JP6543598B2

JP6543598B2 - 乗客コンベア

Info

Publication number: JP6543598B2
Application number: JP2016152420A
Authority: JP
Inventors: 一成市岡; 雄司高木; 直輝山中
Original assignee: Hitachi Ltd
Current assignee: Hitachi Ltd
Priority date: 2016-08-03
Filing date: 2016-08-03
Publication date: 2019-07-10
Anticipated expiration: 2036-08-03
Also published as: CN107686043B; CN107686043A; JP2018020876A

Description

本発明は、乗客コンベアに関する。

エスカレーター等の乗客コンベアにあっては、乗客の足元の照度を確保することを目的とし、欄干部に照明装置を取り付けたものがある。

そして、従来、照明装置に方向表示機能を付加し、安全性および利便性を高めたものとして、特開２０１１−５１７０６号公報（特許文献１）に記載されるものがある。この文献には、欄干の長さ方向に沿って複数の光源が配置され、各光源の点灯、消灯又は照度の変更を制御することにより運転方向表示を行う照明装置において、乗客コンベアの運転停止時には、乗り口付近のみの光源を点灯し、それ以外の光源を消灯するか又は照度を低くするように各光源を制御することにより、運転方向の表示及び乗り口の表示を行う、と記載されている。

ところで、エスカレーターの利用状況として、踏段の片側を開け、急いでいる乗客が歩行することが慣例となっている。しかしながら、エスカレーターの安全基準は、乗客が踏段上に立ち止まって利用することを前提としていることから、歩行禁止の呼びかけがなされている。例えば駅等の施設における放送やサインを通して、踏段上で立ち止まって利用することを促している。

特開２０１１−５１７０６号公報

しかしながら、放送やサインで歩行禁止の呼びかけがなされているものの、いわゆる片側開けの慣例は根強いものがあり、踏段上を歩行する乗客は後を絶たないのが実状である。なお、前述した特許文献に記載のものは、照明装置に方向表示機能をもたせたものであり、踏段上の歩行抑止に対して効果を発揮するものではない。

そこで、本発明の目的は、踏段上における歩行を抑止することのできる乗客コンベアを提供することにある。

前記課題を解決するために、本発明は、無端状に連結されて乗降口間を循環移動する複数の踏段と、これらの踏段の移動方向の両側に配置された欄干と、この欄干の外周に沿って、前記踏段と同一方向に循環移動する移動手すりと、前記乗降口の床を形成する床板の縁部に設置されるくしと、前記欄干の長さ方向に沿って配置される複数の光源を有し、これらの光源の色調移動により運転方向表示を行う照明装置とを備えた乗客コンベアにおいて、前記乗降口にあって乗客が歩行する歩行範囲に配置される前記光源の前記色調移動速度を、前記踏段が移動する歩行抑止範囲に配置される前記光源の前記色調移動速度よりも早く設定することを特徴としている。

本発明の乗客コンベアによれば、踏段上における歩行を抑止することができる。なお、前述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。

本発明の乗客コンベアの一実施例を示す構成図である。

以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。

図１は、本発明の乗客コンベアの一実施例を示す構成図である。

乗客コンベアの一例であるエスカレーターは、上階床に連なる乗り口１と、乗り口１と下階床に連なる図示しない降り口間を循環移動する複数の踏段２と、これらの踏段２の移動方向の両側に配置された欄干３と、この欄干３の外周に沿って、踏段２と同一方向に循環移動する移動手すり４と、乗り口１の床を形成する床板５の縁部に設置されるくし６とを備えており、乗り口１から踏段２上に乗り込んだ乗客は、移動手すり４を把持して下階床の降り口に向かって移動するようになっている。

このエスカレーターには、欄干３の長さ方向に沿って配置される複数の光源７を有する照明装置５を備えており、光源７の色調移動により運転方向表示を行うようになっている。また、色調移動は、光源７毎に順次、点灯又は消灯したり、光源７の点灯色に変化をもたせることで行うことができる。また、光源７毎に点点灯や消灯のパターンや点灯時間・消灯時間を変えることで色調移動速度を変更する。なお、照明装置５は、両側の欄干３のそれぞれに光源７が配置されているが、片側の欄干３のみに光源７を配置することもできる。

そして、また、照明装置５が有する複数の光源７の色調移動速度は、光源７の設置位置により異なる。例えば、乗り口１にあって乗客が歩行する歩行範囲８に配置される光源７bの色調移動速度を、踏段２が移動する歩行抑止範囲９に配置される光源７aの色調移動速度よりも早く設定し、視覚効果により踏段２上で立ち止まるよう促すようになっている。つまり、エスカレーターの踏段２上における乗客の歩行を抑止することに寄与する。

光源７の色調移動速度の切り替え位置は、例えばくし６と踏段２との境界線１０としている。図１では、境界線１０より乗り口側の光源7aの色調移動速度は、境界線１０より踏段２側の光源7ｂの色調移動速度よりも遅く設定される。なお、光源７の色調移動速度の切り替え位置はこれに限るものではなく、くし６と踏段２との境界線１０から所定距離手前に設定し、踏段２上で立ち止まる意識をより早い段階で乗客にもたせることもできる。

歩行抑止範囲９に配置される光源７の色調移動速度は、例えば踏段２の移動速度と略同一に設定している。これは光源７の色調移動速度を踏段２の移動速度より遅く設定すると、踏段２の移動速度が遅いと錯覚させる虞があるためである。したがって、歩行範囲８に配置される光源７の色調移動速度は、踏段２の移動速度（歩行抑止範囲９に配置される光源７の色調移動速度）より早く、かつ視覚効果を得ることができる程度の差異をもたせた値に設定されている。なお、図１では、歩行範囲８に配置される光源７の色調移動速度を大きな矢印１１、歩行抑止範囲９に配置される光源７の色調移動速度を小さな矢印１２で表している。また、図１は乗り口１側を描いたものであるが、降り口も同様の構成となっており、踏段２から降りた乗客が歩行する図示しない歩行範囲に配置される光源７の色調移動速度は、踏段２が移動する歩行抑止範囲９に配置される光源７の色調移動速度よりも早く設定されている。

本実施例では、乗り口１を歩行しエスカレーターに乗り込もうとする乗客Ａは、照明装置５の光源７の色調移動によりエスカレーターの運転方向を確認すると共に、歩行範囲８に配置される光源７の色調移動速度と、踏段２が移動する歩行抑止範囲９に配置される光源７の色調移動速度との違いを認識する。このとき歩行範囲８の光源７の色調移動速度が歩行抑止範囲９の光源７の色調移動速度よりも早いことから、乗客Ａは視覚効果により踏段２上で立ち止まるよう促される。

本実施例によれば、乗り口１にあって乗客が歩行する歩行範囲８に配置される光源７の色調移動速度を、踏段２が移動する歩行抑止範囲９に配置される光源７の色調移動速度よりも早く設定することにより、視覚効果により踏段２上で立ち止まるよう促され、これによって、踏段２上における歩行を抑止することができる。

また、光源７の色調移動速度の切り替え位置をくし６と踏段２との境界線１０としたことにより、くし６までの歩行範囲８と、その先、つまり立ち止まるべき歩行抑止範囲９との境を明示し、踏段２上における歩行を抑止することができる。

さらに、歩行抑止範囲９に配置される光源７の色調移動速度を踏段２の移動速度と略同一に設定することにより、乗客が踏段２の移動速度が遅いと錯覚することを防ぐことができる。

なお、本発明は、上述した実施例に限定するものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上述した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定するものではない。

１乗り口、２踏段、３欄干、４移動手すり、５照明装置、６くし、７光源、８歩行範囲、９歩行抑止範囲、１０境界線、

Claims

無端状に連結されて乗降口間を循環移動する複数の踏段と、これらの踏段の移動方向の両側に配置された欄干と、この欄干の外周に沿って、前記踏段と同一方向に循環移動する移動手すりと、前記乗降口の床を形成する床板の縁部に設置されるくしと、前記欄干の長さ方向に沿って配置される複数の光源を有し、これらの光源の色調移動により運転方向表示を行う照明装置とを備えた乗客コンベアにおいて、
前記乗降口にあって乗客が歩行する範囲に配置される前記光源の前記色調移動速度を、前記踏段が移動する範囲に配置される前記光源の前記色調移動速度よりも早く設定することを特徴とした乗客コンベア。
前記色調移動速度の切り替え位置を前記くしと前記踏段との境界線とすることを特徴とした請求項１に記載の乗客コンベア。
前記色調移動速度の切り替え位置を前記くしと前記踏段との境界線から所定距離手前に設定することを特徴とした請求項１に記載の乗客コンベア。
前記歩行抑止範囲に配置される前記光源の前記色調移動速度は、前記踏段の移動速度と略同一に設定することを特徴とした請求項１に記載の乗客コンベア。