JP6524366B1 - 毛髪処理方法 - Google Patents

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Abstract

毛髪の損傷を抑制し、補修しながら、ヘアカラー剤、ブリーチ剤、パーマネントウェーブ剤、縮毛矯正剤又はトリートメント剤から選択される処理剤の効果を高めることができる毛髪処理方法の提供を課題とし、当該課題は、加水分解タンパクとアニオン性化合物を少なくとも含有する毛髪処理剤[I]を塗布し、次いで、ヘアカラー剤、ブリーチ剤、パーマネントウェーブ剤、縮毛矯正剤又はトリートメント剤から選択される処理剤Xを塗布し、次いで、低分子ケラチンと中分子ケラチンを配合してなる毛髪処理剤[II]を塗布し、前記毛髪処理剤[II]を塗布後、アルカリ側にある毛髪のpHが、所定時間経過後、最大50分経過までに、pH調整作用のある物質を用いることなく中性に維持される毛髪処理方法により解決される。

Description

本発明は、毛髪処理方法に関し、より詳しくは、毛髪の損傷を抑制し、補修しながら、ヘアカラー剤、ブリーチ剤、パーマネントウェーブ剤、縮毛矯正剤又はトリートメント剤から選択される処理剤の効果を高めることができる毛髪処理方法に関する。
近年、ヘアカラー剤、ブリーチ剤、パーマネントウェーブ剤、縮毛矯正剤、トリートメント剤などの処理剤を用いた毛髪処理を行うことが一般的に行われている。
しかし、これら処理剤の中には、アルカリ剤や酸化剤、還元剤などといった種々の成分が配合されており、毛髪処理を施した毛髪は、少なからず化学的損傷を受けるものがある。毛髪が化学的損傷を受けると、つや、ハリコシ、しっとり感、さらさら感、やわらかさなどが損なわれ、日々の手入れが大変になるばかりか、その損傷度合によっては、視覚的に美しい毛髪とは言えない状態となってしまう。
また、毛髪損傷を受けながらも、所望の効果を得るために毛髪処理を行ったとしても、必ずしも所望の効果を得られるとは限らない。毛髪処理における効果の出具合は、被処理者の髪質や毛髪状態によって様々であり、該効果の持続性もまた様々である。
処理を行う者は、個人差による効果の出具合や持続性の差を低減するため、各被処理者に対して毛髪処理方法を微調整することもあるが、毛髪の損傷を抑制して補修することと、上記処理剤による毛髪処理の効果を十分に出すことの両立は困難であった。
特許文献1では、加水分解タンパクとアニオン性化合物を含む毛髪処理剤が提案されている。
この毛髪処理剤のpHは、アルカリ性にすると、毛髪が膨潤するので好ましくないので、酸性が好ましいと記載している。
しかし、この毛髪処理剤では、毛髪の損傷を抑制し、補修しながら、パーマ等の処理剤の効果を高める点においては、更なる改善の余地がある。
特開2015−86138号
そこで、本発明の課題は、毛髪の損傷を抑制し、補修しながら、ヘアカラー剤、ブリーチ剤、パーマネントウェーブ剤、縮毛矯正剤又はトリートメント剤から選択される処理剤の効果を高めることができる毛髪処理方法を提供することにある。
また本発明の他の課題は、以下の記載によって明らかとなる。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
1.
加水分解タンパクとアニオン性化合物を少なくとも含有する毛髪処理剤[I]を塗布し、
次いで、ヘアカラー剤、ブリーチ剤、パーマネントウェーブ剤、縮毛矯正剤又はトリートメント剤から選択される処理剤Xを塗布し、
次いで、低分子ケラチンと中分子ケラチンを配合してなる毛髪処理剤[II]を塗布し、
前記毛髪処理剤[II]を塗布後、アルカリ側にある毛髪のpHが、所定時間経過後、最大50分経過までに、pH調整作用のある物質を用いることなく中性に維持されることを特徴とする毛髪処理方法。
2.
前記毛髪処理剤[II]を塗布後、アルカリ側にある毛髪のpHが、所定時間経過後、最大50分経過までに、pH調整作用のある物質を用いることなく7.0〜8.0に維持されることを特徴とする前記1記載の毛髪処理方法。
3.
前記毛髪処理剤[I]中の前記加水分解タンパクが、加水分解ケラチン及び加水分解コラーゲンを含み、前記アニオン性化合物が、アニオン性界面活性剤又はジラウロイルグルタミン酸リシン塩から選ばれる1種であることを特徴とする前記1又は2記載の毛髪処理方法。
4.
前記毛髪処理剤[II]中の低分子ケラチンが、重量平均分子量300〜500のケラチンであり、中分子ケラチンが重量平均分子量3000〜5000のケラチンであることを特徴とする前記1〜3の何れかに記載の毛髪処理方法。
5.
前記毛髪処理剤[I]の使用時のpHが、酸性であり、前記毛髪処理剤[II]の使用時のpHが、アルカリ性であることを特徴とする前記1〜4の何れかに記載の毛髪処理方法。
6.
低分子ケラチンと中分子ケラチンを配合してなる毛髪処理剤[II]を塗布し、
次いで、ヘアカラー剤、ブリーチ剤、パーマネントウェーブ剤、縮毛矯正剤又はトリートメント剤から選択される処理剤Xを塗布し、
次いで、加水分解タンパクとアニオン性化合物を少なくとも含有する毛髪処理剤[I]を塗布し、
前記毛髪処理剤[I]を塗布後、アルカリ側にある毛髪のpHが、所定時間経過後、最大50分経過までに、pH調整作用のある物質を用いることなく中性に維持されることを特徴とする毛髪処理方法。
7.
加水分解タンパクとアニオン性化合物を少なくとも含有する毛髪処理剤[I]を塗布し、
次いで、ヘアカラー剤、ブリーチ剤、パーマネントウェーブ剤、縮毛矯正剤又はトリートメント剤から選択される処理剤Xと、低分子ケラチンと中分子ケラチンを配合してなる毛髪処理剤[II]を混合した、毛髪処理剤含有処理剤[X−II]を塗布し、
前記毛髪処理剤含有処理剤[X−II]を塗布後、アルカリ側にある毛髪のpHが、所定時間経過後、最大50分経過までに、pH調整作用のある物質を用いることなく中性に維持されることを特徴とする毛髪処理方法。
本発明によれば、処理後にアルカリ側にある毛髪のpHを、pH調整作用のある物質を用いることなく、中性に維持して、毛髪の損傷を抑制し、補修しながら、ヘアカラー剤、ブリーチ剤、パーマネントウェーブ剤、縮毛矯正剤又はトリートメント剤から選択される処理剤の効果を高めることができる処理方法を提供できる。
以下に、本発明を実施するための形態について詳しく説明する。
本発明の毛髪処理方法の一実施形態は、はじめに、毛髪に、加水分解タンパクとアニオン性化合物を少なくとも含有する毛髪処理剤[I]を塗布する。
次いで、ヘアカラー剤、ブリーチ剤、パーマネントウェーブ剤、縮毛矯正剤又はトリートメント剤から選択される処理剤Xを塗布する。
次いで、低分子ケラチンと中分子ケラチンを配合してなる毛髪処理剤[II]を塗布する。
本実施形態では、前記毛髪処理剤[II]を塗布後、アルカリ側にある毛髪のpHが、所定時間経過後、最大50分経過までに、pH調整作用のある物質を用いることなく中性に維持されることを特徴とする。ここで、pH調整作用のある物質というのは、酸リンス液やpH調整剤などを意味する。
このことは実施例において、例証している。実施例からも明らかなように、毛髪処理剤[II]を塗布直後のpHは、9〜12程度であるが、そのまま放置して30分〜50分程度経過すると、pHは中性になる。
ヘアカラー剤、縮毛矯正剤のような処理剤Xは、アルカリ性であるので、従来、処理剤Xを塗布した後は、酸リンスでpHを中和していた。本発明では、処理剤Xを塗布後、さらにアルカリ性の毛髪処理剤[II]を塗布して、そして放置するだけで、上述のように、50分程度の経過で中性になるので、酸リンスの必要もない。
始めに毛髪処理剤[I]を塗布することで、毛髪処理剤[I]に含まれるケラチン等の毛髪栄養分を供給して毛髪表面に留めておき、次いで処理剤Xを塗布して、処理剤Xもまた毛髪表面に留めておき、更に次いで、毛髪処理剤[I]と処理剤を被覆するように毛髪処理剤[II]を塗布することによって、毛髪処理剤[II]が毛髪を膨潤させた際に、毛髪表面に留まっている毛髪処理剤[I]及び処理剤Xの毛髪内部への浸透が一気に促進される。
毛髪処理剤[II]はアルカリ性である。本分野では、通常、アルカリ性のものは、毛髪を膨潤させ、毛髪内の栄養分を毛髪の外に出してしまうと考えられてきた。
よって、アルカリ性の処理剤Xで毛髪を処理した後には、酸リンスなどによって毛髪を中和させることが常識であった。
本実施形態によれば、処理剤Xでの毛髪処理後に、アルカリ性の毛髪処理剤[II]を塗布後、アルカリ側にある毛髪のpHが、所定時間経過後、最大50分経過までに、pH調整作用のある物質を用いることなく中性に維持されるので、酸リンスによる中和処理も必要なく、毛髪の損傷を抑制し、補修しながら、処理剤Xの効果を高めることができる。また、毛髪のつや、ハリコシ、しっとり感、さらさら感、やわらかさが良好となる。
本実施形態による効果が発揮される理由については以下のように推察される。
始めに毛髪処理剤[I]を塗布することで、毛髪処理剤[I]に含まれるケラチン等の毛髪栄養分を供給して毛髪表面に留めてる。
次いで、例えば染毛剤(ヘアカラー剤)の場合においては、アルカリ性である処理剤Xのアルカリ成分により毛髪のキューティクルを開き、過酸化水素(H)と染料が毛髪内部に浸透し、過酸化水素がメラニン色素を分解することで毛髪が脱色され、同時に、初めは無色である染料が酸素と結び付き発色し、染毛する。
酸化した染料を構成する分子は互いにくっつき合うことで大きくなり、キューティクルの隙間から毛髪の外へ出にくくなる。しかし、この状態は、アルカリ性である処理剤Xにより毛髪のpHはアルカリ性となっている。つまり、キューティクルが開いたままの状態になっており、毛髪が損傷されている状態となっている。
このような状態の毛髪に、さらにアルカリ性である毛髪処理剤[II]を塗布することは通常であれば考えにくいが、本発明者は、低分子ケラチンと中分子ケラチンを配合してなる毛髪処理剤[II]を用いることにより、アルカリ性によりさらに毛髪表面を開かせ、低分子ケラチンと中分子ケラチンとを内部に浸透させ易くし、毛髪内部への早期の浸透を促進させ、毛髪自体が持つ自己修復能力を早期に発現されることを見出したのである。
即ち、さらに毛髪を損傷させると考えられているアルカリ性により、低分子ケラチンと中分子ケラチンが毛髪に浸透させる入口を広げ、早期に浸透させる作用と、早期に浸透した低分子ケラチンと中分子ケラチンにより毛髪自体の細胞分裂による自己修復能力を発現する作用との相互作用により、実施形態による効果が発揮されることを見出したのである。
本発明に用いる処理剤Xは、所望の毛髪処理が可能な処理剤であれば格別限定されず、市販品を好適に用いることができる。
処理剤Xとして市販品を用いる場合、一般的に市販されるヘアカラー剤、ブリーチ剤、パーマネントウェーブ剤、縮毛矯正剤は、アルカリ性であるためそのまま用いることができる。
トリートメント剤として市販品を用いる場合は、通常市販されるトリートメント剤が酸性であるため、アルカリ剤を添加してアルカリ性にして用いる。
アルカリ剤は格別限定されないが、アルギニン等を好ましく用いることができる。
本発明の毛髪処理剤[I]は、加水分解タンパクとアニオン性化合物を少なくとも含有する。毛髪処理剤[I]中の加水分解タンパクは、加水分解ケラチン及び加水分解コラーゲンを含むことが好ましく、また、アニオン性化合物は、アニオン性界面活性剤又はジラウロイルグルタミン酸リシン塩から選ばれる1種であることが好ましい。
本発明において、毛髪処理剤[I]の使用時のpHは、pH6前後(例えば5.5〜6.0)で、酸性である。
本発明の毛髪処理剤[I]は、例えば、総重量部を100重量部とした場合、加水分解ケラチンが10〜80重量部、加水分解コラーゲンが10〜80重量部、ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムが1〜50重量部であることが好ましい。
毛髪処理剤[I]に含有される加水分解ケラチンは、格別限定されないが、羊毛由来の加水分解ケラチン、羽毛由来の加水分解ケラチン、ヒドロキシプロピル加水分解ケラチン、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解ケラチン等を例示することができる。
毛髪処理剤[I]に含有されるケラチンは、1種のケラチンを単独で用いてもよく、複数のケラチンを混合して用いてもよいが、本発明の効果をより高める観点から、特に、複数のケラチンを混合して用いることが好ましい。複数のケラチンを混合する場合には、各ケラチンの重量平均分子量が異なることが好ましく、重量平均分子量の異なるケラチンが、6種以上混合されることがさらに好ましい。これにより、毛髪の損傷を抑制し、補修する効果を更に高めることができる。
毛髪処理剤[I]に含有されるコラーゲンは、格別限定されないが、加水分解コラーゲン、イソステアロイル加水分解コラーゲンAMPD等を例示することができる。
毛髪処理剤[I]に含有されるコラーゲンは、1種のコラーゲンを単独で用いてもよく、複数のコラーゲンを混合して用いてもよいが、本発明の効果をより高める観点から、特に、複数のコラーゲンを混合して用いることが好ましい。複数のコラーゲンを混合する場合には、各コラーゲンの重量平均分子量が異なることが好ましく、重量平均分子量の異なるコラーゲンが、2種以上混合されることがさらに好ましい。これにより、毛髪の損傷を抑制し、補修する効果を更に高めることができる。
毛髪の損傷を抑制し、補修する効果を好適に得るためには、毛髪処理剤に含有される成分の分子の大きさ(重量平均分子量)が重要となる。毛髪の損傷部分のサイズと度合に応じた重量平均分子量のケラチン及びコラーゲンを供給することによって、損傷の抑制や補修を促進することができるためである。よって、毛髪の損傷を抑制し、補修することができる本願の効果を得るためには、毛髪の損傷部分の補修内容によって、重量平均分子量の異なるケラチンやコラーゲンを選択し、組み合わせることは好ましいことである。
ケラチン及びコラーゲンの重量平均分子量と、それらの毛髪への効果の目安は次の通りである。
(1)重量平均分子量が数万:毛髪の繊維強化、造膜性強化、ハリコシ強化
(2)重量平均分子量が数千:ハリコシとやわらかさのバランス
(3)重量平均分子量が数百:やわらかさ、しなやかさの促進
特に、処理剤Xの効果を高める観点から、重量平均分子量が数千のケラチン及びコラーゲンを含有することは、更に好ましいことである。
また、毛髪処理剤[I]に含有される、アニオン性化合物としては、前述のように、アニオン性界面活性剤又はジラウロイルグルタミン酸リシン塩から選ばれる1種であることが好ましい。
ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムは、毛髪に対して高い浸透性と損傷部位の補修機能を有し、処理剤Xの効果を高めることができる。ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムの市販品としては、例えば、旭化成ケミカルズ社製「ぺリセアL−30」等が挙げられる。
毛髪処理剤[I]は、起泡性成分を含有することも好ましいことである。起泡性成分を含有することによって、毛髪処理剤[I]を泡状で毛髪に塗布することができるため、ムラなく均一に塗布すると共に、少ない塗布量でも効率的に毛髪全体に塗布することができるので好ましい。また、泡状で塗布することによって、毛髪処理剤[I]及び処理剤Xの浸透率が向上し、施術時間が短縮される効果も期待できる。
起泡性成分としては、毛髪処理剤[I]を泡状にすることができるものであれば格別限定されず、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤及びノニオン界面活性剤等を用いることができるが、毛髪処理剤[I]に含有する他の成分との相性の観点から、両性界面活性剤が好ましい。
毛髪処理剤[I]には、本発明の効果を損なわない範囲で、その他、保湿成分、植物由来等エキスなどの他の成分を適宜配合することができる。
保湿成分としては、ベタイン、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等を好ましく例示することができる。保湿成分は、格別限定されないが、効果的な保湿を実現する観点から複数の保湿成分を含有することが好ましい。効果的な保湿が実現されることによって、本発明の毛髪処理後の毛髪は、つや、ハリコシ、しっとり感、さらさら感、やわらかさ、処理剤の効果度合等が強化される。
植物由来等エキスとしては、ツボクサエキス、イタドリ根エキス、オウゴンエキス、カンゾウ根エキス、チャ葉エキス、カミツレ花エキス、ローズマリー葉エキス、ダイズ種子エキス等を例示することができる。
毛髪処理剤[I]には、その他、本発明の効果を損なわない範囲で、水、エタノール、グリセリン、ジプロピレングリコール、PCAイソステアリン酸PEG−40水添ヒマシ油、ゼラチン、ココイルグルタミン酸TEA、ラウラミノプロピオン酸ナトリウム、アラニン、グリシン、アルギニン、EDTA−2ナトリウム、フェノキシエタノール、プロピルパラベン、メチルパラベン、香料等を適宜配合することができる。
本発明に用いる毛髪処理剤[II]は、低分子ケラチンと中分子ケラチンを配合してなる。
毛髪処理剤[II]中の低分子ケラチンが、重量平均分子量300〜500のケラチンであり、中分子ケラチンが重量平均分子量3000〜5000のケラチンであることが好ましい。
毛髪処理剤[II]には、pH調整剤を含有することができ、アルカリ性に調整される。
毛髪処理剤[II]において、その含有量は、例えば、2成分の総重量部を100重量部とした場合、低分子ケラチンが10〜90重量部、中分子ケラチンが10〜90重量部であることが好ましい。
毛髪処理剤[II]に含有されるケラチンは、低分子量のものと、中分子のものとが混合される。
毛髪の損傷を抑制し、補修する効果を好適に得るためには、毛髪処理剤に含有される成分の重量平均分子量が重要となる。毛髪の損傷部分のサイズと度合に応じた重量平均分子量のケラチンを供給することによって、損傷の抑制や補修を促進することができるためである。
よって、毛髪の損傷を抑制し、補修することができる本願の効果を得るためには、毛髪の損傷部分の補修内容によって、重量平均分子量の異なるケラチンを選択し、組み合わせる。
ケラチンの重量平均分子量と、その毛髪への効果の目安は上述した通りである。
重量平均分子量の異なるケラチンを混合して用いることによって、毛髪の損傷部分のサイズと度合に応じたケラチンを供給して、効果的に損傷部分の補修を行うことができる。この結果、毛髪の損傷を抑制し、補修しながら、ヘアカラー剤、ブリーチ剤、パーマネントウェーブ剤、縮毛矯正剤又はトリートメント剤から選択される処理剤Xの効果を高めることができるという本発明の効果を得ることができる。
毛髪処理剤[II]は、低分子量ケラチンと中分子量ケラチンをそれぞれ1種ずつ含有し、更に、上記重量平均分子量以外のケラチンを追加的に含有してもよい。
さらに、毛髪処理剤[II]のpHは、アルカリ性であり、好ましくはpH12程度(10〜12)である。アルカリ成分としては、塩基性アミノ酸であるアルギニンであることが好ましい。アルギニンは、元来毛髪に含有されるアミノ酸の一種でもあるため、毛髪や頭皮に負担をかけることなくケラチンの供給を促進することができると共に、毛髪に保湿性を与えることができるため好ましい。
毛髪処理剤[II]は、起泡性成分を含有することも好ましいことである。起泡性成分を含有することによって、毛髪処理剤[II]を泡状で毛髪に塗布することができるため、ムラなく均一に塗布すると共に、少ない塗布量でも効率的に毛髪全体に塗布することができるので好ましい。また、泡状で塗布することによって、毛髪処理剤[II]及び処理剤Xの浸透率が向上し、施術時間が短縮される効果も期待できる。
起泡性成分としては、毛髪処理剤[II]を泡状にすることができるものであれば格別限定されず、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤及びノニオン界面活性剤等を用いることができるが、毛髪処理剤[II]に含有する他の成分との相性の観点から、両性界面活性剤が好ましい。
毛髪処理剤[II]には、本発明の効果を損なわない範囲で、その他、保湿成分等の他の成分を適宜配合することができる。
保湿成分としては、ベタイン、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等を好ましく例示することができる。保湿成分は、格別限定されないが、効果的な保湿を実現する観点から複数の保湿成分を含有することが好ましい。
毛髪処理剤[II]には、その他、本発明の効果を損なわない範囲で、水、グリセリン、ジプロピレングリコール、ラウラミドプロピルベタイン、ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム、フェノキシエタノール、メチルパラベン等を適宜配合することができる。
以上、本発明の好ましい態様を説明したが、本発明の他の態様としては、毛髪処理剤[II]を塗布した後、次いで、ヘアカラー剤、ブリーチ剤、パーマネントウェーブ剤、縮毛矯正剤又はトリートメント剤から選択される処理剤Xを塗布し、次いで、毛髪処理剤[I]を塗布するようにすることもできる。
前記毛髪処理剤[I]を塗布後、アルカリ側にある毛髪のpHが、所定時間経過後、最大50分経過までに、pH調整作用のある物質を用いることなく中性に維持される点は、前記の態様と同じであるので、説明を省略する。これにより、毛髪の損傷を抑制し、補修しながら、処理剤Xの効果を高めることができる。また、毛髪のつや、ハリコシ、しっとり感、さらさら感、やわらかさが良好となる。
毛髪処理剤[II]及び毛髪処理剤[I]は、上述したものを用いることができ、処理剤Xは、所望の毛髪処理が可能な処理剤であれば格別限定されない。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、これに限定されるものではなく、処理剤Xと毛髪処理剤[II]を混合した毛髪処理剤含有処理剤[X−II]を用いても良い。
即ち、加水分解タンパクとアニオン性化合物を少なくとも含有する毛髪処理剤[I]を塗布し、
次いで、ヘアカラー剤、ブリーチ剤、パーマネントウェーブ剤、縮毛矯正剤又はトリートメント剤から選択される処理剤Xと、低分子ケラチンと中分子ケラチンを配合してなる毛髪処理剤[II]を混合した、毛髪処理剤含有処理剤[X−II]を塗布し、
前記毛髪処理剤含有処理剤[X−II]を塗布後、アルカリ側にある毛髪のpHが、所定時間経過後、最大50分経過までに、pH調整作用のある物質を用いることなく中性に維持されることを特徴とする毛髪処理方法であっても良い。
本実施形態では、前記毛髪処理剤含有処理剤[X−II]を塗布後、アルカリ側にある毛髪のpHが、所定時間経過後、最大50分経過までに、pH調整作用のある物質を用いることなく中性に維持されることを特徴とする。pH調整作用のある物質は、上述した実施形態と同様である。
このことは実施例において、例証している。実施例からも明らかなように、毛髪処理剤含有処理剤[X−II]を塗布直後のpHは、9〜12程度であるが、そのまま放置して20分〜40分程度経過すると、pHは中性になる。
ヘアカラー剤、縮毛矯正剤のような処理剤Xは、アルカリ性であるので、従来、処理剤Xを塗布した後は、酸リンスでpHを中和していた。本実施形態では、アルカリ性の処理剤Xと、アルカリ性である毛髪処理剤[II]を混合した毛髪処理剤含有処理剤[X−II]を塗布して、そして放置するだけで、上述のように、所定時間経過後、最大50分程度の経過で中性になるので、酸リンスの必要もない。
この実施形態は、処理剤Xの塗布と、毛髪処理剤[II]の塗布を同時に行う実施形態である。
この実施形態は、処理剤Xの塗布と、毛髪処理剤[II]の塗布とを別に行う形態に比べ、毛髪を損傷させると考えられているアルカリ性により、低分子ケラチンと中分子ケラチンが毛髪に浸透させる入口を広げ、早期に浸透させる作用と、早期に浸透した低分子ケラチンと中分子ケラチンにより毛髪自体の細胞分裂による自己修復能力を発現する作用との相互作用が、さらに早期に同時並行的に起こることにより、さらに良好な効果を奏する
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の毛髪処理方法はこれに限定されるものではない。例えば、本発明の処理の前に、別途の前処理剤を用いたり、本発明の処理後に、別途の後処理剤を用いてもよい。
このとき、前処理剤や後処理剤が、毛髪処理剤[I]又は毛髪処理剤[II]であってもよい。また、毛髪処理剤[I]及び毛髪処理剤[II]を混合して用いてもよい。
また、前処理剤や後処理剤として、少なくともアミノ酸を含む毛髪補修剤を用いてもよい。さらに、少なくともアミノ酸を含む毛髪補修剤を、毛髪処理剤[I]、毛髪処理剤[II]、処理剤X、又は、毛髪処理剤含有処理剤[X−II]に含有させてもよい。
少なくともアミノ酸を含む毛髪補修剤を用いることにより、毛髪のつや、ハリコシ、しっとり感、さらさら感、やわらかさ、処理剤Xの効果の持続のさらなる向上が図られる。
前記毛髪補修剤には、アミノ酸以外にケラチン等のタンパク質や、アミノ酸誘導体が含まれてもよい。アミノ酸、ケラチン、アミノ酸誘導体等の毛髪補修成分により、毛髪のキューティクルを整え、毛髪表面のザラつきをなめらかにして、しなやかで潤いのある髪を保つことができる。
また、前記毛髪補修剤には、植物性セラミドと、複数種(例えば10種)のアミノ酸が含まれてもよい。複数種とは、例えば、分子量を異ならせたものである。植物性セラミドと、分子量の異なる複数種(例えば10種)のアミノ酸により毛髪本来のはりと潤いを保ち、毛髪内部のコルテックスの流出を抑えてサブキューティクルの形成を助ける。
前記毛髪補修剤には、上記成分以外にも用途等に応じて他の成分を適宜配合することができる。
毛髪処理剤[I]及び毛髪処理剤[II]の塗布方法は、格別限定されず、泡状、液状、ミルク状、ジェル状、クリーム状等で塗布することができる。特に、ムラなく均一に塗布すると共に、少ない塗布量で効率的に毛髪全体に塗布できる観点から、泡状で塗布することが好ましい。
毛髪処理剤[I]と毛髪処理剤[II]は、そのまま塗布してもよいし、水等で希釈して塗布してもよい。
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明はかかる実施例により限定されない。
(実施例1)
1.塗布液I及び塗布液IIの調製
以下のようにして塗布液I及び塗布液IIを調製した。
(塗布液I)
毛髪処理剤[I]と水を1:3の比率で混合し、塗布液Iを得た。
毛髪処理剤[I]は、複数種のケラチン、複数種のコラーゲン及びジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムを、1:1:0.2(重量比)で含有する。
pHは、6程度であった。
(塗布液II)
毛髪処理剤[II]と水を1:3の比率で混合し、塗布液IIを得た。
毛髪処理剤[II]は、重量平均分子量300のケラチン及び重量平均分子量3000のケラチンを1:1(重量比)で含有した。
pHは、約12程度であった。
2.毛髪処理
塗布液I及び塗布液IIを用い、処理剤Xとしてヘアカラー剤(pH10位)を用いて、以下の手順で、モデルA,B,Cの3人の毛髪処理を行った。
第1工程:塗布液Iを泡状として、濡れた毛髪全体に塗布する。
第2工程:次いで、洗髪することなく、塗布液Iの上から、処理剤X(ヘアカラー剤)を毛髪全体に塗布する。
第3工程:次いで、洗髪することなく、前記処理剤Xの上から、塗布液IIを泡状として、毛髪全体に塗布する。
3.評価
塗布液II(毛髪処理剤[II])を塗布後、40分経過までの、3人のモデルの毛髪のpHをリトマス試験紙で測定した。
各モデルについての塗布液IIの塗布後の経過時間とpHの値を表1に示した。
Figure 0006524366
表1の結果から、塗布液IIの塗布後、リンスなどの何らのpH処理を行うことなく、pHが中性に維持されることがわかる。
(実施例2)
実施例1におけるモデルCにおいて、実施例1の毛髪処理を施した後、実施例1の毛髪処理の処理剤Xとしてヘアカラー剤(pH11位)に代えた以外は、同様にして毛髪処理を行った。
塗布液IIの塗布後の経過時間とpHの値を表2に示した。
Figure 0006524366
表2の結果から、塗布液IIの塗布後、リンスなどの何らのpH処理を行うことなく、pHが中性に維持されることがわかる。
(実施例3)
実施例1において、処理剤Xとして縮毛矯正剤(pH12位)を用いた以外は同様にしてモデルD,Eに毛髪処理を行った。
その結果を表3に示した。
Figure 0006524366
表3の結果から、塗布液IIの塗布後、リンスなどの何らのpH処理を行うことなく、pHが中性に維持されることがわかる。
(実施例4)
実施例3におけるモデルEにおいて、実施例1の毛髪処理を施した後、実施例1の毛髪処理の処理剤Xとしてヘアカラー剤(pH10位)に代えた以外は、同様にして毛髪処理を行った。
塗布液IIの塗布後の経過時間とpHの値を表4に示した。
Figure 0006524366
表4の結果から、塗布液IIの塗布後、リンスなどの何らのpH処理を行うことなく、pHが中性に維持されることがわかる。
また、本発明者は、上記実施例1〜4において、保湿または加温をすると、早期にpH7になることを確認した。
(実施例5)
1.塗布液I及び毛髪処理剤含有処理剤[X−II]の調製
以下のようにして塗布液I及び毛髪処理剤含有処理剤[X−II]を調製した。
(塗布液I)
毛髪処理剤[I]と水を1:4の比率で混合し、塗布液Iを得た。
毛髪処理剤[I]は、複数種のケラチン、複数種のコラーゲン及びジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムを、1:1:0.2(重量比)で含有する。
pHは、6程度であった。
(毛髪処理剤含有処理剤[X−II])
処理剤Xとしてヘアカラー剤(pH10位)を用い、該処理剤Xに、毛髪処理剤[II]原液を5重量%混合し、毛髪処理剤含有処理剤[X−II]を得た。
毛髪処理剤[II]は、重量平均分子量300のケラチン及び重量平均分子量3000のケラチンを1:1(重量比)で含有した。
pHは、約12程度であった。
2.毛髪処理
塗布液I及び毛髪処理剤含有処理剤[X−II]を用いて、以下の手順で、モデルF,G,Hの3人の毛髪処理を行った。
第1工程:塗布液Iを泡状として、濡れた毛髪全体に塗布する。
第2工程:次いで、洗髪することなく、塗布液Iの上から、毛髪処理剤含有処理剤[X−II](ヘアカラー剤)を毛髪全体に塗布する。
3.評価
毛髪処理剤含有処理剤[X−II]を塗布後、50分経過までの、3人のモデルの毛髪のpHをリトマス試験紙で測定した。
各モデルについての塗布液IIの塗布後の経過時間とpHの値を表5に示した。
Figure 0006524366
表5の結果から、毛髪処理剤含有処理剤[X−II]の塗布後、リンスなどの何らのpH処理を行うことなく、pHが中性に維持されることがわかる。
(実施例6)
実施例5において、毛髪処理剤含有処理剤[X−II]として縮毛矯正剤(pH12位)を用いた以外は同様にしてモデルI,J,Kに毛髪処理を行った。
その結果を表6に示した。
Figure 0006524366
表6の結果から、毛髪処理剤含有処理剤[X−II]の塗布後、リンスなどの何らのpH処理を行うことなく、pHが中性に維持されることがわかる。
また、実施例3と比較して、中和する時間の短縮が大幅に図られた。
(実施例7)
実施例5において、毛髪処理剤含有処理剤[X−II]としてパーマネントウェーブ剤(pH12位)を用いた以外は同様にしてモデルLに毛髪処理を行った。
その結果を表7に示した。
Figure 0006524366
表7の結果から、毛髪処理剤含有処理剤[X−II]の塗布後、リンスなどの何らのpH処理を行うことなく、pHが中性に維持されることがわかる。
また、ワインデングにてロッドを巻き終えた時点で、pHが中性に維持された。毛髪が中性であってもパーマはかかるので、中和の時間が大幅に早くなった。
(実施例8)
(官能試験)
上記実施例1の「2.毛髪処理」を前記モデルとは別の10名のパネリストを対象として、官能試験を行った。具体的には、毛髪処理後の毛髪状態を、毛髪処理前と比較して、つや、ハリコシ、しっとり感、さらさら感、やわらかさの5項目について3段階評価で評価し、その評価点に対応する人数を調べた。
また、本発明の毛髪処理剤[I]と毛髪処理剤[II]を用いない場合と比較して、処理剤Xの効果度合について3段階評価で評価し、その評価点に対応する人数を調べた。
各評価項目の3段階評価基準は、以下の通りである。結果は、表8に示す。
(実施例9)
実施例8の毛髪処理の第1工程において、塗布液Iに代えて塗布液IIを用い、第3工程において、塗布液IIに代えて塗布液Iを用いた以外は、実施例8と同様にして、実施例8の10名のパネリストに毛髪処理を行い、官能試験を行った。その結果を表8に示す。
(比較例1)
実施例8の第1工程において、塗布液Iに代えて塗布液IIを用い、第3工程において、塗布液IIの塗布を省略した以外は、実施例8と同様にして実施例8の10名のパネリストに毛髪処理を行い、官能試験を行った。その結果を表8に示す。
<つや>
3:施術前と比較して、つやが増した
2:施術前と比較してほぼ変化なし
1:施術前と比較して、つやが落ちた
<ハリコシ>
3:施術前と比較して、ハリコシが増した
2:施術前と比較してほぼ変化なし
1:施術前と比較して、ハリコシが無くなった
<しっとり感>
3:施術前と比較して、しっとり感が増した
2:施術前と比較してほぼ変化なし
1:施術前と比較して、乾燥した
<さらさら感>
3:施術前と比較して、さらさら感が増した
2:施術前と比較してほぼ変化なし
1:施術前と比較して、さらさら感が落ちた
<やわらかさ>
3:施術前と比較して、やわらかさが増した
2:施術前と比較してほぼ変化なし
1:施術前と比較して、硬くなった
<処理剤Xの効果度合>
3:処理剤Xのみで施術した場合と比較して、処理剤Xの効果がさらに出た
2:処理剤Xのみで施術した場合と比較してもほぼ差異なし
1:処理剤Xのみで施術した場合と比較して、処理剤Xの効果が出難くなった
Figure 0006524366
<評価>
第1工程で塗布液IIを用いて、第3工程を省略した毛髪処理方法(比較例1)では、施術前と比べて、つや、しっとり感が増したと回答したパネリストが半数近くいるものの、特にハリコシ、さらさら感、やわらかさ、処理剤の効果度合については、変化なしと回答したものが多かった。
これに対して、第1工程で塗布液II、第2工程で処理剤X、第3工程で塗布液Iを塗布する毛髪処理方法(実施例9)では、特にしっとり感、さらさら感、やわらかさ、処理剤の効果度合において効果が顕著である。
また、第1工程で塗布液I、第2工程で処理剤X、第3工程で塗布液IIを塗布する毛髪処理方法(実施例8)では、全ての評価において更に顕著な効果が得られる。特に、実施例8の方法であれば、つや、ハリコシが格段に上がっており、全パネリストが、1本1本の髪質が良くなったと感じる、と追加的に回答した。
上記結果より、本発明の毛髪処理方法及び毛髪処理剤セットによると、毛髪の損傷を抑制し、補修しながら、処理剤Xの効果を高めることができることがわかる。
また、本発明者の実験によると、実施例8、9では、処理剤Xによる処理時間が、比較例と比べて短縮されていたことを確認した。
以上の官能試験により、実施例1〜4にて例証された毛髪のpHが中性になることとあいまって、つや、ハリコシ、しっとり感、さらさら感、やわらかさ等が良好になっていた。
<追加官能試験>
上記官能試験を行った対象パネリスト10名により、上記「2.毛髪処理」後の毛髪の質感や、処理剤の効果の持続性について官能試験を行い、3段階評価で実施例8と同様に評価した。3段階評価基準は、以下の通りである。結果は、表9に示す。
3:効果が2ヶ月以上持続した
2:効果が1〜2ヶ月持続した
1:効果が持続したのは1ヶ月未満だった
Figure 0006524366
<評価>
比較例1では、10人中10人のパネリストが、1ヶ月未満で毛髪処理後の毛髪の質感や処理剤の効果が感じられなくなったと回答した。
これに対し、実施例8、9では、10人中10人のパネリストが、少なくとも1ヶ月以上効果が持続したと回答した。
(実施例10)
実施例5、6、7の毛髪処理を行い、実施例8、9と同様の官能試験及び追加官能試験を行った結果、実施例8、9と同等乃至それを超える結果であった。特に、つや、ハリコシ、しっとり感、さらさら感、やわらかさ等について実施例8、9を超える結果であったことを確認した。

Claims (7)

  1. 加水分解タンパクとアニオン性化合物を少なくとも含有する毛髪処理剤[I]を塗布し、
    次いで、ヘアカラー剤、ブリーチ剤、パーマネントウェーブ剤、縮毛矯正剤又はトリートメント剤から選択される処理剤Xを塗布し、
    次いで、低分子ケラチンと中分子ケラチンを配合してなる毛髪処理剤[II]を塗布し、
    前記毛髪処理剤[II]を塗布後、アルカリ側にある毛髪のpHが、所定時間経過後、最大50分経過までに、pH調整作用のある物質を用いることなく中性に維持されることを特徴とする毛髪処理方法。
  2. 前記毛髪処理剤[II]を塗布後、アルカリ側にある毛髪のpHが、所定時間経過後、最大50分経過までに、pH調整作用のある物質を用いることなく7.0〜8.0に維持されることを特徴とする請求項1記載の毛髪処理方法。
  3. 前記毛髪処理剤[I]中の前記加水分解タンパクが、加水分解ケラチン及び加水分解コラーゲンを含み、前記アニオン性化合物が、アニオン性界面活性剤又はジラウロイルグルタミン酸リシン塩から選ばれる1種であることを特徴とする請求項1又は2記載の毛髪処理方法。
  4. 前記毛髪処理剤[II]中の低分子ケラチンが、重量平均分子量300〜500のケラチンであり、中分子ケラチンが重量平均分子量3000〜5000のケラチンであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の毛髪処理方法。
  5. 前記毛髪処理剤[I]の使用時のpHが、酸性であり、前記毛髪処理剤[II]の使用時のpHが、アルカリ性であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の毛髪処理方法。
  6. 低分子ケラチンと中分子ケラチンを配合してなる毛髪処理剤[II]を塗布し、
    次いで、ヘアカラー剤、ブリーチ剤、パーマネントウェーブ剤、縮毛矯正剤又はトリートメント剤から選択される処理剤Xを塗布し、
    次いで、加水分解タンパクとアニオン性化合物を少なくとも含有する毛髪処理剤[I]を塗布し、
    前記毛髪処理剤[I]を塗布後、アルカリ側にある毛髪のpHが、所定時間経過後、最大50分経過までに、pH調整作用のある物質を用いることなく中性に維持されることを特徴とする毛髪処理方法。
  7. 加水分解タンパクとアニオン性化合物を少なくとも含有する毛髪処理剤[I]を塗布し、
    次いで、ヘアカラー剤、ブリーチ剤、パーマネントウェーブ剤、縮毛矯正剤又はトリートメント剤から選択される処理剤Xと、低分子ケラチンと中分子ケラチンを配合してなる毛髪処理剤[II]を混合した、毛髪処理剤含有処理剤[X−II]を塗布し、
    前記毛髪処理剤含有処理剤[X−II]を塗布後、アルカリ側にある毛髪のpHが、所定時間経過後、最大50分経過までに、pH調整作用のある物質を用いることなく中性に維持されることを特徴とする毛髪処理方法。
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