JP6555531B2 - 樹脂組成物、およびゴム組成物 - Google Patents
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Description
また、特許文献2において、種々のリグノフェノール誘導体を用いた系が示されているが、ゴム組成物としての特性が十分でない。
(1)変性リグニン誘導体であって、リグニン誘導体に、植物由来化合物を用いて変性したことを特徴とする変性リグニン誘導体。
(2)前記植物由来化合物が、フェノール構造を含有する物質、ロジン酸を含有する物質、不飽和結合を有する物質よりなる群から選択される1種以上を含有する(1)記載の変性リグニン誘導体。
(3)前記フェノール構造含有する物質が、カシューオイル、ウルシ抽出物、カルダノール、カードル、メチルカードル、アナカルド酸、ウルシオール、ラッコール、チチオール及びそれらの精製物から選ばれる少なくとも1種以上を含むものである、(2)に記載の変性リグニン誘導体。
(4)前記ロジン酸を含有する物質が、テルペン油、トール油、ガムロジン、ウッドロジン、及びそれらの精製物から選ばれる少なくとも1種以上を含むものである、(2)または(3)に記載の変性リグニン誘導体。
(5)前記不飽和結合を有する物質が、桐油、亜麻仁油、芥子油、紫蘇油、胡桃油、荏油、紅花油、向日葵油、及びそれらの精製物から選ばれる少なくとも1種以上を含むものである、(2)ないし(4)のいずれかに記載の変性リグニン誘導体。
(6)前記リグニン誘導体100重量部に対して、植物由来化合物を0.01〜300重量部を用いて変性させたものである(1)ないし(5)のいずれか1項に記載の変性リグニン誘導体。
(7)リグニン誘導体を、前記植物由来化合物とフェノール類とを用いて変性した、(1)ないし(6)にいずれかに記載の変性リグニン誘導体。
(8)前記リグニン誘導体が、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)分析により測定されたポリスチレン換算の数平均分子量が200〜5000であるものを含有するものである(1)から(7)のいずれかに記載の変性リグニン誘導体。
(9)前記リグニン誘導体の軟化点が200℃以下であることを特徴とする(1)ないし(8)のいずれかに記載の変性リグニン誘導体。
(10)ゴム補強、又は、成形材料に用いるための、(1)ないし(9)のいずれかに記載の変性リグニン誘導体。
(11)(1)ないし(10)のいずれかに記載の変性リグニン誘導体を含むことを特徴とする樹脂組成物。
(12)(1)ないし(10)のいずれかに記載の変性リグニン誘導体と、ジエン系ゴムを含むことを特徴とするゴム組成物。
(13)さらに、充填剤を含有するものである(12)に記載のゴム組成物。
(14)前記充填剤は、少なくともカーボンブラック、シリカ、アルミナ、およびセルロースファイバーよりなる群から選択される1種以上を含有するものである、(12)または(13)に記載のゴム組成物。
(15)(12)ないし(14)のいずれかに記載のゴム組成物を硬化して得られることを特徴とする硬化物。
(16)(1)ないし(10)のいずれかに記載の変性リグニン誘導体を含む、成形材料。
まず、リグニン誘導体について説明する。リグニンは、セルロースおよびヘミセルロースとともに、リグノセルロースとして存在する植物体の骨格を形成する主要成分であり、かつ、自然界に最も豊富に存在する物質の1つである。なかでもリグニン誘導体は、フェノール誘導体を単位構造とする化合物であり、この単位構造は、化学的および生物学的に安定な炭素−炭素結合や炭素−酸素−炭素結合を有するため、化学的な劣化や生物的分解を受け難い。このため、リグニン誘導体は、樹脂原料として有用とされる。
ここでリグニン誘導体とは、リグニン骨格を有する化合物を主成分としつつ、リグニン分解物、セルロース分解物およびヘミセルロース分解物を含んでいてもよい。
本発明において用いる植物由来化合物は、フェノール構造を含有する物質、ロジン酸を含有する物質、不飽和結合を有する油等の植物由来成分を指す。
前記フェノール構造を含有する物質は、カシューオイル、ウルシ抽出物、カルダノール、カードル、メチルカードル、アナカルド酸、ウルシオール、ラッコール、チチオール及びそれらの精製物を示し、前記ロジン酸を含有する物質が、テルペン油、トール油、ガムロジン、ウッドロジン、及びそれらの精製物を示す。さらに、前記不飽和結合を有する油が、桐油、亜麻仁油、芥子油、紫蘇油、胡桃油、荏油、紅花油、向日葵油、及びそれらの精製物を示す。
前記植物由来物質は、各々選ばれる少なくとも1種以上を含むものを使用することができる。
本発明において、リグニン及び/又はフェノール構造含有化合物と反応可能であるアルデヒド類等を用いて変性することが出来る。触媒としては、ノボラック型になる酸触媒、レゾール型になるアルカリ触媒が用いられるが、ノボラック型は保存性に優れるため酸触媒による変性が望ましい。また用いるアルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、パラホルムアルデヒド等が挙げられ、同様にフェノール類を付加させ変性させる化合物として糖類、フルフラール、フルフリルアルコール等も用いることが出来る。
前記変性リグニン誘導体を合成する方法としては特に限定されないが、例えば、反応装置にリグニン誘導体、フェノール含有化合物として植物油類、酸性触媒を仕込み、還流条件下でアルデヒド類を逐次添加しながら反応させる方法、あるいは、反応装置にリグニン誘導体、酸性触媒を仕込み、還流条件下で植物油類を逐次添加しながら反応させる方法、などが挙げられる。なお、不飽和結合有する植物由来化合物を使用する場合は、予め植物由来化合物と酸を仕込みで重合を行ってから、リグニン誘導体を投入し、上記の方法のように変性させることも出来る。
前記範囲以下であれば変性の効果が見られない。また範囲以上である場合、固着する可能性があり、ハンドリング性が悪くなることが生じる。
なお、前記フェノール類構造の反応モル数(P)は、フェノール類の官能基モル数を示すもので、リグニン誘導体の場合、水酸基当量の逆数を用いて計算することが出来る。またフェノール骨格を持つ植物油類を用いる場合は、そのフェノール類構造の官能基モル数も、前記フェノール類構造の反応モル数(P)に加えて計算する。なお、一般に植物油は混合物であるために厳密に計算することは難しいが、混合成分比の中央値から計算して算出することが出来る。例えば、本発明の実施例で用いたカシューオイルの場合、約0.0032(mol/g)となる。
水酸基当量(g/eq)=1000*W/(((TB*f*S/SB)−(T*f))*N)
式中の各記号の意味は次の通り。
W :試料重量(g)
TB:ブランクの滴定量(ml)
SB:ブランクの無水酢酸−ピリジン混合液の量(g)
T :試料入りの滴定量(ml)
S :試料入りで加えた無水酢酸−ピリジン混合液の量(g)
f :水酸化ナトリウム標準水溶液のファクタ−
N: 水酸化ナトリウム標準水溶液の規定度
変性率が上記下限値より少ないと、変性の効果が充分に発現しないことがある。一方、上記上限値を越えると、変性リグニン誘導体が固形化しにくく、取扱いが難しくなったり、反応が制御しにくくなりゲル化物を生成したりすることがある。
これらの中でも、蓚酸、または硫酸、ジエチル硫酸、パラトルエンスルホン酸などの硫酸またはスルホン酸系物質、リン酸、亜リン酸などのリン酸系物質が好ましく、これらの中でも蓚酸、硫酸またはスルホン酸系物質が好ましい。
酸性触媒の添加量が上記下限値より少ないと、反応が十分に進行しないことがある。一方、上記上限値を越えると、反応モル比が高い場合と同様、反応条件によってはゲル化物を生成することがある。
本発明の樹脂組成物は、前記変性リグニン誘導体、これ以外に、フェノール系樹脂、後述する充填剤、架橋剤等を含んでも良い。
本発明の樹脂組成物の製造方法は、リグニン誘導体とフェノール系樹脂を混練する工程を含んでもよい。なお、必要に応じて、任意成分を予備混合した後に混練してもよい。また、充填剤、架橋剤、老化防止剤、およびその他の添加剤を含む場合も、その混練の順番は、特に限定されるものではない。
ここに、混練機としては、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール、二軸混練機類などを挙げることができる。
本発明に記載した、変性リグニン誘導体は、ゴム組成物として使用することが可能である。この場合、ゴム組成物に関しては、前記の変性リグニン誘導体、ジエン系ゴムを含むことを特徴とする。さらに、上記組成物にフェノール系樹脂を含むことも可能である。
ゴム組成物の製造方法としては、原料ゴムと、変性リグニン誘導体を混練する工程を含む。なお、必要に応じて、原料ゴムおよび任意成分を予備混合した後に混練してもよい。また、例えば、フェノール系樹脂、充填剤、架橋剤、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、およびその他の添加剤を含む場合も、その混練の順番は、特に限定されるものではない。
ここに、混練機としては、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール類などを挙げることができる。
本発明において使用できる原料ゴムとしては、天然ゴム(NR)、改質天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)等を例示でき、これらは単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。特に、耐外傷性、耐摩耗性、耐疲労特性および耐屈曲亀裂成長性等の特性に優れることから、天然ゴム(NR)、改質天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)およびブタジエンゴム(BR)のうち1種以上のゴムが好ましく、さらに、入手のしやすさの点で、天然ゴムおよび/またはブタジエンゴム(BR)がより好ましい。
上記の含有量が50質量%以上である場合、E’(貯蔵弾性率)の向上効果および60℃付近のtanδの低減効果が特に顕著に発現する。
次に、充填剤について説明する。
本発明においては、さらに充填剤を用いても良い。
充填剤としては、樹脂組成物またはゴム組成物において通常用いられるものを採用できる。充填剤としては、少なくともカーボンブラック、シリカ、アルミナ、およびセルロースファイバーよりなる群から選択される1種以上を含有するものを使用することが好ましく、特に無機充填剤が好ましい。特に、シリカおよびカーボンブラックから選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。シリカを用いるとtanδの低減効果が良好に得られるが、特に本発明の樹脂組成物とシリカとを組合せて用いる場合、E’(貯蔵弾性率)の向上効果と60℃付近でのtanδの低減効果とが特に良好となる。
次に、架橋剤について説明する。
本発明のゴム組成物は、ゴム成分、変性リグニン誘導体および充填剤に加え、軟化剤、粘着付与剤、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、老化防止剤、硫黄、その他の加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、過酸化物、酸化亜鉛、ステアリン酸等、必要に応じた添加剤が適宜配合され得る。
加硫剤としては、有機過酸化物もしくは硫黄系加硫剤を使用できる。有機過酸化物としては、たとえば、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3あるいは1,3−ビス(t−ブチルパーオキシプロピル)ベンゼン等を使用することができる。また、硫黄系加硫剤としては、たとえば、硫黄、モルホリンジスルフィドなどを使用することができる。これらの中では硫黄が好ましい。
(1)原料ゴムと、変性リグニン誘導体と、任意成分(加硫剤および加硫促進剤を除く)とを、バンバリーミキサーなどの密閉式混練機により混練して、加硫系を含有していないゴム組成物を得る。ここに、混練条件(温度・時間)は混練機により異なる。
(2)上記(1)により得られたゴム組成物に、オープンロールなどのロール類や前記混練機を用いて加硫剤および加硫促進剤を添加し、再度混練して、加硫系を含有するゴム組成物を得る。
次に、ゴム組成物の硬化物およびタイヤを得る工程について説明する。ゴム組成物の硬化物およびタイヤは、ゴム組成物を成形することによって得ることができる。成形方法としては用途によって異なるため、特に限定されるものではないが、金型を用いて成形する場合は、作製したゴム組成物を、油圧プレスを備えた金型を用いて成形し、ゴム組成物の硬化物を得る。
本発明は、その他の態様において、本発明の変性リグニン誘導体を含む成形材料である。本発明の成形材料は、例えば、半導体部品、航空機部品、自動車部品、鋳物、産業用機械部品、電子部品、電気部品、機構部品の用途に適用される。
(1)リグニン誘導体の抽出
スギ木粉(60メッシュアンダー)100部と、純水からなる溶媒400部と、を混合し、これを1Lオートクレーブに導入した。そして内容物を300rpmで攪拌しながら、前処理として室温で15分間撹拌を行い、スギ木粉と溶媒とを十分になじませた後、300℃、10MPaで60分間処理して、スギ木粉を分解した。
次いで、得られた分解物を濾過し、濾別された固形成分を回収した。
次いで、得られた固形成分をアセトン250部に12時間浸漬した。これを濾過し、アセトン可溶成分を回収した。
次いで、前記アセトン可溶成分からアセトンを留去し、乾燥することで、リグニン誘導体15.2部を得た。数平均分子量は410、軟化点は108℃であった。
撹拌装置、還流冷却器及び温度計を備えた反応装置にフェノール100部、カシューオイル60部、及びシュウ酸1部を仕込み後、反応装置が110℃に達した時点で反応器をセットした。反応装置の温度が130℃に達してから、37%ホルムアルデヒド水溶液35部を10分間逐添後、50分間還流反応を行った。次いで反応装置を160℃に昇温し、常圧脱水を30分行った。その後30分真空脱水を行い、内容物を反応器より取出して常温で固形の変性リグニンを153部得た。
変性リグニン誘導体100部と天然ゴム化合物500部、カーボンブラック400部、樹脂架橋剤としてヘキサメチレンテトラミン20部、加硫剤として硫黄10部、加硫促進助剤として酸化亜鉛10部、離型剤としてステアリン酸15部を、バンバリーミキサーを100℃加熱して混練し、ゴム組成物を得た。
変性リグニン誘導体の製造において、シュウ酸を3部とした以外は参考例1と同じ。
変性リグニン誘導体の製造において、37%ホルムアルデヒド水溶液を39部とした以外は参考例1に同じ。
変性リグニン誘導体の製造において、カシューオイル40部、37%ホルムアルデヒド水溶液を39部とした以外は参考例1に同じ。
変性リグニン誘導体の製造において、シュウ酸の代わりにパラトルエンスルホン酸(PTSA)を1部加えた以外は、参考例3に同じ。
変性リグニン誘導体の製造において、ホルムアルデヒド水溶液を添加せず、シュウ酸の代わりに硫酸を1部加えた以外は参考例1に同じ。
変性リグニン誘導体の製造において、ホルムアルデヒド水溶液を29部、シュウ酸の代わりに硫酸を1部加えた以外は参考例1に同じ。
リグニン誘導体の抽出において、スギ木粉の代わりに稲わらを用いた以外は参考例1に同じ。なお、リグニン誘導体は、数平均分子量は390、軟化点は98℃であった。
リグニン誘導体の抽出において、スギ木粉の代わりにブナ木粉を用いた以外は参考例1に同じ。なお、リグニン誘導体は、数平均分子量は420、軟化点は110℃であった。
ゴム組成物の作製において、変性リグニン誘導体75重量部とフェノールノボラック樹脂25重量部を用いた以外は参考例1に同じ。
ゴム組成物の作製において、変性リグニン誘導体75重量部とカシューオイル変性ノボラック樹脂25重量部を用いた以外は参考例1に同じ。
ゴム組成物の作製において、カーボンブラック280質量部とシリカ70質量部を用いて、さらにシリカカップリング剤を5部加えた以外は参考例1に同じ。
変性リグニン誘導体の製造において、カシューオイルの代わりにトール油20部を用い、ホルムアルデヒド水溶液を添加せず、シュウ酸の代わりに硫酸を1部加えた以外は参考例1に同じ。
変性リグニン誘導体の製造において、カシューオイルの代わりに亜麻仁油20部を用い、ホルムアルデヒド水溶液を添加せず、シュウ酸の代わりに硫酸を1部加えた以外は参考例1に同じ。
変性リグニン誘導体の製造において、カシューオイルに加えてフェノールを用いた以外は請求項1に同じ。カシューオイル及びフェノールは、それぞれ、実施例15では20部および60部、実施例16では30部および40部、実施例17では40部および30部、実施例18では60部および20部とした。
変性リグニン誘導体の製造において、リグニン誘導体として、アルセル(Alcell(登録商標))法により得られたリグニン誘導体(Lignol Lignin(Powder):Lignol社製)を用いて、カシューオイル80部、37%ホルムアルデヒド水溶液を39部とし、酸をパラトルエンスルホン酸(PTSA)とした以外は参考例1に同じ。
変性リグニン誘導体を用いず、参考例1に従ってゴム組成物を得た。
変性リグニン誘導体の代わりにフェノールノボラック樹脂を100質量部用いた以外は、比較例1に同じ。
天然ゴム:東知製RSS3
硬化剤:ヘキサメチレンテトラミン
カーボンブラック:三菱化学社製、HAF
シリカ:エボニック社製、Ultrasil VN3(BET比表面積:175m2/g)
シランカップリング剤:エボニック社製、Si−69
酸化亜鉛:堺化学工業社製
ステアリン酸:日油社製ビーズステアリン酸YR
硫黄:細井化学工業社製、微粉硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業社製、MSA−G
ノボラック型フェノール樹脂:住友ベークライト社製、PR−50731
カシューオイル変性フェノール樹脂:住友ベークライト社製、PR−12686
JIS K 6300に準拠して、東洋精機社製ムーニー粘度計を用いムーニー粘度を測定した。
(b)硬度(タイプD)
JIS K 6253に準拠して、東洋精機社製デュロメーターを用い硬さ(タイプD)を測定した。
(c)切断時引張応力・切断時伸び/JIS K6251に準拠して、東洋精機社製ストログラフを用い、引張速度50mm/分で測定した
(d)貯蔵弾性率、tanδ
TAインスツルメント社製動的粘弾性測定装置を用い、動的歪2%の条件下で、60℃における貯蔵弾性率とtanδを測定した。結果は比較例1のtanδの逆数を100とした場合の、他の実施例および比較例の値を算出した。ここで、tanδの逆数の値が大きいことは、粘弾性特性のtanδが小さいことを意味し、繰返し変形で発生する熱エネルギーを抑えることができ、タイヤ場合は、燃費性能を高めることができるものとなる。
参考例1、参考例5、実施例15及び実施例18の変性リグニン誘導体を用いて樹脂成形体を調製し、以下の方法により外観及び曲げ強度の評価を行った(参考例20〜23)。その結果を表2に示す。
変性リグニン誘導体又はリグニン100質量部にヘキサメチレンテトラミン15質量部を常温で添加し、粉砕混合してリグニン誘導体組成物を調製した。
<樹脂成形体の調製>
リグニン誘導体組成物に対し、ガラス繊維(ガラスミルドファイバー、日東紡績(株)製、基準繊維径10±1.5μm、平均繊維長90μm)を、リグニン誘導体組成物との混合比率で50.5重量%となるように添加した。ラボプラストミルにて90℃50rpmにて混練し、混練したものを175℃3minの条件にて圧縮成形を行い、幅10mm、長さ100mm、高さ4mmの樹脂成形体を得た。
<外観>
得られた樹脂成形体について、外観を目視で確認し、評価した。なお、外観の評価基準は以下のとおりである。
評価基準
○:成形品の表面が平滑で、成形品の表面に肉眼で分かる凹凸が認められない、または、ひずみ、しわ、斑点が1〜2個である。
△:成形品の表面に肉眼で分かる凹凸が認められる、または、ひずみ、しわ、斑点が3〜5個である。
×:成形品の表面に肉眼で分かる著しい凹凸が認められる、または、ひずみ、しわ、斑点が6個以上である。
<曲げ強度>
樹脂成形体を用いて、JIS K6911に準拠して曲げ強度を求めた。樹脂成形体を用いて、JIS K6911に準拠して曲げ強度を求めた。具体的には、精密万能試験機(島津製作所社製 オートグラフAG-Xplus)にて、2mm/分の速度で荷重をかけて三点曲げ試験を行った。
Claims (7)
- リグニン誘導体を植物由来化合物とフェノール類とを用いて変性したことを特徴とする変性リグニン誘導体と、
ジエン系ゴムとを含むゴム組成物であって、
前記植物由来化合物が、カシューオイル、ウルシ抽出物、カルダノール、カードル、メチルカードル、アナカルド酸、ウルシオール、ラッコール、チチオール及びそれらの精製物から選ばれる少なくとも1種以上を含むものであり、
前記フェノール類が、フェノール又はアルキルフェノールである、ゴム組成物。 - 前記リグニン誘導体100重量部に対して、植物由来化合物を0.01〜300重量部を用いて変性させたものである請求項1に記載のゴム組成物。
- 前記リグニン誘導体が、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)分析により測定されたポリスチレン換算の数平均分子量が200〜5000であるものを含有するものである請求項1又は2に記載のゴム組成物。
- 前記リグニン誘導体の軟化点が200℃以下であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のゴム組成物。
- さらに、充填剤を含有するものである請求項1ないし4のいずれかに記載のゴム組成物。
- 前記充填剤は、少なくともカーボンブラック、シリカ、アルミナ、およびセルロースファイバーよりなる群から選択される1種以上を含有するものである、請求項5に記載のゴム組成物。
- 請求項1ないし6のいずれか1項に記載のゴム組成物を硬化して得られることを特徴とする硬化物。
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