JP6521343B1 - 一連の箱状構造物と桁やアーチリブの架設方法 - Google Patents
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Abstract
Description
またアーチ構造物においてはアーチ状に形成した支保工の上でセグメントや部材を並べたのち連結する方法が一般的である。しかし以下で説明するように支保工を採用せずに、一対のアーチ梁を直列に接合して、アーチ梁の両端部が近づくように水平移動させて、接合点を持上げてアーチ形状を構築する方法がある。
いわゆる吊床版橋と言われるタイプの橋梁もあり、ケーブルに懸下された状態で床板を構築する工法の吊り橋である。
前記先行技術文献2のアーチ梁型屋根構造の構築方法にあっては、直列に並ぶ一対のアーチ梁の端部をピン接合して、両端部を土台ごと横移動させて近づける方法で、接合点を持上げてアーチ状の屋根を構築する方法である。この方法では、直列に並ぶアーチ梁が3本以上の場合には、2点のピン接合部が不規則に動くために、方向が定まらなくなる。つまりこの構築方法では、アーチ梁2本分以上の長さのアーチを構築することは困難である。前記先行技術文献3の吊床版橋にあっては、橋長100m程度は十分に適用範囲であるが、床版でありかつ吊橋であるゆえに揺れやたわみ、振動などの課題がある。またメンテナンスにおいても、橋の前後の橋台やケーブルのアンカー設備も橋梁の重要な構成要素であって、欠陥が生じないように維持管理する必要がある。吊床版橋のケーブルやアンカーは永久構造物であり、部材の安全率や耐久性にも厳しい性能が求められる。
張架されたケーブル1bへの懸下装置8を有する2個以上の箱状構造物2からなる一連の箱状構造物1aであって、隣り合う箱状構造物の向い合う面は係合する形状であり、隣り合う箱状構造物は相互の箱状構造物に対する上下方向へのずれ止め装置3を有し、各箱状
構造物2は一連の箱状構造物間に圧縮力を導入するための引張材配置装置4を有し、ケーブルに懸下したとき、1カ所以上の隣り合う箱状構造物の向い合う面が、上縁付近が接し
て下縁付近は隙間2fをおいて対面する状態で、下に向かって開いた平面角2mをなし、該一連の箱状構造物1aの引張材配置装置に引張材4aを配置して、該引張材を引張して一連の箱状構造物間に圧縮力を導入したとき、前記隙間2fを解消したのち、一連の箱状構造物は引張材で連結された連結構造物1cとなり、両端部の箱状構造物2jの懸下装置で一連の箱状構造物をケーブル1bに懸下することができることを特徴とする一連の箱状構造物である。
ケーブルを張架する工程と、一連の箱状構造物をケーブルに懸下する工程と、一連の箱状構造物に引張材を配置する工程と、該引張材を引張して桁を構築する工程と、該桁をケーブルから外して橋台等の上に設置する工程を有することを特徴とする桁の架設方法である。
平視的に張架されたケーブルの間に位置するように、懸下装置が箱状構造物の外側に配置されている一連の箱状構造物を使用して、ケーブルを張架する工程と、一連の箱状構造物をケーブルに懸下する工程と、一連の箱状構造物に引張材を配置する工程と、該引張材を引張して凸状連結構造物を構築する工程と、該凸状連結構造物をケーブルから外して橋台等の上に設置する工程を、有することを特徴とする凸状連結構造物の架設方法である。
本発明の桁やアーチリブは、張架されたケーブルに懸下した状態で組立、構築するため、施工時の構造や荷重状態は1000m程の実績がある鋼製の吊り橋構造と同じである。また100m以上の実績のあるコンクリート製の吊床版橋と同様である。従って50mを越える長いスパンであっては、ガーダー使った桁架設の方法よりも安価に桁を架設することができる。
また、本発明の桁やアーチリブの架設方法は、一連の箱状構造物(先行技術文献2の梁に相当)の断面内部や側面部に引張材が配置されているため、圧縮力によって箱状構造物の向い合う面が接着するため、ピン接合のように連結部が不規則に動くことはない。従って梁や桁をいくつでも連結することができ、複雑な形状や大きなアーチを構築することが可能である。
さらに本発明の連結構造物の完成形は、桁やアーチ構造物となって橋台等の上に設置され
るため、揺れやたわみ、振動は桁やアーチ構造物のそれであって、床版や吊構造のそれと比べてそれらによる弊害が小さいことは明らかである。また本発明では、アンカー設備及びケーブルは構築段階で用いる仮設設備であって、そのための用地や長期間のメンテナンスは必要がない。それ故、それらの費用も吊床版橋の永久部材と比べて安価であり、施工中の部材の許容応力も一時的荷重として大きく使うことができる。
言い換えると本願発明は、施工時は吊橋構造の有利性を利用して、完成時には構造的に有利な桁橋やアーチ橋構造を構築することができる、箱状構造物と橋の架設方法を提供している。
本発明の一連の箱状構造物の桁に作用する力は、コンクリート製の橋梁で用いるPC桁の力の作用と同様である点から説明する。
長いPC桁を製作する場合には、工場や現場の近くで短く分割した桁(セグメント)を製作して、現場で接合して、セグメントにPC鋼線を貫通させて、PC鋼線に引張力を加えて、セグメント間に圧縮力を導入して、長い桁を完成させる方法がある。
上記のPC桁製作方法と異なる本発明の特徴は、第一に本願箱状構造物(以下箱と称する)の素材はコンクリートに限らないこと。第二に箱の接合が仮設のケーブルに懸下された状態でなされること、つまり引張材を引張するまでは、一連の箱は重力の方向にほぼ放物線形状に垂れ下がって並んでいること。第三に箱を接合する直前まで、1カ所以上のセグメント間は上端部のみ接して下方に開いた隙間があることにある。
ケーブル施設は架橋工事に用いるケーブルクレーンや観光登山用のロープウエイのようなものでよい。
本願の一連の箱状構造物を懸下するケーブルは鋼線を編んだワーヤーロープや炭素繊維等の新素材のロープ状のもので良い。鋼線は引張強度の大きいPC鋼線であってもよい。また、一連の箱状構造物の荷重が小さい時にはナイロンや自然素材のマニラ麻などであってもよい。
一連の箱状構造物に対するケーブルの本数は一本でも複数本でも良い。
また本願一連の箱状構造物の直上を避けて、平視的に複数のケーブルの間に本願一連の箱状構造物が位置するようにケーブルを配置してもよい。
ケーブルは施工時のみの仮設構築物として利用し、本願の一連の箱状構造物を用いた連結構造物の桁やアーチリブが完成した後に撤去することができる。
ケーブルのアンカーは本設の基礎や橋台を利用することでもよい。また、仮設の鉄塔や、仮設のアンカーを利用することでもよい。
本願の各箱が有する懸下装置は、図1で表すように、箱の内部を貫通したケーブルで箱をケーブルに吊るす方法の懸下装置8(吊床版橋で一般的に採用されている)であってもよい。また図2で表すように、箱状構造物2の外側に突き出した懸下装置8によってケーブル1bに懸下する方法であっても良い。あるいは図3で表すように、いわゆるロープウエイのように各箱から上方に腕(腕のような部材)が突き出してケーブルから吊り下がる方法であってもよい。突き出す腕は剛性の硬いものであってもよい、また剛性のないロープ
状のたわむものでケーブルから各箱が吊り下げられる方法でも良い。
図2で表される本願発明は、張架されたケーブル1bが平行で複数本あって、懸下される一連の箱状構造物1aが平視的にケーブルの間に位置するように懸下装置8が箱状構造物2の外側に配置されている一連の箱状構造物である。このように平視的にケーブルの間に一連の箱状構造物が位置することで、引張材を引張して一連の箱状構造物が凸状連結構造物に形状を変化したときに、凸の部分とケーブルが干渉することがなくなるメリットがある。
いずれの懸下装置の方法であっても、ケーブルと懸下装置との間は、滑らせる方式や車輪などによって、箱状構造物がケーブルを利用して移動することができる必要がある。
なお、ケーブルに懸下された状態の箱状構造物の移動方法は、牽引ワイヤー等で引く方法や端部から箱状構造物を押出す方法等でよい。
箱状構造物をケーブルに懸下する方法は、ケーブルの付近に配置したクレーン等によって、箱状構造物を一つひとつ懸下する方法でよい。
一つひとつの箱状構造物をケーブル中央付近に移動させてから、各々の箱状構造物の上縁部を横に接して並べることでよい。あるいは、一連の箱状構造物を横に接して並べた状態で、一括してケーブルの中央付近に移動させる方法であってもよい。
張架されたケーブルは一連の箱状構造物の重量によって、下に凸の略放物線状の形状になる。従って一連の箱状構造物も懸下装置の長さを一定とした場合には、ケーブルの形状と同じ形状(下に凸の略放物線状)で配置される。
あらかじめ懸下装置の腕の長さを、中央部の箱状構造物の腕の長さを短く、端部の箱状構造物の腕の長さを長くしておくことで、箱状構造物を水平に近い状態で並べることも可能である。この方法では、個々の箱状構造物の重量によってケーブルのたわみの形状が変化するので、隣り合う箱状構造物相互の上下方向の位置を一致させることは、ケーブルに懸下された状態では困難な作業となる。しかし、後記する本願の上下方向へのずれ止め装置を機能させながら箱状構造物をケーブルに懸下すれば可能である。
尚、ケーブルに構造物を懸下する鋼製の吊橋では、本四連絡橋のようにスパン1000mを越える実績がある。またコンクリートの吊床板橋においても150m程度の実績があり、本願の箱状構造物をケーブルに懸下する施工方法は同程度まで可能であると言える。また、ガーダーを使用した桁の架設方法でスパン100mを越えるような実績は聞いたことがない。
本願での箱状とは、双三角錐や五角錐などを含まない、いわゆる四角い箱をいい、平断面、ケーブル方向の断面、ケーブル直角方向の断面の形状が方形や四角形である六つの面で囲まれた形状の箱を言う。
また、本願の箱状構造物は必ずしも外面が面で構成された箱でなく、箱状の骨組み構造でもあっても良い。
略直方体の形状の箱状構造物は製作し易く、荷重や応力計算をする上で容易であり扱い易い。箱状構造物の上面、下面および隣り合う箱状構造物と向かい合う面の形状は四角形や台形が良い。
ケーブルに懸下した隣り合う箱状構造物は以下のような状態となる。ケーブルは下に凸状であるため、一般的な略直方体の箱状構造物は上端部が隣の箱状構造物と接する状態となる。また一連の箱状構造物のうち、いくつかの箱状構造物の形状を下面の幅が上面の幅より長い形状(台形)として、隣の箱状構造物と向い合う面が全面的に接することであっても良い。また、以下で説明するように、上下方向のずれ止め装置や隙間の開き止め装置が機能することが明らかな場合(例えば、列車の連結装置のように衝突するとヒンジ形式で連結する構造等)には、箱状構造物と箱状構造物が離れていても良い。
箱状構造物はコンクリート、鋼材、樹脂や硬い木材などの素材で構成され、箱として圧縮力に対して変形が小さく、ひずみやたわみが極力小さくなるような形状や構造を採用した箱状構造物がよい。コンクリートは重いので中空である方が良い。
また上記の素材を箱状構造物の梁、支柱等の構造部材として用いた箱状構造物であっても良い。またその構造部材の外面を鋼板、樹脂あるいは紙板等で覆って、内部を中空とした箱状構造物であっても良い。
引張材を配置して圧縮力が強く作用する部分をコンクリート製、その他の部分を金属の骨組み構造とする混合構造であっても良い。
尚、一連の箱状構造物が桁や凸状連結構造物となった後に箱状構造物の内部にコンクリート等を充填する場合には、箱状構造物の内部にあらかじめ補強の鉄筋等を組込むことがあっても良い。
図4は本願発明の箱状構造物を概念的に表した斜視図である。
A図は鉄板製の一連の箱状構造物の一つを表した図であり、引張材配置装置4の周辺の受圧部分4fは引張材から受ける圧縮力に耐えるように強化された箱状構造物である。懸下装置8は箱状構造物2から上方に腕を突き出したように取り付けられている。
B図は、本発明の別の形態の一連の箱状構造物の一つを表した図であり、箱状構造物の下方は、引張材によって圧縮力が大きく作用する引張材配置装置4の周辺の受圧部分4fであり、コンクリート造である。箱状構造物の上方は圧縮力が小さい部分であり金属製(鉄骨構造)とした、混合構造の箱状構造物である。
図4のC図はジャッキを備えた箱状構造物7の斜視図(模式図)である。ジャッキ7a装置によって箱状構造物の上面の幅2hや下面の幅2iの長さを変えることが出来る構造である。
A図やB図で表すような、一連の箱状構造物の中の一つの箱状構造物にジャッキを備えた箱状構造物7を採用することで、その箱状構造物の上面幅や下面幅の長さを調整することによって、より目的に近い直線や凸状の形状をした桁や凸状連結構造物を構築することが可能となる。
A、B、C図で表したいずれの箱状構造物も隣り合う箱状構造物の向い合う面は係合する形状に構成されて、隣り合う箱状構造物は相互の箱状構造物に対する上下方向へのずれ止め装置3を有し、各箱状構造物は一連の箱状構造物を通じて圧縮力を導入するための引張材配置装置4を有している。
また一連の箱状構造物の中に、下面の幅2iが上面の幅2hより短い形状の箱状構造物を含むと、本発明の特徴である凸状連結構造物を造ることができる。
一連の箱状構造物の両端部を除いて、各箱状構造物の側面は隣り合う箱状構造物と向い合う面である。隣り合う箱状構造物の向い合う面が係合する形状であるということは、隣接する箱状構造物の引張材4aを通す貫通孔などの引張材配置装置4の位置や、接着面に作用する圧縮力に対して剛である受圧部分4fの位置などが係合することである。また、隣り合う箱状構造物に対する上下方向のずれ止め装置3、例えば隣り合う箱状構造物の向い合う面に凹凸を設ける場合には、その凹凸の形状や位置などが係合することである。
向い合う面が接着するとは、面と面との全面が接着することではなく、面の中の少なくとも3箇所が接着することでよい。面は3点(3箇所)支持の状態となって安定する。その3箇所は圧縮力に耐える圧縮強度が必要である。箱状構造物は略長方形であるため4隅付近の4箇所が接着することが望ましい。向い合う面のその他の領域は強度が無くともよい、あるいは面と面が接触していなくとも構わない。
引張材はたわみ性のあるワイヤーやロープ状のもので伸びの少ないものがよい。また引張材の素材はPC鋼線や炭素繊維、アラミド繊維等の引張耐力の大きい素材がよい。しかし、採用する箱状構造物が軽量である場合には引張耐力の小さいロープや針金であっても良い。
引張材の長さは一連の箱状構造物を通じて連続する一本の引張材であっても良い。また、複数の引張材定着装置を用いて、不連続に引張材を配置して、全体として一連の箱状構造物間に圧縮力が作用する方法であっても良い。並列や千鳥配置に複数本の引張材が配置されることであっても良い。
引張材配置装置は引張材がケーブルより下に配置されるように、箱状構造物の下方に位置するのがよい。
引張材配置装置は引張材を収納する孔などの部分と、引張材の端部に引張材定着装置を有する。引張材定着装置は、引張材を定着する装置であって、加えて引張材を引張することが可能な装置であってもよい。PC桁製作等に用いられる公知の装置でよい。
引張材は両端部を引張材定着装置と連結する。引張材を引張(緊張とも呼ばれる)することにより、一連の箱状構造物の間隔を狭め、離れていた各箱状構造物の向い合う面を接着し、さらに一連の箱状構造物間に圧縮力を導入することができる。引張材の引張は引張材の一方または両方の端部から行う。引張材、定着装置や引張作業(緊張作業)については公知のPC橋梁等に用いる技術で良い。また、引張材の引張は足場上で行われるが、遠隔操作やコンピューターによって微細な管理をしてもよい。
箱状構造物に設ける引張材配置装置である引張材を通す孔4cは、図5のA図に表すように直線状であっても良いし、曲線状であっても良い。一連の箱状構造物を通して1本の引張材を通す場合には、隣り合う箱状構造物相互の孔の位置にずれがないことが重要である。
また、隣り合う箱状構造物間に短い引張材を配置して箱状構造物間に圧縮力を導入するこ
とであっても良い。その場合、箱状構造物の構造部材に引張力が作用する場合がある。また引張材がオーバーラップしている場合には箱状構造物の構造部材により大きな圧縮力が作用する。本願発明では、一連の箱状構造物間に圧縮力が導入されることが肝要ある。
尚、引張材の合計引張量(長さ)は、引張材の伸び量や箱状構造物の収縮量などの部材の変形量を無視すれば、一連の箱状構造物の箱状構造物間の開いた空間(引張材の位置の)の合計長さに等しい。従って一連の箱状構造物全体の長さと比べて、引張量はわずかであるため引張作業は短時間で終了することが出来、施工が早い工法と言える。
また、引張材は隣り合う箱状構造物との接合部分で直線とならずに折れ曲りが生じる。その折れ曲がりを緩やかにするために引張材配置装置の孔の端部はラッパ管状にして孔口を広げた形状を採用することも出来る。
しかし、一連の箱状構造物がケーブルに懸下された後に引張材を溝に沿って配置して、引張材を引張材の軸と直角方向に移動させて溝の中に配置する方法が可能であり、引張材の配置作業が極めて容易となる。引張材を溝に配置した後に、溝の一部または全部に蓋や止め具をして、引張材が溝からはみ出ないようにすると良い。
棚には、棚から引張材が外れないように留め具を設けると良い。留め具は引張材が軸方向に動くことは拘束せずに、軸直角方向に必要以上に動くことを拘束するような機能が必要である。ただし、引張材定着装置の部分は引張材の軸方向に大きな力がかかるので強固な棚とする必要がある。
尚、一連の箱状構造物の断面の内部に引張材は配置されているため(図5のC図では上下方向の意味で断面の内部)、一連の箱状構造部は前記先行技術文献で記した、直列に並ぶ梁の接合点をピン構造とした構造体のように、列の並びの方向が定まらないようなことはない。本願の一連の箱状構造物は引張材の引張力によって、係合する面がしっかりと接着して、しっかりとした桁状や凸状の連結構造物を構成することができる。
隣り合う相互の箱状構造物に対する上下方向へのずれ止め装置は、図6のA図で表すように、箱状構造物の上面または下面に鋼材プレート3aをボルトで3d取付ける、いわゆるストッパーであっても良い。プレートはあらかじめ隣り合う箱状構造物の位置関係を考慮して折り曲げたプレートであるとよい。
あるいは図6のB図で表すように相対する箱状構造物の面に係合するずれ止めの凹凸3bを設けることでもよい。あるいはさらに図6のC図で表すように、双方の箱状構造物の間に上下のずれは許さないが回転は許すヒンジ構造(ピン構造)3cの装置を設置することでもよい。
また隣り合う箱状構造物間の隙間が小さい場合は上下方向へのずれ止め装置は、簡易な構造の、短い鋼棒を双方の箱状構造物のダボ穴に挿し込むような物であってもよいし、相互の箱状構造物に係合する小さな凹凸を設けた形状でもよい。
尚、隣り合う箱が離れた位置にあっても、引張材によって相互の箱が引き寄せられたとき
に、列車の連結器のようにヒンジ構造が機能するような上下方向へのずれ止め装置であってもよい。
図7で表すように、引張材4aを引張して一連の箱状構造物の箱状構造物間の隙間を狭くするときに、引張材による引張力と箱状構造物の自重とのバランスの関係で、一時的に一カ所の間隔が広がる場合(広がってしまった隙間6d)がある。引張材の任意の2点を結ぶ点が引張力の方向6eであり、左右の箱状構造物が接する部分が圧縮力の作用する部位6fである。ここで隙間6dの位置に対して、引張力の方向6eの位置が圧縮力の作用する部位6fよりも遠方になった場合には、隙間6dがさらに広がる方向に引張力が作用してしまう現象が発生する。隙間の開き止め装置6を設置するとその現象を防ぐことができる。
間隔が広がってしまう傾向にある箱状構造物間に短い引張材を配置して引張力を作用させることでも良い。あるいは箱状構造物間毎に短い引張材を設置できるような引張材配置装置を設置して、箱状構造物間の引張材の引張順序を設定してバランス良く全体を引張する方法も可能である。しかし以下に説明するような隙間開き止め装置は引張材配置装置より安価で設置も簡便である。
隙間の開き止め装置は図8で表すように、箱状構造物の上面に設置された鉄板の開き止め装置6a、箱状構造物の側面に設置された長穴あけた鉄板による開き止め装置6b、箱状構造物の内部に設置されたアンカー付の鋼棒による開き止め装置6cなどの簡単な装置で箱間の隙間が広がることを防ぐことが可能である。隙間の開き止め装置6は一列に並べられた隣り合う箱状構造物の下部の間隔が広がることを防ぐことができれば、他の方法によるものであっても良い。箱状構造物の自重が軽い場合には、隣り合う箱状構造物の下部を、伸びには抵抗し縮小にはたわむワイヤーや針金等で繋ぐことでも良い。
一連の箱状構造物の引張材を引張した場合に、一連の箱状構造物はケーブルに懸下された状態で連結構造物となる。このとき、両端部の箱状構造物の懸下装置で連結構造物を懸下する状態になるため、端部の箱状構造物の懸下装置は中央部のそれと比較して強固な構造とする必要がる。また、ケーブルもこのとき端部の箱状構造物から最大の集中した荷重を受けることになる。
図1のD図で表すよう、桁状となった連結構造物の端部の箱状構造物2jは橋台の上に設置される。そのため、支承構造を備えることができる構造が良い。
また、図2のD図で表すように、アーチ状となった連結構造物の端部の箱状構造物は橋台上に設置されるため、あらかじめ橋台と符号するような形状に製作するとよい。この場合、橋台との連結方法は固定、またはヒンジ構造等がよい。
一連の箱状構造物の箱の高さを変化させて、中央部より端部の箱状構造物の箱の高さが高くなるようにすると有利な場合がある(アーチ形状の場合等)。また、凸状連結構造物を構築する場合には、施工中に連結構造物の重心位置が高くなるため、中央部より端部の箱状構造物を重く造ることで、重心の位置を下げて施工中の転倒に対する安定を図ると良い。
尚、本願一連の箱状構造物の端部の箱の外側に、さらに別の箱状構造物を引張材等を使って連結して、完成形としての桁や凸状連結構造物の長さを長くすることが可能である。追加の箱が支承や伸縮装置等の機能を備えているとさらに有利な構造物を構成することが出来る。
図9で表すように、桁に作用する自重や荷重によって、桁の内部には圧縮力と引張力が作用する。本願の一連の箱状構造物には図1で表すように引張材4aを配置して引張材に引張力をあたえ、その反力として一連の箱状構造物間に圧縮力を作用させるため、内部に常
に圧縮力が作用する一連の連結構造物を構築することができる。つまり一連の箱状構造物は桁として利用することが可能である。
桁橋は1970年代に既に240mスパンの実績のある構造形式の橋であり、同規模長の吊橋や吊床版橋と構造が異なるため、揺れ、振動やたわみ等において、圧倒的に優位である。
凸状連結構造物とは図2で表すように、上面より下面の幅が短い箱状構造物を一つ以上採用した一連の箱状構造物が引張材の引張力によって隣り合う箱状構造物相互に圧縮力が作用して、隣り合う面が接着することによって、ケーブルで懸下された一連の箱状構造物が、上の方向に凸状になり、かつ箱状構造物間に圧縮力が作用した状態で連結された構造物であることをいう。
尚ここで図2のC図で表すように、一連の箱状構造物が平視的にケーブルの間に位置することは、一連の箱状構造物が盛り上がって凸状に変形するときに、ケーブルは追随して凸状にならずに、両端部の箱状構造物の間で、直線状になることができる構造的メリットがある。
もし、ケーブルが一連の箱状構造物に追随して凸状に形状を変える構造の場合には、以下の(1)、(2)のデメリットが発生する。
(1)ケーブルが上から、引張材が下から凸状連結構造物を押し合って、力の損失が発生する。
(2)ケーブルが凸状の形状に遠回りする線形となるため、ケーブルの全体の長さが一定である場合には、懸下された一連の構造物は上方に吊上げられることになり、より大きな水平力がケーブルに作用することになる。
尚、凸状連結構造物が構成されて橋台上に設置されたとき、凸状の形状が略アーチ形状で、自重や外力によって箱状構造物間に圧縮力が作用する形状の場合には、両端部の箱状構造物の水平方向への移動を拘束することによって、アーチ構造となって引張材から引張力を抜いても凸状の形状が保たれる。あるいは、引張材そのものを除去しても形状は保たれる。
図1のA図を参照にして説明する。
ケーブル1bに懸下して並べる2個以上の箱状構造物2からなる一連の箱状構造物1aの個々の箱状構造物が略直方形である場合には、一般的にケーブル1bのたわみに沿って並ぶことによって、隣り合う箱状構造物相互は上縁付近のみで接して、下縁付近は隙間をおいて対面する状態で、隣り合う箱状構造物との間に下に向かって開いた空間2fができる。そのとき、隣り合う箱状構造物の向い合う面が下に向かって開いた平面角度2mができる。
この状態で引張材に引張力を加えると、引張材定着装置からの反力で隣り合う箱状構造物の向い合う面は近づき、更に引張が続くと隣り合う箱状構造物の向い合う面の隙間を解消して、面相互が接着する。その結果、当初隣り合う箱状構造物はケーブルのたわみに沿って並んでいたが、箱状構造物の意図した形状に従って並ぶ状態となる。つまり隣り合う箱状構造物は下に向かって開いた角度2mと同じ角度だけ、引張前の状態から上に折れ曲って並ぶ状態となる。
要であるが、前記PC桁の例でも説明したが、コンクリートや鋼材、樹脂等の素材であれば充分に破壊されない耐力があると言える。
図10のA図は一連の箱状構造物の箱状構造物間の下面にある隙間2fと、そこに生じる隣り合う箱状構造物の向い合う面とで下に向かって開いた角度2mについて説明する図である。符号2m1、2m2、2m3〜は下に向かって開いた角度2mの個々の箇所における下に向かって開いた角度を表している。
引張材4aに引張力を導入すると両端部の引張材定着装置4bが引き寄せられ、一連の箱状構造物の隣り合う箱状構造物が接着することで、次のようなことが言える。つまり一連の箱状構造物は、一方の端部の箱状構造物2jに対して他方の端部の箱状構造物2jは、下に向かって開いた角度2m毎の角度の変化が累計されて、最終的に下に向かって開いた角度2mの合計角度2pの方向を変えることになる。
B図は引張材の引張力によって、一部の下に向かって開いた角度2mが解消された状態を表す説明図である。直方体形の箱状構造物の場合は、箱の側面が箱の軸に対して直角であるため、当然であるが引張力を加えて箱状構造物の面が密着すると、下に向かって開いた角度2mが解消されて、C図で表すような直線形状の連結構造物となる。つまり、この連結構造物は圧縮力の入った桁である。
本願発明では箱状構造物の形状を変えることで、つまり隣り合う箱状構造物間の前記下に向かって開いた平面角2mの合計角度2pが、ケーブルに懸下された一連の箱状構造物の両端部の箱状構造物を懸下する部分のケーブルの延長線がなす角度2nより大きいときには、引張材に引張力をあたえることで、一連の箱状構造物は直線状にならず上に凸の凸状連結構造物になる。この上に凸の形状は、端部が水平方向に移動することを拘束することで、上からの荷重に強いアーチ形状に近づくため有利な形状である。また桁下の空間を広く確保できる有利さがある。
図2のD図で表すように、一連の箱状構造物に圧縮力だけが作用するように、箱状構造物の形状等に考慮した一連の箱状構造物を採用して、両端部の箱状構造物2jを水平方向の外力20で拘束することで、引張材配置装置の引張材から引張力を抜いても、凸状連結構
造物は形状を保ち、アーチ構造物(常に箱状構造物に圧縮力が作用する)としての機能を保つことができる構造物を構築することができる。
この形状は、曲げやせん断力が作用しないため鉄筋等による補強も必要とせず有利な形状である。水平方向の力20には強固な地盤や橋台、岩盤、タイドケーブルなどが利用できる。
該一連の箱状構造物をケーブルに懸下したとき、1カ所以上の隣り合う箱状構造物の向い
合う面は、上縁付近が接して下縁付近は隙間2fをおいて対面する状態で、下に向かって開いた平面角2mをなしている。
その一連の箱状構造物1aの引張材配置装置4に引張材4aを配置して、該引張材を引張して一連の箱状構造物間に圧縮力を導入したとき、前記隙間2fを解消したのち、一連の箱状構造物は引張材で連結された連結構造物1cとなり、両端部の箱状構造物2jの懸下装置8で一連の箱状構造物1aをケーブルに懸下することができることを特徴とする一連の箱状構造物である。
次に前記で説明した一連の箱状構造物を使って桁を構築して架設する方法を図3に表す桁の架設方法の施工手順説明図と下記の(1)〜(5)の手順にそって説明する。尚、図3は橋梁の桁架設を表しているが、建築物の桁や梁も同様に架設することができる。
このとき、箱状構造物2の形状は、正面からみて直方体であれば、図10で説明するように、隣り合う箱状構造物間の前記下に向かって開いた平面角2mの合計角度が、ケーブルに懸下された一連の箱状構造物の両端部の箱状構造物2jを懸下する部分のケーブルの延長線がなす角度と同じ角度となる。(部材の伸びや角度を測定する位置による誤差を無視した理論上である)
また必要に応じて、一連の箱状構造物に前記で説明したような開き止め装置を機能するように取付ける。
そして各箱状構造物の引張材配置装置4に引張材4aを配置する。引張材の配置は、前記(2)の工程と同時にしてもよい。あるいは前記上下ずれ止め装置を機能させる手順の前後であってもよい。ここで、引張材配置装置4が図5のB図に表すような箱状構造物外側に設けた横方向の溝4dの形状である場合には、引張材を横から溝の中に押し込む方法で容易に配置することが出来る。このとき、一連の箱状構造物の隣り合う箱状構造物の向い合う面は係合する形状であるため、隣り合う箱状構造物の上下ずれ止め装置や引張材配置装置は相互に適正な位置で機能することができる。
図14は隣り合う箱状構造物の向い合う面が下に向かって開いて平面角が1カ所の一連の箱状構造物であって、鋼と高強度コンクリートの混合構造物である。A図は引張材を配置する前の状態を表し、B図は引張材を引張した後の一連の箱状構造物を表している。
ここで橋梁架設において、長い桁を架設する場合は桁を架け渡すことが困難な作業であって、既にほぼ定位置にある桁の両端部を2台のクレーンで吊って移動する(5)の工程は、クレーンの作業半径が小さいため特別大きなクレーンを必要とせず、容易な作業であると言える。(2)から(5)の作業を繰り返すことで、一つのケーブルセットとで、複数の桁を架設することが出来る。
次に前記で説明した一連の箱状構造物を使ってアーチリブを含む凸状連結構造物を構築して架設する方法を下記の(1)〜(5)の手順にそって説明する。
前記桁を架設する方法に加えて図2で表すように、張架されたケーブル1bが平行で複数本であって、懸下される一連の箱状構造物1bが平視的にケーブルの間に位置するように懸下装置8が箱状構造物2の外側に配置されている箱状構造物を用いる。
また、箱状構造物の形状が、正面からみて下面の幅2iが上面の幅2hより短い形状の箱状構造物を含んでいて、隣り合う箱状構造物間の前記下に向かって開いた平面角2mの合
計角度2pが、ケーブルに懸下された一連の箱状構造物の両端部の箱状構造物を懸下する部分のケーブルの延長線がなす角度2nより大きい角度となる一連の箱状構造物を採用する。
このように構成されたケーブルと一連の箱状構造物を採用することで、
(1)前記桁の架設方法と同様にケーブルを張架する。
(2)前記桁の架設方法と同様に一連の箱状構造物をケーブルに懸下する。ただし、ここで隣り合う箱状構造物間の前記下に向かって開いた平面角の合計角度が、ケーブルに懸下された一連の箱状構造物の両端部の箱状構造物を懸下する部分のケーブルの延長線がなす角度より大きい角度となる。
(3)前記桁の架設方法と同様に一連の箱状構造物に引張材を配置する。
ケーブルより大きく上方に突出する凸状連結構造物を構築する場合には、一連の箱状構造物の端部の箱状構造物の重量を重くし、中央部の箱状構造物の重量を軽く構成することで、全体の重心を低くして、凸状連結構造物が転倒することを防ぐことができる。他の方法として、重心を下げるためのバランスウエイトを用いたり、クレーンの吊り位置を選定することで安定を保つことも可能である。
(5)次に、前記桁の架設方法と同様に2台のクレーン等を使って凸状連結構造物を橋台等の上に設置することで、橋梁のアーチリブや建造物の覆いの凸状構造物を架設することが可能である。
図2のD図で表すように、構築された凸状連結構造物の形状が略円弧状の場合には、円弧の長さが円周の1/4以上つまり両端部の箱状構造物のなす角度が90度以上で180度以下の場合には、箱状構造物の自重や上方からの荷重によって箱状構造物間に常に圧縮力が作用するアーチ状構造物を容易に構成することができる。
このように一連の箱状構造物の箱間に、常に圧縮力が作用する形状の凸状が形成された場合には、前記凸状連結構造物を構築する方法の(1)〜(5)の手順の後に、水平方向の外力20で、両端部の箱状構造物の水平方向の動きを拘束する方法で、引張材から引張力を消去しても圧縮力が作用し続ける安定的な凸状連結構造物(いわゆるアーチ構造で崩れない)を維持することが出来る。
ケーブルに懸下されて構築された桁状連結構造物や凸状連結構造物を橋台等の上に設置するとき、ケーブル位置より横にずらして橋台等の上に設置することで、同じケーブルを使って複数の桁状連結構造物や凸状連結構造物を構築することが可能であり、経済的である。
複数、並列の本願連結構造物の上に、橋梁上部工や建築物の屋根を構築することで、大きなスパンでも安定した強固な構造物を構築することができる。
図12は本発明の一連の箱状構造物の実施例の一つを表す箱状構造物の透視の斜視図である。この図では上下ずれ止め装置や開き止め装置等は表示を省略している。
図12の箱状構造物は下部がコンクリート製で上部が樹脂製の箱状構造物で構成された混合構造の箱状構造物を表した概念図である。樹脂製部分の箱状構造物は内部に空間17があり、箱状構造物の上方に固結材を注入する注入孔17aを備えた箱状構造物である。大きさは、小はビール瓶の箱程度から大は20フィートコンテナ程度の箱が適当である。一連の箱状構造物として図12で表すような箱状構造物を採用することで、桁や凸状連結構
造物を構築するまでは箱の内部に空間があり、軽くて扱い易い箱状構造物である。
箱状構造物や桁や凸状連結構造物の前面、背面と下面を固結材が漏れないように遮蔽材19で覆って、桁や凸状連結構造物の内部空間に注入孔17aから固結材を注入、充填することで、圧縮力に強い凸状連結構造物を構築することが可能である。遮蔽材は鋼、樹脂、布、紙などの素材の板、シート、網などの材料が適当である。
桁や凸状連結構造物の自重に対して大きな上載荷重が作用する場合において、一例として橋梁上部工を支える桁や凸状連結構造物を構築する場合などに、支保工が不要で施工が速く、軽い桁や凸状連結構造物を構築後、内部空間に固結材を注入して強固で耐久性のある桁や凸状連結構造物にすることが出来るため、優位性のある架設方法と言うことができる。
尚、固結材としてはコンクリート(高強度)、発泡モルタル、発泡ウレタンや発泡スチロールなどの公知の材料を使用することができる。また、固結材の注入前に桁や凸状連結構造物の内部に鉄筋や鉄骨の補強材を配置しておくと更に強固な躯体となる。
図13は、図12で表された箱状構造物の内部を一連の箱状構造物の軸方向と平行な方向に仕切り材18を用いて複数に分割した箱状構造物を表した透視の斜視図である。
引張材の引張力で構築された一連の箱状構造物の桁や凸状連結構造物は、箱状構造物の内部に空間がある場合は外部からの荷重による圧縮力に対して弱い。その対策として、箱状構造物の内部空間に固結材を充填する方法を前記で説明したが、固結材に安価な生コンクリートやセメントグラウトを採用した場合には、その重量によって一度に固結材を注入すると、桁や凸状連結構造物に大きな荷重が作用して、破壊するおそれも生じる。そのようなことを防ぐために、固結材を一連の箱状構造物の軸方向と平行な方向に仕切り材で区分けして、区分けした部分に段階的に固結材を注入して、段階的に層状に桁や凸状連結構造物を構築して、強度を増していく構築方法が可能である。先行して注入した固結材が硬化することで桁や凸状連結構造物を段階的に強化する工法である。
仕切り材の材料は前記遮蔽材と同様の材料で良い。
尚、一連の箱状構造物の各箱状構造物を、同形の箱状構造物として工業生産することで、箱状構造物の内部に仕切り材を設けることはわずかな費用で可能である。
1a:ケーブルに懸下されて並んだ一連の箱状構造物
1b:ケーブル
1c:連結構造物
1d:桁
1e:凸状連結構造物
2:個々の箱状構造物
2a:隣り合う箱状構造物の向い合う面
2b:箱状構造物の上面
2c:箱状構造物の下面
2d:下面の幅が上面の幅より短い形状の箱状構造物
2f:下に開いた隙間
2h:箱状構造物の上面の幅
2i:箱状構造物の下面の幅
2j:端部の箱状構造物
2k:中央部の箱状構造物
2l:箱状構造物の高さ
2m:隣り合う箱状構造物の向い合う面とで下に向かって開いた角度
2n:両端部の箱状構造物を懸下する部分のケーブルの延長線がなす角度
2p:2mの合計角度
3:上下方向へのずれ止め装置
3a:プレート
3b:ずれ止めの凹凸
3c:ヒンジ構造
3d:ボルト
3e:ボルト用穴(ずれ止め装置や開き止め装置用)
3f:ヒンジ構造の心棒を通す孔
4:引張材配置装置
4a:引張材
4b:引張材定着装置
4c:引張材を通す孔
4d:箱状構造物外側に設けた横方向の溝
4e:箱状構造物外側に突き出した横方向に並ぶ棚状
4f:受圧部分
6:開き止め装置
6a:箱状構造物上面に鋼材をボルト止めした開き止め装置
6b:長穴を開けた鉄板を双方の箱状構造物の留め金具に通した開き止め装置
6c:鋼棒の両端部に鉄板を付けてスリーブに通した開き止め装置
6d:広がってしまった隙間
6e:引張力の方向
6f:圧縮力の作用する部位
7:ジャッキを備えた箱状構造物
7a:ジャッキ
8:懸下装置
10:コンクリート
10a:鋼材
11:PC桁
13:基礎、橋台または橋脚等
16:樹脂とコンクリートの混合構造の箱状構造物
17:箱状構造物の内部空間
17a:箱状構造物の内部に固結材を注入する注入孔
18:仕切り材
18a:第一列の仕切られた内部空間
18b:第二列の仕切られた内部空間
18c:第三列の仕切られた内部空間
19:遮蔽材
20:水平方向の外力
21:アーチ構造
22:説明のための円形
Claims (5)
- 張架されたケーブルへの懸下装置を有する2個以上の箱状構造物からなる一連の箱状構造物であって、
隣り合う箱状構造物の向い合う面は係合する形状であり、
隣り合う箱状構造物は相互の箱状構造物に対する上下方向へのずれ止め装置を有し、
各箱状構造物は一連の箱状構造物間に圧縮力を導入するための引張材配置装置を有し、
ケーブルに懸下したとき、1カ所以上の隣り合う箱状構造物の向い合う面が、上縁付近が
接して下縁付近は隙間をおいて対面する状態で、下に向かって開いた平面角をなし、
該一連の箱状構造物の引張材配置装置に引張材を配置して、
該引張材を引張して一連の箱状構造物間に圧縮力を導入したとき、
前記隙間を解消したのち、一連の箱状構造物は引張材で連結された連結構造物となり、
両端部の箱状構造物の懸下装置で一連の箱状構造物をケーブルに懸下することができる
ことを特徴とする一連の箱状構造物。 - 張架されたケーブルの方向の下面の幅が上面の幅より短い箱状構造物を含んで、
ケーブルに懸下したとき、
隣り合う箱状構造物間の前記下に向かって開いた平面角の合計角度が、
ケーブルに懸下された一連の箱状構造物の両端部の箱状構造物を懸下する部分のケーブルの延長線がなす角度より大きく、
引張材を引張して一連の箱状構造物間に圧縮力を導入したとき、
上に凸の凸状連結構造物になる
ことを特徴とする請求項1記載の一連の箱状構造物。
- 張架されたケーブルが平行で複数本あって、
懸下される一連の箱状構造物が平視的にケーブルの間に位置するように懸下装置が箱状構造物の外側に配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載の一連の箱状構造物。 - 請求項1、2又は3記載の一連の箱状構造物を使用して、
ケーブルを張架する工程と一連の箱状構造物をケーブルに懸下する工程と一連の箱状構造物に引張材を配置する工程と該引張材を引張して桁を構築する工程と該桁をケーブルから外して橋台等の上に設置する工程を有することを特徴とする桁の架設方法。 - 請求項3記載の一連の箱状構造物を使用して、
ケーブルを張架する工程と一連の箱状構造物をケーブルに懸下する工程と一連の箱状構造物に引張材を配置する工程と該引張材を引張して凸状連結構造物を構築する工程と該凸状連結構造物をケーブルから外して橋台等の上に設置する工程を有することを特徴とする凸状連結構造物の架設方法。
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