JP5795998B2 - ガスセンサ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、特定ガス濃度を検出するガスセンサのガスセンサ制御装置に関する。
従来より、内燃機関の排気ガス等の被測定ガス中に含まれる特定ガスのガス濃度を検知するガスセンサとして、酸素濃度を検知する酸素センサや窒素酸化物(NOx)の濃度を検知するNOxセンサなどが知られている。例えば、酸素濃度に応じて出力がリニアに変化する全領域空燃比センサでは、ジルコニアを主体とした固体電解質体からなる起電力セルとポンプセルの2つのセルを備える検出素子を有しており、起電力セルの電極間に生じる電圧が一定になるように、ポンプセルの電極間に流れる電流が制御され、このポンプセルを流れる電流の大きさから酸素濃度を検知する。
なお、このようなガスセンサの検出素子は、使用等による劣化で素子インピーダンス(素子抵抗)が増加することが知られている。即ち、劣化した検出素子では、劣化前に比して、同一温度とした場合の素子インピーダンス(素子抵抗)が相対的に高くなる。一般に、このようなセンサは、検出素子を加熱するヒータを有する。このため、素子インピーダンスが一定となるように、ヒータへの通電をフィードバック制御するにあたり、検出素子が劣化すると、劣化で高くなった素子インピーダンスを目標インピーダンスに近づけるべく、素子インピーダンスを下げる方向、即ち、素子温度を上げる方向に制御がなされる。すると、検出素子が過昇温となる、温度上昇により劣化がさらに促進されるなどの問題があった。
この問題を解決するため、例えば、特許文献1には、検出素子の素子インピーダンスが増加した劣化状態を判定する劣化判定手段と、検出素子が劣化状態であると判定されたときに目標インピーダンスを増加させる目標インピーダンス変更手段とを備えた酸素濃度検出装置が開示されている。そして、具体的な劣化判定手段として、ヒータに供給されるヒータ供給電力と所定の判定値とを比較するヒータ供給電力比較手段が示されている。
特開平10−26599号公報
ところで、このようなガスセンサにおいては、検知される素子抵抗の値が、空燃比の違い(ガス雰囲気)の影響をも受けることが判ってきた。具体的には、ガス雰囲気がリッチ状態のときに検知される素子抵抗の値は、リーン状態のときに検知される素子抵抗の値に比べて大きい。しかも、検出素子が使用等により劣化した場合には、素子抵抗が劣化前に比べて相対的に高くなることに加えて、ガス雰囲気がリッチ状態のときに検知される素子抵抗の値とリーン状態のときに検知される素子抵抗の値との差も、劣化前に比べて大きくなることが判ってきた。
なお、起電力セルとポンプセルの2つのセルを備える検出素子を有する全領域空燃比センサでは、起電力セルをなす電解質層とポンプセルをなす電解質層の間に、多孔質層が挟まれており、これらによって囲まれる空間は、被測定ガスを導入可能な中空の測定室を構成している。そして、前述したように、起電力セルの電極間に生じる電圧が一定になるように、ポンプセルの電極間に流れる電流が制御されることにより、多孔質層を通じて測定室に導入された被測定ガス中の酸素の汲み入れ汲み出しが行われる。ここで、起電力セルの電極間に生じる電圧の大きさは、予め定めた目標電圧になるように制御され、通常は、測定室中の被測定ガスが理論空燃比となる値(具体的には、450mV)とされている。つまり、通常の制御状態において、起電力セルは測定室で、理論空燃比となるガス雰囲気に晒されている。
一方、上述の目標電圧を変更すれば、測定室で起電力セルが晒されるガス雰囲気を、理論空燃比相当の雰囲気に対してリッチ状態やリーン状態に制御することが可能である。従って、ガス雰囲気を変えて、素子抵抗を取得することが可能である。
本発明は、かかる知見を利用して、起電力セルとポンプセルを有するガスセンサの検出素子の劣化を適切に検知することができるガスセンサ制御装置を提供するものである。
その一態様は、第1固体電解質体及びこの第1固体電解質体上に形成された一対の第1電極を有する起電力セルと、第2固体電解質体及びこの第2固体電解質体上に形成された一対の第2電極を有するポンプセル、とを備える検出素子を有し、特定ガス濃度を検出するガスセンサのガスセンサ制御装置であって、上記一対の第1電極間に生じる起電力セル電圧が目標電圧となるように、上記一対の第2電極間を流れるポンプ電流を制御する電流制御手段と、第1目標電圧、及び、上記第1目標電圧よりも低電位の第2目標電圧のいずれかを、上記目標電圧に設定する目標電圧設定手段と、上記検出素子のうち、上記起電力セルの素子抵抗を取得する素子抵抗取得手段と、上記第1目標電圧を上記目標電圧として、上記電流制御手段で上記ポンプ電流を制御した状態での上記素子抵抗の値である第1素子抵抗と、上記第2目標電圧を上記目標電圧として、上記電流制御手段で上記ポンプ電流を制御した状態での上記素子抵抗の値である第2素子抵抗との差分を用いて、上記検出素子の劣化を検知する劣化検知手段と、を備えるガスセンサ制御装置である。
前述したように、ガスセンサでは、検知される素子抵抗の値は、ガス雰囲気の影響を受ける。例えば、ガス雰囲気がリッチ状態のときに検知される素子抵抗の値は、リーン状態のときに検知される素子抵抗の値に比べて大きい。また、検出素子が劣化した場合には、素子抵抗の値が、劣化前に比べて相対的に高くなることに加えて、ガス雰囲気がリーン状態で検知された素子抵抗の増加分に比べて、リッチ状態で検知された素子抵抗の増加分の方が大きくなる。つまり、ガス雰囲気がリッチ状態で検知された素子抵抗とリーン状態で検知された素子抵抗との差分を取ると、劣化後の差分は、劣化前の差分に比べて大きくなる。従って、この関係を利用すれば、ガス雰囲気が異なる2つの状態で素子抵抗を取得して、その差分を取ることで、検出素子における劣化の有無や程度(度合い)を検知できることになる。
そこで、このガスセンサ制御装置では、起電力セル電圧の目標電圧を変更して、電流制御手段でポンプ電流を制御することにより、ガス雰囲気の異なる2つの状態を作り出し、これらの状態における上述の第1素子抵抗と第2素子抵抗との差分を用いて、検出素子の劣化を検知する劣化検知手段を備えている。かくして、これら第1素子抵抗と第2素子抵抗との差分から、ガスセンサの検出素子の劣化を検知することができる。
なお、第1素子抵抗と第2素子抵抗とは、互いに大きく異なる値となるように、それぞれの場合における測定室のガス雰囲気を選択するのが好ましい。例えば、測定室中のガス雰囲気が理論空燃比となるときの目標電圧(具体的には、450mV)に比して、十分大きい第1目標電圧(例えば、800mV)に設定し、十分リッチな状態で第1素子抵抗を取得する。その一方、第2目標電圧を、450mVに比して十分小さい値(例えば、200mV)に設定して、十分リーンな状態で第2素子抵抗を取得するのが好ましい。
さらに、上述のガスセンサ制御装置であって、前記劣化検知手段は、前記差分から、前記検出素子の劣化の度合いを示す劣化度を算出する劣化度算出手段を含むガスセンサ制御装置とすると良い。
このガスセンサ制御装置では、第1素子抵抗と第2素子抵抗との差分から、検出素子の劣化度を算出する。検出素子は、劣化が進行するほど、第1素子抵抗と第2素子抵抗の差が大きくなる。従って、これらの差分を用いることで、検出素子の劣化の度合いを適切に検知することができる。
さらに、上述のガスセンサ制御装置であって、前記ガスセンサは、前記検出素子を加熱するヒータを有し、前記目標電圧設定手段は、前記特定ガス濃度を検出する際に用いる基準目標電圧を前記目標電圧に設定する基準目標電圧設定手段を含み、上記基準目標電圧を上記目標電圧として、前記電流制御手段で前記ポンプ電流を制御した状態での前記素子抵抗の値である被制御素子抵抗が目標抵抗値となるように、上記ヒータへの通電をフィードバック制御するヒータ通電制御手段と、を備え、上記ヒータ通電制御手段は、前記第1目標電圧を上記目標電圧としている第1期間中、及び、前記第2目標電圧を上記目標電圧としている第2期間中は、上記被制御素子抵抗として、予め定めた抵抗値を用いる抵抗値代替手段を有するガスセンサ制御装置とすると良い。
特定ガス濃度を検出する際には基準目標電圧を目標電圧に設定する。そして、起電力セル電圧が基準目標電圧となるように、電流制御手段でポンプ電流を制御した状態での素子抵抗の値である被制御素子抵抗を取得し、この被制御素子抵抗が目標抵抗値となるように、ヒータへの通電をフィードバック制御して、検出素子の素子温度を維持している。なお、第1素子抵抗及び第2素子抵抗を取得する第1期間中及び第2期間中であっても、検出素子の素子温度を適切に保つため、このヒータの通電制御は継続する必要がある。
ところで、前述したように、第1素子抵抗及び第2素子抵抗を取得する際には、第1目標電圧あるいは第2目標電圧を起電力セル電圧の目標電圧に設定する。このため、第1素子抵抗あるいは第2素子抵抗の値は、基準目標電圧を目標電圧としたときの被制御素子抵抗の値とは異なる。従って、被制御素子抵抗に代えて、第1素子抵抗あるいは第2素子抵抗を用いてヒータの通電制御をすることはできない。
これに対し、このガスセンサ制御装置では、第1期間中及び第2期間中は、抵抗値代替手段により、予め定めた抵抗値を被制御素子抵抗として用いてヒータへの通電を制御する。これにより、検出素子の素子温度を適切に維持しつつ、第1素子抵抗及び第2素子抵抗を取得することができ、検出素子の劣化をさらに適切に検知することができる。
さらに、上述のガスセンサ制御装置であって、前記基準目標電圧は、前記第1目標電圧よりも低電位であり、且つ、前記第2目標電圧よりも高電圧であるガスセンサ制御装置とすると良い。
このガスセンサ制御装置では、基準目標電圧を、第1目標電圧よりも低電位で、且つ、第2目標電圧よりも高電位としている。すなわち、各電位の関係が、第2目標電圧<基準目標電圧<第1目標電圧、の関係を満たす。これには、例えば、基準目標電圧をガス雰囲気が理論空燃比となる前述の450mVとし、第1目標電圧を800mV、第2目標電圧を200mVとした場合が当てはまる。このように定めることにより、第1素子抵抗と第2素子抵抗との差分を大きくして、検出素子の劣化をより適切に検知することができる。
さらに、上述のガスセンサ制御装置であって、前記抵抗値代替手段は、前記第1期間と前記第2期間とが互いに連続する場合には、これらの期間のうち先に開始される期間の開始直前に得た前記被制御素子抵抗の値を、上記第1期間と上記第2期間とが連続しない場合には、それぞれの期間の開始直前に得た上記被制御素子抵抗の値を、前記予め定めた抵抗値とするガスセンサ制御装置とすると良い。
このガスセンサ制御装置では、第1期間あるいは第2期間の開始直前に得た被制御素子抵抗の値を、第1期間中あるいは第2期間中における被制御素子抵抗として、ヒータへの通電を制御する。これにより、第1期間あるいは第2期間への移行にあたり、ヒータへの通電制御の状態が急変しないので、第1期間中及び第2期間中も、検出素子の素子温度を安定して保持することができる。このため、第1素子抵抗及び第2素子抵抗を安定して取得することができ、検出素子の劣化を適切に検知することができる。
さらに、上述のいずれかのガスセンサ制御装置であって、前記劣化検知手段は、前記差分から、前記検出素子の劣化の度合いを示す劣化度を算出する劣化度算出手段を含み、上記劣化度に基づき、前記被制御素子抵抗及び前記目標抵抗値のいずれかを補正する劣化補正手段を備えるガスセンサ制御装置とすると良い。
このガスセンサ制御装置では、検出素子の劣化度に基づいて、被制御素子抵抗及び目標抵抗値のいずれかを適正な値に補正するので、検出素子の劣化の影響を抑えて、ヒータへの通電を適切にフィードバック制御することができる。これにより、素子温度を所望の活性化温度に適切に保つことができる。また、検出素子が劣化したために過加熱となり、劣化がさらに促進されるのを防止することもできる。
実施形態に係るガスセンサ制御装置及びガスセンサを内燃機関の制御に用いた場合の全体構成を示す説明図である。 実施形態に係るガスセンサ制御装置の概略構成を示す説明図である。 ガスセンサの構成を示す概略断面図である。 図2のガスセンサ制御装置のうち、PID制御回路の概略構成を示す説明図である。 ガスセンサの使用時間と第1素子抵抗及び第2素子抵抗との関係を示すグラフである。 実施形態に係るガスセンサ制御装置のうち、マイクロプロセッサの処理動作を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態に係るガスセンサ制御装置1及びガスセンサ2を内燃機関の制御に用いた場合の全体構成を示す図である。また、図2は、ガスセンサ制御装置1の概略構成を示す図である。
ガスセンサ2は、車両(図示しない)の内燃機関ENG(エンジン)の排気管EPに装着され、排気ガスEG(被測定ガス)中の酸素濃度(空燃比)を検出して、内燃機関ENGにおける空燃比フィードバック制御に用いる空燃比センサ(全領域酸素センサ)である。このガスセンサ2は、図2に示すように、酸素濃度を検出するセンサ素子部3(検出素子)、及びセンサ素子部3を加熱するヒータ部80(ヒータ)を有する。
ガスセンサ制御装置1は、このガスセンサ2に接続され、これを制御する。また、ガスセンサ制御装置1は、接続バス101を介して、車両のCANバス102に接続され、ECU100との間でデータの送受信が可能とされている。ガスセンサ制御装置1は、マイクロプロセッサ30と、ガスセンサ2のセンサ素子部3を制御するセンサ素子部制御回路40と、ヒータ部80を制御するヒータ部制御回路70とを備えている。
まず、ガスセンサ2について説明する。図3は、ガスセンサ2の構成を示す概略構成図である。ガスセンサ2のうち、センサ素子部3は、ポンプセル14と、多孔質層18と、起電力セル24と、をこの順番に積層した積層体である。そして、このセンサ素子部3に、さらにヒータ部80が積層されている。
ポンプセル14は、板状でジルコニアを主体とした酸素イオン伝導性を有する固体電解質体からなる電解質層14cを基体とし、その両面に多孔質の白金を主体とする一対の電極12,16(多孔質電極)が形成されている。具体的には、電解質層14cの一方の面(図中、上方)である外面14Eに外電極12が、他方の面(図中、下方)である内面14Iに内電極16が、それぞれ形成されている。
同様に、起電力セル24は、板状でジルコニアを主体とした酸素イオン伝導性を有する固体電解質体からなる電解質層24cを基体とし、その両面に多孔質の白金を主体とする一対の電極22,28(多孔質電極)が形成されている。具体的には、電解質層24cの一方の面(図中、下方)である外面24Eに外電極28が、他方の面(図中、上方)である内面24Iに内電極22が、それぞれ形成されている。
ポンプセル14の電解質層14cの内面14Iは、起電力セル24の電解質層24cの内面24Iと対向し、電解質層14cと電解質層24cの間には、多孔質層18が挟まれている。多孔質層18は、電解質層14cの内面14I及び電解質層24cの内面24Iの縁に沿う多孔質壁部18cを有しており、多孔質層18の内部は、この多孔質壁部18cと電解質層14cと電解質層24cとによって囲まれ、排気ガスEGを導入可能な中空の測定室20を構成している。
この測定室20には、ポンプセル14の内電極16及び、起電力セル24の内電極22が露出している。これらの電極16,22は、互いに電気的に導通されると共に、センサ素子部3の端子COMに接続している。また、ポンプセル14の外電極12はセンサ素子部3の端子Ip+に接続し、起電力セル24の外電極28はセンサ素子部3の端子Vs+に接続している。
また、ポンプセル14の外電極12の全体は、外電極12の被毒を抑制する保護層15によって覆われている。保護層15は、多孔質のセラミック等によって形成されており、排気ガスEGの流れる流路中に配置されている。排気ガスEGは、保護層15を通じて、外電極12に到達し得る。
ヒータ部80は、起電力セル24の電解質層24cの外面24Eに積層されており、導体で形成されたヒータ抵抗87を、一対のアルミナシート83,85で挟んだ構成を有している。ヒータ部80で、センサ素子部3の温度を高めることによって、センサ素子部3の電解質層14c,24cを活性化させる。これにより、酸素イオンが電解質層14c,24c中を移動できるようになる。
また、ヒータ部80のアルミナシート83は、起電力セル24の外電極28の全体を覆うことによって、外電極28を封止している。なお、外電極28(多孔質電極)の内部の空間(孔)は、基準酸素室26を形成しており、次述するように、内部基準酸素源として機能する。
次いで、図2を参照しつつ、ガスセンサ制御装置1について説明する。センサ素子部制御回路40は、ASICを中心に構成され、接続経路41,42,43(具体的には、回路上の配線及びリード線)を介して、センサ素子部3の3つの端子Vs+,Ip+,COMにそれぞれ接続されている。そして、このセンサ素子部制御回路40は、センサ素子部3の起電力セル24に一定の微小電流Icpを流しつつ、起電力セル24の両端に発生する起電力セル電圧Vsが450mV(=基準目標電圧Vrf(後述する))になるように、ポンプセル14に流すポンプ電流Ipを制御して、多孔質層18を通じて測定室20に導入された排気ガスEG中の酸素の汲み入れ汲み出しを行う。そして、ポンプセル14に流れるポンプ電流Ipの電流値及び電流の方向は、多孔質層18を通じて測定室20内に導入される排気ガスEG中の酸素濃度(空燃比)に応じて変化することから、このポンプ電流Ipに基づいて排気ガスEG中の酸素濃度を検出することができる。なお、微小電流Icpは、起電力セル24に対して、測定室20の酸素を外電極28(多孔質電極)に向けて汲み出す方向に流されており、これにより、基準酸素室26は内部基準酸素源として機能する。
このセンサ素子部制御回路40では、ポンプ電流Ipの大きさは、電圧信号に変換されたガス検出信号Vipとして検出され、ガス検出信号出力端子44から出力される。また、センサ素子部制御回路40は、このガス検出信号Vipの検出の他に、センサ素子部3の起電力セル24の素子抵抗Rpvsに応じて変化する電圧変化量ΔVsの検出を行い、電圧変化量出力端子45から出力する。そして、マイクロプロセッサ30は、ガス検出信号Vip及び電圧変化量ΔVsを、A/D入力ポート31,32を通じて入力可能にされている。なお、検出されたガス検出信号Vipの値は、接続バス101を通じて、ECU100に向けて送出される。
ヒータ部制御回路70は、2本のリード線71,72を介して、ガスセンサ2のヒータ部80に接続されると共に、マイクロプロセッサ30のPWM出力ポート34に接続され、このPWM出力ポート34から出力されるPWMパルスにより、ヒータ部80への通電のオンオフをPWM制御する。
次いで、センサ素子部3により酸素濃度を測定する際の、センサ素子部制御回路40の動作について説明する。
センサ素子部3の端子COMは、接続経路43及び抵抗器Rを介してVcent点に接続している。また、端子Ip+は、接続経路42を介して、第2オペアンプOP2の出力端子に接続している。さらに、端子Vs+は、接続経路41を介して、第4オペアンプOP4の非反転入力端子+に接続している。また、端子Vs+は、定電流源回路62にも接続している。この定電流源回路62は、前述した一定の微小電流Icpを起電力セル24に流す。
さらに、センサ素子部制御回路40は、上述の抵抗器Rや定電流源回路62のほか、第1オペアンプOP1から第5オペアンプOP5、1個の第1スイッチSW1、3個の第2スイッチSW2、2個の第3スイッチSW3、PID制御回路69、差動増幅回路61、電流源63,64,65,66、制御部59などから構成されている。そして、定電流源回路62、起電力セル24、抵抗器Rは、この順に接続経路41,43を介して接続されて、微小電流Icpを流す電流路を構成している。
酸素濃度を測定する際には、制御部59により第1スイッチSW1がオン状態とされている。これにより、センサ素子部3の端子Vs+の電位は、接続経路41並びに、電圧フォロア回路をなす第4オペアンプOP4及び第1オペアンプOP1を介して、PID制御回路69の入力端子ITに入力される。なお、制御部59は、センサ素子部制御回路40をなすASIC内に構成されたロジック回路である。この制御部59は、センサ素子部制御回路40のコマンド受信ポート46を通じて、マイクロプロセッサ30のシリアル送信ポート33と接続しており、マイクロプロセッサ30からの指令に基づいて、第1スイッチSW1から第3スイッチSW3のオンオフ状態の制御などを行う。
また、第2オペアンプOP2のうち、一方の入力端子はVcent点に接続され、他方の入力端子には基準電圧Vc(=+3.6V)が印加されている。そして、前述の通り、出力端子は接続経路42を介して、センサ素子部3の端子Ip+に接続されている。なお、Vcent点は、PID制御回路69の基準端子RTにも接続されている。
PID制御回路69は、上述の入力端子IT及び基準端子RTに加えて、出力端子OTを有し、第4オペアンプOP4及び第1オペアンプOP1を介して入力されたセンサ素子部3の端子Vs+の電位(入力端子IT)とVcent点における電位(基準端子RT)との電位差が450mVとなるように、ポンプ電流Ipの大きさをPID制御する。具体的には、PID制御回路69にて、制御目標電圧(基準目標電圧Vrf=450mV)と起電力セル24の両端(電極28,22間)に発生する起電力セル電圧Vsとの偏差がPID演算され、第2オペアンプOP2にフィードバックされることで、第2オペアンプOP2は、ポンプセル14にポンプ電流Ipを流す。
さらに、センサ素子部制御回路40は、ポンプ電流Ipの大きさを検出し、電圧信号に変換する検出抵抗R1を備え、この検出抵抗R1の両端電圧(電位Vcentと電位Vpidとの差電圧)は、差動増幅回路61により差動増幅され、ガス検出信号Vipとしてガス検出信号出力端子44から出力される。前述の通り、ポンプ電流Ipの電流値及び電流の方向は、酸素濃度(空燃比)に応じて変化するので、ポンプ電流Ipの大きさを電圧信号に変換したガス検出信号Vipから、酸素濃度を検知することができる。
マイクロプロセッサ30は、このガス検出信号(酸素濃度信号)VipをA/D入力ポート31を通じ、デジタル値に変換して取得すると共に、取得した値を接続バス101を通じて、ECU100に向けて送出する。
次に、センサ素子部制御回路40におけるセンサ素子部3の起電力セル24の素子抵抗Rpvsに応じて変化する電圧変化量ΔVsの検出動作について説明する。
センサ素子部制御回路40において、第1オペアンプOP1は、第1スイッチSW1及びコンデンサC1と共にサンプルホールド回路を形成している。電圧変化量ΔVsの検出動作を行う際には、第1スイッチSW1は、制御部59によりオン状態からオフ状態に切り換えられる。これにより、このサンプルホールド回路は、電圧変化量ΔVsの検出動作を行う直前のセンサ素子部3の端子Vs+(起電力セル24の電極28)の電位(第4オペアンプOP4の出力)を保持する。このため、電圧変化量ΔVsの検出動作を行っている間(第1スイッチSW1がオン状態の間)は、電圧変化量ΔVsの検出動作を行う直前の端子Vs+の電位(第1オペアンプOP1に保持されたホールド電圧)が、PID制御回路69に入力され、このホールド電圧に応じたガス検出信号Vipが、ガス検出信号出力端子44から出力される。
また、制御部59は、第1スイッチSW1をオフ状態にした後、第2スイッチSW2をオフ状態からオン状態に切り換える。このとき、第3スイッチSW3はオフ状態のままである。第2スイッチSW2をオン状態とすることにより、この期間だけ一時的に電流源65から第2スイッチSW2、接続経路43、端子COM(電極22)、起電力セル24、端子Vs+(電極28)、接続経路41、第2スイッチSW2、電流源63の順となる電流経路が形成され、起電力セル24に定電流−Iconstが流れる。
第3オペアンプOP3は、差動増幅回路を構成し、第1オペアンプOP1に保持されたホールド電圧(直前の端子Vs+の電位)と、起電力セル24に定電流−Iconstを流した際にこれに応答して生じる端子Vs+(電極28)の電位(第4オペアンプOP4の出力)との差に対応する電圧を出力する。これが、電圧変化量ΔVsである。
そして、第3オペアンプOP3から出力された電圧変化量ΔVsは、第2スイッチSW2、抵抗器R2及びコンデンサC2と共に第5オペアンプOP5で形成されるサンプルホールド回路に入力される。このサンプルホールド回路は、第2スイッチSW2がオン状態のときに第3オペアンプOP3から入力された電圧変化量ΔVsを、コンデンサC2により第2スイッチSW2がオフ状態になった後も保持し、電圧変化量出力端子45から出力する。即ち、電圧変化量ΔVsの検出動作中は、第2スイッチSW2がオン状態になって、第3オペアンプOP3から入力された電圧変化量ΔVsがそのまま第5オペアンプOP5を介して出力され、電圧変化量ΔVsの検出動作が終了して第2スイッチSW2がオフ状態になった後は、第5オペアンプOP5に保持された電圧変化量ΔVsが出力される。
マイクロプロセッサ30は、電圧変化量出力端子45から出力された電圧変化量ΔVsをA/D入力ポート32を通じて入力して、デジタル値に変換する。電圧変化量ΔVsは、定電流−Iconstによって、起電力セル24の素子抵抗Rpvsに生じる電圧降下に対応した値となる。このため、マイクロプロセッサ30は、この電圧変化量ΔVsから、起電力セル24の素子抵抗Rpvsを検知(算出)することが可能である。
なお、電圧変化量ΔVsの検出動作中、即ち、第2スイッチSW2がオン状態となる期間は、制御部59により制御され、本実施形態では、60μsecとされている。しかし、第2スイッチSW2がオフ状態となった後も、電圧変化量ΔVsは第5オペアンプOP5に保持されている。このため、マイクロプロセッサ30は、電圧変化量ΔVsの検出動作中(60μsec間)に電圧変化量ΔVsを取得する必要はなく、第2スイッチSW2がオフ状態となった後の任意のタイミングで、保持された電圧変化量ΔVsを取得することができる。
電圧変化量ΔVsの検出動作が終了すると、制御部59は、第2スイッチSW2をオフ状態とし、その後、第3スイッチSW3をオフ状態からオン状態に切り換える。この間、第1スイッチSW1はオフ状態のままである。第3スイッチSW3をオン状態とすることにより、電流源64から第3スイッチSW3、接続経路41、端子Vs+(電極28)、起電力セル24、端子COM(電極22)、接続経路43、第3スイッチSW3、電流源66の順となる電流経路が形成され、起電力セル24に定電流+Iconstが流される。
この定電流+Iconstは、電圧変化量ΔVsの検出動作中に起電力セル24に流した定電流−Iconstと逆極性である。また、第3スイッチSW3がオン状態となる期間は、第2スイッチSW2がオン状態となる期間と同じく60μsecとされている。なお、このように起電力セル24に逆極性の定電流+Iconstを流すことにより、起電力セル24を構成する固体電解質体の配向現象によって内部起電力が影響を受けて、本来の酸素濃度差を反映する内部起電力値を出力しない状態から、正常な状態に復帰するまでの時間を短縮することができる。
制御部59は、第3スイッチSW3をオン状態にして、60μsec間、起電力セル24に定電流+Iconstを流した後、第3スイッチSW3をオフ状態とする。その後、起電力セル24が本来の酸素濃度差を反映する内部起電力値を出力する正常な状態に復帰するまでの所定の安定化待機時間を経過した後、第1スイッチSW1がオン状態に戻される。
以上により、センサ素子部制御回路40は、酸素濃度に応じたガス検出信号Vipの検出動作を行う状態から一時的に切り換えられて、起電力セル24の素子抵抗Rpvsに応じて変化する電圧変化量ΔVsの検出動作を行い、再び、ガス検出信号Vipの検出動作を行う状態に戻る。そして、電圧変化量ΔVsの検出動作を行っている間は、ガス検出信号Vipは、直前の状態が保持されて出力される。また、電圧変化量ΔVsの検出動作の後、電圧変化量ΔVsは保持された状態となる。この一連の動作は、マイクロプロセッサ30が、シリアル送信ポート33を通じて、電圧変化量ΔVsの検出を指示する指示信号を制御部59に送信することにより、制御部59で制御される。
そして、前述の通り、電圧変化量ΔVsは、センサ素子部制御回路40の電圧変化量出力端子45から出力されて、マイクロプロセッサ30のA/D入力ポート32に入力される。マイクロプロセッサ30は、電圧変化量ΔVsの値を定期的に検出し、電圧変化量ΔVsから起電力セル24の素子抵抗Rpvsを検知する。
なお、このとき検知された素子抵抗Rpvs、即ち、起電力セル電圧Vsが基準目標電圧Vrf(=450mV)となるようにポンプ電流Ipを制御した状態での素子抵抗Rpvsの値を被制御素子抵抗Rfとする。そして、この被制御素子抵抗Rfが所定の目標抵抗値Rtaとなるように、ヒータ部制御回路70によって、ヒータ部80への通電がフィードバック制御され、センサ素子部3が所定の活性化温度となるように加熱される。
次いで、このガスセンサ制御装置1を用いて、センサ素子部3(検出素子)の劣化度IDを取得する方法について説明する。前述したように、排気ガスEG中の酸素濃度(ガス検出信号Vip)を検出する際には、起電力セル電圧Vsが基準目標電圧Vrf=450mVになるように、ポンプ電流Ipを制御した。そして、この状態での素子抵抗Rpvsの値である被制御素子抵抗Rfが目標抵抗値Rtaとなるように、ヒータ部80への通電をフィードバック制御した。
ところで、検知される素子抵抗Rpvsの値は、空燃比の違い(ガス雰囲気)の影響を受ける。また、ガス雰囲気が異なる2つの状態で検知された素子抵抗Rpvsについて、その差分を取ると、劣化後の差分は、劣化前の差分に比べて大きくなる。
そこで、このガスセンサ制御装置1では、起電力セル電圧Vsの目標電圧Vrを、基準目標電圧Vrf=450mVから変更することにより、測定室20中のガス雰囲気を異なる2つの状態とし、それぞれの状態で素子抵抗Rpvsを取得して、その差分を取ることで、センサ素子部3(検出素子)の劣化の度合いを示す劣化度IDを得ている。
ここで、測定室20中のガス雰囲気が異なる2つの状態のうち、一方の状態は、具体的には、第1目標電圧Vr1=800mVを起電力セル電圧Vsの目標電圧Vrとして、ポンプ電流Ipを制御することにより、測定室20中のガス雰囲気をリッチ状態としている。そして、この状態(リッチ状態)で素子抵抗Rpvsを取得し、この値を第1素子抵抗Rpvs1とする。
また、他方の状態は、具体的には、第2目標電圧Vr2=200mVを起電力セル電圧Vsの目標電圧Vrとして、ポンプ電流Ipを制御することにより、測定室20中のガス雰囲気をリーン状態としている。そして、この状態(リーン状態)で素子抵抗Rpvsを取得し、この値を第2素子抵抗Rpvs2とする。
そして、これら第1素子抵抗Rpvs1と第2素子抵抗Rpvs2との差分ΔRpvs(=Rpvs1−Rpvs2)から、劣化度IDを算出する。なお、本実施形態では、差分ΔRpvsをそのまま劣化度IDとしている(ID=ΔRpvs)。
センサ素子部制御回路40のPID制御回路69は、図4に示すように、基準定電圧源69a,第1定電圧源69b1及び第2定電圧源69b2の3つを内部に有している。具体的には、基準定電圧源69aは、起電力セル電圧Vsの目標電圧Vrが、基準目標電圧Vrf=450mVとなるように設定された基準設定電圧Vf(=Vc−Vrf)を出力する。また、第1定電圧源69b1は、第1目標電圧Vr1=800mVとなるように設定された第1設定電圧V1(=Vc−Vr1)を出力する。さらに、第2定電圧源69b2は、第2目標電圧Vr2=200mVとなるように設定された第2設定電圧V2(=Vc−Vr2)を出力する。そして、これら基準定電圧源69a,第1定電圧源69b1及び第2定電圧源69b2により、起電力セル電圧Vsを切り替え可能とされている。
さらに具体的には、制御部59によってアナログマルチプレクサMUX1を切り替えて、基準定電圧源69a,第1定電圧源69b1及び第2定電圧源69b2の3つの出力のうちのいずれかが、オペアンプ69cの非反転入力端子+に入力される。オペアンプ69cは、ボルテージフォロアを構成しており、その出力は、基準設定電圧Vf(=Vc−Vrf)、第1設定電圧V1(=Vc−Vr1)あるいは第2設定電圧V2(=Vc−Vr2)のいずれかとなる。また、PID制御回路69は、この他に、オペアンプ69cの出力と入力端子IT(=Vs+)との和と、基準端子RT(≒Vc)との偏差を増幅するオペアンプ69d、このオペアンプ69dの出力に接続され、PID演算を行うPID演算部69eを有している。これらにより、起電力セル電圧Vsが、基準目標電圧Vrf(=450mV)、第1目標電圧Vr1(=800mV)あるいは第2目標電圧Vr2(=200mV)のいずれかの目標電圧Vrになるように、ポンプ電流Ipが制御される。
前述したように、劣化度IDを得るにあたっては、起電力セル電圧Vsが第1目標電圧Vr1(=800mV)となるようにポンプ電流Ipを制御した状態で第1素子抵抗Rpvs1を取得し、また、起電力セル電圧Vsが第2目標電圧Vr2(=200mV)となるようにポンプ電流Ipを制御した状態で第2素子抵抗Rpvs2を取得する。そして、第1素子抵抗Rpvs1と第2素子抵抗Rpvs2との差分値ΔRpvsから、劣化度IDを算出する(ID=ΔRpvs)。
さらに、算出した劣化度IDに基づいて素子温度が一定値に維持されるように目標抵抗値Rtaを補正する。具体的には、本実施形態では、マイクロプロセッサ30のメモリ(不図示)内に別途記憶していたテーブルを参照して、劣化度IDに対応する補正された目標抵抗値Rtaを得る。
図5は、素子温度を700℃一定とした場合に、ガスセンサ2の使用時間と第1素子抵抗Rpvs1及び第2素子抵抗Rpvs2の関係を示すグラフである。この図5に示すように、ガスセンサ2の使用時間の経過、即ち、センサ素子部3(検出素子)の劣化に伴って、第1素子抵抗Rpvs1も第2素子抵抗Rpvs2も大きくなるが、測定室20中のガス雰囲気をリーン状態にして得た第2素子抵抗Rpvs2の増加分に比べて、測定室20中のガス雰囲気をリッチ状態にして得た第1素子抵抗Rpvs1の増加分の方が大きい。このため、劣化前のセンサ(図5中のNEW品)の第1素子抵抗Rpvs1と第2素子抵抗Rpvs2との差分値ΔRpvs1と、劣化後のセンサ(図5中の劣化品)の第1素子抵抗Rpvs1と第2素子抵抗Rpvs2との差分値ΔRpvs2を比べると、劣化品の差分値ΔRpvs2の方が大きい。従って、劣化度IDは、センサ素子部3(検出素子)の劣化が進行するほど大きな値となる。
なお、本実施形態のガスセンサ制御装置1では、第1素子抵抗Rpvs1及び第2素子抵抗Rpvs2を得るにあたって、第1目標電圧Vr1を目標電圧Vrとしている期間(第1期間TD1)、及び、第2目標電圧Vr2を目標電圧Vrとしている期間(第2期間TD2)は、ヒータ部80への通電をフィードバック制御する際に用いる被制御素子抵抗Rfを予め定めた一定の値としている。具体的には、本実施形態では、第1期間TD1と第2期間TD2とが連続していないので、それぞれの期間TD1,TD2の開始直前に得た被制御素子抵抗Rfの値Rf1,Rf2を、それぞれ第1期間TD1及び第2期間TD2における被制御素子抵抗Rfとして用いる。そして、第1期間TD1中及び第2期間TD2中は、この被制御素子抵抗Rfの値Rf1,Rf2を更新しない。前述したように、検知される素子抵抗Rpvsの値は、ガス雰囲気により異なる値に測定されるが、第1期間TD1及び第2期間TD2の間は、このガス雰囲気の違いに影響されることなく、一定の被制御素子抵抗Rf(Rf1,Rf2)を用いてヒータ部80への通電制御を行うことができる。また、第1期間TD1及び第2期間TD2の開始直前に得た値Rf1,Rf2を、被制御素子抵抗Rfとして用いているので、第1期間TD1及び第2期間TD2への移行にあたり、制御に用いる被制御素子抵抗Rfの値が急変しない。従って、ヒータ部80への通電制御の状態が急変しないので、第1期間TD1中及び第2期間TD2中も、センサ素子部3の素子温度を安定して保持することができ、第1素子抵抗Rpvs1及び第2素子抵抗Rpvs2を安定して取得することができる。
加えて、本実施形態のガスセンサ制御装置1では、ヒータ部80への通電をフィードバック制御する際に、劣化度IDに基づいて目標抵抗値Rtaを補正している(補正された目標抵抗値Rtaを得ている)。これにより、ヒータ部80への通電制御を劣化度IDに応じて、適切にフィードバック制御することができ、素子温度を所望の活性化温度に適切に保つことができる。また、劣化状態における過加熱により、劣化がさらに促進されるのを防止することもできる。
次いで、本実施形態に係るガスセンサ制御装置1のうち、マイクロプロセッサ30の動作について、図6のフローチャートを参照して説明する。
図6に示す制御プログラムは、マイクロプロセッサ30が実行するメインルーチンからの呼び出しで実行されるプログラムであり、劣化検知処理の他に、ガス検出信号Vipの取得、素子抵抗Rpvsの取得、ヒータ部80の通電制御等を含んでいる。
先ず、図6に示す制御プログラムを呼び出すにあたり、図示しない初期化処理ルーチンで、後述する計測モード値F及びカウント値Cが、それぞれ0にリセットされる。また、初期化状態において、起電力セル電圧Vsの目標電圧Vrは、基準目標電圧Vrf(=450mV)に設定されている。
そして、ステップS1では、ガス検出信号Vip(酸素濃度)を10msec毎に取得する。このガス検出信号Vipの値は、別途、接続バス101を通じて、ECU100に向けて送出される。
次いで、ステップS2では、素子抵抗Rpvsの検知タイミングであるか否かを判断する。素子抵抗Rpvsの検知は、ガス検出信号Vipの取得周期(10msec)よりも長い周期(100msec)で行うため、ステップS2でこの検知タイミングの到来を判断する。そして、検知タイミングでない場合(No)は、ステップS20に進み、ヒータ部80の通電制御を行う。なお、素子抵抗Rpvsの検知が一度もなされずに、ステップS20に移行した場合には、マイクロプロセッサ30に記憶されているデフォルト値を被制御素子抵抗Rfとしてヒータ部80の通電制御を行う。一方、検知タイミングが到来した場合(Yes)は、ステップS3に進む。
ステップS3では、センサ素子部制御回路40により、電圧変化量ΔVsを検出し、この電圧変化量ΔVsから起電力セル24の素子抵抗Rpvsを取得する。
次いで、ステップS4では、カウント値Cとしきい回数Mとを大小比較し(C>M?)、劣化検知処理を行うか否かを判断する。ここで、しきい回数Mは1以上の自然数である。また、カウント値Cは初期値が0の変数であり、後述するステップS6で+1ずつカウントアップされる。
ステップS4でNoのとき、即ち、C≦Mのときは、劣化検知処理を行わず、ステップS5に進む。ステップS5では、ステップS3で取得した素子抵抗Rpvsにより、被制御素子抵抗Rfの値を更新する(Rf=Rpvs)。次いで、ステップS6に進み、カウント値Cを+1した後、ステップS20で、更新された被制御素子抵抗Rfを用いてヒータ制御を行う。
一方、C>Mとなって、ステップS4でYesと判定されると、劣化検知処理を行うため、ステップS7に進む。なお、このステップS7に進んだ場合、ステップS5での被制御素子抵抗Rfの更新が行われなくなる。従って、劣化検知処理を行う場合(ステップS4でYes)には、被制御素子抵抗Rfの値は、この劣化検知処理の開始直前の値(第1期間TD1中はRf1,第2期間TD2中はRf2)に保持される。
そして、ステップS7では、計測モード値Fが0または1のいずれであるかを判断する。前述の通り、初期化処理ルーチンで、F=0に初期化されているので、最初は、ステップS8に進む。
ステップS8では、起電力セル電圧Vsの目標電圧Vrが第1目標電圧Vr1(=800mV)に変更済みであるか否かを判断する。まだ、目標電圧Vrが第1目標電圧Vr1(=800mV)に変更されていない場合(No)は、ステップS9に進み、目標電圧Vrを第1目標電圧Vr1(=800mV)に変更する(第1期間TD1開始)。これにより、起電力セル電圧Vsが第1目標電圧Vr1(=800mV)となるように、ポンプ電流Ipが制御される。
そして、ステップS20に進み、ヒータ制御を行った後、本制御プログラムを一旦終了する。
一方、次にステップS1から再度プログラムが実行され、ステップS2で素子抵抗Rpvsの検知タイミングになると(Yes)、ステップS3で、起電力セル電圧Vsが第1目標電圧Vr1(=800mV)となるようにポンプ電流Ipを制御した状態での素子抵抗Rpvsを取得する。その後、ステップS8まで進み、ステップS8でYesとなって、ステップS10に進む。
ステップS10では、ステップS3で取得した素子抵抗Rpvsの値を、第1素子抵抗Rpvs1として保存する(Rpvs1=Rpvs)。
次いで、ステップS11では、計測モード値Fを1に変更する。そして、続くステップS12で目標電圧Vrを基準目標電圧Vrf(=450mV)に戻し、ステップS13でカウント値Cを0にリセットする。これにより、目標電圧Vrを第1目標電圧Vr1としていた第1期間TD1が終了する。
そして、ステップS20に進み、ヒータ制御を行った後、本制御プログラムを終了する。
また、その後、ステップS4で再度C>Mになると(Yes)、ステップS7に進む。すると、今度は、F=1に設定されているので、ステップS14に進む。
ステップS14では、起電力セル電圧Vsの目標電圧Vrが第2目標電圧Vr2(=200mV)に変更済みであるか否かを判断する。まだ、目標電圧Vrが第2目標電圧Vr1(=200mV)に変更されていない場合(No)は、ステップS15に進み、目標電圧Vrを第2目標電圧Vr2(=200mV)に変更する(第2期間TD2開始)。これにより、起電力セル電圧Vsが第2目標電圧Vr1(=200mV)となるように、ポンプ電流Ipが制御される。
そして、ステップS20に進み、ヒータ制御を行った後、本制御プログラムを一旦終了する。
一方、次にステップS1から再度プログラムが実行され、ステップS2で素子抵抗Rpvsの検知タイミングになると(Yes)、ステップS3で、起電力セル電圧Vsが第2目標電圧Vr2(=200mV)となるようにポンプ電流Ipを制御した状態での素子抵抗Rpvsを取得する。その後、ステップS14まで進み、ステップS14でYesとなって、ステップS16に進む。
ステップS16では、ステップS3で取得した素子抵抗Rpvsの値を、第2素子抵抗Rpvs2として保存する(Rpvs2=Rpvs)。
次いで、ステップS17では、第1素子抵抗Rpvs1と第2素子抵抗Rpvs2との差分ΔRpvs(=Rpvs1−Rpvs2)から劣化度IDを算出する。本実施形態では、差分ΔRpvsをそのまま劣化度IDとする(ID=ΔRpvs)。
そして、続くステップS18では、マイクロプロセッサ30のメモリ(不図示)内のテーブルを参照して、劣化度IDに対応する補正された目標抵抗値Rtaを得る(目標抵抗値Rtaを補正する)。
次いで、ステップS19では、計測モード値Fを0にリセットする。そして、ステップS12に進み、目標電圧Vrを基準目標電圧Vrf(=450mV)に戻し、ステップS13でカウント値Cを0にリセットする。これにより、目標電圧Vrを第2目標電圧Vr2としていた第2期間TD2が終了すると共に、劣化検知処理が完了する。
そして、ステップS20に進み、ヒータ制御を行った後、本制御プログラムを終了する。
本実施形態では、起電力セル24の電極22,28が、一対の第1電極に相当し、ポンプセル14の電極12,16が、一対の第2電極に相当する。また、起電力セル24の電解質層24cが第1固体電解質体に相当し、ポンプセル14の電解質層14cが、第2固体電解質体に相当する。
また、センサ素子部制御回路40のPID制御回路69が、電流制御手段に相当し、さらに、センサ素子部制御回路40のうち、PID制御回路69の基準定電圧源69a、第1定電圧源69b1、第2定電圧源69b2及びアナログマルチプレクサMUX1、制御部59並びに、ステップS9,S15,S12を実行しているマイクロプロセッサ30が、目標電圧設定手段に相当する。また、このうち、ステップS12を実行しているマイクロプロセッサ30が、基準目標電圧設定手段に相当する。
さらに、電圧変化量ΔVsの検出動作を行うセンサ素子部制御回路40及びステップS3を実行しているマイクロプロセッサ30が、素子抵抗取得手段に相当する。また、ステップS5を実行しているマイクロプロセッサ30及びステップS4でYesとなった場合にステップS5をスキップする処理が、抵抗値代替手段に相当する。
さらに、ステップS10,S16,S17を実行しているマイクロプロセッサ30が、劣化検知手段に相当し、このうち、ステップS17を実行しているマイクロプロセッサ30が、劣化度算出手段に相当する。また、ステップS18を実行しているマイクロプロセッサ30が、劣化補正手段に相当する。
さらに、ヒータ部制御回路70及びステップS5,S20を実行しているマイクロプロセッサ30が、ヒータ通電制御手段に相当する。
以上で説明したように、本実施形態のガスセンサ制御装置1では、起電力セル電圧Vsの目標電圧Vrを変更して、ポンプ電流Ipを制御することにより、ガス雰囲気の異なる2つの状態における第1素子抵抗Rpvs1と第2素子抵抗Rpvs2との差分を用いて、センサ素子部3(検出素子)の劣化を検知する劣化検知手段を備えている。かくして、第1素子抵抗Rpvs1と第2素子抵抗Rpvs2との差分から、ガスセンサ2のセンサ素子部3の劣化を検知することができる。
さらに、本実施形態のガスセンサ制御装置1では、第1素子抵抗Rpvs1と第2素子抵抗Rpvs2との差分ΔRpvs(=Rpvs1−Rpvs2)から、センサ素子部3の劣化の度合いを示す劣化度IDを算出している。センサ素子部3は、劣化が進行するほど、第1素子抵抗Rpvs1と第2素子抵抗Rpvs2の差が大きくなる。従って、これらの差分を用いることで、センサ素子部3の劣化の度合いを適切に検知することができる。
さらに、本実施形態のガスセンサ制御装置1では、基準目標電圧Vrfを450mVとし、第1目標電圧Vr1を800mV、第2目標電圧Vr2を200mVとしており、各電位の関係が、第2目標電圧Vr2<基準目標電圧Vrf<第1目標電圧Vr1、の関係を満たす。このように定めることにより、第1素子抵抗Rpvs1と第2素子抵抗Rpvs2との差分ΔRpvs(=Rpvs1−Rpvs2)を大きくして、センサ素子部3の劣化をより適切に検知することができる。
さらに、本実施形態のガスセンサ制御装置1では、第1期間中TD1及び第2期間中TD2は、予め定めた抵抗値、具体的には、第1期間TD1及び第2期間TD2のそれぞれの開始直前に得た被制御素子抵抗Rfの値Rf1,Rf2を、第1期間TD1中あるいは第2期間TD2中における被制御素子抵抗Rfとして、ヒータ部80(ヒータ)への通電を制御する。
これにより、第1期間TD1あるいは第2期間TD2への移行にあたり、ヒータ部80への通電制御の状態が急変しないので、第1期間TD1中及び第2期間TD2中も、センサ素子部3の素子温度を安定して保持することができる。このため、第1素子抵抗Rpvs1及び第2素子抵抗Rpvs2を安定して取得することができ、センサ素子部3の劣化を適切に検知することができる。
さらに、本実施形態のガスセンサ制御装置1では、センサ素子部3の劣化度IDに基づいて、目標抵抗値Rtaを適正な値に補正する(補正した目標抵抗値Rtaを得る)ので、センサ素子部3の劣化の影響を抑えて、ヒータ部80への通電を適切にフィードバック制御することができる。これにより、素子温度を所望の活性化温度に適切に保つことができる。また、センサ素子部3が劣化したために過加熱となり、劣化がさらに促進されるのを防止することもできる。
以上において、本発明のガスセンサ制御装置を、実施形態に即して説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、実施形態では、ガスセンサ2として、排気ガスEG中の酸素濃度(空燃比)を検出する空燃比センサを用いたが、「ガスセンサ」は、空燃比センサに限られず、窒素酸化物(NOx)の濃度を検出するNOxセンサなどであっても良い。
また、ガスセンサは排気管に装着されるものに限定されず、EGR装置を備えるエンジンの吸気管に装着されて、吸気ガス中の酸素濃度を検出するガスセンサに本発明を適用しても良い。
また、実施形態では、取得した劣化度ID(=ΔRpvs)に基づいて目標抵抗値Rtaを補正する(補正された目標抵抗値Rtaを得る)構成としたが、目標抵抗値Rtaを補正する代わりに、被制御素子抵抗Rfを補正する構成としても良い。
また、劣化度IDを得る代わりに、差分ΔRpvsから、劣化を有無を検知して、ガスセンサ2の劣化時に警告信号を出す構成としても良い。
また、実施形態では、第1期間TD1と第2期間TD2とが連続しない構成とし、それぞれの期間の開始直前に得た被制御素子抵抗Rfの値を、第1期間TD1中あるいは第2期間TD2中における被制御素子抵抗Rfとして、ヒータ部80への通電を制御した。しかし、これに代えて、第1期間TD1と第2期間TD2とが互いに連続する構成としても良い。この場合には、これらの期間のうち先に開始される期間の開始直前に得た被制御素子抵抗Rfの値、例えば、第1期間TD1の開始直前に得たRf1を第1期間TD1及び第2期間TD2にわたって用いて、ヒータ部80への通電を制御すれば良い。
また、実施形態では、ガスセンサ制御装置1をECU100とは別体とする態様を示したが、本発明の「ガスセンサ制御装置」はこれに限られない。例えば、実施形態のガスセンサ制御装置1における機能部品(具体的には、センサ素子部制御回路40、ヒータ部制御装置70、マイクロコンピュータ10)をECU100内に設置し、このECU100にガスセンサ2を接続する態様、即ち、ECU100を「ガスセンサ制御装置」として兼用させる態様としても良い。
1 ガスセンサ制御装置
2 ガスセンサ
3 センサ素子部(検出素子)
14 ポンプセル
14c 電解質層(第2電解質体)
24 起電力セル
24c 電解質層(第1電解質体)
12,16 (ポンプセルの)電極(第2電極)
22,28 (起電力セルの)電極(第1電極)
Vs+,Ip+,COM (センサ素子部の)端子
80 ヒータ部(ヒータ)
Ip ポンプ電流
Vs 起電力セル電圧
Vip ガス検出信号(酸素濃度信号)
ΔVs 電圧変化量
Rpvs (起電力セルの)素子抵抗
30 マイクロプロセッサ
40 センサ素子部制御回路(素子抵抗取得手段)
59 制御部(目標電圧設定手段)
69 PID制御回路(電流制御手段)
69a 基準定電圧源(目標電圧設定手段)
69b1 第1定電圧源(目標電圧設定手段)
69b2 第2定電圧源(目標電圧設定手段)
MUX1 アナログマルチプレクサ(目標電圧設定手段)
70 ヒータ部制御回路(ヒータ通電制御手段)
ENG 内燃機関(エンジン)
EP 排気管
EG 排気ガス(被測定ガス)
100 ECU
Vr 目標電圧
Vrf 基準目標電圧
Vr1 第1目標電圧
Vr2 第2目標電圧
Rpvs1 第1素子抵抗
Rpvs2 第2素子抵抗
Rf 被制御素子抵抗
Rta 目標抵抗値
S3 素子抵抗取得手段
S4,S5 抵抗値代替手段
S9,S15,S12 目標電圧設定手段
S12 基準目標電圧設定手段(目標電圧設定手段)
S10,S16,S17 劣化検知手段
S17 劣化度算出手段
S18 劣化補正手段
S5,S20 ヒータ通電制御手段

Claims (6)

  1. 第1固体電解質体及びこの第1固体電解質体上に形成された一対の第1電極を有する起電力セルと、第2固体電解質体及びこの第2固体電解質体上に形成された一対の第2電極を有するポンプセル、とを備える検出素子を有し、特定ガス濃度を検出するガスセンサのガスセンサ制御装置であって、
    上記一対の第1電極間に生じる起電力セル電圧が目標電圧となるように、上記一対の第2電極間を流れるポンプ電流を制御する電流制御手段と、
    第1目標電圧、及び、上記第1目標電圧よりも低電位の第2目標電圧のいずれかを、上記目標電圧に設定する目標電圧設定手段と、
    上記検出素子のうち、上記起電力セルの素子抵抗を取得する素子抵抗取得手段と、
    上記第1目標電圧を上記目標電圧として、上記電流制御手段で上記ポンプ電流を制御した状態での上記素子抵抗の値である第1素子抵抗と、上記第2目標電圧を上記目標電圧として、上記電流制御手段で上記ポンプ電流を制御した状態での上記素子抵抗の値である第2素子抵抗との差分を用いて、上記検出素子の劣化を検知する劣化検知手段と、を備える
    ガスセンサ制御装置。
  2. 請求項1に記載のガスセンサ制御装置であって、
    前記劣化検知手段は、
    前記差分から、前記検出素子の劣化の度合いを示す劣化度を算出する劣化度算出手段を含む
    ガスセンサ制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のガスセンサ制御装置であって、
    前記ガスセンサは、前記検出素子を加熱するヒータを有し、
    前記目標電圧設定手段は、
    前記特定ガス濃度を検出する際に用いる基準目標電圧を前記目標電圧に設定する基準目標電圧設定手段を含み、
    上記基準目標電圧を上記目標電圧として、前記電流制御手段で前記ポンプ電流を制御した状態での前記素子抵抗の値である被制御素子抵抗が目標抵抗値となるように、上記ヒータへの通電をフィードバック制御するヒータ通電制御手段と、を備え、
    上記ヒータ通電制御手段は、
    前記第1目標電圧を上記目標電圧としている第1期間中、及び、前記第2目標電圧を上記目標電圧としている第2期間中は、上記被制御素子抵抗として、予め定めた抵抗値を用いる抵抗値代替手段を有する
    ガスセンサ制御装置。
  4. 請求項3に記載のガスセンサ制御装置であって、
    前記基準目標電圧は、前記第1目標電圧よりも低電位であり、且つ、前記第2目標電圧よりも高電圧である
    ガスセンサ制御装置。
  5. 請求項3または請求項4に記載のガスセンサ制御装置であって、
    前記抵抗値代替手段は、
    前記第1期間と前記第2期間とが互いに連続する場合には、これらの期間のうち先に開始される期間の開始直前に得た前記被制御素子抵抗の値を、
    上記第1期間と上記第2期間とが連続しない場合には、それぞれの期間の開始直前に得た上記被制御素子抵抗の値を、
    前記予め定めた抵抗値とする
    ガスセンサ制御装置。
  6. 請求項3〜請求項5のいずれか一項に記載のガスセンサ制御装置であって、
    前記劣化検知手段は、
    前記差分から、前記検出素子の劣化の度合いを示す劣化度を算出する劣化度算出手段を含み、
    上記劣化度に基づき、前記被制御素子抵抗及び前記目標抵抗値のいずれかを補正する劣化補正手段を備える
    ガスセンサ制御装置。
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