JP5537280B2 - グロープラグの通電制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ディーゼルエンジンの予熱などに使用するグロープラグの通電制御装置に関する。
従来、自動車には、エンジンの始動補助や安定駆動などのために、通電によって発熱する発熱抵抗体を有するグロープラグが使用されている。また、発熱抵抗体としては、自身の温度上昇に伴い抵抗値が大きくなる正の相関関係を有するものが広く用いられている。さらに、このような発熱抵抗体を有するグロープラグに対する通電の制御方式として、定電力制御方式や抵抗値制御方式が知られている。
定電力制御方式は、グロープラグに印加した電圧及び流した電流から投入した電力を求め、さらにこれを積分して求めた積算電力量が所定の電力量となるようにグロープラグへの通電を行う制御方式である。当該制御方式によれば、投入された電力量に応じてグロープラグが発熱するため、所定の電力量を投入すれば、グロープラグを所定の温度とすることができる。
ところが、定電力制御方式においては、エンジン回転数や負荷(スロットル開度)、水温の変化等による外乱に伴ってグロープラグの発熱抵抗体が冷却された場合など、グロープラグが外部からの温度影響を受けた場合に、温度を一定に維持することが難しい。ここで、温度を一定に維持するためには、例えばECUからエンジン回転数や負荷等の情報を得るとともに、当該情報に基づいて印加する実効電圧を制御する必要があるが、処理負担の増大等の不具合を招いてしまうおそれがある。
一方で、抵抗値制御方式は、グロープラグの抵抗値が、目標温度に対応した目標抵抗値に近づくように、グロープラグへの通電を制御する方式である(例えば、特許文献1等参照)。当該制御方式によれば、グロープラグに外乱による温度変化の影響があっても、その外乱に伴うグロープラグの抵抗値変動に応じて、印加する実効電圧を変動させればよい。従って、前記方式と比較して処理負担の増大を招くことなく、グロープラグを比較的容易に一定温度に維持することができる。
ところで、抵抗値制御方式によりグロープラグの通電制御を行うためには、グロープラグの抵抗値を取得することが必要である。グロープラグの抵抗値を取得するにあたっては、ノイズによる影響を排除するために、抵抗値を複数回計測するとともに、計測された複数の抵抗値のうち最大値と最小値とを除いたものを平均化し、それをグロープラグの抵抗値として取得する手法が考えられる(例えば、特許文献2等参照)。
特開2007−292063号公報 特開2005−167972号公報
しかしながら、一般にグロープラグは、複数の気筒を有する内燃機関において、各気筒に対応して設けられるところ、ある1つのグロープラグの抵抗値は、他の複数のグロープラグの通電に伴うノイズの影響を受ける。従って、ある1つのグロープラグの抵抗値を複数計測した際において、計測された複数の抵抗値の中に、複数個の異常値が含まれてしまうといった事態が生じてしまいやすい。そのため、上記技術では、取得された抵抗値が異常値による影響を含むものとなってしまいやすく、グロープラグの通電制御を精度よく行うことができないおそれがある。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の気筒を有するとともに、各気筒に対応してグロープラグが設けられた内燃機関において、グロープラグの抵抗値が所定の目標抵抗値と一致するように通電を制御する抵抗値制御方式によって、グロープラグへの印加電圧を制御するグロープラグの通電制御装置であって、より正確なグロープラグの抵抗値を取得することができ、ひいてはグロープラグの通電制御をより精度よく行うことができるグロープラグの通電制御装置を提供することにある。
以下、上記目的を解決するのに適した各構成につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する構成に特有の作用効果を付記する。
構成1.本構成のグロープラグの通電制御装置は、複数の気筒を有するとともに、前記各気筒に対応してグロープラグが設けられた内燃機関において、前記グロープラグの抵抗値が所定の目標抵抗値と一致するように通電を制御する抵抗値制御方式によって、前記グロープラグへの印加電圧を制御するグロープラグの通電制御装置であって、
前記グロープラグの抵抗値を取得する抵抗値取得手段を備え、
前記抵抗値取得手段は、各気筒のうちの1の気筒に設けられたグロープラグの抵抗値を取得するに際して、
前記抵抗値の取得対象である対象グロープラグへの通電期間内に存在する計測期間において、前記対象グロープラグの抵抗値に関する情報を複数計測するとともに、
前記1の気筒以外の気筒に設けられたグロープラグの通電停止直後の期間である禁止期間以外の期間で計測された前記複数の抵抗値に関する情報に基づいて、前記対象グロープラグの抵抗値を取得することを特徴とする。
尚、「抵抗値に関する情報」としては、対象グロープラグの抵抗値自体だけでなく、対象グロープラグに流れる電流の電流値や、対象グロープラグに印加される電圧の電圧値など、対象グロープラグの抵抗値を取得するために必要な情報を挙げることができる。
上記構成1によれば、1の気筒に設けられたグロープラグ(対象グロープラグ)の抵抗値を取得するにあたって、他の気筒に設けられたグロープラグへの通電が停止された場合には、通電停止直後の期間を禁止期間とし、計測期間のうち禁止期間以外で計測された複数の抵抗値に関する情報に基づいて、対象グロープラグの抵抗値が取得される。換言すれば、グロープラグに対する通電が停止された直後にはノイズが発生するところ、そのノイズの影響が及ばない期間内に計測された抵抗値に関する情報に基づいて、対象グロープラグの抵抗値が取得される。このように精度の高い抵抗値に関する情報に基づくことで、より正確な対象グロープラグの抵抗値を取得することができる。その結果、グロープラグの通電制御を精度よく行うことができる
尚、「禁止期間」においては、抵抗値に関する情報の計測を行うこととしてもよいし、その計測を行わないこととしてもよい。但し、禁止期間において抵抗値に関する情報の計測を行ったとしても、対象グロープラグの抵抗値を算出する際にその情報は採用されないこととなる。
構成2.本構成のグロープラグの通電制御装置は、上記構成1において、前記計測期間は、前記対象グロープラグへの通電開始時から予め設定された所定の待機期間が経過した時点を始期とすることを特徴とする。
グロープラグに対する通電・非通電を切り替えるスイッチや、グロープラグへと電圧を供給するバッテリの能力等により、グロープラグへの通電が開始された時点からグロープラグへの印加電圧が立ち上がるまでの間に、若干の時間を要することがある。このような場合において、通電開始から電圧の立ち上がりまでの間に得られた抵抗値に関する情報に基づいて対象グロープラグの抵抗値を取得しようとすると、正確な抵抗値を取得できないおそれがある。
この点、上記構成2によれば、抵抗値に関する情報の計測が、対象グロープラグへの通電開始時から所定の待機期間だけ待ってから行われる。従って、抵抗値に関する情報の計測精度をより一層向上させることができ、ひいてはより一層正確な抵抗値を取得することができる。
尚、「待機期間」は、グロープラグへの通電が開始されてからグロープラグへの印加電圧が立ち上がるまでに要する時間であり、スイッチの構成やバッテリの能力等に応じて設定することができる。
構成3.本構成のグロープラグの通電制御装置は、上記構成2において、前記待機時間の経過時から所定時間だけ経過した時を始期とする第1期間内に計測された前記抵抗値に関する情報に基づいて、前記対象グロープラグの抵抗値を取得することを特徴とする。
例えば、前記スイッチとして電流検知機能を有するFETを用い、当該FETからの電流出力に基づいて、グロープラグの抵抗値を取得することが考えられる。このような場合には、FETからの電流出力が安定するまでに若干の時間を要することがある。また、グロープラグの印加電圧が立ち上がってから短期間の間は、電圧値が飽和せず、電圧値が飽和するまでに多少の時間が必要となる場合がある。
このようにグロープラグに流れる電流や印加される電圧が安定するまでに若干の時間が必要となり得る点を考慮して、上記構成3によれば、前記待機時間の経過時から所定時間だけ経過した時期を始期とする第1期間において計測された抵抗値に関する情報に基づいて、対象グロープラグの抵抗値が取得される。すなわち、グロープラグの抵抗値を取得(算出)するにあたって、第1期間に計測された抵抗値に関する情報、つまり、より正確であると考えられる抵抗値に関する情報が優先的に用いられる。従って、抵抗値に関する情報を一層精度よく計測することができ、ひいてはグロープラグの通電制御を一層精度よく行うことができる。
構成4.本構成のグロープラグの通電制御装置は、上記構成3において、前記第1期間内における前記抵抗値に関する情報の計測時と、前記禁止期間の少なくとも一部とが重なった場合、前記第1期間に対して時間的に最も近い時期に計測された前記抵抗値に関する情報に基づいて、前記対象グロープラグの抵抗値を取得することを特徴とする。
上記構成4によれば、第1期間に対して禁止期間が重なってしまい、より正確であると考えられる抵抗値に関する情報を計測することができなかった場合に、第1期間に対して時間的に最も近い時期に計測された抵抗値に関する情報に基づいて、対象グロープラグの抵抗値が取得される。すなわち、第1期間の直近で計測された、十分に正確な抵抗値に関する情報に基づいて対象グロープラグの抵抗値が取得される。従って、抵抗値に関する情報の計測精度を十分に維持することができ、ひいてはグロープラグの通電制御を十分に正確に行うことができる。
構成5.本構成のグロープラグの通電制御装置は、上記構成1乃至4のいずれかにおいて、前記計測期間は、前記対象グロープラグへの通電開始時から予め設定された所定の計測容認期間が経過した時点を終期とすることを特徴とする。
環境温度や充電状態、バッテリの劣化等の種々の要因によって、グロープラグへの供給電圧が変動し得る。このようにグロープラグへの供給電圧が変動してしまうと、通電時間が進むにつれて、供給電圧ごとに、計測される抵抗値に関する情報に差が生じてしまうことがある。例えば、同一のグロープラグにおいて、比較的高電圧が供給される場合と、比較的低電圧が供給される場合とを比較すると、通電の初期においては、両グロープラグの抵抗値に関する情報にほとんど差がないが、通電が進むにつれて、抵抗値に関する情報に差が生じてしまうことがある。
この点を鑑みて、上記構成5によれば、計測期間は、対象グロープラグへの通電開始から所定の計測容認期間が経過した時点が終期とされており、通電開始から比較的早い段階で抵抗値に関する情報が計測されるように構成されている。そのため、供給電圧の違いに伴う抵抗値に関する情報の差が大きくなる前に、抵抗値に関する情報を計測することができ、優れた抵抗値の計測精度を実現することができる。
構成6.本構成のグロープラグの通電制御装置は、上記構成1乃至5のいずれかにおいて、前記グロープラグの抵抗値と目標抵抗値とによりデューティ比が算出されるとともに、前記デューティ比により前記グロープラグへの印加電圧がPWM制御され、
前記抵抗値取得手段は、PWM通電の1周期中に、前記対象グロープラグの抵抗値に関する情報を複数計測し、計測した前記複数の抵抗値に関する情報に基づいて、前記対象グロープラグの抵抗値を取得することを特徴とする。
上記構成6によれば、PWM通電の1周期中に計測された複数の抵抗値に関する情報に基づいて、対象グロープラグの抵抗値が取得される。従って、算出されるデューティ比の精度をより一層向上させることができ、グロープラグの通電制御をより一層精度よく行うことができる。
構成7.本構成のグロープラグの通電制御装置は、上記構成6において、PWM通電の1周期中に、前記対象グロープラグの抵抗値に関する情報を予め設定された所定の必要数だけ計測した後、当該周期においては、前記抵抗値に関する情報の計測を行わないことを特徴とする。
上記構成7によれば、1周期中において抵抗値に関する情報が必要数計測された後は、その周期において抵抗値に関する情報の計測が行われない。そのため、処理負担の軽減を図ることができる。
GCUによってグロープラグへの通電を制御するシステムの構成を示すブロック図である。 (a)〜(d)は、各グロープラグに対するPWM信号の出力タイミングを示す説明図である。 グロープラグの抵抗値の計測タイミング等を示す説明図である。 第1期間に禁止期間が重なった場合の例を示す説明図である。 第1期間に複数の禁止期間が重なった場合の例を示す説明図である。 第1期間に複数の禁止期間が重なった場合の例を示す説明図である。 抵抗値の取得処理を示すフローチャートである。 別の実施形態における計測期間等を示す説明図である。 (a)は、グロープラグの一部破断正面図であり、(b)は、グロープラグ先端部の部分拡大断面図である。
以下に、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。通電制御装置としてのグロー制御装置(GCU)21は、グロープラグ1の通電を制御し、自動車のディーゼルエンジン(以下、「エンジン」と称す)ENの始動補助及び駆動安定性の向上のために用いられるものである。
まず、GCU21の説明に先立って、GCU21によって制御されるグロープラグ1の概略構成を説明する。
図9(a),(b)に示すように、グロープラグ1は、筒状の主体金具2と、主体金具2に装着されたシースヒータ3とを備えている。
主体金具2は、軸線CL1方向に貫通する軸孔4を有するとともに、その外周面には、エンジンENへの取付用のねじ部5と、トルクレンチ等の工具を係合させるための断面六角形状の工具係合部6とが形成されている。
シースヒータ3は、チューブ7と中軸8とが軸線CL1方向に一体化されて構成されている。
チューブ7は、鉄(Fe)又はニッケル(Ni)を主成分とする先端部が閉じた筒状チューブであり、前記チューブ7の後端は、中軸8との間で環状ゴム16により封止されている。加えて、前記チューブ7の内側には、チューブ7先端に接合される発熱コイル9と、当該発熱コイル9の後端に直列接続された制御コイル10とが酸化マグネシウム(MgO)粉末等の絶縁粉末11とともに封入されている。
発熱コイル9は、例えば、Fe−クロム(Cr)−アルミニウム(Al)系合金からなる抵抗発熱線により構成されている。一方で、制御コイル10は、例えばNiを主成分とする抵抗発熱線により構成されている。尚、発熱コイル9、及び、制御コイル10のうち少なくとも発熱コイル9は、自身の温度変化に対して自身の抵抗値が正の相関をもって変化するものである。
加えて、チューブ7には、スウェージング加工等によって、その先端部に発熱コイル9等を収容する小径部7aが形成されるとともに、その後端側において小径部7aよりも径の大きな大径部7bが形成されている。そして、この大径部7bが、主体金具2の軸孔4に形成された小径部4aに対し圧入接合されることにより、チューブ7が主体金具2の先端より突出した状態で保持されている。
中軸8は、自身の先端がチューブ7内に挿入され、制御コイル10の後端と電気的に接続されるとともに、主体金具2の軸孔4に挿通されている。中軸8の後端は主体金具2の後端から突出しており、この主体金具2の後端部においては、ゴム製等のOリング12、樹脂製等の絶縁ブッシュ13、絶縁ブッシュ13の脱落を防止するための押さえリング14、及び、通電用のケーブル接続用のナット15が先端側からこの順序で中軸8に嵌め込まれた構造となっている。
本実施形態においては、図1に示すように、複数の気筒CA,CB,CC,CDを有するエンジンENに対して、上述したグロープラグ1と同一の構成を有するグロープラグ1A,1B,1C,1Dが取付けられている。そして、各グロープラグ1A,1B,1C,1Dに対する通電制御は、本発明の特徴であるグロープラグの通電制御装置(GCU)21によって行われる。そこで次に、GCU21の構成について説明する。
GCU21は、マイクロコンピュータ31や、バッテリVAからグロープラグ1A等に対する通電のオン・オフを切り替えるためのスイッチ35A,35B,35C,35D等を備えている。
前記マイクロコンピュータ31は、バッテリVAから供給される電力によって動作するものであり、グロープラグ1に対する通電制御を行うにあたっての各種処理を行うCPU32や各種データを記憶するための記憶装置33等を備えている。
また、前記スイッチ35A〜35Dは、バッテリVAから各グロープラグ1A〜1Dに対する電力の供給経路上に1つずつ設けられている。ここで、GCU21によるグロープラグ1への通電制御は、PWM制御により行われ、スイッチ35A〜35Dは、マイクロコンピュータ31からの指示に従い、グロープラグ1A〜1Dへの通電のオン・オフを切り替えるようになっている。
尚、グロープラグ1A等の通電制御をするにあたっては、マイクロコンピュータ31により、グロープラグ1A等が制御目標とする温度にて飽和した際におけるグロープラグ1A等の抵抗値(目標抵抗値)RTARが取得されるとともに、グロープラグ1A等の抵抗値Rが前記目標抵抗値RTARと一致するように、グロープラグ1A等に対する通電が制御される。この通電制御は、例えば、グロープラグ1A等を所定温度にて維持する通電(いわゆる、アフターグロー通電)を行う場合や、エンジンENの駆動中に一旦停止したグロープラグ1Aに対する通電を再開し、グロープラグ1A等の再加熱(いわゆる、中間昇温)をする場合に行われる。通電制御について詳述すると、PI制御により、グロープラグ1A等の抵抗値Rと目標抵抗値RTARとの差分に基づいて制御実効電圧V1が設定され、設定された前記制御実効電圧V1と、GCU21からグロープラグ1への出力電圧(コントローラ出力電圧)とに基づいて、Duty比が計算される。そして、当該Duty比に基づいてグロープラグ1A等に対する通電が制御される。尚、Duty比を算出するに当たっては、GCU21からの出力電圧に代えて、バッテリVAの供給電圧を用いてDuty比を計算することとしてもよい。
また、制御実効電圧V1は、例えば、「V1=V0+K×{(RTAR−R)+(TS/TI)×Σ(RTAR−R)}」の式に基づいて設定することができる(尚、V0は基準実効電圧、Kは比例項係数,TIは積分項係数、TSはサンプリング時間であり、本実施形態では、前記係数K,TI、及び、時間TSが所定の数値に予め設定されている)。尚、基準実効電圧V0は、外乱のない状態におけるグロープラグ1の温度と当該温度に到達させるためにグロープラグ1へと印加すべき実効電圧との関係式(電圧温度関係式)から、設定された目標温度に基づいて取得される。電圧温度関係式は、グロープラグの温度と基準実効電圧V0とについてほぼ一次の相関を有するものであり、本実施形態では予め用意されている。
尚、目標抵抗値RTARの取得は次のようにして行われる。まず、基準となるグロープラグに対して、そのチューブの表面温度が目標温度で飽和するように通電し、そのときの投入電力の積算量(積算電力量)を予め求めておく。そして、エンジンENの停止時に、前記積算電力量を各グロープラグ1A〜1Dに投入するように、グロープラグ1A〜1Dへと通電を行い、前記積算電力量を投入したときのグロープラグ1A〜1Dの抵抗値をそれぞれ取得し、これを各グロープラグ1A〜1Dの補正前目標抵抗値R0として設定する。そして、この補正前目標抵抗値R0を、水温の変化や、燃焼室内におけるスワールや燃料噴射等の影響の分だけを調節することで各グロープラグ1A〜1Dの目標抵抗値RTARがそれぞれ求められる。各グロープラグ1A〜1Dのそれぞれの目標抵抗値RTARに基づいて抵抗値制御を行えば、複数のグロープラグ1A〜1D同士の固体間のバラツキが無くなるように補正されることとなる。
加えて、マイクロコンピュータ31により、前記スイッチ35A〜35Dのオン・オフタイミングが切り替えられるが、本実施形態では、図2(a)〜(d)〔尚、図2(a)〜(d)は、スイッチ35A〜35Dに出力されるPWM信号をそれぞれ例示したものである〕に示すように、PWM通電の一周期をT(例えば、25ms)としたとき、T/4(例えば、6.25ms)ずつ各スイッチ35A〜35Dに対するPWM信号のオンタイミングがずれるように設定されている。
図1に戻り、マイクロコンピュータ31は、各グロープラグ1A〜1Dの抵抗値を複数回計測するとともに、計測した複数の抵抗値から各グロープラグ1A〜1Dの抵抗値Rを取得する抵抗値取得手段34を備えている。本実施形態では、グロープラグ1A等の抵抗値Rを取得すべく、各スイッチ35A〜35Dが、電流検知機能を有するFET(電界効果トランジスタ;本実施形態では、Infineon製PROFET)を、NPN型トランジスタ等を介して動作させるように構成されており、マイクロコンピュータ31は、各FETより各グロープラグ1A〜1Dに流れる電流をそれぞれ取得できるようになっている。また、グロープラグ1A〜1Dの各電力供給用の端子に対して分圧抵抗(図示せず)が接続されており、グロープラグ1A〜1Dに印加される電圧を分圧した電圧が、マルチプレクサ36を介してマイクロコンピュータ31に入力されるようになっている。抵抗値取得手段34は、マイクロコンピュータ31に入力された電圧に基づいて各グロープラグ1A〜1Dに対する印加電圧を算出し、当該印加電圧と各グロープラグ1A〜1Dに流れる電流とから各グロープラグ1A〜1Dの抵抗値を計測している。
尚、マルチプレクサ36は、マイクロコンピュータ31により入力の選択制御がされている。本実施形態では、スイッチ35Aへと発信されるPWM信号がオンとされてからT/4の間は、グロープラグ1Aへの印加電圧を分圧した電圧がマイクロコンピュータ31に入力可能とされる。また、スイッチ35Bへと発信されるPWM信号がオンとされてからT/4の間は、グロープラグ1Bへの印加電圧を分圧した電圧がマイクロコンピュータ31に入力可能とされる。さらに、スイッチ35Cへと発信されるPWM信号がオンとされてからT/4の間は、グロープラグ1Cへの印加電圧を分圧した電圧がマイクロコンピュータ31に入力可能され、スイッチ35Dへと発信されるPWM信号がオンとされてからT/4の間は、グロープラグ1Dへの印加電圧を分圧した電圧がマイクロコンピュータ31に入力される。すなわち、抵抗値取得手段34は、T/4ごとに、グロープラグ1A〜1Dの抵抗値を順に計測するようになっている。
加えて、抵抗値取得手段34は、上述したアフターグロー通電や中間昇温に際して、T/4の間に、グロープラグ1A〜1Dの抵抗値を複数回計測し、計測した複数(本実施形態では、2)の抵抗値の平均値を算出する。そして、抵抗値取得手段34は、当該平均値をグロープラグ1A〜1Dの抵抗値Rとして取得し、取得された抵抗値Rに基づいて、GCU21によりアフターグロー通電や中間昇温等が行われるようになっている。
次いで、グロープラグ1A〜1Dの抵抗値を計測するタイミング等について説明する。以下においては、グロープラグ1Aを抵抗値Rを取得する対象(本発明の「対象グロープラグ」に相当する)として、当該グロープラグ1Aの抵抗値の計測タイミング等を説明する。尚、他のグロープラグ1B〜1Dについても同様の手法により抵抗値の計測等が行われる。
本実施形態においては、図3に示すように、基本的には、抵抗値の取得対象であるグロープラグ1Aへの通電期間内に存在する計測期間であって、所定の時間(本実施形態では、0.2ms)ごとに設定されたサンプリングタイミングST1〜ST6において、グロープラグ1Aの抵抗値の計測が可能とされている。そして、計測した複数(本実施形態では、2)の抵抗値の平均値がグロープラグAの抵抗値Rとして取得されている。
ここで、「計測期間」は、通電開始時から予め設定された所定の待機期間が経過した時点が始期とされている一方で、グロープラグ1Aへの通電開始時から予め設定された所定の計測容認期間が経過した時点が終期とされている。
「待機期間」は、PWM信号がオンとされてからグロープラグ1Aへと印加される電圧が立ち上がるまでに要する時間であり、PWM信号の入力からスイッチ35A等のFETがオンとなるまでの時間やバッテリの能力等に応じて設定される。本実施形態において、「待機期間」は、PROFETを有するスイッチ35Aからの電流出力が安定するまでに多少の時間を要することから、PWM信号がオンとされてから2.0msの間に設定されている。また、「計測容認期間」は、グロープラグへの印加電圧(バッテリ電圧)を変動させたときに、通電時間が進むほど、グロープラグの発熱により計測されるグロープラグの抵抗値に差が生じることを鑑みて、計測期間を通電開始から比較的短い時間に設定するために設けられた期間である。「計測容認期間」は、グロープラグの特性やバッテリの能力等に応じて設定することができるが、本実施形態では、PWM信号がオンとされてから3.0msの間に設定されている。当該期間内であれば、一般的に使用される電圧10V〜14Vのバッテリを用いた際に、グロープラグの抵抗値にほとんど差が生じない(例えば、10mΩ以下)ものとすることができる。
前記計測期間においては、上述の通り、サンプリングタイミングST1〜ST6において、グロープラグ1Aの抵抗値が計測可能とされているが、グロープラグ1Aの抵抗値Rを算出するにあたっては、計測期間から所定時間(本実施形態では、0.2ms)だけ経過した時間を始期とする第1期間内において計測されたグロープラグの抵抗値が優先的に用いられる。本実施形態においては、基本的に、第1期間内のうち最も初めのサンプリングタイミングST2で計測された抵抗値と、その次のサンプリングタイミングST3で計測された抵抗値との平均値がグロープラグ1Aの抵抗値Rとして算出・取得される。そして、取得されたグロープラグ1Aの抵抗値Rに基づいて、Duty比(換言すれば、PWM信号の立下りタイミング)が設定される。すなわち、PWM信号が立ち上がってから、そのPWM信号の立下りタイミングが決定されるようになっている。
上述の通り、基本的には、サンプリングタイミングST2,ST3で計測された抵抗値に基づいて、グロープラグ1Aの抵抗値Rが算出・取得されるが、本実施形態では、グロープラグ1Aが取付けられた気筒CA以外の気筒CB〜CDに設けられたグロープラグ1B〜1Dの通電停止直後の期間である禁止期間(本実施形態では、0.3ms)で計測された値を用いることなく、グロープラグ1Aの抵抗値Rが算出・取得されるようになっている。
具体的には、第1期間内における抵抗値のサンプリングタイミングの少なくとも一部と、禁止期間とが重なった場合には、第1期間内であって通電開始タイミングに対して時間的に最も近いサンプリングタイミングにて計測された抵抗値を用いて、グロープラグ1Aの抵抗値Rが算出・取得される。
従って、例えば、図4(尚、グラフ1は、スイッチ35Aに対するPWM信号を示し、グラフ2は、スイッチ35A以外のいずれかのスイッチに対するPWM信号を示す)に示すように、サンプリングタイミングST2の直前において、他の気筒におけるグロープラグの通電が停止された(PWM信号がオフとされた)場合には、禁止期間内と重なるサンプリングタイミングST2,ST3で計測された抵抗値を用いることなく、第1期間内であって通電開始タイミングに対して最も時間的に近いサンプリングタイミングであるサンプリングタイミングST4,ST5にて計測された両抵抗値に基づいてグロープラグ1Aの抵抗値Rが算出・取得される。
また、第1期間内における抵抗値のサンプリングタイミングと、禁止期間とが重なり、第1期間内においてはグロープラグ1Aの抵抗値Rを算出するために必要な数の抵抗値を計測できない場合には、計測期間内であって第1期間に対して時間的に最も近い時期に計測された抵抗値に基づいて、グロープラグ1Aの抵抗値Rが算出・取得される。
従って、例えば、図5(尚、グラフ1は、スイッチ35Aに対するPWM信号を示し、グラフ2,3は、スイッチ35A以外の2つのスイッチに対するPWM信号をそれぞれ示す)に示すように、第1期間において、サンプリングタイミングST2,ST4のそれぞれの直前において、他の気筒に設けられたグロープラグに対する通電が停止された(PWM信号がオフとされた)場合には、禁止期間内に位置するサンプリングタイミングST2〜ST5で計測された抵抗値を用いることなく、サンプリングタイミングST6にて計測された抵抗値と、計測期間内であって第1期間に対して時間的に最も近いサンプリングタイミングST1にて計測された抵抗値とに基づいて、グロープラグ1Aの抵抗値Rが算出される。
さらに、図6(尚、グラフ1は、スイッチ35Aに対するPWM信号を示し、グラフ2〜4は、スイッチ35A以外の各スイッチに対するPWM信号をそれぞれ示す)に示すように、計測期間におけるサンプリングタイミングと、禁止期間とが重なり、計測期間においてグロープラグ1Aの抵抗値Rを算出するために必要な数の抵抗値を得ることができなかった場合には、直前の周期にて得られたグロープラグ1Aの抵抗値Rを用いて、Duty比が設定される。
また、本実施形態では、PWM通電の1周期中であって前記第1期間において、グロープラグ1Aの抵抗値を所定の必要数(本実施形態では、2つ)だけ計測した後には、当該周期においては、抵抗値の計測を行わないように設定されている。
次いで、抵抗値取得手段34によるグロープラグの抵抗値Rの取得手法について、図7のフローチャートに従って説明する。図7は、抵抗値Rの取得処理を示すフローチャートである。以下においては、グロープラグ1Aを抵抗値Rを取得する対象(本発明の「対象グロープラグ」に相当する)として、当該グロープラグ1Aの抵抗値の取得手法を説明する。尚、他のグロープラグ1B〜1Dについては、T/4ごとに、同様の手順にて抵抗値の取得が順に行われる。
まず、スイッチ35Aに対するPWM信号がオンとされる以前に(例えば、エンジンキーがオンとされたときに)、グロープラグ1Aの抵抗値Rが所定の初期値に設定されるとともに、カウンタ値及び測定終了フラグがリセットされる。尚、「カウンタ値」は、PWM信号の一周期中において、スイッチ35Aに対するPWM信号がオンとされたときから所定の時間(本実施形態では、0.2ms)ごとに行われる取得処理の回数を示すものである。また、「測定終了フラグ」は、PWM信号の一周期中における、抵抗値Rの計測・非計測の判断に用いられるフラグである。
グロープラグ1Aの抵抗値Rの取得処理は、スイッチ35Aに対するPWM信号がオンとされてから、所定時間(0.2ms)ごとに行われる(尚、時間は、GCU21に設けられた図示しないタイマによって計測される)。取得処理では、まず、S11において、グロープラグ1Aに対する通電がオフとされた際(つまり、スイッチ35Aに対するPWM信号がオンからオフとされた際)の処理を行うか否かを判断すべく、グロープラグ1Aに対して通電中か否かが判定される。グロープラグ1Aに対する通電がオフである場合には(S11;No)、S51に移行し、通電がオフとされてから1回目の処理であるかがチェックされる。ここで、通電オフの後、1回目の処理である場合(例えば、カウンタ値が0でない場合)には(S51;Yes)、次の周期における抵抗値Rの取得処理に備えて、S52,S53において、カウンタ値及び測定終了フラグがリセットされ、次の周期における抵抗値Rの取得処理が開始するまで抵抗値取得手段34は待機する。一方で、通電オフの後、2回目以降の処理の場合には(S51;No)、既にカウンタ値及び測定終了フラグはクリアであるため、カウンタ値等のリセットを行うことなく、抵抗値取得手段34は、次の周期における抵抗値Rの取得処理が開始するまで待機する。
S11において、グロープラグ1Aに対して通電中である場合には(S11;Yes)、S12,S13において、カウンタ値がチェックされ、計測期間内であるか否かが判定される。ここで、カウンタ値が15以下であり(S12;Yes)、かつ、カウンタ値が10以上である場合(S13:Yes)、現時点は、抵抗値の計測を行う前記計測期間内である。そのため、既に抵抗値Rが取得されている場合(つまり、測定終了フラグが1である場合)を除き(S14;Yes)、S15において、グロープラグ1Aに印加される電圧とグロープラグ1Aを流れる電流とが計測される。尚、既に抵抗値Rが取得されている場合には、S15〜S23の行程をスキップし、S24に移行する。
次いで、S16において、計測された電圧及び電流値を前記RAMに記憶するか否かが判定される。すなわち、非計測フラグが非成立である場合には(S16;No)、計測された電圧及び電流を保存するべく、S17に移行する。一方で、非計測フラグが成立している場合には(S16;Yes)、計測された電圧及び電流値は保存されることなく、S24に移行する。尚、「非計測フラグ」は、他のスイッチ35B〜35Dに対するPWM信号がオフとなった際に成立し、成立してから前記禁止期間(0.3ms)が経過した際に非成立とされるフラグである。「非計測フラグ」は、各気筒に対応して設けられており(すなわち、非成立フラグは、気筒数と同じ数存在する)、それぞれの非計測フラグのうち少なくとも1つが成立していれば、S16において、非計測フラグが成立しているものと判定される。一方で、それぞれの非計測フラグの全てが非成立である場合に、S16において、非計測フラグが非成立と判定される。
非計測フラグが非成立である場合(S16;No)、カウンタ値が11以上15以下であるかがチェックされる(S17)。ここで、カウンタ値が11以上15以下である場合には(S17;Yes)、S15にて計測された電圧及び電流値は、抵抗値Rを算出するにあたって優先的に用いられる第1期間(サンプリングタイミングST2〜ST6)にて計測された電圧及び電流値である。そのため、その電圧及び電流値は、抵抗値Rを算出するにあたって優先的に使用される数値である「正常値」としてRAMに保存される(S18)。一方で、カウンタ値が10である場合には(S17;No)、S15にて計測された電圧及び電流値は、計測期間内であって、第1期間外に位置するサンプリングタイミングST1にて計測されたものである。従って、計測された電圧及び電流値は、抵抗値Rを算出するにあたって、正常値が所定数以上ない場合に使用される数値である「候補値」としてRAMに保存され(S19)、S24に移行する。
計測された電圧及び電流値が正常値として保存されると(S18)、S20にて正常値が抵抗値Rを算出するために必要な数(本実施形態では、2つ)存在するか否かがチェックされる。ここで、必要数の正常値が保存されていない場合(つまり、正常値が1つしか保存されていない場合)には(S20;No)、抵抗値Rの取得処理を継続すべく、S24に移行する。一方で、必要数の正常値が保存されている場合には(S20;Yes)、正常値として保存された2組の電圧及び電流値から2つの抵抗値が算出されるとともに、両抵抗値の平均値がグロープラグ1Aの抵抗値Rとして取得され、当該抵抗値Rが前記RAMに上書き保存される(S21)。次いで、S22において、次の周期における抵抗値Rの取得処理に備えて、RAMに保存された正常値及び候補値がクリアされるとともに、この周期における電圧及び電流値の計測をスキップするために、測定終了フラグが1にセットされる(S23)。次いで、S24において、カウンタ値が1つ増加させられ、抵抗値取得手段34は、次の取得処理の開始まで待機する。
S12〜S24を繰り返して、カウンタ値が15を超える〔すなわち、PWM信号がオンとなってから計測容認期間(3.0ms)が経過する〕と(S12;No)、カウンタ値が16と等しいか否か、すなわち、計測容認期間後の1回目の処理であるか否かがチェックされる(S25)。そして、計測容認期間後の1回目の処理である場合には(S25;Yes)、測定終了フラグがチェックされる(S26)。ここで、測定終了フラグが成立している場合には(S26;Yes)、第1期間で計測された電圧及び電流値(正常値)に基づいて、グロープラグ1Aの抵抗値Rが既に取得されているため、S24へと移行する。一方で、測定終了フラグが成立していない場合には(S26;No)、正常値が必要数保存されておらず、この周期におけるグロープラグ1Aの抵抗値Rが取得されていない。そこで、候補値としての電圧及び電流値が保存されている場合には(S27;Yes)、その候補値が正常値とし(S28)、S29において、正常値が抵抗値Rを算出するための必要数(本実施形態では、2つ)存在するか否かがチェックされる。尚、候補値が保存されていない場合には(S27;No)、S24に移行する。
S29において、必要数の正常値が保存されていない場合(S29;No)、又は、上述したS27において候補値が保存されていない場合(S27;No)には、抵抗値Rの上書き処理等は行われることなく、測定終了フラグが1にセットされる(S32)。尚、抵抗値Rの上書き処理当が行われないため、前記RAMには、グロープラグ1Aの抵抗値Rとして、直前の周期で取得された抵抗値R、又は、抵抗値Rの初期値が保存され続けることとなる。
一方で、必要数の正常値が保存されている場合には(S29;Yes)、正常値として保存された2組の電圧及び電流値から2つの抵抗値が算出されるとともに、両抵抗値の平均値がグロープラグ1Aの抵抗値Rとして取得され、当該抵抗値Rが前記RAMに上書き保存される(S30)。そして、次の周期における抵抗値Rの取得処理のために、S31において、正常値及び候補値がそれぞれクリアにされるとともに、S32において、測定終了フラグが1にセットされる。
S23やS32において、測定終了フラグが1にセットされると、RAMに保存されている抵抗値Rに基づいて、制御実効電圧V1が算出される。そして、当該制御実効電圧V1から、この周期におけるPWM信号のオフタイミング、すなわち、当該周期におけるDuty比が設定され、このDuty比に基づき、グロープラグ1Aへの通電が制御される。
以上詳述したように、本実施形態によれば、1の気筒に設けられたグロープラグ(対象グロープラグ)の抵抗値を計測する際において、他の気筒に設けられたグロープラグへの通電が停止された場合には、通電停止直後の期間を禁止期間とし、抵抗値Rを算出するにあたっては、前記禁止期間において計測された抵抗値が用いられないように構成されている。換言すれば、グロープラグに対する通電が停止された直後にはノイズが発生するところ、そのノイズの影響が及ばない期間内に計測された抵抗値に基づいて、対象グロープラグの抵抗値Rが取得される。このように精度の高い抵抗値に基づくことで、より正確な対象グロープラグの抵抗値Rを取得することができる。その結果、グロープラグの通電制御を精度よく行うことができる
さらに、抵抗値の計測が、対象グロープラグへの通電開始時から所定の待機期間だけ待ってから行われる。従って、抵抗値の計測精度をより一層向上させることができ、ひいてはより一層正確な抵抗値Rを取得することができる。
また、対象グロープラグの抵抗値Rを取得(算出)するにあたって、第1期間に計測された抵抗値、つまり、より正確であると考えられる抵抗値が優先的に用いられる。そのため、抵抗値を一層精度よく計測することができ、ひいてはグロープラグの通電制御を一層精度よく行うことができる。
加えて、第1期間に対して禁止期間が重なってしまい、より正確であると考えられる抵抗値を計測することができなかった場合には、第1期間に対して時間的に最も近い時期に計測された抵抗値に基づいて、対象グロープラグの抵抗値Rが取得される。すなわち、第1期間の直近で計測された、十分に正確な抵抗値に基づいて対象グロープラグの抵抗値Rが取得される。従って、抵抗値の計測精度を十分に維持することができ、ひいてはグロープラグの通電制御を十分に正確に行うことができる。
併せて、計測期間は、対象グロープラグへの通電開始から所定の計測容認期間が経過した時点が終期とされており、通電開始から比較的早い段階で抵抗値が計測されるように構成されている。そのため、環境温度や充電状態、バッテリの劣化等の種々の要因によりバッテリVAからの供給電圧が変動した場合であっても、供給電圧の変動に伴う抵抗値に関する情報の差が大きくなる前に、抵抗値に関する情報を計測することができる。その結果、優れた抵抗値の計測精度を実現することができる。
また、PWM通電の1周期中に計測された複数の抵抗値に基づいて、対象グロープラグの抵抗値Rが取得されるため、算出されるDuty比の精度をより一層向上させることができ、グロープラグの通電制御をより一層精度よく行うことができる。
さらに、PWM通電の1周期中の第1期間において、抵抗値が必要数計測された後は、その周期において抵抗値の計測が行われない。そのため、GCU21(マイクロコンピュータ31)における処理負担の軽減を図ることができる。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態では、PWM通電の1周期中に、対象グロープラグの抵抗値を複数回計測し、計測した抵抗値の平均値を対象グロープラグの抵抗値Rとして取得している。これに対して、PWM信号の複数周期に亘って、対象グロープラグの抵抗値を計測し、計測した抵抗値の平均値を対象グロープラグの抵抗値Rとして取得することとしてもよい。従って、例えば、PWM通電の1周期中においては対象グロープラグの抵抗値を一度だけ計測し、各周期で計測された対象グロープラグの抵抗値の平均値を算出することで、対象グロープラグの抵抗値Rを取得することとしてもよい。
(b)上記実施形態では、計測された2つの抵抗値の平均値を求めることで、対象グロープラグの抵抗値Rが算出・取得されているが、例えば、3つ以上の抵抗値の平均値を求め、当該平均値を対象グロープラグの抵抗値Rとして取得することとしてもおい。また、対象グロープラグの抵抗値Rは、複数の抵抗値に基づいて取得されるものであればよく、複数の抵抗値の平均値にのみ限定されるものではない。
(c)上記実施形態における計測期間や待機期間、計測容認期間等は例示であって、これらはGCU21の構成部品やバッテリVAの能力などに応じて変更することが可能である。従って、例えば、スイッチ35A〜35Dを電流検知機能を持たない廉価なFETを用いて構成するとともに、グロープラグ1A〜1Dに流れる電流をシャント抵抗により計測するように構成した場合には、上記実施形態のように電流出力の安定を待つ必要がなくなるため、図8に示すように、待機期間をより短く(例えば、0.6ms程度に)することができる。また、待機期間を短くすることで、計測期間をより長期間確保することができ、計測期間に複数の禁止期間が重なった場合であっても、グロープラグ1A〜1Dの抵抗値を算出するために必要な数の抵抗値を一周期中により確実に計測することができる。従って、計測容認期間を設けることなく(つまり、計測期間に終期を持たせることなく)、一周期中に必要数の抵抗値が計測された時点で、その周期における抵抗値の計測を終了するように設定することが可能となる。
また、待機期間を短くすることにより、通電開始から短期間で(つまり、供給電圧の相違に伴う抵抗値の差が比較的少ない段階で)、必要数の抵抗値を計測でき、より正確な抵抗値を取得することができる。
(d)上記実施形態では、マルチプレクサ36が設けられ、グロープラグ1A〜1Dの電圧がマイクロコンピュータ31に対して選択的に入力されるように構成されているが、マルチプレクサ36を用いることなく、各グロープラグ1A〜1Dへの印加電圧を常時計測可能な構成としてもよい。この場合には、計測期間をより長期に亘って確保することができる。
(e)上記実施形態において、GCU21は、発熱コイル9を有するグロープラグ1A〜1D(メタルグロープラグ)の通電を制御するように構成されているが、GCU21による制御の対象は、これに限定されるものではない。例えば、各部材の寸法やコイルの組成等は、GCU21で制御しやすいものに適宜変更可能である。また、グロープラグとしてもメタルグロープラグに限定されるものではない。従って、GCU21が、セラミックヒータを有するセラミックグロープラグの通電を制御するように構成することとしてもよい。
(f)GCU21の機能を自動車の電子制御装置(ECU)等の機器に設け、当該機器の有するGCUの機能によりグロープラグ1の通電制御を行うこととしてもよい。
(g)上記実施形態では、禁止期間において、グロープラグ1Aの抵抗値が計測されるように構成されているが、禁止期間において、グロープラグ1Aの抵抗値を計測しないように構成することとしてもよい。
1,1A,1B,1C,1D…グロープラグ、21…GCU(通電制御装置)、34…抵抗値取得手段、CA,CB,CC,CD…気筒、EN…エンジン(内燃機関)。

Claims (7)

  1. 複数の気筒を有するとともに、前記各気筒に対応してグロープラグが設けられた内燃機関において、前記グロープラグの抵抗値が所定の目標抵抗値と一致するように通電を制御する抵抗値制御方式によって、前記グロープラグへの印加電圧を制御するグロープラグの通電制御装置であって、
    前記グロープラグの抵抗値を取得する抵抗値取得手段を備え、
    前記抵抗値取得手段は、各気筒のうちの1の気筒に設けられたグロープラグの抵抗値を取得するに際して、
    前記抵抗値の取得対象である対象グロープラグへの通電期間内に存在する計測期間において、前記対象グロープラグの抵抗値に関する情報を複数計測するとともに、
    前記1の気筒以外の気筒に設けられたグロープラグの通電停止直後の期間である禁止期間以外の期間で計測された前記複数の抵抗値に関する情報に基づいて、前記対象グロープラグの抵抗値を取得することを特徴とするグロープラグの通電制御装置。
  2. 前記計測期間は、前記対象グロープラグへの通電開始時から予め設定された所定の待機期間が経過した時点を始期とすることを特徴とする請求項1に記載のグロープラグの通電制御装置。
  3. 前記待機時間の経過時から所定時間だけ経過した時を始期とする第1期間内に計測された前記抵抗値に関する情報に基づいて、前記対象グロープラグの抵抗値を取得することを特徴とする請求項2に記載のグロープラグの通電制御装置。
  4. 前記第1期間内における前記抵抗値に関する情報の計測時と、前記禁止期間の少なくとも一部とが重なった場合、前記第1期間に対して時間的に最も近い時期に計測された前記抵抗値に関する情報に基づいて、前記対象グロープラグの抵抗値を取得することを特徴とする請求項3に記載のグロープラグの通電制御装置。
  5. 前記計測期間は、前記対象グロープラグへの通電開始時から予め設定された所定の計測容認期間が経過した時点を終期とすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のグロープラグの通電制御装置。
  6. 前記グロープラグの抵抗値と目標抵抗値とによりデューティ比が算出されるとともに、前記デューティ比により前記グロープラグへの印加電圧がPWM制御され、
    前記抵抗値取得手段は、PWM通電の1周期中に、前記対象グロープラグの抵抗値に関する情報を複数計測し、計測した前記複数の抵抗値に関する情報に基づいて、前記対象グロープラグの抵抗値を取得することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のグロープラグの通電制御装置。
  7. PWM通電の1周期中に、前記対象グロープラグの抵抗値に関する情報を予め設定された所定の必要数だけ計測した後、当該周期においては、前記抵抗値に関する情報の計測を行わないことを特徴とする請求項6に記載のグロープラグの通電制御装置。
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