JP2004245680A - ガスセンサ素子の製造方法およびガスセンサ素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ガスセンサ素子1に、被測定ガスが導入される内部空間7内の酸素濃度を調整する酸素ポンプセル2と、被測定ガス中のNOx濃度を検出するセンサセル4を設け、センサセル4の内部空間7に面する電極4aをRhを含有するサーメット電極とする。ガスセンサ素子1は、酸素ポンプセル2とセンサセル4を積層して焼成した後、予めセンサセル4へ通電する処理を行い、焼成工程においてセンサセル4の内部空間7に面する電極4a中に生じたRh2 O3 を金属Rhに還元してある。NOx濃度の検出時に、Rh2 O3 の還元・分解による酸素イオン電流が加算されず、NOxの還元・分解による酸素イオン電流のみを精度よく検出できる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用内燃機関の排気系等に使用され、被測定ガス中の窒素酸化物(NOx)濃度等の検出に利用されるガスセンサ素子の製造方法およびガスセンサ素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用内燃機関から排出される排ガス等を原因とする大気汚染は、現代社会において大きな問題となっており、排ガス中の有害物質に対する浄化基準法規が年々厳しくなっている。排ガス中の有害成分を低減する手段としては、例えば、エンジンの燃焼制御により有害成分の発生を抑制するシステムや、触媒コンバータを用いて有害成分を浄化するシステムがあり、排気ガス中の有害成分である窒素酸化物(NOx)濃度を検出し、検出結果をこれらシステムにフィードバックすれば、より効率よく排ガス浄化を行うことができると考えられる。このような背景から、排気ガス中のNOx濃度を精度よく検出可能なガスセンサ素子が求められており、これまでに種々の構成のものが提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特許第2885336号明細書
【0004】
ところで、従来よく知られたガスセンサ素子として、酸素イオン導電性の固体電解質を用いた積層型のガスセンサ素子が挙げられる。これを図8に示すと、ガスセンサ素子1は、固体電解質体51と固体電解質体52の間に形成される内部空間7を有し、この内部空間7に多孔質保護層12、ピンホール11を通じて被測定ガスである排ガスが導入されるようになっている。内部空間7は、第1内部空間7aと第2内部空間7bとに区画されており、第1内部空間7a側に、固体電解質体52とその上下面の電極2b、2aからなる酸素ポンプセル2が配置されている。酸素ポンプセル2に電圧を印加することで、第1内部空間7a内にある酸素を素子外部へポンピングあるいは第1内部空間7a内へ素子外部の酸素をポンピングすることができる。
【0005】
第1内部空間7a側には、また、固体電解質体51とその上下面の電極3a、3bからなり第1内部空間7a内の酸素濃度を検知可能な酸素モニタセル3が設けられる。酸素ポンプセル2は、この酸素モニタセル3により検出される第1内部空間7a内の酸素濃度が一定となるようにフィードバック制御される。一方、第2内部空間7b側には、固体電解質体51とその上下面の電極4a、4bからなるセンサセル4が設けられ、NOxが分解することにより生成される酸素イオンを測定するように構成されている。
【0006】
上述したごとく、第1内部空間7a内の酸素濃度は一定に制御されているので、第2内部空間7b内の酸素濃度も一定となる。従って、センサセル4を移動する酸素イオンの量、すなわちセンサセル4における酸素イオン電流の大きさがNOx濃度に対応する。これにより、排ガス中の酸素濃度の増減にかかわらず、正確なNOxを濃度を測定することができる。なお、図中、61、62はスペーサ、81は基準ガス空間、9はヒータである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、上記構成のガスセンサ素子1において、NOx濃度を検出するセンサセル4の第2内部空間7b側の電極4aには、NOxの還元・分解を促進するために、金属成分としてロジウム(Rh)を含有するサーメット電極が好適に用いられる。
【0008】
しかしながら、Rhは酸素と結合しやすい性質があるために、ガスセンサ素子を製造する工程において素子焼成中にRh2 O3 が生成する問題が発生した。そして、センサセル4の電極4a中にRh2 O3 が存在する状態でガスセンサ素子1を作動させると、Rh2 O3 の還元・分解による酸素イオン電流が、NOxの還元・分解による酸素イオン電流に加算させて検出されることになり、そのため、NOxの検出精度が悪化するという問題があった。
【0009】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みなされたもので、Rh2 O3 の還元・分解による酸素イオン電流を低減し、正確にNOx等の特定ガス成分濃度を検出することができるガスセンサ素子を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、所定の拡散抵抗の下に被測定ガスが導入される内部空間と、
酸素イオン導電性の固体電解質体の表面に、一方の電極が上記内部空間に面するように設けられた一対の電極を有し、これら一対の電極への通電により上記内部空間に酸素を導入または排出して上記内部空間内の酸素濃度を調整する酸素ポンプセルと、
酸素イオン導電性の固体電解質体の表面に、一方の電極が上記内部空間に面するように設けられた一対の電極を有し、被測定ガス中の特定ガス成分濃度を検出するセンサセルを有し、
上記センサセルの上記内部空間に面する電極がロジウムを含有するサーメット電極であるガスセンサ素子を製造する方法において、
上記酸素ポンプセルと上記センサセルを積層して焼成する工程と、該焼成工程において上記センサセルの上記内部空間に面する電極中に生じた酸化ロジウムを、上記センサセルへの通電により金属ロジウムに還元する工程とを設けたものである。
【0011】
本発明では、予め上記センサセルへ通電する処理を行って、素子焼成時に上記センサセルの上記内部空間に面する電極中に生じた酸化ロジウムを還元・分解し、金属ロジウムとするので、特定ガス成分濃度を検出する際に、酸化ロジウムの還元・分解による酸素イオン電流が流れるのを抑制できる。よって、NOx等の特定ガス成分濃度を正確に検出することができる。
【0012】
請求項2の方法では、上記酸素ポンプセルと上記センサセルを積層して焼成する工程と、該焼成工程において上記センサセルの上記内部空間に面する電極中に生じた酸化ロジウムを、上記内部空間へ導入した還元性ガスに曝すことにより金属ロジウムに還元する工程とを設ける。
【0013】
上記内部空間へ還元性ガスを導入し、この還元性ガスに上記センサセルの上記内部空間に面する電極を曝す方法によっても、同様に、上記電極中に生じた酸化ロジウムを金属ロジウムに還元することができる。よって、NOx等の特定ガス成分濃度を正確に検出する同様の効果が得られる。
【0014】
請求項3の方法では、上記酸素ポンプセルと上記センサセルを積層して焼成する工程と、該焼成工程において上記センサセルの上記内部空間に面する電極中に生じた酸化ロジウムを、上記酸素ポンプセルへ通電して上記内部空間内を還元雰囲気とすることにより金属ロジウムに還元する工程とを有する。
【0015】
上記内部空間内に大気を導入した状態で上記酸素ポンプセルへ通電すると、大気中の水蒸気が分解して水素を発生する。この水素を含む還元雰囲気に上記センサセルの上記内部空間に面する電極を曝す方法によっても、同様に、上記電極中に生じた酸化ロジウムを金属ロジウムに還元することができる。よって、NOx等の特定ガス成分濃度を正確に検出する同様の効果が得られる。
【0016】
請求項4の方法では、上記焼成工程で生じた酸化ロジウムを金属ロジウムに還元する工程を、被測定ガス中の特定ガス成分濃度を検出する際の作動温度に比べて、ガスセンサ素子の温度を高くした状態で行う。
【0017】
上記請求項1ないし3の方法で、上記センサセルの上記内部空間に面する電極中の酸化ロジウムを還元する際に、ガスセンサ素子の温度を通常の作動温度よりも高くすると、酸化ロジウムの還元が促進されるので、より効果的である。
【0018】
請求項5の発明は、所定の拡散抵抗の下に被測定ガスが導入される内部空間と、
酸素イオン導電性の固体電解質体の表面に、一方の電極が上記内部空間に面するように設けられた一対の電極を有し、これら一対の電極への通電により上記内部空間に酸素を導入または排出して上記内部空間内の酸素濃度を調整する酸素ポンプセルと、
酸素イオン導電性の固体電解質体の表面に、一方の電極が上記内部空間に面するように設けられた一対の電極を有し、被測定ガス中の特定ガス成分濃度を検出するセンサセルを有するガスセンサ素子であって、
上記センサセルの上記内部空間に面する電極がロジウムを含有するサーメット電極であり、上記センサセルの上記内部空間に面する電極に含有されるロジウム原子のうち、酸化ロジウムとして存在するものが5%以下であることを特徴とする。
【0019】
上記構成によれば、上記センサセルの上記内部空間に面する電極中の酸化ロジウムの含有量が少ないので、特定ガス成分濃度を検出する際に、酸化ロジウムの還元・分解による酸素イオン電流が低減する。よって、NOx等の特定ガス成分濃度を正確に検出することができ、特に電極中のロジウム原子のうち酸化ロジウムとして存在するものが5%以下であると、この効果が高い。
【0020】
請求項6の発明では、ガスセンサ素子に、酸素イオン導電性の固体電解質体の表面に、一方の電極が上記内部空間に面するように設けられた一対の電極を有し、上記内部空間の酸素濃度を検出する酸素モニタセルを設ける。
【0021】
ガスセンサ素子が酸素モニタセルを有すると、上記酸素モニタセルの信号により、上記酸素ポンプセルの印加電圧を制御し、上記内部空間の酸素濃度を一定に制御することができる。よって、特定ガス成分濃度の精度よい検出が可能になる。
【0022】
請求項7の発明では、上記特定ガス成分を窒素酸化物とする。ロジウムを含むセンサセル電極を用いたガスセンサ素子はNOx検出に好適に使用できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態を図面により説明する。図1は本発明のガスセンサ素子1の先端部の模式的な断面図、図2は本発明のガスセンサ素子1の先端部の模式的な分解展開図である。図1では上半部に素子の軸方向断面図、下半部にそのA−A線断面図を示している。本発明のガスセンサ素子1は、被測定ガス存在空間に配設されて被測定ガス中の特定ガス成分、ここでは、排ガス中の窒素酸化物(NOx)濃度を検出するために用いられる。測定する際には素子全体を図略の筒状ケースに収容して、被測定ガス存在空間となる内燃機関の排気管壁に固定し、図示する先端部をカバー体で保護した状態で排気管内に挿通配置する。ガスセンサ素子1の後端部はカバー体で保護されて基準酸素濃度ガスとなる大気中に配置される。
【0024】
図1、図2において、ガスセンサ素子1は、酸素ポンプセル2を構成するためのシート状の固体電解質体51と、酸素モニタセル3、センサセル4を構成するための固体電解質体52と、内部空間7を形成するためのスペーサ61と、酸素モニタセル3、センサセル4を構成するためのシート状の固体電解質体52と、基準ガス空間81、82を形成するためのシート状のスペーサ62、63、64と、これらを加熱するためのヒータ9とを有し、ヒータ9の上方に、スペーサ62、固体電解質体51、スペーサ61、固体電解質体52、スペーサ63、64をこの順に積層して構成される。
【0025】
内部空間7は、ガスセンサ素子1の先端部が配置される被測定ガス存在空間より被測定ガスが導入される室であり、図2に示すように、固体電解質体51、52間に位置するスペーサ61に設けた抜き穴61a、61bにて形成される。これら抜き穴61aと抜き穴61bは絞り部61cによって連結されており、内部空間7は、この絞り部61cを境として、ガスセンサ素子1の先端側(図1および図2の左側)から順に、抜き穴61aからなる第1内部空間7aと、抜き穴61bからなる第2内部空間7bが区画形成されている。
【0026】
第1内部空間7aは、固体電解質体52の先端部を貫通するピンホール11を介して、被測定ガス存在空間と連通している。このピンホール11は拡散抵抗手段として機能するもので、ピンホール11の大きさは、これを通過して第1内部空間7aおよび第2内部空間7bに導入される被測定ガスの拡散速度が所定の速度となるように、適宜設定される。
【0027】
また、固体電解質体52には、被測定ガス存在空間側から、ピンホール11を被覆するように多孔質アルミナ等よりなる多孔質保護層12が形成してあり、内部空間7内に位置する電極の被毒や、ピンホール11の目詰まりを防止している。
【0028】
基準ガス空間81、82は、一定の酸素濃度をもつ基準酸素濃度ガスとしての大気が導入される室である。基準ガス空間81は、固体電解質体51の下方に積層したスペーサ62に設けた抜き穴62a(図2)にて、基準ガス空間82は、固体電解質体52の上方に積層したスペーサ63に設けた抜き穴63aにて形成される。この抜き穴62a、63aは、ガスセンサ素子1の長手方向に延びる溝状の通路部62b、63bを介してそれぞれ大気が存在する外部空間に連通し、該通路部62b、63bを通して基準ガス空間81、82に大気が導入される。
【0029】
なお、内部空間7、基準ガス空間81、82を構成するスペーサ61、62、63、64はアルミナ等の絶縁材料よりなる。また、酸素ポンプセル2、酸素モニタセル3、センサセル4を構成するための固体電解質体51、52は、ジルコニアやセリア等の酸素イオン導電性を有する固体状の電解質からなる。
【0030】
図1のように、酸素ポンプセル2は、固体電解質体51と、固体電解質体51を挟むように対向配置された一対の電極2a、2bとからなり、内部空間7内に酸素を導入または内部空間7から酸素を排出して内部空間7内の酸素濃度を調整する。一対の電極2a、2bのうち、一方の電極2aは、内部空間7のガス流れの上流側に位置する第1内部空間7aに面するように、固体電解質体51の上面に接して設けられ、他方の電極2bは、基準ガス空間81に面するように固体電解質体51の下面に接して設けられている。
【0031】
センサセル4は、固体電解質体52と、固体電解質体52を挟むように対向配置された一対の電極4a、4bとからなり、被測定ガス中の特定ガス成分濃度、例えば、NOx濃度を検出する。一対の電極4a、4bのうち、一方の電極4aは、内部空間7のガス流れの下流側に位置する第2内部空間7bに面するように、固体電解質体52の下面に接して設けられ、他方の電極4bは、基準ガス空間82に面するように固体電解質体52の上面に接して設けられている。
【0032】
酸素モニタセル3は、固体電解質体52と、固体電解質体52を挟むように対向配置された一対の電極3a、3bとからなり、内部空間7内の酸素濃度を検出する。一対の電極3a、3bのうち、一方の電極3aは、第2内部空間7bに面するように、固体電解質体52の下面に接して設けられ、他方の電極3bは、基準ガス空間82に面するように固体電解質体52の上面に接して設けられている。また、酸素モニタセル3の電極3a、3bとセンサセル4の電極4a、4bが、被測定ガスの導入方向に対しほぼ同等位置にあると、第2内部空間7bに面する電極3a、電極4a近傍の酸素濃度がほぼ等しくなるため、好ましい。
【0033】
ここで、酸素ポンプセル2および酸素モニタセル3の一方の電極2a、3aには、被測定ガス中のNOxの分解を抑制するために、NOxの分解活性の低い電極を用いるとよい。具体的には、主金属成分として白金(Pt)と金(Au)を含有する多孔質サーメット電極が好適に用いられる。この際、金属成分中のAuの含有量は、通常、1〜10重量%程度とすることが望ましい。なお、多孔質サーメット電極は、金属合金粉末とジルコニア、アルミナ等のセラミックスをペースト化し、焼成して得られる。
【0034】
また、センサセル4の一方の電極4aには、被測定ガス中のNOxを分解するために、NOxの分解活性の高い電極を用いるとよい。具体的には、主金属成分として白金(Pt)とロジウム(Rh)を含有する多孔質サーメット電極が好適に用いられる。この際、金属成分中のRhの含有量は、10〜50重量%程度とすることが好ましい。酸素ポンプセル2、酸素モニタセル3およびセンサセル4の他方の電極2b、3b、4bには、例えば、Pt多孔質サーメット電極が好適に用いられる。
【0035】
図2に示すように、酸素ポンプセル2、酸素モニタセル3、センサセル4の電極には、これら各電極2a、2b、3a、3b、4a、4bから電気信号を取り出すためのリード2c、2d、3c、3d、4c、4dが一体に形成されている。ここで、固体電解質体51、52の上下表面には、電極形成部以外の部位、特にリード2c、2d、3c、3d、4c、4dの形成部位において、これらリード2c、2d、3c、3d、4c、4dとの間に、アルミナ等の絶縁層(図略)を形成しておくことが好ましい。
【0036】
ヒータ9は、アルミナ等の絶縁材料からなるヒータシート13の上面に、通電により発熱するヒータ電極14をパターニング形成し、このヒータ電極14の上面(スペーサ62側の面)に、絶縁のためのアルミナ層15を形成してなる。ヒータ電極14には、通常、Ptとアルミナ等のセラミックスとのサーメット電極が用いられる。このヒータ9は、ヒータ電極14を外部からの給電により発熱させ、上記各セル2、3、4を活性化温度まで加熱するものである。
【0037】
また、図2に示すように、ヒータ電極14および各セル2、3、4の電極2a、2b、3a、3b、4a、4bは、それぞれ、上記リード2c、2d、3c、3d、4c、4dと、固体電解質体51、52、スペーサ61、62、63、64、アルミナ層15およびヒータシート13に形成されたスルーホールSHを通して、センサ基部の端子(パッド電極)Pまで接続されている。そして、この端子Pには図示を略すコネクタを介して圧着やろう付け等によりリード線が接続され、外部回路と各セル2、3、4およびヒータ9との信号のやり取りが可能となっている。
【0038】
次に、上記構成のガスセンサ素子1の製造方法について説明する。まず、固体電解質体51、52用のジルコニア等からなる生シートと、スペーサ61、62、63、64、ヒータシート13およびアルミナ層15となるアルミナ生シートを作製する。これら生シートは、ドクターブレード法や押出成形法等により、シート形状に成形することができる。次いで、固体電解質体51、52用の生シートと、ヒータシート13用の生シートの所定位置に、電極2a、2b、3a、3b、4a、4b、ヒータ電極14、リード部2c、2d、3c、3d、4c、4d、端子Pを、スクリーン印刷等により形成する。そして、各シートを上記図1の順序で積層し、大気中で焼成することにより素子の一体化がなされる。
【0039】
さらに、本発明では、素子を積層して焼成する工程の後、この焼成工程においてセンサセル4の電極4a中に生じた酸化ロジウム(Rh2 O3 )を金属Rhに還元する工程を設ける。これは、センサセル4の電極4a中にRh2 O3 が存在する状態でガスセンサ素子1を作動させると、Rh2 O3 の還元・分解による酸素イオン電流が流れて、NOxの還元・分解による酸素イオン電流を正確に検出できないおそれがあるからである。そこで、NOxの検出に先立って、電極4a中のRh2 O3 を還元・分解し、予め電極4a中のRh2 O3 をNOx検出に影響がない程度に低減する。
【0040】
具体的には、Rh2 O3 を金属Rhに還元する第1の方法として、センサセル4への通電を行って、電極4a中のRh2 O3 を還元・分解することができる。この際、Rh2 O3 の還元を促進するために、好適には酸素ポンプセル2を作動させて内部空間7内の酸素を排出し、低酸素雰囲気とするとより好ましい。これにより、電極4a中のRh2 O3 を低減することができる。好ましくは、電極4aに含有されるRh原子のうちRh2 O3 として存在するものが5%以下となるようにするとよい。
【0041】
あるいは、第2の方法として、素子を積層して焼成する工程の後、内部空間7内へ水素や炭化水素等を含む還元性ガスを導入し、この還元性ガスにセンサセル4の電極4aを曝すことにより、電極4a中のRh2 O3 を金属Rhに還元することもできる。さらに、第3の方法として、素子を積層して焼成する工程の後、酸素ポンプセル2へ通電して内部空間7を還元雰囲気とすることにより、電極4a中のRh2 O3 を金属Rhに還元することができる。還元雰囲気とするには、水蒸気を含むガス、例えば大気を内部空間7に導入して、酸素ポンプセル2に通電し、水蒸気の分解により水素を発生させる。この水素を電極4aに接触させるいことでRh2 O3 を金属Rhに還元することができる。
【0042】
これらの方法によっても、電極4a中のRh2 O3 を低減することができ、好ましくは、電極4aに含有されるRh原子のうちRh2 O3 として存在するものが5%以下となるようにすることで、正確なNOx検出が可能となる。また、第1ないし第3のいずれの方法の場合も、Rh2 O3 の還元を促進するために、ガスセンサ素子の温度を、被測定ガス中のNOx濃度を検出する際の作動温度に比べて高くし、この状態で還元処理を行うことが望ましい。
【0043】
本発明の作用効果を、上記構成のガスセンサ素子1の動作原理に基づいて説明する。図1において、被測定ガスである排ガスは、多孔質保護層12、ピンホール11を通過して第1内部空間7aに導入される。導入されるガス量は、多孔質保護層12、ピンホール11の拡散抵抗により決定される。さらに、導入されたガスは、絞り部61cを介して第1内部空間7aと連通する第2内部空間7bに導入される。
【0044】
酸素ポンプセル2の一対の電極2a、2bに、基準ガス空間81側の電極2bが+極となるように電圧を印加すると、第1内部空間7a側の電極2a上で被測定ガス中の酸素が還元されて酸素イオンとなり、ポンピング作用により電極2b側へ排出される。逆に、第1内部空間7a側の電極2aが+極となるように電圧を印加すると、基準ガス空間81側の電極2b上で酸素が還元されて酸素イオンとなり、ポンピング作用により電極2a側へ導入される。この酸素ポンプ作用により、内部空間7の酸素濃度を制御することができる。
【0045】
一方、酸素モニタセル3の一対の電極3a、3bに、基準ガス空間82側の電極3bが+極となるように所定の電圧(例えば、0.40V)を印加すると、第2内部空間7b側の電極3a上で被測定ガス中の酸素が還元されて酸素イオンとなり、ポンピング作用により電極3b側へ排出される。ここで電極3aは、特定ガス成分であるNOxの分解に不活性なPt−Auサーメット電極であるため、電極3a、3b間に流れる酸素イオン電流は、多孔質保護層12、ピンホール11、第1内部空間7a等を通過して、第2内部空間7b内の電極3aに到達する酸素量に依存し、NOx量には依存しない。従って、電極3a、3b間を流れる電流値が所定の一定値(例えば、0.2μA)になるように、酸素ポンプセル2の電極2a、2b間の印加電圧を制御すれば、第2内部空間7bの酸素濃度を一定に制御できる。
【0046】
センサセル4の一対の電極4a、4bには、基準ガス空間82側の電極4bが+極となるように所定の電圧(例えば、0.40V)を印加する。ここで電極4aは、特定ガス成分であるNOxの分解に活性なPt−Rhサーメット電極であるため、第2内部空間7b側の電極4a上で被測定ガス中の酸素およびNOxが還元されて酸素イオンとなり、ポンピング作用により電極4b側へ排出される。この時、上述したように本実施の形態では、酸素モニタセル3の一対の電極3a、3b間の電流値が所定の一定値(例えば、0.2μA)となるように、酸素ポンプセル2を制御しているので、被測定ガス中にNOxが存在しなければ、センサセル4の電極4a、4b間の電流値も一定値(例えば、0.2μA)に制御される。一方、被測定ガス中にNOxが存在すると、NOx濃度に応じて電流値が増加するため、これにより被測定ガス中のNOx濃度が検出可能となる。
【0047】
ところが、この時、センサセル4の電極4a中に、ガスセンサ素子1を焼成する工程において生じたRh2 O3 が存在する状態でガスセンサ素子1を作動させると、NOxの還元・分解による酸素イオン電流に加算させて、Rh2 O3 の還元・分解による酸素イオン電流が検出されることが明らかになった。Rh2 O3 の還元・分解による酸素イオン電流は、図4(a)に示すオフセット電流(NOx濃度O時のセンサセル電流値)として表れ、ガスセンサを作動させ続けると、電極4a中のRh2 O3 量の減少に伴って徐々に減少する。このため、図3(a)のようにNO濃度に対応するセンサセル電流が耐久前と耐久後とで変化し、NOx濃度を正確に検出することができなくなる。なお、図3の測定は、NO:0〜1000ppm、O2 :5%、N2 :バランスガスの条件下で、図4の測定は、NO:0ppm、O2 :5%、N2 :バランスガスの条件下で測定した。
【0048】
そこで、本発明の第1の方法により、予め電極4a中のRh2 O3 を金属Rhに還元する処理を行った(実施例1)。具体的には、センサセル4の電極4a、4b間に電極4bが+極となるように所定の電圧(例えば、0.50V)を印加した。この際、Rh2 O3 の還元を促進するため、酸素ポンプセル2の電極2a、2b間には、電極2bが+極となるように所定の電圧(例えば、0.50V)を印加し、内部空間7内の酸素を排出して低酸素雰囲気とした。さらに、ヒータ9への投入電力を通常作動時よりも大きくして電極4aの温度を高くし(例えば、通常700℃をRh2 O3 還元処理時850℃)、Rh2 O3 の還元速度を大きくした。なお、この処理は大気中で行った。
【0049】
この処理を2時間実施したガスセンサ素子1を用いて、NOx濃度を測定する同様の試験を行い、結果を図3(b)、図4(b)に示した。図に明らかなように、本発明の還元処理を施したガスセンサ素子1では、オフセット電流の変化が極めて小さく、耐久前と耐久後とでNO濃度とセンサセル電流の関係が変化しないので、検出精度の高い素子が得られることが確認された。なお、電極4aに含まれるRh原子のうちRh2 O3 の状態で存在する割合は1%以下であった。上記の処理において、センサセル4および酸素ポンプセル2の印加電圧はO.2〜2.0V、好ましくはO.3〜1.0Vとすることが望ましい。印加電圧がO.2V以下では十分なRh2 O3 の還元効果が得られず、2.0V以上印加するとセンサセル4および酸素ポンプセル2を構成する固体電解質体51、52が変質してしまうおそれがある。
【0050】
また、電極4a中のRh2 O3 を金属Rhに還元する第2の方法として、以下の処理を実施した(実施例2)。同様の構成のガスセンサ素子1を用い、焼成工程後に、ガスセンサ素子1の測定部を還元性ガス(本実施例では3%H2 −97%N2 ガスを使用した)に曝し、ピンホール11から内部空間7に還元性ガスを導入した。ヒータ9への通電により、センサセル4の電極4aの温度を高くし(例えば、850℃)、電極4aを還元性ガスに接触させることで、Rh2 O3 を金属Rhに還元した。この際、酸素ポンプセル2、酸素モニタセル3、センサセル4は作動させなかった(各セルの電流値が0の状態)。
【0051】
この処理を2時間実施したガスセンサ素子1を用いて、NOx濃度を測定する同様の試験を行ったところ、上記実施例1と同様の結果が得られ、本方法によっても、検出精度の高い素子が得られることが確認された。なお、電極4aに含まれるRh原子のうちRh2 O3 の状態で存在する割合は1%以下であった。
【0052】
さらに、電極4a中のRh2 O3 を金属Rhに還元する第3の方法として、以下の処理を実施した(実施例3)。同様の構成のガスセンサ素子1を用い、焼成工程後に、ガスセンサ素子1の測定部を水蒸気を含むガス(本実施例では大気を使用した)に曝し、ピンホール11から内部空間7に水蒸気を含むガスを導入した。ヒータ9への通電により、センサセル4の電極4aの温度を高くし(例えば、850℃)、酸素ポンプセル2の電極2a、2b間には、電極2bが+極となるように水蒸気の分解電圧以上の電圧(例えば、1.00V)を印加した。これにより、電極2aで水素を発生させて、電極4aを水素に接触させることで、Rh2 O3 を金属Rhに還元した。この際、酸素モニタセル3、センサセル4は作動させなかった(各セルの電流値が0の状態)。
【0053】
この処理を2時間実施したガスセンサ素子1を用いて、NOx濃度を測定する同様の試験を行ったところ、上記実施例1と同様の結果が得られ、本方法によっても、検出精度の高い素子が得られることが確認された。なお、電極4aに含まれるRh原子のうちRh2 O3 の状態で存在する割合は1%以下であった。
【0054】
図5は、電極4aに含まれるRh原子のうちRh2 O3 の状態で存在する割合と、1000時間連続作動した際のオフセット電流の変化量の関係を示したものである。この結果、電極4aに含まれるRh原子のうちRh2 O3 の状態で存在する割合が5%以下、好ましくは1%以下の時にオフセット電流の変化量が小さく、高い検出精度が得られることが分かった。
【0055】
図6(a)、(b)は、他の動作原理を示した図であり、本発明方法を適用したガスセンサ素子1の第2の実施の形態として説明する。ガスセンサ素子1の構成は上記第1の実施の形態と同じであり、素子焼成後に上記第1ないし第3の方法により還元処理を施して製造される。上記第1の実施の形態では、酸素モニタセル3の電極3a、3b間の電流値が一定になるように酸素ポンプセル2の電極2a、2b間の印加電圧を制御したが、ここでは、予め求められた酸素ポンプセル印加電圧と酸素ポンプセル電流の関係から、酸素ポンプセル電流が限界電流となるように、酸素濃度に応じた電圧を印加することにより、第1内部空間7a内の酸素濃度を所定の低酸素濃度に制御する。
【0056】ただし、この方法で内部空間7内の酸素濃度を制御すると、上記第1の実施の形態のような酸素モニタセル3の検出値に基づいた制御に比べて、第2内部空間7b内の酸素濃度が変動しやすく、従って、センサセル4の電極4a、4b間に流れる電流をそのままセンサ信号とすると、NOxの検出精度が悪化する。そこで、本実施の形態では、電流差検出回路を設けて、酸素モニタセル3の電極3a、3b間に流れる電流とセンサセル4の電極4a、4b間に流れる電流との差をセンサ信号とする。このようにすると、第2内部空間7b内における酸素濃度変動の影響をなくし、被測定ガス中の酸素濃度に依存しないセンサ出力を得ることができる。しかも、センサセル4の電極4aは上記還元処理を施してRh2 O3 の状態で存在するRh原子の割合が小さいので、より精度よくNOx濃度を検出できる。
【0057】
前述の各実施の形態では、第2内部空間7bの酸素濃度を酸素モニタセル3に流れる電流値により検出したが、酸素モニタセル3に発生する起電力により検出することも可能である。これを第3の実施の形態として、図7に基づいて説明する。本実施の形態では、酸素モニタセル3、センサセル4を有する基本構成は上記第1の実施の形態と同様であるが、その配置が異なっており、さらに、第2の酸素ポンプセル20を設置している。また、基準ガス空間82を設けず、基準ガス空間81のみとしている。
【0058】
図7において、酸素ポンプセル2は固体電解質体52の上下面に設けた電極2a、2bを有し、第1内部空間7aに面する一方の電極2aは、固体電解質体52の下面に、他方の電極2bは、固体電解質体52の上面に被測定ガス存在空間に面して設けられる。酸素モニタセル3は、一方の電極3aが固体電解質体51の上面に、第1内部空間7aに面するように設けられ、他方の電極3bは、固体電解質体51の下面に、基準ガス空間81に面して設けられる。センサセル4は、第2内部空間7bに面する一方の電極4aが、固体電解質体51の上面に、他方の電極4bは、固体電解質体51の下面に基準ガス空間81に面して設けられる。なお、電極4bは、酸素モニタセル3の電極3bと共通電極としてある。
【0059】
第2の酸素ポンプセル20は、固体電解質体52とその表面に設けた一対の電極20a、2bからなる。一方の電極20aは、第2内部空間7bに面するように、固体電解質体52の下面に設けられ、他方の電極2bは、酸素ポンプセル2と共通電極としてある。第2の酸素ポンプセル20は、酸素ポンプセル2で排出されずに第2内部空間7bに導入される被測定ガス中の残留酸素を、被測定ガス存在空間に排出する機能を有する。この構成のガスセンサ素子1も、本発明方法を適用して製造することができ、素子焼成後に上記第1ないし第3の方法により還元処理を施して、予めセンサセル4の電極4a中のRh2 O3 を金属Rhに還元する。
【0060】
この場合の作動を図7に基づいて説明する。上記構成において、酸素モニタセル3の電極3aは第1内部空間7aに面し、電極3bは大気が導入される基準ガス空間81に面している。これら電極3a、3b間には、両電極の接する第1内部空間7aと基準ガス空間81の酸素濃度の違いにより、ネルンストの式に基づいた起電力が発生する。基準ガス空間81の酸素濃度は一定であるので、電極3a、3b間に発生する起電力は、第1内部空間7aの酸素濃度を反映することになる。従って、電極3a、3b間に発生する起電力が所定の一定値(例えば、0.20V)となるように、酸素ポンプセル2の電極2a、2b間の印加電圧を制御すれば、第2内部空間7bへ流れ込む酸素濃度を一定に制御できる。さらに、本実施の形態では、固体電解質体52と電極20a、2bにより第2の酸素ポンプセル20が形成してあり、酸素ポンプセル2で排出できずに第2内部空間7bに流入した酸素を外部に排気する。
【0061】
これにより、第2内部空間7b内の酸素濃度はほぼ0となり、センサセル4により、高精度なNOx濃度測定が可能になる。しかも、素子焼成後にセンサセル4の電極4aに上記還元処理を施して、予めRh2 O3 を金属Rhに還元してあるので、より精度よくNOx濃度を検出できる。
【0062】
以上のように、本発明によれば、被測定ガス中のNOx濃度を高精度で測定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるガスセンサ素子の模式的断面図である。
【図2】第1の実施の形態におけるガスセンサ素子の分解展開図模式的断面図である。
【図3】NOx濃度とセンサセル電流の関係を示す線図で、(a)は従来方法によるガスセンサ素子、(b)は本発明方法によるガスセンサ素子の図である。
【図4】作動時間とオフセット電流の変化量の関係を示す線図で、(a)は従来方法によるガスセンサ素子、(b)は本発明方法によるガスセンサ素子の図である。
【図5】センサセルの内部空間に面する電極中のRh原子のうちRh2 O3 の状態で存在する割合と、オフセット電流の変化量の関係を示した線図でである。
【図6】本発明の第2の実施の形態におけるガスセンサ素子の模式的断面図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態におけるガスセンサ素子の模式的断面図である。
【図8】従来のガスセンサ素子の模式的断面図である。
【符号の説明】
1 ガスセンサ素子
11 ピンホール
12 多孔質保護層
2 酸素ポンプセル
21、22 一対の電極
3 酸素モニタセル(モニタセル)
4 センサセル
41、42 一対の電極
51、52 固体電解質体
61、62、63、64 スペーサ
7 内部空間
7a 第1内部空間
7b 第2内部空間
81、82 基準ガス空間
9 ヒータ
P 端子
Claims (7)
- 所定の拡散抵抗の下に被測定ガスが導入される内部空間と、酸素イオン導電性の固体電解質体の表面に、一方の電極が上記内部空間に面するように設けられた一対の電極を有し、これら一対の電極への通電により上記内部空間に酸素を導入または排出して上記内部空間内の酸素濃度を調整する酸素ポンプセルと、
酸素イオン導電性の固体電解質体の表面に、一方の電極が上記内部空間に面するように設けられた一対の電極を有し、被測定ガス中の特定ガス成分濃度を検出するセンサセルを有し、
上記センサセルの上記内部空間に面する電極がロジウムを含有するサーメット電極であるガスセンサ素子の製造方法において、
上記酸素ポンプセルと上記センサセルを積層して焼成する工程と、該焼成工程において上記センサセルの上記内部空間に面する電極中に生じた酸化ロジウムを、上記センサセルへの通電により金属ロジウムに還元する工程とを有することを特徴とするガスセンサ素子の製造方法。 - 所定の拡散抵抗の下に被測定ガスが導入される内部空間と、酸素イオン導電性の固体電解質体の表面に、一方の電極が上記内部空間に面するように設けられた一対の電極を有し、これら一対の電極への通電により上記内部空間に酸素を導入または排出して上記内部空間内の酸素濃度を調整する酸素ポンプセルと、
酸素イオン導電性の固体電解質体の表面に、一方の電極が上記内部空間に面するように設けられた一対の電極を有し、被測定ガス中の特定ガス成分濃度を検出するセンサセルを有し、
上記センサセルの上記内部空間に面する電極がロジウムを含有するサーメット電極であるガスセンサ素子の製造方法において、
上記酸素ポンプセルと上記センサセルを積層して焼成する工程と、該焼成工程において上記センサセルの上記内部空間に面する電極中に生じた酸化ロジウムを、上記内部空間へ導入した還元性ガスに曝すことにより金属ロジウムに還元する工程とを有することを特徴とするガスセンサ素子の製造方法。 - 所定の拡散抵抗の下に被測定ガスが導入される内部空間と、酸素イオン導電性の固体電解質体の表面に、一方の電極が上記内部空間に面するように設けられた一対の電極を有し、これら一対の電極への通電により上記内部空間に酸素を導入または排出して上記内部空間内の酸素濃度を調整する酸素ポンプセルと、
酸素イオン導電性の固体電解質体の表面に、一方の電極が上記内部空間に面するように設けられた一対の電極を有し、被測定ガス中の特定ガス成分濃度を検出するセンサセルを有し、
上記センサセルの上記内部空間に面する電極がロジウムを含有するサーメット電極であるガスセンサ素子の製造方法において、
上記酸素ポンプセルと上記センサセルを積層して焼成する工程と、該焼成工程において上記センサセルの上記内部空間に面する電極中に生じた酸化ロジウムを、上記酸素ポンプセルへ通電して上記内部空間内を還元雰囲気とすることにより金属ロジウムに還元する工程とを有することを特徴とするガスセンサ素子の製造方法。 - 上記焼成工程で生じた酸化ロジウムを金属ロジウムに還元する工程を、被測定ガス中の特定ガス成分濃度を検出する際の作動温度に比べて、ガスセンサ素子の温度を高くした状態で行う請求項1ないし3のいずれか記載のガスセンサ素子の製造方法。
- 所定の拡散抵抗の下に被測定ガスが導入される内部空間と、酸素イオン導電性の固体電解質体の表面に、一方の電極が上記内部空間に面するように設けられた一対の電極を有し、これら一対の電極への通電により上記内部空間に酸素を導入または排出して上記内部空間内の酸素濃度を調整する酸素ポンプセルと、
酸素イオン導電性の固体電解質体の表面に、一方の電極が上記内部空間に面するように設けられた一対の電極を有し、被測定ガス中の特定ガス成分濃度を検出するセンサセルを有するガスセンサ素子であって、
上記センサセルの上記内部空間に面する電極がロジウムを含有するサーメット電極であり、上記センサセルの上記内部空間に面する電極に含有されるロジウム原子のうち、酸化ロジウムとして存在するものが5%以下であることを特徴とするガスセンサ素子。 - 酸素イオン導電性の固体電解質体の表面に、一方の電極が上記内部空間に面するように設けられた一対の電極を有し、上記内部空間の酸素濃度を検出する酸素モニタセルを設けた請求項1ないし5のいずれか記載のガスセンサ素子の製造方法またはガスセンサ素子。
- 上記特定ガス成分が窒素酸化物である請求項1ないし6のいずれか記載のガスセンサ素子の製造方法またはガスセンサ素子。
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