JP2003083936A - ガスセンサ素子 - Google Patents

ガスセンサ素子

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JP2003083936A
JP2003083936A JP2002065597A JP2002065597A JP2003083936A JP 2003083936 A JP2003083936 A JP 2003083936A JP 2002065597 A JP2002065597 A JP 2002065597A JP 2002065597 A JP2002065597 A JP 2002065597A JP 2003083936 A JP2003083936 A JP 2003083936A
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cell
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Keigo Mizutani
圭吾 水谷
Masahiro Taguchi
雅博 田口
Tasuke Makino
太輔 牧野
Hidekazu Kurokawa
英一 黒川
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Denso Corp
Soken Inc
Original Assignee
Denso Corp
Nippon Soken Inc
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/26Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
    • G01N27/416Systems
    • G01N27/417Systems using cells, i.e. more than one cell and probes with solid electrolytes
    • G01N27/419Measuring voltages or currents with a combination of oxygen pumping cells and oxygen concentration cells

Abstract

(57)【要約】 【課題】 より正確なガス濃度を検出できるガスセンサ
素子を提供すること。 【解決手段】 被測定ガス室111,112と,ポンプ
セル2と,センサセル4と,モニタセル3と,センサセ
ル4に接続されたセンサ回路45及びモニタセル3に接
続されたモニタ回路35と,センサ回路45及びモニタ
回路35にそれぞれ接続されたセンサ電源451及びモ
ニタ電源351と,センサ回路45及びモニタ回路35
にそれぞれ接続され,センサセル3及びモニタセル4に
流れる電流をそれぞれ測定するよう構成され,被測定ガ
ス側電極31,41とセンサ電源451及びモニタ電源
351との間に接続されたセンサ電流計452及びモニ
タ電流計352とよりなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,内燃機関の燃焼制御等に用いら
れる積層型のガスセンサ素子に関する。
【0002】
【従来技術】自動車エンジンの排気系に設置され,燃焼
制御に利用される等,NOxセンサ素子として,固体電
解質板に一対の電極を設けて構成した電気化学セルより
なるモニタセル,ポンプセル,センサセル等を備えた素
子が用いられる。上記ポンプセルにおいて,被測定ガス
室の酸素濃度をほぼ0とし,モニタセルに発生する起電
力やモニタセルに流れる限界電流値等により被測定ガス
室の酸素濃度を検出し,この値をポンプセルにフィード
バックしつつ,ポンプセルによる酸素ガスのポンピング
を行う。その後,センサセルで被測定ガス室に残った窒
素酸化物を還元,分解する。このとき,センサセルを流
れる電流から被測定ガス中の窒素酸化物の量,すなわち
NOx濃度を検出する。
【0003】
【解決しようとする課題】しかし,図7に示すごとく,
モニタセル3とセンサセル4とが位置的に近い場合,モ
ニタセル3の被測定ガス側電極31から基準電極32へ
と酸素イオン電流が流れると共に,センサセル4の被測
定ガス側電極41からモニタセル3の基準電極32へ向
かう酸素イオン電流も流れる。同図にa,dと記載され
た矢線がそれである。このため,図7に示すごとき構造
のセルをもったガスセンサ素子では,モニタセル3に接
続された電源932を備えたモニタ回路93上のモニタ
電流計931は,上記イオン電流aとdとに由来する電
流を検出してしまう。
【0004】モニタセル3において本来の酸素濃度に比
例するイオン電流はa+cなので,a+dとなる従来構
成では,正しい酸素濃度をモニタセル3が検出し難い。
センサセル4においても,電源942を備えたセンサ回
路94上のセンサ電流計941が検出する電流の元にな
るイオン電流は,同図に示す矢線bやcで示された酸素
イオン電流である。このため,モニタセル3の場合と同
様の問題が発生する。
【0005】以上は,センサセルが濃度を検出する特定
ガスの種類にかかわらず,モニタセルとセンサセルを併
用するタイプのガスセンサ素子において共通に生じる問
題である。
【0006】本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので,より正確なガス濃度を検出できるガスセ
ンサ素子を提供しようとするものである。
【0007】
【課題の解決手段】第1の発明は,所定の拡散抵抗の下
に外部から被測定ガスが導入されるよう構成された被測
定ガス室と,酸素イオン導電性の固体電解質板とその表
面に設けた一対の電極とより構成され,上記一対の電極
に対する通電により上記被測定ガス室に酸素を導入また
は排出するよう構成されたポンプセルと,酸素イオン導
電性の固体電解質板とその表面に設けた一対の基準電極
と被測定ガス側電極とより構成され,上記一対の電極に
対する通電により被測定ガス中の特定ガス成分濃度を検
出するよう構成されたセンサセルと,酸素イオン導電性
の固体電解質板とその表面に設けた一対の基準電極と被
測定ガス側電極とより構成され,被測定ガス中の酸素濃
度を検出するよう構成されたモニタセルと,上記センサ
セルに接続されたセンサ回路及び上記モニタセルに接続
されたモニタ回路と,上記センサ回路及び上記モニタ回
路にそれぞれ接続されたセンサ電源及びモニタ電源と,
上記センサ回路及びモニタ回路にそれぞれ接続され,セ
ンサセル及びモニタセルに流れる電流をそれぞれ測定す
るよう構成され,被測定ガス側電極とセンサ電源及びモ
ニタ電源との間に接続されたセンサ電流計及びモニタ電
流計とよりなることを特徴とするガスセンサ素子にある
(請求項1)。
【0008】次に,本発明の作用効果につき説明する。
第1の発明において,モニタセル及びセンサセルを流れ
る電流を検出するためのセンサ電流計及びモニタ電流計
は,被測定ガス側電極に近い側に接続されている。これ
により,モニタセルやセンサセルに流れる電流,つまり
モニタセルやセンサセルにおける被測定ガス側電極から
基準電極へと流れる酸素イオン電流(後述する図3にか
かる構成のガスセンサ素子1においては,矢線a+cや
矢線b+d)だけが元になる電流を検出することができ
る。このため精度よく被測定ガス中の特定ガス濃度や酸
素濃度の検出を行うことができる。
【0009】以上,本発明によれば,より正確なガス濃
度を検出できるガスセンサ素子を提供することができ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】上記第1の発明(請求項1)での
ガスセンサ素子とは,被測定ガス中の特定ガス濃度と共
に被測定ガス中の酸素濃度等を検出することが可能な複
合センサ素子である。上記モニタセル,センサセル及び
ポンプセルにおける被測定ガス側電極は被測定ガス室と
対面した位置にあり,モニタセル及びポンプセルの被測
定ガス側にある電極は,該電極上でのNOx等のセンサ
セルが検出しようとする特定ガスの分解が抑制された,
分解活性の低い電極材料から構成する。具体的には,プ
ラチナ−金とを含有する多孔質のサーメット電極等が好
ましい。また,電極材料中の金含有量は1〜10重量%
とすることが好ましい。金が10重量%より多い場合は
電極の活性が低くなりすぎ,金が1重量%未満である場
合は,電極の活性が高くなるおそれがある。
【0011】また,センサセルにおける被測定ガス側電
極は検出しようとする特定ガスを速やかに分解できるよ
うに,分解活性の高い電極材料から構成する。具体的に
はプラチナとロジウムを含有する多孔質のサーメット電
極が望ましく,また,電極材料中のロジウム量は10〜
50重量%とすることが好ましい。50重量%より多い
とロジウムの酸素吸蔵効果により特性が不安定となり,
10重量%未満である場合は,分解活性が低くなるおそ
れがある。なお,他の電極は通常の電極材料より構成す
ることができる。
【0012】また,上記センサセルにおける被測定ガス
側電極の電極材料を変更することで,異なる特定ガス濃
度の測定を行うことができる。本発明にかかる構成のガ
スセンサ素子におけるセンサセルにおいて検出可能な特
定ガスとしては,分解して酸素イオンを放出するか,酸
素イオンと反応するガスが挙げられ,具体的には上記N
Ox,CO,HC等が挙げられる。
【0013】また,上記モニタ回路に接続された上記モ
ニタ電流計の電流値が一定となるように,上記ポンプセ
ルにかける電圧を調整するようよう構成されていること
が好ましい(請求項2)。この場合,モニタ電流計の値
は被測定ガス室の酸素ガス濃度に比例するため,ポンプ
セルに被測定ガス室内の酸素ガス濃度に応じた状態で電
圧を与えることができる。ポンプセルも電気化学的セル
としての構成を有するため,電圧を与えることで酸素の
ポンピングを被測定ガス室において行うことができる。
従って,ポンプセルの駆動状態を被測定ガス室の酸素濃
度によって制御できるため,被測定ガス室の酸素濃度を
より精密に制御でき,検出精度が向上するという作用効
果を得ることができる。
【0014】また,上記モニタ電流計の電流値と上記セ
ンサ電流計の電流値との差より,上記被測定ガス中の特
定ガス濃度を測定することが好ましい(請求項3)。こ
れにより,モニタセルとセンサセルの電流差は,被測定
ガス室のNOx濃度に比例するため,検出精度を向上さ
せることができる。
【0015】また,上記センサセル及び上記モニタセル
は同一の固体電解質板上に設けることが好ましい(請求
項4)。これにより,いずれか一方をポンプセルと同一
の固体電解質板上に設ける場合に比べて,ポンプセルと
のリーク電流の影響を受け難くすることができる。ま
た,すべてのセルを別々の固体電解質板に設ける場合と
比較して,構造を簡略化することができる。
【0016】
【実施例】以下に,図面を用いて本発明の実施例につい
て説明する。 (実施例1)
【0017】以下,詳細に説明する。本例のガスセンサ
素子は,自動車エンジンの内燃機関に設置して,排ガス
中のNOx濃度を測定することに使用される。図1,図
2に示すごとく,本例のガスセンサ素子1は,所定の拡
散抵抗の下に外部から被測定ガスが導入されるよう構成
された被測定ガス室と,酸素イオン導電性の固体電解質
板14とその表面に設けた一対の電極21,22より構
成され,上記一対の電極に対する通電により上記被測定
ガス室に酸素を導入または排出するよう構成されたポン
プセル2を有する。
【0018】また,酸素イオン導電性の固体電解質板1
6とその表面に設けた一対の基準電極42と被測定ガス
側電極41とより構成され,上記一対の電極41,42
に対する通電により被測定ガス中の特定ガス成分濃度を
検出するよう構成されたセンサセル4と,酸素イオン導
電性の固体電解質板16とその表面に設けた一対の基準
電極32と被測定ガス側電極31とより構成され,被測
定ガス中の酸素濃度を検出するよう構成されたモニタセ
ル3とを有する。
【0019】また,上記センサセル4に接続されたセン
サ回路45及び上記モニタセル3に接続されたモニタ回
路35と,上記センサ回路45及び上記モニタ回路35
にそれぞれ接続されたセンサ電源451及びモニタ電源
351と,上記センサ回路45及びモニタ回路35にそ
れぞれ接続され,センサセル4及びモニタセル3に流れ
る電流をそれぞれ測定するよう構成され,被測定ガス側
電極41,31とセンサ電源451及びモニタ電源35
1との間に接続されたセンサ電流計452及びモニタ電
流計352とよりなる。
【0020】以下,詳細に説明すると,本例のガスセン
サ素子1は,自動車エンジンの排気系に設置されて,排
ガス中のNOx濃度を測定するセンサに利用される。図
1,図2に示すごとく,本例のガスセンサ素子1は,ポ
ンプセル2を構成するための固体電解質板14と,モニ
タセル3,センサセル4を構成するための固体電解質板
16と,被測定ガス室を構成するためのスペーサー15
と,基準ガス室121を構成するためのスペーサー17
と,上記ポンプセル2,モニタセル3,センサセル4を
活性化温度まで加熱するためのヒータ19とを順次積層
して構成した積層型素子である。
【0021】上記被測定ガス室は,素子外部より被測定
ガスが導入される小室である。図1,図2に示すごと
く,固体電解質板14と16との間に位置するスペーサ
ー15に設けた2つの窓部と該窓部の間に設けた絞り部
とにより構成される。
【0022】上記被測定ガス室は外部から直接導入穴1
01を通じて被測定ガスが導入される第1被測定ガス室
111と,該第1被測定ガス室111と拡散抵抗通路1
02を介して連通した第2被測定ガス室112より構成
される。また,上記導入穴101は,固体電解質板14
を貫通する拡散抵抗手段としてのピンホールよりなる。
このピンホールの大きさ(口径)は,これを通過して第
1被測定ガス室111及び第2被測定ガス室112に導
入される被測定ガスが所定の拡散速度を得られるように
適宜設定される。
【0023】また,固体電解質板14には素子外部側か
ら導入穴101を覆うように多孔質アルミナよりなる保
護層131が設けてある。この保護層131が第1及び
第2被測定ガス室111,112に対面する各電極の被
毒,導入穴の目づまりを防止している。なお,上記導入
穴101として,ピンホールに多孔質体を充填した構造
のものを用いることもできる。
【0024】基準ガス室121は一定の酸素濃度をもつ
基準ガスとしての大気が導入される。この基準ガス室1
21は固体電解質板16に対し積層したスペーサ17に
設けた窓部より形成される。この窓部はガスセンサ素子
1の長手方向に伸びる溝形状の通路部を有し,この通路
部を通じて大気が導入される。なお,スペーサー15,
17はアルミナ等の絶縁性のセラミックよりなる。
【0025】上記固体電解質板14,16はジルコニア
やセリア等の酸素イオン導電性の電解質よりなる。ポン
プセル2は固体電解質板14とその表面に設けた一対の
電極21,22より構成される。一方の電極22は第1
被測定ガス室111に面して設けてあり,他方の電極2
1は保護層131に被われて固体電解質板14の外部側
に設けてある。
【0026】センサセル4は固体電解質板16とその表
面に設けた一対の基準電極42と被測定ガス側電極41
とより構成される。上記被測定ガス側電極41は,第2
被測定ガス室112に面して固体電解質板16に接して
設けられ,基準電極42は基準ガス室121に面して固
体電解質板16に接して設けられる。モニタセル3も,
センサセル4と同様に,固体電解質板16とその表面に
設けた一対の基準電極32と被測定ガス側電極31とよ
り構成される。上記被測定ガス側電極31は,第2被測
定ガス室112に面しており,基準電極32は基準ガス
室121に面している。
【0027】上記ポンプセル2の電極22,モニタセル
3の被測定ガス側電極31は,被測定ガス中のNOx分
解を抑制するために,NOxに対する分解活性の低いプ
ラチナと金とを含有する多孔質サーメット電極よりな
る。また,センサセル4の被測定ガス側電極41はNO
xに対する分解活性の強い,プラチナとロジウムを含有
する多孔質サーメット電極よりなる。その他の電極21
等はプラチナの多孔質サーメット電極よりなる。
【0028】また,図2に示すごとく,各固体電解質体
14,16に対し,各電極21,22,31,32,4
1,42と電気的に導通したリード部211,221,
311,321,411,421が一体的に設けられ
る。
【0029】また,上記リード部211,221,31
1,321,411,421から,各所のスルーホール
222,312,313,322,323,324,4
12,413,422,423,424を通して端子部
212,223,314,325,414,425に導
通され,端子部212,223からポンプ回路25へ,
端子部314,325からモニタ回路35へ,414,
425からセンサ回路45へと接続される。また,図1
(b)より,基準電極32,42側はアース端子46に
接続されている。また,モニタ回路35からポンプ電源
251に向うフィードバック回路26が設けてある。
【0030】また,固体電解質板の電極等以外の箇所,
特にリード部が形成された部分において,固体電解質板
とリード部との間に絶縁層を設ける(図示略)こともで
きる。
【0031】上記ヒータ19は,アルミナ製のヒータシ
ート195の上に通電により発熱する発熱体191がパ
ターニング形成され,この発熱体191を覆うように絶
縁板196を積層することで構成される。発熱体191
はリード部192,スルーホール193を介して端子1
94に電気的導通を確保し,端子194を通じて発熱体
191に通電する。発熱体191はプラチナとアルミナ
等を含むセラミックスのサーメットより構成される。そ
して,このヒータ19によって,センサセル4,モニタ
セル3,ポンプセル2が活性化温度まで加熱される。
【0032】本例のガスセンサ素子1の製造を簡単に説
明する。押出成形により作成された固体電解質板用やス
ペーサー用生シートに対し,電極等用の印刷部をスクリ
ーン印刷により形成する。印刷を終えた生シートを所定
の順序で積層した後,焼成し,本例のガスセンサ素子を
得る。
【0033】次に,本例のガスセンサ素子の動作原理を
簡単に説明する。図1,図2に示すごとく,被測定ガス
が保護層131,導入穴101を通過して第1被測定ガ
ス室111に導入される。導入されるガス量は保護層1
31,導入穴101の拡散抵抗により決定される。さら
に,第1被測定ガス室111から拡散抵抗通路102を
通過して第2被測定ガス室112に,被測定ガスが導入
される。
【0034】ポンプセル2の一対の電極21,22に,
保護層131と対面した電極21が正極となるように電
圧をポンプ回路25のポンプ電源251から印加する。
これにより,上記第1被測定ガス室111と対面した電
極22上で被測定ガスに含まれる酸素が還元され,酸素
イオンとなり,ポンピング作用により電極21側に排出
される。
【0035】なお,逆に第1被測定ガス室111側の電
極22が正極となるように電圧を印加すると,電極21
で酸素や水蒸気ガスが還元され,酸素イオンとなり,ポ
ンピング作用により電極22側に排出される。このよう
にポンプセル2に印加する電圧を適宜変更することで,
第1被測定ガス室111,また第1被測定ガス室111
と連通した第2被測定ガス室112の酸素濃度を制御す
ることができる。
【0036】モニタセル3の一対の被測定ガス側電極3
1,基準電極32に対し,基準電極32が正極となるよ
うに所定の電圧(本例では0.40V)を印加する。第
2被測定ガス室112と対面する被測定ガス側電極31
において被測定ガス中の酸素が還元されて酸素イオンと
なり,ポンピング作用により電極32側に排出される。
電極31はNOx分解に対して不活性であるため,電極
31−電極32間に流れる電流,つまりモニタセル3に
流れる電流は保護層131,導入穴101,第1被測定
ガス室111,拡散抵抗通路102を通過して,第2被
測定ガス室112に到達し,被測定ガス側電極31に達
する被測定ガス中の酸素量に依存する。そして,NOx
量には依存しない。
【0037】よって,このモニタセル3における電流値
が一定となるように(本例では0.5μA)ポンプセル
2に対する印加電圧をフィードバック回路26を介して
制御して,第1及び第2被測定ガス室111,112内
の酸素濃度を一定とすることができる。
【0038】センサセル4の一対の被測定ガス側電極4
1,基準電極42に対し,基準電極42が正極となるよ
うに所定の電圧(本例では0.40V)を印加する。第
2被測定ガス室112と対面する被測定ガス側電極41
はNOx分解に対して活性であるため,第2被測定ガス
室112と対面する被測定ガス側電極41で被測定ガス
中の酸素やNOxが還元されてイオン化し,ポンピング
作用により基準ガス室121と対面する基準電極42側
に排出される。
【0039】本例では,モニタセル3の電極間を流れる
電流が一定値(0.5μA)になるようにポンプセル2
を制御して,センサセル4の電極間を流れる電流値も一
定値(0.5μA)に制御される。一方,被測定ガス中
にNOxが存在する場合,NOx濃度に応じて電流値が
増加するため,被測定ガス中のNOx濃度を検出するこ
とができる。
【0040】そして,本例のガスセンサ素子1で,モニ
タセル3,センサセル4で,第2被測定ガス室112の
酸素濃度,NOx濃度を検出するには,それぞれモニタ
セル3の電極31,センサセル4の電極41を通過した
イオン電流に基づいた電流値を測定しなくてはいけな
い。これは,図3における矢線a,cで示される電流
と,矢線b,dで示される電流である。
【0041】しかしながら,図3に示すごとく,電極3
1から電極42へ,電極41から電極32へと向かうイ
オン電流が発生するため(矢線c及び矢線d),図7に
示すごとく,正極側,つまりモニタ電源932,センサ
電源942と基準電極32,42との間にモニタ電流計
931,センサ電流計941を,モニタ回路93やセン
サ回路94に設けた場合,モニタ電流計931では,a
+d,センサ電流計941では,b+cに相当する酸素
イオン電流を電流値として検出してしまうため,正しい
酸素濃度やNOx濃度を検出することができなくなる。
【0042】本例にかかるガスセンサ素子1では,図3
に示すごとく,モニタ電流計352とセンサ電流計45
2とを被測定ガス側電極31,41の方に接続している
ため,矢線a+cやb+dで示される酸素イオン電流に
基づいた電流を検出することができ,正確な酸素濃度や
NOx濃度を検出することができる。
【0043】以上,本例によれば,より正確なガス濃度
を検出できるガスセンサ素子を提供することができる。
【0044】(実施例2)図4に示すごとく,本例にか
かるガスセンサ素子1は,第2の基準ガス室122を有
し,第2被測定ガス室112と第2の基準ガス室122
とに対面するようにモニタセル3,センサセル4を設
け,ポンプセル2は第1被測定ガス室と第1基準ガス室
121に対面するように設けてある。また,第2の基準
ガス室122は,固体電解質板14に設けたスペーサー
132,133により構成され,該スペーサー132,
133は両者ともにアルミナよりなる。その他詳細は実
施例1と同様であり,実施例1と同様の作用効果を有す
る。また,ポンプセル2の電極21が,第1基準ガス室
121に対面しているので,センサ素子1の外部の測定
ガス中に,酸素や水蒸気等の酸素源がなくても,電極2
1から電極22に酸素をポンピングできる。
【0045】(実施例3)図5に示すごとく,本例にか
かるガスセンサ素子1は,第2の基準ガス室122と第
2の被測定ガス室112に対面するようにモニタセル3
を設ける。また,第2の被測定ガス室112と第1の基
準ガス室121との間にセンサセル4を設ける。さら
に,スペーサ15,17,132,133が固体電解質
板で構成される。その他詳細は実施例1と同様であり,
実施例1と同様の作用効果を有する。また,モニタセル
3,センサセル4の電極31,32,41,42の面積
を大きく取ることができるため,モニタセル3,センサ
セル4のインピーダンスを小さくできる。ヒータ19以
外は,固体電解質板で構成されるため,異種材料の接合
箇所が少なく,製造が容易である。
【0046】(実施例4)図6に示すごとく,本例にか
かるガスセンサ素子1は実施例1と同様の構成である。
ただし,ポンプ回路25,モニタ回路35,センサ回路
45の構成が異なる。つまり,ポンプ回路25はポンプ
電源251と電流計252を備え,電流計252により
得られたポンプ電流(ポンプセルを流れる電流)の値に
より,あらかじめ決められたポンプ電流とポンプ電圧と
の関係を満足するようにフィードバック回路26によっ
て,ポンプ電源251によるポンプセル2への電圧印加
の値を変更する。
【0047】また,モニタ回路35,センサ回路45に
設けられたモニタ電流計352,センサ電流計452は
電流差検出回路5に接続され,ここにおいて,モニタ電
流計352とセンサ電流計452の電流値の差を検出す
る。モニタセル電流は第2被測定ガス室112の酸素濃
度,センサセル電流は第2被測定ガス室112の酸素濃
度とNOx濃度に対応するため,検出された電流から被
測定ガス中のNOx濃度を得る。その他詳細は実施例1
と同様で,作用効果も同様である。また,電流差を検出
しているため,センサ出力がNOx濃度に比例する。
【0048】(比較例)図7に示すような位置にモニタ
電流計931,センサ電流計941を配置した場合で,
矢線cやdで示されるような酸素イオン電流に由来する
電流を検知しないようにするためには,モニタ電流計9
31,センサ電流計941における電流検出回路をアイ
ソレーションしてやればよい。しかしながら,アイソレ
ーションにかかる制御回路のコストが高くなるため,コ
スト的に不利なガスセンサ素子が得られてしまう。
【0049】また,図7に示されるような状態にあるガ
スセンサ素子に対し,矢線cや矢線dにかかる酸素イオ
ン電流が流れないように絶縁体を介在させることが考え
られる。これでモニタセル3とセンサセル4との間のリ
ークが防止できるが,ガスセンサ素子の設計変更を伴う
ため面倒である。さらに絶縁体を設ける分コストアップ
となるため不利である。また,実施例1のような同一固
体電解質板上にモニタセル3とセンサセル4を設けた構
成のガスセンサ素子1では,そもそもリーク防止の絶縁
体配設が困難である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1にかかる,(a)ガスセンサ素子の断
面説明図,(b)(a)のA−A矢視断面図。
【図2】実施例1にかかる,ガスセンサ素子の斜視展開
図。
【図3】実施例1にかかる,センサセル,モニタセルが
設けられた固体電解質体における酸素イオンの流れを示
す線図。
【図4】実施例2にかかる,(a)ガスセンサ素子の断
面説明図,(b)(a)のB−B矢視断面図。
【図5】実施例3にかかる,(a)ガスセンサ素子の断
面説明図,(b)(a)のC−C矢視断面図。
【図6】実施例4にかかる,(a)ガスセンサ素子の断
面説明図,(b)(a)のD−D矢視断面図。
【図7】比較例にかかるガスセンサ素子の,センサセ
ル,モニタセルが設けられた固体電解質体における酸素
イオンの流れを示す線図。
【符号の説明】
1...ガスセンサ素子, 111,112...被測定ガス室, 121,122...基準ガス室, 14,16...固体電解質板, 2...ポンプセル, 3...モニタセル, 4...センサセル,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田口 雅博 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 牧野 太輔 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 黒川 英一 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の拡散抵抗の下に外部から被測定ガ
    スが導入されるよう構成された被測定ガス室と,酸素イ
    オン導電性の固体電解質板とその表面に設けた一対の電
    極とより構成され,上記一対の電極に対する通電により
    上記被測定ガス室に酸素を導入または排出するよう構成
    されたポンプセルと,酸素イオン導電性の固体電解質板
    とその表面に設けた一対の基準電極と被測定ガス側電極
    とより構成され,上記一対の電極に対する通電により被
    測定ガス中の特定ガス成分濃度を検出するよう構成され
    たセンサセルと,酸素イオン導電性の固体電解質板とそ
    の表面に設けた一対の基準電極と被測定ガス側電極とよ
    り構成され,被測定ガス中の酸素濃度を検出するよう構
    成されたモニタセルと,上記センサセルに接続されたセ
    ンサ回路及び上記モニタセルに接続されたモニタ回路
    と,上記センサ回路及び上記モニタ回路にそれぞれ接続
    されたセンサ電源及びモニタ電源と,上記センサ回路及
    びモニタ回路にそれぞれ接続され,センサセル及びモニ
    タセルに流れる電流をそれぞれ測定するよう構成され,
    被測定ガス側電極とセンサ電源及びモニタ電源との間に
    接続されたセンサ電流計及びモニタ電流計とよりなるこ
    とを特徴とするガスセンサ素子。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記モニタ回路に接
    続された上記モニタ電流計の電流値が一定となるよう
    に,上記ポンプセルにかける電圧を調整するようよう構
    成されていることを特徴とするガスセンサ素子。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において,上記モニタ
    電流計の電流値と上記センサ電流計の電流値との差よ
    り,上記被測定ガス中の特定ガス濃度を測定することを
    特徴とするガスセンサ素子。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項において,
    上記センサセル及び上記モニタセルは同一の固体電解質
    板上に設けることを特徴とするガスセンサ素子。
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