JP6871080B2 - 制御状態設定装置およびセンサ制御システム - Google Patents

制御状態設定装置およびセンサ制御システム Download PDF

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Description

本開示は、制御状態設定装置およびセンサ制御システムに関する。
センサ素子およびヒータ部を備えるセンサを制御するセンサ制御部が知られている。このようなセンサ制御部によるセンサの制御状態を設定する制御状態設定装置が知られている。また、センサ制御部および制御状態設定装置を備えるセンサ制御システムが知られている(特許文献1)。
センサ制御部としては、センサ素子の状態を検出する素子状態検出部と、ヒータ部を制御するヒータ制御部と、を備えるものがある。このような構成のセンサ制御部は、外部からのヒータ制御モード指令および素子状態検出モード指令に基づいて、センサ素子の状態を検出して、その検出結果に基づいてヒータ部の発熱状態を制御するように構成されている。
制御状態設定装置は、センサ制御部に対してヒータ制御モード指令および素子状態検出モード指令を送信することで、センサ制御部によるセンサの制御状態を設定するように構成されている。
特開2013−210361号公報
しかし、センサの用途によっては、センサ制御部のみでセンサ素子およびヒータ部を制御する構成ではなく、センサ制御部を用いてセンサ素子を制御するとともに、センサ制御部とは別に設けられた個別ヒータ制御部を用いてヒータ部を制御する構成を採用することがある。
このような構成においては、個別ヒータ制御部がヒータ部の制御を行うため、センサ制御部は、実際のヒータ部の制御状態を判断できず、センサ素子の状態検出タイミングをヒータ部の制御状態が考慮された時期に設定することが困難となる。
そこで、本開示は、センサ素子およびヒータ部を備えるセンサの制御において、センサ制御部とは別の個別ヒータ制御部を用いてヒータ部を制御する場合でも、センサ素子の状態検出タイミングをヒータ部の制御状態が考慮された時期に設定できる制御状態判定装置を提供すること、およびそのような制御状態判定装置を備えるセンサ制御システムを提供することを目的とする。
本開示の一態様は、センサ制御部によるセンサの制御状態を設定する制御状態設定装置であって、モード設定部を備える制御状態設定装置である。
センサ制御部は、センサ素子およびヒータ部を備えるセンサを制御するように構成されている。センサ制御部は、素子状態検出部と、内蔵ヒータ制御部と、を備える。
素子状態検出部は、外部からのヒータ制御モード指令および素子状態検出モード指令に基づいて、ヒータ制御モード指令および素子状態検出モード指令がいずれもモードON指令である場合に、センサ素子の状態を検出するように構成されている。内蔵ヒータ制御部は、ヒータ制御モード指令に基づいて、ヒータ制御モード指令がモードON指令である場合に、ヒータ部を制御するように構成されている。
ヒータ部は、内蔵ヒータ制御部ではなく、センサ制御部とは別に設けられた個別ヒータ制御部から出力されるパルス通電信号により通電制御される構成である。
モード設定部は、センサ制御部に対して出力するヒータ制御モード指令および素子状態検出モード指令を、個別ヒータ制御部によるヒータ部へのパルス通電信号に基づいて設定するように構成されている。モード設定部は、個別ヒータ制御部から出力される前記パルス通電信号のうちで予め定められた特定の通電状態を表す検出トリガ情報を受け取ると、センサ制御部に対して出力するヒータ制御モード指令および素子状態検出モード指令をそれぞれON状態に設定する。
この制御状態設定装置においては、モード設定部が個別ヒータ制御部によるヒータ部へのパルス通電信号に基づいてヒータ制御モード指令および素子状態検出モード指令を設定するため、センサ制御部の素子状態検出部は、実際のヒータ制御状態に応じてセンサ素子の状態検出時期を設定できる。
このような制御状態設定装置によれば、センサ制御部の内蔵ヒータ制御部によるヒータ制御ではなく、別に設けられた個別ヒータ制御部によるヒータ制御によりセンサのヒータ部を制御する構成であっても、素子状態検出部によるセンサ素子の状態検出時期を適切に設定できる。このため、この制御状態設定装置を用いることで、個別ヒータ制御部がヒータ制御を行う構成であっても、内蔵ヒータ制御部を備えるセンサ制御部を改造することなく、そのままセンサ素子の状態検出が可能となる。
よって、この制御状態設定装置によれば、センサ素子およびヒータ部を備えるセンサの制御において、センサ制御部とは別の個別ヒータ制御部を用いてヒータ部を制御する場合でも、センサ素子の状態検出タイミングを個別ヒータ制御部によるヒータ部の制御状態(パルス通電信号による通電制御状態)が考慮された時期に設定できる。つまり、この制御状態設定装置によれば、センサ制御部とは別の個別ヒータ制御部を用いてヒータ部を制御する場合でも、内蔵ヒータ制御部を備えるセンサ制御部を用いてセンサを制御することが可能となる。
次に、上記の制御状態設定装置においては、検出トリガ情報は、パルス通電信号におけるONからOFFへの切り替え時期を示すOFFエッジ信号であってもよい。
このように、OFFエッジ信号を検出トリガ情報として利用することで、モード設定部は、個別ヒータ制御部からヒータ部に出力されるパルス通電信号がOFF状態である時期を判定できる。このため、モード設定部は、検出トリガ情報がOFF状態である時期に基づいて、ヒータ制御モード指令および素子状態検出モード指令をモードON指令に設定できるとともに、素子状態検出部によるセンサ素子の状態検出タイミングを設定できる。
これにより、素子状態検出部は、実際のヒータ制御状態に基づき設定された適切なタイミングで、センサ素子の状態検出を実行できる。
なお、センサ素子の状態検出としては、例えば、センサ素子のインピーダンス測定などが挙げられる。
次に、上記の制御状態設定装置においては、センサ制御部は、内蔵ヒータ制御部によるヒータ部への供給電力量の指令値である電力指令値を外部から受け取るように構成されており、制御状態設定装置は、内蔵ヒータ制御部がヒータ部に供給可能な供給電力量の範囲のうち最小値を、電力指令値としてセンサ制御部に対して出力する電力指令値出力部を備えてもよい。
制御状態設定装置は、このような電力指令値出力部を備えることで、センサ制御部の内蔵ヒータ制御部による仮想的制御において、ヒータ部への通電をPWM制御する場合のヒータ部への通電時間を最短に設定できる。これにより、内蔵ヒータ制御部による仮想的なヒータ制御が開始された後、ヒータ部への通電が停止されるまでの時間を最短に設定できるため、ヒータ通電停止時における素子状態検出部によるセンサ素子の状態検出タイミングを早い時期に設定できる。
これにより、制御状態設定装置は、個別ヒータ制御部から検出トリガ情報を受け取った後、センサ制御部(詳細には、素子状態検出部)によるセンサ素子の状態検出までの所要時間を最短に設定することができる。
次に、上記の制御状態設定装置においては、素子状態検出部は、ヒータ制御モード指令および素子状態検出モード指令の両者がモードOFF指令からモードON指令に変更されると、センサ素子の状態を検出し、その後、ヒータ制御モード指令および素子状態検出モード指令がいずれもモードON指令である期間中は、予め定められた検出周期でセンサ素子の状態を検出してもよい。
制御状態設定装置は、センサ素子の状態検出タイミングを表す個別信号をセンサ制御部に出力する構成を採ることなく、ヒータ制御モード指令および素子状態検出モード指令の切替タイミング(モードOFF指令からモードON指令に変更するタイミング)を用いて、センサ素子の状態検出タイミングをセンサ制御部に伝達できる。
これにより、センサ制御部の改造が不要となるため、制御状態設定装置は、既存のセンサ制御部を用いつつ、センサ素子の状態検出タイミングを設定することが可能となる。
なお、「ヒータ制御モード指令および素子状態検出モード指令の両者がモードOFF指令からモードON指令に変更される」とは、2つの指令が同時に変更される場合に限られず、異なるタイミングでの変更あっても2つの指令がいずれもモードON指令に変更された場合も含む概念である。
本開示の他の一態様は、センサ制御部と、制御状態設定装置と、を備えるセンサ制御システムであって、制御状態設定装置が上述の制御状態設定装置である。
センサ制御部は、センサ素子およびヒータ部を備えるセンサを制御するように構成されている。センサ制御部は、素子状態検出部と、内蔵ヒータ制御部と、を備える。素子状態検出部は、外部からのヒータ制御モード指令および素子状態検出モード指令に基づいて、ヒータ制御モード指令および素子状態検出モード指令がいずれもモードON指令である場合に、センサ素子の状態を検出するように構成されている。内蔵ヒータ制御部は、ヒータ制御モード指令に基づいて、ヒータ制御モード指令がモードON指令である場合に、ヒータ部を制御するように構成されている。
ヒータ部は、内蔵ヒータ制御部ではなく、センサ制御部とは別に設けられた個別ヒータ制御部から出力されるパルス通電信号により通電制御される構成である。
このセンサ制御システムは、上述の制御状態設定装置を備えることから、センサ素子およびヒータ部を備えるセンサの制御において、センサ制御部とは別の個別ヒータ制御部を用いてヒータ部を制御する場合でも、内蔵ヒータ制御部を備えるセンサ制御部を用いてセンサを制御することが可能となる。
中央演算処理装置およびセンサ制御装置を備えるセンサ制御システムの概略構成図である。 ガスセンサ素子およびヒータを備えるガスセンサの概略構成図である。 モード設定処理の処理内容を表すフローチャートである。 Rpvs測定判定処理の処理内容を表すフローチャートである。 センサ制御システムにおける各部の状態を表すタイミングチャートである。 モード設定処理の処理内容を表すフローチャートである。 仮想ヒータ制御処理の処理内容を表すフローチャートである。 ヒータ通電制御処理の処理内容を表すフローチャートである。 Rpvs測定パルス制御処理の処理内容を表すフローチャートである。
以下、本開示が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
尚、本開示は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
[1.第1実施形態]
[1−1.全体構成]
第1実施形態として、ガスセンサ5を制御するセンサ制御システム1について、図1を用いて説明する。
ガスセンサ5は、内燃機関の排気管に設けられており、ガスセンサ素子5aおよびヒータ5bを備えている。ガスセンサ素子5aは、測定対象ガス(排気ガスなど)における特定ガス濃度(酸素濃度)を検出するように構成されている。ヒータ5bは、外部からの通電により発熱する発熱抵抗体5c(図2参照)を備えており、ガスセンサ素子5aを加熱するように構成されている。
センサ制御システム1は、中央演算処理装置2(MCU2)と、センサ制御装置3と、ヒータ通電制御回路6と、を備える。
中央演算処理装置2は、センサ制御装置3およびヒータ通電制御回路6に接続されており、各種制御処理を実行するように構成されている。センサ制御装置3は、ガスセンサ素子5aの各種特性(インピーダンス、セルの電圧など)を検出するように構成されている。ヒータ通電制御回路6は、ヒータ5bの発熱量を調整するためにヒータ5bの通電を制御するように構成されている。
センサ制御装置3は、ガスセンサ5のうちガスセンサ素子5aに接続されている。センサ制御装置3は、ガスセンサ素子5aのインピーダンスに応じて変化する素子インピーダンス信号Srpvsを検出し、検出した素子インピーダンス信号Srpvsを中央演算処理装置2に対して出力する。センサ制御装置3は、素子インピーダンス信号Srpvsの他に、ガスセンサ素子5aを用いて検出したガス検出信号Vipを中央演算処理装置2に対して出力する機能を有している。なお、ガス検出信号Vipは、ガスセンサ素子5aが検出する特定ガスのガス濃度に応じて変化する。
ヒータ通電制御回路6は、ヒータ5bに接続されており、ガスセンサ素子5aを目標温度に設定するためにヒータ5bへの供給電力量を制御するヒータ制御処理を実行する。ヒータ通電制御回路6は、ヒータ制御処理において、例えば、ヒータ5bに印加するヒータ電圧Vhのデューティ比(換言すれば、ヒータ5bに供給するパルス信号のデューティ比)を通電制御することで、ヒータ5bへの供給電力量を制御するとともに、ガスセンサ素子5aを目標温度に近づける制御を行う。ヒータ通電制御回路6は、ヒータ5bに印加するヒータ電圧Vhの状態を表すヒータ電圧信号Svhを、中央演算処理装置2に対して出力する。
中央演算処理装置2は、CPU、RAM、ROM、I/Oインタフェース等を備えるマイクロコンピュータ2a(マイコン2a)を主体として構成されている。中央演算処理装置2は、各部から受信した各種情報を用いて各種制御処理を実行する。
例えば、中央演算処理装置2のマイコン2aは、センサ制御装置3から受信した素子インピーダンス信号Srpvsを用いてガスセンサ素子5aの温度を検出する温度検出処理や、センサ制御装置3から受信したガス検出信号Vipに基づき、測定対象ガス(排気ガスなど)における特定ガス濃度(酸素濃度)を検出するガス濃度検出処理を実行する。
また、中央演算処理装置2のマイコン2aは、センサ制御装置3に対して出力する仮想ヒータ制御モード指令ShおよびRpvs測定機能指令Srを設定するモード設定処理を実行する。中央演算処理装置2のマイコン2aは、ヒータ通電制御回路6から受信したヒータ電圧信号Svhに基づいて、仮想ヒータ制御モード指令ShおよびRpvs測定機能指令Srを設定することで、センサ制御装置3によるガスセンサ素子5aの素子インピーダンスRpvsの検出時期を制御する。
[1−2.ガスセンサ]
ガスセンサ5は、図2に示すように、板型のガスセンサ素子5aと板型のヒータ5bとが積層されて構成されている。なお、ガスセンサ素子5aとヒータ5bとの間には、補強板30が備えられている。
ガスセンサ素子5aは、ポンプセル14と、多孔質拡散層18と、起電力セル24と、を積層することにより構成されている。
ポンプセル14は、酸素イオン伝導性固体電解質体である部分安定化ジルコニア(ZrO)により形成され、その表面と裏面のそれぞれに主として白金で形成された多孔質電極12,16を有している。なお多孔質電極12は、多孔質状の保護層15に覆われており、保護層15は、多孔質電極12の被毒を防止するための被毒防止層として備えられている。
起電力セル24は、同じく酸素イオン伝導性固体電解質体である部分安定化ジルコニア(ZrO)により形成され、その表面と裏面のそれぞれに主として白金で形成された多孔質電極22,28を有している。
ポンプセル14のうち、中空の拡散室20に臨む多孔質電極16と、起電力セル24のうちで中空の拡散室20に臨む多孔質電極22とは、互いに導通されるとともに、ガスセンサ素子5aの端子COMに接続されている。端子COMは、通電経路42および抵抗器Rを介して、センサ制御装置3のVcent点に接続されている(図1参照)。
ポンプセル14の多孔質電極12は、ガスセンサ素子5aの端子Ip+に接続され、起電力セル24の多孔質電極28は、ガスセンサ素子5aの端子Vs+に接続されている。端子Ip+は、センサ制御装置3における第2オペアンプOP2の出力端子に接続され、端子Vs+は、通電経路40を介して、センサ制御装置3における第4オペアンプOP4の非反転入力端子+に接続されている(図1参照)。
補強板30は、起電力セル24の多孔質電極28を閉塞しつつ、多孔質電極28の内部に基準酸素室26を形成するように、起電力セル24に積層されている。
ポンプセル14と起電力セル24との間には、多孔質拡散層18により包囲された拡散室20が形成されている。即ち、この拡散室20は、多孔質拡散層18を介して測定ガス雰囲気と連通されている。
ヒータ5bは、補強板30を介して、ガスセンサ素子5a(ポンプセル14、起電力セル24)と共に一体化されている。ヒータ5bは、導体からなる発熱抵抗体5cを一対のアルミナシート83,85にて挟み込んだ構成である。ヒータ5b(詳細には、発熱抵抗体5c)は、ヒータ通電制御回路6に接続されており、通電により発熱することでポンプセル14および起電力セル24を加熱する。ヒータ5bの加熱によりポンプセル14および起電力セル24が活性化することで、ガスセンサ素子5aは、ガス検出(酸素濃度検出)が可能となる。
[1−3.センサ制御装置]
次に、センサ制御装置3によるガスセンサ素子5aを用いた酸素濃度の測定動作について説明する。
図1に示すように、センサ制御装置3は、定電流源回路62より起電力セル24に一定の微小電流Icpを流しつつ、起電力セル24の両端に発生する電圧Vsが450mVになるように、ポンプセル14に流すポンプ電流Ipを制御して、拡散室20における酸素の汲み入れ、または汲み出しを行う。つまり、起電力セル24の両端に発生する電圧Vsが450mVになるように、ポンプセル14を用いて拡散室20の酸素濃度を調整する。
ポンプセル14に流れるポンプ電流Ipの電流値及び電流方向は、排気ガス中の酸素濃度(空燃比)に応じて変化することから、このポンプ電流Ipに基づいて排気ガス中の酸素濃度を算出することができる。なお、起電力セル24に対して、拡散室20の酸素を多孔質電極28の側に汲み出す方向に微小電流Icpを流すことで、基準酸素室26は内部酸素基準源として機能する。
センサ制御装置3は、定電流源回路62のほか、第1オペアンプOP1から第5オペアンプOP5、第1スイッチSW1から第3スイッチSW3、PID制御回路69などを備えて構成されている。そして、定電流源回路62、起電力セル24、抵抗器Rは、この順に接続されて、微小電流Icpを流す電流路を構成している。
第2オペアンプOP2は、一方の入力端子がVcent点に接続され、他方の入力端子には基準電圧+3.6Vが印加され、出力端子はポンプセル14の端子Ip+に接続されている。PID制御回路69は、第1オペアンプOP1を介して接続された起電力セル24の端子Vs+の電位とVcent点における電位との電位差が450mVとなるように、ポンプ電流Ipの大きさをPID制御する。具体的には、PID制御回路69にて、目標制御電圧(450mV)と起電力セル24の両端に発生する電圧Vsとの偏差がPID演算され、第2オペアンプOP2にフィードバックされることで、第2オペアンプOP2は、ポンプセル14にポンプ電流Ipを流す。
センサ制御装置3は、ポンプ電流Ipの大きさを検出し、電圧信号に変換する検出抵抗R1と、この検出抵抗R1の両端電圧(電位Vcentと電位Vpidとの差分)を差動増幅してガス検出信号(Vip信号)として出力する差動増幅回路61とを備えている。このガス検出信号(Vip信号)は、ガス検出信号出力端子43から中央演算処理装置2に対して出力される。
中央演算処理装置2(マイコン2a)は、ガス検出信号(Vip信号)を図示しないA/D変換回路にてデジタル値に変換した後に、保持しているマップまたは計算式に基づき、ガス検出信号(Vip信号)に対応する酸素濃度値を算出する酸素濃度算出処理を実行する。
次に、センサ制御装置3における起電力セル24の素子インピーダンス(素子温度)測定動作について説明する。
センサ制御装置3において、第1オペアンプOP1は、第1コンデンサC1、第1スイッチSW1とともにサンプルホールド回路を形成している。このサンプルホールド回路は、起電力セル24のインピーダンス測定時に第1スイッチSW1をオンからオフ状態とし、起電力セル24の素子インピーダンス測定のための電流通電直前の起電力セル24の両端に発生する電圧Vsを保持することにより、素子インピーダンス測定直前の電圧VsをPID制御回路69に入力する役割を果たす。
第3オペアンプOP3は、第1オペアンプOP1に保持されているホールド値(インピーダンス測定用の電流を通電する直前の起電力セル24の電圧Vs)と、起電力セル24にインピーダンス測定用の電流−Iconstを通電した際のVs+電位(第4オペアンプOP4の出力電位)との差分に応じた電圧変化量ΔVsを出力する。この電圧変化量ΔVsは、起電力セル24のバルク抵抗値に比例することから、起電力セル24の素子インピーダンスRpvsを表す素子インピーダンス信号Srpvsとして利用可能である。
つまり、第3オペアンプOP3は、電圧変化量ΔVsを出力するとともに、起電力セル24のバルク抵抗値に比例する素子インピーダンス信号Srpvsを出力する。なお、素子インピーダンス信号Srpvsは、起電力セル24のバルク抵抗値に比例する特性を有している。
第3オペアンプOP3から出力された素子インピーダンス信号Srpvs(電圧変化量ΔVs)は、第5オペアンプOP5を介して、中央演算処理装置2に出力される。
第5オペアンプOP5は、第2コンデンサC2、第2スイッチSW2、抵抗R2と共に信号ホールド回路を形成している。この信号ホールド回路は、まず、起電力セル24のインピーダンス測定時に第2スイッチSW2がオフからオン状態になると、第3オペアンプOP3から電圧変化量ΔVsが入力される。そのあと、第2スイッチSW2がオンからオフ状態になると、この信号ホールド回路は、第2スイッチSW2がオン状態の時に第3オペアンプOP3から出力された電圧変化量ΔVsを第2コンデンサC2にて保持するとともに、電圧変化量ΔVsを表す素子インピーダンス信号Srpvsを素子インピーダンス信号出力端子41を介して中央演算処理装置2に対して出力する。
このようにしてセンサ制御装置3は、素子インピーダンス信号出力端子41から中央演算処理装置2に対して電圧変化量ΔVsを表す素子インピーダンス信号Srpvsを出力する。
なお、センサ制御装置3において、第1スイッチSW1は、第1オペアンプOP1、即ち、サンプルホールド回路における電圧ホールド動作を制御する。また、第2スイッチSW2は、3個備えられており、起電力セル24の抵抗値測定用(インピーダンス検出用)の一定電流−Iconstを流すための電流源63,65をオン・オフ制御するための2個と、信号ホールド回路における信号ホールド動作を制御するための1個である。さらに、第3スイッチSW3は、2個備えられており、第2スイッチSW2にて流される抵抗値測定用の電流−Iconstとは逆極性の一定電流+Iconstを流すための電流源64,66をオン・オフ制御するための2個である。
なお、一定電流+Iconstは、電流−Iconstとは逆極性のパルス信号である。このように起電力セル24に逆極性信号を流すことにより、起電力セル24を構成する固体電解質体の配向現象によって内部起電力が影響を受けて本来の酸素濃度差に応じた内部起電力値を出力しない異常な状態から、正常な状態に復帰するまでの時間を短縮することができる。
スイッチSW1,SW2,SW3は、制御部59からの指令に基づいて状態(オン状態、オフ状態)が制御される。
なお、制御部59は、CPU、RAM、ROM、I/Oインタフェース等を備えるマイクロコンピュータを主体として構成されている。制御部59は、中央演算処理装置2からの指令に基づき、スイッチSW1,SW2,SW3の状態を制御するスイッチ制御処理を実行する。
センサ制御装置3は、ガスセンサのヒータを制御するための内蔵ヒータ制御部60を備えている。内蔵ヒータ制御部60は、制御部59からの指令に基づいてヒータへ印加する仮想ヒータ電圧Vhiを制御することで、ヒータへの供給電力量を制御するヒータ制御処理を実行することができる。内蔵ヒータ制御部60は、ヒータ制御処理において、例えば、パルス状の仮想ヒータ電圧Vhiのデューティ比を制御することで、ヒータへの供給電力量を制御するとともに、ヒータの加熱対象であるガスセンサ素子を目標温度に近づける制御を行うことができる。
つまり、センサ制御装置3は、制御部59を用いてガスセンサ素子5aの素子インピーダンスRpvs(素子温度)を検出するとともに、内蔵ヒータ制御部60を用いてガスセンサ素子5aを目標温度に制御することが可能に構成されている。
ただし、上述のように、本実施形態のセンサ制御システム1では、内蔵ヒータ制御部60はヒータ5bとは接続されておらず、ヒータ5bを通電制御する主体は、内蔵ヒータ制御部60ではなく、ヒータ通電制御回路6となるように構成されている。つまり、本実施形態では、内蔵ヒータ制御部60は、仮想的にヒータ5bの通電制御を行うもののガスセンサ素子5aを加熱する機能は発揮していない。
[1−4.制御処理]
中央演算処理装置2のマイコン2aが実行するモード設定処理について、図3のフローチャートを用いて説明する。
モード設定処理は、センサ制御装置3における仮想ヒータ制御モードおよびRpvs測定機能のそれぞれの状態を、ON状態またはOFF状態のいずれかに設定するための処理である。具体的には、中央演算処理装置2のマイコン2aは、仮想ヒータ制御モード指令ShおよびRpvs測定機能指令Srをセンサ制御装置3に出力することで、センサ制御装置3における仮想ヒータ制御モードおよびRpvs測定機能のそれぞれの状態を設定する。
モード設定処理が開始されると、中央演算処理装置2のマイコン2aは、まずS110にて、センサ制御装置3の初期化を行う。具体的には、センサ制御装置3に対して初期化指令信号を送信する。センサ制御装置3は、初期化指令信号を受信すると、ガスセンサ5のガスセンサ素子5aを制御するための各種制御処理に用いる情報(内部フラグ、タイマなど)を初期化して、各種制御処理の準備を行う。
また、S110では、センサ制御装置3に対して、指令値としてのヒータ駆動固定電圧Vhfを送信する。ヒータ駆動固定電圧Vhfは、ヒータ5bの固定電圧制御時にセンサ制御装置3がヒータ5bに印加する電圧の指令値である。本実施形態では、ヒータ駆動固定電圧Vhfとして、内蔵ヒータ制御部60がヒータ5bに供給可能な供給電力量の範囲のうち最小値に相当する値が設定されている。
次のS120では、中央演算処理装置2のマイコン2aは、ヒータ通電制御回路6に対して起動指令信号を送信する。ヒータ通電制御回路6は、起動指令信号を受信すると、ヒータ5bの通電制御処理を開始する。
次のS130では、定常動作タイマによる経過時間のカウント処理を開始する。定常動作タイマでは、予め定められた定常周期T1(本実施形態では、T1=10ms)および予め定められた測定周期T2(本実施形態では、T2=100ms)のそれぞれについて、経過時間を繰り返しカウントする。
次のS140では、定常動作タイマによる経過時間のカウントにおいて、定常周期T1が経過したか否かを判定し、肯定判定するとS150に移行し、否定判定すると同ステップを繰り返し実行して定常周期T1が経過するまで待機する。
S140で肯定判定されてS150に移行すると、S150では、ヒータ通電制御回路6でのヒータ制御の状況を表すヒータ制御情報をヒータ通電制御回路6から取得する。このヒータ制御情報には、少なくともヒータ電圧Vh(パルス通電信号)の状態(ハイレベル、ローレベル)を表す情報が含まれている。
次のS160では、ガスセンサ素子5aの素子インピーダンスRpvs(素子温度)が測定可能な状態であるか否かを判定し、肯定判定するとS180に移行し、否定判定するとS170に移行する。S160では、センサ制御装置3から受信した起電力セル24の電圧Vsと、予め定められた測定可能判定値Vth(本実施形態では、Vth=4.2V)とを比較する。S160では、電圧Vsが測定可能判定値Vth以下である場合(Vs≦Vth)には、素子インピーダンスRpvsが測定可能と判定し(肯定判定)、電圧Vsが測定可能判定値Vthよりも大きい場合(Vs>Vth)には、素子インピーダンスRpvsが測定不可能と判定する(否定判定)。
S160で否定判定されてS170に移行すると、S170では、仮想ヒータ制御モード指令ShおよびRpvs測定機能指令SrをそれぞれOFF状態に設定する。
S160で肯定判定されてS180に移行すると、S180では、Rpvs測定判定処理を実行する。
Rpvs測定判定処理が開始されると、図4に示すように、中央演算処理装置2のマイコン2aは、まずS210にて、ヒータ通電制御回路6によりヒータPWM制御されているヒータ電圧Vhがローレベルであるか否かを判定し、肯定判定するとS220に移行し、否定判定するとS240に移行する。
S210で肯定判定されてS220に移行すると、S220では、中央演算処理装置2の起動後、S210での肯定判定が初回であるか否かを判定し、肯定判定するとS230に移行し、否定判定するとS240に移行する。
S220で否定判定されてS240に移行すると、S240では、前回のRpvs測定機能指令SrのON状態設定時から測定周期T2が経過したか否かを判定し、肯定判定するとS230に移行し、否定判定するとS250に移行する。
S220で肯定判定されるか、S240で肯定判定されてS230に移行すると、S230では、仮想ヒータ制御モード指令ShおよびRpvs測定機能指令SrをそれぞれON状態に設定する。
S210で否定判定されるかS240で否定判定されてS250に移行すると、S250では、仮想ヒータ制御モード指令ShおよびRpvs測定機能指令SrをそれぞれOFF状態に設定する。
S230またはS250が終了すると、モード設定処理に戻り、S190に移行する。S190では、仮想ヒータ制御モード指令ShおよびRpvs測定機能指令Srのそれぞれについて、最後に設定された状態(ON状態、OFF状態)を表す指令信号をセンサ制御装置3に送信する。仮想ヒータ制御モード指令Shの状態を表す指令信号をモード指令信号Sshとし、Rpvs測定機能指令Srの状態を表す指令信号を機能指令信号Ssrとする。
S190が終了すると、再び、S140に移行する。このあと、中央演算処理装置2のマイコン2aは、自身の動作が停止するまで、S140からS190間での処理を繰り返し実行する。
ここで、ヒータ電圧Vh、仮想ヒータ制御モード指令Sh、Rpvs測定機能指令Srのそれぞれの状態を表すタイミングチャートを、図5の上側領域に示す。なお、図5の下側領域は、上側領域の波形における一部区間を拡大した波形を表すとともに、仮想ヒータ電圧Vhi,Rpvs測定パルス信号Si(インピーダンス測定用の電流−Iconst)、ADサンプリング周期Tsをそれぞれ表している。
図5の上側領域に示すように、ヒータ電圧Vhは、定常周期T1のパルス波形電圧であり、図5では、ローレベル期間とハイレベル期間が等しい状態のパルス波形が記載されている。仮想ヒータ制御モード指令ShおよびRpvs測定機能指令Srは、定常周期T1にわたりハイレベルに設定された後、ローレベルに設定される。仮想ヒータ制御モード指令ShおよびRpvs測定機能指令Srは、それぞれ測定周期T2ごとにハイレベルに設定される。
次に、センサ制御装置3(詳細には、制御部59)が実行するRpvs測定機能制御処理について、図6のフローチャートを用いて説明する。
Rpvs測定機能制御処理は、中央演算処理装置2からのRpvs測定機能指令Srに基づいて、ガスセンサ素子5aにおける素子インピーダンスRpvsの検出動作を制御するための制御処理である。
Rpvs測定機能制御処理が開始されると、センサ制御装置3は、まず、S310にて、中央演算処理装置2からRpvs測定機能指令Srを受信する。
次のS320では、Rpvs測定機能指令SrがON状態であるか否かを判定し、肯定判定するとS330に移行し、否定判定するとS370に移行する。
S320で肯定判定されてS330に移行すると、S330では、Rpvs測定周期T3(本実施形態では、T3=100ms)のタイマカウントを開始する。
次のS340では、Rpvs測定パルス信号Siの出力フラグF1をON状態に設定する。
なお、出力フラグF1は、後述するRpvs測定パルス制御処理での判定処理に用いられる内部フラグである。Rpvs測定パルス制御処理で所定条件が成立すると、センサ制御装置3は、ガスセンサ素子5aの起電力セル24に対してRpvs測定パルス信号Si(インピーダンス測定用の電流−Iconst)を出力する。
次のS350では、Rpvs測定機能指令SrがOFF状態であるか否かを判定し、肯定判定するとS370に移行し、否定判定するとS360に移行する。
S350で否定判定されてS360に移行すると、S360では、Rpvs測定周期T3が経過したか否かを判定し、肯定判定するとS330に移行し、否定判定するとS350に移行する。
S320で否定判定されるか、S350で肯定判定されてS370に移行すると、S370では、Rpvs測定パルス信号Siの出力フラグF1をOFF状態に設定する。出力フラグF1がOFF状態になると、センサ制御装置3は、ガスセンサ素子5aの起電力セル24に対するRpvs測定パルス信号Siの出力を停止する。
次のS380では、Rpvs測定周期T3のタイマカウントを停止するとともに、Rpvs測定周期T3のカウント値をクリアする。
S380が終了すると、Rpvs測定機能制御処理が終了する。Rpvs測定機能制御処理は、予め定められた実行周期で繰り返し実行される。
次に、センサ制御装置3(詳細には、制御部59)が実行する仮想ヒータ制御処理について、図7のフローチャートを用いて説明する。
本実施形態の仮想ヒータ制御処理は、中央演算処理装置2からの仮想ヒータ制御モード指令Shに基づいて、仮想的にヒータ制御動作を実行するための制御処理である。つまり、仮想ヒータ制御処理は、実際にヒータ5bを通電制御するのではなく、センサ制御装置3の内部動作のみを実行する。
なお、センサ制御装置3の内蔵ヒータ制御部60を実際にヒータ5bと接続した場合には、仮想ヒータ制御処理を実行することで、センサ制御装置3がヒータ5bを通電制御することができる。
仮想ヒータ制御処理が開始されると、センサ制御装置3は、まず、S410にて、中央演算処理装置2からヒータ駆動固定電圧Vhfを受信する。ヒータ駆動固定電圧Vhfは、中央演算処理装置2からの指令値であり、ヒータ5bの固定電圧制御時にセンサ制御装置3がヒータ5bに印加する電圧である。
なお、中央演算処理装置2でのモード設定処理のS110の実行時には、中央演算処理装置2の動作によりヒータ駆動固定電圧Vhfがセンサ制御装置3に送信され、S410の実行時には、センサ制御装置3の動作により中央演算処理装置2からセンサ制御装置3にヒータ駆動固定電圧Vhfが送信される。
次のS420では、中央演算処理装置2から仮想ヒータ制御モード指令Shを受信する。次のS430では、仮想ヒータ制御モード指令ShがON状態であるか否かを判定し、肯定判定するとS440に移行し、否定判定するとS480に移行する。
S430で肯定判定されてS440に移行すると、S440では、ヒータ制御周期T4(本実施形態では、T4=10ms)のタイマカウントを開始する。
次のS450では、ヒータ通電制御処理を実行する。
ヒータ通電制御処理が開始されると、図8に示すように、センサ制御装置3(制御部59)は、まず、S610にて、ヒータ制御モードが「PI制御」および「固定電圧制御」のいずれであるかを判定し、「PI制御」の場合にはS620に移行し、「固定電圧制御」の場合にはS630に移行する。
なお、本実施形態では、中央演算処理装置2からの指令により、ヒータ制御モードが「固定電圧制御」に設定されている。もし、センサ制御装置3の内蔵ヒータ制御部60を実際にヒータ5bと接続した場合には、中央演算処理装置2は、素子インピーダンスRpvsが測定可能か否かによって、ヒータ制御モードを設定するための指令をセンサ制御装置3に出力する。具体的には、中央演算処理装置2は、素子インピーダンスRpvsが測定不可能な場合には、ヒータ制御モードを「固定電圧制御」に設定するための指令をセンサ制御装置3に出力し、素子インピーダンスRpvsが測定可能な場合には、ヒータ制御モードを「PI制御」に設定するための指令をセンサ制御装置3に出力する。
S610で「PI制御」と判定されてS620に移行すると、S620では、センサ制御装置3(制御部59)が検出した最新の素子インピーダンスRpvsを読み出す。
次のS640では、ヒータへ印加する仮想ヒータ電圧Vhiに関して、素子インピーダンスRpvsを目標インピーダンスRTにするためのPWMデューティ比を算出する。
S610で「固定電圧制御」と判定されてS630に移行すると、S630では、センサ制御装置3(制御部59)の記憶部に保存されている目標固定電圧Vaを読み出す。なお、目標固定電圧Vaは、例えば、S410で取得したヒータ駆動固定電圧Vhfに相当する値が設定されている。
次のS650では、バッテリ電圧VBを考慮しつつ、仮想ヒータ電圧Vhiが目標固定電圧VaとなるようにPWMデューティ比を算出する。
S640またはS650が終了すると、次のS660では、算出したPWMデューティ比が最大値以下であるか否かを判定し、肯定判定するとS680に移行し、否定判定するとS670に移行する。
S660で否定判定されてS670に移行すると、S670では、PWMデューティ比を最大値に設定する。
S660で肯定判定されてS680に移行すると、S680では、PWMデューティ比が最小値以上であるか否かを判定し、肯定判定するとS700に移行し、否定判定するとS690に移行する。
S680で否定判定されてS690に移行すると、S690では、PWMデューティ比を最小値に設定する。
S680で肯定判定されるかS670またはS690が完了するとS700に移行し、S700では、並列処理として実行されるヒータPWM制御処理を開始する。ヒータPWM制御処理は、S610からS690までの処理で設定されたPWMデューティ比に基づいて、ヒータへパルス出力される仮想ヒータ電圧Vhiのデューティ比を制御する制御処理である。なお、ヒータPWM制御処理は、後述するS480で停止されるまで、並行処理として処理を実行する。
次のS710では、並列処理として実行されるRpvs測定パルス制御処理を開始する。なお、S710で並列処理としてのRpvs測定パルス制御処理が開始されると、S710が終了し、ヒータ通電制御処理が終了する。ヒータ通電制御処理が終了すると、仮想ヒータ制御処理に戻り、S460に移行する。
ここで、Rpvs測定パルス制御処理について、図9のフローチャートを用いて説明する。
Rpvs測定パルス制御処理が開始されると、センサ制御装置3(制御部59)は、まず、S810にて、ヒータPWM制御がローレベル出力であるか否かを判定し、肯定判定するとS820に移行し、否定判定すると同ステップを繰り返し実行することでヒータPWM制御がローレベル出力となるまで待機する。S810では、具体的には、仮想ヒータ電圧Vhiがローレベル出力であるか否かを判定している。
S810で肯定判定されてS820に移行すると、S820では、Rpvs測定パルス信号Siの出力フラグF1がON状態であるか否かを判定し、肯定判定するとS830に移行し、否定判定するとRpvs測定パルス制御処理を終了する。
S820で肯定判定されてS830に移行すると、S830では、出力フラグF1をOFF状態に設定する。
次のS840では、Rpvs測定待ち時間Twa(本実施形態では、Twa=200μsec)が経過するまで待機する。
Rpvs測定待ち時間Twaが経過してS850に移行すると、S850では、ADサンプリング時期であるか否かを判定し、肯定判定するとS860に移行し、否定判定すると同ステップを繰り返し実行することで、ADサンプリング時期になるまで待機する。なお、センサ制御装置3は、予め定められたADサンプリング周期Ts(本実施形態では、87μsec)毎に、外部から入力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換処理を実行する。このADサンプリング周期Tsごとに実行されるAD変換処理の実行タイミングがADサンプリング時期である。なお、ADサンプリング周期Tsは、センサ制御装置3のサンプリング周波数Fs(本実施形態では、Fs=11.5kHz)に基づいて決定される。
S850で肯定判定されてS860に移行すると、S860では、AD変換された起電力セル24のセル電圧Vsを取得し、検出電圧Vs2として記憶する。本実施形態では、第1オペアンプOP1を有するサンプルホールド回路(図1参照)が検出電圧Vs2を保持するともに、制御部59に備えられる記憶部(RAMなど)が検出電圧Vs2を記憶する。
次のS870では、パルス出力待ち時間Twbが(本実施形態では、Twb=120μsec)が経過するまで待機する。
パルス出力待ち時間Twbが経過してS880に移行すると、S880では、Rpvs測定パルス信号Siを起電力セル24に対して出力するRpvs測定パルス出力処理を実行する。S880では、具体的には、Rpvs測定パルス信号Siとしてインピーダンス測定用の電流−Iconstを起電力セル24に対して出力する。
次のS890では、ADサンプリング時期であるか否かを判定し、肯定判定するとS900に移行し、否定判定すると同ステップを繰り返し実行することで、ADサンプリング時期になるまで待機する。
S890で肯定判定されてS900に移行すると、S900では、AD変換された起電力セル24のセル電圧Vsを取得し、検出電圧Vs3として記憶するとともに、電圧変化量ΔVs(=Vs2−Vs3)を演算する。本実施形態では、第3オペアンプOP3が電圧変化量ΔVsを出力するとともに、制御部59が記憶部(RAMなど)に検出電圧Vs2を記憶しつつ、CPUで電圧変化量ΔVsを演算する。この電圧変化量ΔVsは、起電力セル24の素子インピーダンスRpvsを表す素子インピーダンス信号Srpvsとして利用可能である。
次のS910では、Rpvs測定パルス信号Siのローレベル出力(インピーダンス測定用の電流−Iconst)を停止し、信号停止期間TR3(図5参照)が経過した後、ハイレベル期間TR2にわたりハイレベルの測定パルス信号Si(電流−Iconstとは逆極性の一定電流+Iconst)を出力する。
なお、図5に示すように、Rpvs測定パルス信号Siには、ローレベル期間TR1にわたり出力される電流−Iconstと、ハイレベル期間TR2にわたり出力される一定電流+Iconstと、が含まれている。電流−Iconstの通電後に、逆極性の一定電流+Iconstを流すことにより、起電力セル24を構成する固体電解質体の配向現象によって内部起電力が影響を受けて本来の酸素濃度差に応じた内部起電力値を出力しない異常な状態から、正常な状態に復帰するまでの時間を短縮することができる。
S820で否定判定されるかS910が終了すると、Rpvs測定パルス制御処理が終了する。
つまり、本実施形態のRpvs測定パルス制御処理は、仮想ヒータ制御処理で設定されたデューティ比でPWM制御される仮想ヒータ電圧Vhiの変化状態に基づいて、Rpvs測定パルス信号Siを制御する制御処理である。S810では、仮想ヒータ電圧Vhiのハイレベルからローレベルへの切替タイミング(Loエッジタイミング)を検出しており、図5では、デューティーオン時間Thtの終了時期を検出する。そのときに出力フラグF1がON状態である場合には(S820で肯定判定)、Rpvs測定待ち時間Twaが経過した後のADサンプリング時期に検出電圧Vs2を検出する(S860)。その後、パルス出力待ち時間Twbが経過するとRpvs測定パルス信号Siを出力し(S880)、その後のADサンプリング時期に検出電圧Vs3を検出するとともに、電圧変化量ΔVs(=Vs2−Vs3)を演算する(S900)。
S710が終了してヒータ通電制御処理が終了すると、仮想ヒータ制御処理に戻り、S460にて、仮想ヒータ制御モード指令ShがOFF状態であるか否かを判定し、肯定判定するとS480に移行し、否定判定するとS470に移行する。
S460で否定判定されてS470に移行すると、S470では、ヒータ制御周期T4が経過したか否かを判定し、肯定判定するとS450に移行し、否定判定するとS460に移行する。
S430で否定判定されるか、S460で肯定判定されてS480に移行すると、S480では、ヒータPWM制御を停止する。
次のS490では、ヒータ制御周期T4のタイマカウントを停止するとともに、ヒータ制御周期T4のカウント値をクリアする。
S490が終了すると、仮想ヒータ制御処理が終了する。仮想ヒータ制御処理は、予め定められた実行周期で繰り返し実行される。
図5の下側領域に示すように、ヒータ電圧Vhがハイレベルからローレベルに変更されて、中央演算処理装置2から出力される仮想ヒータ制御モード指令ShおよびRpvs測定機能指令SrがそれぞれOFF状態からON状態に変更されると、所定の通信時間Tspが経過した後に、センサ制御装置3の内部における仮想ヒータ電圧Vhiがローレベルからハイレベルに設定される。
このあと、中央演算処理装置2からセンサ制御装置3に送信されたヒータ駆動固定電圧Vhfに応じたデューティーオン時間Thtにわたり、仮想ヒータ電圧Vhiがハイレベルに設定された後、仮想ヒータ電圧Vhiがローレベルに変更される(S700)。このあと、Rpvs測定待ち時間Twaが経過すると(S840)、その後のADサンプリング時期における起電力セル24のセル電圧Vs(検出電圧Vs2)を取得する(S860)。
その後、パルス出力待ち時間Twbが経過すると、Rpvs測定パルス信号Siのローレベル出力(抵抗値測定用の電流−Iconstの出力)が開始され、その後のADサンプリング時期における起電力セル24のセル電圧Vs(検出電圧Vs3)を取得するとともに、電圧変化量ΔVs(=Vs2−Vs3)を演算する(S900)。
その後、Rpvs測定パルス信号Siはゼロレベルに設定されて、信号停止期間TR3が経過すると、Rpvs測定パルス信号Siのハイレベル出力(一定電流+Iconstの出力)が開始され、ハイレベル期間TR2が経過すると、Rpvs測定パルス信号Siはゼロレベルに設定される(S910)。
このように、センサ制御装置3は、自身がヒータ5bを通電制御しない構成であっても、中央演算処理装置2からの仮想ヒータ制御モード指令ShおよびRpvs測定機能指令Srに基づいて制御処理を実行することで、ガスセンサ素子5aの状態を表す電圧変化量ΔVsを検出できる。センサ制御装置3は、電圧変化量ΔVsを素子インピーダンス信号Srpvsとして中央演算処理装置2に送信できる。
[1−5.効果]
以上説明したように、センサ制御システム1は、ガスセンサ素子5aおよびヒータ5bを備えるガスセンサ5を制御するにあたり、センサ制御装置3がガスセンサ素子5aの状態(素子インピーダンスRpvs)を検出し、ヒータ通電制御回路6がヒータ5bを通電制御するように構成されている。また、中央演算処理装置2は、ヒータ通電制御回路6によるヒータ制御状態に基づいて、仮想ヒータ制御モード指令ShおよびRpvs測定機能指令Srを設定することで、センサ制御装置3によるガスセンサ5の制御状態を設定する。
センサ制御装置3の制御部59は、Rpvs測定機能制御処理およびRpvs測定パルス制御処理を実行することで、仮想ヒータ制御モード指令ShおよびRpvs測定機能指令SrがいずれもON状態である場合に(S320で肯定判定、S430で肯定判定)、Rpvs測定周期T3でガスセンサ素子5aの状態(素子インピーダンスRpvs)を検出する(S900)ように構成されている。
センサ制御装置3の制御部59は、仮想ヒータ制御処理を実行することで、仮想ヒータ制御モード指令ShがON状態である場合に(S430で肯定判定)、ヒータ5bの通電制御を実行する(S450)ように構成されている。
中央演算処理装置2のマイコン2aは、モード設定処理を実行することで、センサ制御装置3に対して出力する仮想ヒータ制御モード指令ShおよびRpvs測定機能指令Srを、ヒータ通電制御回路6によるヒータ5bの制御状態に基づいて設定するように構成されている。
中央演算処理装置2のマイコン2aは、ヒータ通電制御回路6からのヒータ電圧信号Svhを受信しており、パルス通電信号であるヒータ電圧信号Svhがハイレベルからローレベルに切り替わると(S210で肯定判定)、仮想ヒータ制御モード指令ShおよびRpvs測定機能指令SrをそれぞれON状態に設定する(S230)。
センサ制御システム1においては、中央演算処理装置2(マイコン2a)がヒータ通電制御回路6によるヒータ5bの制御状態に基づいて仮想ヒータ制御モード指令ShおよびRpvs測定機能指令Srを設定するため、センサ制御装置3(制御部59)は、実際のヒータ制御状態に応じてガスセンサ素子5aの状態検出時期を設定できる。
このようなセンサ制御システム1においては、センサ制御装置3(詳細には、制御部59および内蔵ヒータ制御部60)によるヒータ制御ではなく、別に設けられたヒータ通電制御回路6によるヒータ制御によりヒータ5bを通電制御する構成であっても、センサ制御装置3(詳細には、制御部59)によるガスセンサ素子5aの状態検出時期を適切に設定できる。このため、中央演算処理装置2を用いることで、ヒータ通電制御回路6がヒータ制御を行う構成であっても、内蔵ヒータ制御部60を備えるセンサ制御装置3を改造することなく、センサ制御装置3を用いたガスセンサ素子5aの状態検出が可能となる。
よって、中央演算処理装置2を備えるセンサ制御システム1によれば、ガスセンサ素子5aおよびヒータ5bを備えるガスセンサ5の制御において、センサ制御装置3とは別のヒータ通電制御回路6を用いてヒータ5bを通電制御する場合でも、ガスセンサ素子5aの状態検出タイミングをヒータ通電制御回路6によるヒータ5bの制御状態が考慮された時期に設定できる。
次に、中央演算処理装置2においては、仮想ヒータ制御モード指令ShおよびRpvs測定機能指令Srの切替タイミングを判定するための検出トリガ情報として、パルス通電信号であるヒータ電圧信号Svhがハイレベルからローレベルに切り替わるときの信号(換言すれば、ヒータ通電状態のONからOFFへの切り替え時期を示すOFFエッジ信号)を用いている(S210)。
このように、パルス通電信号であるヒータ電圧信号Svhのうちで特定の通電状態を表すOFFエッジ信号を検出トリガ情報として利用することにより、中央演算処理装置2のマイコン2aは、ヒータ通電制御回路6からヒータ5bへのヒータ電圧Vhの出力がOFF状態である時期を判断できる。このため、マイコン2aは、ヒータ電圧Vhの出力がOFF状態である時期に基づいて、仮想ヒータ制御モード指令ShおよびRpvs測定機能指令SrをON状態に設定できるとともに、センサ制御装置3(制御部59)によるガスセンサ素子5aの状態検出タイミングを設定できる。
これにより、センサ制御装置3(制御部59)は、実際のヒータ制御状態に基づき設定された適切なタイミングで、ガスセンサ素子5aの状態検出(素子インピーダンスRpvsの検出)を実行できる。
次に、センサ制御システム1においては、センサ制御装置3は、制御部59および内蔵ヒータ制御部60による固定電圧制御(S650)に用いる目標固定電圧Vaを、中央演算処理装置2からの指令値としてのヒータ駆動固定電圧Vhfに基づいて設定している。
つまり、センサ制御装置3は、固定電圧制御(S650)に用いる目標固定電圧Vaの指令値であるヒータ駆動固定電圧Vhfを、中央演算処理装置2から受信するように構成されている(S110、S410)。
そして、中央演算処理装置2のマイコン2aは、センサ制御装置3(内蔵ヒータ制御部60)がヒータ5bに供給可能な供給電力量の範囲のうち最小値に相当する値が設定されたヒータ駆動固定電圧Vhfを出力する。
中央演算処理装置2(マイコン2a)がこのようなヒータ駆動固定電圧Vhfを出力することで、センサ制御装置3の制御部59および内蔵ヒータ制御部60による仮想的制御において、ヒータへの通電をPWM制御する場合のヒータへの通電時間(デューティーオン時間Tht)を最短に設定できる。これにより、制御部59および内蔵ヒータ制御部60による仮想的なヒータ制御が開始された後、ヒータへの通電が停止されるまでの時間を最短に設定できるため、ヒータ通電停止時における制御部59によるガスセンサ素子5aの状態検出タイミング(素子インピーダンスRpvsの検出タイミング)を早い時期に設定できる。
これにより、中央演算処理装置2を備えるセンサ制御システム1は、ヒータ通電制御回路6からヒータ電圧信号SvhのOFFエッジ信号を受け取った後、センサ制御装置3(詳細には、制御部59)によるガスセンサ素子5aの状態検出までの所要時間を最短に設定することができる。
次に、センサ制御装置3の制御部59は、仮想ヒータ制御モード指令ShおよびRpvs測定機能指令Srの両者がOFF状態からON状態に変更されると(S320で肯定判定、S430で肯定判定)、ガスセンサ素子5aの状態(素子インピーダンスRpvs)を検出する(S340、S450、S710)ように構成されている。
このため、中央演算処理装置2は、ガスセンサ素子5aの状態検出タイミングを表す個別信号をセンサ制御装置3に出力する構成を採ることなく、仮想ヒータ制御モード指令ShおよびRpvs測定機能指令Srの切替タイミング(OFF状態からON状態に変更するタイミング)を用いて、ガスセンサ素子5aの状態検出タイミングをセンサ制御装置3に伝達できる。
これにより、センサ制御装置3の改造が不要となるため、中央演算処理装置2は、既存のセンサ制御装置3を用いつつ、ガスセンサ素子5aの状態検出タイミングを設定することが可能となる。
また、センサ制御装置3の制御部59は、ガスセンサ素子5aの状態(素子インピーダンスRpvs)を検出した後、仮想ヒータ制御モード指令ShおよびRpvs測定機能指令SrがいずれもON状態である期間中は、Rpvs測定周期T3でガスセンサ素子5aの状態を検出する(S330からS360までの処理を繰り返し実行)ように構成されている。
このように、ガスセンサ素子5aの状態を繰り返し検出することで、ガスセンサ素子5aの状態が変化した場合でも、変化後の状態を検出することができる。
[1−5.文言の対応関係]
ここで、文言の対応関係について説明する。
センサ制御システム1がセンサ制御システムに相当し、中央演算処理装置2が制御状態設定装置に相当し、センサ制御装置3がセンサ制御部に相当し、ガスセンサ5がセンサに相当し、ガスセンサ素子5aがセンサ素子に相当し、ヒータ5bがヒータ部に相当し、ヒータ通電制御回路6が個別ヒータ制御部に相当する。
仮想ヒータ制御モード指令Shがヒータ制御モード指令に相当し、Rpvs測定機能指令Srが素子状態検出モード指令に相当し、Rpvs測定機能制御処理およびRpvs測定パルス制御処理を実行する制御部59が素子状態検出部に相当し、仮想ヒータ制御処理を実行する制御部59および内蔵ヒータ制御部60が内蔵ヒータ制御部に相当し、モード設定処理を実行するマイコン2aがモード設定部に相当する。
ハイレベルからローレベルに切り替わるヒータ電圧信号Svhが検出トリガ情報およびOFFエッジ信号に相当し、ヒータ駆動固定電圧Vhfが電力指令値に相当し、S110を実行するマイコン2aが電力指令値出力部に相当し、Rpvs測定周期T3が予め定められた検出周期に相当する。
[2.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
例えば、上記実施形態では、中央演算処理装置2(マイコン2a)として、仮想ヒータ制御モード指令ShおよびRpvs測定機能指令Srの各状態を変更するにあたり、2つの指令が同時に変更される構成(S230)について説明した。しかし、中央演算処理装置2(マイコン2a)は、このような構成に限られることはなく、仮想ヒータ制御モード指令ShおよびRpvs測定機能指令Srをそれぞれ異なるタイミングで変更する構成であってもよい。なお、そのような場合であっても、センサ制御装置3(制御部59)は、2つの指令がいずれもON状態に変更された場合に、ガスセンサ素子5aの状態(素子インピーダンスRpvs)を検出する。
また、上記実施形態では、ガスセンサ素子5aの状態として素子インピーダンスRpvsを検出するようにしたが、ガスセンサ素子5aの状態としてアドミッタンス等を検出するようにしてもよい。
次に、上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分担させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に発揮させたりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を、省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
上述したマイコンの他、当該マイコンを構成要素とするシステム、当該マイコンとしてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実態的記録媒体、各種演算方法など、種々の形態で本開示を実現することもできる。
1…センサ制御システム、2…中央演算処理装置(MCU)、2a…マイクロコンピュータ(マイコン)、3…センサ制御装置、5…ガスセンサ、5a…ガスセンサ素子、5b…ヒータ、5c…発熱抵抗体、6…ヒータ通電制御回路、14…ポンプセル、24…起電力セル、59…制御部、60…内蔵ヒータ制御部。

Claims (5)

  1. センサ素子およびヒータ部を備えるセンサを制御するセンサ制御部による前記センサの制御状態を設定する制御状態設定装置であって、
    前記センサ制御部は、
    外部からのヒータ制御モード指令および素子状態検出モード指令に基づいて、前記ヒータ制御モード指令および前記素子状態検出モード指令がいずれもモードON指令である場合に、前記センサ素子の状態を検出する素子状態検出部と、
    前記ヒータ制御モード指令に基づいて、前記ヒータ制御モード指令がモードON指令である場合に、前記ヒータ部を制御する内蔵ヒータ制御部と、
    を備えており、
    前記ヒータ部は、前記内蔵ヒータ制御部ではなく、前記センサ制御部とは別に設けられた個別ヒータ制御部から出力されるパルス通電信号により通電制御される構成であり、
    当該制御状態設定装置は、
    前記センサ制御部に対して出力する前記ヒータ制御モード指令および前記素子状態検出モード指令を、前記個別ヒータ制御部による前記ヒータ部へのパルス通電信号に基づいて設定するモード設定部を備え、
    前記モード設定部は、前記個別ヒータ制御部から出力される前記パルス通電信号のうちで予め定められた特定の通電状態を表す検出トリガ情報を受け取ると、前記センサ制御部に対して出力する前記ヒータ制御モード指令および前記素子状態検出モード指令をそれぞれON状態に設定する、
    制御状態設定装置。
  2. 前記検出トリガ情報は、前記パルス通電信号におけるONからOFFへの切り替え時期を示すOFFエッジ信号である、
    請求項1に記載の制御状態設定装置。
  3. 前記センサ制御部は、前記内蔵ヒータ制御部による前記ヒータ部への供給電力量の指令値である電力指令値を外部から受け取るように構成されており、
    当該制御状態設定装置は、前記内蔵ヒータ制御部が前記ヒータ部に供給可能な供給電力量の範囲のうち最小値を、前記電力指令値として前記センサ制御部に対して出力する電力指令値出力部を備える、
    請求項1または請求項2に記載の制御状態設定装置。
  4. 前記素子状態検出部は、前記ヒータ制御モード指令および前記素子状態検出モード指令の両者がモードOFF指令からモードON指令に変更されると、前記センサ素子の状態を検出し、その後、前記ヒータ制御モード指令および前記素子状態検出モード指令がいずれもモードON指令である期間中は、予め定められた検出周期で前記センサ素子の状態を検出する、
    請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の制御状態設定装置。
  5. センサ素子およびヒータ部を備えるセンサを制御するセンサ制御部と、
    前記センサ制御部による前記センサの制御状態を設定する制御状態設定装置と、
    を備えるセンサ制御システムであって、
    前記センサ制御部は、
    外部からのヒータ制御モード指令および素子状態検出モード指令に基づいて、前記ヒータ制御モード指令および前記素子状態検出モード指令がいずれもモードON指令である場合に、前記センサ素子の状態を検出する素子状態検出部と、
    前記ヒータ制御モード指令に基づいて、前記ヒータ制御モード指令がモードON指令である場合に、前記ヒータ部を制御する内蔵ヒータ制御部と、を備えており、
    前記ヒータ部は、前記内蔵ヒータ制御部ではなく、前記センサ制御部とは別に設けられた個別ヒータ制御部から出力されるパルス通電信号により通電制御される構成であり、
    前記制御状態設定装置は、請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の制御状態設定装置である、
    センサ制御システム。
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