JP3607453B2 - ガスセンサ - Google Patents

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は,サンプルガス中に混在している特定の検出ガス濃度,例えば内燃機関の排ガス中に存在するNOxガス濃度等を検出するガスセンサに関する。
【0002】
【従来技術】
従来より,内燃機関の排気経路には,後述の図4,図5に示すごとく,内燃機関の燃焼制御等の目的からNOxセンサが設けてある。
上記NOxセンサとしては,固体電解質体の酸素イオン導電性(具体的には,安定化ジルコニア等の酸素イオン導電性)を利用して,排ガス中に存在するNOxガス濃度を検出するものが知られている。
【0003】
上記NOxセンサについて以下に説明する。
上記NOxセンサは,一部が酸素イオン導電性の固体電解質体によって形成されたサンプルガス室と,該サンプルガス室内にサンプルガス(この場合は内燃機関より排出された排ガス)を導くサンプルガス導入路と,上記サンプルガス室内に面した上記固体電解質体の1つの面及びその反対側の面に設けられた一対の電極よりなる検出セルとを有する。
なお,上記サンプルガス室内に面する上記検出セルの電極は,上記NOx中の酸素原子を酸素イオンに還元する活性電極である。
【0004】
このようなNOxセンサにおいては,上記検出セルがNOx中の酸素原子を還元反応によりイオン化し,酸素イオンとなす。このイオン化した酸素が上記固体電解質体を流通することにより,該固体電解質体にイオン電流が発生する。上記イオン電流の大きさはNOxガス量と比例することから,該イオン電流の値を測定することにより,NOxガス濃度を検出することができる。
【0005】
しかしながら,上記サンプルガス(この場合は排ガス)は,通常は酸素ガスも含有している。このため,上記検出セルはNOx中の酸素原子と共に,酸素中の酸素原子をもイオン化してしまう。即ち,上記イオン電流はNOxガス由来の酸素イオンと,酸素ガス由来の酸素イオンとが合算されたものである。
従って,上記構造のNOxセンサにおいては正しくNOxガス濃度に比例した検出値を得ることができなかった。
【0006】
このため,従来,検出セルよりもサンプルガス流れの上流側に,該サンプルガス中の酸素ガスを除去するための酸素ポンプセルを設けたNOxセンサが提案されている(特開平8−29387号)。
【0007】
上記酸素ポンプセルは,上記サンプルガス室内に面した固体電解質体の1つの面及びその反対側の面に設けられた一対の電極からなる。上記一対の電極間に電圧を付加することにより,上記酸素ポンプセル近傍の酸素ガスは酸素イオンとなって固体電解質体中を移動する。これにより,上記サンプルガス中の酸素ガスをサンプルガス室の外部に排出することができる。なお,上記サンプルガス室に面する上記酸素ポンプセルの電極は,上記NOx中の酸素原子を酸素イオンに還元しない不活性電極である。
【0008】
【解決しようとする課題】
しかしながら,上記従来のNOxセンサには以下に示す問題がある。
即ち,上記サンプルガス室において上記酸素ポンプセル近傍の酸素ガスは容易に除去することができるが,該酸素ポンプセルと離れた部分の酸素ガスの除去は困難である。特に,後述の図6(a)に示すごとく,上記酸素ポンプセルを設けた面の対向面近傍の酸素ガスの除去は困難である。
【0009】
また,上記NOxセンサにおいてサンプルガス中の酸素ガスは酸素ポンプセルにより除去されるが,該酸素ガスがNOxガス検出に障らないほどに除去されたかどうかは不明である。
このため,NOxセンサの出力が,真実サンプルガス中のNOxガス濃度に比例しているのかどうかということが不明である。即ち,このNOxセンサにおいて検出値が増大または減少した場合,NOxガス濃度が変化したのか,酸素ガス濃度が変化したのか,判別ができなかった。
【0010】
この問題に対する解決手段としては,例えば,SAE960334公報にかかるNOxセンサに示すごとく,サンプルガス室内の酸素ガス濃度を監視・制御するための酸素濃淡電池式の酸素センサセルを上記固体電解質体に設けることが知られている。
上記酸素濃淡電池式の酸素センサセルは一対の電極からなり,一方の電極は上記サンプルガス室に,他方の電極はサンプルガス室とは別に設けた大気室に面するよう設けてある。なお,上記大気室には大気中の空気が導入されている。
【0011】
しかしながら,上記酸素センサセルを設けたNOxセンサについても以下に示す問題が生じるおそれがある。
つまり,酸素センサセルを設けることにより,酸素ポンプセルの大きさが制限され,その電極面積が縮小してしまう。上記酸素ポンプセルの酸素排出量は電極面積に比例するため,酸素ポンプセルの酸素排出量が減少してしまう。
この場合,サンプルガス中への酸素ガス残留を防止するために,上記サンプルガス室へのサンプルガス導入量を減じなくてはならない。
【0012】
しかし,サンプルガス導入量を減じた場合には,上記NOxセンサの検出セルにおいて検出されるイオン電流はNOxの単位濃度あたり略2〜6μA/1000ppmとなってしまう。
即ち,上記酸素センサセルを設けることにより感度の低いNOxセンサしか得ることができなくなるおそれがあった。
また,上記酸素センサセルを設けるためには,サンプルガス室とは別に大気室を必要とするため,NOxセンサの構造が複雑になるおそれがあった。
【0013】
以上は,NOxガスを検出するNOxセンサについて述べたが,これと同様の問題は,SOxガス濃度を検出するSOxセンサ,HOガス濃度を検出するHOセンサ,COを検出するCOセンサ等,検出セルにおいて検出ガスを還元することにより得られた酸素イオンが該検出セルを設けた固体電解質体を流通する際のイオン電流を元に検出ガス濃度を検出する構造のガスセンサにおいて共通に発生する。
【0014】
本発明は,かかる問題点に鑑み,センサ出力に対する酸素ガス濃度の悪影響を排除でき,感度の高いガスセンサを提供しようとするものである。
【0015】
【課題の解決手段】
請求項1の発明は,一部が酸素イオン導電性の第一,第二及び第三固体電解質体によって形成されたサンプルガス室と,
該サンプルガス室内にサンプルガスを導くサンプルガス導入路と,
上記サンプルガス室内に面した上記第一固体電解質体の1つの面及びその反対側の面に設けられた一対の電極からなる第一酸素ポンプセルと,
上記サンプルガス室内に面した上記第二固体電解質体の1つの面及びその反対側の面に設けられた一対の電極からなる第二酸素ポンプセルと,
上記サンプルガス室内に面した上記第三固体電解質体の1つの面及びその反対側の面に設けられた一対の電極からなり,かつ上記サンプルガス室中の検出ガス濃度を検出するための検出セルとからなるガスセンサであって,
上記サンプルガス室内に面した上記第一酸素ポンプセルの電極と,上記第二酸素ポンプセルの電極とは,上記サンプルガス室の対向する面にそれぞれ設けられており,
かつ上記検出セルは,サンプルガス導入路からのサンプルガスの流れに対して,上記第一酸素ポンプセル及び第二酸素ポンプセルの下流側に設けられていることを特徴とするガスセンサにある。
【0016】
本発明の作用につき,以下に説明する。
本発明のガスセンサにおいては,上記サンプルガス室内に面した上記第一酸素ポンプセルの電極と上記第二酸素ポンプセルの電極とは上記サンプルガス室の対向する面にそれぞれ設けられている。
【0017】
このため,後述の図6(a),(b)に示すごとく,従来技術ではサンプルガス室の片面側の酸素ガスしか除去することができなかったが,本発明によれば,サンプルガス室の両側より酸素ガスを排出することができる。
従って,酸素排出量が大幅に向上し,より多くのサンプルガスをサンプルガス室に取り入れることが可能となる。よって,ガスセンサの感度も向上する。
【0018】
以上のように,本発明によれば,センサ出力に対する酸素ガス濃度の悪影響を排除でき,かつ検出ガスに対する感度が高いガスセンサを提供することができる。
【0019】
なお,上記固体電解質体としては,特に上記ガスセンサがNOxガス濃度を検出するNOxセンサである場合には,安定化ジルコニアを用いることができる。さらに,上記第一酸素ポンプセル及び上記第二酸素ポンプセルにおいて,サンプルガス室内に面するよう設けた電極としては,NOxガスを酸素イオンに還元しないPt−Au合金よりなる不活性電極を用いることができる。
また,上記検出セルにおいて,サンプルガス室内に面するよう設けた電極としては,NOxガスを酸素イオンに還元するPtよりなる活性電極を用いることができる。
【0020】
また,上記検出セルを設ける第三固体電解質体は,上記第一固体電解質体または第二固体電解質体と一体品とすることもできる。または,これらとは別体とすることもできる。
【0021】
なお,上記ガスセンサとしては,例えば,自動車用内燃機関の排ガス中におけるNOxガス濃度を検出するNOxセンサ,SOxガス濃度を検出するSOxセンサ,HOガス濃度を検出するHOセンサ,COを検出するCOセンサ等を挙げることができる。
【0022】
次に,請求項2の発明のように,上記第一酸素ポンプセルの電極と上記第二酸素ポンプセルの電極とは,上記サンプルガス室の対向する面において少なくともその一部が重なり合う位置関係にあることが好ましい。
これにより,上記サンプルガス導入路から上記検出セルまでのサンプルガスの拡散距離を短縮でき,ガスセンサの感度を高めることができる(図7参照)。
【0023】
次に,請求項3の発明のように,上記第一酸素ポンプセルの電極と上記第二酸素ポンプセルの電極とは電気的に並列接続されていることが好ましい。
これにより,上記第一及び第二酸素ポンプセルを駆動させる場合の端子の数を,1個の酸素ポンプセルを駆動させる場合と同じく2個で構成することができる。よって,ガスセンサの部品点数を減じ,アセンブリを容易とすることができる。さらに,上記第一及び第二酸素ポンプセルの制御を同時に行うことができる。
【0024】
次に,請求項4の発明のように,上記第一酸素ポンプセル及び上記第二酸素ポンプセルと上記検出セルとの間には,上記サンプルガス室内に面した第四固体電解質体の1つの面及びその反対側の面に設けられた一対の電極からなる酸素センサセルを設けてなり,
かつ該酸素センサセルからの信号により上記サンプルガス室内の酸素ガス濃度が一定となるように制御することが好ましい。
【0025】
これにより,上記サンプルガス室内の酸素ガス濃度をほぼ一定値に維持することができ,酸素ガス濃度がガスセンサの出力に与える影響を常に一定とすることができる。よって,酸素ガスの濃度に依存しない,精度の高いガスセンサを提供することができる。
なお,上記第四固体電解質体としては,上記第一〜第三固体電解質体のいずれかと一体品とすることができる。または,別体とすることができる。
【0026】
また,上記酸素センサセルからの信号は,上記酸素センサセルを構成する電極間の電圧値であることが好ましい。
これにより,上記酸素センサセルからの信号を受けて上記酸素ポンプセルの動作を制御するための回路を簡易な構成とすることができ,ガスセンサの制御性が向上する。
【0027】
また,上記酸素センサセルからの信号は,上記酸素センサセルに一定電圧を加えた場合の限界電流値であることが好ましい。
ところで限界電流式の酸素センサセルにおいては電極間に電圧を印加し,この電圧に抗して流れるイオン電流の値を利用して酸素ガス濃度を測定する。
従って,上記限界電流式の酸素センサセルには酸素ガスをサンプルガス室外に排出する酸素ポンプ作用がある。
よって,このような酸素センサセルを設けたガスセンサにおいては,より多くの酸素ガスをガスセンサ外に排出することができる。よって,より多量のサンプルガスをサンプルガス室内に導入することができる。
よって,より感度の高いガスセンサを得ることができる。
【0028】
また,上記ガスセンサにおいては,サンプルガス室内の酸素ガス濃度は上記酸素センサセルにより常に一定となるようフィードバック制御されている。このためサンプルガス中の酸素ガス濃度は目標値に対してある程度の振幅を持った値となる(図11参照)。
このような状態にあるサンプルガスに対し,更に,酸素センサセルによって酸素ガスが排出されることとなる。よって,後述の図11に示すごとく,サンプルガス中の酸素ガス濃度の振幅はさらに減少し(W1よりW2となる),より目標値に近い値となる。
【0029】
以上のように,限界電流式の酸素センサセルを有するガスセンサにおいては,酸素ガス濃度がガスセンサの出力に与える影響が高い精度で常に一定となる。よって,酸素ガス濃度の影響は容易かつ精密にキャンセルすることができる。従って,サンプルガス中の酸素ガス濃度に依存しない優れた精度を有するガスセンサを提供することができる。
さらに,限界電流式の酸素センサセルについては,ガスセンサの内部と大気雰囲気とを通気させる必要がないことから,より構成がシンプルなガスセンサを得ることができる。
【0030】
次に,請求項5の発明のように,上記検出セルは少なくとも2個設けられ,これら検出セルの電極の中で少なくとも2個の電極は上記サンプルガス室内において相対向する位置に設けられていることが好ましい。
これにより,1個の検出セルにより検出ガスを検出する場合に検出できなかったサンプルガス室における対向面近傍の検出ガスを,もう一方の検出セルにより容易に検出することができる。
従って,検出能力が向上し,ガスセンサの感度を高めることができる。
【0031】
次に,請求項6の発明のように,上記検出セルの電極の中で少なくとも2個の電極は電気的に並列接続されていることが好ましい。
これにより,上記第一及び第二検出セルの端子の数を,1個の検出セルを設けた場合と同じ2個で構成することができる。よって,ガスセンサの部品点数を減じ,アセンブリを容易とすることができる。
さらに,上記第一及び第二検出セルの限界電流値の和を容易に得ることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
実施形態例1
本発明の実施形態例にかかるガスセンサにつき,図1〜図8を用いて説明する。なお,本例のガスセンサにおいて,サンプルガスは車両用の内燃機関より排出される排ガス,また検出ガスは上記排ガスに含まれるNOxガスである。そして,上記ガスセンサは,図4,図5に示すごとく,内燃機関の排気経路中に配置されている。
【0033】
図1〜図3に示すごとく,本例にかかるガスセンサは,一部が酸素イオン導電性の第一,第二固体電解質体12,13によって形成されたサンプルガス室100と,該サンプルガス室100内にサンプルガス8を導くサンプルガス導入路121とを有する。
【0034】
また,上記サンプルガス室100内に面した上記第一固体電解質体12の1つの面及びその反対面129に設けられた一対の電極218,219からなる第一酸素ポンプセル21と,上記サンプルガス室100内に面した上記第二固体電解質体13の1つの面及びその反対面139に設けられた一対の電極318,319からなる第二酸素ポンプセル31とを有する。
【0035】
なお,上記第一及び第二酸素ポンプセル21,31は,上記サンプルガス室100内の酸素ガス89を外部に排出するために設けてある。また,上記サンプルガス導入路121はピンホールより構成されている。
【0036】
また,図1〜図3に示すごとく,本例のガスセンサ1は,上記サンプルガス室100内に面した上記第一固体電解質体12の1つの面及びその反対面129に設けられた一対の電極38,39からなる第一検出セル3と,上記サンプルガス室100内に面した上記第二固体電解質体13の一つの面及びその反対面139に設けられた一対の電極338,339からなる第二検出セル51とを有する。なお,上記第一検出セル3及び第二検出セル51は,上記サンプルガス室100内の検出ガス濃度を検出するために設けてある。
【0037】
また,上記上記第一及び第二酸素ポンプセル21,31の電極218,318は,上記検出ガスを酸素イオンに還元しない不活性電極である。
一方,上記第一検出セル3及び第二検出セル51の電極38,39,338,339と,上記反対面129,139に設けられた上記上記第一及び第二酸素ポンプセル21,31の電極219,319は,上記検出ガスを酸素イオンに還元する活性電極である。
【0038】
更に,上記上記第一及び第二酸素ポンプセル21,31は上記サンプルガス室100内において相対向する位置に設けられ,これらに接続された回路245は電源246に対し,電気的に並列接続されている。
そして,電源246により常に一定の電圧(例えば0.8V)が上記電極218−電極219間及び上記電極318−電極319間に印加されており,上記サンプルガス室100内の酸素ガス濃度を略0(例えば0.01ppm以下)に維持するよう構成されている。
【0039】
次に,上記ガスセンサ1につき詳細に説明する。
図1に示すごとく,上記ガスセンサ1は2枚の第一及び第二固体電解質体12,13と,アルミナ基板125,135と,アルミナヒータ基板141及びアルミナ保護基板142とにより構成された積層型のガスセンサ1である。
【0040】
図1に示すごとく,上記第一固体電解質体12と上記アルミナ基板125とによりサンプルガス室100が,また上記第二固体電解質体13と上記アルミナ基板135とにより開放室150が構成されている。
ここに開放室150とは,上記第二酸素ポンプセル31及び上記第二検出セル51により排出される酸素ガス89が開放される空間である。ここに開放された酸素ガス89は,小穴146を通過しガスセンサ1外部に拡散排気される。
【0041】
図1に示すごとく,上記アルミナヒータ基板141にはヒータ部140が設けてあり,上記アルミナ保護基板142は該ヒータ部140を被覆するよう設けてある。
【0042】
図3に示すごとく,上記第一固体電解質体12には第一酸素ポンプセル21及び第一検出セル3を構成する電極218,219,38,39が設けてある。また,上記電極218,219,38,39に回路245,35を接続するための端子部267,268,269が設けてある。
更に,上記電極218,219,38,39と上記端子部268,269とを導通させるためにリード部258,259が設けてある。
なお,上記端子部268と267との間は第一固体電解質体12を貫通するスルーホール266により導通がとられている。
【0043】
同様に,図3に示すごとく,上記第二固体電解質体13には第二酸素ポンプセル31及び第二検出セル51を構成する電極318,319,338,339が設けてある。また,上記電極318,319,338,339に回路245,35を接続するための端子部368,369が設けてある。
更に,上記電極318,319,338,339と上記端子部368,369とを導通させるためのリード部358,359が設けてある。
【0044】
なお,上記端子部368と267との間は第一固体電解質体12,アルミナ基板125を貫通するスルーホール266により導通がとられており,上記端子部369と269との間は第一固体電解質体12,アルミナ基板125及び第二固体電解質体13を貫通するスルーホール266により導通がとられている。
【0045】
図1,図3に示すごとく,上記スルーホール266は,上記電源246,36に対し上記第一酸素ポンプセル21,第二酸素ポンプセル31,上記第一検出セル3及び第二検出セル51とを電気的に並列接続する役目をも担っている。
また,上記第一固体電解質体12には3つのピンホール状のサンプルガス導入路121が電極218,219を貫通して設けてある。
【0046】
図3に示すごとく,上記アルミナ基板125にはサンプルガス室100を形成するための窓部126が,上記アルミナ基板135には開放室150を形成するための窓部136が設けてある。
また,上記アルミナヒータ基板141にはヒータ部140が設けてある。
更に,上記アルミナヒータ基板141及び上記アルミナ保護基板142には,上記開放室150から酸素ガス89を排出するための小穴146がそれぞれ設けてある。
【0047】
また,図3に示すごとく,上記アルミナヒータ基板141におけるヒータ部140は,上記小穴146と干渉しないように設けてある。上記ヒータ部140は,アルミナヒータ基板141の反対面に設けた端子部147と導通したリード部149を設けてある。なお,上記端子部147とリード部149との導通は,アルミナヒータ基板141に設けたスルーホール146によりとられている。
【0048】
図1に示すごとく,上記上記第一及び第二酸素ポンプセル21,31において,上記電極218,318及び219,319との間には,電源246,電圧計V1を介して回路245が形成されている。上記電圧計V1は,電極218−電極219間及び電極318−電極319間の電圧を検出するためのものである。また,上記第一検出セル3及び第二検出セル51において,上記電極38,338及び39,339との間には,電源36,電流計A0を介して回路35が形成されている。上記電流計A0は,電極38−電極39間及び電極338−電極339間に流れる限界電流の和を検出するものである。
【0049】
上記第一及び第二固体電解質体12,13はイットリア安定化ジルコニア(YSZ)より構成されており,幅7mm,長さ61mm,厚さ0.16mmである。
上記アルミナ基板125,135,アルミナヒータ基板141,アルミナ保護基板142はアルミナよりなり,幅7mm,長さ61mm,厚さ0.16mmである。
【0050】
また,上記サンプルガス室100内に面する上記第一及び第二酸素ポンプセル21,31の電極218,318はPt−Au合金からなり,該合金においてAuの含有量は1重量%である。
一方,上記第一及び第二検出セル3,51の電極38,39,318,339と,上記反対面129,139に設けられた上記上記第一及び第二酸素ポンプセル21,31の電極219,319はPtからなる。
さらに,上記ヒータ部140は,Ptからなる。
【0051】
また,上記上記第一及び第二酸素ポンプセル21,31の電極218,219,318,319の面積は,それぞれ略70mmである。上記第一検出セル3及び第二検出セル51の電極38,39,338,339の面積は,それぞれ略12mmである。
【0052】
次に,上記ガスセンサ1の組立及び製造につき説明する。
まず,焼成後には第一及び第二固体電解質体12,13,アルミナ基板125,135,アルミナヒータ基板141及びアルミナ保護基板142となるグリーンシートを作成する。それぞれのグリーンシートの形状は,図3に示す焼成後の形状とほぼ同じである。
【0053】
次いで,焼成後には第一固体電解質体12となるグリーンシートに対し,電極218,219,38,39,リード部258,259,端子部267,268,269を印刷形成する。
また,焼成後には第二固体電解質体13となるグリーンシートに対し,電極318,319,338,339,リード部358,359,端子部368,369を印刷形成する。
更に,焼成後にはアルミナヒータ基板141となるグリーンシートに対し,ヒータ部140,リード部149,端子部147を印刷形成する。
【0054】
次に,各グリーンシートを図3に示す構成となるよう積層して積層体となし,該積層体を加圧しながら約1500℃ないし1600℃で焼成し,一体品とする。これによりガスセンサ1を得る。
【0055】
次に,ガスセンサ1を自動車の排気経路に取り付ける方法につき説明する。
図4に示すごとく,上記ガスセンサ1は,ガスセンサアッセンブリ4に組み付けられ,このガスセンサアッセンブリ4ごと排気経路に取り付ける。
上記ガスセンサアッセンブリ4は,ガスセンサ1を保持するホルダ42と,該ホルダ42の前方を被覆し,サンプルガスである排ガスよりガスセンサ1を保護するためのカバー41よりなる。
【0056】
また,上記ガスセンサ1には,出力の引き出し,電圧の印加等の目的から複数のリード線が接続されているが,該リード線を格納するためのハウジング44が上記ガスセンサアッセンブリ4に設けてある。
更に,上記ガスセンサアッセンブリ4には,これを排気経路に固定するためのフランジ43が設けてある。なお,上記カバー41にはサンプルガスとなる排ガスを流通させるための通気穴410が複数段けてある。
【0057】
そして,図5に示すごとく,上記ガスセンサアッセンブリ4は,自動車用エンジン51の排気経路である排気管50において,三元触媒53の下流側に設置される。そして,上記排気経路には,フランジ43において,図示されていないガスケットを介し,ポルトにより固定されている。なお,上記三元触媒53の上流側にはA/Fセンサ52が配置される。
【0058】
上記の構成において,本例のガスセンサ1及びA/Fセンサ52の信号をもとに,上記エンジン51のリーンバーン精密制御,あるいは三元触媒53の劣化検出が行われる。
【0059】
次に,本例における作用効果につき説明する。
本例のガスセンサ1において上記サンプルガス8中の検出ガス濃度,即ち排ガス中のNOxガス濃度は以下に示すごとく検出される。
まず,図5に示すごとく,上記エンジン51から排出された排ガスは上記三元触媒53を経て,上記ガスセンサ1のまわりにサンプルガス8として到達する。そして,図1に示すごとく,上記サンプルガス8は上記サンプルガス導入路121を通過し,上記サンプルガス室100内に拡散する。
【0060】
そして,上記サンプルガス室100内の酸素ガス89は,上記第一及び第二酸素ポンプセル21,31によってセンサ外部に排出される。
この時,上記サンプルガス室100内の酸素ガス濃度は,一定電圧(例えば0.8V)がかけられた上記第一及び第二酸素ポンプセル21,31によって,略0(例えば0.01ppm以下)になるまで低減される。
【0061】
このようにして酸素ガス濃度が低い状態に達したサンプルガス8は,上記第一検出セル3及び第二検出セル51の電極38,338のまわりに到達する。上記第一及び第二検出セル3,51において,上記サンプルガス8中の検出ガス,即ちNOxガスは,上記電極38,338と接触し,還元され,酸素イオンとなる。
【0062】
そして,上記第一検出セル3及び第二検出セル51と導通した回路35においては,電源36により常に一定の電圧(例えば0.5V)が電極38,39間及び電極338,339間に印加されており,上記酸素イオンの濃度に対応した限界電流値を電流計A0において検出することができる。
【0063】
ここで,図6(a)に示すごとく,サンプルガス室100の一面のみに酸素ポンプセル90を設けた場合には,同図における左方の線図に示すごとく,酸素ポンプセル90を設けた対向面近傍に酸素ガス89が残存する。
よって,酸素ガス濃度を略0(例えば0.01ppm以下)になるまで低減することは困難であった。
【0064】
しかし,図6(b)に示すごとく,サンプルガス室100の対向する二面に第一酸素ポンプセル21,第二酸素ポンプセル31を設ける方法では,第一酸素ポンプセル21によって排出できずに残留した該第一酸素ポンプセル21を設けた対向面近傍の酸素ガス89を,上記第一酸素ポンプセル21と相対向する位置に設けた上記第二酸素ポンプセル31によって容易に排出することができる。
従って,本例にかかるガスセンサ1におけるサンプルガス室100の酸素ガス89は略0(例えば0.01ppm以下)となるまで低減することができる。
【0065】
また,上述においても明らかであるが,本例にかかるガスセンサ1におけるサンプルガス室100からの酸素排出能力は大幅に向上している。
よって,より多くのサンプルガス8を取り入れることが可能となり,NOxガスに対する感度も向上する。
【0066】
単に酸素排出能力を高めるためには,図7(a)に示すごとく,酸素ポンプセル91の電極面積Sを大きくすればよい。しかしこの場合には電極面積と同時に電極長さが長くなるため,結果としてサンプルガスの拡散距離Lが長くなってしまう。この場合には,検出セル51に拡散するNOxが減少し,ガスセンサ1の感度が低下するおそれがあった。
なお,サンプルガス拡散距離Lとは,図7に示すごとく,サンプルガス導入路121と検出セル51の端部との間の距離である。
【0067】
しかし,図7(b)に示す本例のガスセンサ1に示すごとく,第一及び第二酸素ポンプセル21,31を設けることにより拡散距離Lを変化させることなく,酸素ポンプセルの電極面積を増大させ,よってガスセンサ1における酸素排出能力を高めることができる。
よって,感度の高いガスセンサ1を得ることができる。
【0068】
また,本例のガスセンサ1は,図1に示すごとく,上記サンプルガス室100内に第一及び第二検出セル3,51が設けられ,上記第一検出セル3の電極38,39と,上記第二検出セル51の電極338,339とは相対向する位置に設けてある。
これにより,第一検出セル3により検出できなかった対向面近傍の検出ガスを,もう一方の第二検出セル51が検出することができる。
従って,ガスセンサの検出能力が向上し,感度も向上する。
【0069】
また,本例のガスセンサ1は,図1に示すごとく,上記第一酸素ポンプセル21の電極218,219と上記第二酸素ポンプセル31の電極318,319とは電気的に並列接続されている。
これにより,上記第一及び第二酸素ポンプセル21,31を駆動させる場合の端子の数を1個の酸素ポンプセルを駆動させる場合と同じ2個で構成することができる。さらに,上記第一及び第二酸素ポンプセル21,31の制御を同時に行うことができる。
【0070】
同様に,本例のガスセンサ1は,図1に示すごとく,上記第一検出セル3の電極38,39と上記第二検出セル51の電極338,339とは,電気的に並列接続されている。これにより,上記第一及び第二検出セル3,51を作動させる場合の端子の数を1個の検出セルを作動させる場合と同じ2個で構成することができる。さらに,上記第一及び第二検出セル3,51の限界電流値の和を容易に得ることができる。
【0071】
以上のように,本例によれば,センサ出力に対する酸素ガスの悪影響を確実に排除でき,感度の高いガスセンサを提供することができる。
【0072】
また,本例のガスセンサ1において,第一酸素ポンプセル21,第二酸素ポンプセル31,第一及び第二検出セル3,51は,上記サンプルガス流れに対し,第一及び第二酸素ポンプセル21,31,第一及び第二検出セル3,51の順に設けてある。
これにより,上記第一及び第二酸素ポンプセル21,31で十分に酸素ガス89をガスセンサ1の外に排出した後,第一及び第二検出セル3,51にて検出ガスであるNOxガスを検出することができる。
【0073】
また,本例において上記サンプルガス導入路121はピンホール,上記開放室150からの酸素ガス89の開放穴は小穴146としたが,ピンホールまたは小穴に多孔質体を充填した構造としてもよい。
【0074】
また,本例のガスセンサ1は,第一酸素ポンプセル21,第二酸素ポンプセル31,第一及び第二検出セル3,51のまわりを加熱するためのヒータ部140が一体的に設けてある。
これにより,エンジン51の始動後,短時間で各電極を活性温度に加熱することができ,NOxガス濃度検出を行うことができる。
したがってエンジン51の始動後,速やかにエンジン51のリーンバーン精密制御,あるいは三元触媒53の劣化検出が可能となる。
【0075】
また,図8に示すごとく,本例のガスセンサ1において,上記第一及び第二酸素ポンプセル21,31は拡散方向に対する垂直平面において重なる位置に配設したが,上記垂直平面において重ならない位置に設けることもできる。
この場合においても,第一酸素ポンプセル21により酸素ガス89を排出し,これによって排出できなかった対向面近傍の酸素ガス89は,該対向面近傍の下流側に設けられた第二酸素ポンプセル31が排出することができる。
【0076】
これは,上記対向面近傍の酸素ガス89の大半が再び上記第一酸素ポンプセル21に拡散する前に,第二酸素ポンプセル31により酸素ガス89を排出することができるからである。
このため,同図の左右に設けた線図に示すごとく,サンプルガス室100の酸素ガス濃度は略0(例えば0.01ppm以下)となるまで低減することができる。
【0077】
実施形態例2
本例は,図9〜図11に示すごとく,第一及び第二酸素ポンプセルと検出セルとの間にサンプルガス室の酸素ガス濃度を制御するための酸素センサセルを設けたガスセンサである。
【0078】
図9に示すごとく,本例のガスセンサ5は,実施形態例1と同様にサンプルガス室100,サンプルガス導入路121,第一酸素ポンプセル21,第二酸素ポンプセル31,第一検出セル3(ただし,検出セルは実施形態例1と異なり一つしか設けていない)を有する。
【0079】
そして,上記ガスセンサ5は,上記サンプルガス室100内に面した第一固体電解質体12の1つの面及びその反対面129に設けた一対の電極228,229からなり,上記サンプルガス室100内の酸素ガス89を上記両電極228,229を通じて外部へ透過させながら上記サンプルガス8中の酸素ガス濃度を検出するポンプ式の酸素センサセル22を有する。
【0080】
上記サンプルガス室100内における,上記ポンプ式酸素センサセル22の電極228は,上記検出ガスを酸素イオンに還元しない不活性電極である。
また,上記反対面129に設けた上記ポンプ式酸素センサセル22の電極229は,上記検出ガスを酸素イオンに還元する活性電極である。
【0081】
更に,上記第一及び第二酸素ポンプセル21,31は,上記ポンプ式酸素センサセル22からの信号値に基づき,上記サンプルガス室100内の酸素ガス濃度を一定値に保つよう構成されている。上記信号値とは,上記ポンプ式酸素センサセル22に回路225を通じて一定電圧を加えた場合に生じる限界電流値である。
図9に示すごとく,上記第一及び第二酸素ポンプセル21,31において,上記電極218,318と上記電極219,319との間には,コントローラ216を介して回路215が形成されている。
【0082】
上記コントローラ216は上記電極218,318と上記電極219,319との間に電圧を印加する電源と,上記電圧を制御する可変抵抗器を有する。また,ポンプ式酸素センサセル22において,上記電極228と229との間には,電源226及び電流計A1を介して回路225が形成されている。
【0083】
上記電流計A1は電極228−電極229間に流れる限界電流を検出するものである。また,電流計A1と上記コントローラ216との間には,フィードバック回路25が設けてなり,この回路を通じて上記電流計A1において検知された限界電流の値によるコントローラ216を利用した上記第一及び第二酸素ポンプセル21,31の作動制御が行われる。
【0084】
なお,上記サンプルガス室100内における,上記ポンプ式酸素センサセル22の電極228はPt−Au合金からなり,該合金においてAuの含有量は1重量%である。
また,上記反対面129に設けられた上記ポンプ式酸素センサセル22の電極229はPtからなる。
また,上記ポンプ式酸素センサセル22の電極228,229の面積は,略12mmである。
その他は,実施形態例1と同様である。
【0085】
次に,本例における作用効果につき説明する。
本例のガスセンサ5において,サンプルガス8中の検出ガス濃度,即ち排ガス中のNOxガス濃度は以下に示すごとく検出される。
まず,前述の図5に示すごとく,上記エンジン51から排出された排ガスは上記三元触媒53を経て,上記ガスセンサ1のまわりにサンプルガス8として到達する。そして,図9に示すごとく,上記サンプルガス8は上記サンプルガス導入路121を通過し,上記サンプルガス室100内に拡散する。
【0086】
上記サンプルガス室100内の酸素ガス89は,上記第一及び第二酸素ポンプセル21,31によってセンサ外部に排出される。この時,上記サンプルガス室100内の酸素ガス濃度は,図9に示すごとく,一定電圧(例えば0.8V)が印加された上記ポンプ式酸素センサセル22における限界電流値によって監視されている。
【0087】
上記限界電流値はポンプ式酸素センサセル22と導通した回路225中の電流計A1によって検知される。この限界電流値が一定となるように,フィードバック回路25を通じて,上記第一及び第二酸素ポンプセル21,31と導通した回路215中のコントローラ216が制御される。
【0088】
これにより,上記第一及び第二酸素ポンプセル21,31の酸素ポンプ能力はポンプ式酸素センサセル22により制御することができる。
即ち,図10に示すごとく,ポンプ式酸素センサセル22において酸素ガス濃度が高い場合には,電流計A1の値が目標とする酸素ガス濃度を示す限界電流値I0より限界電流値I2へと上昇する。
【0089】
この場合には,フィードバック回路25を通じて上記電流計A1の値がコントローラ216に対し入力され,該コントローラ216は回路215の電圧を高め,上記第一及び第二酸素ポンプセル21,31における酸素ガス89の放出を促進する。
なお,上記限界電流値とは,図10における,電流−電圧曲線において傾き0となっている部分である。
【0090】
一方,酸素ガス濃度が低い場合には,電流計A1の値が目標とする酸素ガス濃度を示す限界電流値I0より限界電流値I1ヘと低下する。この場合には,上記コントローラ216は回路215の電圧を下げて,上記第一及び第二酸素ポンプセル21,31における酸素ガス89の放出を抑制する。
以上の制御により,図11に示すごとく,上記第一及び第二酸素ポンプセル21,31周りを通過するサンプルガス中の酸素ガス濃度は,若干の変動(振れ幅W1)はあるものの,だいたい一定の範囲内の値,平均してY1となる。
【0091】
更に,本例のガスセンサ5においては,ポンプ式酸素センサセル22においても,絶えず一定量の酸素ガス89がサンプルガス室100の外部へ運び出されている。このため,図11に示すごとく,ポンプ式酸素センサセル22周りを通過するサンプルガス中の酸素ガス濃度は,上記第一及び第二酸素ポンプセル21,31周りの時よりも更に減少し,平均してY2となる。また,この時,酸素ガス濃度の変動(振れ幅W2)も更に小さくなる。
【0092】
そして,このように酸素ガス濃度の振れ幅が小さく,かつ酸素ガス濃度が低い状態にあるサンプルガス8が,検出セル3周りに到達する。上記検出セル3において,上記サンプルガス8中の検出ガス,即ちNOxガスは上記電極38と接触し,還元され,酸素イオンとなる。
【0093】
そして,上記検出セル3と導通した回路35においては,電源36により常に一定の電圧(例えば0.5V)が電極38,39間に印加されており,上記酸素イオンの濃度に対応した限界電流値を電流計A0において検出することができる。
【0094】
ここに,図11に示すごとく,サンプルガス室100における酸素ガス濃度はほぼ一定であることから,上記酸素ガス濃度由来の酸素イオンの量もほぼ一定である。従って,電流計A0に与える影響もほぼ一定となる。以上により,上記限界電流の値により,NOxガス濃度の変動を検知することができる。
その他は,実施形態例1と同様である。
【0095】
また,本例において,サンプルガス室内に拡散する酸素の濃度を一定に保つための酸素センサセルの信号は,酸素センサセルの両電極間に一定電圧を加えた場合の限界電流値としたが,酸素センサセル電極間の電圧値としても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における,ガスセンサの断面説明図(図2にかかるA−A矢視断面図)。
【図2】実施形態例1における,ガスセンサの平面説明図。
【図3】実施形態例1における,ガスセンサの展開説明図。
【図4】実施形態例1における,ガスセンサアッセンブリの一部断面説明図。
【図5】実施形態例1における,車両用の内燃機関の排気経路中における,ガスセンサの配置説明図。
【図6】実施形態例1における,(a)サンプルガス室の片面にのみ酸素ポンプセルを設けたガスセンサの要部説明図及びこの場合の酸素ガス濃度の分布を示す線図,(b)サンプルガス室の対向面に第一及び第二酸素ポンプセルを設けたガスセンサの要部説明図及びこの場合の酸素ガス濃度の分布を示す線図。
【図7】実施形態例1における,(a)サンプルガス室に電極面積大の酸素ポンプセルを設けたガスセンサ要部断面説明図,(b)サンプルガス室に第一及び第二ポンプセルを設けたガスセンサの要部断面説明図。
【図8】実施形態例1における,第一及び第二酸素ポンプセルを対面しないように設けた場合のガスセンサの要部断面説明図。
【図9】実施形態例2における,酸素センサセルを設けたガスセンサの断面説明図。
【図10】実施形態例2における,ポンプ式酸素センサセルによる電流と電圧の関係を示す線図。
【図11】実施形態例2にかかる,ガスセンサのサンプルガス室における酸素ガス濃度の変化を示す線図。
【符号の説明】
1,5...ガスセンサ,
100...サンプルガス室,
12...第一固体電解質体,
129,139...反対面,
13...第二固体電解質体,
21...第一酸素ポンプセル,
218,219,319,318,338,339,38,39...電極,
3...第一検出セル,
31...第二酸素ポンプセル,
51...第二検出セル,
8...サンプルガス,
89...酸素ガス,

Claims (6)

  1. 一部が酸素イオン導電性の第一,第二及び第三固体電解質体によって形成されたサンプルガス室と,
    該サンプルガス室内にサンプルガスを導くサンプルガス導入路と,
    上記サンプルガス室内に面した上記第一固体電解質体の1つの面及びその反対側の面に設けられた一対の電極からなる第一酸素ポンプセルと,
    上記サンプルガス室内に面した上記第二固体電解質体の1つの面及びその反対側の面に設けられた一対の電極からなる第二酸素ポンプセルと,
    上記サンプルガス室内に面した上記第三固体電解質体の1つの面及びその反対側の面に設けられた一対の電極からなり,かつ上記サンプルガス室中の検出ガス濃度を検出するための検出セルとからなるガスセンサであって,
    上記サンプルガス室内に面した上記第一酸素ポンプセルの電極と,上記第二酸素ポンプセルの電極とは,上記サンプルガス室の対向する面にそれぞれ設けられており,
    かつ上記検出セルは,サンプルガス導入路からのサンプルガスの流れに対して,上記第一酸素ポンプセル及び第二酸素ポンプセルの下流側に設けられていることを特徴とするガスセンサ。
  2. 請求項1において,上記第一酸素ポンプセルの電極と上記第二酸素ポンプセルの電極とは,上記サンプルガス室の対向する面において少なくともその一部が重なり合う位置関係にあることを特徴とするガスセンサ。
  3. 請求項1または2において,上記第一酸素ポンプセルの電極と上記第二酸素ポンプセルの電極とは電気的に並列接続されていることを特徴とするガスセンサ。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項において,上記第一酸素ポンプセル及び上記第二酸素ポンプセルと上記検出セルとの間には,上記サンプルガス室内に面した第四固体電解質体の1つの面及びその反対側の面に設けられた一対の電極からなる酸素センサセルを設けてなり,
    かつ該酸素センサセルからの信号により上記サンプルガス室内の酸素ガス濃度が一定となるように制御することを特徴とするガスセンサ。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項において,上記検出セルは少なくとも2個設けられ,これら検出セルの電極の中で少なくとも2個の電極は上記サンプルガス室内において相対向する位置に設けられていることを特徴とするガスセンサ。
  6. 請求項5において,上記検出セルの電極の中で少なくとも2個の電極は電気的に並列接続されていることを特徴とするガスセンサ。
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