JP6539197B2 - ガスセンサの診断方法 - Google Patents

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Description

本発明は、混成電位型のガスセンサの状態を診断する処理に関し、特に、ガスセンサの検知電極の劣化状態を診断する処理に関する。
例えば排ガスなどの被測定ガス中の所定ガス成分を検知してその濃度を求めるガスセンサには、半導体型、接触燃焼型、酸素濃度差検知型、限界電流型、混成電位型など、種々の方式のものがある。そのなかには、ジルコニアなどの固体電解質たるセラミックスを主たる構成材料としたセンサ素子に、貴金属や金属酸化物を主成分とする電極を設けたものが広く知られている。
また、ジルコニア等のセラミックスをセンサ素子の主たる構成材料とするガスセンサは、長期の使用によって電極表面に被測定ガス中のガス成分や被毒物質が付着したり、あるいは電極が高温雰囲気に曝されることよってその構成物質にシンタリングが生じたりするなどの理由で、被測定ガスにおける測定対象ガス成分の濃度が同じであるにもかかわらずに出力値が変化することも知られている。
係るガスセンサの出力変化の要因のうち、被毒物質の付着や電極を構成する材料のシンタリングは不可逆的な現象であり、これらを原因とする電極の劣化(不可逆劣化)による出力値の変化については直接に対処することは困難とされている。
一方、電極表面への被測定ガス中のガス成分の付着(吸着)が原因となった出力変化については、所定の回復処理を行うことによって吸着していたガス成分を除去することで対処が可能である。つまりは、係る出力変化は、可逆的な要因による電極の劣化(可逆劣化)を原因とするものといえる。係る可逆劣化が生じたガスセンサについては、回復処理を行うことで、元の(使用初期の)出力値を再び実現することや、あるいは元の出力値になるべく近い出力値が得られるようにすることが、可能となる。
係る回復処理としては、電気的処理(例えば特許文献1および特許文献2参照)や加熱処理(例えば特許文献3参照)が例示される。
ここで、電気的処理とは、固体電解質を介して対になっている電極間に、プラス・マイナスの電位を交互に印加することによって、電極を微細化させるか、あるいは吸着物質を脱離させることで、出力を回復させる手法である。
一方、加熱処理は、吸着物質や被毒物質を高温に曝すことによって、これを脱離させるかまたは焼き切る(酸化する)ことで、出力を回復させる手法である。
また、種々のガスセンサについてその異常もしくは劣化の有無を診断する手法もすでに公知である(例えば、特許文献4ないし特許文献7参照)。
特許文献4には、ガスセンサを構成する固体電解質体の異常(抵抗増加)に起因したヒータの異常加熱を防止するべく、インピーダンスモデルに基づいて固体電解質体の内部抵抗を検出してその値により異常の有無を判定する技術が開示されている。
特許文献5には、固体電解質素子を備えた空燃比検出手段と、固体電解質素子の温度を違えたときの出力値を比較することにより空燃比検出手段の劣化を検出する手段と、固体電解質素子の温度を調整する温度調整手段と、温度調整手段の故障を検出する手段とを備えた劣化検出装置が、開示されている。
特許文献6には、センサ素子の内部インピーダンスを周期的に測定し、その差分値が閾値を超えた場合にセンサ素子において短絡異常や断線異常が生じたと診断する装置が開示されている。
特許文献7には、ガスセンサの検出素子に備わる測定室内の雰囲気を相異なる2つの状態とし、それぞれの状態において素子抵抗を測定し、その差分値の大きさに基づいて検出素子における劣化の有無や程度を検知するガスセンサ制御装置が開示されている。
特開平6−265522号公報 特許第3855979号公報 特開平11−326266号公報 特許第4580115号公報 特許第3855877号公報 特許第4669369号公報 特開2014−48279号公報
上述のような出力変化が生じるガスセンサの使用を継続するうえで難しいのが、回復処理をどのようなタイミングで行うのが適切であるか、という点である。なぜならば、必要以上の頻度で回復処理を行う場合、電極表面への被測定ガス中のガス成分の吸着に起因したセンサ出力の低下は生じない代わりに、電極を構成する材料のシンタリングが顕著となってしまい、好ましくないからである。これは結局のところ、電極の可逆劣化について適切に把握するにはどのようにすればよいのかという問題に帰着する。電極が回復処理の必要な程度にまで可逆劣化していると判断された場合、直ちに回復処理を実行すれば、劣化状態は解消し、低下していたセンサ出力も元に戻るからである。
特許文献1ないし特許文献3のいずれも、回復処理自体については開示するものの、継続的な使用状態にあるガスセンサにつき、電極の劣化の状態をどのように判断するのかという点に関しては、何らの開示も示唆もなされてはいない。
また、特許文献4ないし特許文献7に開示された診断手法は、回復処理を実行するタイミングを電極の可逆劣化の程度に基づいて判断するという点に関しては、何らの開示も示唆もなされてはいない。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、混成電位型のガスセンサに対する回復処理の要否を検知電極に生じている可逆劣化の程度に基づいて好適に診断することのできるガスセンサの診断手法を提供する、ことを目的とする。
上記課題を解決するため、第1の発明は、混成電位型のガスセンサに対して行う、前記ガスセンサの出力を回復させる回復処理の要否を診断する方法であって、それぞれが前記ガスセンサに備わる、被測定ガス雰囲気に曝される検知電極と、基準雰囲気に曝される基準電極との間で、インピーダンス測定を行う測定工程と、前記インピーダンス測定の結果に基づいて得られる、前記ガスセンサにおける電極反応抵抗または前記電極反応抵抗と相関のあるパラメータである診断対象パラメータに基づいて、前記回復処理の要否を診断する診断工程と、を備え、前記測定工程および前記診断工程を、前記ガスセンサの使用時に断続的にもしくは周期的に繰り返し行い、前記診断工程において前記診断対象パラメータが所定の閾値条件をみたす場合に前記回復処理が必要であると診断する、ことを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明に係るガスセンサの診断方法であって、前記測定工程においては、前記電極反応抵抗についてのナイキスト線図を作成可能な周波数範囲において周波数を違えつつ前記検知電極と前記基準電極との間に交流電圧を印加することによって前記インピーダンス測定を行い、前記診断工程においては、前記インピーダンス測定の結果に基づいて作成した前記ナイキスト線図に基づいて前記電極反応抵抗を算出し、算出された前記電極反応抵抗が所定の閾値以下である場合に、前記回復処理が必要であると診断する、ことを特徴とする。
第3の発明は、第1の発明に係るガスセンサの診断方法であって、前記測定工程に先立って、位相角についてのボード線図を作成可能な所定の周波数範囲において周波数を違えつつ前記検知電極と前記基準電極との間に交流電圧を印加することによって予備的なインピーダンス測定を行うことにより、前記測定工程における前記インピーダンス測定を行う際の交流電圧の周波数である診断周波数を特定する予備測定工程、をさらに備え、前記測定工程においては、前記診断周波数の交流電圧を印加することによって前記インピーダンス測定を行い、前記診断工程においては、前記インピーダンス測定によって得られる位相角の値が所定の閾値よりも0°に近い値となっている場合に、前記回復処理が必要であると診断する、ことを特徴とする。
第4の発明は、第3の発明に係るガスセンサの診断方法であって、前記予備測定工程においては、前記ボード線図において極値を与える周波数を前記診断周波数として特定する、ことを特徴とする。
第5の発明は、第1の発明に係るガスセンサの診断方法であって、前記測定工程に先立って、インピーダンスの絶対値についてのボード線図を作成可能な所定の周波数範囲において周波数を違えつつ前記検知電極と前記基準電極との間に交流電圧を印加することによって予備的なインピーダンス測定を行うことにより、前記測定工程における前記インピーダンス測定を行う際の交流電圧の周波数である診断周波数を特定する予備測定工程、をさらに備え、前記測定工程においては、前記診断周波数の交流電圧を印加することによって前記インピーダンス測定を行い、前記診断工程においては、前記インピーダンス測定によって得られるインピーダンスの絶対値の常用対数値が所定の閾値以下である場合に、前記回復処理が必要であると診断する、ことを特徴とする。
第6の発明は、第5の発明に係るガスセンサの診断方法であって、前記予備測定工程においては、前記ボード線図において前記インピーダンスの絶対値の常用対数値の最大値を与える周波数近傍から一の周波数を前記診断周波数として特定する、ことを特徴とする。
第7の発明は、第1ないし第6の発明のいずれかに係るガスセンサの診断方法であって、前記診断工程において前記回復処理が必要であると診断された後、前記回復処理がなされた場合には、前記閾値条件を前記回復処理直後における前記診断対象パラメータの値に基づいて設定し直す、ことを特徴とする。
第1ないし第7の発明によれば、混成電位型のガスセンサの検知電極に生じる可逆劣化に起因する出力変化を回復させるための回復処理の要否を、検知電極に生じている可逆劣化の程度に基づいて診断することができるので、好適なタイミングで回復処理を行うことができる。
ガスセンサ100Aの構成を概略的に示す断面模式図である。 混成電位型のガスセンサにおける反応抵抗の時間変化について模式的に示す図である。 反応抵抗について説明するための模式的なナイキスト線図である。 検知電極10が未燃炭化水素ガスを含むガス雰囲気に曝される状態を保ちながら検知電極10と基準電極20との間での2端子インピーダンス測定を繰り返し行ったときの、個々の測定についてのナイキスト線図の時系列変化を示す図である。 図4に示したそれぞれのナイキスト線図を得るためのインピーダンス測定の結果からそれぞれに得られるインピーダンスの位相角θについてのボード線図の、時系列変化を示す図である。 図4に示したそれぞれのナイキスト線図を得るためのインピーダンス測定の結果からそれぞれに得られるインピーダンスの絶対値|Z|についてのボード線図の、時系列変化を示す図である。 インピーダンスの絶対値|Z|についてのボード線図を例示する図である。 センサ1とセンサ2についてのLog|Z|の時間変化を示す図である。
<ガスセンサの構成例>
図1は、本実施の形態に係る診断手法における診断対象の一例としてのガスセンサ100Aの構成を概略的に示す断面模式図である。本実施の形態に係る診断手法とは、概略、ガスセンサ100Aを継続的に使用することで低下するセンサ出力を回復させるために行う回復処理の要否を、診断する手法である。
図1(a)は、ガスセンサ100Aの主たる構成要素であるセンサ素子101Aの長手方向に沿った垂直断面図である。また、図1(b)は、図1(a)のA−A’位置におけるセンサ素子101Aの長手方向に垂直な断面を含む図である。
ガスセンサ100Aは、いわゆる混成電位型のガスセンサである。ガスセンサ100Aは、概略的にいえば、ジルコニア(ZrO)等の酸素イオン伝導性固体電解質たるセラミックスを主たる構成材料とするセンサ素子101Aの表面に設けた検知電極10と、該センサ素子101Aの内部に設けた基準電極20との間に、混成電位の原理に基づいて両電極近傍における測定対象たるガス成分の濃度の相違に起因して電位差が生じることを利用して、被測定ガス中の当該ガス成分の濃度を求めるものである。
より具体的には、ガスセンサ100Aは、ディーゼルエンジンやガソリンエンジンなどの内燃機関の排気管内に存在する排ガスを被測定ガスとし、該被測定ガス中の所定ガス成分の濃度を、好適に求めるためのものである。なお、本明細書においては、測定対象たる所定ガス成分が未燃炭化水素ガスである場合を例として、説明を行うものとする。係る場合において、未燃炭化水素ガスには、C、C、n−C8などの典型的な炭化水素ガス(化学式上、炭化水素に分類されるもの)に加えて、一酸化炭素(CO)も含むものとする。なお、被測定ガス中に複数種類の未燃炭化水素ガスが存在する場合は、検知電極10と基準電極20の間に生じる電位差はそれら複数種類の未燃炭化水素ガスの全てが寄与した値となるので、求められる濃度値も、それら複数種類の未燃炭化水素ガスの濃度の総和となる。
また、センサ素子101Aには、上述した検知電極10および基準電極20に加えて、基準ガス導入層30と、基準ガス導入空間40と、表面保護層50とが主に設けられてなる。
なお、センサ素子101Aは、それぞれが酸素イオン伝導性固体電解質からなる第1固体電解質層1と、第2固体電解質層2と、第3固体電解質層3と、第4固体電解質層4と、第5固体電解質層5と、第6固体電解質層6との6つの層を、図面視で下側からこの順に積層した構造を有し、かつ、主としてそれらの層間あるいは素子外周面に他の構成要素を設けてなるものとする。なお、それら6つの層を形成する固体電解質は緻密な気密のものである。係るセンサ素子101Aは、例えば、各層に対応するセラミックスグリーンシートに所定の加工および回路パターンの印刷などを行った後にそれらを積層し、さらに、焼成して一体化させることによって製造される。
ただし、ガスセンサ100Aがセンサ素子101Aをこのような6つの層の積層体として備えることは必須の態様ではない。センサ素子101Aは、より多数あるいは少数の層の積層体として構成されていてもよいし、あるいは積層構造を有していなくともよい。
以下の説明においては、便宜上、図面視で第6固体電解質層6の上側に位置する面をセンサ素子101Aの表面Saと称し、第1固体電解質層1の下側に位置する面をセンサ素子101Aの裏面Sbと称する。また、ガスセンサ100Aを使用して被測定ガス中の未燃炭化水素ガスの濃度を求める際には、センサ素子101Aの一方端部である先端部E1から少なくとも検知電極10を含む所定の範囲が、被測定ガス雰囲気中に配置され、他方端部である基端部E2を含むその他の部分は、被測定ガス雰囲気と接触しないように配置されるものとする。
検知電極10は、被測定ガスを検知するための電極である。検知電極10は、Auを所定の比率で含むPt、つまりはPt−Au合金と、ジルコニアとの多孔質サーメット電極として形成されてなる。係る検知電極10は、センサ素子101Aの表面Saであって、長手方向の一方端部たる先端部E1寄りの位置に平面視略矩形状に設けられてなる。なお、ガスセンサ100Aが使用される際には、センサ素子101Aのうち、少なくとも係る検知電極10が設けられている部分までが、被測定ガス中に露出する態様にて配置される。
また、検知電極10は、その構成材料たるPt−Au合金の組成を好適に定めることによって、所定の濃度範囲について、未燃炭化水素ガスの燃焼に対する触媒活性が不能化されてなる。つまりは、検知電極10での未燃炭化水素ガスの燃焼反応を抑制させられてなる。これにより、ガスセンサ100Aにおいては、検知電極10の電位が、電気化学反応によって当該濃度範囲の未燃炭化水素ガスに対して選択的に、その濃度に応じて変動する(相関を有する)ようになっている。換言すれば、検知電極10は、当該濃度範囲の未燃炭化水素ガスに対しては、電位の濃度依存性が高い一方で、他の被測定ガスの成分に対しては電位の濃度依存性が小さいという特性を有するように、設けられてなる。
より詳細には、本発明の第1の構成に係るガスセンサ100Aのセンサ素子101Aにおいては、検知電極10を構成するPt−Au合金粒子の表面におけるAu存在比を好適に定めることで、例えば0ppmC〜10000ppmCという濃度範囲のうちの少なくとも一部の濃度範囲において電位の濃度依存性が顕著であるように、検知電極10が設けられてなる。これはすなわち、検知電極10が、当該濃度範囲において未燃炭化水素ガスを好適に検知できるように設けられることを意味する。例えば、Au存在比を0.7以上とした場合には、4000ppmC以下の濃度範囲について未燃炭化水素ガスを好適に検知することができ、Au存在比を0.1以上0.7未満とした場合には、4000ppmC以上の濃度範囲について未燃炭化水素ガスを好適に検知することができる。
なお、本明細書において、Au存在比とは、検知電極10を構成する貴金属(Pt−Au合金)粒子の表面のうち、Ptが露出している部分に対する、Auが被覆している部分の面積比率を意味している。本明細書においては、XPS(X線光電子分光法)により得られるAuとPtとについての検出ピークのピーク強度から、相対感度係数法を用いてAu存在比を算出するものとする。Ptが露出している部分の面積と、Auによって被覆されてなる部分の面積が等しいときに、Au存在比は1となる。
基準電極20は、センサ素子101Aの内部に設けられた、被測定ガスの濃度を求める際に基準となる平面視略矩形状の電極である。基準電極20は、Ptとジルコニアとの多孔質サーメット電極として形成されてなる。
なお、基準電極20は、気孔率が10%以上30%以下であり、厚みが5μm以上15μm以下であるように形成されればよい。また、基準電極20の平面サイズは、図1に例示するように検知電極10に比して小さくてもよいし、検知電極10と同程度でもよい。
基準ガス導入層30は、センサ素子101Aの内部において基準電極20を覆うように設けられた、多孔質のアルミナからなる層であり、基準ガス導入空間40は、センサ素子101Aの基端部E2側に設けられた内部空間である。基準ガス導入空間40には、未燃炭化水素ガス濃度を求める際の基準ガスとしての大気(酸素)が外部より導入される。
これら基準ガス導入空間40と基準ガス導入層30は互いに連通しているので、ガスセンサ100Aが使用される際には基準ガス導入空間40および基準ガス導入層30を通じて基準電極20の周囲が絶えず大気(酸素)で満たされるようになっている。それゆえ、ガスセンサ100Aの使用時、基準電極20は、常に一定の電位を有してなる。
なお、基準ガス導入空間40および基準ガス導入層30は周囲の固体電解質によって被測定ガスと接触しないようになっているので、検知電極10が被測定ガスに曝されている状態であっても、基準電極20が被測定ガスと接触することはない。
図1に例示する場合であれば、センサ素子101Aの基端部E2の側において第5固体電解質層5の一部が外部と連通する空間とされる態様にて基準ガス導入空間40が設けられてなる。また、第5固体電解質層5と第6固体電解質層6との間においてセンサ素子101Aの長手方向に延在させる態様にて基準ガス導入層30が設けられてなる。そして、センサ素子101Aの重心の図面視下方の位置に、基準電極20が設けられてなる。
表面保護層50は、センサ素子101Aの表面Saにおいて少なくとも検知電極10を被覆する態様にて設けられた、アルミナからなる多孔質層である。表面保護層50は、ガスセンサ100Aの使用時に被測定ガスに連続的に曝されることによる検知電極10の劣化を抑制する電極保護層として設けられてなる。図1に例示する場合においては、表面保護層50は、検知電極10のみならず、センサ素子101Aの表面Saのうち先端部E1から所定の範囲を除くほぼ全ての部分を覆う態様にて設けられてなる。
また、図1(b)に示すように、ガスセンサ100Aにおいては、検知電極10と基準電極20との間の電位差を測定可能な電位差計60が備わっている。なお、図1(b)においては検知電極10および基準電極20と電位差計60との間の配線を簡略化して示しているが、実際のセンサ素子101Aにおいては、基端部E2側の表面Saもしくは裏面Sbに図示しない接続端子がそれぞれの電極に対応させて設けられてなるとともに、それぞれの電極と対応する接続端子とを結ぶ図示しない配線パターンが表面Saおよび素子内部に形成されてなる。そして、検知電極10および基準電極20と電位差計60とは配線パターンおよび接続端子を通じて電気的に接続されてなる。以降、電位差計60で測定される検知電極10と基準電極20との間の電位差をセンサ出力とも称する。
さらに、センサ素子101Aは、固体電解質の酸素イオン伝導性を高めるために、センサ素子101Aを加熱して保温する温度調整の役割を担うヒータ部70を備えている。ヒータ部70は、ヒータ電極71と、ヒータ72と、スルーホール73と、ヒータ絶縁層74、圧力放散孔75とを備えている。
ヒータ電極71は、センサ素子101Aの裏面Sb(図1においては第1固体電解質層1の下面)に接する態様にて形成されてなる電極である。ヒータ電極71を図示しない外部電源と接続することによって、外部からヒータ部70へ給電することができるようになっている。
ヒータ72は、センサ素子101Aの内部に設けられた電気抵抗体である。ヒータ72は、スルーホール73を介してヒータ電極71と接続されており、該ヒータ電極71を通して外部より給電されることにより発熱し、センサ素子101Aを形成する固体電解質の加熱と保温を行う。
図1に例示する場合であれば、ヒータ72は第2固体電解質層2と第3固体電解質層3とに上下から挟まれた態様にて、かつ、基端部E2から先端部E1近傍の検知電極10の下方の位置に渡って埋設されてなる。これにより、センサ素子101A全体を固体電解質が活性化する温度に調整することが可能となっている。
ヒータ絶縁層74は、ヒータ72の上下面に、アルミナ等の絶縁体によって形成されてなる絶縁層である。ヒータ絶縁層74は、第2固体電解質層2とヒータ72との間の電気的絶縁性、および、第3固体電解質層3とヒータ72との間の電気的絶縁性を得る目的で形成されている。
圧力放散孔75は、第3固体電解質層3を貫通し、基準ガス導入空間40に連通するように設けられてなる部位であり、ヒータ絶縁層74内の温度上昇に伴う内圧上昇を緩和する目的で形成されてなる。
以上のような構成を有するガスセンサ100Aを用いて被測定ガスにおける未燃炭化水素ガス濃度を求める際には、上述したように、センサ素子101Aのうち先端部E1から少なくとも検知電極10を含む所定の範囲のみを、被測定ガスが存在する空間に配置する一方で、基端部E2の側は当該空間とは隔絶させて配置し、基準ガス導入空間40に対し大気(酸素)を供給する。また、ヒータ72によりセンサ素子101Aを適宜の温度400℃〜800℃に、好ましくは500℃〜700℃、より好ましくは500℃〜600℃に加熱する。
係る状態においては、被測定ガスに曝されてなる検知電極10と大気中に配置されてなる基準電極20との間に電位差が生じる。ただし、上述のように、大気(酸素濃度一定)雰囲気下に配置されてなる基準電極20の電位は一定に保たれている一方で、検知電極10の電位は、被測定ガス中の未燃炭化水素ガスに対して選択的に濃度依存性を有するものとなっているので、その電位差(センサ出力)は実質的に、検知電極10の周囲に存在する被測定ガスの組成に応じた値となる。それゆえ、未燃炭化水素ガス濃度と、センサ出力との間には一定の関数関係(これを感度特性と称する)が成り立つ。以降の説明においては、係る感度特性につき、検知電極10についての感度特性などと称することがある。
実際に未燃炭化水素ガス濃度を求めるにあたっては、あらかじめ、それぞれの未燃炭化水素ガス濃度が既知である相異なる複数の混合ガスを被測定ガスとしてセンサ出力を測定することで、感度特性を実験的に特定しておく。これにより、ガスセンサ100Aを実使用する際には、被測定ガス中の未燃炭化水素ガスの濃度に応じて時々刻々変化するセンサ出力を、図示しない演算処理部において感度特性に基づき未燃炭化水素ガス濃度に換算することによって、被測定ガス中の未燃炭化水素ガス濃度をほぼリアルタイムで求めることができる。
<電極反応抵抗の経時変化と回復処理>
図2は、ガスセンサ100Aのような混成電位型のガスセンサにおける反応抵抗(電極反応抵抗)の時間変化について模式的に示す図である。
従来、混成電位型のガスセンサを継続して使用すると、図2(a)において直線L1にて示すように反応抵抗が経時的に低下するという傾向があった。係る反応抵抗の低下が、センサ出力を経時的に低下させる要因となっていた。
なお、反応抵抗は、ガスセンサにおいて検知電極と基準電極との間に周波数を違えつつ交流電圧を印加して2端子インピーダンス測定を行い、その結果を、実軸(R'軸、単位:Ω)を横軸とし虚軸(R''軸、単位:Ω)を縦軸に取ったナイキスト線図にプロットした結果から得られる。図3は、反応抵抗の導出について説明するための模式的なナイキスト線図である。
具体的には、実測データをプロットすると、図3に示すように実軸上の点(R'、R'')=(R1、0)を一方の起点とする円弧状の曲線となる。そして、該曲線の(R'、R'')の反対側の端点もしくは該端点から実軸R'に外挿したときの外挿点のR'座標値をR1+R2と表すと、係るR'座標値のR1からの増分値R2が、反応抵抗となる。なお、値R1はIR抵抗(絶縁抵抗)であり、ガスセンサ100Aのような混成電位型のガスセンサにおいては、例えばセンサ素子を構成する固体電解質の材料抵抗がこれに該当する。従って、固体電解質に異常が生じた場合には、R2ではなくR1の値が変動することになる。
本発明の発明者は、上述した反応抵抗およびセンサ出力の経時的な低下について鋭意に調査・検討するなかで、検知電極の表面への被測定ガス中のガス成分の付着(吸着)が、図2(a)において直線Laにて示すように反応抵抗を経時的に低下させる傾向がある一方で、被毒物質の付着や検知電極を構成する材料のシンタリング等の不可逆的な現象(不可逆劣化)は、図2(a)において直線Lbにて示すように反応抵抗を経時的に増加させる傾向があることを見出した。加えて、実際の反応抵抗が直線L1のように経時的に低下し、それゆえにセンサ出力が経時的に低下するのはあくまで、直線Laにて示すようなガス成分の吸着に起因する反応抵抗の低下の方が、直線Lbにて示すような不可逆的な現象に起因する反応抵抗の増加よりも急峻であり、結果的に支配的だからであるとの知見を得た。なお、図2において反応抵抗の経時変化を直線にて表しているのはあくまで、増加もしくは減少の傾向を単純化して示すためであって、実際の経時変化は必ずしも線型的に生じるとは限らない。
従来行われている公知の回復処理、例えば特許文献1および特許文献2に開示されているような電気的処理や特許文献3に開示されているような加熱処理は、上記のうち、検知電極の表面に対するガス成分の吸着に伴うセンサ出力の低下を解消することを意図したものである。
図2(b)に、ガスセンサの使用途中で回復処理を行う場合の反応抵抗の時間変化を実線L2にて示す。図2(b)に示す場合においても、図2(a)に示す場合と同様に、初期値R20であった反応抵抗は、検知電極の表面へのガス成分の吸着(可逆劣化)に起因する反応抵抗の低下を表す直線Laとガスセンサに生じる不可逆劣化に起因する反応抵抗の増加を表す直線Lbとの兼ね合いで定まる線分L21に沿って、経時的に低下する。例えば、図2(b)に示すように反応抵抗がある値R21となったタイミングで回復処理P1を施すと、ガス成分の吸着に起因する低下分はキャンセルされ、センサ出力も回復する。ただし、検知電極においては不可逆劣化も経時的に進行するために、回復処理後の反応抵抗は、初期値R0ではなく直線Lb上の値R22となる。これはすなわち、回復処理によって実現されるのは、不可逆劣化のみが経時的に起こった状態と同じ状態であることを意味する。
その後も、ガスセンサの使用を継続すると、反応抵抗の値はまた、直線Laと直線Lbとの兼ね合いで定まる線分L22に沿って経時的に低下するが、その値がR23となったタイミングで再び回復処理P2を施すと、ガス成分の吸着に起因する低下分はもう一度キャンセルされて、反応抵抗は、直線Lb上の値R24にまで回復する。
以降、同様の態様にて回復処理を適宜のタイミングで繰り返し行えば、その都度、いったんは低下した反応抵抗ひいてはセンサ出力が、再び回復されることになるが、その回復処理後の検知電極の状態は、不可逆劣化のみが進行した状態に該当することになる。換言すれば、いったん回復処理を行った後の反応抵抗の経時的な低下は、不可逆劣化のみが進行した状態を起点として生じることになる。
ただし、実際のガスセンサの使用態様によっては、不可逆劣化の進行は可逆劣化に比して非常に緩やかなものに留まることがあり、係る場合には、回復処理後の検知電極の状態は、初期状態とほぼ同じとみなすことができる。
<回復処理の要否の診断手法>
次に、回復処理の要否を診断する手法について説明する。回復処理は、経時的に低下していたセンサ出力を回復させることを目的とするものであるので、センサ出力の挙動に基づいてその要否を判断する態様であってもよいが、上述したように、回復処理として行う処理自体は、検知電極に対するガス成分の吸着つまりは可逆劣化を解消することで、センサ出力の要因となっていた反応抵抗の低下をキャンセルするものであるところ、センサ出力の変動には、回復処理の対象とならず、しかも、反応抵抗を経時的に増大させる不可逆劣化も影響することから、回復処理の本来的な作用効果である可逆劣化の解消を好適なタイミングで行うには、可逆劣化に起因した検知電極の劣化の状況を反映して低下する反応抵抗の値に基づいて回復処理を行うことが望ましい。
さらにいえば、過度の回復処理の実行は、検知電極を構成する材料のシンタリングを促進させることになり、図2においては緩やかに増加するものと例示していた不可逆劣化に起因する反応抵抗の増大が、より急峻なものとなってしまうため好ましくない。一方、回復処理の実行間隔があまりに長すぎると、反応抵抗ひいてはセンサ出力が著しく減少してしまい、測定精度を損ねることになるため好ましくない。
以上を踏まえた、本実施の形態に係る回復処理の要否の診断手法には、以下の3通りの態様がある。
(第1の態様:ナイキスト線図に基づく診断)
図3に模式的に示したように、反応抵抗は、ガスセンサにおいて検知電極と基準電極との間に周波数を違えつつ交流電圧を印加して2端子インピーダンス測定を行った結果に基づいて得られるナイキスト線図から、特定される。それゆえ、ナイキスト線図から求まる反応抵抗の値があらかじめ定めておいた閾値を下回った場合に、検知電極においてガス西部の付着が測定精度に影響を与える程度に進行しているので回復処理の実行が必要であると診断することができる。
図4は、検知電極10が未燃炭化水素ガスを含むガス雰囲気に曝される状態を保ちながらガスセンサ100Aをセンサ素子温度600℃で駆動しつつ、検知電極10と基準電極20との間での2端子インピーダンス測定を周期的に繰り返し行ったときの、個々の測定についてのナイキスト線図の時系列変化を示す図である。測定条件は以下の通りである。
ガス雰囲気(モデルガス装置を用いて作製):
(未燃炭化水素ガスに相当)=1000ppm(=2000ppmC);
=10%;
O=5%;
=残余;
インピーダンス測定:
周波数=0.1Hz〜1MHz;
振幅=10mV;
OCV(開放電圧)に対するバイアス電圧=0;
測定インターバル→ガス導入時から60分後までの間に5分ごと(t=5〜60)。
なお、ガス雰囲気における2000ppmCというCの濃度は、検知電極10への吸着を加速する目的で、一般的な内燃機関から排出される排ガスにおける未燃炭化水素ガス濃度よりも高くしてあり、また、5分というインピーダンス測定の測定インターバルも、係る吸着の加速に応じて設定したものであり、ガスセンサの実使用時においてはより大きな測定インターバルが設定されてよい。
図4からは、それぞれのナイキスト線図が実軸上のおよそ1150(Ω)の位置を起点とする円弧状の曲線となっている点で共通しつつも、当該曲線の他方の端点の実軸座標値が、t=5で行った最初のインピーダンス測定についてのナイキスト線図から、t=60で行った最後のインピーダンス測定についてのナイキスト線図にかけて、小さくなる傾向があることがわかる。
係る傾向を利用すれば、該曲線を実軸上に外挿することで求まる、図3のR2に相当する反応抵抗値について、あらかじめ所定の閾値を定めておいたうえで、ガスセンサの使用時においては、インピーダンス測定を行って反応抵抗値を求めることを所定のインターバルで断続的に(もしくは周期的に)繰り返し、得られた反応抵抗値が閾値を下回ったときに、ガスセンサに回復処理を実行するタイミングが到来したと診断することができる。これが、本態様における回復処理の要否の診断手法である。図3のR2に相当する値のみを診断の対象(診断対象パラメータ)としているので、回復処理による回復が可能な可逆的な要因による抵抗変化のみを対象に診断が行えていることになる。
なお、閾値は、ガスセンサの使用開始後、初めに回復処理を行うまでの間は、使用初期における反応抵抗の値に所定の閾値係数α(0<α<1)を乗じた値とすればよく、回復処理を行った後は、当該回復処理直後にインピーダンス測定を行って反応抵抗を求め、係る反応抵抗の値に当該閾値係数αを乗じた値とすればよい。このようにすることで、いったん回復処理を行った後においては、当該回復処理後の状態を基準として、再度の回復処理の要否を適切に判断することができる。閾値係数αの値を具体的にどのような値に定めるかについては、ガスセンサに要求される測定精度や、検知電極の組成などを鑑みて適宜に判断されればよい。
(第2の態様:位相角に基づく診断)
上述した第1の態様でのナイキスト線図に基づく診断は、反応抵抗を直接に求める関係上、インピーダンス測定を行うタイミングが到来する都度、広い周波数範囲(図4の場合であれば0.1Hz〜1MHz)に渡ってインピーダンスを測定する必要がある。それゆえ、一回の測定に時間を要する。また、一般に、内燃機関から排出される排ガスの成分濃度は変動しやすいため、測定に時間を要すると、厳密にいえば周波数によって測定対象における未燃炭化水素ガスの濃度が異なってしまい好ましくない場合も有り得る。
一方で、回復処理の要否を診断するうえにおいて本質的に必要であるのは、反応抵抗が所定の許容範囲を超えて低下した状態を捉えることであって、係る把握は必ずしも反応抵抗の値を直接に求めることによってのみ行えるものとは限らない。反応抵抗そのものではなく、反応抵抗と相関のあるパラメータを診断対象パラメータとして利用することによって、回復処理の要否を診断するようにしてもよい。
そこで、本態様では、インピーダンス測定の結果得られる位相角を、診断に利用するものとする。
図5は、図4に示したそれぞれのナイキスト線図を得るためのインピーダンス測定の結果からそれぞれに得られるインピーダンスの位相角θについてのボード線図の、時系列変化を示す図である。
図5からは、それぞれのボード線図はおおよそ7Hz〜10Hzあたりにピーク値(極値)をもっていること、および、t=5で行った最初のインピーダンス測定についてのボード線図からt=60で行った最後のインピーダンス測定についてのボード線図にかけて、ピーク値(極値)が0に近づく傾向があることがわかる。係る傾向は、図4に示したナイキスト線図に現れる反応抵抗の低下の傾向と相関を有している。
それゆえ、本態様では、あらかじめ実験的に、もしくは、実際にガスセンサを使用する際の使用初期に、位相角θについてのボード線図を作成可能な程度に広い所定の周波数範囲についてインピーダンス測定を行い、その結果に基づいて位相角θについてのボード線図を作成し、ピーク値(極値)を与える周波数を診断処理に用いる周波数(以下、診断周波数と称する)を特定しておくとともに、該診断周波数における位相角θの閾値を定めておくようにする。係るインピーダンス測定はいわば、本態様における予備測定と位置づけられる。
そして、ガスセンサの実使用時においては、診断周波数の交流電圧を印加したインピーダンス測定のみを所定のインターバルにて行うようにする。係るインピーダンス測定の結果から求まる位相角θの値が閾値よりも0に近い値となったときに、ガスセンサに回復処理を実行するタイミングが到来したと診断することができる。
なぜならば、上述のように反応抵抗の低下と位相角θについてのボード線図におけるピーク値(極値)の変化との間には相関があるので、本態様における位相角θの閾値を第1の態様における反応抵抗の閾値に見合うように定めることで、直接に反応抵抗を求めずとも、回復処理が必要な程度にまで反応抵抗が低下したと判断できるからである。これが、本態様における回復処理の実行の要否の診断手法である。
好ましくは、回復処理直後に広い周波数範囲(例えば0.1Hz〜1MHz)に渡ってインピーダンス測定を行って位相角θについてのボード線図におけるピーク値(極値)を求め、該ピーク値(極値)に対応させて閾値を設定するようにする。これにより、本態様においても、第1の態様と同様、当該回復処理後の状態を基準として、再度の回復処理の要否を適切に判断することができる。
本態様の場合、ガスセンサの実使用時に適宜のタイミングで行うインピーダンス測定での測定周波数が1つの診断周波数のみであることから、第1の態様に比して、回復処理の要否の判断に要する時間が短くて済むという利点がある。このように測定が短時間で済むということから、例えば、ガスセンサが自動車の排気管に取り付けられて排ガスを被測定ガスとするものである場合であれば、エンジン始動直前、エンジン始動直後、アイドリング時、ヒューエルカット時など、被測定ガスの成分が一定の条件下で診断処理を行うようにすれば、診断の精度が向上することとなりより好ましい。
なお、図5においては、tの値が大きくなるほど、極値を与える周波数が大きくなる傾向がある。このような傾向が経験的に確認されるような場合は、診断周波数を、最初に得た位相角θについてのボード線図においてピーク値(極値)を与える周波数よりもわずかに(図5に示す場合であれば2Hz程度)大きな周波数とするようにしてもよい。
(第3の態様:インピーダンスの絶対値に基づく診断)
上述した第2の態様では位相角θについてのボード線図に現れるピークを利用して回復処理の実行の要否を診断するようにしているが、これに代わり、インピーダンスの絶対値|Z|についてのボード線図に基づいて回復処理の実行の要否を診断することも可能である。
図6は、図4に示したそれぞれのナイキスト線図を得るためのインピーダンス測定の結果からそれぞれに得られるインピーダンスの絶対値|Z|についてのボード線図の、時系列変化を示す図である。なお、図6の縦軸は絶対値|Z|の常用対数値であるLog|Z|である。
図6からは、いずれのボード線図も、周波数が高くなるほど概ね単調に減少する傾向があることがわかる。加えて、おおよそ10Hz以上の範囲では全てのボード線図がほぼ合致している。
一方、10Hz以下の範囲では、t=5で行った最初のインピーダンス測定についてのボード線図からt=60で行った最後のインピーダンス測定についてのボード線図にかけて、時間が経過するほどLog|Z|の値が減少する傾向がある。係る傾向は、図4に示したナイキスト線図に現れる反応抵抗の低下の傾向と相関を有している。
そこで、本態様では、あらかじめ実験的に、もしくは、実際にガスセンサを使用する際の使用初期に、インピーダンスの絶対値|Z|についてのボード線図を作成可能な程度に広い所定の周波数範囲についてインピーダンス測定を行い、その結果に基づいてインピーダンスの絶対値|Z|についてのボード線図を作成する。係るインピーダンス測定は、いわば本態様における予備測定と位置づけられる。図7が、係るボード線図を例示する図である。そして、係るボード線図に基づいて診断処理に用いる周波数(以下、診断周波数と称する)などのパラメータの値を特定しておくようにする。
具体的には、インピーダンス測定によって図7に示すようなボード線図が得られると、時間が経過しても該ボード線図において|Z|の値がほぼ代わらないと考えられる周波数(以降、基準周波数)を特定するとともに、Log|Z|の最大値を与える周波数近傍から一の周波数を診断周波数として特定する。併せて、基準周波数でのLog|Z|の値Log|Z1|と、診断周波数でのLog|Z|の値Log|Z2|の値とを、特定しておく。
図7に示す場合においては、基準周波数を100Hzとするとともに診断周波数を1Hzとしている。これにより、Log|Z1|=4.15であり、Log|Z2|=4.85である。
加えて、Log|Z1|とLog|Z2|の差分値
ΔLog|Z|=Log|Z2|−Log|Z1|
の値に乗ずる閾値係数kを定めておく。ここで、閾値係数kとは、0<k<1をみたす値であって、ガスセンサの使用が継続されるにつれて図6に示すように生じるLog|Z|の減少が、差分値ΔLog|Z|を基準としてどの程度まで許容されるかを表す値である。閾値係数kを、Log|Z|について許容される減少分が第1の態様における反応抵抗の閾値に見合うように定めることで、直接に反応抵抗を求めずとも、回復処理が必要な程度にまで反応抵抗が低下したと判断することができる。
実際には、ガスセンサの実使用時において、診断周波数の交流電圧を印加したインピーダンス測定のみを行い、該診断周波数についてのLog|Z|の値が、
TH=Log|Z1|+k・ΔLog|Z|
なる式にて定まる閾値以下となった場合に、回復処理が必要と判断される。
図7に示す場合においては、閾値係数kが0.8(80%)と定められた場合を例示している。また、
ΔLog|Z|=Log|Z2|−Log|Z1|=0.7
である。従って、診断周波数である1HzにおけるLog|Z|の値が、
TH=4.15+0.8×0.7=4.71
を下回れば、回復処理が必要と診断されることになる。
例えば、t=t1、t2(t1<t2)におけるLog|Z|の値をそれぞれLog|Z(t=t1)|、Log|Z(t=t2)|と表すとき、図7に示す場合においては、Log|Z(t=t1)|=4.8>THであり、Log|Z(t=t2)|=4.7<THであるので、t=t1では回復処理は不要と判断されるが、t=t2では回復処理が必要と判断される。
好ましくは、回復処理直後に広い周波数範囲(例えば0.1Hz〜1MHz)に渡ってインピーダンス測定を行ってインピーダンスの絶対値|Z|についてのボード線図を求め、該ボード線図に基づいて閾値THの値を求めるようにする。これにより、本態様においても、第1の態様と同様、当該回復処理後の状態を基準として、再度の回復処理の要否を適切に判断することができる。
本態様においても、第2の態様と同様、ガスセンサの実使用時に適宜のタイミングで行うインピーダンス測定での測定周波数が1つの診断周波数のみであることから、第1の態様に比して、回復処理の要否の判断に要する時間が短くて済むという利点がある。それゆえ、やはり第2の態様と同様、被測定ガスの成分が一定の条件下で診断処理を行うようにすれば、診断の精度が向上することとなりより好ましい。
以上、説明したように、本実施の形態によれば、混成電位型のガスセンサの検知電極に生じる可逆劣化に起因する出力変化を回復させるための回復処理の要否を、検知電極に生じている可逆劣化の程度に基づいて診断することができるので、好適なタイミングで回復処理を行うことができる。
<変形例>
上述の実施の形態においては、診断処理の対象となるガスセンサとして、ガスセンサ100Aのみを例示しているが、他の構造を有するガスセンサについても診断処理の対象となり得る。
上述の実施の形態においては、検知電極と基準電極との間に交流電圧を印加してインピーダンス測定を行った結果に基づいて、診断処理を行うようにしているが、これに代わり、直流電圧を印加したときの抵抗変化(直流測定による抵抗変化)に基づいて診断処理を行う態様であってもよい。例えば、検知電極と基準電極との間に0Vを印加したときに流れる電流と、0.1Vを印加したときに流れる電流とを測定し、2つの測定結果に基づいて特定される電圧−電流直線(VI直線)の傾きから抵抗(直流抵抗)を求め、得られた抵抗値が所定の閾値以下となった場合に回復処理が必要と診断する、等の態様であってもよい。
上述の実施の形態においては、ディーゼルエンジンやガソリンエンジンなどの内燃機関の排気管内に存在する排ガスを被測定ガスとし、該被測定ガス中の未燃炭化水素ガスの濃度を求める場合について説明しているが、ガスセンサ100Aの測定対象は炭化水素ガスに限られるものではない。ガスセンサ100Aによれば、NHおよびNOxについても、上述の実施の形態において説明した態様と同様に、混成電位の原理に基づいて測定をすることが可能である。
また、上述の実施の形態においては、検知電極および基準電極が貴金属(具体的には、検知電極はPt−Au合金、参照電極はPt)とジルコニアとのサーメット電極として設けられてなるが、これに代わり、検知電極を、Cu、Zn、Sn、La、Nb、Sr、Ti、Si、Cr、In、Cd、Ni、W、V、Fe、Tb、Bi、Ta、Y、Ga、Mo、またはCoのうちの少なくとも一種の金属についての酸化物、あるいはそれらの金属の酸化物のうちの複数が複合してなる複合酸化物にて設ける態様であってもよい。これらの酸化物および複合酸化物は被測定ガスの燃焼反応触媒とならないため、三相界面において電気化学反応が行われる。
異なる2つのガスセンサ100A(以下、それぞれをNo.1センサ、No.2センサと称する)を対象に、診断処理に基づく回復処理の効果を確認した。
具体的には、2つのガスセンサ100Aのそれぞれを、検知電極10が未燃炭化水素ガスを含むガス雰囲気に曝される状態を保ちながらセンサ素子温度600℃で連続的に駆動しつつ、第3の態様に基づく診断処理を行い、回復処理が必要と診断された場合には直ちに回復処理を行うということを繰り返した。
ガス雰囲気は以下の通りである(モデルガス装置を用いて作製);
(未燃炭化水素ガスに相当)=2000ppm(4000ppmC);
=10%;
O=5%;
=残余。
診断周波数は1Hzとし、診断処理のためのインピーダンス測定は公知のインピーダンスアナライザを使用して100秒ごと(回復処理を行った場合には回復処理後100秒ごと)に行った。また、あらかじめ0.1Hz〜1MHzの範囲でインピーダンス測定を行い、最初の閾値THは、No.1センサについてはTH=4.82と設定し、No.2センサについてはTH=4.80と設定した。
なお、ガス雰囲気における4000ppmCというCの濃度は、検知電極10への吸着を加速する目的で、一般的な内燃機関から排出される排ガスにおける未燃炭化水素ガス濃度よりも高くしてあり、また、100秒というインピーダンス測定の測定インターバルも、係る吸着の加速に応じて設定したものであり、ガスセンサの実使用時においてはより大きな測定インターバルが設定されてよい。
回復処理は、ヒータ部70によってセンサ素子101Aを850℃の加熱温度で30秒間加熱することにより行った。
図8は、No.1センサとNo.2センサについてのインピーダンスの絶対値|Z|の対数値Log|Z|の、駆動開始からの時間変化を示す図である。なお、図8ではNo.1センサとNo.2センサを単にセンサ1、センサ2と表記している。それぞれのガスセンサ100AにおけるLog|Z|の初期値は4.90、4.82である。
No.1センサとNo.2センサはいずれも、200秒のところでLog|Z|の値がそれぞれのTHの値以下となったので、その直後、図中に矢印にて示すタイミングで回復処理を行った。回復処理後、直ちにインピーダンス測定を行ったところ、Log|Z|は初期値と同じとなった。それゆえ、No.1センサおよびNo.2センサともに、閾値THの値は初期と同じとした。
以降、同様に、100秒ごとの診断処理と、Log|Z|の値がTHの値以下となったときに図中に矢印にて示すタイミングで回復処理とを繰り返し行った。図に示した900秒までの範囲では、回復処理後のLog|Z|の値は初期値に一致した。
1〜6 第1〜第6固体電解質層
10 検知電極
20 基準電極
30 基準ガス導入層
40 基準ガス導入空間
50 表面保護層
60 電位差計
70 ヒータ部
71 ヒータ電極
72 ヒータ
73 スルーホール
74 ヒータ絶縁層
75 圧力放散孔
100A ガスセンサ
101A センサ素子
E1 (センサ素子の)先端部
E2 (センサ素子の)基端部
Sa (センサ素子の)表面
Sb (センサ素子の)裏面

Claims (7)

  1. 混成電位型のガスセンサに対して行う、前記ガスセンサの出力を回復させる回復処理の要否を診断する方法であって、
    それぞれが前記ガスセンサに備わる、被測定ガス雰囲気に曝される検知電極と、基準雰囲気に曝される基準電極との間で、インピーダンス測定を行う測定工程と、
    前記インピーダンス測定の結果に基づいて得られる、前記ガスセンサにおける電極反応抵抗または前記電極反応抵抗と相関のあるパラメータである診断対象パラメータに基づいて、前記回復処理の要否を診断する診断工程と、
    を備え、
    前記測定工程および前記診断工程を、前記ガスセンサの使用時に断続的にもしくは周期的に繰り返し行い、前記診断工程において前記診断対象パラメータが所定の閾値条件をみたす場合に前記回復処理が必要であると診断する、
    ことを特徴とするガスセンサの診断方法。
  2. 請求項1に記載のガスセンサの診断方法であって、
    前記測定工程においては、前記電極反応抵抗についてのナイキスト線図を作成可能な周波数範囲において周波数を違えつつ前記検知電極と前記基準電極との間に交流電圧を印加することによって前記インピーダンス測定を行い、
    前記診断工程においては、前記インピーダンス測定の結果に基づいて作成した前記ナイキスト線図に基づいて前記電極反応抵抗を算出し、算出された前記電極反応抵抗が所定の閾値以下である場合に、前記回復処理が必要であると診断する、
    ことを特徴とするガスセンサの診断方法。
  3. 請求項1に記載のガスセンサの診断方法であって、
    前記測定工程に先立って、位相角についてのボード線図を作成可能な所定の周波数範囲において周波数を違えつつ前記検知電極と前記基準電極との間に交流電圧を印加することによって予備的なインピーダンス測定を行うことにより、前記測定工程における前記インピーダンス測定を行う際の交流電圧の周波数である診断周波数を特定する予備測定工程、
    をさらに備え、
    前記測定工程においては、前記診断周波数の交流電圧を印加することによって前記インピーダンス測定を行い、
    前記診断工程においては、前記インピーダンス測定によって得られる位相角の値が所定の閾値よりも0°に近い値となっている場合に、前記回復処理が必要であると診断する、
    ことを特徴とするガスセンサの診断方法。
  4. 請求項3に記載のガスセンサの診断方法であって、
    前記予備測定工程においては、前記ボード線図において極値を与える周波数を前記診断周波数として特定する、
    ことを特徴とするガスセンサの診断方法。
  5. 請求項1に記載のガスセンサの診断方法であって、
    前記測定工程に先立って、インピーダンスの絶対値についてのボード線図を作成可能な所定の周波数範囲において周波数を違えつつ前記検知電極と前記基準電極との間に交流電圧を印加することによって予備的なインピーダンス測定を行うことにより、前記測定工程における前記インピーダンス測定を行う際の交流電圧の周波数である診断周波数を特定する予備測定工程、
    をさらに備え、
    前記測定工程においては、前記診断周波数の交流電圧を印加することによって前記インピーダンス測定を行い、
    前記診断工程においては、前記インピーダンス測定によって得られるインピーダンスの絶対値の常用対数値が所定の閾値以下である場合に、前記回復処理が必要であると診断する、
    ことを特徴とするガスセンサの診断方法。
  6. 請求項5に記載のガスセンサの診断方法であって、
    前記予備測定工程においては、前記ボード線図において前記インピーダンスの絶対値の常用対数値の最大値を与える周波数近傍から一の周波数を前記診断周波数として特定する、
    ことを特徴とするガスセンサの診断方法。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のガスセンサの診断方法であって、
    前記診断工程において前記回復処理が必要であると診断された後、前記回復処理がなされた場合には、前記閾値条件を前記回復処理直後における前記診断対象パラメータの値に基づいて設定し直す、
    ことを特徴とするガスセンサの診断方法。
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