JP3650266B2 - ヒータ付き酸素センサの制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば排気ガス中の酸素濃度を検出するのに好適に用いられるヒータ付き酸素センサの制御装置に関し、特に、検出素子に対する被毒物等の焼切り制御を行うようにしたヒータ付き酸素センサの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ターボチャージャ等の過給機を搭載した自動車用エンジンでは、排気管側にヒータ付き酸素センサを設け、該酸素センサで排気ガス中の酸素濃度を検出することにより、その検出信号に従ってエンジンの空燃比制御を行うようにしている。
【0003】
この場合、過給機付きエンジンにあっては、空燃比をリッチ傾向にしてエンジンを作動させることが多く、これによって排気ガスの温度は、例えば280℃程度まで低下する。一方、酸素センサに設ける酸素濃度の検出素子は、例えば350℃程度の温度下で活性化され正常に動作するようになっている。このため、過給機付きエンジン等ではヒータ付き酸素センサを用い、酸素濃度の検出素子をヒータによって加熱する構成としている。
【0004】
そして、この種の従来技術によるヒータ付き酸素センサでは、センサケーシングの先端側にジルコニアチューブからなる酸素濃度の検出素子を設けると共に、該検出素子内にはセラミック材料からなるロッド状のヒータを挿入し、該ヒータによって検出素子を内側から加熱する構成としている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術では、エンジンの排気管途中に酸素センサを取付け、酸素濃度の検出素子を排気管内ヘと突出させる構成としているから、エンジンからの排気ガス中に含まれる不純物が検出素子の外側面に付着し、例えば検出素子の保護層等がこれらの不純物(以下、被毒物という)によって目詰まりを起こし、酸素濃度を検出するための応答性が低下するという問題がある。
【0006】
これに対し、実開平6−86067号公報には、検出素子の突出端側を保護するためにセンサケーシングの先端側に設けるプロテクタを二重筒構造に形成し、該プロテクタ内に円筒状のセラミックヒータを設けることにより、検出素子の外側面に付着した鉛等の被毒物をヒータからの熱で焼き飛ばす構成とした酸素センサ(以下、他の従来技術という)が記載されている。
【0007】
しかし、他の従来技術による酸素センサは、検出素子を外側から取囲むプロテクタ内に円筒状のセラミックヒータを設ける構成としているに過ぎず、該ヒータの発熱量(容量)を可変に制御する制御装置等の構成が開示されていない。
【0008】
また、他の従来技術では、排気ガス中の被毒物として鉛等が例に挙げられているに過ぎず、検出素子をどの程度の温度までヒータによって加熱するかが具体的には開示されていない。
【0009】
一方、本発明者は、排気ガス中に含まれる不純物のうち、酸素センサの応答性に悪影響を与える被毒物を詳らかに調べた結果、特に、シリコン(珪素)Si 等の被毒物質が検出素子の表面(外側面)に付着することにより応答性が低下することを確認した。
【0010】
そして、シリコン等の被毒物質を検出素子の表面から焼切るようにして除去するためには、例えば800℃以上の温度、好ましくは900〜930℃程度の温度まで検出素子を加熱する必要があるとの知見を得たものである。
【0011】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明はヒータの発熱量を増大させることによってシリコン等の被毒物を検出素子の表面から焼き飛ばすことができ、酸素濃度を高い応答性をもって検出できると共に、その検出信号を長期に亘り安定させて出力でき、信頼性を向上できるようにしたヒータ付き酸素センサの制御装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、請求項1の発明は、酸素濃度を検出する検出素子及び該検出素子を加熱するためのヒータを備えたヒータ付き酸素センサと、該酸素センサのヒータを発熱させるために該ヒータへの通電を制御する通電制御手段とからなるヒータ付き酸素センサの制御装置に適用される。
【0013】
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記通電制御手段は、前記検出素子を活性化するための発熱量に対応した低容量状態と該低容量状態よりも高い発熱量を有する高容量状態との少なくとも2段階で前記ヒータの容量を可変に制御し、前記ヒータは高容量状態のときに前記検出素子を800℃以上の温度まで加熱する構成とし、かつ前記通電制御手段は、前記検出素子がヒータからの熱で劣化するのを避けるために、予め決められた所定時間の範囲内で前記ヒータを高容量状態に制御し、所定時間を越えたときには前記ヒータを低容量状態に切換える構成としている。
【0014】
このように構成することにより、ヒータの容量を低容量状態に設定したときにはヒータを低容量で発熱させることができ、酸素濃度の検出素子を活性化するのに適した温度まで加熱することによって、例えば排気ガスの温度が低い場合でも排気ガス中の酸素濃度を検出素子により良好に検出できる。一方、ヒータの容量を高容量状態に設定したときには、ヒータによって800℃以上の温度まで検出素子を加熱でき、検出素子の表面等に付着した被毒物をヒータからの熱によって焼き飛ばすことが可能となる。
【0015】
そして、通電制御手段は、予め決められた所定時間の範囲内で前記ヒータを高容量状態に制御し、所定時間を越えたときには前記ヒータを低容量状態に切換える構成としているので、例えばエンジンを始動して停止させるまでの間に1回だけ所定時間の範囲内でヒータを高容量状態に制御でき、検出素子がヒータからの熱影響で過剰に加熱され、熱的に劣化するのを防止できる。
【0017】
また、請求項2の発明では、ヒータ付き酸素センサをエンジンの排気管途中に設け、通電制御手段は、前記エンジンの排気管内を流れる排気ガスの温度を基準にして前記ヒータを少なくとも低容量状態と高容量状態とに切換制御する構成としている。
【0018】
これにより、排気ガスの温度が低いときには排気ガス中に含まれる被毒物の量も少ないので、基準温度に達するまではヒータ容量を低容量に設定し、検出素子の活性化を図ることができる。そして、排気ガスの温度が基準温度以上まで上昇し、排気ガス量の増大に伴って被毒物の量が増えてきたときには、ヒータ容量を高容量状態に切換えることにより、例えば800℃以上の温度まで検出素子を加熱でき、被毒物の焼切り制御を所定時間の範囲で行うことができる。
【0019】
さらに、請求項3の発明では、通電制御手段は、排気ガスの温度が基準温度に達したときに所定時間だけヒータを高容量状態に制御し、これ以外のときには前記ヒータを低容量状態の発熱量以下に抑える構成としている。
【0020】
これにより、エンジンを始動して停止させるまで間に、例えば1回だけ所定時間の範囲内でヒータを高容量状態に制御でき、検出素子が900〜1000℃程度の高温状態に長い間(例えば10分以上の間)さらされるのを回避でき、検出素子の熱的な劣化防止を図ることができる。
【0021】
一方、請求項4の発明は、エンジンの排気管途中に設けられ、排気ガス中の酸素濃度を検出する検出素子及び該検出素子を加熱するためのヒータを備えたヒータ付き酸素センサと、前記エンジンから排気管内に向けて排出される排気ガスの温度を検出するため前記エンジンの回転数と負荷状態とに従って前記排気ガスの温度を検出する排温検出マップを有した排温検出手段と、該排温検出手段からの信号に従って前記ヒータへの通電を制御し、前記検出素子を活性化するための発熱量に対応した低容量状態と該低容量状態よりも高い発熱量を有する高容量状態との少なくとも2段階で前記ヒータの容量を切換える通電制御手段とを備え、該通電制御手段は、前記排温検出マップによる排気ガスの温度の検出結果に従って前記ヒータへの通電を制御し、かつ前記検出素子がヒータからの熱で劣化するのを避けるために、予め決められた所定時間の範囲内で前記ヒータを高容量状態に制御し、所定時間を越えたときには前記ヒータを低容量状態に切換える構成としている。
【0022】
このように構成することにより、排気ガスの温度状態に応じてヒータ容量を可変に制御でき、ヒータ容量を低容量に切換えているときには検出素子の活性化を図ることができる。そして、排気ガスの温度が上昇してきたときにはヒータ容量を高容量状態に切換え、例えば800℃以上の温度まで検出素子を加熱することによって、検出素子の表面に付着した被毒物をヒータからの高熱で焼き飛ばすことができる。
【0023】
そして、排温検出手段は、エンジンの回転数と負荷状態とに従って排気ガスの温度を検出する排温検出マップを有し、通電制御手段は、該排温検出マップによる検出結果に従ってヒータへの通電を制御し、かつ前記検出素子がヒータからの熱で劣化するのを避けるために、予め決められた所定時間の範囲内で前記ヒータを高容量状態に制御し、所定時間を越えたときには前記ヒータを低容量状態に切換える構成としているので、エンジンの回転数と負荷状態を逐次検出することにより排温検出マップを用いて排気ガスの温度状態をモニタ(監視)でき、この検出結果に従ってヒータ容量を低容量と高容量との少なくとも2段階で可変に制御することができる。そして、エンジンを始動して停止させるまで間に所定時間の範囲内だけヒータを高容量状態に制御することにより、検出素子がヒータからの熱影響で熱的に劣化したりするのを防止できる。
【0025】
また、請求項5の発明では、排温検出マップは、エンジンの回転数と負荷状態とに対応して予め複数の温度領域に分割された特性マップからなり、通電制御手段は、それぞれの温度領域毎に前記ヒータへの通電量を切換制御してヒータの発熱量を変化させる構成としている。
【0026】
これにより、エンジンの回転数と負荷状態とから導かれる排気ガスの各温度領域毎に、ヒータへの通電量を可変に切換制御でき、ヒータの発熱量を排気ガスの温度状態に対応させて変化させることができる。
【0027】
一方、請求項6の発明は、エンジンの排気管途中に設けられ、排気ガス中の酸素濃度を検出する検出素子及び該検出素子を加熱するためのヒータを備えたヒータ付き酸素センサと、前記エンジンから排気管内に向けて排出される排気ガスの温度を検出するため前記排気管内に設けられた温度センサと、該温度センサからの信号に従って前記ヒータへの通電を制御し、前記検出素子を活性化するための発熱量に対応した低容量状態と該低容量状態よりも高い発熱量を有する高容量状態との少なくとも2段階で前記ヒータの容量を切換える通電制御手段とを備え、該通電制御手段は、前記温度センサで検出した排気ガスの温度が予め決められた基準温度に達したときに、前記ヒータを所定時間だけ高容量状態に制御し、これ以外のときには前記ヒータを低容量状態の発熱量以下に抑える構成としている。
【0028】
これにより、温度センサを用いて排気ガスの温度をモニタ(監視)することができる。そして、エンジンの始動後に排気ガスの温度が基準温度に達したときには、所定時間だけヒータを高容量状態に制御することにより、例えば検出素子が900〜1000℃程度の高温状態に長い間さらされるのを回避でき、検出素子の熱的な劣化防止を図ることができる。
【0029】
さらに、請求項7の発明では、ヒータを窒化珪素材料を用いて形成する構成としている。これにより、高い耐熱特性をヒータに与えることができ、ヒータを高容量状態に切換えたときには、例えば50W(ワット)を越える電力をヒータに給電することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態によるヒータ付き酸素センサの制御装置を添付図面に従って詳細に説明する。
【0031】
ここで、図1ないし図7は本発明の第1の実施の形態を示している。図中、1は排気管で、該排気管1はエンジン本体の排気ポート(図示せず)側から排出される排気ガスを矢示A方向に導出させるものである。そして、排気管1の途中部位には、後述のヒータ付き酸素センサ2を取付けるためのねじ穴1Aが径方向に穿設されている。
【0032】
また、排気管1には、ねじ穴1Aよりも下流側に位置して三元触媒等からなる触媒装置(図示せず)が設けられ、この触媒装置は排気ガス中の有害成分等に触媒反応を生じさせることにより、大気中に排出される有害成分の量を低減させる機能を有している。
【0033】
2は排気管1の途中に設けられたヒータ付き酸素センサ、3は該酸素センサ2のセンサケーシングで、該センサケーシング3は段付の筒形ホルダ4を含んで構成され、該筒形ホルダ4の一端側外周には取付部としてのおねじ部4Aが形成されている。そして、酸素センサ2は、筒形ホルダ4のおねじ部4Aを排気管1のねじ穴1A内にワッシャ5等を介して螺着させることにより排気管1に取付けられ、このときに後述のジルコニアチューブ6を排気管1内に向けて突出させる構成となっている。
【0034】
6は酸素濃度の検出素子を構成するジルコニアチューブで、該ジルコニアチューブ6は酸化ジルコニウム等のセラミック材料によって有底筒状に形成され、その内、外面には内側電極と外側電極(いずれも図示せず)が設けられている。そして、ジルコニアチューブ6は、外側の排気ガスと内側の大気との間で酸素濃度に差が生じると、内側電極と外側電極との間に起電力を発生させ、この起電力を検出信号として後述のコンタクトプレート11側に出力するものである。
【0035】
7はジルコニアチューブ6を内側から加熱するためのヒータで、該ヒータ7は高い耐熱特性等を有する窒化珪素等のセラミック材料によって小径のロッド状に成形され、その外周側にはタングステン等の材料からなるヒータパターン(図示せず)が形成されている。そして、ヒータ7は絶縁筒体8側からジルコニアチューブ6内へと挿入され、該ジルコニアチューブ6を内側から加熱する構成となっている。
【0036】
9はヒータ7に給電を行うためにセンサケーシング3内に設けた一対の端子ピン(一方のみ図示)で、該各端子ピン9はばね性を有する細長の金属棒を、図1に示すように折曲げることにより形成され、略U字状に屈曲した一端側がヒータ7の突出端側にそれぞれロー付け等の手段を用いて接続されている。また、各端子ピン9の他端側は絶縁カバー10内から後述のキャップ12側ヘと突出し、外部の各リード線14を通じてヒータ7に給電を行うものである。
【0037】
11はジルコニアチューブ6から出力される酸素濃度の検出信号を外部に導出するためのコンタクトプレートで、該コンタクトプレート11は、絶縁筒体8内に挿入した状態でセンサケーシング3内に取付けられ、一端側が絶縁筒体8とジルコニアチューブ6の開口端との間で挟持されることにより、前記内側電極に接続される。また、コンタクトプレート11の他端側は絶縁カバー10を通して外部に突出し、その突出端側は後述のリード線15に接続されている。
【0038】
12はセンサケーシング3の他端側にカシメ等の手段を用いて固着された段付筒状のキャップ、13は該キャップ12内に設けられた絶縁性のシール体で、該シール体13は、例えば耐熱性を有するフッ素系樹脂材料等により形成され、後述の各リード線14,15をキャップ12内で液密にシールする構成となっている。
【0039】
14,14はヒータ7に外部から給電を行う給電用のリード線で、該各リード線14はシール体13内で各端子ピン9に、例えば圧着端子等を用いて接続されている。
【0040】
15はジルコニアチューブ6からの検出信号を外部に導出する信号出力用のリード線で、該リード線15はシール体13内でコンタクトプレート11の他端側に圧着端子等を用いて接続されている。
【0041】
16は筒形ホルダ4の一端側に設けた筒状のプロテクタで、該プロテクタ16はジルコニアチューブ6と共に排気管1内へと突出し、排気管1内でジルコニアチューブ6を外側から保護するものである。
【0042】
次に、17はエンジンの始動スイッチで、該始動スイッチ17は図2に示すように後述のコントロールユニット26に接続されている。18はクランク角センサで、該クランク角センサ18はエンジン回転数Nを検出し、その検出信号をコントロールユニット26に出力するものである。
【0043】
19はエアフローメータとしての流量計で、該流量計19はエンジンの吸入空気量Qを検出し、その検出信号をコントロールユニット26に出力するものである。
【0044】
20はコントロールユニット26と共にヒータ7への通電制御手段を構成するヒータ制御スイッチで、該ヒータ制御スイッチ20は、図3に示すように電源21とヒータ7との間に設けられ、可動接点20Aを固定接点20B,20C,20D,20E,20Fのいずれかに選択的に接続する構成となっている。
【0045】
ここで、ヒータ制御スイッチ20は、固定接点20Cとヒータ7との間に抵抗22が設けられ、固定接点20Dとヒータ7との間には抵抗23が設けられている。また、固定接点20Eとヒータ7との間には抵抗24が設けられ、固定接点20Fとヒータ7との間に抵抗25が設けられている。
【0046】
そして、ヒータ制御スイッチ20の可動接点20Aを固定接点20Cに接続したときには、ヒータ7が電源21から抵抗22を通じて給電されることにより、容量W0 (例えば13ワット程度)の低容量状態に制御され、このときにヒータ7の発熱量は、ジルコニアチューブ6を活性化するのに適した温度に設定されるものである。
【0047】
また、ヒータ制御スイッチ20の可動接点20Aを固定接点20Cから固定接点20Dに切換えたときには、ヒータ7が電源21から抵抗23を通じて給電されることにより、容量W1 (例えば50ワット程度)の高容量状態に制御され、このときにヒータ7は前記容量W0 の低容量状態よりも高い発熱量をもってジルコニアチューブ6を内側から加熱する。
【0048】
また、可動接点20Aを固定接点20Eに接続したときには、ヒータ7が電源21から抵抗24を通じて給電されることにより、容量W2 (例えば60ワット程度)の高容量状態に制御され、このときにヒータ7は前記容量W1 の状態よりも高い発熱量をもってジルコニアチューブ6を内側から加熱する。さらに、可動接点20Aを固定接点20Fに接続したときには、ヒータ7が電源21から抵抗25を通じて給電されることにより、容量W3 (例えば70ワット程度)の高容量状態に制御され、このときにヒータ7は前記容量W2 の状態よりもさらに高い発熱量をもってジルコニアチューブ6を内側から加熱する。
【0049】
この場合、ヒータ7は容量W0 のときには低容量状態となるのに対し、高容量状態では3段階に切換えられ、それぞれの容量W1 ,W2 ,W3 は、例えば50ワットと70ワットとの間で、
【0050】
【数1】
50≦W1 <W2 <W3 ≦70
なる関係に設定されるものである。
【0051】
一方、ヒータ制御スイッチ20の可動接点20Aを固定接点20Bに切換えたときには、ヒータ7が電源21から遮断されて作動停止状態に保持され、ヒータ7によるジルコニアチューブ6への加熱を停止させる。
【0052】
さらに、26はマイクロコンピュータ等によって構成されるコントロールユニットで、該コントロールユニット26は入力側が始動スイッチ17、クランク角センサ18及び流量計19等に接続され、出力側はヒータ制御スイッチ20等に接続されている。そして、コントロールユニット26はヒータ制御スイッチ20と共に通電制御手段を構成し、図6及び図7に示すプログラムに従ってヒータ7の制御処理を行うようになっている。
【0053】
また、コントロールユニット26はROM,RAM等からなる記憶部26Aを有し、該記憶部26A内には図6、図7に示すプログラムと共に、図4に示す排温検出マップ、焼切り制御フラグF、タイマT及び設定時間Tk1(例えば10分程度の時間)等が格納されている。そして、焼切り制御フラグFはエンジンの始動時に後述のステップ1で、F=0に設定され、エンジンの始動後に後述の焼切り制御が実行されると、F=1に切換えられものである。また、設定時間Tk1はヒータ7の熱的な劣化を避けるために、実験データ等によって予め一定時間として求められる。
【0054】
一方、図4に示す排温検出マップは、エンジン回転数Nと基本噴射量Tp とに従って5段階の温度領域I,II,III ,IV,Vに予め分割された特性マップとして作成され、これはエンジンの排気ガス温度(以下、排温という)とエンジン回転数N、基本噴射量Tp との関係を実験データ等に基づいて求めたものである。そして、図4に示す領域Iは、例えば600℃以下の排温領域となり、エンジン回転数Nが回転数N1 (例えば3000rpm程度)と回転数N2 (例えば4000rpm程度)との間での領域IIは、例えば600℃以上で、700℃以下の排温領域を表している。
【0055】
また、エンジン回転数Nが回転数N2 と回転数N3 (例えば4500rpm程度)との間での領域 IIIは、例えば700℃以上で、800℃以下の排温領域を表し、回転数N3 と回転数N4 (例えば5000rpm程度)との間での領域IVは、例えば800℃以上で、900℃以下の排温領域を表し、回転数N4 を越える領域Vは、例えば900℃以上となる排温領域を表している。
【0056】
さらに、コントロールユニット26は、クランク角センサ18からのエンジン回転数Nと、流量計19からの吸入空気量Qとに基づいて基本噴射量Tp を、
【0057】
【数2】
Tp =K×Q/N
但し K:定数
として演算する機能を有している。そして、基本噴射量Tp はエンジンの負荷状態に対応して燃料の噴射量を増減させるために、エンジンの作動中は常に演算処理されるものである。
【0058】
本実施の形態によるヒータ付き酸素センサ2の制御装置は上述の如き構成を有するもので、次にその動作について説明する。
【0059】
まず、自動車用エンジン等の空燃比制御を行う場合に、センサケーシング3は図1に如く筒形ホルダ4のおねじ部4Aを介して車両の排気管1に螺着され、ジルコニアチューブ6の先端側を排気管1内へと突出させた状態で固定される。そして、エンジン作動によって、排気管1内を矢示A方向に流れる排気ガスがジルコニアチューブ6の周囲に導入されると、ジルコニアチューブ6には外側の排気ガスと内側の大気との間で酸素濃度に大きな濃度差が生じる。
【0060】
これにより、ジルコニアチューブ6には内側電極と外側電極との間に起電力が発生し、この起電力が酸素濃度の検出信号としてコンタクトプレート11、リード線15を介して外部のコントロールユニット26等へと出力される。そして、コントロールユニット26側では検出信号に従って燃料噴射量を補正演算し、エンジンの空燃比をフィードバック制御させるものである。
【0061】
また、ヒータ7は各リード線14側から各端子ピン9を通じて給電が行われ、例えばヒータ7を容量W0 の低容量状態で発熱させることにより、前記ヒータパターンが発熱源となってジルコニアチューブ6を内部から加熱し、エンジンの低温始動時等でもジルコニアチューブ6を早期に活性化させて、酸素濃度の検出信号を安定した状態で出力させる。
【0062】
そこで、本実施の形態の特徴であるコントロールユニット26のヒータ制御処理について、図6及び図7を参照して説明する。
【0063】
まず、始動スイッチ17によりエンジンを始動させて処理動作がスタートすると、ステップ1で焼切り制御フラグFを、F=0に設定し、次なるステップ2でエンジン回転数Nと基本噴射量Tp とを読込む。そして、ステップ3では図4に示す排温検出マップを読出し、このときのエンジン回転数Nと基本噴射量Tp とに対応した排温領域が領域Iとなっているか否かを判定する。
【0064】
そして、ステップ3で「YES」と判定したときには、例えば排温が600℃以下となる領域Iとして検出(推定)できるから、ステップ4に移ってヒータ7を容量W0 で作動させるため、図3に示すようにヒータ制御スイッチ20の可動接点20Aを固定接点20Cに接続し、電源21から抵抗22を通じてヒータ7への給電を行う。なお、この間はタイマTは停止状態に保持される。
【0065】
次に、ステップ5ではエンジンの停止操作が行われたか否かを判定し、「YES」と判定したときには、処理動作を終了させる。また、ステップ5で「NO」と判定する間はステップ2に戻り、これ以降の処理を繰返す。
【0066】
一方、ステップ3で「NO」と判定したときには、次なるステップ6に移って前記排温領域が図4中の領域Vとなっているか否かを判定する。そして、ステップ6で「YES」と判定したときには、例えば排温が900℃を越える高温状態となり、ジルコニアチューブ6が熱的に劣化する可能性があるために、ステップ7に移ってヒータ7への通電を停止すべく、図3に示すヒータ制御スイッチ20の可動接点20Aを固定接点20Bへと矢示B方向に切換え、ヒータ7を電源21に対して遮断する。なお、この間もタイマTは停止状態に保持される。
【0067】
また、ステップ6で「NO」と判定したときには、ステップ8に移って焼切り制御フラグFが、F=1に切換えられているか否かを判定し、「YES」と判定したときには、エンジンの始動後に後述の焼切り制御が既に行われているから、ジルコニアチューブ6が熱的に劣化するの避けるために、これ以上の焼切り制御を禁止させ、これ以降はエンジンが停止されるまでステップ2〜7に亘る制御処理のみを繰返させるものである。
【0068】
次に、ステップ8で「NO」と判定したときには焼切り制御フラグFが、F=0となって、エンジンの始動後に未だ焼切り制御は実行されていない状態であるから、図7に示すステップ9に移ってタイマTを作動(スタート)させる。そして、ステップ10で前記排温領域が領域IIとなっているか否かを判定し、「YES」と判定したときには、例えば排温が600℃以上で、700℃以下の状態であると検出できるから、ステップ11に移ってヒータ7を容量W3 で作動させるため、図3に示すヒータ制御スイッチ20の可動接点20Aを固定接点20Fへと矢示C方向に回動して切換え、電源21から抵抗25を通じてヒータ7への給電を行う。
【0069】
これにより、排温が600℃以上となって排気ガス量の増大に伴い、排気ガス中に含まれるシリコンSi 等の被毒物が増加した状態で、例えば70ワット程度の高い容量W3 をもってヒータ7を発熱させることができ、ジルコニアチューブ6を内側のヒータ7と外側の排温とによって、例えば800℃以上の温度、好ましくは900〜930℃程度の温度まで加熱できる。
【0070】
そして、ジルコニアチューブ6の表面に前記被毒物が付着しているときには、ジルコニアチューブ6を内,外から加熱することにより、その表面側から被毒物を焼き飛ばすように焼切り制御を行うことができる。この結果、図5に示す特性線のように、ジルコニアチューブ6の素子温度を一時的に、例えば800℃以上(好ましくは900〜930℃程度)まで温度上昇させる焼切り制御を実行できるため、ジルコニアチューブ6による酸素濃度検出時の応答性を、例えば1.5Hz (ヘルツ)程度の周波数f1 以上、好ましくは2Hz 程度の周波数f2 レベルまで向上させることができる。
【0071】
また、ステップ12ではタイマTが、例えば10分程度の設定時間Tk1以上となったか否かを、
【0072】
【数3】
T≧Tk1
として判定し、「YES」と判定したときには、これ以上の時間に亘って前記焼切り制御を続行すると、ジルコニアチューブ6を熱的に劣化させる可能性があるので、ステップ13に移って焼切り制御フラグFを、F=1に切換えることにより、前述の如くこれ以降の焼切り制御を禁止させる。なお、ステップ13でタイマTを、T=0としてリセットさせた状態で停止させるのがよい。
【0073】
また、ステップ12で「NO」と判定する間は、図6に示すステップ5以降の処理を繰返す。そして、ステップ10で「NO」と判定したときには、ステップ14に移って前記排温領域が領域III となっているか否かを判定し、「YES」と判定したときには、例えば排温が700℃以上で、800℃以下の状態であると検出できるから、ステップ15に移ってヒータ7を容量W2 で作動させるため、図3に示すヒータ制御スイッチ20の可動接点20Aを固定接点20Eへと切換え、電源21から抵抗24を通じてヒータ7への給電を行う。
【0074】
これにより、排温が700℃以上の高温となった状態で、例えば60ワット程度の高い容量W2 をもってヒータ7を発熱させることができ、ジルコニアチューブ6を内側のヒータ7と外側の排温とによって、例えば800℃以上の温度、好ましくは900〜930℃程度の温度まで加熱できる。そして、この場合には排温が、例えば700℃以上まで上昇しているので、ヒータ7の容量を60ワット程度の容量W2 に切換えた状態でステップ15による被毒物の焼切り制御を実行し、その後はステップ12以降の処理を繰返すものである。
【0075】
また、ステップ14で「NO」と判定したときには、前記排温領域が領域IVになって、例えば排温が800℃以上で、900℃以下の状態であると検出できるから、ステップ16に移ってヒータ7を容量W1 で作動させるため、図3に示すヒータ制御スイッチ20の可動接点20Aを固定接点20Dへと切換え、電源21から抵抗23を通じてヒータ7への給電を行う。
【0076】
これにより、排温が800℃以上の高温となった状態で、例えば50ワット程度の高い容量W1 をもってヒータ7を発熱させることができ、ジルコニアチューブ6を内側のヒータ7と外側の排温とによって、例えば800℃以上の温度、好ましくは900〜930℃程度の温度まで加熱できる。そして、この場合には排温が、例えば800℃以上まで上昇しているので、ヒータ7の容量を50ワット程度の容量W1 に切換えた状態でステップ16による被毒物の焼切り制御を実行し、その後はステップ12以降の処理を繰返すものである。
【0077】
かくして、本実施の形態によれば、エンジンを始動させた後に排温が、例えば600℃以上で、900℃以下となるエンジンの運転領域(図4中に示す領域II,III ,IV)において、ヒータ7を高い容量W3 ,W2 ,W1 のいずれかで発熱させることにより被毒物の焼切り制御を実行でき、例えば排気ガス中に含まれるシリコンSi 等の被毒物がジルコニアチューブ6の表面側に付着して応答性が低下する等の問題を、焼切り制御によって解消することができる。
【0078】
この場合、図5に示す特性線のように、ジルコニアチューブ6の素子温度を一時的に、例えば800℃以上(好ましくは900〜930℃程度)まで温度上昇させる焼切り制御を実行できるため、ジルコニアチューブ6による酸素濃度検出時の応答性を、例えば1.5Hz (ヘルツ)程度の周波数f1 以上、好ましくは2Hz 程度の周波数f2 レベルまで向上させることができる。
【0079】
また、前述の焼切り制御はエンジンの始動後に、例えば10分程度の設定時間Tk1の範囲で、1回のみ行うようにしたから、ジルコニアチューブ6がヒータ7からの熱で劣化されるような事態を回避でき、ジルコニアチューブ6の耐久性や寿命を延ばすことができる。
【0080】
さらに、ヒータ7を高容量に設定する場合には、排温との関係でヒータ容量を容量W3 ,W2 ,W1 のいずれかに選択的に切換える構成としているから、これによってもジルコニアチューブ6の熱的な劣化を防止することができる。
【0081】
従って、本実施の形態によれば、車両の走行途中等にヒータ7の発熱量を排温との関係で容量W1 ,W2 ,W3 のいずれかまで増大させる焼切り制御を実行することにより、シリコンSi 等の被毒物をジルコニアチューブ6の表面側から焼き飛ばすことができ、酸素センサ2による酸素濃度の検出性能を高め、応答性を向上させることができる。
【0082】
そして、酸素センサ2から酸素濃度の検出信号を長期に亘り安定させて出力することが可能となり、空燃比のフィードバック制御等を高い信頼性をもって行うことができ、エンジンの運転性能を確実に向上できる。
【0083】
また、図4に示す排温検出マップを用いて排気ガスの温度状態を検出することにより、現行のエンジン制御機器(例えばクランク角センサ18、流量計19)を利用して、エンジン回転数Nと基本噴射量Tp とから排温を高精度にモニタ(監視)することができ、例えば排気管1の途中に専用の温度センサ等を設ける必要がなく、部品点数を減らして組立性を向上できる等の効果を奏する。
【0084】
次に、図8ないし図10は本発明の第2の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、排気ガスの温度を温度センサにより検出し、その検出結果に従って被毒物の焼切り制御を行う構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0085】
図中、31は排温検出手段としての温度センサで、該温度センサ31は、例えば半導体式の温度センサまたは熱電対等によって構成され、図1に示す排気管1の途中部位に設けられるものである。そして、温度センサ31はエンジン本体から排気管1内に排出される排気ガスの温度tを検出し、その検出信号を後述のコントロールユニット33に出力するものである。なお、この場合の温度センサ31は、排気管1の下流側に通常設けられる触媒装置等に内蔵した温度センサと兼用してよいものである。
【0086】
32はコントロールユニット33と共にヒータ7への通電制御手段を構成するヒータ制御スイッチで、該ヒータ制御スイッチ32は、図9に示すように電源21とヒータ7との間に設けられ、可動接点32Aを固定接点32B,32C,32Dのいずれかに選択的に接続する構成となっている。また、ヒータ制御スイッチ32の固定接点32Cとヒータ7との間には抵抗22が設けられ、固定接点32Dとヒータ7との間には抵抗23が設けられている。
【0087】
そして、ヒータ制御スイッチ32の可動接点32Aを固定接点32Cに接続したときには、ヒータ7が電源21から抵抗22を通じて給電されることにより、容量W0 (例えば13ワット程度)の低容量状態に制御される。また、ヒータ制御スイッチ32の可動接点32Aを固定接点32Cから固定接点32Dに切換えたときには、ヒータ7が電源21から抵抗23を通じて給電されることにより、容量W1 (例えば50ワット程度)の高容量状態に制御される。
【0088】
一方、ヒータ制御スイッチ32の可動接点32Aを固定接点32Bに切換えたときには、ヒータ7が電源21から遮断されて作動停止状態に保持され、ヒータ7によるジルコニアチューブ6への加熱を停止させるものである。
【0089】
さらに、33はヒータ制御スイッチ32と共に通電制御手段を構成するコントロールユニットで、該コントロールユニット33は前記第1の実施の形態で述べたコントロールユニット26とほぼ同様に構成され、その入力側には始動スイッチ17、クランク角センサ18及び温度センサ31等に接続され、出力側にはヒータ制御スイッチ32等がに接続されている。そして、コントロールユニット33はROM,RAM等からなる記憶部33A内に、図10に示すプログラム等を格納し、ヒータ7の制御処理を行うようになっている。
【0090】
また、コントロールユニット33の記憶部33A内には、例えば600℃程度の基準温度t0 、エンジン回転数Nの判定値Nk (例えばNk =3600rpm程度)、焼切り制御フラグF、タイマT及び設定時間Tk2(例えば10分程度の時間)等が格納されている。なお、設定時間Tk2はヒータ7の熱的な劣化を避けるために、実験データ等によって予め一定時間として求められるものである。
【0091】
次に、本実施の形態によるコントロールユニット33のヒータ制御処理について図10を参照して説明する。
【0092】
まず、始動スイッチ17によりエンジンを始動させて処理動作がスタートすると、ステップ21で焼切り制御フラグFを、F=0に設定し、次なるステップ22ではヒータ7を容量W0 で作動させるため、図9に示すようにヒータ制御スイッチ32の可動接点32Aを固定接点32Cに接続し、電源21から抵抗22を通じてヒータ7への給電を行う。
【0093】
次に、ステップ23ではエンジンの停止操作が行われたか否かを判定し、「YES」と判定したときには、処理動作を終了させる。また、ステップ23で「NO」と判定する間は、ステップ24に移って温度センサ31から排気ガスの温度tを読込む。そして、ステップ25では温度tが、例えば600℃程度の基準温度t0 以上となっているか否かを、
【0094】
【数4】
t≧t0
として判定し、「NO」と判定する間は、ステップ22に戻ってヒータ7を容量W0 で作動させ、ジルコニアチューブ6をヒータからの熱で活性化させる。
【0095】
また、ステップ25で「YES」と判定したときには、ステップ26に移って焼切り制御フラグFが、F=1に切換えられているか否かを判定する。そして、ステップ26で「NO」と判定したときには焼切り制御フラグFが、F=0となって、エンジンの始動後に未だ焼切り制御は実行されていない状態であるから、ステップ27に移ってタイマTを作動(スタート)させ、次なるステップ28ではヒータ7を容量W1 で作動させるため、図9に示すヒータ制御スイッチ32の可動接点32Aを固定接点32Dへと矢示C方向に回動して切換え、電源21から抵抗23を通じてヒータ7への給電を行う。
【0096】
これにより、排温が600℃以上となって排気ガス量の増大に伴い、排気ガス中に含まれるシリコンSi 等の被毒物が増加した状態で、例えば50ワット程度の高い容量W1 をもってヒータ7を発熱させることができ、ジルコニアチューブ6を内側のヒータ7と外側の排温とによって、例えば800℃以上の温度、好ましくは900〜930℃程度の温度まで加熱できる。
【0097】
そして、ジルコニアチューブ6の表面に前記被毒物が付着しているときには、ジルコニアチューブ6を内,外から加熱することにより、その表面側から被毒物を焼き飛ばすように焼切り制御を行うことができる。
【0098】
次に、ステップ29ではタイマTが、例えば10分程度の所定時間Tk2以上となったか否かを、
【0099】
【数5】
T≧Tk2
として判定し、「NO」と判定する間はステップ28により焼切り制御を続行させる。
【0100】
そして、ステップ29で「YES」と判定したときには、これ以上の時間に亘って焼切り制御を続行すると、ジルコニアチューブ6を熱的に劣化させる可能性があるので、ステップ30に移ってタイマTを、T=0としてリセットした状態で停止させる。そして、ステップ31では焼切り制御フラグFを、F=1に切換えることにより、これ以降の焼切り制御を禁止させる。
【0101】
次に、ステップ26で「YES」と判定したときには、前記ステップ31の処理により、これ以上の焼切り制御が禁止された状態であるから、ステップ32に移ってクランク角センサ18からエンジン回転数Nを読込む。そして、次なるステップ33ではエンジン回転数Nが、例えば3600rpm程度の判定値Nk 以上であるか否かを、
【0102】
【数6】
N≧Nk
として判定する。
【0103】
そして、ステップ33で「YES」と判定したときには、エンジン回転数Nの増加に伴って排気ガスの温度が上昇することにより、ジルコニアチューブ6も十分に活性化され、ジルコニアチューブ6をヒータ7によって加熱する必要がない上に、排気ガスから熱でジルコニアチューブ6が熱的に劣化する可能性もある。そこで、ステップ34ではヒータ7への通電を停止するため、図9に示すヒータ制御スイッチ32の可動接点32Aを固定接点32Bへと矢示B方向に切換え、ヒータ7を電源21に対して遮断する。
【0104】
一方、ステップ33で「NO」と判定したときにはステップ22に戻り、これ以降はエンジンが停止されるまで、ステップ22〜26及びステップ32〜34に亘る制御処理のみを繰返すようにする。
【0105】
かくして、このように構成される本実施の形態でも、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果をうることができるが、特に本実施の形態では、温度センサ31により排気ガスの温度tを直接的に検出でき、その検出結果に応じて被毒物の焼切り制御を実行できると共に、ジルコニアチューブ6の熱的な劣化も防止することができる。
【0106】
なお、前記第2の実施の形態では、図10に示すステップ32〜34の処理により、エンジン回転数Nに基づいてヒータ7への通電,停止を判定処理するものとして述べたが、これに替えて、例えば排気ガスの温度状態等に応じてヒータ7への通電,停止を判定処理する構成としてもよいものである。
【0107】
次に、図11は本発明の第3の実施の形態を示し、本実施の形態では前記第2の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。しかし、本実施の形態の特徴は、エンジンの始動直後にヒータ7を高容量状態に制御することにより、エンジンの低温始動時等におけるジルコニアチューブ6の活性時間を短縮させる構成としたことにある。
【0108】
ここで、本実施の形態にあっては、前記第2の実施の形態で用いた図8に示すコントロールユニット33の記憶部33A内に、図11に示すプログラムを格納し、ヒータ7の制御処理を行うようにしている。
【0109】
即ち、図11に示すヒータ制御処理では、始動スイッチ17によりエンジンを始動させて処理動作がスタートさせた後に、ステップ41でエンジンの停止操作が行われたか否かを判定し、「NO」と判定する間は、ステップ42に移ってヒータ7を容量W1 の高容量状態で作動させるため、図9に例示したヒータ制御スイッチ32の可動接点32Aを固定接点32Dへと切換え、電源21から抵抗23を通じてヒータ7への給電を行う。
【0110】
これにより、エンジンの始動直後からヒータ7を、例えば50ワット程度の高容量で発熱量を増大させ、排気ガスの温度が低い状態でもヒータ7によりジルコニアチューブ6を、例えば350℃以上の温度に速やかに加熱でき、エンジンの低温始動時等におけるジルコニアチューブ6の活性時間を大幅に短縮することができる。
【0111】
次に、ステップ43では温度センサ31から排気ガスの温度tを読込み、ステップ44に移って温度tが、例えば600℃程度の基準温度t0 以上となっているか否かを前記数4の式の如く判定し、「NO」と判定する間はステップ41に戻ってこれ以降の処理を繰返す。
【0112】
そして、ステップ44で「YES」と判定したときには、次なるステップ45に移ってタイマTを作動(スタート)させる。そして、次なるステップ46ではタイマTが、例えば10分程度の設定時間Tk3以上となったか否かを、
【0113】
【数7】
T≧Tk3
として判定し、「NO」と判定する間はステップ41に戻り、再びステップ42により被毒物の焼切り制御を続行させる。なお、所定時間Tk3は予め実験データ等に基づいて決められる時間である。
【0114】
これにより、排気ガス温度が600℃以上となって排気ガス量の増大に伴い、排気ガス中に含まれるシリコンSi 等の被毒物が増加した状態で、例えば50ワット程度の高い容量W1 をもってヒータ7を発熱させることができ、ジルコニアチューブ6を内側のヒータ7と外側の排温とによって、例えば800℃以上の温度、好ましくは900〜930℃程度の温度まで加熱できる。
【0115】
そして、ジルコニアチューブ6の表面に前記被毒物が付着しているときには、ジルコニアチューブ6を内,外から加熱することにより、その表面側から被毒物を焼き飛ばすように焼切り制御を行うことができる。
【0116】
次に、ステップ46で「YES」と判定したときには、これ以上の時間に亘って焼切り制御を続行すると、ジルコニアチューブ6を熱的に劣化させる可能性があるので、ステップ47に移ってタイマTを、T=0としてリセットした状態で停止させる。そして、エンジンの始動直後にステップ42による焼切り制御を実行させた後には、後述するステップ48〜52に亘る処理のみを行わせ、これ以降の焼切り制御を禁止させるものである。
【0117】
次に、ステップ48ではヒータ7を容量W0 で作動させるため、図9に例示したようにヒータ制御スイッチ32の可動接点32Aを固定接点32Cに接続し、電源21から抵抗22を通じてヒータ7への給電を行う。そして、ステップ48ではヒータ7を、例えば13ワット程度の容量W0 で作動させることにより、ジルコニアチューブ6をヒータからの熱で活性化させる。
【0118】
次に、ステップ49ではエンジンの停止操作が行われたか否かを判定し、「YES」と判定したときには、処理動作を終了させる。また、ステップ49で「NO」と判定する間は、ステップ50に移ってエンジン回転数Nを読込み、次なるステップ51ではエンジン回転数Nが、例えば3600rpm程度の判定値Nk 以上であるか否かを、前記数6の式に従って判定する。
【0119】
そして、ステップ51で「YES」と判定したときには、エンジン回転数Nの増加に伴って排気ガスの温度が上昇することにより、ジルコニアチューブ6も十分に活性化され、ジルコニアチューブ6をヒータ7によって加熱する必要がない上に、排気ガスから熱でジルコニアチューブ6が熱的に劣化する可能性もある。そこで、ステップ52ではヒータ7への通電を停止するため、図9に例示したヒータ制御スイッチ32の可動接点32Aを固定接点32Bへと切換え、ヒータ7を電源21に対して遮断する。
【0120】
一方、ステップ51で「NO」と判定したときにはステップ48に戻り、これ以降はエンジンが停止されるまで、ステップ48〜52に亘る制御処理のみを繰返すようにする。
【0121】
かくして、このように構成される本実施の形態でも、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果をうることができるが、特に本実施の形態では、エンジンの始動直後からヒータ7を、例えば50ワット程度の高容量で作動させることによって、排気ガスの温度が低い状態でもヒータ7によりジルコニアチューブ6を速やかに加熱でき、エンジンの低温始動時等におけるジルコニアチューブ6の活性時間を大幅に短縮できると共に、ジルコニアチューブ6の熱的な劣化も防止することができる。
【0122】
なお、前記第2,第3の実施の形態では、ヒータ7を高容量状態で例えば50ワット程度の容量W1 に設定するものとして述べたが、本発明はこれに限るものではなく、例えば第1の実施の形態で述べた60ワット程度の容量W2 等にヒータ容量を切換えてもよく、要はヒータ7を高容量状態に切換えたときに被毒物の焼切り制御が実行できる程度の容量であればよいものである。
【0123】
また、前記第2,第3の実施の形態では、温度センサ31を用いて排気ガスの温度tを検出するものとして述べたが、これに替えて、例えば第1の実施の形態と同様に図4に示した排温検出マップを用いて、排気ガスの温度を検出する構成としてもよい。
【0124】
一方、前記第1の実施の形態では、図4に示す排温検出マップを用いて排気ガスの温度を検出するものとして述べたが、これに替えて、例えば第2の実施の形態で述べた温度センサ31と同様のものを用いて、排温の領域I,II,III ,IV,V等を検出し、これによってヒータの容量制御を行う構成としてもよい。
【0125】
また、前記第1の実施の形態では、ヒータ制御スイッチ20の可動接点20Aを固定接点20B〜20Fのいずれかに選択的に切換接続することにより、ヒータ7への通電を停止したり、またはヒータ容量を容量W0 ,W1 ,W2 ,W3 のいずれかに切換制御する構成として述べたが、本発明はこれに限らず、例えば電源21とヒータ7との間に電力制御用のパワートランジスタ等からなる通電制御手段を設け、これによってヒータ容量を連続的に変化させる構成としてもよいものである。
【0126】
そして、前記第2,第3の実施の形態にあっても、ヒータ制御スイッチ32等に替えて、電力制御用のパワートランジスタ等からなる通電制御手段を設ける構成としてもよい。
【0127】
【発明の効果】
以上詳述した通り、請求項1に記載の発明によれば、通電制御手段によりヒータの容量を、検出素子を活性化するための発熱量に対応した低容量状態と該低容量状態よりも高い発熱量を有する高容量状態との少なくとも2段階で可変に制御し、ヒータを高容量状態としたときには検出素子を800℃以上の温度まで加熱する構成とし、かつ前記通電制御手段は、前記検出素子がヒータからの熱で劣化するのを避けるために、予め決められた所定時間の範囲内で前記ヒータを高容量状態に制御し、所定時間を越えたときには前記ヒータを低容量状態に切換える構成としているので、例えば車両の走行途中等にヒータの発熱量を増大させて被毒物の焼切り制御を実行でき、シリコン等の被毒物を検出素子の表面側から焼き飛ばすことができると共に、ヒータ付き酸素センサによる酸素濃度の検出性能を高め、応答性を向上させることができる。従って、酸素センサから酸素濃度の検出信号を長期に亘り安定させて出力することが可能となり、空燃比のフィードバック制御等を高い信頼性をもって行うことができ、エンジンの運転性能を確実に向上できる。
【0128】
そして、通電制御手段は、所定時間の範囲内でヒータを高容量状態に制御し、所定時間を越えたときにはヒータを低容量状態に切換える構成としているから、例えばエンジンを始動して停止させるまで間に所定時間の範囲内でヒータを高容量状態とする被毒物の焼切り制御を実行でき、検出素子がヒータからの熱影響で過剰に加熱され、熱的に劣化するのを防止できる。
【0129】
また、請求項2に記載の発明では、エンジンの排気管内を流れる排気ガスの温度を基準にしてヒータを少なくとも低容量状態と高容量状態とに切換制御する構成としたから、排気ガスの温度が基準温度以上まで上昇し、排気ガス中に含まれる被毒物の量が増えたときに、ヒータ容量を高容量状態に切換えることにより、例えば800℃以上の温度まで検出素子を加熱して被毒物の焼切り制御を有効に実行でき、検出素子の応答性を確実に向上させることができる。
【0130】
さらに、請求項3に記載の発明では、排気ガスの温度が基準温度に達したときに所定時間だけヒータを高容量状態に制御し、これ以外のときには前記ヒータを低容量状態の発熱量以下に抑える構成としているから、エンジンを始動して停止させるまで間に、例えば1回だけ所定時間の範囲内で被毒物の焼切り制御を実行でき、検出素子が900〜1000℃程度の高温状態に長い間さらされるのを防止し、検出素子の熱的な劣化防止を図ることができる。
【0131】
一方、請求項4に記載の発明は、ヒータ付き酸素センサと、エンジンの回転数と負荷状態とに従って排気ガスの温度を検出する排温検出マップを有した排温検出手段と、低容量状態と高容量状態との少なくとも2段階でヒータの容量を切換える通電制御手段とを備え、該通電制御手段は、前記排温検出マップによる排気ガスの温度の検出結果に従って前記ヒータへの通電を制御し、かつ予め決められた所定時間の範囲内で前記ヒータを高容量状態に制御し、所定時間を越えたときには前記ヒータを低容量状態に切換える構成としているから、排気ガスの温度状態に応じてヒータ容量を可変に制御でき、ヒータ容量を低容量に切換えているときには検出素子の活性化を図ることができる。そして、排気ガスの温度が上昇してきたときにはヒータ容量を高容量状態に切換えることによって、検出素子の表面に付着した被毒物をヒータからの高熱で焼き飛ばすことができると共に、ヒータ付き酸素センサによる酸素濃度の検出性能を高め、応答性を向上できる。従って、酸素センサから酸素濃度の検出信号を長期に亘り安定させて出力でき、空燃比のフィードバック制御等を高い信頼性をもって行うことができる。
【0132】
そして、排温検出手段は、エンジンの回転数と負荷状態とに従って排気ガスの温度を検出する排温検出マップを用い、前記通電制御手段は、該排温検出マップによる検出結果に従ってヒータへの通電を制御する構成としたから、エンジンの回転数と負荷状態を検出することにより排気ガスの温度状態をモニタ(監視)でき、この検出結果に従ってヒータ容量を低容量と高容量との少なくとも2段階で可変に制御することができる。そして、エンジンを始動して停止させるまで間に所定時間の範囲内だけヒータを高容量状態に制御することにより、検出素子がヒータからの熱影響で劣化したりするのを防止できる。
【0133】
また、請求項5に記載の発明では、エンジンの回転数と負荷状態とに対応して予め複数の温度領域に分割された特性マップにより排温検出マップを構成し、通電制御手段によりそれぞれの温度領域毎にヒータへの通電量を切換制御する構成としているから、排温検出マップによる排気ガスの各温度領域毎にヒータの発熱量を変化させ、被毒物の焼切り制御等を高い信頼性をもって実行できると共に、検出素子の熱的な劣化を防止でき、耐久性や寿命を向上させることができる。
【0134】
そして、この場合には排温検出マップを用いて排気ガスの温度状態を検出するから、現行のエンジン制御機器(例えばクランク角センサ、流量計等)を利用して、エンジンの回転数と負荷状態を検出することにより排気ガスの温度を知ることができ、排気管の途中に専用の温度センサ等を設ける必要がなく、部品点数を減らして組立性を向上できる等の効果を奏する。
【0135】
また、請求項6に記載の発明は、ヒータ付き酸素センサと、排気ガスの温度を検出するため排気管内に設けられた温度センサと、該温度センサからの信号に従ってヒータへの通電を制御し、低容量状態と高容量状態との少なくとも2段階で前記ヒータの容量を切換える通電制御手段とを備え、該通電制御手段は、前記温度センサで検出した排気ガスの温度が基準温度に達したときに前記ヒータを所定時間だけ高容量状態に制御し、これ以外のときにはヒータを低容量状態の発熱量以下に抑える構成としているから、前記温度センサを用いて排気ガスの温度を検出し、エンジンの始動後に排気ガスの温度が基準温度に達したときには、所定時間だけヒータを高容量状態に制御することにより、例えば検出素子が900〜1000℃程度の高温状態に長い間さらされるのを回避でき、検出素子の熱的な劣化防止を図ることができる。従って、酸素センサから酸素濃度の検出信号を長期に亘り安定させて出力でき、空燃比のフィードバック制御等を高い信頼性をもって行うことができる。
【0136】
さらに、請求項7に記載の発明では、ヒータを窒化珪素材料を用いて形成する構成としているから、高い耐熱特性をヒータに与えることができ、ヒータを高容量状態に切換えたときに、検出素子を高い温度まで加熱して被毒物の焼切り制御を安定させて実行できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるヒータ付き酸素センサを排気管に取付けた状態を示す縦断面図である。
【図2】第1の実施の形態によるヒータ付き酸素センサの制御装置を示す制御ブロック図である。
【図3】図2中のヒータ制御スイッチ等を具体化して示す電気回路図である。
【図4】コントロールユニットの記憶部内に格納した排温検出マップを示す特性線図である。
【図5】被毒物の焼切り制御を行った状態での素子温度と応答性との関係を示す特性線図である。
【図6】コントロールユニットによるヒータ制御処理を示す流れ図である。
【図7】図6に続く流れ図である。
【図8】第2の実施の形態によるヒータ付き酸素センサの制御装置を示す制御ブロック図である。
【図9】図8中のヒータ制御スイッチ等を具体化して示す電気回路図である。
【図10】第2の実施の形態によるヒータ制御処理を示す流れ図である。
【図11】第3の実施の形態によるヒータ制御処理を示す流れ図である。
【符号の説明】
1 排気管
2 ヒータ付き酸素センサ
3 センサケーシング
6 ジルコニアチューブ(検出素子)
7 ヒータ
17 始動スイッチ
18 クランク角センサ
19 流量計
20,32 ヒータ制御スイッチ(通電制御手段)
21 電源
26,33 コントロールユニット
31 温度センサ
Claims (7)
- 酸素濃度を検出する検出素子及び該検出素子を加熱するためのヒータを備えたヒータ付き酸素センサと、該酸素センサのヒータを発熱させるために該ヒータへの通電を制御する通電制御手段とからなるヒータ付き酸素センサの制御装置において、
前記通電制御手段は、前記検出素子を活性化するための発熱量に対応した低容量状態と該低容量状態よりも高い発熱量を有する高容量状態との少なくとも2段階で前記ヒータの容量を可変に制御し、前記ヒータは高容量状態のときに前記検出素子を800℃以上の温度まで加熱する構成とし、
かつ前記通電制御手段は、前記検出素子がヒータからの熱で劣化するのを避けるために、予め決められた所定時間の範囲内で前記ヒータを高容量状態に制御し、所定時間を越えたときには前記ヒータを低容量状態に切換える構成としたことを特徴とするヒータ付き酸素センサの制御装置。 - 前記ヒータ付き酸素センサはエンジンの排気管途中に設け、前記通電制御手段は、前記エンジンの排気管内を流れる排気ガスの温度を基準にして前記ヒータを少なくとも低容量状態と高容量状態とに切換制御する構成としてなる請求項1に記載のヒータ付き酸素センサの制御装置。
- 前記通電制御手段は、前記排気ガスの温度が基準温度に達したときに所定時間だけヒータを高容量状態に制御し、これ以外のときには前記ヒータを低容量状態の発熱量以下に抑える構成としてなる請求項2に記載のヒータ付き酸素センサの制御装置。
- エンジンの排気管途中に設けられ、排気ガス中の酸素濃度を検出する検出素子及び該検出素子を加熱するためのヒータを備えたヒータ付き酸素センサと、
前記エンジンから排気管内に向けて排出される排気ガスの温度を検出するため前記エンジンの回転数と負荷状態とに従って前記排気ガスの温度を検出する排温検出マップを有した排温検出手段と、
該排温検出手段からの信号に従って前記ヒータへの通電を制御し、前記検出素子を活性化するための発熱量に対応した低容量状態と該低容量状態よりも高い発熱量を有する高容量状態との少なくとも2段階で前記ヒータの容量を切換える通電制御手段とを備え、
該通電制御手段は、前記排温検出マップによる排気ガスの温度の検出結果に従って前記ヒータへの通電を制御し、かつ前記検出素子がヒータからの熱で劣化するのを避けるために、予め決められた所定時間の範囲内で前記ヒータを高容量状態に制御し、所定時間を越えたときには前記ヒータを低容量状態に切換える構成としてなるヒータ付き酸素センサの制御装置。 - 前記排温検出マップは、前記エンジンの回転数と負荷状態とに対応して予め複数の温度領域に分割された特性マップからなり、前記通電制御手段は、それぞれの温度領域毎に前記ヒータへの通電量を切換制御してヒータの発熱量を変化させる構成としてなる請求項4に記載のヒータ付き酸素センサの制御装置。
- エンジンの排気管途中に設けられ、排気ガス中の酸素濃度を検出する検出素子及び該検出素子を加熱するためのヒータを備えたヒータ付き酸素センサと、
前記エンジンから排気管内に向けて排出される排気ガスの温度を検出するため前記排気管内に設けられた温度センサと、
該温度センサからの信号に従って前記ヒータへの通電を制御し、前記検出素子を活性化するための発熱量に対応した低容量状態と該低容量状態よりも高い発熱量を有する高容量状態との少なくとも2段階で前記ヒータの容量を切換える通電制御手段とを備え、
該通電制御手段は、前記温度センサで検出した排気ガスの温度が予め決められた基準温度に達したときに、前記ヒータを所定時間だけ高容量状態に制御し、これ以外のときには前記ヒータを低容量状態の発熱量以下に抑える構成としてなるヒータ付き酸素センサの制御装置。 - 前記ヒータは窒化珪素材料を用いて形成してなる請求項1,2,3,4,5または6に記載のヒータ付き酸素センサの制御装置。
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