JP5041488B2 - センサ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、特定成分のガス濃度を検出するガスセンサを備えるセンサ制御装置において、ガスセンサを構成するセンサセルのインピーダンスを検出するセンサ制御装置に関する。
従来より、固体電解質体および一対の電極よりなるセンサセルを有するガスセンサに接続され、センサセルのインピーダンス(素子インピーダンス)を検出する装置が知られている(特許文献1、特許文献2参照)。このような装置では、センサセルに対して検出用信号(特許文献1,2では検出用電流)を供給したときの応答信号(特許文献1,2では電圧信号)に基づき、インピーダンスを検出するように構成されている。なお、センサセルを介して出力される応答信号は、予定の増幅度に設定された演算増幅器を介して増幅され、この増幅された応答信号に基づいてインピーダンスが検出される。
また、上記インピーダンスはセンサセルの温度に応じて変化する特性を有することから、検出されたインピーダンスに基づき、センサセルの温度制御を行う装置も知られている(特許文献3参照)。センサセルの温度制御については、定期的に検出されるインピーダンスが目標インピーダンスになるように、ガスセンサに設けられたヒータへの通電量をヒータ制御回路にて制御することで実行することができる。
特開2000−81414号公報(請求項1、図5) 特開2000−329730号公報(請求項1) 特開平10−48180号公報(請求項1、段落0015)
ところで、固体電解質体から構成されるセンサセルのインピーダンスは、温度に応じて広範囲で変化するため、上記インピーダンスのダイナミックレンジは非常に広い。そこで、広範囲にわたって精度良くセンサセルのインピーダンス検出を行えるようにすべく、センサセルへの検出用信号の供給に伴い当該センサセルを介して出力される応答信号を増幅する演算増幅器での増幅度を異なる2つの値とすることが考えられる。即ち、検出されるセンサセルのインピーダンスが予め設定されたしきい値よりも大きいときには演算増幅器の増幅度を第1の値に設定し、そのもとで出力される応答信号からインピーダンスを検出する一方、センサセルのインピーダンスが上記しきい値よりも小さいときには、演算増幅器の増幅度を第1の値よりも大きい第2の値に設定し、そのもとで出力される応答信号からインピーダンスを検出するのである。
しかしながら、センサセルのインピーダンスを検出する際には、通常、演算増幅器から出力される応答信号をA/D変換回路にてデジタル値に変換され、そのデジタル値を用いてインピーダンスが検出されるが、A/D変換回路には変換誤差があり、これを小さくするには限界がある。そのため、検出されるセンサセルのインピーダンスが、演算増幅器の増幅度の切り替えを判定するためのしきい値に近接した値となったときに、A/D変換回路の変換誤差の影響でしきい値を頻繁に上回ったり、下回ったりする現象を生ずると、演算増幅器の増幅度も第1の値になったり、第2の値になったりする現象が生ずるため、インピーダンスの検出精度が低下することがある。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、特定成分のガス濃度を検出するガスセンサを備えるセンサ制御装置において、ガスセンサを構成するセンサセルのインピーダンスを精度良く検出することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るセンサ制御装置は、固体電解質体および一対の電極よりなるセンサセルを有すると共に、特定成分のガス濃度を検出するガスセンサと、前記センサセルのインピーダンスを検出するための検出用信号を、前記センサセルに一時的に供給する信号供給手段と、前記検出用信号の供給に伴い前記センサセルを介して出力される応答信号を入力すると共に、第1の増幅度にて該応答信号を増幅する増幅手段と、前記増幅手段から出力される前記応答信号に基づいて、前記センサセルのインピーダンスを検出する検出手段と、を備えるセンサ制御装置であって、前記増幅手段は、外部から出力される切替え指令に応じて、前記応答信号を前記第1の増幅度または該第1の増幅度とは異なる第2の増幅度に切替え可能に構成されており、前記検出手段にて検出される前記インピーダンスに基づいて、前記切替え指令を、前記増幅手段に出力する切替え指令出力手段を備え、前記切替え指令出力手段は、前記増幅手段が前記第1の増幅度の状態のときに、前記インピーダンスが、前記第1しきい値を下回ったと判定されると、前記増幅手段の増幅度を前記第2の増幅度に切替える切替え指令を出力し、前記増幅手段が前記第2の増幅度の状態のときに、前記インピーダンスが、前記第1しきい値よりも大きな値に設定された第2しきい値を上回ったと判定されると、前記増幅手段の増幅度を前記第1の増幅度に切替える切替え指令を出力する構成をなしている、ことを特徴とする。
本発明のセンサ制御装置では、センサセルを介して出力される応答信号を増幅する増幅手段を備えており、この増幅手段が外部から出力される切替え指令に応じて第1の増幅度と第2の増幅度とに切替え可能に構成されている。そして、本発明のセンサ制御装置では、検出手段にて検出されるインピーダンスを単一のしきい値と比較して増幅手段の増幅度の切替えを行うのではなく、増幅度の切替えを判断するためのしきい値として、所定の差を持たせた2つのしきい値を用いるようにしている。具体的には、増幅手段が第1の増幅度の状態のときに、検出されるインピーダンスが第1しきい値を下回ったと判定されると、増幅手段の増幅度を第2の増幅度に切替え、増幅手段が第2の増幅度の状態のときに、検出されるインピーダンスが、第1しきい値よりも大きな値に設定された第2しきい値を上回ったと判定されると、増幅手段の増幅度を第1の増幅度に切替えるように構成している。これにより、検出手段にて検出されるインピーダンスがこれらのしきい値に近接した値となったときに、A/D変換回路の変換誤差等の影響でわずかなインピーダンスの値の変動によって演算増幅器の増幅度が第1と第2とに頻繁に入れ替わる現象が防止される。
このように、本発明のセンサ制御装置では、A/D変換回路の変換誤差等の影響でわずかなインピーダンスの値の変動によって増幅手段の増幅度が第1と第2とに頻繁に入れ替わる現象を防止した状態で、検出されるインピーダンスに応じて増幅手段の増幅度を第1と第2とに切替える構成を有するため、広範囲にわたって高精度にセンサセルのインピーダンス検出を行うことができる。
なお、増幅度とは、増幅手段に入力される信号(入力電圧や入力電力)の大きさに対する出力される信号(出力電圧や出力電力)の大きさの比である。また、増幅回路での増幅としては、非反転増幅のほか、反転増幅を行うこともできる。増幅度も、×1倍以上の場合のほか、×1倍の場合や、×1倍未満の場合をも含む。
また、特定成分のガス濃度を検出するガスセンサとしては、固体電解質体および一対の電極よりなるセンサセルを1つまたは複数有するガスセンサであればよく、センサセルを複数有するタイプの場合には、インピーダンスの検出対象となるセンサセルは任意に設定すれば良い。なお、ガスセンサとしては、酸素濃度を検出する酸素センサやNOx濃度を検出するNOxセンサ等が挙げられる。
さらに、上記のセンサ制御装置であって、前記ガスセンサは、前記センサセルを加熱するためのヒータを有しており、前記検出手段にて検出される前記インピーダンスに基づいて、前記ヒータの通電を制御することで前記センサセルの加熱温度を制御するヒータ制御手段を備えるセンサ制御装置とすると良い。
従来より、センサセルを加熱するためのヒータをガスセンサに設け、検出されるセンサセルのインピーダンスに基づいて、ヒータの通電を制御してセンサセルの加熱温度を制御することが提案されている。ところで、検出手段にて検出されるインピーダンスを単一のしきい値と比較して増幅手段の増幅度の切替えを行うようにすると、インピーダンスの検出精度が低下する。そのため、検出精度が低下した状態のインピーダンスに基づいてヒータの通電を制御してセンサセルの加熱温度が制御されると、その加熱温度の制御が低下してセンサセルを適正温度に保持できず、特定ガスの検出精度までもが低下してしまう可能性がある。
これに対し、本発明のセンサ制御装置では、前述したように、検出手段にて検出されるインピーダンスを単一のしきい値と比較して増幅手段の増幅度の切替えを行うのではなく、増幅度の切替えを判断するためのしきい値として、所定の差を持たせた2つのしきい値を用いるようにしている。そのため、わずかなインピーダンスの値の変動によって演算増幅器の増幅度が第1と第2とに頻繁に入れ替わる現象を防止した状態で、広範囲にわたって高精度にセンサセルのインピーダンス検出を行うことができる。それにより、高精度に検出されたインピーダンスに基づいてヒータの通電を制御してセンサセルの加熱制御を行うことができ、特定ガスの検出精度を低下させるのを抑制することができる。
さらに、上記のセンサ制御装置であって、前記検出手段にて検出される前記インピーダンスを活性判定しきい値と比較し、前記インピーダンスが活性判定値を下回ったときに、前記センサセルが活性したと判定する活性判定手段を備え、前記第1しきい値及び前記第2しきい値は、いずれも、活性判定値よりも小さな値に設定されているセンサ制御装置とすると良い。
本発明のセンサ制御装置では、検出されるインピーダンスを活性判定しきい値と比較し、センサセルが活性したか否かを判定する活性判定手段を備えている。ところで、増幅手段の増幅度を第1と第2とで切替えた際には、応答信号をA/D変換するA/D変換回路の変換誤差等の影響によって、検出されるインピーダンスに検出誤差が生じる可能性がある。そのため、増幅度の切替えを判断するために用いられる第1,第2しきい値を活性判定しきい値を跨ぐように設定したり、第1,第2のいずれかのしきい値を活性判定しきい値と同値に設定したりすると、センサセルが活性したか否かを判定するための活性判定手段の判定精度の低下を招くことがある。
そこで、本発明では、増幅度の切替えを判断するために用いられる第1,第2しきい値を、いずれも、活性判定値よりも小さな値に設定するようにしている。これにより、活性判定手段の判定精度が低下するのを抑制することができる。また、第1,第2しきい値を、いずれも、活性判定値よりも小さな値に設定しているので、センサセルの活性温度近傍の検出精度を良好に確保することができるメリットがある。
さらに、上記のセンサ制御装置であって、前記信号供給手段は、前記検出用信号を、前記センサセルの前記一対の電極の一方につながる第1接続点を介して供給するように構成され、一端が前記第1接続点に電気的接続されると共に、他端が前記センサセルの前記一対の電極の他方につながる第2接続点と電気的接続され、前記検出用信号が付与されるときに、前記第1接続点との電気的接続を遮断し、それ以前の前記第1接続点の電位を保持するホールド手段を備え、前記増幅手段は、オペアンプを用い、前記ホールド手段にて保持される電位と前記検出用信号が付与されているときに前記第1接続点に生じている電位とを差動増幅する差動増幅回路であるセンサ制御装置であると良い。
このように、増幅手段が、オペアンプを用い、ホールド手段にて保持される電位と検出用信号が付与されているに上記第1接続点に生じている電位とを差動増幅する差動増幅回路を用いることにより、ホールド手段にて保持される電位と第1接続点に生じている電位とに共通した大きさのノイズが重畳した場合にも、増幅手段は、そのノイズをキャンセルして応答信号を出力することができる。即ち、本発明のセンサ制御装置の回路構成を採ることにより、増幅手段から出力される応答信号に基づいて検出手段がセンサセルのインピーダンスを検出する精度を、より一層高めることができる。
本発明のセンサ制御装置によれば、ガスセンサを構成するセンサセルのインピーダンスを広範囲にわたって高精度に検出することができる。
以下に、本発明にかかるセンサ制御装置の実施形態について、図面と共に説明する。
図1は、ポンプセル14と酸素濃度測定セル24とを有する2セル式の酸素センサ(全領域空燃比センサとも呼ばれる)5と、この酸素センサ5に接続され、酸素センサ5を駆動させるためのセンサ駆動回路3とを含むセンサ制御装置1の概略構成図である。また、図2は、酸素センサ5の概略構成図である。
センサ制御装置1は、図1に示すように、排気ガス中の酸素濃度を広域に検出するための酸素センサ5と、酸素センサ5に付設されて後述するポンプセル14及び酸素濃度測定セル24を加熱するヒータ80と、酸素センサ5を駆動すると共に各種特性を検出するセンサ駆動回路3と、ヒータ80の通電を制御するヒータ通電制御回路6と、センサ駆動回路3及びヒータ通電制御回路6に接続されて各種制御処理を実行する中央演算処理装置2とを備えている。
センサ駆動回路3は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関の排気管に装着される酸素センサ5に接続されている。そして、センサ駆動回路3は、酸素センサ5(詳細には、後述する酸素濃度測定セル24)のインピーダンスに応じて変化するインピーダンス信号Vrpvsを検出し、検出したインピーダンス信号Vrpvsを中央演算処理装置2に対して出力する。また、センサ駆動回路3は、インピーダンス信号Vprvsの他に、酸素センサ5から酸素濃度信号Vipを検出し、検出した酸素濃度信号Vipを中央演算処理装置2に対して出力する機能を有している。なお、酸素濃度信号Vipは、酸素センサ5が検出する酸素濃度(空燃比)に応じてその値がリニアに変化する。
中央演算処理装置2は、公知の構成をなしており、詳細は図示しないが、CPU、RAM、ROM、I/Oインタフェース等を備えるマイクロコンピュータを主体として構成されている。そして、この中央演算処理装置2は、各部から受信した各種情報を用いて各種制御処理を実行する。
例えば、中央演算処理装置2は、センサ駆動回路3から出力されたインピーダンス信号Vrpvsに基づき、酸素センサ5の温度を検出する温度検出処理や、酸素センサ5を活性温度以上の目標温度に設定するために、ヒータ通電制御回路6を用いてのヒータ80への投入電力を制御するヒータ制御処理などを実行する。また、中央演算処理装置2は、センサ駆動回路3から出力された酸素濃度信号Vipに基づき、排気ガス中の酸素濃度を検出する濃度検出処理を実行する。
ヒータ80は、後述するように発熱抵抗体87を備え、その発熱抵抗体87の一端が電源電圧VB(本実施形態では、+12V)に接続され、他端がヒータ通電制御回路6に接続されている。
ヒータ通電制御回路6は、コレクタが発熱抵抗体87の他端に接続され、エミッタが設置され、ベースが中央演算処理装置2に接続されたトランジスタTrを備えている。このため、トランジスタTrをオン状態にする電圧レベルの信号(以下、ヒータオン信号という)を中央演算処理装置2がトランジスタTrのベースへ出力している間は発熱抵抗体87に電流が流れてヒータ80が発熱する。一方、中央演算処理装置2がヒータオン信号の出力を停止すると、トランジスタTrがオフ状態となり、発熱抵抗体87に電流が流れず、ヒータ80の加熱が停止される。
ついで、酸素センサ5は、図2に示すように、ポンプセル14と、多孔質拡散層18と、酸素濃度測定セル24と、補強層30と、ヒータ80とを積層一体化することにより構成されている。
ポンプセル14は、酸素イオン伝導性の固体電解質体である部分安定化ジルコニアにより形成され、固体電解質体の表面と裏面のそれぞれに主として白金で形成された多孔質電極12,16を有している。なお、多孔質電極12は、多孔質状の電極保護層15にて覆われており、電極保護層15は、多孔質電極12の被毒を防止するための防止層として機能する。また、酸素濃度測定セル24は、同じく酸素イオン伝導性の固体電解質体である部分安定化ジルコニアにより形成され、固体電解質体の表面と裏面のそれぞれに主として白金で形成された多孔質電極22,28を有している。
ポンプセル14のうちで中空の測定室20に面する多孔質電極16と、酸素濃度測定セル24のうちで測定室20に臨む多孔質電極22とは、互いに導通されると共に、酸素センサ5の端子COMに接続されている。なお、端子COMは、通電経路42及び抵抗Rを介して、センサ駆動回路のVcent点に接続されている(図1参照)。
また、ポンプセル14の多孔質電極12は、酸素センサ5の端子Ip+に接続され、酸素濃度測定セル24の多孔質電極28は、酸素センサ5の端子Vs+に接続されている。なお、端子Ip+はセンサ駆動回路3における第2オペアンプOP2の出力端子に接続され、端子Vs+は、通電経路40を介して、センサ駆動回路3における第4オペアンプの非反転入力端子(+)に接続されている(図1参照)。
また、補強層30は、酸素濃度測定セル24の多孔質電極28を外部から閉塞しつつ、多孔質電極28の内部に酸素基準室26を形成するように、酸素濃度測定セル24に積層されている。さらに、ポンプセル14と酸素濃度測定セル24との間には、多孔質拡散層18により包囲された測定室20が形成されている。即ち、この測定室20は、多孔質拡散層18を介して排気ガスと連通されている。
また、ヒータ80は、補強層30に積層され、ポンプセル14、酸素濃度測定セル24と共に一体化されている。このヒータ80の(詳細には発熱熱抵抗体パターン87)の一端は電源電圧VBに接続され、他端はヒータ通電制御回路6に接続されている。
次に、酸素センサ5を用いて酸素濃度を測定する際のセンサ駆動回路3での動作について説明する。
図1に示すように、センサ駆動回路3は、定電流源回路62より酸素濃度測定セル24に一定値の微小電流Icpを流しつつ、酸素濃度測定セル24の両端(端子Vs+と端子COM間)に発生する電圧Vsが450mVになるように、ポンプセル14に流すポンプ電流Ipを制御して、測定室20における酸素の汲み入れ、または汲み出しを行う。つまり、酸素濃度測定セル24の両端に発生する電圧Vsが450mVになるように、ポンプセル14を用いて測定室20の酸素濃度(酸素分圧)を調整する。
ポンプセル14に流れるポンプ電流Ipの電流値及び通電方向は、排ガス中の酸素濃度(空燃比)に応じて変化することから、このポンプ電流Ipを電圧変換した酸素濃度信号Vipに基づいて、排気ガス中の酸素濃度を算出することができる。なお、酸素濃度測定セル24に対して、測定室20の酸素を多孔質電極28の側に汲み出す方向に微小電流Icpを流すことで、基準酸素室26は内部酸素基準源して機能する。
また、センサ駆動回路3は、定電流源回路62のほか、第1オペアンプOP1から第5オペアンプOP5、第1スイッチSW1から第4スイッチSW4、PID制御回路69などを備えて構成されている。そして、定電流源回路62、酸素濃度測定セル24、抵抗器Rは、この順に接続されて、微小電流Icpを流す電流路を構成している。
第2オペアンプOP2は、一方の入力端子がVcent点に接続され、他方の入力端子には基準電圧+3.6Vが印加され、出力端子はポンプセル14の端子Ip+に接続されている。PID制御回路69は、第1オペアンプOP1を介して接続された酸素濃度測定セル24の端子Vs+の電位と端子COM(Vcent点)における電位との電位差が450mVとなるように、ポンプ電流Ipの通電状態をPID制御する。具体的には、PID制御回路69にて、目標制御電圧(450mV)と酸素濃度測定セル24の両端に発生する電圧Vsとの偏差がPID演算され、第2オペアンプOP2にフィードバックされることで、第2オペアンプOP2はポンプセル14にポンプ電流Ipを流す。
さらに、センサ駆動回路3は、ポンプ電流Ip2の大きさを検出し、電圧信号に変換する検出抵抗器R1と、この検出抵抗器R1の両端電圧(電位Vcentと電位Vpidとの差分)を差動増幅して酸素濃度信号Vipとして出力する差動増幅回路61とを備えている。この酸素濃度信号Vipは、信号出力端子43(図1参照)から中央演算装置2に対して出力される。
そして、中央演算処理装置2は、酸素濃度信号Vipを図示しないA/D変換回路にてデジタル値に変換した後に、保持しているマップまたは計算式に基づき、酸素濃度信号Vipに対応する酸素濃度を算出する濃度算出処理を実行する。
次に、センサ駆動回路3における酸素濃度測定セル24のインピーダンスを検出する動作について説明する。
センサ駆動回路3において、第1オペアンプOP1は、第1コンデンサC1、第1スイッチSW1と共にサンプルホールド回路を形成している。このサンプルホールド回路は、酸素濃度測定セル24のインピーダンス検出時に第1スイッチSW1をオンからオフ状態とし、酸素濃度測定セル24のインピーダンス検出のための通電直前の酸素濃度測定セル24の両端に発生する電圧Vsを保持することで、インピーダンス検出直前の電圧VsをPID制御回路69に入力する役割を果たす。
第3オペアンプOP3は、詳細は後述するが、基本的な動作として、第1オペアンプOP1に保持されているホールド値(インピーダンス検出用の電流を通電する直前の酸素濃度測定セル24の電圧Vs)と、酸素濃度測定セル24にインピーダンス検出用の電流−Iconstを通電した際のVs+電位(第4オペアンプOP4の出力電位)との差分に応じた電圧変化量ΔVsを出力する。この電圧変化量ΔVsは、酸素濃度測定セル24のバルク抵抗値に略比例することから、酸素濃度測定セル24のインピーダンスを表すインピーダンス信号Vrpvsとして利用可能である。つまり、第3オペアンプOP3は、電圧変化量ΔVsを出力すると共に、酸素濃度測定セル24のバルク抵抗値に略比例するインピーダンス信号Vrpvsを出力する。
ここで、本実施形態のセンサ制御装置1では、第3オペアンプOP3、抵抗器R3〜R8とから構成される差動増幅型の演算増幅回路(即ち、差動増幅回路)90を構成している。このように、本実施形態のセンサ制御装置1では、インピーダンスを検出するために必要となる演算増幅回路90を差動増幅型としているので、2つの入力端子に共通して侵入するノイズを適切に除去することができるから、ノイズの影響が非常に少ない適切なインピーダンス信号Vrpvsを出力することができる。
上記した演算増幅回路90のうち、第3オペアンプOP3の非反転入力端子(+端子)には、抵抗値R3を介して第1オペアンプOP1に保持されているホールド値、さらに抵抗器R5を介して基準電位(例えば、0V)が加えられている。なお、この抵抗器R5と並列に、第4スイッチSW4と抵抗器R6とが直列接続された回路が接続されている。このため、第4スイッチSW4をオン、オフすることで、第3オペアンプOP5の非反転入力端子と基準電位との間の抵抗値を、抵抗器R5と、抵抗器R5,R6の並列接続の合成値のいずれかに切り替えることができる。
なお、抵抗器R5,R6の抵抗値は、後述する抵抗器R7,R8の抵抗値とそれぞれ等しくされており、R5=R7=120kΩ、R6=R8=60kΩに設定されている。
一方、演算増幅回路90の反転入力端子(−端子)には、抵抗器R4を介して酸素濃度測定セル24にインピーダンス検出用の電流−Iconstを通電した際のVs+電位が、さらに、抵抗器R7を介して第3オペアンプOP3自身の出力が入力されている。なお、この抵抗器R7とは並列に、第4スイッチSW4と抵抗器R8とが直列接続された回路が接続されている。このため、第4スイッチSW4のオン、オフを行うことにより、第3オペアンプOP3の反転入力端子と第3オペアンプOP3自身の出力との間に介在する帰還抵抗の抵抗値を、抵抗器R7の抵抗値と、抵抗器R7,R8の並列接続の合成値のいずれかに切り替えることができる。この切替えにより、演算増幅回路90の増幅度を変化させることができ、設定されている増幅度にて増幅されたインピーダンス信号Vrpvsが出力される。
即ち、本実施形態では、第3オペアンプOP3の非反転入力端子及び反転入力端子に接続されるそれぞれの第4スイッチSW4を同期して切り替えることで、2通りの増幅度のいずれかに切り替えることができる。具体的な増幅度としては、第4スイッチSW4がオン状態のときには、増幅度は、4倍(×4)という第1増幅度となり、第4スイッチSW4がオフ状態のときには、増幅度は、第1増幅度よりも大きい12倍(×12)という第2増幅度となる。なお、この増幅度の切替えは、中央演算処理装置2の指令に従って制御されるが、その制御の処理内容の詳細は後述する。
そして、演算増幅器90(第3オペアンプOP3)から出力されたインピーダンス信号Vrpvsは、第5オペアンプOP5を介して、中央演算処理装置2に出力される。この第5オペアンプOP5は、第2コンデンサC2、第2スイッチSW2、抵抗器R2と共に信号ホールド回路を形成している。この信号ホールド回路は、まず、酸素濃度測定セル24のインピーダンス検出時に第2スイッチSW2がオフからオン状態になると、第3オペアンプOP3から電圧変化量ΔVsが入力される。その後、第2スイッチSW2がオンからオフ状態になると、この信号ホールド回路は、第2スイッチSW2がオン状態の時に第3オペアンプOP3から出力された電圧変化量ΔVsを第2コンデンサC2にて保持すると共に、電圧変化量ΔVsを表すインピーダンス信号Vrpvsを、信号出力端子41を介して、中央演算処理装置2に対して出力する。
そして、中央演算処理装置2は、インピーダンス信号Vrpvsを図示しないA/D変換回路にてデジタル値に変換した後に、保持しているマップまたは計算式に基づき、インピーダンス信号に対応する酸素濃度測定セル24のインピーダンス、ひいては酸素センサ5の温度を算出する温度検出処理を実行する。
なお、センサ駆動回路3において、第1スイッチSW1は、第1オペアンプOP1、即ち、サンプルホールド回路における電圧ホールド動作を制御する。第2スイッチSW2は3個備えられており、その内訳は、酸素濃度測定セル24のインピーダンス検出用の一定電流−Iconstを流すための電流源63,65をオン・オフ制御するための2個と、第5オペアンプOP5を含めて構成される信号ホールド回路における信号ホールド動作を制御するための1個からなる。また、第3スイッチSW3は2個備えられており、第2スイッチSW2にて流されるインピーダンス検出用の電流−Iconstとは逆極性の一定電流+Iconstを流すための電流源64,66をオン・オフ制御するための2個である。2個設けられる第4スイッチSW4は、上述したように、演算増幅回路90の増幅度の切替え制御を行う役割を果たす。
これら第1〜第3スイッチSW1〜SW3は、制御部59からの指令に基づいて状態(オン、オフ状態)が制御される。なお、制御部59は、温度検出処理が開始されたことを通知する通知信号Sr(図1参照)を中央演算処理装置2から受け取った後、自身に設けられたタイマー回路のタイマカウントに応じて、第1〜第3スイッチSW1〜SW3の状態(オン、オフ状態)を制御するように動作する。一方、第4スイッチSW4のオン、オフ状態は、中央演算処理装置2から出力される切り替え指令に基づいて直接制御される。なお、この切り替え指令は、センサ駆動回路3の入力端子45を介して、中央演算処理装置2から入力される。
次いで、中央演算処理装置2において実行される酸素センサ5(酸素濃度測定セル24)のインピーダンスの検出方法の具体的な手順、即ち、酸素センサ5の温度を検出する温度検出処理について、図3を参照して説明する。この温度検出処理は、中央演算処理装置2の起動直後から自身の処理を開始する。
なお、この温度検出処理の開始と同期して、中央演算処理装置2では、ヒータ通電制御回路6を用いてヒータ80を加熱させるためのヒータ制御処理を別途に実行する。このヒータ通電制御処理は、温度制御処理にて検出された酸素センサ5の温度に基づいて、酸素センサ5を活性温度以上の目標温度に設定するためにヒータ80への投入電力を制御するヒータ制御処理であるが、このヒータ制御処理の内容は公知であることから、公知の手法を採用すればよい。そのため、本明細書でのヒータ制御処理の詳細説明は省略する。
中央演算処理装置2において温度検出処理が開始されると、まず、S10にて、初期化処理が行われる。この初期化処理では、演算増幅回路90を構成する第4スイッチSW4をオン状態とする切替え指令をセンサ駆動回路3に対して出力し、演算増幅回路90の増幅度を第1増幅度に設定する。また、演算増幅度90の増幅度が第1か第2かであるかを認識するための増幅切替えフラグを、初期状態では第1増幅度であると認識するために「1」にセットする。さらに、制御部59に対して、温度検出処理が開始されたことを通知する通知信号Srを出力する。
その後、S20に進み、センサ駆動回路3から出力されるインピーダンス信号Vrpvsの検出タイミングを経過したか否かを判定する。このS20にて検出タイミングを経過したと判定される(S20:YES)と、S30に進み、インピーダンス信号Vrvsを検出する(A/D変換する)。一方、S20にて検出タイミングを経過していないと判定される(S20:NO)と、S20の処理を繰り返す。
次いで、S40に進み、所定の計算式、あるいは、インピーダンス信号Vrpvsと酸素濃度測定セル24のインピーダンスとの相関関係を示したデータ(例えば、2次元マップ)を用いて、S30にて検出したインピーダンス信号Vrpvsに基づき、酸素濃度測定セル24のインピーダンスRpvsを算出する。その後、S50では、S40にて検出されたインピーダンスRpvsに基づき、酸素濃度測定セル24(酸素センサ5)の温度が算出される。このS50にて算出された酸素センサ5の温度の情報は、上述したように、中央演算処理装置2にて別途に実行されるヒータ制御処理に用いられることになる。
S50の処理後は、S60に進み、S40にて算出されたインピーダンスRpvsが活性判定しきい値TH3(400Ω)以下であるか否かを判定する。このS60にて肯定判定される(S60:YES)と、S70に進む。一方、S60にて否定判定される(S60:NO)と、S20の処理に戻る。
S70では酸素濃度測定セル24(酸素センサ5)が活性したことを受けて、中央演算処理装置2にて別途に実行される濃度検出処理を行うための濃度検出処理指示を出力する。この濃度検出処理指示の出力がなされているときには、濃度検出処理が実行され、定期的に酸素濃度信号Vipが読み込まれ、排気ガス中の酸素濃度が算出されることになる。
S70からS80に移行すると、S80では、増幅切替えフラグが「1」であるか否かを判定する。増幅切替えフラグが「1」であると判定される(S80:YES)と、S90に進み、増幅切替えフラグが「1」でないと判定される(S80:NO)と、S120に進む。
そして、S90に進むと、S40にて算出されたインピーダンスRpvsが、活性判定しきい値TH3よりも小さい値に設定された第1しきい値(200Ω)TH1を下回ったか否かを判定する。このS90にて、インピーダンスRpvsが第1しきい値TH1を下回ったと判定された(S90:YES)場合には、S100に移行し、演算増幅回路90の増幅度を第2増幅度に設定するために、センサ駆動回路3に対して、第4スイッチSW4をオフ状態とする指令(切替え指令)を出力する。センサ駆動回路3は、この指令(切替え指令)を受け、演算増幅回路90の第4スイッチSW4が既にオフ状態にあるときには、その状態を維持する一方、第4スイッチSW4がオン状態にあるときには、オフ状態に切り替える。これにより、演算増幅回路90の増幅度が第2増幅度に設定される。そして、S100の処理後は、S110に進んで、増幅切替えフラグを「0」に設定し、S20の処理に戻る。なお、S190にて、インピーダンスRpvsが第1しきい値TH2を下回っていないと判定された(S90:NO)場合には、S20の処理に戻る。
一方、S120に進むと、S40にて算出されたインピーダンスRpvsが、活性判定しきい値TH3よりも小さく、且つ、第1しきい値TH1よりも大きい値に設定された第2しきい値TH2(250Ω)を上回ったか否かを判定する。このS120にて、インピーダンスRpvsが第2しきい値TH2を上回ったと判定された(S120:YES)場合には、S130に移行し、演算増幅回路90の増幅度を第1増幅度に設定するために、センサ駆動回路3に対して、第4スイッチSW4をオン状態とする指令(切替え指令)を出力する。センサ駆動回路3は、この指令(切替え指令)を受け、演算増幅回路90の第4スイッチSW4が既にオン状態にあるときには、その状態を維持する一方、第4スイッチSW4がオフ状態にあるときには、オン状態に切り替える。これにより、演算増幅回路90の増幅度が第1増幅度に設定される。そして、S130の処理後は、S140に進んで、増幅切替えフラグを「1」に設定し、S20の処理に戻る。なお、S120にて、インピーダンスRpvsが第2しきい値TH2を上回っていないと判定された(S120:NO)場合には、S20の処理に戻る。
このようにして、中央演算処理装置2では、酸素センサ5の温度を検出する温度検出処理が実行される。
次いで、温度検出処理が開始されたことを通知する通知信号Srを中央演算処理2から入力を受けたことで、制御部59が実行するインピーダンス信号測定処理の手順を、図4を用いて説明する。図4は、インピーダンス信号測定処理を示すフローチャートである。
このインピーダンス信号測定処理が開始されると、制御部59は、まずS200にて、測定タイミングを経過したか否かを判定する。そして、測定タイミングを経過した(S200:YES)と判定されると、S210に進み、第1スイッチSW1をオフ状態に設定し、第2スイッチSW2をオン状態に設定する。これにより、酸素濃度測定セル24に対してインピーダンス検出電流(−Iconst)を通電する処理を実行する。第1スイッチSW1をオフ状態に設定することで、第1オペアンプOP1及び第1コンデンサC1を備えるサンプルホールド回路は、インピーダンス検出電流を通電する直前の酸素濃度測定セル24の両端電圧Vsを保持する。また、S200にて測定タイミングを経過していない(S200:NO)と判定されると、S200の処理を繰り返し行う。
その後、S220にて、予め設定された検出待機時間(例えば60μs)が経過したか否かを判定する。ここで、検出待機時間が経過していない(S220:NO)場合には、S220の処理を繰り返し行う。一方、検出待機時間が経過した(S220:YES)場合には、S230に進み、第2スイッチSW2をオフ状態に設定し、酸素濃度測定セル24に対するインピーダンス検出電流の通電を停止する処理を実行する。
また、第2スイッチSW2をオフ状態にすることで、第3オペアンプOP3から第2スイッチSW2を介して第5オペアンプOP5に至る通電経路が遮断され、第2コンデンサC2に電圧変化量ΔVsが保持される。つまり、第5オペアンプOP5及び第2コンデンサC2を備える信号ホールド回路は、第2スイッチSW2がオンからオフ状態になると、第2スイッチSW2がオン状態の時に第3オペアンプOP3(演算増幅回路90)から出力されたインピーダンス信号Vrpvsを保持する。さらに、信号ホールド回路は、保持しているインピーダンス信号Vrpvsを中央演算処理装置2に対して出力する。
次にS240にて、第3スイッチSW3をオン状態に設定することで、酸素濃度測定セル24に対して、インピーダンス検出電流(−Iconst)とは極性が異なる逆極性電流(+Iconst)を通電する処理を実行する。このように逆極性電流を通電するのは、酸素濃度測定セル24を構成する固体電解質体の配向現象によって内部起電力が影響を受け本来の酸素濃度差を反映する内部起電力値を出力しない状態から、正常な状態に復帰するまでの復帰時間を短縮させるためである。
そして、S250に進み、予め設定された逆極性通電時間(例えば60μs)が経過した否かを判定する。ここで、逆極性通電時間が経過していない(S250:NO)場合には、S250の処理を繰り返し行う。一方、逆極性通電時間が経過した(S250:YES)場合には、S260にて、第3スイッチSW3をオフ状態に設定することで、酸素濃度測定セル24に対する逆極性電流の通電を停止する処理を実行する。
そして、S270にて、予め設定された安定化待機時間(例えば600μs)が経過したか否かを判断する。ここで、安定化待機時間が経過していない(S270:NO)場合には、S270の処理を繰り返し行う。一方、安定化待機時間が経過した(S270:YES)場合には、S280にて、第1スイッチSW1をオン状態に設定する処理を実行する。第1スイッチSW1をオン状態に設定することで、酸素濃度測定セル24における端子Vs+の電位が第1オペアンプOP1に入力されると共に、その電位が第1オペアンプOP1からPID制御回路69に入力される。PID制御回路69は、第1オペアンプOP1を介して接続された酸素濃度測定セル24の端子Vs+の電位とVcent点における電位との電位差が450mVとなるように、ポンプ電流Ipの大きさをPID制御する。
そして、S280の処理が終了すると、インピーダンス信号測定処理を終了する。なお、インピーダンス信号測定処理が終了した後は、第5オペアンプOP5及び第2コンデンサC2を備える信号ホールド回路が、保持しているインピーダンス信号Vrpvsの出力を継続して行う。
以上に説明した本実施形態のセンサ制御装置1によれば、センサセル(酸素濃度測定セル24)を介して出力される応答信号(インピーダンス信号Vrpvs)を増幅する増幅手段(演算増幅回路90)を備えており、この増幅手段が中央演算処理装置2から出力される切替え指令に応じて第1の増幅度と第2の増幅度とに切替え可能に構成されている。そして、中央演算処理装置2にて検出(算出)されるインピーダンスRpvsを単一のしきい値と比較して演算増幅回路90の増幅度の切替えを行うのではなく、増幅度の切替えを判断するためのしきい値として、所定の差を持たせた2つのしきい値TH1,TH2を用いるようにしている。
具体的には、演算増幅回路90が第1の増幅度(×4)の状態のときに、検出(算出)されるインピーダンスRpvsが第1しきい値TH1を下回ったと判定されると、演算増幅回路90の増幅度を第2の増幅度(×12)に切替え、演算増幅回路90が第2の増幅度の状態のときに、検出(算出)されるインピーダンスRpvsが、第1しきい値TH1よりも大きな値に設定された第2しきい値TH2を上回ったと判定されると、演算増幅回路90の増幅度を第1の増幅度に切替えるように構成している。これにより、中央演算処理装置2にて算出されるインピーダンスRpvsがこれらのしきい値に近接した値となったときに、A/D変換回路の変換誤差等の影響でわずかなインピーダンスの値の変動によって演算増幅回路90の増幅度が第1と第2とに頻繁に入れ替わる現象が防止される。
従って、本実施形態のセンサ制御装置1によれば、酸素センサ5のインピーダンスRpvsを広範囲にわたって高精度に検出することができる。
なお、以上に説明した実施形態において、酸素濃度測定セル24は本発明におけるセンサセル、インピーダンス検出用電流(−Iconst)が検出用信号、インピーダンス信号Vrpvsが応答信号、演算増幅回路90が増幅手段、中央演算処理装置2が切替え指令出力手段、中央演算処理装置2およびヒータ通電制御回路6がヒータ制御手段に、それぞれ相当する。また、端子Vs+が本発明における第1接続点、第1オペアンプOP1、第1コンデンサC1及び第1スイッチSW1がホールド手段に、第3オペアンプOP3がオペアンプに、それぞれ相当する。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り、種々の形態を採ることができる。
例えば、上記実施形態では、酸素濃度測定セル24のインピーダンスを検出するにあたり、一時的にインピーダンス検出用電流を流し、それに応答して出力される電圧変化量ΔVsを測定するようにしたが、一次的にインピーダンス検出用電圧を印加し、それに応答して出力される電流変化量を測定するようにしてインピーダンスを検出(算出)するようにしても良い。
センサ制御装置1の概略構成図である。 酸素センサ5の概略構成図である。 中央演算処理装置2にて実行されるインピーダンスRpvs検出を含む温度検出処理の流れを示すフローチャートである。 中央演算処理装置2にて実行されるインピーダンス信号測定処理の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
1 センサ制御装置
2 中央演算処理装置
3 センサ駆動回路
5 酸素センサ
6 ヒータ通電制御回路
14 ポンプセル
24 酸素濃度測定セル
59 制御部
90 演算増幅回路
63〜66 電流源
80 ヒータ
OP3 第3オペアンプ(オペアンプ)
SW1 第1スイッチ
SW2 第2スイッチ
SW3 第3スイッチ
SW4 第4スイッチ

Claims (4)

  1. 固体電解質体および一対の電極よりなるセンサセルを有すると共に、特定成分のガス濃度を検出するガスセンサと、
    前記センサセルのインピーダンスを検出するための検出用信号を、前記センサセルに一時的に供給する信号供給手段と、
    前記検出用信号の供給に伴い前記センサセルを介して出力される応答信号を入力すると共に、第1の増幅度にて該応答信号を増幅する増幅手段と、
    前記増幅手段から出力される前記応答信号に基づいて、前記センサセルのインピーダンスを検出する検出手段と、
    を備えるセンサ制御装置であって、
    前記増幅手段は、外部から出力される切替え指令に応じて、前記応答信号を前記第1の増幅度または該第1の増幅度とは異なる第2の増幅度に切替え可能に構成されており、
    前記検出手段にて検出される前記インピーダンスに基づいて、前記切替え指令を、前記増幅手段に出力する切替え指令出力手段を備え、
    前記切替え指令出力手段は、
    前記増幅手段が前記第1の増幅度の状態のときに、前記インピーダンスが、前記第1しきい値を下回ったと判定されると、前記増幅手段の増幅度を前記第2の増幅度に切替える切替え指令を出力し、
    前記増幅手段が前記第2の増幅度の状態のときに、前記インピーダンスが、前記第1しきい値よりも大きな値に設定された第2しきい値を上回ったと判定されると、前記増幅手段の増幅度を前記第1の増幅度に切替える切替え指令を出力する
    構成をなしている、
    ことを特徴とするセンサ制御装置。
  2. 請求項1に記載のセンサ制御装置であって、
    前記ガスセンサは、前記センサセルを加熱するためのヒータを有しており、
    前記検出手段にて検出される前記インピーダンスに基づいて、前記ヒータの通電を制御することで前記センサセルの加熱温度を制御するヒータ制御手段を備える
    センサ制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のセンサ制御装置であって、
    前記検出手段にて検出される前記インピーダンスを活性判定しきい値と比較し、前記インピーダンスが活性判定値を下回ったときに、前記センサセルが活性したと判定する活性判定手段を備え、
    前記第1しきい値及び前記第2しきい値は、いずれも、活性判定値よりも小さな値に設定されている
    センサ制御装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のセンサ制御装置であって、
    前記信号供給手段は、前記検出用信号を、前記センサセルの前記一対の電極の一方につながる第1接続点を介して供給するように構成され、
    一端が前記第1接続点に電気的接続されると共に、他端が前記センサセルの前記一対の電極の他方につながる第2接続点と電気的接続され、前記検出用信号が付与されるときに、前記第1接続点との電気的接続を遮断し、それ以前の前記第1接続点の電位を保持するホールド手段を備え、
    前記増幅手段は、オペアンプを用い、前記ホールド手段にて保持される電位と前記検出用信号が付与されているときに前記第1接続点に生じている電位とを差動増幅する差動増幅回路である
    センサ制御装置。
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