JP4037220B2 - ガスセンサ素子 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は,内燃機関の排気系等に設置して,排ガス中のNOx濃度を測定するガスセンサ素子に関する。
【0002】
【従来技術】
自動車エンジンの排気系に設置し,排ガス中のNOx濃度,酸素濃度,またエンジン燃焼室の空燃比を測定するガスセンサに用いるガスセンサ素子として,次に示す構成の素子が知られている。
このガスセンサ素子は,被測定ガス室に対し酸素をポンピングするポンプセルと,被測定ガス室に導入されたNOx濃度を測定するセンサセルとからなる。
【0003】
NOx濃度を測定するセンサセルは,固体電解質板と該固体電解質板に設けた一対の電極とからなり,一方の電極は被測定ガス室に対面し,他方の電極は基準ガスとなる大気を導入した大気室と対面する。被測定ガス室と対面する電極にはNOxに活性な電極が用いられる。
また,ポンプセルは,固体電解質板と該固体電解質板に設けた一対のポンプ電極からなり,一方のポンプ電極は被測定ガス室に対面する。被測定ガス側の電極にはNOxに不活性な電極が用いられる。
【0004】
センサセルにおけるNOx濃度の測定は,被測定ガス側電極上でNOxを分解し,発生した酸素イオン電流に基づいて行う。従って,被測定ガス室の酸素濃度は非常に少ないか,または定常状態となっていなければならない。
そのため,ポンプセルを用いて被測定ガス室の酸素濃度を調整している。
そして,上記センサセルにおける電極は,ガスセンサ素子の外部においてセンサ回路に接続するための端子に,導電性リード部を介して接続されている。
【0005】
【解決しようとする課題】
しかしながら,該導電性リード部はPtにより構成されており,このPtリードは,Pt粒子間もしくはPtとZrO2との間に隙間が多く存在する。そのため,導電性リード部を通じてガスセンサ素子の外部における酸素ガスが,上記被測定ガス室側の電極に流入することがある。電極に達した酸素ガスは,該電極において分解され,酸素イオン電流を生じさせる。
【0006】
そのため,実際に上記被測定ガス室にNOxが存在しない場合にもセンサセルに発生する出力電流,即ちオフセット電流が流れてしまう。
上記NOx濃度の検出は,上記センサセルに流れる微弱電流であるため,わずかなオフセット電流であっても,NOx濃度の検出に影響しうる。そのため,精密なNOx濃度の検出を行うことが困難であった。
【0007】
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,オフセット電流を低減し,特定ガスの濃度の検出を精密に行うことができるガスセンサ素子を提供しようとするものである。
【0008】
【課題の解決手段】
本発明は,被測定ガスを導入する被測定ガス室と,上記被測定ガス中の特定ガスであるNOxの濃度を検出するセンサセルとを有するガスセンサ素子において,
上記センサセルは,固体電解質板と該固体電解質板の表裏に設けた一対の電極とよりなり,両電極間に流れる微弱電流を利用して上記特定ガスであるNOxの濃度の検出を行うよう構成されており,
上記電極は導電性リード部を介してガスセンサ素子の外部に露出した端子と電気的に導通し,
上記一対の電極のうち上記被測定ガス室に面した被測定ガス側電極に接続された上記導電性リード部は,その少なくとも一部がPt−Auを含有することを特徴とするガスセンサ素子にある(請求項1)。
【0009】
次に,本発明の作用効果につき説明する。
上記センサセルにおける特定ガス濃度の検出は,被測定ガス側電極上で特定ガスを分解し,発生した酸素イオン電流に基づいて行う。それ故,外部に露出した端子から,導電性リード部を通じて上記被測定ガス側電極へ外部の酸素ガスが流入すると,これにより酸素イオン電流が発生し,上記特定ガス濃度の正確な検出を妨げるおそれがある。
【0010】
上記のごとく,本発明のガスセンサ素子においては,上記導電性リード部の少なくとも一部はPt−Auを含有する。そのため,上記導電性リード部の少なくとも一部は,緻密な結晶構造により形成される。Pt−Auが緻密である理由は定かではないが,Auの融点は,素子焼成時の温度より低いため,Pt−Auからなる導電性リード部で遊離しているわずかなAuが溶融し,Ptの間に発生する隙間を埋める。そのため,ガスが通り難い緻密なリード部となると考えられる。
これにより,ガスセンサ素子の外部に露出した端子から,酸素ガスが上記導電性リード部を介して上記被測定ガス側電極に流入することを抑制することができる。
それ故,上記センサセルに発生するオフセット電流を低減して,特定ガスの濃度の検出を精密に行うことができる。
【0011】
以上のごとく,本発明によれば,オフセット電流を低減し,特定ガスの濃度の検出を精密に行うことができるガスセンサ素子を提供することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明(請求項1)において,上記特定ガスはNOxである。
また,上記両電極間に流れる微弱電流は,例えば10μA以下の電流をいう。
また,上記被測定ガス側電極に接続された導電性リード部は,その全部がPt−Auを含有していてもよく,一部がPt−Auを含有していてもよい。
また,上記導電性リード部の全部又は一部は,Pt−Auのみによって構成されていてもよいし,Pt−Auとセラミック成分とからなるサーメット材料により構成されていてもよい。
【0013】
また,上記Pt−AuにおけるAuの含有量は1〜20wt%であることが好ましい(請求項2)。
この場合には,被測定ガス側電極への酸素ガスの流入を一層抑制することができる。
上記Auの含有量が1wt%未満の場合には,被測定ガス側電極への酸素ガスの流入を充分に抑制することができないおそれがある。一方,上記含有量が20wt%を超える場合には,Auの熱膨張率が大いいことにより,Pt−Auリードの熱膨張が大きくなり,導電性リードと下地との間の剥離を確実に抑制することが困難となるおそれがある。
【0014】
また,上記特定ガスはNOxである。
これにより,自動車の排ガス中等に含有される有害なNOxの濃度を正確に検出することができるガスセンサ素子を得ることができる。
【0015】
【実施例】
本発明の実施例にかかるガスセンサ素子につき,図1〜図3を用いて説明する。
本例のガスセンサ素子1は,図1〜図3に示すごとく,被測定ガスを導入する被測定ガス室(第2被測定ガス室122)と,上記被測定ガス中の特定ガスの濃度を検出するセンサセル4とを有する。
【0016】
上記センサセル4は,第1固体電解質板11と該第1固体電解質板11の表裏に設けた一対の電極41,42とよりなり,両電極間に流れる微弱電流を利用して上記特定ガスの濃度の検出を行うよう構成されている。
上記電極41,42は導電性リード部411,421を介してガスセンサ素子1の外部に露出した端子412,422と電気的に導通している。
【0017】
上記一対の電極のうち上記第2被測定ガス室122に面した被測定ガス側電極42に接続された上記導電性リード部421は,その少なくとも一部がPt−Auを含有する。本例においては,上記被測定ガス側電極42に接続された導電性リード部421は,その全体がPt−Auを含有する。
また,上記Pt−AuにおけるAuの含有量,即ち導電性リード部421に含有するPt−Au合金に対するAuの含有率は1〜20wt%である。
【0018】
また,上記特定ガスはNOxであり,上記ガスセンサ素子1は,例えば自動車の排ガス中のNOxを検出するために用いられる。
また,上記両電極41,42間に流れる微弱電流は,例えば10μA以下の電流をいう。
【0019】
以下,詳細に説明する。
図1〜図3に示すごとく,本例のガスセンサ素子1は,積層された第1固体電解質板11,被測定ガス室用のスペーサー12,第2固体電解質板13,大気室用のスペーサ14,セラミックヒータ19よりなる。
そして,ガスセンサ素子1は,第1及び第2被測定ガス室121,122と第1及び第2の大気室140,160を備え,第1被測定ガス室121に対して酸素ガスをポンピングするポンプセル2,第2被測定ガス室122の酸素濃度を監視するモニタセル3,第2被測定ガス室122のNOx濃度を検知するセンサセル4を有する。
【0020】
第1及び第2固体電解質板11,13,スペーサー12との間に第1及び第2被測定ガス室121,122がある。図1,図2に示すごとく,第1被測定ガス室121は,第1固体電解質板11に設けた導入穴110で外部に連通し,第1被測定ガス室121と第2被測定ガス室122との間を連通する拡散通路120がある。
また,本例のガスセンサ素子1は,上記第1固体電解質板11の導入穴110を覆う多孔質拡散層17を有し,該多孔質拡散層17と隣接して,第2大気室160を形成するスペーサー161及び絶縁板162を有する。
【0021】
また,第2固体電解質板13,スペーサー14,セラミックヒータ19との間に基準ガスとなる大気を導入する第1大気室140がある。
上記セラミックヒータ19は,ヒータ基板191と該ヒータ基板191上に設けた発熱体190,該発熱体190を覆う被覆板192とよりなる。
そして,上記第1及び第2の固体電解質板11,13はジルコニアセラミック,その他は絶縁性のアルミナセラミックよりなる。
図2に示すごとく,発熱体190に対する給電は,発熱体190に一体的に形成されたリード部195,スルーホール193,端子部194を介して行われる。
【0022】
上記ポンプセル2は,図1,図2に示すごとく,第2固体電解質板13に設けた第1被測定ガス室121と対面する第1ポンプ電極21,第1大気室140と対面する第2ポンプ電極22とよりなる。両電極21,22は電源251及び電流計252を備えたポンプ回路25に接続する。
【0023】
上記モニタセル3は,図2,図3に示すごとく,第1固体電解質板11に設けた第2被測定ガス室122と対面する第2モニタ電極32,第2大気室160と対面する第1モニタ電極31とよりなる。両電極31,32は電源351及び電流計352を備えたモニタ回路35に接続する。
【0024】
上記センサセル4は,図1〜図3に示すごとく,第1固体電解質板11に設けた第2被測定ガス室122と対面する被測定ガス側電極42,第2大気室160と対面する基準電極41とよりなる。両電極41,42は電源451及び電流計452を備えたセンサ回路45に接続する。
そして,モニタセル3でポンプセル2の動作を制御するため,電流計352から電源251にむかうフィードバック回路(図示略)がある。
【0025】
そして,第1ポンプ電極21,第2モニタ電極32はNOxに対して不活性なPt−Au電極よりなる。Auの含有率は3wt%である。上記センサセル4の被測定ガス側電極42はNOxに対して活性なPt−Rh電極よりなる。その他の電極22,31,41はPt−Rh電極である。Rhの含有率は20wt%である。また,被測定ガス側電極42はAuを0.2wt%添加する。
【0026】
また,図1,図2に示すごとく,上記センサセル4における両電極41,42は,導電性リード部411,421を介して,外部の端子412,422に電気的に接続されている。また,上記導電性リード部411,421は,上記第1固体電解質板11,スペーサ161,絶縁板162に形成したスルーホール181,182を通して,上記電極41,42と上記端子412,422とをそれぞれ接続している。
【0027】
また,図2に示すごとく,上記モニタセル3における両電極31,32も同様に,導電性リード部311,321を介して,外部の端子312,322に電気的に接続されている。また,上記導電性リード部311,321は,上記第1固体電解質板11,スペーサ161,絶縁板162に形成したスルーホール183,184を通して,上記電極31,32と上記端子312,322とをそれぞれ接続している。
【0028】
また,上記ポンプセル2における両電極21,22も同様に,導電性リード部211,221を介して,外部の端子215,225に電気的に接続されている。また,上記導電性リード部211,221は,上記第2固体電解質板13,スペーサ14,ヒータ基板191,被覆板192に形成したスルーホール185,186を通して,上記電極21,22と上記端子215,225とをそれぞれ接続している。
【0029】
次に,本例の作用効果につき説明する。
上記センサセル4における特定ガス濃度の検出は,被測定ガス側電極42上で特定ガスを分解し,発生した酸素イオン電流に基づいて行う。それ故,外部に露出した端子422から,導電性リード部421を通じて上記被測定ガス側電極42へ外部の酸素ガスが流入すると,これにより酸素イオン電流が発生し,上記特定ガス濃度の正確な検出を妨げるおそれがある。
【0030】
上記のごとく,本例のガスセンサ素子1においては,上記導電性リード部421はPt−Auを含有する。そのため,上記導電性リード部421は,緻密な結晶構造により形成される。これにより,ガスセンサ素子1の外部に露出した端子422から,酸素ガスが上記導電性リード部421を介して上記被測定ガス側電極に流入することを抑制することができる。
それ故,上記センサセル4に発生するオフセット電流を低減して,特定ガスの濃度の検出を精密に行うことができる。
【0031】
また,上記Pt−AuにおけるAuの含有量は1〜20wt%であるため,被測定ガス側電極42への酸素ガスの流入を一層抑制することができる。
【0032】
以上のごとく,本例によれば,オフセット電流を低減し,特定ガスの濃度の検出を精密に行うことができるガスセンサ素子を提供することができる。
【0033】
(実施例2)
本例においては,図4に示すごとく,本発明のガスセンサ素子に発生するオフセット電流の値を測定し,従来品と比較した。
本発明品としては,実施例1において示したものを用いた。
一方,従来品としては,導電性リード部にAuを含有させず,Ptによって構成したものを用いた。
測定の結果,図4に示すごとく,従来品においてはオフセット電流は,約0.95μAであったのに対し,本発明品におけるオフセット電流は約0.2μAと極めて小さかった。
これにより,実施例1にかかるガスセンサ素子は,オフセット電流を極めて小さくすることができることが分かった。
【0034】
(実施例3)
本例においては,図5に示すごとく,ガスセンサ素子におけるオフセット電流の大きさの,導電性リード部のAu含有量依存性を調査した。
即ち,導電性リード部におけるPt−Au中のAu含有量がそれぞれ,0,0.5,1,2,5,10wt%となる6種類の試料を作製し,各試料につきオフセット電流を測定した。
【0035】
図5に示すごとく,Au含有量が1wt%未満となると,オフセット電流が大きくなることが分かる。
また,Auが20wt%を超えると熱膨張が大きくなり,導電性リードの剥離,断線の発生を抑制することが困難となるおそれがある。
かかる観点から,Au含有量は,1〜20wt%とすることが好ましいことが分かる。
【0036】
(実施例4)
本例のガスセンサ素子1は,図6に示すごとく,第1と第2の被測定ガス室520,540が第1と第2の固体電解質板51,55等の積層方向に位置するよう構成する。なお,図6においては,導電性リード部は省略してあるが,センサセル4は,実施例1と同様にPt−Auを含有する導電性リード部を有する。図7〜図9(実施例5,6)においても同様である。
本例のガスセンサ素子1は,第1固体電解質板51,スペーサー52,第2固体電解質板53,スペーサー54,第3固体電解質板55,スペーサー56,セラミックヒータ19を積層構成してなる。
【0037】
第1固体電解質板51と第2固体電解質板53とスペーサー52との間に第1被測定ガス室520が,第2固体電解質板53と第3固体電解質板55とスペーサー54との間に第2被測定ガス室540が,第3固体電解質板55とスペーサー56とセラミックヒータ19との間に大気室550がある。
【0038】
第1固体電解質板51に設けた導入穴510から第1被測定ガス室520に対し被測定ガスを導入する。多孔質拡散層17は導入穴510を覆うように第1固体電解質板51に対し積層する。第1と第2の被測定ガス室520,540との間は拡散通路530により連通される。
【0039】
そして,ポンプセル2の第1ポンプ電極21は第1被測定ガス室520と対面し,第2ポンプ電極22は拡散抵抗層17を通じて素子の外部雰囲気に曝される。第1及び第2のポンプ電極21,22は第1固体電解質板51に設ける。
センサセル4の第2被測定ガス室540と対面する被測定ガス側電極42と大気室550と対面する基準電極41とは,第3固体電解質板55に設ける。モニタセル3における,上記第2被測定ガス室540と対面する第2モニタ電極32と,大気室550と対面する第1モニタ電極31とは,第3固体電解質板55に設ける。
【0040】
そして,ポンプセル2のポンプ電極21,22は電源251及び電流計252を備えたポンプ回路25に接続する。モニタセル3の電極31,32は電圧計356を備えたモニタ回路35に接続する。センサセル4の電極41,42は電源451及び電流計452を備えたセンサ回路45に接続する。
そして,モニタセル3でポンプセル2の動作を制御するため,電圧計356から電源251にむかうフィードバック回路255がある。
【0041】
そして,第1ポンプ電極21,第2モニタ電極32はNOxに対して不活性なPt−Au電極よりなる。被測定ガス側電極42はNOxに対して活性なPt−Rh電極よりなる。その他の電極22,31,41はPt−Rh電極である。また,被測定ガス側電極42はAuを0.2wt%添加する。
その他,実施例1と同様の構成を有し,同様の作用効果を有する。
【0042】
なお,図7に示すように,モニタセル3を第1固体電解質板51に設けることもできる。また,ポンプセル2の第2ポンプ電極22とモニタセル3の第1モニタ電極31とは一体化することができる。
【0043】
(実施例5)
本例のガスセンサ素子1は,図8に示すごとく,センサセル4とモニタセル3を直列に接続した構成を有する。
本例のガスセンサ素子1は,スペーサー61,第1固体電解質板62,スペーサー63,第2固体電解質板64,スペーサー65,セラミックヒータ19を積層構成してなる。
スペーサー61と第1固体電解質板62との間に第1大気室610が,第1固体電解質板62とスペーサー63,第2固体電解質板64との間に第1及び第2の被測定ガス室631,632が,第2固体電解質板64とスペーサー65,ヒータ19との間に第2大気室650がある。
【0044】
第1固体電解質板62に設けた導入穴620から第1被測定ガス室631に対し被測定ガスを導入する。多孔質拡散層17は導入穴620を覆うように第1固体電解質板62に対し積層する。第1と第2の被測定ガス室631,632との間は拡散通路630により連通される。
【0045】
そして,ポンプセル2の第1ポンプ電極21は第1被測定ガス室631と対面し,第2ポンプ電極22は第2大気室650と対面する。第1及び第2のポンプ電極21,22は第2固体電解質板64に設ける。
センサセル4の第2被測定ガス室632と対面する被測定ガス側電極42と第1大気室610と対面する基準電極41とは,第1固体電解質板62に設ける。モニタセル3における,上記第2被測定ガス室632と対面する第2モニタ電極32と,大気室610と対面する第1モニタ電極31とは,第1固体電解質板62に設ける。
【0046】
そして,ポンプセル2のポンプ電極21,22は電源251及び電流計252を備えたポンプ回路25に接続する。モニタセル3の電極31,32は電源351,電流計352を備えたモニタ回路35に接続する。センサセル4の電極41,42は電源451及び電流計452を備えたセンサ回路45に接続する。
そして,ポンプセル2の動作を制御するため,電流計252から電源251にむかうフィードバック回路255がある。
【0047】
そして,第1ポンプ電極21,第2モニタ電極32はNOxに対して不活性なPt−Au電極よりなる。被測定ガス側電極42はNOxに対して活性なPt−Rh電極よりなる。その他の電極22,31,41はPt−Rh電極である。また,被測定ガス側電極42はAuを0.2wt%添加する。
その他,実施例1と同様の構成を有し,同様の作用効果を有する。
【0048】
また,図示した構成のほか,ポンプセル2を第1固体電解質板62に設け,センサセル4やモニタセル3を第2固体電解質板64に設ける構成でもよい。
【0049】
(実施例6)
本例は,図9に示すごとく,実施例1と同じ構成のガスセンサ素子1であるが,モニタセルを持たない2セル式の素子である。
そして,ポンプセル2はポンプ回路25に設けた電流計252から電源251に向かうフィードバック回路255がある。
その他,実施例1と同様の構成を有し,同様の作用効果を有する。
【0050】
また,図示した構成のほか,ポンプセル2を第1固体電解質板11に設け,センサセル4やモニタセル3を第2固体電解質板13に設ける構成でもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における,ガスセンサ素子の断面説明図。
【図2】実施例1における,ガスセンサ素子の斜視展開図。
【図3】実施例1における,ガスセンサ素子の横断面説明図(図1のA−A矢視断面図)。
【図4】実施例2における,オフセット電流の測定結果を示す線図。
【図5】実施例3における,導電性リード部におけるAu含有量とオフセット電流との関係を示す線図。
【図6】実施例4における,積層方向に被測定ガス室が並んだ構成のガスセンサ素子を示す断面説明図。
【図7】実施例4における,図6とは異なる,積層方向に被測定ガス室が並んだ構成のガスセンサ素子を示す断面説明図。
【図8】実施例5における,モニタセルとセンサセルとが直列に並んだ構成のガスセンサ素子を示す断面説明図。
【図9】実施例6における,センサセルとポンプセルのみよりなるガスセンサ素子の断面説明図。
【符号の説明】
1...ガスセンサ素子,
11...第1固体電解質板,
121...第1被測定ガス室,
122...第2被測定ガス室,
140...大気室,
2...ポンプセル,
3...モニタセル,
4...センサセル,
41...基準電極,
42...被測定ガス側電極,
411,421...導電性リード部,
412,422...端子,
Claims (5)
- 被測定ガスを導入する被測定ガス室と,上記被測定ガス中の特定ガスであるNOxの濃度を検出するセンサセルとを有するガスセンサ素子において,
上記センサセルは,固体電解質板と該固体電解質板の表裏に設けた一対の電極とよりなり,両電極間に流れる微弱電流を利用して上記特定ガスであるNOxの濃度の検出を行うよう構成されており,
上記電極は導電性リード部を介してガスセンサ素子の外部に露出した端子と電気的に導通し,
上記一対の電極のうち上記被測定ガス室に面した被測定ガス側電極に接続された上記導電性リード部は,その少なくとも一部がPt−Auを含有することを特徴とするガスセンサ素子。 - 請求項1において,上記Pt−AuにおけるAuの含有量は1〜20wt%であることを特徴とするガスセンサ素子。
- 請求項1又は2において、上記被測定ガス室に対して酸素ガスをポンピングするポンプセルと、上記被測定ガス室に導入された被測定ガス中のNOxの濃度を測定する上記センサセルとを有することを特徴とするガスセンサ素子。
- 請求項3において、上記センサセルの上記被測定ガス側電極はNOxに対して活性な材料からなり、該被測定ガス側電極に接続された上記導電性リード部はNOxに対して不活性なPt−Auを含有することを特徴とするガスセンサ素子。
- 請求項4において、上記センサセルの上記被測定ガス側電極はPt−Rh電極からなることを特徴とするガスセンサ素子。
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Publications (2)
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