JPH10253585A - ガスセンサ - Google Patents

ガスセンサ

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JPH10253585A
JPH10253585A JP9074481A JP7448197A JPH10253585A JP H10253585 A JPH10253585 A JP H10253585A JP 9074481 A JP9074481 A JP 9074481A JP 7448197 A JP7448197 A JP 7448197A JP H10253585 A JPH10253585 A JP H10253585A
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千太 東條
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誠 斉藤
Keigo Mizutani
圭吾 水谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 センサ出力に対する酸素ガス濃度の悪影響を
排除でき,感度の高いガスセンサを提供すること。 【解決手段】 サンプルガス室100と,該サンプルガ
ス室100内にサンプルガス8を導くサンプルガス導入
路126と,上記サンプルガス室100内に面した一対
の電極からなる第一酸素ポンプセル21,第二酸素ポン
プセル31,検出セル3,51とからなる。上記サンプ
ルガス室100内に面した上記第一酸素ポンプセル21
の電極218と,上記第二酸素ポンプセル31の電極3
19とは,上記サンプルガス室100の対向する面にそ
れぞれ設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,サンプルガス中に混在している
特定の検出ガス濃度,例えば内燃機関の排ガス中に存在
するNOxガス濃度等を検出するガスセンサに関する。
【0002】
【従来技術】従来より,内燃機関の排気経路には,後述
の図4,図5に示すごとく,内燃機関の燃焼制御等の目
的からNOxセンサが設けてある。上記NOxセンサと
しては,固体電解質体の酸素イオン導電性(具体的に
は,安定化ジルコニア等の酸素イオン導電性)を利用し
て,排ガス中に存在するNOxガス濃度を検出するもの
が知られている。
【0003】上記NOxセンサについて以下に説明す
る。上記NOxセンサは,一部が酸素イオン導電性の固
体電解質体によって形成されたサンプルガス室と,該サ
ンプルガス室内にサンプルガス(この場合は内燃機関よ
り排出された排ガス)を導くサンプルガス導入路と,上
記サンプルガス室内に面した上記固体電解質体の1つの
面及びその反対側の面に設けられた一対の電極よりなる
検出セルとを有する。なお,上記サンプルガス室内に面
する上記検出セルの電極は,上記NOx中の酸素原子を
酸素イオンに還元する活性電極である。
【0004】このようなNOxセンサにおいては,上記
検出セルがNOx中の酸素原子を還元反応によりイオン
化し,酸素イオンとなす。このイオン化した酸素が上記
固体電解質体を流通することにより,該固体電解質体に
イオン電流が発生する。上記イオン電流の大きさはNO
xガス量と比例することから,該イオン電流の値を測定
することにより,NOxガス濃度を検出することができ
る。
【0005】しかしながら,上記サンプルガス(この場
合は排ガス)は,通常は酸素ガスも含有している。この
ため,上記検出セルはNOx中の酸素原子と共に,酸素
中の酸素原子をもイオン化してしまう。即ち,上記イオ
ン電流はNOxガス由来の酸素イオンと,酸素ガス由来
の酸素イオンとが合算されたものである。従って,上記
構造のNOxセンサにおいては正しくNOxガス濃度に
比例した検出値を得ることができなかった。
【0006】このため,従来,検出セルよりもサンプル
ガス流れの上流側に,該サンプルガス中の酸素ガスを除
去するための酸素ポンプセルを設けたNOxセンサが提
案されている(特開平8−29387号)。
【0007】上記酸素ポンプセルは,上記サンプルガス
室内に面した固体電解質体の1つの面及びその反対側の
面に設けられた一対の電極からなる。上記一対の電極間
に電圧を付加することにより,上記酸素ポンプセル近傍
の酸素ガスは酸素イオンとなって固体電解質体中を移動
する。これにより,上記サンプルガス中の酸素ガスをサ
ンプルガス室の外部に排出することができる。なお,上
記サンプルガス室に面する上記酸素ポンプセルの電極
は,上記NOx中の酸素原子を酸素イオンに還元しない
不活性電極である。
【0008】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記従来のN
Oxセンサには以下に示す問題がある。即ち,上記サン
プルガス室において上記酸素ポンプセル近傍の酸素ガス
は容易に除去することができるが,該酸素ポンプセルと
離れた部分の酸素ガスの除去は困難である。特に,後述
の図6(a)に示すごとく,上記酸素ポンプセルを設け
た面の対向面近傍の酸素ガスの除去は困難である。
【0009】また,上記NOxセンサにおいてサンプル
ガス中の酸素ガスは酸素ポンプセルにより除去される
が,該酸素ガスがNOxガス検出に障らないほどに除去
されたかどうかは不明である。このため,NOxセンサ
の出力が,真実サンプルガス中のNOxガス濃度に比例
しているのかどうかということが不明である。即ち,こ
のNOxセンサにおいて検出値が増大または減少した場
合,NOxガス濃度が変化したのか,酸素ガス濃度が変
化したのか,判別ができなかった。
【0010】この問題に対する解決手段としては,例え
ば,SAE960334公報にかかるNOxセンサに示
すごとく,サンプルガス室内の酸素ガス濃度を監視・制
御するための酸素濃淡電池式の酸素センサセルを上記固
体電解質体に設けることが知られている。上記酸素濃淡
電池式の酸素センサセルは一対の電極からなり,一方の
電極は上記サンプルガス室に,他方の電極はサンプルガ
ス室とは別に設けた大気室に面するよう設けてある。な
お,上記大気室には大気中の空気が導入されている。
【0011】しかしながら,上記酸素センサセルを設け
たNOxセンサについても以下に示す問題が生じるおそ
れがある。つまり,酸素センサセルを設けることによ
り,酸素ポンプセルの大きさが制限され,その電極面積
が縮小してしまう。上記酸素ポンプセルの酸素排出量は
電極面積に比例するため,酸素ポンプセルの酸素排出量
が減少してしまう。この場合,サンプルガス中への酸素
ガス残留を防止するために,上記サンプルガス室へのサ
ンプルガス導入量を減じなくてはならない。
【0012】しかし,サンプルガス導入量を減じた場合
には,上記NOxセンサの検出セルにおいて検出される
イオン電流はNOxの単位濃度あたり略2〜6μA/1
000ppmとなってしまう。即ち,上記酸素センサセ
ルを設けることにより感度の低いNOxセンサしか得る
ことができなくなるおそれがあった。また,上記酸素セ
ンサセルを設けるためには,サンプルガス室とは別に大
気室を必要とするため,NOxセンサの構造が複雑にな
るおそれがあった。
【0013】以上は,NOxガスを検出するNOxセン
サについて述べたが,これと同様の問題は,SOxガス
濃度を検出するSOxセンサ,H2 Oガス濃度を検出す
るH2 Oセンサ,CO2 を検出するCO2 センサ等,検
出セルにおいて検出ガスを還元することにより得られた
酸素イオンが該検出セルを設けた固体電解質体を流通す
る際のイオン電流を元に検出ガス濃度を検出する構造の
ガスセンサにおいて共通に発生する。
【0014】本発明は,かかる問題点に鑑み,センサ出
力に対する酸素ガス濃度の悪影響を排除でき,感度の高
いガスセンサを提供しようとするものである。
【0015】
【課題の解決手段】請求項1の発明は,一部が酸素イオ
ン導電性の第一,第二及び第三固体電解質体によって形
成されたサンプルガス室と,該サンプルガス室内にサン
プルガスを導くサンプルガス導入路と,上記サンプルガ
ス室内に面した上記第一固体電解質体の1つの面及びそ
の反対側の面に設けられた一対の電極からなる第一酸素
ポンプセルと,上記サンプルガス室内に面した上記第二
固体電解質体の1つの面及びその反対側の面に設けられ
た一対の電極からなる第二酸素ポンプセルと,上記サン
プルガス室内に面した上記第三固体電解質体の1つの面
及びその反対側の面に設けられた一対の電極からなり,
かつ上記サンプルガス室中の検出ガス濃度を検出するた
めの検出セルとからなるガスセンサであって,上記サン
プルガス室内に面した上記第一酸素ポンプセルの電極
と,上記第二酸素ポンプセルの電極とは,上記サンプル
ガス室の対向する面にそれぞれ設けられていることを特
徴とするガスセンサにある。
【0016】本発明の作用につき,以下に説明する。本
発明のガスセンサにおいては,上記サンプルガス室内に
面した上記第一酸素ポンプセルの電極と上記第二酸素ポ
ンプセルの電極とは上記サンプルガス室の対向する面に
それぞれ設けられている。
【0017】このため,後述の図6(a),(b)に示
すごとく,従来技術ではサンプルガス室の片面側の酸素
ガスしか除去することができなかったが,本発明によれ
ば,サンプルガス室の両側より酸素ガスを排出すること
ができる。従って,酸素排出量が大幅に向上し,より多
くのサンプルガスをサンプルガス室に取り入れることが
可能となる。よって,ガスセンサの感度も向上する。
【0018】以上のように,本発明によれば,センサ出
力に対する酸素ガス濃度の悪影響を排除でき,かつ検出
ガスに対する感度が高いガスセンサを提供することがで
きる。
【0019】なお,上記固体電解質体としては,特に上
記ガスセンサがNOxガス濃度を検出するNOxセンサ
である場合には,安定化ジルコニアを用いることができ
る。さらに,上記第一酸素ポンプセル及び上記第二酸素
ポンプセルにおいて,サンプルガス室内に面するよう設
けた電極としては,NOxガスを酸素イオンに還元しな
いPt−Au合金よりなる不活性電極を用いることがで
きる。また,上記検出セルにおいて,サンプルガス室内
に面するよう設けた電極としては,NOxガスを酸素イ
オンに還元するPtよりなる活性電極を用いることがで
きる。
【0020】また,上記検出セルを設ける第三固体電解
質体は,上記第一固体電解質体または第二固体電解質体
と一体品とすることもできる。または,これらとは別体
とすることもできる。
【0021】なお,上記ガスセンサとしては,例えば,
自動車用内燃機関の排ガス中におけるNOxガス濃度を
検出するNOxセンサ,SOxガス濃度を検出するSO
xセンサ,H2 Oガス濃度を検出するH2 Oセンサ,C
2 を検出するCO2 センサ等を挙げることができる。
【0022】次に,請求項2の発明のように,上記第一
酸素ポンプセルの電極と上記第二酸素ポンプセルの電極
とは,上記サンプルガス室の対向する面において少なく
ともその一部が重なり合う位置関係にあることが好まし
い。これにより,上記サンプルガス導入路から上記検出
セルまでのサンプルガスの拡散距離を短縮でき,ガスセ
ンサの感度を高めることができる(図7参照)。
【0023】次に,請求項3の発明のように,上記第一
酸素ポンプセルの電極と上記第二酸素ポンプセルの電極
とは電気的に並列接続されていることが好ましい。これ
により,上記第一及び第二酸素ポンプセルを駆動させる
場合の端子の数を,1個の酸素ポンプセルを駆動させる
場合と同じく2個で構成することができる。よって,ガ
スセンサの部品点数を減じ,アセンブリを容易とするこ
とができる。さらに,上記第一及び第二酸素ポンプセル
の制御を同時に行うことができる。
【0024】次に,請求項4の発明のように,上記第一
酸素ポンプセル及び上記第二酸素ポンプセルと上記検出
セルとの間には,上記サンプルガス室内に面した第四固
体電解質体の1つの面及びその反対側の面に設けられた
一対の電極からなる酸素センサセルを設けてなり,かつ
該酸素センサセルからの信号により上記サンプルガス室
内の酸素ガス濃度が一定となるように制御することが好
ましい。
【0025】これにより,上記サンプルガス室内の酸素
ガス濃度をほぼ一定値に維持することができ,酸素ガス
濃度がガスセンサの出力に与える影響を常に一定とする
ことができる。よって,酸素ガスの濃度に依存しない,
精度の高いガスセンサを提供することができる。なお,
上記第四固体電解質体としては,上記第一〜第三固体電
解質体のいずれかと一体品とすることができる。また
は,別体とすることができる。
【0026】また,上記酸素センサセルからの信号は,
上記酸素センサセルを構成する電極間の電圧値であるこ
とが好ましい。これにより,上記酸素センサセルからの
信号を受けて上記酸素ポンプセルの動作を制御するため
の回路を簡易な構成とすることができ,ガスセンサの制
御性が向上する。
【0027】また,上記酸素センサセルからの信号は,
上記酸素センサセルに一定電圧を加えた場合の限界電流
値であることが好ましい。ところで限界電流式の酸素セ
ンサセルにおいては電極間に電圧を印加し,この電圧に
抗して流れるイオン電流の値を利用して酸素ガス濃度を
測定する。従って,上記限界電流式の酸素センサセルに
は酸素ガスをサンプルガス室外に排出する酸素ポンプ作
用がある。よって,このような酸素センサセルを設けた
ガスセンサにおいては,より多くの酸素ガスをガスセン
サ外に排出することができる。よって,より多量のサン
プルガスをサンプルガス室内に導入することができる。
よって,より感度の高いガスセンサを得ることができ
る。
【0028】また,上記ガスセンサにおいては,サンプ
ルガス室内の酸素ガス濃度は上記酸素センサセルにより
常に一定となるようフィードバック制御されている。こ
のためサンプルガス中の酸素ガス濃度は目標値に対して
ある程度の振幅を持った値となる(図11参照)。この
ような状態にあるサンプルガスに対し,更に,酸素セン
サセルによって酸素ガスが排出されることとなる。よっ
て,後述の図11に示すごとく,サンプルガス中の酸素
ガス濃度の振幅はさらに減少し(W1よりW2とな
る),より目標値に近い値となる。
【0029】以上のように,限界電流式の酸素センサセ
ルを有するガスセンサにおいては,酸素ガス濃度がガス
センサの出力に与える影響が高い精度で常に一定とな
る。よって,酸素ガス濃度の影響は容易かつ精密にキャ
ンセルすることができる。従って,サンプルガス中の酸
素ガス濃度に依存しない優れた精度を有するガスセンサ
を提供することができる。さらに,限界電流式の酸素セ
ンサセルについては,ガスセンサの内部と大気雰囲気と
を通気させる必要がないことから,より構成がシンプル
なガスセンサを得ることができる。
【0030】次に,請求項5の発明のように,上記検出
セルは少なくとも2個設けられ,これら検出セルの電極
の中で少なくとも2個の電極は上記サンプルガス室内に
おいて相対向する位置に設けられていることが好まし
い。これにより,1個の検出セルにより検出ガスを検出
する場合に検出できなかったサンプルガス室における対
向面近傍の検出ガスを,もう一方の検出セルにより容易
に検出することができる。従って,検出能力が向上し,
ガスセンサの感度を高めることができる。
【0031】次に,請求項6の発明のように,上記検出
セルの電極の中で少なくとも2個の電極は電気的に並列
接続されていることが好ましい。これにより,上記第一
及び第二検出セルの端子の数を,1個の検出セルを設け
た場合と同じ2個で構成することができる。よって,ガ
スセンサの部品点数を減じ,アセンブリを容易とするこ
とができる。さらに,上記第一及び第二検出セルの限界
電流値の和を容易に得ることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
実施形態例1 本発明の実施形態例にかかるガスセンサにつき,図1〜
図8を用いて説明する。なお,本例のガスセンサにおい
て,サンプルガスは車両用の内燃機関より排出される排
ガス,また検出ガスは上記排ガスに含まれるNOxガス
である。そして,上記ガスセンサは,図4,図5に示す
ごとく,内燃機関の排気経路中に配置されている。
【0033】図1〜図3に示すごとく,本例にかかるガ
スセンサは,一部が酸素イオン導電性の第一,第二固体
電解質体12,13によって形成されたサンプルガス室
100と,該サンプルガス室100内にサンプルガス8
を導くサンプルガス導入路121とを有する。
【0034】また,上記サンプルガス室100内に面し
た上記第一固体電解質体12の1つの面及びその反対面
129に設けられた一対の電極218,219からなる
第一酸素ポンプセル21と,上記サンプルガス室100
内に面した上記第二固体電解質体13の1つの面及びそ
の反対面139に設けられた一対の電極318,319
からなる第二酸素ポンプセル31とを有する。
【0035】なお,上記第一及び第二酸素ポンプセル2
1,31は,上記サンプルガス室100内の酸素ガス8
9を外部に排出するために設けてある。また,上記サン
プルガス導入路121はピンホールより構成されてい
る。
【0036】また,図1〜図3に示すごとく,本例のガ
スセンサ1は,上記サンプルガス室100内に面した上
記第一固体電解質体12の1つの面及びその反対面12
9に設けられた一対の電極38,39からなる第一検出
セル3と,上記サンプルガス室100内に面した上記第
二固体電解質体13の一つの面及びその反対面139に
設けられた一対の電極338,339からなる第二検出
セル51とを有する。なお,上記第一検出セル3及び第
二検出セル51は,上記サンプルガス室100内の検出
ガス濃度を検出するために設けてある。
【0037】また,上記上記第一及び第二酸素ポンプセ
ル21,31の電極218,318は,上記検出ガスを
酸素イオンに還元しない不活性電極である。一方,上記
第一検出セル3及び第二検出セル51の電極38,3
9,338,339と,上記反対面129,139に設
けられた上記上記第一及び第二酸素ポンプセル21,3
1の電極219,319は,上記検出ガスを酸素イオン
に還元する活性電極である。
【0038】更に,上記上記第一及び第二酸素ポンプセ
ル21,31は上記サンプルガス室100内において相
対向する位置に設けられ,これらに接続された回路24
5は電源246に対し,電気的に並列接続されている。
そして,電源246により常に一定の電圧(例えば0.
8V)が上記電極218−電極219間及び上記電極3
18−電極319間に印加されており,上記サンプルガ
ス室100内の酸素ガス濃度を略0(例えば0.01p
pm以下)に維持するよう構成されている。
【0039】次に,上記ガスセンサ1につき詳細に説明
する。図1に示すごとく,上記ガスセンサ1は2枚の第
一及び第二固体電解質体12,13と,アルミナ基板1
25,135と,アルミナヒータ基板141及びアルミ
ナ保護基板142とにより構成された積層型のガスセン
サ1である。
【0040】図1に示すごとく,上記第一固体電解質体
12と上記アルミナ基板125とによりサンプルガス室
100が,また上記第二固体電解質体13と上記アルミ
ナ基板135とにより開放室150が構成されている。
ここに開放室150とは,上記第二酸素ポンプセル31
及び上記第二検出セル51により排出される酸素ガス8
9が開放される空間である。ここに開放された酸素ガス
89は,小穴146を通過しガスセンサ1外部に拡散排
気される。
【0041】図1に示すごとく,上記アルミナヒータ基
板141にはヒータ部140が設けてあり,上記アルミ
ナ保護基板142は該ヒータ部140を被覆するよう設
けてある。
【0042】図3に示すごとく,上記第一固体電解質体
12には第一酸素ポンプセル21及び第一検出セル3を
構成する電極218,219,38,39が設けてあ
る。また,上記電極218,219,38,39に回路
245,35を接続するための端子部267,268,
269が設けてある。更に,上記電極218,219,
38,39と上記端子部268,269とを導通させる
ためにリード部258,259が設けてある。なお,上
記端子部268と267との間は第一固体電解質体12
を貫通するスルーホール266により導通がとられてい
る。
【0043】同様に,図3に示すごとく,上記第二固体
電解質体13には第二酸素ポンプセル31及び第二検出
セル51を構成する電極318,319,338,33
9が設けてある。また,上記電極318,319,33
8,339に回路245,35を接続するための端子部
368,369が設けてある。更に,上記電極318,
319,338,339と上記端子部368,369と
を導通させるためのリード部358,359が設けてあ
る。
【0044】なお,上記端子部368と267との間は
第一固体電解質体12,アルミナ基板125を貫通する
スルーホール266により導通がとられており,上記端
子部369と269との間は第一固体電解質体12,ア
ルミナ基板125及び第二固体電解質体13を貫通する
スルーホール266により導通がとられている。
【0045】図1,図3に示すごとく,上記スルーホー
ル266は,上記電源246,36に対し上記第一酸素
ポンプセル21,第二酸素ポンプセル31,上記第一検
出セル3及び第二検出セル51とを電気的に並列接続す
る役目をも担っている。また,上記第一固体電解質体1
2には3つのピンホール状のサンプルガス導入路121
が電極218,219を貫通して設けてある。
【0046】図3に示すごとく,上記アルミナ基板12
5にはサンプルガス室100を形成するための窓部12
6が,上記アルミナ基板135には開放室150を形成
するための窓部136が設けてある。また,上記アルミ
ナヒータ基板141にはヒータ部140が設けてある。
更に,上記アルミナヒータ基板141及び上記アルミナ
保護基板142には,上記開放室150から酸素ガス8
9を排出するための小穴146がそれぞれ設けてある。
【0047】また,図3に示すごとく,上記アルミナヒ
ータ基板141におけるヒータ部140は,上記小穴1
46と干渉しないように設けてある。上記ヒータ部14
0は,アルミナヒータ基板141の反対面に設けた端子
部147と導通したリード部149を設けてある。な
お,上記端子部147とリード部149との導通は,ア
ルミナヒータ基板141に設けたスルーホール146に
よりとられている。
【0048】図1に示すごとく,上記上記第一及び第二
酸素ポンプセル21,31において,上記電極218,
318及び219,319との間には,電源246,電
圧計V1を介して回路245が形成されている。上記電
圧計V1は,電極218−電極219間及び電極318
−電極319間の電圧を検出するためのものである。ま
た,上記第一検出セル3及び第二検出セル51におい
て,上記電極38,338及び39,339との間に
は,電源36,電流計A0を介して回路35が形成され
ている。上記電流計A0は,電極38−電極39間及び
電極338−電極339間に流れる限界電流の和を検出
するものである。
【0049】上記第一及び第二固体電解質体12,13
はイットリア安定化ジルコニア(YSZ)より構成され
ており,幅7mm,長さ61mm,厚さ0.16mmで
ある。上記アルミナ基板125,135,アルミナヒー
タ基板141,アルミナ保護基板142はアルミナより
なり,幅7mm,長さ61mm,厚さ0.16mmであ
る。
【0050】また,上記サンプルガス室100内に面す
る上記第一及び第二酸素ポンプセル21,31の電極2
18,318はPt−Au合金からなり,該合金におい
てAuの含有量は1重量%である。一方,上記第一及び
第二検出セル3,51の電極38,39,318,33
9と,上記反対面129,139に設けられた上記上記
第一及び第二酸素ポンプセル21,31の電極219,
319はPtからなる。さらに,上記ヒータ部140
は,Ptからなる。
【0051】また,上記上記第一及び第二酸素ポンプセ
ル21,31の電極218,219,318,319の
面積は,それぞれ略70mm2 である。上記第一検出セ
ル3及び第二検出セル51の電極38,39,338,
339の面積は,それぞれ略12mm2 である。
【0052】次に,上記ガスセンサ1の組立及び製造に
つき説明する。まず,焼成後には第一及び第二固体電解
質体12,13,アルミナ基板125,135,アルミ
ナヒータ基板141及びアルミナ保護基板142となる
グリーンシートを作成する。それぞれのグリーンシート
の形状は,図3に示す焼成後の形状とほぼ同じである。
【0053】次いで,焼成後には第一固体電解質体12
となるグリーンシートに対し,電極218,219,3
8,39,リード部258,259,端子部267,2
68,269を印刷形成する。また,焼成後には第二固
体電解質体13となるグリーンシートに対し,電極31
8,319,338,339,リード部358,35
9,端子部368,369を印刷形成する。更に,焼成
後にはアルミナヒータ基板141となるグリーンシート
に対し,ヒータ部140,リード部149,端子部14
7を印刷形成する。
【0054】次に,各グリーンシートを図3に示す構成
となるよう積層して積層体となし,該積層体を加圧しな
がら約1500℃ないし1600℃で焼成し,一体品と
する。これによりガスセンサ1を得る。
【0055】次に,ガスセンサ1を自動車の排気経路に
取り付ける方法につき説明する。図4に示すごとく,上
記ガスセンサ1は,ガスセンサアッセンブリ4に組み付
けられ,このガスセンサアッセンブリ4ごと排気経路に
取り付ける。上記ガスセンサアッセンブリ4は,ガスセ
ンサ1を保持するホルダ42と,該ホルダ42の前方を
被覆し,サンプルガスである排ガスよりガスセンサ1を
保護するためのカバー41よりなる。
【0056】また,上記ガスセンサ1には,出力の引き
出し,電圧の印加等の目的から複数のリード線が接続さ
れているが,該リード線を格納するためのハウジング4
4が上記ガスセンサアッセンブリ4に設けてある。更
に,上記ガスセンサアッセンブリ4には,これを排気経
路に固定するためのフランジ43が設けてある。なお,
上記カバー41にはサンプルガスとなる排ガスを流通さ
せるための通気穴410が複数段けてある。
【0057】そして,図5に示すごとく,上記ガスセン
サアッセンブリ4は,自動車用エンジン51の排気経路
である排気管50において,三元触媒53の下流側に設
置される。そして,上記排気経路には,フランジ43に
おいて,図示されていないガスケットを介し,ポルトに
より固定されている。なお,上記三元触媒53の上流側
にはA/Fセンサ52が配置される。
【0058】上記の構成において,本例のガスセンサ1
及びA/Fセンサ52の信号をもとに,上記エンジン5
1のリーンバーン精密制御,あるいは三元触媒53の劣
化検出が行われる。
【0059】次に,本例における作用効果につき説明す
る。本例のガスセンサ1において上記サンプルガス8中
の検出ガス濃度,即ち排ガス中のNOxガス濃度は以下
に示すごとく検出される。まず,図5に示すごとく,上
記エンジン51から排出された排ガスは上記三元触媒5
3を経て,上記ガスセンサ1のまわりにサンプルガス8
として到達する。そして,図1に示すごとく,上記サン
プルガス8は上記サンプルガス導入路121を通過し,
上記サンプルガス室100内に拡散する。
【0060】そして,上記サンプルガス室100内の酸
素ガス89は,上記第一及び第二酸素ポンプセル21,
31によってセンサ外部に排出される。この時,上記サ
ンプルガス室100内の酸素ガス濃度は,一定電圧(例
えば0.8V)がかけられた上記上記第一及び第二酸素
ポンプセル21,31によって,略0(例えば0.01
ppm以下)になるまで低減される。
【0061】このようにして酸素ガス濃度が低い状態に
達したサンプルガス8は,上記第一検出セル3及び第二
検出セル51の電極38,338のまわりに到達する。
上記第一及び第二検出セル3,51において,上記サン
プルガス8中の検出ガス,即ちNOxガスは,上記電極
38,338と接触し,還元され,酸素イオンとなる。
【0062】そして,上記第一検出セル3及び第二検出
セル51と導通した回路35においては,電源36によ
り常に一定の電圧(例えば0.5V)が電極38,39
間及び電極338,339間に印加されており,上記酸
素イオンの濃度に対応した限界電流値を電流計A0にお
いて検出することができる。
【0063】ここで,図6(a)に示すごとく,サンプ
ルガス室100の一面のみに酸素ポンプセル90を設け
た場合には,同図における左方の線図に示すごとく,酸
素ポンプセル90を設けた対向面近傍に酸素ガス89が
残存する。よって,酸素ガス濃度を略0(例えば0.0
1ppm以下)になるまで低減することは困難であっ
た。
【0064】しかし,図6(b)に示すごとく,サンプ
ルガス室100の対向する二面に第一酸素ポンプセル2
1,第二酸素ポンプセル31を設ける方法では,第一酸
素ポンプセル21によって排出できずに残留した該第一
酸素ポンプセル21を設けた対向面近傍の酸素ガス89
を,上記第一酸素ポンプセル21と相対向する位置に設
けた上記第二酸素ポンプセル31によって容易に排出す
ることができる。従って,本例にかかるガスセンサ1に
おけるサンプルガス室100の酸素ガス89は略0(例
えば0.01ppm以下)となるまで低減することがで
きる。
【0065】また,上述においても明らかであるが,本
例にかかるガスセンサ1におけるサンプルガス室100
からの酸素排出能力は大幅に向上している。よって,よ
り多くのサンプルガス8を取り入れることが可能とな
り,NOxガスに対する感度も向上する。
【0066】単に酸素排出能力を高めるためには,図7
(a)に示すごとく,酸素ポンプセル91の電極面積S
を大きくすればよい。しかしこの場合には電極面積と同
時に電極長さが長くなるため,結果としてサンプルガス
の拡散距離Lが長くなってしまう。この場合には,検出
セル51に拡散するNOxが減少し,ガスセンサ1の感
度が低下するおそれがあった。なお,サンプルガス拡散
距離Lとは,図7に示すごとく,サンプルガス導入路1
21と検出セル51の端部との間の距離である。
【0067】しかし,図7(b)に示す本例のガスセン
サ1に示すごとく,第一及び第二酸素ポンプセル21,
31を設けることにより拡散距離Lを変化させることな
く,酸素ポンプセルの電極面積を増大させ,よってガス
センサ1における酸素排出能力を高めることができる。
よって,感度の高いガスセンサ1を得ることができる。
【0068】また,本例のガスセンサ1は,図1に示す
ごとく,上記サンプルガス室100内に第一及び第二検
出セル3,51が設けられ,上記第一検出セル3の電極
38,39と,上記第二検出セル51の電極338,3
39とは相対向する位置に設けてある。これにより,第
一検出セル3により検出できなかった対向面近傍の検出
ガスを,もう一方の第二検出セル51が検出することが
できる。従って,ガスセンサの検出能力が向上し,感度
も向上する。
【0069】また,本例のガスセンサ1は,図1に示す
ごとく,上記第一酸素ポンプセル21の電極218,2
19と上記第二酸素ポンプセル31の電極318,31
9とは電気的に並列接続されている。これにより,上記
第一及び第二酸素ポンプセル21,31を駆動させる場
合の端子の数を1個の酸素ポンプセルを駆動させる場合
と同じ2個で構成することができる。さらに,上記第一
及び第二酸素ポンプセル21,31の制御を同時に行う
ことができる。
【0070】同様に,本例のガスセンサ1は,図1に示
すごとく,上記第一検出セル3の電極38,39と上記
第二検出セル51の電極338,339とは,電気的に
並列接続されている。これにより,上記第一及び第二検
出セル3,51を作動させる場合の端子の数を1個の検
出セルを作動させる場合と同じ2個で構成することがで
きる。さらに,上記第一及び第二検出セル3,51の限
界電流値の和を容易に得ることができる。
【0071】以上のように,本例によれば,センサ出力
に対する酸素ガスの悪影響を確実に排除でき,感度の高
いガスセンサを提供することができる。
【0072】また,本例のガスセンサ1において,第一
酸素ポンプセル21,第二酸素ポンプセル31,第一及
び第二検出セル3,51は,上記サンプルガス流れに対
し,第一及び第二酸素ポンプセル21,31,第一及び
第二検出セル3,51の順に設けてある。これにより,
上記第一及び第二酸素ポンプセル21,31で十分に酸
素ガス89をガスセンサ1の外に排出した後,第一及び
第二検出セル3,51にて検出ガスであるNOxガスを
検出することができる。
【0073】また,本例において上記サンプルガス導入
路121はピンホール,上記開放室150からの酸素ガ
ス89の開放穴は小穴146としたが,ピンホールまた
は小穴に多孔質体を充填した構造としてもよい。
【0074】また,本例のガスセンサ1は,第一酸素ポ
ンプセル21,第二酸素ポンプセル31,第一及び第二
検出セル3,51のまわりを加熱するためのヒータ部1
40が一体的に設けてある。これにより,エンジン51
の始動後,短時間で各電極を活性温度に加熱することが
でき,NOxガス濃度検出を行うことができる。したが
ってエンジン51の始動後,速やかにエンジン51のリ
ーンバーン精密制御,あるいは三元触媒53の劣化検出
が可能となる。
【0075】また,図8に示すごとく,本例のガスセン
サ1において,上記第一及び第二酸素ポンプセル21,
31は拡散方向に対する垂直平面において重なる位置に
配設したが,上記垂直平面において重ならない位置に設
けることもできる。この場合においても,第一酸素ポン
プセル21により酸素ガス89を排出し,これによって
排出できなかった対向面近傍の酸素ガス89は,該対向
面近傍の下流側に設けられた第二酸素ポンプセル31が
排出することができる。
【0076】これは,上記対向面近傍の酸素ガス89の
大半が再び上記第一酸素ポンプセル21に拡散する前
に,第二酸素ポンプセル31により酸素ガス89を排出
することができるからである。このため,同図の左右に
設けた線図に示すごとく,サンプルガス室100の酸素
ガス濃度は略0(例えば0.01ppm以下)となるま
で低減することができる。
【0077】実施形態例2 本例は,図9〜図11に示すごとく,第一及び第二酸素
ポンプセルと検出セルとの間にサンプルガス室の酸素ガ
ス濃度を制御するための酸素センサセルを設けたガスセ
ンサである。
【0078】図9に示すごとく,本例のガスセンサ5
は,実施形態例1と同様にサンプルガス室100,サン
プルガス導入路121,第一酸素ポンプセル21,第二
酸素ポンプセル31,第一検出セル3(ただし,検出セ
ルは実施形態例1と異なり一つしか設けていない)を有
する。
【0079】そして,上記ガスセンサ5は,上記サンプ
ルガス室100内に面した第一固体電解質体12の1つ
の面及びその反対面129に設けた一対の電極228,
229からなり,上記サンプルガス室100内の酸素ガ
ス89を上記両電極228,229を通じて外部へ透過
させながら上記サンプルガス8中の酸素ガス濃度を検出
するポンプ式の酸素センサセル22を有する。
【0080】上記サンプルガス室100内における,上
記ポンプ式酸素センサセル22の電極228は,上記検
出ガスを酸素イオンに還元しない不活性電極である。ま
た,上記反対面129に設けた上記ポンプ式酸素センサ
セル22の電極229は,上記検出ガスを酸素イオンに
還元する活性電極である。
【0081】更に,上記第一及び第二酸素ポンプセル2
1,31は,上記ポンプ式酸素センサセル22からの信
号値に基づき,上記サンプルガス室100内の酸素ガス
濃度を一定値に保つよう構成されている。上記信号値と
は,上記ポンプ式酸素センサセル22に回路225を通
じて一定電圧を加えた場合に生じる限界電流値である。
図9に示すごとく,上記第一及び第二酸素ポンプセル2
1,31において,上記電極218,318と上記電極
219,319との間には,コントローラ216を介し
て回路215が形成されている。
【0082】上記コントローラ216は上記電極21
8,318と上記電極219,319との間に電圧を印
加する電源と,上記電圧を制御する可変抵抗器を有す
る。また,ポンプ式酸素センサセル22において,上記
電極228と229との間には,電源226及び電流計
A1を介して回路225が形成されている。
【0083】上記電流計A1は電極228−電極229
間に流れる限界電流を検出するものである。また,電流
計A1と上記コントローラ216との間には,フィード
バック回路25が設けてなり,この回路を通じて上記電
流計A1において検知された限界電流の値によるコント
ローラ216を利用した上記第一及び第二酸素ポンプセ
ル21,31の作動制御が行われる。
【0084】なお,上記サンプルガス室100内におけ
る,上記ポンプ式酸素センサセル22の電極228はP
t−Au合金からなり,該合金においてAuの含有量は
1重量%である。また,上記反対面129に設けられた
上記ポンプ式酸素センサセル22の電極229はPtか
らなる。また,上記ポンプ式酸素センサセル22の電極
228,229の面積は,略12mm2 である。その他
は,実施形態例1と同様である。
【0085】次に,本例における作用効果につき説明す
る。本例のガスセンサ5において,サンプルガス8中の
検出ガス濃度,即ち排ガス中のNOxガス濃度は以下に
示すごとく検出される。まず,前述の図5に示すごと
く,上記エンジン51から排出された排ガスは上記三元
触媒53を経て,上記ガスセンサ1のまわりにサンプル
ガス8として到達する。そして,図9に示すごとく,上
記サンプルガス8は上記サンプルガス導入路121を通
過し,上記サンプルガス室100内に拡散する。
【0086】上記サンプルガス室100内の酸素ガス8
9は,上記第一及び第二酸素ポンプセル21,31によ
ってセンサ外部に排出される。この時,上記サンプルガ
ス室100内の酸素ガス濃度は,図9に示すごとく,一
定電圧(例えば0.8V)が印加された上記ポンプ式酸
素センサセル22における限界電流値によって監視され
ている。
【0087】上記限界電流値はポンプ式酸素センサセル
22と導通した回路225中の電流計A1によって検知
される。この限界電流値が一定となるように,フィード
バック回路25を通じて,上記第一及び第二酸素ポンプ
セル21,31と導通した回路215中のコントローラ
216が制御される。
【0088】これにより,上記第一及び第二酸素ポンプ
セル21,31の酸素ポンプ能力はポンプ式酸素センサ
セル22により制御することができる。即ち,図10に
示すごとく,ポンプ式酸素センサセル22において酸素
ガス濃度が高い場合には,電流計A1の値が目標とする
酸素ガス濃度を示す限界電流値I0より限界電流値I2
へと上昇する。
【0089】この場合には,フィードバック回路25を
通じて上記電流計A1の値がコントローラ216に対し
入力され,該コントローラ216は回路215の電圧を
高め,上記第一及び第二酸素ポンプセル21,31にお
ける酸素ガス89の放出を促進する。なお,上記限界電
流値とは,図10における,電流−電圧曲線において傾
き0となっている部分である。
【0090】一方,酸素ガス濃度が低い場合には,電流
計A1の値が目標とする酸素ガス濃度を示す限界電流値
I0より限界電流値I1ヘと低下する。この場合には,
上記コントローラ216は回路215の電圧を下げて,
上記第一及び第二酸素ポンプセル21,31における酸
素ガス89の放出を抑制する。以上の制御により,図1
1に示すごとく,上記第一及び第二酸素ポンプセル2
1,31周りを通過するサンプルガス中の酸素ガス濃度
は,若干の変動(振れ幅W1)はあるものの,だいたい
一定の範囲内の値,平均してY1となる。
【0091】更に,本例のガスセンサ5においては,ポ
ンプ式酸素センサセル22においても,絶えず一定量の
酸素ガス89がサンプルガス室100の外部へ運び出さ
れている。このため,図11に示すごとく,ポンプ式酸
素センサセル22周りを通過するサンプルガス中の酸素
ガス濃度は,上記第一及び第二酸素ポンプセル21,3
1周りの時よりも更に減少し,平均してY2となる。ま
た,この時,酸素ガス濃度の変動(振れ幅W2)も更に
小さくなる。
【0092】そして,このように酸素ガス濃度の振れ幅
が小さく,かつ酸素ガス濃度が低い状態にあるサンプル
ガス8が,検出セル3周りに到達する。上記検出セル3
において,上記サンプルガス8中の検出ガス,即ちNO
xガスは上記電極38と接触し,還元され,酸素イオン
となる。
【0093】そして,上記検出セル3と導通した回路3
5においては,電源36により常に一定の電圧(例えば
0.5V)が電極38,39間に印加されており,上記
酸素イオンの濃度に対応した限界電流値を電流計A0に
おいて検出することができる。
【0094】ここに,図11に示すごとく,サンプルガ
ス室100における酸素ガス濃度はほぼ一定であること
から,上記酸素ガス濃度由来の酸素イオンの量もほぼ一
定である。従って,電流計A0に与える影響もほぼ一定
となる。以上により,上記限界電流の値により,NOx
ガス濃度の変動を検知することができる。その他は,実
施形態例1と同様である。
【0095】また,本例において,サンプルガス室内に
拡散する酸素の濃度を一定に保つための酸素センサセル
の信号は,酸素センサセルの両電極間に一定電圧を加え
た場合の限界電流値としたが,酸素センサセル電極間の
電圧値としても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における,ガスセンサの断面説明
図(図2にかかるA−A矢視断面図)。
【図2】実施形態例1における,ガスセンサの平面説明
図。
【図3】実施形態例1における,ガスセンサの展開説明
図。
【図4】実施形態例1における,ガスセンサアッセンブ
リの一部断面説明図。
【図5】実施形態例1における,車両用の内燃機関の排
気経路中における,ガスセンサの配置説明図。
【図6】実施形態例1における,(a)サンプルガス室
の片面にのみ酸素ポンプセルを設けたガスセンサの要部
説明図及びこの場合の酸素ガス濃度の分布を示す線図,
(b)サンプルガス室の対向面に第一及び第二酸素ポン
プセルを設けたガスセンサの要部説明図及びこの場合の
酸素ガス濃度の分布を示す線図。
【図7】実施形態例1における,(a)サンプルガス室
に電極面積大の酸素ポンプセルを設けたガスセンサ要部
断面説明図,(b)サンプルガス室に第一及び第二ポン
プセルを設けたガスセンサの要部断面説明図。
【図8】実施形態例1における,第一及び第二酸素ポン
プセルを対面しないように設けた場合のガスセンサの要
部断面説明図。
【図9】実施形態例2における,酸素センサセルを設け
たガスセンサの断面説明図。
【図10】実施形態例2における,ポンプ式酸素センサ
セルによる電流と電圧の関係を示す線図。
【図11】実施形態例2にかかる,ガスセンサのサンプ
ルガス室における酸素ガス濃度の変化を示す線図。
【符号の説明】
1,5...ガスセンサ, 100...サンプルガス室, 12...第一固体電解質体, 129,139...反対面, 13...第二固体電解質体, 21...第一酸素ポンプセル, 218,219,319,318,338,339,3
8,39...電極, 3...第一検出セル, 31...第二酸素ポンプセル, 51...第二検出セル, 8...サンプルガス, 89...酸素ガス,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水谷 圭吾 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一部が酸素イオン導電性の第一,第二及
    び第三固体電解質体によって形成されたサンプルガス室
    と,該サンプルガス室内にサンプルガスを導くサンプル
    ガス導入路と,上記サンプルガス室内に面した上記第一
    固体電解質体の1つの面及びその反対側の面に設けられ
    た一対の電極からなる第一酸素ポンプセルと,上記サン
    プルガス室内に面した上記第二固体電解質体の1つの面
    及びその反対側の面に設けられた一対の電極からなる第
    二酸素ポンプセルと,上記サンプルガス室内に面した上
    記第三固体電解質体の1つの面及びその反対側の面に設
    けられた一対の電極からなり,かつ上記サンプルガス室
    中の検出ガス濃度を検出するための検出セルとからなる
    ガスセンサであって,上記サンプルガス室内に面した上
    記第一酸素ポンプセルの電極と,上記第二酸素ポンプセ
    ルの電極とは,上記サンプルガス室の対向する面にそれ
    ぞれ設けられていることを特徴とするガスセンサ。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記第一酸素ポンプ
    セルの電極と上記第二酸素ポンプセルの電極とは,上記
    サンプルガス室の対向する面において少なくともその一
    部が重なり合う位置関係にあることを特徴とするガスセ
    ンサ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において,上記第一酸
    素ポンプセルの電極と上記第二酸素ポンプセルの電極と
    は電気的に並列接続されていることを特徴とするガスセ
    ンサ。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項において,
    上記第一酸素ポンプセル及び上記第二酸素ポンプセルと
    上記検出セルとの間には,上記サンプルガス室内に面し
    た第四固体電解質体の1つの面及びその反対側の面に設
    けられた一対の電極からなる酸素センサセルを設けてな
    り,かつ該酸素センサセルからの信号により上記サンプ
    ルガス室内の酸素ガス濃度が一定となるように制御する
    ことを特徴とするガスセンサ。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項において,
    上記検出セルは少なくとも2個設けられ,これら検出セ
    ルの電極の中で少なくとも2個の電極は上記サンプルガ
    ス室内において相対向する位置に設けられていることを
    特徴とするガスセンサ。
  6. 【請求項6】 請求項5において,上記検出セルの電極
    の中で少なくとも2個の電極は電気的に並列接続されて
    いることを特徴とするガスセンサ。
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