JP2536376B2 - 道路保護用シェッドの基礎構造 - Google Patents

道路保護用シェッドの基礎構造

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JP2536376B2
JP2536376B2 JP4339152A JP33915292A JP2536376B2 JP 2536376 B2 JP2536376 B2 JP 2536376B2 JP 4339152 A JP4339152 A JP 4339152A JP 33915292 A JP33915292 A JP 33915292A JP 2536376 B2 JP2536376 B2 JP 2536376B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は山間部の道路を雪崩、落
石、地辷等から保護するために構築される道路保護用シ
ェッドの基礎構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来この種の崖に沿う道路に構築される
シェッドは、実公平1−4895号公報、特公平1−2
722号公報で開示されているように、複数の主桁を道
路長手方向に向う横締用PC鋼材により一体に緊結して
屋根を形成し、道路の山側と谷側とにそれぞれ山側基礎
と谷側基礎を構築し、これら基礎に支持体である柱また
は壁を立設し、これら柱または壁に前記屋根の道路方向
両側を剛結して構成される。この一例を図15に示す
と、道路Aの谷側を掘削して基礎となる置換えコンクリ
ート1を打設し、この置換えコンクリート1の上部に、
コンクリート製からなる谷側基礎2を設け、この谷側基
礎2上に複数のコンクリート柱3を立設し、また、道路
Aの山側には、下部に山側基礎4を一体に設けた支持体
たるコンクリート壁5を構築し、屋根6の幅方向両端側
を前記コンクリート柱3とコンクリート壁5とに剛結し
てシェッドを構築するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術のシェッ
ドでは、屋根6の両端側をコンクリート柱3とコンクリ
ート壁5とにより支持するものであるが、その谷側の柱
3の基礎となる谷側基礎2の構造安定化を図るため、崖
に沿って置換えコンクリート1を構築するようにしてい
る。そして、その置換えコンクリート1は、現場施工に
より谷底まで連続して構築しなければならず、高い崖に
沿った道路Aではその高さが数十メートルにもなってし
まい施工が煩雑になるという問題があった。特にこの種
のシェッドにおいては、屋根6の一部を柱3からさらに
谷側に張り出して設ける構造であり、置換えコンクリー
ト1の施工のため、崖の高さ寸法全長に渡る掘削,その
型枠組み及びコンクリート打設作業が必要となり、その
基礎構造に掛かる工期及び工費が増加するという問題が
あった。
【0004】そこで本発明は施工が容易で、工期の短縮
が可能な道路保護用シェッドの基礎構造を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、道路
の山側にコンクリート製の山側基礎を設けると共に、谷
側にコンクリート製の谷側基礎を設け、前記山側基礎上
に支持体を設けると共に、前記谷側基礎上に支持体を設
け、前記両支持体により屋根の幅方向両側を支持する道
路保護用シェッドの基礎構造において、前記両基礎を鋼
製連結部材により連結するものである。
【0006】また請求項2の発明は、前記山側基礎と谷
側基礎をそれぞれ道路の長手方向に複数に分割した山側
基礎版と谷側基礎版を、プレキャストコンクリートによ
り形成し、相互に連結可能で前記連結部材を幅方向に分
割した分割連結部材を前記山側基礎版と谷側基礎版にそ
れぞれ設けたものである。
【0007】また請求項3の発明は、前記谷側基礎を道
路の長手方向に複数に分割した谷側基礎版を、プレキャ
ストコンクリートにより形成し、その谷側基礎版に前記
連結部材を設けたものである。
【0008】
【作用】上記請求項1の構成によって、谷側基礎と山側
基礎とを連結部材により連結して基礎構造の安定化を図
り、また、谷側の置換えコンクリートを構築する必要が
なくなり基礎構造部分の工期の短縮が図られる。
【0009】また上記請求項2の構成によって、プレキ
ャストコンクリート製の谷側基礎版と山側基礎版とを分
割連結部材により連結して基礎構造の安定化を図り、ま
た、両基礎の現場でのコンクリート打設作業が不要にな
ると共に、谷側の置換えコンクリートを構築する必要が
なくなり基礎構造部分の工期の短縮が図られる。
【0010】また上記請求項3の構成によって、プレキ
ャストコンクリート製の谷側基礎版とコンクリート製の
山側基礎を連結部材により連結して基礎構造の安定化を
図り、また、谷側基礎の現場でのコンクリート打設作業
が不要になると共に、谷側の置換えコンクリートを構築
する必要がなくなり基礎構造部分の工期の短縮が図られ
る。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面を参照して
説明する。図1ないし図8は本発明の第1実施例を示
し、同図において、道路保護用シェッドは、複数の主桁
11を道路Aの長手方向に向う横締用PC鋼材12により一
体に緊張して屋根13を形成し、この屋根13は、その谷側
が支持体である複数のコンクリート柱14上の道路長手方
向の受梁15に固定され、その山側が支持体であるコンク
リート壁16に固定され、前記主桁11には、道路幅方向に
向かうPC鋼材17によりプレテンション方式で緊張力が
付与されており、また、前記受梁15は道路Aの長手方向
に連続して並べられる。また、前記コンクリート柱14及
び受梁15はプレキャストコンクリートよりなる。前記主
桁11は頂板部19とウエブ20と複数の横梁部21とからな
り、T型断面が長手方向及び幅方向に連続している。前
記屋根13の山側は、前記コンクリート壁16と主桁11とが
複数のアンカーバー22により連結され、また屋根13の谷
側は、前記受梁15と主桁11とがアンカーバー24により連
結される。
【0012】このようなシェッドにおいてその基礎構造
は、道路Aの両側に間隔をおいて設けられる山側基礎28
と谷側基礎29及びこれら両基礎28,29を道路Aの幅方向
に連結する鋼製連結部材30よりなり、その谷側基礎29と
山側基礎28は、プレキャストコンクリートからなる複数
の山側基礎版31と谷側基礎版32とを道路Aの長手方向に
並べてなり、そのプレキャストコンクリート製山側基礎
版31は、前記コンクリート壁16の下部に設けられ、かつ
谷側に向って前記連結部材30を道路Aの幅方向に分割し
た一方の分割連結部材33が工場にて一体に突設され、複
数の前記山側基礎版31が、山側掘削孔34に打設した均し
コンクリート35上に敷設され、かつこれら複数の山側基
礎版31は、複数の横締用PC鋼材36によりポストテンシ
ョン方式で道路長手方向に緊張一体化され、また、その
山側基礎版31は、幅が略2600ミリ、道路長手方向の
長さが略1000ミリ、高さが略1500ミリ程度をな
している。前記プレキャストコンクリート製谷側基礎版
32は、前記コンクリート柱14の下部に設けられ、その谷
側基礎版32は、後述する道路版部を除いた幅が略280
0ミリ、道路長手方向の長さが前記山側基礎版31と等し
い略1000ミリ、最大高さが略1800ミリ程度をな
し、その谷側には道路版部37が一体に突設されている。
また、谷側基礎版32には、山側に向って他方の分割連結
部材38が突設され、山側掘削孔39に打設した均しコンク
リート40上に、複数の前記谷側基礎版32を敷設し、かつ
これら谷側基礎盤32は、複数の横締用PC鋼材36Aによ
りポストテンション方式で道路長手方向に緊張一体化さ
れ、その谷側基礎版32の分割連結部材38を、図4に示す
連結板41とボルト,ナット等の締着部材42を介して前記
分割連結部材33と直線状に連結し、これにより両基礎版
31,32が2対の分割連結部材33,38により連結固定さ
れ、それら両基礎版31,32の間隔は略5000ミリ程度
をなしている。また、前記谷側基礎版32とコンクリート
柱14と受梁15とは縦締用PC鋼材43により緊張一体化さ
れる。44は両分割連結部材33,38を覆って現場で打設さ
れる巻立てコンクリート部、45は前記道路版部37に設け
られる手摺である。また、46は現場打ちによる裏込めコ
ンクリート、47は前記屋根13上に敷設される発泡スチロ
ールブロックからなる衝撃緩衝材である。
【0013】次ぎに前記シェッドの施工について説明す
ると、図5はシェッド構築現場の道路Aを示し、図中B
は現況擁壁、Cは現況歩道部、Dは崖であり、施工に当
たってはまず道路Aの山側に山側基礎版31を埋設する山
側掘削孔34を掘削する。次ぎに同図に示すように、均し
コンクリート35を打設し、この均しコンクリート35上に
複数の山側基礎版31を道路長手方向に敷設し、かつこれ
ら山側基礎版31を横締用PC鋼材36により緊張一体化し
て山側基礎28を形成する。また、複数の分割連結部材33
上には覆工板48を仮置きし、また前記山側掘削孔34部分
以外の道路Aは片側交通部分Eとして開放する。山側基
礎版31の敷設が完了したら、前記現況擁壁Bの上部及び
現況歩道部Cを撤去し、図6に示すように、谷側基礎版
32を埋設する谷側掘削孔39を形成し、道路Aの山側は覆
工板48と山側基礎版31の一部を片側交通部分Eとして開
放する。その谷側掘削孔39の底部に均しコンクリート40
を打設し、複数の谷側基礎版39を敷設すると共に、両分
割連結部材33,38を連結板41及び締着部材42を介して連
結し、谷側基礎版32と山側基礎版31とを一体に連結し、
さらに、それら谷側基礎版39を横締用PC鋼材36Aによ
り緊張一体化する。この場合、山側基礎28に、両分割連
結部材33,38からなる連結部材30によって谷側基礎版32
を連結しながら敷設するものであるため、その谷側基礎
版32は谷側に転倒する虞がなく安定して敷設することが
でき、しかも、その谷側基礎版32の一部を崖Dより張り
出して敷設することができる。次ぎに、図7に示すよう
に、両分割連結部材33,38を巻立てコンクリート部44に
より覆い、また、山側基礎28上には、現場打ちコンクリ
ートにより前記コンクリート壁16を構築する。この場合
巻立てコンクリート部44の養生後、図示右側を片側交通
部分Eとする。尚、図中49は前記山側基礎版31の上部に
突設され該山側基礎版31とコンクリート壁16とを一体化
する差し筋である。次ぎに、図8に示すように、複数の
谷側基礎版32からなる谷側基礎29に複数のコンクリート
柱14を立設すると共に、それらコンクリート柱14上に受
梁15を架設し、これら谷側基礎版32とコンクリート柱14
と受梁15とを縦締用PC鋼材43により緊張一体化する。
そして、前記屋根13の両側を、アンカーバー24,22を介
してそれぞれコンクリート柱14とコンクリート壁16に固
定する。
【0014】このように本実施例では、道路Aの山側に
コンクリート製の山側基礎28を設けると共に、谷側にコ
ンクリート製の谷側基礎29を設け、山側基礎28上に支持
体たるコンクリート壁16を設けると共に、谷側基礎29上
に支持体たるコンクリート柱14を設け、コンクリート壁
16とコンクリート柱14とにより屋根13の幅方向両側を支
持する道路保護用シェッドの基礎構造において、両基礎
28,29を鋼製連結部材30により連結することものである
から、従来谷側に設けた置換えコンクリートを構築する
必要がなくなり施工が容易になると共に基礎構造部分の
工期の短縮及び工費の削減が可能となり、また、谷側基
礎29と山側基礎28との連結により基礎構造の安定化が図
られる。
【0015】また、このように本実施例では、山側基礎
28と谷側基礎29をそれぞれ道路Aの長手方向に複数に分
割した山側基礎版31と谷側基礎版32を、プレキャストコ
ンクリートにより形成し、相互に連結可能で連結部材30
を幅方向に分割した分割連結部材33,38を山側基礎版31
と谷側基礎版32にそれぞれ設けたものであるから、従来
谷側に設けた置換えコンクリートを構築する必要がなく
なり施工が容易になると共に基礎構造部分の工期の短縮
及び工費の削減が可能となり、また、谷側基礎29と山側
基礎28との連結により基礎構造の安定化が図られ、さら
に、両基礎28,29の現場でのコンクリート打設作業が不
要となり、一層工期の短縮が可能となる。さらにまた、
基礎構造を山側基礎版31と谷側基礎版32とに分割するこ
とにより、これら基礎版31,32は一体のものに比べて比
較的小型となって、工場製作が容易になるとともに運搬
据付も簡便に行うことができる。また、仮に谷側基礎版
32、山側基礎版31及び連結部材30部分を全てプレキ
ャストコンクリート製にした場合に比べて、谷側基礎版
32と山側基礎版31の大幅な軽量化が図られる。
【0016】さらに実施例上の効果として、両分割連結
部材33,38を介して山側基礎28に谷側基礎版31を連結し
ながら敷設するものであるため、その谷側基礎版31は谷
側に転倒する虞がなく安定して敷設することができ、し
かもその谷側基礎版31の一部を崖Dより張り出して敷設
することができる。また、連結部材30をH形鋼により構
成したことにより、コンクリートより断面性能の高いH
形鋼によって両基礎28,29を強固に連結することがで
き、その連結部材30であるH形鋼は、そのフランジ部を
上下に配したことにより、両基礎28,29に働く荷重よる
曲モーメントに対して、効果的に抗することができ、さ
らに、その連結部材30を巻立てコンクリート部44により
覆うことにより、両基礎28,29が一体化され強固なもの
となる。
【0017】図9は本発明の第2実施例を示し、上記第
1実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明
を省略して詳述すると、この例では、複数の前記山側基
礎版31からなる山側基礎28上に、支持体であるコンクリ
ート親柱50を設け、このコンクリート親柱50をプレキャ
ストコンクリートより形成し、そのコンクリート親柱50
と前記山側基礎版31とを前記縦締用PC鋼材51により緊
張一体化するものである。
【0018】このように本実施例では、山側基礎28に支
持体たるコンクリート親柱50を設け、その山側基礎28と
谷側基礎29をそれぞれ道路Aの長手方向に複数に分割し
た山側基礎版31と谷側基礎版32を、プレキャストコンク
リートにより形成し、相互に連結可能で連結部材30を幅
方向に分割した分割連結部材33,38を山側基礎版31と谷
側基礎版32にそれぞれ設けたものであるから、従来谷側
に設けた置換えコンクリートを構築する必要がなくなり
施工が容易になると共に基礎構造部分の工期の短縮及び
工費の削減が可能となり、また、谷側基礎29と山側基礎
28との連結により基礎構造の安定化を図られ、第1実施
例と同様な作用,効果を有する。
【0019】図10及び図11は本発明の第3実施例を示
し、上記第1実施例と同一部分に同一符号を付し、その
詳細な説明を省略して詳述すると、この例では、前記谷
側基礎29を複数のプレキャストコンクリート製谷側基礎
版32により形成し、この谷側基礎版32に道路Aの幅寸法
にほぼ等しい長さの前記連結部材30を一体に設け、ま
た、山側基礎28を現場打ちコンクリートにより形成した
例を示し、道路Aに両掘削孔34,39を形成し、谷側掘削
孔39に複数の谷側基礎版32を敷設して谷側基礎29を形成
し、さらに山側掘削孔34には図示しない型枠を組み、コ
ンクリートを打設して山側基礎28を形成し、これにより
複数のプレキャストコンクリート製谷側基礎版32からな
る谷側基礎29と、現場打ちコンクリートによる山側基礎
28とを連結部材30により連結して基礎構造を構成してい
る。
【0020】このように本実施例では、道路Aの山側に
コンクリート製の山側基礎28を設けると共に、谷側にコ
ンクリート製の谷側基礎29を設け、前記山側基礎28上に
支持体たるコンクリート壁16を設けると共に、谷側基礎
29上に支持体たるコンクリート柱14を設け、コンクリー
ト壁16とコンクリート柱14とにより屋根13の幅方向両側
を支持する道路保護用シェッドの基礎構造において、谷
側基礎29を道路の長手方向に複数に分割した谷側基礎版
32を、プレキャストコンクリートにより形成し、その谷
側基礎版32に連結部材30を設けたものであるから、従来
谷側に設けた置換えコンクリートを構築する必要がなく
なり施工が容易になると共に基礎構造部分の工期の短縮
及び工費の削減が可能となり、また、谷側基礎29と山側
基礎28との連結により基礎構造の安定化が図られ、さら
に、谷側基礎29の現場でのコンクリート打設作業が不要
となり、一層工期の短縮が可能となる。
【0021】図12及び図13は本発明の第4実施例を示
し、上記第1実施例と同一部分に同一符号を付し、その
詳細な説明を省略して詳述すると、この例では、前記谷
側基礎29を複数のプレキャストコンクリート製谷側基礎
版32により形成し、この谷側基礎版32に分割連結部材38
を一体に設け、また、山側基礎28を現場打ちコンクリー
トにより形成し、かつその山側基礎28に分割連結部材33
を現場にて設ける例を示し、施工にあたってはまず山側
に山側掘削孔34を掘削し、この山側掘削孔34に図示しな
い型枠を組むと共に分割連結部材33をセットしてコンク
リートを打設する。これにより現場にて山側基礎28に該
分割連結部材33を設ける。続いてその山側基礎28上に現
場打ちコンクリートによりコンクリート壁16を構築す
る。この後、谷側掘削孔39を形成して複数の谷側基礎版
32を敷設すると共に、この谷側基礎版32に設けた分割連
結部材38と前記山側基礎28の分割連結部材33とを連結し
て基礎構造を形成する。
【0022】このように本実施例においては、道路Aの
山側にコンクリート製の山側基礎28を設けると共に、谷
側にコンクリート製の谷側基礎29を設け、山側基礎28上
に支持体たるコンクリート壁16を設けると共に、谷側基
礎29上に支持体たるコンクリート柱14を設け、コンクリ
ート壁16とコンクリート柱14とにより屋根13の幅方向両
側を支持する道路保護用シェッドの基礎構造において、
両基礎28,29を鋼製連結部材30により連結することもの
であるから、従来谷側に設けた置換えコンクリートを構
築する必要がなくなり施工が容易になると共に基礎構造
部分の工期の短縮及び工費の削減が可能となり、また、
谷側基礎29と山側基礎28との連結により基礎構造の安定
化が図られ、第1実施例と同様な作用,効果を有し、ま
た、この例では、現場打ちコンクリートにより山側基礎
28を形成し、この山側基礎28上にコンクリート壁16を構
築した後、その山側基礎28に谷側基礎版32を連結するよ
うにしたため、山側基礎28とコンクリート壁16を合わせ
た荷重によって、施工時に谷側基礎版32を安定して敷設
することができる。
【0023】また、このように本実施例では、道路Aの
山側にコンクリート製の山側基礎28を設けると共に、谷
側にコンクリート製の谷側基礎29を設け、山側基礎28上
に支持体たるコンクリート壁16を設けると共に、谷側基
礎29上にコンクリート柱14を設け、コンクリート壁16と
コンクリート柱14とにより屋根13の幅方向両側を支持す
る道路保護用シェッドの基礎構造において、谷側基礎29
を道路の長手方向に複数に分割した谷側基礎版32を、プ
レキャストコンクリートにより形成し、その谷側基礎版
32に分割連結部材38を設けたものであるから、従来谷側
に設けた置換えコンクリートを構築する必要がなくなり
施工が容易になると共に基礎構造部分の工期の短縮及び
工費の削減が可能となり、また、谷側基礎29と山側基礎
28との連結により基礎構造の安定化が図られ、さらに、
谷側基礎29の現場でのコンクリート打設作業が不要とな
り、一層工期の短縮が可能となる。
【0024】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形
実施が可能である。例えば第5実施例として図14に示
すように、第1実施例のコンクリート柱14に替えて、屋
根13の谷側をコンクリート壁14Aにより支持し、このコ
ンクリート柱14Aは現場打ちコンクリートにより道路長
手方向に連続して形成され、このように谷側の支持体を
コンクリート壁14Aにより構成するようにしてもよい。
また、鋼製連結部材はH形鋼に限らず、等辺山形鋼、不
等辺山形鋼、溝形鋼、T形鋼、Z形鋼、I形鋼など各種
形鋼や、あるいは鋼製、鋳鉄製パイプなどを用いること
ができる。また、連結部材30の分割位置は適宜選定可能
であり、少なくともプレキャストコンクリート製の谷側
基礎版29の山側端面から分割連結部材38が山側に部分的
に突出していればよい。さらに、実施例においては、分
割連結部材33,38相互を連結板41と締着部材42により連
結する例を示したが、溶着などにより連結してもよい。
【0025】
【発明の効果】請求項1の発明は、道路の山側にコンク
リート製の山側基礎を設けると共に、谷側にコンクリー
ト製の谷側基礎を設け、前記山側基礎上に支持体を設け
ると共に、前記谷側基礎上に支持体を設け、前記両支持
体により屋根の幅方向両側を支持する道路保護用シェッ
ドの基礎構造において、前記両基礎を鋼製連結部材によ
り連結するものであり、施工が容易で、工期の短縮が可
能な道路保護用シェッドの基礎構造を提供することがで
きる。
【0026】また請求項2の発明は、前記山側基礎と谷
側基礎をそれぞれ道路の長手方向に複数に分割した山側
基礎版と谷側基礎版を、プレキャストコンクリートによ
り形成し、相互に連結可能で前記連結部材を幅方向に分
割した分割連結部材を前記山側基礎版と谷側基礎版にそ
れぞれ設けたものであり、施工が容易で、工期の短縮が
可能な道路保護用シェッドの基礎構造を提供することが
できる。
【0027】また請求項3の発明は、前記谷側基礎を道
路の長手方向に複数に分割した谷側基礎版を、プレキャ
ストコンクリートにより形成し、その谷側基礎版に前記
連結部材を設けたものであり、施工が容易で、工期の短
縮が可能な道路保護用シェッドの基礎構造を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す断面図である。
【図2】本発明の第1実施例を示す平断面図である。
【図3】本発明の第1実施例を示す正面図である。
【図4】本発明の第1実施例を示す要部の断面図であ
る。
【図5】本発明の第1実施例を示す施工手順を説明する
断面図である。
【図6】本発明の第1実施例を示す施工手順を説明する
断面図である。
【図7】本発明の第1実施例を示す施工手順を説明する
断面図である。
【図8】本発明の第1実施例を示す施工手順を説明する
断面図である。
【図9】本発明の第2実施例を示す断面図である。
【図10】本発明の第3実施例を示す断面図である。
【図11】本発明の第3実施例を示す施工手順を説明す
る断面図である。
【図12】本発明の第4実施例を示す断面図である。
【図13】本発明の第4実施例を示す施工手順を説明す
る断面図である。
【図14】本発明の第5実施例を示す断面図である。
【図15】従来例の断面図である。
【符号の説明】
13 屋根 14 コンクリート柱(支持体) 14A コンクリート壁(支持体) 16 コンクリート壁(支持体) 28 山側基礎 29 谷側基礎 30 連結部材 31 山側基礎版 32 谷側基礎版 33,38 分割連結部材 50 コンクリート親柱(支持体)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 道路の山側にコンクリート製の山側基礎
    を設けると共に、谷側にコンクリート製の谷側基礎を設
    け、前記山側基礎上に支持体を設けると共に、前記谷側
    基礎上に支持体を設け、前記両支持体により屋根の幅方
    向両側を支持する道路保護用シェッドの基礎構造におい
    て、前記両基礎を鋼製連結部材により連結することを特
    徴とする道路保護用シェッドの基礎構造。
  2. 【請求項2】 前記山側基礎と谷側基礎をそれぞれ道路
    の長手方向に複数に分割した山側基礎版と谷側基礎版
    を、プレキャストコンクリートにより形成し、相互に連
    結可能で前記連結部材を幅方向に分割した分割連結部材
    を前記山側基礎版と谷側基礎版にそれぞれ設けたことを
    特徴とする請求項1記載の道路保護用シェッドの基礎構
    造。
  3. 【請求項3】 前記谷側基礎を道路の長手方向に複数に
    分割した谷側基礎版を、プレキャストコンクリートによ
    り形成し、その谷側基礎版に前記連結部材を設けたこと
    を特徴とする請求項1記載の道路保護用シェッドの基礎
    構造。
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