JP7811105B2 - 基礎構造の構築方法 - Google Patents

基礎構造の構築方法

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Description

本発明は、基礎構造の構築方法、特に、鉄骨造の上部構造と杭とを連結してなる基礎構造の構築方法に関する。
従来、鉄骨造建物は、柱や梁などの上部構造は鋼管や型鋼などによる鉄骨(S)造で形成され、基礎梁は鉄筋コンクリート(RC)造であることが一般的であった。RC造部分の工事は、配筋や型枠の設置、コンクリートの打設とその後の脱型などで手間がかかるうえ、各作業やコンクリートの養生などで施工に時間がかかる。そのため、工期短縮や施工性改善、省人化を目的として、基礎梁を鉄骨造とすることが実施され始めている。
基礎梁を鉄骨造とすることにより、躯体重量の軽減による杭のコスト低減、フーチング基礎の配筋、型枠設置、コンクリート打設などの削減による工期の短縮化が可能である。
例えば、特許文献1には、鉄骨造の柱梁と杭とを接合する基礎構造が記載されている。この基礎構造においては、柱ブラケットと梁ブラケットを接合した円筒状の鋼管からなる柱基礎梁仕口部材を、杭頭を囲むように設置して、この鋼管内にコンクリートを打設することにより、柱梁と杭とを一体化している。鋼管内に打設したコンクリート内には配筋されていない。
特開2017-008543号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された技術においては、円筒状の鋼管の側周面に梁ブラケットを接合しており鉄骨造の梁ブラケットの側面を鋼管の外周面に倣った曲面状に切断加工する必要がある。しかし、このような曲面状の切断を行うことは困難である。
また、杭頭との接合部となるフーチング部まで鋼管により一体に形成するため、柱基礎梁仕口部材が大型化するので、重量化する。鋼管内は無筋であり、地震時の杭頭からの応力は鋼管を介して上部構造に伝達されるので、鋼管はこの応力を負担可能な厚さを要し、これによっても重量化する。
柱基礎梁仕口部材はフーチング部を兼ねることから、杭のへりあきを確保するために、既成杭の場合は工法によって異なるが杭径の2倍から2.5倍の幅が、場所打ちコンクリート杭の場合は杭径に200mmから300mm以上を加えた幅が必要である。近年、工期やコスト削減のために杭径を大きくして杭本数を減らすことがあるが、このような場合、柱基礎梁仕口部材がさらに大型化する。これらの結果、柱基礎梁仕口部材は非常に重量化するだけでなく、柱基礎梁仕口部材の幅が大きくなりすぎて、運搬に支障が生じることもある。
本発明は、以上の点に鑑み、鉄骨造の上部構造と杭とを簡易な作業により連結してなり、部材の大型化の抑制及び軽量化を図った基礎構造の構築方法を提供することを目的とする。
本発明の基礎構造の構築方法は、地盤に埋設された杭の前記地盤に形成された掘削孔から露出した杭頭の周囲に主筋の下側部を配筋すると共に、前記杭頭及び前記主筋の下側部を内包するように型枠を設置する工程と、前記型枠内にコンクリートを打設して、鉄筋コンクリートからなる基礎下段部を構築する工程と、前記基礎下段部の上面に設置した支持部材を介して鋼製の柱梁接合体を配置する工程と、前記柱梁接合体の少なくとも柱の下側部を含む部分を内包するように取り囲む鋼板を設置する工程と、前記主筋の上側部を設置する工程と、前記鋼板に囲まれた部分にコンクリートを打設して、基礎上段部を構築する工程とを備えることを特徴とする。
本発明の基礎構造の構築方法によれば、鉄筋コンクリートからなる基礎下段部と柱梁接合体の下側部を内包したコンクリート造の基礎上段部とを別個に構築するので、基礎構造の構築作業の簡易化を図ることが可能となる。
また、基礎下段部は鉄筋コンクリートからなり、鋼製の柱梁接合体は基礎上段部の一部を構成するだけである。そのため、上記特許文献1に記載の柱基礎梁仕口部材と比較して、鋼製の柱梁接合体の小型化や軽量化を図ることが可能である。
本発明の基礎構造の構築方法において、前記主筋の下側部の外周を取り囲み、上下方向に間隔を隔てて配置される複数の外周筋と、前記複数の外周筋で囲まれる範囲内にて前記外周筋を連結する中子筋とを含むせん断補強筋を配筋した後、前記型枠内にコンクリートを打設することが好ましい。
この場合、主筋の他にせん断補強筋によっても、地震時に杭頭から伝達される応力を負担するように図ることが可能となる。
また、本発明の基礎構造の構築方法において、前記型枠内にコンクリートを打設した後、前記主筋の下側部の上端部と前記主筋の上側部の下端部とを機械式継手により連結することが好ましい。
この場合、基礎下段部を構築する工程が完了した後に、主筋の下側部に主筋の上側部を連結することが可能である。そのため、基礎下段部を構築する際に、主筋の上側部が存在しない状態で作業が可能であるので、基礎下段部を構築する作業の簡易化を図ることが可能となる。
また、本発明の基礎構造の構築方法において、前記鋼板は、前記柱梁接合体を構成する複数の梁にそれぞれに固定された第1の鋼板と、前記第1の鋼板同士をそれぞれ連結する複数の第2の鋼板とからなることが好ましい。
この場合、第1の鋼板と第2の鋼板とを連結する前に、主筋の下側部に主筋の上側部を連結することが可能であるので、この連結作業を簡易に行うことが可能となり得る。
また、本発明の基礎構造の構築方法において、前記最も下方に位置する外周筋の下側に、コの字型のかんざし筋を開口が上になるように拘束されており、前記かんざし筋は、前記せん断補強筋同士を架け渡して上面視でダイヤモンド型状となるように、前記杭頭の周囲に複数配筋することが好ましい。
この場合、基礎下段部のコンクリート表面近傍の配筋されない部分のひび割れの防止を図ることが可能となる。
本発明の実施形態に係る基礎構造を示す模式正面図。 基礎構造を示す模式縦断面図。 基礎構造を構築する際において、杭頭の周囲に鉄筋を配筋した状態を示す模式縦断面図。 図2のIV-IV線模式断面図。 図3のV-V線模式断面図。 図3のVI-VI線模式断面図。
本発明の実施形態に係る基礎構造100及びその構築方法について図1から図6を参照して説明する。なお、図1から図6は本実施形態を模式的に説明するための図であり、寸法はデフォルメされている。
本基礎構造100は、図2を参照して、地盤Aに埋設されている鉄鋼造の杭10(鋼管杭)と、柱21の下側部に基礎梁22が剛接合されてなる鉄骨造の柱梁接合体20とを連結したフーチング基礎30からなる構造である。フーチング基礎30はフーチング基礎下段部31とフーチング基礎上段部32とを別個に作成した上下2段構造となっている。
図3を参照して、地面GLに形成した掘削孔B内に、砕石を配置し、その上に捨てコンクリートを打設して形成された地盤Aに杭10が埋設されている。杭10の杭頭11は地盤Aから露出しており、杭頭11の上端は、地面GLより上方に位置している。なお、杭10は、特定の工法や種類に限定されるものではなく、既製杭であっても、現場打ち杭であってもよい。
そして、図3から図5を参照して、この杭頭11の周囲にフーチング基礎下段部31を構築するための鉄筋41~45を配筋する工程を行う。このとき、少なくともフーチング主筋の下側部41とせん断補強筋42を配筋する。さらに、かんざし筋43、ベース筋44及び杭頭補強筋45なども必要に応じて配筋する。フーチング主筋41,51は、ここでは、フーチング基礎下段部31用の下側部41とフーチング基礎上段部32用の上側部51とが連結されてなる。
フーチング基礎下段部31用であるフーチング主筋の下側部41は、下端に機械式定着体41aが、上端に機械式接手(リレージョイント)41bがそれぞれ設けられている
フーチング主筋の下側部41は、杭頭11の周囲に取り囲み、形成すべき基礎フーチング下段部31の外周部に沿ってこの外周部全体を取り囲むように、鉛直方向に延びるように複数本配筋する。
地震時に杭頭11からフーチング基礎下段部31に伝達される応力を負担することが可能なように、フーチング主筋の下側部41の他にせん断補強筋42を配筋する。せん断補強筋42は、フーチング主筋の下側部41の外周を略矩形枠状に取り囲み、上下に間隔を開けて配置される複数の外周筋42aと、複数の外周筋42aで囲まれる範囲内で外周筋42aを連結する略矩形状の中子筋42bとからなっている。なお、中子筋42bを支持するために、図示しないが組立筋を配筋してもよい。
外周筋42a及び中子筋42bは、その端部を折り曲げることにより他の鉄筋に引っ掛けて、結束線を用いて固定させればよい。ただし、最下段の外周筋42aは、他の外周筋42aと比較して、フーチング主筋の下側部41の下端に設けられた機械式定着体41aによる拡径に応じて大きくなっている。最下段の外周筋42aは、溶接閉鎖型とすれば、継ぎ手がないので、地震時に大きな変形が起こっても耐力低下が少なくなるので、好ましい。
せん断補強筋42は、杭頭11のモーメントをてこ作用により、フーチング基礎下段部31に伝達し、このフーチング基礎下段部31を介して、フーチング基礎上段部32の柱梁接合体20に伝達する際に生じるせん断応力を負担することが可能となるように、下部の配筋量を多くするように配筋することが好ましい。
さらに、コの字状のかんざし筋43を開口が上方向に向くように配筋することが好ましい。かんざし筋43は、外周筋42aに対して斜めに交差して上面視でダイヤモンド型(菱形状)となるように、杭頭11の周囲に4本配筋する。最下段の外周筋42aの各辺の中央部の下側に、各かんざし筋43の基部43aの両端部が定着されるとともに、各かんざし筋43の基部43aの両端から上方に延びる足部43bが、フーチング主筋の下側部41と平行に上方に向かって延びている。
このようにかんざし筋43を配筋することにより、フーチング基礎下段部31のコンクリート表面近傍の配筋されない部分のひび割れの防止を図ることが可能となる。さらに、杭頭11の直上に基礎スラブの応力を負担するためのベース筋44を配筋していてもよい。
また、杭頭11の上部から上方に向かって杭頭11の上端より上方まで延びる杭頭補強筋45を、必要に応じて配筋する。杭頭補強筋45は、フーチング主筋41,51により応力伝達が十分な可能な場合は省略してもよいが、引張軸力が作用する場合、軟弱地盤である場合などには配筋することが好ましい。
そして、フーチング基礎下段部31となるべき部分の外周に沿って型枠50を設置する工程を行う。型枠50はコンクリートの打設後に脱型を必要としない捨て型枠であってもよい。フーチング基礎30の幅は、既成杭の場合は杭径の2.5倍以上、場所打ちコンクリート杭の場合は杭径に0.4m以上を加えた幅であることが好ましく、杭頭11のフーチング基礎下段部31への埋め込み深さは、杭径の0.5倍から1.0倍であることが好ましい。なお、型枠50を設置する工程を行った後に、杭頭11の周囲に鉄筋41~45を配筋する工程を行ってもよい。
その後、型枠50内にコンクリートを打設する。これにより、型枠50内に充填されたコンクリートが固化することによりフーチング基礎下段部31が形成される。そして、所定期間経過後に型枠50を脱型する。脱型した箇所は所定高さまで土砂で埋め戻す。フーチング基礎下段部31は、鉄筋コンクリート造であり半分以上は地下に埋設される。なお、型枠50が捨て型枠である場合には、埋め殺しでよく、脱型を行う必要はない。
このように杭10をフーチング基礎下段部31に埋め込ませたことによるてこ機構を利用して、杭10とフーチング基礎30との応力伝達機構が実現される。
次に、図2に示すように、フーチング基礎下段部31の上方に隙間を開けた所定の位置に柱梁接合体20を配置する工程を行う。
柱梁接合体20は、鉄鋼製の柱21の下側部に鉄鋼製の基礎梁22が溶接などで剛接合されてなる構造体である。ここでは、柱梁接合体20は、下部柱23、上部柱24、下部プレート25、上部プレート26及び4つの横梁27からなっている。そして、下部柱23及び上部柱24は、それぞれ角形鋼管からなり、下部プレート25及び上部プレート26は、それぞれ略矩形状の鋼板からなり、4つの横梁27は、それぞれI字鋼やH字鋼などの型鋼からなっている。
下部柱23と上部柱24とは柱21を構成し、下部柱23は柱21の下側部に相当する。なお、下部柱23及び上部柱24は、円筒状の鋼管からなるものでも、I字鋼やH字鋼などの型鋼からなるものであってもよい。
下部プレート25は、立設する下部柱23の下方の開口を閉塞するように下部柱23の下端面に溶接などにより接合されている。上部プレート26は、立設する下部柱23の上方の開口を閉塞するように下部柱23の上端面に溶接などにより接合されている。そして、この上部プレート26は、立設する上部柱24の下方の開口を閉塞するように上部柱24の下端面に溶接などにより固定されている。
4つの横梁27は、ウェブ部の側端面が下部柱23の側面に溶接などによって、上下のフランジ部の側端面が下部プレート25及び上部プレート26の側面に、それぞれ溶接などにより固定されている。これにより、4つの横梁27は、下部柱23を中心に、全体として十字状に水平方向に延びている。そして、下部プレート25及び上部プレート26は、それぞれダイヤフラムとして機能する。
なお、ここでは、柱梁接合体20に、ふさぎ板61を固定するためのガセットプレート(接合用添え板)62が予め固定されている。ガセットプレート62は、横梁27を形成する型鋼のウェブと上下のフランジの側面に倣った側面を有する2枚の鋼板と、横梁27の下フランジの下側に固定された1枚の鋼板とであり、ボルト63が挿通される貫通孔(不図示)が形成されている。柱梁接合体20の各横梁27の両側面にそれぞれガセットプレート62が溶接などによって固定されることにより、その間に隙間が生じないように構成されている。なお、本実施形態では、ガセットプレート62は、横梁27の左右と下側に設置した3枚の鋼板からなるであるが、これらの鋼板をつなげて1枚の鋼板としてもよい。
そして、ガセットプレート62が固定された柱梁接合体20を、杭10と柱21との中心軸が一致するように上方から降ろして、吊り下げ機などを用いて地面から所定の高さに配置する。柱梁接合体20は、工場で形成され、現場へ搬入された後、運搬車両から直接フーチング基礎下段部31上に載置されることが望ましい。このとき、フーチング基礎下段部31の上面に支持部材71を設置し、この支持部字71の上面に柱梁接合体20を載置することにより、柱梁接合体20を配置すればよい。そして、隣接して配置される柱梁接合体20の横梁27同士がその間を図示しない鋼製の梁でボルト及びナットなどを用いて接合することにより、基礎梁22を形成し、安定した状態とする。
また、ガセットプレート62にふさぎ板61を固定する。ふさぎ板61は、側端部に複数の貫通孔(不図示)が上下方向に間隔をあけて形成された2枚の矩形状の鋼板を、溶接などで上面視にてLの字状となるように側端部同士を溶接などで固定したものである。ふさぎ板61とガセットプレート62とのそれぞれの貫通孔に挿通したボルト63をナット64で螺合して固定する。これにより、2つの横梁27がふさぎ板61及びガセットプレート62を介して連結される。
なお、図6においては、ガセットプレート62がふさぎ板61よりも小さい形状となっているが、これに限定されず、ガセットプレート62がふさぎ板61と同程度又は大きな形状であってもよい。また、ガセットプレート62とふさぎ板61とは現場溶接によって接合してもよい。この場合、これらに貫通孔を形成する必要はない。
ここで、ふさぎ板61は、横梁27の下端面より下方に向かって延びている。ふさぎ板61の厚さは、地震時にフーチング基礎上段部32に発生する応力を負担することが可能となるように設定する。ただし、ふさぎ板61の下端は、フーチング基礎下段部31との間に上下方向の隙間や、フーチング基礎下段部31の外周とふさぎ板61の内周との間に水平方向の隙間が存在し、フーチング基礎下段部31によって支持されてはない。
次に、フーチング主筋の下側部41の上端に設けた機械式接手41bにフーチング主筋の上側部51の下端を連結する工程を行う。フーチング主筋の上側部51は、ガセットプレート62とふさぎ板61を接合する作業を行う際の障害になるので、接合作業が完了した後に連結作業を行うことが望ましい。フーチング主筋の上側部51は、その先端に機械式定着体51aが設けられている。なお、先端がU字型に折り曲げられて180°フックとなっていてもよい。
そして、フーチング主筋の上側部51の上端と同じ程度の高さ位置にかんざし筋72を配筋することが好ましい。このかんざし筋72は、上述したかんざし筋43と同様に上面視でダイヤモンド型状となるように配筋すればよく、柱21を避けて井型に配筋してもよい。なお、フーチング主筋の上側部51やかんざし筋72を配筋した後に、ふさぎ板61をガセットプレート62に固定してもよい。
その後、ふさぎ板61で取り囲まれた空間内にコンクリートを打設する工程を行う。このとき、ふさぎ板61が型枠の役目を果たすので、型枠の設置や脱型を行う必要がない。基礎フーチング上段部32は、外周をふさぎ板61で覆われた内部に充填されたコンクリートが固化してなるものとして形成される。
このようにして形成されるフーチング基礎上段部32には、杭10への応力伝達機構として、基礎フーチング下段部31と基礎フーチング上段部32のコンクリート接合面が形成されると共に、所定長さのフーチング主筋の上側部51が埋設される。そして、ふさぎ板61がせん断応力を負担するので、基礎フーチング上段部32内にはせん断補強筋を配筋する必要がない。
なお、図1においては、フーチング主筋の上側部51の上端は、横梁27の上端面より上方に位置するスラブ73内に定着されている。しかし、これに限定されず、応力伝達に必要な定着長が確保されていれば、フーチング主筋の上側部41の上端は横梁27の上端面より下方に位置していてもよい。
以上説明したように、本実施形態の基礎構造100においては、フーチング基礎30をフーチング基礎下段部31とフーチング基礎上段部32とにと別個に作成した上下2段構造である。フーチング基礎下段部31は、杭頭11の周囲に配筋された鉄筋41~45を内包した鉄筋コンクリートからなり、フーチング基礎上段部32は、下部柱23を内包し、ふさぎ板61により囲まれた部分にコンクリートが固化してなるコンクリート造であって、これらは連結されたフーチング主筋41,51により応力が伝達可能に連結されている。
フーチング基礎30を一体化して形成する場合、フーチング基礎30の底部と上端部とで高低差が大きく、作業空間が狭いため作業が困難である。また、杭頭10の周囲に鉄筋41~45を配筋した後、柱梁接合体20を支持した状態でフーチング基礎下段部31の周囲に型枠50を配置し、フーチング基礎上段部32のふさぎ板61との隙間を調整したうえで、型枠50とふさぎ板61内にコンクリートを打設することになるので、ふさぎ板61の上方から打設することになり、作業が困難となる。
上記特許文献1のようにふさぎ板61と型枠50を鋼管で一体に形成することも考えられるが、柱基礎梁仕口部材が重量化し、移動や設置が困難である。また、フーチング基礎下段部31は地下に埋設されるため、型枠50の外側からバイブレータを掛けられず、上方から差し込むようになる。
本実施形態では、フーチング基礎下段部31を形成した後に、柱梁接合体20を支持した状態で、ふさぎ板61内にコンクリートを打設するので、フーチング基礎下段部31とフーチング基礎上段部32でコンクリートの打設量が少ないと共に、打設範囲の高低差が小さく、作業の簡略化を図ることが可能となる。また、フーチング基礎下段部31の上面の平面視中央に支持部材71を設置し、これで柱梁接合体20を支持するので、周囲の地盤面から仮設の支持部材を建てて各横梁27を支持する場合と比較して簡易に支持することができ、隣接して配置される柱梁接合体20の横梁27との接合も容易となる。
また、フーチング基礎下段部31は鉄筋コンクリートからなり、柱梁接合体20はフーチング基礎上段部32の一部を構成するだけである。そのため、上記特許文献1に記載の柱基礎梁仕口部材と比較して、柱梁接合体20の小型化や軽量化を図ることが可能である。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することが可能である。例えば、フーチング基礎上段部32を形成する際に、柱梁接合体20を所定位置に設置した状態で、柱梁接合体20に固定されているガセップレート62にふさぎ板61をボルトなどを用いて連結する場合について説明した。しかし、これには限定されない。
例えば、ガセップレート62にふさぎ板61を連結した状態の柱梁接合体20を、設置位置に移動させてもよい。ただし、この場合、現場でふさぎ板61を連結した後に、さらに柱梁接合体20を移動させる必要があるので、作業の手間がかかる。また、工場内でガセップレート62にふさぎ板61を溶接などで固定して一体化した柱梁接合体20を設置位置に移動させてもよい。ただし、この場合、柱梁接合体20が大型化するので、好ましくない。なお、ふさぎ板61は2枚の矩形状の鋼板を、溶接などで上面視にてL字状となるように側端部同士を溶接などで固定したものではなく、1枚の矩形状の鋼板をL字型に折り曲げることにより形成してもよい。
これらの場合、柱梁接合体20の設置位置でふさぎ板61とガセップレート62とをボルトなどを用いて連結する作業を必要としない。そのため、フーチング主筋の上側部41及びかんざし筋72を配筋した後に、これらを避けながら柱梁接合体20を吊り降ろして設置位置に移動させてもよい。さらに、この場合、フーチング主筋を上下に分割したものとせず、この分割されていない一体化したフーチング主筋を杭頭11の周囲に配筋してもよい。また、コンクリートは、杭頭11内や下部柱3内、上部柱24の所定高さまで打設してもよい。
10…杭、 11…杭頭、 20…柱梁接合体、 21…柱、 22…基礎梁、 23…下部柱(柱の下側部)、 24…上部柱、 25…下部プレート、 26…上部プレート、 27…横梁、 30…フーチング基礎、 31…フーチング基礎下段部(基礎下段部)、 32…フーチング基礎上段部(基礎上段部)、 41…フーチング主筋の下側部(主筋の下側部)、鉄筋、 41a…機械式定着体、 41b…機械式接手、 42…せん断補強筋、鉄筋、 42a…外周筋、 42b…中子筋、 43…かんざし筋、鉄筋、 43a…基部、 43b…足部、 44…ベース筋、鉄筋、 45…杭頭補強筋、鉄筋、 50…型枠、 51…フーチング主筋の上側部(主筋の上側部)、 51a…機械式定着体、 61…ふさぎ板(鋼板、第2の鋼板)、 62…ガセットプレート(鋼板、第1の鋼板)、 63…ボルト、 64…ナット、 71…支持部材、 72…かんざし筋、 73…スラブ、 100…基礎構造、 A…地盤、 B…掘削孔、 GL…地面。

Claims (5)

  1. 地盤に埋設された杭の前記地盤に形成された掘削孔から露出した杭頭の周囲に、上下に分割した主筋又は分割されていない一体化した主筋の下側部を配筋すると共に、前記杭頭及び前記主筋の下側部を内包するように型枠を設置する工程と、
    前記型枠内にコンクリートを打設して、鉄筋コンクリートからなる基礎下段部を構築する工程と、
    前記基礎下段部の上面に設置した支持部材を介して鋼製の柱梁接合体を配置する工程と、
    前記柱梁接合体の少なくとも柱の下側部を含む部分を内包するように取り囲む鋼板を設置する工程と、
    前記主筋の上側部を設置する工程と、
    前記鋼板に囲まれた部分にコンクリートを打設して、基礎上段部を構築する工程とを備えることを特徴とする基礎構造の構築方法。
  2. 前記主筋の下側部の外周を取り囲み、上下方向に間隔を隔てて配置される複数の外周筋と、前記複数の外周筋で囲まれる範囲内にて前記外周筋を連結する中子筋とを含むせん断補強筋を配筋した後、前記型枠内にコンクリートを打設することを特徴とする請求項1に記載の基礎構造の構築方法。
  3. 前記型枠内にコンクリートを打設した後、前記主筋の下側部の上端部と前記主筋の上側部の下端部とを機械式継手により連結することを特徴とする請求項1又は2に記載の基礎構造の構築方法。
  4. 前記鋼板は、前記柱梁接合体を構成する複数の梁にそれぞれに固定された第1の鋼板と、前記第1の鋼板同士をそれぞれ連結する複数の第2の鋼板とからなることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の基礎構造の構築方法。
  5. 最も下方に位置する前記外周筋の下側に、コの字型のかんざし筋が開口が上になるように拘束されており、前記かんざし筋は、前記せん断補強筋同士を架け渡して上面視でダイヤモンド型状となるように、前記杭頭の周囲に複数配筋することを特徴とする請求項2に記載の基礎構造の構築方法。
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