JPH112620A - ガスセンサ - Google Patents

ガスセンサ

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JPH112620A
JPH112620A JP9157068A JP15706897A JPH112620A JP H112620 A JPH112620 A JP H112620A JP 9157068 A JP9157068 A JP 9157068A JP 15706897 A JP15706897 A JP 15706897A JP H112620 A JPH112620 A JP H112620A
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JP
Japan
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gas
impedance
electrode
gas sensor
predetermined
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JP9157068A
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English (en)
Inventor
Nobuhide Kato
伸秀 加藤
Yasuhiko Hamada
安彦 濱田
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NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
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Publication of JPH112620A publication Critical patent/JPH112620A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】故障であるか否かを、迅速に、かつ確実に検出
することができる自己診断機能を有したガスセンサを提
供することにある。 【解決手段】第1室18内の酸素をポンピング処理する
主ポンプセル26と、第2室20内の酸素をポンピング
処理する補助ポンプセル52と、第3の拡散律速部58
を通じて導入された被測定ガス中の酸素をポンピング処
理する測定用ポンプセル60を具備し、測定用ポンプセ
ル60に流れるポンプ電流Ipに基づいて被測定ガス中
のNOx成分を測定するガスセンサにおいて、少なくと
も主ポンプセル26、補助ポンプセル52及び測定用ポ
ンプセル60を所定の温度に加熱するヒータ66と、内
側ポンプ電極22と補助ポンプ電極50間のインピーダ
ンスを検出するインピーダンス検出回路70と、該イン
ピーダンス検出回路70にて検出されたインピーダンス
値と規定値とを比較し、その比較結果に基づいて故障判
別を行う自己診断装置202を設けて構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、車両の排
気ガスや大気中に含まれるNO,NO2 ,SO2,CO
2 ,H2 O等の酸化物や、CO,CnHm等の可燃ガス
を測定するガスセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、被測定ガス中の所望のガス成
分の濃度を知るために、各種の測定方式や装置が提案さ
れている。
【0003】例えば、燃焼ガス等の被測定ガス中のNO
xを測定する方法としては、RhのNOx還元性を利用
し、ジルコニア等の酸素イオン伝導性の固体電解質上に
Pt電極及びRh電極を形成してなるセンサを用いて、
これら両電極間の起電力を測定するようにした手法が知
られている。
【0004】前記のようなセンサは、被測定ガスである
燃焼ガス中に含まれる酸素濃度の変化によって起電力が
大きく変化するばかりでなく、NOxの濃度変化に対し
て起電力変化が小さく、そのためにノイズの影響を受け
やすいという問題がある。
【0005】また、NOxの還元性を引き出すために
は、CO等の還元ガスが必須になることから、一般に大
量のNOxが発生する燃料過少の燃焼条件下では、CO
の発生量がNOxの発生量を下回るようになるため、そ
のような燃焼条件下に形成される燃焼ガスでは測定がで
きないという欠点があった。
【0006】また、Pt電極と酸素イオン伝導性の固体
電解質よりなる一組の電気化学的ポンプセルとセンサセ
ル、及びRh電極と酸素イオン伝導性の固体電解質より
なるもう一組の電気化学的ポンプセルとセンサセルを組
み合わせ、それぞれのポンプ電流値の差により、NOx
を測定する方式が、特開昭63−38154号公報や特
開昭64−39545号公報等に明らかにされている。
【0007】更に、特開平1−277751号公報や特
開平2−1543号公報等には、一対の電気化学的ポン
プセルとセンサセルを二組用意し、一方の一組のポンプ
セルとセンサセルからなるセンサにて、NOxが還元さ
れない酸素分圧下で限界ポンプ電流を測定すると共に、
他方の一組のポンプセルとセンサセルからなるセンサに
て、NOxが還元される酸素分圧下で限界ポンプ電流を
測定し、それら限界ポンプ電流の差を求めたり、一組の
ポンプセルとセンサセルからなるセンサを用い、被測定
ガス中の酸素分圧をNOxが還元される酸素分圧と還元
され得ない酸素分圧とに切り換えて、限界電流の差を測
定する方法が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そして、本発明は、上
述のようなガスセンサにおいて、故障であるか否かを、
迅速に、かつ確実に検出することができる自己診断機能
を有したガスセンサを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係るガスセンサ
は、外部空間に接する固体電解質にて区画形成された処
理空間に導入された前記外部空間からの被測定ガスに含
まれる酸素をポンピング処理して、前記処理空間におけ
る酸素分圧を測定対象である所定ガス成分が分解され得
ない所定の値に制御する主ポンプ手段と、前記主ポンプ
手段にてポンピング処理された後の被測定ガス中に含ま
れる所定ガス成分を触媒作用及び/又は電気分解により
分解させ、該分解によって発生した酸素をポンピング処
理する測定用ポンプ手段とを具備し、前記測定用ポンプ
手段のポンピング処理によって該測定用ポンプ手段に流
れるポンプ電流に基づいて前記被測定ガス中の前記所定
ガス成分を測定するガスセンサにおいて、少なくとも前
記主ポンプ手段及び測定用ポンプ手段を所定の温度に加
熱するヒータと、所定の電極間のインピーダンスを検出
するインピーダンス検出手段と、前記インピーダンス検
出手段にて検出されたインピーダンス値と規定値とを比
較し、その比較結果に基づいて故障判別を行う自己診断
手段を設けて構成する。
【0010】これにより、まず、外部空間から導入され
た被測定ガスのうち、酸素が主ポンプ手段によってポン
ピング処理され、該酸素は所定濃度に調整される。前記
主ポンプ手段にて酸素の濃度が調整された被測定ガス
は、次の測定用ポンプ手段に導かれる。測定用ポンプ手
段は、前記主ポンプ手段にてポンピング処理された後の
被測定ガス中に含まれる所定ガス成分を触媒作用及び/
又は電気分解により分解させ、該分解によって発生した
酸素をポンピング処理する。前記測定用ポンプ手段によ
りポンピング処理される酸素の量に応じて該測定用ポン
プ手段に生じるポンプ電流に基づいて、酸素量に応じた
所定ガス成分が測定される。所定ガス成分としては例え
ばNOxが挙げられる。
【0011】前記検出動作は、ヒータによって少なくと
も前記主ポンプ手段及び測定用ポンプ手段が所定の温度
に加熱されて行われることから、測定用ポンプ手段によ
る所定成分量の検出が高精度に行われる。
【0012】そして、前記所定ガス成分の測定動作が行
われている間に、インピーダンス検出手段を通じて、所
定の電極間のインピーダンス値が検出され、更に、自己
診断手段において、前記インピーダンス値と規定値とが
比較され、その比較結果に基づいて故障判別が行われ
る。
【0013】一般に、ガスセンサの温度とガスセンサの
交流抵抗(インピーダンス)には相関関係があり、具体
的には、ガスセンサの温度はガスセンサのインピーダン
スに比例する。従って、ヒータに電力を供給しているに
も拘わらずインピーダンス値が規定値に到達しないとい
うことは、何らかの原因(例えば、ヒータの断線や電極
の異常等)でガスセンサが故障していることであり、本
発明は、この原理を利用することによって、ガスセンサ
の故障を判別するようにしている。
【0014】これにより、本発明においては、現在、ガ
スセンサが故障状態にあるか否かを、早期に、かつ確実
に検出することができ、ガスセンサの保守管理に迅速に
対応させることができる。なお、ガスセンサの故障とし
ては、例えばヒータの断線や電極の異常があり、この電
極の異常としては、例えば熱害による電極の消耗や剥離
又は被毒及び目詰まり等による該電極の触媒活性の低下
などが挙げられる。
【0015】そして、前記インピーダンス検出手段にお
いて、前記主ポンプ手段側の電極と前記測定用ポンプ手
段側の電極間のインピーダンスを検出するようにしても
よく、前記測定用ポンプ手段側の検出電極と基準ガスに
露呈する基準電極間のインピーダンスを検出するように
してもよい。
【0016】次に、本発明に係るガスセンサにおいて
は、外部空間に接する固体電解質にて区画形成された処
理空間に導入された前記外部空間からの被測定ガスに含
まれる酸素をポンピング処理して、前記処理空間におけ
る酸素分圧を測定対象である所定ガス成分が分解され得
ない所定の値に制御する主ポンプ手段と、前記主ポンプ
手段にてポンピング処理された後の被測定ガス中に含ま
れる所定ガス成分を触媒作用及び/又は電気分解により
分解させ、該分解によって発生した酸素の量と基準ガス
に含まれる酸素の量との差に応じた起電力を発生する濃
度検出手段とを具備し、前記濃度検出手段にて検出され
た起電力に基づいて前記被測定ガス中の前記所定ガス成
分を測定するガスセンサにおいて、少なくとも前記主ポ
ンプ手段及び濃度検出手段を所定の温度に加熱するヒー
タと、所定の電極間のインピーダンスを検出するインピ
ーダンス検出手段と、前記インピーダンス検出手段にて
検出されたインピーダンス値と規定値とを比較し、その
比較結果に基づいて故障判別を行う自己診断手段を設け
て構成する。
【0017】これにより、まず、外部空間から導入され
た被測定ガスのうち、酸素が主ポンプ手段によってポン
ピング処理され、該酸素は所定濃度に調整される。前記
主ポンプ手段にて酸素の濃度が調整された被測定ガス
は、次の濃度検出手段に導かれ、該濃度検出手段におい
て、被測定ガス中に含まれる所定ガス成分の分解によっ
て発生された酸素の量と基準ガスに含まれる酸素の量と
の差に応じた酸素濃淡電池起電力が発生し、該起電力に
基づいて、酸素量に応じた所定ガス成分が測定される。
【0018】この場合も、前記所定ガス成分の測定動作
が行われている間に、インピーダンス検出手段を通じ
て、所定の電極間のインピーダンス値が検出され、更
に、自己診断手段において、前記インピーダンス値と規
定値とが比較され、その比較結果に基づいて故障判別が
行われる。これにより、現在、ガスセンサが故障である
か否かを、迅速に、かつ確実に検出することができる。
【0019】前記インピーダンス検出手段においては、
前記主ポンプ手段側の電極と前記濃度検出手段側の電極
間のインピーダンスを検出するようにしてもよく、前記
濃度検出手段側の検出電極と基準ガスに露呈する基準電
極間のインピーダンスを検出するようにしてもよい。
【0020】そして、上述した本発明に係るガスセンサ
において、前記自己診断手段を、前記インピーダンス検
出手段にて検出されたインピーダンス値が所定時間にわ
たって前記規定値に達しない場合に故障として認定する
ように構成するようにしてもよい。
【0021】この場合、自己診断手段としては、前記イ
ンピーダンス検出手段にて検出されたインピーダンス値
と前記規定値とを比較する比較手段と、前記比較手段か
らの比較出力を一時的にあるいは定期的に監視し、比較
出力が所定時間にわたって前記規定値に達しない場合に
故障として認定する監視手段を設けて構成することがで
きる。
【0022】また、前記監視手段は、所定条件の完了時
に、前記比較手段からの比較出力を前記所定時間にわた
って監視するように構成してもよいし、一定の時間間隔
で前記比較手段からの比較出力を前記所定時間にわたっ
て監視するように構成してもよい。また、これらを組み
合わせた構成にしてもよい。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るガスセンサを
例えば車両の排気ガスや大気中に含まれるNO,N
2 ,SO2 ,CO2 ,H2 O等の酸化物や、CO,C
nHm等の可燃ガスを測定するガスセンサに適用したい
くつかの実施の形態例を図1〜図17を参照しながら説
明する。
【0024】まず、第1の実施の形態に係るガスセンサ
200Aは、図1に示すように、ZrO2 等の酸素イオ
ン伝導性固体電解質を用いたセラミックスからなる例え
ば6枚の固体電解質層10a〜10fが積層されて構成
され、下から1層目及び2層目が第1及び第2の基板層
10a及び10bとされ、下から3層目及び5層目が第
1及び第2のスペーサ層10c及び10eとされ、下か
ら4層目及び6層目が第1及び第2の固体電解質層10
d及び10fとされている。
【0025】具体的には、第2の基板層10b上に第1
のスペーサ層10cが積層され、更に、この第1のスペ
ーサ層10c上に第1の固体電解質層10d、第2のス
ペーサ層10e及び第2の固体電解質層10fが順次積
層されている。
【0026】第2の基板層10bと第1の固体電解質層
10dとの間には、酸化物測定の基準となる基準ガス、
例えば大気が導入される空間(基準ガス導入空間12)
が、第1の固体電解質層10dの下面、第2の基板層1
0bの上面及び第1のスペーサ層10cの側面によって
区画、形成されている。
【0027】また、第1及び第2の固体電解質層10d
及び10f間に第2のスペーサ層10eが挟設されると
共に、第1及び第2の拡散律速部14及び16が挟設さ
れている。
【0028】そして、第2の固体電解質層10fの下
面、第1及び第2の拡散律速部14及び16の側面並び
に第1の固体電解質層10dの上面によって、被測定ガ
ス中の酸素分圧を調整するための第1室18が区画、形
成され、第2の固体電解質層10fの下面、第2の拡散
律速部16の側面、第2のスペーサ層10eの側面並び
に第1の固体電解質層10dの上面によって、被測定ガ
ス中の酸素分圧を微調整し、更に被測定ガス中の酸化
物、例えば窒素酸化物(NOx)を測定するための第2
室20が区画、形成される。
【0029】外部空間と前記第1室18は、第1の拡散
律速部14を介して連通され、第1室18と第2室20
は、前記第2の拡散律速部16を介して連通されてい
る。
【0030】ここで、前記第1及び第2の拡散律速部1
4及び16は、第1室18及び第2室20にそれぞれ導
入される被測定ガスに対して所定の拡散抵抗を付与する
ものであり、例えば、被測定ガスを導入することができ
る多孔質材料又は所定の断面積を有した小孔からなる通
路として形成することができる。
【0031】特に、第2の拡散律速部16内には、Zr
2 等からなる多孔質体が充填、配置されて、前記第2
の拡散律速部16の拡散抵抗が前記第1の拡散律速部1
4における拡散抵抗よりも大きくされている。
【0032】そして、前記第2の拡散律速部16を通じ
て、第1室18内の雰囲気が所定の拡散抵抗の下に第2
室20内に導入される。
【0033】また、前記第2の固体電解質層10fの下
面のうち、前記第1室18を形づくる下面全面に、平面
ほぼ矩形状の多孔質サーメット電極からなる内側ポンプ
電極22が形成され、前記第2の固体電解質層10fの
上面のうち、前記内側ポンプ電極22に対応する部分
に、外側ポンプ電極24が形成されており、これら内側
ポンプ電極22、外側ポンプ電極24並びにこれら両電
極22及び24間に挟まれた第2の固体電解質層10f
にて電気化学的なポンプセル、即ち、主ポンプセル26
が構成されている。
【0034】そして、前記主ポンプセル26における内
側ポンプ電極22と外側ポンプ電極24間に、外部の可
変電源28を通じて所望の制御電圧(ポンプ電圧)Vp
1を印加して、外側ポンプ電極24と内側ポンプ電極2
2間に正方向あるいは負方向にポンプ電流を流すことに
より、前記第1室18内における雰囲気中の酸素を外部
空間に汲み出し、あるいは外部空間の酸素を第1室18
内に汲み入れることができるようになっている。
【0035】また、前記第1の固体電解質層10dの上
面のうち、前記第1室18を形づくる上面であって、か
つ第2の拡散律速部16に近接する部分に、平面ほぼ矩
形状の多孔質サーメット電極からなる測定電極30が形
成され、前記第1の固体電解質層10dの下面のうち、
基準ガス導入空間12に露呈する部分に基準電極32が
形成されており、これら測定電極30、基準電極32及
び第1の固体電解質層10dによって、電気化学的なセ
ンサセル、即ち、酸素分圧検出セル34が構成されてい
る。
【0036】この酸素分圧検出セル34は、第1室18
内の雰囲気と基準ガス導入空間12内の基準ガス(大
気)との間の酸素濃度差に基づいて、測定電極30と基
準電極32との間に発生する起電力を電圧計36にて測
定することにより、前記第1室18内の雰囲気の酸素分
圧が検出できるようになっている。
【0037】検出された酸素分圧値は可変電源28をフ
ィードバック制御するために使用され、具体的には、第
1室18内の雰囲気の酸素分圧が、次の第2室20にお
いて酸素分圧の制御を行い得るのに十分な低い所定の値
となるように、主ポンプセル26のポンプ動作が制御さ
れる。
【0038】このフィードバック制御を行う回路系(フ
ィードバック制御系)38は、具体的には、図2に示す
ように、測定電極30の電位と接地電位との差(測定電
圧Va)と、基準電極32の電位と接地電位との差(基
準電圧Vb)との差分をとり、所定のゲインにて増幅し
て出力する第1の差動増幅器40と、該第1の差動増幅
器40の出力と参照電圧Vcとの差分をとり、所定のゲ
インにて増幅して出力する第2の差動増幅器42と、該
第2の差動増幅器42の出力を所定のゲインにて増幅す
る1段あるいは多段の増幅器44にて構成された信号増
幅系46を有して構成されている。この場合、信号増幅
系46の出力が主ポンプセル26の外側ポンプ電極24
に供給されるように配線接続され、内側ポンプ電極22
は接地とされる。
【0039】これによって、まず、被測定ガスが第1の
拡散律速部14を通じて第1室18に導入され、そのと
きの測定電圧Vaと基準電圧Vbが第1の差動増幅器4
0に供給され、該第1の差動増幅器40からは前記測定
電圧Vaと基準電圧Vbとの差分電圧Vdが出力され
る。この差分電圧Vdは、後段の第2の差動増幅器42
の例えば反転端子に印加される。この第2の差動増幅器
42においては、反転端子に供給される前記差分電圧V
dと非反転端子に供給される参照電圧Vcとの差分がと
られ、その出力端子からは、その差分を所定のゲインに
て増幅された電圧信号Veが出力される。そして、この
電圧信号Veは、後段の信号増幅系46にて所定のゲイ
ンにて増幅されてポンプ電圧Vp1として主ポンプセル
26の外側ポンプ電極24に供給される。この場合、内
側ポンプ電極22は接地電位(0V)とされていること
から、結局、主ポンプセル26の両電極22及び24間
の電圧は、信号増幅系46からのポンプ電圧Vp1と等
価とされる。
【0040】従って、主ポンプセル26は、第1室18
に導入された被測定ガスのうち、酸素を前記ポンプ電圧
Vp1のレベルに応じた量ほど汲み出す、あるいは汲み
入れる。そして、前記一連の動作が繰り返されることに
よって、第1室18における酸素濃度は、所定レベルに
フィードバック制御されることになる。
【0041】なお、前記内側ポンプ電極22及び外側ポ
ンプ電極24を構成する多孔質サーメット電極は、Pt
等の金属とZrO2 等のセラミックスとから構成される
ことになるが、被測定ガスに接触する第1室18内に配
置される内側ポンプ電極22及び測定電極30は、測定
ガス中のNO成分に対する還元能力を弱めた、あるいは
還元能力のない材料を用いる必要があり、例えばLa3
CuO4 等のペロブスカイト構造を有する化合物、ある
いはAu等の触媒活性の低い金属とセラミックスのサー
メット、あるいはAu等の触媒活性の低い金属とPt族
金属とセラミックスのサーメットで構成されることが好
ましい。更に、電極材料にAuとPt族金属の合金を用
いる場合は、Au添加量を金属成分全体の0.03〜3
5vol%にすることが好ましい。
【0042】一方、図1に示すように、前記第2の固体
電解質層10fの下面のうち、前記第2室20を形づく
る下面全面には、平面ほぼ矩形状の多孔質サーメット電
極からなる補助ポンプ電極50が形成されており、該補
助ポンプ電極50及び前記基準電極32並びに第2の固
体電解質層10f、第2のスペーサ層10e及び第1の
固体電解質層10dにて補助的な電気化学的ポンプセ
ル、即ち、補助ポンプセル52が構成されている。
【0043】そして、前記補助ポンプセル52における
補助ポンプ電極50と基準電極32間に、外部の電源5
4を通じて所望の一定電圧Vp2を印加することによ
り、第2室20内の雰囲気中の酸素を基準ガス導入空間
12に汲み出せるようになっている。これによって、第
2室20内の雰囲気の酸素分圧が、実質的に被測定ガス
成分(NOx)が還元又は分解され得ない状況下で、か
つ目的成分量の測定に実質的に影響がない低い酸素分圧
値とされる。この場合、第1室18における主ポンプセ
ル26の働きにより、この第2室20内に導入される酸
素の量の変化は、被測定ガスの変化よりも大幅に縮小さ
れるため、第2室20における酸素分圧は精度よく一定
に制御される。
【0044】また、この第1の実施の形態に係るガスセ
ンサ200Aにおいては、前記第1の固体電解質層10
dの上面のうち、前記第2室20を形づくる上面であっ
て、かつ第2の拡散律速部16から離間した部分に、平
面ほぼ矩形状の多孔質サーメット電極からなる検出電極
56が形成され、この検出電極56を被覆するように、
第3の拡散律速部58を構成するアルミナ膜が形成され
ている。そして、該検出電極56、前記基準電極32及
び第1の固体電解質層10dによって、電気化学的なポ
ンプセル、即ち、測定用ポンプセル60が構成される。
【0045】前記検出電極56は、被測定ガス成分たる
NOxを還元し得る金属であるRhとセラミックスとし
てのジルコニアからなる多孔質サーメットにて構成さ
れ、これによって、第2室20内の雰囲気中に存在する
NOxを還元するNOx還元触媒として機能するほか、
前記基準電極32との間に、直流電源62を通じて一定
電圧Vp3が印加されることによって、第2室20内の
雰囲気中の酸素を基準ガス導入空間12に汲み出せるよ
うになっている。この測定用ポンプセル60のポンプ動
作によって流れるポンプ電流Ipは、電流計64によっ
て検出されるようになっている。
【0046】前記定電圧(直流)電源62は、第3の拡
散律速部58により制限されたNOxの流入下におい
て、測定用ポンプセル60で分解時に生成した酸素のポ
ンピングに対して限界電流を与える大きさの電圧を印加
できるようになっている。
【0047】更に、この第1の実施の形態に係るガスセ
ンサ200Aでは、第1及び第2の基板層10a及び1
0bにて上下から挟まれた形態において、外部からの給
電によって発熱するヒータ66が埋設されている。この
ヒータ66は、酸素イオンの伝導性を高めるために設け
られるもので、該ヒータ66の上下面には、基板層10
a及び10bとの電気的絶縁を得るために、アルミナ等
のセラミック層68が形成されている。
【0048】前記ヒータ66は、図示するように、第1
室18から第2室20の全体にわたって配設されてお
り、これによって、第1室18及び第2室20がそれぞ
れ所定の温度に加熱され、併せて主ポンプセル26、酸
素分圧検出セル34、補助ポンプセル52及び測定用ポ
ンプセル60も所定の温度に加熱、保持されるようにな
っている。
【0049】また、この第1の実施の形態に係るガスセ
ンサ200Aにおいては、前記検出電極56を除く、例
えば主ポンプセル26における内側ポンプ電極22と補
助ポンプ電極50との間に挿入接続され、かつ両電極2
2及び50間のインピーダンスを検出するインピーダン
ス検出回路70と、該インピーダンス検出回路70から
の検出信号に基づいて前記ヒータ66への通電を制御す
るヒータ制御回路72を具備したヒータ制御系を有す
る。
【0050】前記インピーダンス検出回路70は、図3
に示すように、前記内側ポンプ電極22と補助ポンプ電
極50間に交流を供給する交流発生回路80と、前記電
極22及び50間への交流供給によって該電極22及び
50間に発生する該電極22及び50間のインピーダン
スに応じたレベルの電圧信号Vfを検出する信号検出回
路82を有する。
【0051】前記内側ポンプ電極22と補助ポンプ電極
50とこれら両電極22及び50間に挟まれた第2の固
体電解質層10fにて構成されるインピーダンス被測定
体は、図4に示すように、等価的に抵抗Rと容量Cとが
並列に接続された回路84で表すことができる。
【0052】従って、前記信号検出回路82としては、
図4に示すように、前記電極22及び50間に発生する
交流信号を前記電極22及び50間のインピーダンスに
応じたレベルの電圧信号Vfに変換するフィルタ回路
(例えばローパスフィルタやバンドパスフィルタなど)
86にて構成することができる。
【0053】一方、ヒータ制御回路72は、同じく図4
に示すように、ヒステリシス付きコンパレータ88とp
npタイプのパワートランジスタ90を有して構成され
ている。ヒステリシス付きコンパレータ88は、基準レ
ベルをE、不感帯レベルをV H としたとき、前記フィル
タ回路86から出力される電圧信号Vfのレベルが正側
しきい値レベル(E+VH /2)より高い場合に低レベ
ル信号を出力し、前記検出レベルが負側しきい値レベル
(E−VH /2)より低い場合に高レベル信号を出力
し、前記検出レベルが−VH /2〜+VH /2の間にあ
る場合に現在のレベルを維持する。
【0054】パワートランジスタ90は、そのコレクタ
端子に電源Vccが接続され、ベース端子に前記ヒステ
リシス付きコンパレータ88の出力側が接続され、エミ
ッタ端子にヒータ66の一方の端子φ1が接続されてい
る。なお、ヒータ66の他方の端子φ2は接地とされて
いる。
【0055】前記パワートランジスタ90は、前記コン
パレータ88から低レベル信号がベース端子に供給され
ることによってON動作し、これによって、電源Vcc
からヒータ66に駆動電流が供給され、反対に、前記コ
ンパレータ88から高レベル信号がベース端子に供給さ
れることによってOFF動作し、これによって、ヒータ
66への駆動電流の供給が停止されるようになってい
る。
【0056】前記交流発生回路80にて発生する交流成
分の周波数帯域としては、例えば300Hz〜100k
Hz程度の範囲に設定されることが望ましく、1kHz
〜10kHzが最適である。また、前記交流成分の電圧
としては、各電極が機能に支障のないレベル、例えば5
00mV以下に設定されることが望ましく、100〜3
00mV程度が最適である。
【0057】また、ヒータ制御回路72のコンパレータ
88に供給される基準レベルEは、センサ素子内の被測
定ガス温度が所定温度(所望の温度)となったときの検
出レベルと同じレベルに設定される。
【0058】ここで、前記ガスセンサ200Aの動作に
ついて説明する。まず、ガスセンサ200Aの先端部側
が外部空間に配置され、これによって、被測定ガスは、
第1の拡散律速部14を通じて所定の拡散抵抗の下に、
第1室18に導入される。この第1室18に導入された
被測定ガスは、主ポンプセル26を構成する外側ポンプ
電極24及び内側ポンプ電極22間に所定のポンプ電圧
Vp1が印加されることによって引き起こされる酸素の
ポンピング作用を受け、その酸素分圧が所定の値、例え
ば10-7atmとなるように制御される。この制御は、
図2に示すフィードバック制御系38を通じて行われ
る。
【0059】なお、第1の拡散律速部14は、主ポンプ
セル26にポンプ電圧Vp1を印加した際に、被測定ガ
ス中の酸素が測定空間(第1室18)に拡散流入する量
を絞り込んで、主ポンプセル26に流れる電流を抑制す
る働きをしている。
【0060】また、第1室18内においては、外部の被
測定ガスによる加熱、更にはヒータ66による加熱環境
下においても、内側ポンプ電極22や測定電極30にて
雰囲気中のNOxが還元されない酸素分圧下の状態、例
えばNO→1/2N2 +1/2O2 の反応が起こらない
酸素分圧下の状況が形成されている。これは、第1室1
8内において、被測定ガス(雰囲気)中のNOxが還元
されると、後段の第2室20内でのNOxの正確な測定
ができなくなるからであり、このため、第1室18内に
おいて、NOxの還元に関与する成分(ここでは、内側
ポンプ電極22や測定電極30の金属成分)にてNOx
が還元され得ない状況を形成する必要がある。具体的に
は、内側ポンプ電極22及び測定電極30にNOx還元
性の低い材料、例えばAuとPtの合金を用いることで
達成される。
【0061】そして、前記第1室18内のガスは、第2
の拡散律速部16を通じて所定の拡散抵抗の下に、第2
室20に導入される。この第2室20に導入されたガス
は、補助ポンプセル52を構成する補助ポンプ電極50
及び基準電極32間に所定の一定電圧Vp2が印加され
ることによって引き起こされる酸素のポンピング作用を
受け、その酸素分圧が一定の低い酸素分圧値となるよう
に微調整される。
【0062】前記第2の拡散律速部16は、前記第1の
拡散律速部14と同様に、補助ポンプセル52に一定電
圧Vp2を印加した際に、被測定ガス中の酸素が測定空
間(第2室20)に拡散流入する量を絞り込んで、補助
ポンプセル52に流れる電流を抑制する働きをしてい
る。
【0063】また、第2室20内においても、第1室1
8内と同様に、外部の被測定ガスによる加熱やヒータ6
6による加熱環境下において、補助ポンプ電極50によ
って、雰囲気中のNOxが還元されない酸素分圧下の状
態が形成されている。このため、前記補助ポンプ電極5
0においても、内側ポンプ電極22や測定電極30と同
様に、測定ガス中のNO成分に対する還元能力を弱め
た、あるいは還元能力のない材料を用いる必要があり、
例えばLa3 CuO4 等のペロブスカイト構造を有する
化合物、あるいはAu等の触媒活性の低い金属とセラミ
ックスのサーメット、あるいはAu等の触媒活性の低い
金属とPt族金属とセラミックスのサーメットで構成さ
れることが好ましい。更に、電極材料にAuとPt族金
属の合金を用いる場合は、Au添加量を金属成分全体の
0.03〜35vol%にすることが好ましい。
【0064】そして、上述のようにして第2室20内に
おいて酸素分圧が制御された被測定ガスは、第3の拡散
律速部58を通じて所定の拡散抵抗の下に、検出電極5
6に導かれることとなる。
【0065】ところで、前記主ポンプセル26を動作さ
せて第1室18内の雰囲気の酸素分圧をNOx測定に実
質的に影響がない低い酸素分圧値に制御しようとしたと
き、換言すれば、酸素分圧検出セル34にて検出される
電圧が一定となるように、フィードバック制御系38を
通じて可変電源28のポンプ電圧Vp1を調整したと
き、被測定ガス中の酸素濃度が大きく、例えば0〜20
%に変化すると、通常、第2室20内の雰囲気及び検出
電極56付近の雰囲気の各酸素分圧は、僅かに変化する
ようになる。これは、被測定ガス中の酸素濃度が高くな
ると、測定電極30上の第1室18の幅方向及び厚み方
向に酸素濃度分布が生じ、この酸素濃度分布が被測定ガ
ス中の酸素濃度により変化するためであると考えられ
る。
【0066】しかし、この第1の実施の形態に係るガス
センサ200Aにおいては、第2室20に対して、その
内部の雰囲気の酸素分圧を常に一定に低い酸素分圧値と
なるように、補助ポンプセル52を設けるようにしてい
るため、第1室18から第2室20に導入される雰囲気
の酸素分圧が被測定ガスの酸素濃度に応じて変化して
も、前記補助ポンプセル52のポンプ動作によって、第
2室20内の雰囲気の酸素分圧を常に一定の低い値とす
ることができ、その結果、NOxの測定に実質的に影響
がない低い酸素分圧値に制御することができる。
【0067】そして、検出電極56に導入された被測定
ガスのNOxは、該検出電極56の周りにおいて還元又
は分解されて、例えばNO→1/2N2 +1/2O2
反応が引き起こされる。このとき、測定用ポンプセル6
0を構成する検出電極56と基準電極32との間には、
酸素が第2室20から基準ガス導入空間12側に汲み出
される方向に、所定の電圧Vp3、例えば430mV
(700℃)が印加される。
【0068】従って、測定用ポンプセル60に流れるポ
ンプ電流Ipは、第2室20に導かれる雰囲気中の酸素
濃度、即ち、第2室20内の酸素濃度と検出電極56に
てNOxが還元又は分解されて発生した酸素濃度との和
に比例した値となる。
【0069】この場合、第2室20内の雰囲気中の酸素
濃度は、補助ポンプセル52にて一定に制御されている
ことから、測定用ポンプセル60に流れるポンプ電流I
pは、NOxの濃度に比例することになる。また、この
NOxの濃度は、第3の拡散律速部58に制限されるN
Oxの拡散量に対応していることから、被測定ガスの酸
素濃度が大きく変化したとしても、測定用ポンプセル6
0から電流計64を通じて正確にNOx濃度を測定する
ことが可能となる。
【0070】例えば、補助ポンプセル52にて制御され
た第2室20内の雰囲気の酸素分圧が0.02ppm
で、被測定ガス中のNOx成分たるNO濃度が100p
pmとすると、NOが還元又は分解されて発生する酸素
濃度50ppmと第2室20内の雰囲気中の酸素濃度
0.02ppmとの和(=50.02ppm)に相当す
るポンプ電流Ipが流れることとなる。従って、測定用
ポンプセル60におけるポンプ電流値は、ほとんどがN
Oが還元又は分解された量を表し、そのため、被測定ガ
ス中の酸素濃度に依存するようなこともない。
【0071】そして、前記動作が行われている間に、イ
ンピーダンス検出回路70を通じて、前記検出電極56
を除く、内側ポンプ電極22と補助ポンプ電極50間の
インピーダンスが電圧レベルとして検出され、更に、ヒ
ータ制御回路72を通じて前記検出された電圧レベルに
基づいてヒータ66への通電が制御される。
【0072】具体的には、被測定ガス温度が所定温度よ
りも下降して、前記電極22及び50間のインピーダン
スが上昇すると、インピーダンス検出回路70のフィル
タ回路86(図4参照)から出力される電圧信号Vfの
レベルも高くなる。該電圧信号Vfのレベルがコンパレ
ータ88の正側しきい値レベル(E+VH /2)より高
くなると、ヒータ制御回路72におけるパワートランジ
スタ90のベース電極に低レベル信号が供給され、ヒー
タ66への通電が開始される。これにより、センサ素子
内の測定ガス温度は徐々に上昇することとなる。
【0073】反対に、被測定ガス温度が所定温度よりも
上昇して、前記電極22及び50間のインピーダンスが
下降すると、前記フィルタ回路86から出力される電圧
信号Vfのレベルも低くなる。該電圧信号Vfのレベル
がコンパレータ88の負側しきい値レベル(E−VH
2)より低くなると、ヒータ制御回路72におけるパワ
ートランジスタ90のベース電極に高レベル信号が供給
され、ヒータ66への通電が停止される。これにより、
センサ素子内の被測定ガス温度は徐々に低下することと
なる。このようにヒータ66への通電制御をインピーダ
ンス値に基づいて行うことにより、センサ素子内の温度
を一定に保つことが可能となる。
【0074】これにより、前記第1の実施の形態に係る
ガスセンサ200Aにおいては、ヒータリード部の抵抗
値とヒータ発熱部の抵抗値との抵抗比率を厳密に作製す
る必要性がなくなると共に、被測定ガス温度のヒータリ
ード部の抵抗値増加による影響を回避することができ
る。
【0075】また、第1の実施の形態に係るガスセンサ
200Aでは、検出電極56を除く電極間のインピーダ
ンス値を検出するようにしているため、測定用ポンプセ
ル60に印加される電圧Vp3がインピーダンス検出の
ために変動するということがなくなり、電流計64を通
じて検出されるポンプ電流Ipのゆらぎやノイズの重畳
等を抑圧することができる。つまり、被測定ガス温度に
よる検出出力の変動を抑圧することができ、しかも、検
出出力の高S/N比を実現させることができる。
【0076】そして、この第1の実施の形態に係るガス
センサ200Aにおいては、図1に示すように、インピ
ーダンス検出回路70の後段に当該ガスセンサ200A
の状態を監視する自己診断装置202が接続されてい
る。
【0077】具体的には、図4に示すように、フィルタ
回路86の出力ラインL1が2つに分岐され、一方の出
力ラインL11がヒステリシス付きコンパレータ88に接
続され、他方の出力ラインL12が前記自己診断装置20
2に接続されて構成されている。
【0078】この自己診断装置202は、図5に示すよ
うに、前記フィルタ回路86からの電圧信号Vfのレベ
ルと規定レベルEbとを比較するコンパレータ204
と、所定のクロックPcを発生するクロック発生器20
6と、外部に設置された図示しない例えばマイクロコン
ピュータからの指示信号Sgの入力に基づいてトリガー
パルス信号Ptを発生するトリガーパルス発生回路20
8と、トリガーパルス発生回路208からのトリガーパ
ルス信号Ptの入力に基づいて所定パルス幅のウィンド
ウパルスPwを生成するウィンドウパルス生成回路21
0と、該ウィンドウパルス生成回路210から出力され
るウィンドウパルスPwのパルス幅内において電圧信号
Vfのレベルが規定レベルEbに到達したか否かを判定
する判定回路212と、該判定回路212からの判定結
果を解読して表示用の制御信号として出力するデコーダ
214と、該デコーダ214からの制御信号の属性に対
応した表示信号又は表示データを表示装置218に出力
する表示用コントローラ216を有して構成されてい
る。
【0079】コンパレータ204は、電圧信号Vfのレ
ベルが規定レベルEbよりも高い場合に、例えば高レベ
ルの信号Shを出力し、前記電圧信号Vfのレベルが規
定レベルEbよりも低い場合に、低レベルの信号Shを
出力する(図6参照)。
【0080】トリガーパルス発生回路208は、例え
ば、外部からの指示信号Sgの入力に基づいてイネーブ
ル状態となり、例えば最初のクロックPcの立ち上がり
タイミングで1つのトリガーパルスPtを発生し、それ
以降、所定のクロック数を計数する毎にトリガーパルス
Ptを発生する。
【0081】ウィンドウパルス生成回路210は、トリ
ガーパルス発生回路208からのトリガーパルスPtの
入力に基づいてイネーブル状態となり、例えば最初のク
ロックPcの立ち上がりタイミングで立ち上がり、所定
のクロック数を計数した時点で立ち下がる1つのウィン
ドウパルスPwを生成する(図6及び図7参照)。
【0082】判定回路212は、ウィンドウパルスPw
とコンパレータ204からの出力信号Shのレベル変化
に応じて2種類の判定信号(第1及び第2の判定信号S
i1及びSi2)を出力する。
【0083】第1の判定信号Si1は、図6に示すよう
に、例えば、ウィンドウパルスPwの立ち上がり時点で
コンパレータ204からの出力信号Shが高レベルであ
る場合に低レベルになり、ウィンドウパルスPwのパル
ス幅内にコンパレータ204からの出力信号Shが低レ
ベルとなった時点で高レベルになる信号である。従っ
て、ウィンドウパルスPwのパルス幅内にコンパレータ
204からの出力信号が低レベルにならない場合、即
ち、電圧信号Vfのレベルが規定レベルEbよりも高く
ならない場合、この第1の判定信号Si1は低レベルを
維持する。
【0084】第2の判定信号Si2は、例えば、図7に
示すように、第1の判定信号Si1が低レベルの場合
に、ウィンドウパルスPwの終了時点(立ち下がり時
点)で高レベルとなる信号である。
【0085】デコーダ214は、第1及び第2の判定信
号Si1及びSi2がそれぞれ高レベル及び低レベルで
ある場合に、後段の表示用コントローラ216に対して
「正常」を示す制御信号(例えば低レベル信号)を出力
し、第1及び第2の判定信号Si1及びSi2がそれぞ
れ低レベル及び高レベルである場合に、後段の表示用コ
ントローラ216に対して「異常」を示す制御信号(例
えば高レベル信号)を出力する。
【0086】表示用コントローラ216は、デコーダ2
14から送出される制御信号が「正常」を示す場合に、
後段の表示装置218に対して、「正常」を示す情報、
例えば「正常」を示すメッセージやシンボルの表示用デ
ータを出力する。表示装置218が例えばLED(発光
ダイオード)であれば、例えば消灯を示す信号を出力す
る。
【0087】一方、デコーダ214から送出される制御
信号が「異常」を示す場合は、前記表示用コントローラ
216は、「異常」を示す情報、例えば「異常」を示す
メッセージやシンボルの表示用データを出力する。表示
装置218が例えばLED(発光ダイオード)であれ
ば、例えば点灯を示す信号を出力する。
【0088】また、前記表示用コントローラ216は、
前段のデコーダ214から「異常」を示す制御信号が供
給された場合、前記トリガーパルス発生回路208に対
してディスエーブル信号Sjを出力して、該トリガーパ
ルス発生回路208を停止状態にさせる。
【0089】第1の実施の形態に係るガスセンサ200
Aは、基本的には以上のように構成されるものであり、
次にその作用効果、特に、自己診断装置202の作用効
果について説明する。
【0090】まず、このガスセンサ200Aが設置され
た装置に対する電源投入に伴って、該装置において初期
動作が行われる。この初期動作はガスセンサ200Aに
おけるヒータ66への通電も含まれる。
【0091】前記ヒータ66への通電時点から所定期間
(例えば、ガスセンサ200Aへの暖気処理が完了する
時間)が経過した時点で、マイクロコンピュータ(図示
せず)から自己診断装置202におけるトリガーパルス
発生回路208に対して指示信号Sgが出力される。な
お、ガスセンサ200Aが設置される装置が自動車であ
る場合、前記暖気処理完了時は、水温が所定値に到達す
る時点を指す。
【0092】前記マイクロコンピュータ(図示せず)か
ら指示信号Sgが自己診断装置202に供給された時点
から、該自己診断装置202によるガスセンサ200A
に対する監視、即ち、インピーダンス検出回路70から
のインピーダンス値(内側ポンプ電極22と補助ポンプ
電極50間のインピーダンス値)に対する監視が開始さ
れる。この実施の形態においては、前記インピーダンス
値を電圧変換して得られた電圧信号Vfのレベルに対す
る監視が行われる。
【0093】そして、図6に示すように、前記所定期間
(ウィンドウパルスPwのパルス幅)内において、イン
ピーダンス検出回路70からのインピーダンス値(電圧
信号Vfのレベル)が規定値(規定レベル)Ebに達し
た場合、判定回路212から出力される第1及び第2の
判定信号Si1及びSi2がそれぞれ高レベル及び低レ
ベルとなるため、デコーダ214からは「正常」を示す
制御信号が出力され、その結果、表示装置218におい
て「正常」を示す表示が行われる。
【0094】その後、マイクロコンピュータ(図示せ
ず)から指示信号Sgが定期的に自己診断装置202に
供給され、そのたびにガスセンサ200Aに対する自己
診断が行われる。
【0095】一方、図7に示すように、前記所定期間が
経過しても、前記電圧信号Vfのレベルが規定レベルE
bに達しない場合は、判定回路212から低レベルの第
1の判定信号Si1と高レベルの第2の判定信号Si2
がそれぞれ出力され、これにより、デコーダ214から
「異常」を示す制御信号が出力され、表示装置218に
おいて「異常」を示す表示が行われる。この異常判定時
においては、表示用コントローラ216からトリガーパ
ルス発生回路208に対してディスエーブル信号Sjが
出力され、それ以降の自己診断装置202による故障判
定処理が終了し、表示装置218において、リセット入
力が行われるまで「異常」を示す表示がなされる。
【0096】一般に、ガスセンサ200Aの温度とガス
センサ200Aの交流抵抗(インピーダンス)には相関
関係があり、具体的には、ガスセンサ200Aの温度は
ガスセンサ200Aのインピーダンスに比例する。従っ
て、ヒータ66に電力を供給しているにも拘わらずイン
ピーダンス値(例えば内側ポンプ電極22と補助ポンプ
電極50間のインピーダンス値)が規定値Ebに到達し
ないということは、何らかの原因(例えば、ヒータ66
の断線や電極の異常等)でガスセンサ200Aが故障し
ていることであり、この第1の実施の形態に係るガスセ
ンサ200Aの自己診断装置202は、この原理を利用
することによって、ガスセンサ200Aの故障を判別す
るようにしている。
【0097】その結果、この第1の実施の形態に係るガ
スセンサ200Aにおいては、現在ガスセンサ200A
が故障状態にあるか否かを、早期に、かつ確実に検出す
ることができ、ガスセンサ200Aの保守管理(法規制
を含む)に迅速に対応させることができる。
【0098】なお、ガスセンサ200Aの故障として
は、例えばヒータ66の断線や電極の異常があり、この
電極の異常としては、例えば熱害による電極の消耗や剥
離又は被毒及び目詰まり等による該電極の触媒活性の低
下などが挙げられる。
【0099】次に、第1の実施の形態に係るガスセンサ
200Aの3つの変形例について図8〜図17を参照し
ながら説明する。なお、図1及び図4と対応するものに
ついては同符号を付してその重複説明を省略する。
【0100】まず、第1の変形例に係るガスセンサは、
前記第1の実施の形態に係るガスセンサ200Aとほぼ
同じ構成を有するが、ヒータ制御系の構成が以下の点で
異なる。
【0101】即ち、ヒータ制御系は、図8に示すよう
に、前記交流発生回路80のほかに、2つの検波回路
(第1の検波回路100及び第2の検波回路102)と
1つの差動増幅器104と、パワートランジスタ90の
ベースを駆動する信号(以下、単にベース駆動信号Sp
と記す)のパルス幅を変調するパルス幅変調回路130
を有して構成されている。
【0102】具体的には、まず、交流発生回路80の供
給ライン間に、抵抗Rと容量Cの並列回路84(内側ポ
ンプ電極22と補助ポンプ電極50とその間の第2の固
体電解質層10fとで構成されるインピーダンス被測定
体の等価回路)に固定抵抗Raが直列接続されてなる第
1の直列回路106と、可変抵抗Rcに固定抵抗Rbが
直列接続されてなる第2の直列回路108がそれぞれ並
列に接続されている。
【0103】そして、これら第1及び第2の直列回路1
06及び108への交流供給によって並列回路(素子イ
ンピーダンス)84に発生する交流信号Saが第1の検
波回路100に供給されるように配線接続され、可変抵
抗Rcに発生する交流信号Sbが第2の検波回路102
に供給されるように配線接続され、更に、第1の検波回
路100の出力Vgと第2の検波回路102の出力Vh
が共に後段の差動増幅器104に供給されるように配線
接続されている。図8では、差動増幅器104の非反転
入力端子に第1の検波回路100の出力Vgが入力さ
れ、反転入力端子に第2の検波回路102の出力Vhが
入力されるように配線接続されている例を示す。
【0104】可変抵抗Rcの抵抗値は、第1の直列回路
106として接続されるインピーダンス被測定体におけ
る電極間の正規のインピーダンスに応じた抵抗値に設定
される。この例では、内側ポンプ電極22と補助ポンプ
電極50間の正規のインピーダンスに応じた抵抗値に設
定される。
【0105】第1の検波回路100は、並列回路(素子
インピーダンス)84に発生する交流信号Saを所定の
ゲインにて増幅する非反転増幅回路110と、該非反転
増幅回路110からの出力Scを整流して、その出力レ
ベルに応じた直流レベルの電圧信号Vgに変換する整流
回路112が接続されて構成されている。第2の検波回
路102は、可変抵抗Rcに発生する交流信号Sbを所
定のゲインにて増幅する非反転増幅回路114と、該非
反転増幅回路114からの出力Sdを整流して、その出
力レベルに応じた直流レベルの電圧信号Vhに変換する
整流回路116が接続されて構成されている。固定抵抗
Raと固定抵抗Rbは共に同じ抵抗値とされている。
【0106】パルス幅変調回路130は、例えば底辺レ
ベルが−5V、頂点レベルが+5Vの所定の三角波St
を生成して出力する三角波生成回路132と、該三角波
生成回路132からの三角波Stと前記差動増幅器10
4からの出力信号Viとを比較するコンパレータ134
を有して構成されている。なお、図8では、コンパレー
タ134の反転入力端子に差動増幅器104からの出力
信号Viが入力され、非反転入力端子に三角波生成回路
132からの三角波Stが入力されるように配線接続さ
れている例を示す。
【0107】そして、前記差動増幅器104からの出力
信号Viのレベルは、前記三角波Stに対する一つのし
きい値を構成している。つまり、図9Aに示すように、
出力信号Viのレベルが三角波の頂点レベル以上の場合
は、図9Bに示すように、コンパレータ134から常時
低レベルのベース駆動信号が出力され、図10A及び図
11Aに示すように、出力信号Viのレベルが三角波の
底辺レベルより高く、頂点レベル未満である場合は、図
10B及び図11Bに示すように、三角波Stのうち、
前記出力信号Viのレベルよりも高い期間が高レベル、
前記出力信号Viのレベルよりも低い期間が低レベルと
されたベース駆動信号が出力されるようになっている。
また、図12Aに示すように、出力信号Viのレベルが
三角波の底辺レベル以下の場合は、図12Bに示すよう
に、コンパレータ134から常時高レベルのベース駆動
信号が出力されるようになっている。
【0108】次に、前記第1の変形例に係るガスセン
サ、特にヒータ制御系の動作について説明する。まず、
交流発生回路80を通じて、インピーダンス被測定体
(並列回路)84を有する第1の直列回路106に交流
が供給されると同時に、前記電極22及び50間の正規
のインピーダンスに応じた抵抗値に設定された可変抵抗
Rcを有する第2の直列回路108にも交流が供給され
る。
【0109】前記第1の直列回路106への交流供給に
よって、並列回路84(素子インピーダンス)に発生す
る交流信号Saが第1の検波回路100に供給され、直
流化された電圧信号Vgに変換されて出力される。一
方、前記第2の直列回路108への交流供給によって、
可変抵抗Rcに発生する交流信号Sbが第2の検波回路
102に供給され、直流化された電圧信号(参照信号)
Vhに変換されて出力される。
【0110】前記第1の検波回路100から出力される
電圧信号Vgと前記第2の検波回路102から出力され
る参照信号Vhは共に差動増幅器104に供給され、該
差動増幅器104は、前記電圧信号Vgと参照信号Vh
との差分をとって偏差信号Viとして出力する。
【0111】前記差動増幅器104から出力される偏差
信号Vi、特にその電圧レベルは、後段のパルス幅変調
回路130におけるコンパレータ134において、三角
波生成回路132からの三角波Stと比較される。
【0112】まず、暖気期間にあっては、センサ素子温
度と被測定ガス温度との温度差が非常に大きく、前記電
極22及び50間のインピーダンスが非常に大きくなっ
ていることから、図9Aに示すように、偏差信号Viの
レベルは三角波Stの頂点レベルを超え、ベース駆動信
号Spは常時低レベルとなる。その結果、パワートラン
ジスタ90は常時ON状態となり、ヒータ66に対して
連続通電が行われる。
【0113】ヒータ66の連続通電によって、センサ素
子温度が上昇すると、偏差信号Viのレベルが三角波S
tの頂点レベル未満となり、前記偏差信号Viのレベル
は、被測定ガス温度の高低に応じて前記底辺レベル〜頂
点レベルの間を変動することになる(図10A〜図11
B参照)。
【0114】そして、被測定ガス温度が所定温度よりも
下降して、前記電極22及び50間のインピーダンスが
上昇すると、図10A及び図10Bに示すように、イン
ピーダンス検出回路70の差動増幅器104から出力さ
れる偏差信号Viのレベルも高くなり、その分、ベース
駆動信号Spの低レベルのパルス幅が広くなる。その結
果、ヒータ66への通電時間が長くなり、センサ素子内
の被測定ガス温度は徐々に上昇することとなる。
【0115】反対に、被測定ガス温度が所定温度よりも
上昇して、前記電極22及び50間のインピーダンスが
下降すると、図11A及び図11Bに示すように、イン
ピーダンス検出回路70の差動増幅器104から出力さ
れる偏差信号Viのレベルも低くなり、その分、ベース
駆動信号Spの低レベルのパルス幅が狭くなる。その結
果、ヒータ66への通電時間が短くなり、センサ素子内
の被測定ガス温度は徐々に下降することになる。
【0116】このようにヒータ66への通電制御をイン
ピーダンス値に基づいて行うことにより、センサ素子内
の温度を一定に保つことが可能となる。
【0117】そして、この第1の変形例に係るガスセン
サにおいては、図8に示すように、差動増幅器104の
出力ラインL2が2つに分岐され、一方の出力ラインL
21がヒステリシス付きコンパレータ88に接続され、他
方の出力ラインL22が自己診断装置202に接続されて
構成されている。この自己診断装置202の構成は、該
自己診断装置202に前記他方の出力ラインL22を通じ
て入力される信号が差動増幅器104からの出力信号V
iである点を除けば、図5に示す自己診断装置202の
構成と同じであるため、その詳細な説明を省略する。
【0118】従って、この第1の変形例に係るガスセン
サにおいても、現在ガスセンサが故障状態にあるか否か
を、早期に、かつ確実に検出することができ、ガスセン
サの保守管理に迅速に対応させることができる。
【0119】次に、第2の変形例に係るガスセンサにつ
いて図13を参照しながら説明する。この第2の変形例
に係るガスセンサは、前記第1の変形例に係るガスセン
サとほぼ同じ構成を有するが、ヒータ制御回路72にお
けるヒステリシス付きコンパレータ88の代わりに差動
増幅器118が接続されている点で異なる。後段のパワ
ートランジスタ90は、トランジスタの飽和領域と遮断
領域を使ったデジタル的なスイッチング回路ではなく、
飽和領域、動作領域及び遮断領域を使用したアナログ的
な電流制御回路として機能する。
【0120】即ち、この第2の変形例に係るガスセンサ
においては、ヒータ66への通電を停止せずに、前記電
極22及び50間のインピーダンスの変化に基づいて連
続的に電流供給量を制御することによって、センサ素子
内の被測定ガス温度を制御する。この場合、ヒータ66
への通電開始時においてみられるような極度な電力消費
を抑制することができる。
【0121】この例では、差動増幅器118の反転端子
に差動増幅器104からの偏差信号Viが供給され、非
反転端子に基準レベルEaが供給されるように配線接続
された場合を示す。ここで、基準レベルEaは、差動増
幅器104からの偏差信号Viのレベル(偏差レベル)
と比較する必要から、図4の基準レベルEとは異なるレ
ベルに設定される。具体的には、センサ素子内の被測定
ガス温度が所定温度(所望の温度)となったときの偏差
レベルと同じレベルに設定される。
【0122】そして、この第2の変形例に係るガスセン
サにおいては、図13に示すように、差動増幅器118
の反転入力端子への入力ラインL3が2つに分岐され、
一方の入力ラインL31が前記反転入力端子に接続され、
他方の入力ラインL32が自己診断装置202に接続され
て構成されている。この自己診断装置202の構成は、
該自己診断装置202に前記他方の入力ラインL32を通
じて入力される信号が図8に示す差動増幅器104から
の偏差信号Viである点を除けば、図5に示す自己診断
装置202の構成と同じであるため、その詳細な説明を
省略する。
【0123】従って、この第2の変形例に係るガスセン
サにおいても、現在ガスセンサが故障状態にあるか否か
を、早期に、かつ確実に検出することができ、ガスセン
サの保守管理に迅速に対応させることができる。
【0124】次に、第3の変形例に係るガスセンサは、
ここでは図示しないが、ヒータ制御系のインピーダンス
検出回路70として、第1の実施の形態に係るガスセン
サ200Aにおけるインピーダンス検出回路、即ち、フ
ィルタ回路86を使用したインピーダンス検出回路70
とし、ヒータ制御回路72として第2の変形例に係るガ
スセンサにおけるヒータ制御回路、即ち、差動増幅器1
18を使用したヒータ制御回路72とした構成を有す
る。
【0125】そして、この第3の変形例に係るガスセン
サにおいては、図13に示す差動増幅器118の他方の
入力ラインL31に、図5に示す自己診断装置202と同
じ構成を有する自己診断装置202が接続されて構成さ
れる。従って、このガスセンサにおいても、ガスセンサ
が故障状態にあるか否かを、早期に、かつ確実に検出す
ることができ、ガスセンサの保守管理に迅速に対応させ
ることができる。
【0126】なお、主ポンプセル26に対するフィード
バック制御系38の構成としては、図2に示すフィード
バック制御系38のほか、図14に示すフィードバック
制御系38を採用するようにしてもよい。
【0127】即ち、このフィードバック制御系38は、
前記基準電極32と内側ポンプ電極22との間の両端電
圧Vjを基準電圧Vrと比較してその差分を所定のゲイ
ンにて増幅して出力する差動増幅器120を設け、該差
動増幅器120からの出力電圧(差分電圧)を主ポンプ
セル26へのポンプ電圧Vp1として外側ポンプ電極2
4と内側ポンプ電極22間に印加するように配線接続さ
れて構成されている。この例においては、内側ポンプ電
極22は接地とされている。
【0128】次に、前記第1の実施の形態に係るガスセ
ンサ200Aの動作について説明すると、まず、被測定
ガスが第1の拡散律速部14を通じて第1室18に導入
され、そのときの主ポンプセル26における内側ポンプ
電極22と基準ガス導入空間12側に形成された基準電
極32との間の両端電圧Vjが差動増幅器120の例え
ば反転端子に印加される。この差動増幅器120におい
ては、反転端子に供給される前記両端電圧Vjと非反転
端子に供給される基準電圧Vrとの差分がとられ、その
出力端子からは、前記差分を所定のゲインにて増幅され
た電圧Vp1が取り出されることとなる。この出力電圧
Vp1は、主ポンプセル26における外側ポンプ電極2
4に印加されるが、この場合、内側ポンプ電極22は接
地電位(0V)とされていることから、結局、主ポンプ
セル26の両電極22及び24間の電圧は、前記差動増
幅器120からの出力電圧Vp1と等価とされる。
【0129】従って、主ポンプセル26は、第1室18
に導入された被測定ガスのうち、酸素を前記出力電圧V
p1のレベルに応じた量ほど汲み出す又は汲み入れるポ
ンプとしての機能を果たす。そして、前記一連の動作が
繰り返されることによって、第1室18における酸素濃
度は、所定レベルにフィードバック制御されることとな
る。
【0130】この場合、差動増幅器120の反転端子に
印加される両端電圧(測定電圧)Vjを、主ポンプセル
26における内側ポンプ電極22と基準ガス導入空間1
2における基準電極32との間の両端電圧としている。
そのため、主ポンプセル26による酸素の汲み出し量が
変化して、第1室18内における酸素の濃度が変化する
と、主ポンプセル26における内側ポンプ電極22と基
準電極32間の両端電圧が時間遅れなく変化する(リア
ルタイムで変化する)ことになり、前記フィードバック
制御系38での発振現象を有効に抑えることができる。
【0131】なお、前記フィードバック制御系38にお
いては、内側ポンプ電極22と基準電極32間の両端電
圧Vjが前記基準電圧Vrと同じレベルに収束されるよ
うに前記制御電圧(出力電圧Vp1)がフィードバック
制御されることとなる。
【0132】前記第1の実施の形態に係るガスセンサ2
00A(各種変形例を含む)においては、インピーダン
ス検出回路70にて内側ポンプ電極22と補助ポンプ電
極50間のインピーダンスを検出してセンサ素子内の被
測定ガス温度を制御し、更に自己診断装置202にて前
記インピーダンスに基づいてガスセンサ200Aが故障
しているかどうかを判定するようにしたが、以下に示す
電極間のインピーダンスを検出してセンサ素子内の被測
定ガス温度を制御し、また、自己診断処理をするように
してもよい。
【0133】 (1) 外側ポンプ電極24と補助ポンプ電極50間 (2) 基準電極32と補助ポンプ電極50間 (3) 内側ポンプ電極22と検出電極56間 (4) 外側ポンプ電極24と検出電極56間 (5) 検出電極56と基準電極32間。
【0134】特に、検出電流Ipが流れる検出電極56
と他の電極間のインピーダンスを検出してセンサ素子内
の被測定ガス温度を制御する場合においては、センサ素
子内における検出電極56近傍の被測定ガス温度をより
高精度に制御することができ、その結果、被測定ガス温
度による検出出力(ポンプ電流値あるいは起電力)の変
動を有効に抑圧することができ、ガスセンサ200Aの
検出精度の向上並びに信頼性の向上を実現させることが
できる。
【0135】次に、第2の実施の形態に係るガスセンサ
200Bについて図15〜図17を参照しながら説明す
る。なお、図1と対応するものについては同符号を付し
てその重複説明を省略する。
【0136】この第2の実施の形態に係るガスセンサ2
00Bは、図15に示すように、前記第1の実施の形態
に係るガスセンサ200Aとほぼ同様の構成を有する
が、測定用ポンプセル60に代えて、酸素分圧検出セル
122が設けられている点で異なる。
【0137】この酸素分圧検出セル122は、第1の固
体電解質層10dの上面のうち、第2室20を形づくる
上面に形成された検出電極124と、前記第1の固体電
解質層10dの下面に形成された基準電極32と、これ
ら両電極124及び32間に挟まれた第1の固体電解質
層10dによって構成されている。
【0138】この場合、前記酸素分圧検出セル122に
おける検出電極124と基準電極32との間に、検出電
極124の周りの雰囲気と基準電極32の周りの雰囲気
との間の酸素濃度差に応じた起電力(酸素濃淡電池起電
力)が発生することとなる。
【0139】従って、前記検出電極124及び基準電極
32間に発生する起電力を電圧計126にて測定するこ
とにより、検出電極124の周りの雰囲気の酸素分圧、
換言すれば、被測定ガス成分(NOx)の還元又は分解
によって発生する酸素にて規定される酸素分圧が電圧値
として検出される。
【0140】ここで、図16の特性図を参照しながらこ
の第2の実施の形態に係るガスセンサ200Bの検出原
理を説明する。
【0141】まず、外部空間のNO濃度が0ppmのと
き、フィードバック制御系38を通じて第1室18内の
雰囲気中の酸素濃度を主ポンプセル26におけるポンプ
電圧Vp1が300mVに相当する値(10-7atm)
に制御すると、第2室20内の雰囲気中の酸素濃度も1
-7atmとなり、前記第2室20用の酸素分圧検出セ
ル122における検出電極124と基準電極32の間に
発生する起電力は約460mVとなる。
【0142】外部空間のNO濃度が徐々に増加すると、
前記検出電極124も上述した測定用ポンプセル60
(図1参照)における検出電極56と同様に、NOx還
元触媒として機能することから、前記検出電極124で
は、NOの還元又は分解反応が引き起こされ、検出電極
124の周りの雰囲気中の酸素濃度が上がり、これによ
って、検出電極124と基準電極32間に発生する起電
力が徐々に低下することとなる。図16の特性図では、
NO濃度が例えば300ppm、500ppm、100
0ppmというように増加するにつれて、電圧計126
にて検出される起電力は、300mV、250mV、2
20mVというように徐々に低下している。
【0143】そして、この起電力の低下の度合いが、N
O濃度を表すことになる。つまり、前記検出電極124
と基準電極32と第1の固体電解質層10dとから構成
される第2室20用の酸素分圧検出セル122から出力
される起電力が、被測定ガス中のNO濃度を表すことに
なる。
【0144】この第2の実施の形態に係るガスセンサ2
00Bにおいても、前記第1の実施の形態に係るガスセ
ンサ200A(各種変形例を含む)におけるヒータ制御
系と同様のヒータ制御系(インピーダンス検出回路70
及びヒータ制御回路72)と自己診断装置202を有す
る。
【0145】従って、この第2の実施の形態に係るガス
センサ200Bにおいては、前記第1の実施の形態に係
るガスセンサ200Aと同様に、ヒータリード部の抵抗
値とヒータ発熱部の抵抗値との抵抗比率を厳密に作製す
る必要性がなくなると共に、被測定ガス温度のヒータリ
ード部の抵抗値増加による影響を回避することができ
る。
【0146】また、内側ポンプ電極22と補助ポンプ電
極50間のインピーダンス値を検出するようにしている
ため、酸素分圧検出セル122にて発生する起電力がイ
ンピーダンス検出のために変動するということがなくな
り、電圧計126を通じて検出される起電力(電圧)の
ゆらぎやノイズの重畳等を抑圧することができる。これ
によって、被測定ガス温度による検出出力の変動を抑圧
することができ、しかも、検出出力の高S/N比を実現
させることができる。
【0147】また、検出電極124近傍の被測定ガス温
度をより高精度に制御することができ、被測定ガス温度
による検出出力(起電力)の変動を有効に抑圧すること
ができる。これは、ガスセンサの検出精度の向上並びに
信頼性の向上の実現につながる。
【0148】そして、この第2の実施の形態に係るガス
センサ200Bにおいても、前記第1の実施の形態に係
るガスセンサ200Aと同様に、自己診断装置202を
設けるようにしているため、現在ガスセンサ200Bが
故障状態にあるか否かを、早期に、かつ確実に検出する
ことができ、ガスセンサ200Bの保守管理に迅速に対
応させることができる。
【0149】この第2の実施の形態に係るガスセンサ2
00Bにおいては、インピーダンス検出回路70にて内
側ポンプ電極22と補助ポンプ電極50間のインピーダ
ンスを検出してセンサ素子内の被測定ガス温度を制御
し、更に自己診断装置202にて前記インピーダンスに
基づいてガスセンサ200Bが故障しているかどうかを
判定するようにしたが、以下に示す電極間のインピーダ
ンスを検出してセンサ素子内の被測定ガス温度を制御
し、また、自己診断処理をするようにしてもよい。
【0150】 (1) 外側ポンプ電極24と補助ポンプ電極50間 (2) 基準電極32と補助ポンプ電極50間 (3) 内側ポンプ電極22と検出電極124間 (4) 外側ポンプ電極24と検出電極124間 (5) 検出電極124と基準電極32間。
【0151】また、主ポンプセル26に対するフィード
バック制御系38の構成としては、図2に示すフィード
バック制御系のほか、図17に示すように、図14に示
すフィードバック制御系38と同じ構成を採用するよう
にしてもよい。この場合、フィードバック制御系38で
の発振現象を有効に抑えることができるという効果を奏
する。
【0152】上述した第1及び第2の実施の形態に係る
ガスセンサ200A及び200B(各種変形例を含む)
においては、自己診断装置として、図5に示すような構
成を採用しているが、これはあくまでも一例であり、種
々のデジタル回路やアナログ回路の組み合わせで構成す
ることができる。
【0153】また、上述の自己診断装置202は、イン
ピーダンス検出回路の最終段からの出力をモニタするこ
とによってガスセンサの状態を検出するようにしている
が、センサ素子のインピーダンス自体をモニタして規定
値と比較するようにしてもよく、種々の方法が採用され
る。
【0154】また、上述の実施の形態においては、被測
定ガス成分としてNOxが対象とされているが、被測定
ガス中に存在する酸素の影響を受けるNOx以外の結合
酸素含有ガス成分、例えばH2 OやCO2 等の測定にも
有効に適用することができる。
【0155】なお、この発明は上述の実施の形態に限ら
ず、この発明の要旨を逸脱することなく種々の構成を採
り得ることはもちろんである。
【0156】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るガス
センサによれば、現在ガスセンサが故障状態にあるか否
かを、早期に、かつ確実に検出することができ、ガスセ
ンサの保守管理に迅速に対応させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係るガスセンサを示す構成
図である。
【図2】第1の実施の形態に係るガスセンサの主ポンプ
セルに対するフィードバック制御系を示す構成図であ
る。
【図3】第1の実施の形態に係るガスセンサのヒータ制
御系を示す構成図である。
【図4】ヒータ制御系の具体例を示す回路図である。
【図5】第1の実施の形態に係るガスセンサに接続され
る自己診断装置の具体例を示すブロック図である。
【図6】ガスセンサが正常である場合の自己診断装置に
おける信号処理の一例を示すタイミングチャートであ
る。
【図7】ガスセンサが異常である場合の自己診断装置に
おける信号処理の一例を示すタイミングチャートであ
る。
【図8】第1の実施の形態に係るガスセンサの第1の変
形例、特にヒータ制御系の構成を示す回路図である。
【図9】図9Aは偏差信号のレベルが三角波の頂点レベ
ルよりも高い場合を示す波形図であり、図9Bはそのと
きのベース駆動信号を示す波形図である。
【図10】図10Aは偏差信号のレベルが三角波の中点
レベルから頂点レベルの間にある場合を示す波形図であ
り、図10Bはそのときのベース駆動信号を示す波形図
である。
【図11】図11Aは偏差信号のレベルが三角波の底辺
レベルから中点レベルの間にある場合を示す波形図であ
り、図11Bはそのときのベース駆動信号を示す波形図
である。
【図12】図12Aは偏差信号のレベルが三角波の底辺
レベルよりも低い場合を示す波形図であり、図12Bは
そのときのベース駆動信号を示す波形図である。
【図13】第1の実施の形態に係るガスセンサの第2の
変形例、特にヒータ制御系におけるヒータ制御回路の構
成を示す回路図である。
【図14】第1の実施の形態に係るガスセンサにおける
主ポンプセルに対するフィードバック制御系の他の例を
示す構成図である。
【図15】第2の実施の形態に係るガスセンサを示す構
成図である。
【図16】第2の実施の形態に係るガスセンサの出力特
性を示す特性図である。
【図17】第2の実施の形態に係るガスセンサにおける
主ポンプセルに対するフィードバック制御系の他の例を
示す構成図である。
【符号の説明】
12…ガス導入空間 18…第1室 20…第2室 22…内側ポンプ電
極 24…外側ポンプ電極 26…主ポンプセル 30…測定電極 32…基準電極 34…酸素分圧検出セル 38…フィードバッ
ク制御系 50…補助ポンプ電極 52…補助ポンプセ
ル 56…検出電極 60…測定用ポンプ
セル 66…ヒータ 70…インピーダン
ス検出回路 72…ヒータ制御回路 80…交流発生回路 82…信号検出回路 200A、100B
…ガスセンサ 202…自己診断装置 204…コンパレー
タ 208…トリガーパルス発生回路 210…ウィンドウ
パルス生成回路 212…判定回路 214…デコーダ 216…表示用コントローラ 218…表示装置

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外部空間に接する固体電解質にて区画形成
    された処理空間に導入された前記外部空間からの被測定
    ガスに含まれる酸素をポンピング処理して、前記処理空
    間における酸素分圧を測定対象である所定ガス成分が分
    解され得ない所定の値に制御する主ポンプ手段と、 前記主ポンプ手段にてポンピング処理された後の被測定
    ガス中に含まれる所定ガス成分を触媒作用及び/又は電
    気分解により分解させ、該分解によって発生した酸素を
    ポンピング処理する測定用ポンプ手段とを具備し、 前記測定用ポンプ手段のポンピング処理によって該測定
    用ポンプ手段に流れるポンプ電流に基づいて前記被測定
    ガス中の前記所定ガス成分を測定するガスセンサにおい
    て、 少なくとも前記主ポンプ手段及び測定用ポンプ手段を所
    定の温度に加熱するヒータと、 所定の電極間のインピーダンスを検出するインピーダン
    ス検出手段と、 前記インピーダンス検出手段にて検出されたインピーダ
    ンス値と規定値とを比較し、その比較結果に基づいて故
    障判別を行う自己診断手段を有することを特徴とするガ
    スセンサ。
  2. 【請求項2】請求項1記載のガスセンサにおいて、 前記インピーダンス検出手段は、前記主ポンプ手段側の
    電極と前記測定用ポンプ手段側の電極間のインピーダン
    スを検出することを特徴とするガスセンサ。
  3. 【請求項3】請求項1記載のガスセンサにおいて、 前記インピーダンス検出手段は、前記測定用ポンプ手段
    側の検出電極と基準ガスに露呈する基準電極間のインピ
    ーダンスを検出することを特徴とするガスセンサ。
  4. 【請求項4】外部空間に接する固体電解質にて区画形成
    された処理空間に導入された前記外部空間からの被測定
    ガスに含まれる酸素をポンピング処理して、前記処理空
    間における酸素分圧を測定対象である所定ガス成分が分
    解され得ない所定の値に制御する主ポンプ手段と、 前記主ポンプ手段にてポンピング処理された後の被測定
    ガス中に含まれる所定ガス成分を触媒作用及び/又は電
    気分解により分解させ、該分解によって発生した酸素の
    量と基準ガスに含まれる酸素の量との差に応じた起電力
    を発生する濃度検出手段とを具備し、 前記濃度検出手段にて検出された起電力に基づいて前記
    被測定ガス中の前記所定ガス成分を測定するガスセンサ
    において、 少なくとも前記主ポンプ手段及び濃度検出手段を所定の
    温度に加熱するヒータと、 所定の電極間のインピーダンスを検出するインピーダン
    ス検出手段と、 前記インピーダンス検出手段にて検出されたインピーダ
    ンス値と規定値とを比較し、その比較結果に基づいて故
    障判別を行う自己診断手段を有することを特徴とするガ
    スセンサ。
  5. 【請求項5】請求項3記載のガスセンサにおいて、 前記インピーダンス検出手段は、前記主ポンプ手段側の
    電極と前記濃度検出手段側の電極間のインピーダンスを
    検出することを特徴とするガスセンサ。
  6. 【請求項6】請求項4記載のガスセンサにおいて、 前記インピーダンス検出手段は、前記濃度検出手段側の
    検出電極と基準ガスに露呈する基準電極間のインピーダ
    ンスを検出することを特徴とするガスセンサ。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれか1項に記載のガス
    センサにおいて、 前記自己診断手段は、前記インピーダンス検出手段にて
    検出されたインピーダンス値が所定時間にわたって前記
    規定値に達しない場合に故障として認定することを特徴
    とするガスセンサ。
  8. 【請求項8】請求項7記載のガスセンサにおいて、 前記自己診断手段は、前記インピーダンス検出手段にて
    検出されたインピーダンス値と前記規定値とを比較する
    比較手段と、 前記比較手段からの比較出力を一時的にあるいは定期的
    に監視し、比較出力が所定時間にわたって前記規定値に
    達しない場合に故障として認定する監視手段を有するこ
    とを特徴とするガスセンサ。
  9. 【請求項9】請求項8記載のガスセンサにおいて、 前記監視手段は、所定条件の完了時に、前記比較手段か
    らの比較出力を前記所定時間にわたって監視することを
    特徴とするガスセンサ。
  10. 【請求項10】請求項8又は9記載のガスセンサにおい
    て、 前記監視手段は、一定の時間間隔で前記比較手段からの
    比較出力を前記所定時間にわたって監視することを特徴
    とするガスセンサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020079170A (ko) * 2001-04-13 2002-10-19 박종욱 가스센서의 신뢰성 진단 방법
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