JP6520793B2 - 表示装置に用いるフィルムおよびそれを用いた表示装置 - Google Patents
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Description
また、反射による青色光カット方法の一つとして、屈折率の異なる無機材料を交互に積層する方法があるが、本手法では低コスト化の観点から積層数を少なくするために、屈折率差の大きい材料が選択される。しかし、屈折率差が大きくなると反射率スペクトルの半値幅が広くなるため、460nm前後に強いピークを持つLED光源の青色光をカットしようとすると、波長500nm以上の光もカットしてしまい、色付きの発生や透明性が損なわれる課題がある。一方、特許文献2で提案されているような有機材料を交互に数10層以上積層する方法では、屈折率差が小さいため、反射率スペクトルの半値幅が小さくなり、青色光のみをシャープにカットすることができる。しかし、反射による青色光カットは、表示装置からの青色光をカットする一方で、外光の青色光も反射するため、外光の青色反射を視認することによる、表示画面の色付き、ぎらつき等の課題がある。
少なくとも青色波長を含む直線偏光を射出する光源とフィルムを有する表示装置であって、該光源と該フィルムが下記(1)式を満たす表示装置に用いられる、下記式(2)および(3)を満足するフィルム。
0°≦|Φ1−Φ2|<45° ・・・(1)
Rmax≧20% ・・・(2)
Rmax−Rmin>5% ・・・(3)
(ここで、Φ1はフィルム面内においてRmaxをとる方位角であり、Φ2は表示装置から射出された直線偏光の方位角である。また、Rmaxはフィルムに直線偏光を入射角0°で照射し、フィルムの入射光軸を中心として、フィルム面上の任意の方位角方向を0°とし、180°まで5°間隔で半回転させて測定される、各方位角における波長380nm〜480nmの範囲における平均反射率の最大値であり、RminはΦ1に直交する方位角における波長380nm〜480nmの範囲における平均反射率である。)
0°≦|Φ1−Φ2|<45° ・・・(1)
Rmax≧20% ・・・(2)
Rmax−Rmin>5% ・・・(3)
(ここで、Φ1はフィルム面内においてRmaxをとる方位角であり、Φ2は表示装置の光源から射出される直線偏光の方位角である。また、Rmaxはフィルムに直線偏光を入射角0°で照射し、フィルムの入射光軸を中心として、フィルム面上の任意の方位角方向を0°とし、180°まで5°間隔で半回転させて測定される、各方位角における波長380nm〜480nmの範囲における平均反射率のうちの最大値であり、RminはΦ1に直交する方位角における波長380nm〜480nmの範囲における平均反射率である。)
方位角について図を用いて説明する。図1はフィルムまたは表示装置の表面の上面図である。ここで図1中の1及び2はそれぞれ直角の関係を持つ任意の方向である。フィルムに入射角度0°で入射または表示装置から出射角度0°で出射される直線偏光の振動方向を4とすると、方位角とは、直線偏光の振動面4と方向2とで挟まれた角度5のことである。
つまり、本発明のフィルムは、表示装置の光源から射出される方位角Φ2の直線偏光のみを効果的に反射し、表示装置から射出される直線偏光のカットには不要な、方位角Φ2以外の方位角の反射率を低くすることで、楕円偏光である外光の反射率を低くし、従来よりも外光反射による色付き、ぎらつきを抑制する効果を発揮する。
なお、直線偏光11の青色光の一部をカットする一方で、外光の直線偏光14と17の青色光の一部を反射しているが、光の強度は直線偏光11の方が、直線偏光14、17よりも高いため、本発明のフィルムを設置することで、視認される青色光強度は減少する。
異なる性質を持つポリエステル樹脂を積層することで、それぞれのポリエステル樹脂の単一の層のフィルムではなし得ない機能をフィルムに与えることができる。
樹脂D:スピログリコール成分及びシクロヘキサンジカルボン酸成分を共重合した共重合ポリエチレンテレフタレート
樹脂E:シクロヘキサンジメタノール成分を共重合した共重合ポリエチレンテレフタレート
樹脂C、D、EをB層に用いることで、A層との適度な屈折率差を持つことができる。また、各成分の共重合量としては以下の割合が好ましい。
樹脂E:シクロヘキサンジメタノール成分5mol%以上49mol%以下
本発明のフィルムの熱可塑性樹脂Bとしては、樹脂C、D、Eの何れかの成分を主たる成分とする熱可塑性樹脂と、ポリエチレンテレフタレートの混合物からなることも好ましい。ポリエチレンテレフタレートを混合して用いることで、屈折率を調整することができ、相関密着性や積層精度の向上や位相差の増大といった効果を得ることができる。
保護層として、多層積層フィルムの表層に厚み1μm以上の層を好ましく設けることができる。表層に厚い保護層を設けることで、可視光における透過率・反射率スペクトルのリップルを抑制した平坦な分光スペクトルを得ることができ、干渉ムラや、色調ムラを抑制することができる。また、保護層のその他の効果としては、製膜時のフローマークの抑制、他のフィルムや成形体とのラミネート工程及びラミネート工程後における多層積層フィルム中の薄膜層の変形抑制、耐押圧性などが挙げられる。保護層厚みは3μm以上がより好ましく、さらに好ましくは5μm以上である。
屈折率の異なる二種の材料の積層による反射率スペクトルの幅は以下の式(5)〜(7)で表すことができる。
一方で、無機材料多層のような蒸着等によって多層化する場合は、蒸着回数を減らしてコストを削減する観点からnH/nLを大きくして高屈折率層と低屈折率層の界面での反射率を大きくしている。例えば高屈折率層としてZrO2(屈折率2.04)、低屈折率層としてSiO2(屈折率1.46)を用いた場合、nH/nLは1.4であり、反射率スペクトルの幅は99nmである。この場合、中心波長460nを反射する設計を行った際の反射スペクトルの範囲は、416nm〜515nmであり、500nm以上の可視光もカットしてしまい、色付きや透明性の悪化を招く。無機材料多層は熱可塑性樹脂多層のような数十層さらには数百層以上といった積層数にすることは困難であり、nH/nLを小さくすることはできず、反射率スペクトルの幅は広くなり、シャープカット性を付与することは困難である。また、無機材料多層は面内で屈折率に異方性を持たせることは難しく、式(3)を達成することは非常に困難である。
上述した無機材料多層の反射率スペクトルの幅は、反射率が100%となるような十分な層数が積層されたケースでの理論であり、本発明のような反射率が20%〜95%程度の範囲となるように無機材料を積層すると、その層数は2層〜9層程度であり、反射率スペクトルは中心波長をピークトップにブロードな形状を持つため、460nmを反射しようとすると、上述のケースと比較して500nm以上の反射率がより高くなる。一方、熱可塑性樹脂を用いた場合は、十分なシャープカット性を持たせることができる。
また、多層積層フィルムの位相差は下記(9)式で表せられる。
本発明のフィルムの別の用途としては、偏光板を具備した有機EL表示装置などが挙げられ、本発明のフィルムを偏光板の視認側偏光子保護として積層、又は、偏光板よりも視認側に積層されることが挙げられる。偏光板よりも視認側に積層する場合は、カバーガラスに貼り合せる画面保護フィルムや、透明導電層を形成するタッチパネル基材フィルムとして本発明のフィルムを用いることが挙げられる。
また、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)を0.1wt%〜3.0wt%の範囲で添加することも好ましく、より好ましくは0.1wt%〜1.0wt%の範囲である。
本発明のフィルムは、フィルムの表面にプライマー層、ハードコート層、耐磨耗性層、傷防止層、反射防止層、色補正層、紫外線吸収層、光安定化層(HALS)熱線吸収層、印刷層、ガスバリア層、粘着層などの機能性層が形成されることが好ましい。これらの層は1層でも多層でも良く、また、1つの層に複数の機能を持たせても良い。
本発明のフィルムを製造する具体的な態様の例を以下に記す。本発明のフィルムが多層積層フィルムである場合、51層以上の積層構造は、次のような方法で作製することができる。A層に対応する押出機AとB層に対応する押出機Bの2台から熱可塑性樹脂が供給され、それぞれの流路からのポリマーが、公知の積層装置であるマルチマニホールドタイプのフィードブロックとスクエアミキサーを用いる方法、もしくは、コームタイプのフィードブロックのみを用いることにより51層以上に積層し、次いでその溶融体をT型口金等を用いてシート状に溶融押出し、その後、キャスティングドラム上で冷却固化して未延伸多層積層フィルムを得る方法が挙げられる。A層とB層の積層精度を高める方法としては、特開2007−307893号公報、特許第4691910号公報、特許第4816419号公報に記載されている方法が好ましい。また必要であれば、A層に用いる熱可塑性樹脂とB層に用いる熱可塑性樹脂を乾燥することも好ましい。
一軸延伸法では長手方法、幅方向、長手方向と幅方向の中間方向(斜め方向)の何れかの一方方向に延伸を行うことが好ましい。
二軸延伸法では、長手方法、幅方向、長手方向と幅方向の中間方向(斜め方向)の何れか一方に強く延伸を行い、他の方向に弱く延伸を行うことが好ましい。また、各方向への延伸は複数回組み合わせて行っても良い。
熱処理工程及び、熱処理工程直後に2%以上20%以下の延伸を行うことも好ましい。このような延伸を行うことで多層積層フィルムの位相差をさらに高くすることができ、発生するボーイングを抑制することができ、多層積層フィルムの幅方向の広範囲に亘って、均一な位相差と配向角を得ることができる。
また、フィルムの熱収縮率を小さくするために、熱処理工程中又は冷却工程中にフィルムを幅方向又は及び又は、長手方向に縮める(リラックス)ことも好ましい。リラックスの割合としては1%〜10%の範囲が好ましく、より好ましくは1〜5%の範囲である。ボーイングを抑制し、熱収縮率を小さくするためには、熱処理工程及び、熱処理工程直後に2%以上20%以下の延伸を行った後に、熱処理工程中又は冷却工程中にフィルムを幅方向又は及び又は、長手方向に縮めることが好ましい。
最後に巻取り機にてフィルムを巻き取ることによって本発明のフィルムが製造される。
[物性の測定方法ならびに効果の評価方法]
物性値の評価方法ならびに効果の評価方法は次の通りである。
サンプルを4cm×4cmで切り出した。日立製作所(株)製 分光光度計(U−4100 Spectrophotomater)に付属の12°正反射付属装置P/N134−0104を取り付け、入射角度φ=12度における絶対反射率の測定を行った。付属のグランテーラ偏光子を設置して、偏光成分を0°〜180°において、5°刻みで回転させた方位角で波長240〜800nmの絶対反射率を測定した。測定条件:スリットは2nm(可視)とし、ゲインは2と設定し、走査速度を600nm/分とした。これらの結果から、各方位角における380nm〜480nmの波長範囲における平均反射率を求め、その中から最も大きな値を持つ平均反射率をRmaxとし、その方位角をΦ1とした。Φ1となす方位角が90°である方位角方向の380nm〜480nmの平均反射率をRminとした。さらに、方位角Φ1方向における波長450nm〜470nmの範囲の平均反射率及び、波長500nmにおける透過率を求めた。なお、各方位角での反射ピークまたは平均反射率の値の差が1%未満の物は、反射特性が等方性であると見なして任意の方位角をΦ1とした。
外光の反射による色付きを想定して測定を行った。コミカミノルタセンシング株式会社製、分光測色計CM−3600dを用いた。測色色の計算に用いる光源はD65を選択し、SCI方式でa*、b*値を測定し、n数5の平均値を求めた。なお、ターゲットマスク、白色校正板、ゼロ校正ボックスは下記のものを用いた。測定したa*、b*から彩度c*(√(a*2+b*2))を求め、彩度c*を色付き評価に用いた(彩度c*が大きいほど、色付きが大きいと評価した)。
ターゲットマスク :CM−A106(測定径Φ8mm)
白色校正板 :CM−A103
ゼロ校正ボックス :CM−A104
(3)位相差
王子計測機器(株)製 位相差測定装置(KOBRA−21ADH)を用いた。サンプルをフィルム幅方向中央部から3.5cm×3.5cmで切り出し測定を行った。
樹脂A:IV=0.65のポリエチレンテレフタレート
樹脂B:IV=0.66のポリエチレンナフタレート
樹脂C:IV=0.64のポリエチレンテレフタレートの共重合体(スピログリコール成分20mol%共重合したポリエチレンテレフタレート)
樹脂D:IV=0.72のポリエチレンテレフタレートの共重合体(シクロヘキサンジカルボン酸成分20mol%、スピログリコール成分20mol%共重合したポリエチレンテレフタレート)
樹脂E:IV=0.73のポリエチレンテレフタレートの共重合体(シクロヘキサンジメタノール成分33mol%共重合したポリエチレンテレフタレート)
樹脂F:IV=0.70のポリエチレンテレフタレートの共重合体(2−6ナフタレンジカルボン酸成分50mol%共重合したポリエチレンテレフタレート)
(上記樹脂ペレットの混合物)
樹脂G:樹脂Eと樹脂Aのペレットをそれぞれ、62wt%/38wt%の割合で均等に混合したブレンドペレット
樹脂H:樹脂Eと樹脂Aのペレットをそれぞれ、41wt%/59wt%の割合で均等に混合したブレンドペレット
樹脂I:樹脂Cと樹脂Aのペレットをそれぞれ、80wt%/20wt%の割合で均等に混合したブレンドペレット
樹脂J:樹脂Dと樹脂Aのペレットをそれぞれ、80wt%/20wt%の割合で均等に混合したブレンドペレット
IV(固有粘度)の測定方法
溶媒としてオルトクロロフェノールを用いて、温度100℃で20分溶解した後、温度25℃でオストワルド粘度計を用いて測定した溶液粘度から算出した。
A層を構成するポリエステル系樹脂として樹脂Aを、B層を構成するポリエステル系樹脂として樹脂Cを用いた。樹脂Aおよび樹脂Cを、それぞれ、押出機にて280℃で溶融させ、FSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギアポンプにて吐出比(積層比)が樹脂A/樹脂C=22/1になるように計量しながら、51層フィードブロック(A層が26層、B層が25層)にて交互に合流させた。次いで、Tダイに供給し、シート状に成形した後、ワイヤーで8kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し、未延伸多層積層フィルムを得た。この未延伸多層積層フィルムの両面に空気中でコロナ放電処理を施し、そのフィルム両面の処理面に(ガラス転移温度が18℃のポリエステル樹脂)/(ガラス転移温度が82℃のポリエステル樹脂)/平均粒径100nmのシリカ粒子からなる積層形成膜塗液を塗布した。その後、両端部をクリップで把持するテンターに導き100℃、5.0倍横延伸した後、230℃で熱処理及び5%の幅方向リラックスを実施し、100℃で冷却した後、厚み40μm(両表層それぞれ18μm、2層目〜50層目70nm)の多層積層フィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。
B層を構成するポリエステル系樹脂として樹脂Dを用いたこと以外は実施例1と同様の方法で、厚み40μmの多層積層フィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。
B層を構成するポリエステル系樹脂として樹脂Eを用いたこと以外は実施例1と同様の方法で、厚み40μmの多層積層フィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。
B層を構成するポリエステル系樹脂として樹脂Hを用いたこと以外は実施例1と同様の方法で、厚み39μm(両表層それぞれ18μm、2層目〜50層目68nm)の多層積層フィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。得られたフィルムは、式(3)を満たしたが、式(2)を満たしておらず、表示装置から発せられる青色光を含む直線偏光のカット性が低い結果となった。
A層を構成するポリエステル系樹脂として樹脂Aを、B層を構成するポリエステル系樹脂として樹脂Dを用いた。樹脂Aおよび樹脂Dを、それぞれ、押出機にて280℃で溶融させ、FSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギアポンプにて吐出比(積層比)が樹脂A/樹脂D=22/1になるように計量しながら、51層フィードブロック(A層が26層、B層が25層)にて交互に合流させた。次いで、Tダイに供給し、シート状に成形した後、ワイヤーで8kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し、未延伸多層積層フィルムを得た。この未延伸多層積層フィルムを、縦延伸機にて90℃、3.3倍延伸した後、多層積層フィルムの両面に空気中でコロナ放電処理を施し、そのフィルム両面の処理面に(ガラス転移温度が18℃のポリエステル樹脂)/(ガラス転移温度が82℃のポリエステル樹脂)/平均粒径100nmのシリカ粒子からなる積層形成膜塗液を塗布した。その後、両端部をクリップで把持するテンターに導き100℃、3.5倍横延伸した後、厚み41μm(両表層それぞれ19μm、2層目〜50層目71nm)の多層積層フィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。得られたフィルムは、式(2)を満たしたが、式(3)を満たしていなかった。比較例2の多層積層フィルムのRmaxは実施例3よりやや低く、表示装置から発せられる青色光を含む直線偏光のカット性が低いことにも係らず、反射色調C*及び、青色波長反射率は実施例3よりも高く、色付き、ぎらつきが大きい結果となった。
B層を構成するポリエステル系樹脂として樹脂Gを用いたこと以外は比較例2と同様の方法で、厚み40μm(両表層それぞれ18μm、2層目〜50層目70nm)の多層積層フィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。得られたフィルムは、式(2)、式(3)を共に満たしていなかった。
A層を構成するポリエステル系樹脂として樹脂Aを、B層を構成するポリエステル系樹脂として樹脂Iを用いた。樹脂Aおよび樹脂Iを、それぞれ、押出機にて280℃で溶融させ、FSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギアポンプにて吐出比(積層比)が樹脂A/樹脂I=1/1になるように計量しながら、267層フィードブロック(A層が134層、B層が133層)にて交互に合流させた後、さらに3層ピノールを用いて、積層比が樹脂A/樹脂I=9/1となるように両表層にA層を合流させた。その他の条件は実施例1と同様の方法で、厚み80μm(両表層それぞれ32μm、2層目から134層目に向かって等比数列的に48nmから72nmに層厚みが増加し、134層目から266層目に向かって等比数列的に72nmから48nmに層厚みが減少)の多層積層フィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。
B層を構成するポリエステル系樹脂として樹脂Jを用いたこと以外は実施例4と同様の方法で、厚み80μmの多層積層フィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。
B層を構成するポリエステル系樹脂として樹脂Gを用いたこと以外は実施例4と同様の方法で、厚み80μmの多層積層フィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。
B層を構成するポリエステル系樹脂として樹脂Hを用いたこと以外は実施例4と同様の方法で、厚み80μmの多層積層フィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。
A層を構成するポリエステル系樹脂として樹脂Aを、B層を構成するポリエステル系樹脂として樹脂Gを用いた。樹脂Aおよび樹脂Gを、それぞれ、押出機にて280℃で溶融させ、FSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギアポンプにて吐出比(積層比)が樹脂A/樹脂G=1/1になるように計量しながら、267層フィードブロック(A層が134層、B層が133層)にて交互に合流させた後、さらに3層ピノールを用いて、積層比が樹脂A/樹脂G=9/1となるように両表層にA層を合流させた。その他の条件は比較例1と同様の方法で、厚み82μm(両表層それぞれ33μm、2層目から134層目に向かって等比数列的に49nmから74nmに層厚みが増加し、134層目から266層目に向かって等比数列的に74nmから49nmに層厚みが減少)の多層積層フィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。得られたフィルムは、式(2)を満たしたが、式(3)を満たしていなかった。比較例4の多層積層フィルムのRmaxは実施例6よりやや低く、表示装置から発せられる青色光を含む直線偏光のカット性が低いことにも係らず、反射色調C*及び、青色波長反射率は実施例6よりも高く、色付き、ぎらつきが大きい結果となった。
A層を構成するポリエステル系樹脂として樹脂Bを、B層を構成するポリエステル系樹脂として樹脂Eを用いた。樹脂Bおよび樹脂Eを、それぞれ、押出機にて290℃で溶融させ、FSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギアポンプにて吐出比(積層比)が樹脂B/樹脂E=1/1になるように計量しながら、267層フィードブロック(A層が134層、B層が133層)にて交互に合流させた後、さらに3層ピノールを用いて、積層比が樹脂B/樹脂E=9/1となるように両表層にA層を合流させた。次いで、Tダイに供給し、シート状に成形した後、ワイヤーで8kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し、未延伸多層積層フィルムを得た。この未延伸多層積層フィルムの両面に空気中でコロナ放電処理を施し、そのフィルム両面の処理面に(ガラス転移温度が18℃のポリエステル樹脂)/(ガラス転移温度が82℃のポリエステル樹脂)/平均粒径100nmのシリカ粒子からなる積層形成膜塗液を塗布した。その後、両端部をクリップで把持するテンターに導き140℃、5.0倍横延伸した後、170℃で熱処理及び5%の幅方向リラックスを実施し、100℃で冷却した後、厚み76μm(両表層それぞれ31μm、2層目から134層目に向かって等比数列的に46nmから68nmに層厚みが増加し、134層目から266層目に向かって等比数列的に68nmから46nmに層厚みが減少)の多層積層フィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。
B層を構成するポリエステル系樹脂として樹脂Fを用いたこと以外は実施例8と同様の方法で、厚み76μmの多層積層フィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。
A層を構成するポリエステル系樹脂として樹脂Aを、B層を構成するポリエステル系樹脂として樹脂Jを用いた。樹脂Aおよび樹脂Jを、それぞれ、押出機にて280℃で溶融させ、FSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギアポンプにて吐出比(積層比)が樹脂A/樹脂J=1/1になるように計量しながら、267層フィードブロック(A層が134層、B層が133層)にて交互に合流させた。その他の条件は実施例1と同様の方法で、厚み16μm(1層目から134層目に向かって等比数列的に48nmから72nmに層厚みが増加し、134層目から267層目に向かって等比数列的に72nmから48nmに層厚みが減少)の多層積層フィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。
厚みを14μmとすること以外は、実施例10と同様の方法で多層積層フィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。
2:フィルム面内における方位1と直角の関係を持つ任意の方向
3:フィルムまたは表示装置
4:直線偏光の振動方向
5:方位角
6:本発明のフィルム
7:フィルム面内においてRmaxをとる方向
7’:Rmaxをとる方位角(Φ1)
8:表示装置
9:表示装置から射出される直線偏光の方向
9’:表示装置から射出される直線偏光の方位角(Φ2)
10:従来の反射によって青色光をカットするフィルム
11:表示装置から発せられる青色波長を含む直線偏光
12:青色波長の光の一部がカットされた透過光
13:青色波長の反射光
14:フィルム10に入射する青色波長を含む外光の方位角Φ2方向の直線偏光
15:青色波長の光の一部がカットされた透過光
16:青色波長の反射光
17:フィルム10に入射する青色波長を含む外光の方位角Φ2と直交する方向の直線偏光
18:青色波長の光の一部がカットされた透過光
19:青色波長の反射光
20:青色波長の反射光
21:LED光源
22:第二の偏光板
23:液晶層
24:第一の偏光板
25:偏光子保護フィルム又は位相差フィルム
26:偏光子
27:支持体
28:金属電極層
29:有機発光層
30:透明電極層
31:透明支持体
32:偏光板又は、円偏光板
33:偏光子保護フィルム又は位相差フィルム
34:偏光子
35:偏光子保護フィルム又は位相差フィルム
Claims (10)
- 少なくとも青色波長を含む直線偏光を射出する光源とフィルムを有する表示装置であって、該光源と該フィルムが下記(1)式を満たす表示装置に用いられる、下記式(2)および(3)を満足するフィルム。
0°≦|Φ1−Φ2|<45° ・・・(1)
Rmax≧20% ・・・(2)
Rmax−Rmin>5% ・・・(3)
(ここで、Φ1はフィルム面内においてRmaxをとる方位角であり、Φ2は表示装置の光源から射出される直線偏光の方位角である。また、Rmaxはフィルムに直線偏光を入射角0°で照射し、フィルムの入射光軸を中心として、フィルム面上の任意の方位角方向を0°とし、180°まで5°間隔で半回転させて測定される各方位角における波長380nm〜480nmの範囲における平均反射率のうちの最大値であり、RminはΦ1に直交する方位角における波長380nm〜480nmの範囲における平均反射率である。) - 熱可塑性樹脂Aを用いてなる層(A層)と熱可塑性樹脂Aとは異なる熱可塑性樹脂Bを用いてなる層(B層)とが交互に51層以上積層されてなる多層積層フィルムであることを特徴とする請求項1に記載のフィルム。
- Φ1方位方向の波長500nm〜780nmの範囲における平均透過率と、Φ1方位方向に直行する方向の波長500nm〜780nmの範囲における平均透過率の平均が85%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のフィルム。
- Φ1方位方向における波長450nm〜470nmの平均反射率が25%以上かつ、Φ1方位方向における波長500nmにおける透過率が85%以上であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のフィルム。
- 位相差が3000nm以上であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のフィルム。
- 前記熱可塑性樹脂Aが、ポリエチレンテレフタレートおよび/またはポリエチレンナフタレートを主たる成分とする請求項2に記載のフィルム。
- 前記熱可塑性樹脂Bが、下記樹脂C、D、Eの何れかの成分を主たる成分とする請求項2に記載のフィルム。
樹脂C:スピログリコール成分を共重合した共重合ポリエチレンテレフタレート
樹脂D:スピログリコール成分及びシクロヘキサンジカルボン酸成分を共重合した共重合ポリエチレンテレフタレート
樹脂E:シクロヘキサンジメタノール成分を共重合した共重合ポリエチレンテレフタレート - 前記熱可塑性樹脂Bが、さらにポリエチレンテレフタレートを含む請求項7に記載のフィルム。
- 少なくとも第一の偏光板、液晶層、第二の偏光板、LED光源の順で構成された液晶表示装置であって、請求項1〜8の何れかに記載のフィルムが、第一の偏光板の視認側偏光子保護として積層、又は、第一の偏光板よりも視認側に積層されてなる液晶表示装置。
- 請求項1〜8の何れかに記載のフィルムを用いた、偏光板を具備した有機EL表示装置。
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