JP5042150B2 - ガスセンサ - Google Patents

ガスセンサ Download PDF

Info

Publication number
JP5042150B2
JP5042150B2 JP2008181854A JP2008181854A JP5042150B2 JP 5042150 B2 JP5042150 B2 JP 5042150B2 JP 2008181854 A JP2008181854 A JP 2008181854A JP 2008181854 A JP2008181854 A JP 2008181854A JP 5042150 B2 JP5042150 B2 JP 5042150B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
detection
output
monitoring
gas concentration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008181854A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010019754A (ja
Inventor
英俊 大石
昭博 鈴木
一博 岡島
俊二 塚林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2008181854A priority Critical patent/JP5042150B2/ja
Publication of JP2010019754A publication Critical patent/JP2010019754A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5042150B2 publication Critical patent/JP5042150B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)

Description

この発明は、例えば燃料電池車両に搭載される水素センサ等のガスセンサに関するものである。
接触燃焼式のガスセンサには、検出素子と温度補償素子とをブリッジ接続し、ブリッジ出力に基づいて被検出ガスの濃度を測定することを基本とし、電源投入時には、電源投入後、検出素子の触媒の活性度が安定した時点で、検出素子の端子電圧と、標準ガス中での検出素子の端子電圧との差分電圧を検出し、この差分電圧に基づいて被検出ガスの濃度を算出し、電源投入から所定時間が経過した時点でブリッジ出力に基づいて被検出ガスの濃度を算出するガスセンサが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、ガスセンサには、2つのガス検出素子を備え、一方のガス検出素子を測定用素子として常時使用し、他方のガス検出素子を前記測定用素子の劣化を判定する劣化判定用素子として時々使用するものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2006−337339号公報 特許第3219855号公報
前記特許文献1に記載のガスセンサによれば、電源投入時にブリッジの安定を待つことなく被検出ガスのガス濃度を測定することができるので、実質的にガスセンサの起動完了時間を短縮することができるとされている。
しかしながら、前記特許文献1に記載のガスセンサにおいては、検出素子の触媒が経時的に劣化して感度劣化が起こると、電源投入後に触媒の活性度が安定するまでの時間が変化し、特に前記時間が長くなる可能性が十分に考えられる。その結果、ガスセンサの起動完了時間が長くなるという課題がある。また、起動時にガス濃度を誤判断する虞もある。
そこで、この発明は、起動完了判定を素早く行うことができるガスセンサを提供するものである。
この発明に係るガスセンサでは、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
請求項1に係る発明は、互いに近接配置され、電圧を印加される一対のガス検出素子(例えば、後述する実施例におけるガス濃度検出用素子9a、監視用素子10a)と、前記ガス検出素子の出力に基づいてガス濃度を検出(判定)する濃度判定部(例えば、後述する実施例における濃度判定部32)と、前記一対のガス検出素子の出力の偏差に基づいて一方のガス検出素子の異常を判定する異常判定部(例えば、後述する実施例における異常判定部33)と、を備えるガスセンサ(例えば、後述する実施例における水素センサ100)において、前記一対のガス検出素子のうち一方をガス濃度検出用素子(例えば、後述する実施例におけるガス濃度検出用素子9a)、他方を監視用素子(例えば、後述する実施例における監視用素子10a)とし、前記ガス濃度検出用素子に印加する電圧よりも前記監視用素子に印加する電圧を低くまたはゼロにする検出モードと、前記ガス濃度検出用素子と前記監視用素子に前記検出モードのときに前記ガス濃度検出用素子に印加した電圧と同じ電圧を印加する監視モードとに、切り替え可能に構成されており、電源投入された起動時には、前記ガス濃度検出用素子と前記監視用素子に前記検出モードのときに前記ガス濃度検出用素子に印加する電圧と同じ電圧を印加し、前記監視用素子の出力特性に基づいて予め設定された起動判定時間が経過した後、一定時間が経過するまで前記濃度判定部は前記監視用素子の出力に基づいてガス濃度の判定を行うことを特徴とするガスセンサである。
このように構成することにより、検出モードにおいて、監視用素子に印加される電圧は、ゼロあるいはガス濃度検出用素子に印加する電圧よりも低い電圧であるので、監視用素子はガス濃度検出用素子に比較して経時的な感度劣化の程度が低い。この感度劣化の低い監視用素子の出力特性に基づいて起動判定時間を設定するので、早期に起動完了判定を行うことができる。また、起動時にガス濃度検出用素子が定常状態になるまでの間、監視用素子の出力に基づいてガス濃度を判定することができる。
請求項1に係る発明によれば、経時的に感度劣化の低い監視用素子の出力特性に基づいて起動判定時間を設定するので、早期に起動完了判定を行うことができる。また、起動時にガス濃度検出用素子が定常状態になるまでの間、ガス濃度検出用素子に代わって、監視用素子の出力に基づいてガス濃度を判定することができるので、ガスセンサの出力の他のシステムでの利用が迅速に行えるようになる。
以下、この発明に係るガスセンサの実施例を図1から図8の図面を参照して説明する。なお、この実施例におけるガスセンサは、燃料電池車両に搭載されて、例えば燃料電池を収容する燃料電池ボックス内などの被検出場所に水素が漏洩していないことを確認するために使用される水素センサとしての態様である。
この実施例における水素センサ100は接触燃焼式ガスセンサであり、初めに、図2および図3を参照して水素センサ100の検出部1の構成を説明する。
図2に示すように、検出部1は、例えばポリフェニレンサルファイド製のケース2を備え、ケース2内には樹脂で封止された回路基板3が設けられている。ケース2の下面からは、一対の筒状部4,5が突出形成されており、各筒状部4,5の下端にはそれぞれガス導入口6が開口形成されていて、各筒状部4,5の内部に形成されたガス検出室7に連なっている。ガス導入口6には通気性を有する例えばセラミックからなるフィルタ8が設けられている。
各筒状部4,5の内部にはそれぞれ検出要素9,10が設けられており、検出要素9,10は回路基板3に接続されている。
筒状部4の検出要素9について説明すると、検出要素9は、ケース2の下面から等距離だけ離間して並んで設置された検出素子9aと温度補償素子9bとを備え、各素子9a,9bは通電用のリード線11、ステー12を介して回路基板3に接続されている。
図3に示すように、検出素子9aは、電気抵抗に対する温度係数が高い白金等を含む金属線のコイル13の表面が、被検出ガスとされる水素に対して活性な貴金属等からなる触媒14を坦持するアルミナ等の坦体で被覆されて形成されている。
温度補償素子9bは、被検出ガスに対して不活性とされ、例えば検出素子9aと同等のコイル15の表面がアルミナ等の坦体で被覆されて形成されている。
そして、被検出ガスである水素が検出素子9aの触媒14に接触した際に生じる燃焼反応の発熱により高温となった検出素子9aと、被検出ガスによる燃焼反応が発生せず検出素子9aよりも低温の温度補償素子9bとの間に電気抵抗値の差が生ずることを利用し、雰囲気温度による電気抵抗値の変化分を相殺して水素濃度を検出することができるようになっている。
例えば、検出素子9a(抵抗値R4)及び温度補償素子9b(抵抗値R3)が直列接続されてなる枝辺と、固定抵抗16(抵抗値R1)及び固定抵抗17(抵抗値R2)が直列接続されてなる枝辺とが、外部の電源18から供給される電圧に基づいて所定の電圧を印加する電圧発生回路20Aに対して並列に接続されてなるブリッジ回路において、検出素子9aと温度補償素子9b同志の接続点PSと、固定抵抗16,17同志の接続点PRとの間に、これらの接続点PS,PR間の電圧を検出する検出回路21Aが接続されており、さらに、検出回路21Aは出力回路22Aが接続されている。
ここで、ガス検出室7内に導入された検査対象ガス中に被検出ガスである水素が存在しないときには、ブリッジ回路はバランスしてR1×R4=R2×R3の状態にあり、検出回路21Aの出力がゼロとなる。一方、水素が存在すると、検出素子9aの触媒14において水素が燃焼し、コイル13の温度が上昇し、検出素子9aの抵抗値R4が増大する。これに対して温度補償素子9bにおいては水素は燃焼せず、温度補償素子9bの抵抗値R3は変化しない。これにより、ブリッジ回路の平衡が破れて検出回路21Aに、水素濃度の増大変化に応じて増大傾向に変化する適宜の電圧が印加される。この検出回路21Aから出力される電圧の検出値は出力回路22Aへ出力され、出力回路22Aは入力された検出値を制御部30(図1参照)へ出力する。
筒状部5の検出要素10は検出要素9と同様の構成であるので、詳細説明を省略するが、検出要素10は検出素子10aと温度補償素子10bとを備え、各素子10a,10bは通電用のリード線11、ステー12を介して回路基板3に接続され、ブリッジ回路に接続されている。該ブリッジ回路は電圧発生回路20Bと検出回路21Bに接続されていて、検出回路21Bで検出された検出値は出力回路22Bを介して制御部30へ出力される。
ただし、この実施例では、検出要素9の検出素子9aはガス濃度検出用の素子(以下、ガス濃度検出用素子9aという)とされ、検出要素10の検出素子10aは監視用の素子(以下、監視用素子10aという)とされており、ガス濃度検出用素子9aによって燃料電池ボックス内等の被検出場所の水素の検出を常時行い、監視用素子10aは、電源投入後の所定時間の間、ガス濃度検出用素子9aに代わって水素の検出を行うとともに、定期的にガス濃度検出用素子9aに異常がないか否かを検出するのに使用する。
次に、図1のブロック図を参照して、水素センサ100の制御部30について説明する。
制御部30は、モード切換部31と、濃度判定部32と、異常判定部33とを備え、濃度判定部32は出力切換部34を備えている。
モード切換部31は、図7のタイムチャートに示すように、検出モードと監視モードを一定の周期で自動的に切り換える切換手段である。検出モードは、監視用素子10aに印加する電圧をガス濃度検出用素子9aに印加する電圧よりも低くし、ガス濃度検出用素子9aの出力に基づいて被検出ガスのガス濃度を検出するモードであり、監視モードは、検出モードのときにガス濃度検出用素子9aに印加した電圧と同じ大きさの電圧をガス濃度検出用素子9aと監視用素子10aに印加してガス濃度検出用素子9aの異常判定を行うモードである。
監視モードにおいては、ガス濃度検出用素子9aおよび監視用素子10aに基準電圧V1を印加する。基準電圧V1は、ガス濃度検出用素子9aおよび監視用素子10aの触媒14を駆動温度T1(例えば100〜400゜C)に昇温するために必要な電圧であり、駆動温度T1は被検出ガスである水素と反応するための活性温度に設定されている。
一方、検出モードにおいては、ガス濃度検出用素子9aには基準電圧V1を印加するが、監視用素子10aには基準電圧V1よりも低い監視電圧V2(V1>V2)を印加する。監視電圧V2は、監視用素子10aの触媒14を活性温度より低く、且つ、触媒14が水素以外の不純物とも反応せず、且つ、結露を発生させない温度T2(例えば60〜90゜C)に昇温するために必要な電圧である。
実際には、ガス濃度検出用素子9aに所定の基準電圧V1が常時印加されるように検出要素9の電圧発生回路20Aが制御され、モード切換部31から出力されるモード信号に応じて監視用素子10aに印加する電圧が、基準電圧V1、または、基準電圧V1よりも低い監視電圧V2(V1>V2)となるように検出要素10の電圧発生回路20Bが制御される。
そして、検出モードおよび監視モードを問わず、ガス濃度検出用素子9aには常時、基準電圧V1が印加されるので、ガス濃度検出用素子9aの触媒14は常に活性温度に維持されており、したがって、水素が存在するときにはガス濃度検出用素子9aの抵抗が変化し、この抵抗変化に基づいて検出される検出値に応じたS1が出力回路22Aから、制御部30の濃度判定部32および異常判定部33に出力される。
一方、監視用素子10aには、検出モードでは基準電圧V1よりも低い監視電圧V2が印加されているため、監視用素子10aの触媒14は温度T2までは昇温するが、活性温度には至らない。
そして、監視モードになると、監視用素子10aにもガス濃度検出用素子9aに印加されているのと同じ基準電圧V1が印加されるので、監視用素子10aの触媒14も活性温度に昇温されて活性化され、水素が存在するときには監視用素子10aの抵抗が変化し、この抵抗変化に基づいて検出される検出値に応じた出力S2が出力回路22Bから、制御部30の濃度判定部32および異常判定部33に出力される。
異常判定部33において、ガス濃度検出用素子9aの出力回路22Aから入力した出力値S1と、監視用素子10aの出力回路22Bから入力した出力値S2とを比較し、その偏差ΔS(=S2−S1)が予め設定した閾値以内の場合にはガス濃度検出用素子9aは正常であると判定し、前記閾値を越えた場合にはガス濃度検出用素子9aは異常であると判定し、異常と判定した場合には異常判定信号を濃度判定部32および図示しない燃料電池制御装置等へ出力する。
異常判定部33によりガス濃度検出用素子9aが正常であると判定されているときには、濃度判定部32は、ガス濃度検出用素子9aの出力回路22Aから入力した出力値S1に応じて、水素濃度マップ等を参照して水素濃度を算出し、該水素濃度に応じた水素濃度信号を例えば前記燃料電池制御装置等へ出力する。
しかしながら、異常判定部33によりガス濃度検出用素子9aが異常であると判定され、異常判定部33から異常判定信号を入力した場合には、濃度判定部32は、監視モードにおいて監視用素子10aの出力回路22Bから入力した出力値S2に基づいて、前記水素濃度マップ等を参照して水素濃度を算出する。そして、出力切換部34は、異常と判定されたガス濃度検出用素子9a側の出力値S1に基づいて算出した水素濃度に代えて、監視用素子10a側の出力値S2に基づいて算出した水素濃度を採用し、該水素濃度に応じた水素濃度信号をセンサ出力として前記燃料電池制御装置等へ出力する。
なお、制御部30は、異常判定部33から異常判定信号を入力し、監視用素子10aの出力値S2に基づいて算出した水素濃度をセンサ出力として出力しているときには、ガス濃度検出用素子9aが待機状態であることを示す信号を定期的に前記燃料電池制御装置等に出力する。
また、この水素センサ100においては、後述するように電源投入後の所定時間の間は、ガス濃度検出用素子9aと監視用素子10aの両方に基準電圧を印加し、その間、水素濃度の検出は監視用素子10aの出力S2に基づいて行うが、そのときも出力切換部34は、監視用素子10a側の出力値S2に基づいて算出した水素濃度に応じた水素濃度信号をセンサ出力として前記燃料電池制御装置等へ出力する。
ところで、ガス濃度検出用素子9aの触媒14は活性温度の雰囲気において被検出ガスと燃焼反応が起こるが、その際に触媒14において燃焼反応を起こしている反応部に、被検出ガス以外の媒質(ガス、溶液、ミストなど)あるいは該媒質と反応して生成された物質が付着する、所謂被毒という現象が発生する。
前述したように、ガス濃度検出用素子9aには常時、基準電圧V1が印加されていて駆動温度T1に保持されるので、被毒が発生するのは避けられない。そして、被毒された反応部は活性が失われるため、ガス濃度検出用素子9aが徐々に劣化していくのは避けることはできない。
しかしながら、監視用素子10aには、監視モードのときにはガス濃度検出用素子9aに印加されているのと同じ基準電圧V1が印加されるので、監視用素子10aの触媒14も活性温度まで昇温されて活性化されるが、検出モードのときには監視用素子10aには基準電圧V1よりも低い監視電圧V2が印加されるため、監視用素子10aの触媒14は温度T2までは昇温するが、活性温度(T1)には至らない。
ここで、検出モードの継続時間は極めて長く(例えば数十秒〜数分)、監視モードの継続時間は極めて短い(例えば数秒)ので、監視用素子10aでは被毒現象の発生が極めて少なく、ガス濃度検出用素子9aに比較すると劣化の進行が極めて遅い。
図4は、一定濃度(例えば1000ppm)の被検出ガスを含む標準ガスの流れの中に実施例の水素センサ100を配置し、前述の如く検出モードと監視モードの切換制御を実行したときのガス濃度検出用素子9aと監視用素子10aの出力の経時的変化を比較したグラフである。これによれば、いずれの素子の出力も、初期の出力α1からほぼ線形に低下していき、ガス濃度検出用素子9aの方が監視用素子10aよりも早く正常出力下限閾値α3(例えば900ppm)に達するのが分かる。ここで、正常出力下限閾値α3とは、市場で使用するにあたって許容できる出力の下限値である。そして、ガス濃度検出用素子9aの出力が正常出力下限閾値α3に達した時(市場保障年数に達した時)に監視用素子10aの出力はα2であり、正常出力下限閾値α3より十分に大きいことが分かる(α1>α2>α3)。
また、図5は、一定濃度(例えば1000ppm)の被検出ガスを含む標準ガスの流れの中に実施例の水素センサ100を配置し、水素センサ100に電源を投入(始動スイッチ40をON)すると同時にガス濃度検出用素子9aと監視用素子10aの両方に同じ基準電圧V1を印加したときの出力特性を実験的に求めたグラフである。
図5において実線は、未使用の正常なガス濃度検出用素子9aおよび監視用素子10aの出力特性(初期出力特性)を示しており、いずれの素子9a,10aとも始動スイッチ40をONしてからτ1時間後に正常出力下限閾値α3に達し、始動スイッチをONしてからτ3時間後に出力α1に達する。
図5において破線は、市場保障年数経過時のガス濃度検出用素子9aと監視用素子10aの出力特性を示している。市場保障年数経過時のガス濃度検出用素子9aの場合は、始動スイッチ40をONしてからτ3時間後に出力が正常出力下限閾値α3に達して安定する。一方、市場保障年数経過時の監視用素子10aの場合は、始動スイッチ40をONしてからτ2時間後にガス濃度検出用素子9aよりも早く正常出力下限閾値α3に達し(τ2<τ3)、始動スイッチ40をONしてからτ3時間後に出力がα2に達して安定する。
ところで、燃料電池車両などでは、燃料電池システムを起動するときには、安全上、燃料電池システムを起動する前に、まず、水素センサ100により、燃料電池ボックス内などの被検出場所に水素が漏洩していないことを確認する必要があり、水素の漏洩がないことを確認してから燃料電池システムを起動する必要がある。
その場合、水素センサ100による水素濃度の検出は、例えば前記標準ガスを検出する場合であれば、水素センサ100の出力が正常出力下限閾値α3以上になってからでないと、水素濃度の検出を正しく行うことができない。換言すると、水素センサ100の出力が正常出力下限閾値α3以上になったときに、水素センサ100は起動完了したと言うことができる。そこで、始動スイッチ40がONされ水素センサ100に電源が投入されてから水素センサ100の出力が正常出力下限閾値α3以上になるまでの時間(すなわち、水素センサ100が起動完了するまでの時間、以下、起動判定時間という)を待ってから、水素センサ100による水素濃度の検出を行うようにしている。
このように、起動判定時間は標準ガスに対する出力特性に基づいて設定している。但し、標準ガスの被検出ガスのガス濃度は1000ppmに限るものではなく、水素センサ100の濃度検出範囲等によって適宜設定することができ、また、正常出力下限閾値α3の値も900ppmに限るものではなく、水素センサ100の検出範囲や検出精度によって適宜設定することができる。
しかしながら、出力が正常出力下限閾値α3以上になるまでの時間は、前述したように素子の劣化の程度によって変化するため、起動判定時間を設定する場合には市場保障年数経過後の感度に基づいて設定する必要がある。
ここで、ガス濃度検出用素子9aの出力特性に基づいて起動判定時間を設定した場合には、起動判定時間はτ3となり、水素濃度を検出することができるまでに長い時間が必要となってしまう。その結果、水素の漏洩がないことを確認してから行う燃料電池システムの起動も遅くなってしまう。
これに対して、劣化の程度が低い監視用素子10aの出力特性に基づいて起動判定時間を設定した場合には、起動判定時間はτ2となり、起動判定時間を短縮することができる。
そこで、この実施例の水素センサ100においては、標準ガスに対する監視用素子10aの出力特性に基づいて予め起動判定時間t1をτ2に設定し(t1=τ2)、始動スイッチ40がONされると同時に、ガス濃度検出用素子9aと監視用素子10aの両方に基準電圧V1を印加し、始動スイッチ40がONされてから起動判定時間t1が経過した後、監視用素子10aの出力S2に基づいて水素濃度の検出を開始し、その検出結果に基づいて燃料電池システムの起動を許可するか否かの判定(以下、燃料電池システムの起動許可判定という)を行うこととする。そして、標準ガスに対するガス濃度検出用素子9aの出力特性に基づいてその出力が正常出力下限閾値α3に達する時間t2(=τ3)を予め設定し、監視用素子10aの出力S2に基づく水素濃度の検出は前記時間t2(=τ3)まで継続し、その直後、通常の検出モードに移行し、監視用素子10aに印加する電圧を監視電圧V2に低下させて監視用素子10aの出力S2に基づく水素濃度の検出を終了し、代わって、ガス濃度検出用素子9aの出力S1に基づく水素濃度の検出を開始する。このようにすると、水素センサ100の起動判定時間を大幅に短縮することができ、その結果、水素の漏洩がないことを確認してから行う燃料電池システムの起動を早めることができる。
次に、この実施例におけるガス濃度検出処理について、図6のフローチャートに従って説明する。
図6のフローチャートに示すガス濃度検出処理ルーチンは、電子制御装置により実行される。
まず、ステップS101において始動スイッチ40がONか否かを判定する。
ステップS101における判定結果が「NO」(始動スイッチ:OFF)である場合には、本ルーチンの実行を一旦終了する。
ステップS101における判定結果が「YES」(始動スイッチ:ON)である場合には、ステップS102に進み、ガス濃度検出用素子9aおよび監視用素子10aに基準電圧V1を印加する。
次に、ステップS103に進み、始動スイッチ40がONされてからの経過時間が起動判定時間t1を経過したか否かを判定する。この起動判定時間t1は、市場保障年数経過後の監視用素子10aの標準ガスに対する出力特性に基づいて予め設定されたものであり、図5におけるτ2に相当する時間に設定する。
ステップS103における判定結果が「NO」(起動判定時間t1経過前)である場合には、ステップS102に戻る。
ステップS103における判定結果が「YES」(起動判定時間t1経過)である場合には、ステップS104に進み、監視用素子10aの出力S2に基づいて水素濃度の検出処理を実行する。
次に、ステップS105に進み、始動スイッチ40がONされてからの経過時間が時間t2を経過したか否かを判定する。この時間t2は、市場保障年数経過後のガス濃度検出用素子9aの標準ガスに対する出力特性に基づいて予め設定されたものであり、図5におけるτ3に相当する時間に設定する。
ステップS105における判定結果が「NO」(時間t2経過前)である場合には、ステップS104に戻り、監視用素子10aの出力S2に基づく水素濃度の検出処理を継続する。
ステップS105における判定結果が「YES」(時間t2経過)である場合には、ステップS106に進み、検出モードか否かを判定する。なお、時間t2経過後の初回は検出モードに設定される。
ステップS106における判定結果が「YES」(検出モード)である場合には、ステップS107に進み、ガス濃度検出用素子9aには基準電圧V1を印加し、監視用素子10aには監視電圧V2を印加し、さらにステップS108に進み、ガス濃度検出用素子9aの出力S1に基づいて水素濃度の検出処理を実行する。
次に、ステップS109に進み、始動スイッチ40がOFFか否かを判定する。
ステップS109における判定結果が「NO」(始動スイッチ:ON)である場合には、ステップS106に戻り、ステップS109における判定結果が「YES」(始動スイッチ:OFF)である場合には、本ルーチンの実行を一旦終了する。
一方、106における判定結果が「NO」である場合には、監視モードであるので、ステップS110に進み、ガス濃度検出用素子9aおよび監視用素子10aに基準電圧V1を印加し、さらにステップS111に進み、ガス濃度検出用素子9aの出力S1に基づいて水素濃度の検出処理を実行するとともに、ガス濃度検出用素子9aに対する異常判定処理を実行して、ステップS109に進む。
このように構成された実施例の水素センサ100によれば次のような作用効果がある。
劣化の程度が低い監視用素子10aの出力特性に基づいて起動判定時間t1を設定し、電源投入後、起動判定時間t1が経過した後は、監視用素子10aの出力S2に基づいて水素濃度の検出を開始し、その検出結果に基づいて燃料電池システムの起動許可判定を行い、監視用素子10aの出力S2に基づく水素濃度の検出は時間t2(=τ3)まで継続し、時間t2経過後は、通常の検出モードに移行して、監視用素子10aの出力S2に基づく水素濃度の検出を終了し、ガス濃度検出用素子9aの出力S1に基づく水素濃度の検出を開始するので、水素センサ100の起動判定時間を大幅に短縮することができ、その結果、水素の漏洩がないことを確認してから行う燃料電池システムの起動を早めることができる。
また、監視用素子10aはガス濃度検出用素子9aに比べて劣化の程度が低いので、監視用素子10aの信頼性が向上し、ガス濃度検出用素子9aに対する異常判定の信頼性が向上する。
また、この実施例においては、検出モードにおいて監視用素子10aに監視電圧V2が印加されていて、監視用素子10aの触媒14が温度T2に保持されているので、水蒸気が滞留するような場所に水素センサ100が設置されている場合にも、その水蒸気が監視用素子10aにおいて結露することがなく、監視用素子10aを常に安定な状態に保持することができる。したがって、監視用素子10aの信頼性が向上し、ガス濃度検出用素子9aに対する異常判定の信頼性が向上する。
また、検出モードのときに監視用素子10aが温度T2に保持されているので、検出モードから監視モードに移行したときに、監視用素子10aを迅速に温度T1まで上昇させることができ、ガス濃度検出用素子9aに対する異常判定処理を迅速に行うことができる。すなわち、モード切換時の応答性が高く、異常判定に要する時間を短縮することができる。
なお、前述した実施例では温度補償素子9b,10bを備えた水素センサの態様で説明したが、温度補償素子9b,10bを備えない水素センサにもこの発明は適用可能である。図8に、温度補償素子9b,10bを備えない水素センサの検出部1の一例を示す。この場合には、単一の筒状部19内にガス濃度検出用素子9aと監視用素子10aを設ける。その他の構成は前述した筒状部4および検出要素9と同じであるので、同一態様部分に同一符号を付して説明を省略する。
〔他の実施例〕
なお、この発明は前述した実施例に限られるものではない。
例えば、前述した実施例では、監視電圧V2を、監視用素子10aの触媒14を活性温度より低く、且つ、触媒14が水素以外の不純物とも反応せず、且つ、結露を発生させない温度T2に昇温するために必要な電圧としたが、監視電圧V2はゼロとすることも可能である。
また、ガスセンサは水素センサに限るものではなく、水素以外の被検出ガスを検出するガスセンサであってもよい。また、実施例では検出素子を接触燃焼式としたが、素子を大気温度よりも高温に熱する方式であれば、半導体式、熱伝導式、プロトン導電体式、FET式などのガスセンサにも、この発明は適用可能である。
この発明に係るガスセンサの実施例におけるブロック図である。 前記実施例におけるガスセンサの検出部の断面図である。 前記実施例のガスセンサの回路図である。 ガス濃度検出用素子と監視用素子の出力の経時的変化を示す図である。 ガス濃度検出用素子と監視用素子の電源投入時の出力特性を示す図である。 前記実施例におけるガス濃度検出処理を示すフローチャートである。 前記実施例におけるタイムチャートの一例を示す図である。 他の実施例におけるガスセンサの検出部の断面図である。
符号の説明
9a ガス濃度検出用素子(ガス検出素子)
10a 監視用素子(ガス検出素子)
31 モード切換部
32 濃度判定部
33 異常判定部
100 水素センサ(ガスセンサ)

Claims (1)

  1. 互いに近接配置され、電圧を印加される一対のガス検出素子と、
    前記ガス検出素子の出力に基づいてガス濃度を判定する濃度判定部と、
    前記一対のガス検出素子の出力の偏差に基づいて一方のガス検出素子の異常を判定する異常判定部と、
    を備えるガスセンサにおいて、
    前記一対のガス検出素子のうち一方をガス濃度検出用素子、他方を監視用素子とし、
    前記ガス濃度検出用素子に印加する電圧よりも前記監視用素子に印加する電圧を低くまたはゼロにする検出モードと、前記ガス濃度検出用素子と前記監視用素子に前記検出モードのときに前記ガス濃度検出用素子に印加した電圧と同じ電圧を印加する監視モードとに、切り替え可能に構成されており、
    電源投入された起動時には、前記ガス濃度検出用素子と前記監視用素子に前記検出モードのときに前記ガス濃度検出用素子に印加する電圧と同じ電圧を印加し、前記監視用素子の出力特性に基づいて予め設定された起動判定時間が経過した後、一定時間が経過するまで前記濃度判定部は前記監視用素子の出力に基づいてガス濃度の判定を行うことを特徴とするガスセンサ。
JP2008181854A 2008-07-11 2008-07-11 ガスセンサ Expired - Fee Related JP5042150B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008181854A JP5042150B2 (ja) 2008-07-11 2008-07-11 ガスセンサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008181854A JP5042150B2 (ja) 2008-07-11 2008-07-11 ガスセンサ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010019754A JP2010019754A (ja) 2010-01-28
JP5042150B2 true JP5042150B2 (ja) 2012-10-03

Family

ID=41704807

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008181854A Expired - Fee Related JP5042150B2 (ja) 2008-07-11 2008-07-11 ガスセンサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5042150B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2999811B1 (fr) 2012-12-19 2016-11-04 Michelin & Cie Systeme a pile a combustible equipe d'un detecteur de fuite d'hydrogene
FR2999709B1 (fr) * 2012-12-19 2018-11-30 Compagnie Generale Des Etablissements Michelin Detecteur de fuite d'hydrogene
JP7091941B2 (ja) * 2018-08-27 2022-06-28 トヨタ自動車株式会社 燃料ガス供給制御装置およびその方法、ならびに燃料電池車の起動方法

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57156853U (ja) * 1981-03-28 1982-10-02
JPH02238351A (ja) * 1989-03-11 1990-09-20 Nippon Ceramic Co Ltd ガス濃度制御装置
JP3167798B2 (ja) * 1992-06-24 2001-05-21 株式会社リコー ガスセンサ
JP3394597B2 (ja) * 1994-04-25 2003-04-07 松下電工株式会社 半導体ガス検知素子を使用したガス検知装置
JP4270711B2 (ja) * 2000-04-18 2009-06-03 新コスモス電機株式会社 ガス検知方法及び装置
JP3830846B2 (ja) * 2002-03-29 2006-10-11 本田技研工業株式会社 ガスセンサ起動時のガス濃度予測方法およびガス検知方法
JP3836440B2 (ja) * 2002-05-13 2006-10-25 本田技研工業株式会社 ガスセンサの劣化診断方法
JP3836403B2 (ja) * 2002-06-14 2006-10-25 本田技研工業株式会社 ガス検出方法
JP4602124B2 (ja) * 2004-06-29 2010-12-22 本田技研工業株式会社 ガス検出装置
JP2006153598A (ja) * 2004-11-26 2006-06-15 Honda Motor Co Ltd ガス検出装置およびガス検出素子の制御方法
JP4568140B2 (ja) * 2005-02-22 2010-10-27 本田技研工業株式会社 ガス検出装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010019754A (ja) 2010-01-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1505386B1 (en) Gas sensor operation method
US7342505B2 (en) Gas detection apparatus and method for controlling gas sensor
JP2010019732A (ja) ガスセンサ
JP5114444B2 (ja) 酸素センサ制御装置および酸素センサ制御方法
JP4606948B2 (ja) ガスセンサ
JP2012163514A (ja) ガス検知システム
JP5042150B2 (ja) ガスセンサ
JP3746778B2 (ja) ガスセンサの制御装置
JP4083652B2 (ja) ガスセンサの制御装置
JP3836403B2 (ja) ガス検出方法
JP5091078B2 (ja) 可燃性ガス検出装置
JP5021400B2 (ja) 可燃性ガス検出装置
JP2009092587A (ja) ヒータ内蔵型ガスセンサの制御装置
JP3986984B2 (ja) 接触燃焼式水素センサの較正方法
JP5208602B2 (ja) ガスセンサ
JP3987016B2 (ja) ガスセンサの制御装置
JP2007024627A (ja) 水素検知装置及び燃料電池システム
JP2006153601A (ja) ガスセンサの故障検出装置およびガスセンサの故障検出方法
JP2006010622A (ja) ガス検出システムおよび燃料電池車両
JP4131801B2 (ja) 燃料電池システムに具備される水素センサの劣化検知方法
JP3839377B2 (ja) ガスセンサ及びガス検知方法
JP4409372B2 (ja) ガス検出装置
JP5208601B2 (ja) ガスセンサおよび燃料電池車両

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101125

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120524

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120612

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120710

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5042150

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150720

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees