JP2006343306A - ガス濃度検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】起電力出力型のガスセンサを用いたガス濃度検出装置において、センサ出力の精度低下を抑制しつつ、素子インピーダンスの検出を好適に実施する。
【解決手段】O2センサ10は、固体電解質層と該固体電解質層を挟んで設けられる一対の電極とを具備し、被検出ガス中の酸素濃度に応じて前記電極間で起電力を発生するセンサ素子を有する。O2センサ10の一方の端子には、交流電圧源23、分圧抵抗24及びカップリングコンデンサ25が直列に接続されており、O2センサ10とカップリングコンデンサ25との間には、HPF26、P/H回路27及び増幅回路28が直列に接続されている。インピーダンス検出に際し、交流電圧源23の出力電圧Vaが正負両側に変化し、その時のセンサ端子電圧が計測される。そして、該計測されたセンサ端子電圧に基づいて素子インピーダンスが算出される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、被検出ガス中の酸素濃度に応じて起電力を発生する起電力出力部を有するガスセンサに適用され、該ガスセンサの出力信号により特定ガス濃度の検出等を実施するガス濃度検出装置に関するものである。
従来から、例えば内燃機関より排出される排ガス中の酸素濃度を検出し、その結果を反映して燃料噴射量等を制御する技術が種々知られている。ガスセンサとしては、固体電解質層とそれを挟む一対の電極とを有してなるセンサ素子を備え、排ガスがリッチ雰囲気かリーン雰囲気かで各々異なる起電力を発生する酸素センサ(一般にO2センサとも称される)や、センサ素子として更に拡散律速層を設け、電圧印加に伴い流れる素子電流(限界電流)により空燃比をリニアに検出する限界電流式の空燃比センサ(一般にA/Fセンサと称される)などが知られている。
上記のO2センサやA/Fセンサでは、センサ素子が暖められ所定の活性状態にあることを条件に正確な酸素濃度(空燃比)の検出が可能となっており、センサ素子に内蔵又は外付けされたヒータの通電を制御することで所定の活性状態が維持されるようになっていた。但し一般には、O2センサとA/Fセンサとを比較すれば、概して前者の方が温度管理が緩く、後者の方が温度管理が厳しいといった傾向がある。具体的には、O2センサの場合、適合により定められたヒータ電力により素子温度制御が行われる。これに対し、A/Fセンサの場合、センサ印加電圧が限界電流域を外さないようにする必要があることから、より高い制御性が求められ、素子インピーダンスによる素子温度制御が行われる。素子インピーダンスの検出手法としては、例えば特許文献1などに開示されているように、O2センサに掃引電圧が印加され、その電圧印加に伴って流れる素子電流が検出される。そして、掃引電圧とそれに対応する素子電流の変化量とから素子インピーダンスが算出される。
なお、センサ素子に掃引電圧を印加する際、正負何れか片方にだけ印加電圧を変化させると、当該素子内で分極が歪み、これに起因してセンサ出力の精度が低下するおそれがある。故に、センサ素子にて生じる分極の歪みの問題を抑制するには、正負両側に印加電圧を変化させることが推奨される。
ところで、近年では排気エミッション規制が益々厳しくなる中、O2センサの出力安定性もより高い精度が求められており、それを実現するにはセンサ素子の活性状態を従来よりも精度良く管理する必要が生じている。それ故に、O2センサでもA/Fセンサと同様に、素子インピーダンスを検出し、その検出値を基にO2センサの温度管理を行うことが要望されている。
しかしながら、O2センサを対象に素子インピーダンスの検出を行う場合、次のような問題が生じる。つまり、O2センサでは、起電力が概ね0Vとなることがあり、起電力=0Vの状態ではセンサ印加電圧を正負両側に掃引変化させることができない。従って、掃引電圧を正側に変化させることができても負側への変化ができず、これにより掃引電圧の印加に伴いセンサ素子に生じる分極の歪みを解消できない、又は歪みの解消に時間を要するといった問題が生じる。センサ素子の分極の歪みが残ることで、前述したようにセンサ出力の精度低下が生じる。
特開2004−177178号公報
本発明は、被検出ガス中の酸素濃度に応じて起電力を発生する起電力出力部を有するガスセンサを用いたガス濃度検出装置において、センサ出力の精度低下を抑制しつつ、素子インピーダンスの検出を好適に実施することができるガス濃度検出装置を提供することを主たる目的とするものである。
本発明のガス濃度検出装置は、被検出ガス中の酸素濃度に応じて一対の電極間で起電力を発生する起電力出力部を有するガスセンサに適用されるものであり、センサ素子の電極に接続される電流経路上にて正側及び負側の電圧変化又は電流変化を付与する交流変化付与手段(交流電源)を備える。交流変化付与手段の電流経路には、直流成分を遮断しかつ電荷を蓄えることが可能な蓄電手段が設けられている。そして、計測手段は、センサ素子と交流変化付与手段との間の電圧を計測する。また、インピーダンス算出手段は、交流変化付与手段による電圧変化又は電流変化時において前記計測手段により計測した電圧値に基づいて素子インピーダンスを算出する。なお、「センサ素子と交流変化付与手段との間の電圧」は、例えばセンサ素子の端子電圧であり、以下の記載では当該電圧を「センサ端子電圧等」とも記載する。
起電力出力部を有するガスセンサ(O2センサ等)では、酸素濃度に応じて起電力が概ね0Vとなることがあり、その状態では、センサ素子の電極に接続される電流経路上にて正側及び負側の電圧変化又は電流変化を付与することが困難になると考えられる。この不都合に対し本発明の構成によれば、交流変化付与手段の電流経路に設けられた蓄電手段により、起電力に関係なく正側及び負側の電圧変化又は電流変化を付与することが可能となり、インピーダンス検出時においてセンサ素子に生じる分極の歪みを解消することができる。その結果、センサ出力の精度低下を抑制しつつ、素子インピーダンスの検出を好適に実施することができるようになる。
またここで、本発明のセンサ素子では、酸素濃度検出を行う素子部(セル)とインピーダンス検出を行う素子部(セル)とが同一であり、インピーダンス検出のために電圧変化や電流変化を付与すると、酸素濃度検出に影響が及ぶ可能性がある。しかしながら本発明では、インピーダンス検出時の電圧変化や電流変化が蓄電手段により直流的に分離されてセンサ素子に付与されるため、酸素濃度検出への悪影響を抑制することができる。
交流電源とセンサ素子との間に抵抗素子と容量素子とを直列接続する構成とし、抵抗素子の両端電圧を検出するとともに、その検出値に基づいて素子インピーダンスを算出する構成も考えられるが(例えば特開昭63−140955号公報)、かかる構成では、電圧変化等の付与後に時間の経過に伴い抵抗素子の両端電圧が収束していく過程(ピーク後の収束過程)において、その両端電圧が容量素子にチャージされていく影響により該両端電圧と素子インピーダンスとの相関がなくなる。したがって、素子インピーダンスが正確に算出できない。これに対し本願発明によれば、センサ端子電圧等、センサ素子と交流変化付与手段との間の電圧を検出する構成としており、容量素子のチャージが進んでもセンサ端子電圧等と素子インピーダンスとの相関が保たれ、素子インピーダンスを正確に算出できる。
また、電圧変化等の付与時において、抵抗素子の両端電圧のピーク値は素子インピーダンスと相関がある値となるが、例えばセンサ内蔵のヒータをON/OFF制御する際に生じるヒータノイズやその他外来ノイズの低減目的でLPFを設ける場合、ピーク値がなまされてしまい、正確なピーク値検出が困難なものとなる。それ故にやはり、抵抗素子の両端電圧を計測する手法(例えば特開昭63−140955号公報)は有効な手段であると言えるものはなかった。これに対し本願発明は、センサ端子電圧等のピーク値検出を要するものでないため、ヒータノイズ等の対策としてLPFを設けたとしても好適に素子インピーダンスを算出することができる。
ここで、請求項2に記載したように、前記蓄電手段として、抵抗素子及び容量素子からなる直列回路を設けると良い。すなわちこの場合、電圧変化又は電流変化を付与するための電流経路の途中に、抵抗素子及び容量素子からなる直列回路が設けられる。本構成では、容量素子により、交流変化付与手段の電流経路において直流成分を遮断しかつ電荷を蓄えることが可能となる。なお、容量素子としてはコンデンサ(カップリングコンデンサ)を用いると良い。
上記の如く電流経路に抵抗素子と容量素子とを直列に接続した構成においては、請求項3に記載したように、計測手段は、抵抗素子及び容量素子の抵抗成分とセンサ素子のインピーダンスとによる分圧値を計測すると良い。この場合、起電力出力部を有するガスセンサのインピーダンス検出に際し、センサ素子と交流変化付与手段との間の電圧(センサ端子電圧等)を好適に計測することができる。
請求項4に記載したように、容量素子は、センサ素子の容量成分よりも十分に容量の小さいものであると良い。この場合、交流変化付与手段により電圧変化又は電流変化を付与した後のセンサ端子電圧等の収束は容量素子へのチャージスピードが支配的となり、センサ端子電圧等はセンサ素子の個体差や劣化等による容量変化の影響を受けない。したがって、センサ素子の個体差や劣化等による容量変化の影響を受けることなく、素子インピーダンスを精度良く算出することができる。
センサ素子の容量成分は例えば正常時に1000μF程度、劣化時に100μF程度であり、それに対し容量素子を構成するコンデンサの容量は0.1μ〜1μF程度が最適である(請求項5)。この場合、コンデンサ(容量素子)は、容量ばらつきが±10%程度、温度特性ばらつきが±15%程度であることを考慮しても、当該コンデンサの容量はセンサ素子の容量成分に対して十分に小さいものであると言える。なお、インピーダンス検出の観点から言えばコンデンサの容量は大きい方が望ましいが、起電力出力への影響などを考えると容量は小さい方が望ましい。
また、請求項6に記載したように、前記計測手段を、ピークホールド回路を有する構成とし、該ピークホールド回路を介してセンサ素子と前記交流変化付与手段との間の電圧値(センサ端子電圧の計測値)を取得すると良い。
要するに、ピークホールド回路は抵抗成分と容量成分とを有し、その抵抗成分と容量成分とからなるLPFを含む構成となっている。したがって、交流変化付与手段による電圧変化又は電流変化の付与時には、センサ端子電圧等がピークホールド回路内のLPFによってなまされつつ計測される。センサ内蔵のヒータをON/OFF制御する構成において、そのヒータノイズの影響を抑制すべくLPFの定数を大きくすると、電圧等の交流変化時におけるセンサ端子電圧等のピーク値が計測できなくなるが、収束過程におけるセンサ端子電圧等を計測する構成とすることにより、ピーク値の検出を要さずとも素子インピーダンスの算出が可能となる。
このとき、上記のとおりセンサ端子電圧等がセンサ素子の個体差や劣化等による容量変化の影響を受けないため、ヒータノイズ低減のために上記LPFの定数(なまし度合)を大きくしても、収束過程のセンサ端子電圧等によって正確な素子インピーダンスの算出が可能となる。以上により、素子インピーダンスの算出精度向上と十分なヒータノイズ等の対策との両立が実現できる。
また、請求項7に記載の発明では、前記インピーダンス算出手段は、前記計測手段により計測した電圧値と、抵抗素子及び容量素子の合成抵抗とを基に素子インピーダンスを算出する。この場合、抵抗素子の抵抗値だけでなく、容量素子の抵抗値も加味して素子インピーダンスが算出されるため、その算出精度を高めることができる。
一方、請求項8に記載の発明では、前記同様、起電力出力部を有するガスセンサに適用されるガス濃度検出装置において、センサ素子の電極に接続される電流経路上にて正側及び負側の電圧変化又は電流変化を付与する交流変化付与手段(交流電源)を備える。そして、計測手段は、センサ素子と交流変化付与手段との間の電圧(センサ端子電圧等)を計測する。また、インピーダンス算出手段は、交流変化付与手段による電圧変化又は電流変化時において前記計測手段により計測した電圧値に基づいて素子インピーダンスを算出する。
従来から知られているように、広域の空燃比検出範囲で空燃比の検出を可能とするA/Fセンサでは、当該センサに接続された電気経路に電流検出用抵抗が設けられ、その電流検出用抵抗の両端電圧を検出するとともに、その検出値に基づいて素子インピーダンスが算出されるようになっている。しかしながら従来構成では、電流検出用抵抗はインピーダンス検出時の電流検出素子としての役目を担う他、酸素濃度検出時の電流検出素子としての役目も担う。この場合、インピーダンス検出時と酸素濃度検出時とでは電流の検出範囲が異なり、広い方の電流検出範囲を基準にすると、電流検出範囲が狭い方の分解能が下がるという問題があった。現実には、インピーダンス検出時に流れる電流の方が大きいため、それが原因で酸素濃度検出時における検出電流の分解能が下がってしまう。これに対し請求項8の発明によれば、センサ端子電圧等、センサ素子と交流変化付与手段との間の電圧を検出する構成としており、インピーダンス検出時には、酸素濃度検出のための電流検出とは独立してセンサ端子電圧等の検出が行われる。したがって、インピーダンス検出とは無関係に酸素濃度検出時の分解能を定めることができ、ひいては高精度な酸素濃度検出が可能となる。
また、電圧変化等の付与時において、電流検出用抵抗の両端電圧のピーク値は素子インピーダンスと相関がある値となるが、例えばセンサ内蔵のヒータをON/OFF制御する際に生じるヒータノイズやその他外来ノイズの低減目的でLPFを設ける場合、ピーク値がなまされてしまい、正確なピーク値検出が困難なものとなる。それ故に、電流検出用抵抗の両端電圧を計測する手法は有効な手段であると言えるものはなかった。これに対し請求項8の発明は、センサ端子電圧等のピーク値検出を要するものでないため、ヒータノイズ等の対策としてLPFを設けたとしても好適に素子インピーダンスを算出することができる。
請求項9に記載の発明では、センサ素子に接続される電気経路に電圧印加手段と、例えば抵抗等の電流検出手段とを設ける構成とし、電圧印加手段によるセンサ素子への電圧印加時に電流検出手段に流れる電流を計測し、該電流計測値に基づいて被検出ガス中の特定ガス濃度(酸素濃度等)を算出するようにしている。そして特に、素子インピーダンスの算出に際し、前記交流変化付与手段が接続されたセンサ端子側で、電圧印加手段によるセンサ素子への電圧印加を停止する。本構成によれば、素子インピーダンスの算出時において、電圧印加手段によるセンサ素子の電圧印加によりインピーダンス算出に影響が及ぶことが抑制される。
なお、都度のセンサ電流に応じてセンサ印加電圧をフィードバック制御するような手法を用いる構成では、交流変化付与手段による電圧変化を打ち消すような印加電圧制御が行われることが懸念されるが、上記のとおり電圧印加手段による電圧印加を停止することにより、適正に電圧変化を付与できる。
ここで、請求項10に記載したように、電圧印加手段とセンサ素子との間の電気経路にスイッチ手段を設け、素子インピーダンスの算出に際し、スイッチ手段を開状態とすることで、電圧印加手段によるセンサ素子への電圧印加を停止すると良い。
また、請求項11に記載したように、前記インピーダンス算出手段は、前記計測手段により計測した電圧値と前記抵抗素子の抵抗値とを基に素子インピーダンスを算出すると良い。
前記交流変化付与手段として、電源部とグランドとの間に2つのトランジスタを直列接続し、それら各トランジスタを交互にオンさせて交流波形を生成する構成が考えられる。かかる場合、請求項12に記載したように、センサ端子電圧等と抵抗素子の抵抗値(又は、抵抗素子及び容量素子の合成抵抗)とに基づいて素子インピーダンスを算出する際に、さらにトランジスタのオン抵抗を考慮してインピーダンス算出を行うと良い。これにより、素子インピーダンスの検出精度が向上する。
また、請求項13に記載したように、前記交流変化付与手段による正側及び負側の電圧変化又は電流変化の付与時において、電圧又は電流を一旦片側に変化させた後、逆側に変化させる際の前記計測手段による計測値に基づいて素子インピーダンスを算出すると良い。これにより、電圧変化又は電流変化に応答して変化するセンサ端子電圧の変化量が大きくなり、その分解能を高めることができる。
また、請求項14に記載したように、前記電圧変化又は電流変化を付与するための周波数を、前記電流経路を構成する配線の抵抗成分の影響を受けにくい周波数とすると良い。例えば、当該周波数を500kHz以下とする。これにより、素子インピーダンスの検出精度に及ぼす影響が排除できる。但し、センサ素子のインピーダンスの周波数特性から、前記周波数を10kHz以上とするのが望ましい。
また、請求項15に記載したように、前記電圧変化又は電流変化を付与するための周波数を、被検出ガス中の酸素濃度の変化よりも大きい周波数とすると良い。インピーダンス検出時における電圧変化や電流変化を酸素濃度変化よりも大きい周波数(高周波)とすることにより、酸素濃度検出への悪影響を抑制することができる。
以下、本発明のガス濃度検出装置を具体化した一実施の形態を図面に従って説明する。本実施の形態では、車載エンジンより排出される排ガスを被検出ガスとして同ガス中の酸素濃度(空燃比)を検出する空燃比検出装置を具体化しており、空燃比の検出結果はエンジンECU等により構成される空燃比制御システムにて用いられる。空燃比制御システムでは、酸素濃度の検出結果に基づいて、空燃比をストイキ近傍でフィードバック制御するストイキ燃焼制御が適宜実現される。
先ずはじめに、ガスセンサとしてのO2センサ10の構成を図2を用いて説明する。O2センサ10はコップ型構造のセンサ素子11を有しており、図2にはセンサ素子11の断面構成を示す。実際には当該センサ素子11は素子全体がハウジングや素子カバー内に収容される構成となっており、エンジン排気管内に配設されている。
センサ素子11において、固体電解質層12は断面コップ状に形成されており、その外表面には排ガス側電極層13が設けられ、内表面には大気側電極層14が設けられている。固体電解質層12は、ZrO2、HfO2、ThO2、Bi2O3等にCaO、MgO、Y2O3、Yb2O3等を安定剤として固溶させた酸素イオン伝導性酸化物焼結体からなる。また、各電極層13,14は共に白金等の触媒活性の高い貴金属からなり、その表面には多孔質の化学メッキ等が施されている。固体電解質層12にて囲まれる内部空間は大気室15となっており、その大気室15内にはヒータ16が収容されている。ヒータ16は、センサ素子11を活性化するに十分な発熱容量を有しており、その発熱エネルギによりセンサ素子全体が加熱される。
上記センサ素子11では、固体電解質層12の外側(電極層13側)が排ガス雰囲気、同内側(電極層14側)が大気雰囲気となっており、これら双方の酸素濃度の差(酸素分圧の差)に応じて電極層13,14間で起電力が発生する。つまり、センサ素子11では、空燃比がリッチかリーンかで異なる起電力が発生する。これにより、O2センサ10は、排ガスの酸素濃度(すなわち空燃比)に応じた起電力信号を出力する。
図3は、排ガスの空燃比とセンサ素子11の起電力との関係を示す起電力特性図である。なお図3において、横軸は空気過剰率λとしており、λ=1が理論空燃比(ストイキ)である。この場合、実線で示す特性がセンサ活性状態での起電力特性であり、空気過剰率λが1よりも小さいリッチ領域では起電力が概ね0.9Vとなり、空気過剰率λが1よりも大きいリーン領域では起電力が概ね0Vとなる。
但し、センサ素子11の温度(素子温度)が変化すると起電力特性が変化する。例えば、素子温度が低下すると、特性が図3に一点鎖線で示すAのように変化し、逆に素子温度が上昇すると、特性が図3に点線で示すBのように変化する。かかる場合、起電力特性が変化すると、理論空燃比(λ=1)での起電力が理想値から変化してしまい、理論空燃比付近で空燃比フィードバック制御を行う際などにおいてその制御精度が低下してしまう。
そこで本実施の形態では、素子温度と相関のある素子インピーダンスを検出し、該素子インピーダンスを目標値に制御することで、センサ素子11の活性状態を保持することとする。具体的には、センサ素子11の一方の電極(起電力出力端子)に対して負側及び正側に振幅する交流電圧を印加し、その電圧変化に応答して変化するセンサ端子電圧を計測する。そして、その時のセンサ端子電圧に基づいて素子インピーダンスを算出する。また、素子インピーダンスの算出値と目標値との偏差に応じてヒータ16の通電をフィードバック制御する。
排気センサに関するヒータ通電の制御手法として具体的には、小型に通電回路を形成できるPWM制御手法が一般に採用されている。このPWM制御では、ヒータ制御量がデューティ信号として算出され、該デューティ信号に基づいてヒータ通電がON/OFFされる。
図1は、センサ制御回路の構成を示す電気的構成図である。図1に示すように、O2センサ10の一方の端子(センサ素子11の排ガス側電極層13)には抵抗21とLPF(ローパスフィルタ)22とが各々接続されている。排ガス中の酸素濃度に応じてO2センサ10で起電力が発生すると、その都度の起電力に相応するO2出力がLPF22を介して出力される。LPF22より出力されるO2出力は、マイコン100のADポートに取り込まれる。マイコン100は、O2出力を基に空燃比のリッチ/リーン判定などを実施する。
なお、LPF22は、O2出力に重畳するノイズや交流信号を排除するためのフィルタであり、後述するようにインピーダンス検出のためにO2センサ10の端子電圧が交流的に変化する場合にも、その影響によるO2出力の精度低下が抑制されるようになっている。
インピーダンス検出のための構成として、O2センサ10の一方の端子には、交流電圧源23、分圧抵抗24及びカップリングコンデンサ25からなる直列回路が接続されており、O2センサ10とカップリングコンデンサ25との間には、HPF(ハイパスフィルタ)26、P/H回路(ピークホールド回路)27及び増幅回路28からなる直列回路が接続されている。ここで、交流電圧源23の出力電圧をVa、カップリングコンデンサ25の両端子のうち分圧抵抗24側の端子電圧をVb、同O2センサ10側の端子電圧をVc、HPF26の出力側の電圧をVd、増幅回路28の出力電圧をVeとする。電圧Vcは、通常の酸素濃度検出時において、その都度の酸素濃度に応じた起電力となっており、前述したようにリッチ雰囲気では概ね0.9V、リーン雰囲気では概ね0Vである。分圧抵抗24の抵抗値はRである。
P/H回路27は、入力信号を取り込む入力コンパレータや、該コンパレータの出力側に一端が接続され他端が接地されたコンデンサなどにより構成されており、入力信号のピーク値をホールドする。また、P/H回路27は内部にLPFを含む構成となっており、入力信号にノイズ等が重畳する場合においてそのノイズが除去されるようになっている。つまり、上記のとおりヒータ通電制御としてPWM制御が行われる場合、ヒータ通電のON/OFFが繰り返し行われるために電流のON/OFFが常に生じる。そのため、この電流変化に起因する磁束の変化がヒータハーネスと一緒に束ねられるセンサハーネスに伝播してヒータノイズが発生すると考えられるが、このヒータノイズがP/H回路27内のLPFによって除去される。
交流電圧源23、分圧抵抗24及びカップリングコンデンサ25は交流変化付与手段に相当し、そのうち交流電圧源23は、マイコン100からの指令に従い所定の周波数にて電圧Vaを正側及び負側に掃引変化させる。このとき、電圧Vaの変化に伴い分圧抵抗24、カップリングコンデンサ25及びO2センサ10よりなる電流経路で電流が流れ、センサ端子電圧である電圧Vcは、O2センサ10の素子インピーダンスと分圧抵抗24の抵抗値とで分圧される電圧値に変化する。そしてこの電圧Vcが、HPF26、P/H回路27及び増幅回路28を通じて、インピーダンス検出電圧Veとしてマイコン100のADポートに取り込まれる。
交流電圧源23は例えば図4の回路構成を有しており、電源31とグランドとの間には、2つのトランジスタ32,33(本実施の形態では、PチャネルMOSFET32とNチャネルMOSFET33)が直列に接続されている。各トランジスタ32,33の中間点には基準電圧源34が接続されている。電源31は5V電源、基準電源34は2.5V電源である。トランジスタ32,33の各ゲートに入力される信号SG1,SG2は、マイコン100から出力されるH(ハイ)又はL(ロー)の2値信号であり、インピーダンス検出時には信号SG1,SG2によりトランジスタ32,33が交互にONされるようになっている。
この場合、トランジスタ32のゲートに対してLレベルの信号SG1が入力されることで、当該トランジスタ32がONし、交流電圧源23の出力電圧Vaが上昇する(すなわち、電源31の5V側に変化する)。また、トランジスタ33のゲートに対してHレベルの信号SG2が入力されることで、当該トランジスタ33がONし、交流電圧源23の出力電圧Vaが下降する(すなわち、グランド側に変化する)。
素子インピーダンスZacは、次の(1)式にて算出される。
Zac=Vc/{(Va−Vc)/R} …(1)
上記(1)式において、電圧Vaと抵抗値Rは固定値であり(ただしトランジスタ32のON抵抗を考慮しない場合)、電圧Vcを計測することにより、素子インピーダンスZacの算出が可能となる。つまり、マイコン100は、電圧VcをHPF26、P/H回路27及び増幅回路28を介して取り込み、該取り込んだ値を基に、素子インピーダンスZacを算出する。
交流電圧源23による電圧Vaの周波数は、排ガス中の酸素濃度の変化よりも大きい周波数(高周波)であることが前提であるが、より具体的には次のように定められると良い。つまり、センサ素子11のインピーダンスの周波数特性によれば、掃引周波数は10kHz以上とするのが望ましい。但し、P/H回路27の制約から言えば30kHz以下であるのが望ましく、回路基板上の配線の抵抗成分を考慮すると500kHz以下(電流経路を構成する配線の抵抗成分の影響を受けにくい周波数)とするのが望ましい。以上から、掃引周波数は10kHz程度が最適であると言える。
分圧抵抗24の抵抗値Rが大きいほど電流が絞られるため、カップリングコンデンサ25へのチャージが遅くなる。そのため、電圧Vaの変化に伴い電圧Vcが変化した後においてそのVc変化が遅くなり、電圧Vcの計測を行う上で有利となる。また、同抵抗値Rが大きいほど、カップリングコンデンサ25や交流電圧源23のMOSFETのばらつきの影響が低減できる他、回路基板上の配線の抵抗成分の影響が低減できる(500Ω以上が良い)。ただし、抵抗値Rが大きすぎると、分解能が下がる。この場合、計測精度と分解能とのバランスにより抵抗値Rを決定すると良い。以上の観点から、分圧抵抗24の抵抗値Rは1kΩ程度が最適であると言える。
カップリングコンデンサの25の容量は、O2出力への影響を考えると0.1〜1μFとするのが望ましく、コストやサイズの制約から0.2μF以下とするのが望ましい。但し、インピーダンス検出のためには容量が大きいほど有利であると考えられる。本実施の形態では、コンデンサ容量を0.1μFとしている。
ここで、電圧の交流変化時において、(1)上記のようにセンサ端子電圧(電圧Vc)を計測する場合と、(2)従来からA/Fセンサのインピーダンス検出手法として採用されている、電流検出抵抗の端子電圧を計測する場合とについて、その違いを説明する。
図5の(a)には、上記(2)の場合の回路構成を示しており、A/Fセンサ50の一方の端子にはオペアンプ51及び電流検出抵抗52を介して基準電源53が図示の如く接続され、他方の端子には印加電圧制御回路54が接続されている。A/Fセンサ50のセンサ電流は電流検出抵抗52を介して流れ、そのセンサ電流が電流検出抵抗52の端子電圧である電圧Vxとして計測される。電圧VxはHPF55やP/H回路56を介してマイコン等に取り込まれる。A/Fセンサ50のインピーダンス検出時には、印加電圧制御回路54によってセンサ印加電圧が交流的に振られ、それに応答する電流変化量が電圧Vxとして計測される。
上記構成において、センサ印加電圧の掃引変化時には電圧Vxが図5の(b)のように変化する。この場合、電圧Vxのピーク値は素子インピーダンスに相関がある値となり、そのVxピーク値により素子インピーダンスが正確に検出できるが、電圧Vxの収束過程ではその収束の軌跡がセンサの容量成分に応じて異なるものとなる。センサ容量成分は、センサ個体差によりばらつく他、劣化に伴い減少する傾向にあり、劣化に伴う容量減少時には図に一点鎖線で示すように収束が早まることとなる。
また、上記のとおりVxピーク値により素子インピーダンスが正確に検出できるものの、図5の(c)に示すように電圧Vxにはヒータノイズが重畳することが考えられ、ノイズ排除のためには電圧VxをLPFに通す必要がある。しかしながら、ヒータノイズを除去できる程度にLPFの定数を大きくすると、センサ容量のばらつきに伴うVx収束過程のばらつきによってP/H出力が変動してしまう。故に、素子インピーダンスの算出精度が低下する。
一方、上記(1)の場合、図6の(a)に示すように、センサ端子電圧VcがHPF26やP/H回路27を介してマイコン等に取り込まれる。この場合、センサ端子電圧Vcは、そのピーク値が素子インピーダンスに相関がある値となるとともに、収束過程においてセンサ容量のばらつきによる影響を受けることもない。故に、センサ端子電圧Vcを演算パラメータとして用いる構成では、素子インピーダンスの算出精度を確保することができる。
特に、カップリングコンデンサ25は、センサ素子11の容量成分よりも十分に容量の小さいものであるため、センサ端子電圧Vcの収束はカップリングコンデンサ25へのチャージスピードが支配的となり、センサ端子電圧Vcはセンサ素子11の個体差や劣化等による容量変化の影響を受けない。したがって、センサ素子11の個体差や劣化等による容量変化の影響を受けることなく、素子インピーダンスを精度良く算出することができる。
センサ素子11の容量成分は例えば正常時に1000μF程度、劣化時に100μF程度であり、それに対しカップリングコンデンサ25の容量は0.1μ〜1μF程度が最適である。この場合、カップリングコンデンサ25は、容量ばらつきが±10%程度、温度特性ばらつきが±15%程度であることを考慮しても、カップリングコンデンサ25の容量はセンサ素子11の容量成分に対して十分に小さいものであると言える。なお、センサ端子電圧Vcを計測する場合には、回路のばらつきによる誤差が残るが、センサ素子11の個体差や劣化の影響に比べて回路のばらつきは小さく、インピーダンスの算出精度が確保できる。
次に、O2センサ10(センサ素子11)に分圧抵抗24とカップリングコンデンサ25とからなる直列回路を接続した上記構成において、本実施の形態のようにセンサ端子電圧を計測する場合と、分圧抵抗24の両端電圧を計測する場合との違いを説明する。図7において、(a)はセンサ端子電圧の計測例を示し、(b)は分圧抵抗24の両端電圧の計測例を示す。なお図7では、素子インピーダンスが大きい場合の波形を実線で示し、素子インピーダンスが小さい場合の波形を一点鎖線で示している。
図7の(a−1)に示すように、センサ端子電圧は、素子インピーダンスが大きい場合においてピーク値が大きく、また電流量が少なくなるために収束が遅いものとなり、素子インピーダンスが小さい場合においてピーク値が小さく、また電流量が多くなるために収束が早いものとなる。また、図7の(a−2)に示すように、P/H出力は、インピーダンス大の場合に「A1」、インピーダンス小の場合に「A2」となる(A1>A2)。この場合、P/H出力は、P/H回路内のLPFの定数に関係なく素子インピーダンスに相関を有するものとなり、正確な素子インピーダンスの算出が可能となる。
一方、図7の(b−1)に示すように、分圧抵抗24の両端電圧は、図7の(a−1)とは逆に、素子インピーダンスが大きい場合においてピーク値が小さく、また電流量が少なくなるために収束が遅いものとなり、素子インピーダンスが小さい場合においてピーク値が大きく、また電流量が多くなるために収束が早いものとなる。この場合、前記7の(a−1)とは異なり、P/H回路内のLPFの定数に応じて素子インピーダンスに対するP/H出力の大小関係が逆転するため、P/H出力と素子インピーダンスとの相関が保たれないものとなる。つまり、図7の(b−2),(b−3)に示すように、LPFの定数が小さい場合にはB1<B2となるが、LPFの定数が大きい場合にはC1>C2となる。なお、B1,C1はインピーダンス大の場合のP/H出力、B2,C2はインピーダンス小の場合のP/H出力である。
以上により、インピーダンス検出時においてセンサ端子電圧を計測する場合と分圧抵抗24の両端電圧を計測する場合とを比較すると、インピーダンス検出精度の観点から前者の方が優れていると言える。
図8は、素子インピーダンスの算出処理を示すフローチャートであり、この処理はマイコン100により所定時間毎(例えば128msec毎)に実行される。図8において、ステップS101では、交流電圧源23に対して交流電圧の出力指令信号を出力する。この指令信号を受けて、交流電圧源23では所定の周波数で出力電圧Vaを負側→正側の順に変化させる。その後、ステップS102では、出力電圧Vaを正側に変化させた時の電圧Vc(増幅回路28の出力Ve)を取り込み、続くステップS103では、前記取り込んだ電圧Vcを基に素子インピーダンスZacを算出する(前記(1)式参照)。
マイコン100は、上記の如く算出した素子インピーダンスZacに基づいてヒータ16の通電をフィードバック制御する。素子インピーダンスZacに基づくヒータ通電手法は任意で良く、ここでは簡単に説明すると、例えば、PID等の制御手法を用いることとし、素子インピーダンスZacの算出値と目標値(センサ素子の目標温度に相当する値)との偏差を算出すると共に、その偏差に基づいてヒータ通電制御量(例えば制御デューティ比)を算出する。そして、この制御量によりヒータ通電を制御する。
図9は、インピーダンス検出時における各種電圧波形などの推移を示すタイムチャートである。
さて、タイミングt1以前は通常の酸素濃度検出が行われており、電圧VcはO2センサ10の起電力出力に応じた電圧値となっている。また、信号SG1はH、信号SG2はLとなっており、これにより各トランジスタ32,33が共にOFF状態となっている。Va,Vbは共に2.5Vである。
そして、タイミングt1で信号SG2がLレベル→Hレベルに操作されると、トランジスタ33がON状態となり電圧Vaが負側(0V)に変化する。これにより、分圧抵抗24、カップリングコンデンサ25及びO2センサ10よりなる電流経路でO2センサ10の素子インピーダンスに応じた電流が流れ、電圧Vb,Vcが変化する。このとき、O2センサ10の起電力が0V、0.9Vの何れであったとしても、Va変化量をO2センサ10に印加することができ、電圧Vcは、O2センサ10の素子インピーダンスと分圧抵抗24の抵抗値とで分圧される電圧値に変化する。なお、電圧Vb,Vcは、Va変化直後に一旦インピーダンス対応値になり、その後カップリングコンデンサ25のチャージが行われることで、Vbは下降し、Vcは上昇する。Vbのチャートにおいて一点鎖線で示す挙動はVaの変化である。
その後、タイミングt2では、信号SG2がLレベルに戻されてトランジスタ33がOFF状態になると共に、これに代わって信号SG1がHレベル→Lレベルに操作されてトランジスタ32がON状態となり、それに伴い電圧Vaが正側(5V)に変化する。これにより、電圧Vaの負側変化時と逆向きに、分圧抵抗24、カップリングコンデンサ25及びO2センサ10よりなる電流経路でO2センサ10の素子インピーダンスに応じた電流が流れ、電圧Vb,Vcが変化する。そして、t2以降において、電圧VcがP/H回路27によりサンプリングされ、そのサンプリング値を基に素子インピーダンスZacが算出される。なお、電圧Vb,Vcは、Va変化直後に一旦インピーダンス対応値になり、その後カップリングコンデンサ25のチャージが行われることで、Vbは上昇し、Vcは下降する。
その後、タイミングt3では、信号SG1がHレベルに戻されてトランジスタ32がOFFされる。これにより、元の酸素濃度検出状態に復帰する。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
O2センサ10に交流的な電圧変化を付与するための電流経路の途中にカップリングコンデンサ25を直列に接続したため、インピーダンス検出に際し、O2センサ10の起電力に関係なく所望の電圧変化を付与することが可能となる。つまり、O2センサ10に対して正負両側に変化する電圧(掃引電圧、戻し電圧)を印加することができ、インピーダンス検出時においてO2センサ10に生じる分極の歪みを解消することができる。その結果、センサ出力の精度低下を抑制しつつ、素子インピーダンスの検出を好適に実施することができるようになる。
この場合、O2センサ10は、酸素濃度検出を行う素子部(セル)とインピーダンス検出を行う素子部(セル)とが同一であり、インピーダンス検出時の電圧変化が酸素濃度検出に悪影響を及ぼすことが懸念されるが、交流的な電圧変化がカップリングコンデンサ25により直流的に分離されてセンサ素子に付与され、更に当該電圧変化が酸素濃度変化よりも大きい周波数であるため、酸素濃度検出への悪影響を抑制することができる。
特に、インピーダンス検出時には、交流的な電圧変化に応答するO2センサ10のセンサ端子電圧(電圧Vc)を計測し、該センサ端子電圧の計測値に基づいて素子インピーダンスを算出する構成としたため、抵抗素子の両端電圧の計測値に基づいて素子インピーダンスを算出する構成(例えば特開昭63−140955号公報)とは異なり、収束時の信号波形が素子インピーダンスと相関を有するものとなる。したがって、素子インピーダンスを正確に算出することができる。
この場合、カップリングコンデンサ25の容量をセンサ素子11の容量成分よりも十分に小さいものとしたため、センサ素子11の個体差や劣化等による容量変化の影響を受けることなく、素子インピーダンスを精度良く算出することができる。
また、センサ端子電圧の収束過程における計測値により素子インピーダンスが算出できることは、センサ端子電圧のピーク値の計測を要することなく素子インピーダンスが算出できることを意味する。したがって、ヒータノイズの影響を抑制すべくP/H回路内のLPFの定数(なまし度合)を大きくすることが許容される。以上により、素子インピーダンスの算出精度向上と十分なヒータノイズ対策との両立が実現できる。
交流電圧源23によって電圧変化を付与する際、電圧を一旦片側に変化させた後の逆側への変化時(掃引戻し時)のセンサ端子電圧の計測値に基づいて素子インピーダンスを算出するようにしたため、センサ端子電圧の応答変化量が大きくなり、その分解能を高めることができる。
以上のように素子インピーダンスを好適に検出することができるため、この素子インピーダンスの検出値を用いたヒータ制御が適正に実施できる。故に、O2センサ10の出力が安定し、良好なる空燃比フィードバック制御が実現できる。ひいては、排気エミッションの改善等を図ることができる。
なお、本発明は上記実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施しても良い。
上記実施の形態では、インピーダンス検出に際し、交流的な電圧変化時のセンサ端子電圧(電圧Vc)と分圧抵抗24の抵抗値Rとを基に素子インピーダンスZacを算出したが、これを以下のように変化しても良い。例えば、交流的な電圧変化時のセンサ端子電圧(電圧Vc)と、分圧抵抗24及びカップリングコンデンサ25の合成抵抗とを基に素子インピーダンスZacを算出する。この場合、カップリングコンデンサ25のインピーダンスZcは、Zc=1/2πfC(fは周波数、Cは容量)で表され、次の(2)式により素子インピーダンスZacが算出される。
Zac=Vc/{(Va−Vc)/(R+Zc)} …(2)
これにより、インピーダンス検出の精度が向上する。加えて、配線の抵抗分も考慮して更なる高精度化を図ることも可能である。
また、交流電圧源23(交流変化付与手段)を構成するトランジスタのオン抵抗も考慮して素子インピーダンスZacを算出する構成としても良い。すなわち、図4に示す交流電圧源23において、電源31の電圧をVcc、ハイサイドのトランジスタ(MOSFET)32のオン抵抗をRonとした場合、次の(3)式により素子インピーダンスZacが算出される。
Zac=Vc/{(Vcc−Vc)/(Ron+R+Zc)} …(3)
これにより、インピーダンス検出の精度がより一層向上する。
上記のとおりトランジスタ32のオン抵抗Ronと、分圧抵抗24の抵抗値Rと、カップリングコンデンサ25の抵抗成分(インピーダンスZc)とを考慮して素子インピーダンスを算出する場合、各素子の個体差及び温度特性によるばらつきが素子インピーダンスの検出誤差となる。一般に、抵抗素子の抵抗値は安価な厚膜タイプでも個体差によるばらつきが±0.5%、温度特性によるばらつきが±200ppm/℃程度であり、ばらつきが比較的小さい。これに対して、MOSFETのオン抵抗は個体差によるばらつきが±30%程度、温度特性によるばらつきが±100%程度あり、カップリングコンデンサのインピーダンスは表面実装タイプのセラミックコンデンサの場合、個体差によるばらつきが±10%程度、温度特性によるばらつき±15%程度ある。つまり、MOSFETのオン抵抗とカップリングコンデンサのインピーダンスはばらつきが非常に大きいものとなる。よって、各素子の抵抗値選定に際しては、MOSFETのオン抵抗やカップリングコンデンサのインピーダンスよりも抵抗素子の抵抗値が十分に大きくなるようにし、それにより素子インピーダンスの検出精度の向上を図ると良い。ただし、抵抗素子の抵抗値が大き過ぎると、センサ端子電圧の検出値が小さくなり、分解能が低下してしまう。よって、検出精度と分解能のバランスを考慮した抵抗値選定が必要となる。MOSFETのオン抵抗を30Ω程度、カップリングコンデンサのインピーダンスを159Ω程度とし、検出する素子インピーダンスが15Ω程度の場合において、抵抗素子の抵抗値を100〜500Ω程度とするのが望ましい。
上記実施の形態では、交流電圧源23とO2センサ10(センサ素子11)との間に、分圧抵抗24とカップリングコンデンサ25とを図1に示す順序(交流電圧源23−分圧抵抗24−カップリングコンデンサ25−O2センサ10の順)に接続したが、その分圧抵抗24とカップリングコンデンサ25とを逆に接続する構成であっても良い(交流電圧源23−カップリングコンデンサ25−分圧抵抗24−O2センサ10の順に直列に接続する)。かかる場合にも、前記同様、インピーダンス検出時においてセンサ端子電圧を計測する構成とすることにより、素子インピーダンスの算出精度向上と十分なヒータノイズ対策との両立が可能となるといった優れた効果が得られる。
上記実施の形態では、インピーダンス検出に際し、交流電圧を負側→正側の順に変化させたが、その逆に正側→負側の順に変化させる構成であっても良い。
上記実施の形態では、P/H回路27に含まれる抵抗成分と容量成分とにより、ヒータノイズ低減のためのLPFを構成したが、P/H回路27とは別に、当該回路の前段にLPF回路を設ける構成とすることもできる。
交流変化付与手段として、シュミットトリガインバータを用いた自励発振回路を採用しても良い。図10に自励発振回路60の回路構成を示す。図10では、シュミットトリガインバータ61,62と、抵抗63と、コンデンサ64とにより自励発振回路60が構成されている。そして、この自励発振回路60によって連続掃引が実施される。
従来、A/Fセンサのインピーダンス検出では、A/F出力への影響を最小限にするため、掃引後所定時間が経過したタイミング、又は次の掃引を開始する所定時間前のタイミングでP/H回路をリセットする構成としていた。具体的には、P/H回路内のコンデンサに並列にトランジスタを設け、該トランジスタをオンすることでコンデンサを放電するようにしていた。これに対し、上記実施の形態におけるセンサ制御回路の構成では、P/H回路内の出力を毎回0Vにリセットする必要がない。そのため、前記トランジスタに代えて抵抗を設け、抵抗をプルダウンして放電する方式としても良い。これにより、リセット回路を簡素に構成することができる。
上記実施の形態では、インピーダンス検出時において、O2センサ10に交流的な電圧変化を付与し、その電圧変化に応答する電流変化量に基づいて素子インピーダンスを算出したが、この構成を変更し、O2センサ10に交流的な電流変化を付与し、その電流変化に応答する電圧変化量に基づいて素子インピーダンスを算出するようにしても良い。
上記実施の形態では、コップ型のO2センサ10にて本発明を具体化したが、他の構成のガスセンサであっても良い。例えば、積層構造を有するガスセンサであっても良い。また、起電力出力部としての起電力出力セルとその他ガス濃度検出セルとを有するガスセンサに適用でき、例えば、起電力出力セルと酸素濃度検知セルとを有するような2セル式のA/Fセンサに適用することも可能である。2セル式のA/Fセンサの場合、起電力出力セルを検出対象として素子インピーダンスの検出が実施される。
A/Fセンサに適用されるガス濃度検出装置について説明する。かかる場合、前記図5の(a)で説明したように、既存の回路構成では、A/Fセンサ50にシャント抵抗(電流検出抵抗52)が接続されており、このシャント抵抗に流れるセンサ電流に基づいて酸素濃度(A/F)が検出される。また、インピーダンス検出時には、センサ印加電圧が掃引変化され、それに伴い同シャント抵抗に流れるセンサ電流に基づいて素子インピーダンスが算出される。
ここで、酸素濃度に応じて流れるセンサ電流の範囲は凡そ−1.5mA〜2.5mAであるのに対し、インピーダンス検出時に流れる電流は、その5倍以上の10mA程度である。電流はシャント抵抗の端子電圧を測定することで検出されるが、シャント抵抗の端子電圧をアンプ又はA/D変換器に直接入力する場合、酸素濃度検出時のセンサ電流とインピーダンス検出時の電流とを共にレンジオーバーすることなく読み取るには、電流値の高い電流レンジ(この場合はインピーダンス検出の電流レンジ)に合わせてシャント抵抗の容量を決定する必要がある。この場合、酸素濃度検出のためのセンサ電流検出を広範囲のレンジで測定することになり、それが原因で分解能を上げられず、高精度化(高分解能化)の障害となっている。
そこで、上記問題の対策として、インピーダンス検出に際し、センサ素子の端子電圧を計測し、該計測した電圧値に基づいて素子インピーダンスを算出する。
その詳細を図11により説明する。図11は、A/Fセンサ用の駆動回路を示す電気回路図であり、図1等で説明した回路構成と同様、交流変化付与手段としての交流電圧源などが設けられている。
図11において、センサ素子70の+側端子には、オペアンプ71及び電流検出抵抗72を介して基準電源73が図示の如く接続され、−側端子にはスイッチ74を介してオペアンプ75と基準電源76とが接続されている。このとき、基準電源73,76及びオペアンプ71,75により電圧印加手段が構成されている。例えば基準電源73の電圧値は2.2V、基準電源76の電圧値は1.8Vである。また、センサ素子70の+側端子及び−側端子には、それぞれESD(静電放電)対策用のコンデンサ77,78が設けられている。なお実際には、基準電源76は、印加電圧を可変設定するための機能を有する印加電圧制御手段であっても良く、例えば都度のセンサ電流に基づいて印加電圧を可変設定する。
センサ素子70の−側端子には、交流変化付与手段として、交流電圧源81、分圧抵抗82及びカップリングコンデンサ83からなる直列回路が接続されている。また、同じくセンサ素子70の−側端子には、インピーダンス検出用出力回路85が接続されている。インピーダンス検出用出力回路85は、前記図1と同様に、HPF、P/H回路、増幅回路等を有する構成となっている。
ちなみに、図11の回路構成において、好適なインピーダンス検出を実現するには、インピーダンス検出側のセンサ端子(−側端子)に設けたESD対策用コンデンサ78を、カップリングコンデンサ83よりも小さい容量のものとすると良い。インピーダンス検出側と反対側のセンサ端子(+側端子)に設けたESD対策用コンデンサ77の容量は任意である。例えば、カップリングコンデンサ83の静電容量を0.33μFとし、ESD対策用のコンデンサ77,78を0.033μFとする。また、センサ素子70の各端子にオペアンプ71,75を接続することにより、同+側端子に接続したESD対策用コンデンサ77の容量の影響をキャンセルすることができるようになっている。ただし、オペアンプ71,75を設けない場合には、ESD対策用コンデンサ77をインピーダンス検出のためのカップリングコンデンサ83よりも大きい容量とすることで、好適なるインピーダンス検出が可能になるようになっている。
本構成において、A/F検出時には、スイッチ74を閉じた状態で基準電源73,76によりセンサ素子70に電圧を印加し、その電圧印加に伴い、センサ素子70では排ガス中の酸素濃度(A/F)に応じたセンサ電流が流れる。そして、そのセンサ電流を電流検出抵抗72により検出し、マイコン等に出力する。マイコンは、前記センサ電流に基づいてA/F値を算出する。
また、インピーダンス検出時には、スイッチ74を開放し、センサ素子70への基準電源76による電圧印加を停止する。そしてその状態で、交流電圧源81が所定の周波数にて電圧を正側及び負側に掃引変化させる。このとき、センサ端子電圧(−側端子電圧)は、センサ素子70の素子インピーダンスに応じて変化し、その電圧値がインピーダンス検出用出力回路85を介してマイコン等に出力される。マイコンは、前記センサ端子電圧の値に基づいて素子インピーダンスを算出する。
図11の構成によれば、インピーダンス検出時においてA/F検出のための電流検出抵抗72とは無関係にセンサ端子電圧が検出され、インピーダンス検出時のセンサ電流を電流検出抵抗72により計測することが不要となる。そのため、A/F(酸素濃度)を検出するセンサ電流のレンジで電流検出抵抗72の容量を決めることができる。例えば、センサ電流検出範囲(−1.5mA〜2.5mA)を、オペアンプの入力電圧範囲又はA/Dコンバータの入力電圧範囲の全範囲を使って設定できるため、分解能を上げることができ、高精度なA/F検出が可能となる。
また、上記のとおりセンサ端子電圧に基づいてインピーダンス検出を行う構成は、センサ端子電圧のピーク値検出を要するものでない。そのため、ヒータノイズやその他外来ノイズの対策としてLPFを設けたとしても好適に素子インピーダンスを算出することができる。
インピーダンス検出時には、スイッチ74の開放により電圧印加手段の電圧印加が停止されるため、該電圧印加によりインピーダンス検出に影響が及ぶことが抑制される。
なお、都度のセンサ電流に応じてセンサ印加電圧をフィードバック制御するような手法を用いる構成では、交流変化付与手段による電圧変化を打ち消すような印加電圧制御が行われることが懸念されるが、上記のとおり電圧印加手段による電圧印加を停止することにより、適正に電圧変化を付与できる。
上記図11の構成では、センサ素子70の両端子のうち、電流検出抵抗72を接続していない方のセンサ端子(図11では、センサ素子70の−側端子)に交流変化付与手段を接続したが、これを変更し、電流検出抵抗72を接続した方のセンサ端子(図11では、センサ素子70の+側端子)に交流変化付与手段を接続しても良い。その構成を図12に示す。なお、図12では、前記図11との共通の構成について同一の番号を付し、その説明を省略する。
図12において、センサ素子70の+側端子には、スイッチ74を介してオペアンプ71、電流検出抵抗72及び基準電源73が図示の如く接続され、−側端子にはオペアンプ75と基準電源76とが接続されている。また、センサ素子70の+側端子には、交流変化付与手段(交流電圧源81、分圧抵抗82及びカップリングコンデンサ83)が接続されるとともに、インピーダンス検出用出力回路85が接続されている。
発明の実施の形態におけるセンサ制御回路の概略を示す構成図である。 センサ素子の構成を示す断面図である。 O2センサの起電力特性を示す図である。 交流電圧源の電気的構成を示す回路図である。 A/Fセンサのインピーダンス検出手法(従来手法)を説明するための図である。 本実施の形態のインピーダンス検出手法を説明するための図である。 センサ端子電圧を計測する場合と、分圧抵抗の両端電圧を計測する場合との違いを説明するための図である。 インピーダンス算出処理を示すフローチャートである。 インピーダンス検出時における各種電圧波形などの推移を示すタイムチャートである。 自励発振回路の構成を示す回路図である。 A/Fセンサ用の駆動回路を示す電気回路図である。 A/Fセンサ用の駆動回路を示す電気回路図である。
符号の説明
10…O2センサ、11…センサ素子、12…固体電解質層、13…排ガス側電極層、14…大気側電極層、23…交流電圧源、24…抵抗素子としての分圧抵抗、25…容量素子としてのカップリングコンデンサ、27…P/H回路、32,33…トランジスタ、60…自励発振回路、70…センサ素子、72…電流検出抵抗、73,76…基準電源、74…スイッチ、81…交流電圧源、82…抵抗素子としての分圧抵抗、83…容量素子としてのカップリングコンデンサ、100…マイコン。

Claims (15)

  1. 固体電解質層と該固体電解質層を挟んで設けられる一対の電極とを具備し、被検出ガス中の酸素濃度に応じて前記電極間で起電力を発生するセンサ素子を有するガスセンサに適用され、
    前記センサ素子の電極に接続される電流経路上にて正側及び負側の電圧変化又は電流変化を付与する交流変化付与手段と、
    該交流変化付与手段において前記電流経路に設けられ、直流成分を遮断しかつ電荷を蓄えることが可能な蓄電手段と、
    前記センサ素子と前記交流変化付与手段との間の電圧を計測する計測手段と、
    前記交流変化付与手段による電圧変化又は電流変化時において前記計測手段により計測した電圧値に基づいて素子インピーダンスを算出するインピーダンス算出手段と、
    を備えたことを特徴とするガス濃度検出装置。
  2. 前記蓄電手段として、抵抗素子及び容量素子からなる直列回路を設けたことを特徴とする請求項1に記載のガス濃度検出装置。
  3. 前記計測手段は、前記抵抗素子及び容量素子の抵抗成分と、センサ素子のインピーダンスとによる分圧値を計測することを特徴とする請求項2に記載のガス濃度検出装置。
  4. 前記容量素子は、前記センサ素子の容量成分よりも十分に容量の小さいものであることを特徴とする請求項2又は3に記載のガス濃度検出装置。
  5. 前記容量素子を構成するコンデンサの静電容量を0.1〜1μFとすることを特徴とする請求項4に記載のガス濃度検出装置。
  6. 前記計測手段を、ピークホールド回路を有する構成とし、該ピークホールド回路を介して前記センサ素子と前記交流変化付与手段との間の電圧値を取得することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のガス濃度検出装置。
  7. 前記インピーダンス算出手段は、前記計測手段により計測した電圧値と、前記抵抗素子及び前記容量素子の合成抵抗とを基に素子インピーダンスを算出することを特徴とする請求項2乃至6のいずれかに記載のガス濃度検出装置。
  8. 固体電解質層と該固体電解質層を挟んで設けられる一対の電極とを具備し、被検出ガス中の酸素濃度に応じて前記電極間で起電力を発生するセンサ素子を有するガスセンサに適用され、
    前記センサ素子の電極に接続される電流経路上にて正側及び負側の電圧変化又は電流変化を付与する交流変化付与手段と、
    前記センサ素子と前記交流変化付与手段との間の電圧を計測する計測手段と、
    前記交流変化付与手段による電圧変化又は電流変化時において前記計測手段により計測した電圧値に基づいて素子インピーダンスを算出するインピーダンス算出手段と、
    を備えたことを特徴とするガス濃度検出装置。
  9. 前記センサ素子に接続される電気経路に電圧印加手段と電流検出手段とを設け、前記電圧印加手段による前記センサ素子への電圧印加時に前記電流検出手段に流れる電流を計測し、該電流計測値に基づいて被検出ガス中の特定ガス濃度を算出するガス濃度検出装置において、
    素子インピーダンスの算出に際し、前記交流変化付与手段が接続されたセンサ端子側で、前記電圧印加手段による前記センサ素子への電圧印加を停止することを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載のガス濃度検出装置。
  10. 前記電圧印加手段と前記センサ素子との間の電気経路にスイッチ手段を設け、素子インピーダンスの算出に際し、前記スイッチ手段を開状態とすることで、前記電圧印加手段による前記センサ素子への電圧印加を停止することを特徴とする請求項9に記載のガス濃度検出装置。
  11. 前記インピーダンス算出手段は、前記計測手段により計測した電圧値と前記抵抗素子の抵抗値とを基に素子インピーダンスを算出することを特徴とする請求項2乃至6、8乃至10の何れかに記載のガス濃度検出装置。
  12. 前記交流変化付与手段として、電源部とグランドとの間に2つのトランジスタを直列接続し、それら各トランジスタを交互にオンさせて交流波形を生成する構成において、
    前記インピーダンス算出手段は、さらに前記トランジスタのオン抵抗を考慮して素子インピーダンスを算出することを特徴とする請求項7又は11に記載のガス濃度検出装置。
  13. 前記交流変化付与手段による正側及び負側の電圧変化又は電流変化の付与時において、電圧又は電流を一旦片側に変化させた後、逆側に変化させる際の前記計測手段による計測値に基づいて素子インピーダンスを算出することを特徴とする請求項1乃至12の何れかに記載のガス濃度検出装置。
  14. 前記電圧変化又は電流変化を付与するための周波数を、前記電流経路を構成する配線の抵抗成分の影響を受けにくい周波数とすることを特徴とする請求項1乃至13の何れかに記載のガス濃度検出装置。
  15. 前記電圧変化又は電流変化を付与するための周波数を、被検出ガス中の酸素濃度の変化よりも大きい周波数とすることを特徴とする請求項1乃至14の何れかに記載のガス濃度検出装置。
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