くなるので、得られたウレタン樹脂層は柔らかくなってべたついたり、機械的強度が不足するようになり、逆にイソシアネート基が多くなると(ポリイソシアネート成分の添加量が多くなると)架橋密度が高くなって変形追従性が低下したり、過剰のイソシアネート基が残存して経時により機械的強度が変化しやすくなるので、ポリイソシアネート成分は上記範囲で添加され、aの好ましい範囲は0.075〜0.125である。
【0032】
上記粘着剤としては、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコン系粘着剤、ウレタン系粘着剤等従来公知の任意の粘着剤が使用可能であり、本発明の粘着シートをマーキングシートとして使用する場合は、屋外で使用されることが多いので、耐候性にすぐれたアクリル系粘着剤が好ましい。
【0033】
又、粘着剤の形態も特に限定されず、溶剤タイプ、エマルションタイプ、ホットメルトタイプ等従来公知の任意の粘着剤が使用可能である。
【0034】
本発明の粘着シートは上記のウレタン樹脂層の一面に粘着剤層が積層されてなるが、ウレタン樹脂層の厚みは薄くなると柔らかく且つ腰がなくなって扱いにくくなり、厚くなると硬くなって被着体への追従性が低下し貼付しにくくなるので30〜120μmが好ましく、より好ましくは40〜100μmである。
【0035】
粘着剤層の厚みは、粘着シートが被着体に十分強固に貼着されうる厚さであればよく、一般に10〜80μmであり、好ましくは20〜50μmである。
【0036】
従って、粘着シートの厚みは40〜200μmが好ましく、より好ましくは60〜150μmである。
【0037】
本発明の粘着シートの機械的物性は、5℃及び35℃における、2%伸長時強度が0.40〜2.20Kg/15mm幅であり、破断伸度が50〜300%であることが必要である。
【0038】
粘着シートを、被着体に追従するように少し引き延ばしながら貼付する際に、伸張強度が弱すぎると不必要に伸びて貼付しにくくなり、強すぎると延ばしにくくなって追従させることが困難になり、貼付できたとしても経時により剥がれて浮きが発生しやすくなるので、粘着シートが一般に使用される常温、即ち5℃及び35℃における、2%伸張時強度が0.40〜2.20Kg/15mm幅であることが必要であり、好ましくは0.50〜2.10Kg/15mm幅である。
【0039】
尚、本発明における2%伸長時強度の測定方法は、15mm幅の粘着シートを100mm間隔に保持し、200mm/分の引張速度で引張って、2%伸長した際の応力を測定する。
【0040】
又、破断伸度は、小さいと引き延ばしながら貼付すると破断したり、衝撃で破断し、大きすぎると切断しにくくなるので、50〜300%であることが必要であり、好ましくは70〜250%である。
【0041】
尚、本発明における破断伸度の測定方法は、15mm幅の粘着シートを100mm間隔に保持し、200mm/分の引張速度で粘着シートが破断するまで引張って、粘着シートが切断された時の伸長した長さをもとの粘着シートに対する比率(%)で表した。
【0042】
又、粘着シートの残留応力は、伸長して貼付した後残留応力が沢山残っていると、経時により浮きや剥がれが発生しやすくなるので、10%伸長し、10分後の応力残存率が60%以下であるのが好ましい。
【0043】
尚、本発明における応力残存率の測定方法は、15mm幅の粘着シートを100mm間隔に保持し、200mm/分の引張速度で引張って、10%伸長した後そのまま保持し、10分後の残留応力を測定し、10%伸長時の応力に対する比率(%)で表した。
【0044】
第2の本発明は、第1の本発明の粘着シートのウレタン樹脂層と粘着剤層の間にオレフィン系樹脂層が積層されてなる粘着シートである。
【0045】
上記オレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン若しくはプロイレンと、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィンとの共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体等従来公知の任意のオレフィン系樹脂が使用可能である。
【0046】
オレフィン系樹脂層が積層される場合には、粘着シートの機械的物性は殆どオレフィン系樹脂層の機械的物性に支配され、粘着シートの機械的物性は前記の通であるから、オレフィン系樹脂層の機械的物性は下記の範囲が好ましい。
【0047】
即ち、5℃及び35℃における、2%伸長時強度が0.40〜2.10Kg/15mm幅であって、破断伸度が100%以上が好ましい。更に、伸長して貼付した後残留応力が沢山残っていると、経時により浮きや剥がれが発生しやすくなるので、10%伸長し、10分後の応力残存率が60%以下であるのが好ましい。
【0048】
上記の物性のオレフィン系樹脂層を形成するためのオレフィン系樹脂としては、重量平均分子量が80,000〜500,000であり、クロス分別法による0℃での溶出量が全樹脂の30〜70重量%、0℃超70℃以下での溶出量が全樹脂の5〜30重量%、そして70℃超での溶出量が全樹脂の20〜60重量%であるポリプロピレン系樹脂(以下、ポリプロピレン系樹脂(A)という)が好ましい。
【0049】
重量平均分子量は、小さくなるとフィルム強度が低下し、大きくなると硬くなり柔軟性が低下するので80,000〜500,000が好ましく、より好ましくは200,000〜400,000である。又、クロス分別法では、低温で柔軟な樹脂が溶出し、高温になるほど硬質の樹脂が溶出されるので、上記範囲で樹脂が溶出されるポリプロピレン系樹脂が好ましい。
【0050】
尚、第2の本発明においてクロス分別法とは以下の通りである。先ず、測定すべきポリプロピレン系樹脂を140℃又は完全に溶解する温度のo−ジクロロベンゼンに溶解し、一定速度で冷却した後、予め用意した不活性担体の表面に薄い樹脂層を、結晶性の高い順及び分子量の大きい順に形成する。次に、0℃から連続的又は段階的に温度を上昇させながらo−ジクロロベンゼンで溶出させ、溶出した樹脂の濃度を検出して、温度による樹脂の溶出分布を測定する。
【0051】
上記オレフィン系樹脂層の2%伸長時強度や破断伸度を調節するために、重量平均分子量が80,000〜500,000であり、クロス分別法による0℃での溶出量が全樹脂の0〜20重量%、0℃超70℃以下での溶出量が全樹脂の5〜30重量%、そして70℃超での溶出量が全樹脂の70〜90重量%であるポリプロピレン系樹脂(以下、ポリプロピレン系樹脂(B)という)をポリプロピレン系樹脂(A)と併用してもよい。
【0052】
ポリプロピレン系樹脂(B)は70℃超での溶出量が全樹脂の70〜90重量%と多く、ポリプロピレン系樹脂(A)と比較すると硬く機械的強度の高い樹脂であるから、この樹脂を多く添加すると、オレフィン系樹脂層の2%伸長時強度が高くなり、破断伸度が小さくなり、10%伸長し、10分後の応力残存率が高くなるので、ポリプロピレン系樹脂(A)が100〜30重量%でポリプロピレン系樹脂(B)が0〜70重量%が好ましい。
【0053】
第2の本発明の粘着シートのウレタン樹脂層及び粘着剤層の構成並びに2%伸長時強度、破断伸度、応力残存率等の物性は第1の本発明の粘着シートと同様である。
【0054】
第2の本発明の粘着シートは、上記オレフィン系樹脂層の一面にウレタン樹脂層が積層され、他面に粘着剤層が積層されてなるが、オレフィン系樹脂層の厚みが薄くなると腰がなくなって扱いにくくなり、厚くなると硬くなって被着体への追従性が低下し貼付しにくくなるので20〜80μmが好ましく、より好ましくは30〜70μmである。
ウレタン樹脂層の厚みは薄くなると柔らかく且つ腰がなくなって扱いにくくなり、厚くなると硬くなって被着体への追従性が低下し貼付しにくくなるので5〜50μmが好ましく、より好ましくは10〜30μmである。
【0055】
従って、オレフィン系樹脂層とウレタン樹脂層の合計厚みは25〜130μmが好ましく、より好ましくは40〜100μmである。
【0056】
又、粘着剤層の厚みは、粘着シートが被着体に十分強固に貼着されうる厚さであればよく、一般に10〜80μmであり、好ましくは20〜50μmである。
【0057】
従って、粘着シートの厚みは35〜210μmが好ましく、より好ましくは50〜150μmである。
【0058】
本発明の粘着シートは、各層に着色剤が添加されて着色されてもよい。特に、粘着シートがマーキングテープ又はシート(以下「マーキングシート」という)として使用される場合は着色されることが必要であり、ウレタン樹脂層に着色剤が添加されるのが好ましい。
【0059】
上記着色剤としては、樹脂、塗料等の着色に使用されている任意の着色剤が使用でき、例えば、アゾ染料、アントラキノン染料、インジゴイド染料、フタロシアニン染料、カルボニウムイオン染料等の染料;炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化チタン、クロムエロー、カドミウムエロー、ニッケルチタンエロー、ベンガラ、カドミウムレッド、モリブデンオレンジ、紺青、群青、カーボンブラック等の無機顔料;アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、金属錯塩系顔料、トリフェニルメタン系顔料、キナクドリン系顔料、イソインドリノン系顔料等の有機顔料等が挙げられる。これら着色剤は単独で使用されてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
【0060】
上記着色剤の添加量は必要に応じ適宜決定されればよいが、一般に、ウレタン樹脂100重量部に対し、0.1〜70重量部添加されるのが好ましい。
【0061】
又、各層には、必要に応じて、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤等が添加されてもよい。
【0062】
上記光安定剤としては、例えば、ポリ〔{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ビス(1−オクチロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート等のヒンダードアミン系光安定剤が挙げられる。これら光安定剤はそれぞれチバスペシャリティケミカルズ社より、キマソープ944、チヌビン622及びチヌビン123の商品名で市販されている。
【0063】
上記光安定剤をウレタン樹脂層に添加する場合は、アミン基がウレタンの架橋反応を阻害しないように、アミン基の水素が置換され、窒素がアルキル基や主鎖と連結した、いわゆるNR型及びアミン基の水素が置換され、窒素が酸素を介してアルキル基や主鎖と連結した、いわゆるNOR型のものが好ましく、チヌビン622及びチヌビン123が好適に使用される。
【0064】
上記紫外線吸収剤としては、例えば、チバスペシャリティケミカルズ社製、商品名チヌビン327、チヌビン328等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、チバスペシャリティケミカルズ社製、商品名キマソープ81等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、チバスペシャリティケミカルズ社製、商品名チヌビン900等のトリアジン系紫外線吸収剤等が挙げられる。
【0065】
上記酸化防止剤としては、例えば、チバスペシャリティケミカルズ社製、商品名イルガノックス1010、イルガノックス1076等のヒンダードフェノール系酸化防止剤、旭電化社製、商品名アデカスタブPEP8等のリン系酸化防止剤等が挙げられる。
【0066】
上記帯電防止剤としては、例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等の界面活性剤、カーボンブラック等の導電性粉末等が挙げられる。
【0067】
上記アンチブロッキング剤としては、例えば、シリカ、アルミナ等の無機微粉末、ガラスビーズ、シリコーン微粒子等が挙げられる。
【0068】
第1及び第2の本発明の粘着シートの製造方法は特に限定されず、従来公知の任意の方法で製造されればよいが、以下に詳細する第3〜第5の本発明の粘着シートの製造方法で製造されるのが好ましい。
【0069】
第3の本発明は、第1の本発明の粘着シートの製造方法であり、第1の離型紙の一面に粘着剤層が積層されてなる第1の積層体を得る工程、ポリオール成分100重量部、ポリイソシアネート成分A重量部及び溶剤よりなる反応性樹脂組成物を第2の離型紙に塗布、乾燥し、第2の離型紙の一面に、架橋率が20〜93%のウレタン樹脂層が形成されてなる第2の積層体を得る工程、及び、第1の積層体の粘着剤層と、第2の積層体のウレタン樹脂層とが接するように第1の積層体と第2の積層体を積層し、ウレタン樹脂の反応を完了させる工程からなる。
【0070】
上記第1の積層体を得る工程は、第1の離型紙の一面に粘着剤層を形成する工程である。上記第1の離型紙としては、粘着シート、粘着ラベル等の離型紙として一般に使用されている任意の離型紙が使用可能であり、例えば、上質紙、クラフト紙等の紙基材にポリエチレンが積層されたポリエチレラミネート紙;上質紙、クラフト紙等の紙基材にクレーが積層されたクレーコート紙;グラシン紙;スーパーカレンダード紙;ポリエチレンテレフタレートフィルム、延伸ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルムなどのプラスチックフィルム等の基材に、シリコーン系剥離剤、アルキルペンダント系剥離剤、フッ素系剥離剤等の剥離剤が積層された離型紙があげられる。
【0071】
又、粘着剤層を形成する方法も公知の任意の方法が採用されてよく、例えば、粘着剤が溶剤タイプ若しくはエマルションタイプの場合は、離型紙上に塗布、乾燥する方法、ホットメルトタイプの場合は、離型紙上に溶融押し出しして積層する方法等があげられる。
【0072】
上記第2の積層体を得る工程は、反応性樹脂組成物を第2の離型紙に塗布、乾燥し、第2の離型紙の一面に、架橋率が20〜93%のウレタン樹脂層を形成する工程である。
【0073】
上記反応性樹脂組成物はポリオール成分100重量部、ポリイソシアネート成分A重量部及び溶剤よりなるが、ポリイソシアネートとして、イソシアネートをフェノール、シクロヘキサノンオキシム等のアルコール類で封鎖した、所謂、ブロックタイプを使用しない場合は、ポリオール成分とポリイソシアネート成分は混合すると速やかに反応が進むので、ポリオール溶媒溶液とポリイソシアネート溶媒溶液を別々に作成しておき、両者を混合して反応性樹脂組成物を得、次いで、第2の離型紙に塗布・乾燥するのが好ましい。
【0074】
上記溶媒としては、ポリオール成分とポリイソシアネート成分を溶解しうる溶媒であれば任意の溶媒が使用可能であり、例えば、酢酸エチル、トルエン、キシレン、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、メチルイソブチルケトン等があげられる。又、混合溶媒でもよく、市販品としては、例えば、エクソン化学社製、商品名ソルベッソがあげられる。
【0075】
ポリオール溶媒溶液の濃度は適宜決定されればよいが、ポリオール成分は高分子量物なので高濃度になると粘度が高くなって混合及び塗布が困難になるので、固形分で25〜100重量%が好ましい。又、ポリイソシアネート溶媒溶液の濃度も適宜決定されればよいが、ポリイソシアネート成分は分子量が低く低粘度なので、ポリオール成分と混合効率が良く且つ乾燥効率がよいように高濃度が好ましく、一般に固形分で50〜100重量%が好ましい。
【0076】
ウレタン樹脂層に着色剤、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等を添加する場合は、ポリオール溶媒溶液に添加し溶解若しくは分散して混合するのが好ましい。
【0077】
又、ポリオール成分とポリイソシアネート成分の反応速度を調整するために、ウレタン樹脂を製造する際に一般に使用されている触媒が添加されてもよい。このような触媒としては、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ジメチルアミノエタノール等のアミン系触媒、ジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウレート等の錫系触媒、亜鉛系触媒、鉛系触媒等があげられる。
【0078】
触媒の添加量は必要に応じて適宜決定されればよいが、一般にポリオール成分とポリイソシアネート成分の合計量100重量部に対し、0.05〜1.0重量部である。
【0079】
第2の離型紙に塗布された反応性樹脂組成物は、架橋するまでには時間がかかるので、初期は溶剤が沸騰して発泡することがないように、沸点以下の低温で風量を多くして乾燥し、ある程度溶剤が揮発した後沸点以上の温度に加熱して、架橋の進行を促進すると共に残留溶剤の低減をはかるのが好ましい。
【0080】
反応性樹脂組成物の反応速度は反応が進むに従って遅くなってくるので、架橋率が20〜93%のウレタン樹脂層が第2の離型紙の一面に形成された段階で、第1の積層体の粘着剤層と、第2の積層体のウレタン樹脂層とが接するように第1の積層体と第2の積層体を積層し、第1の離型紙、粘着剤層、ウレタン樹脂層及び第2の離型紙が積層された4層の積層体を得、その後ウレタン樹脂の反応を完了させる。ウレタン樹脂の反応を完了させるには、10〜60℃で1〜10日間養生すればよい。
【0081】
尚、上記架橋率とは、ウレタン樹脂を震盪機に供給し、23℃で24時間酢酸エチル中で膨潤、溶解した後、200メッシュの金網で濾過した際の濾過物の初期のウレタン樹脂に対する比率(重量%)をいう。
【0082】
上記の通り、反応性樹脂組成物の反応速度は反応が進むに従って遅くなってくるので、製造工程中で連続的に反応性樹脂組成物の反応を完了させるには、多大な熱量と時間を必要とし、生産性が悪いが、上記の工程をとることにより、生産性よく製造することができる。
【0083】
上記第2の離型紙も特に限定されず、前記第1の離型紙として詳述した離型紙が使用可能であり、又、ウレタン樹脂(反応性樹脂組成物)の物理的付着性は粘着剤に比較すると低いので、ウレタン樹脂層(反応性樹脂組成物)のイソシアネート基と反応性を有さず極性の低いフィルム、例えば、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム等のプラスチックフィルム及びその延伸フィルムも使用できる。
【0084】
上記第2の離型紙は、所謂工程紙であり、養生後の粘着シートを被着体に貼付前又は貼付後に剥離して使用されるが、反応完了後のウレタン樹脂層と第2の離型紙との接着性が小さくなると、上記4層の積層体を搬送中や巻き取って養生保管中や製品化のための二次加工中にウレタン樹脂層と第2の離型紙との間に浮きが発生し、ウレタン樹脂層の外観が不良になる。逆に、大きくなると、第2の離型紙の剥離が困難になり、第2の離型紙が破断したり、剥離が断続的になってウレタン樹脂層に段跡がついて外観不良が発生するようになる。
【0085】
従って、第2の離型紙は、ウレタン樹脂の反応完了後において、300mm/分の剥離速度で測定した180度剥離強度が5〜200g/50mm幅になる離型紙が好ましい。尚、「ウレタン樹脂の反応完了後」とは、4層の積層体を得た後、40℃で24時間養生した直後をいう。
【0086】
又、ウレタン樹脂層は、得られた粘着シートを被着体に貼付した際に表面層となるが、特にマーキングシートとして使用される場合は、意匠性が要求されることがある。上記の製造方法では、ウレタン樹脂は反応性樹脂組成物として第2の離型紙に塗布乾燥され、ウレタン樹脂の反応完了後に第2の離型紙が剥離されるので、ウレタン樹脂層には第2の離型紙の表面形状が転写されることになる。従って、ウレタン樹脂層の表面が平滑であることを要求される場合は平滑な離型紙が使用されるのが好ましく、ウレタン樹脂層の表面が艶消しされていることを要求される場合はマット加工、ロール加工、サンドブラスト加工等の処理によって表面に凹凸加工が施された離型紙が使用されるのが好ましい。
【0087】
第4の本発明は第2の本発明の粘着シートの製造方法であり、オレフィン系樹脂層の一面に、粘着剤層と第1の離型紙が順次積層されてなる第1の積層体を得る工程、ポリオール成分100重量部、ポリイソシアネート成分A重量部及び溶剤よりなる反応性樹脂組成物を第2の離型紙に塗布、乾燥し、第2の離型紙の一面に、架橋率が20〜93%のウレタン樹脂層が形成されてなる第2の積層体を得る工程、及び、第1の積層体のオレフィン系樹脂層と、第2の積層体のウレタン樹脂層とが接するように第1の積層体と第2の積層体を積層し、ウレタン樹脂の反応を完了させる工程からなる。
【0088】
上記第1の積層体を得る工程は、オレフィン系樹脂層の一面に、粘着剤層と第1の離型紙を順次積層する工程である。各層の形成方法は特に限定されず、任意の方法が採用されてよく、例えば、
(1)オレフィン系樹脂とホットメルトタイプの粘着剤を共押出し、粘着剤層に第1の離型紙を積層する方法、
(2)第3の本発明で詳細に述べたように、第1の離型紙に粘着剤層を形成し、次いで別途形成したオレフィン系樹脂フィルムを重ね合わせる方法、
(3)先ず、オレフィン系樹脂フィルムを作成し、その一面に粘着剤層を積層し、その上に第1の離型紙を重ね合わせる方法
等があげられる。
【0089】
上記第2の積層体を得る工程は、第3の本発明で第2の積層体を得る工程と同一である。次いで、第1の積層体のオレフィン系樹脂層と、第2の積層体のウレタン樹脂層とが接するように第1の積層体と第2の積層体を積層する以外は第3の本発明で詳細したように、ウレタン樹脂の反応を完了させる。
【0090】
第5の本発明は第2の本発明の粘着シートの製造方法であり、オレフィン系樹脂層の一面に、粘着剤層と第1の離型紙が順次積層されてなる第1の積層体を得る工程、及び、ポリオール成分100重量部、ポリイソシアネート成分A重量部及び溶剤よりなる反応性樹脂組成物を前記オレフィン系樹脂層に塗布、乾燥し、架橋率が20〜93%のウレタン樹脂層を形成した後、該ウレタン樹脂層に第2離型紙を積層し、ウレタン樹脂の反応を完了させる工程からなる。
【0091】
上記第1の積層体を得る工程は、第4の本発明で第1の積層体を得る工程と同一である。
【0092】
次いで、第5の本発明においては、オレフィン系樹脂層上にポリオール成分100重量部、ポリイソシアネート成分A重量部及び溶剤よりなる反応性樹脂組成物を塗布、乾燥し、架橋率が20〜93%のウレタン樹脂層を形成する。この形成方法は、離型紙に代えて上記第1の積層体を用いる以外は、第3の本発明で第2の積層体を得る工程と同一である。
【0093】
最後に、架橋率が20〜93%に架橋されたウレタン樹脂層に第2離型紙を積層し、ウレタン樹脂の反応を完了させる。第2離型紙の積層は、第1の離型紙、粘着剤層、オレフィン系樹脂層及びウレタン樹脂層が順次積層された4層の積層体のウレタン樹脂層に第2離型紙を重ね合わせ押圧することにより容易に行われるが、ウレタン樹脂のガラス転移温度付近の温度で、重ね合わせ押圧するのが好ましい。ウレタン樹脂の反応を完了させる方法は、第3の本発明において詳述した通りである。
【0094】
又、本発明において、粘着剤層とウレタン樹脂層又はオレフィン系樹脂層との接着性及びウレタン樹脂層とオレフィン系樹脂層との接着を向上させるために、ウレタン樹脂層とオレフィン系樹脂層のいずれか一方又は両方にコロナ放電処理、フレーム処理等の表面極性付与処理が施されてもよいし、粘着テープの下塗り剤として一般に使用されている下塗り剤が積層されてもよい。
【0095】
又、第1の積層体と第2の積層体との積層する方法、ウレタン樹脂層に第2の離型紙を積層する方法等の積層方法は任意の積層方法が採用されてよく、例えば、両層を重ね合わせた後押圧する方法、両層を重ね合わせた後加熱ロールで加熱しながら押圧する方法等があげられる。
【0096】
【実施例】
以下に実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0097】
まず、最初に実施例で使用した材料を説明する。尚、実施例においては、アクリルポリオール、ポリイソシアネート、オレフィン系樹脂及び離型紙は以下に示した略号で記載した。
【0098】
アクリルポリオール
アクリルポリオールA1、A2、A4及びA5は、表1に示した所定量のモノマーの共重合体の酢酸エチル溶液である。共重合体濃度は40重量%であり、ガラス転移温度Tg及び水酸基価を表1に示した。
【0099】
アクリルポリオールA3は、2−ヒドロキシエチルメタクリレート16重量%、イソブチルメタクリレート10重量%、2−エチルヘキシルアクリレート8重量%、メチルメタクリレート50重量%、スチレン15重量%及びメタクリル酸1重量%よりなる共重合体(水酸基価70mg/g)の酢酸エチル溶液(共重合体濃度は40重量%)100重量部とカプロラクトン変成ポリエステルジオール(水酸基価45mg/g、重量平均分子量約2000)の酢酸エチル溶液(日本ペイント社製、商品名ソフトナー5、ジオール濃度75重量%)8重量部よりなる混合物である。
【0100】
尚、ガラス転移温度Tg及び水酸基価を表1に示した。
【0101】
【表1】
【0102】
ポリイソシアネート
表2に示したポリイソシアネート及び所定量のポリイソシアネートの混合物を使用した。表2には架橋点間距離を示した。
【0103】
【表2】
HLS;日本ポリウレタン社製、商品名コロネートHLS
HL ;日本ポリウレタン社製、商品名コロネートHL
N3200;住友バイエルウレタン社製、商品名スミジュールN3200
TPLS;住友バイエルウレタン社製、商品名デスモジュールTPLS2010/1
【0104】
オレフィン系樹脂
オレフィン系樹脂層を形成するために使用したオレフィン系樹脂のクロス分別法による溶出量と重量平均分子量を表3に示した。
【0105】
【表3】
KS ;ポリプロピレン樹脂、モンテルエスディケイサンライズ社製、商品名アドフレックスKS081P
M40;線状低密度ポリエチレン、東ソー社製、商品名ニポロンL−M40
PP ;ポリプロピレン樹脂、日本ポリオレフィン社製、商品名JアロマーPC630S
EBR;エチレンブテン共重合体、住友化学工業社製、商品名エスプレンNO416
【0106】
粘着剤
n−ブチルアクリレート70.0重量%、2−エチルヘキシルアクリレート20.0重量%、アクリル酸9.7重量%及び2−ヒドロキシエチルアクリレート0.3重量%が共重合されてなる共重合体(重量平均分子量60万、重量平均分子量/数平均分子量=4.5)の30重量%酢酸エチル溶液100重量部に、イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製、商品名コロネートL−55E、固形分濃度55%の酢酸エチル溶液)1.0重量部を混合し、粘着剤として使用した。
【0107】
着色剤
チバスペシャリティケミカルズ社製、商品名クロモフタールDPPレッドBP
【0108】
離型紙
【0109】
次に物性等の測定方法を説明する。尚、ポリオール成分の水酸基価、ウレタン樹脂の架橋率、2%伸長時強度、破断伸度、応力残存率、クロス分別、ウレタン樹脂層と第2の離型紙の180度剥離強度の測定法は発明の詳細な開示の欄に記載の通りである。
【0110】
硬化性
得られた粘着シートを110℃の熱風オーブンに供給し、5分間乾燥した後、ウレタン樹脂層にガーゼを押しつけ、ガーゼの付着状態を観察した。
○;ガーゼの付着なし
×;ガーゼの付着あり
【0111】
保存性
得られた粘着シートのウレタン樹脂層にガーゼを荷重が10g/cm2になるように押しつけ、40℃で24時間放置した後ガーゼを取り除きウレタン樹脂層の表面を観察した。
○;表面光沢に大きな変化はみられない
△;表面光沢に若干の変化がみられる
×;表面光沢に大きな変化がみられる
【0112】
カット性
得られた粘着シートをミマキエンジニアリング社製カッティングマシンに供給し、10mmサイズの文字をカットし、カット状態を観察した。
○;カットが完全なもの
△;一部がめくれているもの
×;一部がカットされていないもの、カス取り作業中に文字が
裂けたもの
【0113】
貼り付け性
曲率半径20mm、深さ15mmのアルミニウム製波板の頭頂部間に、得られた粘着シートを張り渡した後、谷間部分に粘着シートを延ばしながら押しつけて貼り付け、23℃で1週間放置した後粘着シートの剥がれ(浮き)状態を観察した。
○;幅1mm以下の浮きが発生したもの
△;底周辺で浮きの発生したもの
×;全面に浮きが発生したもの、貼り付けの際に粘着シートが追従
せず割れたもの
【0114】
作業性
100mm角の粘着シートをアルミニウム板に貼り付け、貼り付け状態を観察した。
○;しわが入ることなく貼り付けできたもの
△;しわが入りやすく貼り付けが困難だったもの
×;しわの入ったもの
【0115】
耐候性
得られた粘着シートをサンシャインウエザーメーターに供給し、2000時間暴露後の表面状態を観察した。
○;殆ど変化なし
△;少し変色し、光沢感に差が見られる
×;明らかに外観が異なる
【0116】
燃焼塩素発生試験
得られた粘着シートを密閉容器中で燃焼し、発生ガスを水中で捕捉し、ガスクロマトグラフィで塩素を測定した(検出限度20ppm)
○;塩素を検出できなかったもの
×;塩素を検出できたもの
【0117】
密着性
得られた粘着シートをサンシャインウエザーメーターに供給し、1000時間暴露後、JISーK5400 クロスカット評価方法に準拠し、10mm角の粘着シートに1mm毎に切れ目をいれ、100個の升目を形成し、セロハンテープを圧着後剥離し、ウレタン樹脂層の剥離した升目を数えた。
○;剥離なし
△;剥離した升目1〜25個
×;剥離した升目26個以上
【0118】
実施例1〜6、比較例1〜6
粘着剤を第1の離型紙C1にベーカー式アプリケーターで塗布し、110℃の熱風オーブンで5分間乾燥して厚み30μmの粘着剤層が形成された第1の積層体を得た。
【0119】
表4及び表5に示した所定量(固形分)のアクリルポリオール、ポリイソシアネート及び着色剤並びに触媒(ジオクチルチンジラウレート、三共有機合成社製、商品名スタンSNT−1F)0.1重量部及び光安定剤(チバスペシャリティケミカルズ社製、商品名チヌビン622)1重量部を混合した配合物を、第2の離型紙C2にベーカー式アプリケーターで塗布し、110℃の熱風オーブンで5分間乾燥して表4及び表5に示した所定厚みのウレタン樹脂層が形成された第2の積層体を得た。
【0120】
得られた第1の積層体の粘着剤層と、第2の積層体のウレタン樹脂層が接するように重ね合わせ、温度100℃の加熱ロールで押圧することによりラミネートして粘着シートを得た。得られた粘着シートを40℃で3日間養生した後、粘着シートの物性を測定し、結果を表4及び表5に示した。
【0121】
又、ラミネートする際のウレタン樹脂の架橋率と第2の離型紙C2の180度剥離強度を測定し、結果を表4及び表5に示した。
【0122】
比較例7
塩化ビニル樹脂(鐘淵化学工業社製、商品名PHS−10)100重量部、着色剤7重量部、アジピン酸エステル系可塑剤(旭電化工業社製、商品名アデカサイザーPN300)30重量部、バリウム/亜鉛複合系熱安定剤(旭電化工業社製、商品名MARK SC34)5重量部及び混合溶媒(エクソン化学社製、商品名ソルベッソ)150重量部を混合して得られたゾルを離型紙C3に、乾燥後の塗膜厚みが50μmになるように、ベーカー式アプリケーターで塗布し、200℃の熱風オーブンで8分間乾燥して、厚さ50μmの塩化ビニル樹脂フィルムを得た。
【0123】
得られた塩化ビニル樹脂フィルムに、実施例1で得られた第1の積層体を粘着剤層が接するように重ね合わせ、温度100℃の加熱ロールで押圧することによりラミネートして粘着シートを得た。得られた粘着シートを40℃で3日間養生した後、粘着シートの物性を測定し、結果を表5に示した。
【0124】
【表4】
【0125】
【表5】
【0126】
実施例7〜12、比較例8
表6及び表7に示したオレフィン系樹脂100重量部と酸化チタン粉末3.5重量部、酸化防止剤(チバスペシャリティケミカルズ社製、商品名イルガノックス1076)0.007重量部及び光安定剤(チバスペシャリティケミカルズ社製、商品名チヌビン622)0.021重量部よりなる配合物を押出機に供給し、230℃(実施例7のみ200℃)にてTダイで押し出して表6及び表7に示した所定厚みのオレフィン樹脂フィルムを得た。得られたオレフィン樹脂フィルムの物性を測定して結果を表6及び表7に示した。
【0127】
得られたフィルムの両面にコロナ放電処理を行い、フィルムの表面エネルギーを濡れ試薬の測定値で45ダインに調整した。
【0128】
粘着剤を第1の離型紙C1にベーカー式アプリケーターで塗布し、110℃の熱風オーブンで5分間乾燥して厚み30μmの粘着剤層を形成し、この粘着剤層に前記オレフィン樹脂フィルムを重ね合わせて第1の積層体を得た。
【0129】
表6及び表7に示した所定量(固形分)のアクリルポリオール、ポリイソシアネート及び着色剤並びに触媒(ジオクチルチンジラウレート、三共有機合成社製、商品名スタンSNT−1F)0.1重量部及び光安定剤(チバスペシャリティケミカルズ社製、商品名チヌビン622)1重量部を混合した配合物を、第1の積層体のオレフィン樹脂フィルム面にベーカー式アプリケーターで塗布し、110℃の熱風オーブンで5分間乾燥して表6及び表7に示した所定厚みのウレタン樹脂層を形成し、次いでウレタン樹脂層に離型紙C2をラミネートして粘着シートを得た。得られた粘着シートを40℃で3日間養生した後、粘着シートの物性を測定し、結果を表6及び表7に示した。
【0130】
又、離型紙C2をラミネートする際のウレタン樹脂の架橋率と離型紙C2の180度剥離強度を測定し、結果を表6及び表7に示した。
【0131】
比較例9
塩化ビニル樹脂(鐘淵化学工業社製、商品名PHS−10)100重量部、酸化チタン粉末(大日精化工業社製、商品名ディスコールDAP050ホワイト)30重量部、アジピン酸エステル系可塑剤(旭電化工業社製、商品名アデカサイザーPN300)30重量部、バリウム/亜鉛複合系熱安定剤(旭電化工業社製、商品名MARK SC34)5重量部及び混合溶媒(日本鉱業社製、商品名ソルベッソ)150重量部を混合して得られたゾルを離型紙C3に、乾燥後の塗膜厚みが50μmになるように、ベーカー式アプリケーターで塗布し、200℃の熱風オーブンで8分間乾燥して、厚さ40μmの塩化ビニル樹脂フィルムを得た。得られた塩化ビニル樹脂フィルムの物性を測定して結果を表7のオレフィン系樹脂層の物性の欄に示した。
【0132】
得られたフィルムの両面にコロナ放電処理を行い、フィルムの表面エネルギーを濡れ試薬の測定値で45ダインに調整した。
【0133】
粘着剤を第1の離型紙C1にベーカー式アプリケーターで塗布し、110℃の熱風オーブンで5分間乾燥して厚み30μmの粘着剤層を形成し、この粘着剤層に前記塩化ビニル樹脂フィルムを重ね合わせて第1の積層体を得た。
【0134】
表7に示した所定量(固形分)のアクリルポリオール、ポリイソシアネート及び着色剤並びに触媒(ジオクチルチンジラウレート、三共有機合成社製、商品名スタンSNT−1F)0.1重量部及び光安定剤(チバスペシャリティケミカルズ社製、商品名チヌビン622)1重量部を混合した配合物を、第1の積層体の塩化ビニル樹脂フィルム面にベーカー式アプリケーターで塗布し、110℃の熱風オーブンで5分間乾燥して厚さ20μmのウレタン樹脂層を形成し、次いでウレタン樹脂層に離型紙C2をラミネートして粘着シートを得た。得られた粘着シートを40℃で3日間養生した後、粘着シートの物性を測定し、結果を表7に示した。
【0135】
又、離型紙C2をラミネートする際のウレタン樹脂の架橋率と離型紙C2の180度剥離強度を測定し、結果を表7に示した。
【0136】
比較例10
表7に示したオレフィン系樹脂100重量部と酸化チタン粉末3.5重量部、酸化防止剤(チバスペシャリティケミカルズ社製、商品名イルガノックス1076)0.007重量部及び光安定剤(チバスペシャリティケミカルズ社製、商品名チヌビン622)0.021重量部よりなる配合物を押出機に供給し、230℃にてTダイで押し出して厚み50μmのオレフィン樹脂フィルムを得た。得られたオレフィン樹脂フィルムの物性を測定して結果を表7に示した。
【0137】
得られたフィルムの片面にコロナ放電処理を行い、フィルムの表面エネルギーを濡れ試薬の測定値で45ダインに調整した。
【0138】
粘着剤を第1の離型紙C1にベーカー式アプリケーターで塗布し、110℃の熱風オーブンで5分間乾燥して厚み30μmの粘着剤層を形成し、この粘着剤層に前記オレフィン樹脂フィルムのコロナ放電処理された面を重ね合わせて粘着シートを得た。得られた粘着シートの物性を測定し、結果を表7に示した。
【0139】
【表6】
【0140】
【表7】
【0141】
実施例13〜15、比較例11、12
実施例1で行ったと同様にして粘着剤を第1の離型紙C1に塗布乾燥して第1の積層体を得た。
【0142】
表8に示した第2の離型紙に、実施例3で使用したウレタン樹脂用の配合物をウレタン樹脂層の厚みが50μmになるように塗布し、炉長35m、炉内温度100℃の乾燥炉に、表8に示した送り速度で供給し乾燥して第2の積層体を得た。
【0143】
得られた第1の積層体の粘着剤層と、第2の積層体のウレタン樹脂層が接するように重ね合わせ、温度100℃の加熱ロールで押圧することによりラミネートして粘着シートを得た。得られた粘着シートのウレタン樹脂層と第2の離型紙との密着性を観察し表8に結果を示した。又、得られた粘着シートを40℃で3日間養生した後、粘着シートの硬化性を測定し、結果を表8に示した。
【0144】
更に、ラミネートする際のウレタン樹脂の架橋率と第2の離型紙C2の180度剥離強度を測定し、結果を表8に示した。尚、実施例15で得られた粘着シートの第2の離型紙を剥離したところ、ウレタン樹脂層に第2の離型紙のマット形状が綺麗に転写されていた。
【0145】
【表8】
【0146】
実施例16
実施例9で行ったと同様にして第1の積層体を得た。一方、第2の離型紙C2に、実施例9で使用したウレタン樹脂用の配合物をウレタン樹脂層の厚みが20μmになるように塗布し、炉長35m、炉内温度100℃の乾燥炉に、20m/分の送り速度で供給し乾燥して第2の積層体を得た。
【0147】
得られた第1の積層体のオレフィン系樹脂層と、第2の積層体のウレタン樹脂層が接するように重ね合わせ、温度100℃の加熱ロールで押圧することによりラミネートして粘着シートを得た。得られた粘着シートのウレタン樹脂層と第2の離型紙との密着性を観察し表9に結果を示した。又、得られた粘着シートを40℃で3日間養生した後、粘着シートの硬化性及び密着性を測定し、結果を表9に示した。
【0148】
更に、ラミネートする際のウレタン樹脂の架橋率と第2の離型紙C2の180度剥離強度を測定し、結果を表9に示した。
【0149】
実施例17〜20、比較例13、14
実施例9で行ったと同様にして第1の積層体を得た。次いで、実施例9で使用したウレタン樹脂用の配合物を、実施例9で行ったと同様にして、第1の積層体のオレフィン系樹脂層上に、ウレタン樹脂層の厚みが20μmになるように塗布し、炉長35m、炉内温度100℃の乾燥炉に、表9に示した所定の送り速度で供給し乾燥して第2の積層体を得た。
【0150】
得られた第2の積層体のウレタン樹脂層に表9に示した所定の第2の離型紙を重ね合わせ、温度100℃の加熱ロールで押圧することによりラミネートして粘着シートを得た。尚、実施例20の加熱ロールの温度は常温であった。
【0151】
得られた粘着シートのウレタン樹脂層と第2の離型紙との密着性を観察し表9に結果を示した。又、得られた粘着シートを40℃で3日間養生した後、粘着シートの硬化性及び密着性を測定し、結果を表9に示した。
【0152】
更に、ラミネートする際のウレタン樹脂の架橋率と第2の離型紙の180度剥離強度を測定し、結果を表9に示した。
【0153】
【表9】
【0154】
【発明の効果】
本発明の粘着テープ又はシートの構成は上述の通りであるから、柔軟であり、被着体の凹凸や曲面への追従性が優れ且つカット性が優れている。又、塩素を含まないので焼却してもダイオキシンが発生せず環境衛生上の問題がない。従って、特にマーキングテープ又はシートとして好適に使用できる。
【0155】
又、本発明の粘着テープ又はシートの製造方法は上述の通りであるから、容易に粘着テープ又はシートを製造することができる。
Claims (13)
- ポリオール成分100重量部と、架橋点間距離(重量平均分子量/イソシアネート基数)が220〜570のポリイソシアネート成分A重量部とを反応、硬化させてなるウレタン樹脂層とオレフィン系樹脂層と粘着剤層が順次積層されてなるマーキングテープ又はシートであって、上記Aは下記式で表され、
A=100aX/Y
(式中、aは定数;0.067〜0.135、Xは上記ポリオール成分の水酸基価、Yは、ポリイソシアネート成分中のイソシアネート基の重量%)
5℃及び35℃における、2%伸長時強度が0.40〜2.20Kg/15mm幅であり、破断伸度が50〜300%であることを特徴とするマーキングテープ又はシート。 - ポリオール成分が、ガラス転移温度(Tg)が0〜100℃、水酸基価が20〜150のアクリルポリオールである請求項1記載のマーキングテープ又はシート。
- ウレタン樹脂層に着色剤が0.1〜70重量部添加されてなる請求項1記載のマーキングテープ又はシート。
- 架橋点間距離が250〜550である請求項1記載のマーキングテープ又はシート。
- オレフィン系樹脂が、重量平均分子量が80,000〜500,000であり、クロス分別法による0℃での溶出量が全樹脂量の30〜70重量%、0℃超70℃以下での溶出量が全樹脂量の5〜30重量%、そして70℃超での溶出量が全樹脂量の20〜60重量%であるポリプロピレン系樹脂100〜30重量%と、重量平均分子量が80,000〜500,000であり、クロス分別法による0℃での溶出量が全樹脂量の0〜20重量%、0℃超70℃以下での溶出量が全樹脂量の5〜30重量%、そして70℃超での溶出量が全樹脂量の70〜90重量%であるポリプロピレン系樹脂0〜70重量%からなる請求項1記載のマーキングテープ又はシート。
- オレフィン系樹脂層の23℃における、2%伸長時強度が0.40〜2.10Kg/15mm幅、破断伸度が50%以上、10%伸長し10分後の応力残存率が60%以下である請求項5記載のマーキングテープ又はシート。
- 23℃における10%伸長し10分後の応力残存率が60%以下である請求項1記載のマーキングテープ又はシート。
- 5℃及び35℃における、2%伸長時強度が0.50〜2.10Kg/15mm幅であり、破断伸度が70〜250%であることを特徴とする請求項1記載のマーキングテープ又はシート。
- ウレタン樹脂層の厚みが5〜50μmであり、オレフィン系樹脂層の厚みが20〜80μmであリ、ウレタン樹脂層とオレフィン系樹脂層の合計厚みが25〜130μmである請求項1記載のマーキングテープ又はシート。
- オレフィン系樹脂層の一面に、粘着剤層と第1の離型紙が順次積層されてなる第1の積層体を得る工程、ポリオール成分100重量部、架橋点間距離(重量平均分子量/イソシアネート基数)が220〜570のポリイソシアネート成分A重量部及び溶剤よりなる反応性樹脂組成物を第2の離型紙に塗布・乾燥し、第2の離型紙の一面に、架橋率が20〜93%のウレタン樹脂層が形成されてなる第2の積層体を得る工程、及び、第1の積層体のオレフィン系樹脂層と、第2の積層体のウレタン樹脂層とが接するように第1の積層体と第2の積層体を積層し、ウレタン樹脂の反応を完了させる工程からなり、上記Aは下記式で表されることを特徴とする請求項1記載のマーキングテープ又はシートの製造方法。
A=100aX/Y
(式中、aは定数;0.067〜0.135、Xは上記ポリオール成分の水酸基価、Yは、ポリイソシアネート成分中のイソシアネート基の重量%) - ウレタン樹脂の反応完了後の第2の離型紙の180度剥離強度(300mm/分)が5〜200g/50mm幅である請求項10記載のマーキングテープ又はシートの製造方法。
- オレフィン系樹脂層の一面に、粘着剤層と第1の離型紙が順次積層されてなる第1の積層体を得る工程、及び、ポリオール成分100重量部、架橋点間距離(重量平均分子量/イソシアネート基数)が220〜570のポリイソシアネート成分A重量部及び溶剤よりなる反応性樹脂組成物を前記オレフィン系樹脂層に塗布・乾燥し、架橋率が20〜93%のウレタン樹脂層を形成した後、該ウレタン樹脂層に第2の離型紙を積層し、ウレタン樹脂の反応を完了させる工程からなり、上記Aは下記式で表されることを特徴とする請求項1記載のマーキングテープ又はシートの製造方法。
A=100aX/Y
(式中、aは定数;0.067〜0.135、Xは上記ポリオール成分の水酸基価、Yは、ポリイソシアネート成分中のイソシアネート基の重量%) - ウレタン樹脂の反応完了後の第2の離型紙の180度剥離強度(300mm/分)が5〜200g/50mm幅である請求項12記載のマーキングテープ又はシートの製造方法。
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