JP2006010622A - ガス検出システムおよび燃料電池車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】 運転状態や停止状態を有するシステムにおいて、利便性を高めることができ、システムの状態に適したガスの検出を行うことができるガス検出システムおよび燃料電池車両を提供する。
【解決手段】 接触燃焼式ガスセンサ1aと、半導体式ガスセンサ1bと、を備え、少なくとも発電を行う運転状態と、停止状態とを有するガス検出システム10において、前記運転状態には、前記接触燃焼式ガスセンサ1aにより検出対象ガスを検出し、前記停止状態には、前記半導体式ガスセンサ1bにより検出対象ガスを検出する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ガスセンサを備えたガス検出システム及び燃料電池車両に関するものである。
従来、例えば固体高分子膜型等の燃料電池において、例えば燃料電池の酸素極側の排出系に水素検出器(ガスセンサ)を備え、このガスセンサによって、燃料極側の水素が固体高分子電解質膜を通じて酸素極側に漏洩したことを検出したときは、燃料の供給を遮断する保護装置が知られている。
また、ガスセンサとしては、例えば白金等の触媒からなるガス検出素子と温度補償素子とを一対備え、水素が白金等の触媒に接触した際の燃焼により発生する熱によってガス検出素子が相対的に高温の状態になったときに、例えば雰囲気温度下等の相対的に低温の状態の温度補償素子との間に生じる電気抵抗の差異に応じて、水素の濃度を検出するガス接触燃焼式のガスセンサが知られている。
例えば、この種のガスセンサとしては、ガス検出素子を加熱するためのヒータと電極とを兼ね備えたヒータ兼電極に間欠的に通電する制御を行うことで、消費電力の低減を図る技術が提案されている(特許文献1参照)。
特開2000−221152号公報
しかしながら、従来の技術においては、ガスセンサ自体の消費電力を低減することについては有効であるものの、例えば燃料電池車両のように運転状態や停止状態を有するシステムに搭載して、停止状態においてもガス検出処理を継続させるような場合には使用しづらいという問題がある。すなわち、接触燃焼式のガスセンサにおいては、ガス検出素子と温度補償素子とを、一対のブリッジ回路として構成するために、素子の出力を増幅する回路が必要であり、そのために消費電力が大きくなってしまう。従って、システムが停止状態のときには、システムが備える電源装置の電力に依存することになるため、使用しにくいという問題がある。
特に、燃料電池を駆動源とする燃料電池車両においては、車両の停止状態においては容量の限られたバッテリによってガスセンサへの供給電力を行わなければならないので、上述の問題がさらに顕著となる。
従って、本発明は、運転状態や停止状態を有するシステムにおいて、利便性を高めることができ、システムの状態に適したガスの検出を行うことができるガス検出システムおよび燃料電池車両を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、接触燃焼式ガスセンサ(例えば、実施の形態における接触燃焼式ガスセンサ1a)と、半導体式ガスセンサ(例えば、実施の形態における接触燃焼式ガスセンサ1b)と、を備え、少なくとも発電を行う運転状態と、停止状態とを有するガス検出システムにおいて、前記運転状態には、前記接触燃焼式ガスセンサにより検出対象ガスを検出し、前記停止状態には、前記半導体式ガスセンサにより検出対象ガスを検出することを特徴とする。
この発明によれば、前記運転状態には、前記接触燃焼式ガスセンサにより検出対象ガスを検出することで、検出対象ガスの濃度に対する出力がリニア(直線状)になるという接触燃焼式ガスセンサの特性を活かすことができる。従って、運転状態において、検出対象ガスを高濃度域から低濃度域まで安定した精度で検出を行うことができる。また、前記運転状態には発電が行われるので、前記接触燃焼式ガスセンサには電力を安定して供給することが可能である。
一方、前記停止状態には、前記半導体式ガスセンサにより検出対象ガスを検出することで、前記接触燃焼式ガスセンサに比して消費電力を抑えつつ検出を行うことができるため、前記停止状態において前記半導体式ガスセンサの作動のために電源装置に要求される電力を前記接触燃焼式ガスセンサの場合に比して低減することができる。従って、システムの電源の大型化や高コスト化を抑えることができ、利便性を高めることができる。
また、前記停止状態には、検出対象ガスの供給源等も停止しており、比較的低濃度領域での検出精度が要求されるため、該低濃度領域における検出対象ガスの濃度に対する出力が高いという前記半導体式ガスセンサの特性を活かすことができる。従って、システムの状態に適したガスの検出を行うことができる。
請求項2に係る発明は、水素ガス含有ガスと酸素含有ガスとを供給することによる化学反応によって発電する燃料電池を搭載した燃料電池車両(例えば、実施の形態における燃料電池車両10)であって、接触燃焼式ガスセンサと、半導体式ガスセンサと、を備え、前記燃料電池の運転状態には、前記接触燃焼式ガスセンサにより検出対象ガスを検出し、前記燃料電池の停止状態には、前記半導体式ガスセンサにより検出対象ガスを検出することを特徴とする。
この発明によれば、運転状態において、検出対象ガスを高濃度域から低濃度域まで安定した精度で検出を行うことができ、前記接触燃焼式ガスセンサには前記燃料電池で発電した電力を安定して供給することが可能である。
一方、前記停止状態には、前記半導体式ガスセンサの作動のためにバッテリに要求される電力を前記接触燃焼式ガスセンサの場合に比して低減することができる。従って、前記車両に搭載されるバッテリの大型化や高コスト化を抑えることができ、利便性を高めることができ、前記車両の状態に適したガスの検出を行うことができる。
請求項1に係る発明によれば、システムの電源の大型化や高コスト化を抑えることができ、利便性を高めることができる。また、システムの状態に適したガスの検出を行うことができる。
請求項2に係る発明によれば、前記車両に搭載されるバッテリの大型化や高コスト化を抑えることができ、利便性を高めることができる。また、前記車両の状態に適したガスの検出を行うことができる。
以下、この発明の実施の形態における燃料電池車両について図面と共に説明する。
図1は本発明の実施の形態における燃料電池車両の概略構成図である。
燃料電池5は、例えば固体ポリマーイオン交換膜等からなる固体高分子電解質膜をアノードとカソードとで両側から挟み込んで形成されたセルを複数積層して構成されたスタックからなり、アノードに燃料として水素を供給し、カソードに酸化剤として酸素を含む空気を供給すると、アノードで触媒反応により発生した水素イオンが、固体高分子電解質膜を通過してカソードまで移動して、カソードで酸素と電気化学反応を起こして発電し、水が生成される。カソード側で生じた生成水の一部は固体高分子電解質膜を介してアノード側に逆拡散するため、アノード側にも生成水が存在する。
空気はコンプレッサ12により所定圧力に加圧され、空気供給流路7を通って燃料電池5のカソードに供給される。燃料電池5に供給された空気は発電に供された後、燃料電池5からカソード側の生成水と共に空気排出流路9に排出され、パージ水素希釈装置13に導入される。
一方、水素タンク11から供給される水素は、水素供給流路6を通って燃料電池5のアノードに供給される。そして、燃料電池5から排出された水素は、水素排出流路8に排出される。水素排出流路8はパージ水素希釈装置13に接続されている。
燃料電池1から排出された水素は、水素排出流路8を介してパージ水素希釈装置13に導入される。そして、空気排出流路9を介してパージ水素希釈装置13に導入された空気によって水素は希釈され、希釈された水素が排出管14から排出ガスとして排出される。
図2は実施の形態におけるガス検出装置の要部断面図である。同図に示すように、排出管14にはガスセンサ1が設けられている。ガスセンサ1は、排出管14を流通する排出ガスの水素濃度を検出するためのものであり、このガスセンサ1の出力信号が制御装置2に入力される。
制御装置2は、例えば、ガスセンサ1から出力される検出信号と、所定の判定閾値との比較結果に応じて、燃料電池5の異常状態が発生しているか否かを判定し、異常状態であると判定した際には、警報装置(図示せず)によって警報等を出力する。
例えば図3に示すように、ガスセンサ1は水平方向に伸びる排出管14の長手方向、つまり水平方向に沿って長い直方形状のケース21を備えている。ケース21は、例えばポリフェニレンサルファイド製であって、長手方向両端部にフランジ部22を備えている。
また、ケース21の厚さ方向の端面には筒状部26が形成され、筒状部26の内部はガス検出部27として形成され、ガス検出部27の内部側面には、内側に向かってフランジ部28が形成され、フランジ部28の内周部分がガス導入部29として開口形成されている。
ケース21内には樹脂で封止された回路基板30が設けられ、筒状部26の内部に配置された検出素子31および温度補償素子32は、回路基板30に接続されている。そして、各素子31,32は回路基板30に接続された複数、例えば4個の通電用のステー33およびリード線である白金ワイヤ33aにより、ガス検出部27の底面側に配置されたベース34や金属母材38から、ガスセンサ1の厚さ方向に所定距離だけ離間した位置において、所定間隔を隔てて対をなすようにして配置されている。また、筒状部26の外周面にシール材35が取り付けられ、このシール材35が排出管14の貫通孔14aの内周壁に密接して気密性を確保している。
検出素子31は接触燃焼式の素子であって、電気抵抗に対する温度係数が高い白金等を含む金属線のコイルの表面が、検出対象ガスとされる水素に対して活性な貴金属等からなる触媒を坦持するアルミナ等の坦体で被覆されて形成されている。
温度補償素子32は、検出対象ガスに対して不活性とされ、例えば検出素子31と同等のコイルの表面がアルミナ等の坦体で被覆されて形成されている。
そして、検出対象ガスである水素が検出素子31の触媒に接触した際に生じる燃焼反応の発熱により高温となった検出素子31と、検出対象ガスによる燃焼反応が発生せず検出素子31よりも低温の温度補償素子32との間に電気抵抗値の差が生ずることを利用し、雰囲気温度による電気抵抗値の変化分を相殺して水素濃度を検出することができるようになっている。
また、検出素子39は半導体式の素子であって、一対の白金系金属の合金線コイルの間にプレス成型した酸化スズ等からなる金属酸化物半導体の焼結体を挟み、コイルの周囲と同じ半導体材料で覆った構造となっている。そして、半導体表面に検出対象ガスである水素が接触したときに生ずる半導体本体の電気抵抗の変化を利用して、水素濃度を検出することができるようになっている。
また、ガス検出部27内には略矩形板状のヒータ36が配置されている。このヒータ36は抵抗体等から構成され、回路基板30によって通電されることでガス検出部27内および各素子31,32,39を加熱するものである。
加えて、ガス検出部27内には、環境影響、例えば湿気や検出対象ガスの影響度を少なくする為に、撥水フィルタ40やフィルタ41が配設されている。
このように、本実施の形態におけるガスセンサ1は、接触燃焼式ガスセンサ1aと半導体式ガスセンサ1bとを備えて構成されている。それぞれのセンサ1a、1bの回路構成について、図5、図6を用いて説明する。
図5に示すように、接触燃焼式ガスセンサ1aは、検出素子31(抵抗値R4)及び温度補償素子32(抵抗値R3)が直列接続されてなる枝辺と、固定抵抗41(抵抗値R1)及び固定抵抗42(抵抗値R2)が直列接続されてなる枝辺とが、電源回路44に対して並列に接続されてなるブリッジ回路を有している。電源回路44は、外部の電源43から供給される電圧に基づいて所定の基準電圧を印加するためのものである。前記ブリッジ回路において、検出素子31と温度補償素子32同士の接続点PSには、ヒータ36が接続されている。そして、この接続点PSと、固定抵抗41,42同士の接続点PRとの間には、例えばオペアンプ等からなる増幅回路46が接続されており、該増幅回路を介して出力回路(図示せず)に接続される。
ここで、ガス検出室27内に導入されたガス中に検出対象ガスである水素が存在しないときには、ブリッジ回路はバランスしてR1×R4=R2×R3の状態にあり、ブリッジ回路の出力がゼロとなる。一方、水素が存在すると、検出素子31の触媒(図示せず)において水素が燃焼して温度が上昇するため、抵抗値R4が増大する。これに対して温度補償素子32においては水素は燃焼せず、抵抗値R3は変化しない。これにより、ブリッジ回路の平衡が破れて、水素濃度の増大変化に応じて増大傾向に変化する適宜の電圧が増幅回路46に印加され、該増幅回路46により増幅された電圧を制御装置2に出力する。そして、制御装置2においては、この電圧の検出値の変化に応じて予め設定された水素濃度のマップ等に基づいて、水素濃度が算出される。
一方、図6に示すように、半導体式ガスセンサ1bは、検出素子39とヒータ36とが電源回路44に対して並列に接続されており、ヒータ36のジュール熱により検出素子39を加熱することが可能である。また、検出素子39は、出力回路(図示せず)に接続された固定抵抗47と直列に接続されている。
図7は接触燃焼式ガスセンサ1aと半導体式ガスセンサ1bのそれぞれの、検出対象ガス濃度と出力との関係を示すグラフ図である。
同図に示すように、前記接触燃焼式センサ1aは、検出対象ガスである水素の濃度に対する出力がリニア(直線状)になっているため、比較的低濃度域から高濃度域までのセンシングを行うことが可能である。
これに対し、半導体式ガスセンサ1bは、低濃度領域における水素の濃度に対する出力が高いという特性を有するため、該低濃度領域におけるセンシングに適している。
本実施の形態では、燃料電池5により発電を行わせている運転状態に、前記接触燃焼式ガスセンサ1aにより検出対象ガスを検出する。これにより、検出対象ガスである水素の濃度に対する出力がリニア(直線状)になるという接触燃焼式ガスセンサ1aの特性を活かすことができる。従って、運転状態において、検出対象ガスを高濃度域から低濃度域まで安定した精度で検出を行うことができる。また、前記運転状態には燃料電池5による発電が行われるので、前記接触燃焼式ガスセンサ1aには電力を安定して供給することが可能である。
一方、上述のように、接触燃焼式ガスセンサ1aにおいては、ブリッジ回路を構成要素である検出素子31と温度補償素子32との電圧の差分により水素濃度を検出するため、増幅回路が必要となり回路構成は複雑となる。その結果、消費電力は比較的大きくなり、車両10の停止時に使用するには適さない。
本実施の形態では、前記燃料電池車両10の停止状態に、前記半導体式ガスセンサ1bにより検出対象ガスである水素を検出する。半導体式ガスセンサ1bは、回路上の負荷抵抗を分圧して検出素子39自身の抵抗値の変化を直接読み取る構成であるので、接触燃焼式ガスセンサ1aと異なり増幅回路46を不要とすることができる。従って、接触燃焼式ガスセンサ1aに比べて簡便な回路構成となって消費電力を低く抑える事が可能となる。
これにより、前記停止状態において前記半導体式ガスセンサ1bの作動のために車両10に備えたバッテリ等の電源装置(図示せず)に要求される電力を前記接触燃焼式ガスセンサ1bの場合に比して低減することができる。従って、車両10に搭載される電源装置の大型化や高コスト化を抑えることができ、利便性を高めることができる。
また、前記停止状態には、燃料電池5に対する水素の供給も停止しており、比較的低濃度領域での検出精度が要求されるため、該低濃度領域における水素の濃度に対する出力が高いという前記半導体式ガスセンサ1bの特性を活かすことができる。従って、燃料電池車両10の状態に適したガスの検出を行うことができる。
ここで、車両10の停止状態におけるセンサ1bへの電力は、連続的に供給しても良いし、所定時間毎に間欠的に供給してもよい。
なお、図2には接触燃焼式の検出素子31と半導体式の検出素子39とを同一のガス検出部27内に具備した場合を示したが、この構成に限らず、検出素子31、39を個別のガス検出部27内に設けるようにしてもよい(図4参照)。
また、本発明の内容は上述の実施の形態のみに限られるものでないことはもちろんである。例えば、実施の形態においては、検出対象ガスが水素である場合について説明したが、これに限らず他のガス(メタノール、大気等)であってもよい。また、実施の形態においては、ガス検出装置を燃料電池システムに適用した場合について説明したが、運転状態と停止状態とを有する他のシステムに適用することもできる。
本発明の実施の形態における燃料電池車両の全体構成図である。 図1に示すガスセンサの断面図である。 図2に示すA−A線に沿う概略断面図である。 図1に示すガスセンサの変形例を示す断面図である。 図1に示す接触燃焼式ガスセンサの回路図である。 図1に示す半導体式ガスセンサの回路図である。 接触燃焼式ガスセンサと半導体式ガスセンサのそれぞれの、検出対象ガス濃度と出力との関係を示すグラフ図である。
符号の説明
1…ガスセンサ
1a…接触燃焼式ガスセンサ(ガスセンサ)
1b…半導体式ガスセンサ(ガスセンサ)
2…制御装置
10…燃料電池車両(ガス検出システム)

Claims (2)

  1. 接触燃焼式ガスセンサと、半導体式ガスセンサと、を備え、
    少なくとも発電を行う運転状態と、停止状態とを有するガス検出システムにおいて、
    前記運転状態には、前記接触燃焼式ガスセンサにより検出対象ガスを検出し、
    前記停止状態には、前記半導体式ガスセンサにより検出対象ガスを検出することを特徴とするガス検出システム。
  2. 水素ガス含有ガスと酸素含有ガスとを供給することによる化学反応によって発電する燃料電池を搭載した燃料電池車両であって、
    接触燃焼式ガスセンサと、半導体式ガスセンサと、を備え、
    前記燃料電池の運転状態には、前記接触燃焼式ガスセンサにより検出対象ガスを検出し、
    前記燃料電池の停止状態には、前記半導体式ガスセンサにより検出対象ガスを検出することを特徴とする燃料電池車両。
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