JP2022140986A - 積層体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、正面方向の透過性が高く斜め方向の透過性が低い積層体を提供することをその課題とする。【解決手段】偏光層と多層積層フィルムを有する積層体であって、前記多層積層フィルムが、複数種の熱可塑性樹脂層が規則的に50層以上積層した構成を有し、前記多層積層フィルム面に垂直に入射する光の透過率が50%以上100%以下であり、前記多層積層フィルム面の法線に対して20°、40°、70°の角度で入射したときのそれぞれのP波の反射率(%)をRp20、Rp40、Rp70としたときに、Rp20≦Rp40<Rp70の関係を満足し、かつRp70が30%以上であることを特徴とする積層体。【選択図】なし
Description
本発明は、表示装置に用いる積層体および表示装置、表示装置を用いた電子機器、交通機関に関する。
液晶ディスプレイや有機ELディスプレイといった表示装置の利用において、表示装置に対して正面方向から表示画面を視認する利用者のみ表示画面を視認し、利用者以外の表示装置に対して斜め方向から表示画面を視認する利用者以外の視認を防止する目的で、正面方向の光の一部を透過し斜め方向の光は遮光するルーバーフィルムが提案されている(特許文献1)。
しかしながら、特許文献1が示すルーバーフィルムを表示装置に用いた場合、確かに利用者以外が斜め方向からの表示画面の視認を防止することはできるが、ルーバーフィルムは正面方向の光の一部を吸収するため表示画面が暗く黒く視認され、明るさやコントラストが低下する課題がある。その他にも、ルーバーフィルムの遮光層のピッチと表示装置の画素サイズの関係によってはモアレが視認される課題がある。さらに、人の目の最小分解能は100μm前後といわれており、ルーバーフィルムの遮光層の間隔も同様に100μm前後であるため、ストライプ状又は格子状の遮光層によって劣化した画質を視認する課題もある。
本発明は上記の課題を解決せんとするものであって、表示画面の視認性を低下させずに利用者以外が斜め方向から表示画面を視認することを防止する積層体、および表示装置、表示装置を用いた電子機器、交通機関を提供することを課題とする。
本発明は、上記の課題を解決せんとするものであって、偏光層と多層積層フィルムを有する積層体であって、前記多層積層フィルムが、複数種の熱可塑性樹脂層が規則的に50層以上積層した構成を有し、前記多層積層フィルム面に垂直に入射する光の透過率が50%以上100%以下であり、前記多層積層フィルム面の法線に対して20°、40°、70°の角度で入射したときのそれぞれのP波の反射率(%)をRp20、Rp40、Rp70としたときに、Rp20≦Rp40<Rp70の関係を満足し、かつRp70が30%以上であることを特徴とする積層体、である。
本発明によれば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイといった表示装置の覗き見防止フィルターとして用いた際に、表示画面の視認性を低下させずに、利用者以外が斜め方向から表示画面を視認することを防止することができる積層体を得ることができる。
本発明の積層体は、偏光層と多層積層フィルムを有する積層体であって、前記多層積層フィルムが、複数種の熱可塑性樹脂層が規則的に50層以上積層した構成を有し、前記多層積層フィルム面に垂直に入射する光の透過率が50%以上100%以下であり、前記多層積層フィルム面の法線に対して20°、40°、70°の角度で入射したときのそれぞれのP波の反射率(%)をRp20、Rp40、Rp70としたときに、Rp20≦Rp40<Rp70の関係を満足し、かつRp70が30%以上であることを特徴とする。以下に本発明の実施の形態について述べるが、本発明は以下の実施例を含む実施の形態に限定して解釈されるものではなく、発明の目的を達成できて、かつ、発明の要旨を逸脱しない範囲内においての種々の変更は当然あり得る。また、説明を簡略化する目的で一部の説明は、本発明の好ましい態様の一つである、異なる2種の熱可塑性樹脂層が交互に積層された構成を有する多層積層フィルムを例にとり説明するが、3種以上の熱可塑性樹脂を用いた場合においても、同様に理解されるべきものである。
本発明の積層体は、偏光層と多層積層フィルムを有する積層体である。ここで、偏光層とは偏光板や偏光反射体といった、楕円偏光が偏光層を通過した後に直線偏光に変換される機能を持つ部材のことをいう。偏光板の一例としてはヨウ素を含侵させて一軸方向に延伸したポリビニルアルコールの両側を偏光子保護フィルムで積層したものが挙げられる。偏光反射体は透明基板上に一方方向に金属配線を配置したワイヤーグリッド型偏光反射板や、異なる2種類の熱可塑性樹脂を交互に積層して一方向に延伸した偏光反射フィルム(例えば、特開2009-37235号公報)が挙げられる。偏光層と多層積層フィルムを有する構成としては、図1に示すように偏光層と多層積層フィルムが積層された構成や、図2~4に示すように他の機能層が更に積層された構成などが挙げられる。なお、図1~4において、符号1~4はそれぞれ順に、積層体、多層積層フィルム、偏光層、及び機能層を表す。ここで機能層としては粘着層、接着層、透明フィルム層、位相差フィルム層などが挙げられる。各層を積層する方法としては、熱圧着などで直接接着して積層することや、接着剤、粘着剤などを介して積層する方法等が挙げられる。また、多層積層フィルムは、本発明の効果を損なわない限り2枚以上積層することも可能である。
本発明の積層体が有する多層積層フィルムは、複数種の熱可塑性樹脂層が規則的に50層以上積層した構成を有することが必要である。本発明においては、組成の異なる熱可塑性樹脂層が多層積層フィルムに複数種存在し、かつこれらの熱可塑性樹脂層の屈折率がフィルムの面内で任意に選択される直交する2方向および該面に垂直な方向のいずれかにおいて、0.01以上異なる場合に「熱可塑性樹脂層が複数種存在する。」とみなすことができる。また、規則的に積層されているとは、異なる熱可塑性樹脂からなる層が厚み方向に規則的な配列で積層されていることをいう。このような態様の具体例としては、多層積層フィルムが第一の熱可塑性樹脂からなる層(層A)と第二の熱可塑性樹脂からなる層(層B)からなる場合であれば、A(BA)n、B(AB)n(nは自然数、以下同じ。)のように順に積層されたものが挙げられる。また、多層積層フィルムが第一の熱可塑性樹脂からなる層(層A)、第二の熱可塑性樹脂からなる層(層B)、及び第三の熱可塑性樹脂からなる層(層C)からなる場合であれば、その配列は特に限定されるものではないが、C(BA)nCやC(ABC)n、C(ACBC)nのように一定の規則性をもって順に積層されたものが挙げられる。このように屈折率等の光学的性質の異なる樹脂が規則的に積層されることにより、各層の屈折率の差と層厚みとの関係より設計した波長の光を反射させる干渉反射を発現させることが可能となる。
また、多層積層フィルムの層数が49層以下の場合には、所望する帯域において高い反射率を得られない。前述の干渉反射は、層数が増えるほどより広い波長帯域の光に対して高い反射率を達成できるようになり、所望する帯域の光を反射する積層フィルムが得られるようになる。上記観点から、層数は好ましくは400層以上であり、より好ましくは800層以上である。また、層数に上限はないものの、層数が増えるに従い製造装置の大型化に伴う製造コストの増加や、フィルム厚みが厚くなることでのハンドリング性の悪化が生じるために、現実的には10000層程度が実用範囲となる。
本発明の積層体が有する多層積層フィルムは、多層積層フィルム面に垂直に(フィルム面の法線に対して0°の角度を意味する。)入射する光の透過率が50%以上100%以下である必要がある。ここでの垂直に入射する光の透過率が50%以上であるとは、具体的には波長400~700nmにおけるフィルムの平均透過率が50%以上100%以下であることを示す。このように波長400~700nmという可視光線領域の光の透過率が高いことにより、表示画面の明るさの低下が小さくなり、利用者は表示画面の良好な視認性を得ることができる。上記観点から、当該透過率は、好ましくは70%以上であり、より好ましくは80%以上であり、さらに好ましくは90%以上である。透過率が90%以上であれば、利用者は表示画面の明るさの変化を感じることなく視認することができる。なお、当該透過率の上限は実現可能性の観点から99%が好ましい。多層積層フィルム面に垂直に入射する光の透過率は、分光光度計で入射角度θ=0°における波長400~700nmの光の透過率を1nm刻みで測定し、その平均値を算出することにより測定することができる(詳細な測定条件は後述)。
このような多層積層フィルムは、最終製品として2つの熱可塑性樹脂層の間のフィルム面に平行な方向の屈折率差を小さくすることで得ることができる。フィルム面に平行な方向の屈折率差が0.06以下であれば当該透過率を50%以上に、0.04以下であれば当該透過率を70%以上に、屈折率差が0.02以下であれば当該透過率を80%以上に、屈折率差が0.01以下であれば当該透過率を90%以上とすることが容易となる。なお、「フィルム面に平行な方向の屈折率差」とは、2種類の熱可塑性樹脂層間の面内屈折率の差(2種類の層を層A、層Bとした場合は、層Aと層Bの面内屈折率の差)の絶対値をいう。
本発明の積層体が有する多層積層フィルムは、多層積層フィルム面の法線に対して20°、40°、70°の角度で入射したときのそれぞれのP波の反射率(%)をRp20、Rp40、Rp70としたときに、Rp20≦Rp40<Rp70の関係を満足し、かつRp70が30%以上である必要がある。ここでいう反射率とは、波長400~700nmの平均反射率とする。このP波の反射率(%)は、分光光度計で入射角度θ=20°、40°、70°における波長400~700nmの範囲のP波の反射率を1nm刻みで測定し、その平均値を算出することで測定することができる(詳細な測定条件は後述)。ガラスや透明フィルムなどの一般的な透明基盤の場合、フィルム面の法線に対して20°から徐々に入射角度を大きくしていくに従い、偏光の一つであるP波の反射率は低下していき、ブリュースター角と呼ばれる角度で反射率はゼロとなる。したがって、一般的な透明基板では正面方向を透過し、斜め方向を遮光することはできない。
フィルム面の法線に対して20°、40°、70°の角度で入射したときのそれぞれのP波の反射率をRp20、Rp40、Rp70としたときに、Rp20≦Rp40<Rp70の関係を満足し、かつRp70が30%以上である態様は、ブリュースター角に相当する角度を備えていないため、このような態様とすることによりフィルム面に対して斜め方向から光を遮光することが可能となる。Rp70は好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上であり、Rp70が高くなるに従い、利用者以外が斜めから表示画面を視認することを防ぐ効果が高くなる。なお、Rp70の上限は特に制限されないが、実現可能性の観点から99%となる。
Rp20≦Rp40<Rp70の関係を満足し、かつRp70が30%以上である多層積層フィルムを得るためには、2つの熱可塑性樹脂層の間のフィルム面に垂直な方向の屈折率差と層数を調整する方法を用いることができる。このときフィルム面に垂直な方向の屈折率差を大きくするほど、そして層数を増やすほど、Rp70を大きくすることができる。例えば、層数が400層に達する場合、フィルム面に垂直な方向の屈折率差が0.08以上であれば当該反射率を30%以上に、屈折率差が0.12以上であれば当該反射率を50%以上にすることが容易となる。また、屈折率差が上記水準に達していなくとも、層数をさらに増やすことで当該反射率を高めて上記水準に到達させることもできる。
多層積層フィルムの反射波長を波長400~700nmの範囲に調整する方法は、層Aと層Bの面直屈折率差、積層数、層厚み分布、製膜条件(例えば延伸倍率、延伸速度、延伸温度、熱処理温度、熱処理時間)の調整等が挙げられる。ここで面直屈折率とは多層積層フィルム面に垂直な方向の屈折率をいう。
層Aと層Bの構成としては、層Aが結晶性の熱可塑性樹脂を含み、層Bが非晶性の熱可塑性樹脂を主たる成分とすることが好ましい。より好ましくは、層Aが結晶性の熱可塑性樹脂を主成分とし、層Bが非晶性の熱可塑性樹脂を主成分とすることである。さらに好ましくは、層Aが結晶性の熱可塑性樹脂からなり、層Bが非晶性の熱可塑性樹脂を主成分とすることである。ここで主成分とは、層を構成する全成分を100質量%としたときに、70質量%以上100質量%以下含まれる成分をいう。また、反射率が高くなり積層数が少なく済むことから、層Aと層Bの面直屈折率差は高い方が好ましい。層厚み分布は隣接する層Aと層Bの光学厚みが下記(A)式を満たすことが好ましい。
ここでλは反射波長、nAは層Aの面直屈折率、dAは層Aの厚み、nBは層Bの面直屈折率、dBは層Bの厚みである。
層厚みの分布は、多層積層フィルム面の一方から反対側の面へ向かって一定の層厚み分布とすること、多層積層フィルム面の一方から反対側へ向かって増加または減少する層厚み分布とすること、多層積層フィルム面の一方からフィルム中心へ向かって層厚みが増加した後減少する層厚み分布とすること、多層積層フィルム面の一方からフィルム中心へ向かって層厚みが減少した後増加する層厚み分布とすること、及びこれらの分布を組み合わせたものとすることが好ましい。層厚み分布の変化の仕方としては、線形、等比、階差数列といった連続的に変化するものや、10層から50層程度の層がほぼ同じ層厚みを持ち、その層厚みがステップ状に変化するものが好ましい。
多層積層フィルムの両表層には、保護層として層厚み3μm以上の層を好ましく設けることができる、保護層の厚みは好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上である。保護層の厚みが厚くなることで、製膜時のフローマークの抑制、他のフィルムや成形体とのラミネート工程及びラミネート工程後における多層積層フィルム中の薄膜層の変形抑制、耐押圧性などが挙げられる。本発明の多層積層フィルムの厚みは、特に限られるものではないが、例えば20μm~300μmであることが好ましい。20μm以上であると、多層積層フィルムの腰が強くなりハンドリング性が確保できる。また、300μm以下であると、多層積層フィルムの腰が過度に強くならず、成形性が向上する。
また、多層積層フィルムの少なくとも一方の表面にプライマー層、ハードコート層、耐磨耗性層、傷防止層、反射防止層、色補正層、紫外線吸収層、光安定化層(HALS)、熱線吸収層、印刷層、ガスバリア層、粘着層などの機能性層を形成してもよい。これらの層は単層構成でも多層構成でもよく、また、1つの層に複数の機能を持たせてもよい。また、多層積層フィルム中に、紫外線吸収剤、光安定化剤(HALS)、熱線吸収剤、結晶核剤、可塑剤などの添加剤を含んでいてもよい。なお、これらの成分は、本発明の効果を損なわない範囲で、組み合わせて用いることも可能である。
本発明の積層体が有する多層積層フィルムに用いる熱可塑性樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4-メチルペンテン-1)、ポリアセタールなどの鎖状ポリオレフィン、ノルボルネン類の開環メタセシス重合体,付加重合体,他のオレフィン類との付加共重合体である脂環族ポリオレフィン、ポリ乳酸、ポリブチルサクシネートなどの生分解性ポリマー、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66などのポリアミド、アラミド、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリアセタール、ポリグルコール酸、ポリスチレン、スチレン共重合ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン-2,6-ナフタレートなどのポリエステル、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアリレート、4フッ化エチレン樹脂、3フッ化エチレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、4フッ化エチレン-6フッ化プロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリデンなどを用いることができる。この中で、強度・耐熱性・透明性および汎用性の観点から、特にポリエステルを用いることがより好ましい。これらは、共重合体であっても、2種以上の樹脂の混合物であってもよい。
ポリエステルとは、ジカルボン酸単位とジオール単位がエステル結合により繋がった分子構造を有する樹脂をいう。ポリエステルとしては、芳香族ジカルボン酸または脂肪族ジカルボン酸とジオールを主たる構成成分とする単量体からの重合により得られるポリエステルが好ましい。ここで、芳香族ジカルボン酸として、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、4,4′-ジフェニルジカルボン酸、4,4′-ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4′-ジフェニルスルホンジカルボン酸などを挙げることができる。脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ダイマー酸、ドデカンジオン酸、シクロヘキサンジカルボン酸とそれらのエステル誘導体などが挙げられる。中でも高い屈折率を発現するテレフタル酸と2,6ナフタレンジカルボン酸が好ましい。これらの酸成分は1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよく、さらには、ヒドロキシ安息香酸等のオキシ酸などを一部共重合してもよい。
また、ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,2-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2-ビス(4-ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、イソソルベート、スピログリコールなどを挙げることができる。中でもエチレングリコールが好ましく用いられる。これらのジオール成分は1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよい。
本発明の多層積層フィルムの各層の主成分となる熱可塑性樹脂としては、例えば、上記ポリエステルのうち、ポリエチレンテレフタレートおよびその重合体、ポリエチレンナフタレートおよびその共重合体、ポリブチレンテレフタレートおよびその共重合体、ポリブチレンナフタレートおよびその共重合体、さらにはポリヘキサメチレンテレフタレートおよびその共重合体、ポリヘキサメチレンナフタレートおよびその共重合体などから選択することが好ましい。
本発明の積層体が有する多層積層フィルムの各層の主成分となる熱可塑性樹脂の好ましい組み合わせとしては、各熱可塑性樹脂のSP値の差の絶対値が、1.0以下であることが第一に好ましい。SP値の差の絶対値が1.0以下であると層間剥離が生じにくくなる。より好ましくは、異なる光学的性質を有するポリマーは同一の基本骨格を供えた組み合わせとすることが好ましい。ここでいう基本骨格とは、熱可塑性樹脂を構成する繰り返し単位であって最も多く含まれるものことであり、具体例を挙げると、熱可塑性樹脂がポリエチレンテレフタレートであれば、その基本骨格はエチレンテレフタレート骨格となる。例えば、一方の熱可塑性樹脂としてポリエチレンテレフタレートを用いる場合は、高精度な積層構造が実現しやすい観点から、ポリエチレンテレフタレートと同一の基本骨格であるエチレンテレフタレート骨格を含むことが好ましい。異なる光学的性質を有する熱可塑性樹脂が同一の基本骨格を含む樹脂であると、積層精度が高くなり、さらに積層界面での層間剥離も生じにくくなる。
また、熱可塑性樹脂中には、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機系易滑剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、充填剤、帯電防止剤、および核剤などを、その特性を悪化させない程度に単独で又は複数成分を組み合わせて添加させることができる。
本発明の積層体は、偏光層の透過軸方向に平行な偏光が、積層体の面に対して垂直に入射したときの光の透過率が50%以上100%以下であり、積層体の面に対して偏光層の透過軸方向に70°の角度で入射したときのP波とS波の透過率がそれぞれ30%以下であることが好ましい。ここで「偏光層の透過軸方向」とは偏光層の面内の方位角方向において最も透過率が高くなる方位角方向をいう。積層体の面に対して垂直に入射したときの光の透過率は、分光光度計で入射角度θ=0°における波長400~700nmの光の透過率を1nm刻みで測定し、その平均値を求めることで測定することができる(詳細な測定条件は後述)。また、透過軸方向に70°の角度で入射したときのP波とS波の透過率は、分光光度計で入射角度θ=70°における波長400~700nmの範囲の1nm刻みでP波とS波の透過率を測定し、その平均値を求めることで測定することができる(詳細な測定条件は後述)。本発明の積層体が上記特性を持つことによって、表示画面の明るさの低下が小さくなり利用者は表示画面の良好な視認性を得ることができ、利用者以外が斜めから表示画面を視認することを防ぐ効果が高くなる。上記観点から、前記積層体の面に対して垂直に入射したときの光の透過率は、好ましくは70%以上である。当該透過率の上限は特に制限されないが、実現可能性の観点から99%となる。また、積層体の面に対して偏光層の透過軸方向に70°の角度で入射したときのP波とS波の透過率はそれぞれ20%以下であることが好ましく、より好ましくは10%以下である。P波とS波の当該透過率の下限は特に制限されないが、実現可能性の観点から共に0.1%となる。一般的な覗き見防止フィルムであるルーバーフィルムを表示装置に用いた場合は、ルーバーフィルム中の遮光層によって光が吸収されるため垂直に入射したときの光の透過率が低下し明るさやコントラストが低下することや、ルーバーフィルムの遮光層のピッチと表示装置の画素サイズの関係によってはモアレが視認されること、ルーバーフィルム中のストライプ状又は格子状の遮光層によって劣化した画質を視認することが課題となるが、このような態様の積層体は遮光層を含まないため上記課題を解決することができる。
本発明の積層体が垂直に入射したときの光の透過率を50%以上とするには、積層体を構成する多層積層フィルムについては、正面方向の透過率が高いことが好ましく、2つの熱可塑性樹脂層の間のフィルム面に平行な方向の屈折率差を小さくすることが好ましい。積層体を構成する偏光層については、透過軸方向の透過率が高いことが好ましく、例えば偏光層として偏光板を用いた場合は、その構成がトリアセチルセルロースフィルム/ポリビニルアルコールにヨウ素染色処理と一軸延伸を施した偏光子フィルム/トリアセチルセルロースフィルムであることが好ましい。
本発明の積層体は、方位角φn(n:1~5)において、多層積層フィルム面の法線に対して70°の角度で入射したときのそれぞれのP波の反射率をRp70(φ1)~Rp70(φ5)としたときに、Rp70(φ1)~Rp70(φ5)の最大値と最小値の差が10%以下であることが好ましい。ここで方位角φn(n:1~5)とは、図5に示すように本発明の積層体を構成する多層積層フィルムの主配向軸方向の方位角を0°としたときの各方位角(0°、45°、90°、135°、180°)のことを表し、主配向軸方向とはフィルム面内で最も配向度の大きい方方向をいう。なお、配向度は公知の分子配向計により測定することができ、分子配向計としては、例えばKSシステムズ(株)製(現王子計測機器(株))の分子配向計MOA-2001等を用いることができる。また、Rp70(φ1)~Rp70(φ5)は、分光光度計で入射角度θ=70°における波長400~700nmのP波の反射率を1nm刻みで測定し、その平均値を求めることにより測定することができる。ここで傾斜方向である方位角φnは多層積層フィルムの主配向軸方向の方位角を0°として、これを基準に右回りに0°、45°、90°、135°、180°の5つを採用する。
遮光層がストライプ状のルーバーフィルムは、一の方位角方向でのみ斜め方向の遮光性を有するため、斜め方向の遮光性を示す方位角範囲が限定的である。これに対して、遮光層を格子状としたルーバーフィルムは、どの方位角においても斜め方向の遮光性を有することができるが、遮光層の占める割合が高くなるため正面方向の透過率が著しく低下する。一方で本発明の積層体が有する多層積層フィルムが上述した特性を持つことによって、正面方向の透過率は高く、かつ、どの方位角においても斜め方向の遮光性を有することができる。
Rp70(φ1)~Rp70(φ5)の最大値と最小値の差を10%以下にするためには、例えば多層積層フィルムの面内方向の屈折率ムラを小さくすることが挙げられ、フィルムの面内方向の屈折率ムラを小さくするにはフィルムの二軸延伸時にフィルム長手方向と幅方向の配向状態の差を小さくするように、両者の倍率差を小さくして延伸することが挙げられる。この効果は本発明の積層体が有する多層積層フィルムの特徴の一つであり、偏光反射フィルムでは達成できない効果である。
本発明の積層体は、方位角φn(n:1~5)において、多層積層フィルム面の法線に対して70°の角度で入射したときのそれぞれのP波の波長400nm~700nmにおける反射率の標準偏差が10%以下であることが好ましい。当該標準偏差は、先に記載の方法で測定した方位角φ1~φ5それぞれの傾斜方向で測定した400nm~700nmの範囲におけるP波の反射率の標準偏差を求め、その中で最も大きい値とする。多層積層フィルム面の法線に対して70°の角度で入射したときのそれぞれのP波の波長400nm~700nmにおける反射率の標準偏差が10%以下であることで、可視光の波長域全般に渡って均一な反射を実現することができる上、色づきを抑制することもできる。更に方位角φn(n:1~5)において上記特性を満足することで、どの方位角においても上記特性を満足することができる。
方位角φn(n:1~5)において、多層積層フィルム面の法線に対して70°の角度で入射したときのそれぞれのP波の波長400nm~700nmにおける反射率の標準偏差を10%以下とする方法の一例として、図6を用いて説明する。図6に示すように式(1)に従って、波長400nm~700nmの範囲を反射する層Aの厚みと層Bの厚みを均一に配置することにより、当該反射率の標準偏差を10%以下とすることができる。ここで、図6は層数401層の多層積層フィルムで層Aの面直屈折率(nA)を1.5、層Bの面直屈折率(nB)を1.6とし、フィルム表面の層の位置を1とし反対のフィルム表面の層の位置401までの層Aと層Bの理想的な層厚み分布の一例を示したものである。実際には装置の設計精度やフィルム製膜装置の稼働安定性などが影響して図6のような理想的な層厚みからの誤差が発生するが、層の位置1から層の位置401までのそれぞれの層の位置での誤差を層1から401まで平均した誤差が±10%程度以内であれば、積層フィルム面の法線方向に対して70°の角度で入射したときのP波の波長400~700nmの透過率の標準偏差を10%以下にすることができる。
ここで厚みの誤差を抑える方法として、2種の熱可塑性樹脂層が交互に積層された構成を例に説明する。2種の熱可塑性樹脂それぞれを溶融させ、積層装置を用いて交互に積層し、その溶融積層体をT型口金等によりシート状に溶融押出することで多層積層構造を得ることができるが、この溶融積層体の層の乱れを抑制することが厚みの誤差の抑制につながる。その方法としては、溶融積層体の最表層に厚い層を設けることが挙げられる。その最表層の厚さは溶融積層体全体の厚みに対して、1%以上であることが好ましく、より好ましくは4%以上である。また、片方の最表層のみでなく両方の最表層の厚みを厚くする方がより好ましい。
本発明の積層体は、多層積層フィルムが2種の熱可塑性樹脂層が交互に積層された構成を有し、第一の熱可塑性樹脂からなる層(層A)が結晶性ポリエステルを含み、第二の熱可塑性樹脂からなる層(層B)が非晶性ポリエステルを主成分とし、かつ層Aと層Bの面内屈折率の差が0.04以下であることが好ましい。ここで、「第一の熱可塑性樹脂」とは層Aを構成する樹脂成分全体をいい、「第二の熱可塑性樹脂」とは層Bを構成する樹脂成分全体をいう。「層Aが結晶性ポリエステルを含む」とは、第一の熱可塑性樹脂が結晶性ポリエステルを含むことをいう。「層Bが非晶性ポリエステルを主成分とする」とは、第二の熱可塑性樹脂中に70質量%以上100質量%以下の非晶性ポリエステルが含まれることをいい、以下、主成分については同様に解釈することができる。なお、交互に積層された2種の熱可塑性樹脂層のうち、どちらを層Aとするかについては、面内屈折率の比較によって決定するものとする。より具体的には、面内屈折率が相対的に大きい方を層Aとし、これを構成する熱可塑性樹脂を「第一の熱可塑性樹脂」とするものとする。
ここでいう面内屈折率とはフィルム面に対して平行な方向の屈折率のことをいう。また非晶性とはJIS K7122(1987)に準じて、昇温速度20℃/分で樹脂を25℃から300℃の温度まで20℃/分の昇温速度で加熱(1stRUN)、その状態で5分間保持後、次いで25℃の温度以下となるように樹脂を封止したアルミニウムパンの周囲に液体窒素ガスを流すことで急冷し、再度室温から20℃/分の昇温速度で300℃の温度まで昇温を行って、得られた2ndRUNの示差走査熱量測定チャートにおいて、融解ピークのピーク面積から求められる結晶融解熱量ΔHmが、5J/g以下の樹脂であり、より好ましくは結晶融解に相当するピークを示さない樹脂である。熱可塑性樹脂の一方に結晶性の熱可塑性樹脂、もう一方に非晶性の熱可塑性樹脂を用いた場合には、多層積層フィルムとした場合においても、融点を一つしか示さないものとなる。さらには多層積層フィルムとしての融解エンタルピーが20J/g以上であることが好ましい。
多層積層フィルム面に対して平行な方向の屈折率の差を小さく、フィルム面に対して垂直な方向の屈折率差を大きくするためには、一方の熱可塑性樹脂はフィルム面に平行な方向に強く配向されている状態(フィルム面に平行な方向の屈折率が大きく、フィルム面に垂直な方向の屈折率が小さい)とする一方、他方の熱可塑性樹脂は等方性を維持している(フィルム面に平行な方向と垂直な方向の屈折率が同じ)とすることが重要である。
融点が一つであるということは、多層積層フィルムを構成する熱可塑性樹脂のうち、配向・結晶化された熱可塑性樹脂は一つのみであり、他の熱可塑性樹脂は配向の生じていない非晶性の状態であることを示している。このように面内屈折率差が小さくなるように熱可塑性樹脂を選択すると、面直屈折率差を大きくとることが容易となる。また、融解エンタルピーが20J/g以上であることは融点を備えた樹脂の配向・結晶化が進んでいることを示しており、このような態様とすることで、多層積層フィルム面に垂直な方向の屈折率差を大きくすることが容易となる。
さらに好ましくは、多層積層フィルムを構成する最表層の面内屈折率を1.61以上とすることである。多層積層フィルムの最表層の面内屈折率が大きくなることにより、多層積層フィルム面に垂直な方向の屈折率差を容易に高めることができるようになる。上記観点から、多層積層フィルムを構成する最表層の面内屈折率は、より好ましくは1.63以上である。ここで2種の熱可塑性樹脂層が交互に積層された構成の多層積層フィルムを例に、屈折率差の調整について説明する。最表層の層を構成する熱可塑性樹脂が第一の熱可塑性樹脂であり、もう一方の層を構成する熱可塑性樹脂を第二の熱可塑性樹脂であるとすると、第一の熱可塑性樹脂は面内屈折率が高く面直屈折率が小さく、第二の熱可塑性樹脂は面内屈折率と面直屈折率ともに第一の熱可塑性樹脂の面内屈折率に近い値を用いる構成が挙げられる。このとき、第一の熱可塑性樹脂の面内屈折率をさらに大きくし、その面内屈折率に近い面内屈折率と面直屈折率を持つ第二の熱可塑性樹脂を用いることによって、両者の面直屈折率差を大きくすることができ、さらに両者の面内屈折率差は小さく抑えられるため、正面方向は高い透過性を持つことができる。
本発明の積層体が有する多層積層フィルムは、非晶性の熱可塑性樹脂として多環芳香族化合物を共重合成分として含んでいることが好ましい。ナフタレンやアントラセンのような多環芳香族化合物を含むことで、面内屈折率と面直屈折率を共に高めることが容易となる。さらに好ましくは、3種類以上のジカルボン酸およびジオールを含む共重合体であることである。1種類のジカルボン酸と1種類のジオールからなる熱可塑性樹脂の場合、その高い対称性のために延伸時に配向・結晶化が促進され、非晶状態を維持できないことがあるが、3種類以上のジカルボン酸およびジオールを含む共重合体を含むことで、延伸された際に配向・結晶化が進行することなく非晶状態を維持することが容易になる。
本発明の積層体が有する多層積層フィルムは、多層積層フィルムを構成するいずれかの層に、数平均分子量200以上のアルキレングリコールに由来する構造を含んでなることが好ましい。上述のとおり屈折率を高めるためには芳香族を多く含む必要があるが、さらにアルキレングリコールに由来する構造を含むことにより屈折率を維持しつつもガラス転移温度を効率的に低下させることが容易となり、結果として多層積層フィルムを構成する各層の面内屈折率が1.61以上であり、かつガラス転移温度が90℃以下である多層積層フィルムが容易に得られるものである。なお、アルキレングリコールの分子量は1H-NMRのスペクトルより計算することができ、測定条件等の詳細については後述する。
特に好ましくは第二の熱可塑性樹脂が非晶性であり、かつ数平均分子量200以上のアルキレングリコールに由来する構造を含んでなることであり、さらに好ましくは第二の熱可塑性樹脂が数平均分子量200以上のアルキレングリコールに由来する構造を含む非晶性の熱可塑性樹脂のみからなることである。数平均分子量200以上のアルキレングリコールに由来する構造を含んでなる熱可塑性樹脂を他の非晶性樹脂と少量混合して用いることで、非晶性樹脂の屈折率を維持しつつさらにガラス転移温度を効率的に低下させることが可能となる。さらに、熱可塑性樹脂そのものをアルキレングリコールに由来する構造を含む共重合体とすることで、高温条件下で加工などを実施した際にも多層積層フィルム表面にアルキレングリコールに由来する構造を含む熱可塑性樹脂が析出することを抑制できる。
アルキレングリコールとしては、ポリエチレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどを挙げることができる。また、アルキレングリコールの分子量は200以上2000以下であることが好ましい。アルキレングリコールの分子量が200以上であることにより、アルキレングリコールの揮発性が低く抑えられるため、熱可塑性樹脂を合成する際にアルキレングリコールが十分にポリマー中に取り込まれ、その結果、ガラス転移温度を低下させる効果が十分に得られる。また、アルキレングリコールの分子量が2000以下であることにより、熱可塑性樹脂を製造する際の反応性の低下が抑えられ、樹脂がよりフィルム製造に適したものとなる。
さらに好ましくは、本発明の積層フィルムは、第二の熱可塑性樹脂が、2種類以上の芳香族ジカルボン酸と2種類以上のアルキルジオールに由来する構造を含んでおり、数平均分子量200以上のアルキレングリコールに由来する構造を含んでいることである。第二の熱可塑性樹脂は配向した結晶性熱可塑性樹脂に匹敵する高い面内屈折率と面直屈折率を非晶性で実現し、かつ結晶性の熱可塑性樹脂と共延伸可能なガラス転移温度を示す必要がある。単一のジカルボン酸やアルキレンジオールでは、この要件をすべて満足することは難しい。そこで、2種類以上の芳香族ジカルボン酸と2種類以上のアルキルジオールを含むことで、芳香族ジカルボン酸での高屈折率化を、複数のアルキルジオールで低ガラス転移温度化を実現でき、あわせて4種類以上のジカルボン酸とジオールを含むことでの非晶化を達成できるものである。
本発明の積層体は位相差層をさらに有することが好ましい。図7~9に示すように位相差層5は偏光層3の下側に位置することが好ましい。ここで下側とは、視認する側と反対側を意味し、言い換えると図7~9の態様では上側から視認することとなる。偏光層の下側に位相差層が位置することで本発明の積層体を通過して積層体下側からの反射光を偏光層が吸収することで反射を防止することができる。偏光層の透過軸方向と位相差層の主配向軸方向がなす方位角は30°~60°、位相差層の位相差は100nm~180nm(140±40nm)の範囲であることが好ましい。このような条件で偏光層と位相差層が位置することで積層体下側からの反射光に対する偏光層の吸収量が大きくなり反射防止効果が高くなる。特に有機ELディスプレイは金属電極からの反射が高いため、有機ELディスプレイ上部に本発明の積層体が位置することで高い正面透過性と覗き見防止効果だけでなく、有機ELディスプレイの金属電極からの反射も防止することができる。ここで、位相差層の主配向軸方向と位相差は、位相差測定装置を用いることで求めることができ、位相差測定装置としては、例えば王子計測機器(株)製 位相差測定装置(KOBRA-21ADH)等を用いることができる。
本発明の積層体は多層積層フィルム、偏光層、および位相差層がこの順に位置することが好ましい。この順に位置することで位相差層側から入射した光の正面方向の透過性は維持したまま斜め方向の透過率を抑制効果が高くなる。
本発明の積層体は、偏光層が偏光板であることが好ましい。偏光層が偏光反射体の場合は外光の反射によってギラつきが発生するが偏光板であればギラつきは発生せず表示装置の良好な視認性を得ることができる。偏光板としては例えば、ヨウ素を含侵させて一軸方向に延伸したポリビニルアルコールの両側を偏光子保護フィルムで積層したものが挙げられる。
以下、本発明の表示装置について説明する。本発明の表示装置は、本発明の積層体を備える。表示装置の視認側に本発明の積層体を配置することで表示装置を正面から視認する利用者の視認性は高く、表示装置を斜めから視認する利用者以外の視認性は低くすることができる。表示装置としては液晶ディスプレイや有機ELディスプレイが挙げられ、特に有機ELディスプレイが好ましい。有機ELディスプレイはコントラストや色域が高く、利用者は鮮明な映像を視認することができる。本発明の積層体を用いることで有機ELディスプレイの鮮明な映像を損なうことが無く、覗き見防止効果を得ることができる。また、視認者側から多層積層フィルム、偏光層、位相差層がこの順に位置するように本発明の積層体を表示装置に設置することも好ましい。この順に位置することで正面方向の透過性は維持したまま斜め方向の透過率を抑制効果が高くなる。
本発明の積層体を用いた表示装置は電子機器や交通機関に用いることが好ましい。電子機器としてはノートPC、スマートフォン、タブレットなどが挙げられる。交通機関としては自動車、鉄道車両、航空機などに用いられることが好ましい。特に自動車の車載ディスプレイに本発明の積層体を用いることが好ましく、図10、11に示すように積層体が有する偏光層の透過軸方向が利用者に対して上下方向(偏光層を通過した偏光が自動車のフロントガラスに対してP波となる)となるように、偏光層の透過軸を積層体に配置した構成が好ましい。なお、図10、11において符号6~13は順に、表示装置、フロントガラス、運転者に対して正面方向の出射光、運転者に対して斜め方向の出射光、運転者、車体、ハンドル、表示装置から出射された映像のS波成分、表示装置から出射された映像のP波成分を表す。このような構成の場合、表示装置6から斜め方向に出射された映像のS波成分13は偏光層3に吸収され、表示装置6から斜め方向に出射された映像のP波成分14は偏光層3を通過後に多層積層フィルム2によって反射されることによって斜め方向に出射された映像を遮ることができる。よって、車体11内の運転者10による表示装置6から投影される情報の視認性は損なわずに、従来ではフロントガラス7に映り込むことで運転者10の運転を妨げていた映り込みを防ぐことができる。すなわち運転者10は、運転者に対して正面方向の出射光8からの情報と、運転者に対して斜め方向の出射光9からの情報を、より鮮明に視認することができる。また、積層体が有する偏光層3の透過軸方向が利用者に対して上下方向である場合は、利用者が偏光サングラスを装着していても偏光サングラスが表示装置の映像を吸収しないため、表示装置の視認性が損なわれないという点においても好ましい。
以下、本発明の積層体が有する多層積層フィルムを製造する具体的な態様の例を以下に記すが、本発明の積層体が有する多層積層フィルムはかかる例によって限定して解釈されるものではない。
本発明の積層体が有する多層積層フィルムが前述の多層積層フィルム構成をとる場合、50層以上の積層構造は、次のような方法で作製することができる。まず、層Aに対応する押出機Aと層Bに対応する押出機Bの2台から第一の熱可塑性樹脂及び第二の熱可塑性樹脂を溶融した状態で供給し、それぞれの流路からの溶融熱可塑性樹脂を、公知の積層装置であるマルチマニホールドタイプのフィードブロックとスクエアミキサー、もしくはコームタイプのフィードブロックのみにより50層以上に積層する。次いでその溶融積層体をT型口金等によりシート状に溶融押出し、その後、キャスティングドラム上で冷却固化して未延伸多層積層フィルムを得る。層Aと層Bの積層精度を高める方法としては、特開2007-307893号公報、特許第4691910号公報、特許第4816419号公報に記載されている方法が好ましい。また必要であれば、層Aに用いる熱可塑性樹脂と層Bに用いる熱可塑性樹脂を乾燥することも好ましい。なお、このとき第一の熱可塑性樹脂からなる層(層A)が結晶性ポリエステルを含み、第二の熱可塑性樹脂からなる層(層B)が非晶性ポリエステルを主成分とし、かつ層Aと層Bの面内屈折率の差が0.04以下となるように、各熱可塑性樹脂を選定することが好ましい。
続いて、この未延伸多層積層フィルムに延伸及び熱処理を施す。延伸方法としては、公知の逐次二軸延伸法、もしくは同時二軸延伸法が好ましい。延伸温度は未延伸積層フィルムのガラス転移点温度以上~ガラス転移点温度+80℃以下の範囲とすることが好ましい。延伸倍率は、長手方向、幅方向それぞれ2倍~8倍の範囲が好ましく、より好ましくは3~6倍の範囲であり、長手方向と幅方向の延伸倍率差を小さくすることが好ましい。長手方向の延伸は、縦延伸機のロール間の速度変化を利用して延伸を行うことが好ましい。また、その後の幅方向の延伸は、公知のテンター法を利用することが好ましい。すなわち、一軸延伸多層積層フィルムの幅方向両端部をクリップで把持しながら搬送して、対向するクリップの間隔を幅方向に広げることで幅方向に延伸することができる。
また、テンターでの延伸は同時二軸延伸を行うことも好ましい。同時二軸延伸を行う場合について説明する。冷却ロール上にキャストされた未延伸積層フィルムを、同時二軸テンターへ導き、その幅方向両端部をクリップで把持しながら搬送して、長手方向と幅方向に同時および/または段階的に延伸する。長手方向の延伸は、同一サイドのクリップ間の距離を広げることで、また、幅方向の延伸はクリップが走行するレールの間隔を広げて対向するクリップの間隔を広げることで達成される。本発明における延伸・熱処理を施すテンタークリップは、リニアモータ方式で駆動することが好ましい。その他、パンタグラフ方式、スクリュー方式などがあるが、中でもリニアモータ方式は、個々のクリップの自由度が高いため延伸倍率を自由に変更できる点で優れている。
さらに延伸後に熱処理を行うことも好ましい。熱処理温度は、延伸温度以上~層Aの熱可塑性樹脂の融点-10℃以下の範囲にて行うことが好ましく、熱処理後に熱処理温度-30℃以下の範囲にて冷却工程を経ることも好ましい。また、フィルムの熱収縮率を小さくするために、熱処理工程中又は冷却工程中にフィルムを幅方向および/または、長手方向に縮める(リラックス)ことも好ましい。リラックスの割合としては1%~10%の範囲が好ましく、より好ましくは1~5%の範囲である。最後に巻取り機にてフィルムを巻き取ることによって本発明の積層体が有する多層積層フィルムが製造される。
このようにして得られた多層積層フィルムは、前記多層積層フィルム面に垂直に入射する光の透過率が50%以上100%以下であり、前記多層積層フィルム面の法線に対して20°、40°、70°の角度で入射したときのそれぞれのP波の反射率(%)をRp20、Rp40、Rp70としたときに、Rp20≦Rp40<Rp70の関係を満足し、かつRp70が30%以上であることがら、フィルム面に対して正面方向に入射した光に対して高い透過性能を示し、フィルム面に対して斜め方向に入射した光に対して高い反射性能を示すものとなり、偏光層と多層積層フィルムを組み合わせた本発明の積層体は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイといった表示装置の覗き見防止フィルターとして用いた際にも、表示画面の視認性を低下させずに利用者以外が斜め方向から表示画面を視認することができる。
以下、本発明の積層フィルムについて実施例を用いて説明する。
[物性の測定方法ならびに効果の評価方法]
特性値の評価方法ならびに効果の評価方法は次の通りである。
[物性の測定方法ならびに効果の評価方法]
特性値の評価方法ならびに効果の評価方法は次の通りである。
(1)積層数、積層構成
積層フィルムの層構成は、ミクロトームを用いて断面を切り出したサンプルについて、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察することにより、多層積層フィルムの積層数と表層の厚みを確認した。すなわち、透過型電子顕微鏡H-7100FA型((株)日立製作所製)を用い、加速電圧75kVの条件でフィルムの断面写真を撮影し、層数を確認した。
積層フィルムの層構成は、ミクロトームを用いて断面を切り出したサンプルについて、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察することにより、多層積層フィルムの積層数と表層の厚みを確認した。すなわち、透過型電子顕微鏡H-7100FA型((株)日立製作所製)を用い、加速電圧75kVの条件でフィルムの断面写真を撮影し、層数を確認した。
(2)積層フィルムの透過率
日立製作所(株)製 分光光度計(U-4100 Spectrophotomater)の標準構成(固体測定システム)にて、入射角度θ=0°における波長400~700nmの透過率を1nm刻みで測定しその平均透過率を求めた。測定条件:スリットは2nm(可視)/自動制御(赤外)とし、ゲインは2と設定し、走査速度を600nm/分とした。
日立製作所(株)製 分光光度計(U-4100 Spectrophotomater)の標準構成(固体測定システム)にて、入射角度θ=0°における波長400~700nmの透過率を1nm刻みで測定しその平均透過率を求めた。測定条件:スリットは2nm(可視)/自動制御(赤外)とし、ゲインは2と設定し、走査速度を600nm/分とした。
(3)多層積層フィルムの反射率(Rp20、Rp40、Rp70)
日立製作所(株)製 分光光度計(U-4100 Spectrophotomater)に付属の角度可変反射ユニットとグランテーラ偏光子を取り付け、入射角度θ=20°、40°、70°における波長400~700nmの範囲において1nm刻みでP波の反射率を測定した。得られた反射率から入射角度20°、40°、70°における波長400nm~700nmの範囲におけるP波の平均反射率としてRp20、Rp40、Rp70を求めた。20°、40°、70°の傾斜方向はフィルムの主配向軸に沿う方向とした。
日立製作所(株)製 分光光度計(U-4100 Spectrophotomater)に付属の角度可変反射ユニットとグランテーラ偏光子を取り付け、入射角度θ=20°、40°、70°における波長400~700nmの範囲において1nm刻みでP波の反射率を測定した。得られた反射率から入射角度20°、40°、70°における波長400nm~700nmの範囲におけるP波の平均反射率としてRp20、Rp40、Rp70を求めた。20°、40°、70°の傾斜方向はフィルムの主配向軸に沿う方向とした。
(4)多層積層フィルムの反射率(Rp70(φ1)~Rp70(φ5)、反射率の標準偏差)
日立製作所(株)製 分光光度計(U-4100 Spectrophotomater)に付属の角度可変反射ユニットとグランテーラ偏光子を取り付け、入射角度θ=70°における波長400~700nmの範囲において1nm刻みでP波の反射率を測定した。得られた反射率から入射角度70°における波長400nm~700nmの範囲におけるP波の平均反射率としてRp70(φn)を求めた。ここで傾斜方向である方位角φnはフィルム面の主配向軸方向の方位角0°を基準に右回りに0°、45°、90°、135°、180°の5点で測定した。また、方位角φ1~φ5それぞれの傾斜方向で測定した400nm~700nmの範囲におけるP波の反射率の標準偏差を求め、方位角φ1~φ5それぞれで求めた標準偏差の中で最も大きい標準偏差を反射率の標準偏差とした。
日立製作所(株)製 分光光度計(U-4100 Spectrophotomater)に付属の角度可変反射ユニットとグランテーラ偏光子を取り付け、入射角度θ=70°における波長400~700nmの範囲において1nm刻みでP波の反射率を測定した。得られた反射率から入射角度70°における波長400nm~700nmの範囲におけるP波の平均反射率としてRp70(φn)を求めた。ここで傾斜方向である方位角φnはフィルム面の主配向軸方向の方位角0°を基準に右回りに0°、45°、90°、135°、180°の5点で測定した。また、方位角φ1~φ5それぞれの傾斜方向で測定した400nm~700nmの範囲におけるP波の反射率の標準偏差を求め、方位角φ1~φ5それぞれで求めた標準偏差の中で最も大きい標準偏差を反射率の標準偏差とした。
(5)最表層の面内屈折率と面直屈折率
ナトリウムD線(波長589nm)を光源とし、マウント液としてヨウ化メチレンを用い、25℃にてアッベ屈折計を用いてフィルムの主配向軸方向、主配向軸方向に垂直な方向それぞれの面内屈折率と面直屈折率を求めた。面直屈折率は主配向軸方向側から測定した値と主配向軸方向に垂直な方向側から測定した値の平均値とした。なお、ここで得た屈折率は層Aの屈折率を示す。
ナトリウムD線(波長589nm)を光源とし、マウント液としてヨウ化メチレンを用い、25℃にてアッベ屈折計を用いてフィルムの主配向軸方向、主配向軸方向に垂直な方向それぞれの面内屈折率と面直屈折率を求めた。面直屈折率は主配向軸方向側から測定した値と主配向軸方向に垂直な方向側から測定した値の平均値とした。なお、ここで得た屈折率は層Aの屈折率を示す。
(6)主配向軸方向
サンプルサイズを10cm×10cmとし、フィルム幅方向中央において、サンプルを切り出した。KSシステムズ(株)製(現王子計測機器(株))の分子配向計MOA-2001を用いて配向度を測定し、最も配向度の大きい方向を主配向軸方向とした。
サンプルサイズを10cm×10cmとし、フィルム幅方向中央において、サンプルを切り出した。KSシステムズ(株)製(現王子計測機器(株))の分子配向計MOA-2001を用いて配向度を測定し、最も配向度の大きい方向を主配向軸方向とした。
(7)積層体の透過率
日立製作所(株)製 分光光度計(U-4100 Spectrophotomater)に付属の角度可変反射ユニットとグランテーラ偏光子を取り付け、入射角度θ=0°における波長400~700nmの範囲において1nm刻みで透過率を測定した。グランテーラ偏光子の透過軸方向を積層体の偏光層の透過軸方向と一致させて測定を行った。
日立製作所(株)製 分光光度計(U-4100 Spectrophotomater)に付属の角度可変反射ユニットとグランテーラ偏光子を取り付け、入射角度θ=0°における波長400~700nmの範囲において1nm刻みで透過率を測定した。グランテーラ偏光子の透過軸方向を積層体の偏光層の透過軸方向と一致させて測定を行った。
(8)積層体の入射角70°の透過率
日立製作所(株)製 分光光度計(U-4100 Spectrophotomater)に付属の角度可変反射ユニットとグランテーラ偏光子を取り付け、入射角度θ=70°における波長400~700nmの範囲において1nm刻みでP波とS波の透過率を測定した。得られたP波とS波の透過率それぞれについて波長400~700nmの範囲で平均透過率を求めた。
日立製作所(株)製 分光光度計(U-4100 Spectrophotomater)に付属の角度可変反射ユニットとグランテーラ偏光子を取り付け、入射角度θ=70°における波長400~700nmの範囲において1nm刻みでP波とS波の透過率を測定した。得られたP波とS波の透過率それぞれについて波長400~700nmの範囲で平均透過率を求めた。
(9)樹脂のガラス転移点温度、融点
樹脂ペレットを電子天秤で5mg計量し、アルミニウムパンで挟み込みセイコーインスツルメント社(株)製ロボットDSC-RDC220示差走査熱量計を用いて、JIS-K-7122(2012年)に従い、25℃から300℃まで20℃/分で昇温して測定を行った。データ解析は同社製ディスクセッションSSC/5200を用いた。得られたDSCデータからガラス転移点温度(Tg)、融点(Tm)を求めた。
樹脂ペレットを電子天秤で5mg計量し、アルミニウムパンで挟み込みセイコーインスツルメント社(株)製ロボットDSC-RDC220示差走査熱量計を用いて、JIS-K-7122(2012年)に従い、25℃から300℃まで20℃/分で昇温して測定を行った。データ解析は同社製ディスクセッションSSC/5200を用いた。得られたDSCデータからガラス転移点温度(Tg)、融点(Tm)を求めた。
(10)熱可塑性樹脂の屈折率
ナトリウムD線(波長589nm)を光源とし、マウント液としてヨウ化メチレンを用い、25℃にてアッベ屈折計を用いて樹脂ペレットの屈折率を測定した。樹脂ペレットの屈折率の測定は、70℃48時間、真空乾燥した樹脂ペレットを280℃で溶融後、プレス機を用いてプレスし、その後急冷することで、厚み200μmのシートを作成し、そのシートの屈折率を測定した。
ナトリウムD線(波長589nm)を光源とし、マウント液としてヨウ化メチレンを用い、25℃にてアッベ屈折計を用いて樹脂ペレットの屈折率を測定した。樹脂ペレットの屈折率の測定は、70℃48時間、真空乾燥した樹脂ペレットを280℃で溶融後、プレス機を用いてプレスし、その後急冷することで、厚み200μmのシートを作成し、そのシートの屈折率を測定した。
(11)アルキレングリコールの分子量
フィルムをHFIP-d2(ヘキサフロロー2-プロパノール・2重水素化物)に溶解させ、1H-NMRを測定した。得られたスペクトルについて、ケミカルシフト3.8ppmのピークをもつシグナルの面積をS1、ケミカルシフト3.9ppmにピークをもちシグナルの面積をS2とした際に、S1/S2×44(44:エチレングリコールの繰り返し単位の式量)をもってアルキレングリコールの分子量とした。
フィルムをHFIP-d2(ヘキサフロロー2-プロパノール・2重水素化物)に溶解させ、1H-NMRを測定した。得られたスペクトルについて、ケミカルシフト3.8ppmのピークをもつシグナルの面積をS1、ケミカルシフト3.9ppmにピークをもちシグナルの面積をS2とした際に、S1/S2×44(44:エチレングリコールの繰り返し単位の式量)をもってアルキレングリコールの分子量とした。
(12)IV(固有粘度)の測定方法
溶媒としてオルトクロロフェノールを用いて、温度100℃で20分溶解した後、温度25℃でオストワルド粘度計を用いて測定した溶液粘度から算出した。
溶媒としてオルトクロロフェノールを用いて、温度100℃で20分溶解した後、温度25℃でオストワルド粘度計を用いて測定した溶液粘度から算出した。
(フィルムに用いた熱可塑性樹脂)
各実施例及び各比較例に用いたフィルムの製造には以下の樹脂を用いた。なお、これらは全て熱可塑性樹脂であり、樹脂A、樹脂B、樹脂Gが結晶性樹脂であり、樹脂C、樹脂D、樹脂E、樹脂F、樹脂H、樹脂Iが非晶性樹脂である。
樹脂A:IV=0.67のポリエチレンテレフタレートの共重合体(イソフタル酸成分を酸成分全体に対して10mol%共重合したポリエチレンテレフタレート)、屈折率=1.57、Tg=75℃、Tm=230℃、ΔHm=32J/g。
樹脂B:IV=0.65のポリエチレンテレフタレート、屈折率=1.58、Tg=78℃、Tm=254℃、ΔHm=41J/g。
樹脂C:IV=0.67のポリエチレンナフタレートの共重合体(テレフタル酸成分を酸成分全体に対して40mol%共重合したポリエチレンナフタレート)と、数平均分子量2000である、テレフタル酸、ブチレン基、エチルヘキシル基を有する芳香族エステルを、90:10(質量比)でブレンドしたポリエステル。屈折率=1.62、Tg=90℃、Tm、ΔHmは観測されなかった
樹脂D:IV=0.64のポリエチレンナフタレートの共重合体(イソフタル酸成分を酸成分全体に対して20mol%、分子量400のポリエチレングリコールをジオール成分全体に対して5mol%共重合したポリエチレンナフタレート)屈折率=1.63、Tg=85℃、Tm=215℃、ΔHm=2J/g。
樹脂E:IV=0.64のポリエチレンナフタレートの共重合体(イソフタル酸成分を酸成分全体に対して20mol%、分子量200のポリエチレングリコールをジオール成分全体に対して8mol%共重合したポリエチレンナフタレート)屈折率=1.63、Tg=98℃、Tm、ΔHmは観測されなかった。
樹脂F:IV=0.73のポリエチレンテレフタレートの共重合体(シクロヘキサンジメタノール成分をジオール成分全体に対して33mol%共重合したポリエチレンテレフタレート)、屈折率=1.57、Tg=80℃、Tm、ΔHmは観測されなかった。
樹脂G:IV=0.64のポリエチレンナフタレート、屈折率=1.65、Tg=120℃、Tm=265℃、ΔHm=31J/g。
樹脂H:IV=0.67のポリエチレンテレフタレートの共重合体(2,6-ナフタレンジカルボン酸成分を酸成分全体に対して50mol%共重合したポリエチレンテレフタレート)、屈折率=1.62、Tg=105℃、Tm、ΔHmは観測されなかった。なお、樹脂Hは酸成分中における2,6-ナフタレンジカルボン酸成分とテレフタル酸成分が等しい樹脂であるが、ポリエチレンテレフタレートの共重合体として扱う。
樹脂I:IV=0.67のポリエチレンテレフタレートの共重合体(2,6-ナフタレンジカルボン酸成分を酸成分全体に対して40mol%共重合したポリエチレンテレフタレート)と、数平均分子量2000である、テレフタル酸、ブチレン基、エチルヘキシル基を有する芳香族エステルを、90:10(質量比)でブレンドしたポリエステル。屈折率=1.60、Tg=88℃、Tm、ΔHmは観測されなかった。
各実施例及び各比較例に用いたフィルムの製造には以下の樹脂を用いた。なお、これらは全て熱可塑性樹脂であり、樹脂A、樹脂B、樹脂Gが結晶性樹脂であり、樹脂C、樹脂D、樹脂E、樹脂F、樹脂H、樹脂Iが非晶性樹脂である。
樹脂A:IV=0.67のポリエチレンテレフタレートの共重合体(イソフタル酸成分を酸成分全体に対して10mol%共重合したポリエチレンテレフタレート)、屈折率=1.57、Tg=75℃、Tm=230℃、ΔHm=32J/g。
樹脂B:IV=0.65のポリエチレンテレフタレート、屈折率=1.58、Tg=78℃、Tm=254℃、ΔHm=41J/g。
樹脂C:IV=0.67のポリエチレンナフタレートの共重合体(テレフタル酸成分を酸成分全体に対して40mol%共重合したポリエチレンナフタレート)と、数平均分子量2000である、テレフタル酸、ブチレン基、エチルヘキシル基を有する芳香族エステルを、90:10(質量比)でブレンドしたポリエステル。屈折率=1.62、Tg=90℃、Tm、ΔHmは観測されなかった
樹脂D:IV=0.64のポリエチレンナフタレートの共重合体(イソフタル酸成分を酸成分全体に対して20mol%、分子量400のポリエチレングリコールをジオール成分全体に対して5mol%共重合したポリエチレンナフタレート)屈折率=1.63、Tg=85℃、Tm=215℃、ΔHm=2J/g。
樹脂E:IV=0.64のポリエチレンナフタレートの共重合体(イソフタル酸成分を酸成分全体に対して20mol%、分子量200のポリエチレングリコールをジオール成分全体に対して8mol%共重合したポリエチレンナフタレート)屈折率=1.63、Tg=98℃、Tm、ΔHmは観測されなかった。
樹脂F:IV=0.73のポリエチレンテレフタレートの共重合体(シクロヘキサンジメタノール成分をジオール成分全体に対して33mol%共重合したポリエチレンテレフタレート)、屈折率=1.57、Tg=80℃、Tm、ΔHmは観測されなかった。
樹脂G:IV=0.64のポリエチレンナフタレート、屈折率=1.65、Tg=120℃、Tm=265℃、ΔHm=31J/g。
樹脂H:IV=0.67のポリエチレンテレフタレートの共重合体(2,6-ナフタレンジカルボン酸成分を酸成分全体に対して50mol%共重合したポリエチレンテレフタレート)、屈折率=1.62、Tg=105℃、Tm、ΔHmは観測されなかった。なお、樹脂Hは酸成分中における2,6-ナフタレンジカルボン酸成分とテレフタル酸成分が等しい樹脂であるが、ポリエチレンテレフタレートの共重合体として扱う。
樹脂I:IV=0.67のポリエチレンテレフタレートの共重合体(2,6-ナフタレンジカルボン酸成分を酸成分全体に対して40mol%共重合したポリエチレンテレフタレート)と、数平均分子量2000である、テレフタル酸、ブチレン基、エチルヘキシル基を有する芳香族エステルを、90:10(質量比)でブレンドしたポリエステル。屈折率=1.60、Tg=88℃、Tm、ΔHmは観測されなかった。
(偏光層1)
偏光層として厚さ100μmの偏光板(厚さ40μmのトリアセチルセルロースフィルム/厚さ20μmのポリビニルアルコールにヨウ素染色処理と一軸延伸を施した偏光子フィルム/厚み40μmのトリアセチルセルロースフィルム)を用いた。
偏光層として厚さ100μmの偏光板(厚さ40μmのトリアセチルセルロースフィルム/厚さ20μmのポリビニルアルコールにヨウ素染色処理と一軸延伸を施した偏光子フィルム/厚み40μmのトリアセチルセルロースフィルム)を用いた。
(実施例1)
層Aを構成する熱可塑性樹脂として樹脂Aを、層Bを構成する熱可塑性樹脂として樹脂Cを用いた。樹脂Aおよび樹脂Cを、それぞれ、押出機にて280℃で溶融させ、FSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギアポンプにて吐出比(積層比)が樹脂A/樹脂C=1.5になるように計量しながら、入射角70°でのP波の反射波長が400nm~1000nmの範囲になるように設計した401層フィードブロック(層Aが201層、層Bが200層)にて交互に合流させた。次いで、Tダイに供給し、シート状に成形した後、ワイヤーで8kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し、未延伸多層積層フィルムを得た。この未延伸多層積層フィルムを、温度95℃、延伸倍率3.6倍で縦延伸を行い、フィルムの両面に空気中でコロナ放電処理を施し、そのフィルム両面の処理面に(ガラス転移温度が18℃のポリエステル樹脂)/(ガラス転移温度が82℃のポリエステル樹脂)/平均粒径100nmのシリカ粒子からなる易接着層形成膜塗液を塗布した。その後、一軸延伸多層積層フィルムの幅方向両端部をクリップで把持してテンターに導き、温度115℃、延伸倍率3.8倍で横延伸した後、220℃で熱処理及び3%の幅方向リラックスを実施し、100℃で冷却した後、厚み50μm(両表層の厚み5μm)の多層積層フィルムを得た。この多層積層フィルムと偏光層1を厚み10μmのアクリル系接着材で貼り合わせて積層体を作製した。得られた多層積層フィルムと積層体の評価結果を表2に示す。
層Aを構成する熱可塑性樹脂として樹脂Aを、層Bを構成する熱可塑性樹脂として樹脂Cを用いた。樹脂Aおよび樹脂Cを、それぞれ、押出機にて280℃で溶融させ、FSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギアポンプにて吐出比(積層比)が樹脂A/樹脂C=1.5になるように計量しながら、入射角70°でのP波の反射波長が400nm~1000nmの範囲になるように設計した401層フィードブロック(層Aが201層、層Bが200層)にて交互に合流させた。次いで、Tダイに供給し、シート状に成形した後、ワイヤーで8kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し、未延伸多層積層フィルムを得た。この未延伸多層積層フィルムを、温度95℃、延伸倍率3.6倍で縦延伸を行い、フィルムの両面に空気中でコロナ放電処理を施し、そのフィルム両面の処理面に(ガラス転移温度が18℃のポリエステル樹脂)/(ガラス転移温度が82℃のポリエステル樹脂)/平均粒径100nmのシリカ粒子からなる易接着層形成膜塗液を塗布した。その後、一軸延伸多層積層フィルムの幅方向両端部をクリップで把持してテンターに導き、温度115℃、延伸倍率3.8倍で横延伸した後、220℃で熱処理及び3%の幅方向リラックスを実施し、100℃で冷却した後、厚み50μm(両表層の厚み5μm)の多層積層フィルムを得た。この多層積層フィルムと偏光層1を厚み10μmのアクリル系接着材で貼り合わせて積層体を作製した。得られた多層積層フィルムと積層体の評価結果を表2に示す。
(実施例2~5、8、9、10~12、比較例2、3)
各層の樹脂、層数、表層の厚み、全体厚み、積層比、製膜条件を表1のとおりとした以外は実施例1と同様にして多層積層フィルムと積層体を得た。得られた多層積層フィルムと積層体の評価結果を表2に示す。なお、層構成はいずれもA層とB層の交互積層であり、かつ両側の最表層がA層である態様とした。また、各層の厚みは入射角70°でのP波の反射波長が400nm~1000nmの範囲になるように設計したフィードブロックで制御した。
各層の樹脂、層数、表層の厚み、全体厚み、積層比、製膜条件を表1のとおりとした以外は実施例1と同様にして多層積層フィルムと積層体を得た。得られた多層積層フィルムと積層体の評価結果を表2に示す。なお、層構成はいずれもA層とB層の交互積層であり、かつ両側の最表層がA層である態様とした。また、各層の厚みは入射角70°でのP波の反射波長が400nm~1000nmの範囲になるように設計したフィードブロックで制御した。
(実施例6)
実施例4で作成した多層積層フィルム2枚を厚み10μmのアクリル系接着剤で貼り合わせて多層積層フィルムを作製した。さらに、この多層積層フィルムと偏光層1を厚み10μmのアクリル系接着材で貼り合わせて積層体を作製した。得られた多層積層フィルムと積層体の評価結果を表2に示す。
実施例4で作成した多層積層フィルム2枚を厚み10μmのアクリル系接着剤で貼り合わせて多層積層フィルムを作製した。さらに、この多層積層フィルムと偏光層1を厚み10μmのアクリル系接着材で貼り合わせて積層体を作製した。得られた多層積層フィルムと積層体の評価結果を表2に示す。
(実施例7)
実施例5で作成した多層積層フィルム2枚を厚み10μmのアクリル系接着剤で貼り合わせて多層積層フィルムを作製した。この多層積層フィルムと偏光層1を厚み10μmのアクリル系接着材で貼り合わせて積層体を作製した。得られた多層積層フィルムと積層体の評価結果を表2に示す。
実施例5で作成した多層積層フィルム2枚を厚み10μmのアクリル系接着剤で貼り合わせて多層積層フィルムを作製した。この多層積層フィルムと偏光層1を厚み10μmのアクリル系接着材で貼り合わせて積層体を作製した。得られた多層積層フィルムと積層体の評価結果を表2に示す。
(比較例1)
熱可塑性樹脂として樹脂Bを用いた。押出機にて280℃で溶融させ、FSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、Tダイに供給し、シート状に成形した後、ワイヤーで8kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し、未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムを、温度90℃、延伸倍率3.3倍で縦延伸を行い、フィルムの両面に空気中でコロナ放電処理を施し、そのフィルム両面の処理面に(ガラス転移温度が18℃のポリエステル樹脂)/(ガラス転移温度が82℃のポリエステル樹脂)/平均粒径100nmのシリカ粒子からなる易接着層形成膜塗液を塗布した。その後、一軸延伸多層積層フィルムの幅方向両端部をクリップで把持してテンターに導き、温度100℃、延伸倍率3.5倍で横延伸した後、220℃で熱処理及び3%の幅方向リラックスを実施し、100℃で冷却した後、厚み50μmのフィルムを得た。このフィルムと偏光層1を厚み10μmのアクリル系接着材で貼り合わせて積層体を作製した。得られたフィルムと積層体の評価結果を表2に示す。
熱可塑性樹脂として樹脂Bを用いた。押出機にて280℃で溶融させ、FSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、Tダイに供給し、シート状に成形した後、ワイヤーで8kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し、未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムを、温度90℃、延伸倍率3.3倍で縦延伸を行い、フィルムの両面に空気中でコロナ放電処理を施し、そのフィルム両面の処理面に(ガラス転移温度が18℃のポリエステル樹脂)/(ガラス転移温度が82℃のポリエステル樹脂)/平均粒径100nmのシリカ粒子からなる易接着層形成膜塗液を塗布した。その後、一軸延伸多層積層フィルムの幅方向両端部をクリップで把持してテンターに導き、温度100℃、延伸倍率3.5倍で横延伸した後、220℃で熱処理及び3%の幅方向リラックスを実施し、100℃で冷却した後、厚み50μmのフィルムを得た。このフィルムと偏光層1を厚み10μmのアクリル系接着材で貼り合わせて積層体を作製した。得られたフィルムと積層体の評価結果を表2に示す。
実施例6,7の多層積層フィルムは、同じ多層積層フィルムを2枚貼り合わせて作製したものであり、製膜条件は貼り合わせる前の多層積層フィルムのものを記載した(なお、実施例6,7の層数には、2枚の多層積層フィルムを貼り合わせる接着材層はカウントしない。)。
B層は非晶性樹脂で構成されるため、多層積層フィルムとした際にも配向が変化しないため、B層の面内屈折率及びB層の面直屈折率は、B層樹脂の屈折率に等しい。
本発明により、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイといった表示装置の覗き見防止フィルターとして用いた際に、表示画面の視認性を低下させずに、利用者以外が斜め方向から表示画面を視認することを防止することができる積層体を得ることができる。本発明の積層体を用いた表示装置は電子機器や交通機関などに好適に用いることができる。
1:積層体
2:多層積層フィルム
3:偏光層
4:機能層
5:位相差層
6:表示装置
7:フロントガラス
8:運転者に対して正面方向の出射光
9:運転者に対して斜め方向の出射光
10:運転者
11:車体
12:ハンドル
13:表示装置から出射された映像のS波成分
14:表示装置から出射された映像のP波成分
2:多層積層フィルム
3:偏光層
4:機能層
5:位相差層
6:表示装置
7:フロントガラス
8:運転者に対して正面方向の出射光
9:運転者に対して斜め方向の出射光
10:運転者
11:車体
12:ハンドル
13:表示装置から出射された映像のS波成分
14:表示装置から出射された映像のP波成分
Claims (14)
- 偏光層と多層積層フィルムを有する積層体であって、
前記多層積層フィルムが、複数種の熱可塑性樹脂層が規則的に50層以上積層した構成を有し、
前記多層積層フィルム面に垂直に入射する光の透過率が50%以上100%以下であり、
前記多層積層フィルム面の法線に対して20°、40°、70°の角度で入射したときのそれぞれのP波の反射率(%)をRp20、Rp40、Rp70としたときに、Rp20≦Rp40<Rp70の関係を満足し、かつRp70が30%以上であることを特徴とする積層体。 - 前記偏光層の透過軸方向に平行な偏光が、前記積層体の面に対して垂直に入射したときの光の透過率が50%以上100%以下であり、前記積層体の面に対して前記偏光層の透過軸方向に70°の角度で入射したときのP波とS波の透過率がそれぞれ30%以下である、請求項1に記載の積層体。
- 方位角φn(n:1~5)において、前記多層積層フィルム面の法線に対して70°の角度で入射したときのそれぞれのP波の反射率をRp70(φ1)~Rp70(φ5)としたときに、Rp70(φ1)~Rp70(φ5)の最大値と最小値の差が10%以下である、請求項1または2に記載の積層体。
- 方位角φn(n:1~5)において、前記多層積層フィルム面の法線に対して70°の角度で入射したときのそれぞれのP波の波長400nm~700nmにおける反射率の標準偏差が10%以下である、請求項1~3の何れかに記載の積層体。
- 前記多層積層フィルムが2種の熱可塑性樹脂層が交互に積層された構成を有し、第一の熱可塑性樹脂からなる層(層A)が結晶性ポリエステルを含み、第二の熱可塑性樹脂からなる層(層B)が非晶性ポリエステルを主成分とし、かつ前記層Aと前記層Bの面内屈折率の差が0.04以下である請求項1~4の何れかに記載の積層体。
- 前記非晶性ポリエステルが、数平均分子量200以上のアルキレングリコールに由来する構造を含んでなる、請求項5に記載の積層体。
- 位相差層を更に有する、請求項1~6の何れかに記載の積層体。
- 前記多層積層フィルム、前記偏光層、及び前記位相差層が、この順に位置する、請求項7に記載の積層体。
- 前記偏光層が偏光板である、請求項1~8の何れかに記載の積層体。
- 請求項1~9の何れかに記載の積層体を備える、表示装置。
- 請求項8または9に記載の積層体を備え、かつ、視認者側から前記多層積層フィルム、前記偏光層、及び前記位相差層が、この順に位置する、請求項10に記載の表示装置。
- 有機EL表示装置である、請求項10または11に記載の表示装置。
- 請求項10~12の何れかに記載の表示装置を備える、電子機器。
- 請求項10~12の何れかに記載の表示装置を備える、交通機関。
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