JPWO2008038773A1 - ガスセンサ素子の処理方法 - Google Patents

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純美子 益尾
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Abstract

窒素(N2)、酸素(O2)、一酸化炭素(CO)、水素(H2)、炭化水素(HC)からなるガス群から選ばれる1又は2以上のガスを含み、空気比が0.80〜1.10となる処理雰囲気下で、温度を500℃以上として、15分以上、ガスセンサ素子の加熱をする。このような処理が施されたガスセンサ素子によれば、排気ガスの急峻な雰囲気変化が起きても、実際のNOx濃度(入力)に対し、オーバーシュートすることなく、安定した出力を行うことが出来る。

Description

本発明は、動特性を安定化させるための、ガスセンサ素子の処理方法に関する。
窒素酸化物(NOx)は、大気汚染や、酸性雨、光化学スモッグの原因となり、人間、生物に悪影響を及ぼす。そのため、NOxの濃度には、環境基準が定められているが、大都市では、NOxを含有する排気ガスを排出する自動車が集中し、基準を超えてしまうおそれがある。それが故に、自動車の排気ガス中のNOxの低減対策は、大変重要な課題であると認識されている。これに対し、自動車の排気ガス中のNOxの濃度を直接測定出来る優れた窒素酸化物(NOx)センサを実用化することが可能になれば、走行中のNOx濃度によってエンジンを制御したり、触媒の劣化具合を検知することが出来、NOxの低減対策上、大変に好ましいといえる。
このような背景の下、従来よりNOxセンサの開発が進められている。NOxセンサには、様々なものがあるが、その中の1つとして、被測定ガス中の結合酸素を有する被測定ガス成分を還元又は分解し得る貴金属材料とセラミックス材料のサーメットからなる測定用電極が固体電解質上に積層形成されてなる電気化学的セルを含むガスセンサ素子を有して構成されたものが知られている(非特許文献1を参照)。
環境省ホームページ、http://www.env.go.jp/policy/digest/h16/pdf/mat18.pdf、車載型NOxセンサの実用化とその利用技術に関する研究
しかしながら、このような構造を有する従来のNOxセンサについて様々な実験を重ねたところ、このようなタイプの従来のNOxセンサでは、自動車における急峻な雰囲気変化に対し出力特性が安定せず、実際のNOxの値より過剰出力を示し、測定精度が悪化する場合がある、という問題を抱えていることがわかってきた。具体的には、ディーゼルエンジンの排気ガス系統にNOxセンサを取り付け、排気ガス中のNOxを測定すると、定常時には測定精度がよい場合であっても、例えば、燃料カット時や、NOx吸蔵還元触媒のためのリッチスパイクを発生させた際に、NOxセンサが過剰出力を示すことが認められた。特に、NOxが実際には存在しない(濃度0(ゼロ))である場合において、測定精度が悪化し易いことがわかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その課題は、実際の自動車において、燃料カットやリッチスパイク等によって、排気ガスの急峻な雰囲気変化が起きても、実際のNOx濃度(入力)に対し、オーバーシュートすることなく、安定した出力をする特性を有するNOxセンサを提供することにある。
研究が重ねられた結果、NOxセンサが、入力(実際のNOx濃度)に対し過剰出力を示す原因は、排気ガス中に含まれる水分に対するNOxセンサの動特性が不安定であるため、ということが突き止められた。そして、NOxセンサの電極に対して高温での雰囲気処理を行うことによって、排気ガスに急峻な雰囲気変化が生じても、NOxセンサの動特性を安定させることが出来ることが見出され、本発明の完成に至った。具体的には、本発明によれば、上記課題を解決するために、以下の手段が提供される。
即ち、先ず、本発明によれば、被測定ガス中の結合酸素を有する被測定ガス成分を還元又は分解し得る貴金属材料とセラミックス材料とのサーメットからなる測定用電極を、所定の固体電解質に形成して構成した電気化学的セルを有し、測定用電極によって被測定ガス成分を還元又は分解するとともに、被測定ガス成分の還元又は分解によって発生する酸素量の測定をし、その測定された酸素量に基づいて、被測定ガス中の被測定ガス成分の濃度を求めるガスセンサ素子における、ガス測定特性を改善するための処理方法であって、窒素(N)、酸素(O)、一酸化炭素(CO)、水素(H)、炭化水素(HC)からなるガス群から選ばれる1又は2以上のガスを含み、空気比が0.80〜1.10となる処理雰囲気下で、温度を500℃以上として、15分以上、ガスセンサ素子の加熱をするガスセンサ素子の処理方法が提供される。
炭化水素(HC)とは、具体的には、メタン(CH)、プロピレン(C)、プロパン(C)、C10(シクロペンタン等)、C12(イソペンタン等)の、化学式Cで表される物質である。
本発明に係るガスセンサ素子の処理方法においては、上記被測定ガス成分が、窒素酸化物であることが好ましい。この場合、処理対象のガスセンサ素子はNOxセンサ素子である。
本発明に係るガスセンサ素子の処理方法においては、空気比が0.80〜0.9999となる処理雰囲気下で、温度を600℃以上として、20分以上、加熱をすることが好ましい。更には、空気比が0.90〜0.9999となる処理雰囲気下で、温度を600〜1100℃として、20分〜24時間、加熱をすることが、特に好ましい。
ガスセンサ素子の処理の温度を500℃以上とするのは、ガスセンサ素子の使用環境温度に準ずるものだからである。加熱処理が500℃を下回る温度で実施される場合には、目的とするガスセンサ素子の動特性の改善効果を十分に得ることが出来なくなってしまう。尚、ガスセンサ素子の加熱処理における1100℃を越える温度は、効果に対するエネルギー効率が低下するので、不必要に高い温度ということが出来る。
ガスセンサ素子の処理の時間は、15分以上の間、継続的に実施される。加熱処理時間が15分を下回るような極短い時間である場合には、ガスセンサ素子の動特性の改善効果が十分に得られない。尚、24時間を超える長時間に亘って加熱処理が実施される場合には、加熱処理が冗長的なものとなって、このような加熱処理の効率性、ひいては加熱処理されたガスセンサ素子の生産性が著しく損なわれる。
次に、本発明によれば、上記した何れかのガスセンサ素子の処理方法でガス測定特性の改善処理をされたガスセンサ素子が提供される。被測定ガス成分が窒素酸化物である場合には、このガスセンサ素子はNOxセンサ素子であり、これを用いたセンサはNOxセンサである。
本発明に係るガスセンサ素子の処理方法が対象とするガスセンサ素子、及び本発明に係るガスセンサ素子は、貴金属材料とセラミックス材料のサーメットからなる測定用電極を、所定の固体電解質に形成して構成した電気化学的セルを含んで構成されるものである。このうち貴金属材料としては、被測定ガス中のNOx等の結合酸素を有する被測定ガス成分を還元又は分解し得るもののうち、従来からサーメット電極の構成材料として用いられる貴金属材料が、適宜に採用される。具体的には、貴金属材料として、RhやPd、Pt、RhとPtの合金、PtとPdの合金等が、例示され得る。
又、セラミックス材料としては、上記の貴金属材料と配合してなる組成物を焼結し得る焼結体(サーメット)を形成するものであり、且つサーメット電極の構成材料として一般に使用されるものであればよい。例えば、セラミックス材料としてZrO等が用いられる。更に、固体電解質は、酸素イオン伝導性を有する特性を活かして、従来からガスセンサ素子に使用されているZrOが用いられる。
本発明に係るガスセンサ素子の処理方法は、窒素(N)、酸素(O)、一酸化炭素(CO)、水素(H)、炭化水素(C)からなるガス群から選ばれる1又は2以上のガスを含み、空気比が0.80〜1.10となる処理雰囲気下で、温度を500℃以上として、15分以上、ガスセンサ素子の加熱をするので、水分に対するガスセンサ素子の動特性が安定化し、その結果、出力特性も安定化する。実際のガス濃度(入力)に対し、オーバーシュートすることはない。
本発明に係るガスセンサ素子の処理方法を施した、ガスセンサ素子として例えばNOxセンサ素子を採用したNOxセンサを、ディーゼルエンジンの排気ガス系統に取り付け、排気ガス中のNOxを測定すると、定常時のみならず、燃料カット時等、急峻な雰囲気変化を起こした際にも、優れた精度でNOxを測定することが出来る。例えば、NOxが実際には存在しない(濃度0(ゼロ))である場合に、過剰出力によってNOxが異常出力を示すことはない。入力(NOx濃度)に対し、常に、化学発光検出法(CLD法)と、ほぼ一致する測定値を出力することが出来るようになる。
本発明に係るガスセンサ素子の処理方法を施したNOxセンサ素子を採用したNOxセンサによれば、自動車の排気ガス中のNOxの濃度を、直接、リアルタイムに、優れた精度で、安定して、測定することが出来るので、自動車のエンジン制御や、触媒制御の最適化が可能になったり、触媒の劣化具合を検知することが可能となり、自動車から排出されるNOxの低減に、大きく寄与する。
本発明に係るガスセンサ素子の処理方法は、その好ましい態様において、空気比が0.80〜0.9999となる処理雰囲気下で、温度を600℃以上として、20分以上、加熱をするので、処理雰囲気中でのガスセンサ素子の加熱処理が、より効率的且つ確実に実施され、ガスセンサ素子のガス測定特性の改善が、より効果的に行われる。
NOxセンサ素子の一実施形態を示す断面図である。 実施例の結果を示す図であり、被測定ガス(空気)中の水分濃度を変化させた場合の、NOxセンサ素子のNOx測定値の変化を表すグラフである。 実施例の結果を示す図であり、回転数2000rpmからアイドリング状態(Idle)へエンジンの状態を変化させた場合の、NOxセンサ素子及び化学発光検出装置のNOx測定値の変化を表すグラフである。 実施例の結果を示す図であり、回転数2000rpmからアイドリング状態(Idle)へエンジンの状態を変化させた場合の、NOxセンサ素子及び化学発光検出装置のNOx測定値の変化を表すグラフである。 実施例の結果を示す図であり、回転数2000rpmからアイドリング状態(Idle)へエンジンの状態を変化させた場合の、その変化の際の、NOxセンサ素子におけるNOx測定値の過剰出力の値を表すグラフである。 実施例の結果を示す図であり、回転数2000rpmからアイドリング状態(Idle)へエンジンの状態を変化させた場合の、その変化の際の、NOxセンサ素子におけるNOx測定値の過剰出力の値を表すグラフである。
符号の説明
1 NOxセンサ素子
10 固体電解質体
12 第一拡散律速部
14 第一内部空所
16 第二拡散律速部
18 第二内部空所
20 基準空気導入通路
22 第一固体電解質体部分
24 内側ポンプ電極
26 外側ポンプ電極
28 主ポンプセル
30 第二固体電解質体部分
32 測定用電極
34 基準電極
36 測定用ポンプセル
38 酸素分圧検出セル
40 ヒータ
以下、本発明について、適宜、図面を参酌しながら、実施の形態を説明するが、本発明はこれらに限定されて解釈されるべきものではない。本発明の要旨を損なわない範囲で、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良、置換を加え得るものである。例えば、図面は、好適な本発明の実施の形態を表すものであるが、本発明は図面に表される態様や図面に示される情報により制限されない。本発明を実施し又は検証する上では、本明細書中に記述されたものと同様の手段若しくは均等な手段が適用され得るが、好適な手段は、以下に記述される手段である。
先ず、本発明に係るガスセンサ素子の処理方法が対象とするガスセンサ素子について説明する。図1は、被測定ガス成分が窒素酸化物である場合のガスセンサ素子であるNOxセンサ素子の一の実施形態を示す断面図である。
図1に示されるNOxセンサ素子1は、ZrO等の酸素イオン伝導性の固体電解質体10を有しており、NOxセンサ素子1には、固体電解質体10の内部に、第一拡散律速部12を介して、固体電解質体10の先端側において外部に連通せしめられた第一内部空所14と、第二拡散律速部16を介して第一内部空所14に連通せしめられた第二内部空所18と、固体電解質体10の基部側において開口して、大気に連通せしめられた基準空気導入通路20とが、それぞれ設けられている。
NOxセンサ素子1において、固体電解質体10の外部に存在する被測定ガスは、第一拡散律速部12を通じて、所定の拡散抵抗の下に、第一内部空所14内に導かれ、更に、第一内部空所14内の被測定ガスは、所定の拡散抵抗の下に、第二内部空所18内に導入される。一方、固体電解質体10の基部側開口部を通じて、基準空気導入通路20内に、基準空気が導入される。
NOxセンサ素子1では、固体電解質体10における第一内部空所14の形成部位たる第一固体電解質体部分22と、この第一固体電解質体部分22における第一内部空所14内への露呈部位と外部空間への露呈部位とにそれぞれ形成された内側ポンプ電極24と外側ポンプ電極26とからなる電気化学的セルにて、主ポンプセル28が構成される。そして、第二内部空所18と基準空気導入通路20とを隔てる第二固体電解質体部分30と、この第二固体電解質体部分30の第二内部空所18内への露呈部位と基準空気導入通路20内への露呈部位とにそれぞれ形成された測定用電極32と基準電極34とからなる電気化学的セルにて、測定用ポンプセル36が構成される。更に、第一及び第二固体電解質体部分22,30と、内側ポンプ電極24と基準電極34とからなる電気化学的セルにて、酸素分圧検出セル38が構成される。ヒータ40は、NOxセンサ素子1を加熱するものである。
NOxセンサ素子1では、主ポンプセル28の2つの電極24,26間に、図示しない可変電源によって所望の電圧が印加され所定の方向に電流が流れることによって、第一内部空所14内の被測定ガス中の酸素が、外部の被測定ガス存在空間に汲み出され、あるいは、それとは逆に、外部の被測定ガス存在空間から、酸素が、第一の内部空所14内に汲み入れられる。又、第一内部空所14内の被測定ガスと基準空気導入通路20内の基準空気との間の酸素濃度差に基づいて、酸素分圧検出セル38の2つの電極24,34間に発生する起電力が、所定の電位差計(図示せず)等にて測定される。更に、測定用ポンプセル36の2つの電極32,34間に、図示しない定電圧電源から所望の電圧が印加せしめられることにより、第二内部空所18内の被測定ガス中の酸素が、基準空気導入通路20に汲み出される。そして、測定用ポンプセル36の測定用電極32が、特に、NOxを還元又は分解し得るロジウム(Rh)等の貴金属材料とジルコニア(ZrO)等のセラミックス材料からなる多孔質サーメットにて構成され、NOxの還元又は分解触媒として機能する。
NOxセンサ素子1においては、ポンプセル28による酸素のポンピング作用にて、第一内部空所14内に、酸素がポンプイン又はポンプアウトされ、酸素分圧検出セル38によって検出される第一内部空所14内の被測定ガス中の酸素分圧の値に基づいて、主ポンプセル28の2つの電極24,26間に電圧を印加せしめる可変電源の電圧が制御されることによって、第一内部空所14内の被測定ガス中の酸素分圧が、NOxが還元されない所定の、望ましくは低い値に制御される。そして、この酸素分圧が制御された第一内部空所14内の被測定ガスが、第二拡散律速通路16を通じて第二内部空所18に導かれて、第二内部空所18内で、NOxの還元又は分解触媒として機能する測定用電極32にて、被測定ガス中のNOxが還元され、その際に生成する酸素が、測定用ポンプセル36による酸素のポンピング作用により、第二内部空所18から基準空気導入通路20にポンプアウトされる。この際、第一内部空所14内の被測定ガス中の酸素分圧(酸素濃度)が一定に制御されているため、測定ポンプの測定用電極32と基準電極34との間に、NOxの濃度に比例したポンプ電流が流れる。従って、このポンプ電流値を測定することで、被測定ガス中のNOxの濃度が求められる。
尚、NOxセンサ素子1と同様に、電気化学的セルからなる主ポンプセル28と酸素分圧検出セル38とを有し、それらの協働作用により、第一内部空所14内に導かれた被測定ガスの酸素分圧(酸素濃度)を一定に制御した状態で、このような被測定ガスを第二内部空所18内に導入させ得るようになっているが、測定用ポンプセル36に代えて、それを構成する測定用電極32と基準電極34と第二固体電解質体部分30とからなる電気化学的セルにて構成された測定用酸素分圧検出セルが設けられて、この測定用酸素分圧検出セルにおける2つの電極32,34間に、第二部空所18内の被測定ガスと基準空気導入通路20内の基準空気との間の酸素濃度差に基づいて発生する起電力が測定され、そして、この測定値に基づいて、被測定ガス中のNOxの濃度が求められるように構成されたNOxセンサ素子であっても、本発明に係るガスセンサ素子の処理方法が対象とするガスセンサ素子足り得る。
次に、本発明の代表的な実施例を示し、本発明の特徴及び効果を明確に示すこととする。本発明は、以下の実施例の記載によって何等の制約をも受けるものでない。
ガスセンサ素子として、RhとZrOからなる多孔質サーメットにて構成された、NOxの還元又は分解触媒として機能する測定用電極が、ZrOからなる固体電解質上に形成された電気化学的セルを有する、図1に示されるNOxセンサ素子1と同仕様のNOxセンサを58個準備した。
(実施例1)1個のNOxセンサ素子を、一酸化炭素(CO)ガスを含み、空気比λが0.90となる処理雰囲気下で、温度を700℃として、2時間、加熱処理した。そして、金属パイプを用意し、加熱処理したNOxセンサ素子を、金属パイプの一方の出口側に取り付けた。
(比較例1)1個のNOxセンサ素子を、加熱処理を施さず、そのまま、金属パイプの一方の出口側に取り付けた。
次いで、金属パイプの他方の開口(入口側)から、水分(HO)濃度を変化させた空気を送り込み、各NOxセンサ素子における、NOx測定値の変化を調べた。結果を図2に示す。
(実施例2)4個のNOxセンサ素子(試料1,2,3,4)を、メタン(CH)ガスを含み、空気比λが0.999となる処理雰囲気下で、温度を600℃として、1時間、加熱処理した。そして、その加熱処理したNOxセンサ素子を、総排気量2000ccのディーゼルエンジンの排気パイプに取り付けた。
(比較例2)2個のNOxセンサ素子(試料1,2)を、加熱処理を施さず、そのまま、総排気量2000ccのディーゼルエンジンの排気パイプに取り付けた。
(参考例)総排気量2000ccのディーゼルエンジンの排気パイプから、化学発光検出装置(CLD法、堀場製作所製、型番MEXA−9100)に排気ガスを導入し、NOxの濃度測定を実施した。
次いで、エンジンを作動させ、回転数2000rpmからアイドリング状態(Idle)へ状態を変化させ、各NOxセンサ素子及び化学発光検出装置における、NOx測定値の変化を調べた。結果を図3及び図4に示す。
(実施例3)25個のNOxセンサ素子を、プロパン(C)ガスを含む処理雰囲気下で、温度は500℃に固定し、空気比λと時間を変えて、加熱処理した。空気比λは、0.8、0.9.0.999、1.05、1.10の5通りであり、加熱時間は10分、20分、30分、1時間(60分)、2時間(120分)の5通りであり、組み合わせは25(=5×5)であるから、25個のNOxセンサ素子を使用した。そして、加熱処理したNOxセンサ素子を、総排気量2000ccのディーゼルエンジンの排気パイプに取り付け、エンジンを作動させ、回転数2000rpmからアイドリング状態(Idle)へ状態を変化させ、その変化の際の、各NOxセンサ素子におけるNOx測定値の過剰出力の値を調べた。結果を図5に示す。
(実施例4)25個のNOxセンサ素子を、プロパン(C)ガスを含む処理雰囲気下で、温度は600℃に固定し、空気比λと時間を変えて、加熱処理した。空気比λは、0.8、0.9.0.999、1.05、1.10の5通りであり、加熱時間は10分、20分、30分、1時間(60分)、2時間(120分)の5通りであり、組み合わせは25(=5×5)であるから、25個のNOxセンサ素子を使用した。そして、加熱処理したNOxセンサ素子を、総排気量2000ccのディーゼルエンジンの排気パイプに取り付け、エンジンを作動させ、回転数2000rpmからアイドリング状態(Idle)へ状態を変化させ、その変化の際の、各NOxセンサ素子におけるNOx測定値の過剰出力の値を調べた。結果を図6に示す。
(考察)図2のグラフから明らかなように、本発明に係るガスセンサ素子の処理方法を施すことによって、NOxセンサ素子は、水分に対する動特性が安定化し、NOxが実際には存在しない(濃度0(ゼロ))のに、過剰出力によってNOxが存在するような測定結果を示すことがなくなることがわかる。
本発明に係るガスセンサ素子の処理方法を施さないと、NOxセンサ素子は、水分の変化のみによって、あたかもNOx濃度が変化したかの如く反応してしまうが、本発明に係るガスセンサ素子の処理方法を施すことによって、このような誤測定は防止される。
図3及び図4のグラフから明らかなように、本発明に係るガスセンサ素子の処理方法を施すことによって、NOxセンサ素子は、エンジンが回転数2000rpmからアイドリング状態(Idle)へ変化し、排気ガスに急峻な雰囲気変化が生じても、NOxセンサの動特性は安定しており、実際のNOx濃度に対し、オーバーシュートすることはない。アイドリング状態において、NOxが殆ど存在しなくなれば、それに正確に追随して、測定結果も0(ppm)となる。
本発明に係るガスセンサ素子の処理方法を施さないと、NOxセンサ素子は、エンジンが回転数2000rpmからアイドリング状態(Idle)へ変化し、排気ガスに急峻な雰囲気変化が生じたときに、一定の時間、NOx濃度がマイナス側へ振れているが、本発明に係るガスセンサ素子の処理方法を施すことによって、このような過剰反応は防止され、入力(NOx濃度)に対し、常に、参考例である化学発光検出法(CLD法)と、ほぼ一致する測定値を出力することが出来るようになっている。
図5及び図6の結果より、過剰出力を抑制又は防止するための条件の一例として、過剰出力を−10ppm以内に抑えるには、空気比を0.80〜1.10、温度を500℃以上、加熱時間を20分以上、とするか、若しくは、加熱時間が10分の場合には、空気比を0.80〜0.90、温度を600℃以上、とすることを要することが示される。又、過剰出力を−5ppm以内に抑制するには、空気比を0.80〜1.10、温度を500℃以上、加熱時間を30分以上、とするか、若しくは、加熱時間が20分の場合には、空気比を0.80〜0.999、温度を500℃以上、とすることを要することが示される。更に、過剰出力を0ppmにするには、空気比を0.80〜1.10、温度を500℃以上、加熱時間を60分以上、とすることを要することが示される。
本発明に係るガスセンサ素子の処理方法は、自動車の排気ガス中のNOxの濃度を測定する窒素酸化物(NOx)センサの動特性を安定化させるため手段として、好適に利用することが出来る。

Claims (4)

  1. 被測定ガス中の結合酸素を有する被測定ガス成分を還元又は分解し得る貴金属材料とセラミックス材料とのサーメットからなる測定用電極を、所定の固体電解質に形成して構成した電気化学的セルを有し、前記測定用電極によって前記被測定ガス成分を還元又は分解するとともに、前記被測定ガス成分の還元又は分解によって発生する酸素量の測定をし、その測定された酸素量に基づいて、前記被測定ガス中の被測定ガス成分の濃度を求めるガスセンサ素子における、ガス測定特性を改善するための処理方法であって、
    窒素(N)、酸素(O)、一酸化炭素(CO)、水素(H)、炭化水素(HC)からなるガス群から選ばれる1又は2以上のガスを含み、空気比が0.80〜1.10となる処理雰囲気下で、温度を500℃以上として、15分以上、前記ガスセンサ素子の加熱をするガスセンサ素子の処理方法。
  2. 前記被測定ガス成分が、窒素酸化物である請求項1に記載のガスセンサ素子の処理方法。
  3. 空気比が0.80〜0.9999となる処理雰囲気下で、温度を600℃以上として、20分以上、加熱をする請求項1又は2に記載のガスセンサ素子の処理方法。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載のガスセンサ素子の処理方法でガス測定特性の改善処理をされたガスセンサ素子。
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