JP2001328928A - 酸性染毛料 - Google Patents

酸性染毛料

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JP2001328928A
JP2001328928A JP2000149515A JP2000149515A JP2001328928A JP 2001328928 A JP2001328928 A JP 2001328928A JP 2000149515 A JP2000149515 A JP 2000149515A JP 2000149515 A JP2000149515 A JP 2000149515A JP 2001328928 A JP2001328928 A JP 2001328928A
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Masato Yoshioka
正人 吉岡
Sueko Omi
須恵子 大海
Mikuo Tachibana
三空雄 橘
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Seiwa Kasei Co Ltd
Original Assignee
Seiwa Kasei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少量の酸性染料で均一に染毛でき、かつ染毛
時の毛髪の損傷が少なく、しかも染毛後の毛髪に良好な
艶やはりを付与することができる酸性染毛料を提供す
る。 【解決手段】 酸性染料を含有する組成中に、下記の一
般式(I) 〔式中、Rはケラチン由来のペプチドのアミノ酸側鎖を
示し、aは0または1、mは2〜20、nは20〜20
0であり、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、低級
アルカノールアミンまたは低級アルキルアミンである
(ただし、mおよびnはアミノ酸の数を示すのみで、ア
ミノ酸配列の順序を示すものではない)〕で示されるケ
ラチンの酸化部分分解物の塩またはそのN−第4級アン
モニウム誘導体を0.5〜10重量%含有させて酸性染
毛料を構成する。さらに、数平均分子量300〜200
0の蛋白質加水分解物またはその誘導体を併用して含有
させるのが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸性染毛料に関
し、さらに詳しくは、少量の酸性染料で均一に染毛で
き、かつ染毛時の毛髪の損傷が少なく、しかも染毛後の
毛髪に良好な艶、はりおよび櫛通り性を付与することが
できる酸性染毛料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】染毛剤には、一時染毛剤、半永久染毛
剤、永久染毛剤などがあり、いずれも美容の目的で広く
使用されている。
【0003】永久染毛料では、酸化染料(染料中間体)
を含む第1剤と過酸化水素などの酸化剤を含む第2剤と
からなる酸化型染毛料が、種々の色調が得られる上に、
染毛力が優れていることから、広く使用されている。
【0004】しかしながら、この酸化型染毛料では、一
般に酸化染料の均一な浸透を助長するためにアルカリ剤
を含有させているので、pHが10以上と高く、また、
酸化のための過酸化水素などの酸化剤を含んでいるた
め、刺激性があり、しかも染毛時の毛髪の損傷が激し
く、毛髪中のタンパク(蛋白)成分が流出して、染毛後
の毛髪がパサついたり、櫛通り性が悪くなるという問題
があった。
【0005】また、一時染毛剤は、スティック状、ジェ
ル状、スプレー状、ムース状など種々の剤型があり、使
用法が簡単で安全性が高く、1回のシャンプーで洗い落
とすことができるという特徴から広く使用されている。
【0006】しかしながら、この一時染毛剤は、いずれ
の剤型のものでも、色持ちが悪く、雨や汗によって染色
が落ちるという問題があった。
【0007】さらに、半永久染毛剤では、アルカリ剤を
含まない酸性染料を主体として酸性染毛料が、中高年層
の「白髪染め」や若年層のいわゆる「おしゃれ染め」と
して広く用いられている。
【0008】しかしながら、この半永久染毛剤に属する
酸性染毛料でも、ポリオキシエチレンノニルフェニルエ
−テル、ベンジルアルコ−ル、N−メチルピロリドンな
どの浸透剤や溶剤などを比較的多量に含んでいるので、
これらの浸透剤や溶剤による毛髪の損傷や毛髪中のタン
パク成分の流出などが生じやすく、染毛後に毛髪がかさ
ついたり、櫛通り性が悪くなるといった問題があった。
【0009】そのため、それらを解決する手段として、
油性成分やコンディショニング剤として一般的に使用さ
れるカチオン成分を酸性染毛料に配合することも行われ
ているが、これらの成分は、染毛性を阻害する傾向があ
るため、配合量が制限され、それらの毛髪への効果を充
分に発揮させることができないという問題もあった。
【0010】さらに、酸性染毛料で鮮やかな色調に表現
するため、染毛前に毛髪中のメラニンを破壊してブリ−
チ(漂白)する場合には、より一層毛髪が損傷しやすく
なり、毛髪の光沢が失われ、櫛通り性が悪くなるという
問題があった。また、酸性染毛料では、酸性染料を毛小
皮に吸着させて染毛する関係で、酸化染料による染毛に
比べて染毛効果が低く、染色効果を高めるためには、酸
性染料の濃度を高くしたり、浸透剤や溶剤の配合量を増
やしたり、pHを極度に低くしたりするなどの必要があ
り、そのため、染毛後の毛髪が硬くなったり、櫛通り性
が悪くなったり、染料が地肌に付着した場合、その染料
の除去が困難になるいう問題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、上
記のような従来技術の問題点を解決し、少量の酸性染料
でも均一に染毛でき、かつ染毛時の毛髪の損傷が少な
く、しかも毛髪に良好な艶、はり、櫛通り性などを付与
することができる酸性染毛料を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため鋭意研究を重ねた結果、下記の一般式
(I)で示されるケラチンの酸化部分分解物の塩または
そのN−第4級アンモニウム誘導体酸性染毛料に含有さ
せるときには、少量の酸性染料で均一に染色できるた
め、地肌に付着した染料の除去が容易で、かつ染毛時の
毛髪の損傷が少なく、しかも毛髪に良好な艶、はり、櫛
通り性などを付与できることを見出し、本発明を完成す
るにいたった。
【0013】すなわち、本発明は、一般式(I)
【0014】
【化2】
【0015】〔式中、Rはケラチン由来のペプチドのア
ミノ酸側鎖を示し、aは0または1、mは2〜20、n
は20〜200であり、Mは水素原子、アルカリ金属、
アルカリ土類金属、低級アルカノールアミンまたは低級
アルキルアミンである(ただし、mおよびnはアミノ酸
の数を示すのみで、アミノ酸配列の順序を示すものでは
ない)〕で示されるケラチンの酸化部分分解物の塩また
はそのN−第4級アンモニウム誘導体を含有させたこと
を特徴とする酸性染毛料に関する。
【0016】また、本発明は前記一般式(I)で示され
るケラチンの酸化部分分解物の塩またはそのN−第4級
アンモニウム誘導体に加えて、数平均分子量300〜2
000の蛋白質加水分解物(加水分解ペプチド)または
その誘導体を含有させた酸性染毛料に関する。
【0017】本発明の酸性染毛料によれば、一般式
(I)で示されるケラチンの酸化部分分解物の塩または
そのN−第4級アンモニウム誘導体を含有させているた
め、その一般式(I)で示されるケラチンの酸化部分分
解物の塩またはそのN−第4級アンモニウム誘導体が毛
髪の表面に被膜を形成するので、酸性染料の毛髪への沈
着率が高くなり、従来より少ない量の酸性染料で充分な
染毛効果が得られるようになる。また、毛髪には傷んだ
部分と健常な部分が存在するため、従来の酸性染毛料で
は、酸性染料の毛髪への浸透の違いが生じて、染毛時の
色むらが生じていたが、本発明の酸性染毛料では、一般
式(I)で示されるケラチンの酸化部分分解物の塩また
はそのN−第4級アンモニウム誘導体が毛髪の損傷部位
を保護し、毛髪全体の表面に一般式(I)で示されるケ
ラチンの酸化部分分解物の塩またはそのN−第4級アン
モニウム誘導体が被膜を形成するので、色むらの発生が
防止され、均一に染毛することができる。従って、本発
明の酸性染毛料によれば、少量の酸性染料で均一に染毛
でき、かつ一般式(I)で示されるケラチンの酸化部分
分解物の塩またはそのN−第4級アンモニウム誘導体に
よる毛髪の保護作用により、染毛時の毛髪の損傷が低減
される。
【0018】さらに、本発明の酸性染毛料によれば、一
般式(I)で示されるケラチンの酸化部分分解物の塩ま
たはそのN−第4級アンモニウム誘導体が毛髪に収着
し、その一般式(I)で示されるケラチンの酸化部分分
解物の塩またはそのN−第4級アンモニウム誘導体が毛
髪に良好な艶、はり、櫛通り性などを付与するが、数平
均分子量300〜2000の蛋白質加水分解物またはそ
の誘導体を含有させることによって、毛髪の艶、潤い、
櫛通り性などを一層向上させることができる。
【0019】なお、本明細書中における数平均分子量
は、ケラチンの酸化部分分解物や蛋白質加水分解物の総
窒素量とアミノ態窒素量より求めたペプチドの平均量体
数と、ケラチンや各種蛋白質のアミノ酸分析による各種
アミノ酸の存在比から求めたアミノ酸の平均分子量とを
基に算出した値である。
【0020】すなわち、上記数平均分子量は、下記の式
より算出される。
【0021】上記計算式において、平均アミノ酸分子量
より「18」を引いているのは、ペプチド結合をしてい
る場合、一つのアミノ酸につき水一分子(H2 O)が脱
水されることになるので、「18」を引き、また、最後
の「18」を足しているのは、末端COOHの「OH」
と末端NH2 の「H」の分子量「17と1」を足すため
である。
【0022】ケラチンや他の蛋白質の平均アミノ酸分子
量は、アミノ酸の存在割合をアミノ酸分析により求め、
これに各アミノ酸の分子量を掛けて合計することにより
求めたもので、本明細書においては、ケラチンの平均ア
ミノ酸分子量を124とし、その他の蛋白質では、例え
ば、コラーゲンは108、シルクは95、大豆蛋白は1
31としている。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明において、酸性染毛料に含
有させる一般式(I)で示されるケラチンの酸化部分分
解物の塩やそのN−第4級アンモニウム誘導体の出発原
料となるケラチンとしては、例えば、羊毛、羽毛、毛
髪、角、爪、蹄などを構成するケラチンがいずれも使用
可能であるが、入手が容易であるという観点から羊毛が
特に好ましい。
【0024】上記一般式(I)で示されるケラチンの酸
化部分分解物の塩およびそのN−第4級アンモニウム誘
導体のケラチンの酸化部分分解物部分は、数平均分子量
が約2000〜約20000に調整されているが、この
一般式(I)で示されるケラチンの酸化部分分解物の塩
の製造方法としては、例えば、ケラチンをアルカリ剤で
加水分解し、その分解液を酸化剤で酸化した後、酸化液
をpH3〜4に調整することによって生成させる方法が
採用される。これを具体的に説明すると、例えば、羊毛
を水酸化ナトリウムなどのアルカリ剤水溶液中で80℃
で1〜6時間加水分解した後、過酸化水素水や過蟻酸な
どの酸化剤で酸化し、濾過後、濾液に塩酸、硫酸などの
酸を加えてpHを3〜4に調整して不溶物を沈殿させて
分離する。つぎに、上記の不溶物を食塩水などで洗浄
後、水酸化ナトリウム、アンモニア水、アルカノールア
ミンなどの塩基性物質でpH6〜8に中和溶解すること
によりアルカリ塩の形で水溶液として得られ、そのま
ま、あるいはイオン交換樹脂や電気透析などで脱塩精製
した後、本発明の酸性染毛料に使用される。また、塩基
性物質で中和溶解した溶液を噴霧乾燥、凍結乾燥するこ
とにより、粉体化して得ることもできる。
【0025】また、ケラチンの酸化部分分解物のN−第
4級アンモニウム誘導体は、上記のようにして得られた
ケラチンの酸化部分分解物に第4級アンモニウム基を導
入したものであり、例えば、下記一般式(II)
【0026】
【化3】
【0027】〔式中、Rはケラチン由来のペプチドのア
ミノ酸側鎖を示し、R1 、R2 、R3は炭素数1〜20
のアルキル基または炭素数1〜20のアルケニル基、あ
るいはR1 〜R3 のうち1個または2個が炭素数1〜2
0のアルキル基または炭素数1〜20のアルケニル基
で、残りが炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3の
ヒドロキシアルキル基またはベンジル基である。Aは炭
素数2〜3のアルキレン基または炭素数2〜3のヒドロ
キシアルキレン基で、aは0または1、mは2〜20、
nは20〜200であり、Mはアルカリ金属、アルカリ
土類金属、低級アルカノールアミンまたは低級アルキル
アミンである(ただし、mおよびnはアミノ酸の数を示
すのみで、アミノ酸配列の順序を示すものではない)〕
で示される。
【0028】ケラチンの酸化部分分解物をN−第4級ア
ンモニウム誘導体にする方法としては、一般にペプチド
類の第4級アンモニウム誘導体を製造する際の公知の方
法を採用することができる。すなわち、前記のようにし
て得られたケラチンの酸化部分分解物のアルカリ塩水溶
液に、例えば、下記の一般式(III )
【0029】
【化4】
【0030】〔式中、R1 、R2 、R3 は炭素数1〜2
0のアルキル基または炭素数1〜20のアルケニル基、
あるいはR1 〜R3 のうち1個または2個が炭素数1〜
20のアルキル基または炭素数1〜20のアルケニル基
で、残りが炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3の
ヒドロキシアルキル基またはベンジル基で、XはCl、
Br、F、I、NO3 、1/2SO4 、R4 OSO
3 (R4 は低級アルキル基を示す)またはR4 SO
3 (R4 は前記に同じ)〕 で示されるグリシジルアンモ
ニウム塩、または下記の一般式(IV)
【0031】
【化5】
【0032】〔式中、R1 、R2 、R3 およびXは前記
一般式(III )の場合と同じであり、YはCl、Br、
F、Iなどのハロゲン原子を示す〕 で示される3−ハロ
ゲン−2−ヒドロキシプロピルアンモニウム塩、または
下記の一般式(V)
【0033】
【化6】
【0034】〔式中、R1 、R2 、R3 、XおよびYは
前記一般式(IV)の場合と同じである〕 で示される3−
ハロゲンプロピルアンモニウム塩、または下記の一般式
(VI)
【0035】
【化7】
【0036】〔式中、R1 、R2 、R3 、XおよびYは
前記一般式(IV)の場合と同じである〕 で示される2−
ハロゲンエチルアンモニウム塩のいずれかを反応させる
ことによってケラチンの酸化部分分解物のN−第4級ア
ンモニウム誘導体が得られる。
【0037】ケラチンの酸化部分分解物のN−第4級ア
ンモニウム誘導体は、水酸化ナトリウム、アンモニア
水、アルカノールアミンなどの塩基性物質あるいは塩
酸、硫酸などの酸によりpHを6〜8に調整することに
よりアルカリ塩の形で水溶液として得られ、そのまま、
あるいはイオン交換樹脂や電気透析などで脱塩精製した
後、本発明の酸性染毛料に使用される。また、溶液を噴
霧乾燥、凍結乾燥することにより、粉体化して得ること
もできる。
【0038】本発明の酸性染毛料に含有させる一般式
(I)で示されるケラチンの酸化部分分解物の塩および
ケラチンの酸化部分分解物のN−第4級アンモニウム誘
導体のケラチンの酸化部分分解物部分において、mを2
〜20、nを20〜200にしているのは、上記ケラチ
ンの酸化部分分解物の数平均分子量を約2000〜約2
0000にすることと、アミノ酸10個に対し約1個の
割合でシステインが含まれていて、そのシステイン部分
が酸化されて、その数がmで示される部分が生成するこ
とに基づいている。
【0039】上記一般式(I)で示されるケラチンの酸
化部分分解物の塩またはそのN−第4級アンモニウム誘
導体は、それぞれ単独で用いてもよいし、また混合して
用いてもよい。そして、一般式(I)で示されるケラチ
ンの酸化部分分解物の塩またはそのN−第4級アンモニ
ウム誘導体の酸性染毛料中での含有量としては、0.1
〜10重量%(混合して配合する場合はその合計量)、
特に0.5〜5重量%の範囲にするのが好ましい。すな
わち、上記一般式(I)で示されるケラチンの酸化部分
分解物の塩またはそのN−第4級アンモニウム誘導体の
酸性染毛料中での含有量が上記範囲より少ない場合は、
毛髪の損傷部位を保護して毛髪上で造膜する効果が乏し
く、従って染毛時の染料の均一な浸透や付着が少なくな
って、毛髪を均一に染毛することができなくなる上に、
染毛後の毛髪に良好な艶、はり、櫛通り性などを付与す
ることができなくなるおそれがあり、また上記一般式
(I)で示されるケラチンの酸化部分分解物の塩または
そのN−第4級アンモニウム誘導体の染毛剤中への配合
量が上記範囲より多くなっても、含有量の増加に見合う
効果の増加がほとんど認められない。
【0040】前記のように本発明の酸性染毛料は、上記
一般式(I)で示されるケラチンの酸化部分分解物の塩
またはそのN−第4級アンモニウム誘導体の作用で、少
量の酸性染料で均一に染毛でき、かつ一般式(I)で示
されるケラチンの酸化部分分解物の塩またはそのN−第
4級アンモニウム誘導体による毛髪の保護作用により、
染毛時の毛髪の損傷が低減され、かつ染毛後の毛髪に艶
やはり、良好な櫛通り性などを付与するが、一般式
(I)で示されるケラチンの酸化部分分解物の塩または
そのN−第4級アンモニウム誘導体に加えて、数平均分
子量300〜2000の蛋白質加水分解物またはその誘
導体を配合すると、毛髪に艶や潤い、良好な櫛通り性を
付与する効果がさらに向上する。
【0041】本発明の酸性染毛料に含有させる数平均分
子量300〜2000の蛋白質加水分解物またはその誘
導体のうち蛋白質加水分解物としては、例えば、コラー
ゲン(その変性物であるゼラチンも含む)、ケラチン、
絹フィブロイン(シルク)、セリシン、カゼイン、コン
キオリン、エラスチン、鶏、あひるなどの卵の卵黄タン
パク、卵白タンパク、大豆タンパク、小麦タンパク、ト
ウモロコシタンパク、米(米糠)タンパク、ジャガイモ
タンパクなどの動植物由来のタンパク、あるいは、サッ
カロミセス属、カンディダ属、エンドミコプシス属の酵
母タンパク、キノコ類(担子菌)より抽出したタンパ
ク、クロレラより分離したタンパクなどの微生物由来の
タンパクを酸、アルカリ、酵素またはそれらの併用で数
平均分子量を300〜2000に加水分解した加水分解
ペプチドが挙げられる。
【0042】本発明の酸性染毛料に配合させる蛋白質加
水分解物の数平均分子量を300〜2000に特定して
いるのは、蛋白質加水分解物の数平均分子量が300よ
り小さい場合は、毛髪上での造膜作用が充分でなく、毛
髪に艶を付与する作用が発揮されなくなるおそれがあ
り、また、数平均分子量が2000より大きい場合は、
造膜作用を有するものの、毛髪への浸透作用が弱くな
り、毛髪に潤いを付与する作用が発揮されなくなるおそ
れがある。
【0043】また、本発明の酸性染毛料に含有させる蛋
白質加水分解物の誘導体としては、例えば、上記蛋白質
加水分解物のエステル誘導体、第4級アンモニウム誘導
体、シリル化誘導体などが挙げられる。なお、本明細書
中での数平均分子量300〜2000の蛋白質加水分解
の誘導体とは、蛋白質加水分解物の誘導体中の加水分解
ペプチド部分の分子量が300〜2000であることを
意味する。
【0044】上記蛋白質加水分解物のエステルとして
は、上記蛋白質加水分解物のカルボキシル基における炭
素数1〜20の炭化水素アルコ−ルとのエステル、たと
えば、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエス
テル、イソプロピルエステル、ラウリルエステル、セチ
ルエステル、2‐エチルヘキシルエステル、2‐ヘキシ
ルデシルエステル、ステアリルエステルなどが挙げられ
る。
【0045】上記蛋白質加水分解物の第4級アンモニウ
ム誘導体としては、例えば、下記一般式(VII )
【0046】
【化8】
【0047】〔式中、R1 、R2 、R3 は炭素数1〜2
0のアルキル基または炭素数1〜20のアルケニル基、
あるいはR1 〜R3 のうち1個または2個が炭素数1〜
20のアルキル基または炭素数1〜20のアルケニル基
で、残りが炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3の
ヒドロキシアルキル基またはベンジル基であり、R4
蛋白質由来の各種アミノ酸側鎖をし、Aは炭素数2〜3
のアルキレン基または炭素数2〜3のヒドロキシアルキ
レン基で、bは3〜20の整数を示す〕で示され、ケラ
チンの酸化部分分解物のN−第4級アンモニウム誘導体
を製造する際に使用する前記の一般式(III )〜(VI)
のいずれかを反応させることによって蛋白質加水分解物
の第4級アンモニウム誘導体が得られる。
【0048】上記蛋白質加水分解物のアシル化物または
その塩としては、例えば、上記蛋白質加水分解物のアミ
ノ基に炭素数7〜21のアルキル基または炭素数7〜2
1のアルケニル基(上記アルキル基やアルケニル基は直
鎖状のものでもよいし、また分岐鎖状のものでもよい)
を有する高級脂肪酸、または樹脂酸などの脂環構造の酸
を縮合させたものまたはその塩が挙げられる。
【0049】それらの酸の具体例としては、たとえば、
カプリル酸、カプリン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、
パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘニン
酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸、ウンデシレ
ン酸、オレイン酸、ミリストレイン酸、エライジン酸、
エルカ酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ヤ
シ油脂肪酸、牛脂脂肪酸、樹脂酸(アビエチン酸)など
が挙げられる。
【0050】上記蛋白質加水分解物のシリル化誘導体と
しては、例えば、下記の一般式(VIII)
【0051】
【化9】
【0052】〔式中、R5 、R6 、R7 のうち少なくと
も一つは水酸基を示し、残りは炭素数1〜3のアルキル
基を示す。R8 は側鎖の末端にアミノ基を有する塩基性
アミノ酸の末端アミノ基を除く残基を示し、R9 はR8
以外のアミノ酸側鎖を示す。Bは結合手で、メチレン
基、プロピレン基、−CH2 OCH2 CH(OH)CH
2−または−(CH2 3 OCH2 CH(OH)CH2
−で示される基であり、cは0〜20、dは1〜20
で、c+dは1〜20の整数である(ただし、cおよび
dはアミノ酸の数を示すのみで、アミノ酸配列の順序を
示すものではない)〕で表されるシリル化ペプチドが挙
げられ、このようなシリル化ペプチドは、特開平8−5
9424号公報、特開平8−67608号公報記載の方
法により製造できる。
【0053】上記蛋白質加水分解物またはその誘導体
は、毛髪に収着して、毛髪を保護すると共に、毛髪に良
好な艶、潤い、保湿性などを付与するが、酸性染毛料に
含有させるにあたっては、上記蛋白質加水分解物はそれ
ぞれ単独で用いてもよいし、また2種以上混合して用い
てもよい。そして、毛髪に艶を付与することを目的とす
る場合は、加水分解シルク(フィブロン)、加水分解コ
ラーゲンやそれらの誘導体を含有させるのが好ましく、
毛髪に潤いを付与する場合は、加水分解大豆タンパク、
加水分解小麦タンパクなどの植物蛋白加水分解ペプチド
またはその誘導体を用いるのが好ましい。また、蛋白質
加水分解物のシリル化誘導体を併用すると、染毛後の毛
髪の艶、はり、櫛通り性がさらに向上する。
【0054】上記蛋白質加水分解物またはその誘導体の
染毛剤中での含有量としては0.1〜15重量%が好ま
しく、特に0.5〜10重量%が好ましい。すなわち、
蛋白質加水分解物またはその誘導体の酸性染毛料中での
含有量が上記範囲より少ない場合は、毛髪に艶や潤いを
付与する効果が発揮されないおそれがあり、逆に蛋白質
加水分解物またはその誘導体の酸性染毛料中での含有量
が上記範囲より多くなっても、含有量の増加に見合う効
果の増加が認められないばかりか、毛髪がべたついたり
ごわついたりするようになるおそれがある。ただし、蛋
白質加水分解物またはその誘導体の酸性染毛料中での含
有量は、一般式(I)で示されるケラチンの酸化部分分
解物の塩またはそのN−第4級アンモニウム誘導体の酸
性染毛料中での含有量によって増減させることが好まし
く、一般式(I)で示されるケラチンの酸化部分分解物
の塩またはそのN−第4級アンモニウム誘導体の含有量
が少量の場合には、蛋白質加水分解物またはその誘導体
を多量に配合してもよいが、一般式(I)で示されるケ
ラチンの酸化部分分解物の塩またはそのN−第4級アン
モニウム誘導体の酸性染毛料中での含有量が多量の場合
には、蛋白質加水分解物またはその誘導体を多量に含有
させると毛髪がべたつくようになるおそれがあるため、
蛋白質加水分解物またはその誘導体の酸性染毛料中での
配合量は、一般式(I)で示されるケラチンの酸化部分
分解物の塩またはそのN−第4級アンモニウム誘導体の
配合量と合計して1〜15重量%にするのが好ましい。
【0055】上記酸性染毛料に用いる酸性染料として
は、人体に対して無害な酸性染料であれば特に限定され
ることなく各種のものを用い得るが、それらを例示する
と、たとえば、赤色2号、3号、102号、104号の
(1)、106号、201号、227号、230号の
(1)、230号の(2)、231号、232号、40
1号、502号、503号、504号、506号、黄色
4号、5号、202号の(1)、202号の(2)、2
03号、402号、403号の(1)、406号、40
7号、緑色3号、201号、205号、401号、40
2号、青色1号、2号、202号、203号、205
号、橙色205号、207号、402号、褐色201
号、紫色401号、黒色401号などが挙げられる。
【0056】本発明の酸性染毛料には、この酸性染料を
0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜10重量%
含有させることができるが、本発明は、後記の実施例で
も明らかにしているように、従来の酸性染毛料における
酸性染料の使用量を60〜70%程度の使用で毛髪を均
一に染毛することができるという特徴を有している。
【0057】本発明の酸性染毛料は、一般式(I)で示
されるケラチンの酸化部分分解物の塩またはそのN−第
4級アンモニウム誘導体、あるいは、一般式(I)で示
されるケラチンの酸化部分分解物の塩またはそのN−第
4級アンモニウム誘導体と数平均分子量300〜200
0の蛋白質加水分解物またはその誘導体を含有させるこ
とと、それによって酸性染料の使用量を低減することが
できるという以外は、従来と同様の構成を採用すること
ができる。従って、本発明の酸性染毛料においては、上
記以外の成分に関して、酸性染毛料に使用可能なもので
あれば、いずれも使用することができる。そして、本発
明の酸性染毛料の調製は、すでに調製済みの酸性染毛料
に一般式(I)で示されるケラチンの酸化部分分解物の
塩またはそのN−第4級アンモニウム誘導体、あるい
は、一般式(I)で示されるケラチンの酸化部分分解物
の塩またはそのN−第4級アンモニウム誘導体と数平均
分子量300〜2000の蛋白質加水分解物またはその
誘導体を添加することによって行ってもよいし、また、
酸性染毛料の調製時に一般式(I)で示されるケラチン
の酸化部分分解物の塩またはそのN−第4級アンモニウ
ム誘導体、あるいは、一般式(I)で示されるケラチン
の酸化部分分解物の塩またはそのN−第4級アンモニウ
ム誘導体と数平均分子量300〜2000の蛋白質加水
分解物またはその誘導体を他の成分と一緒に加えて調製
してもよい。
【0058】本発明の酸性染毛料は、上記からも明らか
なように、その効果を損なわない範囲内において、従来
同様に、たとえば、非イオン性界面活性剤、アニオン性
界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤な
どの界面活性剤、グリセリン、プロピレングリコールな
どの溶解剤、保湿剤、カルボキシメチルセルロース、ヒ
ドロキシエチルセルロース、カルボキシビニルポリマ
ー、ポリアクリル酸アミドなどの粘度調整剤、アクリル
酸エステル、メタクリル酸エステルなどの共重合体、
N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートのモノク
ロル酢酸アミン塩変成物とメタクリル酸エステルとの共
重合体、ビニルピロリドンと酢酸ビニルとの共重合体な
どの樹脂類、pH調整剤、香料、防腐剤などの物質を必
要に応じて含有させることができる。
【0059】
【発明の効果】本発明の酸化染毛料は、一般式(I)で
示されるケラチンの酸化部分分解物の塩またはそのN−
第4級アンモニウム誘導体が毛髪の表面に被膜を形成す
るので、酸性染毛料の毛髪への沈着率が高くなり、従来
より少ない量の酸性染料の使用で充分な染毛効果を発揮
させることができる上に、色むらがなく均一に染毛する
ことができる。また、染毛時の毛髪の損傷が少なく、し
かも染毛髪に良好な艶、はり、櫛通り性などを付与する
ことができる。さらに、数平均分子量300〜2000
の蛋白質加水分解物またはその誘導体を併用することに
よって染毛後の毛髪の艶、潤い、櫛通り性などをより一
層向上させることができる。
【0060】
【実施例】つぎに実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限定
されるものではない。なお、実施例に先立ち、一般式
(I)で示されるケラチンの酸化部分分解物の塩および
そのN−第4級アンモニウム誘導体の製造方法を参考例
として示す。
【0061】参考例1 内容積5リットルのビーカーに水1000gと水酸化ナ
トリウム25gを入れ、攪拌しながら粉砕羊毛250g
を添加し、80℃で5時間攪拌を続けて羊毛を加水分解
した。加水分解後室温まで冷却し、35%過酸化水素水
150gを添加して1時間攪拌を続けた後24時間放置
して分解液を酸化した。酸化終了後溶液を濾過して不溶
物を除去し、濾液に36%塩酸40gを添加して溶液の
pHを3.5に調整して不溶物を浮遊沈殿として分離し
た。下層の水層を除去し、不溶物を0.5%食塩水30
0gで2度洗浄した。洗浄後不溶物は水酸化ナトリウム
水溶液に溶解し、pH7に調整して固形分20%のケラ
チン酸化部分分解物のナトリウム塩の水溶液を600g
得た。このようにして得られたケラチンの酸化部分分解
物のナトリウム塩の数平均分子量は3520であった。
【0062】参考例2 内容積5リットルのビーカーに水1000gと水酸化ナ
トリウム10gを入れ、攪拌しながら粉砕羊毛250g
を添加し、80℃で3時間攪拌を続けて羊毛を加水分解
した。加水分解後室温まで冷却し、35%過酸化水素水
150gを添加して1時間攪拌を続けた後24時間放置
して分解液を酸化した。酸化終了後溶液を濾過して不溶
物を除去し、濾液に36%塩酸40gを添加して溶液の
pHを3.5に調整して不溶物を浮遊沈殿として分離し
た。下層の水層を除去し、不溶物は0.5%食塩水35
0gで2度洗浄した。洗浄後不溶物はトリエタノールア
ミンに溶解し、pH7に調整して20%水溶液を677
g得た。このようにして得られたケラチン酸化部分分解
物のトリエタノールアミン塩の数平均分子量は8546
であった。
【0063】参考例3 参考例1で得られたケラチンの酸化部分分解物のナトリ
ウム塩250gを内容積1リットルのビーカーに入れ、
20%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを9.5に
調整した。この溶液を攪拌下加温して40℃に保ち、そ
の中にグリシジルトリメチルアンモニウムクロライドの
75%水溶液15g(ケラチンの酸化部分分解物のナト
リウム塩のアミノ態窒素量に対して3当量)を1時間か
けて滴下し、滴下終了後45℃で4時間攪拌を続けて反
応を完結させた。反応液は希塩酸でpH7に調整し、電
気透析によって脱塩した後、減圧濃縮して固形分濃度2
0%のケラチンの酸化部分分解物のN−(3−トリメチ
ルアンモニオ)−2−ヒドロキシプロピル誘導体のナト
リウム塩水溶液を260g得た。
【0064】参考例4 参考例2で得られたケラチンの酸化部分分解物のトリエ
タノールアミン塩300gを内容積1リットルのビーカ
ーに入れ、20%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH
を9.5に調整した。この溶液を攪拌下加温して40℃
に保ち、その中に3−クロロ−2−ヒドロキシジメチル
ヤシ油アルキルアンモニウムクロライドの35%水溶液
7g(ケラチンの酸化部分分解物のナトリウム塩のアミ
ノ態窒素量に対して2当量)を2時間かけて滴下した。
この間20%水酸化ナトリウム水溶液を添加して反応液
のpHが9.5になるように保った。滴下終了後さらに
45℃で3時間攪拌を続けて反応を完結させた。反応液
は希塩酸でpH7に調整し、濃度を調整して固形分濃度
20%のケラチンの酸化部分分解物のN−(3−ヤシ油
アルキルジメチルアンモニオ)−2−ヒドロキシプロピ
ル誘導体のナトリウム塩水溶液を305g得た。
【0065】実施例1〜3および比較例1 表1に示す組成の酸性染毛料を調製し、得られた実施例
1〜3および比較例1の酸性染毛料のそれぞれで毛束を
染毛し、染毛後の毛髪の色の濃さ、毛髪の耐かさつき
感、艶、はり、潤い、櫛通り性などを評価した。なお、
表中の各成分の含有量を示す数値は重量部によるもので
あり、特に括弧内に濃度を示したもの以外は、純分とし
ての含有量を示し、濃度を示す%は重量%である。これ
らは、以後の実施例、比較例でも同様である。
【0066】実施例1では、参考例1で製造したケラチ
ンの酸化部分分解物のナトリウム塩と数平均分子量10
00の加水分解シルクを含有させ、実施例2では参考例
3で製造したケラチンの酸化部分分解物のN−(3−ト
リメチルアンモニオ)−2−ヒドロキシプロピル誘導体
と数平均分子量1000の加水分解シルクを含有させ、
実施例3では参考例1で製造したケラチンの酸化部分分
解物のナトリウム塩のみ含有させている。また、比較例
1では、これらのケラチンの酸化部分分解物の塩や加水
分解ペプチドなどは全く含有していない。
【0067】
【表1】
【0068】上記実施例1〜3および比較例1の酸性染
毛料を用いて、それぞれ重さ1gで長さ15cmの毛束
を染毛した。なお、染毛に先立ち、各毛束は、2%ポリ
オキシエチレンノニルフェニルエーテル水溶液で洗浄し
た後、水洗し、染毛後の染色度の比較が容易になるよう
に、6%過酸化水素水と3%のアンモニア水を1:1
(重量比)で混合した溶液中に30℃で30分間浸漬し
てブリーチ処理を行い、水洗後、乾燥して染毛処理試験
に供した。
【0069】染毛処理は、上記実施例1〜3および比較
例1の酸性染毛料2gずつをそれぞれの毛束に塗布して
40℃で15分間放置し、冷風にて室温まで冷却後、市
販のシャンプーで洗浄し、さらに温水ですすいだ後、ヘ
アドライヤーで乾燥することによって行った。
【0070】実施例1〜3の酸性染毛料で染毛した毛束
の色の濃さ(染色度)、毛髪の耐かさつき感、艶、は
り、潤いおよび櫛通り性について5人のパネラーに比較
例1の酸性染毛料で染毛した毛束と比較評価させた。評
価結果を表2に示すが、その評価値は5人の平均値であ
る。そして、評価基準は下記の通りである。
【0071】評価基準 +3:比較例1に比べて非常に良い +2:比較例1に比べて良い +1:比較例1に比べてやや良い 0:比較例1と同じ −1:比較例1と比べてやや悪い −2:比較例1と比べて悪い −3:比較例1と比べて非常に悪い
【0072】
【表2】
【0073】表2に示す結果から明らかなように、実施
例1〜3の酸性染毛料は、いずれの項目においても+
(プラス)の値であって、比較例1の酸性染毛料に比べ
て、酸性染料(黒色401号)の含有量が20%少ない
にもかかわらず(表1参照)、染毛後の毛後の毛髪の色
が濃く、毛髪のかさつき感が少なく、また毛髪の艶、は
り、潤いおよび櫛通り性のいずれの評価においても評価
値が高く、ケラチンの酸化部分分解物の塩やそのN−第
4級アンモニウム誘導体を含有させた効果が明らかであ
った。
【0074】また、ケラチンの酸化部分分解物の塩やそ
のN−第4級アンモニウム誘導体にさらに数平均分量1
000の加水分解シルクを含有させた実施例1や実施例
2の酸性染毛料で染毛した毛束は、ケラチンの酸化部分
分解物の塩のみを含有させた実施例3の酸性染毛料で染
毛した毛束より、染毛後の毛髪の艶、潤いの評価値が高
くなっていて、ケラチンの酸化部分分解物の塩やそのN
−第4級アンモニウム誘導体に加えて蛋白加水分解物を
含有させると、染毛後の毛髪の艶や潤いがさらに向上す
ることが明らかにされていた。
【0075】実施例4〜6および比較例2 表3に示す組成の酸性染毛料を調製し、得られた実施例
4〜6および比較例2の酸性染毛料のそれぞれで毛束を
染毛し、染毛後の毛髪の色の濃さ、毛髪の耐かさつき
感、艶、はり、潤い、櫛通り性などを評価した。
【0076】実施例4では参考例2で製造したケラチン
の酸化部分分解物のトリエタノールアミン塩と数平均分
子量1000の加水分解コラーゲンを含有させ、実施例
5では参考例4で製造したケラチンの酸化部分分解物の
N−(3−ヤシ油アルキルジメチルアンモニオ)−2−
ヒドロキシプロピル誘導体と数平均分子量1000の加
水分解コラーゲンを含有させ、実施例6では参考例2で
製造したケラチンの酸化部分分解物のトリエタノールア
ミン塩のみ含有させている。また、比較例2では、これ
らのケラチンの酸化部分分解物の塩や加水分解ペプチド
などは全く含有していない。
【0077】
【表3】
【0078】上記実施例4〜6および比較例2の酸性染
毛料を用いて、それぞれ重さ1gで長さ15cmの毛束
を染毛した。なお、染毛に先立ち、各毛束は、2%ポリ
オキエチレンノニルフェニルエーテル水溶液で洗浄した
後、水洗し、乾燥して染毛処理試験に供した。
【0079】染毛処理は、上記実施例4〜6および比較
例2の酸性染毛料2gずつをそれぞれの毛束に塗布し、
40℃で10分間放置し、冷風で室温にまで冷却後、市
販のシャンプーで洗浄し、さらに温水ですすいだ後、ヘ
アドライヤーで乾燥することによって行った。
【0080】染毛した毛束の色の濃さ(染色度)、毛髪
の耐かさつき感、艶、はり、潤いおよび櫛通り性につい
て前記実施例1と同様に5人のパネラーに比較例2の酸
性染毛料で染毛した毛束と比較評価させた。それらの結
果を表4に示すが、評価基準は上記実施例1の場合と同
じであり、評価値は5人の平均値である。
【0081】
【表4】
【0082】表4に示す結果から明らかなように、実施
例4〜6の酸性染毛料は、いずれの項目においても+
(プラス)値であって、比較例2の酸性染毛料に比べ
て、酸性染料(赤色227号と赤色201号)の含有量
が20%少ないにもかかわらず(表3参照)、染毛後の
毛髪の色が濃く、また、毛髪の耐かさつき感が大幅に改
善され、艶、はり、潤い、櫛通り性も評価値が高く、ケ
ラチンの酸化部分分解物の塩やそのN−第4級アンモニ
ウム誘導体加水分解ケラチンなどの蛋白質加水分解物を
含有させた効果が明らかであった。特に、染色度に関し
ては、パネラー全員が、実施例4〜6の酸性染毛料で染
毛した毛束は、比較例2の酸性染毛料で染毛した毛束に
比べて、色が非常に鮮やかであると答えていて、ケラチ
ンの酸化部分分解物の塩やそのN−第4級アンモニウム
誘導体を酸性染毛料に含有させると、毛髪を鮮やかに色
濃く染色する効果が発揮されることが明らかにされてい
た。
【0083】また、ケラチンの酸化部分分解物の塩やそ
のN−第4級アンモニウム誘導体にさらに数平均分量1
000の加水分解コラーゲンを含有させた実施例4や実
施例5の酸性染毛料で染毛した毛束は、ケラチンの酸化
部分分解物の塩のみを含有させた実施例6の酸性染毛料
で染毛した毛束より、染毛後の毛髪の艶、潤い、櫛通り
性の評価値が高く、ケラチンの酸化部分分解物の塩やそ
のN−第4級アンモニウム誘導体にに加えて蛋白加水分
解物を含有させると、染毛後の毛髪の艶、潤い、櫛通り
性などがさらに向上することが明らかにされていた。
【0084】実施例7〜9および比較例3 表5に示す組成の酸性染毛料を調製し、得られた実施例
7〜9および比較例3の酸性染毛料のそれぞれで毛束を
染毛し、染毛後の毛髪の色の濃さ、毛髪の耐かさつき
感、艶、はり、潤い、櫛通り性などを評価した。
【0085】実施例7では参考例1で製造したケラチン
の酸化部分分解物のナトリウム塩と数平均分子量600
の加水分解大豆蛋白を含有させ、実施例8では実施例7
と同じケラチンの酸化部分分解物のナトリウム塩と加水
分解ケラチンのN−(3−トリメチルアンモニオ)−2
−ヒドロキシプロピルを含有させ、実施例9では実施例
7と同じケラチンの酸化部分分解物のナトリウム塩と加
水分解コラーゲンのシリル化誘導体を含有させている。
また、比較例2では、これらのケラチンの酸化部分分解
物の塩や加水分解ペプチドなどは全く含有していない。
なお、実施例8で用いている加水分解ケラチンのN−
(3−ヤシ油アルキルジメチルアンモニオ)−2−ヒド
ロキシプロピル誘導体の加水分解ケラチン部分の数平均
分子量は400で、実施例9で用いている加水分解コラ
ーゲンのシリル化誘導体の加水分解コラーゲン部分の数
平均分子量は2000である。
【0086】
【表5】
【0087】上記の実施例7〜9および比較例3の酸性
染毛料のそれぞれ2gを、実施例1の場合と同様にあら
かじめ洗浄し、ブリーチ処理した重さ1gで長さ15c
mの毛束に塗布し、20分間放置後、市販のシャンプー
で洗浄し、さらに温水ですすいだ後、ヘアドライヤーで
乾燥した。
【0088】染毛した毛束の色の濃さ(染色度)、毛髪
の耐かさつき感、艶、はり、潤いおよび櫛通り性につい
て前記実施例1と同様に5人のパネラーに比較例3の酸
性染毛料で染毛した毛束と比較評価させた。それらの結
果を表6に示すが、評価基準は上記実施例1の場合と同
じであり、評価値は5人の平均値である。
【0089】
【表6】
【0090】表6に示す結果から明らかなように、実施
例7〜9の酸性染毛料は、いずれの項目においても+
(プラス)値であって、比較例3の酸性染毛料に比べ
て、酸性染料(黒色401号)の含有量が20%少ない
にもかかわらず(表5参照)、染毛後の毛髪の色が濃
く、また、毛髪の耐かさつき感が大幅に改善され、艶、
はり、潤い、櫛通り性の評価値が高く、ケラチンの酸化
部分分解物の塩と蛋白質加水分解物やその誘導体を含有
させた効果が明らかであった。
【0091】併用した蛋白質加水分解物の効果として
は、加水分解大豆蛋白を含有させた実施例7の酸性染毛
料で染毛した毛束は耐かさつき感や潤いの評価値が高
く、加水分解ケラチンのN−第4級アンモニウム誘導体
を併用した実施例8の酸性染毛料で染毛した毛束は櫛通
り性の評価値が高く、加水分解コラーゲンのシリル化誘
導体を併用した実施例9の酸性染毛料で染毛した毛束は
艶、はり、櫛通り性の評価値が高かった。すなわち、酸
性染毛料にケラチンの酸化部分分解物の塩に蛋白質加水
分解やその誘導体を併用すると、ケラチンの酸化部分分
解物の塩の効果に加えて、蛋白質加水分解やその誘導体
がそれぞれ有する特徴が発揮されることが明らかであっ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C083 AC152 AC302 AC691 AC692 AC732 AC792 AC852 AD282 AD411 AD412 AD432 AD441 AD442 AD452 BB24 CC36 EE26

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸性染料を含有する組成物中に、下記の
    一般式(I) 【化1】 〔式中、Rはケラチン由来のペプチドのアミノ酸側鎖を
    示し、aは0または1、mは2〜20、nは20〜20
    0であり、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、低級
    アルカノールアミンまたは低級アルキルアミンである
    (ただし、mおよびnはアミノ酸の数を示すのみで、ア
    ミノ酸配列の順序を示すものではない)〕で示されるケ
    ラチンの酸化部分分解物の塩またはそのN−第4級アン
    モニウム誘導体を含有させたことを特徴とする酸性染毛
    料。
  2. 【請求項2】 一般式(I)で示されるケラチンの酸化
    部分分解物の塩またはそのN−第4級アンモニウム誘導
    体の酸性染毛料中での含有量が0.5〜10重量%であ
    る請求項1記載の酸性染毛料。
  3. 【請求項3】 さらに、数平均分子量300〜2000
    の蛋白質加水分解物またはその誘導体を含有させた請求
    項1または2記載の酸性染毛料。
  4. 【請求項4】 数平均分子量300〜2000の蛋白質
    加水分解物またはその誘導体の酸性染毛料中での含有量
    が0.1〜15重量%である請求項3記載の酸性染毛
    料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005117815A1 (ja) * 2004-06-03 2005-12-15 Kao Corporation 毛髪形状制御剤
JP2018504396A (ja) * 2015-04-09 2018-02-15 ジィリン ヘンタイ ガーメント ウォッシング アンド ダイイング サイエンス アンド テクノロジー インスティテュート ダークニング化毛髪染色組成物
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