JP3704880B2 - 酸素センサのヒータ制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸素センサの活性化を促すべく同センサに付設されたヒータを制御するためのヒータ制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の車載用エンジンの空燃比制御においては、例えば制御精度を高めるといった要望やリーンバーン化への要望があり、これらの要望に対応すべく、エンジンに吸入される混合気の空燃比(排気ガス中の酸素濃度)を広域に且つリニアに検出するリニア式空燃比センサ(酸素センサ)、及び同センサを用いた空燃比検出装置が具体化されている。このような酸素センサとして例えば限界電流式空燃比センサでは、空燃比(酸素濃度)を精度良く検出するために、センサ素子の温度を所定の活性温度に維持する必要があり、通常はセンサにヒータを付設し同ヒータの通電を制御するようにしていた。かかるヒータ制御の手法として、一般には、ヒータへの供給電力を制御したり、センサ素子の温度が所定の活性温度に維持できるようフィードバック制御したりするものがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来のヒータ制御装置では、以下に示す問題があった。つまり、この種の酸素センサにおいて、所望のセンサ活性状態では素子インピーダンス(センサ素子の内部抵抗)が所定値に維持され、ヒータへの供給電力も安定する。しかし、酸素センサが経時劣化してセンサ特性が変化したり、センサの環境温度(例えば、エンジンの排気ガスの温度)が変化したりすると、ヒータへの供給電力が不安定になり、ヒータの通電によりセンサ素子が過熱されるおそれがあった。こうしたセンサ素子の過熱状態が継続されると、センサ劣化が助長されるといった不都合があった。
【0004】
本発明は、上記問題に着目してなされたものであって、その目的とするところは、酸素センサの過熱を抑制し、同センサの保護を図ることができる酸素センサのヒータ制御装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1又は請求項2に記載の発明では、酸素センサのヒータを通電加熱するヒータ通電手段と、ヒータに供給する電力に対し、前記酸素センサへの過熱を抑制可能な最大許容量を電力ガードとして設定する電力ガード設定手段と、ヒータ通電手段によるヒータへの通電指令値を前記電力ガードにより制限する電力制限手段とを備える。この場合、酸素センサが経時劣化してセンサ特性が変化したり、センサの環境温度(例えば、エンジンの排気ガスの温度)が変化したりしても、ヒータへの電力が安定して供給でき、酸素センサの過熱が抑制できる。その結果、酸素センサの保護を図ることができる。
【0006】
またここで、前記電力ガード設定手段は、特に請求項又は請求項のように構成される。請求項2に記載の発明では、酸素センサを冷間状態から使用する際において、電力ガード設定手段は、当該センサの均一加熱が終了するまでの所定期間だけ電力ガードを通常値よりも増加側に設定する。本請求項の構成によれば、酸素センサの冷間状態において電力ガードを高めに設定することで、酸素センサの活性化を促進させることができる。また、ヒータが素子電極を中心に加熱し、他の素子部分は熱伝導により加熱される構成の場合、ヒータは周囲の低温部に熱を奪われるが、多くの電力を供給することで早期の活性化が実現できる。因みに、酸素センサの素子全体が暖まり安定状態になれば、奪われる熱量が小さくなるために供給電力は少なくてよく、電力ガードが下げられることになる。
【0007】
請求項に記載の発明では、電力ガード設定手段は、酸素センサの素子インピーダンスに応じてヒータの電力ガードを設定する。本請求項の構成によれば、ヒータ電力がオープン制御される場合においても、電力ガードを適正に設定することができるようになる。またこのとき、素子インピーダンスは素子部の温度(素子温)を反映するものであるため、素子インピーダンスに応じて電力ガードを設定しておけば、素子温を所定の最適活性温度に維持することが可能となる。
ここで、請求項3に記載したように、電力ガード設定手段をさらに、酸素センサを冷間状態から使用する際において、当該センサの均一加熱が終了するまでの所定期間だけ電力ガードを通常値よりも増加側に設定するようにすれば、酸素センサの活性化を促進させることも可能となる。
【0008】
一方、請求項4に記載の発明では、ヒータ通電手段は、前記酸素センサの素子インピーダンスが目標値に一致するようヒータへの供給電力を制御するものであり、ヒータへの供給電力が電力ガードに達していることを判定するガード判定手段と、ヒータへの供給電力が所定時間以上、電力ガードに達している場合に、素子インピーダンスの目標値を増加側に更新する目標インピーダンス更新手段とを備える。
【0009】
要するに、酸素センサ(の素子部)が劣化すると、素子インピーダンスが上昇する。従って、素子インピーダンスの目標値を固定したまま、その目標値に素子インピーダンスを一致させるようヒータ電力をフィードバック(F/B)制御する場合には、電力過多になり素子部の温度(素子温)が過上昇するおそれがある。より具体的に説明すると、図12に示すように、センサ劣化前は、素子インピーダンスの目標値を例えば30Ωとすることで素子温が最適活性温度(同図の700℃程度)に保持できるのに対し、センサ劣化後は同様の制御でも素子温が上昇してしまい、その温度上昇は劣化の進行度合に応じて大きくなる。また他方で、こうしたセンサ劣化時には、素子インピーダンスの上昇に従いヒータ電力が上昇して電力ガードに達する。そのため、ヒータ電力が所定時間以上電力ガードに達していれば、センサ劣化時であるとみなすことができる。よって、ヒータ電力によりセンサ劣化を検出し、劣化時には素子インピーダンスの目標値を増加側に更新することで、素子インピーダンスF/B制御時にも素子温が最適活性温度(図12の700℃程度)に保持でき、センサ保護をより一層確実に実現することができる。
【0010】
ここで、請求項5に記載したように、目標インピーダンス更新手段により更新された素子インピーダンスの目標値を、その都度バックアップメモリに記憶保持するようにすれば、例えばエンジンの運転毎にセンサ特性に応じた目標素子インピーダンスの演算を実施する必要はなく、演算負荷が軽減できる。因みに、素子インピーダンスの目標値の更新に伴い、当該目標値が所定レベルにまで達した際には、劣化が極度に進行したとしてセンサ異常の旨を判定するようにしてもよい。
【0011】
請求項6に記載の発明では、酸素センサの目標インピーダンスに対しその時々の素子インピーダンスが所定幅以上大きくなった場合において、電力ガード設定手段は、電力ガードを所定量増加させるようにしている。つまり、例えばエンジンの排気管に配設された酸素センサの場合、当該エンジンが急激に減速運転されたり、エンジンへの燃料カットが実施されたりすると、排気温の低下に伴い酸素センサの温度(素子温)が低下し、素子インピーダンスが不用意に上昇することがある。これに対し上記構成によれば、酸素センサの活性状態を維持すべく多めの供給電力がヒータに投入される。これにより、上記のように不用意な素子温低下を招く状態下でも、センサの応答性が確保され、センサの検出能力が低下するといった不具合が防止できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を空燃比検出装置に具体化した一実施の形態を図面に従って説明する。なお、本実施の形態における空燃比検出装置は、自動車に搭載される電子制御ガソリン噴射エンジンに適用されるものであって、同エンジンの空燃比制御システムにおいては空燃比検出装置による検出結果に基づいてエンジンへの燃料噴射量を所望の空燃比に制御する。以下の記載では、酸素センサとしての限界電流式空燃比センサについて、同センサに付設されたヒータの通電制御手順、並びにヒータへの供給電力に対する電力ガードの設定手順を詳細に説明すると共に、それらの処理を実現するための具体的構成について説明する。なお、本実施の形態では、限界電流式空燃比センサのヒータに供給する電力の最大許容量を電力ガードとして定義する。
【0013】
図1は、本実施の形態における空燃比検出装置の概要を示す構成図である。図1において、空燃比検出装置15は、その内部演算の中枢をなすマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)20を備え、マイコン20は燃料噴射制御や点火制御等を実現するためのホストマイコン16に対して相互に通信可能に接続されている。限界電流式空燃比センサ(以下、A/Fセンサという)30は、エンジン10のエンジン本体11から延びる排気管12に取り付けられており、マイコン20から指令される電圧の印加に伴い、排気ガス中の酸素濃度に比例したリニアな空燃比検出信号(センサ電流信号)を出力する。マイコン20は、各種演算処理を実行するための周知のCPU20a,ROM20b,RAM20c,バックアップRAM20d等により構成され、所定の制御プログラムに従いヒータ制御回路25及びバイアス制御回路40を制御する。
【0014】
ここで、マイコン20から出力されるバイアス指令信号Vrは、D/A変換器21を介してバイアス制御回路40に入力される。また、その時々の空燃比(酸素濃度)に対応するA/Fセンサ30の出力は、バイアス制御回路40内の電流検出回路50にてセンサ電流として検出され、その検出値はA/D変換器23を介してマイコン20に入力される。さらに、ヒータ電圧及びヒータ電流は、後述するヒータ制御回路25にて検出され、その検出値はA/D変換器24を介してマイコン20に入力される。
【0015】
図2は、A/Fセンサ30の概略を示す断面図である。図2において、A/Fセンサ30は前記排気管12の内部に向けて突設されており、同センサ30は大別して、カバー31、センサ本体32及びヒータ33から構成されている。カバー31は断面コ字状をなし、その周壁にはカバー内外を連通する多数の小孔31aが形成されている。センサ素子部としてのセンサ本体32は、空燃比リーン領域における酸素濃度、若しくは空燃比リッチ領域における未燃ガス(CO,HC,H2 等)濃度に対応する限界電流を発生する。
【0016】
センサ本体32の構成について詳述する。センサ本体32において、断面カップ状に形成された固体電解質層34の外表面には、排気ガス側電極層36が固着され、内表面には大気側電極層37が固着されている。また、排気ガス側電極層36の外側には、プラズマ溶射法等により拡散抵抗層35が形成されている。固体電解質層34は、ZrO2 、HfO2 、ThO2 、Bi2 O3 等にCaO、MgO、Y2 O3 、Yb2 O3 等を安定剤として固溶させた酸素イオン伝導性酸化物焼結体からなり、拡散抵抗層35は、アルミナ、マグネシャ、ケイ石質、スピネル、ムライト等の耐熱性無機物質からなる。排気ガス側電極層36及び大気側電極層37は共に、白金等の触媒活性の高い貴金属からなりその表面には多孔質の化学メッキ等が施されている。なお、排気ガス側電極層36の面積及び厚さは、10〜100mm^2(平方ミリメートル)及び0.5〜2.0μm程度となっており、一方、大気側電極層37の面積及び厚さは、10mm^2(平方ミリメートル)以上及び0.5〜2.0μm程度となっている。
【0017】
ヒータ33は大気側電極層37内に収容されており、その発熱エネルギによりセンサ本体32(大気側電極層37、固体電極質層34、排気ガス側電極層36及び拡散抵抗層35)を加熱する。ヒータ33は、センサ本体32を活性化するに十分な発熱容量を有している。
【0018】
上記構成のA/Fセンサ30において、センサ本体32は理論空燃比点よりリーン領域では酸素濃度に応じた限界電流を発生する。この場合、酸素濃度に対応する限界電流は、排気ガス側電極層36の面積、拡散抵抗層35の厚さ、気孔率及び平均孔径により決定される。また、センサ本体32は酸素濃度を直線的特性にて検出し得るものであるが、このセンサ本体32を活性化するのに約600℃以上の高温が必要とされると共に、同センサ本体32の活性温度範囲が狭いため、エンジン10の排気ガスのみによる加熱では素子温を活性領域に制御できない。そのため、本実施の形態では、ヒータ33への供給電力をデューティ制御することにより、センサ本体32を活性温度域にまで加熱するようにしている。なお、理論空燃比よりもリッチ側の領域では、未燃ガスである一酸化炭素(CO)等の濃度が空燃比に対してほぼリニアに変化し、センサ本体32はCO等の濃度に応じた限界電流を発生する。
【0019】
センサ本体32の電圧−電流特性(V−I特性)について図3を用いて説明する。図3によれば、A/Fセンサ30の検出A/Fに比例するセンサ本体32の固体電解質層34への流入電流と、同固体電解質層34への印加電圧とがリニアな特性を有することが分かる。かかる場合、電圧軸Vに平行な直線部分がセンサ本体32の限界電流を特定する限界電流検出域であって、この限界電流(センサ電流)の増減はA/Fの増減(すなわち、リーン・リッチ)に対応している。つまり、A/Fがリーン側になるほど限界電流は増大し、A/Fがリッチ側になるほど限界電流は減少する。
【0020】
このV−I特性において電圧軸Vに平行な直線部分(限界電流検出域)よりも小さい電圧域は抵抗支配域となっており、その抵抗支配域における一次直線部分の傾きは、センサ本体32における固体電解質層34の内部抵抗(以下、これを素子インピーダンスZdcという)により特定される。この素子インピーダンスZdcは温度変化に伴い変化するため、センサ本体32の温度が低下するとZdcの増大により上記傾きが小さくなる。
【0021】
図4は、ヒータ制御回路25の構成を示す回路図である。同図において、ヒータ33の一端はバッテリ電源+Bに接続され、他端はスイッチング素子を構成するnチャネルMOSトランジスタ(以下、MOS25aという)のドレインに接続されている。MOS25aのゲートはマイコン20によりオン・オフ切替えされるスイッチ25bに接続され、ソースはヒータ電流検出用抵抗25cを介して接地されている。ヒータ電圧Vhはヒータ33の両端の電位差により検出され、その検出結果はオペアンプ25dを介してA/D変換器24(マイコン20)に入力される。また、ヒータ電流Ihはヒータ電流検出用抵抗25cの両端の電位差により検出され、その検出結果はオペアンプ25eを介してA/D変換器24(マイコン20)に入力される。
【0022】
次に、上記の如く構成される本実施の形態の装置の作用を説明する。
図5はヒータ制御ルーチンを、図6は図5のサブルーチンである目標インピーダンス設定ルーチンを、図7は電力ガード設定ルーチンを、それぞれに示すフローチャートであり、図5及び図7の各ルーチンは、マイコン20内のCPU20aにより所定間隔(例えば、128msec周期)のタイマ割り込みにて起動される。
【0023】
図5のヒータ制御ルーチンにおいて、CPU20aは、先ずステップ101で素子インピーダンスZdcがセンサ本体32の半活性状態を判定するための所定の判定値(本実施の形態では、200Ω〔オーム〕程度)以下であるか否かを判別する。なおここで、素子インピーダンスZdcは、下記のように検出されるようになっている。つまり、素子インピーダンスZdcの検出時には、図8に示すように、A/Fセンサ30の印加電圧を一時的に正方向及び負方向に変化させる。そして、この電圧変化時における正負いずれか一方の電圧変化量ΔVと電流変化量ΔIとから素子インピーダンスZdcを算出する(Zdc=ΔV/ΔI)。但し、この算出法は一例であって、正負両側の電圧及び電流の変化量に基づき素子インピーダンスZdcを検出したり、負の印加電圧Vnegを印加した時のセンサ電流Inegから素子インピーダンスZdcを検出したりしてもよい(Zdc=Vneg/Ineg)。
【0024】
例えばエンジン10の低温始動時等、素子温が低い場合にはZdc>200Ωとなり、CPU20aはステップ102に進んでヒータ33の「100%通電制御」を実施する。この100%通電制御は、ヒータ33へのデューティ比制御信号を100%に維持する制御であり、素子インピーダンスZdcが200Ω以下になりステップ101が肯定判別されるまで継続して実施される。
【0025】
そして、ヒータ33の加熱作用により素子温が上昇し、ステップ101が肯定判別されると、CPU20aはステップ103に進み、素子インピーダンスZdcがフィードバック(F/B)制御を開始するための所定の判定値以下であるか否かを判別する。ここで、ステップ103の判定値は、センサ本体32の活性化が完了したか否かを判定するものであって、バックアップRAM20d内に記憶保持されている目標インピーダンスZdcTGに対して「+10Ω」程度の値である。従って、ZdcTGの初期値(センサ劣化前の値)が「30Ω」である場合、前記判定値は「40Ω」となる。
【0026】
A/Fセンサ30の活性化完了前であって、ステップ103が否定判別された場合、CPU20aはステップ104に進み、「電力制御」によりヒータ33の通電を制御する。このとき、図9のマップに示すように素子インピーダンスZdcに応じて電力指令値が決定され、その電力指令値に応じてヒータ通電のための制御デューティ比が算出される。
【0027】
一方、A/Fセンサ30の活性化が完了し、前記ステップ103が肯定判別された場合、CPU20aはステップ110で目標インピーダンスZdcTGを設定する。このTdcTGの設定処理の詳細については後述する。ZdcTGの設定後、CPU20aは、ステップ105で「素子インピーダンスF/B制御」を実施する。この素子インピーダンスF/B制御では、以下の手順にてヒータ通電のためのデューティ比Dutyが算出されるようになっている。なお本実施の形態では、その一例としてPID制御手順を用いることとする。
【0028】
つまり、先ずは次の式(1)〜(3)により比例項GP,積分項GI,微分項GDを算出する。
GP=KP・(Zdc−ZdcTG) ・・・(1)
GI=GIi-1 +KI・(Zdc−ZdcTG) ・・・(2)
GD=KD・(Zdc−Zdci-1 ) ・・・(3)
但し、上式において、「KP」は比例定数、「KI」は積分定数、「KD」は積分定数を表し、添字「i−1」は前回処理時の値を表す。
【0029】
そして、上記比例項GP,積分項GI,微分項GDを加算してヒータ通電のためのデューティ比Dutyを算出する(Duty=GP+GI+GD)。またこのとき、上記算出したデューティ比Dutyに対応する電力指令値を算出しておく。なお、こうしたヒータ制御手順は、上記のPID制御に限定されるものではなく、PI制御やP制御を実施するようにしてもよい。
【0030】
その後、CPU20aは、ステップ106でF/B実行フラグXFBに「1」をセットする。このフラグXFBは、素子インピーダンスF/B制御が実施されているか否かを示すものであり、XFB=0はF/B制御の未実施を、XFB=1はF/B制御の実施を表す(但し、このXFBは、IGキーのオン操作時に「0」に初期化されるようになっている)。
【0031】
その後、CPU20aは、ステップ107で前記算出した電力指令値が所定の電力ガードWHGD以上であるか否かを判別する。そして、電力指令値≧WHGDであれば、CPU20aはステップ108で電力指令値を電力ガードWHGDでガードした後、本ルーチンを終了する。また、電力指令値<電力ガードWHGDであればそのまま本ルーチンを終了する。このとき、電力指令値が電力ガードWHGDにて制限されるのであれば、例えば上記ステップ105で算出したデューティ比Dutyが電力ガードWHGDに応じて修正されることになる。
【0032】
次に、前記ステップ110のサブルーチンに相当する目標インピーダンス設定ルーチンについて図6を用いて説明する。
図6において、CPU20aは、先ずステップ111でF/B実行フラグXFBが「1」であるか否かを判別する。XFB=0の場合、すなわち素子インピーダンスZdcのF/B制御が開始されていない場合、CPU20aはステップ112に進み、バックアップRAM20dから目標インピーダンスZdcTGを読み出し、それを初期値として設定する。ZdcTGの初期値設定後、CPU20aは前記図5のルーチンに復帰する。このZdcTGの初期値は、図5のルーチンにおける素子インピーダンスF/B制御の開始当初に使用されることになる。
【0033】
また、F/B実行フラグXFBが「1」の場合、すなわち素子インピーダンスZdcのF/B制御が実施されている場合、CPU20aはステップ113に進み、その時のヒータ電圧Vhとヒータ電流Ihとから実ヒータ電力WHを算出する(WH=Vh・Ih)。
【0034】
その後、CPU20aは、ステップ114で前記算出した実ヒータ電力WHが電力ガードWHGD以上であるか否かを判別する。WH<WHGDの場合、CPU20aはステップ114を否定判別してステップ115に進み、同ステップ115で「WH≧WHGD」の状態の継続時間を計測するためのカウンタを「0」にクリアする。また、CPU20aは、続くステップ116で目標インピーダンスZdcTGをその時の値(例えばセンサ劣化前の初期状態であれば、30Ω)に保持した後、前記図5のルーチンに戻る。このZdcTG値は、図5のルーチンにおける素子インピーダンスF/B制御にて使用される。
【0035】
一方、前記ステップ114においてWH≧WHGDであれば、CPU20aはステップ117に進み、その時の状態(WH≧WHGDの状態)の継続時間を計測するためのカウンタの値をカウントアップする。また、CPU20aは、続くステップ118で前記ステップ117にて計測したカウンタ値に基づき、前記WH≧WHGDの状態が所定時間(例えば、5分間)以上、継続したか否かを判別する。この場合、所定時間の経過前であれば、CPU20aは、ステップ116に進んで目標インピーダンスZdcTGの値をそのままで保持する。また、所定時間の経過後であれば、CPU20aは、ステップ119に進んで目標インピーダンスZdcTGを所定値αだけ増加側に更新し、その後前記図5のルーチンに戻る。このZdcTG値は、図5のルーチンにおける素子インピーダンスF/B制御にて使用される。
【0036】
上記ステップ119で更新した目標インピーダンスZdcTGは、バックアップRAM20dに格納され、このバックアップRAM値はエンジン運転の停止後にも保持される。そして、この更新後のZdcTG値(バックアップRAM値)は、IGキーのオン当初において、前記ステップ112にて読み出されるようになっている。
【0037】
ここで、上記フローにおいて、処理がステップ114→117→118→119の順に進むことは、A/Fセンサ30の劣化に伴いセンサ本体32の素子インピーダンスZdcが増加したことを意味し、かかる状態下では当初のままの目標インピーダンスZdcTGでF/B制御を継続すると素子温の過熱を招くおそれが生じる。そのため、素子温の過熱防止を図りセンサ本体32を保護すべく、目標インピーダンスZdcTGを増加側に更新する。詳細には、図12において素子温の目標値(最適活性温度)を例えば700℃程度とした場合、A/Fセンサ30の劣化前には目標インピーダンスZdcTGを30Ωに設定することで素子温が最適活性温度(700℃程度)に維持されることになるが、同センサ30が劣化するとZdcTG=30ΩのF/B制御では素子温が700℃を大きく越え過熱される(この素子温は、劣化の進行につれて上昇する)。そこで、本実施の形態では、素子温を最適活性温度(700℃程度)に維持すべく、目標インピーダンスZdcTGを増加側に更新する。
【0038】
なお本実施の形態では、前記図5のヒータ制御ルーチンが請求項記載のヒータ通電手段に相当し、同図5のステップ107,108の処理が電力制限手段に相当する。また、前記図6のステップ114の処理がガード判定手段に相当し、ステップ119の処理が目標インピーダンス更新手段に相当する。
【0039】
次いで、図7の電力ガード設定ルーチンを説明する。同図において、CPU20aは、先ずステップ201でヒータ33が「100%通電」にて制御されているか否かを判別し(前記図5のルーチン参照)、100%通電の制御中であれば、そのまま本ルーチンを終了する。つまり、100%通電の制御中には、電力ガードWHGDを設定しない。
【0040】
また、ステップ201が否定判別されれば、CPU20aはステップ202に進み、F/B実行フラグXFBが「1」であるか否かを判別する。このとき、XFB=0であれば、CPU20aはステップ203に進み、図10に示すマップを検索して素子インピーダンスZdcに応じた電力ガードWHGDを設定する。なおここで、ステップ202が否定判別される場合とは、前記図5のルーチンにて「電力制御」が実施される場合に相当する。
【0041】
この図10のマップにおいて、素子インピーダンスZdc=30Ω(F/B制御時の目標値ZdcTGの初期値)〜200Ωの範囲では、電力ガードWHGDが一次直線状に設定されている(但し、Zdc>200Ωでは固定値)。従って、XFB=0であり、ヒータ33が電力制御される場合には、Zdc=40Ω(F/B開始の判定値)〜200Ωの範囲内にあるため、電力ガードWHGDは、図中のKGDA〜KGDB内で設定されることになる。因みに、図10に示すマップは、素子インピーダンスZdcの目標値ZdcTGを「30Ω」とした際の特性を示すものであって、仮に前記図6のルーチンにて目標値ZdcTGが増加側に更新されれば、それに伴い電力ガードWHGDの設定値も増加側に移行することになる。
【0042】
一方、XFB=1であれば、ステップ202が肯定判別され、CPU20aは、ステップ204で素子インピーダンスF/Bによるヒータ制御開始後に電力ガードWHGDが初期設定されたことを表すフラグ(以下、ガード設定フラグXINTという)が「0」であるか否かを判別する。このとき、当初はXINT=0のため、CPU20aはステップ205に進み、F/B開始カウンタCFBを「1」インクリメントする。また、CPU20aは、続くステップ206でF/B開始カウンタCFBが所定値KCFB(30秒程度の値)に達したか否かを判別する。ここで、所定値KCFBは、A/Fセンサ30を冷間状態から使用する際において、当該センサ30の均一加熱が終了するまでの所要時間に相当する。
【0043】
そして、CFB<KCFBであれば、CPU20aはステップ207に進み、電力ガードWHGDを「KWFB1」とした後、本ルーチンを終了する。この「KWFB1」は、前記図10のマップにおいてZdc=30Ω(バックアップRAM20d内の目標インピーダンスZdcTG)に対応する電力ガード値である。
【0044】
その後、CFB≧KCFBとなり、ステップ206が肯定判別されると、CPU20aはステップ208に進む。CPU20aは、ステップ208でガード設定フラグXINTに「1」をセットすると共に、続くステップ209でF/B開始カウンタCFBを「0」にクリアする。さらにその後、CPU20aは、ステップ210で電力ガードWHGDを「KWFB2」として本ルーチンを終了する。この「KWFB2」は、センサ活性後における電力ガードの通常値に相当し、前記図10のマップにおいて前記「KWFB1」よりも小さい値として設定されている。
【0045】
また、上記の如くガード設定フラグXINTがセットされると、それ以降は毎回、ステップ204が否定判別されることになる。この場合、CPU20aは、ステップ211で素子インピーダンスZdcがその時々の目標インピーダンスZdcTGを上回る所定の判定値KZdc以上であるか否かを判別する。そして、Zdc<KZdcであれば、CPU20aはステップ210に進み、電力ガードWHGDを前記設定した「KWFB2」のままで保持した後、本ルーチンを終了する。一方、Zdc≧KZdcであれば、CPU20aはステップ212に進み、電力ガードWHGDを「KWFB2」よりもβ分だけ増加させた後、本ルーチンを終了する。なお、本実施の形態では、図7のルーチンが請求項記載の電力ガード設定手段に相当する。
【0046】
次に、上記各ルーチンに伴う動作を図11のタイムチャートを用いてより具体的に説明する。図11では、A/Fセンサ30が冷間状態から温度上昇する過程を表しており、ヒータ通電の開始初期の素子インピーダンスZdcは200Ωを越える値となっている。
【0047】
図11において、素子インピーダンスZdcが200Ωを越える時間t1以前では、ヒータ33が「100%通電」により制御されている(前記図5のステップ102)。そして、時間t1になると、「電力制御」が開始され、ヒータ33は素子インピーダンスZdcに応じた電力指令値に基づいて制御される(前記図5のステップ104)。このとき、電力ガードWHGDは、前記図10マップに示すように素子インピーダンスZdcに応じて設定される(前記図7のステップ203)。
【0048】
その後、時間t2で素子インピーダンスZdcがF/B制御開始のための判定値(センサ劣化前の初期状態では、40Ω)を下回ると、「素子インピーダンスF/B制御」が開始され、それと共にF/B実行フラグXFBが「1」となる(前記図5のステップ105,106)。またこのとき、電力ガードWHGDは、「KWFB1」に設定される。
【0049】
さらに、時間t2では、F/B開始カウンタCFBのカウントアップが開始される。そして、そのCFB値が所定値KCFBに達する時間t3では、ガード設定フラグXINTに「1」がセットされる。また同時に、電力ガードWHGDが前記「KWFB1」から「KWFB2」に変更される。以後、電力ガードWHGDは「KWFB2」で保持される。実ヒータ電力は、センサ本体32の温度上昇に伴い徐々に低下し、A/Fセンサ30の素子部(センサ本体32)の全体が暖まり素子温が最適活性温度に達すると、所定値で安定することになる。
【0050】
他方で、エンジン10の過渡運転時や燃料カット時には、排気温が急低下して素子温が低下することがある。この場合、図の時間t4以降に示すように、素子温の変動に伴い素子インピーダンスZdcが変動する。具体的には、素子温の低下に伴いZdc値が上昇する。かかる際には、素子インピーダンスZdcが判定値KZdcを越えた時点で、電力ガードWHGDが所定量βだけ増加側に修正され、素子インピーダンスZdcが判定値KZdcを下回ると電力ガードWHGDが元の「KWFB2」に戻されることになる。
【0051】
以上詳述した本実施の形態によれば、以下に示す効果が得られる。
(a)本実施の形態では、A/Fセンサ30のヒータ33に供給する電力の最大許容量を電力ガードWHGDとして設定し、ヒータ33への電力指令値を電力ガードWHGDにより制限するようにした(図5のルーチン)。この場合、A/Fセンサ30が経時劣化してセンサ特性が変化したり、同センサ30の環境温度(例えば、エンジン10の排気ガスの温度)が変化したりしても、ヒータ33に対して電力が安定して供給でき、A/Fセンサ30の過熱が抑制できる。その結果、A/Fセンサ30の保護を図ることができる。
【0052】
(b)また、A/Fセンサ30を冷間状態から使用する際において、当該センサ30の均一加熱が終了するまでの所要時間だけ電力ガードWHGDを通常値よりも高めに設定するようにした(図7のステップ207)。本構成によれば、A/Fセンサ30の冷間状態からの活性化を促進させることができる。このとき、ヒータ33は周囲の低温部に熱を奪われるが、多くの電力を供給することで早期の活性化が実現できる。
【0053】
(c)さらに、本実施の形態では、A/Fセンサ30の素子インピーダンスZdcに応じてヒータ33の電力ガードWHGDを設定するようにした(図7のステップ203)。本構成によれば、ヒータ電力が例えばオープン制御される場合においても、電力ガードを適正に設定することができるようになる。
【0054】
(d)素子インピーダンスF/B制御時において、実ヒータ電力WHが電力ガードWHGDに達していることを判定し(図6のステップ114)、その状態が所定時間以上継続されれば、目標インピーダンスZdcTGを増加側に更新するようにした(図6のステップ119)。つまり、A/Fセンサ30が劣化すると、素子インピーダンスZdcが上昇し、それに伴いF/B制御時に電力過多となり素子温が過上昇するおそれがある。より具体的には、図12に示すように、センサ劣化前はZdcTG値を「30Ω」とすることで素子温が最適活性温度(同図の700℃程度)に保持できるのに対し、センサ劣化後は同様の制御でも素子温が上昇してしまい、その温度上昇は劣化の進行度合に応じて大きくなる。また他方で、こうしたセンサ劣化時には、素子インピーダンスZdcの上昇に従い実ヒータ電力WHが上昇して電力ガードWHGDに達する。そのため、WH≧WHGDの状態が所定時間以上継続すれば、センサ劣化とみなすことができる。よって、ヒータ電力により検出したセンサ劣化時において、ZdcTG値を増加側に更新することで、素子インピーダンスF/B制御時にも素子温が最適活性温度(図12の700℃程度)に保持でき、センサ保護をより一層確実に実現することができる。
【0055】
(e)ここで、目標インピーダンスZdcTGの更新時には、当該ZdcTG値をその都度バックアップRAM20dに記憶保持するようにした。これにより、例えばエンジン10の運転毎にセンサ特性に応じたZdcTG値の演算を実施する必要はなく、演算負荷が軽減できる。因みに、ZdcTG値の更新に伴い、当該ZdcTG値が所定レベルにまで達した際には、劣化が極度に進行したとしてセンサ異常の旨を判定するようにしてもよい。
【0056】
(f)素子インピーダンスZdcが所定の判定値KZdc以上となった場合には、電力ガードWHGDを所定量βだけ増加させるようにした(図7のステップ212)。つまり、例えばエンジン10が急激に減速運転されたり、エンジン10が燃料カット運転されたりすると、排気温の低下に伴いA/Fセンサ30の素子温が低下し、素子インピーダンスZdcが不用意に上昇することがある。しかし、本構成によれば、A/Fセンサ30の活性状態を維持すべく多めの供給電力がヒータ33に投入される。これにより、上記のように不用意な素子温低下を招く状態下でも、A/Fセンサ30の応答性が確保されるようになり、センサ30の検出能力が低下するといった不具合が防止できる。
【0057】
なお、本発明の実施の形態は、上記以外に次の形態にて実現できる。
上記実施の形態では、図7のルーチンに示すように、素子インピーダンスのF/B開始後において、所定時間(ステップ206のKCFB)の経過前か経過後かに応じて電力ガードWHGDを「KWFB1」から通常値である「KWFB2(<KWFB1)」に切り替えるようにしたが、この構成を変更してもよい。例えば、所定時間(KCFB)の経過前において、電力ガードWHGDを「KWFB1」から「KWFB2」へと徐変させるようにしてもよい。また、エンジン始動時から素子インピーダンスのF/B開始までの時間に応じて「KWFB1」のレベルを可変に設定してもよく、かかる場合には、F/B開始までの時間が短いほど「KWFB1」を小さい値(KWFB2に近い値)に設定すればよい。なお、このセンサ暖機当初の「KWFB1」の設定自体を無くしてもよい。
【0058】
素子インピーダンスF/B制御の開始当初における電力ガードの値「KWFB1」を、図13又は図14に示すマップを用いて設定するようにしてもよい。図13では、初期ヒータ抵抗又は初期素子インピーダンスに応じて電力ガードKWFB1を設定する。このとき、初期ヒータ抵抗が小さいほど、又は初期素子インピーダンスが大きいほど、電力ガードKWFB1が大きい値に設定される。また、図14では、エンジン運転時の負荷状態に応じて電力ガードKWFB1を設定する。このとき、エンジン負荷が高いほど、電力ガードKWFB1が小さい値に設定される。
【0059】
上記実施の形態におけるヒータ制御では、センサ活性前に電力制御を実施すると共に、センサ活性後に素子インピーダンスのF/B制御を実施するようにしていたが、センサ活性後にも電力制御を実施するようにしてもよい。すなわち、素子インピーダンスのF/B制御を必ずしも要件としなくてもよい。かかる場合にも、上記実施の形態のように、電力ガードWHGDを設定することで、センサ素子部(センサ本体32)の過熱が防止できるようになる。またこのとき、素子インピーダンスは素子温を反映するものであるため、素子インピーダンスに応じて電力ガードを設定しておけば、素子温を所定の最適活性温度に維持することが可能となる。
【0060】
上記実施の形態では、図7のルーチンにおいて、素子インピーダンスZdcと所定の判定値KZdcとを比較し、Zdc≧KZdcであれば電力ガードWHGDを通常値よりも増加させるようにしていたが(同図のステップ211,212)、この構成を変更してもよい。つまり、上記構成は、主に排気温の低下に伴う素子の低温化に対処するものであるため、排気温が低下したことを検出し、排気温低下時に電力ガードWHGDを増加させるようにしてもよい。なお、排気温低下を検出する手法としては、センサにて直接的に検出する方法や、燃料カットの継続時間から間接的に検出する方法が適用できる。
【0061】
上記実施の形態では、排気ガス中の酸素濃度に対応するリニアな電流値を出力する限界電流式酸素濃度センサに本発明を具体化したが、これを変更してもよい。例えば、空燃比がリッチかリーンかに応じて2つの異なる電圧信号を出力するタイプの酸素センサ(O2 センサ)に本発明を具体化してもよい。かかる場合にも、適正にセンサ保護を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態における空燃比検出装置の概要を示す構成図。
【図2】A/Fセンサの詳細な構成を示す断面図。
【図3】A/Fセンサの出力特性を説明するためのV−I特性図。
【図4】ヒータ制御回路の構成を示す回路図。
【図5】ヒータ制御ルーチンを示すフローチャート。
【図6】目標インピーダンス設定ルーチンを示すフローチャート。
【図7】電力ガード設定ルーチンを示すフローチャート。
【図8】素子インピーダンスの検出法の一例を説明するための波形図。
【図9】電力制御時において、素子インピーダンスに応じた電力指令値を求めるためのマップ。
【図10】素子インピーダンスに応じた電力ガード設定するためのマップ。
【図11】実施の形態における作用をより具体的に説明するためのタイムチャート。
【図12】素子インピーダンスと素子温との関係を示す線図。
【図13】初期ヒータ抵抗又は初期素子インピーダンスに応じて電力ガードKWFB1を設定するためのマップ。
【図14】エンジン負荷に応じて電力ガードKWFB1を設定するためのマップ。
【符号の説明】
10…エンジン、20…マイクロコンピュータ(マイコン)、20a…ヒータ通電手段,電力ガード設定手段,電力制限手段,ガード判定手段,目標インピーダンス更新手段を構成するCPU、20d…バックアップメモリを構成するバックアップRAM、30…酸素センサとしてのA/Fセンサ(限界電流式空燃比センサ)、33…ヒータ。

Claims (6)

  1. 酸素濃度に応じた電気信号を出力する酸素センサに適用され、同センサに付設されたヒータの通電を制御するヒータ制御装置において、
    前記酸素センサのヒータを通電加熱するヒータ通電手段と、
    前記ヒータに供給する電力に対し、前記酸素センサの過熱を抑制可能な最大許容量を電力ガードとして設定する電力ガード設定手段と、
    前記ヒータ通電手段によるヒータへの通電指令値を前記電力ガードにより制限する電力制限手段とを備え
    前記電力ガード設定手段は、前記酸素センサの素子インピーダンスに応じて前記ヒータの電力ガードを設定する
    ことを特徴とする酸素センサのヒータ制御装置。
  2. 酸素濃度に応じた電気信号を出力する酸素センサに適用され、同センサに付設されたヒータの通電を制御するヒータ制御装置において、
    前記酸素センサのヒータを通電加熱するヒータ通電手段と、
    前記ヒータに供給する電力に対し、前記酸素センサへの過熱を抑制可能な最大許容量を電力ガードとして設定する電力ガード設定手段と、
    前記ヒータ通電手段によるヒータへの通電指令値を前記電力ガードにより制限する電力制限手段とを備え、
    前記酸素センサを冷間状態から使用する際に、前記電力ガード設定手段は、当該センサの均一加熱が終了するまでの所定期間だけ電力ガードを通常値よりも増加側に設定する
    ことを特徴とする酸素センサのヒータ制御装置。
  3. 前記電力ガード設定手段は、前記酸素センサを冷間状態から使用する際に、当該センサの均一加熱が終了するまでの所定期間だけ電力ガードを通常値よりも増加側に設定する請求項1に記載の酸素センサのヒータ制御装置。
  4. 前記ヒータ通電手段は、前記酸素センサの素子インピーダンスが目標値に一致するよう前記ヒータへの供給電力を制御するものであって、
    前記ヒータへの供給電力が電力ガードに達していることを判定するガード判定手段と、
    前記ヒータへの供給電力が所定時間以上、電力ガードに達している場合に、素子インピーダンスの目標値を増加側に更新する目標インピーダンス更新手段と
    を備えることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の酸素センサのヒータ制御装置。
  5. 前記目標インピーダンス更新手段により更新された素子インピーダンスの目標値を、その都度バックアップメモリに記憶保持するようにした請求項4に記載の酸素センサのヒータ制御装置。
  6. 前記酸素センサの目標インピーダンスに対しその時々の素子インピーダンスが所定幅以上大きくなった場合において、前記電力ガード設定手段は、電力ガードを所定量増加させる請求項4又は請求項5に記載の酸素センサのヒータ制御装置。
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