JP6548511B2 - 金属製ドラム缶 - Google Patents
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一方、鋼製ドラム缶メーカーが、金属用RFIDを取り付け可能な鋼製ドラム缶で、ドラム缶ユーザーにとって使い易く使い勝手の良い鋼製ドラム缶を提供することは、現状では未だ行われていない。
これは、以下のような理由に起因すると考えられる。
即ち、本発明の第1態様における金属製ドラム缶は、金属製の天板、地板及び胴体を有する金属製ドラム缶であって、天板、地板及び胴体の少なくとも一つにおける表面において、RFIDを取り付けるための保持部であって上記RFIDの周囲を取り囲む壁部を有する保持部を備えたことを特徴とする。
また、以下の各実施形態では、鋼製ドラム缶に取り付け可能な被取付物としてRFIDを例に採るが、RFIDに限定されず、少なくとも剥離及び損傷の一方が発生することでその特性が生かせなくなるような、鋼製ドラム缶へ取り付け可能な物が被取付物に相当する。
また、以下の各実施形態では、被取付物の一例に相当するRFIDを鋼製ドラム缶に取り付けた形態を例として説明を行うが、第1から第3の実施形態における鋼製ドラム缶は、下記の保持部を有すればよく、被取付物の一例に相当するRFIDを有する必要はない。一方、第4実施形態では、鋼製ドラム缶は保持部を有しないことから、鋼製ドラム缶は被取付物の一例に相当するRFIDを備えたものである。
図1から図5には、第1実施形態における鋼製ドラム缶100を示している。この鋼製ドラム缶100は、金属製で円筒状をなした中空の胴体101と、胴体101の下端開口を閉塞する金属製の地板102と、胴体101の上端開口を閉塞する金属製の天板103とを有する。尚、図1及び図2では、胴体101に対して地板102及び天板103が巻締められた上述の密閉型(タイトヘッドドラム)の鋼製ドラム缶100を示している。
また、後述の第2実施形態にて詳しく説明するが、保持部110は、図6及び図7に示す形態も含む概念である。
保持部底面112は、保持部110A及び保持部110Bに対してRFID180の装着位置が変化するのを防ぐため、使用するRFID180のサイズに対応した大きさに設計するのが好ましい。よって保持部底面112の大きさに対応して保持部110の大きさも変化させてもよい。一方、後述の第3実施形態で説明するように、使用するRFID180のサイズにかかわらず、保持部110を一つの大きさに固定することもできる。
壁部111がこのような傾斜面115を有することで、保持部底面112に取り付けられたRFID180にて形成される磁束が壁部111によって遮られるのを抑えることができ、磁束の斜め上方への磁束の広がりを確保しRFID180の通信指向範囲の広い良好な通信状態を達成することが可能となる。
尚、角度θは、直方体形状のRFID180が隙間なく保持部110に収まる90度の場合でも、RFID180の上面を中心とした通信は良好に保たれ、通信距離が短くなることもない。しかしながら、RFID180における送受信領域は広い方が好ましいことから、角度θを、より好適には120度から150度の範囲とすることで、RFID180が本来有する電波指向性を維持させることができる。
また、保持部110A及び保持部110Bの加工が施された表面105は、形状効果によって変形しにくい。よって、たとえ衝撃あるいは応力が作用した場合でも、RFID180を取り付けた保持部底面112の平面性を保持することが可能となる。この点からも保持部110は、剥離及び損傷からRFID180を保護することを可能にする。
その結果、RFIDの特性を発揮することが可能であり、ドラム缶ユーザーにとっては、使い易く使い勝手の良い鋼製ドラム缶を入手可能となる。
樹脂材170としては、例えばゴム系エラストマーが使用可能である。ゴム系の材料として、例えば、天然ゴム、スチレンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、 ニトリルゴム(NBR)、エチレンプロピレンゴム(EPM)、ハイパロン(CSM)、 アクリルゴム(ACM)、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素系ゴム等が使用可能である。
また、屋外に鋼製ドラム缶100が留置された場合、天板103には雨水等が溜まることもある。水は極性を有しRFID180に対して通信障害を発生させる。このような懸念がありながら天板103に保持部110を設けざるを得ない場合には、天板103には凸形状タイプの保持部110Bを設け、かつ保持部110Bに樹脂材170を充填することで、雨水等による通信障害を避けることができる。
また、上述した再生ドラム缶として利用するため、外面塗装に対して鉄球のショットブラスト処理が施されるときにも、樹脂材170がRFID180を保護するのでRFID180の損傷を防止することができる。
図6及び図7には、第2実施形態における鋼製ドラム缶100−2を示している。上述した鋼製ドラム缶100と同様に、この鋼製ドラム缶100−2も胴体101、地板102、及び天板103を有する、密閉型(タイトヘッドドラム)及びオープン型のものが相当する。第2実施形態の鋼製ドラム缶100−2は、第1実施形態の鋼製ドラム缶100に対して保持部110が以下に説明するように異なる。
ここで、以下に説明する第2実施形態における保持部110は、形態こそ第1実施形態におけるものとは異なるが、概念的に、上述した保持部110に含まれることを意図するものである。
また、保持部110−2に対して樹脂材170を充填してもよい。
図8には、第3実施形態における鋼製ドラム缶100−3を示している。上述した第1実施形態の鋼製ドラム缶100と同様に、この鋼製ドラム缶100−3も胴体101、地板102、及び天板103を有する、密閉型(タイトヘッドドラム)及びオープン型のものが相当する。また、第1実施形態の鋼製ドラム缶100において説明した、保持部110つまり保持部110A及び保持部110Bの少なくとも一方を有する。
このような第3実施形態の鋼製ドラム缶100−3は、第1実施形態の鋼製ドラム缶100に対して、以下に説明するアジャスタ部材130を有する点で異なる。
一方、保持部110の大きさの変更は、その製作上煩わしい場合もあり、使用するRFID180の大きさにかかわらず、保持部110を一つの大きさに固定できれば製作上都合がよい。
保持部底面112へのアジャスタ部材130の取り付けは、例えば接着剤あるいは両面接着テープ等を使用することができる。また、アジャスタ部材130へのRFID180の取り付けも同様の方法が使用可能である。
また、アジャスタ部材130を設けた保持部110に対して樹脂材170を充填してもよい。
また、第1実施形態の場合と同じ保持部110を形成することから、形状効果によって表面105は変形しにくいという効果も得られる。
さらにまたアジャスタ部材130を用いた場合の特有の効果として、使用するRFID180のタイプを問わず、特に樹脂製アジャスタ部材130の場合には通常タイプRFID180を使用でき、保持部110の小型化を図ることが可能となる。
図9及び図10には、第4実施形態における鋼製ドラム缶100−4を示している。上述した第1実施形態の鋼製ドラム缶100と同様に、この鋼製ドラム缶100−4も胴体101、地板102、及び天板103を有する、密閉型(タイトヘッドドラム)及びオープン型のものが相当する。
上述した第1〜第3の実施形態では、RFID180を保持する保持部110を有している。これに対して第4実施形態における鋼製ドラム缶100−4では、保持部110に変えて、RFID180を覆い保護する樹脂製の保護材140を設ける。
ここで表面105には、天板103に設けられている大栓の外側面も含む。
また、樹脂製保護材140は、粘性を有する液状で金属用RFID180上に垂らし固化させたものでもよく、あるいは、金属用RFID180を収納する凹部を予め有するように、別途、成型した成型体であってもよい。
尚、樹脂製取付材141を用いる形態であっても、金属用RFIDを使用してもよい。
また樹脂製取付材141と共に樹脂製保護材140を用いる場合の特有の効果として、使用するRFID180のタイプを問わず、特に通常タイプRFID180を使用した場合には樹脂製取付材141及び樹脂製保護材140の小型化を図ることが可能となる。
同様に、上述の実施形態でRFID180として金属用RFIDを用いる形態においても、鋼製ドラム缶100の表面105とRFID180との間に磁性シートを介在させることで、金属用RFIDに代えて、通常タイプRFIDを用いることが可能となる。これにより、上述した実施形態において、特に保持部110、110−2と共に金属用RFID180を用いる形態では、保持部110、110−2を含めてRFID180周りの構成を劇的に縮小可能なことが期待できる。
101…胴体、102…地板、103…天板、105…表面、110…保持部、
111…壁部、112…保持部底面、113…凸部上面、115…傾斜面、
130…アジャスタ部材、140…樹脂製保護材、
180…RFID。
Claims (5)
- 金属製の天板、地板及び胴体を有する金属製ドラム缶(100)であって、
天板、地板及び胴体の少なくとも一つにおける表面(105)において、RFID(180)を取り付けるための保持部であって上記RFIDの周囲を取り囲む壁部(111)を有する保持部(110)を備え、
上記保持部は、上記表面に対して凹形状であり、上記表面に対して1mm以上9mm以下の深さ(D)を有する保持部底面でかつ上記RFIDを接着する保持部底面(112)を有する、
ことを特徴とする金属製ドラム缶。 - 金属製の天板、地板及び胴体を有する金属製ドラム缶(100)であって、
天板、地板及び胴体の少なくとも一つにおける表面(105)において、RFID(180)を取り付けるための保持部であって上記RFIDの周囲を取り囲む壁部(111)を有する保持部(110)を備え、
上記保持部は、上記表面に対して凸形状であり、凸部上面(113)から1mm以上9mm以下の深さ(D)を有する保持部底面でかつ上記RFIDを接着する保持部底面(112)を有する、
ことを特徴とする金属製ドラム缶。 - 上記壁部は、上記保持部底面に対して鈍角(θ)な角度で傾斜した傾斜面(115)を有する、請求項1又は2に記載の金属製ドラム缶。
- 様々な大きさのRFIDにかかわらず上記保持部底面に対して規定位置に上記RFIDを配置するためのアジャスタ部材であって、上記保持部底面に対応したサイズを有し上記保持部底面に取り付けられるアジャスタ部材(130)を有する、請求項1から3のいずれかに記載の金属製ドラム缶。
- 上記保持部は金属製であり、天板、地板及び胴体の少なくとも一つにおける表面と一体に設けられ、上記RFIDは、金属体へ取り付けられても動作可能な金属用RFIDである、請求項1から4のいずれかに記載の金属製ドラム缶。
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