JP4860503B2 - センサ制御装置 - Google Patents

センサ制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4860503B2
JP4860503B2 JP2007042294A JP2007042294A JP4860503B2 JP 4860503 B2 JP4860503 B2 JP 4860503B2 JP 2007042294 A JP2007042294 A JP 2007042294A JP 2007042294 A JP2007042294 A JP 2007042294A JP 4860503 B2 JP4860503 B2 JP 4860503B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
change amount
detection
element impedance
time
noise
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007042294A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008203190A (ja
Inventor
雅泰 田中
浩 稲垣
典和 家田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Spark Plug Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Spark Plug Co Ltd filed Critical NGK Spark Plug Co Ltd
Priority to JP2007042294A priority Critical patent/JP4860503B2/ja
Publication of JP2008203190A publication Critical patent/JP2008203190A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4860503B2 publication Critical patent/JP4860503B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measuring Oxygen Concentration In Cells (AREA)

Description

本発明は、固体電解質体を備えるセンサ素子に接続される通電経路に素子インピーダンス検出用信号を与えたときの電圧または電流の応答変化量を検出し、検出した応答変化量に基づいてセンサ素子の素子インピーダンスを検出するセンサ制御装置に関する。
従来より、固体電解質体を備えるセンサ素子に接続される通電経路に素子インピーダンス検出用信号を与えたときの電圧または電流の応答変化量を検出し、検出した応答変化量に基づいてセンサ素子の素子インピーダンスを検出するセンサ制御装置が知られている(特許文献1、2,3)。
なお、素子インピーダンス検出用信号は、電流信号(詳細には、所定量の電流変化を伴う電流信号)であってもよく、電圧信号(詳細には、所定量の電圧変化を伴う電圧信号)であってもよい。そして、素子インピーダンス検出用信号が電流信号である場合には、応答変化量は電圧変化量であり、素子インピーダンス検出用信号が電圧信号である場合には、応答変化量は電流変化量である。
この素子インピーダンスは、センサ素子の温度に応じて変化する特性を有することから、検出された素子インピーダンスは、センサ素子の温度検出やセンサ素子を所定温度に加熱するために当該センサ素子に付設されるヒータの通電制御に利用することが可能である。
なお、センサ制御装置は、通電経路を介して、センサ素子に対して素子インピーダンス検出用信号を与える。
特開平10−048180号公報 特開2000−081414号公報 特開2006−105959号公報
しかし、上記従来のセンサ制御装置においては、素子インピーダンス検出用信号を与えるための通電経路にノイズの影響が及ぶことにより、応答変化量にノイズの影響による誤差が生じてしまい、応答変化量の検出精度が低下することがある。これに伴い、素子インピーダンスの検出精度も低下する。
なお、通電経路に影響を及ぼすノイズとしては、たとえば、内燃機関の点火プラグにおける火花放電により発生するノイズや、センサ素子を加熱するためのヒータに対する通電状態の切換により発生するノイズなどが挙げられる。
そして、上記従来のセンサ制御装置においては、一般に、応答変化量の検出が一定周期で実行されており、応答変化量の検出時期は、点火プラグの火花放電時期やヒータの通電状態の切換時期を考慮することなく、これらのノイズ発生時期とは独立して設定されていた。
このため、応答変化量の検出を繰り返し実行していると、応答変化量の検出時期が、点火プラグの火花放電時期またはヒータの通電状態の切換時期と一致することがあり、このときに検出される応答変化量にノイズの影響による誤差が生じることがある。
ここで、従来のセンサ制御装置に関し、点火プラグの火花放電時期、素子インピーダンス検出用信号として電流信号を用いて応答変化量(電圧変化量)を検出する時期、検出された応答変化量(電圧変化量)(換言すれば、素子インピーダンス信号)について、それぞれの変化状態を表したタイムチャートを、図6に示す。なお、このときのセンサ素子の温度は一定に維持されており、素子インピーダンスは一定に維持されている。また、検出された電圧変化量は、次回の検出時期まで同一値が保持される。
図6に示すように、点火プラグの火花放電時期と電圧変化量の検出時期とはそれぞれ独立して設定されているが、時刻t1においては両者のタイミングが一致している。このとき、センサ素子の素子インピーダンスが一定に維持されているにもかかわらず、点火プラグの火花放電によるノイズの影響により、電圧変化量が変動していることが判る。そして、次の検出時期(時刻t2)には、電圧変化量が正しく検出されて元の数値に戻っていることが判る。
つまり、時刻t1においては、電圧変化量の検出値に誤差が生じており、この結果、素子インピーダンスの検出値にも検出誤差が生じることになる。
そこで、本発明はこうした問題に鑑みなされたものであり、素子インピーダンス検出用信号をセンサ素子に接続される通電経路に与えたときに、ノイズの影響を抑制しつつ応答変化量を検出できるセンサ制御装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、固体電解質体を備えるセンサ素子に接続される通電経路に素子インピーダンス検出用信号を与えるとともに、通電経路に素子インピーダンス検出用信号を与えたときの電圧または電流の応答変化量を検出する応答変化量検出手段と、応答変化量に基づいてセンサ素子の素子インピーダンスを検出する素子インピーダンス検出手段と、を備えるセンサ制御装置であって、通電経路に流れる電気信号を変動させるノイズ発生時期であるか否かを判定するノイズ発生時期判定手段と、ノイズ発生時期判定手段においてノイズ発生時期ではないと判定される時期に、応答変化量検出手段を起動して応答変化量の検出を実行する検出実行手段と、応答変化量検出手段による応答変化量の検出期間中において、通電経路に流れる電気信号を変動させるノイズ発生時期であるか否かを判定する検出時ノイズ判定手段と、応答変化量検出手段にて検出される応答変化量のうち、検出時ノイズ判定手段によりノイズ発生時期と判定される時期に検出される応答変化量を、素子インピーダンスの検出に使用するのを禁止する使用禁止手段と、を備えることを特徴とするセンサ制御装置である。
このセンサ制御装置は、ノイズ発生時期判定手段がノイズ発生時期であるか否かを判定し、ノイズ発生時期ではないと判定される時期に、検出実行手段が、応答変化量検出手段を起動して応答変化量の検出を実行する、という構成を有している。
つまり、このセンサ制御装置は、応答変化量検出手段の起動時期をノイズ発生時期とは異なる時期に設定することから、ノイズの影響が通電経路に及ぶのを抑制した状態で、応答変化量を検出することが可能となる。
よって、本発明のセンサ制御装置は、ノイズの影響による誤差の発生を抑制しつつ応答変化量を検出できる。これにより、本発明のセンサ制御装置は、素子インピーダンスの検出精度が低下することを抑制できる。
なお、本発明において、応答変化量検出手段が電圧の応答変化量を検出するには、素子インピーダンス検出用信号として電流信号(より詳細には、所定量の電流変化を伴う電流信号)を通電経路に与えればよい。また、応答変化量検出手段が電流の応答変化量を検出するには、素子インピーダンス検出用信号として電圧信号(より詳細には、所定量の電圧変化を伴う電圧信号)を通電経路に与えればよい。
ところで、応答変化量検出手段による応答変化量の検出に一定の時間を要する場合には、応答変化量検出手段の起動時期においてはノイズ発生時期ではないとしても、応答変化量の検出期間中において、ノイズが発生する場合がある。
そこで、本発明(請求項1)のセンサ制御装置においては、応答変化量検出手段による応答変化量の検出期間中において、通電経路に流れる電気信号を変動させるノイズ発生時期であるか否かを判定する検出時ノイズ判定手段と、応答変化量検出手段にて検出される応答変化量のうち、検出時ノイズ判定手段によりノイズ発生時期と判定される時期に検出される応答変化量を、素子インピーダンスの検出に使用するのを禁止する使用禁止手段と、を備えている。
つまり、応答変化量検出手段を起動して応答変化量の検出を開始した後、応答変化量の検出が終了する前にノイズ発生時期が到来した場合には、検出時ノイズ判定手段がノイズ発生時期であると判定する。そして、使用禁止手段は、この時期に検出される応答変化量について、素子インピーダンスの検出に使用することを禁止する。
これにより、応答変化量検出手段の起動から応答変化量の検出終了までにノイズが発生した場合であっても、そのノイズの影響を受けている応答変化量は、素子インピーダンスの検出に使用されない。
よって、本発明によれば、応答変化量検出手段の起動から応答変化量の検出終了までに発生するノイズの影響を抑制しつつ、応答変化量を検出できるとともに、素子インピーダンスの検出精度が低下することを抑制できる。
なお、検出時ノイズ判定手段にて判定するノイズ発生時期は、ノイズ発生時期判定手段にて判定するノイズ発生時期と同様に、少なくとも通電発熱手段に対する通電状態の切換時期または点火プラグにおける火花発生時期を含むように設定することができる。
次に、上述のセンサ制御装置においては、請求項2に記載のように、センサ素子は、電力供給されることで発熱する通電発熱手段により固体電解質体が加熱される構成であり、ノイズ発生時期判定手段は、少なくとも通電発熱手段に対する通電状態の切換時期をノイズ発生時期として判定する、という構成を採ることができる。
つまり、センサ素子を加熱するための通電発熱手段は、センサ素子に近接して備えられることから、素子インピーダンス検出用信号を与えるための通電経路に近接した状態で配置される。そして、通電発熱手段に対する通電状態の切換時期(例えば、通電開始時期、通電停止時期など)には、通電発電手段に対する通電電流の変化に伴うノイズが発生し、そのノイズが通電経路に影響を及ぼすことになる。
そのため、少なくとも通電発熱手段に対する通電状態の切換時期をノイズ発生時期として判定することで、通電発熱手段に対する通電状態の切換時期を避けて、応答変化量検出手段を起動するようにしている。
よって、本発明によれば、通電発熱手段に対する通電状態の切換時期に発生するノイズの影響を抑制しつつ、応答変化量を検出できるとともに、素子インピーダンスの検出精度が低下することを抑制できる。
次に、上述のセンサ制御装置においては、請求項3に記載のように、センサ素子は、電力供給されることで火花を発生する点火プラグを有する内燃機関に備えられており、ノイズ発生時期判定手段は、少なくとも点火プラグにおける火花発生時期をノイズ発生時期として判定する、という構成を採ることができる。
内燃機関における点火プラグの火花発生時期には、点火プラグに対して点火コイルなどの電圧源から高電圧が供給されることになる。そのため、このような点火プラグに高電圧を供給するための電圧源に近接した状態で、素子インピーダンス検出用信号が与えられる通電経路が配置されると、点火プラグの火花発生時期(換言すれば、点火プラグへの高電圧供給時期)に当該通電経路にノイズの影響が及ぶ虞がある。
そのため、少なくとも点火プラグの火花発生時期を、ノイズ発生時期として判定することにより、点火プラグの火花発生時期を避けて、応答変化量検出手段を起動するようにしている。
よって、本発明によれば、点火プラグの火花発生時期に発生するノイズの影響を抑制しつつ、応答変化量を検出できるとともに、素子インピーダンスの検出精度が低下することを抑制できる。
なお、ノイズ発生時期判定手段は、点火プラグの火花発生時期および通電発熱手段に対する通電状態の切換時期を、それぞれノイズ発生時期として判定してもよい。
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
まず、本発明が適用されたセンサ制御装置1の概略構成図を図1に示す。
センサ制御装置1は、各種制御処理を実行する中央演算処理装置2と、ガス濃度センサ素子8に接続されるセンサ特性検出回路3と、ヒータ制御回路60と、を備えている。
センサ特性検出回路3は、内燃機関の排気管に設けられるガス濃度センサ素子8に接続されている。そして、センサ特性検出回路3は、ガス濃度センサ素子8の素子インピーダンスに応じて変化する素子インピーダンス信号を検出し、検出した素子インピーダンス信号を中央演算処理装置2に対して出力する。また、センサ特性検出回路3は、素子インピーダンス信号の他に、ガス濃度センサ素子8からガス検出信号Vipを検出し、検出したガス検出信号Vipを中央演算処理装置2に対して出力する機能も有している。なお、ガス検出信号Vipは、ガス濃度センサ素子8が検出する特定ガスのガス濃度に応じて変化する。
中央演算処理装置2は、CPU、RAM、ROM、I/Oインタフェース等を備えるマイクロコンピュータを主体として構成されている。そして、中央演算処理装置2は、各部から受信した各種情報を用いて各種制御処理を実行する。
例えば、中央演算処理装置2は、センサ特性検出回路3から受信した素子インピーダンス信号を用いてガス濃度センサ素子8の温度を検出する温度検出処理、ガス濃度センサ素子8を目標温度に設定するためにヒータへの供給電力量を制御するヒータ制御処理など、を実行する。また、中央演算処理装置2は、センサ特性検出回路3から受信したガス検出信号に基づき、測定対象ガス(排気ガスなど)における特定ガス濃度(酸素濃度など)を検出するガス濃度検出処理、内燃機関の各部の状態に基づき点火時期を演算し、その点火時期で燃料混合気への点火を行うように点火プラグへの点火指令を行う点火制御処理、などを実行する。
ヒータ制御回路60は、中央演算処理装置2からの切換指令に基づき、ヒータ70に対する通電制御を行う。つまり、ヒータ制御回路60は、中央演算処理装置2から通電開始指令を受け取るとヒータ70に対して通電を行い、中央演算処理装置2から通電停止指令を受け取るとヒータ70への通電を停止することで、ヒータ70に対する通電制御を実行する。なお、ヒータ70は、ガス濃度センサ素子8を加熱するために備えられている。
ここで、ガス濃度センサ素子8の概略構成図を図2に示すと共に、ガス濃度センサ素子について簡単に説明する。
ガス濃度センサ素子8は、ポンプセル14と、多孔質拡散層18と、起電力セル24と、補強板30とを積層することにより構成されている。
ポンプセル14は、酸素イオン伝導性固体電解質体である部分安定化ジルコニア(ZrO2 )により形成され、その表面と裏面のそれぞれに主として白金で形成された多孔質電極12、16を有している。なお、多孔質電極12は、多孔質状の保護層15に覆われており、保護層15は、多孔質電極12の被毒を防止するための被毒防止層として備えられている。
また、起電力セル24は、同じく酸素イオン伝導性固体電解質体である部分安定化ジルコニア(ZrO2 )により形成され、その表面と裏面のそれぞれに主として白金で形成された多孔質電極22、28を有している。
ポンプセル14のうちで中空の拡散室20に臨む多孔質電極16と、起電力セル24のうちで中空の拡散室20に臨む多孔質電極22とは、互いに導通されるとともに、ガス濃度センサ素子8の端子COMに接続されている。なお、端子COMは、通電経路42および抵抗器Rを介して、センサ特性検出回路3のVcent点に接続されている(図1参照)。
また、ポンプセル14の多孔質電極12は、ガス濃度センサ素子8の端子Ip+に接続され、起電力セル24の多孔質電極28は、ガス濃度センサ素子8の端子Vs+に接続されている。なお、端子Ip+は、センサ特性検出回路3における第2オペアンプOP2の出力端子に接続され、端子Vs+は、通電経路40を介して、センサ特性検出回路3における第4オペアンプOP4の非反転入力端子+に接続されている(図1参照)。
また、補強板30は、起電力セル24の多孔質電極28を閉塞しつつ、多孔質電極28の内部に基準酸素室26を形成するように、起電力セル24に積層されている。
ポンプセル14と起電力セル24との間には、多孔質拡散層18により包囲された拡散室20が形成されている。即ち、この拡散室20は、多孔質拡散層18を介して測定ガス雰囲気と連通されている。なお、本実施態様では、多孔質物質を充填して成る多孔質拡散層18を用いるが、この代わりに小孔を配設することも可能である。
なお、図1に示すように、ガス濃度センサ素子8の近傍には、ヒータ70(図2では図示省略)が配置されており、ガス濃度センサ素子8は、ヒータ70による加熱によりポンプセル14および起電力セル24が活性化することで、ガス検出(酸素濃度検出)が可能となる。
図1に戻り、ガス濃度センサ素子8を用いて酸素濃度を測定する際の、センサ特性検出回路3における動作について説明する。
センサ特性検出回路3では、定電流源回路62より起電力セル24に一定の微小電流Icpを流しつつ、起電力セル24の両端に発生する電圧Vsが450mVになるように、ポンプセル14に流すポンプ電流Ipを制御して、拡散室20における酸素の汲み入れないし汲み出しを行う。つまり、起電力セル24の両端に発生する電圧Vsが450mVになるように、拡散室20の酸素濃度をポンプセル14を用いて調整するのである。
そして、ポンプセル14に流れるポンプ電流Ipの電流値及び電流方向は、排気ガス中の酸素濃度(空燃比)に応じて変化することから、このポンプ電流Ipに基づいて排気ガス中の酸素濃度を算出することができる。なお、起電力セル24に対して、拡散室20の酸素を多孔質電極28の側に汲み出す方向に微小電流Icpを流すことで、基準酸素室26は内部酸素基準源として機能する。
また、センサ特性検出回路3は、定電流源回路62のほか、第1オペアンプOP1から第5オペアンプOP5、第1スイッチSW1から第3スイッチSW3、PID制御回路69など、を備えて構成されている。そして、定電流源回路62、起電力セル24、抵抗器Rは、この順に接続されて、微小電流Icpを流す電流路を構成している。
第2オペアンプOP2は、一方の入力端子がVcent点に接続され、他方の入力端子には基準電圧+3.6Vが印加され、出力端子はポンプセル14の端子Ip+に接続されている。PID制御回路69は、第1オペアンプOP1を介して接続された起電力セル24の端子Vs+の電位とVcent点における電位との電位差が450mVとなるように、ポンプ電流Ipの大きさをPID制御する。具体的には、PID制御回路69にて、目標制御電圧(450mV)と起電力セル24の両端に発生する電圧Vsとの偏差がPID演算され、第2オペアンプOP2にフィードバックされることで、第2オペアンプOP2は、ポンプセル14にポンプ電流Ipを流す。
さらに、センサ特性検出回路3は、ポンプ電流Ipの大きさを検出し、電圧信号に変換する検出抵抗R1と、この検出抵抗R1の両端電圧(電位Vcentと電位Vpidとの差分)を差動増幅してガス検出信号(Vip信号)として出力する差動増幅回路61と、を備えている。このガス検出信号(Vip信号)は、ガス検出信号出力端子43(図1参照)から中央演算処理装置2に対して出力される。
そして、中央演算処理装置2は、ガス検出信号(Vip信号)を図示しないA/D変換回路にてデジタル値に変換した後、保持しているマップまたは計算式に基づき、ガス検出信号(Vip信号)に対応する酸素濃度値を算出する酸素濃度算出処理を実行する。また、中央演算処理装置2は、算出した酸素濃度値に基づき空燃比を検出する処理を行うと共に、目標空燃比となるように空燃比制御処理を行う。
次に、センサ特性検出回路3における起電力セル24の素子インピーダンス(温度)測定動作について説明する。
センサ特性検出回路3においては、第1オペアンプOP1は、第1コンデンサC1、第1スイッチSW1と共にサンプルホールド回路を形成している。このサンプルホールド回路は、起電力セル24のインピーダンス測定時に第1スイッチSW1をオンからオフ状態とし、起電力セル24の素子インピーダンス測定のための電流通電直前の起電力セル24の両端に発生する電圧Vsを保持することにより、素子インピーダンス測定直前の電圧VsをPID制御回路69に入力する役割を果たす。
第3オペアンプOP3は、第1オペアンプOP1に保持されているホールド値(インピーダンス測定用の電流を通電する直前の起電力セル24の電圧Vs)と、起電力セル24にインピーダンス測定用の電流−Iconst を通電した際のVs+電位(第4オペアンプOP4の出力電位)と、の差分に応じた電圧変化量ΔVsを出力する。この電圧変化量ΔVsは、起電力セル24のバルク抵抗値に比例することから、起電力セル24の素子インピーダンスを表す素子インピーダンス信号Rpvsとして利用可能である。
つまり、第3オペアンプOP3は、電圧変化量ΔVsを出力するとともに、起電力セル24のバルク抵抗値に比例する素子インピーダンス信号Rpvsを出力する。なお、素子インピーダンス信号Rpvsは、起電力セル24のバルク抵抗値に比例するとともに、起電力セル24の温度に比例する特性を有している。
そして、第3オペアンプOP3から出力された素子インピーダンス信号Rpvs(電圧変化量ΔVs)は、第5オペアンプOP5を介して、中央演算処理装置2に出力される。
第5オペアンプOP5は、第2コンデンサC2、第2スイッチSW2、抵抗R2と共に信号ホールド回路を形成している。この信号ホールド回路は、まず、起電力セル24のインピーダンス測定時に第2スイッチSW2がオフからオン状態になると、第3オペアンプOP3から電圧変化量ΔVsが入力される。そのあと、第2スイッチSW2がオンからオフ状態になると、この信号ホールド回路は、第2スイッチSW2がオン状態の時に第3オペアンプOP3から出力された電圧変化量ΔVsを第2コンデンサC2にて保持するとともに、電圧変化量ΔVsを表す素子インピーダンス信号Rpvsを素子インピーダンス信号出力端子41を介して中央演算処理装置2に対して出力する。
このようにして、センサ特性検出回路3は、素子インピーダンス信号出力端子41から中央演算処理装置2に対して電圧変化量ΔVsを表す素子インピーダンス信号Rpvsを出力する。
なお、センサ特性検出回路3において、第1スイッチSW1は、第1オペアンプOP1、即ち、サンプルホールド回路における電圧ホールド動作を制御する。また、第2スイッチSW2は、3個備えられており、起電力セル24の抵抗値測定用(インピーダンス検出用)の一定電流−Iconst を流すための電流源63,65をオン・オフ制御するための2個と、信号ホールド回路における信号ホールド動作を制御するための1個である。さらに、第3スイッチSW3は、2個備えられており、第2スイッチSW2にて流される抵抗値測定用の電流−Iconst とは逆極性の一定電流+Iconst を流すための電流源64,66をオン・オフ制御するための2個である。
そして、スイッチSW1,SW2,SW3は、制御部59からの指令に基づいて状態(オン状態、オフ状態)が制御される。
なお、制御部59は、CPU、RAM、ROM、I/Oインタフェース等を備えるマイクロコンピュータを主体として構成されている。そして、制御部59は、中央演算処理装置2からの指令に基づき、スイッチSW1,SW2,SW3の状態を制御するスイッチ制御処理を実行する。
次に、中央演算処理装置2および制御部59で実行される制御処理について説明する。
まず、中央演算処理装置2にて実行される素子インピーダンス測定処理について説明する。素子インピーダンス測定処理の処理内容を表したフローチャートを、図3に示す。
なお、素子インピーダンス測定処理は、中央演算処理装置2の電源が投入されると起動される。
素子インピーダンス測定処理が起動されると、まず、S110(Sはステップを表す。以下同様。)では、初期化処理を実行する。この初期化処理では、第1タイマTM1による時間カウントを開始する処理と、禁止フラグFPをリセットする処理と、を少なくとも実行する。
次のS120では、ヒータ70に対する通電状態の切換時期であるか否かを判定しており、肯定判定する場合には同ステップ(S120)を繰り返し実行し、否定判定する場合にはS130に移行する。
S120では、ヒータ制御回路60に対する指令(通電開始指令(通電ON指令)、通電停止指令(通電OFF指令))を切り換えるタイミングである場合には、ヒータ70に対する通電状態の切換時期であるとして肯定判定し、ヒータ制御回路60に対して指令(通電開始指令、通電停止指令)を切り換えるタイミングではない場合には、ヒータ70に対する通電状態の切換時期ではないとして否定判定する。
なお、中央演算処理装置2では、別途、ガス濃度センサ素子8を目標温度に設定するためにヒータへの供給電力量を制御するヒータ制御処理を実行しており、ヒータ制御処理によって、ヒータ制御回路60に対する指令(通電開始指令、通電停止指令)の切換が実行される。このため、S120では、ヒータ制御処理による指令の切換状態を参照して、判定を行う。
S120で否定判定されてS130に移行すると、S130では、点火プラグによる点火時期(点火タイミング)であるか否かを判定し、肯定判定する場合にはS120に移行し、否定判定する場合にはS140に移行する。
S130では、中央演算処理装置2による点火指令の出力時期を参照して、点火プラグでの火花放電が行われていると判定する場合には、点火プラグによる点火時期であるとして肯定判定し、点火プラグでの火花放電が行われていないと判定する場合には、点火プラグによる点火時期ではないとして否定判定する。
なお、中央演算処理装置2は、別途、内燃機関の各部の状態に基づき点火時期を演算し、その点火時期で燃料混合気への点火を行うように点火プラグへの点火指令を行う点火制御処理を実行しており、点火制御処理によって点火プラグに対する点火指令の出力が制御される。このため、S130では、点火制御処理による点火指令の出力状態を参照して、判定を行う。
S130で否定判定されてS140に移行すると、S140では、素子インピーダンス信号Rpvs(換言すれば、電圧変化量ΔVs)の測定時期であるか否かを判定しており、肯定判定する場合にはS150に移行し、否定判定する場合にはS120に移行する。
なお、本実施形態のセンサ制御装置1は、予め定められた測定周期毎(例えば、100ms毎)に、素子インピーダンス信号Rpvs(電圧変化量ΔVs)を測定するよう構成されており、S110にて時間カウントが開始された第1タイマTM1のカウント値に基づき、測定周期が経過したか否かを判定している。
S140で肯定判定されてS150に移行すると、S150では、第1タイマTM1のカウント値をリセットして、測定周期を判定するための時間カウントを再開する。
次のS160では、センサ特性検出回路3に対して、素子インピーダンス信号Rpvs(電圧変化量ΔVs)の測定を指示するための測定指令信号Srを出力する処理を実行する。
そして、センサ特性検出回路3の制御部59は、中央演算処理装置2から測定指令信号Srを受け取ると、電圧変化量測定処理を実行する。
ここで、センサ特性検出回路3の制御部59で実行される電圧変化量測定処理について説明する。電圧変化量測定処理の処理内容を表したフローチャートを図4に示す。
電圧変化量測定処理が開始されると、まず、S310では、第1スイッチSW1をオフ状態に設定し、第2スイッチSW2をオン状態に設定することで、ガス濃度センサ素子8の起電力セル24に対して素子インピーダンス検出電流(−Iconst )を通電する処理と、時間計測タイマを起動する処理と、を実行する。
つまり、第2スイッチSW2をオン状態に設定することで、電流源65から第2スイッチSW2、端子COM、起電力セル24、端子Vs+、第2スイッチSW2、電流源63という電流経路を形成することができ、起電力セル24に対して素子インピーダンス検出電流を通電することができる。
また、第1スイッチSW1をオフ状態に設定することで、第1オペアンプOP1および第1コンデンサC1を備えるサンプルホールド回路は、素子インピーダンス検出電流を通電する直前の起電力セル24の両端電圧Vsを保持する。
次のS320では、S310で起動した時間計測タイマによるカウント値に基づいて、予め定められた検出待機時間(本実施形態では、60[μs])が経過したか否かを判定しており、肯定判定する場合にはS330に移行し、否定判定する場合には同ステップを繰り返し実行することで、検出待機時間が経過するまで待機する。
S320で肯定判定されてS330に移行すると、S330では、第2スイッチSW2をオフ状態に設定することで、ガス濃度センサ素子8の起電力セル24に対する素子インピーダンス検出電流の通電を停止する処理を実行する。
また、第2スイッチSW2をオフ状態にすることで、第3オペアンプOP3から第2スイッチSW2および抵抗素子を介して第5オペアンプに至る通電経路が遮断されて、第2コンデンサC2に電圧変化量ΔVsが保持される。つまり、第5オペアンプOP5および第2コンデンサC2を備える信号ホールド回路は、第2スイッチSW2がオンからオフ状態になると、第2スイッチSW2がオン状態の時に第3オペアンプOP3から出力された素子インピーダンス信号Rpvsを保持する。さらに、信号ホールド回路は、保持している素子インピーダンス信号Rpvsを素子インピーダンス信号出力端子41を介して中央演算処理装置2に対して出力する。
次のS340では、第3スイッチSW3をオン状態に設定することで、ガス濃度センサ素子8の起電力セル24に対して、素子インピーダンス検出電流とは極性が異なる逆極性電流(+Iconst )を通電する処理と、時間計測タイマを起動する処理と、を実行する。
つまり、第3スイッチSW3をオン状態に設定することで、電流源64から第3スイッチSW3、端子Vs+、起電力セル24、端子COM、第3スイッチSW3、電流源66という電流経路を形成することができ、起電力セル24に対して逆極性電流を通電することができる。このように逆極性電流を通電するのは、起電力セル24を構成する酸素イオン伝導性固体電解質体の配向現象によって内部起電力が影響を受け本来の酸素濃度差を反映する内部起電力値を出力しない状態から、正常な状態に復帰するまでの復帰時間を短縮させ、素子インピーダンス信号の測定後に酸素濃度の測定を短時間で再開し得るようにするためである。
次のS350では、S340で起動した時間計測タイマによるカウント値に基づき、予め定められた逆極性通電時間(本実施形態では、60[μs])が経過したか否かを判定しており、肯定判定する場合にはS360に移行し、否定判定する場合には同ステップを繰り返し実行することで、逆極性通電時間が経過するまで待機する。
なお、本実施形態では、逆極性通電時間は、S320での判定処理に用いられる検出待機時間と等しい値に設定されている。
S350で肯定判定されてS360に移行すると、S360では、第3スイッチSW3をオフ状態に設定することで、ガス濃度センサ素子8の起電力セル24に対する逆極性電流の通電を停止する処理と、時間計測タイマを起動する処理と、を実行する。
次のS370では、S360で起動した時間計測タイマによるカウント値に基づいて、予め定められた安定化待機時間(本実施形態では、600[μs])が経過したか否かを判定しており、肯定判定する場合にはS380に移行し、否定判定する場合には同ステップを繰り返し実行することで、安定化待機時間が経過するまで待機する。
なお、安定化待機時間は、素子インピーダンス信号の測定が終了した後、本来の酸素濃度差が反映された内部起電力値を起電力セル24が出力する正常な状態に復帰するまでの復帰時間よりも長い時間に設定されている。
S370で肯定判定されてS380に移行すると、S380では、第1スイッチSW1をオン状態に設定する処理を実行する。
第1スイッチSW1をオン状態に設定することで、起電力セル24における端子Vs+の電位が第1オペアンプOP1に入力されるとともに、その電位が第1オペアンプOP1からPID制御回路69に入力される。そして、PID制御回路69は、第1オペアンプOP1を介して接続された起電力セル24の端子Vs+の電位とVcent点における電位との電位差が450mVとなるように、ポンプ電流Ipの大きさをPID制御する。
S380での処理が終了すると、電圧変化量測定処理が終了する。なお、電圧変化量測定処理が終了した後は、第5オペアンプOP5および第2コンデンサC2を備える信号ホールド回路が、保持している素子インピーダンス信号Rpvs(電圧変化量ΔVs)の出力を継続して行う。
次に、中央演算処理装置2における素子インピーダンス測定処理の説明に戻る。
図3に示すように、S160にて測定指令信号Srの出力処理が行われた後、続くS170では、第2タイマTM2による時間カウントを開始する処理を行う。
次のS180では、素子インピーダンス信号Rpvs(換言すれば、電圧変化量ΔVs)の測定期間(本実施形態では、200[μs])を経過したか否かを判定しており、肯定判定する場合にはS120に移行し、否定判定する場合にはS190に移行する。
なお、S180での判定に用いる素子インピーダンスの測定期間としては、少なくともセンサ特性検出回路3での電圧変化量測定処理(詳細には、S320)における検出待機時間よりも長い時間を設定する必要がある。本実施形態では、検出待機時間は60[μs]であり、S180での判定に用いる素子インピーダンスの測定期間(200[μs])は、余裕を含んで値が設定されている。
S180で否定判定されてS190に移行すると、S190では、ヒータ70に対する通電状態の切換時期であるか否かを判定しており、肯定判定する場合にはS210に移行し、否定判定する場合にはS200に移行する。
なお、S190では、S120と同様に、ヒータ制御処理による指令の切換状態を参照して、判定を行う。
S190で否定判定されてS200に移行すると、S200では、点火プラグによる点火時期(点火タイミング)であるか否かを判定し、肯定判定する場合にはS210に移行し、否定判定する場合にはS220に移行する。
なお、S200では、S130と同様に、点火制御処理による点火指令の出力状態を参照して、判定を行う。
S190で肯定判定されるか、S200で肯定判定されてS210に移行すると、S210では、禁止フラグFPをセットする処理を実行する。そして、S210での処理が終了すると、S120に移行する。
なお、禁止フラグFPは、センサ特性検出回路3から出力される素子インピーダンス信号の使用可否を表す指標である。つまり、禁止フラグFPがセット状態である場合には、センサ特性検出回路3から出力される素子インピーダンス信号の使用が禁止されていることを示し、禁止フラグFPがリセット状態である場合には、センサ特性検出回路3から出力される素子インピーダンス信号の使用が許可されていることを示す。
S200で否定判定されてS220に移行すると、S220では、禁止フラグFPをリセットする処理を実行する。そして、S220での処理が終了すると、S180に移行する。
つまり、S180からS220までの処理においては、センサ特性検出回路3での電圧変化量測定処理が開始された後、S330での処理が実行されるまでの期間(測定期間)において、通電経路40および通電経路42に流れる電気信号を変動させるノイズの要因となる動作が実行されたか否かを判定している。
そして、測定期間にノイズの要因となる動作が実行されない場合には、S180,S190,S200,S220の処理を繰り返し実行することで、禁止フラグFPをリセット状態に維持し、このときに測定された素子インピーダンス信号Rpvs(電圧変化量ΔVs)の使用を許可する。なお、ノイズの要因となる動作が実行されない状態で測定期間が経過すると、S180で肯定判定されて、S120に移行する。
他方、測定期間にノイズの要因となる動作が実行された場合には、S190またはS200で肯定判定されてS210での処理を実行することで、禁止フラグFPをセット状態に設定し、このときに測定された素子インピーダンス信号Rpvs(電圧変化量ΔVs)の使用を禁止する。
なお、中央演算処理装置2では、センサ特性検出回路3から素子インピーダンス信号Rpvs(電圧変化量ΔVs)を取り込み、取り込んだ素子インピーダンス信号Rpvs(電圧変化量ΔVs)を記録部(RAMなど)に記録する信号取得処理を必要に応じた時期に実施している。そして、この信号取得処理では、禁止フラグFPの状態に基づいて、センサ特性検出回路3から素子インピーダンス信号を取り込むか否かを判定している。
つまり、信号取得処理では、禁止フラグFPがリセット状態である時には、その時点においてセンサ特性検出回路3から出力されている素子インピーダンス信号(電圧変化量ΔVs)を取り込んで、その素子インピーダンス信号(電圧変化量ΔVs)を記録部に記録する処理を実行する。他方、禁止フラグFPがセット状態である時には、信号取得処理では、センサ特性検出回路3から出力されている素子インピーダンス信号(電圧変化量ΔVs)の取り込みを行わず、これにより、記録部に記録される素子インピーダンス信号(電圧変化量ΔVs)は、同じ内容がそのまま保持される。
そして、中央演算処理装置2では、センサ特性検出回路3から受信した素子インピーダンス信号Rpvs(電圧変化量ΔVs)を用いてガス濃度センサ素子8の素子インピーダンスを検出するとともに、検出した素子インピーダンスに基づいてガス濃度センサ素子8の温度を検出する温度検出処理を実行している。なお、温度検出処理では、受信した素子インピーダンス信号を直ちに用いるのではなく、記録部に記録されている素子インピーダンス信号を用いて温度検出を行う。
つまり、温度検出処理では、ガス濃度センサ素子8の温度を検出するにあたり、禁止フラグFPがリセット状態である時にセンサ特性検出回路3から受信した素子インピーダンス信号を用いることになり、禁止フラグFPがリセット状態の時に受信した素子インピーダンス信号を用いることはない。
上記のように、素子インピーダンス測定処理は、ノイズ発生時期の判定結果に基づき、センサ特性検出回路3による素子インピーダンス信号Rpvs(電圧変化量ΔVs)の測定開始時期を決定し、測定指令信号Srを出力して素子インピーダンス信号Rpvs(電圧変化量ΔVs)の検出を実行する処理を行う。
また、素子インピーダンス測定処理は、センサ特性検出回路3による素子インピーダンス信号Rpvs(電圧変化量ΔVs)の測定期間中において、ノイズ発生時期であるか否かを判定して、ノイズ発生時期に検出した素子インピーダンス信号Rpvs(電圧変化量ΔVs)の使用を禁止する処理を行う。
なお、本実施形態のセンサ制御装置1においては、センサ特性検出回路3が特許請求の範囲における応答変化量検出手段に相当し、温度検出処理を実行する中央演算処理装置2が素子インピーダンス検出手段に相当し、S120、S130を実行する中央演算処理装置2がノイズ発生時期判定手段に相当し、S160を実行する中央演算処理装置2が検出実行手段に相当している。また、S190、S200を実行する中央演算処理装置2が検出時ノイズ判定手段に相当し、S210を実行する中央演算処理装置2が使用禁止手段に相当している。さらに、ガス濃度センサ素子8がセンサ素子に相当し、ヒータ70が通電発熱手段に相当し、インピーダンス測定用の電流−Iconst が素子インピーダンス検出用信号に相当している。
ここで、本実施形態のセンサ制御装置1に関し、点火プラグの火花放電時期、測定指令信号Srの出力時期、電圧変化量の検出時期、検出された電圧変化量ΔVs(換言すれば、素子インピーダンス信号Rpvs)について、それぞれの変化状態を表したタイムチャートを、図5に示す。なお、このときのガス濃度センサ素子8の温度は一定に維持されており、素子インピーダンスは一定に維持されている。
図5に示すように、測定指令信号Srの出力時期が点火プラグの火花放電時期とは異なる時期に設定されることから、両者のタイミングが一致することはなく、これにより、点火プラグの火花放電時期と電圧変化量の検出時期とが一致することがない。このため、電圧変化量ΔVs(素子インピーダンス信号Rpvs)は、ノイズの影響を受けることがないため、値が変動することがない。
つまり、本実施形態のセンサ制御装置1によれば、センサ特性検出回路3における電圧変化量ΔVs(素子インピーダンス信号Rpvs)の検出値に誤差が生じるのを抑制することができ、中央演算処理装置2での演算により得られる素子インピーダンスの検出精度が低下するのを抑制できる。
以上説明したように、本実施形態のセンサ制御装置1は、素子インピーダンス測定処理のS120およびS130においてノイズ発生時期であるか否かを判定し、ノイズ発生時期ではないと判定(S120およびS130で否定判定)される時期に、S160にて、センサ特性検出回路3での電圧変化量の検出処理を起動する、という構成を有している。なお、S160では、詳細には、センサ特性検出回路3(詳細には、制御部59)での電圧変化量測定処理を起動して、素子インピーダンス信号Rpvs(電圧変化量ΔVs)の検出を実行する処理を行う。
つまり、センサ制御装置1の中央演算処理装置2は、センサ特性検出回路3(詳細には、制御部59)での電圧変化量測定処理の起動時期をノイズ発生時期(ヒータ通電切換時期、点火時期)とは異なる時期に設定する。このことから、センサ制御装置1は、ノイズの影響が通電経路40または通電経路42に及ぶのを抑制した状態で、電圧変化量を検出することが可能となる。
よって、センサ制御装置1は、ノイズの影響による誤差の発生を抑制しつつ素子インピーダンス信号Rpvs(電圧変化量ΔVs)を検出でき、ガス濃度センサ素子8に関する素子インピーダンスの検出精度が低下することを抑制できる。また、センサ制御装置1は、素子インピーダンスの検出精度が低下するのを抑制できることから、ガス濃度センサ素子8の温度検出に関する検出精度の低下を抑制することができる。
また、センサ制御装置1は、中央演算処理装置2にて実行する素子インピーダンス測定処理において、センサ特性検出回路3による素子インピーダンス信号Rpvs(電圧変化量ΔVs)の測定期間中において、ノイズ発生時期であるか否かを判定している(S190,S200)。そして、素子インピーダンス測定処理では、センサ特性検出回路3による素子インピーダンス信号Rpvs(電圧変化量ΔVs)の測定期間中において、ノイズ発生時期であると判定(S190またはS200で肯定判定)すると、このときに検出した素子インピーダンス信号Rpvs(電圧変化量ΔVs)の使用を禁止する処理(S210)を行う。
これにより、センサ特性検出回路3(詳細には、制御部59)での電圧変化量測定処理の起動から、素子インピーダンス信号Rpvs(電圧変化量ΔVs)の検出完了までに、ヒータ70への通電切換または点火プラグの火花放電によりノイズが発生した場合には、そのノイズの影響を受けている素子インピーダンス信号Rpvs(電圧変化量ΔVs)は、素子インピーダンスの検出に使用されない。
よって、センサ制御装置1によれば、センサ特性検出回路3(詳細には、制御部59)での電圧変化量測定処理の起動から素子インピーダンス信号Rpvs(電圧変化量ΔVs)の検出完了までに発生するノイズの影響を抑制しつつ、素子インピーダンス信号Rpvs(電圧変化量ΔVs)を検出できる。これにより、センサ制御装置1は、ガス濃度センサ素子8に関する素子インピーダンスの検出精度が低下することを抑制できるとともに、ガス濃度センサ素子8の温度検出に関する検出精度の低下を抑制することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
例えば、上記実施形態では、判定対象となるノイズ発生時期として、ヒータ70への通電切換時期、点火プラグの火花放電時期が挙げられているが、ノイズ発生時期はこれら2つに限られることはない。
例えば、コモンレールを搭載したディーゼル機関に、本実施形態のガス濃度センサ素子8を含めたセンサ制御装置1が搭載される場合において、燃料を燃料室内に噴射するインジェクタの噴射時期に当該インジェクタに供給される電圧が素子インピーダンス検出用信号の通電経路にノイズを重畳する場合には、このインジェクタの噴射時期をノイズ発生時期として判定し、ノイズ発生時期ではないと判定される時期に、素子インピーダンス検出用信号を与えるようにすればよい。
また、センサ素子は、本実施形態に示したポンプセル14および起電力セル24を備える2セルタイプのガス濃度センサ素子8に限られることはなく、例えば、3セル以上のセルを有するセンサ素子であっても良く、限界電流方式の1セルタイプのセンサ素子であっても良い。
また、本実施形態のセンサ制御装置では、センサ素子のインピーダンスを検出するにあたり、電流としての素子インピーダンス検出用信号を通電経路に与え、そのときの電圧変化量を応答変化量として検出するようにしたが、電圧としての素子インピーダンス検出用信号をセンサ素子につながる電流経路に与え、そのときの電流変化量を応答変化量として検出するようにしても良い。なお、電圧としての素子インピーダンス検出用信号をセンサ素子につながる通電経路に与え、そのときの電流変化量を応答変化量として検出して素子インピーダンスを検出する手法(回路構成)については、本明細書の背景技術に挙げた特開2006−105959号公報などにて公知であるため、詳述は省略する。
さらに、タイマによる計測時間や電流値、電圧値などの具体的数値は、上記数値に限られることはなく、センサ制御装置の用途や設置環境などに応じて任意の数値を設定することができる。
センサ制御装置の概略構成図である。 ガス濃度センサ素子の概略構成図である。 素子インピーダンス測定処理の処理内容を表したフローチャートである。 電圧変化量測定処理の処理内容を表したフローチャートである。 本発明の実施形態であるセンサ制御装置に関し、点火プラグの火花放電時期、測定絵指令信号の出力時期、電圧変化量の検出時期、検出された電圧変化量(素子インピーダンス信号)について、それぞれの変化状態を表したタイムチャートである。 従来のセンサ制御装置に関し、点火プラグの火花放電時期、電圧変化量の検出時期、検出された電圧変化量(素子インピーダンス信号)について、それぞれの変化状態を表したタイムチャートである。
符号の説明
1…センサ制御装置、2…中央演算処理装置、3…センサ特性検出回路、8…ガス濃度センサ素子、40…通電経路、41…素子インピーダンス信号出力端子、42…通電経路、43…ガス検出信号出力端子、59…制御部、60…ヒータ制御回路、62…定電流源回路、63,64,65,66…電流源、69…PID制御回路、70…ヒータ。

Claims (3)

  1. 固体電解質体を備えるセンサ素子に接続される通電経路に素子インピーダンス検出用信号を与えるとともに、前記通電経路に前記素子インピーダンス検出用信号を与えたときの電圧または電流の応答変化量を検出する応答変化量検出手段と、
    前記応答変化量に基づいて前記センサ素子の素子インピーダンスを検出する素子インピーダンス検出手段と、
    を備えるセンサ制御装置であって、
    前記通電経路に流れる電気信号を変動させるノイズ発生時期であるか否かを判定するノイズ発生時期判定手段と、
    前記ノイズ発生時期判定手段においてノイズ発生時期ではないと判定される時期に、前記応答変化量検出手段を起動して前記応答変化量の検出を実行する検出実行手段と、
    前記応答変化量検出手段による前記応答変化量の検出期間中において、前記通電経路に流れる電気信号を変動させるノイズ発生時期であるか否かを判定する検出時ノイズ判定手段と、
    前記応答変化量検出手段にて検出される前記応答変化量のうち、前記検出時ノイズ判定手段によりノイズ発生時期と判定される時期に検出される応答変化量を、前記素子インピーダンスの検出に使用するのを禁止する使用禁止手段と、
    を備えることを特徴とするセンサ制御装置。
  2. 前記センサ素子は、電力供給されることで発熱する通電発熱手段により前記固体電解質体が加熱される構成であり、
    前記ノイズ発生時期判定手段は、少なくとも前記通電発熱手段に対する通電状態の切換時期をノイズ発生時期として判定すること、
    を特徴とする請求項1に記載のセンサ制御装置。
  3. 前記センサ素子は、電力供給されることで火花を発生する点火プラグを有する内燃機関に備えられており、
    前記ノイズ発生時期判定手段は、少なくとも前記点火プラグにおける火花発生時期をノイズ発生時期として判定すること、
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載のセンサ制御装置。
JP2007042294A 2007-02-22 2007-02-22 センサ制御装置 Active JP4860503B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007042294A JP4860503B2 (ja) 2007-02-22 2007-02-22 センサ制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007042294A JP4860503B2 (ja) 2007-02-22 2007-02-22 センサ制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008203190A JP2008203190A (ja) 2008-09-04
JP4860503B2 true JP4860503B2 (ja) 2012-01-25

Family

ID=39780848

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007042294A Active JP4860503B2 (ja) 2007-02-22 2007-02-22 センサ制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4860503B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5537280B2 (ja) * 2010-06-21 2014-07-02 日本特殊陶業株式会社 グロープラグの通電制御装置
JP5592914B2 (ja) * 2012-02-15 2014-09-17 日本特殊陶業株式会社 ガスセンサ制御装置
DE102012204899A1 (de) 2012-03-27 2013-10-02 Robert Bosch Gmbh Verfahren und Vorrichtungen zum Betreiben eines beheizbaren Abgassensors
JP5739839B2 (ja) 2012-05-31 2015-06-24 日本特殊陶業株式会社 ガスセンサ制御装置
JP6001411B2 (ja) 2012-10-29 2016-10-05 日本特殊陶業株式会社 ヒータ制御装置及びセンサ制御システム
JP6241385B2 (ja) * 2014-07-22 2017-12-06 株式会社デンソー 空燃比センサ制御装置
DE102019219647A1 (de) * 2019-12-16 2021-06-17 Robert Bosch Gmbh Messung des Nebenschlusswiderstands einer Lambdasonde und Korrektur dessen Einflusses
JP7354901B2 (ja) * 2020-03-30 2023-10-03 株式会社デンソー 空燃比センサ制御装置
JP7452323B2 (ja) * 2020-08-18 2024-03-19 株式会社デンソー ガス濃度検出装置

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH116813A (ja) * 1997-04-23 1999-01-12 Denso Corp ガス濃度センサの制御装置
JPH116461A (ja) * 1997-06-16 1999-01-12 Hitachi Ltd エンジン制御装置およびその記録媒体
JP3843880B2 (ja) * 2001-05-31 2006-11-08 株式会社デンソー ガス濃度センサのヒータ制御装置
JP4048200B2 (ja) * 2004-01-27 2008-02-13 日本特殊陶業株式会社 ガス検出システム
JP4572735B2 (ja) * 2004-09-07 2010-11-04 株式会社デンソー ガス濃度検出装置
JP4508123B2 (ja) * 2005-05-09 2010-07-21 日本特殊陶業株式会社 素子インピーダンス検出装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008203190A (ja) 2008-09-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4860503B2 (ja) センサ制御装置
US6228252B1 (en) Apparatus for detecting concentration of nitrogen oxide
US6214207B1 (en) Method and apparatus for measuring oxygen concentration and nitrogen oxide concentration
US8268147B2 (en) Gas sensor control device and method
EP0822326B1 (en) Temperature control for a wide range oxygen sensor
JP3436611B2 (ja) 酸素センサ用ヒータの通電制御方法及び装置
JP5062755B2 (ja) センサ制御装置
JP4415771B2 (ja) ガス濃度検出装置
US6332966B1 (en) Air/fuel ratio detecting arrangement
EP0841478B1 (en) Method of and apparatus for detecting a deteriorated condition of a wide range air-fuel ratio sensor
JP3645665B2 (ja) 全領域酸素センサの温度制御方法及び装置
JP5041488B2 (ja) センサ制御装置
JP4572735B2 (ja) ガス濃度検出装置
EP0833148A2 (en) A method and a device for controlling an air /fuel ratio sensor
JP5592914B2 (ja) ガスセンサ制御装置
JP2013250163A (ja) ガスセンサ制御装置
JP4562042B2 (ja) センサ制御装置、センサ制御方法
CN110159441A (zh) 内燃机的控制装置
JPH03272452A (ja) 空燃比センサの異常診断方法
JP6889079B2 (ja) センサ制御装置
JP2009014652A (ja) センサ制御装置
JP3869629B2 (ja) 空燃比センサの活性判定装置
JP2005331310A (ja) ガス濃度検出装置
JP3587943B2 (ja) 全領域空燃比センサの温度制御方法及び装置
JP5001086B2 (ja) センサ制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100115

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110628

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110705

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110826

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111011

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111102

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4860503

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141111

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141111

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250