JP2013049746A - ゴム配合用フェノール樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ゴムに配合した場合、低発熱性を悪化させず、靭性や伸びの低下を招くことなくゴム配合組成物に高い機械的強度を付与することができ、且つ、ゴム配合組成物混練時の粘度上昇が抑えられ、作業性を改善することができるゴム配合用フェノール樹脂組成物と前記フェノール樹脂組成物を配合してなるゴム配合組成物を提供するものである。
【解決手段】 ノボラック型フェノール樹脂と、アルキルレゾルシノールまたはアルキルレゾルシノール樹脂とを含有するゴム補強用樹脂組成物であって、前記樹脂組成物は、軟化点が70〜130℃の固形状である。前記樹脂組成物全体に対して、前記アルキルレゾルシノールまたはアルキルレゾルシノール樹脂の含有量が1〜50重量%であり、アルキルレゾルシノールまたはアルキルレゾルシノール樹脂は、軟化点110℃以下の固形状または液状である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ゴム配合用フェノール樹脂組成物に関するものである。
フェノール樹脂は、自動車や航空機用のタイヤへの配合をはじめ、土木・建築用材料、各種工業製品材料、汎用日用品など様々な種類の用途に用いられている。これらの中でも、自動車用タイヤなどに用いられるゴム材料には、原料ゴムに様々な添加剤を加えた複合材料が使用され、要求される耐摩耗性、耐クラック性、耐外傷性、低発熱性など種々の特性向上が試みられている。
例えば、タイヤの主原料であるゴムには、BR(ブタジエンゴム)、SBR(スチレン−ブタジエンゴム)などの各種合成ゴムや天然ゴムが用いられるが、これらのゴム材料に、タイヤ用途に適した耐摩耗性能や機械的強度を与えるためには、フェノール樹脂のような弾性率の高い熱硬化性樹脂を配合したり、硫黄、加硫促進剤、カーボンブラック等の配合剤を多量に配合したりする方法などが実施されている。
ゴム材料などの各種材料にフェノール樹脂を配合する場合、通常はノボラック型のフェノール樹脂を硬化剤であるヘキサメチレンテトラミンとともに用いるが、一般的にノボラック型フェノール樹脂は極性の低い物質とは相溶性が悪く、単に配合しただけではいわゆる海島構造になり目的とする材料の特性の向上が難しい。このため、ノボラック型フェノール樹脂として、オクチルフェノールやノニルフェノールに代表されるアルキルフェノールを用いたアルキルフェノール変性ノボラック型フェノール樹脂を用い、フェノール樹脂骨格中に比較的長鎖のアルキル基を導入することにより、原料である成分との相溶性を改善する試みがなされてきた(例えば、特許文献1参照。)。
一方で、近年、環境保護の観点から、タイヤの低転がり抵抗性は重要な性能となっている。一般的に、フェノール樹脂を添加すると弾性率は高くなるが、低発熱性は悪化する。そのため、低発熱性の悪化を抑制しながら、弾性率の向上を目指す手法として、軟化剤の添加による高軟化点樹脂の分散性の改善などが試みられている。しかし、加硫後のゴムに残留した軟化剤が、弾性率その他の物性に悪影響を及ぼしたり、未加硫粘度が上昇し、加工性に問題が出たりする場合があり、十分な効果が得られているとは言い難い。
特開2003−292784号公報
本発明は、ゴムに配合した場合、ゴムとの相溶性に優れ、低発熱性を悪化させず、また、靭性や伸びの低下を招くことなくゴム配合組成物に高い弾性率を付与することができ、ゴム配合組成物混練時の粘度上昇を抑え作業性を改善できるフェノール樹脂を配合してなるフェノール樹脂組成物とゴム配合組成物を提供するものである。
このような目的は、以下の本発明[1]〜[5]により達成される。
[1]ノボラック型フェノール樹脂とアルキルレゾルシノールまたはアルキルレゾルシノール樹脂とを含有するゴム配合用フェノール樹脂組成物であって、前記樹脂組成物は、軟化点が70〜130℃の固形状であることを特徴とするゴム配合用樹脂組成物。
[2]前記樹脂組成物全体に対して、前記アルキルレゾルシノールまたはアルキルレゾルシノール樹脂の含有量が1〜50%である[1]に記載にゴム配合用樹脂組成物。
[3]前記アルキルレゾルシノールまたはアルキルレゾルシノール樹脂が軟化点110℃以下の固形状または液状であることを特徴とする[1]または[2]に記載のゴム配合用樹脂組成物。
[4]前記ノボラック型フェノール樹脂の軟化点が80〜200℃である[1]ないし[3]のいずれかに記載のゴム配合用樹脂組成物。
[5] 前記[1]〜[4]のいずれか1項に記載の変性フェノール樹脂組成物を配合してなるゴム配合組成物。
本発明の樹脂組成物をゴムに配合することにより、低発熱性を悪化させず、靭性や伸びの低下を招くことなくゴム配合組成物に高い機械的強度を付与することができ、且つ、ゴム配合組成物混練時の粘度上昇が抑えられ、作業性を改善することができる。
以下に、本発明について詳細に説明する。
まず、本発明のフェノール樹脂組成物について説明する。
本発明のフェノール樹脂組成物は、ノボラック型フェノール樹脂とアルキルレゾルシノールまたはアルキルレゾルシノール樹脂とを含有してなることを特徴とする。
本発明のノボラック型フェノール樹脂に用いられるフェノール類としては、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール等のクレゾール類、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール等のキシレノール類、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール等のエチルフェノール類、イソプロピルフェノール、ブチルフェノール、p−tert−ブチルフェノール等のブチルフェノール類、p−tert−アミルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−クミルフェノール等のアルキルフェノール類、フルオロフェノール、クロロフェノール、ブロモフェノール、ヨードフェノール等のハロゲン化フェノール類、p−フェニルフェノール、アミノフェノール、ニトロフェノール、ジニトロフェノール、トリニトロフェノール等の1価フェノール置換体、及び、1−ナフトール、2−ナフトール等の1価のフェノール類、レゾルシン、アルキルレゾルシノール、ピロガロール、カテコール、アルキルカテコール、ハイドロキノン、アルキルハイドロキノン、フロログルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ジヒドロキシナフタリン等の多価フェノール類などが挙げられる。これらを単独あるいは2種以上を混合して使用することができる。
これらのフェノール類の中でも、フェノール、クレゾール類、ビスフェノールAから選ばれるものが好ましい。これにより、本発明のフェノール樹脂組成物を用いたゴム配合組成物において、機械的強度を高めることができる。
これらのフェノール類の中でも、経済的に有利なフェノール、クレゾール類から選ばれるものが好ましい。
また、本発明のノボラック型フェノール樹脂に用いられるアルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ポリオキシメチレン、クロラール、ヘキサメチレンテトラミン、フルフラール、グリオキザール、n−ブチルアルデヒド、カプロアルデヒド、アリルアルデヒド、ベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、アクロレイン、テトラオキシメチレン、フェニルアセトアルデヒド、o−トルアルデヒド、サリチルアルデヒド等が挙げられる。これらを単独または2種類以上組み合わせて使用することができる。
これらのアルデヒド類の中でも、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドから選ばれるものが好ましい。これにより、フェノール樹脂を合成する際の反応性を高くすることができる。
本発明に用いる固形フェノール樹脂の合成方法としては、フェノール類および上述したアルデヒド類を酸性触媒の存在下で反応させた後、脱水工程により水を除去して得ることができる。
本発明に用いるノボラック型フェノール樹脂に用いる触媒としては、例えば、蓚酸、塩酸、硫酸、ジエチル硫酸、パラトルエンスルホン酸等の酸類、酢酸亜鉛等の金属塩類を単独または2種類以上併せて使用できる。上記酸性触媒の使用量としては、フェノール類1モルに対して、通常、0.001〜0.2モルとすることができる。
本発明のフェノール樹脂の製造において、フェノール類とアルデヒド類との反応モル比(アルデヒド類のモル数/フェノール類のモル数=F/P)としては、0.10〜1.00とすることが好ましい。さらに好ましくは、0.30〜0.90である。
上記モル比が上記下限値未満であると、固形のフェノール樹脂が得られない場合があり、上記上限値を超えるとゲル化物を生成する可能性がある。
本発明のフェノール樹脂は、オイル類、ゴム類などの各種変性剤によって変性されていても良い。
変性に用いるオイル類としては、カシューナット油(カルドール、カルダノール、アナカルド酸等)、亜麻仁油、エノ油、桐油、ゴマ油、ナタネ油、綿実油、大豆油、ツバキ油、オリーブ油、ヒマシ油、トールオイル(オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノール酸、エレオステアリン酸等)等の植物油、ロジン(アビエチン酸、ピマール酸等)を含む各種テルペン類、各種変性シリコーンオイル等が挙げられる。これらを単独あるいは2種以上を混合して使用することができる。保存安定性を考慮すると、カシューオイル変性フェノール樹脂が好ましい。
変性に用いるゴム類としては、ジエン系ゴム、シリコーン系ゴム、ウレタン系ゴム、多硫化ゴムなどを単独、あるいはこれらのうち2種以上を用いることができ、官能基によって変性された液状ゴム類も用いることができる。
上記変性フェノール樹脂の軟化点は80〜200℃であることが好ましい。さらに好ましくは90〜150℃である。軟化点が前記下限値未満では固形状態を維持することが難しいために作業性に劣り、前記上限値を超えると生産上困難になる場合がある。
本発明のフェノール樹脂組成物は、アルキルレゾルシノールまたはアルキルレゾルシノール樹脂とを含有してなることを特徴とする。アルキルレゾルシノールとしては、例えば、5−メチルレゾルシノール、5−エチルレゾルシノール、5−プロピルレゾルシノール、5−ブチルレゾルシノール、5−ペンチルレゾルシノール、5−ヘキシルレゾルシノール、5−ヘプチルレゾルシノール、5−オクチルレゾルシノール、5−ノニルレゾルシノール、5−デシルレゾルシノール、5−ウンデシルレゾルシノール、5−ドデシルレゾルシノール、2−メチルレゾルシノール、4−メチルレゾルシノール、2,5−ジメチルレゾルシノール、4,5−ジメチルレゾルシノール、等が挙げられる。これらを単独または2種類以上組み合わせて使用することができる。
本発明に用いるアルキルレゾルシノール樹脂の合成方法としては、アルキルレゾルシノール、及び上述したアルデヒド類を、酸性触媒の存在下で反応させた後、脱水工程により水を除去して得ることができる。
本発明に用いるアルキルレゾルシノール樹脂に用いる触媒としては、蓚酸、塩酸、硫酸、ジエチル硫酸、パラトルエンスルホン酸等の酸類を単独または2種類以上併用して使用できる。また、レゾルシノールそのものが酸性を示すため、無触媒でも合成することができる。
本発明に用いるアルキルレゾルシノール樹脂の合成において、アルキルレゾルシノールとアルデヒド類との反応モル比としては、アルキルレゾルシノール1モルに対して、アルデヒド類0.40〜0.80モルとすることが好ましい。さらに好ましくは、アルデヒド類0.45〜0.75モルである。前記モル比が前記下限値未満であると樹脂の取り扱いが難しくなる場合があり、前記上限値を超えると反応制御が困難になる場合がある。
本発明に用いるアルキルレゾルシノール樹脂は軟化点110℃以下の固形状または液状であることが好ましい。前記軟化点を超えると、ノボラック型フェノール樹脂の軟化効果が小さくなり、樹脂のゴム中への分散性が悪くなることによって、ゴムに十分な硬度、弾性率を与えることができなくなる。
また、本発明のゴム配合用樹脂組成物におけるアルキルレゾルシノールまたはアルキルレゾルシノール樹脂含有量は、前記樹脂組成物全体に対して1〜50重量%であり、さらに好ましくは5〜40重量%である。アルキルレゾルシノールまたはアルキルレゾルシノール樹脂含有量が前記下限値未満であると軟化点低減効果が不十分となり、樹脂のゴム中への分散性が悪くなることによって、ゴムに十分な硬度、弾性率を与えることができなくなる。前記上限値を超えると、軟化剤としての働きが大きくなり、ゴムの硬度、弾性率が低下する可能性がある。
上記ゴム配合用フェノール樹脂組成物の軟化点は70〜130℃である。さらに好ましくは80〜110℃である。軟化点が前記下限値未満では固形状態を維持することが難しいために作業性に劣り、前記上限値を超えるとゴムへの相溶性が悪化するため、好ましくない。
本発明のゴム補強用樹脂組成物において、ノボラック型フェノール樹脂とアルキルレゾルシノールまたはアルキルレゾルシノール樹脂とを混合する方法は、両成分が均一に混合分散しうる方法であればよく、特に限定されない。例えば、反応途中のノボラック型フェノール樹脂中にアルキルレゾルシノールまたはアルキルレゾルシノール樹脂を添加し混合する方法、反応が終了したノボラック型フェノール樹脂中にアルキルレゾルシノールまたはアルキルレゾルシノール樹脂を添加し混合する方法等がある。
次に、本発明のゴム配合組成物について説明する。
本発明のゴム配合組成物は、上記本発明のフェノール樹脂組成物を配合してなることを特徴とする。
本発明に係るゴム配合組成物には、ゴム及び本発明のフェノール樹脂組成物に加えて、その他の補強剤(フィラー)、加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤などのタイヤ用、その他一般ゴム用に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、係る添加剤は一般的な方法で混練して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。
本発明のゴム配合組成物に適用されるゴムは、天然ゴム、スチレンブタジエン共重合ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、アクリロニトリルブタジエン共重合ゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム及びエチレン・プロピレンゴムからなる群から選ばれる。それぞれ単独のゴムからなるものであっても、また2種以上のゴムのブレンド物であってもよい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
ここに記載されている「部」は「重量部」を、「%」は「重量%」を示す。
(実施例1)
撹拌装置、還流冷却器及び温度計を備えた反応装置に、フェノール1000部、37%ホルムアルデヒド水溶液733部および蓚酸20部を仕込み後、徐々に昇温し温度が95℃に達してから120分間還流反応を行った(モル比=0.849)。次いで、系内を650mmHgの減圧下で系内の温度が220℃に昇温したところで、系内を常圧に戻し、120℃まで降温して5−メチルレゾルシノール122部を添加し、よく撹拌した後、反応装置より取り出して、軟化点119℃の樹脂1220部を得た(5−メチルレゾルシノール含有量10%)。
(実施例2)
実施例1において、5−メチルレゾルシノール122部を471部に変えた以外は、実施例1と同様に反応を行い、軟化点92℃の樹脂1569部を得た(5−メチルレゾルシノール含有量30%)。
(実施例3)
撹拌装置、還流冷却器及び温度計を備えた反応装置に、5−メチルレゾルシノール1000部、シュウ酸3部を加えた。100℃になるまで加熱して、37%ホルムアルデヒド水溶液200部を30分間かけて逐添した(モル比=0.306)。その後1時間還流させ、反応によって生じる水の常圧除去、真空除去を170℃になるまで行ない、常温で液状の5−メチルレゾルシノール樹脂860部を得た。
また、別の撹拌装置、還流冷却器及び温度計を備えた反応装置に、フェノール1000部、37%ホルムアルデヒド水溶液733部および蓚酸20部を仕込み後、徐々に昇温し温度が95℃に達してから120分間還流反応を行った(モル比=0.849)。次いで、系内を650mmHgの減圧下で系内の温度が220℃に昇温したところで、系内を常圧に戻し、120℃まで降温して前段で得られた5−メチルレゾルシノール樹脂275部を添加し、よく撹拌した後、反応装置より取り出して、軟化点121℃の樹脂1373部を得た(5−メチルレゾルシノール樹脂含有量20%)。
(実施例4)
実施例3において、5−メチルレゾルシノール樹脂添加量275部を732部に変えた以外は、実施例3と同様に反応を行い、軟化点90℃の樹脂1830部を得た(5−メチルレゾルシノール樹脂含有量40%)。
(実施例5)
実施例1と同様の反応装置に、クレゾール1000部、37%ホルムアルデヒド水溶液563部および蓚酸20部を仕込み後、徐々に昇温し温度が95℃に達してから120分間還流反応を行った(モル比=0.750)。次いで、系内を650mmHgの減圧下で系内の温度が220℃に昇温したところで、系内を常圧に戻し、120℃まで降温して5−メチルレゾルシノール176部を添加し、よく撹拌した後、反応装置より取り出して、軟化点120℃の樹脂1171部を得た(5−メチルレゾルシノール含有量15%)。
(実施例6)
実施例5において、5−メチルレゾルシノール176部を536部に変えた以外は、実施例1と同様に反応を行い、軟化点90℃の樹脂1531部を得た(5−メチルレゾルシノール含有量35%)。
(比較例1)
実施例1において、5−メチルレゾルシノールを加えない以外は、実施例1と同様に反応を行い、軟化点135℃のフェノール樹脂1098部を得た。
(比較例2)
実施例5において、5−メチルレゾルシノールを加えない以外は、実施例5と同様に反応を行い、軟化点159℃のフェノール樹脂995部を得た。
(比較例3)
実施例1において、5−メチルレゾルシノールを加えず、37%ホルムアルデヒド水溶液733部を690部にした以外は、実施例1と同様に反応を行い、軟化点121℃のフェノール樹脂1051部を得た(モル比=0.80)。
(比較例4)
実施例1において、5−メチルレゾルシノールを加えず、37%ホルムアルデヒド水溶液733部を561部にした以外は、実施例1と同様に反応を行い、軟化点92℃のフェノール樹脂932部を得た(モル比=0.65)。
(比較例5)
実施例1において、5−メチルレゾルシノール122部をジエチレングリコール275部にした以外は、実施例1と同様に反応を行い、軟化点91℃のフェノール樹脂1373部を得た(ジエチレングリコール含有量20%)。
実施例1〜6の本発明の変性フェノール樹脂と、比較例1〜5のフェノール樹脂について、表1に示す。
Figure 2013049746
<ゴム配合組成物の製造>
上記実施例、比較例で得られたフェノール樹脂の特性を確認するため、ゴム配合組成物を調製し物性の評価を行った。
実施例1〜6および比較例1〜5で得られた樹脂を用い、表2に示す配合(重量部)で100℃で加熱混練した各種ゴム配合組成物を油圧プレスにて160℃20分間加硫して、厚さ2mmの加硫ゴムシートを作製し、それぞれ実施例11〜16および比較例11〜15とした。また、樹脂を配合しないゴム配合物を比較例16とした。評価結果を表3に示す。
Figure 2013049746
以下に、実施例および比較例において用いた各種原料について説明する。
天然ゴム:東知製RSS3
硬化剤:ヘキサメチレンテトラミン
カーボンブラック:三菱化学社製、HAF
酸化亜鉛:堺化学工業社製
ステアリン酸:日油社製ビーズステアリン酸YR
硫黄:細井化学工業社製、微粉硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業社製、MSA−G
Figure 2013049746
(a)ムーニー粘度
JIS K 6300に準拠して、東洋精機社製ムーニー粘度計を用いムーニー粘度を測定した。
(b)硬度(タイプD)
JIS K 6253に準拠して、東洋精機社製デュロメーターを用い硬さ(タイプD)を測定した。
(c)切断時伸び/JIS K6251に準拠して、東洋精機社製ストログラフを用い、引張速度50mm/分で測定した
(d)貯蔵弾性率、tanδ
TAインスツルメント社製動的粘弾性測定装置を用い、動的歪2%の条件下で、50℃における貯蔵弾性率とtanδを測定した。tanδが低いほど低発熱性が良好で、タイヤにしたときの転がり抵抗が低くなると言える。
表3の結果から明らかなように、実施例1〜6で得られた本発明のゴム配合用フェノール樹脂組成物を配合した実施例11〜16のゴム配合物は、比較例16の樹脂を配合していないゴム配合物に比べて硬度、弾性率、切断時伸びが向上し、高い補強効果を示した。一方でtanδの値は低く、低発熱性は良好であった。また、ムーニー粘度も減少し、ゴム加工性も実質的に損なわれない結果となった。アルキルレゾルシノールを添加していないフェノール樹脂を配合した比較例11、12のゴム組成物は、補強効果が小さく、tanδの増加もみられた。これは、比較例1、2で得られたノボラック型フェノール樹脂の軟化点が高いため、ゴム中への樹脂の分散が悪化したためと考えられる。比較例13、14の軟化点が低いフェノール樹脂を配合したゴム組成物は、補強効果はみられたものの、tanδが大幅に増加した。また、比較例15のジエチレングリコールを配合フェノール樹脂のゴム組成物は、補強効果はみられたものの実施例11〜16には及ばず、ムーニー粘度が上昇し、加工性の悪化がみられる結果であった。これは、アルキルレゾルシノールおよびアルキルレゾルシノール樹脂は加硫中に硬化剤と反応することで架橋構造を形成し、弾性率向上およびtanδ維持に貢献しているが、ジエチレングリコールはゴム中に残留することでゴム物性に悪影響を与えているためと考えられる。
本発明の樹脂組成物をゴム補強用に用いた場合、転がり抵抗を悪化させることなく、高硬度、高弾性率のゴム組成物を得ることができる。従って、従来転がり抵抗が悪化するために使用できなかったタイヤ用ゴム組成物の弾性率向上に効果的である。

Claims (5)

  1. ノボラック型フェノール樹脂とアルキルレゾルシノールまたはアルキルレゾルシノール樹脂とを含有するゴム配合用フェノール樹脂組成物であって、前記樹脂組成物は、軟化点が70〜130℃の固形状であることを特徴とするゴム配合用樹脂組成物。
  2. 前記樹脂組成物全体に対して、前記アルキルレゾルシノールまたはアルキルレゾルシノール樹脂の含有量が1〜50%である請求項1に記載にゴム配合用樹脂組成物。
  3. 前記アルキルレゾルシノールまたはアルキルレゾルシノール樹脂が軟化点110℃以下の固形状または液状であることを特徴とする請求項1または2に記載のゴム配合用樹脂組成物。
  4. 前記ノボラック型フェノール樹脂の軟化点が80〜200℃である請求項1ないし3のいずれかに記載のゴム配合用樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の変性フェノール樹脂組成物を配合してなるゴム配合組成物。
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