JP3776386B2 - ガスセンサ素子及びガス濃度の検出方法 - Google Patents

ガスセンサ素子及びガス濃度の検出方法 Download PDF

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、被測定ガス中に含まれる炭化水素のガス濃度の検出を行うガスセンサ素子及びガス濃度の検出方法に関する。
【0002】
【従来技術】
例えば,自動車等においては,エンジンから排出される排気ガスが触媒等によって浄化されているかを監視するために,この排気ガス中の炭化水素濃度の検出を行っている。
図8に示すごとく,上記ガスセンサに内装される炭化水素ガスセンサ素子90として,一対の電極931,932を固体電解質体96を挟むように対向配置すると共に被測定ガス側電極931が炭化水素に対する酸化活性を有する酸素モニタセル93と,一対の電極941,942を固体電解質体96を挟むように対向配置すると共に被測定ガス側電極941が炭化水素に対する酸化活性が低い性質を有するセンサセル94とを用いて炭化水素濃度の検出を行うものがある(特開平10−185868号公報参照)。
【0003】
上記炭化水素ガスセンサ素子90においては,上記酸素モニタセル93における被測定ガス側電極931と上記センサセル94における被測定ガス側電極941とを,被測定ガス室97における被測定ガスに曝されるように配置する。また,上記酸素モニタセル93及びセンサセル94において,他方の電極932,942は,基準ガス室98における基準ガスに曝されるように配置する。
また,上記炭化水素ガスセンサ素子90においては,上記被測定ガスにおける酸素濃度を調整するために一対の電極921,922を備えた酸素ポンプセル92が設けてある。
【0004】
炭化水素濃度の検出を行うに当っては,上記排気ガスを被測定ガスとして被測定ガス室97に導入する。
上記被測定ガスが,上記酸素モニタセル93における被測定ガス側電極931に接触した際には,この被測定ガス側電極931は炭化水素に対する酸化活性を有しているため,被測定ガス中の炭化水素は被測定ガス中の酸素と反応する。
【0005】
そして,上記被測定ガス側電極931と他方の電極932との間の酸素濃度の違いによりこれらの一対の電極931,932の間に発生する起電力を,電圧検出手段933を用いて測定することにより,上記反応が行われた後の被測定ガス中の酸素濃度を検出する。
また,この被測定ガス中の酸素濃度は,上記酸素モニタセル93により検出された酸素濃度が一定となるように酸素ポンプセル92に印加する電圧を制御して調整する。
【0006】
一方,上記センサセル94における被測定ガス側電極941は炭化水素に対する酸化活性が低い性質を有しているため,このセンサセル941に接触する被測定ガス中の炭化水素は被測定ガス中の酸素とほとんど反応をしない。そして,このセンサセル94における一対の電極941,942の間に電圧を印加して,このセンサセル94に流れる酸素イオン電流を電流検出手段943を用いて測定することにより,上記反応がほとんど行われていない被測定ガス中の酸素濃度を検出する。そして,この酸素濃度による酸素の量が炭化水素の量に対応しているとして,被測定ガス中の炭化水素濃度を算出することができる。
【0007】
【解決しようとする課題】
ところで,上記酸素モニタセル93においては,一対の電極931,932の間に発生する起電力を測定することにより,酸素濃度を検出しており,これに対し,上記センサセル94においては,一対の電極941,942の間に流れる酸素イオン電流を測定することにより,酸素濃度を検出している。
【0008】
即ち,上記従来の炭化水素ガスセンサ素子90においては,上記炭化水素濃度を求める際に用いる状態量が異なっている。そのため,炭化水素濃度の測定環境下に変動が生じたときには,この変動により受ける影響により検出する炭化水素濃度に誤差が生じてしまう。上記炭化水素濃度の測定環境下の変動には,例えば,被測定ガスにおける可燃性ガス成分の変化,被測定ガスにおける酸素濃度の変化等が考えられる。
【0009】
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,ガス濃度の測定環境下の変動によってガス濃度の検出誤差をほとんど生じることがないガスセンサ素子及びガス濃度の検出方法を提供しようとするものである。
【0010】
【課題の解決手段】
第1の発明は,所定の拡散抵抗の下に被測定ガスが導入される被測定ガス室と,
該被測定ガス室に曝されるように酸素イオン導電性を有する固体電解質体の表面に配置したポンプ電極と,上記被測定ガス室に曝されないように上記固体電解質体の表面に配置したポンプ電極とを備え,上記一対のポンプ電極の間に電圧を印加することにより,上記被測定ガス室における酸素濃度を調整する酸素ポンプセルと,
上記被測定ガス室に曝されるように酸素イオン導電性を有する固体電解質体の表面に配置した被測定ガス側電極と,基準ガスに曝されるように上記固体電解質体の表面に配置した基準ガス側電極とを備え,かつ当該被測定ガス側電極が上記被測定ガス中に含まれる炭化水素に対する酸化活性を有する酸素モニタセルと,
上記被測定ガス室に曝されるように酸素イオン導電性を有する固体電解質体の表面に配置した被測定ガス側電極と,基準ガスに曝されるように上記固体電解質体の表面に配置した基準ガス側電極とを備え,かつ当該被測定ガス側電極が,上記炭化水素に対する酸化活性が上記酸素モニタセルにおける被測定ガス側電極よりも低い性質を有するセンサセルとを有し,
上記酸素モニタセルに電圧を印加したときに流れる酸素イオン電流と,上記センサセルに電圧を印加したときに流れる酸素イオン電流との関係に基づいて,上記炭化水素のガス濃度を検出するよう構成されていることを特徴とするガスセンサ素子にある(請求項1)。
【0011】
第1の発明におけるガスセンサ素子は,被測定ガス中に含まれる炭化水素に対する酸化活性が異なる被測定ガス側電極をそれぞれ有する酸素モニタセルとセンサセルとを用いる。そして,酸素モニタセルとセンサセルとに電圧を印加し,これらのセルに流れる酸素イオン電流を検出して,これらの酸素イオン電流の間の関係により上記炭化水素のガス濃度を算出する。
【0012】
即ち,まず,上記ガスセンサ素子においては,所定の拡散抵抗の下に被測定ガスを被測定ガス室に導入する。
次いで,上記酸素ポンプセルにおける一対のポンプ電極の間に電圧を印加することにより,上記被測定ガス室に導入された被測定ガス中の酸素濃度を調整する。こうして,まずは,上記被測定ガス中の酸素濃度を,被測定ガスに含まれる炭化水素のガス濃度を検出するのに適した濃度に調整する。
また,この酸素ポンプセルにより調整する被測定ガス中の酸素濃度は,上記酸素モニタセルによって監視することができ,酸素ポンプセルは,酸素モニタセルによって検出される酸素濃度を制御するようにして,被測定ガス中の酸素濃度を調整することができる。
【0013】
また,上記酸素モニタセルにおける被測定ガス側電極と基準ガス側電極とによる一対の電極の間と,上記センサセルにおける被測定ガス側電極と基準ガス側電極とによる一対の電極との間には,それぞれ電圧を印加する。
上記酸素モニタセルにおける被測定ガス側電極は,上記のごとく,被測定ガス中に含まれる炭化水素に対して酸化活性を有している。そのため,上記酸素モニタセルの一対の電極の間に電圧を印加したときには,この酸素モニタセルの被測定ガス側電極において,被測定ガス中に含まれる炭化水素が被測定ガス中に含まれる酸素と反応する。そして,この酸素モニタセルにおいては,上記炭化水素と反応が行われた後の酸素の濃度に対応する酸素イオン電流が検出される。
【0014】
一方,上記センサセルにおける被測定ガス側電極は,上記のごとく,被測定ガス中に含まれる炭化水素に対する酸化活性が,上記酸素モニタセルにおける被測定ガス側電極よりも低い性質を有している。そのため,上記センサセルの一対の電極の間に電圧を印加したときに,このセンサセルにおける被測定ガス側電極において,被測定ガス中に含まれる炭化水素が被測定ガス中に含まれる酸素と反応する量は,上記酸素モニタセルにおける被測定ガス側電極に比べて少なくなる。そのため,このセンサセルにおいては,上記酸素モニタセルに比べて酸素濃度が高くなり,これに対応した酸素イオン電流が検出される。
【0015】
そして,上記酸素モニタセルにおける酸素イオン電流と,上記センサセルにおける酸素イオン電流との関係により,上記被測定ガス中に含まれる炭化水素のガス濃度を検出することができる。
また,第1の発明においては,上記のごとく,上記酸素モニタセルとセンサセルとは,ともに上記酸素イオン電流という同じ状態量に基づいて,上記炭化水素のガス濃度を検出している。
【0016】
そのため,上記ガスセンサ素子において,ガス濃度の測定環境下に変動が生じたときにおいても,上記酸素モニタセルとセンサセルとは,この変動に対して同等の影響を受ける。そのため,例えば,被測定ガス中に含まれる可燃性ガスの成分が変化したとき又は酸素濃度が変化したときでも,酸素モニタセルとセンサセルとにおいて検出するそれぞれの酸素イオン電流の間に検知対象ガス以外に起因するズレを生じることがほとんどない。
それ故,第1の発明によれば,ガス濃度の測定環境下の変動によって,ガス濃度の検出誤差をほとんど生じることがないガスセンサ素子を実現することができる。
【0017】
第2の発明は,被測定ガスが導入される被測定ガス室と,一方のポンプ電極を上記被測定ガス室に曝されるように配置した酸素ポンプセルと,炭化水素に対する酸化活性を有する被測定ガス側電極を上記被測定ガス室に曝されるように配置した酸素モニタセルと,炭化水素に対する酸化活性が上記酸素モニタセルにおける被測定ガス側電極よりも低い性質を有する被測定ガス側電極を上記被測定ガス室に曝されるように配置したセンサセルとを用いて,
上記被測定ガス中に含まれる炭化水素のガス濃度を検出するに当たっては,
所定の拡散抵抗の下において上記被測定ガスを上記被測定ガス室に導入し,
上記酸素モニタセル及び上記センサセルに電圧を印加すると共に上記酸素モニタセルに流れる酸素イオン電流に基づいて上記被測定ガス室における酸素濃度を検出し,
該酸素濃度に基づいて上記酸素ポンプセルへ印加する電圧を制御することにより,上記被測定ガス室における酸素濃度を調整した後,
上記酸素モニタセルに流れる酸素イオン電流と,上記センサセルに流れる酸素イオン電流との関係に基づいて,被測定ガス中に含まれる炭化水素のガス濃度を検出することを特徴とするガス濃度の検出方法にある(請求項13)。
【0018】
第2の発明のガス濃度の検出方法によれば,上記第1の発明におけるガスセンサ素子の優れた特性を生かして,上記被測定ガス中に含まれる炭化水素のガス濃度を検出することができる。それ故,第2の発明のガス濃度の検出方法によれば,ガス濃度の測定環境下の変動によって,ガス濃度の検出誤差をほとんど生じることなくガス濃度の検出を行うことができる。
【0019】
また,第3の発明は,所定の拡散抵抗の下に被測定ガスが導入される被測定ガス室と,
該被測定ガス室に曝されるように酸素イオン導電性を有する固体電解質体の表面に配置したポンプ電極と,上記被測定ガス室に曝されないように上記固体電解質体の表面に配置したポンプ電極とを備え,かつ上記被測定ガス室に曝されるポンプ電極が上記被測定ガス中に含まれる炭化水素に対する酸化活性を有し,
上記一対のポンプ電極の間に電圧を印加することにより,上記被測定ガス室における酸素濃度を調整する酸素ポンプセルと,
上記被測定ガス室に曝されるように酸素イオン導電性を有する固体電解質体の表面に配置した被測定ガス側電極と,基準ガスに曝されるように上記固体電解質体の表面に配置した基準ガス側電極とを備え,かつ当該被測定ガス側電極が,上記炭化水素に対する酸化活性が上記酸素ポンプセルにおける被測定ガス室と対面するポンプ電極よりも低い性質を有するセンサセルとを有し,
上記酸素ポンプセルに電圧を印加したときに流れる酸素イオン電流と,上記センサセルに電圧を印加したときに流れる酸素イオン電流との関係に基づいて,上記炭化水素のガス濃度を検出するよう構成されていることを特徴とするガスセンサ素子にある(請求項16)。
【0020】
第3の発明におけるガスセンサ素子は,酸素ポンプセルとセンサセルとを備え,酸素ポンプセルにおける被測定ガス室に曝されるポンプ電極と,センサセルにおける被測定ガス側電極とは,被測定ガス中に含まれる炭化水素に対する酸化活性が異なる。
そして,酸素ポンプセルとセンサセルとに電圧を印加し,これらのセルに流れる酸素イオン電流を検出して,これらの酸素イオン電流の間の関係により上記炭化水素のガス濃度を算出する。
【0021】
即ち,まず,上記ガスセンサ素子においては,所定の拡散抵抗の下に被測定ガスを被測定ガス室に導入する。
次いで,上記酸素ポンプセルにおける一対のポンプ電極の間に電圧を印加することにより,上記被測定ガス室に導入された被測定ガス中の酸素濃度を調整すると共に被測定ガス中の酸素濃度を監視する。
こうして,まずは,上記被測定ガス中の酸素濃度を,被測定ガスに含まれる炭化水素のガス濃度を検出するのに適した濃度に調整する。
【0022】
また,上記酸素ポンプセルにおける被測定ガス室に曝されるポンプ電極と被測定ガス室に曝されないポンプ電極との間と,上記センサセルにおける被測定ガス側電極と基準ガス側電極との間に,それぞれ電圧を印加する。
上記酸素ポンプセルにおける被測定ガス室と対面するポンプ電極は,被測定ガス中に含まれる炭化水素に対して酸化活性を有し,上記酸素ポンプセルの一対のポンプ電極間に電圧を印加すると,被測定ガス室に曝されるポンプ電極において,上記炭化水素が被測定ガス中に含まれる酸素と反応する。そして,この酸素ポンプセルにおいては,上記炭化水素と反応が行われた後の酸素の濃度に対応する酸素イオン電流が検出される。
【0023】
一方,上記センサセルにおける被測定ガス側電極は,上記のごとく,被測定ガス中に含まれる炭化水素に対する酸化活性が,上記酸素ポンプセルにおける被測定ガス側電極よりも低い性質を有している。そのため,上記センサセルの一対の電極の間に電圧を印加したときに,このセンサセルにおける被測定ガス側電極において,被測定ガス中に含まれる炭化水素が被測定ガス中に含まれる酸素と反応する量は,上記酸素ポンプセルにおける被測定ガス側電極に比べて少なくなる。そのため,このセンサセルにおいては,上記酸素ポンプセルに比べて酸素濃度が高くなり,これに対応した酸素イオン電流が検出される。
【0024】
そして,上記酸素ポンプセルにおける酸素イオン電流と,上記センサセルにおける酸素イオン電流との関係により,上記被測定ガス中に含まれる炭化水素のガス濃度を検出することができる。
また,第3の発明にかかる上記酸素ポンプセル及びセンサセルは,ともに上記酸素イオン電流という同じ状態量に基づいて,上記炭化水素のガス濃度を検出している。
【0025】
そのため,上記ガスセンサ素子において,ガス濃度の測定環境下に変動が生じたときにおいても,上記酸素ポンプセルとセンサセルとは,この変動に対して同等の影響を受ける。そのため,例えば,被測定ガス中に含まれる可燃性ガスの成分が変化したとき又は酸素濃度が変化したときでも,酸素ポンプセルとセンサセルとにおいて検出するそれぞれの酸素イオン電流の間に検知対象ガス以外に起因するズレを生じることがほとんどない。
それ故,第3の発明によれば,ガス濃度の測定環境下の変動によって,ガス濃度の検出誤差をほとんど生じることがないガスセンサ素子を実現することができる。
【0026】
また,第4の発明は,被測定ガスが導入される被測定ガス室と,一方のポンプ電極を上記被測定ガス室に曝されるように配置した酸素ポンプセルと,炭化水素に対する酸化活性が上記酸素ポンプセルにおける被測定ガス室に曝されるポンプ電極よりも低い性質を有する被測定ガス側電極を上記被測定ガス室に曝されるように配置したセンサセルとを用いて,
上記被測定ガス中に含まれる炭化水素のガス濃度を検出するに当たっては,
所定の拡散抵抗の下において上記被測定ガスを上記被測定ガス室に導入し,
上記酸素ポンプセル及び上記センサセルに電圧を印加すると共に
上記酸素ポンプセルに流れる酸素イオン電流と,上記センサセルに流れる酸素イオン電流との関係に基づいて,被測定ガス中に含まれる炭化水素のガス濃度を検出することを特徴とするガス濃度の検出方法にある(請求項20)。
【0027】
第4の発明のガス濃度の検出方法によれば,上記第3の発明におけるガスセンサ素子の優れた特性を生かして,上記被測定ガス中に含まれる炭化水素のガス濃度を検出することができる。それ故,第4の発明のガス濃度の検出方法によれば,ガス濃度の測定環境下の変動によって,ガス濃度の検出誤差をほとんど生じることなくガス濃度の検出を行うことができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
第1の発明において,上記ガスセンサ素子は,上記センサセルに流れる酸素イオン電流と上記酸素モニタセルに流れる酸素イオン電流との差に基づいて,被測定ガス中に含まれる炭化水素のガス濃度を検出するよう構成することができる(請求項2)。
この場合,上記酸素イオン電流の間の差が,上記炭化水素(以下,特定ガスともいう)のガス濃度に対応しているとして,容易に上記特定ガスのガス濃度を検出することができる。
【0029】
また,第1の発明において,上記酸素ポンプセルは,上記酸素モニタセルに流れる酸素イオン電流が所望の値となるように当該酸素ポンプセルに印加する電圧を制御し,上記被測定ガス室における酸素濃度を調整するよう構成することが好ましい(請求項3)。
この場合,上記酸素モニタセルに流れる酸素イオン電流が所望の値となるように上記酸素ポンプセルに印加する電圧をフィードバック制御することができる。そのため,上記被測定ガス室における酸素濃度を容易に調整することができる。
【0030】
また,第1の発明において,上記被測定ガス中に含まれる特定ガスは,炭化水素である。
この場合,上記ガスセンサ素子は,上記被測定ガス中における炭化水素の濃度を検出する炭化水素ガスセンサ素子として使用することができる。
また,上記酸素モニタセルにおける上記被測定ガス側電極は,炭化水素を酸化するよう構成する(請求項)。また,上記酸素モニタセルにおける上記被測定ガス側電極は,上記センサセルにおける上記被測定ガス側電極に比べて,炭化水素に対する酸化活性が高いものとする(請求項)。
【0031】
また,第1の発明において,上記酸素モニタセルにおける上記被測定ガス側電極は,上記センサセルにおける上記被測定ガス側電極に比べて,メタン以外の炭化水素に対する酸化活性が高いことが好ましい(請求項)。
この場合,上記酸素モニタセルにおける被測定ガス側電極においては,上記センサセルにおける被測定ガス側電極に比べて,被測定ガス中におけるメタン以外の炭化水素が被測定ガス中における酸素と多く反応する。
そのため,上記ガスセンサ素子は,被測定ガス中のメタン以外の炭化水素を選択的に検出することができる。
【0032】
また,第1の発明において,上記酸素モニタセルにおける上記被測定ガス側電極上で炭化水素と酸化反応後の残留酸素量が一定となるように上記酸素ポンプセルが制御され,
かつ上記酸素モニタセルにおける上記被測定ガス側電極は,上記センサセルにおける上記被測定ガス側電極に比べて,炭化水素に対する酸化活性が高く,
上記センサセル及び上記酸素モニタセルをそれぞれ流れる酸素イオン電流の差より被測定ガス中の炭化水素濃度を測定するよう構成することが好ましい(請求項)。
これにより,炭化水素濃度に起因する電極上の酸素濃度差を精度よく検出することができるため,炭化水素の検出精度を高くすることができる。
【0033】
また,第1の発明において,上記センサセルにおける被測定ガス側電極は,上記酸素モニタセルにおける被測定ガス側電極に比べて,メタンを含む炭化水素に対する酸化活性が低い性質を有していることができる(請求項)。
この場合,上記酸素モニタセルにおける被測定ガス側電極においては,上記センサセルにおける被測定ガス側電極に比べて,被測定ガス中におけるメタンを含む炭化水素が被測定ガス中における酸素と多く反応する。そのため,上記ガスセンサ素子において,被測定ガス中のメタンを含む炭化水素のガス濃度を検出することができる。
【0034】
また,第1の発明において,上記センサセルにおける被測定ガス側電極は,上記酸素モニタセルにおける被測定ガス側電極に比べて,メタン以外の炭化水素に対する酸化活性が低い性質を有していることができる(請求項)。
この場合,上記酸素モニタセルにおける被測定ガス側電極においては,上記センサセルにおける被測定ガス側電極に比べて,被測定ガス中におけるメタン以外の炭化水素が被測定ガス中における酸素と多く反応する。
そのため,上記ガスセンサ素子は,被測定ガス中のメタン以外の炭化水素を選択的に検出することができる。
【0035】
また,第1の発明において,上記酸素モニタセル及び上記センサセルにおける被測定ガス側電極の炭化水素に対する活性の高低は,上記被測定ガス側電極の酸素吸着に対する強弱を制御することにより実現することが好ましい(請求項10)。
これにより,容易に被測定ガス側電極の活性を制御することができる。
被測定ガス側電極の酸素吸着を弱くするためには,Pt,Pd,Rhなどの貴金属元素にAu,Ag,Cuなどの金属元素を添加した電極材料より被測定ガス側電極を構成する。また,被測定ガス側電極の酸素吸着を強くするためには,Pt,Pd,Rhなどの貴金属元素にTi,Ta,Nbなどの酸化物になりやすい金属元素を添加した電極材料より被測定ガス側電極を構成する。すなわち,酸素との吸着熱が貴金属元素よりも大(約80kcal/mol以上)である金属元素を添加することが好ましい。
【0036】
また,第1の発明において,上記センサセルにおける被測定ガス側電極及び上記酸素モニタセルにおける被測定ガス側電極は,Pt,Pd,Rh,Auのうち少なくとも1種又は2種以上を金属主成分とし,かつ,Ti,Ta,Nb,Al,W,Mo,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Zrのうち少なくとも1種又は2種以上の成分を含むことが好ましい(請求項11)。
【0037】
この場合,上記酸素モニタセルにおける被測定ガス側電極は,Pt,Pd,Rh,Auのうち少なくとも1種又は2種以上を金属主成分として,上記炭化水素に対する酸化活性を有することができる。
また,上記センサセルにおける被測定ガス側電極は,Pt,Pd,Rh,Auのうち少なくとも1種又は2種以上を金属主成分とし,Ti,Ta,Nb,Al,W,Mo,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Zrのうち少なくとも1種又は2種以上の成分を含むことにより,上記炭化水素に対する酸化活性が上記酸素モニタセルにおける被測定ガス側電極に比べて低い性質を有することができる。
【0038】
また,第1の発明において,上記酸素モニタセルにおける被測定ガス電極はPt99〜80wt%とAuを1〜20wt%とからなる電極材料を含み,上記センサセルにおける被測定ガス側電極はPt及び/またはPdの99〜80wt%とTiO2を1〜20wt%とからなる電極材料を含み,メタン以外の炭化水素を検出可能となるよう構成したことが好ましい(請求項12)。
これにより,メタン以外の炭化水素を選択的に検出することができる。
【0039】
酸素モニタセルの被測定ガス側電極が含む電極材料において,Auが1wt%未満である場合は,メタンに対する酸化活性が高くなるおそれがあり,20wt%を越えた場合は,融点が低下し,ジルコニア固体電解質体との同時焼成が困難となるおそれがある。
また,センサセルの被測定ガス側電極が含む電極材料において,TiO2が1wt%未満である場合は,炭化水素に対する酸化活性が高くなるおそれがあり,20wt%を越えた場合は,電極の電気抵抗が増加するおそれがある。
【0040】
更に,酸素モニタセルの被測定ガス側電極が含む電極材料において,より好ましくはAuを5wt%以上添加する。また,センサセルの被測定ガス側電極が含む電極材料において,より好ましくはTiO2を10wt%以上添加する。
【0041】
また,上記第2の発明においても,上記被測定ガス中に含まれる特定ガスのガス濃度の検出は,上記センサセルに流れる酸素イオン電流と上記酸素モニタセルに流れる酸素イオン電流との差に基づいて行うことができる(請求項14)。
この場合,上記酸素イオン電流の間の差が,上記炭化水素のガス濃度に対応しているとして,容易に上記特定ガスのガス濃度を検出することができる。
【0042】
また,第2の発明において,上記被測定ガス中に含まれる炭化水素のガス濃度の検出に当たり,上記酸素モニタセルに流れる酸素イオン電流が所望の値となるように上記酸素ポンプセルに印加する電圧を制御し,上記被測定ガス室における酸素濃度を調整することが好ましい(請求項15)。
この場合,上記酸素モニタセルに流れる酸素イオン電流が所望の値となるように上記酸素ポンプセルに印加する電圧をフィードバック制御することができる。そのため,上記被測定ガス室における酸素濃度を容易に調整することができる。
【0043】
また,第2の発明において,上記被測定ガス中に含まれる特定ガスは,炭化水素である。
この場合,上記ガス濃度の検出方法は,上記被測定ガス中における炭化水素の濃度を検出することができる。
また,この場合,上記酸素モニタセルにおける被測定ガス側電極は,炭化水素に対する酸化活性を有するものとする。また,この場合,上記センサセルにおける被測定ガス側電極は,炭化水素に対する酸化活性が上記酸素モニタセルにおける被測定ガス側電極よりも低い性質を有するものとする。
【0044】
また,上記第1の発明及び第2の発明において,上記酸素ポンプセルに印加する電圧を上記酸素モニタセルに流れる酸素イオン電流が一定値となるように制御すれば,上記センサセルに流れる酸素イオン電流と上記酸素モニタセルに流れる酸素イオン電流との差は,上記センサセルに流れる酸素イオン電流に依存することになる。つまり,上記酸素モニタセルによって検出される酸素濃度を一定の濃度に保てば,上記センサセルに流れる酸素イオン電流を検出することにより上記特定ガスのガス濃度を検出することができる。
【0045】
また,第3の発明において,上記ガスセンサ素子は,上記酸素ポンプセルへの印加電圧と上記酸素ポンプセルに流れる酸素イオン電流との関係から,被測定ガス室内の酸素濃度を一定値に制御し,上記センサセルに流れる酸素イオン電流に基づいて,被測定ガス中に含まれる特定ガスのガス濃度を検出するよう構成することができる(請求項17)。
この場合,上記センサセルに流れる酸素イオン電流が,上記特定ガスのガス濃度に対応しているとして,容易に上記特定ガスのガス濃度を検出することができる。
【0046】
また,第3の発明において,上記被測定ガス中に含まれる特定ガスは,炭化水素である。
この場合,上記ガスセンサ素子は,上記被測定ガス中における炭化水素の濃度を検出する炭化水素ガスセンサ素子として使用することができる。
また,上記酸素ポンプセルにおける上記被測定ガス室と対面したポンプ電極は,上記センサセルにおける上記被測定ガス側電極に比べて,炭化水素に対する酸化活性が高いものとする(請求項18)。
【0047】
また,第3の発明において,上記酸素ポンプセルにおける上記被測定ガス室と対面したポンプ電極は,上記センサセルにおける上記被測定ガス側電極に比べて,メタン以外の炭化水素に対する酸化活性が高いことが好ましい(請求項19)。
この場合,上記酸素モニタセルにおける被測定ガス側電極においては,上記センサセルにおける被測定ガス側電極に比べて,被測定ガス中におけるメタン以外の炭化水素が被測定ガス中における酸素と多く反応する。
そのため,上記ガスセンサ素子は,被測定ガス中のメタン以外の炭化水素を選択的に検出することができる。
【0048】
また,第4の発明において,上記被測定ガス中に含まれる特定ガスのガス濃度の検出は,上記酸素ポンプセルへの印加電圧と上記酸素ポンプセルに流れる酸素イオン電流との関係から,被測定ガス室内の酸素濃度を一定値に制御し,上記センサセルに流れる酸素イオン電流に基づいて行うことが好ましい(請求項21)。
この場合,上記センサセルに流れる酸素イオン電流が,上記特定ガスのガス濃度に対応しているとして,容易に上記特定ガスのガス濃度を検出することができる。
【0049】
また,第4の発明において,上記被測定ガス中に含まれる特定ガスは,炭化水素である。
この場合,上記ガス濃度の検出方法は,上記被測定ガス中における炭化水素の濃度を検出することができる。
【0050】
第1,第3の発明にかかるガスセンサ素子は,自動車のエンジンの排気系に設置する炭化水素ガスセンサ素子として使用することができる。更に,エンジンの空燃比制御,触媒制御又は劣化検知等を行うために使用することができる。
また,第2,第4の発明にかかるガス濃度の検出方法は,自動車のエンジンの排気系における炭化水素の濃度検出に使用することができる。更に,エンジンの空燃比制御,触媒制御又は劣化検知等に使用することができる。
【0051】
【実施例】
(実施例1)
本例におけるガス濃度の検出方法においては,自動車のエンジンの排気ガスを被測定ガスとし,該被測定ガス中に含まれる炭化水素濃度を検出する。
また,本例のガスセンサ素子1は,検出した炭化水素濃度をエンジンの燃焼制御を最適に行うために使用するものである。
【0052】
図1に示すごとく,本例におけるガスセンサ素子1には,被測定ガスが導入される被測定ガス室7が形成されている。
また,ガスセンサ素子1は,一方のポンプ電極21を上記被測定ガス室7に曝されるように配置した酸素ポンプセル2と,被測定ガス側電極31を上記被測定ガス室7に曝されるように配置した酸素モニタセル3と,被測定ガス側電極41を上記被測定ガス室7に曝されるように配置したセンサセル4とを有している。
【0053】
また,上記酸素モニタセル3における被測定ガス側電極31は,炭化水素に対する酸化活性を有している。また,上記センサセル4における被測定ガス側電極41は,炭化水素に対する酸化活性が上記酸素モニタセル3における被測定ガス側電極31よりも低い性質を有している。
また,本例における酸素モニタセル3とセンサセル4とは,一対の電極の間に限界電流特性を示す値の電圧を印加し,電極近傍の酸素濃度の違いによりそこに流れる酸素イオン電流が変化することを利用する限界電流式のセルである。
【0054】
上記被測定ガス中に含まれる特定ガスのガス濃度を検出するに当たっては,所定の拡散抵抗の下において上記被測定ガスを上記被測定ガス室7に導入する。
そして,上記酸素モニタセル3に電圧を印加すると共に上記酸素モニタセル3に流れる酸素イオン電流を検出する。また,上記センサセル4にも電圧を印加すると共に上記センサセル4に流れる酸素イオン電流を検出する。
また,本例では,上記酸素モニタセル3によって検出を行った酸素イオン電流に基づいて上記酸素ポンプセル2へ印加する電圧を制御することにより,上記被測定ガス室7における酸素濃度を調整する。
【0055】
そして,本例におけるガス濃度の検出方法は,上記酸素モニタセル3に流れる酸素イオン電流と,上記センサセル4に流れる酸素イオン電流との関係に基づいて,被測定ガス中に含まれる特定ガスのガス濃度を検出する。
【0056】
以下に,これを詳説する。
本例において検出を行う被測定ガス中に含まれる特定ガスは,炭化水素とする。また,本例においては,上記被測定ガス中に含まれる炭化水素濃度の検出に当たり,上記酸素モニタセル3に流れる酸素イオン電流が所望の一定値となるように上記酸素ポンプセル2に印加する電圧をフィードバック制御して,上記被測定ガス室7における酸素濃度を調整する。
【0057】
図2に本例におけるガスセンサ素子1を分解した状態の斜視図を示す。
同図に示すごとく,ガスセンサ素子1は,酸素ポンプセル2を構成するためのシート状の固体電解質体5と,酸素モニタセル3及びセンサセル4を構成するためのシート状の固体電解質体6と,被測定ガス室7を形成するためのシート状のスペーサ8と,基準ガス室100を形成するためのシート状のスペーサ9と,これらを加熱するセラミックヒータ10とを,順次積層して構成されている。
【0058】
また,酸素ポンプセル2を構成する固体電解質体5と,酸素モニタセル3及びセンサセル4を構成する固体電解質体6は,それぞれジルコニアやセリア等の酸素イオン導電性を有する電解質よりなる。
また,上記各スペーサ8,9はアルミナ等の絶縁材料よりなる。
【0059】
被測定ガス室7は,被測定ガス存在空間110より被測定ガスが導入される空間であり,被測定ガス存在空間110に対して上流側に位置する第1被測定ガス室71と,下流側に位置する第2被測定ガス室72とに分割して形成してある。そして,第1被測定ガス室71と第2被測定ガス室72との間は,第1被測定ガス室71から第2被測定ガス室72に流れる被測定ガスを律速する絞り部73が設けてある。
上記第1被測定ガス室71,第2被測定ガス室72及び絞り部73は,それぞれ固体電解質体5と固体電解質体6との間に位置するスペーサ8の抜き穴81,82,83により形成されている。
【0060】
上記被測定ガス存在空間110から被測定ガス室71には,ピンホール11を介して被測定ガスを導入するようになっており,また,固体電解質体5における被測定ガス存在空間110側の表面には,上記ピンホール11の開口部を覆うようにして多孔質保護層12が設けてある。
本例においては,ピンホール11と多孔質保護層12とにより,被測定ガスの流動速度を律速し,被測定ガスを所定の拡散抵抗の下に被測定ガス室7に導入するようになっている。
【0061】
上記ピンホール11の大きさは,これを通過して第1被測定ガス室71及び第2被測定ガス室72に導入される被測定ガスの拡散速度が所定の速度となるように,適宜設定される。また,上記多孔質保護層12は,酸素ポンプセル2における一対の電極21,22,酸素モニタセル3における被測定ガス側電極31及びセンサセル4における被測定ガス側電極41の被毒や,ピンホール11に目詰まり等が発生することを防止する。この多孔質保護層12は,多孔質アルミナ等より形成してある。
なお,上記被測定ガスを所定の拡散抵抗の下に被測定ガス室7に導入するための別の方法として,上記ピンホール11を形成する位置に,上記多孔質アルミナ等よりなる多孔質体を設けてもよい。
【0062】
基準ガス室100には,上記炭化水素濃度の検出を行う際の基準となる基準ガスとして,略一定の酸素濃度をもつ大気が導入される。また,基準ガス室100は,通路部101を介して基準ガスを導入する基準ガス空間120に連通されている。
また,基準ガス室100は,固体電解質体6に対してスペーサ8が対向する側とは反対側に位置するスペーサ9において,このスペーサ9に設けた抜き穴91により形成されており,通路部101は,スペーサ9に設けた溝92により形成されている。
【0063】
上記酸素ポンプセル2は,固体電解質体5と,この固体電解質体5を挟むように対向配置されたポンプ電極21及びポンプ電極22の一対の電極とにより構成される。
また,一方のポンプ電極21は,固体電解質体5においてスペーサ8と対向する側の表面に,上記第1被測定ガス室71に接して設けられている。また,他方のポンプ電極22は,固体電解質体5において被測定ガス存在空間110と対向する側の表面に,上記多孔質保護層12を介して被測定ガス存在空間110と接して設けられている。
【0064】
上記酸素モニタセル3は,固体電解質体6と,この固体電解質体6を挟むように対向配置された被測定ガス側電極31及び基準ガス側電極32の一対の電極とにより構成される。
また,被測定ガス側電極31は,固体電解質体6においてスペーサ8と対向する側の表面に,上記第2被測定ガス室72に接して設けられている。また,基準ガス側電極32は,固体電解質体6においてスペーサ9と対向する側の表面に,上記基準ガス室100と接して設けられている。
【0065】
上記センサセル4は,固体電解質体6と,この固体電解質体6を挟むように対向配置された被測定ガス側電極41及び基準ガス側電極42の一対の電極とにより構成される。
また,被測定ガス側電極41は,固体電解質体6においてスペーサ8と対向する側の表面に,上記第2被測定ガス室72に接して設けられている。また,基準ガス側電極42は,固体電解質体6においてスペーサ9と対向する側の表面に,上記基準ガス室100と接して設けられている。
【0066】
本例においては,酸素ポンプセル2のポンプ電極21とセンサセル4の被測定ガス側電極41は,Pt及びAuを金属主成分とし,これにTiを添加した多孔質サーメット電極としている。この際,Au及びTiの含有量はそれぞれ1〜20重量%程度とすることが好ましい。
上記酸素ポンプセル2のポンプ電極21及びセンサセル4の被測定ガス側電極41は,上記成分で構成することにより,炭化水素に対する酸化活性がほとんどない電極とすることができる。
【0067】
本例においては,酸素モニタセル3の被測定ガス側電極31は,Pt及びAuを金属主成分として含有する多孔質サーメット電極としている。この際,Auの含有量は1〜20重量%程度とすることが好ましい。
上記酸素モニタセル3の被測定ガス側電極31は,上記成分で構成することにより,センサセル4の被測定ガス側電極41に比較して,炭化水素に対する酸化活性が高く,特にメタン以外の炭化水素に対する酸化活性が高い電極とすることができる。
【0068】
また,上記酸素ポンプセル2における被測定ガス存在空間110側のポンプ電極22,酸素モニタセル3の基準ガス側電極32及びセンサセル4の基準ガス側電極42には,Ptを含有する多孔質サーメット電極を用いる。
また,図2に示すごとく,上記各電極21,22,31,32,41,42には,それぞれこれらの各電極から電気信号を取出すためのリード部23,24,33,34,43,44が一体的に形成されている。
また,固体電解質体5又は固体電解質体6と上記リード部23,24,33,34,43,44との間には,アルミナ等の絶縁層(図示略)を形成しておくことが好ましい。
【0069】
上記セラミックヒータ10は,アルミナ製のヒータシート13の表面に通電発熱するヒータ電極14をパターニング形成し,このヒータ電極14を形成した表面に絶縁性を有するアルミナ層15を重ね合わせて構成する。
また,このセラミックヒータ10は,上記スペーサ9に対して,このスペーサ9において固体電解質体6に対向しない側の表面に対向して配置されている。
上記ヒータ電極14には,Ptとアルミナ等のセラミックスとのサーメットが用いられている。また,セラミックヒータ10は,ヒータ電極14を外部からの給電により発熱させ,上記酸素ポンプセル2,酸素モニタセル3及びセンサセル4をガス濃度の検出に適した活性化温度まで加熱するものである。
【0070】
また,上記酸素ポンプセル2における一対の電極21,22,上記酸素モニタセル3の一対の電極31,32,上記センサセル4の一対の電極41,42,及びヒータ電極14における一対の端部141,142は,それぞれ上記各リード部23,24,33,34,43,44及びスルーホール130を介して,ガスセンサ素子1の両側面に設けられたセンサ端子140に接続されている。
そして,このセンサ端子140にはコネクタを介して圧着やろう付け等によりリード線が接続され,外部回路と,上記各セル2,3,4又はセラミックヒータ10との間で電気信号を入出力させることが可能となっている(図示略)。
【0071】
固体電解質体5,6,スペーサ8,9,ヒータシート13及びアルミナ層15は,ドクターブレード法や押し出し成形法等により,シート形状に成形することができる。
また,上記の各電極21,22,31,32,41,42,各リード部23,24,33,34,43,44,及びセンサ端子140は,スクリーン印刷等により形成することができる。
また,上記固体電解質体5,6,スペーサ8,9,多孔質保護層12,ヒータシート13及びアルミナ層15は,積層して焼成することにより一体化することができる。
【0072】
また,図1に示すごとく,上記酸素ポンプセル2には,該酸素ポンプセル2に電圧を印加するための電源25を有する酸素ポンプセル回路240が設けられている。同図において,電源25は,被測定ガス存在空間110側のポンプ電極22がプラス極として記載してあるが,実際には被測定ガス室7における酸素濃度を調整する際に,プラス極とマイナス極とが入れ替わることもある。
【0073】
また,上記酸素モニタセル3には,該酸素モニタセル3に電圧を印加するための電源35と酸素モニタセル3に流れる酸素イオン電流を検出するための電流検出手段36とを有する酸素モニタセル回路340が設けてある。また,上記センサセル4にも,同様にして,センサセル4に電圧を印加するための電源45とセンサセル4に流れる酸素イオン電流を検出するための電流検出手段46とを有するセンサセル回路440が設けてある。
【0074】
また,図示は省略するが,上記各セル2,3,4における電源25,35,45,各電流検出手段36,46は,外部回路に接続されており,この外部回路における演算手段によって,各制御及び演算が行われる。
また,上記電流検出手段36によって検出した電流値は,制御信号線250を介して上記外部回路に送信され,この外部回路における演算手段は制御信号線250を介して上記電源25の電圧を制御するようになっている。
【0075】
次に,上記ガスセンサ素子1のガス濃度の検出方法について詳説する。
本例の炭化水素濃度の検出方法により,炭化水素濃度の検出を行うに当っては,ガスセンサ素子1において,エンジンの排気ガスである被測定ガスが,多孔質保護層12及びピンホール11を通過して第1被測定ガス室71に導入される。
【0076】
そして,上記酸素ポンプセル2における一対のポンプ電極21,22の間に電圧を印加して,上記被測定ガス室71と上記被測定ガス存在空間110との間で酸素を入出させるポンピング作用により,第1被測定ガス室71に導入された被測定ガス中に含まれる酸素濃度を調整する。
【0077】
上記ポンピング作用による酸素濃度の調整は,具体的には以下のようにして行われる。
即ち,一対のポンプ電極21,22に,被測定ガス存在空間110側のポンプ電極22がプラス極となるように電圧を印加すると,上記第1被測定ガス室71側のポンプ電極21上で被測定ガス中の酸素が還元されて酸素イオンとなる。そして,この酸素イオンが上記ポンプ電極21から上記ポンプ電極22に向けて流れることにより,上記第1被測定ガス室71における酸素が排出され,第1被測定ガス室71における酸素濃度が低下する。
【0078】
逆に,第1被測定ガス室71側のポンプ電極21がプラス極となるように電圧を印加すると,被測定ガス存在空間110側のポンプ電極22上で被測定ガス中の酸素や水蒸気が還元されて酸素イオンとなる。そして,この酸素イオンが上記ポンプ電極22から上記ポンプ電極21に向けて流れることにより,上記第1被測定ガス室71に酸素が取り込まれ,第1被測定ガス室71における酸素濃度が上昇する。
このような,ポンピング作用を利用して,上記酸素ポンプセル2は,上記被測定ガス中の酸素濃度を,被測定ガスに含まれる炭化水素濃度を検出するのに適した濃度に調整する。
【0079】
また,上記酸素モニタセル3における被測定ガス側電極31と基準ガス側電極32とによる一対の電極の間と,上記センサセル4における被測定ガス側電極41と基準ガス側電極42とによる一対の電極との間には,それらのセル3,4が限界電流特性を示す値の電圧を印加する。
例えば,上記酸素モニタセル3及びセンサセル4に印加する電圧の値としては,限界電流特性を示す値として0.40Vとすることができる。
【0080】
上記酸素モニタセル3において,例えば,図1に示すごとく,上記基準ガス室100に接する基準ガス側電極32がプラス極となるように電圧を印加すると,上記第2被測定ガス室72に接する被測定ガス側電極31上で被測定ガス中の酸素が還元されて酸素イオンとなり,この酸素イオンが上記被測定ガス室側電極31から上記基準ガス側電極32に向けて流れる。
【0081】
そして,上記酸素モニタセル3に流れる酸素イオン電流が一定の値になるように,上記酸素ポンプセル2に印加する電圧をフィードバック制御することにより,容易に上記被測定ガス中に含まれる酸素濃度を調整することができる。例えば,酸素モニタセル3に流れる酸素イオン電流が0.5μAとなるように,上記酸素ポンプセル2に印加する電圧を変化させることができる。
【0082】
上記酸素モニタセル3における被測定ガス側電極31は,上記のごとく,被測定ガス中に含まれる炭化水素に対して酸化活性が高い性質を有している。そのため,この酸素モニタセル3の被測定ガス側電極31においては,被測定ガス中に含まれる炭化水素が被測定ガス中に含まれる酸素と反応する。
そのため,この酸素モニタセル3においては,炭化水素と反応が行われた後の酸素の濃度に対応する酸素イオン電流が検出される。
【0083】
また,上記センサセル4においても,例えば,図1に示すごとく,上記基準ガス室100に接する基準ガス側電極42がプラス極となるように電圧を印加すると,上記第2被測定ガス室72に接する被測定ガス側電極41上で被測定ガス中の酸素が還元されて酸素イオンとなり,この酸素イオンが酸素イオン電流として上記基準ガス側電極42に向けて流れる。
【0084】
上記センサセル4における被測定ガス側電極41は,上記のごとく,被測定ガス中に含まれる炭化水素に対する酸化活性がほとんどない性質を有している。そのため,このセンサセル4における被測定ガス側電極41において,被測定ガス中に含まれる炭化水素が被測定ガス中に含まれる酸素と反応する量は,上記酸素モニタセル3における被測定ガス側電極31に比べて少なくなる。
そのため,このセンサセル4においては,上記酸素モニタセル3に比べて酸素濃度が高くなり,これに対応した酸素イオン電流が検出される。
【0085】
そして,上記のごとく,第2被測定ガス室72における酸素濃度は,上記酸素モニタセル3における酸素イオン電流が一定の値になるよう制御されている。即ち,第2被測定ガス室72における酸素濃度は,上記酸素モニタセル3において,上記炭化水素と反応が行われた後の酸素濃度が一定になるよう制御されている。
そのため,センサセル4における酸素イオン電流は炭化水素濃度に依存し,このセンサセル4における酸素イオン電流を検出することにより炭化水素濃度を検出することができる。
【0086】
本例においては,上記のごとく,上記酸素モニタセル3とセンサセル4とは,ともに上記酸素イオン電流という同じ状態量に基づいて,上記炭化水素濃度を検出している。そのため,上記ガスセンサ素子1において,炭化水素濃度の測定環境下に変動が生じたときにおいても,上記酸素モニタセル3とセンサセル4とは,この変動に対して同等の影響を受ける。
【0087】
そのため,例えば,被測定ガス中に含まれる可燃性ガスの成分が変化したとき又は酸素濃度が変化したときでも,酸素モニタセル3とセンサセル4とにおいて検出するそれぞれの酸素イオン電流の間に検知対象ガス以外に起因するズレを生じることがほとんどない。
それ故,本例の炭化水素濃度の検出方法によれば,炭化水素濃度の測定環境下の変動によって,炭化水素濃度の検出誤差をほとんど生じることがないガスセンサ素子1を実現することができる。
【0088】
本例においては,上記ガスセンサ素子1の性能を確認するための性能試験として,センサ特性における可燃性ガス依存性の確認試験を行った。
この可燃性ガス依存性の確認試験においては,上記炭化水素として,可燃性ガスであるメタン(CH4),プロピレン(C36),エチレン(C24)を適用したとき,これらの炭化水素濃度(ppm)に対して,センサセル4に流れる酸素イオン電流をセンサセル電流(μA)として測定した。
【0089】
本例においては,上記被測定ガス中の酸素濃度は一定(0.001%)とし,この被測定ガスは上記炭化水素及び酸素以外の残部を窒素とした。
また,本例においては,上記確認試験を行うために炭化水素濃度を調整した試験用炭化水素ガスを準備した。この試験用炭化水素ガスは,窒素に対するそれぞれメタン(CH4),プロピレン(C36)又はエチレン(C24)の濃度を0〜500ppmの濃度に変化させた。
【0090】
そして,上記ガスセンサ素子1の被測定ガス室7に上記試験用炭化水素ガスを導入し,このときセンサセル4に流れる酸素イオン電流をセンサセル電流(μA)として測定した。
また,本例におけるガスセンサ素子1を発明品とし,比較のために従来のガスセンサ素子(酸素モニタセルは起電力により酸素濃度を検出する場合)を比較品として,上記炭化水素濃度とセンサセル電流との関係を求めた。
【0091】
上記測定を行った発明品の結果を図3(a)に,比較品の結果を図3(b)に示す。図3(a),(b)は,横軸にメタン,プロピレン又はエチレンの濃度(ppm)をとり,縦軸にセンサセル電流(μA)をとったものである。
【0092】
同図に示すごとく,比較品においては,炭化水素濃度が0(ppm)のときの上記センサセル電流(オフセット)が,検出する炭化水素の種類によって変化してしまうことがわかる。
これに対し,発明品においては,検出する炭化水素の種類が変化しても,上記オフセットがあまり変化していないことがわかる。
以上の結果より,上記発明品においては,ガスセンサ素子1によって検出を行う炭化水素が異なった場合でも,上記センサセル電流にあまりオフセットの変動を生じることなく,高精度で炭化水素濃度を検出できることがわかる。
【0093】
次に,本例においては,センサ特性における酸素濃度依存性の確認試験を行った。この酸素濃度依存性の確認試験においては,炭化水素としてはエチレン(C24)を用いた。
そして,上記被測定ガス中の酸素濃度を変化させ,この被測定ガス中のエチレン濃度(ppm)に対して,センサセル4に流れる酸素イオン電流をセンサセル電流(μA)として測定した。また,被測定ガス中の酸素濃度は,0.001%,10%,20%の3段階に変化させた。
【0094】
また,本例におけるガスセンサ素子1を発明品とし,比較のために従来のガスセンサ素子(酸素モニタセルは起電力により酸素濃度を検出する場合)を比較品として,上記エチレン濃度とセンサセル電流との関係を求めた。
上記測定を行った発明品の結果を図4(a)に,比較品の結果を図4(b)に示す。図4(a),(b)は,横軸にエチレン濃度(ppm)をとり,縦軸にセンサセル電流(μA)をとって,被測定ガス中の酸素濃度(%)をパラメータとして変化させたときのそれらの関係を示すグラフである。
【0095】
同図に示すごとく,比較品においては,酸素濃度が変化すると,エチレン濃度に対するセンサセル電流も変化してしまう(センサセル電流のオフセットが変動してしまう)ことがわかる。
これに対し,発明品においては,酸素濃度が変化してもエチレン濃度に対するセンサセル電流があまり変化していない(センサセル電流のオフセットがあまり変動していない)ことがわかる。
以上の結果より,上記発明品においては,被測定ガス中の酸素濃度の影響をあまり受けることなく,高精度でメタン以外の炭化水素であるエチレンの濃度を検出できることがわかる。
【0096】
(実施例2)
本例は,上記酸素モニタセル3における被測定ガス側電極31にメタンを含む炭化水素に対して酸化活性を有する電極を用い,上記センサセル4における被測定ガス側電極41は,メタンを含む炭化水素に対する酸化活性が上記酸素モニタセル3における被測定ガス側電極31に比べて低い電極を用いる例である。
本例においては,上記酸素モニタセル3における被測定ガス側電極31は,Ptを含有する多孔質サーメット電極とした。この被測定ガス側電極31は,上記成分で構成することにより,メタンを含む炭化水素に対する酸化活性が高い電極とすることができる。
その他は上記実施例1と同様である。
【0097】
そして,本例においては,上記ガスセンサ素子1の性能を確認するための性能試験として,センサ特性における可燃性ガス依存性の確認試験を行った。
この可燃性ガス依存性の確認試験においては,上記炭化水素は,可燃性ガスであるメタン(CH4),プロピレン(C36),エチレン(C24)としたとき,これらの炭化水素濃度(ppm)に対して,センサセル4に流れる酸素イオン電流をセンサセル電流(μA)として測定した。
【0098】
また,本例においては,上記被測定ガス中の酸素濃度は一定(0.001%)とし,この被測定ガスは上記炭化水素及び酸素以外の残部を窒素とした。
また,本例におけるガスセンサ素子1を発明品として,上記炭化水素濃度とセンサセル電流との関係を求めた。
上記測定を行った発明品の結果を図5に示す。同図は,横軸にメタン,プロピレン又はエチレンの濃度(ppm)をとり,縦軸にセンサセル電流(μA)をとったものである。
【0099】
同図に示すごとく,本例の発明品においては,上記実施例1と比較してメタンに対する感度が大きい。また,上記実施例1と同様に,検出する炭化水素の種類が変化しても,センサセル電流のオフセットがあまり変化していないことがわかる。
以上の結果より,本例の発明品においても,ガスセンサ素子1によって検出を行う炭化水素が異なった場合でも,上記センサセル電流のオフセットの変動をあまり生じることなく,高精度で炭化水素濃度を検出できることがわかる。
その他,本例のガスセンサ素子1によっても,上記実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
【0100】
(実施例3)
図6に示すごとく,本例は,上記酸素ポンプセル2における一方のポンプ電極22を,上記被測定ガス存在空間110に接するように配置するのではなく,基準ガスに接するように配置した例である。
本例においては,上記酸素ポンプセル2は,一方のポンプ電極21が第1被測定ガス室71に接するように配置し,他方のポンプ電極22が上記スペーサ9に形成した基準ガス室100に接するように配置している。
【0101】
また,本例においては,上記固体電解質体5が上記被測定ガス存在空間110に接する側に新たなスペーサ80を設け,このスペーサ80と固体電解質体5との間に基準ガスを導入する基準ガス室102を設けている。そして,上記酸素モニタセル3における基準ガス側電極32及び上記センサセル4における基準ガス側電極42は,上記基準ガス室102に接するように配置している。
また,本例においては,上記酸素ポンプセル2を上記固体電解質体6に配置し,上記酸素モニタセル3及びセンサセル4を固体電解質体5に配置している。
その他は上記実施例1と同様である。
【0102】
本例においては,上記酸素ポンプセル2は,上記被測定ガス室7と上記基準ガス室100との間で,酸素を入出させて,被測定ガス室7における酸素濃度を調整することができる。そのため,上記被測定ガス存在空間110より供給される被測定ガス中において,酸素や水等の酸素源がない場合でも,上記基準ガス室100に導入される基準ガスに存在する酸素を利用して,上記被測定ガス室7における酸素濃度の調整を行うことができる。
その他,本例のガスセンサ素子1によっても,上記実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
【0103】
なお,本例の酸素モニタセル3とセンサセル4とは,上記第2被測定ガス室72において,上記被測定ガスの流れに対して左右に,即ち並列に配置した。これに対し,両セルを第1被測定ガス室71に設置してもよい。
また,図7に示すごとく,酸素モニタセル3とセンサセル4とは,上記第2被測定ガス室72において,上記被測定ガスの流れに対して前後に,即ち直列に配置してもよい。
さらに,酸素モニタセル3とセンサセル4とは,上記第1被測定ガス室において,上記被測定ガスの流れに対して前後に,すなわち直列に配置してもよいし,酸素モニタセル3とセンサセル4とをそれぞれ第1被測定ガス室と第2被測定ガス室に設置してもよい。
【0104】
(実施例4)
図9に示すごとく,本例は,酸素ポンプセル2における一方のポンプ電極22,酸素モニタセル3における基準ガス側電極32,センサセル4における基準ガス側電極42(ただし,基準ガス側電極32,42は一体構成した共通電極である)は,基準ガス室100,102に接するように配置してある。
そして,酸素モニタセル3は,第1被測定ガス室71に設置し,センサセル4は第2被測定ガス室72に設置している。
【0105】
また,酸素ポンプセル2のポンプ電極21は,Pt98wt%とAu2wt%とよりなる材料を用い,酸素モニタセル3の被測定ガス側電極31は,Pt95wt%とAu5wt%とよりなる材料を用い,センサセル4の被測定ガス側電極41は,Pt90wt%とTiO210wt%とよりなる材料を用いた。
なお,それぞれの電極には,ガス透過性を確保するため,ZrO210wt%を添加した。
【0106】
図9にかかるガスセンサ素子1におけるセンサセル電流と,被測定ガス中の各炭化水素(CH4,C26,C36,C24,C410)濃度との関係について,測定し,図10に記載した。
図10より,上述したような組成にかかる電極を用いることで,メタン(CH4)以外の炭化水素に対する選択性が高い炭化水素センサが得られたことが分かった。
【0107】
(実施例5)
図11に示すごとく,本例は酸素ポンプセル2とセンサセル4とを備えたガスセンサ素子1で,酸素ポンプセル2の一方のポンプ電極22を基準ガス室100と対面させ,実施例1〜3にかかる素子で用いた酸素モニタセル3と同様の役割を上記酸素ポンプセル2に兼用させた構成である。なお,本例では,スペーサ8にスペーサ800を積層し,このスペーサ800にピンホール11を設けた。
【0108】
本例において,同一の固体電解質体6に酸素ポンプセル2とセンサセル4とを設置している。
本例にかかるガスセンサ素子1によれば,簡単な構造で,実施例1〜3と同様の作用効果を得ることができる。
ただし,実施例1〜3と異なる点は,大気基準のような酸素の存在する空間に酸素ポンプセル2の一方のポンプ電極22が曝される必要がある。
【0109】
(実施例6)
図12に示すごとく,本例は実施例5と同様に酸素ポンプセル2とセンサセル4とを備えたガスセンサ素子1であるが,酸素ポンプセル2とセンサセル4とを異なる固体電解質体6,5に設置した例である。
その他は実施例5と同様で,同様の作用効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における,ガスセンサ素子の構成を示す断面説明図。
【図2】実施例1における,ガスセンサ素子を分解した状態を示す斜視図。
【図3】実施例1における,各炭化水素の濃度とセンサセル電流との関係を示すグラフで,(a)発明品のグラフ,(b)比較品のグラフ。
【図4】実施例1における,酸素濃度を変化させたときのエチレン濃度とセンサセル電流との関係を示すグラフで,(a)発明品のグラフ,(b)比較品のグラフ。
【図5】実施例2における,各炭化水素の濃度とセンサセル電流との関係を示す発明品のグラフ。
【図6】実施例3における,ガスセンサ素子の構成を示す断面説明図。
【図7】実施例3における,他のガスセンサ素子の構成を示す断面説明図。
【図8】従来例における,ガスセンサ素子の構成を示す断面説明図。
【図9】実施例4における,ガスセンサ素子の構成を示す断面説明図。
【図10】実施例4にかかる,各炭化水素の濃度とセンサセル電流との関係を示すグラフ。
【図11】実施例5にかかる,ガスセンサ素子の構成を示す断面説明図。
【図12】実施例6にかかる,ガスセンサ素子の構成を示す断面説明図。
【符号の説明】
1...ガスセンサ素子,
10...セラミックヒータ,
100...基準ガス室,
2...酸素ポンプセル,
21,22...ポンプ電極,
3...酸素モニタセル,
31...被測定ガス側電極,
32...基準ガス側電極,
4...センサセル,
41...被測定ガス側電極,
42...基準ガス側電極,
5,6...固体電解質体,
7...被測定ガス室,
8,9...スペーサ,

Claims (21)

  1. 所定の拡散抵抗の下に被測定ガスが導入される被測定ガス室と,
    該被測定ガス室に曝されるように酸素イオン導電性を有する固体電解質体の表面に配置したポンプ電極と,上記被測定ガス室に曝されないように上記固体電解質体の表面に配置したポンプ電極とを備え,上記一対のポンプ電極の間に電圧を印加することにより,上記被測定ガス室における酸素濃度を調整する酸素ポンプセルと,
    上記被測定ガス室に曝されるように酸素イオン導電性を有する固体電解質体の表面に配置した被測定ガス側電極と,基準ガスに曝されるように上記固体電解質体の表面に配置した基準ガス側電極とを備え,かつ当該被測定ガス側電極が上記被測定ガス中に含まれる炭化水素に対する酸化活性を有する酸素モニタセルと,
    上記被測定ガス室に曝されるように酸素イオン導電性を有する固体電解質体の表面に配置した被測定ガス側電極と,基準ガスに曝されるように上記固体電解質体の表面に配置した基準ガス側電極とを備え,かつ当該被測定ガス側電極が,上記炭化水素に対する酸化活性が上記酸素モニタセルにおける被測定ガス側電極よりも低い性質を有するセンサセルとを有し,
    上記酸素モニタセルに電圧を印加したときに流れる酸素イオン電流と,上記センサセルに電圧を印加したときに流れる酸素イオン電流との関係に基づいて,上記炭化水素のガス濃度を検出するよう構成されていることを特徴とするガスセンサ素子。
  2. 請求項1において,上記ガスセンサ素子は,上記センサセルに流れる酸素イオン電流と上記酸素モニタセルに流れる酸素イオン電流との差に基づいて,被測定ガス中に含まれる炭化水素のガス濃度を検出するよう構成されていることを特徴とするガスセンサ素子。
  3. 請求項1又は2において,上記酸素ポンプセルは,上記酸素モニタセルに流れる酸素イオン電流が所望の値となるように当該酸素ポンプセルに印加する電圧を制御し,上記被測定ガス室における酸素濃度を調整するよう構成されていることを特徴とするガスセンサ素子。
  4. 請求項において,上記酸素モニタセルにおける上記被測定ガス側電極は,上記センサセルにおける上記被測定ガス側電極に比べて,炭化水素に対する酸化活性が高いことを特徴とするガスセンサ素子。
  5. 請求項において,上記酸素モニタセルにおける上記被測定ガス側電極は,上記センサセルにおける上記被測定ガス側電極に比べて,メタン以外の炭化水素に対する酸化活性が高いことを特徴とするガスセンサ素子。
  6. 請求項において,上記酸素モニタセルにおける上記被測定ガス側電極は,炭化水素を酸化することを特徴とするガスセンサ素子。
  7. 請求項において,上記酸素モニタセルにおける上記被測定ガス側電極上で炭化水素と酸化反応後の残留酸素量が一定となるように上記酸素ポンプセルが制御され,
    かつ上記酸素モニタセルにおける上記被測定ガス側電極は,上記センサセルにおける上記被測定ガス側電極に比べて,炭化水素に対する酸化活性が高く,
    上記センサセル及び上記酸素モニタセルをそれぞれ流れる酸素イオン電流の差より被測定ガス中の炭化水素濃度を測定するよう構成することを特徴とするガスセンサ素子。
  8. 請求項において,上記センサセルにおける被測定ガス側電極は,上記酸素モニタセルにおける被測定ガス側電極に比べて,メタンを含む炭化水素に対する酸化活性が低い性質を有していることを特徴とするガスセンサ素子。
  9. 請求項において,上記センサセルにおける被測定ガス側電極は,上記酸素モニタセルにおける被測定ガス側電極に比べて,メタン以外の炭化水素に対する酸化活性が低い性質を有していることを特徴とするガスセンサ素子。
  10. 請求項4,5,8,9のいずれか一項において,上記酸素モニタセル及び上記センサセルにおける被測定ガス側電極の炭化水素に対する活性の高低は,上記被測定ガス側電極の酸素吸着に対する強弱を制御することにより実現することを特徴とするガスセンサ素子。
  11. 請求項のいずれか一項において,上記センサセルにおける被測定ガス側電極及び上記酸素モニタセルにおける被測定ガス側電極は,Pt,Pd,Rh,Auのうち少なくとも1種又は2種以上を金属主成分とし,かつ,Ti,Ta,Nb,Al,W,Mo,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Zrのうち少なくとも1種又は2種以上の成分を含むことを特徴とするガスセンサ素子。
  12. 請求項11において,上記酸素モニタセルにおける被測定ガス電極はPt99〜80wt%とAuを1〜20wt%とからなる電極材料を含み,上記センサセルにおける被測定ガス側電極はPt及び/またはPdの99〜80wt%とTiO2を1〜20wt%とからなる電極材料を含み,メタン以外の炭化水素を検出可能となるよう構成したことを特徴とするガスセンサ素子。
  13. 被測定ガスが導入される被測定ガス室と,一方のポンプ電極を上記被測定ガス室に曝されるように配置した酸素ポンプセルと,炭化水素に対する酸化活性を有する被測定ガス側電極を上記被測定ガス室に曝されるように配置した酸素モニタセルと,炭化水素に対する酸化活性が上記酸素モニタセルにおける被測定ガス側電極よりも低い性質を有する被測定ガス側電極を上記被測定ガス室に曝されるように配置したセンサセルとを用いて,
    上記被測定ガス中に含まれる炭化水素のガス濃度を検出するに当たっては,
    所定の拡散抵抗の下において上記被測定ガスを上記被測定ガス室に導入し,
    上記酸素モニタセル及び上記センサセルに電圧を印加すると共に上記酸素モニタセルに流れる酸素イオン電流に基づいて上記被測定ガス室における酸素濃度を検出し,
    該酸素濃度に基づいて上記酸素ポンプセルへ印加する電圧を制御することにより,上記被測定ガス室における酸素濃度を調整した後,
    上記酸素モニタセルに流れる酸素イオン電流と,上記センサセルに流れる酸素イオン電流との関係に基づいて,被測定ガス中に含まれる炭化水素のガス濃度を検出することを特徴とするガス濃度の検出方法。
  14. 請求項13において,上記被測定ガス中に含まれる炭化水素のガス濃度の検出は,上記センサセルに流れる酸素イオン電流と上記酸素モニタセルに流れる酸素イオン電流との差に基づいて行うことを特徴とするガス濃度の検出方法。
  15. 請求項13又は14において,上記被測定ガス中に含まれる炭化水素のガス濃度の検出に当たり,上記酸素モニタセルに流れる酸素イオン電流が所望の値となるように上記酸素ポンプセルに印加する電圧を制御し,上記被測定ガス室における酸素濃度を調整することを特徴とするガス濃度の検出方法。
  16. 所定の拡散抵抗の下に被測定ガスが導入される被測定ガス室と,
    該被測定ガス室に曝されるように酸素イオン導電性を有する固体電解質体の表面に配置したポンプ電極と,上記被測定ガス室に曝されないように上記固体電解質体の表面に配置したポンプ電極とを備え,かつ上記被測定ガス室に曝されるポンプ電極が上記被測定ガス中に含まれる炭化水素に対する酸化活性を有し,
    上記一対のポンプ電極の間に電圧を印加することにより,上記被測定ガス室における酸素濃度を調整する酸素ポンプセルと,
    上記被測定ガス室に曝されるように酸素イオン導電性を有する固体電解質体の表面に配置した被測定ガス側電極と,基準ガスに曝されるように上記固体電解質体の表面に配置した基準ガス側電極とを備え,かつ当該被測定ガス側電極が,上記炭化水素に対する酸化活性が上記酸素ポンプセルにおける被測定ガス室と対面するポンプ電極よりも低い性質を有するセンサセルとを有し,
    上記酸素ポンプセルに電圧を印加したときに流れる酸素イオン電流と,上記センサセルに電圧を印加したときに流れる酸素イオン電流との関係に基づいて,上記炭化水素のガス濃度を検出するよう構成されていることを特徴とするガスセンサ素子。
  17. 請求項16において,上記ガスセンサ素子は,上記酸素ポンプセルへの印加電圧と上記酸素ポンプセルに流れる酸素イオン電流との関係から,被測定ガス室内の酸素濃度を一定値に制御し,上記センサセルに流れる酸素イオン電流に基づいて,被測定ガス中に含まれる炭化水素のガス濃度を検出するよう構成されていることを特徴とするガスセンサ素子。
  18. 請求項16において,上記酸素ポンプセルにおける上記被測定ガス室と対面したポンプ電極は,上記センサセルにおける上記被測定ガス側電極に比べて,炭化水素に対する酸化活性が高いことを特徴とするガスセンサ素子。
  19. 請求項16において,上記酸素ポンプセルにおける上記被測定ガス室と対面したポンプ電極は,上記センサセルにおける上記被測定ガス側電極に比べて,メタン以外の炭化水素に対する酸化活性が高いことを特徴とするガスセンサ素子。
  20. 被測定ガスが導入される被測定ガス室と,一方のポンプ電極を上記被測定ガス室に曝されるように配置した酸素ポンプセルと,炭化水素に対する酸化活性が上記酸素ポンプセルにおける被測定ガス室に曝されるポンプ電極よりも低い性質を有する被測定ガス側電極を上記被測定ガス室に曝されるように配置したセンサセルとを用いて,
    上記被測定ガス中に含まれる炭化水素のガス濃度を検出するに当たっては,
    所定の拡散抵抗の下において上記被測定ガスを上記被測定ガス室に導入し,
    上記酸素ポンプセル及び上記センサセルに電圧を印加すると共に
    上記酸素ポンプセルに流れる酸素イオン電流と,上記センサセルに流れる酸素イオン電流との関係に基づいて,被測定ガス中に含まれる炭化水素のガス濃度を検出することを特徴とするガス濃度の検出方法。
  21. 請求項20において,上記被測定ガス中に含まれる炭化水素のガス濃度の検出は,上記酸素ポンプセルへの印加電圧と上記酸素ポンプセルに流れる酸素イオン電流との関係から,被測定ガス室内の酸素濃度を一定値に制御し,上記センサセルに流れる酸素イオン電流に基づいて行うことを特徴とするガス濃度の検出方法。
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