JP4885039B2 - 軽量盛土構造 - Google Patents

軽量盛土構造 Download PDF

Info

Publication number
JP4885039B2
JP4885039B2 JP2007099556A JP2007099556A JP4885039B2 JP 4885039 B2 JP4885039 B2 JP 4885039B2 JP 2007099556 A JP2007099556 A JP 2007099556A JP 2007099556 A JP2007099556 A JP 2007099556A JP 4885039 B2 JP4885039 B2 JP 4885039B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
urethane foam
lightweight embankment
hard urethane
embankment structure
concrete
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007099556A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008255684A (ja
Inventor
敦夫 清水
大輔 遠藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Inoac Corp
Original Assignee
Inoac Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Inoac Corp filed Critical Inoac Corp
Priority to JP2007099556A priority Critical patent/JP4885039B2/ja
Publication of JP2008255684A publication Critical patent/JP2008255684A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4885039B2 publication Critical patent/JP4885039B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、軽量盛土工法による構造に関し、詳しくは急斜面地において大型クレーン等の大型設備機械を用いることなく施工することが可能な軽量盛土構造に関する。
従来、山間部の特に急傾斜地等における道路の建設工事においては、地盤上に土砂を積み上げる盛土工法が採用されていたが、近年においては作業性の改善や盛土構造を構築するための材料の軽量化を狙って、発泡スチロールや硬質ウレタン発泡体等の発泡樹脂を用いた盛土工法の採用が多くなっている。これら軽量盛土工法の中でも、硬質ウレタン発泡体を用いた盛土工法は、施工現場で吐出機を用いてそのノズルから硬質ウレタン原料を吐出し発泡硬化させて盛土構造を構築する工法であるため、発泡スチロールのブロック材を積み上げて盛土構造を構築する場合とは異なり、嵩張る材料を現場まで運搬しなければならない煩雑さがない。そのため、硬質ウレタン発泡体を用いた盛土工法は広く採用される工法である。
例えば、特許文献1に開示されている技術のように、傾斜地における硬質ウレタン発泡体を用いた軽量盛土工法は、傾斜地の下部付近の地盤に敷設した基礎に建てられた支柱に壁部材を取り付け、その壁部材と地盤と地盤の傾斜地とにより区画される空間に硬質ウレタン原料を吐出し発泡・硬化させて軽量盛土構造を構築するものである。
また、特許文献2に開示されている技術のように、発泡スチロールのブロックを用いる軽量盛土工法は、上記と同様に支柱を設けた上で壁部材を構築し、その壁部材と斜面との間の空間に発泡スチロールのブロックを積み上げて軽量盛土構造を構築するものである。
特開2001−323470 特開2004−137786
ここで、図7を参照して、傾斜地における硬質ウレタン発泡体を用いる一般的な軽量盛土工法を説明する。アンカー16が打ち込まれた斜面2には、タイロッド13とアンカー16を結合するコンクリート製の受圧板15が構築されている。斜面2の下部の地盤にはコンクリート製の基礎11が敷設され、その基礎11上にH形鋼の支柱12が建てられ、そのH形鋼の支柱12に壁部14が取り付けられている。受圧板15に結合されているタイロッド13の端部はH形鋼の支柱12に取り付け具により結合されている。このようにして構築された壁部14と斜面2との間の空間に硬質ウレタンの原料が吐出され、発泡・硬化して形成された硬質ウレタン発泡体3により軽量盛土構造1が構築される。更に、硬質ウレタン発泡体3による構造の上面にはコンクリート床4が敷設され、このコンクリート床4はその上に敷設される舗装道路等の基礎となる。
発泡スチロールのブロックを積み上げる工法においても、硬質ウレタン原料を吐出・発泡・硬化させる点が異なるだけで、その他の部分は概ね同様の工事となる。
上記の二通りの軽量盛土構造構築の工事はその規模にもよるが、例えば壁部の高さが10mになるような規模の場合、基礎11上に建てるH形鋼の支柱12の重量は略500kgにもなり、特に急カーブ急傾斜の狭い道路しかない山間地においては、そのH形鋼の運搬や取り扱いは難儀である。
また、この軽量盛土工法で構築された構造は、硬質ウレタン発泡体または発泡スチロールの部分が軽く、その上部のコンクリート床4や舗装道路の層は重い。そのため、地震による水平加速度が作用すると、コンクリート床4と発泡体とのズレが起こり、軽量盛土構造1の一部が破壊されるに止まらず、全体が歪み変形し、場合によっては破壊される虞がある。そのようなズレを防ぐため、特許文献1に開示されているようにアンカーが連結される受圧板15と支柱12をタイロッド13で連結したり、特許文献2に開示されているようにコンクリート床4をアンカーで繋ぎとめたりすることが、軽量盛土構造1においては必須要件となっている。このアンカーは、岩盤や地盤に穴を掘りPC鋼材等のアンカー部材を打ち込み、穴とアンカー部材の隙間にモルタル等を注入して定着した上でアンカーを緊張させ、その緊張状態を維持するよう構築される。
アンカーの緊張状態は、地盤やアンカー定着長部の初期的なクリープ、PC鋼材のリラクセーション等の影響によって低下する場合があり、緊張状態が低下したままに放置すると地震などの際にアンカーが十分に機能しない。そのため、定期的な緊張力の測定を行い、初期の緊張力に対し所定の(例えば数%の)低下が現れた時点で再緊張を実施する必要がある。この再緊張の工事には、舗装道路やコンクリート床4、更に盛土構造の一部を掘り起こして行わなければならないため、多大な工数と工期が伴う。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、硬質ウレタン発泡体の剛性を高め、剛性が高められた硬質ウレタン発泡体とその上部のコンクリート床との横ずれを防止することでアンカーの設置を不要とする軽量盛土構造を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明の軽量盛土構造は、請求項1に記載の発明においては、地盤に敷設された基礎とその基礎に立設された壁部と斜面とで区画される空間に形成された硬質ウレタン発泡体の上にコンクリート床を備える軽量盛土構造において、前記コンクリート床の下部には前記硬質ウレタン発泡体とそのコンクリート床との横ずれを防止する横ずれ防止手段を設け、前記硬質ウレタン発泡体は、その中に格子状フレームを埋設しており、前記壁部は、前記格子状フレームに設けられた取付部材により位置決め固定されていることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明においては、請求項1に記載の前記横ずれ防止手段が、前記コンクリート床の下部に設けられた前記壁部に沿って連なる突起部であることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明においては、請求項1または2に記載の前記コンクリート床が、予め成形されたコンクリートパネルであって、その下部に突起部が一体的に設けられていることを特徴とするものである。
求項に記載の発明においては、請求項に記載の前記格子状フレームは、その一部が前記横ずれ防止手段の突起部に埋設されていることを特徴とするものである。
請求項に記載の発明においては、請求項1または4に記載のうちいずれか一項に記載の前記格子状フレームは、その一部が前記地盤および斜面のいずれか一方または両方に埋設されていることを特徴とするものである。
(作用)
本発明における軽量盛土構造は、硬質ウレタン発泡体の剛性が、その中に埋設された格子状フレームと一体化されているため高められ、その剛性が高められた硬質ウレタン発泡体の上面には横ずれ防止手段を備えたコンクリート床が敷設されている。このような構造においては、地震の加振加速度が作用したとき、アンカーが設置されていないにも拘らず、コンクリート床やその上部の構造物と硬質ウレタン発泡体が同調して横揺れするに止まるため、軽量盛土構造の著しい変形や破壊が起き難い。
本発明によれば、軽量盛土構造において従来必要とされていたアンカーを省くことができるので大幅な工期短縮とアンカー設置に係る材料費および工事費の大幅な削減ができる。また、壁部を支える支柱およびその敷設工事が不要となるため、軽量盛土工法適用の条件、例えば材料運搬のための道路の拡張工事や重機が稼動できる平坦地の確保等々が削減または軽減される。更に、硬質ウレタン発泡体は剛性が高められているので、クリープによる沈下が原因の亀裂等が硬質ウレタン発泡体上部の道路に発生し難く、道路補修費用が削減できる。
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した軽量盛土構造1の一実施形態を図1〜図3(a)、(b)に基づいて説明する。なお、図7を参照して説明した従来技術の軽量盛土構造1と同じ構成の部分は、同一の符号を用いて説明する。
図1は本発明の一実施形態である軽量盛土構造1を模擬的に示した断面図である。図2は、壁部が格子状フレームに位置決め固定された状態を示す一部断面図である。この図2は実際の状態から90度倒伏して描いてある。図3(a)、(b)は、コンクリート床の下部に突起部を成形するため、硬質ウレタン発泡体上面にコンクリートを流し込む成形枠を形成する工程を示す一部断面図である。
図1に示すように、地盤8にはコンクリートの打設により基礎11が構築され、その基礎11および斜面2には公知の単管(建設現場の足場等に用いられる金属製パイプ)とパイプジョイントとを用いて格子状フレーム5が組み立てられる。この格子状フレーム5は、図示されない図面に垂直な面、即ち壁部14に沿う面にも組み立てられ、全体として三次元格子体を形成している。
格子状フレーム5の斜面2と反対側の部分には、図2に示すように取付部材20により壁部14を構成する壁部材24が格子状フレーム5に対して位置決めおよび取付られて、後述するように硬質ウレタン発泡体3にその接着力で固定されている。格子状フレーム5に対する壁部材24の取付は、格子状フレーム5を形成する単管25に取付部材20の環状部21を外嵌固定した上で、略H形の位置決め部23の位置決め凹部22に壁部材24の端部を挿入することによって行われる。
硬質ウレタン発泡体3は、その内部に格子状フレーム5を埋設してこの格子状フレーム5と一体化され、その上面に形成された突起収容部37に、コンクリートを打設して形成したコンクリート床6の下部の突起部7を収容している。コンクリート床6の上面には舗装道路等が敷設される。
(施工例)
硬質ウレタン発泡体による軽量盛土工法においては、硬質ウレタン原料の吐出・発泡・硬化により発泡層を形成する場合、一度に発泡体の全体を形成することはなく、何層かに分けて吐出・発泡・硬化を繰り返し所定高さの盛土構造を構築する方法が一般的である。本実施形態においても、一般的な方法と同様に基礎11の上の第一層から順次発泡体層を形成し盛土構造を構築する。
その際、格子状フレーム5は、一本の単管25の長さを高さとする第一段として組み立てられ、壁部材24の取付はその高さを超えない範囲で行われる。このとき、単管25の一部を基礎11の中に埋設したり、斜面2に打ち込んだりすれば、格子状フレーム5の構築物としての安定度が増すのでより好ましい。本実施形態における単管の長さは2000mmであり、その単管25を用いて1mピッチの格子状フレーム5とした。壁部材24としてコンクリート製パネル(長さ;1985mm、幅;500mm、厚さ;50mm)を用いるので、作業性を考慮して4枚の壁部材24を積み上げて壁部14の一部が構築されたところで、硬質ウレタン原料の吐出(注入)が行われる。この状態での硬質ウレタン発泡体3の形成は、硬質ウレタン原料の化学反応に影響を与える気候条件も含む諸条件から、一度に行われるか数層に分けて行われるか判断される。
格子状フレーム5の第一段に対する硬質ウレタン発泡体3の形成が完了したら、格子状フレーム5の第二段目の組み立ておよび壁部材24の取り付けを第一段と同様に実施し、硬質ウレタン発泡体3の形成も同様に行い、盛土構造として必要な所定高さ近くまで繰り返す。このときの所定高さ近くとは、突起収容部37を形成する余地を残した高さのことをいう。
所定高さ近くに構築された硬質ウレタン発泡体3の上面に突起収容部37を形成する工程を、図3(a)、(b)を参照して説明する。図3(a)に示すように、硬質ウレタン発泡体3の上面に鉄筋34を打ち込み、その鉄筋34に番線35等を用いて硬質ウレタン発泡体製のボード32を固定して、そのボード32で区画された突起収容部37を形成する。このとき、スペーサー33でボード32の内側を支えておけば、後述するように硬質ウレタン発泡体3が形成される時の発泡圧を受けて、鉄筋34の自立力を超えた力が作用するとき、鉄筋34と共にボード32が倒れ込むことが防止される。次に図3(b)に示すように、ボード32の外側(突起収容部37と反対側)と壁部14およびボード32の外側と斜面2で区画されるそれぞれの空間に硬質ウレタン原料を吐出し発泡・硬化させ硬質ウレタン発泡体3を形成する。
コンクリート床6は突起収容部37が形成された硬質ウレタン発泡体3の上面にコンクリートを打設して構築され、その上に舗装道路等が敷設される。
上記実施形態の建築用盛土構造によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、格子状フレーム5を単管25の長さの単位で組み立てる度に壁部材24を取り付けて硬質ウレタン発泡体3を形成する工程を繰り返しているので、壁部材24を支えるH形鋼等の支柱12を不要とする。そのため、H形鋼の搬送やH形鋼に係る施工工数および施工のための足場の確保等々を省くことができる。
(2)上記実施形態では、コンクリート床6下部の突起部7が、格子状フレーム5を埋設し剛性を高められた硬質ウレタン発泡体3の突起収容部37に収容されているため、地震等により水平方向の加振加速度が作用しても、コンクリート床6と硬質ウレタン発泡体3の相互の横ずれが防止できる。
(3)上記実施形態では、コンクリート床6と硬質ウレタン発泡体3の相互の横ずれを防ぐ横ずれ防止手段を設けているので、アンカーの構築が不要となり、アンカー構築費用や再緊張工事が伴う維持管理費用の削減ができる。
(4)上記実施形態では、格子状フレーム5が埋設されて硬質ウレタン発泡体3の剛性が高められているので、コンクリート床6の上に敷設された舗装道路に変形やひび割れが起き難く、路面のオーバーレイ等の維持管理費用が削減できる。また、クリープによる沈下現象が少ないので、上記実施形態では、軽量盛土構造1の高さを高くできる。
(5)上記実施形態では、単管25の一部を基礎11の中に埋設したり、斜面2に打ち込んだりして、格子状フレーム5の構築物としての安定度を増したので、その格子状フレーム5が埋設されて剛性が高められた硬質ウレタン発泡体3は、地震の際、滑動したり転倒したりすることが起き難く、軽量盛土構造1を安定状態に維持できる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・格子状フレーム5を単管25により構成したが、単管25に代えて棒状鋼材、L形鋼やC形鋼でもよい。
・格子状フレーム5の組み立てを単管25の長さ単位で一段ずつ行うようにしたが、予定される軽量盛土構造1の高さに見合った高さまで格子状フレーム5を組み立て、その後に硬質ウレタン発泡体3を形成してもよい。
・突起収容部37の形成のためボード32を用いて枠を形成した上で、その外側に硬質ウレタン原料を吐出・発泡・硬化させたが、硬質ウレタン発泡体3を所定の高さまで構築した後、その上面を掘削して突起収容部37を形成してもよい。
・突起収容部37の形成のためボード32を用いて枠を形成したが、予め突起収容部37を内面形状とする成形シートを用意し、所定高さ近くまで形成された硬質ウレタン発泡体3の上面に配置し、その外側に硬質ウレタン原料を吐出・発泡・硬化させてもよい。
・突起収容部37を形成しコンクリートを打設したが、図示しない次の方法で突起部7を形成してもよい。先ず所定高さ近くの硬質ウレタン発泡体3の上面にコンクリートブロックを適宜数だけ置いた上で、硬質ウレタン原料を吐出・発泡・硬化させ、そのコンクリートブロックの上部を露出状態にして下部を埋設する。次にコンクリート床6を構築するためにコンクリートを打設する際、残されたコンクリートブロックの上部を埋設して、コンクリート床6の下部に一体化すれば、硬質ウレタン発泡体3に埋設されたコンクリートブロックの下部が突起部7となる。
・壁部材24として500mm幅のコンクリートパネルを用いたので、格子状フレーム5のピッチをその倍数の1mとしたが、ピッチは適宜選択できる。
・壁部材24を格子状フレーム5に取り付けた上で、硬質ウレタン原料を吐出・発泡・硬化させたが、格子状フレーム5を用いず、図示しない断面H形状の軽量位置決め部材等を用いてもよい。
・突起収容部37には格子状フレーム5の一部を臨ませないようにしたが、格子状フレーム5の縦または横のフレーム構成材の一部を突起収容部37内に望ませるようにしてもよい。
(第2の実施形態)
次に、本発明を具体化した軽量盛土構造1の第2の実施形態を図4、図5を用いて説明する。なお、第2の実施形態は、第1の実施形態においてコンクリート床6の形成が、硬化した硬質ウレタン発泡体3の上面にコンクリートを打設して形成した構成であるものに対し、未だ硬化が完了しない硬質ウレタン発泡体3の上面に成形コンクリートパネルを設置するよう変更した構成であり、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
図4に示すように、成形コンクリートパネル46の下部には突起部47が一体的に形成されている。また、図5に示すように、複数の突起部47を千鳥配列にすれば、硬質ウレタン発泡体3の上部に作用するせん断力が分散され、硬質ウレタン発泡体3の部分的破壊が起き難く、横ずれ防止手段としての効果が高められるため好ましい。成形コンクリートパネル46の外形寸法に特に条件はないが、その長さおよび幅が格子状フレーム5のピッチ以上であることが望ましい。施工性を考慮して小型のものを複数用いる場合であっても、一つの成形コンクリートパネル46が格子状フレーム5の縦のフレーム材に安定して載せられる大きさである方がよい。
(施工例)
格子状フレーム5を組み立て、その高さが軽量盛土構造1の所定の高さと略同等となるようにした上で、硬質ウレタン発泡体3の上面から格子状フレーム5のフレーム材のうち少なくとも縦のフレーム材が露出するよう硬質ウレタン発泡体3を硬化完了状態で形成し、その上に硬質ウレタン原料を吐出し発泡させる。硬質ウレタン原料の発泡反応が継続中に成形コンクリートパネル46を格子状フレーム5の上部に乗せることにより、発泡反応で膨張した硬質ウレタン原料は、成形コンクリートパネル46下部の突起部47を抱き込むように成形コンクリートパネル46の下部を埋めて硬化し盛土構造を構築する。上記硬質ウレタン原料の吐出量は多めに設定されるが、複数の成形コンクリートパネル46を並べて配置するとき、適宜隙間を設ければ、膨張して余分となった硬質ウレタン原料がその隙間から漏れ出ることが可能となり、過分の圧力が成形コンクリートパネル46の下面に作用することはない。そのため、成形コンクリートパネル46が持ち上げられることを防止でき、コンクリート床6が不ぞろいな上面を形成することがない。
従って、第2の実施形態によれば、第1の実施形態に記載の効果に加えて以下の効果を得ることができる。
(1)第2実施形態では、突起部47が一体形成された成形コンクリートパネル46を発泡反応途中の硬質ウレタン原料の上に置き、突起部47を硬質ウレタン発泡体3の中に埋設するようにしたので、硬質ウレタン発泡体3の上面に突起収容部37を形成しコンクリートを打設する場合に比べて、施工工数の削減ができる。
(2)第2の実施形態では、複数の突起部47が千鳥配列に一体形成されている成形コンクリートパネル46を用いたので、硬質ウレタン発泡体3に対する圧縮力またはせん断力を分散することができるため、横ずれ防止手段の効果を高めることができる。
なお、上記第2実施形態は以下のように変更してもよい。
・成形コンクリートパネル46として小型のものを用いる場合に隙間を設けて配置するようにしたが、比較的大型のものを用いる場合には、成形コンクリートパネル46に予め硬質ウレタン原料漏出用孔を形成してもよい。
・成形コンクリートパネル46を格子状フレーム5の上部に乗せるようにしたが、格子状フレーム5の一部が硬質ウレタン発泡体3の上面に露出していない場合、硬質ウレタン発泡体3の上面に位置決め部材を適宜配置し、硬質ウレタン原料を吐出した後、成形コンクリートパネル46をその位置決め部材の上に乗せるようにしてもよい。このとき、位置決め部材の材質は硬質ウレタンの接着力が作用するものであれば何でもよいが、硬質ウレタン発泡体3と同等の比重のものが好ましい。
(第3の実施形態)
次に、本発明を具体化した軽量盛土構造1の第3の実施形態を図6を用いて説明する。なお、第3の実施形態は、第1の実施形態において、コンクリートブロックをコンクリート床6の下部に一体化して突起部7を形成した構成であるものに対し、硬質塩化ビニール製のパイプ61の一部をコンクリート床6の下部に埋設して突起部7を形成する構成としたので、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
ここで、パイプ61の材質を硬質塩化ビニールとしたが、材質は、公知の硬質プラスチック材料であればこれに限らず、また、プラスチック以外の金属、非金属の材質であっても構わない。更に、パイプに代えて中実筒状体であってもよいが、硬質ウレタン発泡体3に打ち込み可能であって、断面積が比較的大きなものである方がよい。ここで断面積が小さいものでは、コンクリート床6と硬質ウレタン発泡体3に横ずれが生じようとするとき、圧縮力またはせん断力を分散できず硬質ウレタン発泡体3を部分的に破壊する虞があるので、断面積は大きめがよい。
(施工例)
所定高さとなった硬質ウレタン発泡体3の上面に適宜数の硬質塩化ビニール製のパイプ61を打ち込み、その上部が硬質ウレタン発泡体3の上面から露出するようにし、そこにコンクリートを打設して、パイプ61の内外を埋設したコンクリート床6を構築した。このようにすることで、硬質ウレタン発泡体3に打ち込まれたパイプ61の一部がコンクリート床6の下部に設けられた突起部7となる。
従って、第3の実施形態によれば、第1および第2の実施形態に記載の効果に加えて以下の効果を得ることができる。
(1)第3の実施形態では、硬質塩化ビニール製のパイプ61を硬質ウレタン発泡体3に打ち込むだけで突起部7を形成できたので、工数が削減できたばかりか、突起部7の配置や数に対する設計の自由度を高めることができる。
(2)第3の実施形態では、突起部7の形成にパイプ61を用いたので、重量が嵩まないまま硬質ウレタン発泡体3に当接する面積を大きくできた。そのため、地震の加振加速度が作用しても圧縮力またはせん断力が分散されて硬質ウレタン発泡体3の部分的破壊が起き難く、横ずれ防止手段としての信頼性を増すことができる。
なお、上記第3実施形態は、以下のように変更してもよい。
・パイプ61は中空円筒に限らず角柱パイプであってもよい。
・パイプ61に代えて、種々断面形状の形材であってもよい。
本発明を具体化した軽量盛土構造を模擬的に示した断面図。 本発明を具体化した軽量盛土構造の壁部の格子状フレームへの取付状態を示す一部断面図。 (a)は、硬質ウレタン発泡体上面に形成した突起部成形用の枠を示す一部断面図、(b)は枠の外側に硬質ウレタン発泡体を形成した状態を示す一部断面図。 本発明の第2実施形態の軽量盛土構造の一部断面図。 本発明の第2実施形態の軽量盛土構造に用いられる成形コンクリートパネルの突起部の配置を示す一部平面図。 本発明の第3実施形態の軽量盛土構造の一部断面図。 従来技術における軽量盛土構造を模擬的に示す断面図。
符号の説明
1…軽量盛土構造、2…斜面、3…硬質ウレタン発泡体、5…格子状フレーム、6…コンクリート床、7…突起部、8…地盤、11…基礎、14…壁部、20…取付部材、25…単管、33…スペーサー、37…突起収容部、46…成形コンクリートパネル、47…突起部、61…パイプ

Claims (5)

  1. 地盤に敷設された基礎とその基礎に立設された壁部と地盤の斜面とで区画される空間に設けられた硬質ウレタン発泡体の上にコンクリート床を備える軽量盛土構造において、前記コンクリート床の下部には前記硬質ウレタン発泡体とそのコンクリート床との横ずれを防止する横ずれ防止手段を設け、前記硬質ウレタン発泡体は、その中に格子状フレームを埋設しており、前記壁部は、前記格子状フレームに設けられた取付部材により位置決め固定されていることを特徴とする軽量盛土構造。
  2. 前記横ずれ防止手段は、前記コンクリート床の下部に設けられた突起部であることを特徴とする請求項1に記載の軽量盛土構造。
  3. 前記コンクリート床は、予め成形されたコンクリートパネルであって、その下部に突起部が一体的に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の軽量盛土構造。
  4. 前記格子状フレームは、その一部が前記横ずれ防止手段の突起部に埋設されていることを特徴とする請求項2に記載の軽量盛土構造。
  5. 前記格子状フレームは、その一部が前記地盤および斜面のいずれか一方または両方に埋設されていることを特徴とする請求項1または4に記載のうちいずれか一項に記載の軽量盛土構造。
JP2007099556A 2007-04-05 2007-04-05 軽量盛土構造 Active JP4885039B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007099556A JP4885039B2 (ja) 2007-04-05 2007-04-05 軽量盛土構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007099556A JP4885039B2 (ja) 2007-04-05 2007-04-05 軽量盛土構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008255684A JP2008255684A (ja) 2008-10-23
JP4885039B2 true JP4885039B2 (ja) 2012-02-29

Family

ID=39979538

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007099556A Active JP4885039B2 (ja) 2007-04-05 2007-04-05 軽量盛土構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4885039B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5616804B2 (ja) * 2011-01-18 2014-10-29 イノアック特材株式会社 軽量盛土及び軽量盛土工法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2958949B2 (ja) * 1996-12-25 1999-10-06 日本サミコン株式会社 道路拡張工法と道路拡張構造
JP3247082B2 (ja) * 1998-04-27 2002-01-15 株式会社イノアックコーポレーション 軽量盛土工法
JP2001220748A (ja) * 2000-02-09 2001-08-17 Fukin Boku 山型壁体ユニツト及び該ユニットを用いた土木用トライアンギュラー壁体構造
JP2003074060A (ja) * 2001-08-30 2003-03-12 Sekisui Plastics Co Ltd 軽量盛土工法と軽量盛土構造体およびそれに用いる連結具
JP3956292B2 (ja) * 2002-10-15 2007-08-08 清水建設株式会社 道路盛土構造体、道路盛土工法、立体交差道路およびその施工方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008255684A (ja) 2008-10-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100938918B1 (ko) 지하외벽의 연속시공을 위해 채널에 의한 나뭇가지형 스틸프레임을 이용한 역타공법
KR100788623B1 (ko) Pc기둥을 이용한 탑다운 공법
JP4599384B2 (ja) 盛土構造物およびその構築方法
KR102208793B1 (ko) 주열식 벽체를 이용한 지중구조물 및 그 시공방법
WO2011114507A1 (ja) 新設地下構造物の施工方法
KR20060092552A (ko) 현장타설파일을 이용한 무지보 하향골조 시공방법
JP5113342B2 (ja) 盛土構造物
KR101211469B1 (ko) 옹벽축조용 조립식 블록이 구비된 옹벽 구조체 및 그를 이용한 옹벽시공방법
JP4697875B2 (ja) 軽量盛土用ブロックおよび軽量盛土構造物
KR101324231B1 (ko) 소일 시멘트벽 가시설 구조 및 이의 시공 방법
KR100673475B1 (ko) 지하층 골조부의 골조용 피씨거더부재, 이를 이용한 지하층골조부의 조립구조 및 그 시공방법
JP4885039B2 (ja) 軽量盛土構造
KR20090043625A (ko) 변단면 철골보를 이용한 지하층의 슬래브 시공 방법
JP4997207B2 (ja) 地下構造物の施工方法
KR102482690B1 (ko) 거푸집 일체화 pc 패널을 이용한 하부기초 시공방법
KR100935317B1 (ko) 보강재가 삽입된 조립식 옹벽구조 및 이의 시공방법
JP7115923B2 (ja) 基礎構造補強方法及び基礎構造補強構造
JP4834649B2 (ja) 盛土構造物を構築する盛土構造及び盛土構造構成用の擁壁ブロック並びに盛土構造物の構築工法
KR100823348B1 (ko) 강합성옹벽 시공방법
JP3132876U (ja) 建築物の補強基礎構造
JP4282507B2 (ja) 軽量盛土構造体およびそれを利用した軽量盛土構造体の拡幅施工方法
KR101736009B1 (ko) 층고절감이 가능한 시공단계 단순접합식 역타 시공방법
JP7248481B2 (ja) 深基礎構造
JP6232190B2 (ja) 目地構成部材、コンクリート打設方法、コンクリート構造物
KR100479500B1 (ko) 강재봉을 이용한 사면녹화 구조체 및 그의 시공방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100225

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110705

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110719

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110916

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111129

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111207

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141216

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4885039

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250