JP2008014634A - 電気化学セル方式ガスセンサー - Google Patents

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Abstract

【課題】電気化学セル方式ガスセンサーを提供する。
【解決手段】電気化学反応システムを利用して被検知物質の検知を行う化学センサーであって、イオン伝導相と、該イオン伝導相と接し、かつ相対する二種以上の電極を有し、該電極構造として、被検知物質の選択的な吸着特性を有する化学検知電極層と、これに対して対極となる一つ以上の参照電極層を具備していることを特徴とする電気化学方式の化学センサー、その製造方法及び被検知物質の検知方法。
【効果】被検知物質の化学反応を妨害する酸素が過剰に存在する場合においても、低温高温にかかわらず、極めて応答速度の速い、高い検出能力を有する化学検知システムを提供できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、化学センサーに関するものであり、更に詳しくは、酸素を含む燃焼排ガス中において、窒素酸化物を、高感度、高速、かつ定量的に検知することを可能とする化学センサーに関するものである。本発明は、排ガス中の窒素酸化物を検知する際に、酸素分子の共存条件下においても、窒素酸化物を選択的に表面吸着させることにより、本質的に反応性あるいは応答性が低いイオン伝導のメカニズムを利用して、被検知物質である窒素酸化物を極めて高感度、高速、かつ定量的に検知することを可能とする、新しい化学センサーを提供するものである。
自動車排ガス等の環境汚染物質に対する浄化効率の向上は、国内外で大きな社会問題となっており、環境排出基準の強化は年々厳しくなっている。これに対しては、エンジン燃焼の改善と後処理技術の向上が主要な対策として講じられている。
例えば、直噴エンジンに代表される超希薄燃焼等のシステムを用い、適正に触媒を作動させることが求められているが、排ガス中及び触媒通過後の窒素酸化物濃度を、常時、正確にモニター可能な高性能化学センサーの開発が急務となっている。
そのため、例えば、半導体センサーや混成電位型・電解電流型のジルコニアセンサー等が開発されているが、応答時間が遅い、若しくは検出感度や定量性に乏しい、あるいは温度特性が不十分、更には、炭化水素や二酸化炭素等の共存ガスや水蒸気の存在比の変化で、窒素酸化物の検知及び応答特性の不安定性が生じる等の問題が見られている。
特に、固体電解質を用いたセンサーでは、酸素イオン伝導特性を利用して窒素酸化物を検知する方式のため、電子伝導に比してイオン伝導が遅いことから、応答性に大きな課題があった。
排ガス中の窒素酸化物を直接検知することが可能となれば、上記の問題が解決して飛躍的なセンサー性能の向上が期待される。これまでに、排ガス中の窒素酸化物に対する選択浄化性能向上の観点から、電気化学セル方式の高選択性リアクター開発が、本発明者らにより進められて来た。
従来のガソリンエンジンから発生する窒素酸化物の浄化は、現在、三元系触媒が主流となっている。しかし、燃費向上を可能とするリーンバーンエンジンやディーゼルエンジンなどの高性能エンジンにおいては、燃焼排ガス中に酸素が過剰に存在するため、三元系触媒表面への酸素の吸着による触媒活性の激減が問題となり、窒素酸化物を浄化することができない。
一方、酸素イオン伝導性を有する固体電解質膜を用いて、そこへ電流を流すことにより、排ガス中の窒素酸化物を除去することも行われている。触媒反応器として提案されているものとして、金属電極に両面を挟まれた固体電解質に電圧を印加することにより、表面酸素を除去すると同時に窒素酸化物を酸素と窒素に分解するシステムが提案されている。
しかしながら、上記方法では、燃焼排ガス中に過剰の酸素が存在する場合、共存している酸素と窒素酸化物の吸着分解反応場が同一の酸素欠陥よりなるため、酸素分子に対する窒素酸化物の吸着確率は、分子選択性及び共存分子数比から見て著しく低くなり、このため、窒素酸化物を分解するには、多量の電流を流す必要があり、消費電力が増大するという問題点を有する。
これに対して、化学反応器において、カソードの内部構造として、同層上部にナノメートルサイズの貫通孔を取り巻いて、電子伝導体とイオン伝導体がナノメートルからミクロン以下のサイズで相互に密着したネットワーク状に分布する構造を有することで、被処理物質の化学反応を行う際に妨害ガスとなる過剰な酸素を低減させることにより、少ない消費電力で高効率に被処理物質を処理できることが見出されている。
また、化学反応部中のカソード上部に位置する作動電極層において、酸素の吸着と窒素酸化物の吸着−還元反応を同時に行うことで化学反応の効率化を可能とするための局所反応場を形成した結果、一定量の酸素分子の吸着後に、化学反応システムに通電することで酸素分子をイオン化除去して再活性化することが可能であることが見出されている。
更には、ナノメートルスケールの遷移金属粒子表面への窒素酸化物分子の選択吸着性、及びナノメートルスケールの空間を介して近接する酸化物中の酸素欠損への酸素分子の選択吸着性の両立により、窒素酸化物分子と酸素分子の吸着サイトが分離され、窒素酸化物分子の効率的な吸着分解浄化が進行することが見出されている(特許文献1〜9)。
特許第3626971号公報 特許第3657542号公報 特開2003−265926号公報 特開2003−265950号公報 特開2004−041965号公報 特開2004−041975号公報 特開2004−058028号公報 特開2004−058029号公報 特開2006−007142号公報
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、排ガス中の窒素酸化物を直接検知することが可能な新しい検知システムを開発することを目標として鋭意研究を進めた結果、上記化学反応システムによる分子レベルでの物質選択吸着性を利用することにより、微少な被検知物質に対して、高感度、かつ高速応答性等の特性を付与することが可能であり、電気化学反応システムの適用形態の一つとして、化学センサーとしての実用レベルの供用が可能であることを見出し、本願発明に到達した。本発明は、電気化学セル方式の窒素酸化物検知用化学センサーを提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)電気化学反応システムを利用して被検知物質の検知を行う化学センサーであって、イオン伝導相と、該イオン伝導相と接し、かつ相対する二種以上の電極を有し、該電極構造として、被検知物質の選択的な吸着特性を有する一つ以上の化学検知電極層と、これに対して対極となる一つ以上の参照電極層を具備していることを特徴とする電気化学方式の化学センサー。
(2)上記化学検知電極層が、電子伝導性とイオン伝導性の両特性を有する混合伝導性物質、又は電子伝導性物質とイオン伝導性物質の混合物からなる、前記(1)に記載の化学センサー。
(3)上記参照電極層が、電子伝導性とイオン伝導性の両特性を有する混合伝導性物質、又は電子伝導性物質とイオン伝導性物質の混合物からなる、前記(1)に記載の化学センサー。
(4)上記イオン伝導相が、イオン伝導性を有する固体電解質からなる、前記(1)に記載の化学センサー。
(5)化学検知電極層の表面に、電子伝導性の小さい被覆層を有する、前記(1)に記載の化学センサー。
(6)電極の内部構造として、ナノメートル〜ミクロンメートルの大きさの空隙を有し、かつ被検知物質に対する選択吸着特性を有する部分が該空隙に面している、前記(2)に記載の化学センサー。
(7)選択吸着特性を有する部分が、遷移金属元素を含む、前記(6)に記載の化学センサー。
(8)上記化学検知電極層において、熱処理及び/又は通電処理によって、還元若しくは酸化あるいはその両方を行うことで、被検知物質の選択的な検知を促進する微細構造を形成した、前記(2)に記載の化学センサー。
(9)電極内部でイオン伝導体と電子伝導体が各々ネットワーク構造を有する、前記(2)に記載の化学センサー。
(10)上記参照電極層が、イオン伝導相内部に埋包された、前記(2)に記載の化学センサー。
(11)前記(1)から(10)のいずれかに記載の化学センサーの電気化学反応システムと同等の構成を、その内部における局所構造として有することで、全体としては電気化学セル構造を有することなく、上記局所構造において還元若しくは酸化あるいはその両方を行うことにより形成された、被検知物質の選択的な検知を可能とするナノメートル〜ミクロンメートルの大きさの空隙を有する微細構造を有することを特徴とする電気化学方式の化学センサー。
(12)前記(1)から(11)のいずれかに記載の電気化学反応システムを有する化学センサーの製造方法であって、イオン伝導相、該イオン伝導相と接し、かつ相対する二種以上の電極を有する構造を有する電気化学反応システムを構築し、電極として、電子伝導性とイオン伝導性の両特性を有する混合伝導性物質、又は電子伝導性物質とイオン伝導性物質の混合物からなる電極層を形成し、該電極層に熱処理及び/又は通電処理を行って、電極への還元若しくは酸化あるいはその両方を行うことにより、被検知物質の選択的な検知を可能とするナノメートル〜ミクロンメートルの大きさの空隙を有する微細構造を生成せしめることを特徴とする化学センサーの製造方法。
(13)電極として貴金属を使用することなく、低温焼結可能な材料を適用することにより、製造プロセス全行程を1200℃以下として、被検知物質の選択的な検知を可能とする微細構造を生成せしめる、前記(12)に記載の化学センサーの製造方法。
(14)前記(1)から(12)のいずれかに記載の化学センサーを用いて被検知物質の検知を行う方法であって、被検知物質の選択検知を阻害する共存物質の高濃度存在下(2%以上)において、連続的な選択検知反応を生じせしめることを特徴とする被検知物質の検知方法。
(15)被検知物質が、窒素酸化物あるいは酸素であり、共存物質が、酸素、一酸化炭素、二酸化炭素、水蒸気、又は炭化水素である、前記(14)に記載の被検知物質の検知方法。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明の排ガス中の窒素酸化物等の被検知物質の検出を行うための化学検知システムは、イオン導電性と、検知物質の検出を進行促進させる化学検知電極層と、これに対極となる1つ以上の参照電極層、好ましくは、化学検知電極層の組織構造化を促進するための被覆層から構成される。
化学検知電極層は、検知の対象とする物質に対して選択的な吸着特性がより高い材料から構成されることが好ましく、これに対して、参照電極層は、化学検知電極層と比べて、検知の対象とする物質若しくは検知対象物質の共存物質への吸着特性がより低い材料から構成されることが好ましい。
電流値検出型のセンサーとして使用する場合、化学検知電極層では、被検知物質中に含まれる元素への電子の供給によりイオンを生成させ、生成したイオンをイオン伝導相へ伝達するため、導電性物質からなることが好ましい。また、電子及びイオンの伝達を促進するため、電子伝導性とイオン伝導性の両特性を有する混合伝導性物質からなること、又は、電子伝導性物質とイオン伝導性物質の混合物からなることがより好ましい。化学検知電極層は、これらの材料の少なくとも二層以上が積層した構造であっても良い。
電位検出型のセンサーとして使用する場合、化学検知電極層では、応答速度を高めるために、被検知物質中に含まれる元素との速やかな吸着・脱離を行えるようなガス透過性の高い構造を有することが望ましい。
また、電位検出型のセンサーとして使用する場合において、参照極層をイオン伝導性材料(固体電解質)内部に埋包するように配置することで、直接、イオン伝導性材料固有のキャリア濃度を参照することが可能となる。通常、参照極をセンサーに形成する場合、検出ガス雰囲気外の基準ガス雰囲気へ参照電極表面を曝露させるような配慮が必要であり、センサー構造も複雑となるが、参照極層をイオン伝導性材料(固体電解質)内部に埋包することにより、参照雰囲気を考慮することなく、安定した1室型のセンサーへ発展させることが可能となる。これにより、シンプルな構造にもかかわらず、安定したセンサー特性を発現する、デバイスの製造が可能となる。
更に、参照極層をイオン伝導性材料(固体電解質)内部に埋包することにより、参照電極の劣化等も防ぐことも可能となる。ただし、参照極層をイオン伝導性材料(固体電解質)内部に埋包する場合、製造過程における焼成の際に、イオン伝導性材料と参照電極の界面に中間層を生成しない材料を選択することが好ましい。
化学検知電極層として用いられる導電性物質及びイオン導電性物質は、特に限定されるものではない。導電性物質としては、白金、パラジウム等の貴金属や、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化銅、ランタンマンガナイト、ランタンコバルタイト、ランタンクロマイト等の金属酸化物が用いられる。被検知物質を選択的に吸着するバリウム含有酸化物やゼオライト等も還元相として用いられる。前記物質の少なくとも1種類以上を、少なくとも1種類以上のイオン伝導性物質との混合質として用いることも好ましい。
イオン伝導性物質としては、イットリア又は酸化スカンジウムで安定化したジルコニアや酸化ガドリニウム又は酸化サマリウムで安定化したセリア、ランタンガレイト等が用いられる。化学検知電極層が前記物質を少なくとも二層以上積層した構造からなることも好ましい。良好な組み合わせとしては、酸化ニッケルとイットリア又は酸化スカンジウムで安定化したジルコニアの混合物相の二層を積層した構造が用いられる。
更に好ましくは、イオン伝導体にはビスマス酸化物が用いられる。酸化ビスマス系のイオン伝導体は、セラミック系材料で最も高いレベルの導電性を示しており、これを部分的もしくは全体として置き換えることで、イオン伝導性の向上により、特に電流値検出型のセンサーの場合、低温作動化と応答速度の向上に大きく寄与するものである。
イオン伝導相は、イオン伝導性を有する固体電解質からなる。好ましくは、酸素イオン導電性を有する固体電解質からなる。酸素イオン伝導性を有する固体電解質としては、イットリア又は酸化スカンジウムで安定化したジルコニアや酸化ガドリニウム又は酸化サマリウムで安定化したセリア、ランタンガレイトが挙げられるが、特に限定されるものではない。好ましくは、高い導電性と強度を有し、長期安定性に優れたイットリア又は酸化スカンジウムで安定化したジルコニアが用いられる。あるいは比較的短時間の作動によりその使用目的を達することのできる応用用途の場合には、セリア系固体電解質も好ましく用いられる。
更に好ましくは、前節で示した酸化ビスマス系イオン伝導体を用いることで、イオン伝導性が大幅に向上し、システム作動温度を400℃以下にしても十分なイオン伝導特性が得られる。酸化ビスマスへの添加物の種類と量により、焼結温度、溶融温度及びイオン伝導性が変化するため、組成比は他の部分を構成する材料との組み合わせにより決まる。また、ビスマス系酸化物と他の材料との化学反応による導電性への影響をも考慮する必要がある。
化学検知電極層を構成する一つ以上の材料は、それ自身が電気化学的に還元若しくは酸化させ得ることが可能で、例えば、金属酸化物であれば還元によりナノメートルサイズの金属粒子が、金属であれば酸化によってナノメートルサイズの金属酸化物粒子を生成させることが可能で、還元若しくは酸化反応により検知物質に対して高い透過及び吸着特性を示すナノメートルサイズの粒子の数量等の組織構造を制御することで、検知物質の吸着表面積の変化による感応性制御が可能であることが好ましい。
同時に、通電若しくは熱処理、あるいはその両方の行程によって、構成材料の還元若しくは酸化反応量の制御を行うことで、化学検知電極層内のナノメートルサイズの空孔の大きさを被検知物質の分子サイズに合わせて変化させ、空孔径に合った特定の検知物質のみが浸透・拡散可能な反応場を化学検知電極層内に形成し、選択的な物質検知機能を発現できるようにすることが好ましい。即ち、本発明では、化学検知電極層の内部構造を通電により制御することができ、これにより、被検知物質に合わせた細孔径や吸着場を形成することができる。
このような構造を構成する物質としては、イオン伝導相と電子伝導相の組合せ、混合伝導相同士又はこれとイオン伝導相、電子伝導相との組合せが可能である。被検知物質を窒素酸化物とした場合、化学検知電極層としては、ニッケル等の遷移金属相と酸素イオン導電体の組み合わせによって得られる、ニッケルのナノメートルサイズの粒子表面が共有結合性分子をより高選択吸着するためより好ましい。
参照電極層は、イオン伝導相のイオンから電子を放出させるため、導電性物質を含有する。電子及びイオンの伝達を促進するため、電子伝導性とイオン伝導性の両特性を有する混合伝導性物質からなること、又は、電子伝導性物質とイオン伝導性物質の混合物からなり、更に、焼成中にイオン伝導相等と反応して中間層を形成しない材料であることが好ましい。参照電極層として用いられる導電性物質及びイオン伝導性物質は、特に限定されるものではない。導電性物質としては、白金、パラジウム等の貴金属や、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化銅、ランタンマンガナイト、ランタンコバルタイト、ランタンクロマイト等の金属酸化物が用いられる。イオン伝導性物質としては、イットリア又は酸化スカンジウムで安定化したジルコニアや酸化ガドリニウム又は酸化サマリウムで安定化したセリア、ランタンガレイトが用いられる。
被覆層は、化学検知電極層の表面において、酸素分子を表面吸着した際に、酸素イオンを生成するために必要な電子の供給を防ぎ、化学検知電極層の酸化還元反応の促進を目的とするものである。例えば、酸素イオンが化学検知電極層において、導電性酸化物として酸化ニッケルを用いた場合、酸化ニッケルの還元反応により生成した金属ニッケルが再酸化されることを防ぐ目的で設置され、電子伝導性材料による供給電子が化学検知電極層表面に到達することを抑止する材料及び構造を有する。材料は電子伝導性の高い材料以外であればどの様な材料でも良いが、混合導電体の場合は、電子伝導性が大きいと電子伝導の抑止効果が低下するため、電子伝導性の割合が極力小さいことが望ましい。
更に、被覆層に、被検知物質以外の共存物質に対して高い吸着特性を有する吸着触媒等の材料を用いれば、化学検知電極上部における擬似的な分子ふるいの効果により、被検知物質の検出感度向上が期待できる。しかしながら、被覆層の厚みが大き過ぎる場合、拡散抵抗も増大するため、被覆層の厚みや密度は、希望する検出特性に併せて決定する必要がある。
被検知物質を含む排気ガス等の対象物において、実環境として、例えば、被検知物質を窒素酸化物とした場合、共存物質としては、酸素、一酸化炭素、二酸化炭素、炭化水素、硫黄酸化物、水蒸気等が通常含まれることから、化学検知電極層における特定分子の選択性発現と同時に材料劣化を防ぐ目的においても、耐久性材料の使用あるいは被覆層の設置がより好ましい。
複数の元素に対する同時検出、若しくは単一元素を共存物質中で精度良く検出することを目的とする場合、電解質表面に3つ以上の電極層を配置し、電位差を複合的に観察することが望ましく、被検知物質に合わせた吸着・反応特性の異なる電極材料を選択することが好ましい。
本発明では、上記電気化学セル方式の化学センサーは、これを被検知ガス中に配置し、起電力変化、電流値変化(抵抗変化)を測定することにより、起電力変化検出型センサー、電流値変化検出型センサーとして使用することが可能となる。この場合、例えば、上記化学センサーの化学検知電極層と参照電極層にリード線を付けた化学検知システムを構築し、被検知ガスの濃度変化による起電力変化、又は電流値変化を検知する検知システムを設置することで、化学センサー装置を構成することができる。
この場合、上記リード線として白金が例示され、上記起電力変化の検知手段として電圧計又はソースメーターが例示され、上記電流値変化の検知手段として電流計が例示されるが、これらに制限されるものではなく、これらの具体的な構成については、化学センサーの使用目的、利用形態、大きさ及び種類、設置の態様等に応じて任意に設計することができる。
本発明では、電流値検出型のセンサーとして使用する場合、上記化学センサーに電流を流すことで、上記化学検知電極層では酸化還元反応が連続的に起こり、被検知物質の窒素酸化物は、該化学センサーの化学検知電極層において、電子の供給を受けて還元され酸素イオンを生成する。生成した酸素イオンは、イオン伝導相を伝達し、参照電極層へ供給され、該参照電極層において、酸素分子と同時に電子として放出される。これを適宜の測定手段で測定することにより、被検知物の窒素酸化物の濃度変化を定量的に計測することが可能となる。
本発明では、上記電流値検出型のセンサーの化学検知電極層において、(1)遷移金属酸化物等の還元微粒子からなる窒素酸化物の優先的吸着・還元反応相、(2)被検知物質を反応場に導入するための空間、(3)窒素酸化物の吸着・還元反応によりイオン化した酸素を反応系外に搬出するための経路となるイオン伝導相、及び(4)窒素酸化物分子をイオン化するために必要な電子を供給する電子伝導相、を「基本単位」とする化学反応部を、酸素分子が優先的な吸着分解を行う、金属に隣接したイオン伝導層の酸素欠損濃集部とは別に多量に形成することにより、共存する酸素分子に対して被検知物質を選択的に吸着分解させるように構築することができる。
上記「基本単位」は、(1)NO分子のNに対する反応場となる遷移金属等の微細粒子構造、(2)被検知物質を反応場に導入するためのナノ空間(同時に被検知物質を反応場に限定及び接触確率を増加させるためのナノ空間)、(3)イオン伝導相の酸素欠損でイオン化された酸素分子を反応系外に搬出するための経路となるイオン伝導相、(4)遷移金属表面に吸着する窒素酸化物をイオン化するために必要な電子を供給する電子伝導相、の4つの要素から構成される。
前節の上記(1)において、遷移金属等を使用するのは、共有結合性の分子に対して遷移金属表面が酸素分子に対して窒素酸化物の選択吸着性を有するからであり、また、微細粒子構造とするのは、この吸着反応効率が、表面積の増大により高くなるからである。
また、上記(2)において、還元相に接するナノ空間が必要とされるのは、例えば、NO分子が速やかに吸着反応を生じせしめるために有効な空間の大きさは、接触確率の観点から、小さい方が良いためである。しかしながら、センサーの応答速度を高くするためには、被検知物質を速やかに反応場に到達させるための、十分な空間の大きさも必要である。
これらの相反する要求の解決のためには、細孔径の傾斜したナノメートルスケールの空間が必要であり、その空間として、例えば、空孔が外側から内側に向かって細くなるもの、更には、排ガス等の流路方向に対して平行な、例えば、一方向貫通孔となるものが望ましいものとして例示される。それにより、被検知物質を、ナノメートルスケールの空間へ流入又は拡散させ、遷移金属微粒子表面への速やかな選択的吸着させることにより、窒素酸化物の還元反応を促進することが可能となる。
上記電流値検出型の化学センサーでは、例えば、被検知物質が燃焼排ガス中の窒素酸化物である場合、上記還元相において、窒素酸化物を還元して酸素イオンを生成させ、イオン伝導相において酸素イオンを伝導させる。この還元相は、多孔質であって、反応の対象とする被検知物質を選択的に吸着するものであることが好ましい。この還元相は、電子伝導体に接するか若しくはナノメートルスケールに近接している。また、イオン伝導体に接する還元相は、これとは別のイオン伝導体までの還元相部分の一部若しくは全部を占めるだけの体積を有する。
上記構成からなる上記化学反応部は、高効率での被検知物質の吸着分解に加え、酸素分子の吸着と被検知物質の吸着分解を、各々の反応に適した別々の物質により同時に行うことが可能な構造を有する。即ち、酸素分子が優先吸着する金属と隣接するイオン導電体の酸素欠損濃集部の表面積よりも遙かに多量の、窒素酸化物が優先吸着する酸化物の還元により生成若しくは当初から含まれる遷移金属微粒子の表面積と、その周辺に数〜数100nm程度の微小空間が共存することにより、各々選択的に吸着することでセンサー検出感度が上昇する。
このような化学反応部の微細構造は、熱処理プロセス(ジルコニア−酸化ニッケル系で1400〜1450℃、大気中での熱処理)に加え、化学反応部への通電処理又は還元雰囲気等での熱処理を行うことにより形成される。即ち、例えば、比較的容易に還元されやすい酸化物を用い、数100℃以上の高温下で通電することで還元相を形成する。その過程で、酸化還元反応による結晶相の体積変化により、被検知ガスの導入に適したナノメートルからミクロメートルサイズの空孔の生成、還元相の再結晶による超微粒子化、更には、酸化還元反応を通じたイオン伝導相の酸素欠損濃集部の形成等の、高効率反応に好ましい微細構造が形成される。
本発明の化学センサーでは、このような微細構造を採用することにより、窒素酸化物の還元分解などの化学反応場として、二種類以上の原子、分子又は化合物の同時又は短時間に平行及び競合して生じる反応に対し、異なる反応サイトを提供することによる反応の選択性を高め、また、参照極層をイオン伝導性材料(固体電解質)内部に埋包するように配置することで直接イオン伝導性材料固有のキャリア濃度を参照することにより作動安定性を高め、その結果として、センサー感応効率を飛躍的に向上させることが可能となる。本発明において、化学センサーを構成する、イオン伝導体、その表面に形成する化学検知電極層、参照電極層の種類、形態等は、該化学センサー装置の使用目的、種類及び大きさ等に応じて任意に設計することが可能であり、本発明では、それらの具体的構成は、特に制限されるものではない。
本発明により、次のような効果が奏される。
(1)電気化学セル方式の化学反応システムを利用した新しい化学センサーを提供することができる。
(2)被検知物質の化学反応を妨害する酸素が過剰に存在する場合においても、低温高温にかかわらず、極めて応答速度の速い、高速、かつ定量的な検出能力を有する化学センサー及び化学検知システムを構築し、提供することができる。
(3)本発明の化学検知センサーは、一つのセンサーを起電力変化検出型センサー及び電流値変化検出型(抵抗変化型)センサーとして、それぞれ、若しくは平行して使用することで高度なセンサーシステムとして使用することができる。
(4)一つの参照電極に対して、複数の化学検知極を配置することにより複数種の被検知物質を同時に測定することができる。
(5)化学検知極の電気化学的な還元若しくは酸化により、化学検知極内部の微構造(細孔径)を変化させることで、様々な被検知物質に特化した、感応種を調整可能なセンサーとして使用できる。
(6)少ない消費電力で、高効率に、高感度、かつ高速応答で被検知物質を検知することが可能な電気化学セル方式のガスセンサー提供することができる。
(7)本発明の化学センサーは、自動車排ガス等の高温排ガス中の窒素酸化物の検知に好適に利用することができる。
(8)参照極を電解質内部に埋包することにより、外部雰囲気に依存しない1室型センサーとして、センサー構造を単純化でき、自動車等の排気ガス経路内部に組込型のセンサーとして利用できる。
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る化学センサーの構成例における典型的な内部構造の例である。以下、被検知物質として窒素酸化物とした場合について具体的に説明する。
化学検知システムを構成する基体となるイオン伝導相の基板としては、緻密に焼結されたイットリアで安定化したジルコニア(以下「ジルコニア」と記載)を用い、その形状は、直径20mm、厚さ0.5mmの円板状とした。集電電極層は、白金及びジルコニアの混合層、化学検知電極層は、酸化ニッケルとジルコニアの混合物からなる膜とした。混合比は酸化ニッケルとジルコニアがモル比で50:50になるように調整した。イオン伝導相の片面に、面積約1.8cmとなるように、金属ニッケルとジルコニアの混合物をスクリーン印刷した後、1400℃で熱処理することにより形成した。
化学検知電極層を形成したイオン伝導相の他方の面に、面積約1.8cmとなるように、ランタンストロンチウムマンガナイト及びその化合物よりなる膜をスクリーン印刷した後、1200℃で熱処理することにより形成し、参照電極層とした。被覆層は、超微粒子アルミナを用い、スクリーン印刷と1100℃の熱処理により、約1ミクロンの膜厚で化学検知電極層の上部に形成した。図1に、得られた本発明の化学センサーの構成例を示す。
このように形成した本発明の化学反応システムによる窒素酸化物検知特性の測定方法を次に示す。化学検知電極層と参照電極層に白金線をリード線として付けた化学検知システムを被検知ガス中に配置し、電圧計又はソースメーターに接続して、窒素酸化物のガス濃度を種々に変化させた際の起電力の変化を測定した。被検知ガスとして、一酸化窒素1ppm〜1000ppm、酸素2%、ヘリウムバランスのモデル燃焼排ガスを流量400ml/minで流した。化学反応システムへの流入前後における被検知ガス中の窒素酸化物濃度は、化学発光式NOx計で測定し、窒素及び酸素濃度をガスクロマトグラフィーで測定した。
化学検知システムを200〜800℃の間のある温度条件のもとで、センサー特性の測定を行った。起電力変化検出型センサーとして使用した場合、窒素酸化物の濃度増加と共に起電力変化量は増加した。図2に、起電力の変化検出型センサーとして使用した場合のセンサー特性を測定した結果を示す。窒素酸化物の検出は200℃程度でも可能であったが、応答速度は、より高温の場合に増加する傾向にあった。
実施例1と同様の化学検知システムを用いて、定電圧印加時に化学検知システムへ流れる電流値の変化を測定し、電流値変化検出型(抵抗変化型)のセンサーとしての検討を行った。検出特性の測定は、ヘリウム100%又は酸素2%、ヘリウムバランスガスをそれぞれ、流量400ml/minで流している雰囲気の中に、一酸化窒素300ppmを含んだそれぞれのモデル燃焼排ガスを1秒間、間欠的に導入した場合における電流値変化の観察により行った。本作動条件では、起電力変化検出型と同様に、窒素酸化物の導入と共に電流値が急速に顕わしく変化した。図3に、電流値変化検出型(抵抗変化型)センサーとして使用した場合のセンサー特性を測定した結果を示す。更に、電流値変化検出型では、共存酸素濃度が高い場合に、より顕著な電流値変化を示した。
実施例1の化学検知システムにおいて、化学検知電極層に電気化学的還元処理を施し、層内の微細構造を変化させた場合についての窒素酸化物の検出を、起電力変化測定により測定した。その結果、還元反応前後及び還元反応の度合いによって、検出特性を変化させることが可能となった。図4に、化学検知電極層内の微細構造を変化させた場合の窒素酸化物の濃度と起電力変化の関係を示す。組織化条件1は、500℃雰囲気下において、1.75Vで15分の通電による還元処理、同2は、500℃雰囲気下において、2.5Vで15分の通電による還元処理である。図5に、通電処理による化学検知電極層内部構造変化を示す。
実施例1の化学検知システムにおいて、被検知物質を、メタン、プロパン、ペンタンに対して行ったところ、化学検知電極層に低い還元条件:500℃、1.3V−5mA、10minを施した化学検知システムでは、メタンに対して最も高いセンサー特性を示し、高い還元条件:500℃、2.5V−40mA、10minを施した化学検知システムでは、ペンタンに対して高いセンサー特性を示した。組織の電子顕微鏡観察結果から、これは、化学検知電極層内に形成される還元反応による空孔径の大きさの変化が、ガス種に対するセンサー特性に影響を与えていると考えられた。
実施例1と同様の手順を用い、より高い酸素イオン伝導性材料を用いて化学検知電極層を形成した化学検知システムを作製した。化学検知電極層を構成する酸化ニッケル、ビスマス系酸化物又はセリアのいずれについても超粉砕混合処理を予め施し、平均粒子径が約80nmの超微粒子混合粉体とし、スクリーン印刷に用いる原料とした。このようにして作製された化学検知システムについて、実施例1と同様に、その窒素酸化物の検知特性を調べた。その結果、実施例1と比較して、高い酸素イオン導電性材料を使用した化学検知システムほど、より低温において応答速度の速い検出値の変化が観察された。
実施例1の化学検知システムの検知電極下部に電解質に白金電極を内包するように、あらかじめ白金とジルコニアを順次スクリーン印刷後1450℃焼成して配置した試料について、窒素酸化物及び酸素に対しての複合センサー特性を評価した。図6に、電解質内部に白金電極を配置した化学センサーの構成例を示す。その結果、窒素酸化物の検出と同時に、酸素濃度の検出が一つのシステムにより行えることが確認された。図7に、窒素酸化物と酸素の同時検出の結果を示す。検出濃度をそれぞれの値を相互に比較ることで、より高度な濃度検出が可能となると考えられる。更に、1室作動時も安定した応答特性を示した。
以上詳述したように、本発明は、電気化学セル方式ガスセンサーに係るものであり、本発明により、電気化学反応セルを利用した新しい化学センサーを提供することができる。本発明は、酸素を含む燃焼排ガス中の窒素酸化物を高感度、高速、かつ定量的に検知することが可能なガスセンサーを構築し、提供することを実現するものである。本発明のガスセンサーは、排ガス中の窒素酸化物を検知する際に妨害ガスとなる酸素が過剰に存在する場合においても、また、低温高温条件にかかわらず、少ない消費電力で、高速応答、かつ高感度で、窒素酸化物を検知することを可能とする新システムの化学センサーを提供するものとして高い技術的意義を有するものである。
本発明の化学センサーの構成例を示す。 起電力変化検出型センサーとして使用した場合のセンサー特性の測定結果を示す。 電流値変化検出型(抵抗変化型)センサーとして使用した場合のセンサー特性の測定結果を示す。 窒素酸化物の濃度と起電力変化の関係を示す。 検知電極層の通電条件の違いによる内部構造変化を示す。 電解質内部に白金電極を配置した化学センサーの構成例を示す。 本発明の化学検知システムによる窒素酸化物と酸素の同時検出の結果を示す。

Claims (15)

  1. 電気化学反応システムを利用して被検知物質の検知を行う化学センサーであって、イオン伝導相と、該イオン伝導相と接し、かつ相対する二種以上の電極を有し、該電極構造として、被検知物質の選択的な吸着特性を有する一つ以上の化学検知電極層と、これに対して対極となる一つ以上の参照電極層を具備していることを特徴とする電気化学方式の化学センサー。
  2. 上記化学検知電極層が、電子伝導性とイオン伝導性の両特性を有する混合伝導性物質、又は電子伝導性物質とイオン伝導性物質の混合物からなる、請求項1に記載の化学センサー。
  3. 上記参照電極層が、電子伝導性とイオン伝導性の両特性を有する混合伝導性物質、又は電子伝導性物質とイオン伝導性物質の混合物からなる、請求項1に記載の化学センサー。
  4. 上記イオン伝導相が、イオン伝導性を有する固体電解質からなる、請求項1に記載の化学センサー。
  5. 化学検知電極層の表面に、電子伝導性の小さい被覆層を有する、請求項1に記載の化学センサー。
  6. 電極の内部構造として、ナノメートル〜ミクロンメートルの大きさの空隙を有し、かつ被検知物質に対する選択吸着特性を有する部分が該空隙に面している、請求項2に記載の化学センサー。
  7. 選択吸着特性を有する部分が、遷移金属元素を含む、請求項6に記載の化学センサー。
  8. 上記化学検知電極層において、熱処理及び/又は通電処理によって、還元若しくは酸化あるいはその両方を行うことで、被検知物質の選択的な検知を促進する微細構造を形成した、請求項2に記載の化学センサー。
  9. 電極内部でイオン伝導体と電子伝導体が各々ネットワーク構造を有する、請求項2に記載の化学センサー。
  10. 上記参照電極層が、イオン伝導相内部に埋包された、請求項2に記載の化学センサー。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載の化学センサーの電気化学反応システムと同等の構成を、その内部における局所構造として有することで、全体としては電気化学セル構造を有することなく、上記局所構造において還元若しくは酸化あるいはその両方を行うことにより形成された、被検知物質の選択的な検知を可能とするナノメートル〜ミクロンメートルの大きさの空隙を有する微細構造を有することを特徴とする電気化学方式の化学センサー。
  12. 請求項1から11のいずれかに記載の電気化学反応システムを有する化学センサーの製造方法であって、イオン伝導相、該イオン伝導相と接し、かつ相対する二種以上の電極を有する構造を有する電気化学反応システムを構築し、電極として、電子伝導性とイオン伝導性の両特性を有する混合伝導性物質、又は電子伝導性物質とイオン伝導性物質の混合物からなる電極層を形成し、該電極層に熱処理及び/又は通電処理を行って、電極への還元若しくは酸化あるいはその両方を行うことにより、被検知物質の選択的な検知を可能とするナノメートル〜ミクロンメートルの大きさの空隙を有する微細構造を生成せしめることを特徴とする化学センサーの製造方法。
  13. 電極として貴金属を使用することなく、低温焼結可能な材料を適用することにより、製造プロセス全行程を1200℃以下として、被検知物質の選択的な検知を可能とする微細構造を生成せしめる、請求項12に記載の化学センサーの製造方法。
  14. 請求項1から12のいずれかに記載の化学センサーを用いて被検知物質の検知を行う方法であって、被検知物質の選択検知を阻害する共存物質の高濃度存在下(2%以上)において、連続的な選択検知反応を生じせしめることを特徴とする被検知物質の検知方法。
  15. 被検知物質が、窒素酸化物あるいは酸素であり、共存物質が、酸素、一酸化炭素、二酸化炭素、水蒸気、又は炭化水素である、請求項14に記載の被検知物質の検知方法。
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