JP6554635B2 - 凸状連結構造物を構成する一連の箱状構造物と凸状連結構造物の構築方法 - Google Patents
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Description
また、アーチを構成する一対のアーチ部材を直列に並べた後にピン構造で連結して、両端部を引寄せて中央部を盛り上げてアーチを構築する方法などがある(特許文献2参照)。
前記特許文献1においては、現場で支保工を組立、その上に箱や部材をアーチ状に組み合わせて、アーチを完成させる方法である。安定したアーチが完成した後に支保工を解体する。支保工の作業が作業エリアを長期間にわたり占有する。またアーチ部材の組立作業に加えて、支保工の組立や解体作業があるため全体の工事工程が長くなる。
力の加え方の観点から見て、アーチ組立終了後の支保工を外す段階でアーチ構造の両端部を引寄せてアーチをむくり上げて形成する構造物である。材料のひずみ、たわみや曲がりやゆがみに基づくむくりという現象による、むくりの量はわずかである。
また支保工によるアーチ構築方法では、図5で表すような中心角180度以上の円形構造物を構築する場合、構造物の一部が上下二層になっているので、一度の支保工組立では困難である。
横一列に並べる2個以上の箱状構造物2からなる一連の箱状構造物1であって、
隣り合う箱状構造物の向い合う面2aはお互いに係合する形状であり、
隣り合う箱状構造物は相互の箱状構造物に対する上下方向へのずれ止め装置3を有し、
各箱状構造物は一連の箱状構造物の箱状構造物間に圧縮力を導入するための引張材配置装置4を有し、
各箱状構造物のうち下面の幅2iが上面の幅2hより短い形状の箱状構造物2dがあって、
基盤1b上で横一列に接して並べたとき、隣り合う箱状構造物との間に、下に開いた空間2fができることを特徴とする凸状連結構造物を構成する一連の箱状構造物である。
このような一連の箱状構造物を用いて、引張材配置装置に設置された引張材に引張力を加えることで、隣り合う箱状構造物が接近して、隣り合う箱状構造物の向い合う面2aが接着して、基盤上で横に並んでいた一連の箱状構造物が隣り合う箱状構造物と接着する方向に向きを変えて、箱状構造物の中央部が箱状構造物の端部に支えられて浮き上がり、短期間に容易にアーチや凸状の連結構造物を構築することが可能な一連の箱状構造物である。
また図3のA図と図4のA図に表わすように、
一連の箱状構造物の端部側に下面の幅が上面の幅より長い形状の箱状構造物2eを配置して、隣り合う箱状構造物との間に上に開いた空間2gができることを特徴とする一連の箱状構造物とすることもできる。
このように一連の箱状構造物の端部側に、箱状構造物間に上に開いた空間を設けることで、引張材に引張力を加える際に、一連の箱状構造物の端部の箱状構造物2jが基盤1bと角度を変えることなく基盤に沿って移動するだけとすることが可能で、凸状連結構造物を構築することが非常に容易となる一連の箱状構造物を構成することが出来る。
1.本発明の凸状連結構造物を構成する一連の箱状構造物を用いて大屋根や橋梁のアーチ構造体を構築する場合に、支保工を必要とせず、工期と工費を削減することが出来る。
2.本発明の箱状構造物にも、部材の収縮、たわみ、そり、むくりなどのわずかな変移量はもちろん発生する。しかし、あらかじめ部材(本発明では箱状構造物)の間に空間を設けていることで、むくりやたわみよりも大きな形状の変化(凸状形状にする)を容易にした。
3.本発明の凸状連結構造物を構成する箱状構造物は、箱状構造物間にあらかじめ設けた空間をなくすことで凸状連結構造物を構築する方法である。また箱状構造物の中(上下方向の位置で箱状構造物の上面と下面の間)を貫通して引張材が配置されているため、箱状構造物は安定して引張材が短くなる方向(隣り合う箱の面が接着する方向)に動く。本願の一連の箱状構造物を多数直列に並べて引張材を引張した場合、前記先行技術文献2のピン構造と異なり、上下方向にぶれることなく目的とした凸型形状を構築することが可能である。
4.本発明の一連の箱状構造物で構築された凸状連結構造物は、箱状構造物の内部あるいは箱状構造物の側面に沿って引張材を配置しているので、引張材を引張したまま定着することで、いわゆるポストテンションPC桁のように、恒久的に引張力を部材の内部に圧縮力として作用させ続けることが出来る。従って、一般的なアーチ構造物が必要とする水平方向の引張材や外力のアンカー等の押え構造物は不要であり、その分のコストや敷地を節約することができる。
5.橋や大屋根を構築する場合には、本願発明の一連の箱状構造物を複数列並べて容易に全体幅のアーチ状の主構造部材を構築することが可能である。都市内の立体交差道路などを造る場合には、あらかじめ地下2m程の空間に本願発明の一連の箱状構造物を並べておいて、夜間の数時間で引張材を引張して地上に凸状連結構造物(橋の下部工兼上部工)を造ることなどが可能である。支保工を必要としないので、その分の作業時間を省略することができる。
図5で表すような中心角度180度以上のトンネル構造や、屋根、壁と基礎が一体構造の建築構造物も、支保工やクレーンを使うことなしに容易に構築することが可能である。また、体育館やトンネルなどの奥行の長い構造物の構築に当っては、凸状連結構造物を構築する基盤は一カ所として、完成した凸状連結構造物を横取りする方法で、複数の凸状連結構造物を並列に並べることで、工事に使用する敷地や工期、工費を縮減することができる。
まず本発明の一連の箱状構造物に関して、力の作用と部材の変形の観点から図6を参照して説明する。
図6のA図は、一般的な橋梁工事におけるポストテンション方式のプレストレストコンクリート桁11(以下PC桁と記載する)の製作途中の状態を概念的に表している。コンクリートを打設してまだPC鋼材の引張材4aを緊張する前の状態である。桁の下部に配置されたPC鋼材を引張すると、コンクリートに圧縮力がかかり、その圧縮力によってPC桁の下部がわずかに収縮するため、桁の中央部がそり(むくりとも呼ばれる)上がる現象がある。そのため、実際のPC桁を製作する現場では、A図のようにあらかじめそりによる浮き上がり量を予測して、わずかではあるが、相当量を下に凸の状態に底面型枠を製作してコンクリートを打設する。
ここで記述したいことは、重いコンクリートのPC桁であっても引張材の引張力によって、桁内部に圧縮力が作用して、桁の中央部分がそり上がる(浮き上がる)という現象がある、ということである。
D図は基盤1b上で横に接して並べる2個以上の箱状構造物2からなる一連の箱状構造物1aを概念的に表している。各箱状構造物は一連の箱状構造物1aを通じて圧縮力を導入するための引張材配置装置4を有し、各箱状構造物のうち下面の幅2iが上面の幅2hより短い形状の箱状構造物2dがある。
ここで、前述のPC桁で説明したように、引張材を引張して一連の箱状構造物の軸方向に圧縮力を加えることで、E図に表すような中央部の箱状構造物2kが浮き上がるという現象を造りだすことが可能である。本発明の特徴は、圧縮力による箱状構造物の素材のわずかな縮小に起因する桁のそりを利用することではなく、箱状構造物の上面の幅2hと下面の幅2iの長さの違いによって、あらかじめ用意された箱状構造物の間の下に開いた空間2fを活用して中央部分の箱状構造物2kを浮き上がらせることにある。
尚、一連の箱状構造物が凸状連結構造物へと形状の変化をなす過程で、凸状連結構造物が直角方向に転倒しないように、一連の箱状構造物は十分な奥行(幅)を有するものとする、または転倒抑止の措置が取られるものとする。
一連の箱状構造物を横に並べるための基盤であって、上下方向のずれ止め装置を機能させることができ、引張材配置装置に引張材が配置できる程度に基礎上に傾斜や折れ曲がりがあっても良い。基盤は木材、鋼板、コンクリートなどで構築した床で良い。あるいは、基盤はレールやH鋼を並べた線路状の形状であっても良い。
また基盤の端部にあっては、一連の箱状構造物の少なくとも一方の端部がすべり構造またはローラー構造等を使って移動するため、上からの荷重に対して耐力のある基礎やレールの敷設があると良い。
箱状構造物を横に接するとは以下のような状態をいう。箱状構造物の上面または下面が隣の箱状構造物と接することである。隣の箱状構造物と向い合う面が全面的に接することであっても良い。また、以下で説明するように、上下方向のずれ止め装置や隙間の開き止め装置が機能することが明らかな場合には、箱状構造物と箱状構造物が離れていても良い。
一列とは、3個以上の箱状構造物を使用する場合に、直列に並ぶことであって、直線に並ぶことを意味していない。
本願での箱状とは、双三角錐や五角錐などを含まない、いわゆる四角い箱を言い、四角錐台や平行六面体の概念を含んだ六つの面で囲まれた形状の箱を言う。
また、本願の箱状構造物は必ずしも外面が面で構成された箱でなく、箱状の枠組み構造でもあっても良い。
略直方体の形状の箱状構造物は製作し易く、荷重や応力計算をする上で容易であって良い。箱状構造物の上面、下面および隣り合う箱状構造物と合い向かう面の形状は四角形や台形が良い。また一連の箱状構造物のうち少なくとも一つの箱状構造物の下面の幅は上面の幅より短い形状であるとよい。このことは、基盤上において隣り合う箱状構造物との間で下に開いた空間ができる要因である。
箱状構造物はコンクリート、鋼材、樹脂や硬い木材などの素材で構成され、箱として圧縮力に対して変形が小さく、ひずみやたわみが極力小さくなるような形状や構造を採用した箱状構造物がよい。コンクリートは重いので中空である方が良い。
また上記の素材を箱状構造物の梁、支柱等の構造部材として用いた箱状構造物であっても良い。またその構造部材の外面を鋼板、樹脂あるいは紙板等で覆って、内部を中空とした箱状構造物であっても良い。
尚、一連の箱状構造物が凸状連結構造物となった後に箱状構造物の内部にコンクリート等を充填する場合には、箱状構造物の内部にあらかじめ補強の鉄筋を組込むことがあっても良い。
図7は本願発明の箱状構造物を概念的に表した斜視図である。
A図は鉄板製の一連の箱状構造物の一つを表した図であり、引張材配置装置4の周辺の受圧部分4fは引張材から受ける圧縮力に耐えるように強化された箱状構造物である。
B図は、本発明の別の形態の一連の箱状構造物の一つを表した図であり、箱状構造物の下方は引張材によって圧縮力が大きく作用する引張材配置装置4の周辺の受圧部分4fでコンクリート造とし、箱状構造物の上方は圧縮力が小さい部分であり金属(鉄骨構造)とした、混合構造の箱状構造物である。
A図、B図で表したいずれの箱状構造物も隣り合う箱状構造物の向い合う面は係合する形状に構成されて、隣り合う箱状構造物は相互の箱状構造物に対する上下方向へのずれ止め装置3を有し、各箱状構造物は一連の箱状構造物を通じて圧縮力を導入するための引張材配置装置4を有している。
また一連の箱状構造物の中に、下面の幅2iが上面の幅2hより短い形状の箱状構造物を含むと、本発明の特徴である下に開いた空間を造ることができる。
一連の箱状構造物の両端部を除いて、各箱状構造物の側面は隣り合う箱状構造物と向い合う面である。隣り合う箱状構造物の向い合う面が係合する形状であるということは、隣接する箱状構造物の引張材4aを通す貫通孔などの引張材配置装置4の位置や、接着面に作用する圧縮力に対して剛である受圧部分4fの位置などが係合することである。また、隣り合う箱状構造物に対する上下方向のずれ止め装置3、例えば隣り合う箱状構造物の向い合う面に凹凸を設ける場合には、その凹凸の形状や位置などが係合することである。
向い合う面が接着するとは、面と面との全面が接着することだけではなく、面の中の少なくとも3箇所が接着することでよい。面は3点(3箇所)支持の状態となって安定する。その3箇所は圧縮力に耐える圧縮強度が必要である。箱状構造物は略長方形であるため4隅付近の4箇所が接着することが望ましい。向い合う面のその他の領域は強度が無くともよい、あるいは面と面が接触していなくとも構わない。
凸状連結構造物とは、一連の箱状構造物が引張材の引張力によって隣り合う箱状構造物相互に圧縮力が作用して、隣り合う面が接着することによって、略水平面上に並べられた一連の箱状構造物が、上または下の方向に凸状になり、かつ箱状構造物間に圧縮力作用して連結された構造物であることをいう。
本発明では多くの箱状構造物を使って、擬似アーチや円弧形、放物線の形状、門型、トンネルの形状等をなすことができる。また、箱状構造物の数が少ない一連の箱状構造物では角張った凸状になる。しかし、箱状構造物の上面と下面に曲面を採用することで、全体としてなめらかな曲線の凸状を造りだすことも可能である。
尚、凸状の形状が略アーチ形状で、自重や外力によって箱状構造物間に圧縮力が作用する場合には、両端部の箱状構造物の水平方向への移動を拘束することによって、アーチ構造となって引張材から引張力を抜いても形状が保たれる。あるいは、引張材そのものを除去しても形状は保たれる。
引張材はたわみ性のあるワイヤーやロープ状のもので伸びの少ないものがよい。また引張材の素材はPC鋼線や炭素繊維、アラミド繊維等の引張耐力の大きい素材がよい。しかし、採用する箱状構造物が軽量である場合には引張耐力の小さいロープや針金であっても良い。
引張材の長さは一連の箱状構造物を通じて連続する一本の引張材であっても良い。また、複数の引張材定着装置を用いて、不連続に引張材を配置して、全体として一連の箱状構造物間に圧縮力が作用する方法であっても良い。並列に複数本の引張材が配置されることであっても良い。
引張材配置装置は引張材を収納する孔などの部分と端部に引張材定着装置を有する。引張材定着装置は、引張材を引張することと引張材を定着することが可能の装置であって、PC桁製作等に用いられる公知の装置でよい。
引張材は両端部を引張材定着装置(引張材を引張することも可能)と連結する。引張材を引張(緊張とも呼ばれる)することにより、一連の箱状構造物の間隔を狭め、離れていた各箱状構造物の向い合う面を接着し、さらに一連の箱状構造物間に圧縮力を導入することができる。引張材の引張は引張材の一方または両方の端部から行う。引張材、定着装置や引張作業(緊張作業)については公知のPC橋梁等に用いる技術で良い。また、引張材の引張は遠隔操作やコンピューターによって微細な管理が可能である。
箱状構造物に設ける引張材配置装置である引張材を通す孔4cは、図8のA図に表すように直線状であっても良いし、曲線状であっても良い。一連の箱状構造物を通して1本の引張材を通す場合には、隣り合う箱状構造物相互の孔の位置にずれがないことが重要である。
また、隣り合う箱状構造物間に短い引張材を配置して箱状構造物間に圧縮力を導入することであっても良い。その場合、箱状構造物の構造部材に引張力が作用する場合がある。また引張材がオーバーラップしている場合には箱状構造物の構造部材に圧縮力が作用する。本願発明では、一連の箱状構造物間に圧縮力が導入されることが肝要ある。
尚、引張材の合計引張量(長さ)は、引張材の伸び量や箱状構造物の収縮量などの部材の変形量を無視すれば、一連の箱状構造物の箱状構造物間の開いた空間(引張材の位置の)の合計長さに等しい。従って一連の箱状構造物全体の長さと比べて、引張量はわずかであるため引張作業は短時間で終了することが出来、施工が早い工法と言える。
また、引張材は隣り合う箱状構造物との接合部分で直線とならずに折れ曲りが生じる。その折れ曲がりを小さくするために引張材配置装置の孔の端部はラッパ管状にして孔口を広げた形状を採用することも出来る。
しかし、一連の箱状構造物を並べた後に引張材を溝に沿って配置して、引張材を引張材の軸と直角方向に移動させて溝の中に配置する方法が可能であり、非常に引張材の配置作業が容易となる。引張材を溝に配置した後に、溝の一部または全部に蓋や止め具をして、引張材が溝からはみ出さないようにすると良い。
棚には、棚から引張材が外れないように留め具を設けると良い。留め具は引張材が軸方向に動くことは拘束せずに、軸直角方向に必要以上に動くことを拘束するような機能が必要である。ただし、引張材定着装置の部分は引張材の軸方向に大きな力がかかるので強固な棚とする必要がある。
隣り合う相互の箱状構造物に対する上下方向へのずれ止め装置は、図9のA図で表すように、箱状構造物の上面または下面に鋼材プレート3aをボルトで3d取付ける、いわゆるストッパーであっても良い。あるいは図9のB図で表すように相対する箱状構造物の面に係合するずれ止めの凹凸3bを設けることでもよい。あるいはさらに図9のC図で表すように、双方の箱状構造物の間に上下のずれは許さないが回転は許すヒンジ構造(ピン構造)3cの装置を設置することでもよい。
また隣り合う箱状構造物間の隙間が小さい場合は上下方向へのずれ止め装置は、簡易な構造の、短い鋼棒を双方の箱状構造物のダボ穴に挿し込むような物であってもよいし、相互の箱状構造物に係合する小さな凹凸を設けた形状でもよい。
尚、隣り合う箱が離れた位置にあっても、引張材によって相互の箱が引き寄せられたときに、列車の連結器のようにヒンジ構造が機能するような上下方向へのずれ止め装置であってもよい。
図10で表すように、引張材4aを引張して一連の箱状構造物の箱状構造物間の隙間を狭くするときに、引張材による引張力と箱状構造物の自重とのバランスの関係で、一時的に一カ所の間隔が広がる場合(広がってしまった隙間6d)がある。引張材の任意の2点を結ぶ点が引張力の方向6eであり、前後の箱状構造物が接する部分が圧縮力の作用する部位6fである。ここで隙間6dの位置に対して、引張力の方向6eの位置が圧縮力の作用する部位6fよりも遠方になった場合には、隙間6dがさらに広がる方向に引張力が作用してしまう現象が発生する。隙間の開き止め装置6を設置するとその現象を防ぐことができる。
間隔が広がってしまう傾向にある箱状構造物間に短い引張材を配置して引張力を作用させることでも良い。あるいは箱状構造物間毎に短い引張材を設置できるような引張材配置装置を設置して、箱状構造物間の引張材の引張順序を設定してバランス良く全体を引張する方法も可能である。しかし以下に説明するような隙間開き止め装置は引張材配置装置より安価で設置も簡便である。
隙間の開き止め装置は図11で表すように、箱状構造物の上面に設置された鉄板の開き止め装置6a、箱状構造物の側面に設置された長穴あけた鉄板による開き止め装置6b、箱状構造物の内部に設置されたアンカー付の鋼棒による開き止め装置6cなどの簡単な装置で箱間の隙間が広がることを防ぐことが可能である。隙間の開き止め装置6は一列に並べられた隣り合う箱状構造物の下部の間隔が広がることを防ぐことができれば、他の方法によるものであっても良い。箱状構造物の自重が軽い場合には、隣り合う箱状構造物の下部を伸びには抵抗し、縮小にはたわむワイヤーや針金等で繋ぐことでも良い。
一連の箱状構造物の端部に位置する箱状構造物2jは、基盤1bや基礎13や一連の箱状構造物に連続する一連の箱状構造物以外の箱状構造物に対して、引張材を引張したときに上下の方向を変える(端部の箱状構造物2jが立ち上がる)場合がある。その場合には一連の箱状構造物の端部の箱状構造物には図1のA図で表すような端部の箱状構造物2jに先端が曲面状の上下方向可変装置5aを備えると良い。先端が曲面であるため端部の箱状構造物は基盤1bから回転するように容易に方向を変えることができる。
図2のA図で表すような端部の箱状構造物2jにヒンジ構造の上下方向可変装置5bを備えて、基礎13に対して方向を変えることも出来る。
図2のB図はA図で表した一連の箱状構造物の引張材を引張した後の状態を表わした概念図であり、一連の箱状構造物の端部の箱状構造物2jが基礎13に対してヒンジ構造の上下方向可変装置5bを中心として回転している状態を表している。
一連の箱状構造物は引張材を引張することによって、一連の箱状構造物全体の水平方向の幅は短くなるため、端部の箱状構造物はローラーやすべり装置12を備えて、水平方向に移動が容易な構造とすると良い。
ローラー装置とは、端部の箱状構造物に車輪(ローラー)を取付けるものや、基盤の上にコロを敷き並べてその上に基礎を設置するような構造であっても良い。すべり装置は、平滑な基礎や基盤の上に、オイル塗布や、テフロン(登録商標)板やステンレス板を敷いたようなものでよい。
図12はジャッキを備えた箱状構造物7の斜視図(模式図)である。ジャッキ7a装置によって箱状構造物の上面の幅2hや下面の幅2iの長さを変えることが出来る構造である。
図3で表すように、一連の箱状構造物の中の一つの箱状構造物にジャッキを備えた箱状構造物7を採用することで、その箱状構造物の幅の長さを調整することによって、より目的に近い凸状の形状をした凸状連結構造物を構築することが出来るようになる。
図1のA図を参照にして説明するが、
基盤上1bで横に接して並べる2個以上の箱状構造物2からなる一連の箱状構造物1aがあり、箱状構造物のうち下面の幅2iが上面の幅2hより短い形状の箱状構造物2dがあると、隣り合う箱状構造物とは箱状構造物の上面のみで接して、隣り合う箱状構造物との間に下に開いた空間2fができる。A図では下に開いた空間は1箇所できている。そのとき、隣り合う箱状構造物の向い合う面が下に向かって開いた角度2mができる。
この状態で引張材に引張力を加えると、その反動で隣り合う箱状構造物の向い合う面は近づき、更に引張が続くと隣り合う箱状構造物の向い合う面は接着する。その結果、当初隣り合う箱状構造物は横に接して並んでいたが、基盤上から離れて上に凸な形状となって並ぶ状態となる。このとき隣り合う箱状構造物は下に向かって開いた角度2mと同じ角度だけ上に凸に折れ曲って並んだ状態となる。
ここで、個々の箱状構造物は引張材の引張力の反力である圧縮力に破壊されないことが重要であるが、前記PC桁の例でも説明したが、コンクリートや鋼材、樹脂等の素材であれば充分に破壊されない耐力があると言える。
角度2mが小さい下に開いた空間2fが、数多くある一連の箱状構造物の場合には、曲線に近い折れ曲がりの凸状連結構造物を構成することが可能である。
図13は一連の箱状構造物の箱状構造物間の下面にある隙間2fと、そこに生じる隣り合う箱状構造物の向い合う面とで下に向かって開いた角度2mについて説明する図であり、箱状構造物が宙に浮いた架空状態の説明用の図である。図13では、点線で表される箱状構造物は元の位置の箱状構造物が方向を変えた状態を表している。また符号2m1、2m2、2m3は個々の箇所における下に向かって開いた角度を表している。
引張材4aに引張力を導入すると両端部の引張材定着装置4bが引き寄せられた、一連の箱状構造物の隣り合う箱状構造物が接着することで、次のようなことが言える。つまり一連の箱状構造物は、一方の端部の箱状構造物2jに対して他方の端部の箱状構造物2jは、下に向かって開いた角度2m毎に角度の変化が累計されて、最終的に下に向かって開いた角度2mの合計角度2pの方向を変えることになる。
本願発明は、アーチ下部の利用空間として効果的なアーチライズの確保と部材の内部に常に圧縮力を作用させるために、アーチを単純円で表した場合にアーチの円弧の長さが円周の1/4以上(円の中心角が90度以上)が必要な長さと考えている。また現存するアーチ橋梁のアーチ形状は必ずしも円弧形状ではないが、円弧形状と類推してもアーチが円周の1/4以上であれば、アーチ構造として成立することが可能といえる。
アーチが円周の1/4のとき一連の箱状構造物の両端部の箱状構造物のなす角度は図14のA図で表すように、90度となる。
図13で表す一連の箱状構造物は、複数箇所の下に向かって開いた空間2fで、隣り合う箱状構造物と向かい合う面相互が下に向かって開いた角度2mをなして、該下に向かって開いた角度2mの合計角度2pが90度以上であると、引張材を引張後に一連の箱状構造物の両端部は相互のなす角度を変えて90度以下になり、アーチ構造(部材内部に常に圧縮力が作用する)を構築することが容易になり有利な一連の箱状構造物の構成であると言うことができる。
2mの合計角度が90度の時のアーチライズとアーチスパンは図14のB図で表すように、アーチの円弧の半径をRとして、以下の式で与えられる。
アーチライズ= R −SIN45°×R ≒0.29R
アーチスパン= 2 ×SIN45°×R ≒1.41R
凸状連結構造物の曲線の形状は円弧状に限らず、楕円形、放物線や双曲線等の曲線や折れ線を形成することが可能である。一連の箱状構造物に圧縮力だけが作用するように、箱状構造物の形状等に考慮し、一連の箱状構造物の両端部の箱状構造物2jを水平方向の力20で拘束することで、引張材配置装置の引張材から引張力を抜いても、凸状連結構造物は形状を保ち、アーチ構造物(常に箱状構造物に圧縮力が作用する)としての機能を保つことができる力学的に有利な構造物を構築することができる。また、曲げやせん断力が作用しないため鉄筋等による補強も必要とせず有利な形状となる。水平方向の力20にはアンカー、杭、重量物、タイドケーブルなどが利用できる。
図5で表すように、本願発明の凸状連結構造物は、(説明が容易な円弧状の形状で説明すると)、中心角度が180度を超える形状の円弧状の場合であっても、引張材によって一連の箱状構造物間に圧縮力が作用しているため凸状の形状を保つことができる。またこの形状の場合は、凸状連結構造物が完成した後、上方からの荷重によって両端部が中央に押される力が加わるため、両端部の間に後からコンクリート10bを間詰めしておくとより強固な構造物となる。
尚本願発明の凸状連結構造物は中心角度360度に限りなく近いほぼ円形の凸状連結構造物も構築可能である。この形状の場合には、凸状連結構造物が完成した後に、両端部を引張材やコンクリートで連結することで、力学的に強固な円形構造物とすることができる。
例として、幅50m、高さ25mの半円形の体育館の屋根の半円形の梁を、鋼管パイプの骨組みで造られた本願の一連の箱状構造部で、構築する場合、で簡単に説明する。
箱の高さを2mとすると、
横に一列に並べた箱の長さ=直径×π×1/2
=50m×3.14×1/2=78.5m
端部の箱の移動距離 =横一列の箱の長さ−完成形の幅
=78.5−50=28.5m
完成形の下側の円形の長さ=直径×π×1/2
=48m×3.14×1/2=75.4m
引張材を引張する長さ =横一列に並べた箱の長さ−下側の円弧の長さ
=78.5−75.4=3.1m
つまり、
一方または両方合わせた端部の箱は28,5mと大きく移動するが、引張材の引張長さはわずか3.1mである。引張材を3.1m引張する作業は極めて容易で短時間の作業で終えることができる。
このような凸状連結構造物の梁を複数列並べる、または奥行の長い一連の箱状構造物を用いて屋根の構造部材である梁を構築することは、経済的であり工期の短い施工であると言うことができる。
図3のA図で表すように、隣り合う箱状構造物との間で下に開いた空間2fの位置より一連の箱状構造物の端部側に、下面の幅2iが上面の幅2hより長い形状の箱状構造物2eを配置して、隣り合う箱状構造物の間に上に開いた空間2gができる一連の箱状構造物を採用することが出来る。
箱状構造物の上面の幅2hが箱状構造物の下面の幅2iより短い形状の箱状構造物を利用して、一連の箱状構造物の端部に上に開いた空間を設けることで、一連の箱状構造物の端部の箱状構造物2jに上下方向可変装置5を採用することなく凸状連結構造物を構築することも可能である。
図3のB図はA図で表わした一連の箱状構造物1の引張材を引張して凸状連結構造物の形状となった後の正面図である。図のように一連の箱状構造物間の端部に、計算された幅の上に開いた空間2gを設けることで、端部の箱状構造物2jは基盤1bに対して角度を変えることなく、基盤上を移動するように構成することが可能である。端部の箱状構造物2jは基盤1bに対して角度を変えることがないので、上下方向可変装置を必要とせず安価に簡単に製作することが出来る。また角度変更がないので、安全に凸状連結構造物を構築することができる。
図4のA図とB図は、数多くの箱状構造物で構成する本発明の別の一連の箱状構造物を表している。B図は引張材を引張後のA図の一連の箱状構造物を表している。一連の箱状構造物が凸状連結構造物となる変化の過程で、端部の箱状構造物2jは水平移動するだけであるため、基礎を省略でき、基盤の構造などが簡便な構造となるため、安価、安全、短期間に凸状連結構造物を構築することが出来る一連の箱状構造物であると言える。
なお、一連の箱状構造物の一方の端部のみに、下面の幅2iが上面の幅2hより長い形状の箱状構造物2eを配置して、一方の端部の箱状構造物2jのみを水平移動するように、一連の箱状構造物を構成することも可能である。
次に前記で説明した一連の箱状構造物を使って凸状連結構造物を構築する方法を下記の(1)〜(6)の手順にそって説明する。
引張材による箱状構造物間の圧縮力によって、箱状構造物間の下に開いた空間2fが完全になくなると、一連の箱状構造物は箱状構造物相互が接着した状態で、凸状の形状に並んで、引張材4aで引張されて一体となった凸状連結構造物となる。
尚、図5で表すような中心角180度以上の半円形構造物(トンネル構造、屋根・壁・基礎が一体の建造物)も、本願発明の一連の箱状構造物を用いて、上記説明した方法によって構築が可能である。
図6で説明したように、従来のPC桁においては、引張材の引張力の力は桁の内部に圧縮力を与え、その力が部材にひずみを生み、そりを発生させて桁の中央部分を持上げる力となる。
本発明の箱状構造物の部材も圧縮力によって若干のひずみは発生して、そりも生じるであろう。しかし、本発明の特徴は一連の箱状構造物間の軸方向に圧縮力を与えることで、隣り合う箱状構造物の係合する面の間に意図的に設けた空間がなくなり、隣り合う箱状構造物の相対的向きが変わり、一連の箱状構造物の中央部分の箱状構造物が浮き上がって、凸状連結構造物が構築されることにある。つまり、部材のひずみ量よりも桁違い大きい空間を予め設けて置くことに本願の特徴がある。
図14のA図で表すように、構築された凸状連結構造物の形状が略円形の場合には、円弧の長さが円周の1/4以上つまり両端部の箱状構造物のなす角度が90度以上で180度以下の場合には、箱状構造物の自重や上方からの荷重によって箱状構造物間に常に圧縮力が作用するアーチ状構造物を容易に構成することができる。
このように一連の箱状構造物の箱間に、常に圧縮力が作用する形状の凸状が形成された場合には、前記凸状連結構造物を構築する方法の(1)〜(6)の手順の後に、アンカー等の水平方向の外力20で、両端部の箱状構造物の水平方向の動きを拘束する方法で、引張材から引張力を消去しても圧縮力が作用し続ける安定的な凸状連結構造物(いわゆるアーチ構造で崩れない)を維持することが出来る。
図15は本発明の一連の箱状構造物の実施例の一つを表す箱状構造物の透視の斜視図である。この図では上下ずれ止め装置や開き止め装置等は表示を省略している。
図15の箱状構造物は下部がコンクリート製で上部が樹脂製の箱状構造物で構成された混合構造の箱状構造物を表した概念図である。樹脂製部分の箱状構造物は内部に空間17があり、箱状構造物の上方に固結材を注入する注入孔17aを備えた箱状構造物である。大きさは、小はビール瓶の箱程度から大は20フィートコンテナ程度の箱が適当である。一連の箱状構造物として図15で表すような箱状構造物を採用することで、凸状連結構造物を構築するまでは箱の内部に空間があり、軽くて扱い易い箱状構造物である。
箱状構造物や凸状連結構造物の前面、背面と下面を固結材が漏れないように遮蔽材19で覆って、凸状連結構造物の内部空間に注入孔17aから固結材を注入、充填することで、圧縮力に強い凸状連結構造物を構築することが可能である。遮蔽材は鋼、樹脂、布、紙などの素材の板、シート、網などの材料が適当である。
凸状連結構造物の自重に対して大きな上載荷重が作用する場合において、一例として橋梁上部工を支える凸状連結構造物を構築する場合などに、支保工が不要で施工が速く、軽い凸状連結構造物を構築後、内部空間に固結材を注入して強固で耐久性のある凸状連結構造物にすることが出来るため、優位性のある構築方法と言うことができる。
尚、固結材としては生コンクリート、発泡モルタル、発泡ウレタンや発泡スチロールなどの公知の材料を使用することができる。また、固結材の注入前に凸状連結構造物の内部に鉄筋や鉄骨の補強材を配置しておくと更に強固な躯体となる。
図16のA図は、図15で表された箱状構造物の内部を一連の箱状構造物の凸状と平行な方向に仕切り材18を用いて複数に分割した箱状構造物を表した透視の斜視図である。
引張材の引張力で構築された一連の箱状構造物の凸状連結構造物は、箱状構造物の内部に空間がある場合は外部からの荷重による圧縮力に対して弱い。その対策として、箱状構造物の内部空間に固結材を充填する方法を前記で説明したが、固結材に安価な生コンクリートやセメントグラウトを採用した場合には、その重量によって一度に固結材を注入すると、凸状連結構造物に大きな荷重が作用して、破壊するおそれも生じる。そのようなことを防ぐために、固結材を一連の箱状構造物の凸状と平行な方向に仕切り材で区分けして、区分けした部分に段階的に固結材を注入して、段階的に層状に凸状連結構造物を構築して、強度を増していく構築方法が可能である。仕切り材の材料は前記遮蔽材と同様の材料で良い。
B図は、箱状構造物16の内部に凸状と平行な方向に仕切り材18を用いた一連の箱状構造物の凸状連結構造物1cを表した正面図である。C図はB図の凸状連結構造物を側面から見た説明図である。
C図で表されるような凸状連結構造物の内部の、層状に仕切られた中央部分の空間18bにまず固結材を注入し、その固結材が硬化すると第一段階の強固な凸状連結構造を構築することができる。次に両端の18aと18cの空間に固結材を注入することで、全体の堅固な凸状連結構造物を段階的に構築する方法が可能である。尚、一連の箱状構造物の各箱状構造物を、同形の箱状構造物として工業生産することで、箱状構造物の内部に仕切り材を設けることはわずかな費用で可能である。
尚、アーチ等を構築する工法ではなく、現場にて桁を構築する方法として、プレストレストコンクリート橋(以下PC橋と記載する)のPC桁の製作方法にプレキャストブロック工法と言われる工法がある。工場で製作した短いブロックを、現場で基盤上に並べ引張材で引張して複数のブロックを一体化して長い桁を製作する工法である。この工法では、ブロックとブロックの間に下に開いた空間がないため、ブロックとブロックが角度を変えることなく引張材の力で一体化する工法であり、本願発明のように隣り合う箱状構造物の方向が重力に逆らって角度が変わるようなことはない。ただし、前記したように部材間のなじみや緩み、部材の収縮やそりやたわみのような若干の角度変化は、いずれにしても発生する。
<他の在来工法2>
また、PC橋においてブロック張出し架設工法と言われる工法がある。この工法は橋脚の頭部から水平方向に、ブロックを一つ毎引張材を使って継ぎ足して、長いPC桁を完成させる方法である。本願発明のように基盤上で複数の箱状構造物を並べることはない。従ってブロック間に下に開いた空間は存在せず、引張することによって隣り合うブロックの角度が変わるような工程がない。
このように、本願発明の凸状連結構造物を構成する一連の箱状構造物とその構築方法は在来の工法と異なる方法である。
1a:基盤上に横に並べられた一連の箱状構造物
1b:基盤
1c:凸状連結構造物
2:個々の箱状構造物
2a:隣り合う箱状構造物の向い合う面
2b:箱状構造物の上面
2c:箱状構造物の下面
2d:下面の幅が上面の幅より短い形状の箱状構造物
2e:下面の幅が上面の幅より長い形状の箱状構造物
2f:下に開いた空間
2g:上に開いた空間
2h:箱状構造物の上面の幅
2i:箱状構造物の下面の幅
2j:端部の箱状構造物
2k:中央部の箱状構造物
2l:箱状構造物の高さ
2m:隣り合う箱状構造物の向い合う面とで下に向かって開いた角度
2n:隣り合う箱状構造物の向い合う面とで上に向かって開いた角度
2p:2mの合計角度
3:上下方向へのずれ止め装置
3a:プレート
3b:ずれ止めの凹凸
3c:ヒンジ構造
3d:ボルト
3e:ボルト用穴
3f:ヒンジ構造の心棒を通す孔
4:引張材配置装置
4a:引張材
4b:引張材定着装置
4c:引張材を通す孔
4d:箱状構造物外面に設けた横方向の溝
4e:箱状構造物外面に突き出した横方向に並ぶ棚状
4f:受圧部分
5:上下方向可変装置
5a:先端が曲面状の上下方向可変装置
5b:ヒンジ構造の上下方向可変装置
6:開き止め装置
6a:箱状構造物上面に鋼材をボルト止めした開き止め装置
6b:長穴を開けて鉄板を双方の箱状構造物の留め金具に通した開き止め装置
6c:鋼棒の両端部に鉄板を付けてスリーブに通した開き止め装置
6d:広がってしまった隙間
6e:引張力の方向
6f:圧縮力の作用する部位
7:ジャッキを備えた箱状構造物
7a:ジャッキ
10:コンクリート
10a:鋼材
10b:後から打設したコンクリート
11:PC桁
11a:桁のそり
12:ローラーやすべり装置
13:基礎
14:端部の箱状構造物のヒンジ構造
15:ケーブル
16:樹脂とコンクリートの混合構造の箱状構造物
17:箱状構造物の内部空間
17a:箱状構造物の内部に固結材を注入する注入孔
18:仕切り材
18a:第一列の仕切られた内部空間
18b:第二列の仕切られた内部空間
18c:第三列の仕切られた内部空間
19:遮蔽材
20:水平方向の外力
21:アーチ構造
22:円形
Claims (9)
- 横一列に並べる2個以上の箱状構造物からなる一連の箱状構造物であって、
隣り合う箱状構造物の向い合う面は係合する形状であり、
隣り合う箱状構造物は相互の箱状構造物に対する上下方向へのずれ止め装置を有し、
各箱状構造物は一連の箱状構造物間に圧縮力を導入するための引張材配置装置を有し、
基盤上で横一列に接して並べたとき、隣り合う箱状構造物との間で下に開いた空間ができることを特徴とする凸状連結構造物を構成する一連の箱状構造物。 - 前記一連の箱状構造物の端部の箱状構造物に上下方向可変装置を備えたことを特徴とする請求項1記載の一連の箱状構造物。
- 前記一連の箱状構造物の端部側に、横一列に並べる列の方向の下面の幅が上面の幅より長い形状の箱状構造物を有して、基盤上で横一列に接して並べたとき、隣り合う箱状構造物との間で上に開いた空間ができることを特徴とする請求項1記載の一連の箱状構造物。
- 圧縮力が大きく作用する引張材配置装置の周辺部をコンクリート造、圧縮力が小さいその他の部分を金属または樹脂造とした混合構造の箱状構造物を一個以上備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の一連の箱状構造物。
- 箱状構造物が有する引張材配置装置が箱状構造物外面に設けた横方向の溝状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の一連の箱状構造物。
- 箱状構造物の幅の長さを調整するジャッキを備えた箱状構造物を1個以上備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の一連の箱状構造物。
- 請求項1から6に記載のいずれかの一連の箱状構造物を使用し、基盤上に該一連の箱状構造物を横一列に並べる工程と、上下方向へのずれ止め装置で隣り合う箱状構造物との上下のずれを防ぐ措置をする工程と、各箱状構造物の引張材配置装置に引張材を配置する工程と、該引張材を引張する工程と、引張した引張力の反力が引張材定着装置から箱状構造物間に圧縮力として伝わって、該圧縮力によって箱状構造物間にあった下に開いた空間が狭まり、基盤上に横に並んでいた箱状構造物が、隣り合う箱状構造物の向かい合う面が接着するように上下方向の角度を変えて、並べられた箱状構造物の中央部が両端部に支えられて前記基盤から浮き上がって、一連の箱状構造物が凸状の形状に並ぶ工程と、該引張力が入った引張材を引張材定着装置で定着する手段で一連の箱状構造物が凸状の形状を維持する工程と、を有していることを特徴とする凸状連結構造物の構築方法。
- 前記各工程の終了後に両端部の箱状構造物の水平方向の動きを外力で拘束する工程を有することを特徴とする請求項7記載の凸状連結構造物の構築方法。
- 前記凸状連結構造物の前面、背面と下面を遮蔽材で覆って、該凸状連結構造物の内部空間に固結材を充填する工程を有することを特徴とする請求項7または8記載の凸状連結構造物の構築方法。
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