JPH10300716A - 酸素センサのヒータ制御装置 - Google Patents

酸素センサのヒータ制御装置

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JPH10300716A
JPH10300716A JP9105960A JP10596097A JPH10300716A JP H10300716 A JPH10300716 A JP H10300716A JP 9105960 A JP9105960 A JP 9105960A JP 10596097 A JP10596097 A JP 10596097A JP H10300716 A JPH10300716 A JP H10300716A
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power
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oxygen sensor
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純 長谷川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】酸素センサの過熱を抑制し、同センサの保護を
図る。 【解決手段】A/Fセンサ30は、エンジン10のエン
ジン本体11から延びる排気管12に取り付けられてお
り、マイコン20から指令される電圧の印加に伴い、排
気ガス中の酸素濃度に比例したリニアなセンサ電流信号
を出力する。マイコン20内のCPU20aは、A/F
センサ30のヒータ33に供給する電力の最大許容量を
電力ガードとして設定し、ヒータ33への電力指令値を
電力ガードにより制限する。また、A/Fセンサ30を
冷間状態から使用する際において、当該センサ30の均
一加熱が終了するまでの所要時間だけ電力ガードを通常
値よりも高めに設定する。さらに、素子インピーダンス
F/B制御時において、実ヒータ電力が電力ガードに達
していることを判定し、その状態が所定時間以上継続さ
れれば、目標インピーダンスを増加側に更新する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸素センサの活性
化を促すべく同センサに付設されたヒータを制御するた
めのヒータ制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の車載用エンジンの空燃比制御にお
いては、例えば制御精度を高めるといった要望やリーン
バーン化への要望があり、これらの要望に対応すべく、
エンジンに吸入される混合気の空燃比(排気ガス中の酸
素濃度)を広域に且つリニアに検出するリニア式空燃比
センサ(酸素センサ)、及び同センサを用いた空燃比検
出装置が具体化されている。このような酸素センサとし
て例えば限界電流式空燃比センサでは、空燃比(酸素濃
度)を精度良く検出するために、センサ素子の温度を所
定の活性温度に維持する必要があり、通常はセンサにヒ
ータを付設し同ヒータの通電を制御するようにしてい
た。かかるヒータ制御の手法として、一般には、ヒータ
への供給電力を制御したり、センサ素子の温度が所定の
活性温度に維持できるようフィードバック制御したりす
るものがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のヒー
タ制御装置では、以下に示す問題があった。つまり、こ
の種の酸素センサにおいて、所望のセンサ活性状態では
素子インピーダンス(センサ素子の内部抵抗)が所定値
に維持され、ヒータへの供給電力も安定する。しかし、
酸素センサが経時劣化してセンサ特性が変化したり、セ
ンサの環境温度(例えば、エンジンの排気ガスの温度)
が変化したりすると、ヒータへの供給電力が不安定にな
り、ヒータの通電によりセンサ素子が過熱されるおそれ
があった。こうしたセンサ素子の過熱状態が継続される
と、センサ劣化が助長されるといった不都合があった。
【0004】本発明は、上記問題に着目してなされたも
のであって、その目的とするところは、酸素センサの過
熱を抑制し、同センサの保護を図ることができる酸素セ
ンサのヒータ制御装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明では、酸素センサのヒータを
通電加熱するヒータ通電手段と、ヒータに供給する電力
の最大許容量を電力ガードとして設定する電力ガード設
定手段と、ヒータ通電手段によるヒータへの通電指令値
を前記電力ガードにより制限する電力制限手段とを備え
る。この場合、酸素センサが経時劣化してセンサ特性が
変化したり、センサの環境温度(例えば、エンジンの排
気ガスの温度)が変化したりしても、ヒータへの電力が
安定して供給でき、酸素センサの過熱が抑制できる。そ
の結果、酸素センサの保護を図ることができる。
【0006】またここで、前記電力ガード設定手段は、
次の請求項2又は請求項3のように構成される。請求項
2に記載の発明では、酸素センサを冷間状態から使用す
る際において、電力ガード設定手段は、当該センサの均
一加熱が終了するまでの所定期間だけ電力ガードを通常
値よりも増加側に設定する。本請求項の構成によれば、
酸素センサの冷間状態において電力ガードを高めに設定
することで、酸素センサの活性化を促進させることがで
きる。また、ヒータが素子電極を中心に加熱し、他の素
子部分は熱伝導により加熱される構成の場合、ヒータは
周囲の低温部に熱を奪われるが、多くの電力を供給する
ことで早期の活性化が実現できる。因みに、酸素センサ
の素子全体が暖まり安定状態になれば、奪われる熱量が
小さくなるために供給電力は少なくてよく、電力ガード
が下げられることになる。
【0007】請求項3に記載の発明では、電力ガード設
定手段は、酸素センサの素子インピーダンスに応じてヒ
ータの電力ガードを設定する。本請求項の構成によれ
ば、ヒータ電力がオープン制御される場合においても、
電力ガードを適正に設定することができるようになる。
またこのとき、素子インピーダンスは素子部の温度(素
子温)を反映するものであるため、素子インピーダンス
に応じて電力ガードを設定しておけば、素子温を所定の
最適活性温度に維持することが可能となる。
【0008】一方、請求項4に記載の発明では、ヒータ
通電手段は、前記酸素センサの素子インピーダンスが目
標値に一致するようヒータへの供給電力を制御するもの
であり、ヒータへの供給電力が電力ガードに達している
ことを判定するガード判定手段と、ヒータへの供給電力
が所定時間以上、電力ガードに達している場合に、素子
インピーダンスの目標値を増加側に更新する目標インピ
ーダンス更新手段とを備える。
【0009】要するに、酸素センサ(の素子部)が劣化
すると、素子インピーダンスが上昇する。従って、素子
インピーダンスの目標値を固定したまま、その目標値に
素子インピーダンスを一致させるようヒータ電力をフィ
ードバック(F/B)制御する場合には、電力過多にな
り素子部の温度(素子温)が過上昇するおそれがある。
より具体的に説明すると、図12に示すように、センサ
劣化前は、素子インピーダンスの目標値を例えば30Ω
とすることで素子温が最適活性温度(同図の700℃程
度)に保持できるのに対し、センサ劣化後は同様の制御
でも素子温が上昇してしまい、その温度上昇は劣化の進
行度合に応じて大きくなる。また他方で、こうしたセン
サ劣化時には、素子インピーダンスの上昇に従いヒータ
電力が上昇して電力ガードに達する。そのため、ヒータ
電力が所定時間以上電力ガードに達していれば、センサ
劣化時であるとみなすことができる。よって、ヒータ電
力によりセンサ劣化を検出し、劣化時には素子インピー
ダンスの目標値を増加側に更新することで、素子インピ
ーダンスF/B制御時にも素子温が最適活性温度(図1
2の700℃程度)に保持でき、センサ保護をより一層
確実に実現することができる。
【0010】ここで、請求項5に記載したように、目標
インピーダンス更新手段により更新された素子インピー
ダンスの目標値を、その都度バックアップメモリに記憶
保持するようにすれば、例えばエンジンの運転毎にセン
サ特性に応じた目標素子インピーダンスの演算を実施す
る必要はなく、演算負荷が軽減できる。因みに、素子イ
ンピーダンスの目標値の更新に伴い、当該目標値が所定
レベルにまで達した際には、劣化が極度に進行したとし
てセンサ異常の旨を判定するようにしてもよい。
【0011】請求項6に記載の発明では、酸素センサの
目標インピーダンスに対しその時々の素子インピーダン
スが所定幅以上大きくなった場合において、電力ガード
設定手段は、電力ガードを所定量増加させるようにして
いる。つまり、例えばエンジンの排気管に配設された酸
素センサの場合、当該エンジンが急激に減速運転された
り、エンジンへの燃料カットが実施されたりすると、排
気温の低下に伴い酸素センサの温度(素子温)が低下
し、素子インピーダンスが不用意に上昇することがあ
る。これに対し上記構成によれば、酸素センサの活性状
態を維持すべく多めの供給電力がヒータに投入される。
これにより、上記のように不用意な素子温低下を招く状
態下でも、センサの応答性が確保され、センサの検出能
力が低下するといった不具合が防止できる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明を空燃比検出装置
に具体化した一実施の形態を図面に従って説明する。な
お、本実施の形態における空燃比検出装置は、自動車に
搭載される電子制御ガソリン噴射エンジンに適用される
ものであって、同エンジンの空燃比制御システムにおい
ては空燃比検出装置による検出結果に基づいてエンジン
への燃料噴射量を所望の空燃比に制御する。以下の記載
では、酸素センサとしての限界電流式空燃比センサにつ
いて、同センサに付設されたヒータの通電制御手順、並
びにヒータへの供給電力に対する電力ガードの設定手順
を詳細に説明すると共に、それらの処理を実現するため
の具体的構成について説明する。なお、本実施の形態で
は、限界電流式空燃比センサのヒータに供給する電力の
最大許容量を電力ガードとして定義する。
【0013】図1は、本実施の形態における空燃比検出
装置の概要を示す構成図である。図1において、空燃比
検出装置15は、その内部演算の中枢をなすマイクロコ
ンピュータ(以下、マイコンという)20を備え、マイ
コン20は燃料噴射制御や点火制御等を実現するための
ホストマイコン16に対して相互に通信可能に接続され
ている。限界電流式空燃比センサ(以下、A/Fセンサ
という)30は、エンジン10のエンジン本体11から
延びる排気管12に取り付けられており、マイコン20
から指令される電圧の印加に伴い、排気ガス中の酸素濃
度に比例したリニアな空燃比検出信号(センサ電流信
号)を出力する。マイコン20は、各種演算処理を実行
するための周知のCPU20a,ROM20b,RAM
20c,バックアップRAM20d等により構成され、
所定の制御プログラムに従いヒータ制御回路25及びバ
イアス制御回路40を制御する。
【0014】ここで、マイコン20から出力されるバイ
アス指令信号Vrは、D/A変換器21を介してバイア
ス制御回路40に入力される。また、その時々の空燃比
(酸素濃度)に対応するA/Fセンサ30の出力は、バ
イアス制御回路40内の電流検出回路50にてセンサ電
流として検出され、その検出値はA/D変換器23を介
してマイコン20に入力される。さらに、ヒータ電圧及
びヒータ電流は、後述するヒータ制御回路25にて検出
され、その検出値はA/D変換器24を介してマイコン
20に入力される。
【0015】図2は、A/Fセンサ30の概略を示す断
面図である。図2において、A/Fセンサ30は前記排
気管12の内部に向けて突設されており、同センサ30
は大別して、カバー31、センサ本体32及びヒータ3
3から構成されている。カバー31は断面コ字状をな
し、その周壁にはカバー内外を連通する多数の小孔31
aが形成されている。センサ素子部としてのセンサ本体
32は、空燃比リーン領域における酸素濃度、若しくは
空燃比リッチ領域における未燃ガス(CO,HC,H2
等)濃度に対応する限界電流を発生する。
【0016】センサ本体32の構成について詳述する。
センサ本体32において、断面カップ状に形成された固
体電解質層34の外表面には、排気ガス側電極層36が
固着され、内表面には大気側電極層37が固着されてい
る。また、排気ガス側電極層36の外側には、プラズマ
溶射法等により拡散抵抗層35が形成されている。固体
電解質層34は、ZrO2 、HfO2 、ThO2 、Bi
2 O3 等にCaO、MgO、Y2 O3 、Yb2 O3 等を
安定剤として固溶させた酸素イオン伝導性酸化物焼結体
からなり、拡散抵抗層35は、アルミナ、マグネシャ、
ケイ石質、スピネル、ムライト等の耐熱性無機物質から
なる。排気ガス側電極層36及び大気側電極層37は共
に、白金等の触媒活性の高い貴金属からなりその表面に
は多孔質の化学メッキ等が施されている。なお、排気ガ
ス側電極層36の面積及び厚さは、10〜100mm^2
(平方ミリメートル)及び0.5〜2.0μm程度とな
っており、一方、大気側電極層37の面積及び厚さは、
10mm^2(平方ミリメートル)以上及び0.5〜2.
0μm程度となっている。
【0017】ヒータ33は大気側電極層37内に収容さ
れており、その発熱エネルギによりセンサ本体32(大
気側電極層37、固体電極質層34、排気ガス側電極層
36及び拡散抵抗層35)を加熱する。ヒータ33は、
センサ本体32を活性化するに十分な発熱容量を有して
いる。
【0018】上記構成のA/Fセンサ30において、セ
ンサ本体32は理論空燃比点よりリーン領域では酸素濃
度に応じた限界電流を発生する。この場合、酸素濃度に
対応する限界電流は、排気ガス側電極層36の面積、拡
散抵抗層35の厚さ、気孔率及び平均孔径により決定さ
れる。また、センサ本体32は酸素濃度を直線的特性に
て検出し得るものであるが、このセンサ本体32を活性
化するのに約600℃以上の高温が必要とされると共
に、同センサ本体32の活性温度範囲が狭いため、エン
ジン10の排気ガスのみによる加熱では素子温を活性領
域に制御できない。そのため、本実施の形態では、ヒー
タ33への供給電力をデューティ制御することにより、
センサ本体32を活性温度域にまで加熱するようにして
いる。なお、理論空燃比よりもリッチ側の領域では、未
燃ガスである一酸化炭素(CO)等の濃度が空燃比に対
してほぼリニアに変化し、センサ本体32はCO等の濃
度に応じた限界電流を発生する。
【0019】センサ本体32の電圧−電流特性(V−I
特性)について図3を用いて説明する。図3によれば、
A/Fセンサ30の検出A/Fに比例するセンサ本体3
2の固体電解質層34への流入電流と、同固体電解質層
34への印加電圧とがリニアな特性を有することが分か
る。かかる場合、電圧軸Vに平行な直線部分がセンサ本
体32の限界電流を特定する限界電流検出域であって、
この限界電流(センサ電流)の増減はA/Fの増減(す
なわち、リーン・リッチ)に対応している。つまり、A
/Fがリーン側になるほど限界電流は増大し、A/Fが
リッチ側になるほど限界電流は減少する。
【0020】このV−I特性において電圧軸Vに平行な
直線部分(限界電流検出域)よりも小さい電圧域は抵抗
支配域となっており、その抵抗支配域における一次直線
部分の傾きは、センサ本体32における固体電解質層3
4の内部抵抗(以下、これを素子インピーダンスZdc
という)により特定される。この素子インピーダンスZ
dcは温度変化に伴い変化するため、センサ本体32の
温度が低下するとZdcの増大により上記傾きが小さく
なる。
【0021】図4は、ヒータ制御回路25の構成を示す
回路図である。同図において、ヒータ33の一端はバッ
テリ電源+Bに接続され、他端はスイッチング素子を構
成するnチャネルMOSトランジスタ(以下、MOS2
5aという)のドレインに接続されている。MOS25
aのゲートはマイコン20によりオン・オフ切替えされ
るスイッチ25bに接続され、ソースはヒータ電流検出
用抵抗25cを介して接地されている。ヒータ電圧Vh
はヒータ33の両端の電位差により検出され、その検出
結果はオペアンプ25dを介してA/D変換器24(マ
イコン20)に入力される。また、ヒータ電流Ihはヒ
ータ電流検出用抵抗25cの両端の電位差により検出さ
れ、その検出結果はオペアンプ25eを介してA/D変
換器24(マイコン20)に入力される。
【0022】次に、上記の如く構成される本実施の形態
の装置の作用を説明する。図5はヒータ制御ルーチン
を、図6は図5のサブルーチンである目標インピーダン
ス設定ルーチンを、図7は電力ガード設定ルーチンを、
それぞれに示すフローチャートであり、図5及び図7の
各ルーチンは、マイコン20内のCPU20aにより所
定間隔(例えば、128msec周期)のタイマ割り込
みにて起動される。
【0023】図5のヒータ制御ルーチンにおいて、CP
U20aは、先ずステップ101で素子インピーダンス
Zdcがセンサ本体32の半活性状態を判定するための
所定の判定値(本実施の形態では、200Ω〔オーム〕
程度)以下であるか否かを判別する。なおここで、素子
インピーダンスZdcは、下記のように検出されるよう
になっている。つまり、素子インピーダンスZdcの検
出時には、図8に示すように、A/Fセンサ30の印加
電圧を一時的に正方向及び負方向に変化させる。そし
て、この電圧変化時における正負いずれか一方の電圧変
化量ΔVと電流変化量ΔIとから素子インピーダンスZ
dcを算出する(Zdc=ΔV/ΔI)。但し、この算
出法は一例であって、正負両側の電圧及び電流の変化量
に基づき素子インピーダンスZdcを検出したり、負の
印加電圧Vnegを印加した時のセンサ電流Inegか
ら素子インピーダンスZdcを検出したりしてもよい
(Zdc=Vneg/Ineg)。
【0024】例えばエンジン10の低温始動時等、素子
温が低い場合にはZdc>200Ωとなり、CPU20
aはステップ102に進んでヒータ33の「100%通
電制御」を実施する。この100%通電制御は、ヒータ
33へのデューティ比制御信号を100%に維持する制
御であり、素子インピーダンスZdcが200Ω以下に
なりステップ101が肯定判別されるまで継続して実施
される。
【0025】そして、ヒータ33の加熱作用により素子
温が上昇し、ステップ101が肯定判別されると、CP
U20aはステップ103に進み、素子インピーダンス
Zdcがフィードバック(F/B)制御を開始するため
の所定の判定値以下であるか否かを判別する。ここで、
ステップ103の判定値は、センサ本体32の活性化が
完了したか否かを判定するものであって、バックアップ
RAM20d内に記憶保持されている目標インピーダン
スZdcTGに対して「+10Ω」程度の値である。従
って、ZdcTGの初期値(センサ劣化前の値)が「3
0Ω」である場合、前記判定値は「40Ω」となる。
【0026】A/Fセンサ30の活性化完了前であっ
て、ステップ103が否定判別された場合、CPU20
aはステップ104に進み、「電力制御」によりヒータ
33の通電を制御する。このとき、図9のマップに示す
ように素子インピーダンスZdcに応じて電力指令値が
決定され、その電力指令値に応じてヒータ通電のための
制御デューティ比が算出される。
【0027】一方、A/Fセンサ30の活性化が完了
し、前記ステップ103が肯定判別された場合、CPU
20aはステップ110で目標インピーダンスZdcT
Gを設定する。このTdcTGの設定処理の詳細につい
ては後述する。ZdcTGの設定後、CPU20aは、
ステップ105で「素子インピーダンスF/B制御」を
実施する。この素子インピーダンスF/B制御では、以
下の手順にてヒータ通電のためのデューティ比Duty
が算出されるようになっている。なお本実施の形態で
は、その一例としてPID制御手順を用いることとす
る。
【0028】つまり、先ずは次の式(1)〜(3)によ
り比例項GP,積分項GI,微分項GDを算出する。 GP=KP・(Zdc−ZdcTG) ・・・(1) GI=GIi-1 +KI・(Zdc−ZdcTG) ・・・(2) GD=KD・(Zdc−Zdci-1 ) ・・・(3) 但し、上式において、「KP」は比例定数、「KI」は
積分定数、「KD」は積分定数を表し、添字「i−1」
は前回処理時の値を表す。
【0029】そして、上記比例項GP,積分項GI,微
分項GDを加算してヒータ通電のためのデューティ比D
utyを算出する(Duty=GP+GI+GD)。ま
たこのとき、上記算出したデューティ比Dutyに対応
する電力指令値を算出しておく。なお、こうしたヒータ
制御手順は、上記のPID制御に限定されるものではな
く、PI制御やP制御を実施するようにしてもよい。
【0030】その後、CPU20aは、ステップ106
でF/B実行フラグXFBに「1」をセットする。この
フラグXFBは、素子インピーダンスF/B制御が実施
されているか否かを示すものであり、XFB=0はF/
B制御の未実施を、XFB=1はF/B制御の実施を表
す(但し、このXFBは、IGキーのオン操作時に
「0」に初期化されるようになっている)。
【0031】その後、CPU20aは、ステップ107
で前記算出した電力指令値が所定の電力ガードWHGD
以上であるか否かを判別する。そして、電力指令値≧W
HGDであれば、CPU20aはステップ108で電力
指令値を電力ガードWHGDでガードした後、本ルーチ
ンを終了する。また、電力指令値<電力ガードWHGD
であればそのまま本ルーチンを終了する。このとき、電
力指令値が電力ガードWHGDにて制限されるのであれ
ば、例えば上記ステップ105で算出したデューティ比
Dutyが電力ガードWHGDに応じて修正されること
になる。
【0032】次に、前記ステップ110のサブルーチン
に相当する目標インピーダンス設定ルーチンについて図
6を用いて説明する。図6において、CPU20aは、
先ずステップ111でF/B実行フラグXFBが「1」
であるか否かを判別する。XFB=0の場合、すなわち
素子インピーダンスZdcのF/B制御が開始されてい
ない場合、CPU20aはステップ112に進み、バッ
クアップRAM20dから目標インピーダンスZdcT
Gを読み出し、それを初期値として設定する。ZdcT
Gの初期値設定後、CPU20aは前記図5のルーチン
に復帰する。このZdcTGの初期値は、図5のルーチ
ンにおける素子インピーダンスF/B制御の開始当初に
使用されることになる。
【0033】また、F/B実行フラグXFBが「1」の
場合、すなわち素子インピーダンスZdcのF/B制御
が実施されている場合、CPU20aはステップ113
に進み、その時のヒータ電圧Vhとヒータ電流Ihとか
ら実ヒータ電力WHを算出する(WH=Vh・Ih)。
【0034】その後、CPU20aは、ステップ114
で前記算出した実ヒータ電力WHが電力ガードWHGD
以上であるか否かを判別する。WH<WHGDの場合、
CPU20aはステップ114を否定判別してステップ
115に進み、同ステップ115で「WH≧WHGD」
の状態の継続時間を計測するためのカウンタを「0」に
クリアする。また、CPU20aは、続くステップ11
6で目標インピーダンスZdcTGをその時の値(例え
ばセンサ劣化前の初期状態であれば、30Ω)に保持し
た後、前記図5のルーチンに戻る。このZdcTG値
は、図5のルーチンにおける素子インピーダンスF/B
制御にて使用される。
【0035】一方、前記ステップ114においてWH≧
WHGDであれば、CPU20aはステップ117に進
み、その時の状態(WH≧WHGDの状態)の継続時間
を計測するためのカウンタの値をカウントアップする。
また、CPU20aは、続くステップ118で前記ステ
ップ117にて計測したカウンタ値に基づき、前記WH
≧WHGDの状態が所定時間(例えば、5分間)以上、
継続したか否かを判別する。この場合、所定時間の経過
前であれば、CPU20aは、ステップ116に進んで
目標インピーダンスZdcTGの値をそのままで保持す
る。また、所定時間の経過後であれば、CPU20a
は、ステップ119に進んで目標インピーダンスZdc
TGを所定値αだけ増加側に更新し、その後前記図5の
ルーチンに戻る。このZdcTG値は、図5のルーチン
における素子インピーダンスF/B制御にて使用され
る。
【0036】上記ステップ119で更新した目標インピ
ーダンスZdcTGは、バックアップRAM20dに格
納され、このバックアップRAM値はエンジン運転の停
止後にも保持される。そして、この更新後のZdcTG
値(バックアップRAM値)は、IGキーのオン当初に
おいて、前記ステップ112にて読み出されるようにな
っている。
【0037】ここで、上記フローにおいて、処理がステ
ップ114→117→118→119の順に進むこと
は、A/Fセンサ30の劣化に伴いセンサ本体32の素
子インピーダンスZdcが増加したことを意味し、かか
る状態下では当初のままの目標インピーダンスZdcT
GでF/B制御を継続すると素子温の過熱を招くおそれ
が生じる。そのため、素子温の過熱防止を図りセンサ本
体32を保護すべく、目標インピーダンスZdcTGを
増加側に更新する。詳細には、図12において素子温の
目標値(最適活性温度)を例えば700℃程度とした場
合、A/Fセンサ30の劣化前には目標インピーダンス
ZdcTGを30Ωに設定することで素子温が最適活性
温度(700℃程度)に維持されることになるが、同セ
ンサ30が劣化するとZdcTG=30ΩのF/B制御
では素子温が700℃を大きく越え過熱される(この素
子温は、劣化の進行につれて上昇する)。そこで、本実
施の形態では、素子温を最適活性温度(700℃程度)
に維持すべく、目標インピーダンスZdcTGを増加側
に更新する。
【0038】なお本実施の形態では、前記図5のヒータ
制御ルーチンが請求項記載のヒータ通電手段に相当し、
同図5のステップ107,108の処理が電力制限手段
に相当する。また、前記図6のステップ114の処理が
ガード判定手段に相当し、ステップ119の処理が目標
インピーダンス更新手段に相当する。
【0039】次いで、図7の電力ガード設定ルーチンを
説明する。同図において、CPU20aは、先ずステッ
プ201でヒータ33が「100%通電」にて制御され
ているか否かを判別し(前記図5のルーチン参照)、1
00%通電の制御中であれば、そのまま本ルーチンを終
了する。つまり、100%通電の制御中には、電力ガー
ドWHGDを設定しない。
【0040】また、ステップ201が否定判別されれ
ば、CPU20aはステップ202に進み、F/B実行
フラグXFBが「1」であるか否かを判別する。このと
き、XFB=0であれば、CPU20aはステップ20
3に進み、図10に示すマップを検索して素子インピー
ダンスZdcに応じた電力ガードWHGDを設定する。
なおここで、ステップ202が否定判別される場合と
は、前記図5のルーチンにて「電力制御」が実施される
場合に相当する。
【0041】この図10のマップにおいて、素子インピ
ーダンスZdc=30Ω(F/B制御時の目標値Zdc
TGの初期値)〜200Ωの範囲では、電力ガードWH
GDが一次直線状に設定されている(但し、Zdc>2
00Ωでは固定値)。従って、XFB=0であり、ヒー
タ33が電力制御される場合には、Zdc=40Ω(F
/B開始の判定値)〜200Ωの範囲内にあるため、電
力ガードWHGDは、図中のKGDA〜KGDB内で設
定されることになる。因みに、図10に示すマップは、
素子インピーダンスZdcの目標値ZdcTGを「30
Ω」とした際の特性を示すものであって、仮に前記図6
のルーチンにて目標値ZdcTGが増加側に更新されれ
ば、それに伴い電力ガードWHGDの設定値も増加側に
移行することになる。
【0042】一方、XFB=1であれば、ステップ20
2が肯定判別され、CPU20aは、ステップ204で
素子インピーダンスF/Bによるヒータ制御開始後に電
力ガードWHGDが初期設定されたことを表すフラグ
(以下、ガード設定フラグXINTという)が「0」で
あるか否かを判別する。このとき、当初はXINT=0
のため、CPU20aはステップ205に進み、F/B
開始カウンタCFBを「1」インクリメントする。ま
た、CPU20aは、続くステップ206でF/B開始
カウンタCFBが所定値KCFB(30秒程度の値)に
達したか否かを判別する。ここで、所定値KCFBは、
A/Fセンサ30を冷間状態から使用する際において、
当該センサ30の均一加熱が終了するまでの所要時間に
相当する。
【0043】そして、CFB<KCFBであれば、CP
U20aはステップ207に進み、電力ガードWHGD
を「KWFB1」とした後、本ルーチンを終了する。こ
の「KWFB1」は、前記図10のマップにおいてZd
c=30Ω(バックアップRAM20d内の目標インピ
ーダンスZdcTG)に対応する電力ガード値である。
【0044】その後、CFB≧KCFBとなり、ステッ
プ206が肯定判別されると、CPU20aはステップ
208に進む。CPU20aは、ステップ208でガー
ド設定フラグXINTに「1」をセットすると共に、続
くステップ209でF/B開始カウンタCFBを「0」
にクリアする。さらにその後、CPU20aは、ステッ
プ210で電力ガードWHGDを「KWFB2」として
本ルーチンを終了する。この「KWFB2」は、センサ
活性後における電力ガードの通常値に相当し、前記図1
0のマップにおいて前記「KWFB1」よりも小さい値
として設定されている。
【0045】また、上記の如くガード設定フラグXIN
Tがセットされると、それ以降は毎回、ステップ204
が否定判別されることになる。この場合、CPU20a
は、ステップ211で素子インピーダンスZdcがその
時々の目標インピーダンスZdcTGを上回る所定の判
定値KZdc以上であるか否かを判別する。そして、Z
dc<KZdcであれば、CPU20aはステップ21
0に進み、電力ガードWHGDを前記設定した「KWF
B2」のままで保持した後、本ルーチンを終了する。一
方、Zdc≧KZdcであれば、CPU20aはステッ
プ212に進み、電力ガードWHGDを「KWFB2」
よりもβ分だけ増加させた後、本ルーチンを終了する。
なお、本実施の形態では、図7のルーチンが請求項記載
の電力ガード設定手段に相当する。
【0046】次に、上記各ルーチンに伴う動作を図11
のタイムチャートを用いてより具体的に説明する。図1
1では、A/Fセンサ30が冷間状態から温度上昇する
過程を表しており、ヒータ通電の開始初期の素子インピ
ーダンスZdcは200Ωを越える値となっている。
【0047】図11において、素子インピーダンスZd
cが200Ωを越える時間t1以前では、ヒータ33が
「100%通電」により制御されている(前記図5のス
テップ102)。そして、時間t1になると、「電力制
御」が開始され、ヒータ33は素子インピーダンスZd
cに応じた電力指令値に基づいて制御される(前記図5
のステップ104)。このとき、電力ガードWHGD
は、前記図10マップに示すように素子インピーダンス
Zdcに応じて設定される(前記図7のステップ20
3)。
【0048】その後、時間t2で素子インピーダンスZ
dcがF/B制御開始のための判定値(センサ劣化前の
初期状態では、40Ω)を下回ると、「素子インピーダ
ンスF/B制御」が開始され、それと共にF/B実行フ
ラグXFBが「1」となる(前記図5のステップ10
5,106)。またこのとき、電力ガードWHGDは、
「KWFB1」に設定される。
【0049】さらに、時間t2では、F/B開始カウン
タCFBのカウントアップが開始される。そして、その
CFB値が所定値KCFBに達する時間t3では、ガー
ド設定フラグXINTに「1」がセットされる。また同
時に、電力ガードWHGDが前記「KWFB1」から
「KWFB2」に変更される。以後、電力ガードWHG
Dは「KWFB2」で保持される。実ヒータ電力は、セ
ンサ本体32の温度上昇に伴い徐々に低下し、A/Fセ
ンサ30の素子部(センサ本体32)の全体が暖まり素
子温が最適活性温度に達すると、所定値で安定すること
になる。
【0050】他方で、エンジン10の過渡運転時や燃料
カット時には、排気温が急低下して素子温が低下するこ
とがある。この場合、図の時間t4以降に示すように、
素子温の変動に伴い素子インピーダンスZdcが変動す
る。具体的には、素子温の低下に伴いZdc値が上昇す
る。かかる際には、素子インピーダンスZdcが判定値
KZdcを越えた時点で、電力ガードWHGDが所定量
βだけ増加側に修正され、素子インピーダンスZdcが
判定値KZdcを下回ると電力ガードWHGDが元の
「KWFB2」に戻されることになる。
【0051】以上詳述した本実施の形態によれば、以下
に示す効果が得られる。 (a)本実施の形態では、A/Fセンサ30のヒータ3
3に供給する電力の最大許容量を電力ガードWHGDと
して設定し、ヒータ33への電力指令値を電力ガードW
HGDにより制限するようにした(図5のルーチン)。
この場合、A/Fセンサ30が経時劣化してセンサ特性
が変化したり、同センサ30の環境温度(例えば、エン
ジン10の排気ガスの温度)が変化したりしても、ヒー
タ33に対して電力が安定して供給でき、A/Fセンサ
30の過熱が抑制できる。その結果、A/Fセンサ30
の保護を図ることができる。
【0052】(b)また、A/Fセンサ30を冷間状態
から使用する際において、当該センサ30の均一加熱が
終了するまでの所要時間だけ電力ガードWHGDを通常
値よりも高めに設定するようにした(図7のステップ2
07)。本構成によれば、A/Fセンサ30の冷間状態
からの活性化を促進させることができる。このとき、ヒ
ータ33は周囲の低温部に熱を奪われるが、多くの電力
を供給することで早期の活性化が実現できる。
【0053】(c)さらに、本実施の形態では、A/F
センサ30の素子インピーダンスZdcに応じてヒータ
33の電力ガードWHGDを設定するようにした(図7
のステップ203)。本構成によれば、ヒータ電力が例
えばオープン制御される場合においても、電力ガードを
適正に設定することができるようになる。
【0054】(d)素子インピーダンスF/B制御時に
おいて、実ヒータ電力WHが電力ガードWHGDに達し
ていることを判定し(図6のステップ114)、その状
態が所定時間以上継続されれば、目標インピーダンスZ
dcTGを増加側に更新するようにした(図6のステッ
プ119)。つまり、A/Fセンサ30が劣化すると、
素子インピーダンスZdcが上昇し、それに伴いF/B
制御時に電力過多となり素子温が過上昇するおそれがあ
る。より具体的には、図12に示すように、センサ劣化
前はZdcTG値を「30Ω」とすることで素子温が最
適活性温度(同図の700℃程度)に保持できるのに対
し、センサ劣化後は同様の制御でも素子温が上昇してし
まい、その温度上昇は劣化の進行度合に応じて大きくな
る。また他方で、こうしたセンサ劣化時には、素子イン
ピーダンスZdcの上昇に従い実ヒータ電力WHが上昇
して電力ガードWHGDに達する。そのため、WH≧W
HGDの状態が所定時間以上継続すれば、センサ劣化と
みなすことができる。よって、ヒータ電力により検出し
たセンサ劣化時において、ZdcTG値を増加側に更新
することで、素子インピーダンスF/B制御時にも素子
温が最適活性温度(図12の700℃程度)に保持で
き、センサ保護をより一層確実に実現することができ
る。
【0055】(e)ここで、目標インピーダンスZdc
TGの更新時には、当該ZdcTG値をその都度バック
アップRAM20dに記憶保持するようにした。これに
より、例えばエンジン10の運転毎にセンサ特性に応じ
たZdcTG値の演算を実施する必要はなく、演算負荷
が軽減できる。因みに、ZdcTG値の更新に伴い、当
該ZdcTG値が所定レベルにまで達した際には、劣化
が極度に進行したとしてセンサ異常の旨を判定するよう
にしてもよい。
【0056】(f)素子インピーダンスZdcが所定の
判定値KZdc以上となった場合には、電力ガードWH
GDを所定量βだけ増加させるようにした(図7のステ
ップ212)。つまり、例えばエンジン10が急激に減
速運転されたり、エンジン10が燃料カット運転された
りすると、排気温の低下に伴いA/Fセンサ30の素子
温が低下し、素子インピーダンスZdcが不用意に上昇
することがある。しかし、本構成によれば、A/Fセン
サ30の活性状態を維持すべく多めの供給電力がヒータ
33に投入される。これにより、上記のように不用意な
素子温低下を招く状態下でも、A/Fセンサ30の応答
性が確保されるようになり、センサ30の検出能力が低
下するといった不具合が防止できる。
【0057】なお、本発明の実施の形態は、上記以外に
次の形態にて実現できる。上記実施の形態では、図7の
ルーチンに示すように、素子インピーダンスのF/B開
始後において、所定時間(ステップ206のKCFB)
の経過前か経過後かに応じて電力ガードWHGDを「K
WFB1」から通常値である「KWFB2(<KWFB
1)」に切り替えるようにしたが、この構成を変更して
もよい。例えば、所定時間(KCFB)の経過前におい
て、電力ガードWHGDを「KWFB1」から「KWF
B2」へと徐変させるようにしてもよい。また、エンジ
ン始動時から素子インピーダンスのF/B開始までの時
間に応じて「KWFB1」のレベルを可変に設定しても
よく、かかる場合には、F/B開始までの時間が短いほ
ど「KWFB1」を小さい値(KWFB2に近い値)に
設定すればよい。なお、このセンサ暖機当初の「KWF
B1」の設定自体を無くしてもよい。
【0058】素子インピーダンスF/B制御の開始当初
における電力ガードの値「KWFB1」を、図13又は
図14に示すマップを用いて設定するようにしてもよ
い。図13では、初期ヒータ抵抗又は初期素子インピー
ダンスに応じて電力ガードKWFB1を設定する。この
とき、初期ヒータ抵抗が小さいほど、又は初期素子イン
ピーダンスが大きいほど、電力ガードKWFB1が大き
い値に設定される。また、図14では、エンジン運転時
の負荷状態に応じて電力ガードKWFB1を設定する。
このとき、エンジン負荷が高いほど、電力ガードKWF
B1が小さい値に設定される。
【0059】上記実施の形態におけるヒータ制御では、
センサ活性前に電力制御を実施すると共に、センサ活性
後に素子インピーダンスのF/B制御を実施するように
していたが、センサ活性後にも電力制御を実施するよう
にしてもよい。すなわち、素子インピーダンスのF/B
制御を必ずしも要件としなくてもよい。かかる場合に
も、上記実施の形態のように、電力ガードWHGDを設
定することで、センサ素子部(センサ本体32)の過熱
が防止できるようになる。またこのとき、素子インピー
ダンスは素子温を反映するものであるため、素子インピ
ーダンスに応じて電力ガードを設定しておけば、素子温
を所定の最適活性温度に維持することが可能となる。
【0060】上記実施の形態では、図7のルーチンにお
いて、素子インピーダンスZdcと所定の判定値KZd
cとを比較し、Zdc≧KZdcであれば電力ガードW
HGDを通常値よりも増加させるようにしていたが(同
図のステップ211,212)、この構成を変更しても
よい。つまり、上記構成は、主に排気温の低下に伴う素
子の低温化に対処するものであるため、排気温が低下し
たことを検出し、排気温低下時に電力ガードWHGDを
増加させるようにしてもよい。なお、排気温低下を検出
する手法としては、センサにて直接的に検出する方法
や、燃料カットの継続時間から間接的に検出する方法が
適用できる。
【0061】上記実施の形態では、排気ガス中の酸素濃
度に対応するリニアな電流値を出力する限界電流式酸素
濃度センサに本発明を具体化したが、これを変更しても
よい。例えば、空燃比がリッチかリーンかに応じて2つ
の異なる電圧信号を出力するタイプの酸素センサ(O2
センサ)に本発明を具体化してもよい。かかる場合に
も、適正にセンサ保護を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態における空燃比検出装置の概
要を示す構成図。
【図2】A/Fセンサの詳細な構成を示す断面図。
【図3】A/Fセンサの出力特性を説明するためのV−
I特性図。
【図4】ヒータ制御回路の構成を示す回路図。
【図5】ヒータ制御ルーチンを示すフローチャート。
【図6】目標インピーダンス設定ルーチンを示すフロー
チャート。
【図7】電力ガード設定ルーチンを示すフローチャー
ト。
【図8】素子インピーダンスの検出法の一例を説明する
ための波形図。
【図9】電力制御時において、素子インピーダンスに応
じた電力指令値を求めるためのマップ。
【図10】素子インピーダンスに応じた電力ガード設定
するためのマップ。
【図11】実施の形態における作用をより具体的に説明
するためのタイムチャート。
【図12】素子インピーダンスと素子温との関係を示す
線図。
【図13】初期ヒータ抵抗又は初期素子インピーダンス
に応じて電力ガードKWFB1を設定するためのマッ
プ。
【図14】エンジン負荷に応じて電力ガードKWFB1
を設定するためのマップ。
【符号の説明】
10…エンジン、20…マイクロコンピュータ(マイコ
ン)、20a…ヒータ通電手段,電力ガード設定手段,
電力制限手段,ガード判定手段,目標インピーダンス更
新手段を構成するCPU、20d…バックアップメモリ
を構成するバックアップRAM、30…酸素センサとし
てのA/Fセンサ(限界電流式空燃比センサ)、33…
ヒータ。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸素濃度に応じた電気信号を出力する酸素
    センサに適用され、同センサに付設されたヒータの通電
    を制御するヒータ制御装置において、 前記酸素センサのヒータを通電加熱するヒータ通電手段
    と、 前記ヒータに供給する電力の最大許容量を電力ガードと
    して設定する電力ガード設定手段と、 前記ヒータ通電手段によるヒータへの通電指令値を前記
    電力ガードにより制限する電力制限手段とを備えること
    を特徴とする酸素センサのヒータ制御装置。
  2. 【請求項2】前記酸素センサを冷間状態から使用する際
    において、前記電力ガード設定手段は、当該センサの均
    一加熱が終了するまでの所定期間だけ電力ガードを通常
    値よりも増加側に設定する請求項1に記載の酸素センサ
    のヒータ制御装置。
  3. 【請求項3】前記電力ガード設定手段は、前記酸素セン
    サの素子インピーダンスに応じて前記ヒータの電力ガー
    ドを設定する請求項1又は請求項2に記載の酸素センサ
    のヒータ制御装置。
  4. 【請求項4】前記ヒータ通電手段は、前記酸素センサの
    素子インピーダンスが目標値に一致するよう前記ヒータ
    への供給電力を制御するものであって、 前記ヒータへの供給電力が電力ガードに達していること
    を判定するガード判定手段と、 前記ヒータへの供給電力が所定時間以上、電力ガードに
    達している場合に、素子インピーダンスの目標値を増加
    側に更新する目標インピーダンス更新手段とを備えるこ
    とを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の
    酸素センサのヒータ制御装置。
  5. 【請求項5】前記目標インピーダンス更新手段により更
    新された素子インピーダンスの目標値を、その都度バッ
    クアップメモリに記憶保持するようにした請求項4に記
    載の酸素センサのヒータ制御装置。
  6. 【請求項6】前記酸素センサの目標インピーダンスに対
    しその時々の素子インピーダンスが所定幅以上大きくな
    った場合において、前記電力ガード設定手段は、電力ガ
    ードを所定量増加させる請求項4又は請求項5に記載の
    酸素センサのヒータ制御装置。
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