JP3993122B2 - ガスセンサ素子及び含水素ガスの測定方法 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は,被測定ガス中における炭化水素,水素,水蒸気等の水素原子の化合物よりなる含水素ガスの濃度を測定するガスセンサや測定方法に関する。
【0002】
【従来技術】
自動車エンジンから排出される排気ガスを原因とする大気汚染は現代社会に深刻な問題を引き起こしており,排気ガス中の大気汚染物質に対する浄化基準法規が年々厳しくなっている。
排気ガス中の炭化水素ガス濃度を検出し,検出結果をエンジン燃焼制御モニタ,触媒モニタ等にフィードバックすることで,より効率よい排気ガスの浄化を行うことができると考えられる。
そこで従来より排気ガス中の炭化水素ガス濃度を精密に検出可能な炭化水素センサ素子がいくつか提案されていた。
【0003】
従来,図12に示すごとき構成の炭化水素センサ素子9が知られている。
上記炭化水素センサ素子9は,被測定ガスとなる排気ガスを導入する被測定ガス室951と,該被測定ガス室951と対面する酸素ポンプセル92を有する。この酸素ポンプセル92に電圧を印加することで被測定ガス室951と炭化水素センサ素子9の外部雰囲気との間で酸素をポンピング(出し入れ)する。
【0004】
また,上記炭化水素センサ素子9は被測定ガス室951内の酸素濃度をモニタする酸素モニタセル93を有し,この酸素モニタセル93に発生する起電力から被測定ガス室951の酸素濃度を検出する。酸素モニタセル93で検出する酸素濃度が略一定となるように,酸素ポンプセル92をフィードバック制御する制御回路929を設ける。
ここで酸素モニタセル93の被測定ガス室951と対面する電極931を炭化水素に対する酸化活性の高い材料で構成することで,上記酸素モニタセル93は電極931上で炭化水素と酸素とが反応した後に残った酸素を検出することができる。
【0005】
また,上記炭化水素センサ素子9は,被測定ガス室951と対面するセンサセル94を有し,このセンサセル94の被測定ガス室951に面する電極941を炭化水素に対する酸化活性の低い材料で構成する。この電極941上では炭化水素と酸素とが殆ど反応しないため,酸素モニタセル93の電極931の周囲と比較して酸素過剰となる。
【0006】
この過剰の酸素をセンサセル94に電圧を印加することで,被測定ガス室951から基準ガス室952へと排出することで,センサセル94の出力として,被測定ガス中の炭化水素ガス濃度に比例する酸素イオン電流を得て,排気ガス中の炭化水素ガス濃度を測定することができる。
なお,符合911,912は酸素イオン導電性の固体電解質体である。
【0007】
【解決しようとする課題】
しかしながら,上記従来構成の炭化水素センサ素子9は,電極間の酸化活性差を利用し,電極上での酸素濃度の違いから生じる酸素イオン電流を用いて間接的に炭化水素ガス濃度を検出する。
そのため,被測定ガス中の酸素濃度の変動や,電極活性の経時変化によってセンサ出力が変化するおそれがある。
なお,この問題は炭化水素ガスを測定するセンサ以外であっても,上述のメカニズムを利用して,含水素化合物からなるガス(水素ガスや水蒸気),すなわち含水素ガスの濃度を被測定ガスから検出するようなガスセンサに共通する問題である。
【0008】
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,精度良く含水素ガス濃度を検出可能なガスセンサ素子及び含水素ガスの検出方法を提供しようとするものである。
【0009】
【課題の解決手段】
第1の参考発明は,被測定ガスを所定の拡散抵抗の下で導入する被測定ガス室と,該被測定ガス室と対面する酸素ポンプセル及び含水素ガス検出セルとを有し,
上記酸素ポンプセルは,酸素イオン導電性固体電解質体と該固体電解質体の表面に設けた被測定ガス室と対面するポンプ電極及び他の電極とよりなり,かつ上記被測定ガス室内の酸素濃度を調整可能に構成し,
上記含水素ガス検出セルは,プロトン導電性固体電解質体と該固体電解質体の表面に設けた被測定ガス室と対面する含水素ガス検出セル電極及び他の電極とよりなり,かつ上記被測定ガス室の含水素ガス濃度を測定可能に構成することを特徴とするガスセンサ素子にある。
【0010】
第1の参考発明にかかるガスセンサ素子において,含水素ガス検出セルはプロトン導電性の固体電解質体を用いて構成した。
これにより,電極上で被測定ガス中の水素を含有する化合物からなるガス(本明細書では含水素ガスと記載する)よりプロトンを遊離させ,該プロトンの量に応じた電流をプロトン導電性の固体電解質体中に流すことができる。
従って,含水素ガス検出セルを流れる電流の値から直接被測定ガス中の含水素ガス量を測定することができ,従来の間接的な測定方法と比較して高い検出精度で含水素ガス濃度を得ることができる。
【0011】
また,プロトン導電性固体電解質体は,酸素存在下では純粋なプロトン伝導を示さずホール伝導や酸素イオン伝導が混在する。第1の発明にかかるガスセンサ素子は被測定ガス室に酸素ポンプセルを設けて酸素を所定の低濃度に制御可能に構成してあるため,検出誤差の原因である上記ホール伝導,酸素イオン伝導を抑制して,略純粋なプロトン伝導による電流が含水素ガス検出セルに流れるように構成し,正確な含水素ガス濃度を得ることができる。
【0012】
第1の発明は,被測定ガスを所定の拡散抵抗の下で導入する被測定ガス室と,該被測定ガス室と対面する酸素ポンプセル及び第1,第2の含水素ガス検出セルとを有し,
上記酸素ポンプセルは,酸素イオン導電性固体電解質体と,該固体電解質体の表面に設けた被測定ガス室と対面するポンプ電極と,上記酸素イオン伝導性固体電解質体における上記ポンプ電極を設けた側とは反対側の表面に設けた他の電極とよりなり,かつ上記被測定ガス室内の酸素濃度を調整可能に構成し,
上記第1及び第2の含水素ガス検出セルは,プロトン導電性固体電解質体と,該固体電解質体の表面に設けた被測定ガス室と対面する含水素ガス検出セル電極と,上記プロトン伝導性固体電解質体における上記含水素ガス検出セル電極を設けた側とは反対側の表面に設けた他の電極とよりなり,かつ上記被測定ガス室の含水素ガス濃度を測定可能に構成し,
かつ上記第1の含水素ガス検出セルと第2の含水素ガス検出セルにそれぞれ流れる検出セル電流値の差より被測定ガス室の2種類の含水素ガス濃度をそれぞれ測定可能に構成することを特徴とするガスセンサ素子にある(請求項1)。
【0013】
第1の発明は,第1,第2の含水素ガス検出セルを設けることで,それぞれのセルで別種の含水素ガスからプロトンを遊離させることができる。いずれの含水素ガスからプロトンが遊離するかについては,例えばセルに印加する電圧を変化させる等,セルに対して各種の条件や仕様変更を行うことで制御することができる。従って,第1の発明を利用することで,2種類の含水素ガスを含む被測定ガスで,それぞれの含水素ガス濃度を精度よく検出することができる。
【0014】
以上,第1の発明によれば,精度良く含水素ガス濃度を検出可能なガスセンサ素子を得ることができる。
【0015】
また,第2の参考発明は,被測定ガスを所定の拡散抵抗の下で被測定ガス室に導入し,酸素イオン導電性固体電解質体と該固体電解質体の表面に設けた被測定ガス室と対面するポンプ電極及び他の電極とよりなり,かつ上記被測定ガス室内の酸素濃度を調整可能に構成した酸素ポンプセルに流れる電流値を制御することによって,上記被測定ガス室に対して酸素のポンピングを行うことで,上記被測定ガス室における酸素濃度を調整すると共に,
プロトン導電性固体電解質体と該固体電解質体の表面に設けた被測定ガス室と対面する含水素ガス検出セル電極及び他の電極とよりなる含水素ガス検出セルを用い,上記含水素ガス検出セルに流れる電流値を用いて上記被測定ガス室の含水素ガス濃度を測定することを特徴とするガス濃度の測定方法にある。
【0016】
また,第2の発明は,被測定ガスを所定の拡散抵抗の下で被測定ガス室に導入し,酸素イオン導電性固体電解質体と,該固体電解質体の表面に設けた被測定ガス室と対面するポンプ電極と,上記酸素イオン伝導性固体電解質体における上記ポンプ電極を設けた側とは反対側の表面に設けた他の電極とよりなり,かつ上記被測定ガス室内の酸素濃度を調整可能に構成した酸素ポンプセルに流れる電流値を制御することによって,上記被測定ガス室に対して酸素のポンピングを行うことで,上記被測定ガス室における酸素濃度を調整すると共に,
プロトン導電性固体電解質体と,該固体電解質体の表面に設けた被測定ガス室と対面する含水素ガス検出セル電極と,上記プロトン伝導性固体電解質体における上記含水素ガス検出セル電極を設けた側とは反対側の表面に設けた他の電極とよりなる第1及び第2含水素ガス検出セルを用い,上記第1及び第2の含水素ガス検出セルに流れる電流値を用いて上記被測定ガス室の2種類の含水素ガス濃度をそれぞれ測定することを特徴とするガス濃度の測定方法にある(請求項14)。
【0017】
第2の発明については,含水素ガス検出セルはプロトン導電性の固体電解質体からなるため,含水素ガスから遊離したプロトンの量に応じた電流がプロトン導電性の固体電解質体中に流れる。従って,含水素ガス検出セルを流れる電流の値から直接被測定ガス中の含水素ガス量を測定することができ,従来の間接的な測定方法と比較して高い検出精度で含水素ガス濃度を得ることができる。
【0018】
また,プロトン導電性固体電解質体は,酸素存在下では純粋なプロトン伝導を示さずホール伝導や酸素イオン伝導が混在するが,被測定ガス室に酸素ポンプセルを設けて酸素ポンピングを行うため,検出誤差の原因である上記ホール伝導,酸素イオン伝導を抑制して,略純粋なプロトン伝導による電流が含水素ガス検出セルに流れるようにすることができる。
よって,正確な含水素ガス濃度を得ることができる。
【0019】
また,第2の発明においては,第1,第2の含水素ガス検出セルを使用することで,それぞれのセルで別種の含水素ガスからプロトンを遊離させることができる。いずれの含水素ガスからプロトンが遊離するかについては,例えばセルに印加する電圧を変化させる等,セルに対して各種の条件や仕様変更を行うことで制御することができる。従って,2種類の含水素ガスを含む被測定ガスで,それぞれの含水素ガス濃度を精度よく検出することができる。
【0020】
以上,第2の発明によれば,精度良く含水素ガス濃度を検出可能な方法を得ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
上記第1、第2の発明にかかる含水素ガスとしては,水素ガス,炭化水素ガス,水蒸気等がある。本発明は被測定ガス中のこれらのガス濃度を測定することができる。
第1の発明にかかるガスセンサ素子は,酸素イオン導電性の固体電解質体,プロトン導電性の固体電解質体,被測定ガス室や基準ガス室用のスペーサーなどを積層して構成した積層型の素子である。また,各セルを活性化温度に保持するために一体的にセラミックヒータを設けることがある。また,第2の発明にかかる測定方法を実現するガスセンサ素子も上記と同様の構成を備えることができる。
【0022】
また,第1の発明にかかる上記酸素ポンプセルは一対の電極と酸素イオン導電性の固体電解質体からなる。一対の電極の一方は被測定ガス室と対面するが,もう一方は被測定ガス室から酸素を排出,導入する場所(例えばガスセンサ素子の外部雰囲気,実施例1のような基準ガス室)と対面する。
【0023】
また,含水素ガス検出セルは一対の電極とプロトン導電性の固体電解質体からなる。一対の電極の一方は被測定ガス室と対面するが,もう一方は基準ガス室と対面する。
【0024】
また,第1、第2の発明において,被測定ガス室に対する被測定ガスの取り入れは,ガスセンサ素子の外部雰囲気と導通した微小径のピンホール等を用いて行うことができる。または,多孔質の拡散抵抗層等を通じて被測定ガスを導入することができる。
これらの方法により所定の拡散抵抗の下に被測定ガスを被測定ガス室に導入することができる。
【0025】
また,第1の参考発明において上記酸素ポンプセルは上記被測定ガス室におけるガス流れ上流側に,上記含水素ガス検出セルは下流側に設けることが好ましい。
含水素ガス検出セルに達する被測定ガスは酸素ポンプセルによって所定の低酸素濃度に制御された状態にあるため,上記構成とすることで,より精度良い含水素ガス濃度の測定ができる。
【0026】
また,第1の参考発明において上記含水素ガス検出セルを複数個備えることが好ましい。
被測定ガス中に含水素ガスが複数種類存在する場合,それぞれの含水素ガスにおけるプロトンの遊離を異なる含水素ガス検出セルにおいて行うことができる。いずれの含水素ガスからプロトンが遊離するかについては,例えばセルに印加する電圧を変化させる等,セルに対して各種の条件や仕様変更を行うことで制御することができる。従って,複数種類の含水素ガスを含む被測定ガスで,それぞれの含水素ガス濃度を精度よく検出することができる。
【0027】
第1の発明において,上記第1の含水素ガス検出セルと第2の含水素ガス検出セルは,上記被測定ガス室内のガス流れ方向に対して同等位置に略対称に配置してなることが好ましい(請求項2)(後述する図8〜図11参照)。
【0028】
第1の発明にかかる構成では,第1の含水素ガス検出セルと第2の含水素ガス検出セルの電流値の差から,2種類の含水素ガス濃度を測定可能に構成している。
ここで,第1,第2の含水素ガス検出セルを上記被測定ガス室内のガス流れ方向に対して同等位置に略対称に配置することで,上記被測定ガス室内の含水素ガス濃度分布の影響を受けがたく,より正確な測定が可能なガスセンサ素子とすることができる。
【0029】
また,上記プロトン導電性固体電解質体はSrZrO3,CaZrO3,SrCeO3,BaCeO3のいずれか一種以上を母構造としたペロブスカイト型酸化物よりなることが好ましい(請求項3)。
これらのプロトン導電性固体電解質体は,600〜900℃という高温で安定に各セルを作動させることができ,特に自動車排ガス中での使用に適する。また,同様の高温で作動するジルコニア等の酸素イオン導電性固体電解質体と組み合わせることも比較的容易である。
【0030】
また,上記プロトン導電性固体電解質体は,SrZrO3,CaZrO3,SrCeO3,BaCeO3のいずれか一種以上を母構造とし,該母構造においてZrまたはCeの一部をY,Yb,Sc,In,Gd,Dy,Smで置換したペロブスカイト型酸化物よりなることが好ましい(請求項4)。
この酸化物は,600〜900℃という高温で安定に各セルを作動させることができ,特に自動車排ガス中での使用に適する。
【0031】
また,上記被測定ガス室中の酸素濃度を検出するよう構成した酸素モニタセルを有することが好ましい(請求項5)。
これにより,被測定ガス室中の酸素濃度を検出し,その値に基づいて酸素ポンプセルの制御を行って,より精密かつ確実に,被測定ガス室中の酸素濃度を低濃度かつ所定の略一定の値に維持することができる。
すなわち,プロトン導電性固体電解質体は,酸素存在下では純粋なプロトン伝導を示さずホール伝導や酸素イオン伝導が混在する。
本例によれば,検出誤差の原因である上記ホール伝導,酸素イオン伝導を抑制して,略純粋なプロトン伝導による電流が含水素ガス検出セルに流れるようにして,一層正確な含水素ガス濃度を得ることができる。
【0032】
そして,上記酸素モニタセルの構成として,上記酸素モニタセルに流れるモニタ電流が一定となるように上記酸素ポンプセルを制御するよう構成すること(請求項6),上記酸素モニタセルに生じるモニタ電圧が一定となるように上記酸素ポンプセルを制御するよう構成すること(請求項7)のいずれかを採用することができる。
【0033】
また,第1の発明において,上記第1の含水素ガス検出セルと上記第2の含水素ガス検出セルとに対する印加電圧がそれぞれ異なるよう構成することが好ましい(請求項8)。
炭化水素ガスの種類,作動温度,対極の雰囲気(酸素濃度)に依存するが,おおよそ炭化水素ガス,水素ガス,水蒸気の分解電圧は,水素ガス<炭化水素ガス<水蒸気の順である。
【0034】
したがって,第1と第2の含水素ガス検出セルに対する印加電圧を変更することで,各セルにおいて印加電圧に対応した含水素ガスからプロトンを遊離することができる。よって,異なる種類の含水素ガスの濃度に対応した電流値を第1及び第2の含水素検出セルでそれぞれ得ることができる。
【0035】
また,上記酸素ポンプセル,上記酸素モニタセル,上記含水素ガス検出セルにおける上記被測定ガス室と対面する電極は,測定すべき含水素ガスの燃焼反応を抑制することにより含水素ガスを酸化させない材料よりなることが好ましい(請求項9)。
これにより,酸素ポンプセル,酸素モニタセル,含水素ガス検出セルの電極上で含水素ガスが酸素と化合し,燃焼して消費されることが防止できる。
含水素ガスが燃焼した場合,正確な含水素ガス濃度の検出が出来なくなるおそれがある。
【0036】
また,上記酸素ポンプセル,上記酸素モニタセル,上記含水素ガス検出セルにおける上記被測定ガス室と対面する電極は,Pt,Pd,Rhのうち少なくとも1種を金属主成分とし,Au,Cu,Pb,Tiのうち少なくとも1種を含有することが好ましい(請求項10)。
【0037】
Au,Cu,Pb,Tiのうち少なくとも1種を含有する電極は,Au,Cu,Pb,Tiを含有しない電極と比較して酸化活性の低い電極となる。
よって,上述した組成の電極を用いることで,酸素ポンプセル,酸素モニタセル,含水素ガス検出セルの被測定ガス室と対面する電極上で,含水素ガスが燃焼して消費されることが防止できる。
さらに,含水素ガス検出セルの被測定ガス室と対面する電極では,反応性の低いメタンからのプロトン遊離反応が抑制されるため,メタン以外の炭化水素に選択的に感度を有する炭化水素センサを構成することが可能となる。
【0038】
また,Au,Cu,Pb,Tiの含有量は,Pt,Pd,Rh,Au,Cu,Pb,Tiの総量に対して,1〜30wt%であることが好ましい(請求項11)。
【0039】
Au,Cu,Pb,Tiの含有量が1wt%未満であると,上記電極の酸化活性が十分抑制されず,含水素ガス検出セルで検出される前に,上記電極の触媒作用により含水素ガスが燃焼して消費され,正確な含水素ガス濃度が検出できなくなるおそれがある。
また,Au,Cu,Pb,Tiの含有量が30wt%超であると,上記酸素ポンプセル,酸素モニタセル,含水素ガス検出セルの抵抗が大きくなり,必要な酸素ポンピング,プロトンポンピング能力が得難く,素子が正常に機能しなくなるおそれがある。
【0040】
また,上記被測定ガス室と対面するNOx検出セルを有し,該NOx検出セルは酸素イオン導電性固体電解質体と該固体電解質体の表面に設けたNOxに対する活性電極と,これと一対となる電極とよりなり,上記NOx検出セルに流れる電流により,上記被測定ガス室のNOx濃度を測定するよう構成したことが好ましい(請求項12)。
これにより,含水素ガス濃度と共にNOx濃度の測定が可能なガスセンサ素子を得ることができる。
【0041】
特に車両用内燃機関の排気系に設置する排気ガスセンサに内蔵するガスセンサ素子として,1本で内燃機関燃焼室の空燃比,排気ガス中の大気汚染物質となるNOxや炭化水素濃度を測定可能な複合型の素子が求められることがある。この場合,狭く限定された空間である排気系に多数のセンサを組み付ける必要がなくなり,1本のセンサで済むためである。本請求項にかかる素子はこのような目的に最適である。
【0042】
なお,NOx検出セルにかかるNOxに対する活性電極とはNOxを窒素イオンと酸素イオンとに分解することができる電極であり,例えば固体電解質粉を含有したPt−Rhサーメット電極などを使用することができる。
さらに,NOx検出セル以外のセルにかかる電極で,被測定ガス室と対面する電極はNOxに対して不活性な例えば固体電解質粉を含有したPt−Auサーメット電極などを使用することが望ましい。
【0043】
また,上記被測定ガス室と対面するNOx検出セルを有し,該NOx検出セルは酸素イオン導電性固体電解質体と該固体電解質体の表面に設けたNOxに対する活性電極と,これと一対となる電極とよりなり,
上記被測定ガス室中の酸素濃度を検出するよう構成した酸素モニタセルを有し,
上記酸素モニタセルを流れるモニタ電流値と上記NOx検出セルを流れる電流値との差より上記被測定ガス室のNOx濃度を測定するよう構成することが好ましい。
【0044】
酸素モニタセルには被測定ガス室の酸素濃度に応じた電流が流れ,NOx検出セルに流れる電流値は,NOxが分解して生成した酸素イオンと被測定ガス室内の酸素に由来する酸素イオンとを合わせたイオン電流に由来する。
従って,酸素モニタセルとNOx検出セルにそれぞれ流れる電流の差よりNOx濃度を測定することで,被測定ガス室の酸素濃度にかかる影響をキャンセルし,より正確なNOx濃度を測定することができる。
【0045】
【実施例】
以下に,図面を用いて本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
本例のガスセンサ素子1は,図1,図2に示すごとく,被測定ガスを所定の拡散抵抗の下で導入する第1,第2被測定ガス室141,142と,第1,第2被測定ガス室141,142とそれぞれ対面する酸素ポンプセル2及び第1,第2含水素ガス検出セル3,4とを有し,上記酸素ポンプセル2は,酸素イオン導電性固体電解質体15と該固体電解質体15の表面に設けた第1被測定ガス室141と対面するポンプ電極21及び他の電極22とよりなり,かつ第1,第2被測定ガス室141,142内の酸素濃度を調整可能に構成し,第1,第2含水素ガス検出セル3,4は,プロトン導電性固体電解質体13と該固体電解質体13の表面に設けた第2被測定ガス室142と対面する含水素ガス検出セル電極32,42及び他の電極31,41とよりなり,かつ第2被測定ガス室142の含水素ガス濃度を測定可能に構成する。
【0046】
以下,本例のガスセンサ素子1について詳細に説明する。
本例にかかるガスセンサ素子1は,自動車エンジンの排気系に設置して,排ガス中の炭化水素ガス(第1と第2の含水素ガス検出セル3,4を用いる)と水素ガス(第1の含水素ガス検出セル3を用いる)との濃度を測定する。
【0047】
すなわち,本例のガスセンサ素子1は,図1,図2に示すごとく,絶縁板11,12,14,16とプロトン導電性の固体電解質体13と酸素イオン導電性の固体電解質体15とよりなる積層型の素子である。また,絶縁板16に積層したセラミックヒータ19を有する。
なお,図1(a)がガスセンサ素子1の長手方向の断面説明図,図1(a)の断面説明図において第1含水素ガス検出セル3を横断する位置で切断した横断方向の断面説明図が図1(b)である。
【0048】
本例のガスセンサ素子1は,酸素ポンプセル2と第1,第2の含水素ガス検出セル3,4と酸素モニタセル5を有する。また,第1被測定ガス室141,第2被測定ガス室142とを有し,両者の間は幅細の拡散抵抗路143にて連結されている。
酸素ポンプセル2は第1被測定ガス室141に対面する。酸素モニタセル5と第1,第2含水素ガス検出セル3,4は第2被測定ガス室142に対面する。また,酸素ポンプセル2,酸素モニタセル5は第1基準ガス室161と対面し,第1,第2含水素ガス検出セル3,4は第2基準ガス室121に対面する。
【0049】
また,第1被測定ガス室141は第2被測定ガス室142に対してガス流れの上流側である。従って,酸素ポンプセル2はガス流れ上流側に,第1及び第2含水素ガス検出セル3,4はガス流れ下流側に存在する。
さらに,第1及び第2含水素ガス検出セル3,4は,ガスセンサ素子1の長手方向における同じ位置,つまり図1(b)等から明らかであるが,導入路130から等距離の位置にある。
【0050】
また,第1被測定ガス室141に対しピンホールよりなる導入路130から被測定ガスを導入する。また,導入路130の入口側には,これを覆う多孔質のセラミック層よりなる拡散抵抗層120を設ける。
第1,第2の基準ガス室161,121は大気通路162,122を介して大気雰囲気に連通する。
【0051】
また,絶縁板16は第1基準ガス室161,大気通路162を形成するスペーサである。絶縁板14は第1被測定ガス室141,第2被測定ガス室142を形成するスペーサである。絶縁板12は第2基準ガス室121,大気通路122を形成するスペーサである。
なお,絶縁板11,12,14,16はいずれも緻密でガス不透過のアルミナセラミックよりなり,酸素イオン導電性固体電解質体15は部分安定化ジルコニア,プロトン導電性固体電解質体13はSrZr0.9Yb0.1O2.95よりなる。
また,拡散抵抗層120は気孔率の高いガス透過性のアルミナセラミックよりなる。
【0052】
次に各セルについて説明する。
酸素ポンプセル2は,酸素イオン導電性固体電解質体15の表面に設けた一対のポンプ電極21,22よりなる。ポンプ電極21は第1被測定ガス室141に,ポンプ電極22は第1基準ガス室161と対面する。
また,酸素ポンプセル2は可変電源251を備えたポンプ回路25に接続する。可変電源251からポンプ電極21,22間に電圧を印加することで,両電極間21,22に酸素イオン電流が流れ,第1被測定ガス室141と第1基準ガス室161との間で酸素のポンピング(酸素の出し入れ)を行う。
【0053】
すなわち,可変電源251の正極とポンプ電極22を,負極とポンプ電極21を接続することで,第1被測定ガス室141に面するポンプ電極21上で被測定ガス中の酸素が還元されて酸素イオンとなる。ポンピング作用により酸素イオンはポンプ電極22側に排出される。
そして,可変電源251は後述する酸素モニタセル5によって,検出された第2被測定ガス室142内の酸素濃度が所定の一定値となるようにポンプセル2に電圧を印加するよう制御される。
そのため,酸素ポンプセル2は第2被測定ガス室142内の酸素濃度を略一定の低濃度に保持するように作動する。
【0054】
また,図2に示すごとく,電極21はリード部211,導電性のスルーホール212,213,214によって端子215と電気的な導通を確保する。また,電極22はリード部221,導電性のスルーホール222,223,224によって端子225と電気的な導通を確保する。
なお,上記ポンプ電極21はPt−Auサーメット材料よりなる電極,ポンプ電極22はPtサーメット材料よりなる電極である。
【0055】
酸素モニタセル5は,酸素イオン導電性固体電解質体15の表面に設けた一対のモニタ電極51,52よりなる。モニタ電極51は第2被測定ガス室142に,モニタ電極52は第1基準ガス室161と対面する。
また,酸素モニタセル5は電源551と電流計552を備えたモニタ回路55に接続する。電源551からモニタ電極51,52間に電圧を印加することで(本例では0.40Vの電圧を印加),両電極間51,52に酸素イオン電流が流れ,この酸素イオン電流の大きさを電流計552で検出することによって第2被測定ガス室142の酸素濃度を検出する。
【0056】
また,図2に示すごとく,電極51はリード部511,導電性のスルーホール512,513,514によって端子515と電気的な導通を確保する。また,電極52はリード部521,導電性のスルーホール522,523,524によって端子525と電気的な導通を確保する。
なお,上記モニタ電極51はPt−Auサーメット材料よりなる電極,モニタ電極52はPtサーメット材料よりなる電極である。
【0057】
すなわち,電源551の正極とモニタ電極52を,負極とモニタ電極51を接続することで,第2被測定ガス室142に面するモニタ電極51上で被測定ガス中の酸素が還元されて酸素イオンとなり,ポンピング作用によりモニタ電極52側へ排出される。このモニタ電極51,52間の酸素イオン電流によって第2被測定ガス室142の酸素濃度が検知できる。これは酸素モニタセル5が限界電流式の酸素センサセルであるため,酸素濃度に対応した限界電流が酸素イオン電流となって電極間に流れるからである。
そして,電流計552の出力に基づいて上記ポンプ回路25の可変電源251を制御するフィードバック制御回路255が,ポンプ回路25とモニタ回路55との間に設けてある。
【0058】
このように,第1及び第2被測定ガス室141,142の内部において酸素濃度は略一定の低濃度に制御されるため,以下に示す第1,第2含水素ガス検出セル3,4が含水素ガスを検出する前に含水素ガスが燃焼して水となることが防止できる。
また,本例において用いたプロトン導電性の固体電解質体13を構成するSrZr0.9Yb0.1O2.95は,酸素の存在下で純粋なプロトン伝導性を示さずに,ホール伝導や酸素イオン伝導による電流が流れる。従って,酸素ポンプセル2と酸素モニタセル5とによって,酸素を排気することで検出誤差原因となるホール伝導や酸素イオン伝導を抑制して,略純粋なプロトン伝導を得ることができる。これは含水素ガス濃度検出精度の向上につながる。
【0059】
第1含水素ガス検出セル3は,プロトン導電性固体電解質体13の表面に設けた一対の電極31,32よりなる。電極32は第2被測定ガス室142と対面し,電極31は第2の基準ガス室121と対面する。
上記第1含水素ガス検出セル3は電源351と電流計352を備えた第1検出回路35に接続する。電源351から両電極31,32に電圧を印加することで,第2被測定ガス室142に面する電極32上で被測定ガス中の含水素ガスより水素原子が引き抜かれてプロトンとなり,ポンピング作用によってプロトン導電性固体電解質体13を通って電極31側に排出される。
このとき,第1含水素検出セル3を流れる電流は電極32上で分解された含水素ガスの分量に対応し,よって上記電流の大きさを電流計352で測定することで被測定ガス中の含水素ガス濃度を測定することができる。
【0060】
また,図2に示すごとく,電極31はリード部311,導電性のスルーホール312,313によって端子314と電気的な導通を確保する。また,電極32はリード部321,スルーホール322,323,324によって,端子325と電気的な導通を確保する。
なお,上記電極31はPtサーメット材料よりなる電極,電極32はPt−Auサーメット材料よりなる電極である。
【0061】
なお,第2含水素ガス検出セル4の構成,しくみも第1含水素ガス検出セル3と同様で,第2含水素ガス検出セル4は,プロトン導電性固体電解質体13の表面に設けた一対の電極41,42よりなる。電極42は第2被測定ガス室142と対面し,電極41は第2の基準ガス室121と対面する。
上記第2含水素ガス検出セル4は電源451と電流計452を備えた第2検出回路45に接続される。
【0062】
電極41はリード部411,導電性のスルーホール412,413によって端子414と電気的な導通を確保する。また,電極42はリード部421,スルーホール422,423,424によって,端子425と電気的な導通を確保する。電極41,42の材料についても第1含水素ガス検出セル3と同様である。
【0063】
そして,本例にかかるガスセンサ素子1は第1,第2の含水素ガス検出セル3,4を用いて被測定ガス中の炭化水素ガス濃度と水素ガス濃度とを測定する。
すなわち,第1含水素ガス検出セル3に対する印加電圧を0.3V,第2含水素ガス検出セル4に対する印加電圧を0.5Vとすると,第1含水素ガス検出セル3にかかる電極32ではほぼ水素ガスのみから水素原子が引き抜かれプロトンが得られ,第2含水素ガス検出セル4にかかる電極42では水素ガスと炭化水素ガスから水素原子が引き抜かれプロトンが得られる。
【0064】
従って,第1含水素ガス検出セル3では水素ガス濃度が,第1含水素検出セル3と第2含水素検出セル4とにおいて検出される電流の差より炭化水素ガス濃度を得る。なお,水蒸気の分解電圧は約1Vと高いため,両セル3,4において水蒸気の分解は殆ど生じない。
【0065】
また,本例のガスセンサ素子1は一体的に積層したセラミックヒータ19を備える。酸素イオン導電性固体電解質体15もプロトン導電性固体電解質体13も,所定の温度以上に加熱しなくては導電性を呈しない。従ってセラミックヒータ19によってこれらの固体電解質体13,15を加熱して,ガスセンサ素子1をガス濃度検出可能な状態にする必要がある。
【0066】
また,図2に示すごとく,上記セラミックヒータ19はヒータ基板191と該ヒータ基板191に設けた発熱体193,リード部194,端子196,これらを被覆する被覆基板192とよりなる。ヒータ基板191はリード部194と端子196との間を電気的に接続するスルーホール195を備える。
【0067】
なお,ヒータ基板191,被覆基板192はアルミナセラミックよりなり,発熱体193はPtとアルミナなどの絶縁性セラミックとのサーメットよりなる。リード部194や端子196はPtとアルミナなどの絶縁性セラミックとのサーメットよりなる。
【0068】
以下,本例にかかる作用効果について説明する。
本例のガスセンサ素子1において,第1,第2含水素ガス検出セル3,4はプロトン導電性の固体電解質体13を用いて構成した。
これにより,電極32,42上で被測定ガス中の炭化水素ガスや水素ガスよりプロトンを遊離させ,該プロトンの量に応じた電流をプロトン導電性固体電解質体13中に流すことができる。
従って,第1,第2含水素ガス検出セル3,4を流れる電流の値から直接被測定ガス中の含水素ガス量を測定することができ,従来の間接的な測定方法と比較して高い検出精度で含水素ガス濃度を得ることができる。
【0069】
また,プロトン導電性固体電解質体13は,酸素存在下では純粋なプロトン伝導を示さずホール伝導や酸素イオン伝導が混在する。本例にかかるガスセンサ素子1は第1被測定ガス室141に酸素ポンプセル2を設けて酸素を所定の低濃度に制御可能に構成してあるため,検出誤差の原因である上記ホール伝導,酸素イオン伝導を抑制して,略純粋なプロトン伝導による電流が第1,第2含水素ガス検出セル3,4に流れるように構成し,正確な含水素ガス濃度を得ることができる。
【0070】
また,本例の酸素ポンプセル2はガス流れ上流側の第1被測定ガス室141に,第1と第2の含水素ガス検出セル3,4はガス流れ下流側の第2被測定ガス室142に設けてある。このため,第1,第2の含水素ガス検出セル3,4に達する被測定ガスは酸素ポンプセル2によって酸素が所定の低濃度に制御された状態にあるため,より精度良い含水素ガス濃度の測定ができる。
【0071】
また,第1,第2の含水素ガス検出セル3,4を使用し,また第1含水素ガス検出セル3に対する印加電圧を0.3V,第2含水素ガス検出セル4に対する印加電圧を0.5Vとすることで,第1含水素ガス検出セル3にかかる電極32ではほぼ水素ガスのみから水素原子が引き抜かれプロトンが得られ,第2含水素ガス検出セル4にかかる電極42では水素ガスと炭化水素ガスから水素原子が引き抜かれプロトンが得られるようにすることができる。
【0072】
これにより,第1の含水素ガス検出セル3において水素ガス濃度を検出して,第1と第2の含水素ガス検出セル3,4から炭化水素ガス濃度を検出することができ,1本のガスセンサ素子1で2種類の含水素ガス濃度を精度高く検出することができる。
【0073】
以上,本例によれば,精度良く含水素ガス濃度を検出可能なガスセンサ素子及び含水素ガスの検出方法を提供することができる。
【0074】
(実施例2)
本例は,図3に示すごとく,酸素モニタセル5の一対のモニタ電極51,52間に生じる起電力から被測定ガス中の酸素濃度を検出する構成としたガスセンサ素子1である。
本例における酸素モニタセル5は,電圧計553を備えたモニタ回路55に接続する。そしてモニタセル5の一方のモニタ電極51は第2被測定ガス室142に,他方は第1基準ガス室161に面する。電極51,52間には第2被測定ガス室142と第1基準ガス室161との間の酸素濃度の違いにより,ネルンストの式に基づいた起電力が発生する。
【0075】
第1基準ガス室161の酸素濃度は略一定であるため,電極51,52間に生じる起電力は第2被測定ガス室142の酸素濃度を反映する。
従って,電極51,52間に発生する起電力が所定の値(例えば0.40V)となるように酸素ポンプセル2に対する印加電圧を制御することで,第2被測定ガス室142の酸素濃度を所定の低濃度に制御することができる。
その他詳細は実施例1にかかるガスセンサ素子と同様の構成である。
また,実施例1と同様の作用効果を有する。
【0076】
(実施例3)
本例のガスセンサ素子1は,図4に示すごとく,酸素ポンプセル2と第1,第2含水素ガス検出セル3,4を有する3セル構造である。
本例のガスセンサ素子1の構造は実施例1のガスセンサ素子1より酸素モニタセル5を省いた構造と略同じである。また,フィードバック制御回路256は,酸素ポンプセル2を接続したポンプ回路25にある電流計252から可変電源251の間に設置する。
【0077】
図5は,本例のガスセンサ素子1における酸素ポンプセル2における印加電圧と酸素ポンプセル2に流れる電流の関係を示す線図で,横軸は酸素ポンプセル印加電圧Vp,縦軸は酸素ポンプセル電流Ipである。
図5より知れるごとく,酸素ポンプセル2は,酸素濃度に応じた限界電流特性を示し,限界電流域(=Vp軸に平行な直線部分,印加電圧にかかわらず電流が変化しない領域)は酸素濃度が高いほど正電圧側にシフトする。
従って,上記限界電流域を利用した酸素ポンプセル2の制御方法として,酸素濃度に応じて酸素ポンプセル2への印加電圧を変化させる手法を用いる。
【0078】
すなわち,図5の酸素ポンプセル印加電圧Vpと酸素ポンプセル電流Ipとの関係から,酸素ポンプ電流Ipが限界電流となるように酸素濃度に応じたVpを印加する。この制御をフィードバック制御回路256で行う。このとき,酸素ポンプ電流Ipは電流計252で検出できる。
これにより第1被測定ガス室141の酸素濃度を所定の低濃度に制御できる。
なお,酸素ポンプセル2に流れる電流は酸素濃度に応じた大きさとなるため,電流計252で検出した値から酸素濃度を知ることができる。
その他詳細な構成は実施例1と同様であり,実施例1と同様の作用効果を有する。
【0079】
(実施例4)
本例は,図6に示すごとく,NOx検出セル7を備えたガスセンサ素子1である。
本例のガスセンサ素子1は実施例2と同じ構成の素子で,それに加えてNOx検出セル7を備えている。
このNOx検出セル7は,酸素イオン導電性固体電解質体15の表面に設けた一対の電極71,72よりなる。電極71は第2被測定ガス室142と対面し,電極72は第1の基準ガス室161と対面する。
上記NOx検出セルは電源751と電流計752を備えたNOx検出回路75に接続される。
【0080】
上記電極71はNOxの分解に対して活性を有するPt−Rhサーメット電極よりなる。そして,電源751から電極72が正極となるように所定の電圧(本例では0.40V)の電圧を印加する。電極71において,第2被測定ガス室142の酸素やNOxが還元されて酸素イオンが発生し,ポンピング作用により電極72側に排出される。第2被測定ガス室142にNOxが存在するとNOx濃度に応じて電流値が増大するため,これにより被測定ガス中のNOx濃度を検出することができる。
【0081】
そして,本例にかかるガスセンサ素子1では,酸素モニタセル5にかかるモニタ電極51をNOxに対して不活性なPt−Auサーメット電極としている。従って,酸素モニタセル5とNOx検出セル7との電流差を検出すれば第2被測定ガス室142内の残存酸素の影響を相殺して,より正確なNOx濃度を測定することができる。
その他詳細は実施例2と同様の構成を有する。
【0082】
本例にかかるガスセンサ素子1は,含水素ガスである炭化水素ガスと水素ガスの濃度と共にNOx濃度の測定が可能である。
そのため,本例のガスセンサ素子1を用いることで,自動車の排気系で排気ガス中の大気汚染物質であるNOx,炭化水素ガス,水素ガスなどの濃度を同時に測定可能なガスセンサを得ることができる。
その他詳細は実施例2と同様である。
【0083】
(実施例5)
本例は実施例4と略同様の構成を持つガスセンサ素子1である。
実施例4と異なる点は,図7に示すごとく,酸素モニタセル5で検出した電流値を利用して酸素ポンプセル2を制御している点である。電流値による制御の詳細は実施例1と同様である。
その他詳細な構成は実施例4と同様であり,実施例4と同様の作用効果を有する。
【0084】
(実施例6)
本例は,実施例1と同様の構成のガスセンサ素子であって,第1の含水素ガス検出セルと第2の含水素ガス検出セルを第1及び第2被測定ガス室内のガス流れ方向に対して同等位置となるよう略対称に配置したものである。
【0085】
すなわち,第1,第2含水素ガス検出セルは,プロトン導電性固体電解質体と該固体電解質体の表面に設けた第2被測定ガス室と対面する含水素ガス検出セル電極及び他の電極とよりなり,かつ第2被測定ガス室の含水素ガス濃度を測定可能に構成する。
そして,第1及び第2含水素ガス検出セルを構成する含水素ガス検出セル電極32,42とこれらの電極32,42と対になって基準ガスに接する電極が概ね対称に配置されてなる。セルの形状は電極の形状より定まるため,電極が対称に配置されることでセルも対称となる。
【0086】
その一例にかかるガスセンサ素子は,図8に示すごとく,被測定ガスの導入路130から被測定ガス室の略中心位置を通りガスセンサ素子の長手方向に向かって伸びるガス流れ方向から略等距離に波型の電極32,42を第2被測定ガス室と対面するよう設けることができる。
【0087】
また,図9に示すごとく,櫛型の電極で,双方の櫛歯が入り込むような形状,図10のような双方の電極において対向辺を波型とした形状に電極32,42を構成することができる。
また,図11に示すごとく,電極32,42の面積は異なるが,形成位置がガス流れ方向に対して略対称である場合も以下に示す本例にかかる効果を得ることができる。
【0088】
このように第1,第2の含水素ガス検出セルを第1,第2被測定ガス室内のガス流れ方向に対して同等位置に略対称に配置することで,第1,第2被測定ガス室内の含水素ガス濃度分布の影響を受けがたく,より正確な測定が可能なガスセンサ素子を得ることができる。
その他詳細は実施例1と同様である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における,酸素ポンプセル,酸素モニタセル,第1及び第2含水素検出セルを備えたガスセンサ素子の長手方向,横断方向の断面説明図。
【図2】実施例1における,酸素ポンプセル,酸素モニタセル,第1及び第2含水素検出セルを備えたガスセンサ素子の斜視展開説明図。
【図3】実施例2における,酸素ポンプセル,酸素モニタセル,第1及び第2含水素検出セルを備えたガスセンサ素子の長手方向,横断方向の断面説明図。
【図4】実施例3における,酸素ポンプセル,第1及び第2含水素検出セルを備えたガスセンサ素子の長手方向,横断方向の断面説明図。
【図5】実施例3における,酸素ポンプセル電流と酸素ポンプセル印加電圧との関係を示す線図。
【図6】実施例4における,酸素ポンプセル,酸素モニタセル,第1及び第2含水素検出セル,NOx検出セルを備えたガスセンサ素子の長手方向,横断方向の断面説明図。
【図7】実施例5における,酸素ポンプセル,酸素モニタセル,第1及び第2含水素検出セル,NOx検出セルを備えたガスセンサ素子の長手方向,横断方向の断面説明図。
【図8】実施例6における,第1及び第2含水素検出セルにおける電極の形状を示す断面説明図。
【図9】実施例6における,第1及び第2含水素検出セルにおける電極の形状を示す断面説明図。
【図10】実施例6における,第1及び第2含水素検出セルにおける電極の形状を示す断面説明図。
【図11】実施例6における,第1及び第2含水素検出セルにおける電極の形状を示す断面説明図。
【図12】従来にかかる,炭化水素センサ素子の長手方向断面説明図。
【符号の説明】
1...ガスセンサ素子,
13...プロトン導電性固体電解質体,
15...酸素イオン導電性固体電解質体,
2...酸素ポンプセル,
3...第1含水素ガス検出セル,
5...酸素モニタセル,
7...NOx検出セル,
Claims (14)
- 被測定ガスを所定の拡散抵抗の下で導入する被測定ガス室と,該被測定ガス室と対面する酸素ポンプセル及び第1,第2の含水素ガス検出セルとを有し,
上記酸素ポンプセルは,酸素イオン導電性固体電解質体と,該固体電解質体の表面に設けた被測定ガス室と対面するポンプ電極と,上記酸素イオン伝導性固体電解質体における上記ポンプ電極を設けた側とは反対側の表面に設けた他の電極とよりなり,かつ上記被測定ガス室内の酸素濃度を調整可能に構成し,
上記第1及び第2の含水素ガス検出セルは,プロトン導電性固体電解質体と,該固体電解質体の表面に設けた被測定ガス室と対面する含水素ガス検出セル電極と,上記プロトン伝導性固体電解質体における上記含水素ガス検出セル電極を設けた側とは反対側の表面に設けた他の電極とよりなり,かつ上記被測定ガス室の含水素ガス濃度を測定可能に構成し,
かつ上記第1の含水素ガス検出セルと第2の含水素ガス検出セルにそれぞれ流れる検出セル電流値の差より被測定ガス室の2種類の含水素ガス濃度をそれぞれ測定可能に構成することを特徴とするガスセンサ素子。 - 請求項1において,上記第1の含水素ガス検出セルと第2の含水素ガス検出セルは,上記被測定ガス室内のガス流れ方向に対して同等位置に略対称に配置してなることを特徴とするガスセンサ素子。
- 請求項1又は2において,上記プロトン導電性固体電解質体はSrZrO3,CaZrO3,SrCeO3,BaCeO3のいずれか一種以上を母構造としたペロブスカイト型酸化物よりなることを特徴とするガスセンサ素子。
- 請求項3において,上記プロトン導電性固体電解質体はSrZrO3,CaZrO3,SrCeO3,BaCeO3のいずれか一種以上を母構造とし,該母構造においてZrまたはCeの一部をY,Yb,Sc,In,Gd,Dy,Smで置換したペロブスカイト型酸化物よりなることを特徴とするガスセンサ素子。
- 請求項1〜4のいずれか一項において,上記被測定ガス室中の酸素濃度を検出するよう構成した酸素モニタセルを有することを特徴とするガスセンサ素子。
- 請求項5において,上記酸素モニタセルに流れるモニタ電流が一定となるように上記酸素ポンプセルを制御するよう構成することを特徴とするガスセンサ素子。
- 請求項5において,上記酸素モニタセルに生じるモニタ電圧が一定となるように上記酸素ポンプセルを制御するよう構成することを特徴とするガスセンサ素子。
- 請求項1〜7のいずれか一項において,上記第1の含水素ガス検出セルと上記第2の含水素ガス検出セルとに対する印加電圧がそれぞれ異なるよう構成することを特徴とするガスセンサ素子。
- 請求項1〜8のいずれか一項において,上記酸素ポンプセル,上記酸素モニタセル,上記含水素ガス検出セルにおける上記被測定ガス室と対面する電極は,測定すべき含水素ガスの燃焼反応を抑制することにより含水素ガスを酸化させない材料よりなることを特徴とするガスセンサ素子。
- 請求項9において,上記酸素ポンプセル,上記酸素モニタセル,上記含水素ガス検出セルにおける上記被測定ガス室と対面する電極は,Pt,Pd,Rhのうち少なくとも1種を金属主成分とし,Au,Cu,Pb,Tiのうち少なくとも1種を含有することを特徴とするガスセンサ素子。
- 請求項10において,Au,Cu,Pb,Tiの含有量は,Pt,Pd,Rh,Au,Cu,Pb,Tiの総量に対して,1〜30wt%であることを特徴とするガスセンサ素子。
- 請求項1〜11のいずれか一項において,上記被測定ガス室と対面するNOx検出セルを有し,該NOx検出セルは酸素イオン導電性固体電解質体と該固体電解質体の表面に設けたNOxに対する活性電極と,これと一対となる電極とよりなり,上記NOx検出セルに流れる電流により,上記被測定ガス室のNOx濃度を測定するよう構成したことを特徴とするガスセンサ素子。
- 請求項1〜12のいずれか一項において,上記被測定ガス室と対面するNOx検出セルを有し,該NOx検出セルは酸素イオン導電性固体電解質体と該固体電解質体の表面に設けたNOxに対する活性電極と,これと一対となる電極とよりなり,
上記被測定ガス室中の酸素濃度を検出するよう構成した酸素モニタセルを有し,
上記酸素モニタセルを流れるモニタ電流値と上記NOx検出セルを流れる電流値との差より上記被測定ガス室のNOx濃度を測定するよう構成することを特徴とするガスセンサ素子。 - 被測定ガスを所定の拡散抵抗の下で被測定ガス室に導入し,酸素イオン導電性固体電解質体と,該固体電解質体の表面に設けた被測定ガス室と対面するポンプ電極と,上記酸素イオン伝導性固体電解質体における上記ポンプ電極を設けた側とは反対側の表面に設けた他の電極とよりなり,かつ上記被測定ガス室内の酸素濃度を調整可能に構成した酸素ポンプセルに流れる電流値を制御することによって,上記被測定ガス室に対して酸素のポンピングを行うことで,上記被測定ガス室における酸素濃度を調整すると共に,
プロトン導電性固体電解質体と,該固体電解質体の表面に設けた被測定ガス室と対面する含水素ガス検出セル電極と,上記プロトン伝導性固体電解質体における上記含水素ガス検出セル電極を設けた側とは反対側の表面に設けた他の電極とよりなる第1及び第2含水素ガス検出セルを用い,上記第1及び第2の含水素ガス検出セルに流れる電流値を用いて上記被測定ガス室の2種類の含水素ガス濃度をそれぞれ測定することを特徴とするガス濃度の測定方法。
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