JPH1090222A - ガスセンサ - Google Patents

ガスセンサ

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JPH1090222A
JPH1090222A JP8247754A JP24775496A JPH1090222A JP H1090222 A JPH1090222 A JP H1090222A JP 8247754 A JP8247754 A JP 8247754A JP 24775496 A JP24775496 A JP 24775496A JP H1090222 A JPH1090222 A JP H1090222A
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pump
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electrode
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伸秀 加藤
Kunihiko Nakagaki
邦彦 中垣
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    • G01N27/26Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
    • G01N27/416Systems
    • G01N27/417Systems using cells, i.e. more than one cell and probes with solid electrolytes
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Abstract

(57)【要約】 【課題】排気ガス中の酸素の濃度変化がNO感度に及ぼ
す干渉を防止して、被測定ガス成分の測定精度の向上を
図る。 【解決手段】第1の拡散律速部14を介して外部空間と
連通する第1の内部空所20と、該第1の内部空所20
内の雰囲気の酸素濃度を所定値に制御する第1の電気化
学的ポンプセル30と、第2の拡散律速部16を介して
第1の内部空所20と連通する第2の内部空所22と、
該第2の内部空所22内の雰囲気の酸素濃度を所定値に
微調整する第2の電気化学的ポンプセル44と、第3の
拡散律速部18を介して第2の内部空所22と連通する
第3の内部空所24と、該第3の内部空所24内の被測
定ガス中の結合酸素を有する成分の還元又は分解により
生じた酸素を汲み出す第3の電気化学的ポンプセル58
と、該第3の電気化学的ポンプセル58のポンピング動
作によって流れるポンプ電流を検出する電流計Ipを設
けて構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、車両の排
気ガスや大気中に含まれるNO,NO2 ,SO2、CO
2 、H2 O等の酸化物や、CO,CnHm等の可燃ガス
を測定するガスセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、被測定ガス中の所望のガス成
分の濃度を知るために、各種の測定方式や装置が提案さ
れている。
【0003】例えば、燃焼ガス等の被測定ガス中のNO
xを測定する方法としては、RhのNOx還元性を利用
し、ジルコニア等の酸素イオン伝導性の固体電解質上に
Pt電極及びRh電極を形成してなるセンサを用いて、
これら両電極間の起電力を測定するようにした手法が知
られている。
【0004】前記のようなセンサは、被測定ガスである
燃焼ガス中に含まれる酸素濃度の変化によって、起電力
が大きく変化するばかりでなく、NOxの濃度変化に対
して起電力変化が小さく、そのためにノイズの影響を受
けやすいという問題がある。
【0005】また、NOxの還元性を引き出すために
は、CO等の還元ガスが必須になることから、一般に大
量のNOxが発生する燃料過少の燃焼条件下では、CO
の発生量がNOxの発生量を下回るようになるため、そ
のような燃焼条件下に形成される燃焼ガスでは測定がで
きないという欠点があった。
【0006】また、Pt電極と酸素イオン伝導性の固体
電解質よりなる一組の電気化学的ポンプセルとセンサセ
ル、及びRh電極と酸素イオン伝導性の固体電解質より
なるもう一組の電気化学的ポンプセルとセンサセルを組
み合わせ、それぞれのポンプ電流値の差により、NOx
を測定する方式が、特開昭63−38154号公報や特
開昭64−39545号公報等に明らかにされている。
【0007】更に、特開平1−277751号公報や特
開平2−1543号公報等には、一対の電気化学的ポン
プセルとセンサセルを二組用意し、一方の一組のポンプ
セルとセンサセルからなるセンサにて、NOxが還元さ
れない酸素分圧下で、限界ポンプ電流を測定すると共
に、他方の一組のポンプセルとセンサセルからなるセン
サにて、NOxが還元される酸素分圧下で限界ポンプ電
流を測定し、それら限界ポンプ電流の差を求めたり、一
組のポンプセルとセンサセルからなるセンサを用い、被
測定ガス中の酸素分圧をNOxが還元される酸素分圧と
還元され得ない酸素分圧とに切り換えて、限界電流の差
を測定する方法が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、それら
NOx測定方式において、限界電流の値は、大量に含ま
れる酸素による電流が大部分を占め、目的とするNOx
に基づく電流は極めて小さいのが通常であることから、
二つの電流値の大きな差により、NOxに相当する小さ
な電流値を求めることとなる。従って、一組のセンサで
切り換えて測定するものにあっては、連続測定ができな
い場合があり、また、応答性が遅く、精度が劣る等の問
題がある。
【0009】また、二組のセンサを用いる方式の場合に
あっては、被測定ガス中の酸素濃度が大きく変化する
と、測定値に誤差が生じやすく、自動車用等のように、
被測定ガスの酸素濃度が大きく変化する場合には、使用
することができない場合があった。これは、一方のセン
サのポンプ電流の酸素濃度依存性と他方のセンサのポン
プ電流の酸素濃度依存性とが、それぞれ異なることによ
るものである。
【0010】例えば、自動車の場合、空燃比が20の運
転条件下では、排気ガスの酸素濃度が数%であるのに対
して、NOx濃度は数百ppmであり、NOxが酸素に
対して1/100程度の濃度となる。この場合、酸素濃
度に対するポンプ電流の依存性がわずかに異なるだけ
で、酸素濃度変化に対する限界電流値の差が、測定する
NOxによる限界電流変化分より大きくなる。
【0011】また、前記センサにおいては、ポンプセル
の拡散律速手段が、排気ガス中のオイル燃焼物により目
詰まりを起こすと、ポンプ電流に変化が惹起されて、精
度が失われたり、排気ガス温度が大きく変化すると、測
定値に異常が生じるという不都合があった。
【0012】更に、二組のセンサにおいて、各特性の経
時変化に差が生じると、それがそのまま誤差となり、長
時間の使用に耐え得ないという欠点もあった。
【0013】このように、被測定ガス中に存在する酸素
は、NOxの測定に際して各種の問題を内在しており、
また、NOx以外の他の被測定ガス成分の測定に際して
も、測定精度が低下する等の同様な問題を有しており、
これらの問題の解決が強く望まれていた。
【0014】そこで、本発明者らは、前記の問題を解決
すべく、特願平7−48551号において、直列的に配
してなる第1及び第2の電気化学的ポンプセルを利用し
て、被測定ガス中のNOx等の結合酸素を有する被測定
ガス成分を、該被測定ガス中の酸素濃度あるいはその変
化に影響を受けることなく、連続的に応答性よく、かつ
長時間にわたって正確に測定可能とした新しい測定方式
を明らかにした。
【0015】この提案例に係る測定方式、特にその測定
手順について簡単に説明すると、まず、外部の被測定ガ
ス存在空間から、測定されるべき結合酸素を有するガス
成分を含む被測定ガスをそれぞれ所定の拡散抵抗の下
に、第1及び第2の処理ゾーンへ順次導き入れる。
【0016】前記第1の処理ゾーンにおいては、雰囲気
中の酸素を第1の電気化学的ポンプセルにて汲み出すこ
とにより、前記目的成分量の測定に実質的に影響がない
低い酸素分圧値に制御する。
【0017】前記第2の処理ゾーンにおいては、前記第
1の処理ゾーンから導かれた雰囲気中の被測定ガス成分
を還元又は分解して、その際に発生する酸素を第2の電
気化学的ポンプセルによる酸素のポンピング作用にて汲
み出す。
【0018】そして、この第2の電気化学的ポンプセル
に流れるポンプ電流を検出して、その検出値より、被測
定ガス中の目的成分量を求める。
【0019】ところで、この提案例に係る測定方式につ
いて、更に検討を加えたところ、第1の処理ゾーンにお
ける雰囲気の酸素濃度(分圧)が、該第1の処理ゾーン
に対して酸素分圧検出手段(電気化学的センサセル)に
て検出される起電力が一定値になるように、第1の電気
化学的ポンプセルのポンプ電圧を調整することによって
制御されているにも拘わらず、被測定ガス中の酸素濃度
が高くなると、該第1の処理ゾーンから第2の処理ゾー
ンに導かれる雰囲気中の酸素分圧が変化する(高くな
る)という問題があることが判明した。
【0020】つまり、排気ガス中の酸素濃度が増加する
と、第2の処理ゾーンにおけるNOの分解電流も増加
し、測定精度の向上に限界が生じるおそれがある。
【0021】これは、第1の処理ゾーンにおける第1の
電気化学的ポンプセルにて該第1の処理ゾーンでの酸素
濃度を一定に制御しても、排気ガス中の酸素濃度が大き
く変化、例えば0〜20%ほど変化すると、第1の処理
ゾーンの酸素濃度分布が変化し、第2の処理ゾーンに進
入する酸素の濃度が変化することが原因である。
【0022】そのため、第1の処理ゾーンにおける第1
の電気化学的ポンプセルのポンプ能力を大きくすれば、
第2の処理ゾーンに進入する酸素の濃度変化を小さくで
きるが、それには、各種の問題が内在している。
【0023】具体的には、ポンプ能力を高めるために
は、ポンプ電極の面積を拡大する方法や、ポンプの温度
を高くする方法等が考えられるが、ポンプ電極の面積を
拡大することは、第1の処理ゾーンの面積(体積)も必
然的に大きくなり、そのため、応答が遅くなるおそれが
ある。また、ポンプの作動温度を上げれば、第1の処理
ゾーンにおけるポンプ電極において、被測定ガス成分、
例えばNOxの還元が起こりやすくなる、あるいはNO
の分解が起こりやすくなり、NOに関する感度が低下す
るというおそれがある。
【0024】本発明はこのような課題を考慮してなされ
たものであり、優れた性能を有する前記提案例に係るガ
スセンサにおいて、排気ガス中の酸素の濃度変化がNO
感度に及ぼす干渉を防止することができ、被測定ガス成
分の測定精度の向上を図ることができるガスセンサを提
供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明に
係るガスセンサは、被測定ガス中の結合酸素を有する成
分を還元又は分解して、その際に発生する酸素量を測定
することにより、被測定ガス中の特定成分量を求めるよ
うにしたガスセンサにおいて、固体電解質からなる基体
と、前記被測定ガスを所定の拡散抵抗の下に導く第1の
拡散律速部と、前記第1の拡散律速部を介して前記被測
定ガス雰囲気と連通する第1の内部空所と、前記第1の
内部空所を構成する固体電解質とこれに接して設けられ
た一対の第1のポンプ電極からなる第1の電気化学的ポ
ンプセルと、前記第1の内部空所を構成する固体電解質
とこれに接して設けられた一対の第1の測定電極からな
る第1の電気化学的センサセルと、前記第1の内部空所
で酸素濃度を所定の値に調整されたガスを所定の拡散抵
抗の下に導く第2の拡散律速部と、前記第2の拡散律速
部を介して被測定ガス雰囲気と連通する第2の内部空所
と、前記第2の内部空所を構成する固体電解質とこれに
接して設けられた一対の第2のポンプ電極からなる第2
の電気化学的ポンプセルと、前記第2の内部空所を構成
する固体電解質とこれに接して設けられた一対の第2の
測定電極からなる第2の電気化学的センサセルと、前記
第2の内部空所で酸素濃度を所定の値に調整されたガス
を所定の拡散抵抗の下に導く第3の拡散律速部と、前記
第3の拡散律速部を通じて導かれた被測定ガス中の結合
酸素を有する成分の還元又は分解により生じた酸素を汲
み出す第3の電気化学的ポンプセルと、前記第3の電気
化学的ポンプセルの作動によって流れるポンプ電流を検
出する電流検出手段を設けて構成する。
【0026】これにより、まず、被測定ガスは、第1の
拡散律速部を通じて所定の拡散抵抗の下に第1の内部空
所に導かれる。第1の内部空所に導かれた被測定ガス
は、第1の電気化学的ポンプセルでのポンピング作用に
よって所定の酸素濃度に調整される。
【0027】前記第1の電気化学的ポンプセルにて所定
の酸素濃度に調整されたガスは、第2の拡散律速部を通
じて所定の拡散抵抗の下に第2の内部空所に導かれる。
第2の内部空所に導かれたガスは、第2の電気化学的ポ
ンプセルでのポンピング作用によって所定の酸素濃度に
微調整される。
【0028】前記第2の電気化学的ポンプセルにて所定
の酸素濃度に微調整されたガスは、第3の拡散律速部を
通じて所定の拡散抵抗の下に第3の電気化学的ポンプセ
ルに導かれる。この第3の電気化学的ポンプセルにおい
ては、導かれた被測定ガス中の結合酸素を有する成分を
還元又は分解し、この還元又は分解により生じた酸素を
汲み出すという動作が行われる。
【0029】そして、前記第3の電気化学的ポンプセル
の作動(酸素の汲み出し)によって流れるポンプ電流が
電流検出手段にて検出され、この検出値に基づいて被測
定ガス中の特定成分量が求められることとなる。
【0030】前記動作が行われている間に、被測定ガス
中の酸素濃度が大きく(0〜20%)変化すると、第1
の内部空所に導かれる被測定ガスの酸素濃度分布が大き
く変化し、第2の内部空所に導かれる酸素量も変化す
る。
【0031】第2の内部空所に導かれる酸素の濃度は、
第2の電気化学的ポンプセルにて微調整されることにな
るが、第1の内部空所における第1の電気化学的ポンプ
セルでのポンピング動作によって、前記第2の内部空所
に導かれる酸素の濃度変化は、被測定ガス(第1の内部
空所に導かれる被測定ガス)における酸素の濃度変化よ
りも大幅に縮小されるため、第2の内部空所での酸素濃
度を精度良く一定に制御することができる。
【0032】この場合、第2の内部空所における第2の
電気化学的センサセルに基づいて、第2の電気化学的ポ
ンプセルのポンピング動作をフィードバック制御するこ
とにより、前記第2の内部空所における酸素濃度を更に
精度良く制御することができる。
【0033】このように、前記第2の内部空所におい
て、その酸素濃度が一定となるように精度良く制御され
ることから、第3の電気化学的ポンプセルに導かれる酸
素の濃度は、前記被測定ガス(第1の内部空所に導かれ
る被測定ガス)における酸素濃度変化の影響を受け難く
なり、その結果、第3の電気化学的ポンプセルでの酸素
の汲み出しによって電流検出手段にて検出されるポンプ
電流値は、前記被測定ガスにおける酸素の濃度変化に影
響されず、被測定ガス中に存在する目的成分量に正確に
対応した値となる。
【0034】即ち、本発明に係るガスセンサにおいて
は、被測定ガス中に存在する目的成分量の検出感度に対
する排気ガス中の酸素の濃度変化の干渉を防止すること
ができ、被測定ガス成分の測定精度の向上を図ることが
できる。
【0035】そして、前記請求項1記載の本発明に係る
ガスセンサにおいて、前記第3の拡散律速部を介して被
測定ガス雰囲気と連通する第3の内部空所を設け、前記
第3の電気化学的ポンプセルを前記第3の内部空所を構
成する固体電解質とこれに接して設けられた一対の第3
のポンプ電極にて構成するようにしてもよい(請求項2
記載の発明)。
【0036】この場合、前記第2の内部空所において、
その酸素濃度が一定となるように精度良く制御されるこ
とから、第3の内部空所に導かれる酸素の濃度は、前記
被測定ガス(第1の内部空所に導かれる被測定ガス)に
おける酸素濃度変化の影響を受け難くなり、その結果、
第3の内部空所における第3の電気化学的ポンプセルで
の酸素の汲み出しによって電流検出手段にて検出される
ポンプ電流値は、前記被測定ガスにおける酸素の濃度変
化に影響されず、被測定ガス中に存在する目的成分量に
正確に対応した値となる。
【0037】また、前記請求項1記載の本発明に係るガ
スセンサにおいて、前記第3の電気化学的ポンプセル
を、前記第2の内部空所を構成する固体電解質とこれに
接して設けられた一対の第3のポンプ電極にて構成する
ようにしてもよい(請求項3記載の発明)。
【0038】この場合、第3の電気化学的ポンプセルを
設けるための新たな内部空所を設ける必要がないため、
ガスセンサ全体の構造の小型化を促進させることができ
る。
【0039】そして、前記構成において、前記一対の第
2の測定電極と前記一対の第3のポンプ電極のうち、前
記第2の内部空所における第2の測定電極と第3のポン
プ電極を互いに対向して配置するようにしてもよい(請
求項4記載の発明)。
【0040】この場合、被測定ガス成分の濃度をポンプ
電流にて測定する際に、第2の測定電極が第3のポンプ
電極の影響を受け難い配置関係となるため、第2の内部
空所に第3の電気化学的ポンプセルを設けたとしても、
被測定ガス中に存在する目的成分量を正確に測定するこ
とが可能となる。
【0041】また、前記構成において、前記一対の第2
のポンプ電極と前記一対の第2の測定電極のうち、前記
第2の内部空所における第2のポンプ電極と第2の測定
電極を共通にしてもよい(請求項5記載の発明)。
【0042】この場合、第2の内部空所に電極を形成す
るための面積を広くとる必要がなくなるため、ガスセン
サ自体の構造を小型化できる。また、同じサイズに設定
した場合は、第1の内部空所の容積を広くとることがで
き、第2の電気化学的ポンプセルにおけるポンプ機能を
高めることが可能となり、第2の内部空所での酸素濃度
の微調整をより精度良く行うことができる。
【0043】また、ポンプ電極と測定電極を共通化して
いることから、例えば第2の内部空所における第2の電
気化学的ポンプセルによる酸素の汲み出し量が変化し
て、第2の内部空所における酸素濃度が変化すると、第
2の電気化学的センサセルでの測定電圧も時間遅れなく
変化するため、第2の電気化学的センサセルの第2の電
気化学的ポンプセルに対するフィードバック制御を発振
を伴うことなく良好に行うことができる。
【0044】なお、請求項1〜7記載のガスセンサにお
いて、前記第1の内部空所内における第1のポンプ電極
及び第1の測定電極並びに前記第2の内部空所内におけ
る第2のポンプ電極及び第2の測定電極の材料に、被測
定ガス中のNOxに対する還元能力を低めた、あるいは
還元能力がない材料を用いることが好ましい。この場
合、前記被測定ガス中のNOxに対する還元能力を低め
た、あるいは還元能力がない材料として、AuとZrO
2 のサーメット、あるいはAuとPt族元素の合金とZ
rO2 のサーメットを用いることができる。
【0045】次に、請求項8記載の本発明に係るガスセ
ンサは、被測定ガス中の結合酸素を有する成分を還元又
は分解して、その際に発生する酸素量を測定することに
より、被測定ガス中の特定成分量を求めるようにしたガ
スセンサにおいて、固体電解質からなる基体と、前記被
測定ガスを所定の拡散抵抗の下に導く第1の拡散律速部
と、前記第1の拡散律速部を介して前記被測定ガス雰囲
気と連通する第1の内部空所と、前記第1の内部空所を
構成する固体電解質とこれに接して設けられた一対の第
1のポンプ電極からなる第1の電気化学的ポンプセル
と、前記第1の内部空所を構成する固体電解質とこれに
接して設けられた一対の第1の測定電極からなる第1の
電気化学的センサセルと、前記第1の内部空所で酸素濃
度を所定の値に調整されたガスを所定の拡散抵抗の下に
導く第2の拡散律速部と、前記第2の拡散律速部を介し
て被測定ガス雰囲気と連通する第2の内部空所と、前記
第2の内部空所を構成する固体電解質とこれに接して設
けられた一対の第2のポンプ電極からなる第2の電気化
学的ポンプセルと、前記第2の内部空所を構成する固体
電解質とこれに接して設けられた一対の第2の測定電極
からなる第2の電気化学的センサセルと、前記第2の内
部空所で酸素濃度を所定の値に調整されたガスを所定の
拡散抵抗の下に導く第3の拡散律速部と、前記第3の拡
散律速部を通じて導かれた被測定ガス中の結合酸素を有
する成分の還元又は分解により発生する酸素によって規
定される酸素分圧に対応した起電力を出力する第3の電
気化学的センサセルと、前記第3の電気化学的センサセ
ルから出力される前記起電力を検出する電圧検出手段を
設けて構成する。
【0046】これにより、まず、被測定ガスは、第1の
拡散律速部を通じて所定の拡散抵抗の下に第1の内部空
所に導かれる。第1の内部空所に導かれた被測定ガス
は、第1の電気化学的ポンプセルでのポンピング作用に
よって所定の酸素濃度に調整される。
【0047】前記第1の電気化学的ポンプセルにて所定
の酸素濃度に調整されたガスは、第2の拡散律速部を通
じて所定の拡散抵抗の下に第2の内部空所に導かれる。
第2の内部空所に導かれたガスは、第2の電気化学的ポ
ンプセルでのポンピング作用によって所定の酸素濃度に
微調整される。
【0048】前記第2の電気化学的ポンプセルにて所定
の酸素濃度に微調整されたガスは、第3の拡散律速部を
通じて所定の拡散抵抗の下に第3の電気化学的センサセ
ルに導かれる。この第3の電気化学的センサセルにおい
ては、導かれた被測定ガス中の結合酸素を有する成分を
還元又は分解し、その際に発生する酸素によって規定さ
れる酸素分圧に対応した起電力を出力する。
【0049】そして、前記第3の電気化学的センサセル
から出力される起電力が電圧検出手段にて検出され、こ
の検出値(電圧値)に基づいて被測定ガス中の特定成分
量が求められることとなる。
【0050】前記動作が行われている間に、被測定ガス
中の酸素濃度が大きく(0〜20%)変化すると、第1
の内部空所に導かれる被測定ガスの酸素濃度分布が大き
く変化し、第2の内部空所に導かれる酸素量も変化す
る。
【0051】第2の内部空所に導かれる酸素の濃度は、
第2の電気化学的ポンプセルにて微調整されることにな
るが、第1の内部空所における第1の電気化学的ポンプ
セルでのポンピング動作によって、前記第2の内部空所
に導かれる酸素の濃度変化は、被測定ガス(第1の内部
空所に導かれる被測定ガス)における酸素の濃度変化よ
りも大幅に縮小されるため、第2の内部空所での酸素濃
度を精度良く一定に制御することができる。
【0052】この場合、第2の内部空所における第2の
電気化学的センサセルに基づいて、第2の電気化学的ポ
ンプセルのポンピング動作をフィードバック制御するこ
とにより、前記第2の内部空所における酸素濃度を更に
精度良く制御することができる。
【0053】このように、前記第2の内部空所におい
て、その酸素濃度が一定となるように精度良く制御され
ることから、第3の電気化学的センサセルに導かれる酸
素の濃度は、前記被測定ガス(第1の内部空所に導かれ
る被測定ガス)における酸素濃度変化の影響を受け難く
なり、その結果、電圧検出手段にて検出される電圧値
は、前記被測定ガスにおける酸素の濃度変化に影響され
ず、被測定ガス中に存在する目的成分量に正確に対応し
た値となる。
【0054】即ち、この請求項8記載の本発明に係るガ
スセンサにおいても、被測定ガス中に存在する目的成分
量の検出感度に対する排気ガス中の酸素の濃度変化の干
渉を防止することができ、被測定ガス成分の測定精度の
向上を図ることができる。
【0055】特に、この請求項8記載の本発明に係るガ
スセンサにおいては、第3の電気化学的センサセルにお
いて、被測定ガス成分の還元又は分解により発生する酸
素によって規定される酸素分圧に対応した起電力が出力
され、後段の電圧検出手段にて電圧値として検出される
ことから、低濃度の被測定ガス成分の測定に際して、僅
かな酸素発生量であっても、起電力の大きな変化として
測定することができ、検出感度の高S/Nを実現するこ
とができる。
【0056】そして、前記請求項8記載の本発明に係る
ガスセンサにおいて、前記第3の拡散律速部を介して被
測定ガス雰囲気と連通する第3の内部空所を設け、前記
第3の電気化学的センサセルを前記第3の内部空所を構
成する固体電解質とこれに接して設けられた一対の第3
の測定電極にて構成するようにしてもよい(請求項9記
載の発明)。
【0057】この場合、前記第3の電気化学的センサセ
ルにおいて、被測定ガス成分の還元又は分解により発生
する酸素によって規定される第3の内部空所内の雰囲気
の酸素分圧に対応した起電力が出力されることになる。
そして、前記第2の内部空所において、その酸素濃度が
一定となるように精度良く制御されることとも相俟っ
て、第3の内部空所に導かれる酸素の濃度は、前記被測
定ガス(第1の内部空所に導かれる被測定ガス)におけ
る酸素濃度変化の影響を受け難くなり、その結果、電圧
検出手段にて検出される電圧値は、前記被測定ガスにお
ける酸素の濃度変化に影響されず、被測定ガス中に存在
する目的成分量に正確に対応した値となる。
【0058】また、前記請求項8記載の本発明に係るガ
スセンサにおいて、前記第3の電気化学的センサセル
を、前記第2の内部空所を構成する固体電解質とこれに
接して設けられた一対の第3の測定電極にて構成するよ
うにしてもよい(請求項10記載の発明)。
【0059】この場合、第3の電気化学的センサセルを
設けるための新たな内部空所を設ける必要がないため、
ガスセンサ全体の構造の小型化を促進させることができ
る。
【0060】また、前記構成において、前記一対の第3
の測定電極のうち、前記第2の内部空所における第3の
測定電極を前記第2の内部空所内に露呈、即ち、第3の
拡散律速部を省略するようにしてもよい(請求項11記
載の発明)。つまり、第2の内部空所内における第2の
ポンプ電極と第3の測定電極との配置関係を適宜調整す
ることで第3の拡散律速部を省略することが可能とな
る。この場合、前記第3の測定電極を囲むように第3の
拡散律速部を形成する必要がなくなるため、製造工程の
簡略化を図ることができる。
【0061】そして、前記構成において、前記一対の第
2の測定電極と前記一対の第3の測定電極のうち、前記
第2の内部空所における第2の測定電極と第3の測定電
極を互いに平行に配置するようにしてもよい(請求項1
2記載の発明)。
【0062】この場合、被測定ガス成分の濃度を起電力
にて測定する際に、第2の測定電極と第3の測定電極が
近接することとなるため、第2の測定電極近傍の酸素濃
度をより正確に制御でき、第2の内部空所に第3の電気
化学的センサセルを設けたとしても、被測定ガス中に存
在する目的成分量を正確に測定することが可能となる。
【0063】また、前記構成において、前記一対の第2
のポンプ電極と前記一対の第2の測定電極のうち、前記
第2の内部空所における第2のポンプ電極と第2の測定
電極を共通にしてもよい(請求項13記載の発明)。
【0064】この場合、第2の内部空所に電極を形成す
るための面積を広くとる必要がなくなるため、ガスセン
サ自体の構造を小型化できる。また、同じサイズに設定
した場合は、第2の内部空所の容積を広くとることがで
き、第2の電気化学的ポンプセルにおけるポンプ機能を
高めることが可能となり、第2の内部空所での酸素濃度
の微調整をより精度良く行うことができる。
【0065】また、ポンプ電極と測定電極を共通化して
いることから、例えば第2の内部空所における第2の電
気化学的ポンプセルによる酸素の汲み出し量が変化し
て、第2の内部空所における酸素濃度が変化すると、第
2の電気化学的センサセルでの測定電圧も時間遅れなく
変化するため、第2の電気化学的センサセルの第2の電
気化学的ポンプセルに対するフィードバック制御を発振
を伴うことなく良好に行うことができる。
【0066】なお、請求項8〜13記載のガスセンサに
おいて、前記第1の内部空所内における第1のポンプ電
極及び第1の測定電極並びに前記第2の内部空所内にお
ける第2のポンプ電極及び第2の測定電極の材料に、被
測定ガス中のNOxに対する還元能力を低めた、あるい
は還元能力がない材料を用いることが好ましい。この場
合、前記被測定ガス中のNOxに対する還元能力を低め
た、あるいは還元能力がない材料として、AuとZrO
2 のサーメット、あるいはAuとPt族元素の合金とZ
rO2 のサーメットを用いることができる。
【0067】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るガスセンサを
例えば車両の排気ガスや大気中に含まれるNO,N
2 ,SO2 、CO2 、H2 O等の酸化物や、CO,C
nHm等の可燃ガスを測定するガスセンサに適用したい
くつかの実施の形態例を図1〜図11を参照しながら説
明する。
【0068】第1の実施の形態に係るガスセンサは、図
1に示すように、ZrO2 等の酸素イオン伝導性固体電
解質を用いたセラミックによりなる例えば6枚の固体電
解質層10a〜10fが積層されて構成され、下から1
層目及び2層目が第1及び第2の基板層10a及び10
bとされ、下から3層目及び5層目が第1及び第2のス
ペース層10c及び10eとされ、下から4層目及び6
層目が第1及び第2の固体電解質層10d及び10fと
されている。
【0069】具体的には、第2の基板層10b上に第1
のスペース層10cが積層され、更に、この第1のスペ
ース層10c上に第1の固体電解質層10d、第2のス
ペース層10e及び第2の固体電解質層10fが順次積
層されている。
【0070】第2の基板層10bと第1の固体電解質層
10dとの間には、酸化物測定の基準となる基準ガス、
例えば大気が導入される空間(基準ガス導入空間12)
が、第1の固体電解質層10dの下面、第2の基板層1
0bの上面及び第1のスペース層10cの側面によって
区画、形成されている。
【0071】また、第1及び第2の固体電解質層10d
及び10f間に第2のスペース層10eが挟設されると
共に、第1、第2及び第3の拡散律速部14、16及び
18が挟設されている。
【0072】そして、第2の固体電解質層10fの下
面、第1及び第2の拡散律速部14及び16の側面並び
に第1の固体電解質層10dの上面にて被測定ガス中の
酸素分圧を調整するための第1の内部空所20が区画、
形成され、第2の固体電解質層10fの下面、第2及び
第3の拡散律速部16及び18の側面並びに第1の固体
電解質層10dの上面にて被測定ガス中の酸素分圧を微
調整するための第2の内部空所22が区画、形成され、
第2の固体電解質層10fの下面、第3の拡散律速部1
8の側面及び第2のスペース層10eの側面並びに第1
の固体電解質層10dの上面にて被測定ガス中の酸化
物、例えば窒素酸化物(NOx)を測定するための第3
の内部空所24が区画、形成される。
【0073】外部空間と前記第1の内部空所20は、第
1の拡散律速部14を介して連通され、第1の内部空所
20と第2の内部空所22は、前記第2の拡散律速部1
6を介して連通され、第2の内部空所22と第3の内部
空所24は、前記第3の拡散律速部18を介して連通さ
れている。
【0074】ここで、前記第1、第2及び第3の拡散律
速部14、16及び18は、第1の内部空所20、第2
の内部空所22及び第3の内部空所24にそれぞれ導入
される被測定ガスに対して所定の拡散抵抗を付与するも
のであり、例えば、被測定ガスを導入することができる
多孔質材料又は所定の断面積を有した小孔からなる通路
として形成することができる。
【0075】特に、第2及び第3の拡散律速部16及び
18内には、ZrO2 等からなる多孔質体が充填、配置
されて、これら第2及び第3の拡散律速部16及び18
の拡散抵抗が前記第1の拡散律速部14における拡散抵
抗よりも大きくされている。
【0076】そして、前記第2の拡散律速部16を通じ
て、第1の内部空所20内の雰囲気が所定の拡散抵抗の
下に第2の内部空所22内に導入されるようになってお
り、更に、第2の内部空所22内の雰囲気が所定の拡散
抵抗の下に第3の内部空所24内に導入されるようにな
っている。
【0077】また、前記第2の固体電解質層10fの下
面のうち、前記第1の内部空所20を形づくる下面全面
に、平面ほぼ矩形形状の多孔質サーメット電極からなる
第1の内側ポンプ電極26が形成され、前記第2の固体
電解質層10fの上面のうち、前記第1の内側ポンプ電
極26に対応する部分に、第1の外側ポンプ電極28が
形成されており、これら第1の内側ポンプ電極26、第
1の外側ポンプ電極28及び第2の固体電解質層10f
にて第1の電気化学的ポンプセル30が構成されてい
る。
【0078】そして、前記第1の電気化学的ポンプセル
30における第1の内側ポンプ電極26と第1の外側ポ
ンプ電極28間に、外部の可変電源32を通じて所望の
電圧Vp1を印加して、第1の外側ポンプ電極28から
第1の内側ポンプ電極26の方向にポンプ電流を流すこ
とにより、第1の内部空所20内の雰囲気中の酸素を外
部の外部空間に汲み出せるようになっている。
【0079】また、前記第1の固体電解質層10dの上
面のうち、前記第1の内部空所20を形づくる上面であ
って、かつ第2の拡散律速部16に近接する部分に、平
面ほぼ矩形形状の多孔質サーメット電極からなる第1の
測定電極34が形成され、前記第1の固体電解質層10
dの下面のうち、基準ガス導入空間12に露呈する部分
であって、かつ前記第1の測定電極34に対応する部分
に、第1の基準電極36が形成されており、これら第1
の測定電極34、第1の基準電極36及び第1の固体電
解質層10dによって、酸素分圧検出手段としての第1
の電気化学的センサセル38が構成されている。
【0080】この第1の電気化学的センサセル38は、
第1の内部空所20内の雰囲気と基準ガス導入空間12
内の基準ガス(大気)との間の酸素濃度差に基づいて、
第1の測定電極34と第1の基準電極36との間に発生
する起電力を電圧計V1にて測定することにより、前記
第1の内部空所20内の雰囲気の酸素分圧が検出できる
ようになっている。
【0081】検出された酸素分圧値は可変電源32をフ
ィードバック制御するために使用され、具体的には、第
1の内部空所20内の雰囲気の酸素分圧が、次の第2の
内部空所22において酸素分圧の制御を行い得るのに十
分な低い所定の値となるように、第1の電気化学的ポン
プセル30のポンプ動作が制御される。
【0082】なお、前記第1の内側ポンプ電極26及び
第1の外側ポンプ電極28を構成する多孔質サーメット
電極は、Pt等の金属とZrO2 等のセラミックスとか
ら構成されることになるが、被測定ガスに接触する第1
の内部空所20内に配置される第1の内側ポンプ電極2
6及び第1の測定電極34は、測定ガス中のNOx成分
に対する還元能力を弱めた、あるいは還元能力のない材
料を用いる必要があり、例えばLa3 CuO4 等のペロ
ブスカイト構造を有する化合物、あるいはAu等の触媒
活性の低い金属とセラミックスのサーメット、あるいは
Au等の触媒活性の低い金属とPt族金属とセラミック
スのサーメットで構成されることが好ましい。更に、電
極材料にAuとPt族金属の合金を用いる場合は、Au
添加量を金属成分全体の0.03〜35vol%にする
ことが好ましい。
【0083】一方、前記第2の固体電解質層10fの下
面のうち、前記第2の内部空所22を形づくる下面全面
には、平面ほぼ矩形形状の多孔質サーメット電極からな
る第2の内側ポンプ電極40が形成され、前記第2の固
体電解質層10fの上面のうち、前記第2の内側ポンプ
電極40に対応する部分に、第2の外側ポンプ電極42
が形成されており、これら第2の内側ポンプ電極40、
第2の外側ポンプ電極42及び第2の固体電解質層10
fにて第2の電気化学的ポンプセル44が構成されてい
る。
【0084】そして、前記第2の電気化学的ポンプセル
44における第2の内側ポンプ電極40と第2の外側ポ
ンプ電極42間に、外部の可変電源46を通じて所望の
電圧Vp2を印加して、第2の外側ポンプ電極42から
第2の内側ポンプ電極40の方向に電流を流すことによ
り、第2の内部空所22内の雰囲気中の酸素を外部空間
に汲み出せるようになっている。これによって、第2の
内部空所22内の雰囲気の酸素分圧が、実質的に被測定
ガス成分(NOx)が還元又は分解され得ない状況下
で、かつ目的成分量の測定に実質的に影響がない低い酸
素分圧値に制御される。この場合、第1の内部空所20
における第1の電気化学的ポンプセル30の働きによ
り、この第2の内部空所22内に導入される酸素の量の
変化は、被測定ガスの変化よりも大幅に縮小されるた
め、第2の内部空所22における酸素分圧は精度良く一
定に制御される。
【0085】そして、この第1の実施の形態に係るガス
センサにおいては、前記第1の固体電解質層10dの上
面のうち、前記第2の内部空所22を形づくる上面であ
って、かつ第3の拡散律速部18に近接する部分に、平
面ほぼ矩形形状の多孔質サーメット電極からなる第2の
測定電極48が形成され、前記第1の固体電解質層10
dの下面のうち、基準ガス導入空間12に露呈する部分
であって、かつ前記第2の測定電極48に対応する部分
に、第2の基準電極50が形成されており、これら第2
の測定電極48、第2の基準電極50及び第1の固体電
解質層10dによって、酸素分圧検出手段としての第2
の電気化学的センサセル52が構成されている。
【0086】この第2の電気化学的センサセル52は、
第2の内部空所22内の雰囲気と基準ガス導入空間12
内の基準ガス(大気)との間の酸素濃度差に基づいて、
第2の測定電極48と第2の基準電極50との間に発生
する起電力を電圧計V2にて測定することにより、前記
第2の内部空所22内の雰囲気の酸素分圧が検出できる
ようになっている。
【0087】検出された酸素分圧値は可変電源46をフ
ィードバック制御するために使用される。これによっ
て、第2の内部空所22内における酸素分圧に対する前
記第2の電気化学的ポンプセル44による制御がより精
度良く行われることになる。
【0088】更に、この第1の実施の形態に係るガスセ
ンサにおいては、前記第1の固体電解質層10dの上面
のうち、前記第3の内部空所24を形づくる上面のほぼ
全面に、平面ほぼ矩形形状の多孔質サーメット電極から
なる第3の内側ポンプ電極54が形成され、前記第1の
固体電解質層10dの下面のうち、基準ガス導入空間1
2に露呈する部分であって、かつ前記第3の内側ポンプ
電極54に対応する部分に、第3の外側ポンプ電極56
が形成されており、これら第3の内側ポンプ電極54、
第3の外側ポンプ電極56及び第1の固体電解質層10
dによって、第3の電気化学的ポンプセル58が構成さ
れている。
【0089】前記第3の内側ポンプ電極54は、被測定
ガス成分たるNOxを還元し得る金属であるRhとセラ
ミックスとしてのジルコニアからなる多孔質サーメット
にて構成され、これによって、第3の内部空所24内の
雰囲気中に存在するNOxを還元するNOx還元触媒と
して機能するほか、前記第3の外側ポンプ電極56との
間に、直流電源60を通じて一定電圧Vp3が印加され
ることによって、第3の内部空所24内の雰囲気中の酸
素を基準ガス導入空間12に汲み出せるようになってい
る。この第3の電気化学的ポンプセル58のポンプ動作
によって流れるポンプ電流は、電流計Ipによって検出
されるようになっている。
【0090】前記定電圧(直流)電源60は、第3の拡
散律速部18により制限されたNOxの流入下におい
て、第3の電気化学的ポンプセル58で分解時に生成し
た酸素のポンピングに対して限界電流を与える大きさの
電圧を印加できるようになっている。
【0091】なお、この第1の実施の形態に係るガスセ
ンサは、第1及び第2の基板層10a及び10bにて上
下から挟まれた形態において、外部からの給電によって
発熱するヒータ62が埋設されている。このヒータ62
は、酸素イオンの伝導性を高めるために設けられるもの
で、該ヒータ62の上下面には、基板層10a及び10
bとの電気的絶縁を得るために、アルミナ等のセラミッ
クス層64が形成されている。
【0092】更に、前記ヒータ62は、図示するよう
に、第1の内部空所20から第3の内部空所24の全体
にわたって配設されており、これによって、各内部空所
20、22及び24がそれぞれ所定の温度に加熱され、
併せて第1、第2及び第3の電気化学的ポンプセル3
0、44及び58並びに第1及び第2の電気化学的セン
サセル38及び52も所定の温度に加熱、保持されるよ
うになっている。
【0093】そして、この第1の実施の形態に係るガス
センサにおいては、その先端部側が外部空間に配置さ
れ、これによって、被測定ガスは、第1の拡散律速部1
4を通じて所定の拡散抵抗の下に、第1の内部空所20
に導入される。この第1の内部空所20に導入された被
測定ガスは、第1の電気化学的ポンプセル30を構成す
る一対のポンプ電極26及び28間に所定の電圧Vp1
が印加されることによって引き起こされる酸素のポンピ
ング作用を受け、その酸素分圧が所定の値、例えば10
-7atmとなるように制御される。
【0094】第1の内部空所20内の雰囲気の酸素分圧
が所定の値になるように制御するためには、ネルンスト
の式に基づいて、第1の電気化学的センサセル38にお
ける第1の測定電極34と第1の基準電極36との間の
起電力を電圧計V1にて測定し、その電圧値が例えば3
00mV(700℃)となるように、第1の電気化学的
ポンプセル30の一対のポンプ電極26及び28間に印
加する電圧(可変電源32)をフィードバック制御する
ことによって、目的とする10-7atmの酸素分圧とな
るように制御が行われる。
【0095】即ち、第1の電気化学的センサセル38か
ら出力される起電力が、第1の内部空所20における所
望の酸素濃度と基準ガスの酸素濃度との差に相当する起
電力となるように、第1の電気化学的ポンプセル30に
印加される電圧Vp1を制御すればよい。
【0096】なお、第1の拡散律速部14は、第1の電
気化学的ポンプセル30に電圧Vp1を印加した際、被
測定ガス中の酸素が測定空間(第1の内部空所20)に
拡散流入する量を絞り込んで、第1の電気化学的ポンプ
セル30に流れる電流を抑制する働きをしている。
【0097】また、第1の内部空所20内においては、
外部の被測定ガスによる加熱、更にはヒータ62による
加熱環境下においても、第1の内側ポンプ電極26や第
1の測定電極34にて雰囲気中のNOxが還元されない
酸素分圧下の状態、例えばNO→1/2N2 +1/2O
2 の反応が起こらない酸素分圧下の状況が形成されてい
る。これは、第1の内部空所20内において、被測定ガ
ス(雰囲気)中のNOxが還元されると、後段の第3の
内部空所24内でのNOxの正確な測定ができなくなる
からであり、この意味において、第1の内部空所20内
において、NOxの還元に関与する成分(ここでは、第
1の内側ポンプ電極26や第1の測定電極34の金属成
分)にてNOxが還元され得ない状況を形成する必要が
ある。具体的には、第1の内側ポンプ電極26及び第1
の測定電極34にNOx還元性の低い材料、例えばAu
とPtの合金を用いることで達成される。
【0098】そして、前記第1の内部空所20内のガス
は、第2の拡散律速部16を通じて所定の拡散抵抗の下
に、第2の内部空所22に導入される。この第2の内部
空所22に導入されたガスは、第2の電気化学的ポンプ
セル44を構成する一対のポンプ電極40及び42間に
所定の電圧Vp2が印加されることによって引き起こさ
れる酸素のポンピング作用を受け、その酸素分圧が常に
一定の低い酸素分圧値となるように制御される。
【0099】第2の内部空所22内の雰囲気の酸素分圧
が所定の低い値になるように制御するためには、ネルン
ストの式に基づいて、第2の電気化学的センサセル52
における第2の測定電極48と第2の基準電極50との
間の起電力を電圧計V2にて測定し、その電圧値が例え
ば430mV(700℃)となるように、第2の電気化
学的ポンプセル44の一対のポンプ電極40及び42間
に印加する電圧(可変電源46)をフィードバック制御
することによって、一定の低い酸素分圧となるように制
御が行われる。
【0100】即ち、第2の電気化学的センサセル52か
ら出力される起電力が、第2の内部空所22における所
望の酸素濃度と基準ガスの酸素濃度との差に相当する起
電力となるように、第2の電気化学的ポンプセル44に
印加される電圧Vp2を制御すればよい。
【0101】なお、第2の拡散律速部16は、前記第1
の拡散律速部14と同様に、第2の電気化学的ポンプセ
ル44に電圧Vp2を印加した際、被測定ガス中の酸素
が測定空間(第2の内部空所22)に拡散流入する量を
絞り込んで、第2の電気化学的ポンプセル44に流れる
電流を抑制する働きをしている。
【0102】また、第2の内部空所22内においても、
第1の内部空所20内と同様に、外部の被測定ガスによ
る加熱やヒータ62による加熱環境下において、第2の
内側ポンプ電極40や第2の測定電極48によって、雰
囲気中のNOxが還元されない酸素分圧下の状態が形成
されている。このため、第2の内側ポンプ電極40及び
第2の測定電極48においても、第1の内側ポンプ電極
26や第1の測定電極34と同様に、測定ガス中のNO
x成分に対する還元能力を弱めた、あるいは還元能力の
ない材料を用いる必要があり、例えばLa3 CuO4
のペロブスカイト構造を有する化合物、あるいはAu等
の触媒活性の低い金属とセラミックスのサーメット、あ
るいはAu等の触媒活性の低い金属とPt族金属とセラ
ミックスのサーメットで構成されることが好ましい。更
に、電極材料にAuとPt族金属の合金を用いる場合
は、Au添加量を金属成分全体の0.03〜35vol
%にすることが好ましい。
【0103】そして、上述のようにして第2の内部空所
22内において酸素分圧が制御された被測定ガスは、第
3の拡散律速部18を通じて所定の拡散抵抗の下に、第
3の内部空所24内に導かれることとなる。
【0104】ところで、前記第1の電気化学的ポンプセ
ル30を動作させて第1の内部空所20内の雰囲気の酸
素分圧をNOx測定に実質的に影響がない低い酸素分圧
値に制御しようとしたとき、換言すれば、第1の電気化
学的センサセル38にて検出される電圧が一定となるよ
うに、可変電源32の電圧Vp1を調整したとき、被測
定ガス中の酸素濃度が大きく、例えば0〜20%に変化
すると、通常、第2の内部空所22内の雰囲気及び第3
の内部空所24内の雰囲気の各酸素分圧は、僅かに変化
するようになる。これは、被測定ガス中の酸素濃度が高
くなると、第1の測定電極34上の第1の内部空所20
の幅方向及び厚み方向に酸素濃度分布が生じ、この酸素
濃度分布が被測定ガス中の酸素濃度により変化するため
であると考えられる。
【0105】しかし、前記第1の実施の形態に係るガス
センサにおいては、第2の内部空所22に対して、その
内部の雰囲気の酸素分圧を常に一定に低い酸素分圧値と
なるように、第2の電気化学的ポンプセル44を設ける
ようにしているため、第1の内部空所20から第2の内
部空所22に導入される雰囲気の酸素分圧が被測定ガス
の酸素濃度に応じて変化しても、前記第2の電気化学的
ポンプセル44のポンプ動作によって、第2の内部空所
22内の雰囲気の酸素分圧を常に一定の低い値とするこ
とができ、その結果、NOxの測定に実質的に影響がな
い低い酸素分圧値に制御することができる。
【0106】そして、第3の内部空所24内に導入され
た被測定ガスのNOxは、第3の電気化学的ポンプセル
58の第3の内側ポンプ電極54の周りにおいて還元又
は分解されて、例えばNO→1/2N2 +1/2O2
反応が引き起こされる。このとき、第3の電気化学的ポ
ンプセル58を構成する第3の内側ポンプ電極54と第
3の外側ポンプ電極56との間には、酸素が第3の内部
空所24から基準ガス導入空間12側に汲み出される方
向に、所定の電圧Vp3、例えば430mV(700
℃)が印加される。
【0107】従って、第3の電気化学的ポンプセル58
に流れるポンプ電流は、第3の内部空所24に導かれる
雰囲気中の酸素濃度、即ち、第2の内部空所22内の酸
素濃度と第3の内側ポンプ電極54にてNOxが還元又
は分解されて発生した酸素濃度との和に比例した値とな
る。
【0108】この場合、第2の内部空所22内の雰囲気
中の酸素濃度は、第2の電気化学的ポンプセル44にて
一定に制御されていることから、図2に示すように、前
記第3の電気化学的ポンプセル58に流れるポンプ電流
は、NOxの濃度に比例することになる。また、このN
Oxの濃度は、第3の拡散律速部18に制限されるNO
xの拡散量に対応していることから、被測定ガスの酸素
濃度が大きく変化したとしても、第3の電気化学的ポン
プセル58から電流計Ipを通じて正確にNOx濃度を
測定することが可能となる。
【0109】例えば、第2の電気化学的ポンプセル44
にて制御された第2の内部空所22内の雰囲気の酸素分
圧が0.02ppmで、被測定ガス中のNOx成分たる
NO濃度が100ppmとすると、NOが還元又は分解
されて発生する酸素濃度50ppmと第2の内部空所2
2内の雰囲気中の酸素濃度0.02ppmとの和(=5
0.02ppm)に相当するポンプ電流が流れることと
なる。従って、第3の電気化学的ポンプセル58におけ
るポンプ電流値は、ほとんどがNOが還元又は分解され
た量を表し、そのため、被測定ガス中の酸素濃度に依存
するようなこともない。
【0110】図3は、前記第1の実施の形態に係るガス
センサと同じ構成を有する第1実施例と、第2の内部空
所22並びに第2の電気化学的ポンプセル44及び第2
の電気化学的センサセル52を有しない構成の比較例を
用意し、基本ガス成分がN2−NO−O2 −H2 O系で
あって、NOx成分たるNO濃度を300ppmに固定
し、N2 をキャリアガスとした被測定ガス中の酸素濃度
を0〜20%に変化させたときの第3の電気化学的ポン
プセル58におけるポンプ電流の変化を示している。こ
の図3において、第1実施例の特性曲線を実線で示し、
比較例の特性曲線を一点鎖線で示してある。
【0111】なお、第1実施例においては、第1の電気
化学的ポンプセル30のポンプ電圧を300mV(70
0℃)、第2及び第3の電気化学的ポンプセル44及び
58のポンプ電圧を430mV(700℃)とし、比較
例においては、第1の電気化学的ポンプセル30のポン
プ電圧を300mV(700℃)、第3の電気化学的ポ
ンプセル58のポンプ電圧を430mV(700℃)と
している。
【0112】この図3の結果から明らかなように、第1
実施例においては、被測定ガス中の酸素濃度が変化して
も、NOの還元又は分解によるポンプ電流の変化が認め
られず、従って、被測定ガス中の酸素濃度の変化に拘わ
らず、NO濃度に対応した正確なポンプ電流値を得るこ
とができる。
【0113】これに対して、比較例においては、被測定
ガス中の酸素濃度が増加するにつれて、第3の電気化学
的ポンプセル58におけるポンプ電流値も漸次増加し、
このため、ポンプ電流値からNO濃度を正確に求めるこ
とが困難になることが理解される。
【0114】また、上述のように、被測定ガス中の酸素
濃度の変化による影響を受けることなく、NO濃度を正
確に測定できることは、測定感度のS/Nが大きくなる
ことにつながり、低濃度の被測定ガス成分でも測定が可
能になる。
【0115】なお、前記第1の実施の形態に係るガスセ
ンサにおいて、第1の内部空所20内及び第2の内部空
所22内に配置される第1及び第2の内側ポンプ電極2
6及び40や第1及び第2の測定電極34及び48は、
各内部空所20及び22内における周囲温度と制御され
る酸素分圧下において、それぞれの雰囲気中の被測定ガ
ス成分(NOx)を還元又は分解しないものである必要
があり、このため、被測定ガス成分に対する還元性又は
分解性のない、若しくは低い電極金属、例えばAu、N
i等が用いられ、そのような金属のサーメット電極や、
Pt、Pd、Rh等の貴金属に前記Au、Ni等の触媒
性のない金属を添加してなる合金を用い、サーメット電
極としたもの等が有利に用いられる。
【0116】また、第3の内部空所24内に配置される
第3の内側ポンプ電極54にあっても、第3の内部空所
24の環境温度及び酸素分圧下において、雰囲気中の被
測定ガス成分(NOx)を還元又は分解し得るRh、P
t等のサーメット電極とすることが望ましい。
【0117】もちろん、前記第3の内側ポンプ電極54
として、通常の電極上に、Rh又はPt電極、あるいは
アルミナ等のセラミックスの多孔質体にNOx還元金属
を担持させた触媒体を積層、配置させたものや、Pt電
極上にRh触媒電極を配置したもの等を用いることがで
きる。
【0118】このように、前記第1の実施の形態に係る
ガスセンサに設けられる各電極、特に、内部空所に配さ
れる内側ポンプ電極や測定電極は、電極金属と適当なセ
ラミックスから構成されるサーメットであることが望ま
しく、また、NOx還元触媒を兼ねる第3の内側ポンプ
電極を用いる場合にあっては、RhやPt等のNOxを
還元し得る金属とセラミックスとからなる多孔質サーメ
ット電極とされることが望ましい。
【0119】また、NOx還元触媒は、第3の内部空所
24内の酸素を汲み出すための第3の電気化学的ポンプ
セル58における第3の内側ポンプ電極54に近接して
設けたり、また、Rh等からなるNOx還元触媒を担持
した多孔質アルミナ等を第3の内側ポンプ電極54上に
印刷等で積層して、該電極上にNOx還元触媒層を形成
することも可能である。
【0120】次に、前記第1の実施の形態に係るガスセ
ンサの変形例について図4を参照しながら説明する。な
お、図1と対応するものについては同符号を記してその
重複説明を省略する。
【0121】この変形例に係るガスセンサは、前記第1
の実施の形態に係るガスセンサとほぼ同様の構成を有す
るが、第3の電気化学的ポンプセル58に代えて、第3
の電気化学的センサセル70が設けられている点で異な
る。
【0122】この第3の電気化学的センサセル70は、
第1の固体電解質層10dの上面のうち、前記第3の内
部空所24を形づくる上面に形成された第3の測定電極
72と、前記第1の固体電解質層10dの下面のうち、
基準ガス導入空間12に露呈する部分であって、かつ前
記第3の測定電極72に対応する部分に形成された第3
の基準電極74と、前記第1の固体電解質層10dによ
って構成されている。
【0123】この場合、前記第3の電気化学的センサセ
ル70における第3の測定電極72と第3の基準電極7
4との間に、第3の測定電極72の周りの雰囲気と第3
の基準電極74の周りの雰囲気との間の酸素濃度差に応
じた起電力が発生することとなる。
【0124】従って、前記各電極72及び74間に発生
する起電力を電圧計V3にて測定することにより、第3
の測定電極72の周りの雰囲気の酸素分圧、換言すれ
ば、被測定ガス成分(NOx)の還元又は分解によって
発生する酸素によって規定される酸素分圧が電圧値とし
て検出される。
【0125】ここで、被測定ガス成分であるNOxのN
O濃度が0ppmのとき、第1の内部空所20内の雰囲
気中の酸素濃度を第1の電気化学的ポンプセル30にお
けるポンプ電圧が300mVに相当する値(10-7at
m)に制御すると、第3の内部空所24内の雰囲気中の
酸素をポンピングしなければ、該第3の内部空所24内
の雰囲気中の酸素濃度も10-7atmとなり、第3の測
定電極72と第3の基準電極74との間の起電力は、3
00mVとなる。
【0126】そこで、例えば、10ppmのNOが被測
定ガス中に存在すると、第3の測定電極72も上述した
第3の電気化学的ポンプセル58(図1参照)における
第3の内側ポンプ電極54と同様に、NOx還元触媒と
して機能することから、前記第3の測定電極72では、
NOの還元又は分解反応が引き起こされ、第3の測定電
極72の周りの雰囲気中の酸素濃度が上がり、これによ
って、第3の測定電極72と第3の基準電極74間に発
生する起電力が低下することとなる。そして、この起電
力の低下の度合いが、NO濃度を表すことになる。
【0127】即ち、第3の測定電極72と第3の基準電
極74と第1の固体電解質層10dとから構成される第
3の電気化学的センサセル70から出力される起電力
が、被測定ガス中のNO濃度を表すことになる。
【0128】図5は、前記変形例に係るガスセンサと同
じ構成を有する第2実施例と、第2の内部空所22並び
に第2の電気化学的ポンプセル44及び第2の電気化学
的センサセル52を有しない構成の比較例を用意し、基
本ガス成分がN2 −O2 −H 2 O系である被測定ガス中
の酸素濃度を0〜20%に変化させたときの第3の電気
化学的センサセル70から発生する起電力の変化を示し
ている。この被測定ガス中にNO成分が含まれていない
のは、被測定ガス中の酸素濃度のみを変化させた場合
に、起電力がどのように変化するかを正確に測定するた
めである。
【0129】この図5において、第2実施例の特性曲線
を実線で示し、比較例の特性曲線を一点鎖線で示してあ
る。なお、第2実施例においては、第1の電気化学的ポ
ンプセル30のポンプ電圧を300mV、第2の電気化
学的ポンプセル44のポンプ電圧を430mVとし、比
較例においては、第1の電気化学的ポンプセル30のポ
ンプ電圧を300mVとしている。
【0130】この図5の結果から明らかなように、比較
例においては、起電力は、被測定ガス中の酸素濃度が高
くなるに従って低下し、例えば酸素濃度が0%の場合、
起電力は430mVであるが、酸素濃度が20%になる
と、起電力は280mVとなり、150mVもの大きな
変化を示す。これにより、比較例においては、第3の電
気化学的センサセル70の起電力からNO濃度を正確に
求めることが困難であることが理解される。
【0131】これに対して、第2実施例においては、第
2の電気化学的ポンプセル44のポンプ動作により、被
測定ガス中の酸素濃度が0〜20%に変化しても、第3
の電気化学的センサセル70から発生する起電力の変化
はほとんどない。これにより、被測定ガス中にNO成分
を含めた場合において、そのNO量に応じた起電力が、
第3の電気化学的センサセル70を構成する第3の測定
電極72と第3の基準電極74との間に発生し、この起
電力を検出することによって、正確なNO量を求めるこ
とができる。
【0132】次に、第2の実施の形態に係るガスセンサ
について図6及び図7を参照しながら説明する。なお、
図1と対応するものについては同符号を記してその重複
説明を省略する。
【0133】この第2の実施の形態に係るガスセンサ
は、図6に示すように、前記第1の実施の形態に係るガ
スセンサの変形例とほぼ同様の構成を有するが、第2の
内部空所22と第3の内部空所24とが一体化されて、
一つの平面ほぼ矩形状の平坦空間からなる合体内部空所
80とされている点で異なる。即ち、第2の固体電解質
層10fの下面、第2の拡散律速部16の側面及び第2
のスペース層10eの側面並びに第1の固体電解質層1
0dの上面にて前記合体内部空所80が区画、形成され
ている。
【0134】そして、前記第2の固体電解質層10fの
下面のうち、前記合体内部空所80を形づくる下面全面
に、平面ほぼ矩形形状の多孔質サーメット電極からなる
第2の内側ポンプ電極40が形成され、前記第1の固体
電解質層10dの上面のうち、前記合体内部空所80を
形づくる上面であって、かつ第2の拡散律速部16から
離間した部分に、平面ほぼ矩形形状の多孔質サーメット
電極からなる第2の測定電極48が形成されている。
【0135】また、前記第1の固体電解質層10dの上
面のうち、前記合体内部空所80を形づくる上面で、か
つ前記第2の測定電極48が形成されていない部分に、
平面ほぼ矩形形状の多孔質サーメット電極からなる第3
の測定電極72が形成され、この第3の測定電極72を
被覆するように、前記第3の拡散律速部18を構成する
アルミナ膜が形成されている。
【0136】更に、この第2の実施の形態に係るガスセ
ンサにおいては、第2の固体電解質層10fの上面のう
ち、第1の内部空所20から前記合体内部空所80にわ
たる連続した部分に、前記第1の外側ポンプ電極28と
第2の外側ポンプ電極42(図1参照)とが共通化され
た外側ポンプ電極82が形成され、第1の固体電解質層
10dの下面のうち、基準ガス導入空間12に露呈する
部分であって、かつ第1の内部空所20から前記合体内
部空所80にわたる連続した部分に、前記第1の基準電
極36、第2の基準電極50及び第3の基準電極74
(図4参照)とが共通化された共通基準電極84が形成
されている。
【0137】即ち、この第2の実施の形態に係るガスセ
ンサにおいては、第2の固体電解質層10fの上面に形
成された外側ポンプ電極82と第1の内部空所20内に
形成された第1の内側ポンプ電極26と第2の固体電解
質層10fによって、第1の電気化学的ポンプセル30
が構成され、第1の固体電解質層10dの下面に形成さ
れた共通基準電極84と第1の内部空所20内に形成さ
れた第1の測定電極34と第1の固体電解質層10dに
よって、第1の電気化学的センサセル38が構成され、
第2の固体電解質層10fの上面に形成された外側ポン
プ電極82と合体内部空所80内に形成された第2の内
側ポンプ電極40と第2の固体電解質層10fによっ
て、第2の電気化学的ポンプセル44が構成され、第1
の固体電解質層10dの下面に形成された共通基準電極
84と合体内部空所80内に形成された第2の測定電極
48と第1の固体電解質層10dによって、第2の電気
化学的センサセル52が構成され、第1の固体電解質層
10dの下面に形成された共通基準電極84と合体内部
空所80内に形成された第3の測定電極72と第1の固
体電解質層10dによって、第3の電気化学的センサセ
ル70が構成されている。
【0138】特に、この第2の実施の形態に係るガスセ
ンサにおいては、図7に示すように、合体内部空所80
内において、第2の測定電極48と第3の測定電極72
とが平行に配置されて構成され、第2の測定電極48と
第3の測定電極72とが互いに近接する位置に配される
ようになっている。
【0139】次に、前記第2の実施の形態に係るガスセ
ンサの動作について説明する。まず、外部空間の被測定
ガスは、第1の拡散律速部14を通じて所定の拡散抵抗
の下に第1の内部空所20に導かれる。第1の内部空所
20に導かれた被測定ガスは、第1の電気化学的ポンプ
セル30でのポンピング作用によって所定の酸素濃度に
調整される。
【0140】前記第1の電気化学的ポンプセル30にて
所定の酸素濃度に調整されたガスは、第2の拡散律速部
16を通じて所定の拡散抵抗の下に合体内部空所80に
導かれる。合体内部空所80に導かれたガスは、第2の
電気化学的ポンプセル44でのポンピング作用によって
所定の酸素濃度に微調整される。
【0141】前記第2の電気化学的ポンプセル44にて
所定の酸素濃度に微調整されたガスは、同じ合体内部空
所80において、第3の拡散律速部18を通じて所定の
拡散抵抗の下に第3の電気化学的ポンプセル58に導か
れる。
【0142】この場合、前記第3の電気化学的センサセ
ル70における第3の測定電極72と共通基準電極84
との間に、第3の測定電極72の周りの雰囲気と共通基
準電極84の周りの雰囲気との間の酸素濃度差に応じた
起電力が発生することとなる。
【0143】従って、前記各電極72及び84間に発生
する起電力を電圧計V3にて測定することにより、第3
の測定電極72の周りの雰囲気の酸素分圧、換言すれ
ば、被測定ガス成分(NOx)の還元又は分解によって
発生する酸素により規定される酸素分圧が電圧値として
検出される。
【0144】この場合も、前記第1の実施の形態に係る
ガスセンサの変形例と同様に、被測定ガス中に存在する
目的ガス成分量の検出感度に対する排気ガス中の酸素の
濃度変化の干渉を防止することができ、被測定ガス成分
の測定精度の向上を図ることができる。
【0145】特に、この第2の実施の形態に係るガスセ
ンサにおいては、図7に示すように、合体内部空所80
に形成される第2の測定電極48と第3の測定電極72
を互いに平行に配置させて、第2の測定電極48と第3
の測定電極72を近接させるようにしているため、第2
の測定電極48近傍の酸素濃度をより正確に制御でき、
合体内部空所80に第3の電気化学的センサセル70を
設けたとしても、被測定ガス中に存在する目的成分量を
正確に測定することが可能となる。
【0146】更に、この第2の実施の形態に係るガスセ
ンサにおいては、第3の電気化学的センサセル70を設
けるための新たな内部空所(第1の実施の形態に係る第
3の内部空所24(図1参照))を設ける必要がないた
め、ガスセンサ全体の構造の小型化を促進させることが
できる。
【0147】この第2の実施の形態に係るガスセンサに
おいては、第1の実施の形態に係るガスセンサにおける
第1の外側ポンプ電極28と第2の外側ポンプ電極42
とを一つの外側ポンプ電極82にて共通化し、第1の実
施の形態に係るガスセンサにおける第1の基準電極36
と第2の基準電極50と第3の基準電極74を一つの共
通基準電極84にて共通化するようにしたので、第1の
実施の形態に係るガスセンサよりも外部に導出される端
子数を減らすことができ、配線工程の簡略化並びに周辺
回路における回路構成の簡略化を図ることができる。
【0148】また、この第2の実施の形態に係るガスセ
ンサにおいては、合体内部空所80内における第2の内
側ポンプ電極40と第3の測定電極72との配置関係を
適宜調整することで第3の拡散律速部18を省略するこ
とが可能となる。この場合、前記第3の測定電極72を
囲むように第3の拡散律速部18を形成する必要がなく
なるため、製造工程の簡略化を図ることができる。
【0149】次に、第3の実施の形態に係るガスセンサ
について図8及び図9を参照しながら説明する。なお、
図6及び図7と対応するものについては同符号を記して
その重複説明を省略する。
【0150】この第3の実施の形態に係るガスセンサ
は、図8及び図9に示すように、前記第2の実施の形態
に係るガスセンサとほぼ同様の構成を有するが、第3の
電気化学的センサセル70に代えて、第3の電気化学的
ポンプセル58が設けられている点で異なる。
【0151】具体的には、第2の固体電解質層10fの
下面のうち、合体内部空所80を形づくる下面で、かつ
第2の拡散律速部16から離間した箇所に第2の電気化
学的センサセル52における第2の測定電極48が形成
され、第1の固体電解質層10dの上面のうち、合体内
部空所80を形づくる上面で、かつ前記第2の測定電極
48に対向した位置に第3の電気化学的ポンプセル58
における第3の内側ポンプ電極54が形成されている。
【0152】この第3実施の形態に係るガスセンサの動
作を簡単に説明すると、第3の電気化学的ポンプセル5
8においては、導かれた被測定ガス中の結合酸素を有す
る成分を還元又は分解し、この還元又は分解により生じ
た酸素を汲み出すという動作が行われる。
【0153】そして、前記第3の電気化学的ポンプセル
58のポンピング動作(酸素の汲み出し)によって流れ
るポンプ電流が電流計Ipにて検出され、この電流値に
基づいて被測定ガス中の特定成分量が求められることと
なる。
【0154】前記動作が行われている間に、被測定ガス
中の酸素濃度が大きく(0〜20%)変化すると、第1
の内部空所20に導かれる被測定ガスの酸素濃度分布が
大きく変化し、合体内部空所80に導かれる酸素量も変
化する。
【0155】合体内部空所80に導かれる酸素の濃度
は、第2の電気化学的ポンプセル44にて微調整される
ことになるが、第1の内部空所20における第1の電気
化学的ポンプセル30でのポンピング動作によって、こ
の合体内部空所80に導かれる酸素の濃度変化は、被測
定ガス(第1の内部空所20に導かれる被測定ガス)に
おける酸素の濃度変化よりも大幅に縮小されるため、合
体内部空所80での酸素濃度を精度良く一定に制御する
ことができる。
【0156】この場合、合体内部空所80における第2
の電気化学的センサセル52に基づいて、第2の電気化
学的ポンプセル44のポンピング動作をフィードバック
制御するようにしているため、前記合体内部空所80に
おける酸素濃度を更に精度良く制御することができる。
【0157】このように、前記合体内部空所80におい
て、その酸素濃度が一定となるように精度良く制御され
ることから、第3の電気化学的ポンプセル58に導かれ
る酸素の濃度は、前記被測定ガス(第1の内部空所20
に導かれる被測定ガス)における酸素濃度変化の影響を
受け難くなり、その結果、第3の電気化学的ポンプセル
58での酸素の汲み出しによって電流計Ipにて検出さ
れるポンプ電流値は、前記被測定ガスにおける酸素の濃
度変化に影響されず、被測定ガス中に存在する目的成分
量に正確に対応した値となる。
【0158】即ち、この第3の実施の形態に係るガスセ
ンサにおいては、被測定ガス中に存在する目的成分量の
検出感度に対する排気ガス中の酸素の濃度変化の干渉を
防止することができ、被測定ガス成分の測定精度の向上
を図ることができる。
【0159】また、第3の電気化学的ポンプセル58を
設けるための新たな内部空所(第1の実施の形態に係る
第3の内部空所24)を設ける必要がないため、ガスセ
ンサ全体の構造の小型化を促進させることができる。し
かも、第1の実施の形態に係るガスセンサにおける第1
の外側ポンプ電極28と第2の外側ポンプ電極42とを
一つの外側ポンプ電極82にて共通化し、第1の実施の
形態に係るガスセンサにおける第1の基準電極36と第
2の基準電極50と第3の外側ポンプ電極56を一つの
共通基準電極84にて共通化するようにしたので、第1
の実施の形態に係るガスセンサよりも外部に導出される
端子数を減らすことができ、配線工程の簡略化並びに周
辺回路における回路構成の簡略化を図ることができる。
【0160】特に、この第3の実施の形態に係るガスセ
ンサにおいては、合体内部空所80における第2の測定
電極48と第3の内側ポンプ電極54を互いに対向して
配置することにより、被測定ガス成分の濃度をポンプ電
流にて測定する際に、第2の測定電極48が第3の内側
ポンプ電極54の影響を受け難い配置関係としているた
め、合体内部空所80に第3の電気化学的ポンプセル5
8を設けたとしても、被測定ガス中に存在する目的成分
量を正確に測定することが可能となる。
【0161】次に、第4の実施の形態に係るガスセンサ
について図10及び図11を参照しながら説明する。な
お、図6及び図7と対応するものについては同符号を記
してその重複説明を省略する。
【0162】この第4の実施の形態に係るガスセンサ
は、前記第3の実施の形態に係るガスセンサとほぼ同様
の構成を有するが、第1の電気化学的ポンプセル30に
おける第1の内側ポンプ電極26が第1の電気化学的セ
ンサセル38における第1の測定電極34(図8参照)
を兼用している点と、第2の電気化学的ポンプセル44
における第2の内側ポンプ電極40が第2の電気化学的
センサセル52における第2の測定電極48(図8参
照)を兼用している点で異なる。
【0163】具体的には、この第4の実施の形態に係る
ガスセンサにおいては、第2の固体電解質層10fの上
面に形成された外側ポンプ電極82と、第2の固体電解
質層10fの下面のうち、第1の内部空所20を形づく
る下面全面に形成された第1の内側ポンプ電極26との
間に可変電源32が接続され、前記第1の内側ポンプ電
極26と、第1の固体電解質層10dの下面に形成され
た共通基準電極84との間に電圧計V1が接続され、更
に、前記外側ポンプ電極82と、第2の固体電解質層1
0fの下面のうち、合体内部空所80を形づくる下面全
面に形成された第2の内側ポンプ電極40との間に可変
電源46が接続され、前記第2の内側ポンプ電極40
と、前記共通基準電極84との間に電圧計V2が接続さ
れて構成されている。
【0164】この第4の実施の形態に係るガスセンサの
動作を説明すると、まず、被測定ガスが第1の内部空所
20に導入され、そのときの第1の電気化学的ポンプセ
ル30における第1の内側ポンプ電極26と基準ガス導
入空間12側に形成された共通基準電極84との間の両
端電圧が電圧計V1によって測定され、この測定電圧に
基づいて可変電源32がフィードバック制御される。こ
れによって、第1の内部空所20内の雰囲気の酸素分圧
が、次の合体内部空所80において酸素分圧の制御を行
い得るのに十分な低い所定の値となるように、第1の電
気化学的ポンプセル30のポンプ動作が制御される。
【0165】この場合、第1の電気化学的センサセル3
8における電圧計V1にて検出される測定電圧は、第1
の電気化学的ポンプセル30における第1の内側ポンプ
電極26と基準ガス導入空間12における共通基準電極
84との間の両端電圧としている。そのため、第1の電
気化学的ポンプセル30による酸素の汲み出し量が変化
して、第1の内部空所20内における雰囲気の酸素濃度
が変化すると、第1の電気化学的ポンプセル30におけ
る第1の内側ポンプ電極26と共通基準電極84間の両
端電圧が時間遅れなく変化するため、可変電源32に対
するフィードバック制御系は、発振現象を生じることな
く、高精度に第1の内部空所20内の酸素濃度を制御す
ることができる。
【0166】このことは、第2の電気化学的ポンプセル
44における可変電源46へのフィードバック制御も同
様であり、第2の電気化学的ポンプセル44における第
2の内側ポンプ電極40と基準ガス導入空間12側に形
成された共通基準電極84との間の両端電圧が電圧計V
2によって測定され、この測定電圧に基づいて可変電源
46がフィードバック制御される。これによって、合体
内部空所80内の雰囲気の酸素分圧が、実質的に被測定
ガス成分(NOx)が還元又は分解され得ない状況下
で、かつ目的成分量の測定に実質的に影響がない低い酸
素分圧値になるように、第2の電気化学的ポンプセル4
4のポンプ動作が制御される。
【0167】この場合、第2の電気化学的センサセル5
2における電圧計V2にて検出される測定電圧は、第2
の電気化学的ポンプセル44における第2の内側ポンプ
電極40と基準ガス導入空間12における共通基準電極
84との間の両端電圧としている。そのため、第2の電
気化学的ポンプセル44による酸素の汲み出し量が変化
して、合体内部空所80内における雰囲気の酸素濃度が
変化すると、第2の電気化学的ポンプセル44における
第2の内側ポンプ電極40と共通基準電極84間の両端
電圧が時間遅れなく変化するため、可変電源46に対す
るフィードバック制御系は、発振現象を生じることな
く、高精度に合体内部空所80内の酸素濃度を制御する
ことができる。
【0168】この第4の実施の形態に係るガスセンサに
おいても、前記第3の実施の形態に係るガスセンサと同
様に、被測定ガス中に存在する目的成分量の検出感度に
対する排気ガス中の酸素の濃度変化の干渉を防止するこ
とができ、被測定ガス成分の測定精度の向上を図ること
ができる。また、ガスセンサ全体の構造の小型化を促進
させることができ、配線工程の簡略化並びに周辺回路に
おける回路構成の簡略化を図ることができる。
【0169】特に、この第4の実施の形態に係るガスセ
ンサにおいては、第1の内部空所20及び合体内部空所
80に電極を形成するための面積を広くとる必要がなく
なるため、ガスセンサ自体の構造を小型化できる。ま
た、同じサイズに設定した場合は、第1の内部空所20
の容積を広くとることができ、これにより、第1の電気
化学的ポンプセル30におけるポンプ機能を高めること
が可能となり、合体内部空所80での酸素濃度の微調整
をより精度良く行うことができる。
【0170】また、第1の内側ポンプ電極26と第1の
測定電極34(図8参照)を共通化し、第2の内側ポン
プ電極40と第2の測定電極48(図8参照)を共通化
していることから、例えば第1の内部空所20における
第1の電気化学的ポンプセル30による酸素の汲み出し
量が変化して、第1の内部空所20における酸素濃度が
変化すると、第1の電気化学的センサセル38での測定
電圧も時間遅れなく変化するため、第1の電気化学的セ
ンサセル38の第1の電気化学的ポンプセル30に対す
るフィードバック制御を発振を伴うことなく良好に行う
ことができる。これは、合体内部空所80での第2の電
気化学的ポンプセル44に対する第2の電気化学的セン
サセル52のフィードバック制御においても同様であ
る。
【0171】上述した第1〜第4の実施の形態に係るガ
スセンサにおいては、被測定ガス成分としてNOxが対
象とされているが、被測定ガス中に存在する酸素の影響
を受けるNOx以外の結合酸素含有ガス成分、例えばH
2 OやCO2 等の測定にも有効に適用することができ
る。
【0172】なお、この発明は上述の実施の形態に限ら
ず、この発明の要旨を逸脱することなく種々の構成を採
り得ることはもちろんである。
【0173】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るガス
センサによれば、固体電解質からなる基体と、被測定ガ
スを所定の拡散抵抗の下に導く第1の拡散律速部と、前
記第1の拡散律速部を介して前記被測定ガス雰囲気と連
通する第1の内部空所と、前記第1の内部空所を構成す
る固体電解質とこれに接して設けられた一対の第1のポ
ンプ電極からなる第1の電気化学的ポンプセルと、前記
第1の内部空所を構成する固体電解質とこれに接して設
けられた一対の第1の測定電極からなる第1の電気化学
的センサセルと、前記第1の内部空所で酸素濃度を所定
の値に調整されたガスを所定の拡散抵抗の下に導く第2
の拡散律速部と、前記第2の拡散律速部を介して被測定
ガス雰囲気と連通する第2の内部空所と、前記第2の内
部空所を構成する固体電解質とこれに接して設けられた
一対の第2のポンプ電極からなる第2の電気化学的ポン
プセルと、前記第2の内部空所を構成する固体電解質と
これに接して設けられた一対の第2の測定電極からなる
第2の電気化学的センサセルと、前記第2の内部空所で
酸素濃度を所定の値に調整されたガスを所定の拡散抵抗
の下に導く第3の拡散律速部と、前記第3の拡散律速部
を通じて導かれた被測定ガス中の結合酸素を有する成分
の還元又は分解により生じた酸素を汲み出す第3の電気
化学的ポンプセルと、前記第3の電気化学的ポンプセル
の作動によって流れるポンプ電流を検出する電流検出手
段を設けるようにしている。
【0174】このため、排気ガス中の酸素の濃度変化が
NO感度に及ぼす干渉を防止することができ、被測定ガ
ス成分の測定精度の向上を図ることができるという効果
が達成される。
【0175】また、本発明に係るガスセンサによれば、
固体電解質からなる基体と、前記被測定ガスを所定の拡
散抵抗の下に導く第1の拡散律速部と、前記第1の拡散
律速部を介して前記被測定ガス雰囲気と連通する第1の
内部空所と、前記第1の内部空所を構成する固体電解質
とこれに接して設けられた一対の第1のポンプ電極から
なる第1の電気化学的ポンプセルと、前記第1の内部空
所を構成する固体電解質とこれに接して設けられた一対
の第1の測定電極からなる第1の電気化学的センサセル
と、前記第1の内部空所で酸素濃度を所定の値に調整さ
れたガスを所定の拡散抵抗の下に導く第2の拡散律速部
と、前記第2の拡散律速部を介して被測定ガス雰囲気と
連通する第2の内部空所と、前記第2の内部空所を構成
する固体電解質とこれに接して設けられた一対の第2の
ポンプ電極からなる第2の電気化学的ポンプセルと、前
記第2の内部空所を構成する固体電解質とこれに接して
設けられた一対の第2の測定電極からなる第2の電気化
学的センサセルと、前記第2の内部空所で酸素濃度を所
定の値に調整されたガスを所定の拡散抵抗の下に導く第
3の拡散律速部と、前記第3の拡散律速部を通じて導か
れた被測定ガス中の結合酸素を有する成分の還元又は分
解により発生する酸素によって規定される酸素分圧に対
応した起電力を出力する第3の電気化学的センサセル
と、前記第3の電気化学的センサセルから出力される前
記起電力を検出する電圧検出手段を設けるようにしてい
る。
【0176】このため、排気ガス中の酸素の濃度変化が
NO感度に及ぼす干渉を防止することができ、被測定ガ
ス成分の測定精度の向上を図ることができるという効果
が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係るガスセンサの構成を示
す概略断面図である。
【図2】第1の実施の形態に係るガスセンサにおいて、
第3の電気化学的ポンプセルに流れるポンプ電流のNO
x濃度依存性を示す特性図である。
【図3】被測定ガス中の酸素濃度を0〜20%に変化さ
せたときの第3の電気化学的ポンプセルにおけるポンプ
電流の変化を示す特性図であり、実線は第1実施例の特
性を示し、一点鎖線は比較例の特性を示す。
【図4】第1の実施の形態に係るガスセンサの変形例の
構成を示す概略断面図である。
【図5】被測定ガス中の酸素濃度を0〜20%に変化さ
せたときの第3の電気化学的センサセルから発生する起
電力の変化を示す特性図であり、実線は第2実施例の特
性を示し、一点鎖線は比較例の特性を示す。
【図6】第2の実施の形態に係るガスセンサの構成を示
す概略断面図である。
【図7】図6におけるA−A線上の断面図である。
【図8】第3の実施の形態に係るガスセンサの構成を示
す概略断面図である。
【図9】図8におけるB−B線上の断面図である。
【図10】第4の実施の形態に係るガスセンサの構成を
示す概略断面図である。
【図11】図10におけるC−C線上の断面図である。
【符号の説明】
10a…第1の基板層 10b…第2の
基板層 10c…第1のスペース層 10d…第1の
固体電解質層 10e…第2のスペース層 10f…第2の
固体電解質層 14…第1の拡散律速部 16…第2の拡
散律速部 18…第3の拡散律速部 20…第1の内
部空所 22…第2の内部空所 24…第3の内
部空所 26…第1の内側ポンプ電極 28…第1の外
側ポンプ電極 30…第1の電気化学的ポンプセル 34…第1の測
定電極 36…第1の基準電極 38…第1の電
気化学的センサセル 40…第2の内側ポンプ電極 42…第2の外
側ポンプ電極 44…第2の電気化学的ポンプセル 48…第2の測
定電極 50…第2の基準電極 52…第2の電
気化学的センサセル 54…第3の内側ポンプ電極 56…第3の外
側ポンプ電極 58…第3の電気化学的ポンプセル 70…第3の電
気化学的センサセル 72…第3の測定電極 74…第3の基
準電極 80…合体内部空所 82…外側ポン
プ電極 84…共通基準電極

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被測定ガス中の結合酸素を有する成分を還
    元又は分解して、その際に発生する酸素量を測定するこ
    とにより、被測定ガス中の特定成分量を求めるようにし
    たガスセンサにおいて、 固体電解質からなる基体と、 前記被測定ガスを所定の拡散抵抗の下に導く第1の拡散
    律速部と、 前記第1の拡散律速部を介して前記被測定ガス雰囲気と
    連通する第1の内部空所と、 前記第1の内部空所を構成する固体電解質とこれに接し
    て設けられた一対の第1のポンプ電極からなる第1の電
    気化学的ポンプセルと、 前記第1の内部空所を構成する固体電解質とこれに接し
    て設けられた一対の第1の測定電極からなる第1の電気
    化学的センサセルと、 前記第1の内部空所で酸素濃度を所定の値に調整された
    ガスを所定の拡散抵抗の下に導く第2の拡散律速部と、 前記第2の拡散律速部を介して被測定ガス雰囲気と連通
    する第2の内部空所と、 前記第2の内部空所を構成する固体電解質とこれに接し
    て設けられた一対の第2のポンプ電極からなる第2の電
    気化学的ポンプセルと、 前記第2の内部空所を構成する固体電解質とこれに接し
    て設けられた一対の第2の測定電極からなる第2の電気
    化学的センサセルと、 前記第2の内部空所で酸素濃度を所定の値に調整された
    ガスを所定の拡散抵抗の下に導く第3の拡散律速部と、 前記第3の拡散律速部を通じて導かれた被測定ガス中の
    結合酸素を有する成分の還元又は分解により生じた酸素
    を汲み出す第3の電気化学的ポンプセルと、 前記第3の電気化学的ポンプセルの作動によって流れる
    ポンプ電流を検出する電流検出手段を有することを特徴
    とするガスセンサ。
  2. 【請求項2】請求項1記載のガスセンサにおいて、 前記第3の拡散律速部を介して被測定ガス雰囲気と連通
    する第3の内部空所を有し、 前記第3の電気化学的ポンプセルは、前記第3の内部空
    所を構成する固体電解質とこれに接して設けられた一対
    の第3のポンプ電極からなることを特徴とするガスセン
    サ。
  3. 【請求項3】請求項1記載のガスセンサにおいて、 前記第3の電気化学的ポンプセルは、前記第2の内部空
    所を構成する固体電解質とこれに接して設けられた一対
    の第3のポンプ電極からなることを特徴とするガスセン
    サ。
  4. 【請求項4】請求項3記載のガスセンサにおいて、 前記一対の第2の測定電極と前記一対の第3のポンプ電
    極のうち、前記第2の内部空所における第2の測定電極
    と第3のポンプ電極が互いに対向して配置されているこ
    とを特徴とするガスセンサ。
  5. 【請求項5】請求項3記載のガスセンサにおいて、 前記一対の第2のポンプ電極と前記一対の第2の測定電
    極のうち、前記第2の内部空所における第2のポンプ電
    極と第2の測定電極が共通とされていることを特徴とす
    るガスセンサ。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか1項記載のガスセ
    ンサにおいて、 前記第1の内部空所内における第1のポンプ電極及び第
    1の測定電極並びに前記第2の内部空所内における第2
    のポンプ電極及び第2の測定電極の材料に、被測定ガス
    中のNOxに対する還元能力を低めた、あるいは還元能
    力がない材料を用いたことを特徴とするガスセンサ。
  7. 【請求項7】請求項6記載のガスセンサにおいて、 前記被測定ガス中のNOxに対する還元能力を低めた、
    あるいは還元能力がない材料として、AuとZrO2
    サーメット、あるいはAuとPt族元素の合金とZrO
    2 のサーメットを用いたことを特徴とするガスセンサ。
  8. 【請求項8】被測定ガス中の結合酸素を有する成分を還
    元又は分解して、その際に発生する酸素量を測定するこ
    とにより、被測定ガス中の特定成分量を求めるようにし
    たガスセンサにおいて、 固体電解質からなる基体と、 前記被測定ガスを所定の拡散抵抗の下に導く第1の拡散
    律速部と、 前記第1の拡散律速部を介して前記被測定ガス雰囲気と
    連通する第1の内部空所と、 前記第1の内部空所を構成する固体電解質とこれに接し
    て設けられた一対の第1のポンプ電極からなる第1の電
    気化学的ポンプセルと、 前記第1の内部空所を構成する固体電解質とこれに接し
    て設けられた一対の第1の測定電極からなる第1の電気
    化学的センサセルと、 前記第1の内部空所で酸素濃度を所定の値に調整された
    ガスを所定の拡散抵抗の下に導く第2の拡散律速部と、 前記第2の拡散律速部を介して被測定ガス雰囲気と連通
    する第2の内部空所と、 前記第2の内部空所を構成する固体電解質とこれに接し
    て設けられた一対の第2のポンプ電極からなる第2の電
    気化学的ポンプセルと、 前記第2の内部空所を構成する固体電解質とこれに接し
    て設けられた一対の第2の測定電極からなる第2の電気
    化学的センサセルと、 前記第2の内部空所で酸素濃度を所定の値に調整された
    ガスを所定の拡散抵抗の下に導く第3の拡散律速部と、 前記第3の拡散律速部を通じて導かれた被測定ガス中の
    結合酸素を有する成分の還元又は分解により発生する酸
    素によって規定される酸素分圧に対応した起電力を出力
    する第3の電気化学的センサセルと、 前記第3の電気化学的センサセルから出力される前記起
    電力を検出する電圧検出手段を有することを特徴とする
    ガスセンサ。
  9. 【請求項9】請求項8記載のガスセンサにおいて、 前記第3の拡散律速部を介して被測定ガス雰囲気と連通
    する第3の内部空所を有し、 前記第3の電気化学的センサセルは、前記第3の内部空
    所を構成する固体電解質とこれに接して設けられた一対
    の第3の測定電極からなることを特徴とするガスセン
    サ。
  10. 【請求項10】請求項8記載のガスセンサにおいて、 前記第3の電気化学的センサセルは、前記第2の内部空
    所を構成する固体電解質とこれに接して設けられた一対
    の第3の測定電極からなることを特徴とするガスセン
    サ。
  11. 【請求項11】請求項10記載のガスセンサにおいて、 前記一対の第3の測定電極のうち、前記第2の内部空所
    における第3の測定電極が前記第2の内部空所内に露呈
    されていることを特徴とするガスセンサ。
  12. 【請求項12】請求項10又は11記載のガスセンサに
    おいて、 前記一対の第2の測定電極と前記一対の第3の測定電極
    のうち、前記第2の内部空所における第2の測定電極と
    第3の測定電極が互いに平行に配置されていることを特
    徴とするガスセンサ。
  13. 【請求項13】請求項10記載のガスセンサにおいて、 前記一対の第2のポンプ電極と前記一対の第2の測定電
    極のうち、前記第2の内部空所における第2のポンプ電
    極と第2の測定電極が共通とされていることを特徴とす
    るガスセンサ。
  14. 【請求項14】請求項8〜13のいずれか1項記載のガ
    スセンサにおいて、 前記第1の内部空所内における第1のポンプ電極及び第
    1の測定電極並びに前記第2の内部空所内における第2
    のポンプ電極及び第2の測定電極の材料に、被測定ガス
    中のNOxに対する還元能力を低めた、あるいは還元能
    力がない材料を用いたことを特徴とするガスセンサ。
  15. 【請求項15】請求項14記載のガスセンサにおいて、 前記被測定ガス中のNOxに対する還元能力を低めた、
    あるいは還元能力がない材料として、AuとZrO2
    サーメット、あるいはAuとPt族元素の合金とZrO
    2 のサーメットを用いたことを特徴とするガスセンサ。
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