JP2536373B2 - コンクリ―ト梁の施工方法 - Google Patents

コンクリ―ト梁の施工方法

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JP2536373B2 JP4310501A JP31050192A JP2536373B2 JP 2536373 B2 JP2536373 B2 JP 2536373B2 JP 4310501 A JP4310501 A JP 4310501A JP 31050192 A JP31050192 A JP 31050192A JP 2536373 B2 JP2536373 B2 JP 2536373B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシェッド,キーパー等の
落石防止構造物の主桁あるいは橋梁の主桁などのコンク
リート梁の施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コンクリート構造物には多くのコンクリ
ート梁が用いられ、例えば落石防止構造物であるシェッ
ドやキーパーの屋根を構成する主桁や、橋梁の主桁など
が知られている。そして、そのコンクリート梁は、落石
防止構造物では片持ち梁、両端支持梁、この両端支持梁
の内でも単純梁構造や一剛接二ヒンジラーメン構造等と
して用いられたり、橋梁の主桁では両端支持梁などとし
て用いられている。また、前記道路上部を覆うシェッド
の屋根を施工する場合、従来行われていた現場打ちのコ
ンクリート製作に代わって、工場で製作したプレキャス
トコンクリートを用いる方法が広く用いられ、この方法
は屋根を複数の主桁に分割し、その主桁を工場製作し、
その複数のプレキャストコンクリート製の主桁を現場で
組んで屋根を構築するものである。そして、その工場製
作されかつプレストレストを付与した主桁を用いること
により、現場でのコンクリート打設などの作業を軽減
し、また構造的に安定したコンクリート構造物を構築す
ることができる。そして図9に示すように、その主桁A
はPC鋼材Bによりプレストレストを付与し、コンクリ
ートのみの場合に比べて断面性能の向上が得られ、その
断面積を比較的小さくすることができる。ところでこの
ような利点のあるプレキャスト製品ではあるが、設計条
件により大型断面が必要となり、例えば図9のおいて高
さ寸法Hが2メートルを越えるような場合では、工場の
製作能力あるいは運搬等の問題から実際上製作が困難に
なることがあり、また、工場製作が可能であっても断面
の大型化に伴って主桁Aの一個あたりの重量が増大し、
現場で特別に大きな能力の重機が必要になるとともに、
その架設作業が煩雑になる面があった。このため大型の
コンクリート梁を製作する場合は、現場打ちコンクリー
トによる現場施工が行われ、図10は現場打ちコンクリ
ートを用いた片持ち梁状のシェッド構築の一例であり、
同図に示すように、道路上に屋根全体の型枠Cを組み、
かつこの型枠Cを支持する複数の支持枠Dを組み、その
型枠C内にコンクリートEを打設してコンクリート梁で
ある屋根Fを構築するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の現場打
ちコンクリートによる施工方法では、現場で前記型枠C
を組み、さらにこの道路全面に張出した型枠Cを前記支
持枠Dにより支持するというように、屋根全体の型枠C
とこの型枠Cを支持する支持枠Dを組むために現場で多
くの工程が必要になり比較的工費が増加するとともに、
上述したプレキャスト製のものを用いる方法に比べて施
工性に劣る面があり、加えて工期の短縮が難しい上に、
打設したコンクリートEが硬化するまで、前記支持枠D
により道路を全面的に閉鎖しければならないという欠点
もあった。一方、前記プレキャスト製のものでは、上述
したように例えば断面積が大型化すると製作が実際上困
難になり、かつ架設などの作業が煩雑になり大型の梁の
施工には不向きな面があった。
【0004】そこで本発明は施工性に優れ、かつ効果的
に構造強度を高めることができるコンクリート梁の施工
方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1の方法
は、プレテンション方式で緊張力を付与した下コンクリ
ート梁部材を工場で製作し、この下コンクリート梁部材
を現場に架設し、この下コンクリート梁部材の上部に上
部コンクリートを打設するとともに、この上部コンクリ
ートにポストテンション方式により緊張力を付与するも
のである。
【0006】また本発明の請求項2の方法は、前記下コ
ンクリート梁部材を現場で両端支持で架設し、その下コ
ンクリート梁部材には前記プレテンション方式により前
記コンクリート梁の自重に抗する強度を付与したもので
ある。
【0007】
【作用】請求項1の構成により、プレテンション方式に
より緊張力を付与した下コンクリート梁部材を現場にて
架設し、その下コンクリート梁部材を型枠の代わりに用
いて上部コンクリートを打設し、かつその上部コンクリ
ートにポストテンションを付与してコンクリート梁を構
築し、また、プレテンション方式とポストテンション方
式との合成した緊張力によって、前記コンクリート梁に
所定の構造強度を与える。
【0008】また請求項2の構成により、下コンクリー
ト梁部材の中央側下方を開放した状態で該梁部材の両端
を支持して架設し、この両端のみを支持した下コンクリ
ート梁部材に、上部コンクリートを打設することができ
る。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面を参照して
説明する。図1ないし図5は本発明の第1実施例を示
し、同図において、道路Rの上部に片持ち状に設けられ
るシェッドの屋根1は、プレキャスト製の複数の下コン
クリート梁部材2を道路Aの長手方向に連結し、その上
部に上部コンクリート3を現場で打設して構築され、そ
の下コンクリート梁部材2の一個の大きさは、例えば道
路幅員方向の幅が12.5メートル,長手方向の幅が2
メートル程度の大型なものに形成されている。4はコン
クリート基礎壁であり、山側の地盤GにPC鋼材等の定
着部材5により定着されており、その上部には段差状の
梁固定部6が形成されている。前記下コンクリート梁部
材2は、平板状の頂版部7と幅方向に連続するウエブ8
と長手方向に連続する横梁部9,9Aとからなり、その
頂版部7とウエブ8とには、複数のPC鋼材10によって
プレテンション方式で幅方向に緊張力すなわちプレスト
レストが工場製作時に付与されている。さらに、前記横
梁部9,9Aには、複数のダクト11が長手方向に形成さ
れ、連続する各ダクト11に横締用PC鋼材12を挿入しポ
ストテンション方式で複数の下コンクリート梁部材2が
一体に緊結される。また、図1中右側の横梁部9と上部
コンクリート3とコンクリート基礎壁4とを幅方向に挿
通するようにしてPCケーブル13が配置され、このPC
ケーブル13は前記PC鋼材10より大径で引張強度が大な
ものが用いられ、また、前記下コンクリート梁部材2に
は、そのPCケーブル13を挿通するダクト14が工場にて
形成されており、そのPCケーブル13の基端側は、前記
梁固定部6の上方に間隔Lを置いて前記コンクリート基
礎壁4に固着される。さらに、前記下コンクリート梁部
材2の基端は前記梁固定部6にアンカーバー15により固
着される。
【0010】前記下コンクリート梁部材2のPC鋼材10
による緊張力の構成について説明すると、その下コンク
リート梁部材2は、図4に示すように、梁部材自身の自
重をほぼ等分布荷重W2とし、前記上部コンクリート3
の荷重をほぼ等分布荷重W3とし、さらにこの上部コン
クリート3上に乗る作業者等の荷重をほぼ等分布荷重W
として構造計算され、該下コンクリート梁部材2を架設
状態である一端固定、他端自由支持の梁と考え、図4中
下部に示すモーメント分布において、下コンクリート梁
部材2のほぼ中央に働く最大曲げモーメントMmaxに
抗するように前記PC鋼材10によりプレストレストを付
与している。なお図4において、一端固定とは前記アン
カーバー15による前記梁固定部6の支持状態であり、他
端自由支持とは支持枠16による支持状態である。そし
て、複数の前記PC鋼材10でプレテンション方式により
付与した緊張力、すなわち該PC鋼材10の縮まろうとす
る弾性復元力等により、前記最大曲げモーメントMma
xに抗する構造強度をコンクリートに与えている。この
場合そのモーメントの働きにより、前記下コンクリート
梁部材2の下部側には引張応力が働くため、前記PC鋼
材10は下コンクリート梁部材2の断面下部側に密に配設
することが好ましい。
【0011】図中17は囲いブロック、18は前記上部コン
クリート3上に敷設したサンドクッション18である。ま
た、前記コンクリート梁部材2と上部コンクリート3と
によりコンクリート梁19が構成される。さらに下コンク
リート梁部材2にはジベル鉄筋23が長さ方向等間隔及び
幅方向等間隔に複数固定されている。
【0012】次ぎに前記シェッドの施工方法を説明する
と、まず現場において道路Rの谷側に支持枠16を組み、
重機を用いて下コンクリート梁部材2を吊り上げ、前記
梁固定部6と支持枠16との間に架設し、かつその基端側
は前記アンカーバー15を介して梁固定部6に固定し、先
端側は前記支持枠16上に載置して架設する。この場合下
部コンクリート梁部材2の下方の道路Rはほぼ全面的に
開放され、重機などの工事作業車以外の場所は通行が可
能となる。そして複数の下コンクリート梁部材2を、ダ
クト11に挿通した横締用PC鋼材12により一体に緊結す
る。また、基端を前記コンクリート基礎壁4に固着した
PCケーブル13を、下コンクリート梁部材2のダクト14
に挿通し、横梁部9の谷側外面の緊結具14Aにより仮緊
張を行う。このようにして下コンクリート梁部材2を架
設した後、上部コンクリート3を打設して複数の下コン
クリート枠部材2を一体化する。そしてこの上部コンク
リート3が硬化したら前記PCケーブル13をポストテン
ション方式で本緊張し所定の緊張力を付与し、そのPC
ケーブル13のポストテンション方式による緊張力と前記
PC鋼材10のプレテンション方式による緊張力との合成
により、コンクリート梁19に所定の構造強度を付与す
る。すなわち屋根1,サンドクッション18,囲いブロッ
ク17,前記作業者等及び所定の落石荷重などに対し、片
持ち梁状のシェッドの屋根1に所定の構造強度を付与す
る。前記PCケーブル13の本緊張後、屋根1の上部に囲
いブロック17を取り付けるとともに、サンドクッション
13を敷設し、また、前記支持枠16も前記PCケーブル13
の本緊張後に撤去可能となる。そして比較例として、図
9に示した従来の工場一体型のプレストレストコンクリ
ート製の高さ寸法Hが3メートルのものに対して、下コ
ンクリート梁部材2の高さが最大1メートル、上部コン
クリートの高さが最大1.4メートル程度で同一の断面
性能を得ることができ、プレテンション方式とポストテ
ンション方式との組み合わせによる合成した緊張力によ
り、効果的に断面性能を高めることができる。
【0013】このように本実施例では、プレテンション
方式で緊張力を付与した下コンクリート梁部材2を工場
で製作し、この下コンクリート梁部材2を現場に架設
し、この下コンクリート梁部材2の上部に上部コンクリ
ート3を打設するとともに、この上部コンクリート3に
ポストテンション方式により緊張力を付与するコンクリ
ート梁19の施工方法であるから、ポストテンション方式
による緊張力とプレテンション方式による緊張力との合
成により、コンクリート梁19の断面を小型化し、かつそ
の構造強度を効果的に高めることができる。また、工場
で製作する下コンクリート梁部材2は比較的小型かつ軽
量なものになるため、現場での据付作業が容易になり施
工性が向上し、また、その下コンクリート梁部材2の上
部に現場打ちコンクリートである上部コンクリート3を
打設するため、この上部コンクリート3用の型枠が不要
となり、施工コストの削減が図られる。しかもその上部
コンクリート3によりジベル鉄筋23を介して複数の下コ
ンクリート梁部材2が一体化され、コンクリート梁19に
高い強度が得られる。
【0014】またこのように本実施例では、下コンクリ
ート梁部材2を現場で両端支持で架設し、その下コンク
リート梁部材2にはプレテンション方式によりコンクリ
ート梁19の自重に抗する構造強度を付与したものである
から、従来の現場打ちコンクリートによる方法のように
道路全体に支持枠16を設ける必要がなく、工費の削減が
可能となり、また、架設状態で下部の道路Rの通行を確
保することができる。
【0015】また実施例上の効果として、実施例の片持
ち梁状のコンクリート梁19においては、支持枠16を撤去
後、コンクリート梁19は、片持ち梁となって図5のよう
なモーメントが作用し、その断面上部に引張力が働くた
め、この引張力にPCケーブル13の緊張力が作用して効
果的に構造強度を高めることができる。さらに、上部コ
ンクリート2の打設前にPCケーブル13を仮緊張したこ
とにより、一層安定して上部コンクリート2を打設する
ことができる。また、PCケーブル13を下コンクリート
梁部材2に対して斜めに配置し、その先端を該下コンク
リート梁部材2の谷側において該梁部材2に挿通し、か
つPCケーブル13の基端を、梁固定部6と間隔Lを置い
てコンクリート基礎壁4に固着したことにより、梁固定
部6をモーメントの基準点とした場合、屋根1の荷重と
落石荷重等に対するPCケーブル13の緊張力の釣り合い
において、間隔Lを比較的大きく取ることにより、PC
ケーブル13の緊張力を比較的小さくしながら、コンクリ
ート梁19の強度を向上することができる。
【0016】図6は本発明の第2実施例を示し、前記第
1実施例と同一部分に同一符号を付しその詳細な説明を
省略して詳述すると、コンクリート梁である屋根1A
を、コンクリート基礎壁4とコンクリート柱20とにより
支持したシェッドの例を示し、幅方向にほぼ同一厚さに
形成された下コンクリート梁部材2Aを、工場にてPC
鋼材10によりプレテンション方式で緊張力を付与し、そ
の下コンクリート部材2Aの基端をアンカーバー15を介
して梁固定部6に固定し、先端のウエブ8下面を前記支
柱20に載置した状態でPC鋼材21を下コンクリート梁部
材2Aに挿通して剛結し、さらに複数の下コンクリート
梁部材2Aを横締用PC鋼材12により長手方向一体に緊
結する。この場合下コンクリート部材2Aには、第1実
施例と同様に、下コンクリート部材2Aと上部コンクリ
ート3Aと作業者等の荷重とを合わせた等分布荷重によ
る最大曲げモーメントに抗するよう前記PC鋼材10によ
りプレストレストを付与している。そのようにして下コ
ンクリート梁部材2Aを架設した後、この梁部材2Aの
上部に上部コンクリート3Aをほぼ一定厚さに打設し、
複数の下コンクリート梁部材2Aを一体化するととも
に、その上部コンクリート3AをPCケーブル13でポス
トテンション方式により緊張して所定の緊張力を付与す
る。そして、このPCケーブル13のポストテンション方
式による緊張力と前記PC鋼材10のプレッテンション方
式による緊張力との合成により、コンクリート梁である
屋根1Aに所定の構造強度、すなわち屋根1Aの自重と
落石荷重等の合成荷重に抗する構造強度を備えた構造物
を構築する。
【0017】このように本実施例では、プレテンション
方式で緊張力を付与した下コンクリート梁部材2Aを工
場で製作し、この下コンクリート梁部材2Aを現場に架
設し、この下コンクリート梁部材2Aの上部に上部コン
クリート3Aを打設するとともに、この上部コンクリー
ト3Aにポストテンション方式により緊張力を付与する
コンクリート梁である屋根1Aの施工方法であるから、
ポストテンション方式による緊張力とプレテンション方
式による緊張力との合成により、屋根1Aの断面を小型
化しかつその構造強度を効果的に高めることができ、ま
た本実施例では、下コンクリート梁部材2Aを現場で両
端支持で架設し、その下コンクリート梁部材2Aにはプ
レテンション方式によりコンクリート梁である屋根1A
の自重に抗する構造強度を付与したものであるから、上
部コンクリート3Aの打設時に下コンクリート梁部材2
Aの両端以外を別個の支持枠等により支持する必要がな
く、第1実施例と同様な作用,効果を有する。
【0018】図7及び図8は本発明の第3実施例を示
し、上記第1実施例と同一部分に同一符号を付しその詳
細な説明を省略して詳述すると、この例では橋梁の主桁
に本発明を適用したものであり、図7において、河川な
どに複数の支柱30を立設し、これら支柱30に例えば4枚
のコンクリート梁である主桁31を架設する。この主桁31
は、下コンクリート梁部材32と上部コンクリート33とを
一体にしてなるものであり、その下コンクリート梁部材
32は、頂版部34と長手方向に連続した複数のウエブ35か
らなり、この頂版部34とウエブ35とに、複数のPC鋼材
36によってプレテンション方式で緊張力すなわちプレス
トレストを付与し、その緊張力により、下コンクリート
梁部材32と上部コンクリート33と作業者等の荷重による
最大曲げモーメントに抗する構造強度を下コンクリート
梁部材32に付与している。そしてその工場で製作し、か
つプレストレストを付与した下コンクリート梁部材32
を、前記支柱30,30間に架設し、図7において、左右一
対の下コンクリート梁部材32,32の上部に上部コンクリ
ート33を打設し、左右一対の下コンクリート梁部材32,
32を一体化し、かつその2枚の梁部材32,32に渡る上部
コンクリート33にPCケーブル37でポストテンション方
式により緊張力を付与し、このPCケーブル37のポスト
テンション方式による緊張力と前記PC鋼材36のプレテ
ンション方式による緊張力との合成により、主桁31の自
重と通行荷重などに抗する所定の構造強度を前記主桁31
に付与している。
【0019】このように本実施例では、プレテンション
方式で緊張力を付与した下コンクリート梁部材32を工場
で製作し、この下コンクリート梁部材32を現場に架設
し、この下コンクリート梁部材32の上部に上部コンクリ
ート33を打設するとともに、この上部コンクリート33に
ポストテンション方式により緊張力を付与するコンクリ
ート梁である主桁31の施工方法であるから、ポストテン
ション方式による緊張力とプレテンション方式による緊
張力との合成により、コンクリート梁である主桁31の断
面を小型化しかつその構造強度を効果的に高めることが
でき、第1実施例と同様な作用,効果を有し、また本実
施例では、下コンクリート梁部材32を現場で両端支持で
架設し、その下コンクリート梁部材32にはプレテンショ
ン方式によりコンクリート梁である主桁31の自重に抗す
る構造強度を付与したものであるから、上部コンクリー
ト33の打設時に下コンクリート梁部材32の両端を支柱30
により支持するだけでよく、河川等に設ける橋梁のよう
にその支柱30間において主桁31の中央を仮支持すること
が難しい梁部材において有効であり、また、大型で大重
量の主桁の場合、下が河川等であるため吊込み作業に制
約を受ける架設場所において、本発明では比較的軽量な
下コンクリート枠部材32のみを吊込むだけですむため、
その吊込み作業を容易に行うことができる。
【0020】尚、本発明は上記実施例に限定されるもの
ではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実
施が可能である。例えば第2実施例で示したシェッドの
屋根1Aにおいて、コンクリート支柱を設けずにその屋
根を片持ち状に構築してもよい。また、下コンクリート
梁部材の大きさ,寸法,形状等は適宜選定可能である。
さらに、本発明のコンクリート梁は、その使用条件によ
り落石,通行荷重のみに限らず、崩土,雪崩等の荷重を
考慮してもよい。さらにまた、下コンクリート梁部材2
A及び主桁31にも、第1実施例で示したジベル鉄筋23を
設けることができる。
【0021】
【発明の効果】本発明の請求項1の方法は、プレテンシ
ョン方式で緊張力を付与した下コンクリート梁部材を工
場で製作し、この下コンクリート梁部材を現場に架設
し、この下コンクリート梁部材の上部に上部コンクリー
トを打設するとともに、この上部コンクリートにポスト
テンション方式により緊張力を付与するコンクリート梁
の施工方法であり、施工性に優れ、かつ効果的に構造強
度を高めることができるコンクリート梁の施工方法を提
供することができる。
【0022】また本発明の請求項2の方法は、前記下コ
ンクリート梁部材を現場で両端支持で架設し、その下コ
ンクリート梁部材には前記プレテンション方式により前
記コンクリート梁の自重に抗する強度を付与したコンク
リート梁の施工方法であり、下コンクリート梁部材の両
端を支持した状態で上部コンクリートを打設することが
でき、施工性に優れ、かつ効果的に構造強度を高めるこ
とができるコンクリート梁の施工方法を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す断面図である。
【図2】本発明の第1実施例を示す施工方法を説明する
断面図である。
【図3】本発明の第1実施例を示す図2のY−Y線断面
図である。
【図4】本発明の第1実施例を示す下コンクリート梁部
材に働く曲げモーメントを説明する側面説明図である。
【図5】本発明の第1実施例を示すコンクリート梁に働
く曲げモーメントを説明する側面説明図である。
【図6】本発明の第2実施例を示す断面図である。
【図7】本発明の第3実施例を示す側面図である。
【図8】本発明の第3実施例を示す図7のZ−Z線の拡
大断面図である。
【図9】従来例を示すプレキャストコンクリート梁の断
面図である。
【図10】従来例を示す現場打ちコンクリートによるコ
ンクリート梁の断面図である。
【符号の説明】
2,2A 下コンクリート梁部材 3,3A 上部コンクリート 10 PC鋼材 13 PCケーブル 19 コンクリート梁 1A 屋根(コンクリート梁) 31 主桁(コンクリート梁) 32 下コンクリート梁部材 33 上部コンクリート 36 PC鋼材 37 PCケーブル

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プレテンション方式で緊張力を付与した
    下コンクリート梁部材を工場で製作し、この下コンクリ
    ート梁部材を現場に架設し、この下コンクリート梁部材
    の上部に上部コンクリートを打設するとともに、この上
    部コンクリートにポストテンション方式により緊張力を
    付与することを特徴とするコンクリート梁の施工方法。
  2. 【請求項2】 前記下コンクリート梁部材を現場で両端
    支持で架設し、その下コンクリート梁部材には前記プレ
    テンション方式により前記コンクリート梁の自重に抗す
    る強度を付与したことを特徴とする請求項1記載のコン
    クリート梁の施工方法。
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