JP6532268B2 - 包装用箱、及び、包装用箱の展開体 - Google Patents

包装用箱、及び、包装用箱の展開体 Download PDF

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Description

本発明は、包装用箱、及び、包装用箱の展開体に関する。
図12は、従来の自立性カートンの一例を示す斜視図であり、この従来の自立性カートンは、特許文献1に開示されたものと同一である。図12に示された自立性カートン200Aは、筒状の周壁201Aと、この周壁201Aの一方の開口を塞ぐ二重底壁202Aと、を備えている。図13(A)は、図12に示された自立性カートンの展開図であり、(B)は、(A)が、折り畳まれるとともに糊付けされた状態を説明するための断面図である。
このような自立性カートン200Aは、図13(B)に示すように、折り畳まれた状態の自立性カートンが、折り起こされて構成されたものである。以下では、折り畳まれた状態の自立性カートンを「梱包形態」と記す。
このような梱包形態200は、図12、図13(A)に示すように、周壁201Aを構成する環状部201と、二重底壁202Aを構成する一対のフラップ片202、203を有するとともに環状部201の内側に折り上げられた折上げ部204と、を備えて構成されたブランク板から構成されている。
環状部201は、側板205、前板206、側板207、後板208、及び貼着片209を備え、この順に連設されているとともに、貼着片209が側板205に貼付されて環状になるように構成されている。各側板205、207には、その周方向の中間部に折れ線ア、イが形成されていて、各折れ線ア、イを折り目として山折りに折られて前板206と後板208とが対向配置されている。
折上げ部204は、側板205、前板206、側板207、後板208それぞれに連設されるとともに、その境界で折り曲げられて、各側板205、前板206、側板207、後板208に貼付される重合部210、211、212、213と、一対のフラップ片202、203と、を備えて構成されている。フラップ片202は、前板206に連設される重合部211に連設され、フラップ片203は、後板208に連設される重合部213に連設されている。
フラップ片202、203は、図13(B)に示されるように、それぞれ重合部211、213との境界を折り目オとして、環状部201から立ち上げられる方向に折られるようになっている。また、フラップ片203は、図13(A)(B)に示すように、重合部213に連設される第1折込み片214と、この第1折込み片214に連設される第2折込み片215と、を備え、その境界を折り目ウとして折り返され、この状態で第2折込み片215がフラップ片202に貼付されて構成されている。
ところで、自立性カートン200Aは、図13(B)に示すような梱包形態200で、複数枚が積層されて保管・搬送されることがある。このため、各自立性カートン200Aは、梱包形態200で薄型化、即ち厚み方向の小型化が求められているが、梱包形態200にあっては、環状部201と折上げ部204との境界を折り目エとして折上げ部204が環状部201側に折り上げられて構成されているので、当該部位においてシートが4重にもなり、その上部が5重にもなってしまう上に、環状部201と折上げ部204との折り目エの近傍部分がヘアピン状に膨らんで、厚み方向に大型化してしまう。
特開平9−118328号公報
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、薄型化を図りつつ、組立作業性の向上を図った包装用箱の展開体、包装用箱を提供することを目的とする。
上記目的は、以下の本発明によって解決される。
即ち、請求項1記載の本発明は、筒状の周壁と、該周壁の下方側の開口縁の一部に連続形成されるとともに、前記下方側の開口を塞ぐ二重底壁と、を備えた包装用箱を作製するための展開体であって、シートが所定位置を折り目として折り畳まれて、前記周壁を構成する周板、及び、前記二重底壁を構成する底板、が形成された包装用箱の展開体において、前記周板が、第1周板と第2周板とを備え、これらの前記第1周板と前記第2周板とが環状になるように連なって設けられているとともに、前記第1周板と前記第2周板との境界位置を折り目として、前記第1周板と前記第2周板との内面同士が接触するように折られており、前記底板が、前記第1周板に連続形成される第1底板と、前記第2周板に連続形成されるとともに、前記第2周板の同一平面上に延出される第2底板と、を備え、前記第1底板が、前記第1周板の同一平面上に延出される延出板と、該延出板との境界を折り目として当該延出板と前記第2底板の間に挟まれて折り込まれている折込み片と、を備え、前記折込み片において前記第1周板の外面に連続される面が前記第2底板において前記第2周板の前記内面に連続される面に貼付されていることを特徴とする包装用箱の展開体である。
請求項2記載の本発明は、請求項1記載の本発明において、前記第1周板が、周方向の中央部に位置する第1中板と、該第1中板の周方向両側に位置する第1側板と、を備え、前記第2周板が、周方向の中央部に位置する第2中板と、該第2中板の周方向両側に位置する第2側板と、を備え、前記延出板が、前記第1中板に連続形成され、前記第2底板が、前記第2中板に連続形成されていることを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項2記載の本発明において、前記第1中板と前記第1底板との境界に位置する折り目、及び、前記第2中板と前記第2底板との境界に位置する折り目が、上方に向けて凸の円弧状に形成されていることを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項2又は請求項3記載の本発明において、前記第1側板及びこれにそれぞれ連続される前記第2側板には、前記第1中板と前記第1底板との境界に位置する折り目、及び、前記第2中板と前記第2底板との境界に位置する折り目よりも下方に延出される足部が設けられていることを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項4に記載の本発明において、前記足部は、その内面に、前記第1底板と前記第2底板とのうち少なくとも何れか一方が摺接することで、前記開口を塞ぐ完成位置まで前記底板を案内することを特徴とする。
請求項6記載の本発明は、請求項2乃至請求項5のうちいずれか一項記載の本発明において、前記第2中板と前記第2側板との境界に位置する折り目が括れ形状となるように形成されていることを特徴とする。
請求項7記載の本発明は、請求項1乃至請求項6のうちいずれか一項記載の本発明において、前記第1底板が、前記折込み片の前記延出板とは反対側に連続形成される補強板を備えていることを特徴とする。
請求項8記載の本発明は、請求項1乃至請求項7のうちいずれか一項記載の包装用箱の展開体が折り起こされて形成された包装用箱であって、前記第1周板と前記第2周板とを互いに離隔させることで形成された前記開口を構成する前記周壁と、前記底板が前記開口を塞ぐように折り起こされて形成された前記二重底壁と、を備えて構成されていることを特徴とする包装用箱である。
請求項1記載の包装用箱の展開体によれば、第1周板と第2周板とを互いに離隔させるように第1周板と第2周板との境界の折り目同士を互いに近付けることにより、第1底板が下方側の開口を塞ぐように折り起こされ、第1底板の折込み片が第2底板に貼付されているから、第2底板が第1底板に引き寄せられつつ下方側の開口を塞ぐように折り起こされ、これら第1底板及び第2底板が重ね合わされることで、筒状の周壁と、二重底壁とを備えた包装用箱が作製される。このような包装用箱を作製するための包装用箱の展開体は、従来技術の折上げ部を有さずとも二重底壁を有する包装用箱を得ることができる。即ち、本願発明の包装用箱の展開体は、第1底板の延出板及び第2底板が、第1周板及び第2周板から下方に延出形成されており、第1周板及び第2周板はその内面同士が接触するように折られているので、従来技術の折上げ部がなく、最大の部分でもシートが3重であるので、第1周板と第2周板との対向方向の薄型化を図ることができる。
また、従来技術の自立性カートンは、組立作業時には、折上げ部と環状部とを同時に折り起こすための大きな力が必要となるが、請求項1記載の本発明によれば、折上げ部を有さず、折上げ部がなくなった分だけ、折り起こす際の抵抗が小さくされるから、小さな力で折り起こすことができる。よって、組立作業性の向上を図ることができる。
請求項2記載の包装用箱の展開体によれば、第1周板が、周方向の中央部に位置する第1中板と、該第1中板の周方向両側に位置する第1側板と、を備え、第2周板が、周方向の中央部に位置する第2中板と、該第2中板の周方向両側に位置する第2側板と、を備え、延出板が、第1中板に連続形成され、第2底板が、第2中板に連続形成されている。これにより、包装用箱の展開体が折り起こされて構成された組立状態において、対向配置される第1中板及び第2中板の間で、第1側板及び第2側板により組立状態の包装用箱の奥行きが確保される。従って、組立状態の包装用箱の内容積を確保しつつ、組立状態の包装用箱を自立し易くできる。
請求項3記載の包装用箱の展開体によれば、第1中板と第1底板との境界に位置する折り目、及び、第2中板と第2底板との境界に位置する折り目が、上方に向けて凸の円弧状に形成されている。これにより各折り目に連続される第1底板及び第2底板は、包装用箱の展開体が折り起こされて構成された組立状態で、弧状に曲げられて、反り返った状態で設けられることとなる。これにより、組立状態の包装用箱の第1底板及び第2底板は、円弧状の各折り目が延在する方向に突っ張った状態となり、形状が維持され易い。従って、底板は、折込む前の初期位置まで折り戻され難い、形状安定性の高い包装用箱の展開体を得ることができる。
請求項4記載の包装用箱の展開体によれば、第1側板及びこれにそれぞれ連続される第2側板には、第1中板と第1底板との境界に位置する折り目、及び、第2中板と第2底板との境界に位置する折り目よりも下方に延出される足部が設けられている。これにより、包装用箱の展開体が折り起こされて構成された組立状態の包装用箱を水平な面上に置いた際には、第1底板及び第2底板は、水平な面から浮いた位置に設けられることとなる。つまり、組立状態の包装用箱は、足部よりも第1底板及び第2底板が出っ張らないから、自立可能な形態が維持されることとなる。従って、第1底板及び第2底板の形状に影響されることなく、組立状態の包装用箱において自立可能な形態を維持できる包装用箱の展開体を得ることができる。
請求項5記載の包装用箱の展開体によれば、足部は、その内面に、第1底板と第2底板とのうち少なくとも何れか一方が摺接することで、開口を塞ぐ完成位置まで底板を案内するから、底板が開口を塞ぐ完成位置まで確実に案内される。ここで包装用箱の展開体が折り起こされて構成された組立状態の包装用箱は、底板の外縁が足部の内面に接触されて、底板の足部に対する位置が維持されている。従って、底板が初期位置まで折り戻されるのを確実に防止することができ、より一層、組立作業性の向上を図った包装用箱の展開体を得ることができる。
また、第1底板と第2底板との両方が、足部の内面に摺接する場合には、底板と開口縁との隙間が確実に塞がれる。ここで、組立状態の包装用箱においてその内部に収容された収容物の水分や油分が、第2中板と第2底板との境界に位置する折り目から外部に染み出す虞れがあるが、底板と開口縁との隙間が確実に塞がれていることで、収容物の水分や油分が外部に染み出すのを抑制することができる。
また、第1底板と第2底板とのうち何れか一方が、足部の内面に摺接する場合には、第1底板と第2底板との両方が足部の内面に摺接する場合に比して、足部との摩擦抵抗が小さくされるから、摩擦抵抗が小さい分だけ、小さな力で包装用箱の展開体を折り起こすことができる。ここで、第1底板と第2底板とのうち、第2底板の外縁が足部の内面に摺接するのが好ましい。これによれば、包装用箱の展開体が折り起こされて構成された組立状態の包装用箱は、第2底板の外縁が足部の内面に接触されることで、第2底板の足部に対する位置が維持されることとなり、第2底板よりも上方側に重なって配置される第1底板も完成位置で維持されることとなる。従って、組立作業性の向上を図りつつ、底板が初期位置まで折り戻されるのを確実に防止することができる。
請求項6記載の包装用箱の展開体によれば、第2中板と第2側板との境界に位置する折り目が括れ形状となるように形成されている。ここで、包装用箱の展開体が折り起こされる際には、第2中板と第2側板との境界を折り目として第2側板同士が対向するように折り起こされることになるが、括れ形状を構成するように第2中板の両側縁が折られることで、第2中板の最も括れた部分(幅狭な部分)において、第2側板同士が最も近付けられることとなり、また、その部分は、第1中板が第2中板から離れる方向に押し出されつつ成形されることとなり、自律的に包装用箱が形作られることになる。このように包装用箱を形作ることができるから、より一層、組立作業性の向上を図ることができる。
請求項7記載の包装用箱の展開体によれば、第1底板が、折込み片の延出板とは反対側に連続形成される補強板を備えている。ここで、組立状態の包装用箱においてその内部に収容された収容物の水分や油分が、第2中板と第2底板との境界に位置する折り目から、外部に染み出す虞れがあるが、補強板が設けられていることで、当該補強板により折り目が覆われていることになる。従って、組立状態の包装用箱の内部に収容された収容物の水分や油分が、外部に染み出すのを抑制することができる。このような包装用箱を、組立工程数を増加させることなく作製することができる。従って、組立作業性の向上を図りつつ、油等が外部に染み出すのを抑制できる包装用箱の展開体を得ることができる。
請求項8記載の包装用箱によれば、第1周板と第2周板とを互いに離隔させるように第1周板と第2周板との境界の折り目同士を互いに近付けることにより、第1底板が下方側の開口を塞ぐように折り起こされ、第1底板の折込み片が第2底板に貼付されているから、第2底板が第1底板に引き寄せられつつ下方側の開口を塞ぐように折り起こされ、これら第1底板及び第2底板が重なって配置されることで、筒状の周壁と、二重底壁とを備えた包装用箱が作製される。このような包装用箱を作製するための包装用箱の展開体は、従来技術の折上げ部を有さずとも二重底壁を有する包装用箱を得ることができる。即ち、組立作業性の高い包装用箱を提供することができる。
本発明の第1実施形態にかかる包装用箱の斜視図であり、(A)は蓋が閉まった状態、(B)は蓋が開いた状態をそれぞれ示すものである。 (A)は、本発明の第1実施形態にかかる包装用箱の展開体を示す平面図であり、(B)は、(A)に示された包装用箱の展開体において、内側の折り目を一点鎖線で示す平面図である。 図1に示された包装用箱の展開体の製造前の、1枚の紙材に打ち抜き加工が施されて構成されたシートを示す平面図である。 図2に示された包装用箱の展開体から、包装用箱を組み立てる様子を示す斜視図である。 図1(B)に示された包装用箱を示す斜視図であり、包装用箱の内側の折り目を一点鎖線で示す図である。 本発明の第1実施形態の変形例にかかる包装用箱の展開体を示す平面図であり、内側の折り目を一点鎖線で示す図である。 本発明の第2実施形態にかかる包装用箱の斜視図である。 本発明の第2実施形態にかかる包装用箱の展開体を説明するための概念図である。 本発明の第3実施形態にかかる包装用箱の斜視図である。 本発明の第3実施形態にかかる包装用箱の展開体を示す平面図である。 図10に示された包装用箱の展開体の製造前の、1枚の紙材に打ち抜き加工が施されて構成されたシートを示す平面図である。 特許文献1に記載された従来の自立性カートンの一例を示す斜視図である。 (A)は、図12に示された自立性カートンの展開図であり、(B)は、(A)が、折り畳まれるとともに糊付けされた状態を説明するための断面図である。
以下、本発明の例示的一態様である第1実施形態にかかる包装用箱及びその展開体、並びに、包装用箱の展開体の製造方法を、図1〜図5を参照して説明する。
図1において、符号1Aは、本発明の第1実施形態にかかる包装用箱であり、図2において、符号1は、本発明の第1実施形態にかかる包装用箱の展開体である。この包装用箱の展開体1は、包装用箱1Aを作製するための展開体である。
包装用箱1Aは、包装用箱の展開体1に形成された各折り目が折り起こされて構成されたものであって、図1(A)(B)に示すように、上方に開口3A(図1(B)に示す)を有する有底筒状の箱本体10Aと、この箱本体10Aに連続形成されるとともに、箱本体10Aの開口3Aを覆う「覆蓋位置」と当該開口3Aを露出する「露出位置」に回動自在な蓋体7Aと、を一体に備えて構成されている。箱本体10Aは、開口3Aを有する筒状の周壁2Aと、該周壁2Aの下方側の開口縁の一部に連続形成されるとともに、その一部が周壁2Aの内面に接触した状態で下方側の開口を塞ぐ二重底壁5Aと、を備えている。ここで、図1(A)は、蓋体7Aが「覆蓋位置」に位置した状態を示し、(B)は、蓋体7Aが「露出位置」に位置した状態を示している。
(包装用箱の展開体)
包装用箱の展開体1は、図2に示すように、1枚の紙材に打ち抜き加工等のプレス加工を施してなるシート101(図3に示す)を、所定位置を折り目として折り畳むことで全体として厚みの少ない板状に形成されている。なお、ここでいう展開体とは、シート101(図3に示す)が折り畳まれて形成されたものであり、包装用箱1Aが平面状に切り開かれて形成された所謂展開図のことではなく、その所定位置の各折り目が折り起こされて立体の包装用箱1Aを構成するものである。つまり、シート101が所定位置を折り目として折り畳まれることで、周壁2Aを構成する周板2と、二重底壁5Aを構成する底板5と、蓋体7Aを構成する覆い板7と、を有する包装用箱の展開体1が構成されている。
ここで、シート101は、厚紙や段ボール紙の他、樹脂製のシート材であってもよく、保形性を有するものであれば用いることができる。また、このシート101は、その厚みが、1mm以下であることが好ましい。このシート101は、図3に示すように、図中の紙面方向に垂直な方向のうち手前側の面(裏面)が、包装用箱の展開体1(後述する包装用箱1A)の内面を構成するように設けられ、その奥側の面(表面)が包装用箱の展開体1の外面を構成するように用いられている。
周板2は、図2に示すように、第1周板20と、この第1周板20に連続形成される第2周板30と、この第1周板20の第2周板30とは反対側に連続形成されるとともに、第2周板30の外面に貼付されて構成される貼付部40と、を備えている。
この周板2は、第1周板20と第2周板30との境界aを折り目(以下、包装用箱の展開体1の一方側の側縁aと記す場合もある。)として、第1周板20と第2周板30との裏面同士が対向するように折られ、第1周板20と図3に示す貼付板140(貼付部40)との境界bを折り目(以下、包装用箱の展開体1の他方側の側縁bと記す場合もある。)として、貼付板140の裏面が、第2周板30の表面に対向するように折られ、この状態で、貼付板140が第2周板30に接着固定されて貼付部40が形成されることで構成されている。
ここで、本明細書では、包装用箱の展開体1において、第1周板20と第2周板30との対向方向を矢印Zで示し、第1周板20と第2周板30とが対向方向に離隔した際に形成される開口3Aの貫通方向を矢印Yで示し、矢印Zと矢印Yとの双方向に直交する方向を矢印Xで示す。さらに、本明細書では、矢印Zを前後方向と記し、矢印Xを左右方向と記し、矢印Yを上下方向と記す場合がある。また、前後方向のうち、図2における紙面垂直方向の手前側を「前方」と記し、奥側を「後方」と記すとともに、上下方向のうち、図2における紙面方向の上方側を「上方」と記し、下方側を「下方」と記すことがある。つまり、包装用箱の展開体1(包装用箱1A)は、本明細書において、底板5(二重底壁5A)が設けられた下方側の開口が下方を向くとともに、第1周板20の正面板21と第2周板30の背面板31との対向方向が前後方向に沿う格好で配置されている。
第1周板20は、図2中の中心線Pを中心とした線対称となるように形成されているとともに、その下縁cから上縁dに向かうに従って、左右方向(第1周板20の中心線Pに対して直交する方向)の寸法が徐々に大きくなるような略台形状に形成されている。この第1周板20は、正面板21と、この正面板21の左右の両側に連続形成された一対の第1左右側側板22、23(第1側板)と、を一体に備えている。第1周板20は、その上縁dが、左右の全長に略円弧状に切り欠かれている。
正面板21は、左右方向の寸法が上方に向かうに従って徐々に大きくなるような略台形状に形成されている。即ち、正面板21の両側縁eは、上方に向かうに従って、正面板21(第1周板20)の中心線Pから離れる方向に僅かに傾斜する直線状に形成されている。また、正面板21と後述する第1底板50との境界に位置する下縁gは、上方に向けて凸の円弧状に形成されている。
一対の第1左右側側板22、23は、中心線Pを中心とした線対称となるように形成されている。また、一対の第1左右側側板22、23の下縁fは、正面板21の下縁gよりも下方側に位置している。ここで、一対の第1左右側側板22、23のうち、図2中の左方側の側板を第1左側側板22と記し、図2中の右方側の側板を第1右側側板23と記す。第1左側側板22には、貼付部40(貼付板140)が連続形成されている。
第1周板20には、正面板21と一対の第1左右側側板22、23との境界位置それぞれに直線状の折り目eが形成されている。ここで、本明細書において用いられる「折り目」、「縁」、「境界」、「境界位置」に付与する符号は、図2(A)(B)、図3、図4、図5に記載するものとし、同一部位に対して、例えば名称が異なる場合であったとしても同じ符号を付す。また、本明細書において用いられる各「折り目」は、それぞれ、紙材にプレス加工が施されることで形成されるものであり、シート101の所定位置を折り易くするために形成されている。
第2周板30は、第2周板30の中心線Pを中心とした線対称となるように形成されているとともに、その下縁hから上縁iに向かうに従って、左右方向(第2周板30の中心線Pに対して直交する方向)の寸法が徐々に大きくなるような略台形状に形成されている。第1周板20と第2周板30との裏面同士が重なって配置された状態で、第2周板30の中心線Pは、第1周板20の中心線Pと重なる位置に設けられている。この第2周板30は、正面板21に重なって配置される背面板31と、この背面板31の左右の両側に位置する一対の第2左右側側板32、33(第2側板)と、を一体に備えている。背面板31は、左右方向の寸法が、上下方向の何れの位置においても正面板21の左右方向の寸法よりも小さくなるように形成され、一対の第2左右側側板32、33は、左右方向の寸法が、上下方向の何れの位置においても一対の第1左右側側板22、23の左右方向の寸法よりも大きくなるように形成されている。
背面板31は、その両側縁jが括れ形状となるように形成されている。本実施形態において、括れ形状は、背面板31の両側縁jが、その下縁mの端部からその上縁tの端部に向けて滑らかな曲線状に設けられているとともに、背面板31の上下方向の中央部よりも僅かに下側が最も括れた部分(幅狭な部分)となるように形成されていることが好ましい。ここで、包装用箱の展開体1が折り起こされる際には、背面板31と第2左右側側板32、33との境界を折り目jとして第2左側側板32と第2右側側板33とが対向するように折り起こされることになるが、括れ形状を構成するように背面板31の両側縁jが折られることで、背面板31の最も括れた幅狭な部分において、第2左側側板32と第2右側側板33とが最も近付けられることとなり、これにより、正面板21が背面板31から離れる方向に押し出されつつ成形されることとなる。このように正面板21が背面板31から離れる方向に押し出されることで、自律的に包装用箱1Aが形作られるから、包装用箱1Aの組立作業性の向上を図ることができる。
ここで、本実施形態において、括れ形状は、背面板31の上下方向の中央部よりも僅かに下側が最も括れた幅狭な部分となるように形成されているが、本発明はこれに限定されるものではない。括れ形状において最も括れた幅狭な部分は、上下方向の中央部にあってもよく、適宜な位置に設けられていればよい。また、括れ形状は、背面板31のみに形成されているが、本発明はこれに限定されるものではない。括れ形状は正面板21のみに形成されていてもよく、正面板21と背面板31の両方に形成されていてもよい。
一対の第2左右側側板32、33は、中心線Pを中心とした線対称となるように形成されている。ここで、一対の第2左右側側板32、33のうち、図2中の左方側の側板を第2左側側板32と記し、図2中の右方側の側板を第2右側側板33と記す。つまり、包装用箱の展開体1は、第2左側側板32と第1左側側板22、及び、第2右側側板33と第1右側側板23はそれぞれが重なって配置されている。
一対の第2左右側側板32、33の下縁kは、背面板31の下縁mよりも下方側に位置している。そして、第1周板20と第2周板30との裏面同士が重なって配置された状態(接触するように折られた状態)で、背面板31の下縁mはその全長が正面板21の下縁gよりも下方側に位置するように設けられ、一対の第2左右側側板32、33それぞれの下縁kが、一対の第1左右側側板22、23それぞれの下縁fに重なる位置に設けられている。
このように、正面板21の下縁g及び背面板31の下縁mは、一対の第1左右側側板22、23の下縁f及び一対の第2左右側側板32、33の下縁kよりも上方側に位置するように設けられているから、包装用箱の展開体1が折り起こされて構成された組立状態の包装用箱1Aを水平な面上に置いた際には、正面板21(正面壁21A)及び背面板31(背面壁31A)の各下縁m、gは、水平な面から浮いた位置に設けられることとなる。ここで、第1左側側板22とこれに連続される第2左側側板32、及び、第1右側側板23とこれに連続される第2右側側板33、には、正面板21と第1底板50との境界に位置する折り目g、及び、背面板31と第2底板60との境界に位置する折り目m、よりも下方に延出される一対の足部42、43が設けられている。即ち、一対の足部42、43のうち一方の足部42は、第1左側側板22と第2左側側板32における下端側の一部分から構成され、他方の足部43は、第1右側側板23と第2右側側板33における下端側の一部分から構成されている。このような一対の足部42、43(一対の足壁42A、43A)が設けられていることで、組立状態の包装用箱1Aは、正面板21の下縁gに連続形成された第1底板50(第1底壁50A)及び背面板31の下縁mに連続形成された第2底板60(第2底壁60A)が、一対の足部42、43(一対の足壁42A、43A)の各下縁f、kよりも出っ張らない。従って、第1底板50及び第2底板60の形状に影響されることなく、組立状態の包装用箱1Aにおいて自立可能な形態を維持できる包装用箱の展開体1を得ることができる。
底板5は、正面板21の下縁gに連続形成されるとともに、正面板21の同一平面上に延出される延出板51を有する第1底板50と、背面板31の下縁mに連続形成されるとともに、背面板31の同一平面上に延出される第2底板60と、を備えて構成されている。そして、底板5が下方側の開口を塞ぐ完成位置まで折り起こされた状態では、第1底板50と第2底板60とが重なって配置された状態となり、第1底板50(第1底壁50A)と第2底板60(第2底壁60A)とで二重底(二重底壁5A)を構成している。
このような包装用箱の展開体1は、第1底板50の延出板51及び第2底板60が、第1周板20及び第2周板30から下方に延出形成されており、第1周板20及び第2周板30はその裏面同士が接触するように折られており、従来技術の折上げ部がなく、最大の部分でもシートが3重であるので、第1周板20と第2周板30との対向方向の薄型化を図ることができる。また、延出板51が、正面板21に連続形成され、第2底板30が、背面板31に連続形成されている。これにより、包装用箱の展開体1が折り起こされて構成された組立状態において、対向配置される正面板21及び背面板31の間で、第1左右側側板22、23及び第2左右側側板32、33により奥行きが確保される。従って、組立状態の包装用箱1Aの内容積を確保しつつ、組立状態の包装用箱1Aを自立し易くできる。
ここで、既述の如く、正面板21の下縁g及び背面板31の下縁mは、上方に向けて凸の円弧状に形成されている。故に第1底板50の上縁gは上方に向けて凸の円弧状に形成され、第2底板60の上縁mは上方に向けて凸の円弧状に形成されている。そして、このような円弧状の各縁g、mを折り目として折られることで、重なって配置された第1底板50(第1底壁50A)と第2底板60(第2底壁60A)が円弧状の各縁g、mに沿って弧状に曲げられるとともに、反り返った状態で設けられることとなる。これにより、組立状態の包装用箱1Aは、各縁g、mが延在する方向に突っ張った状態で設けられることになる。こうして組み立てられた包装用箱1Aは、その形状が維持され易い。従って、底板5は、折込む前の初期位置まで折り戻され難い、形状安定性の高い包装用箱の展開体1を得ることができる。
なお、本実施形態の包装用箱の展開体1は、第1底板50の上縁gは上方に向けて凸の円弧状に形成され、第2底板60の上縁mは上方に向けて凸の円弧状に形成されているが、本発明はこれに限定されるものではない。包装用箱の展開体において、第1底板50の上縁gは中心線Pに対して直交する方向に延在する直線状に設けられていてもよく、第2底板60の上縁mは中心線Pに対して直交する方向に延在する直線状に設けられていてもよい。この場合には、第2底板60には、第1底板50に形成されたスリットに係止可能な係止片が設けられていてもよい。組立状態の包装用箱1Aにおいて、第1底板50と第2底板60が周板2に対して略垂直な平板状に設けられることになるが、係止片がスリットに係止することで、第2底板60が第1底板50に係止されることとなり、第2底板60を完成位置で維持することができる。
第1底板50は、正面板21の下縁gに連続形成された延出板51と、この延出板51に連続形成されるとともに、延出板51との境界を折り目sとして延出板51と第2底板60との間に挟まれて折り込まれる折込み片52と、を備えて構成されている。第1底板50は、延出板51と折込み片52との境界を折り目sとしてその裏面同士が対向するように折られ、この状態で、折込み片52の表面(第1周板の外面に連続される面)が第2底板60の裏面(第2周板の前記内面に連続される面)における上方側の部分(以下、「被貼付部61」と記す)に接着固定されている。この折り目sは、延出板51と折込み片52との境界位置に、中心線Pに対して直交する方向に延在する直線状に形成されている。折り目sは、組立状態の包装用箱1Aにおいて、その側縁a、bよりも背面板31側にずれた位置に設けられている。
延出板51は、その上縁gの全長が、正面板21の下縁gの全長に連続形成されている。この延出板51は、その上縁gの両端と折り目sの両端に連続される一対の外側縁51bを有している。一対の外側縁51bは、中心線Pに対して直交する方向の寸法が、その一端から他端まで略等しくなるように形成されている。
折込み片52は、折り目sに対向して設けられる対向縁52aと、対向縁52aの両端と折り目sの両端に連続される一対の外側縁52bと、を有している。一対の外側縁52bは、折り目s側の一端から対向縁52a側の他端に向かうに従って、中心線Pに近付くように傾斜して設けられている。また、折込み片52は、第2底板60の被貼付部61よりも一回り小さくなるように形成され、折込み片52が延出板51と被貼付部61との間に折り込まれた初期状態で、その一対の外側縁52bが被貼付部61の一対の外側縁61bよりも僅かに内側に位置するように設けられ、対向縁52aが背面板31の下縁mよりも僅かに下側に位置するように設けられている。
第2底板60は、背面板31の下縁mに連続されるとともに、第1底板50の折込み片52が貼付される被貼付部61と、この被貼付部61に連続形成される連続部62と、を備えて構成されている。また、第2底板60は、背面板31の下縁mに対向して設けられる対向縁60aと、対向縁60aの両端と背面板31の下縁mの両端に連続される各一対の外側縁61b、62bと、を有している。各一対の外側縁61b、62bのうち、一対の外側縁61bは、被貼付部61の外側縁を構成するとともに背面板31の側縁jに連続形成され、一対の外側縁62bは、連続部62の外側縁を構成するとともに外側縁61bに連続形成されている。被貼付部61における一対の外側縁61bは、連続部62側の一端から背面板31側の他端に向かうに従って中心線Pに近付くように傾斜して設けられている。連続部62における一対の外側縁62bは、中心線Pに対して直交する方向の寸法が、その一端から他端まで略等しくなるように形成されている。さらに第2底板60は、組立状態の包装用箱1Aにおいて、その対向縁60aが正面板21の下縁gよりも出っ張ることがないように形成されている。
なお、本実施形態において、第2底板60は、被貼付部61における一対の外側縁61bが、連続部62側の一端から背面板31側の他端に向かうに従って中心線Pに近付くように傾斜して設けられ、連続部62における一対の外側縁62bは、中心線Pに対して直交する方向の寸法が、その一端から他端まで略等しくなるように形成されているが、本発明はこれに限定されるものではない。第2底板の形状は、組立状態の包装用箱1Aにおける、一対の第1左右側側板22、23及び一対の第2左右側側板32、33の周方向の寸法や、正面板21と背面板31との対向方向に対する傾斜角度に応じて決定されており、第2底板は、一対の第1左右側側板22、23及び一対の第2左右側側板32、33の形状や配置に応じて、組立状態の包装用箱1Aにおける開口縁との間に隙間が生じないような形状となるように形成されていればよい。
また、第2底板60の各一対の外側縁61b、62bは、組立状態の包装用箱1Aにおいて、第1底板50の各一対の外側縁51b、52bよりも外側に位置する大きさとなるように形成されている。このような寸法に第1底板50及び第2底板60を形成することで、組立状態の包装用箱1Aは、第2底板60の外側縁61b、62bが各足部42、43の内面に接触されることとなる。これにより、第2底板60の各足部42、43に対する位置が維持されることとなり、第2底板60(第2底壁60A)よりも上方側に重なって配置される第1底板50(第1底壁50A)も完成位置で維持されることとなる。従って、底板5が初期位置まで折り戻されるのが防止されている。
このような底板5は、第1周板20と第2周板30とを互いに離隔させるように第1周板20と第2周板30との境界の折り目a、b同士が互いに近付けられ、下方側の開口が徐々に拡大されるに伴って、第1底板50が初期位置から折り起こされ、下方側の開口の縁gに延出板51を介して連続される折込み片52が引っ張られることとなり、この折込み片52が第2底板60を底側に引き寄せる。この時、延出板51と折込み片52とは、折り目sを頂部とするような山型形状になる。この後、第2底板60を第1底板50に向けて押し付ける。すると、第2底板60の各一対の外側縁61b、62bが、各足部42、43の内面に摺接して、下方側の開口を塞ぐ完成位置まで案内される。この際、第2底板60における各一対の外側縁61b、62bが、第1底板50における各一対の外側縁51b、52bよりも外側に位置するように形成されているので、第2底板60の各一対の外側縁61b、62bのみが、各足部42、43の内面に摺接することとなり、よって、第1底板50の各一対の外側縁51b、52bが、各足部42、43の内面に引っ掛かることなく、スムーズに下方側の開口を塞ぐ完成位置まで案内されることとなる。そして、包装用箱の展開体1が折り起こされて構成された組立状態の包装用箱1Aは、第2底板60の外側縁61b、62bが各足部42、43の内面に接触されていることで、第2底板60の各足部42、43に対する位置が維持されることとなり、第2底板60よりも上方側に重なって配置される第1底板50も完成位置で維持されることとなる。こうして、底板5が完成位置に位置した状態では、組立状態の包装用箱1Aの下方側の開口が塞がれている。
このような包装用箱の展開体1は、底板5を初期位置から完成位置まで折り起こす過程において、延出板51と折込み片52とが、折り目sを頂部とするような山型形状になるように設けられた状態で、第2底板60を第1底板50に向けて押し付けて、底板5を、下方側の開口を塞ぐ完成位置まで案内している。そして、組立状態の包装用箱1Aの内面に触れることなく底板5を初期位置から完成位置まで折り起こすことができるから、包装用箱1Aをその内面が食品に直接触れる容器として用いる場合等衛生面の要求がある用途では清潔性が担保されることとなる。
なお、上述した実施形態によれば、包装用箱の展開体1は、第2底板60の各一対の外側縁61b、62bのみが、各足部42、43の内面に摺接するように構成されているが、本発明はこれに限定されるものではない。包装用箱の展開体は、第1底板50と第2底板60との両方が、各足部42、43の内面に摺接するように構成されていてもよい。ここで、組立状態の包装用箱は、その内部に収容された収容物の水分や油分が、背面板31と第2底板60との境界に位置する折り目mから外部に染み出す虞れがあるが、底板5と開口縁との隙間が確実に塞がれていることで、収容物の水分や油分が外部に染み出すのを抑制することができる。
覆い板7は、底板5が初期位置に位置した状態で、第2周板30の同一平面上に連続形成されている。また、覆い板7は、組立状態の包装用箱1Aの上方側の開口3Aを覆うことが可能な大きさに形成されている。
さらに、包装用箱の展開体1には、半円状の切込部81が形成されている。切込部81は、背面板31の上縁tの中点を中心として、上方に向けて凸になるように形成されている。この切込部81は、図4、5に示す折り目uを折り目として折られた際に、覆い板7の一部が差し込み可能なように形成されている。そして、覆い板7の一部が切込部81に差し込まれることで、包装用箱の展開体1が折り起こされて構成された組立状態の包装用箱1Aにおいて、蓋体7Aが露出位置にて維持される。
(包装用箱の展開体1の製造方法)
このような包装用箱の展開体1の製造方法を、図3を参照して説明する。
包装用箱の展開体1は、1枚の紙材に打ち抜き加工を施して形成されたシート101から構成されている。シート101は、図3における紙面垂直方向の手前側に、その裏面が設けられ、奥側に、その表面が設けられるように配置されている。そして、このシート101は、その表面が包装用箱1Aの外面を構成するように設けられ、その裏面が包装用箱1Aの内面を構成するように用いられている。
シート101は、紙材に、打ち抜き加工等のプレス加工を施すことで形成された、周板2と、底板5と、覆い板7と、を備えて構成されている。周板2は、正面板21とこの正面板21の両側に連続形成された第1左右側側板22、23とを有する第1周板20と、背面板31とこの背面板31の両側に連続形成された一対の第2左右側側板32、33とを有する第2周板30と、この第1周板20の第2周板30とは反対側に連続形成された貼付板140と、を備えている。これらのシート101には、各所定位置に「折り目」が形成されている。これらの各折り目は、紙材に打ち抜き加工が施されると同時に形成されるものである。
まず、シート101を、その裏面が前方(図3における紙面垂直方向の手前側)、表面が後方(図3における紙面垂直方向の奥側)を向く格好で、延出板51と折込み片52との境界を折り目sとし、延出板51と折込み片52の裏面同士が対向するように山折りにプレスする。ここで、本明細書における「山折り」とは、図3に示すシート101における表面側から見て山型形状となるように折ること、「谷折り」とは、図3に示すシート101における表面側から見て谷型形状となるように折ること、それぞれを意味する。
この状態で、第1底板50の折込み片52又は第2底板60の被貼付部61に接着剤を塗布する。そして、第1周板20と第2周板30との境界a(第1右側側板23と第2右側側板33との境界a)を折り目とし、第1周板20と第2周板30と裏面同士が対向するように山折りにプレスする。すると、折込み片52が、被貼付部61の裏面に接着固定(貼付)される。
続いて、貼付板140又は第2周板30の第2左側側板32に接着剤を塗布する。そして、第1周板20の第1左側側板22と貼付板140との境界bを折り目とし、第2周板30の表面に貼付板140の裏面が対向するように山折りにプレスする。すると、貼付板140が、第2周板30の表面に接着固定(貼付)される。こうして、貼付板140により、図2に示すように貼付部40を構成されて、包装用箱の展開体1が製造される。なお、本実施形態では、所定の貼付位置に接着剤が塗付されているが、接着剤の代わりに両面テープが用いられていてもよく、公知の貼付方法を用いてもよい。
続いて、包装用箱の展開体1を用いて構成された包装用箱1Aの組立手順について、図2、図4、図5を参照して説明する。
まず、図2に示された包装用箱の展開体1の一方側の側縁a(第1右側側板23と第2右側側板33との境界a)と包装用箱の展開体1の他方側の側縁b(第1周板20と貼付部40との境界b)とを近付ける。すると、図4に示すように、第1周板20と第2周板30とが離隔され、上方に開口3Aが形成される。開口3Aが徐々に拡大されるに伴って、第1底板50が下方側の開口を塞ぐように折り起こされ、第1底板50の折込み片52が第2底板60に貼付されているから、第1底板50が第2底板60を下側(底側)に引き寄せる。こうして、第1底板50と第2底板60とがそれぞれ下方側の開口を塞ぐように徐々に折り起こされ、第2底板60の各一対の外側縁61b、62bが、各足部42、43の内面に摺接して、下方側の開口を塞ぐ完成位置まで案内される。そして、包装用箱の展開体1が折り起こされて構成された組立状態の包装用箱1Aは、第2底板60の外側縁61b、62bが各足部42、43の内面に接触されることで、第2底板60の各足部42、43に対する位置が維持されることとなり、第2底板60よりも上方側に重なって配置される第1底板50も完成位置で維持されることとなる。このように、底板5が下方側の開口を塞ぐ完成位置まで折り起こされた状態では、第1底板50と第2底板60とが重なって配置された状態となり、第1底板50(第1底壁50A)と第2底板60(第2底壁60A)とで二重底(二重底壁5A)を構成している。
このように底板5が完成位置に到達した際に、図5に示すように、周板2は、正面板21と第1左側側板22の境界eを折り目として山折りに折られ、正面板21と第1右側側板23の境界eを折り目として山折りに折られ、背面板31と第2左側側板32の境界jを折り目として山折りに折られ、背面板31と第2右側側板33の境界jを折り目として山折りに折られ、第1左側側板22と第2左側側板32との境界bを折り目として山折りに折られ、第1右側側板23と第2右側側板33との境界aを折り目として山折りに折られている。こうして、周板2(周壁2A)を構成する第1周板20(第1周板20A)及び第2周板30(第2周板30A)は、正面板21(正面壁21A)と背面板31(背面壁31A)とが対向配置され、第1右側側板23(第1右側側壁23A)と第2左側側板32(第2左側側壁32A)とが対向配置され、第1左側側板22(第1左側側壁22A)と第2右側側板33(第2右側側壁33A)とが対向配置されている。第1底板50(第1底壁50A)は、延出板51(延出壁51A)と折込み片52(折込み壁52A)を備え、第2底板60(第2底壁60A)は、被貼付部61(被貼付壁61A)と連続部62(連続壁62A)とを備えている。延出板51(延出壁51A)と連続部62(連続壁62A)とが重なって配置され、折込み片52(折込み壁52A)と被貼付部61(被貼付壁61A)とが重なって配置されている。これにより、底板5が完成位置に位置した状態では、組立状態の包装用箱1Aの下方側の開口が塞がれる。こうして、箱本体10Aを組み立てる。
そして、覆い板7から蓋体7Aが構成される。以上のようにして、包装用箱1Aを組み立てる。このように構成された包装用箱1Aは、箱本体10Aの開口3Aを覆う「覆蓋位置」と当該開口3Aを露出する「露出位置」に蓋体7Aが回動自在に変位する。
このように構成された包装用箱1Aは、周板2から構成された周壁2Aが、正面板21から構成された正面壁21Aと、一対の第1左右側側板22、23から構成された一対の第1左右側側壁22A、23Aと、背面板31から構成された背面壁31Aと、一対の第2左右側側板32、33から構成された一対の第2左右側側壁32A、33Aと、を備えている。第1左側側壁22Aと第2左側側壁32Aにおける下端側の一部分には足壁42Aが設けられ、第1右側側壁23Aと第2右側側壁33Aにおける下端側の一部分には足壁43Aが設けられている。底板5から構成された二重底壁5Aは、正面壁21Aと背面壁31Aとの隙間を塞ぐ第1底壁50Aと、この第1底壁50Aに重なって配置される第2底壁60Aと、を備えている。延出壁51Aと連続壁62Aとが重なって配置され、折込み壁52Aと被貼付壁61Aとが重なって配置されている。
(第1実施形態の変形例)
続いて、第1実施形態の変形例にかかる包装用箱の展開体1´について、図6を参照して説明する。図6は、本発明の第1実施形態の変形例にかかる包装用箱の展開体を示す平面図であり、内側の折り目及び各面の端縁を一点鎖線で示す平面図である。なお、図6において、上述した実施形態と同一構成乃至同一機能を有する部分には、同一符号を付して説明を省略する。第1実施形態の包装用箱の展開体1と、第1実施形態の変形例にかかる包装用箱の展開体1´とは、主に底板5´の構成が異なる。
底板5´は、正面板21の下縁gに連続形成されるとともに、正面板21の同一平面上に延出される延出板51を有する第1底板50´と、背面板31の下縁mに連続形成されるとともに、背面板31の同一平面上に延出される第2底板60と、を備えて構成されている。第1底板50´は、延出板51と、この延出板51に連続形成されるとともに、延出板51との境界を折り目sとして延出板51と第2底板60との間に挟まれて折り込まれる折込み片52と、この折込み片52に連続形成される補強板53と、を備えて構成されている。折込み片52と補強板53との境界位置には、折り目50aが形成されている。この折り目50aは、背面板31の下縁m´よりも下方側に僅かに位置をずらして設けられている。また、背面板31と第2底板60との境界に位置する折り目m´には、折りの抵抗を低減するためにミシン目(シートに等間隔に連続形成された小穴)が形成されている。
ところで、このようなミシン目が形成された折り目m´から、組立状態の包装用箱1Aにおいてその内部に収容された収容物の水分や油分が外部に染み出す虞があるが、第1実施形態の変形例にかかる包装用箱の展開体1´では、補強板53が設けられていることで、当該補強板53により包装用箱1Aの内部において折り目m´が覆われていることになる。従って、このような補強板53が設けられていることで、油等が外部に染み出すのを抑制できる。
なお、本実施形態において、背面板31と補強板53とは接着されていない。ここで、背面板31と補強板53とが接着されている場合には、底板5´を初期位置から完成位置まで折り起こす過程において、補強板53が背面板31に摺接せずに固定され、第1底板50´がスムーズに下方側の開口を塞ぐ完成位置まで案内され難い。従って、背面板31と補強板53とは接着されていないのが好ましいが、背面板31と補強板53とは接着されていてもよい。この場合には、第1底板50´がスムーズに完成位置まで案内されないことがあるが、背面板31と補強板53が密着されているから、これら背面板31と補強板53の隙間が確実に埋められる。
さらに、上述した包装用箱の展開体1´には、覆い板7の背面板31から離れた先端部に差込み片75が形成され、正面板21に差込み片75を差し込むための切込部82が形成されている。
なお、上述した包装用箱の展開体1は、周板2の第1周板20において、正面板21と一対の第1左右側側板22、23との境界位置に折り目eが設けられているが、包装用箱の展開体1´は、図6に示すように、正面板21と一対の第1左右側側板22、23との境界位置に折り目eが設けられていなくともよい。また、包装用箱の展開体は、背面板31と一対の第2左右側側板32、33との境界位置に折り目jが設けられていなくともよい。つまり、本願発明品としての包装用箱の展開体は、正面板21と一対の第1左右側側板22、23との境界位置や、背面板31と一対の第2左右側側板32、33との境界位置が、曖昧である構成も含むものとする。
また、上述した包装用箱の展開体1は、周板2の第2周板30において、背面板31は、その左右方向両側の側縁jが括れ形状となるように形成されている。即ち、背面板31の両側縁jが、その下縁mの両端からその上縁tの両端に向けて滑らかな曲線状に設けられているとともに、背面板31の上下方向の中央部よりも僅かに下側が最も括れた部分(幅狭な部分)となるように形成されているが、包装用箱の展開体1´は、図6に示すように、背面板31が括れ形状を有さずともよい。その場合には、背面板31の両側縁jが、その下縁mの両端からその上縁tの両端に向かうに従って、背面板31の中心線Pから離れる傾斜する直線状に設けられていてもよい。
さらにまた、上述した包装用箱の展開体1において、貼付部40は、貼付板140が第2周板30の表面に接着固定されているが、図6に示すように、貼付部40´は、貼付板140が第2周板30の裏面に接着固定されていてもよい。
(第2実施形態)
続いて、第2実施形態にかかる包装用箱の展開体について、図7、図8を参照して説明する。図7は、本発明の第2実施形態にかかる包装用箱の斜視図である。図8は、本発明の第2実施形態にかかる包装用箱の展開体を説明するための概念図である。図8に示された包装用箱の展開体100は、包装用箱100Aを作製するための展開体である。なお、図7、図8において、上述した実施形態と同一構成乃至同一機能を有する部分には、同一符号を付して説明を省略する。
包装用箱100Aは、図7、図8に示すように、包装用箱の展開体100に形成された各折り目が折り起こされて構成されたものであって、上方に開口3A(図1(B))を有する有底筒状の箱本体11Aと、この箱本体11Aに連続形成されるとともに、箱本体11Aの開口3Aを覆う「覆蓋位置」と当該開口3Aを露出する「露出位置」に回動自在な蓋体17Aと、を一体に備えて構成されている。箱本体11Aは、開口3Aを有する筒状の周壁12Aと、該周壁12Aの下方側の開口縁の一部に連続形成されるとともに、その一部が周壁12Aの内面に接触した状態で下方側の開口を塞ぐ二重底壁15Aと、を備えている。
包装用箱の展開体100は、図7、図8に示すように、周壁12Aを構成する周板12と、二重底壁15Aを構成する底板15と、蓋体17Aを構成する覆い板17と、を有して構成されている。また、包装用箱の展開体100にあっては、図8に示すように、周板12が、第1周板120と第2周板130とを備え、覆い板17が、第1覆い板171と第2覆い板172とを備え、底板15が、第1周板120の第1中板121の同一平面上に連続形成される延出板51を有する第1底板50と、第2周板130の第2中板131の同一平面上に連続形成される第2底板60と、を備えて構成されている。さらに、包装用箱の展開体100は、第1周板120と第2周板130との境界a、bを折り目(以下、包装用箱の展開体100の一方側の側縁a、包装用箱の展開体100の他方側の側縁bと記す場合もある。)として、第1周板120と第2周板130との裏面同士が対向するように折られ、第1覆い板171と第2覆い板172との裏面同士が対向するように折られることで構成されている。
周板12は、図8に示すように、第1周板120と、この第1周板120に連続形成される第2周板130と、第2周板130の外面に貼付されて構成された貼付部40と、を備え、これらの第1周板120と第2周板130とが環状になるように連なって設けられている。このような周板12は、第2周板130の第2左側側板132に連続される貼付板140の裏面が、第2中板131の表面に接着固定されて貼付部40が形成されることで構成されている。
第1周板120は、周板12の周方向の中央部に位置する第1中板121と、この第1中板121の左右の両側に連続形成された一対の第1左右側側板122、123と、を一体に備えている。第1周板120において、一対の第1左右側側板122、123の下縁fは、第1周板120の中心線Pに対して略直交する方向に沿って設けられている。また、第1左側側板122の上縁dは、包装用箱の展開体100の他方側の側縁bの上端から第1左側側板122と第1中板121との境界に位置する上端まで略弧状に切り欠かれて形成されている。そして、第1左側側板122の上縁dに連続される第1中板121の上縁iは、第1右側側板123と覆い板17の第1覆い板171との境界に位置する縁tに連続されるとともに、第1左側側板122の上縁dから縁tに向かうに従って上方に向けて傾斜する直線状に形成されている。
ここで、本実施形態の第1周板120において、第1中板121と第1左側側板122との境界位置には折り目eが設けられているが、第1中板121と第1右側側板123との境界位置に折り目が設けられていない。このように、第1中板121と一対の第1右側側板123との境界位置は曖昧であってもよい。また、第1中板121と第1左側側板122との境界位置の折り目eは、その下端から上端に向かうに従って第1周板120の中心線Pに近付くように直線状に傾斜して設けられている。
第2周板130は、周板12の周方向の中央部に位置するとともに第1中板121に重なって配置される第2中板131と、この第2中板131の左右の両側に連続形成されるとともに、一対の第1左右側側板122、123に重なって配置される一対の第2左右側側板132、133と、を一体に備えている。ここで、第1周板120と第2周板130とは略同一構成乃至同一機能を有して構成されているので、第2周板130の説明を省略する。
底板15は、第1中板121の下縁gに連続形成されるとともに、第1中板121の同一平面上に延出される延出板51を有する第1底板50と、第2中板131の下縁mに連続形成されるとともに、第2中板131の同一平面上に延出される第2底板60と、を備えて構成されている。そして、底板15が下方側の開口を塞ぐ完成位置まで折り起こされた状態では、第1底板50と第2底板60とが重ね合わされることとなり、第1底板50(第1底壁50A)と第2底板60(第2底壁60A)とで二重底(二重底壁15A)を構成している。
覆い板17は、底板15が初期位置に位置した状態で、第1右側側板123の同一平面上に連続形成された第1覆い板171と、この第1覆い板171に連続形成されるとともに、第2右側側板133の同一平面上に連続形成された第2覆い板172と、を備えて構成されている。また、覆い板17は、底板15が初期位置に位置した状態で、第1覆い板171と第2覆い板172とは、包装用箱の展開体100の一方側の側縁aの延長線を折り目として裏面同士が対向するように折られて構成されている。この覆い板17は、組立状態の包装用箱100Aの上方側の開口を覆うことが可能な大きさに形成されている。
続いて、包装用箱の展開体100を用いて構成された包装用箱100Aの組立手順について、図7、図8を参照して説明する。
まず、図7に示された包装用箱の展開体100の一方側の側縁a(第1右側側板123と第2右側側板133との境界a)と包装用箱の展開体100の他方側の側縁b(第1左側側板122と第2右側側板132との境界b)とを近付ける。すると、第1周板120と第2周板130とが離隔され、上方に開口3Aが形成される。開口3Aが徐々に拡大されるに伴って、第1底板50が下方側の開口を塞ぐように折り起こされ、第1底板50の折込み片52が第2底板60に貼付されているから、第1底板50が第2底板60を下側(底側)に引き寄せる。こうして、第1底板50と第2底板60とがそれぞれ下方側の開口を塞ぐように徐々に折り起こされて、下方側の開口を塞ぐ完成位置まで案内される。このように、底板15が下方側の開口を塞ぐ完成位置まで折り起こされた状態では、第1底板50と第2底板60とが重ね合わされることとなり、第1底板50(第1底壁50A)と第2底板60(第2底壁60A)とで二重底(二重底壁15A)を構成している。
このように底板15が完成位置に到達した際に、周板12は、第1中板121と第1左側側板122の境界eを折り目として山折りに折られ、第2中板131と第2左側側板132の境界eを折り目として山折りに折られている。こうして、周板12(周壁12A)は、第1左側側板122(第1左側側壁122A)と第2左側側板132(第2左側側壁132A)とが正面側に位置されて構成される正面壁102Aと、第1右側側板123(第1右側側壁123A)と第2右側側板133(第2右側側壁133A)とが背面側に位置されて構成される背面壁103Aと、正面壁102Aと背面壁103Aとの間に、第1中板121から構成された第1中壁121A及び第2中板131から構成された第2中壁131Aと、を備えて構成されている。これにより、底板15が完成位置に位置した状態では、組立状態の包装用箱100Aの下方側の開口が塞がれる。こうして、箱本体11Aを組み立てる。
この後、第1右側側板123及び第2右側側板133と第1覆い板171との境界tを折り目として山折りに折って、蓋体17Aを箱本体11Aに対して前方側に回動させる。これにより、第1覆い板171から構成された第1覆い壁171Aと、第2覆い板172から構成された第2覆い壁172Aと、を備えた蓋体17Aが構成される。こうして、包装用箱100Aを組み立てる。
(第3実施形態)
続いて、第3実施形態にかかる包装用箱110A及びその展開体110について、図9〜図11を参照して説明する。図9は、本発明の第3実施形態にかかる包装用箱の斜視図である。図10は、本発明の第3実施形態にかかる包装用箱の展開体を示す平面図である。図11は、図10に示された包装用箱の展開体の製造前の、1枚の紙材に打ち抜き加工が施されて構成されたシートを示す平面図である。
図9において、符号110Aは、本発明の第3実施形態にかかる包装用箱であり、図10において、符号110は、本発明の第3実施形態にかかる包装用箱の展開体である。この包装用箱の展開体110は、包装用箱110Aを作製するための展開体である。なお、図9〜図11において、上述した第1実施形態と同一構成乃至同一機能を有する部分には、同一符号を付して説明を省略する。第1実施形態の包装用箱1Aと、第3実施形態の包装用箱110Aとは、主に二重底壁の構成が異なるとともに、第3実施形態の包装用箱110Aは、包装用箱1Aの蓋体7Aを有していない。
包装用箱110Aは、包装用箱の展開体110に形成された各折り目が折り起こされて構成されたものであって、図9に示すように、上方に開口3Aを有する筒状の周壁112Aと、該周壁112Aの下方側の開口縁の一部に連続形成されるとともに、その一部が周壁112Aの内面に接触した状態で下方側の開口を塞ぐ二重底壁115Aと、を備えている。
(包装用箱の展開体)
包装用箱の展開体110は、図10に示すように、1枚の紙材に打ち抜き加工等のプレス加工を施してなるシート111(図11に示す)を、所定位置を折り目として折り畳むことで全体として厚みの少ない板状に形成されている。つまり、シート111が所定位置を折り目として折り畳まれることで、周壁112Aを構成する周板112と、二重底壁115Aを構成する底板115と、を有する包装用箱の展開体110が構成されている。
周板112は、図10に示すように、第1周板20と、この第1周板20に連続形成される第2周板30と、この第1周板20の第2周板30とは反対側に連続形成されるとともに、第2周板30の外面に貼付されて構成される貼付部40と、を備えている。
ここで、第3実施形態の第1周板20には、第1実施形態の第1周板20における正面板21と各第1左右側側板22、23との境界位置の折り目eは設けられていない。同様に第2周板30には、第1実施形態の第2周板30における背面板31と各第2左右側側板32、33との境界位置の折り目jは設けられていない。このように本願発明品である包装用箱の展開体は、正面板21と一対の第1左右側側板22、23との境界位置eや、背面板31と一対の第2左右側側板32、33との境界位置jを有さない構成も含むものとする。
底板115は、図10に示すように、その上縁gの全長が、第1周板20の下縁gの全長に連続形成されるとともに、第1周板20の同一平面上に延出される延出板151を有する第1底板150と、その上縁mの全長が、第2周板30の下縁mの全長に連続形成されるとともに、第2周板30の同一平面上に延出される第2底板160と、を備えて構成されている。第1周板20の下縁gは、第1周板20の両側縁a、bの各下端同士を結ぶように設けられているとともに、上方に向けて凸の円弧状に形成されている。同様に、第2周板30の下縁mは、第2周板30の両側縁a、nの各下端を結ぶように設けられているとともに、上方に向けて凸の円弧状に形成されている。
第1底板150は、延出板151と、この延出板151に連続形成されるとともに、延出板151との境界を折り目sとして延出板151と第2底板160との間に挟まれて折り込まれる折込み片152(図11に示す)と、を備えて構成されている。折り目sは、第1周板20の両側縁a、bの各下端同士を結ぶように直線状に延在されている。また、第1底板150は、延出板151と折込み片152とが、折り目sを中心とした略線対称となるように形成されている。第1底板150は、延出板151と折込み片152との境界を折り目sとしてその裏面同士が対向するように折られ、この状態で、折込み片152の表面が第2底板160の裏面における上方側の部分(以下、「被貼付部161」と記す)に接着固定されている。
第2底板160は、第2周板30の下縁mに連続形成されるとともに、第1底板150の折込み片152が貼付される被貼付部161と、この被貼付部161に連続形成される連続部162と、を備えて構成されている。この第2底板160は、第1底板150と略同一形状となるように形成されている。
続いて、このような包装用箱の展開体110を用いて構成された包装用箱110Aの組立手順について、図9、図10を参照して説明する。
まず、図10に示された包装用箱の展開体110の一方側の側縁aと他方側の側縁bとを近付ける。すると、第1周板20と第2周板30とが離隔され、上方に開口3Aが形成される。開口3Aが徐々に拡大されるに伴って、第1底板150が下方側の開口を塞ぐように折り起こされて、底板115が完成位置に到達する。第1底板150(第1底壁150A)は、延出板151(延出壁151A)と折込み片152(折込み壁152A)を備え、第2底板160(第2底壁160A)は、被貼付部161(被貼付壁)と連続部162(連続壁162A)とを備えている。こうして、延出板151(延出壁151A)と連続部162(連続壁162A)とが重なって配置され、折込み片152(折込み壁152A)と被貼付部161(被貼付壁)とが重なって配置されている。これにより、底板115が完成位置に位置した状態では、組立状態の包装用箱110Aの下方側の開口が塞がれる。以上のようにして、包装用箱110Aを組み立てる。
このような包装用箱の展開体110は、第1底板150の延出板151及び第2底板160が、第1周板120及び第2周板130から下方に延出形成されており、第1周板120及び第2周板130はその裏面同士が接触するように折られており、従来技術の折上げ部がなく、最大の部分でもシートが3重であるので、第1周板120と第2周板130との対向方向の薄型化を図ることができる。
なお、上述した包装用箱の展開体110は、第1周板20及び第2周板30は、その下端から上端に向かうに従って、左右方向の寸法が徐々に大きくなるような略台形状に形成されているが、本発明はこれに限定されるものではない。第1周板及び第2周板は、その下端から上端まで、左右方向の寸法が略等しい寸法になるように形成されていてもよいし、本実施形態とは逆に、上方に向かうに従って左右方向の寸法が徐々に小さくなるような略台形状であってもよい。
さらに、上述した包装用箱の展開体110は、組立状態の包装用箱110Aの上方側の開口3Aを覆うことが可能な覆い板を有して構成されていてもよい。ここで、第2周板が、本実施形態の第1周板20と同一形状になるように形成されているとともに、第1周板及び第2周板は、その下端から上端まで、左右方向の寸法が略等しい寸法になるように形成されている場合には、包装用箱の展開体は、第1底板150及び第2底板160と同一形状の覆い板を有し(但し、折り目Sで折り返されず、そのまま両底板を重ねるのみ)、組立状態において、枕型となるように構成されていてもよい。
前述した各実施形態は本発明の好ましい形態を示したに過ぎず、本発明は、これら実施形態に限定されるものではない。即ち、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々改変して実施することができる。かかる改変によってもなお本発明の包装用箱の展開体、及び、包装用箱の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
1、1´、100、110 包装用箱の展開体
1A、100A、110A 包装用箱
2、12、112 周板
2A、12A、112A 周壁
5、15、115 底板
5A、15A、115A 二重底壁
20、120 第1周板
21、121 正面板(第1中板)
22、23、122、123 一対の第1左右側側板(第1側板)
30、130 第2周板
31、131 背面板(第2中板)
32、33、132、133 一対の第2左右側側板(第2側板)
50、150 第1底板
51、151 延出板
52、152 折込み片
53 補強板
60、160 第2底板
42、43 一対の足部

Claims (8)

  1. 筒状の周壁と、該周壁の下方側の開口縁の一部に連続形成されるとともに、前記下方側の開口を塞ぐ二重底壁と、を備えた包装用箱を作製するための展開体であって、
    シートが所定位置を折り目として折り畳まれて、前記周壁を構成する周板、及び、前記二重底壁を構成する底板、が形成された包装用箱の展開体において、
    前記周板が、第1周板と第2周板とを備え、これらの前記第1周板と前記第2周板とが環状になるように連なって設けられているとともに、前記第1周板と前記第2周板との境界位置を折り目として、前記第1周板と前記第2周板との内面同士が接触するように折られており
    前記底板が、前記第1周板に連続形成される第1底板と、前記第2周板に連続形成されるとともに、前記第2周板の同一平面上に延出される第2底板と、を備え、
    前記第1底板が、前記第1周板の同一平面上に延出される延出板と、該延出板との境界を折り目として当該延出板と前記第2底板の間に挟まれて折り込まれている折込み片と、を備え、前記折込み片において前記第1周板の外面に連続される面が前記第2底板において前記第2周板の前記内面に連続される面に貼付されていることを特徴とする包装用箱の展開体。
  2. 前記第1周板が、周方向の中央部に位置する第1中板と、該第1中板の周方向両側に位置する第1側板と、を備え、
    前記第2周板が、周方向の中央部に位置する第2中板と、該第2中板の周方向両側に位置する第2側板と、を備え、
    前記延出板が、前記第1中板に連続形成され、
    前記第2底板が、前記第2中板に連続形成されていることを特徴とする請求項1に記載の包装用箱の展開体。
  3. 前記第1中板と前記第1底板との境界に位置する折り目、及び、前記第2中板と前記第2底板との境界に位置する折り目が、上方に向けて凸の円弧状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の包装用箱の展開体。
  4. 前記第1側板及びこれにそれぞれ連続される前記第2側板には、前記第1中板と前記第1底板との境界に位置する折り目、及び、前記第2中板と前記第2底板との境界に位置する折り目よりも下方に延出される足部が設けられていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の包装用箱の展開体。
  5. 前記足部は、その内面に、前記第1底板と前記第2底板とのうち少なくとも何れか一方が摺接することで、前記開口を塞ぐ完成位置まで前記底板を案内することを特徴とする請求項4に記載の包装用箱の展開体。
  6. 前記第2中板と前記第2側板との境界に位置する折り目が括れ形状となるように形成されていることを特徴とする請求項2乃至請求項5のうち何れか一項に記載の包装用箱の展開体。
  7. 前記第1底板が、前記折込み片の前記延出板とは反対側に連続形成される補強板を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のうち何れか一項に記載の包装用箱の展開体。
  8. 請求項1乃至請求項7のうちいずれか一項記載の包装用箱の展開体が折り起こされて形成された包装用箱であって、
    前記第1周板と前記第2周板とを互いに離隔させることで形成された前記開口を構成する前記周壁と、
    前記底板が前記開口を塞ぐように折り起こされて形成された前記二重底壁と、を備えて構成されていることを特徴とする包装用箱。
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