JP5981256B2 - ガスセンサのヒータ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ガスセンサのヒータ制御装置に関する。
従来から、大気中の特定のガスを検知するためセンサ素子を用いたガスセンサが使用されている。この種のガスセンサは、例えば自動車の排ガス中に含まれる炭化水素(HC)や酸素(O)等の特定ガス成分の濃度を検知できるため、自動車エンジン等の内燃機関の排気通路に設けられ、内燃機関や排ガス浄化装置の制御に用いられている。
この種のセンサ素子を自動車用排ガスセンサに用いる場合、排ガス中の水滴がガスセンサに付着すると、部分急冷による熱応力が生じ、ガスセンサに割れが生じるという問題がある。その対策として、センサ素子の全周を多孔質保護層で覆い、被水してもガスセンサに直接水滴が当たらず、熱応力を緩和するという技術が提案されている(例えば、特許文献1及び2)。例えば特許文献1には、多孔質保護層を備えたガスセンサにおいて、多孔質保護層のヒータ側のエッジ部に面を形成することが提案されている。同文献には、かかる構成によって、多孔質保護層の剥離強度を向上し得ることが記載されている。
特開2010−107409号公報 特開2007−121323号公報
近年、ガソリンエンジンと電動モータとを使い分けるハイブリッド車や、信号待ちなどの短い停車中にエンジンを停止させる車種など、いわゆるエコカーと呼ばれる低燃費自動車が開発されている。例えばハイブリッド車では、低速域や軽負荷領域では効率の低いエンジンを停止して、電動モーターのみで走行する。これにより、燃費の改善が図られている。これらの低燃費自動車では、エンジンの動作時間が減ることから、排ガス温度が低下する傾向にある。
ところで、エンジンから排出される排ガス中には、煤などの粒子状物質(パティキュレートマター、以下「PM」ともいう。)が含まれている。通常、ガスセンサは、エンジンの排気通路に配置されているため、エンジンから排出されたPMは排ガスの熱により燃焼除去され、その影響は小さく問題視されない。
しかしながら、前述した低燃費自動車の場合、エンジンの動作時間が減ることから、排ガス温度がそれほど高くならない。本発明者が得た知見によれば、排ガス温度が比較的低い低燃費自動車については、エンジンから排出されたPMが完全燃焼せず、ガスセンサに付着する場合があり得る。実際、本発明者がエコカーを模擬した加速試験(低回転、低負荷、リッチでの連続運転)を行ったところ、エンジンから排出されたPMが完全燃焼せず、ガスセンサの内部、特に多孔質保護層とセンサ素子との界面に多く蓄積していることが分かった(図8(a)及び(b)参照)。このようなPMの蓄積は、ガスセンサの応答性を低下させる要因となり得る。本発明は、かかる課題を解決するものである。
本発明者は、ガスセンサを排気通路に配置した内燃機関において、ガスセンサの応答性を悪くする要因は、運転時に燃焼除去されなかったPMのガスセンサ内部への蓄積であることに思い至り、さらに、かかる蓄積を阻止する機構として、ガスセンサに入り込んだPMを除去するための特別な昇温制御を所定のタイミングで行うことが効果的であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明によって提供されるガスセンサのヒータ制御装置は、センサ素子と、該センサ素子の少なくとも一部を覆う多孔質保護層と、該センサ素子を加熱するヒータ部とを含み、内燃機関の排気通路に配置されたガスセンサの該ヒータ部を昇温制御するヒータ制御装置であって、上記センサ素子を通常の制御温度まで昇温させる通常昇温処理と、上記通常昇温処理とは異なり、上記ガスセンサに入り込んだPMを排除するための特別な昇温制御を所定のタイミングで行う特別昇温処理とを実行するように構成されている。
ここで開示されるヒータ制御装置は、センサ素子を通常の制御温度まで昇温させる通常昇温処理とは異なり、センサ素子に入り込んだ粒子状物質(PM)を除去するための特別な昇温制御(特別昇温処理)を所定のタイミングで行うように構成されている。そのため、運転中に内燃機関から排出されたPMがガスセンサの内部に入り込んだとしても、適切なタイミングで上記特別昇温処理を行うことで、ガスセンサに入り込んだPMを燃焼除去することができる。したがって、本発明によると、ガスセンサ内部へのPMの蓄積が有効に抑えられ、高いセンサ特性を安定して発揮し得るガスセンサならびに該ガスセンサのヒータ制御装置を提供することができる。
ここで開示されるヒータ制御装置の好ましい一態様では、上記内燃機関が停止してから所定時間t1が経過した後、上記特別昇温処理を行うように構成されている。内燃機関の停止後は、排気通路内に大気が流入してガスセンサ周辺の酸素量が増大する。このような酸素量が増大したタイミングで上述の特別昇温処理を行うことにより、PMが効率よく燃焼する。
ここで開示されるヒータ制御装置の好ましい一態様では、上記内燃機関停止後における所定時間t1は、10秒〜30秒の範囲内に設定されている。所定時間t1が10秒よりも短すぎると、排気通路内に流入した酸素量が足りず、PMの燃焼が不十分になる場合がある。その一方、所定時間t1が30秒より長すぎると、ガスセンサ周辺の温度が下がり、センサ素子の加熱に多大なエネルギーが必要になる場合がある。
ここで開示されるヒータ制御装置の好ましい一態様では、上記特別昇温処理の継続時間が所定の基準タイムt2を上回った場合に、上記特別昇温処理を終了するように構成されている。上記特別昇温処理の継続時間に対する基準タイムt2は、例えば10秒〜100秒の範囲内に設定されている。継続時間の基準タイムt2が10秒よりも短すぎると、センサ素子の昇温が不十分で、PMが完全に除去できない場合があり、一方、基準タイムt2が100秒よりも長すぎると、エネルギー消費が増えるとともに、上述したPM除去効果も鈍化するためメリットがあまりない。
ここで開示されるヒータ制御装置の好ましい一態様では、上記特別昇温処理におけるセンサ素子の制御温度は、上記通常の制御温度(例えば700℃)と同じ温度かそれよりも所定値T1だけ高い温度に設定されている。所定値T1は、典型的には10℃〜100℃の範囲内に設定されているとよい。このような特別昇温処理における制御温度とすることで、上述のPMの燃焼がより好適に行われる。
ここで開示されるヒータ制御装置の好ましい一態様では、走行中に上記内燃機関に対する燃料の供給が停止されるフューエルカット時もしくは停車時に上記内燃機関が一時的に停止されるアイドルストップ時において、上記特別昇温処理を行うように構成されている。フューエルカットもしくはアイドルストップの実行期間中は、排気通路内のガスセンサ周辺の酸素濃度が一時的に上昇する。このような酸素濃度が上昇したタイミングで上述の特別昇温処理を行うことにより、PMが効率よく燃焼する。
ここで開示されるヒータ制御装置の好ましい一態様では、上記特別昇温処理におけるセンサ素子の制御温度は、上記通常の制御温度よりも所定値T2だけ高い温度に設定されている。所定値T2は、例えば10℃〜100℃の範囲内に設定されているとよい。所定値T2が低すぎると、PMの燃焼が不十分になり、上述の効果が十分に発揮されない場合がある。一方、所定値T2が高すぎると、熱によりセンサ素子の劣化を引き起こす可能性がある。
ここで開示されるヒータ制御装置の好ましい一態様では、上記特別昇温処理の継続時間が所定の基準タイムt3を上回った場合に、上記特別昇温処理を終了するように構成されている。例えば特別昇温処理の継続時間に対する基準タイムt3は、例えば10秒〜100秒の範囲内に設定されている。かかる構成によると、PMの燃焼除去が効率よく行われる。
ここで開示されるヒータ制御装置の好ましい一態様では、上記ガスセンサは、酸素イオン伝導性を有する固体電解質層が測定電極と基準電極とに挟持されており、上記測定電極上に金属酸化物からなる拡散抵抗層が形成され、上記拡散抵抗層の少なくとも一部を覆うように金属化合物からなる上記多孔質保護層が形成されている。多孔質保護層で拡散抵抗層を被覆したガスセンサは、多孔質保護層と拡散抵抗層との界面にPMが蓄積しやすい。したがって、上記PMの蓄積を有効に阻止できる本発明のヒータ制御装置は、上記のような多孔質保護層で拡散抵抗層を被覆したガスセンサに対して、特に好適に適用され得る。
本発明の一実施形態に係る排ガス浄化装置を模式的に示した図である。 本発明の一実施形態に係るガスセンサを模式的に示した断面図である。 本発明の一実施形態に係るヒータ制御装置を模式的に示したブロック図である。 本発明の一実施形態に係る制御フローを示す図である。 本発明の一実施形態に係る制御フローを示す図である。 本発明の一実施形態に係る制御フローを示す図である。 本発明の一実施形態に係る制御フローを示す図である。 (a)は加速試験後における多孔質保護層と拡散抵抗層との境界を示す顕微鏡の写像であり、(b)は多孔質保護層と拡散抵抗層との境界に堆積したPM(ここでは炭素)の状態が分かるように(a)を画像処理した写像である。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
(第1実施形態)
先ず、本発明の一実施形態に係る排ガス浄化装置の構成について図1を参照しつつ説明する。ここで開示される排ガス浄化装置は、該内燃機関の排気系に設けられている。図1は、内燃機関1と、該内燃機関1の排気系に設けられた排ガス浄化装置100を模式的に示す図である。
A.内燃機関
本実施形態に係る内燃機関(エンジン)には、酸素と燃料ガスとを含む混合気が供給される。内燃機関は、この混合気を燃焼させ、燃焼エネルギーを力学的エネルギーに変換する。このときに燃焼された混合気は排ガスとなって後述の排気系に排出される。図1に示す構成の内燃機関1は、自動車のガソリンエンジンを主体として構成されているが、ガソリンエンジン以外のエンジン(例えばディーゼルエンジン等)を用いることもできる。また、混合気ではなく、シリンダ内に直接燃料(ディーゼル燃料等)を噴射するようにしてもよい。
図1に示す構成の内燃機関(以下、エンジンという)1は、シリンダブロック12上にシリンダヘッド13が連結されている。シリンダブロック12には、複数のシリンダボア14が形成されている。シリンダボア14には、ピストン15がそれぞれ上下移動自在に嵌合している。シリンダブロック12の下部には、クランクシャフト(図示せず)が回転自在に支持されている。各ピストン15はコネクティングロッド16を介してクランクシャフトにそれぞれ連結されている。以下では、一つの気筒についてのみ説明する。
燃焼室17は、シリンダブロック12とシリンダヘッド13とピストン15により構成されている。燃焼室17には、それぞれ吸気ポート18および排気ポート19が連通している。吸気ポート18と燃焼室17との間には、吸気バルブ20の下端部が位置している。かかる吸気バルブ20の上下移動により、吸気ポート18が開閉される。排気ポート19と燃焼室17との間には、排気バルブ21の下端部が位置している。かかる排気バルブ21の上下移動により、排気ポート19が開閉される。以下の説明では、吸気ポート18よりも上流側に設けられ、エンジン1に空気(酸素)を供給する系を「吸気系」と称し、排気ポート19よりも下流側に設けられ、エンジン1で生じた排ガスを外部に排出する系を「排気系」と称する。
A−1.吸気系
上記エンジン1の吸気系について説明する。上記エンジン1を吸気系に連通させる吸気ポート18にはインテークマニホールド22が接続されている。当該インテークマニホールド22は吸気管23に接続されており、吸気管23にはエアクリーナ24が接続されている。吸気管23における下流側には、スロットル弁25が設けられている。このスロットル弁25を開閉することでエンジン1に供給される空気の量を調整できる。また、スロットル弁25の近傍には、スロットル弁25の開度を検出するスロットルセンサ(図示省略)が配置されてもよい。
A−2.排気系
次に、エンジン1の排気系について説明する。上記エンジン1を排気系に連通させる排気ポート19は、エキゾーストマニホールド28が接続されている。エキゾーストマニホールド28は、排ガスが流通する排気管29に接続されている。エキゾーストマニホールド28と排気管29とにより本実施形態の排気通路(28、29)が形成されている。
B.排ガス浄化装置
ここで開示される排ガス浄化装置は、上記エンジン1の排気系に設けられている。この排ガス浄化装置は、触媒部40とECU30とガスセンサ50とを備え、上記排出される排ガスに含まれる有害成分(例えば、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NO))を浄化する。
B−1.触媒部
次に、触媒部40について詳細に説明する。触媒部40は、上記エンジン1に連通する排気管29に設けられており、具体的には図1に示すように、排気管29の下流側に設けられている。触媒部40の種類は特に限定されない。
B−2.ガスセンサ
触媒部40よりも下流側の排気管29には、ガスセンサ50が配置されている。このガスセンサ50は、触媒部40よりも下流側の排気管29に流れる排ガス中の特定ガス成分(ここでは酸素)の濃度を検出するセンサであり、排ガスの空燃比を検出するためのセンサである。ガスセンサ50の配置位置は、上記排ガスの酸素濃度を測定できれば図1に図示される位置に限定されるものではない。かかるガスセンサ50は、少なくとも空燃比がリッチ側またはリーン側にあることを検出できるセンサであればよい。この実施形態では、ガスセンサ50は、排気ガス中の酸素濃度に応じてリニアに空燃比を検出するセンサ(例えば、限界電流式酸素センサ)である。ただし、これに限定されず、ガスセンサ50として、センサ素子の起電力を出力する酸素センサを用いてもよい。なお、ガスセンサ50は、触媒部40よりも上流側の排気管29に配置してもよい。また、その数は1つに限らず、複数のガスセンサ50を配置してもよい。例えば、触媒部40の上流側と下流側の双方に、それぞれガスセンサ50を配置してもよい。
図2は、本実施形態のガスセンサの主要部の構成の一例を示す模式図であり、その横断面を示したものである。ガスセンサ50は、排ガス中の酸素濃度を検出するためのセンサ素子60と、センサ素子60を加熱するためのヒータ部70と、センサ素子60の周囲を排ガス中の水分から防護する多孔質保護層52と、から構成されている。
B−2−1.センサ素子
センサ素子60は、固体電解質体62を備えている。固体電解質体62は、酸素イオン伝導性を有する固体電解質から構成されている。かかる固体電解質としては、例えば、ジルコニア(例えば、イットリア安定化ジルコニア(YSZ))などが挙げられる。また、固体電解質体62の外側には測定電極64aが形成されており、測定電極64aの外側には拡散抵抗層66が形成されている。拡散抵抗層66は、測定電極64aに対する排ガスの導入量を規制する層であり、排ガスは拡散抵抗層66を通じて測定電極64aに到達する。拡散抵抗層66の材料としては、アルミナ、ジルコニア、セリア等の多孔材を構成し得る材料を用いればよい。一方、固体電解質体62の内側には、基準電極64bが形成されており、基準電極64bの内側には保護層68が形成されている。保護層68は、ここではアルミナから構成されている。基準電極64bおよび測定電極64aは共に、白金等の触媒活性の高い貴金属から構成されている。
B−2−2.ヒータ部
ヒータ部70は、アルミナを主体とする絶縁基体72と、絶縁基体72上に積層された発熱抵抗体74とから構成されている。ジルコニア等からなる固体電解質体62は、常温では絶縁性を示すが、高温環境下になると活性化され、高い酸素イオン伝導性を示すようになる。ヒータ部70は、上記固体電解質体62の加熱領域を形成してその活性化温度となるように加熱制御される。この実施形態では、ヒータ部70は、固体電解質体62の基準電極64b側において保護層68の外側に配設されている。発熱抵抗体74は、例えば、白金等の抵抗体から構成されている。
B−2−3.多孔質保護層
多孔質保護層52は、多数のセラミックス粒子を結合させた多孔質体により構成されており、水分がセンサ素子60に到達してセンサ素子60が被水割れするのを抑制するために設けられている。多孔質保護層52は、センサ素子60およびヒータ70の全周を覆うように設けられている。多孔質保護層52は、例えば、アルミナ、スピネル、ムライト等を主体とする金属酸化物や炭化珪素等の金属炭化物などのセラミックス粒子から構成されている。必要に応じてセラミックス粒子に貴金属粒子(触媒)を担持させてもよい。かかる貴金属粒子としては、パラジウムやロジウムを単独で、もしくはパラジウム、ロジウムおよび白金のうちの2種以上の合金を使用することができる。これらの貴金属粒子は、多孔質保護層52と拡散抵抗層66との間に配置してもよい。
このように構成されたガスセンサ50において、固体電解質体62およびその両面にある一対の電極64a、64bは、両電極間の酸素濃度に応じて起電力を発生させる酸素濃度検出セルとして機能する。すなわち、一対の電極64a、64bに対し、酸素濃度差と電流がリニアな相関を有する電圧を印加し、一方の電極(測定電極)64aに被測定ガスを接触させ、他方の電極(基準電極)64bには大気等の基準ガスを接触させ、双方の酸素濃度差に応じて電極間に生じる電流値を測定し、測定電流に基づいてエンジンの空燃比を検知することができる。
B−3.制御部
制御部(ECU:Engine Control Unit)30は、主としてデジタルコンピュータから構成されており、排ガス浄化装置100の稼働における制御装置として機能する。制御部30は、例えば、読み込み専用の記憶装置であるROM、読み書き可能な記憶装置であるRAM、任意の演算や判別を行うCPU、入力ポートおよび出力ポートを有している。制御部30では、ガスセンサ50への通電の制御が行われるとともに、ガスセンサ50からの出力に基づき、エンジン1の空燃比フィードバック制御が行われる。例えば、制御部30は、検出した吸入空気量、スロットル開度(またはアクセル開度)、エンジン回転数等のエンジン運転状態に基づいて、インジェクタ26の燃料噴射タイミングや点火プラグ27の点火時期等を制御することが可能である。
C:ヒータ制御装置
かかる排ガス浄化装置100の一部として、本実施形態にかかるガスセンサ50のヒータ制御装置80が設けられている。以下、ヒータ制御装置80について説明する。上述した制御部(ECU)30は、本発明に係るヒータ制御装置80としても機能する。
図3は、本実施形態に係るヒータ制御装置80の構成を示すブロック図である。図3に示すように、ヒータ制御装置80は、ヒータ制御部82を備えている。ヒータ制御部82は、センサ素子60を通常の制御温度まで昇温させる処理(通常昇温処理)を実行するように構成されている。また、ヒータ制御部82は、通常昇温処理とは異なり、センサ素子60に入り込んだPMを除去するための特別な昇温制御(特別昇温処理)を所定のタイミングで実行するように構成されている。特別昇温処理を行うタイミングは、エンジンの稼働中であってもよく、エンジンの停止後であってよい。この実施形態では、エンジンの停止後に特別昇温処理が行われる。
図3に示す構成のヒータ制御装置80は、ヒータ駆動回路84を備えている。ヒータ駆動回路84は、制御部30のCPUに電気的に接続されている。また、ヒータ駆動回路84は、ガスセンサ50に設けられたヒータ部70の発熱抵抗体74に接続されている(図2参照)。ヒータ駆動回路84は、ヒータ制御部82からのパルス信号を受け、そのパルス信号に応じてバッテリの電圧を発熱抵抗体74の両端へ印加する(ヒータ部70に通電する)。これにより、発熱抵抗体74を発熱させて、センサ素子60を加熱する。
<通常昇温処理>
ヒータ制御部82は、通常昇温処理を行う場合、ヒータ駆動回路84に対して、通常昇温処理パルス信号を出力する。該信号を受信したヒータ駆動回路84は、ヒータ制御部82から出力された通常昇温処理パルス信号に応じて、発熱抵抗体74(図2参照)の両端に電圧を印加する。これにより、発熱抵抗体74を発熱させて、センサ素子60を通常の制御温度まで昇温する。通常昇温処理における制御温度は、センサ素子60が好適に活性化するような温度範囲内に設定することが好ましい。例えば、ガスセンサ50が酸素センサの場合、500℃〜650℃、好ましくは500℃〜600℃の温度範囲内に設定するとよい。また、ガスセンサ50が全領域空燃比センサの場合、650℃〜800℃、好ましくは700℃〜800℃の温度範囲内に設定するとよい。上述した制御温度の値は、あらかじめヒータ制御部82に設定しておくとよい。
<特別昇温処理>
また、ヒータ制御部82は、特別昇温処理を行うタイミングになると、ヒータ駆動回路84に対して、特別昇温処理パルス信号を出力する。該信号を受信したヒータ駆動回路84は、ヒータ制御部82から出力された特別昇温処理パルス信号に応じて、発熱抵抗体74の両端に電圧を印加する。これにより、発熱抵抗体74(図2参照)を発熱させて、センサ素子60を所定の制御温度まで昇温する。かかる特別昇温処理により、ガスセンサ50の内部に入り込んだPMが燃焼除去され得る。特別昇温処理における制御温度は、ガスセンサ50の内部に蓄積したPMが完全燃焼し得るような温度に設定することが好ましい。該温度が低すぎると、ガスセンサ50の内部に蓄積したPMを完全燃焼させることが難しくなる。ガスセンサ50の内部にPMが蓄積すると、センサ応答性が低下する要因になり得る。例えば、特別昇温処理における制御温度は、通常の制御温度と同じ温度であってもよいが、それよりも所定値T1(例えば10℃以上、好ましくは20℃以上、特に好ましくは30℃以上)だけ高い温度に設定されていることが好ましい。このようにガスセンサ50を通常の制御温度よりも高い温度まで昇温することで、ガスセンサ50に蓄積したPMをより効果的に燃焼除去することができる。その一方で、上記所定値T1が高すぎると、熱によりセンサ素子の劣化を引き起こす可能性がある。この点からは、所定値T1は、100℃以下が適当であり、好ましくは90℃以下である。上述した制御温度の値は、あらかじめヒータ制御部82に設定しておくとよい。
このように構成されたヒータ制御装置80の動作について説明する。図4は、本実施形態に係るヒータ制御装置80により実行される処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎に繰り返し実行される。
図4に示す処理ルーチンが実行されると、先ず、ヒータ制御部82は、ステップS10において、特別昇温処理を行うタイミングであるか否かを判定する。この判定は、後述する特別昇温処理の開始条件に基づいて行われる。特別昇温処理を行うタイミングであると判定した場合(YES)、ステップS11に進み、特別昇温処理を実施する。すなわち、ヒータ制御部82は、特別昇温処理パルス信号をヒータ駆動回路84に出力し、該信号を受信したヒータ駆動回路84は、ヒータ制御部82から出力された特別昇温処理パルス信号に応じて、発熱抵抗体74(図2参照)の両端に電圧を印加する。これにより、センサ素子60を所定の制御温度まで昇温して、ガスセンサ50に入り込んだPMを燃焼除去する。
一方、ステップS10において、特別昇温処理を行うタイミングでないと判定した場合(NO)、ステップS12に進む。ステップS12では、ヒータ制御部82は、通常昇温処理を行うタイミングであるか否かを判定する。この判定は、例えばエンジンの作動状況に基づいて行うとよい。例えば、エンジン作動中の場合には通常昇温処理を行うタイミングであると判定し、エンジン停止中の場合には通常昇温処理を行わないタイミングであると判定するとよい。ステップS12で通常昇温処理を行うタイミングであると判定した場合(YES)には、ステップS13に進む。ステップS13では、通常昇温処理を実施する。すなわち、ヒータ制御部82は、通常昇温処理パルス信号をヒータ駆動回路84に出力し、該信号を受信したヒータ駆動回路84は、ヒータ制御部82から出力された通常昇温処理パルス信号に応じて、発熱抵抗体74(図2参照)の両端に電圧を印加する。これにより、センサ素子60が通常の制御温度に維持され、これ以降は通常のセンサ制御が行われる。一方、ステップS12において、通常昇温処理を行うタイミングでないと判定した場合(NO)、今回の処理ルーチンを終了する。
<特別昇温処理の開始条件>
次に、特別昇温処理を行うタイミングについて説明する。この実施形態では、ヒータ制御部82は、エンジン1が停止してから所定時間t1が経過した後、特別昇温処理を行うように構成されている。
具体的には、図3に示すように、ヒータ制御部82は、イグニッション(IG)スイッチ86と電気的に接続されている。ヒータ制御部82は、イグニッションスイッチ86がオフになってから所定時間t1が経過すると、ヒータ駆動回路84に対して、特別昇温処理パルス信号を出力する。該信号を受信したヒータ駆動回路84は、ヒータ制御部82から出力された特別昇温処理パルス信号に応じて、センサ素子60が所定の制御温度で維持されるように、発熱抵抗体74(図2参照)の両端に電圧を印加する。これにより、発熱抵抗体74を発熱させて、特別昇温処理を開始する。
エンジン停止後における所定時間t1は、エンジン停止後に排気通路内に大気が流入してガスセンサ50周辺の酸素量が十分に増大した後に、特別昇温処理を開始するように設定することが好ましい。例えば、所定時間t1は、概ね10秒以上、さらには15秒以上、特には20秒以上に設定することが望ましい。このようにガスセンサ50周辺の酸素量が増大したタイミングで特別昇温処理を開始することにより、PMが効率よく燃焼する。その一方で、所定時間t1が長すぎると、ガスセンサ周辺の温度が下がり、センサ素子の加熱に多大なエネルギーが必要になる場合がある。この点からは、所定時間t1は30秒以下が適当であり、好ましくは25秒以下である。
<特別昇温処理の停止条件>
また、ヒータ制御部82は、特別昇温処理の継続時間が所定の基準タイムt2を上回った場合に、特別昇温処理を終了するように構成されている。特別昇温処理の継続時間に対する基準タイムt2は、センサ素子60の内部に蓄積したPMを完全除去した後に、特別昇温処理を終了するように設定することが好ましい。例えば、特別昇温処理の継続時間に対する基準タイムt2は、概ね10秒以上、好ましくは20秒以上、特に好ましくは30秒以上に設定することが望ましい。このように継続時間に対する基準タイムt2を設定することにより、PMを完全除去し得る。一方、基準タイムt2が長すぎると、エネルギー消費が増えるとともに、上述したPM除去効果も鈍化するためメリットがあまりない。基準タイムt2は、例えば100秒以下が適当であり、好ましくは90秒以下である。
このように構成されたヒータ制御装置80の動作について説明する。図5は、この実施形態に係るヒータ制御装置80により実行される特別昇温処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。
図5に示す処理ルーチンが実行されると、先ず、ヒータ制御部82は、ステップS20において、エンジン停止要求の判定をする。この判定は、入力されるイグニッション信号に基づいて行われる。ヒータ制御部82がイグニッション16のエンジン停止要求信号を受信していない場合、「エンジン停止要求なし」と判定(NO)し、以下の制御を実施せずに処理ルーチンが終了する。一方、ヒータ制御部82がイグニッション16のエンジン停止要求信号を受信した場合は、「エンジン停止要求あり」と判定(YES)する。
上記エンジンのエンジン停止要求の判定結果がYESになると、ヒータ制御部82は、内部タイマーをスタートさせて、エンジン停止後の時間の測定を開始する。そして、ステップS21において、エンジン停止から所定時間t1が経過したか否かを判定する。ここでの判定結果がNOの場合、所定時間t1が経過するまでステップS21を繰り返す。一方、判定結果がYESの場合、特別昇温処理を開始するタイミングであると判断し、次のステップS22に進む。
ステップS22では、ヒータ制御部82は、特別昇温処理パルス信号をヒータ駆動回路84に出力し、特別昇温処理を実行する。これにより、センサ素子60が加熱されて所定の制御温度まで昇温する。また、ヒータ制御部82は、内部タイマーをスタートさせて、特別昇温処理の継続時間の測定を開始する。そして、ステップS23に進み、特別昇温処理の継続時間が所定の基準タイムt2に達したか否かを判定する。ここでの判定結果がNOの場合、ステップS22に戻って特別昇温処理を続行する。一方、判定結果がYESの場合、特別昇温処理を終了させるタイミングであると判断し、ヒータ部70への通電を停止して、特別昇温処理を終了する。このようにして、エンジン停止後の適切なタイミングで、特別昇温処理を行うことができる。
上記実施形態では、エンジンが停止してから所定時間t1が経過した後、特別昇温処理が行われる。エンジン停止後は排気通路内に大気が流入してガスセンサ50周辺の酸素量が増大するため、エンジン稼働中に特別昇温処理を行う場合に比べて、PMを効率よく燃焼させることできる。
(第2実施形態)
以上、本発明の一実施形態にかかるヒータ制御装置80において実行されるヒータ制御について説明した。次に、本発明の他の一実施形態にかかるヒータ制御装置80によって実行可能なヒータ制御について説明する。
この実施形態では、制御部30は、エンジン1で消費する燃料を削減するために、走行中にエンジン1に対する燃料の供給を一時的に停止するフューエルカット制御を行うように構成されている。より具体的には、制御部30は、走行中に所定の条件が成立した場合に、フューエルカット制御を実行することを判断し、その判断に基づく停止信号をインジェクタ26(図1)に出力する。インジェクタ26は、上記停止信号によって該インジェクタ26からの燃料の供給を停止する。上記フューエルカット制御の実行の判断は、例えば、冷却水の水温、エンジン回転数およびスロットル開度(アクセル開度)等の情報に基づいて行うとよい。例えば、冷却水温が所定温度以上であり、かつエンジン回転数が所定回転数以上の状態で、スロットル開度がゼロになることを条件として行うことができる。燃料供給の再開は、例えば、車速の低下に伴ってエンジン回転数が所定回転数以下となることを条件として行うことができる。
<特別昇温処理の開始条件>
かかるフューエルカットを実行可能なエンジン1において、ヒータ制御部82は、フューエルカット時において、特別昇温処理を行うように構成されている。すなわち、ヒータ制御部82は、フューエルカット制御がオンになると、ヒータ駆動回路84に対して、特別昇温処理パルス信号を出力する。該信号を受信したヒータ駆動回路84は、ヒータ制御部82から出力された特別昇温処理パルス信号に応じて、センサ素子60が所定の制御温度で維持されるように、発熱抵抗体74(図2参照)の両端に電圧を印加する。これにより、発熱抵抗体74を発熱させて、特別昇温処理を開始する。
<特別昇温処理の終了条件>
また、ヒータ制御部82は、フューエルカット時の特別昇温処理の継続時間が所定の基準タイムt3を上回った場合に、特別昇温処理を終了するように構成されている。上記フューエルカット時の特別昇温処理の継続時間に対する基準タイムt3は、センサ素子60の内部に蓄積したPMが完全燃焼した後に、特別昇温処理を終了するように設定することが好ましい。例えば、上記フューエルカット時の特別昇温処理の継続時間に対する基準タイムt3は、概ね10秒以上(例えば10秒〜100秒)、さらには20秒以上、特には30秒以上に設定することが望ましい。その一方で、基準タイムt3が長すぎると、エネルギー消費が増えるとともに、上述したPM除去効果も鈍化するためメリットがあまりない。基準タイムt3は、例えば100秒以下が適当である。
このように構成されたヒータ制御装置80の動作について説明する。図6は、この実施形態に係るヒータ制御装置80により実行される特別昇温処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。
図6に示す処理ルーチンが実行されると、先ず、ヒータ制御部82は、ステップS30において、フューエルカットが実行中であるか否かを判定する。フューエルカットが実行中でない場合(NO)、以下の制御を実施せずに処理ルーチンが終了する。一方、ここでの判定結果がYESになると、ステップS31に進み、ヒータ制御部82は、特別昇温処理パルス信号をヒータ駆動回路84に出力し、特別昇温処理を実行する。これにより、センサ素子60が加熱されて所定の制御温度まで昇温する。また、ヒータ制御部82は、内部タイマーをスタートさせて、特別昇温処理の継続時間の測定を開始する。次のステップS32では、ヒータ制御部82は、特別昇温処理の継続時間が所定の基準タイムt3に達したか否かを判定する。ここでの判定結果がNOの場合、ステップS31に戻って特別昇温処理を続行する。一方、判定結果がYESの場合、特別昇温処理を終了させるタイミングであると判断し、特別昇温処理を終了する。このようにして、フューエルカットの実行期間中に、特別昇温処理を行うことができる。
上記実施形態では、エンジン稼働中のフューエルカット時に特別昇温処理が行われる。フューエルカットの実行期間中は、排気通路内においてガスセンサ50周辺の酸素濃度が一時的に上昇する。そのため、ガスセンサ50に入り込んだPMを効率よく燃焼させることができる。また、上述した実施形態1とは異なり、エンジン停止後にヒータ制御装置を作動させる必要がないため、エンジン停止時のバッテリの使用を回避することができる。
(第3実施形態)
以上、本発明の一実施形態にかかるヒータ制御装置80において実行されるヒータ制御について説明した。次に、本発明の他の一実施形態にかかるヒータ制御装置80によって実行可能なヒータ制御について説明する。
この実施形態では、制御部30は、エンジン1で消費する燃料を削減するために、信号待ち等の停車時にエンジン1が一時的に停止されるアイドルストップ制御を行うように構成されている。より具体的には、制御部30は、走行中に所定の条件が成立した場合に、アイドルストップ制御を実行することを判断し、その判断に基づく停止信号をエンジン1(図1)に出力し、エンジン1を停止する。上記アイドルストップ制御の実行の判断は、例えば、車速、ブレーキペダルのオン/オフ、冷却水の水温、バッテリ残存量等の情報に基づいて行うとよい。
<特別昇温処理の開始条件>
かかるアイドルストップを実行可能なエンジン1において、ヒータ制御部82は、アイドルストップ時において、特別昇温処理を行うように構成されている。すなわち、ヒータ制御部82は、アイドルストップ制御がオンになると、ヒータ駆動回路84に対して、特別昇温処理パルス信号を出力する。該信号を受信したヒータ駆動回路84は、ヒータ制御部82から出力された特別昇温処理パルス信号に応じて、センサ素子60が所定の制御温度で維持されるように、発熱抵抗体74(図2参照)の両端に電圧を印加する。これにより、発熱抵抗体74を発熱させて、特別昇温処理を開始する。
<特別昇温処理の終了条件>
また、ヒータ制御部82は、アイドルストップ時の特別昇温処理の継続時間が所定の基準タイムt3を上回った場合に、特別昇温処理を終了するように構成されている。上記アイドルストップ時の特別昇温処理の継続時間に対する基準タイムt3は、センサ素子60の内部に蓄積したPMが完全燃焼した後に、特別昇温処理を終了するように設定することが好ましい。例えば、上記アイドルストップ時の特別昇温処理の継続時間に対する基準タイムt3は、概ね10秒以上(例えば10秒〜100秒)、さらには20秒以上、特には30秒以上に設定することが望ましい。その一方で、基準タイムt3が長すぎると、エネルギー消費が増えるとともに、上述したPM除去効果も鈍化するためメリットがあまりない。基準タイムt3は、例えば100秒以下が適当である。
このように構成されたヒータ制御装置80の動作について説明する。図7は、この実施形態に係るヒータ制御装置80により実行される特別昇温処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。
図7に示す処理ルーチンが実行されると、先ず、ヒータ制御部82は、ステップS40において、アイドルストップ制御が実行中であるか否かを判定する。アイドルストップが実行中でない場合(NO)、以下の制御を実施せずに処理ルーチンが終了する。一方、ここでの判定結果がYESになると、ステップS41に進み、ヒータ制御部82は、特別昇温処理パルス信号をヒータ駆動回路84に出力し、特別昇温処理を実行する。これにより、センサ素子60が加熱されて所定の制御温度まで昇温する。また、ヒータ制御部82は、内部タイマーをスタートさせて、特別昇温処理の継続時間の測定を開始する。次のステップS42では、ヒータ制御部82は、特別昇温処理の継続時間が所定の基準タイムt3に達したか否かを判定する。ここでの判定結果がNOの場合、ステップS41に戻って特別昇温処理を続行する。一方、判定結果がYESの場合、特別昇温処理を終了させるタイミングであると判断し、特別昇温処理を終了する。このようにして、アイドルストップの実行期間中に、特別昇温処理を行うことができる。
上記実施形態では、エンジン稼働中のアイドルストップ時に特別昇温処理が行われる。アイドルストップの実行期間中は、排気通路内においてガスセンサ50周辺の酸素濃度が一時的に上昇する。そのため、ガスセンサ50に入り込んだPMを効率よく燃焼させることができる。また、上述した実施形態1とは異なり、エンジン停止後にヒータ制御装置を作動させる必要がないため、エンジン停止時のバッテリの使用を回避することができる。
なお、上述のアイドルストップ時と、前述したフューエルカット時の双方において、特別昇温処理を行うように構成してもよい。
以上より、本発明によって提供されるガスセンサ50のヒータ制御装置80は、センサ素子60を通常の制御温度まで昇温させる通常昇温処理と、通常昇温処理とは異なり、ガスセンサ50に入り込んだPMを排除するための特別な昇温制御を所定のタイミングで行う特別昇温処理とを実行するように構成されている。そのため、運転中に内燃機関1から排出されたPMが燃焼除去されず、ガスセンサ50の内部に入り込んだとしても、適切なタイミングで特別昇温処理を行うことで、ガスセンサ50に入り込んだPMを燃焼除去することができる。したがって、本発明によると、ガスセンサのPM被毒が有効に阻止され、ガスセンサの内部がクリーンな状態に維持される。かかるガスセンサ50は、高いセンサ特性を安定して発揮し得る。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
例えば、上述した実施形態では、ガスセンサ50は、触媒部40よりも排気通路の下流側に配置されていた。しかし、ガスセンサ50の配置場所はこれに限定されない。例えば、ガスセンサ50を触媒部40よりも上流側の排気通路、例えばエキゾーストマニホールド28に配置することもできる。ただし、上述した実施形態の如く、ガスセンサ50を触媒部40よりも下流側に配置した方が、触媒部40の下流側は酸素濃度が特に上がりにくいことから、本発明の効果がより良く発揮され得る。
1 内燃機関(エンジン)
16 イグニッション
28 エキゾーストマニホールド
29 排気管
30 制御部
40 触媒部
50 ガスセンサ
52 多孔質保護層
60 センサ素子
62 固体電解質体
64a 測定電極
64b 基準電極
66 拡散抵抗層
68 保護層
70 ヒータ部
72 絶縁基体
74 発熱抵抗体
80 ヒータ制御装置
82 ヒータ制御部
84 ヒータ駆動回路
86 イグニッションスイッチ
100 排ガス浄化装置

Claims (6)

  1. センサ素子と、該センサ素子の少なくとも一部を覆う多孔質保護層と、該センサ素子を加熱するヒータ部とを含み、内燃機関の排気通路に配置されたガスセンサの該ヒータ部を昇温制御するヒータ制御装置であって、
    前記センサ素子を通常の制御温度まで昇温させる通常昇温処理と、
    前記通常昇温処理とは異なり、前記ガスセンサに入り込んだ粒子状物質を除去するための特別な昇温制御を所定のタイミングで行う特別昇温処理と
    を実行するように構成され、
    走行中に前記内燃機関に対する燃料の供給が停止されるフューエルカット時もしくは停車時に前記内燃機関が一時的に停止されるアイドルストップ時において、前記特別昇温処理を行うように構成されており、
    前記特別昇温処理における制御温度は、前記通常の制御温度よりも10℃〜100℃だけ高い温度に設定されている、ガスセンサのヒータ制御装置。
  2. 前記通常の制御温度は、500℃〜800℃に設定されており、
    前記特別昇温処理における制御温度は、前記通常の制御温度よりも10℃〜90℃だけ高い温度に設定されている、請求項1に記載されたヒータ制御装置。
  3. 前記特別昇温処理の継続時間が所定の基準タイムt3を上回った場合に、前記特別昇温処理を終了するように構成されており、
    前記特別昇温処理の継続時間に対する基準タイムt3は、20秒〜100秒の範囲内に設定されている、請求項1または2に記載されたヒータ制御装置。
  4. 前記ガスセンサは、酸素イオン伝導性を有する固体電解質層が測定電極と基準電極とに挟持されており、前記測定電極上に金属酸化物からなる拡散抵抗層が形成され、前記拡散抵抗層の少なくとも一部を覆うように金属化合物からなる前記多孔質保護層が形成されている、請求項1からまでの何れか一項に記載されたヒータ制御装置。
  5. 内燃機関から排出される排ガスを浄化する排ガス浄化触媒を該内燃機関の排気通路に配置した排ガス浄化装置であって、
    センサ素子と、該センサ素子の少なくとも一部を覆う多孔質保護層と、該センサ素子を加熱するヒータ部とを含み、内燃機関の排気通路に配置されたガスセンサと、
    請求項1からまでの何れかに記載されたヒータ制御装置と
    を備える、排ガス浄化装置。
  6. 前記ガスセンサは、前記排ガス浄化触媒よりも前記排気通路の下流側に配置されている、請求項に記載された排ガス浄化装置。
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