JP2000002686A - 窒素酸化物変換デバイス - Google Patents

窒素酸化物変換デバイス

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JP2000002686A
JP2000002686A JP10166836A JP16683698A JP2000002686A JP 2000002686 A JP2000002686 A JP 2000002686A JP 10166836 A JP10166836 A JP 10166836A JP 16683698 A JP16683698 A JP 16683698A JP 2000002686 A JP2000002686 A JP 2000002686A
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nox
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electrode
voltage
opposite
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JP10166836A
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Inventor
Koretomo Ko
云智 高
Eitetsu Iwao
永鉄 巌
Akira Kunimoto
晃 国元
Yukio Nakanouchi
幸雄 中野内
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Riken Corp
Original Assignee
Riken Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 NOxを単一ガス化する変換電極の経時的劣
化を防止する。 【解決手段】 変換電極(2)への変換電圧とは相反す
る電極を一定の周期で変換電圧(2)に加え、変換能力
の低下を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス分析機器、N
Oxガス反応に関与する反応装置等に用いられ、燃焼ガ
ス中の窒素酸化物濃度を検出するに適する窒素酸化物セ
ンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車を初めとした内燃機関、火力発電
所、プラント等の燃焼機器から排出されるNOxが光化
学スモックや酸性雨の原因になるほか、人間の呼吸器に
有害であり、地球環境にも大きな汚染源とされている。
このため、NOxの検知は重要な課題となり、各種使用
環境に対応できる検知器が必要となっている。
【0003】従来のNOx濃度を測定する方法はザルツ
マン法、赤外線吸収法、化学発光法などがある。これら
の方法は何れも装置が複雑で、コストが高く、携帯、車
載型にすることができない。又、これらの方法は何れも
NOかNO2の一方しか測定できず、両方同時の定量或
いは、NOxとしての測定はまだ困難である。例えば、
現在NOx分析装置を用いてトータルNOxを測定する場
合では、装置内部でオゾンを発生させ、さらに、オゾン
を用いてNOをNO2に酸化させ、NO2の濃度を検知す
る方法が用いられている。しかし、オゾン発生器の小型
化は非常に困難であるため、このような方法は携帯型装
置、或いはNOxセンサに応用することはほとんど不可
能である。従って、これらの分析、或いは反応装置にお
いて、NOxの単ガス化ができる小型変換装置、或いは
変換デバイスの開発が望ましい。
【0004】一方、近年自動車排ガス中に直接挿入して
連続検知が行える全固体型NOxセンサが注目を集め、
幾つかの研究結果が報告されている。例えば、特開平4
−142455号公報では、イオン伝導体に感知電極と
参照電極を設置し、被検ガス中で電極間の起電力を測定
するセンサが提案されている。このセンサでは、NOや
NO2に対して感度を示すものの、NOとNO2に対する
感度がそれぞれ負と正の方向となるため、NOとNO2
が共存する被検ガスにおいては、NOxの濃度が検出で
きず、またNOとNO2を単独検出することもできな
い。このため、NOx変換によって被検ガス中のNOxを
できるだけ単ガス化する必要がある。
【0005】このことについて、検知極の付近に触媒層
を設置し、これの触媒作用によって、NOxガスをある
程度単ガス化する方法はある。しかし、この方法でNO
をNO2に、或いはNO2をNOに変換する際、他の酸化
剤、或いは還元剤が無ければ、NOxガスの平衡を加速
するだけで、平衡点をずらすことはできない。つまり、
温度が一定の場合では、変換率はNOxガスの平衡常数
によって決められ、人為的に制御することはできない。
特に、自動車用のNOxセンサのような作動温度が60
0℃前後の場合では、NOxのガス平衡において、九割
以上のNOxはNOになっているので、NO2に変換して
検出するのは困難である。
【0006】最近、電極を用いてNOxを変換し、単ガ
ス化する研究例が報告されている。例えば、特願平9−
329637では、Pt−3%Rhの電極を変換電極に
用いて検知極の対向位置に配置したNOx変換部を形成
し、被検ガス中のNOxを単ガス化した後検知極によっ
てトータルNOxを検知する方法を取っている。しか
し、この変換電極は初期において高い変換能力を示す
が、数時間電圧を印加すると、変換電極の性能が劣化
し、変換能力が低下することによって、NOxセンサの
出力が下がる現象が観測される。したがって、変換電極
の劣化を抑えることはNOxセンサの長期安定性に繋が
り、センサの実用化に非常に重要な課題とされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のNOxセン
サの変換電極は通電によって、NOxの変換能力が劣化
し、NOxセンサの出力を低下させ、実用化の障害とな
っている。本発明はNOx電極及び変換能力を維持し、
或いは変換電極の劣化を回復させ、NOxセンサの出力
の低下を防止する方法を提供することを解決すべき課題
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、イオン伝導性
(例えば安定化ジルコニア)固体電解質基板の両面に、
或いは同一面に固定したNOxに活性な変換電極及びこ
れに通電するための対極を形成した、NOx中のNOあ
るいはNO2をどちらかに単ガス化するための電気化学
的NOx変換デバイス(図1)において、変換電極とそ
の対極の間に通電することによって変換電極が劣化し、
NOx変換能力が低下することに対して、ある時間の間
隔でこのデバイスの通常に作動する際の変換電圧と異な
る電圧、例えば変換電圧の極性と相反の直流電圧を印加
することによってNOx変換デバイスの変換能力の低下
を防止、或いは回復させることを要旨とする。
【0009】変換電極に変換電圧が印加される際、NO
x、O2などの反応種が電気化学的に酸化、或いは還元さ
れる。しかし、電気化学反応の進行によって、電極材料
中のある組成が印加電圧によって酸化、あるいは還元さ
れることがある。電気化学反応の進行によって、電極表
面にある電極材料の酸化物の拡散(例えば、酸素イオン
の移動、或いは酸素イオンの移動による酸化物の移動な
ど)が起きる。このことによって、局部的な組成の化学
変化が発生する。特に、電極と電解質及び反応ガスの三
相界面に存在する電解質及び電極材の微粒子において、
上述の現象が起きやすい。
【0010】例えば、特願平9−329637では、P
t−3%Rhの合金電極を変換電極としているが、我々
はこの中のRh、或いはRh23が正の変化電圧の印加
によって更に高い酸化状態に酸化されることをXPS
(X線光電子分光測定)の方法で確認した。この際に生
成した酸化物がNOxの酸化反応の進行を阻害し、変換
効率を低下させると考えられる。この際に生成した酸化
物を再びもとの状態に還元させれば、変換電極の劣化を
防止、あるいは回復することができる。したがって、変
換電極に印加した電圧と極性相反の電圧を印加すること
によってこの課題を解決することが可能である。以上
は、正の電圧を印加する場合を例としたが、逆の場合で
も同様になる。
【0011】さらに、固体電解質基板の上に形成したN
Ox変換電極とその対極の間にNOxを変換する際に印加
する電圧と相反極性の電圧を印加して、変換電極の性能
の劣化を防止、或いは回復させるが、前述のように、例
えば劣化する際に生成した酸化物を相反極性の電圧を印
加することによって還元させる際に、この電圧の絶対値
が低すぎると、酸化物の還元は進行せず、期待する効果
は現れない。一方、この電圧の絶対値が高すぎると、変
換電極が過剰に還元される。一般的に、電極の表面に適
量の吸着酸素、あるいはある程度の酸化物がNOxの吸
着と電気化学的酸化還元反応に対して必要となり、これ
らの存在は電極のNOxに対する活性を大きく左右する
ため、電極表面は酸化しすぎでも還元しすぎでもNOx
に対する活性は低下する。さらに、この時に印加する電
圧の絶対値は大きすぎると、電解質の分解、あるいは変
質が起きる可能性がある。
【0012】したがって、変換電極の劣化を防止あるい
は回復させるための電圧の絶対値の大きさは非常に重要
なパラメータであることは明らかである。Pt−3%R
h変換電極の場合では、劣化を防止あるいは回復させる
ための電圧は0.1〜1.1V、好ましくは0.2〜
0.7Vに設定することが好ましい。しかし、この電圧
の設定は電極の組成に大きく依存することが十分予想で
きる。
【0013】NOx変換デバイスにおける未だ劣化して
いない変換電極のこれからの使用による劣化を防止、或
いは予め回復可能とさせる目的で印加する反極性の電圧
について、−1.5〜1.5Vのパルス電圧、或いは交
流電圧、或いは直流と交流電圧から合成された電圧を印
加すれば、本発明の課題を解決することもできる。NO
xを変換するための電圧を印加した後、相反極性の電圧
を印加することによって変換電極のNOxに対する活性
の低下を防止、或いは回復させるが、これとは別に、N
Ox変換電圧と変換電極の活性低下の防止、および活性
を回復するための電圧を周期的に交替に前もって印加す
ることによって、変換電極のNOxに対する活性を維持
しながら、劣化防止と回復するための電圧を印加する時
間を短縮させ、NOxガスの変換は連続的な作動に近い
状態で作動させることとなり、NOx変換中断の時間を
できるだけ短くすることを目的とする。
【0014】特にNOxガスの濃度を連続的に検出しな
ければならない場合において、このような作動方式が望
ましい。この時の回復するための電圧の最も簡単な波形
として矩形波は用いられるが、図2の(b)に示すダブル
矩形波が望ましい。この波形は初期の電圧が高い矩形波
の部分と、定常の低い部分からなる。印加電圧はNOx
の変換状態から、極性相反の電圧に変わる初期におい
て、電極界面の電気二重層の電気容量成分の存在によっ
て、電極に流れる電流は電極上の物質の酸化、還元に用
いられるのではなく、電気二重層に充電することにな
る。しかし、この充電過程は時間が掛かるため、できる
だけ短縮することが望ましい。従って、この時の電圧を
高めることによって、充電過程を加速することができ
る。その後、通常の電圧値(例えば請求項2に示す電圧
範囲内)の電圧を印加すればよい。ダブル矩形波の以外
に、直流成分を含むあるいは含まない正弦波、三角波、
鋸ぎり波などを用いても構わない。これらの波形は図2
に示す。以上に示した波形の周期は0.5秒から一時間
の間に設定すればよいが、特に1秒から1時間以内に設
定することは望ましい。
【0015】本発明は、さらに、NOx変換デバイスに
おける変換電極の劣化を防止、或いは回復させる方法を
車載用NOxセンサに応用し、NOxセンサの出力を安定
化させる方法を提供する。従来の混成電位NOxセンサ
の検知極は、NOやNO2に対して感度を示すものの、
NOとNO2に対する感度がそれぞれ負と正の方向とな
るため、NOとNO2が共存する被検ガスにおいては、
NOxの濃度が検出できず、またNOとNO2を単独検出
することもできない。このため、NOx変換によって被
検ガス中のNOxをできるだけ単ガス化する必要があ
る。また、電流型NOxセンサでもNOとNO2を還元さ
せるための電子数が異なる(NOは2電子、NO2は4
電子反応)ので、トータルNOx、或いはNOとNO2
単独検出することもできない。従って、何れの場合でも
NOxの単ガス化のための変換は必須となる。前述のよ
うに検知極の付近に触媒層を設置し、これの触媒作用に
よって、NOxガスをある程度単ガス化する方法はある
が、他の酸化剤、或いは還元剤が無ければ、NOxガス
の平衡を加速するだけで、平衡点をずらすことはできな
い。電気化学的な方法を用いれば、ある範囲内にNOx
の変換率が自由に制御できるが、変換電極の安定性が要
求される。ここで、本発明の方法を適用すれば、NOx
センサの性能を安定化させることが可能である。
【0016】NOx変換デバイスをNOxセンサに適用す
る場合では、変換電極の劣化を防止、或いは回復させる
ための電圧を印加する際に、NOx変換が一時的に中断
しなければならない。これによって、NOxセンサの作
動も中断することとなる。請求項5によれば、同様なN
Ox変換部を二つ設置し、一つは変換電極の活性を復さ
せるための電圧を印加する間に、もう一つの変換部に変
換電圧を印加してNOx変換を行う。つまり、これらを
交替に作動させることによって、NOxセンサは中断無
しで作動できる。
【0017】
【発明の実施の形態】図1に本発明の最も基本的なの実
施形態の断面図を示す。イオン導電性固体電解質基板1
に図1のように少なくとも分極した状態でNOをNO2
に変換する活性、あるいはNO2をNOに変換する活性
を有する電極2とこれに通電するための、酸素に対する
活性な対極3を固定する。NOxを含むガスを変換電極
2の表面に導入し、所定のNOx変換電圧を印加するこ
とによってNOをNO2に、あるいはNO2をNOに変換
するNOx変換デバイスにおいて、変換電極2への通電
によって、NOxに対する電気化学的活性が低下する。
NOx変換電圧2と相反極性の電圧を印加することによ
って、変換電極のNOxに対する電気化学的な活性の劣
化を回復させることができる。例えば、図2に示す波形
の電圧を周期的に印加することによって、変換電極のN
Oxに対する活性を維持することができる。NOx変換電
圧と相反極性の電圧の値は電極材料によって異なり、P
t−3%Rh電極の場合では、−0.2〜−0.6Vの
間に設定することは望ましい。0〜−0.2Vの電圧を
印加しても、活性の回復効果が小さく、−0.6〜−
1.5Vの電圧を印加すると、変換電極2が還元されす
ぎで、NOxに対する活性が失ってしまう。しかし、印
加時間を短くすれば、この電圧を1Vまであげることが
できる。相反電圧は矩形波信号発生器にオピアンプIC
を接続して反転電圧を得るようにしてもよく、又、電源
を逆に接続するようにしてもよい。
【0018】
【実施例】(実施例1)図1に示すような構造を有し、
イオン伝導性固体電解質基板1上のPt−3%Rh電極
2をNOxの変換電極とし、Pt電極を対極3とするデ
バイスを作製した。これを600℃に加熱し、窒素バラ
ンスの4%O2中に300ppmのNO2、あるいは4%O2
中に300ppmのNO、あるいは4%O2中に150ppm
NO+150ppmNO2を共存したガス中でこの素子の起
電力を測定した。その結果を図3の(a)に示す。O2とN
Oxが共存する時に、電極のNOxに対して電極活性があ
るので、NOが電極上で酸化し、電子を電極に渡すの
で、電極の起電力が負の方向にシフトする。その結果、
負の起電力として観測される。逆に、NO2が共存する
時はNO2が電極の触媒作用によって還元され、電極か
ら電子をもらう。その結果、電極上の電子が減少し、電
極電位が上昇し、正の起電力として観測される。実際
に、O2の酸化還元も同時に起きるので、測定された起
電力は混成電位となる。この素子に0.5VのNOx変
換電圧を24時間印加した後、再び前述のガス中で起電
力を測定した。その結果を図3の(b)に示す。この結果
から、NOxに対する起電力の変化は低下し、変換電極
のNOxに対する活性が低下したことを意味する。
【0019】その後更に−0.5Vの電圧を30分間印
加し、前述のガス中で素子の起電力を測定した。その結
果を図3の(c)に示す。この結果から、NOxに対する起
電力はほぼ劣化した前の起電力と同様になり、変換電極
のNOxに対する活性が回復したことが分かる。このよ
うに、極性相反の電圧の印加の有効性が確認された。
【0020】(実施例2)図4に示すような構造を有
し、イオン伝導性固体電解質基板1上にPt−3%Rh
電極をNOxの変換電極とし、Pt電極を対極とする素
子を二つ作製し、約10μmの空間を介して二つのPt
−3%Rh電極を対向するように二つの素子を接着し
た。上部のPt−3%Rh電極をNOx変換電極2と
し、下部のPt−3%Rh電極をNOx検知極4とし
た。まだ、最上部のPt電極を変換電極の対極3とし、
最下部のPt電極を検知極の起電力を測定するための参
照極5とした。この素子1、1を600℃に加熱し、N
Ox変換部にPt−3%Rh変換電極2の方が正になる
ように0.5Vの変換電圧を印加しながら、窒素バラン
スの4%O2中、及び4%O2中に300ppmのNO2、あ
るいは4%O2中に300ppmのNO、あるいは4%O2
中に150ppmNO+150ppmNO2を共存したガス中
でこの素子のNOx検知極と参照極間の起電力を測定し
た。
【0021】その結果を図5の(a)に示す。この図から
NO2、NO、およびNO2とNOが共存した何れの場合
でも、検知極に於いて正の起電力が観測され、NOxが
変換されていることが分かる。これは、NOx変換電極
によって、NOx中のNOがNO2に酸化された結果であ
ると考えられる。しかし、5時間連続測定すると、検知
極の起電力が初期の3分の1に低下することが観測され
た。この素子に0.5VのNOx変換電圧を印加した
後、再び前述のガス中で起電力を測定した。その結果を
図5の(b)に示す。この結果から、NOxに対する起電力
の変化は低下し、変換電極のNOxに対する活性が低下
したことを意味する。
【0022】その後更に−0.5Vの電圧を30分間印
加し、前述のガス中で素子の起電力を測定した。その結
果を図5の(c)に示す。この結果から、NOxに対する起
電力はほぼ劣化した前の起電力と同様になり、変換電極
のNOxに対する活性が回復したことが確認された。
【0023】(実施例3)図4に示すような構造を有
し、Pt−3%Rh電極をNOxの変換電極2とし、P
t電極を対極とする素子を二つ作製し、約10μmの空
間を介して二つのPt−3%Rh電極を対向するように
二つの素子を接着した。上部のPt−3%Rh電極をN
Ox変換電極2とし、下部のPt−3%Rh電極をNOx
検知極4とした。まだ、最上部のPt電極を変換電極の
対極3とし、最下部のPt電極を検知極の起電力を測定
するための参照極5とした。この素子を600℃に加熱
し、NOx変換部に0.5Vの変換電圧を印加しなが
ら、窒素バランスの4%O2中、及び4%O2中に300
ppmのNO2、あるいは4%O2中に300ppmのNO、あ
るいは4%O2中に150ppmNO+150ppmNO2を共
存したガス中でこの素子のNOx検知極と参照極間の起
電力を測定した。その後、図6に示す矩形波電圧(正の
変換電極と負の活性化電極を30秒対30秒周期で)を
変換部に24時間印加した後、再び前述のガス中で起電
力を測定した。
【0024】その結果を図7の(a)と(b)に示す。この結
果から、NOxに対する変換部の起電力の変化はほとん
ど低下せず、変換電極のNOxに対する活性が維持され
ていることが分かった。
【0025】これは短時間内で印加電圧を反転させるこ
とによって、正電圧区間にける変換部の微小の活性低下
が負の電圧区間で回復したことが考えられる。このよう
な作動方式は電極活性を回復させるための長時間の負電
圧印加によるNOx検知の中止を避け、測定の時間間隔
が正電圧の区間に同調させれば、NOxセンサの連続作
動が可能となる。
【0026】
【発明の効果】本発明によって、従来のNOxをNO2
いはNOに単ガス化するためのNOx変換電極のNOxに
対する活性の低下を極性相反の電圧を印加することによ
って防止、或いは回復させることができた。これをNO
xセンサに適用した結果、被検ガス中のトータルNOx濃
度を安定に検出することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の素子の断面模式図である。
【図2】本発明の実施形態とする印加電圧の波形であ
る。(A)は矩形波、(b)はダブル矩形波、(c)は正弦波、
(d)は台形波、(e)三角波。
【図3】実施例1の素子のNOxに対する起電力の応答
曲線である。(a)は劣化前、(b)は劣化後、(c)は回復
後。
【図4】実施例2の素子の断面模式図。
【図5】実施例2の素子の検知極の起電力の応答曲線で
ある。(a)は劣化前、(b)は劣化後、(c)は回復後。
【図6】実施例3の変換部に印加する電圧波形。
【図7】実施例3の測定結果である。(a)は初期の結
果、(b)は24時間後の結果。
【符号の説明】
1 イオン伝導性固体電解質基板 2 NOx変換電極 3 対極 4 検知極 5 参照極 6 ヒータ 7 大気ダクト 8 ガス導入口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 国元 晃 埼玉県熊谷市末広4丁目14番1号 株式会 社リケン熊谷事業所内 (72)発明者 中野内 幸雄 埼玉県熊谷市末広4丁目14番1号 株式会 社リケン熊谷事業所内 Fターム(参考) 2G004 BB04 BD17 BE30 BM04 BM10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン伝導性固体電解質基板1の片面
    に、少なくとも通電した状態でNOをNO2に、或いは
    NO2をNOに自由に変換するために設けた、NO、ま
    たはNO2、或いはこの両者に対して電気化学的活性な
    NOx変換電極2と、この同一基板の反対面或いは同一
    面に形成された変換電極に通電するための対極3とから
    なり、変換電極2と対極3の間に電圧を印加して、NO
    xガスを単一ガス化するNOx変換デバイスにおいて、極
    性の反転された電圧、或いはパルス電圧を変換電極に印
    加させる装置を有するNOx変換デバイス。
  2. 【請求項2】 請求項1中に記載されたNOx変換デバ
    イスであって、前記装置により供給される電圧が作動中
    の変換部に印加した変換電圧と相反極性であってその電
    圧の絶対値は0.1〜1.0V範囲であるNOx変換デ
    バイス。
  3. 【請求項3】 請求項1中に記載されたNOx変換デバ
    イスであって、変換部に周期が0.5秒〜1時間の間に
    あり、−1.5〜+1.5Vのパルス電圧、或いは交流
    電圧、或いは直流電圧と交流電圧から合成された電圧を
    印加するNOx変換デバイス。
  4. 【請求項4】 イオン伝導性固体電解質基板1に固定さ
    れた、NOxに対して活性な検知電極とその反対面に形
    成されたNOxに対して不活性な参照電極からなるNOx
    検出部、もう一枚のイオン伝導性固体電解質基板の片面
    に少なくとも通電した状態でNOをNO2に、或いはN
    2をNOに変換するために設けたNOxに対して活性な
    NOx変換電極と基板の反対面に形成された変換電極に
    通電するための対極からなるNOx変換部、さらに、N
    Ox検出部の検知電極側と変換部の変換電極側と対向す
    るように空間或いは該空間に絶縁性多孔体を介在した固
    定した構造を有し、測定空間に進入したNOxを該変換
    電極によって単ガス化し、検出部によってトータルNO
    xを検出するNOxセンサにおいて、センサの作動中に変
    換電極に印加した変換電圧と極性相反の電圧を印加する
    装置を有する窒素酸化物センサ。
  5. 【請求項5】 イオン伝導性固体電解質基板に固定され
    た、NOxに対して活性な検知電極とその反対面に形成
    されたNOxに対して不活性な参照電極からなるNOx検
    出部、もう一枚のイオン伝導性固体電解質基板の片面に
    少なくとも通電した状態でNOをNO2に、或いはNO2
    をNOに変換するために設けた二つの同様な、NOxに
    対して活性なNOx変換電極と基板の反対面に形成され
    た変換電極に通電するための一つ、或いは二つの対極か
    らなるNOx変換部、さらに、NOx検出部の検知電極側
    と変換部の変換電極側と対向するように空間或いは該空
    間に絶縁性多孔体を介在した固定した構造を有し、測定
    空間に進入したNOxを変換によって単ガス化し、検出
    部によってトータルNOxを検出するNOxセンサにおい
    て、一方の変換電極にNOxを単一ガス化する電圧を印
    加し、他方の変換電極に該電圧と相反電圧を印加させ、
    これを順次繰り返すことを特徴とする窒素酸化物セン
    サ。
JP10166836A 1998-06-15 1998-06-15 窒素酸化物変換デバイス Pending JP2000002686A (ja)

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