JP2019061238A - 多層積層フィルム - Google Patents

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Yuji Matsuo
雄二 松尾
合田 亘
Wataru Goda
亘 合田
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Abstract

【課題】本発明は、異なる樹脂が積層され、少なくとも片方の表層が200nm以上の層厚みを持つ多層積層フィルムでありながら、可視光領域における反射率スペクトルのリップルを抑制した多層積層フィルムを提供することを課題としている。【解決手段】熱可塑性樹脂Aを用いてなる層(A層)と熱可塑性樹脂Aとは異なる熱可塑性樹脂Bを用いてなる層(B層)とが交互に3層以上積層されてなる多層積層フィルムであって、少なくとも片方の表層が200nm以上の厚みを有するA層であり、前記200nm以上の厚みを有するA層からなる表層側から測定される反射率の差分和が下記(1)、(2)、(3)式をいずれも満たすことを特徴とする多層積層フィルムSRave<SRs・・・(1)SRave<SRf・・・(2)SRave<130・・・(3)【選択図】なし

Description

本発明は、多層積層フィルムの分光スペクトルの改善に関する。
多層積層フィルムは、複数の樹脂を積層することによって、1種類の樹脂では得ることのできない性能を持たせることができ、2層〜数千層の積層数、数十nm〜数十μmの層厚みといった様々な構成をとる。多層フィルムに性能を付与するために、異なる樹脂を積層した結果、樹脂の違いによる屈折率差が原因で、異なる樹脂間の界面にて反射が発生する。また、通常は、溶融押出時のフローマークの抑制や積層精度の向上といった製膜安定性の観点や、内部の層の保護、耐傷付き・押痕性、耐熱性の付与といった機械・熱特性向上の観点から、多層積層フィルムの少なくとも片方の表層は200nm以上の層厚みを持つ。屈折率を異なる樹脂を積層し、少なくとも片方の表層が200nm以上の層厚みを持つ多層積層フィルムは、波長の変化に対して、反射率スペクトルが周期的に変動(=リップル)する性質を持つ。可視光領域の波長において反射率スペクトルがリップルを持つと、その多層積層フィルムの反射光や透過光の色が見る場所によって変わる干渉ムラが発生し、該多層積層フィルムや、該多層積層フィルムを用いた製品の外観品位を低下させる。
多層積層フィルムの干渉ムラの抑制方法としては、積層界面に凹凸状のうねり構造を形成するもの(特許文献1)、最表層から4番目までの層厚みを55nm以下とするもの(特許文献2)が開示されている。
特開2012−192737号公報 国際公開第2015/156199号パンフレット
しかしながら、特許文献1、2に記載されている方法は、可視光領域における反射率スペクトルの振動を抑制しているが、粒子添加が必要であることや、表層の厚みが薄くなるため、製膜安定性や機械・熱特性が低下するといった課題がある。
本発明は、異なる樹脂が積層され、少なくとも片方の表層が200nm以上の層厚みを持つ多層積層フィルムでありながら、可視光領域における反射率スペクトルのリップルを抑制した多層積層フィルムを提供することを課題としている。
上記課題を解決するために本発明は次のような構成を有する。
熱可塑性樹脂Aを用いてなる層(A層)と熱可塑性樹脂Aとは異なる熱可塑性樹脂Bを用いてなる層(B層)とが交互に3層以上積層されてなる多層積層フィルムであって、少なくとも片方の表層が200nm以上の厚みを有するA層であり、前記200nm以上の厚みを有するA層からなる表層側から測定される入射角度12度における反射率の差分和が下記(1)、(2)、(3)式をいずれも満たすことを特徴とする多層積層フィルム
SRave<SRs・・・(1)
SRave<SRf・・・(2)
SRave<130・・・(3)
ここで、反射率の差分和とは、前記200nm以上の厚みを有するA層からなる表層の反対側の表層面に黒塗り処理を施し、前記厚み200nm以上のA層からなる表層側から1nm間隔で波長500nm〜800nmの範囲で反射率を測定し、波長500nm〜800nmの範囲の反射率の2次近似値を求め、波長500nm〜800nmの範囲における反射率測定値と2次近似値の差分の絶対値(差分値)を求め、該差分値を波長500nm〜800nmの範囲で総和した値を表す。SRsはフィルムの主配向軸方向にて測定した反射率から求められる反射率の差分和を表し、SRfはフィルムの主配向軸方向に直交する方向にて測定した反射率から求められる反射率の差分和を表し、SRaveはフィルムの主配向軸方向にて測定した反射率と、主配向軸方向に直交する方向にて測定した反射率を平均した反射率から求めた差分和を表す。
本発明によって、可視光領域における反射率スペクトルのリップルを抑制した多層積層フィルムを得ることができる。
差分和について説明する図である。 従来の多層積層フィルムの反射率スペクトルの一例を示す模式図である。 本発明の多層積層フィルムの反射率スペクトルの一例を示す模式図である。 表層厚みが200nm以上の多層積層フィルムにおいて、反射率スペクトルにリップルが生じる理由を説明する図である。
本発明者らは、熱可塑性樹脂Aを用いてなる層(A層)と熱可塑性樹脂Aとは異なる熱可塑性樹脂Bを用いてなる層(B層)とが交互に3層以上積層されてなる多層積層フィルムであって、少なくとも片方の表層が200nm以上の厚みを有するA層であり、前記200nm以上の厚みを有するA層からなる表層側から測定される入射角度12度における反射率の差分和が下記(1)、(2)、(3)式をいずれも満たすことを特徴とする多層積層フィルムを用いることで、反射率スペクトルの可視光領域におけるリップルの抑制を達成できることを見出した。以下これについて詳説する。
SRave<SRs・・・(1)
SRave<SRf・・・(2)
SRave<130・・・(3)
ここで、入射角度12度とは、フィルム面の法線を0度とした場合の角度である。反射率の差分和とは、前記200nm以上の厚みを有するA層からなる表層の反対側の表層面に黒塗り処理を施し、前記厚み200nm以上のA層からなる表層側から1nm間隔で波長500nm〜800nmの範囲で反射率を測定し、波長500nm〜800nmの範囲の反射率の2次近似値を求め、波長500nm〜800nmの範囲における反射率測定値と2次近似値の差分の絶対値(差分値)を求め、該差分値を波長500nm〜800nmの範囲で総和した値を表す。SRsはフィルムの主配向軸方向にて測定した反射率から求められる反射率の差分和を表し、SRfはフィルムの主配向軸方向に直交する方向にて測定した反射率から求められる反射率の差分和を表し、SRaveはフィルムの主配向軸方向にて測定した反射率と、主配向軸方向に直交する方向にて測定した反射率を平均した反射率から求めた差分和を表す。なお、本願において、A層からなる表層の反対側の表層面に行う黒塗り処理とは、多層積層フィルムのA層からなる表層の反対側の表面に黒色の塗料を塗布し、塗布後の多層積層フィルムの波長500nm〜800nmの範囲における最大透過率が0.1%以下となるようにする処理をいう。
本発明における反射率の差分和について図を用いて説明する。図1は、1nm間隔で波長500nm〜800nmの範囲で測定された多層積層フィルムの反射率スペクトルの一例である。本発明者らが、多層積層フィルムの反射光を見た際に干渉ムラが視認される原因を鋭意検討した結果、波長500nm〜800nmの範囲の反射率の、周期的な振動に起因することを明らかにした。波長500nm〜800nmにおける可視光反射率1が周期的に振動しており、この周期的な振動をリップルと呼ぶ。本発明における反射率の差分和とは、波長500nm〜800nmの範囲において1nm間隔で反射率の2次近似値2を求め、波長500nm〜800nmの範囲における反射率測定値と2次近似値の差分の絶対値(差分値)3を求め、該差分値を波長500nm〜800nmの範囲で総和した値を表す。
SRsはフィルムの主配向軸方向にて測定した反射率スペクトルから求められる反射率の差分和を表し、SRfはフィルムの主配向軸方向に直交する方向にて測定した反射率スペクトルから求められる反射率の差分和を表し、SRaveはフィルムの主配向軸方向にて測定した反射率と、主配向軸方向に直交する方向にて測定した反射率について、同じ波長におけるそれぞれの反射率を平均した反射率スペクトルから求めた差分和を表す。SRaveが大きいことは、可視光領域の反射率スペクトルのリップルが大きいことを意味し、干渉ムラが強く視認される要因となる。フィルムの主配向軸を求める方法としては、位相差計を用いて配向角を測定する方法が挙げられる。
本発明の多層積層フィルムが(1)〜(3)式をいずれも満たすことで、可視光領域におけるリップルを抑制できることについて説明する。通常視認される光は円偏光または、円偏光に近い楕円偏光であり、該光の反射光強度は、主配向軸方向の反射率と、主配向軸方向に直交する方向の反射率を平均した反射率に相関した値となる。従来の多層積層フィルムの反射率スペクトルは図2に示すように、主配向軸方向の反射率スペクトル4と、主配向軸方向に直交する方向の反射率スペクトル5の形状はほぼ一致しており、主配向軸方向の反射率と、主配向軸方向に直交する方向の反射率を平均した反射率スペクトル6は、周期的に大きく振動(リップル)している。
次に、本発明の多層積層フィルムの反射率スペクトルの一例を図3に示す。図3に示されるように、主配向軸方向の反射率スペクトル7と、主配向軸方向に直交する方向の反射率スペクトル8のリップル形状がずれているため、主配向軸方向の反射率と、主配向軸方向に直交する方向の反射率を平均した反射率スペクトル9のリップルが抑制されており、その結果、干渉ムラが見え難くなる。従来の多層積層フィルムでは、図2に示されるとおり、SRs、SRf、SRaveの関係は、SRs>SRave>SRf、SRf>SRave>SRs、SRs=SRf=SRaveの何れかの関係となり、SRaveが高く干渉ムラが強く視認される。一方、本発明の多層積層フィルムでは、図3に示されるとおり、SRave<SRs、SRave<SRfの関係となり、SRaveの抑制効果が発現され、干渉ムラが見え難くなる。さらに、SRaveの大きさがSRave<130となることで、リップルは非常に小さくなり干渉ムラが見え難くなる。(3)式は、好ましくはSRave<110であり、より好ましくはSRave<100、さらに好ましくはSRave<90である。以上のように、本発明の多層積層フィルムは、従来であれば干渉ムラが強く見える表層厚み(表層厚みが200nm以上)であっても、干渉ムラが見え難いことが特徴である。
A層とB層の屈折率が0.01以上異なり、表層厚みが200nm以上の多層積層フィルムにおいて、反射率スペクトルにリップルが生じる理由を図4を用いて説明する。図4は、A層の屈折率がB層の屈折率よりも少なくとも0.01以上大きく、A層10とB層11が交互に積層された多層積層フィルムの表層近傍の模式図である。多層積層フィルムに入射した光12は、多層積層フィルム表面及び、多層積層フィルム中の隣接するA層とB層の界面にて反射される。その反射光の中で、多層フィルム表面で反射された反射光13と、表層A層と表層A層に隣接するB層の界面15で反射された後、表面を通過した直後の反射光14が反射率スペクトルのリップルに影響している。多層積層フィルムに入射する前の入射光12の各波長における位相を0とすると、反射光13の各波長における位相はπである。一方、反射光14の位相は表層A層16を通過した際に変化し、その各波長の位相は下記式(7)で表される。
Figure 2019061238
ここで、δ14は反射光14の位相、λは波長、nはA層の屈折率、dは表層A層の厚みである。
反射光13の各波長における位相はπであることに対して、反射光14の各波長の位相は式(7)であるため、反射光13と反射光14の合成光は、各波長によって強めあったり、弱めあったりすることで、反射率スペクトルにリップルが生じる。この反射率スペクトルのリップル形状は、反射光13、14の反射率、λ、n、dによって決定される。
本発明の多層積層フィルムは、主配向軸方向のA層の屈折率nasと、主配向軸方向に直交する方向のA層の屈折率nafを制御することによって、主配向軸方向の反射光14の位相と、主配向軸方向に直交する方向の反射光14の位相に差をつけることで、主配向軸方向の反射率スペクトルのリップル形状と、主配向軸方向に直交する方向のリップル形状をずらし、その結果SRaveを小さくしている。
本発明の多層積層フィルムにおいて、式(1)〜(3)を満たす方法は特に限られるものでは無いが、例えば、多層積層フィルム製造時に二軸延伸を行い、その際の縦延伸と横延伸の条件を制御することで、上記nasとnafに差を持たせるといった方法が挙げられる。少なくとも片方の表層が200nm以上で、A層とB層が交互に積層されてなる多層積層フィルムにおいて、A層とB層の屈折率差が大きくなるほど、SRs、SRfは大きくなる傾向にある。また、表層の厚みが200nm以上大きくなるにつれて、SRs、SRfは大きくなる傾向になり、表層の厚み1500nm前後を超えるとSRs、SRfは小さくなる傾向になり、表層の厚みが20000nm前後を超えるとSRs、SRfは表層が200nm以下の多層積層フィルムとほぼ同等の値となる。
本発明の多層積層フィルムは、フィルムの主配向軸の方位に入射角度30度における反射率の差分和、フィルムの主配向軸に直交する方位に入射角度30度における反射率の差分和の少なくとも一方が前述した式(1)〜(3)の何れも満たすことが好ましい。ここで、入射角度30度とは、フィルム面の法線を0度とした場合の角度である。本発明の多層積層フィルムや本発明の多層積層フィルムを用いた製品は視認場所によって視野角が異なるため、より広い視野角範囲内において干渉ムラの視認が抑制されることが好ましい。よって入射角度がより広い30度でも式(1)〜(3)を満たすことが好ましい。本発明の多層積層フィルムは、入射角度12度では方位角による反射特性の差はほとんどない場合であっても、入射角度が30°を越えると、傾斜させる方位角によって反射特性が異なる性質を持つ場合がある。そのため、フィルムの主配向軸の方位かフィルムの主配向軸に直交する方位の少なくとも一方の方位において30度傾斜させた場合の反射率が式(1)〜(3)を満たすことが好ましく、より好ましくは両方の方位において30度傾斜させた場合の反射率が式(1)〜(3)を満たすことである。また、入射角度30度においても(3)式は、好ましくはSRave<110であり、より好ましくはSRave<100、さらに好ましくはSRave<90である。本発明の多層積層フィルムにおいて、入射角度30度において式(1)〜(3)を満たす方法は特に限られるものでは無いが、例えば、多層積層フィルム製造時に二軸延伸を行い、その際の縦延伸と横延伸の条件を制御することで、上記nasとnafに差を持たせるといった方法が挙げられる。
本発明の多層積層フィルムは、熱可塑性樹脂Aを用いてなる層(A層)と熱可塑性樹脂Aとは異なる熱可塑性樹脂Bを用いてなる層(B層)とが交互に3層以上積層されてなる多層積層フィルムであって、少なくとも片方の表層が200nm以上の厚みを有するA層である。ここでいう熱可塑性樹脂Aとは異なる熱可塑性樹脂Bの「異なる」とは、結晶性・非晶性、光学的性質、熱的性質のいずれかが異なることをいう。光学的性質が異なるとは、屈折率が0.01以上異なることをあらわし、熱的性質が異なるとは、融点あるいはガラス転移温度が1℃以上異なっていることを表す。なお、一方の樹脂が融点を有しており、もう一方の樹脂が融点を有していない場合や、一方の樹脂が結晶化温度を有しており、もう一方の樹脂が結晶化温度を有していない場合も異なる熱的性質を有することを表す。異なる性質を持つ熱可塑性樹脂を積層することで、それぞれの熱可塑性樹脂の単一の層のフィルムではなし得ない機能をフィルムに与えることができる。また、少なくとも片方の表層が200nm以上の厚みを有することによって、該表層が内層の保護層として働き、押出時のフローマークの抑制、他のフィルムや成形体とのラミネート工程及びラミネート工程後における多層積層フィルム中の内層の変形抑制、耐押圧性などの効果を持つことができる。表層の厚みは好ましくは、1.0μm以上、より好ましくは2.0μm以上である。上限は特に設けないが、フィルム厚み増加抑制の観点から10.0μm以下、又は、5.0μm以下であることが挙げられる。
本発明の多層積層フィルムに用いられる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチルペンテン−1)などのポリオレフィン、シクロオレフィンとしては、ノルボルネン類の開環メタセシス重合,付加重合,他のオレフィン類との付加共重合体である脂環族ポリオレフィン、ポリ乳酸、ポリブチルサクシネートなどの生分解性ポリマー、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66などのポリアミド、アラミド、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリアセタール、ポリグルコール酸、ポリスチレン、スチレン共重合ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどのポリエステル、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアリレート、4フッ化エチレン樹脂、3フッ化エチレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリデンなどが挙げられる。これらの中で、強度・耐熱性・透明性の観点から、特にポリエステルを用いることが好ましく、ポリエステルとしては芳香族ジカルボン酸または脂肪族ジカルボン酸とジオールを主たる構成成分とする単量体からの重合により得られるポリエステルが好ましい。
ここで、芳香族ジカルボン酸として、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ジフェニルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルスルホンジカルボン酸などを挙げることができる。脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ダイマー酸、ドデカンジオン酸、シクロヘキサンジカルボン酸とそれらのエステル誘導体などが挙げられる。中でも好ましくはテレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸を挙げることができる。これらの酸成分は1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよく、さらには、ヒドロキシ安息香酸等のオキシ酸などを一部共重合してもよい。
また、ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、イソソルベート、スピログリコールなどを挙げることができる。中でもエチレングリコールが好ましく用いられる。これらのジオール成分は1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよい。
上記ポリエステルのうち、ポリエチレンテレフタレートおよびその共重合体、ポリエチレンナフタレートおよびその共重合体、ポリブチレンテレフタレートおよびその共重合体、ポリブチレンナフタレートおよびその共重合体、さらにはポリヘキサメチレンテレフタレートおよびその共重合体並びにポリヘキサメチレンナフタレートおよびその共重合体の中から選択されるポリエステルを用いることが好ましい。
また、本発明の多層積層フィルムは、用いられる異なる性質を有する熱可塑性樹脂の好ましい組み合わせとしては、各熱可塑性樹脂のガラス転移温度の差の絶対値が20℃以下であることが好ましい。ガラス転移温度の差の絶対値が20℃より大きい場合には多層積層フィルムを製造する際の延伸不良が発生しやすいためである。
本発明の多層積層フィルムは、用いられる異なる性質を有する熱可塑性樹脂の好ましい組み合わせとしては、各熱可塑性樹脂のSP値(溶解性パラメータともいう)の差の絶対値が、1.0以下であることが第一に好ましい。SP値の差の絶対値が1.0以下であると層間剥離が生じにくくなる。より好ましくは、異なる性質を有するポリマーは同一の基本骨格を供えた組み合わせからなることが好ましい。ここでいう基本骨格とは、樹脂を構成する繰り返し単位のことであり、たとえば、一方の熱可塑性樹脂としてポリエチレンテレフタレートを用いる場合は、高精度な積層構造が実現しやすい観点から、他方の熱可塑性樹脂として、ポリエチレンテレフタレートと同一の基本骨格であるエチレンテレフタレートを含むことが好ましい。異なる光学的性質を有するポリエステル樹脂が同一の基本骨格を含む樹脂であると、積層精度が高く、さらに積層界面での層間剥離が生じにくくなるものである。
同一の基本骨格を有し、かつ、異なる性質を具備させるには、共重合体とすることが望ましい。すなわち、例えば、一方の樹脂がポリエチレンテレフタレートの場合、他方の樹脂は、エチレンテレフタレート単位と他のエステル結合を持った繰り返し単位とで構成された樹脂を用いるような態様である。他の繰り返し単位を入れる割合(共重合量ということがある)としては、異なる性質を獲得する必要性から5%以上が好ましく、一方、層間の密着性や、熱流動特性の差が小さいため各層の厚みの精度や厚みの均一性に優れることから90%以下が好ましい。さらに好ましくは10%以上、80%以下である。また、A層とB層はそれぞれ、複数種の熱可塑性樹脂がブレンド又はアロイされ用いられることも望ましい。複数種の熱可塑性樹脂をブレンド又はアロイさせることで、1種類の熱可塑性樹脂では得られない性能を得ることができる。
本発明の多層積層フィルムは、熱可塑性樹脂A及び/又は熱可塑性樹脂Bがポリエステルであることが好ましい。ポリエステルは広い範囲のΔnA(λ)を取ることができ、また、多層積層フィルムに十分な強度、反射率を付与することができる。
本発明多層積層フィルムは、熱可塑性樹脂Aがポリエチレンテレフタレートを主たる成分とし、熱可塑性系樹脂Bがジカルボン酸成分としてテレフタル酸、ジオール成分としてエチレングリコールを含んでなり、さらに、ジカルボン酸成分として、ナフタレンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ジオール成分としてシクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、イソソルビドのうち少なくとも何れか1つの共重合成分を含んでなるポリエステルを主たる成分とすることも好ましい。なお「熱可塑性樹脂Aの主たる成分」とは、A層を構成する樹脂全体の70重量%以上占めることを表す。また、「熱可塑性樹脂Bの主たる成分」とは、B層を構成する樹脂全体の35重量%以上占めることを表す。
本発明の多層積層フィルムは、反射率の差分和がさらに下記(4)、(5)式を満たすことが好ましい。
SRave<0.8×SRs・・・(4)
SRave<0.8×SRf・・・(5)
(4)、(5)式を満たすことで、主配向軸方向の反射率と、主配向軸方向に直交する方向の反射率を平均した反射率スペクトルのリップルがさらに抑制され、干渉ムラがより見え難くなる。
本発明の多層積層フィルムは、前記200nm以上の厚みを有するA層からなる表層が、波長λが500nm、600nm、700nm、800nmのうち少なくとも何れかの波長において、下記(6)式を満たすことが好ましい。
λ/4×0.7≦ΔnA(λ)×d≦λ/4×1.2・・・(8)
ここでΔnA(λ)は波長λにおける前記200nm以上の厚みを有するA層からなる表層側から測定される複屈折率(nas(λ)−naf(λ))であり、dは前記200nm以上の厚みを有するA層からなる表層の厚みである。図1〜3に示したような、可視光領域の反射率スペクトルのリップル形状のパターンは、多層積層フィルム表層の厚みdとその屈折率nによって決定される。本発明の多層積層フィルムの特徴は、表層の厚みdと、主配向軸方向と主配向軸方向に直交する方向のそれぞれの屈折率nを制御することで、可視光領域の反射率スペクトルのリップルのパターンを制御することである。つまり、主配向軸方向の反射率の高い波長に対して、主配向軸方向に直交する方向の反射率を低くすること、及びその逆を行うことによって、主配向軸方向の反射率と、主配向軸方向に直交する方向の反射率を平均した反射率のリップルを抑制することである。本発明の多層積層フィルムが(8)式を満たすことによって、主配向軸方向の反射率スペクトルと、主配向軸方向に直交する方向の反射率スペクトルのリップル形状のずれが、主配向軸方向の反射率と、主配向軸方向に直交する方向の反射率を平均した反射率スペクトルのリップルが抑制される形状となり、干渉ムラ抑制に高い効果を発揮する。より好ましくは、波長λが500nm、600nm、700nm、800nmのうち少なくとも2つの波長において(6)式を満たすことが好ましく、波長λが500nm、600nm、700nm、800nmのうち少なくとも3つの波長において(6)式を満たすことがさらに好ましい。
本発明の多層積層フィルムは、波長λが500nm、600nm、700nm、800nmのうち少なくとも何れかの波長において、B層の複屈折率ΔnB(λ)が0.01以上であることが好ましい。B層の複屈折率ΔnB(λ)が0.01以上であることによって、主配向軸方向の反射率と、主配向軸方向に直交する方向の反射率を平均した反射率のリップルを抑制する効果が高くなる。より好ましくは、波長λが500nm、600nm、700nm、800nmのうち少なくとも2つの波長においてB層の複屈折率ΔnB(λ)が0.01以上であることが好ましく、いずれの波長においてもB層の複屈折率ΔnB(λ)が0.01以上であることがさらに好ましい。
本発明の多層積層フィルムは、200nm以上の厚みを有するA層からなる表層側から測定される、波長240nm〜499nmの範囲、又は波長801nm〜2600nmの範囲のいずれかにおいて、反射率が20%以上である領域を含むことも好ましい。下記(9)式は隣接するA層とB層の屈折率及び層厚みから決定される反射波長を表す式である。下記(9)式を満たすように、A層とB層の樹脂と層厚みを設計し、製膜条件を制御することで、波長240nm〜499nmの範囲、又は波長801nm〜2600nmの範囲のいずれかにおいて、反射率が20%以上である領域を含む光学特性を持つことができる。
Figure 2019061238
ここでλΦはフィルムへの入射角度を0°とした際の任意の方位角Φ方向の反射波長、nはA層の面内の方位角Φ方向の屈折率、dAはA層の厚み、nはB層の面内の方位角Φ方向の屈折率、dBはB層の厚みである。なお、多層積層フィルムにおいて、望ましい反射波長範囲及び反射率を調整する方法は、A層とB層の面内屈折率差、積層数、層厚み分布、製膜条件(例えば延伸倍率、延伸速度、延伸温度、熱処理温度、熱処理時間)の調整等が挙げられる。反射率が高くなり積層数が少なく済むことから、A層とB層の面内屈折率差は0.02以上が好ましく、より好ましくは0.04以上、さらに好ましくは0.08以上である。多層積層フィルムの各層の層厚みは均一であってもよく、分布を持っていても良い。層厚みに分布を持たせる場合は、フィルム面の一方から反対側の面へ向かって増加または減少する層厚み分布や、フィルム面の一方からフィルム中心へ向かって層厚みが増加した後減少する層厚み分布や、フィルム面の一方からフィルム中心へ向かって層厚みが減少した後増加する層厚み分布が好ましい。層厚み分布の変化の仕方としては、線形、等比、階差数列といった連続的に変化するものや、10層から50層程度の層がほぼ同じ層厚みを持ち、その層厚みがステップ状に変化するものが好ましい。望む反射率に応じて積層数を設計することが好ましく、51層以上、201層以上、401層以上といった積層数を取り得ることができ、上限は特に設けないが、例えば、積層精度や積層装置の大型化の観点から上限としては4001層程度である。
本発明の多層積層フィルムは、波長500nm〜800nmの範囲における平均反射率が3%〜8%であることが好ましい。
本発明の多層積層フィルムの総厚みは、特に限られるものではないが、例えば、10μm〜200μmの範囲を取りうる。
本発明の多層積層フィルムは、全光線透過率が80%以上であることが好ましく、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上である。全光線透過率を高くする方法として、フィルム表面にプライマー層、ハードコート層、反射防止層を設けることが好ましい。フィルム表面の樹脂よりも屈折率の低い層を設けることで全光線透過率を高くすることができる。
本発明の多層積層フィルムは、ヘイズ値が3%以下であることが好ましく、より好ましくは1.5%以下、更に好ましくは1.0%以下である。
本発明の多層積層フィルムは、フィルムの表面にプライマー層、ハードコート層、耐磨耗性層、傷防止層、反射防止層、色補正層、紫外線吸収層、光安定化層(HALS)、熱線吸収層、印刷層、ガスバリア層、粘着層などの機能性層を有していても良い。これらの層は1層でも多層でも良く、また、1つの層に複数の機能を持たせても良い。また、多層積層フィルム中に、紫外線吸収剤、光安定化剤(HALS)、熱線吸収剤、結晶核剤、可塑剤などの添加剤を有していても良い。
本発明の多層積層フィルムは、200nm以上の厚みを有するA層からなる表層の表面に、200nm以上の厚みを有するA層の屈折率以下の屈折率を有し、厚みが5μm以上である層を少なくとも1層以上積層した積層体とすることも好ましい態様として挙げられる。このような積層体とすることによって、主配向軸方向に直交する方向の反射率を平均した反射率スペクトルのリップルをさらに抑制することができる。
本発明の多層積層フィルムあるいは本発明の多層積層フィルムを用いた積層体は、液晶ディスプレイ(表示装置)や有機ELディスプレイ(表示装置)に好ましく用いられ、偏光子保護フィルムや、カバーガラスに貼り合せる画面保護フィルム、透明導電層を形成するタッチパネル基材フィルム等に用いられる。
本発明の多層積層フィルムを製造する具体的な態様の例を以下に記すが、本発明の多層積層フィルムはかかる例によって限定して解釈されるものではない。本発明の多層積層フィルムにおける3層以上の積層構造は、次のような方法で作製することができる。A層に対応する押出機AとB層に対応する押出機Bの2台から熱可塑性樹脂が供給され、それぞれの流路からのポリマーが、公知の積層装置であるマルチマニホールドタイプのフィードブロックとスクエアミキサーを用いる方法、もしくは、コームタイプのフィードブロックのみを用いることにより3層以上に積層し、次いでその溶融体をT型口金等を用いてシート状に溶融押出し、その後、キャスティングドラム上で冷却固化して未延伸多層積層フィルムを得る方法が挙げられる。A層とB層の積層精度を高める方法としては、特開2007−307893号公報、特許第4691910号公報、特許第4816419号公報に記載されている方法が好ましい。また必要であれば、A層に用いる熱可塑性樹脂とB層に用いる熱可塑性樹脂を乾燥することも好ましい。
続いて、この未延伸多層積層フィルムの延伸及び熱処理を施す。延伸方法としては、公知の一軸延伸法、逐次二軸延伸法、もしくは同時二軸延伸法で二軸延伸されていることが好ましい。延伸温度は未延伸多層積層フィルムのガラス転移点温度以上〜ガラス転移点温度+80℃以下の範囲にて行うことが好ましい。延伸倍率は、長手方向、幅方向それぞれ2倍〜8倍の範囲が好ましく、より好ましくは3〜6倍の範囲である。長手方向の延伸は、縦延伸機ロール間の速度変化を利用して延伸を行うことが好ましい。また、幅方向の延伸は、公知のテンター法を利用する。すなわち、フィルムの両端をクリップで把持しながら搬送して、フィルム両端のクリップ間隔を広げることで幅方向に延伸する。また、テンターでの延伸は同時二軸延伸を行うことも好ましい。同時二軸延伸を行なう場合について説明する。冷却ロール上にキャストされた未延伸フィルムを、同時二軸テンターへ導き、フィルムの両端をクリップで把持しながら搬送して、長手方向と幅方向に同時および/または段階的に延伸する。長手方向の延伸は、テンターのクリップ間の距離を広げることで、また、幅方向はクリップが走行するレールの間隔を広げることで達成される。本発明における延伸・熱処理を施すテンタークリップは、リニアモータ方式で駆動することが好ましい。その他、パンタグラフ方式、スクリュー方式などがあるが、中でもリニアモータ方式は、個々のクリップの自由度が高いため延伸倍率を自由に変更できる点で優れている。
延伸後に熱処理を行うことも好ましい。熱処理温度は、延伸温度以上〜A層の熱可塑性樹脂の融点−10℃以下の範囲にて行うことが好ましく、熱処理後に熱処理温度−30℃以下の範囲にて冷却工程を経ることも好ましい。また、フィルムの熱収縮率を小さくするために、熱処理工程中又は冷却工程中にフィルムを幅方向又は及び又は、長手方向に縮める(リラックス)ことも好ましい。リラックスの割合としては1%〜10%の範囲が好ましく、より好ましくは1〜5%の範囲である。最後に巻取り機にてフィルムを巻き取ることによって本発明のポリエステルフィルムが製造される。
以下、本発明の多層積層フィルムを具体的な実施例をあげて説明する。なお、以下に具体的に例示した熱可塑性樹脂以外の熱可塑性樹脂を用いた場合でも下記実施例を含めた本明細書の記載を参酌すれば、同様にして本発明の多層積層フィルムを得ることができる。
[物性の測定方法ならびに効果の評価方法]
物性値の評価方法ならびに効果の評価方法は次の通りである。
(1)主配向軸方向
王子計測機器(株)製 位相差測定装置(KOBRA−21ADH)を用いて多層積層フィルムの配向角を求めた。得られた配向角の方向を主配向軸方向とした。
(2)層厚み
ミクロトームを用いて断面を切り出した多層積層フィルムについて、日本電子製 透過型電子顕微鏡(JEM1400Plus)を用いて表層厚みd及び、各層の厚みを求めた。尚、場合によっては、コントラストを高く得るために、公知のRuOやOsOなどを使用した染色技術を用いた。
(3)SRs、SRf、SRave
多層積層フィルムの200nm以上の厚みを有す表層の反対側の表層面にスプレーを用いて黒色塗料を塗布した。続いて、日立製作所(株)製 分光光度計(U−4100 Spectrophotomater)に付属の12°正反射付属装置P/N134−0104を取り付け、フィルム面の法線を0度とした入射角度φ=12度における波長500〜800nmの透過率を1nm刻みで測定し、その最大透過率が0.1%以下であることを確認した。測定条件:スリットは2nm(可視)/自動制御(赤外)とし、ゲインは2と設定し、走査速度を600nm/分とした。その後、付属の12°正反射付属装置P/N134−0104とグランテーラ偏光子を取り付け、主配向軸方向と主配向軸方向に直交する方向について、入射角度=12度における波長500nm〜800nmの絶対反射率を1nm刻みで測定し、波長500nm〜800nmの範囲における各波長において、主配向軸方向の反射率と、主配向軸方向に直交する方向の反射率を平均した値を算出した。主配向軸方向の反射率、主配向軸方向に直交する方向の反射率、主配向軸方向の反射率と主配向軸方向に直交する方向の反射率を平均した値それぞれについて、波長500nm〜800nmの範囲にて、2次近似値を求め、波長500nm〜800nmの範囲における反射率測定値と2次近似値の差分の絶対値(差分値)を求め、該差分値を波長500nm〜800nmの範囲で総和し、SRs、SRf、SRaveを求めた。
次に入射角度30°での反射率の測定は、日立製作所(株)製 分光光度計(U−4100 Spectrophotomater)に付属の角度可変反射ユニットとグランテーラ偏光子を取り付け、フィルム面の法線を0度とした入射角度φ=30度における反射率について、フィルムの主配向軸の方位またはフィルムの主配向軸に直交する方位に傾斜させたこと以外は同様の方法にてSRs、SRf、SRaveを求めた。
(4)反射率
日立製作所製 分光光度計(U−4100 Spectrophotomater)に付属の12°正反射付属装置P/N134−0104を取り付け、フィルム面の法線を0度とした入射角度φ=12度における波長240〜2600nmの絶対反射率を測定した。測定条件:スリットは2nm(可視)/自動制御(赤外)とし、ゲインは2と設定し、走査速度を600nm/分とした。得られた反射率から波長500nm〜800nmの平均反射率を算出した。また、波長240nm〜499nmの範囲、又は波長801nm〜2600nmの範囲の何れかにおいて、反射率が20%以上である領域を含む場合は○、含まない場合は×を表1に記載した。
(5)ΔnA(λ)×d
ウーラム社製 エリプソメーター(M2000)を用いて、200nm以上の厚みを有する表層について波長500nm、600nm、700nm、800nmの複屈折率ΔnA(λ)を求めた。求めたΔnA(λ)と表層厚みdについて、(6)式を満たす場合は○、満たさない場合は×を表1に記載した。
(6)ΔnB(λ)
多層積層フィルムの位相差はR(λ)=ΔnA(λ)×Σda+ΔnB(λ)×Σdbで求められる。ここで、R(λ)は波長λにおける位相差、ΔnA(λ)は波長λにおけるA層の複屈折率、ΣdaはA層の層厚みの総和、ΣdbはB層の層厚みの総和である。R(λ)、ΔnA(λ)、Σda、Σdbを測定することによって、波長500nm、600nm、700nm、800nmの複屈折率ΔnB(λ)を算出した。R(λ)は、王子計測機器製 位相差計(KOBRA−21ADH)を用いて測定した。求めたΔnB(λ)が0.01以上の場合は○、0.01より小さい場合は×を表1に記載した。
(7)屈折率
70℃48時間、真空乾燥した樹脂ペレットを280℃で溶融後、プレス機を用いてプレスし、その後急冷することで、厚み500μmのシートを作成した。作成したシートをアタゴ社製 アッベ屈折率計(NAR−4T)とNaD線ランプを用いて屈折率を測定した。
(フィルムに用いた樹脂)
樹脂A:IV=0.65のポリエチレンテレフタレート、屈折率1.58
樹脂B:IV=0.73のポリエチレンテレフタレートの共重合体(シクロヘキサンジメタノール成分をジオール成分全体に対して33mol%共重合したポリエチレンテレフタレート)、屈折率1.57
樹脂C:IV=0.72のポリエチレンテレフタレートの共重合体(シクロヘキサンジカルボン酸成分を酸成分全体に対して20mol%、スピログリコール成分をジオール成分全体に対して20mol%共重合したポリエチレンテレフタレート)、屈折率1.55
(上記樹脂ペレットの混合物)
樹脂D:樹脂Bと樹脂Aのペレットをそれぞれ、80wt%/20wt%の割合で均等に混合したブレンドペレット、屈折率1.57
樹脂E:樹脂Bと樹脂Aのペレットをそれぞれ、50wt%/50wt%の割合で均等に混合したブレンドペレット、屈折率1.58
IV(固有粘度)の測定方法
溶媒としてオルトクロロフェノールを用いて、温度100℃で20分溶解した後、温度25℃でオストワルド粘度計を用いて測定した溶液粘度から算出した。
(実施例1)
A層を構成する熱可塑性樹脂として樹脂Aを、B層を構成する熱可塑性樹脂として樹脂Dを用いた。樹脂Aおよび樹脂Dを、それぞれ、押出機にて280℃で溶融させ、FSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギアポンプにて吐出比(積層比)が樹脂A/樹脂D=3/20になるように計量しながら、3層フィードブロックにて交互(A層/B層/A層)に合流させた。次いで、Tダイに供給し、シート状に成形した後、ワイヤーで8kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し、未延伸多層積層フィルムを得た。この未延伸フィルムを、85℃、延伸倍率2.7倍で縦延伸を行い、その後、両端部をクリップで把持するテンターに導き105℃、4.6倍横延伸した後、220℃で熱処理及び5%の幅方向リラックスを実施し、100℃で冷却した後、厚み23μmの多層積層フィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。
(実施例2)
A層を構成する熱可塑性樹脂として樹脂Aを、B層を構成する熱可塑性樹脂として樹脂Bを用いた。樹脂Aおよび樹脂Bを、それぞれ、押出機にて280℃で溶融させ、FSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギアポンプにて吐出比(積層比)が樹脂A/樹脂B=4/20になるように計量しながら、3層フィードブロックにて交互(A層/B層/A層)に合流させた。次いで、Tダイに供給し、シート状に成形した後、ワイヤーで8kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し、未延伸多層積層フィルムを得た。この未延伸フィルムを、85℃、延伸倍率2.7倍で縦延伸を行い、その後、両端部をクリップで把持するテンターに導き105℃、4.6倍横延伸した後、220℃で熱処理及び5%の幅方向リラックスを実施し、100℃で冷却した後、厚み24μmの多層積層フィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。
(実施例3)
B層を構成する熱可塑性樹脂として樹脂Dを用いたこと以外は実施例2と同様の方法にて厚み24μmの多層積層フィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。
(実施例4)
A層を構成する熱可塑性樹脂として樹脂Aを、B層を構成する熱可塑性樹脂として樹脂Bを用いた。樹脂Aおよび樹脂Bを、それぞれ、押出機にて280℃で溶融させ、FSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギアポンプにて吐出比(積層比)が樹脂A/樹脂B=6/20になるように計量しながら、3層フィードブロックにて交互(A層/B層/A層)に合流させた。次いで、Tダイに供給し、シート状に成形した後、ワイヤーで8kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し、未延伸多層積層フィルムを得た。この未延伸フィルムを、85℃、延伸倍率2.7倍で縦延伸を行い、その後、両端部をクリップで把持するテンターに導き105℃、4.6倍横延伸した後、220℃で熱処理及び5%の幅方向リラックスを実施し、100℃で冷却した後、厚み26μmの多層積層フィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。
(実施例5)
B層を構成する熱可塑性樹脂として樹脂Dを用いたこと以外は実施例4と同様の方法にて厚み26μmの多層積層フィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。
(比較例1)
縦延伸温度を90℃、縦延伸倍率を3.3倍、横延伸温度を100℃、横延伸倍率を3.4倍としたこと以外は実施例1と同様の方法で厚み23μmの多層積層フィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。
(比較例2)
縦延伸温度を90℃、縦延伸倍率を3.3倍、横延伸温度を100℃、横延伸倍率を3.4倍としたこと以外は実施例2と同様の方法で厚み24μmの多層積層フィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。
(実施例6)
A層を構成する熱可塑性樹脂として樹脂Aを、B層を構成する熱可塑性樹脂として樹脂Dを用いた。樹脂Aおよび樹脂Dを、それぞれ、押出機にて280℃で溶融させ、FSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギアポンプにて吐出比(積層比)が樹脂A/樹脂D=1/1になるように計量しながら、51層フィードブロック(A層が26層、B層が25層)にて交互に合流させた後、さらに3層ピノールを用いて、積層比が樹脂A/樹脂D=1.6/1となるように両表層にA層を合流させた。次いで、Tダイに供給し、シート状に成形した後、ワイヤーで8kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し、未延伸多層積層フィルムを得た。この未延伸フィルムを、85℃、延伸倍率2.7倍で縦延伸を行い、その後、両端部をクリップで把持するテンターに導き105℃、4.6倍横延伸した後、220℃で熱処理及び5%の幅方向リラックスを実施し、100℃で冷却した後、厚み14μmの多層積層フィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。
(実施例7)
A層を構成する熱可塑性樹脂として樹脂Aを、B層を構成する熱可塑性樹脂として樹脂Dを用いた。樹脂Aおよび樹脂Dを、それぞれ、押出機にて280℃で溶融させ、FSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギアポンプにて吐出比(積層比)が樹脂A/樹脂D=1/1になるように計量しながら、201層フィードブロック(A層が101層、B層が100層)にて交互に合流させた後、さらに3層ピノールを用いて、積層比が樹脂A/樹脂D=1.7/1となるように両表層にA層を合流させた。次いで、Tダイに供給し、シート状に成形した後、ワイヤーで8kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し、未延伸多層積層フィルムを得た。この未延伸フィルムを、85℃、延伸倍率2.7倍で縦延伸を行い、その後、両端部をクリップで把持するテンターに導き105℃、4.6倍横延伸した後、220℃で熱処理及び5%の幅方向リラックスを実施し、100℃で冷却した後、厚み16μmの多層積層フィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。
(実施例8)
B層を構成する熱可塑性樹脂として樹脂Cを用いたこと以外は実施例7と同様の方法にて厚み16μmの多層積層フィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。
(比較例3)
縦延伸温度を90℃、縦延伸倍率を3.3倍、横延伸温度を100℃、横延伸倍率を3.4倍としたこと以外は実施例7と同様の方法で厚み16μmの多層積層フィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。
(比較例4)
A層を構成する熱可塑性樹脂として樹脂Aを、B層を構成する熱可塑性樹脂として樹脂Cを用いた。樹脂Aおよび樹脂Cを、それぞれ、押出機にて280℃で溶融させ、FSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギアポンプにて吐出比(積層比)が樹脂A/樹脂D=1/1になるように計量しながら、201層フィードブロック(A層が101層、B層が100層)にて交互に合流させた後、さらに3層ピノールを用いて、積層比が樹脂A/樹脂C=1.7/1となるように両表層にA層を合流させた。。次いで、Tダイに供給し、シート状に成形した後、ワイヤーで8kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し、未延伸多層積層フィルムを得た。この未延伸フィルムを、両端部をクリップで把持するテンターに導き110℃、5.0倍横延伸した後、220℃で熱処理及び5%の幅方向リラックスを実施し、100℃で冷却した後、厚み16μmの多層積層フィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。
(比較例5)
B層を構成する熱可塑性樹脂として樹脂Eを用いたこと以外は比較例4と同様の方法で厚み16μmの多層積層フィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。
(比較例6)
A層を構成する熱可塑性樹脂として樹脂Aを、B層を構成する熱可塑性樹脂として樹脂Cを用いた。樹脂Aおよび樹脂Cを、それぞれ、押出機にて280℃で溶融させ、FSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギアポンプにて吐出比(積層比)が樹脂A/樹脂D=1/1になるように計量しながら、201層フィードブロック(A層が101層、B層が100層)にて交互に合流させた。次いで、Tダイに供給し、シート状に成形した後、ワイヤーで8kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し、未延伸多層積層フィルムを得た。この未延伸フィルムを、85℃、延伸倍率2.7倍で縦延伸を行い、その後、両端部をクリップで把持するテンターに導き105℃、4.6倍横延伸した後、220℃で熱処理及び5%の幅方向リラックスを実施し、100℃で冷却した後、厚み12μmの多層積層フィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。得られたフィルムはフローマークが発生しており、外観品位が低下していた。
(実施例9)
3層ピノールを用いて、積層比が樹脂A/樹脂D=2.0/1となるように両表層にA層を合流させたこと以外は、実施例7と同様の方法で厚み18μmの多層積層フィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。
(実施例10)
B層を構成する熱可塑性樹脂として樹脂Cを用いたこと以外は実施例9と同様の方法にて厚み18μmの多層積層フィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。
(実施例11)
3層ピノールを用いて、積層比が樹脂A/樹脂D=1.8/1となるように両表層にA層を合流させたこと以外は、実施例10と同様の方法で厚み17μmの多層積層フィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。
(実施例12)
A層を構成する熱可塑性樹脂として樹脂Aを、B層を構成する熱可塑性樹脂として樹脂Dを用いた。樹脂Aおよび樹脂Dを、それぞれ、押出機にて280℃で溶融させ、FSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギアポンプにて吐出比(積層比)が樹脂A/樹脂D=1.5/1になるように計量しながら、493層フィードブロック(A層が247層、B層が246層)にて交互に合流させた。次いで、Tダイに供給し、シート状に成形した後、ワイヤーで8kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し、未延伸多層積層フィルムを得た。この未延伸フィルムを、85℃、延伸倍率2.7倍で縦延伸を行い、その後、両端部をクリップで把持するテンターに導き105℃、4.6倍横延伸した後、220℃で熱処理及び5%の幅方向リラックスを実施し、100℃で冷却した後、厚み31μmの多層積層フィルムを得た(両表層と247層目の厚みは1.8μm、それ以外の層の厚みは40nmから63nmの範囲内であった)。得られたフィルムの物性を表1に示す。
(実施例13)
B層を構成する熱可塑性樹脂として樹脂Cを用いたこと以外は実施例12と同様の方法にて厚み31μmの多層積層フィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。
Figure 2019061238
本発明は、異なる樹脂が積層され、少なくとも片方の表層が200nm以上の層厚みを持つ多層積層フィルムでありながら、可視光領域における反射率スペクトルのリップルを抑制した多層積層フィルム及びその製造方法に関するものである。また、本発明の多層積層フィルムは、液晶表示装置や有機EL表示装置に用いられる偏光子保護フィルム、画面保護フィルム、また透明導電層を形成するタッチパネル基材フィルムとして好適に用いることができる。
1:可視光反射率
2:反射率の2次近似値
3:反射率測定値と2次近似値の差分の絶対値(差分値)
4:主配向軸方向の反射率スペクトル
5:主配向軸方向に直交する方向の反射率スペクトル
6:主配向軸方向の反射率と、主配向軸方向に直交する方向の反射率を平均した反射率スペクトル
7:主配向軸方向の反射率スペクトル
8:主配向軸方向に直交する方向の反射率スペクトル
9:主配向軸方向の反射率と、主配向軸方向に直交する方向の反射率を平均した反射率スペクトル
10:A層
11:B層
12:多層積層フィルムに入射した光
13:多層積層フィルム表面で反射された反射光
14:表層A層と表層A層に隣接するB層の界面15で反射された後、表面を通過した直後の反射光
15:表層A層と表層A層に隣接するB層の界面15
16:表層A層

Claims (11)

  1. 熱可塑性樹脂Aを用いてなる層(A層)と熱可塑性樹脂Aとは異なる熱可塑性樹脂Bを用いてなる層(B層)とが交互に3層以上積層されてなる多層積層フィルムであって、少なくとも片方の表層が200nm以上の厚みを有するA層であり、前記200nm以上の厚みを有するA層からなる表層側から測定される入射角度12度における反射率の差分和が下記(1)、(2)、(3)式をいずれも満たす多層積層フィルム
    SRave<SRs・・・(1)
    SRave<SRf・・・(2)
    SRave<130・・・(3)
    ここで、反射率の差分和とは、前記200nm以上の厚みを有するA層からなる表層の反対側の表層面に黒塗り処理を施し、前記厚み200nm以上のA層からなる表層側から1nm間隔で波長500nm〜800nmの範囲で反射率を測定し、波長500nm〜800nmの範囲の反射率の2次近似値を求め、波長500nm〜800nmの範囲における反射率測定値と2次近似値の差分の絶対値(差分値)を求め、該差分値を波長500nm〜800nmの範囲で総和した値を表す。SRsはフィルムの主配向軸方向に平行な光を入射して測定した反射率から求められる反射率の差分和を表し、SRfはフィルムの主配向軸方向に直交する方向に平行な光を入射して測定した反射率から求められる反射率の差分和を表し、SRaveはフィルムの主配向軸方向にて測定した反射率と、主配向軸方向に直交する方向にて測定した反射率を平均した反射率から求めた差分和を表す。
  2. フィルムの主配向軸方向の入射角度30度における反射率の差分和、フィルムの主配向軸に直交する方向の入射角度30度における反射率の差分和の少なくとも一方が、前記式(1)〜(3)のいずれも満たす請求項1に記載の多層積層フィルム。
  3. 前記200nm以上の厚みを有するA層からなる表層の厚みが1.0μm以上である請求項1または2に記載の多層積層フィルム。
  4. 反射率の差分和がさらに下記(4)、(5)式をいずれも満たす請求項1〜3の何れかに記載の多層積層フィルム
    SRave<0.8×SRs・・・(4)
    SRave<0.8×SRf・・・(5)
  5. 前記200nm以上の厚みを有するA層からなる表層が、波長λが500nm、600nm、700nm、800nmのうち少なくとも何れかの波長において、下記(6)式を満たす請求項1〜4の何れかに記載の多層積層フィルム
    λ/4×0.7≦ΔnA(λ)×d≦λ/4×1.2・・・(6)
    ここでΔnA(λ)は波長λにおける前記200nm以上の厚みを有するA層からなる表層側から測定される複屈折率であり、dは前記200nm以上の厚みを有するA層からなる表層の厚みである。
  6. 熱可塑性樹脂Aを用いてなる層(A層)と熱可塑性樹脂Aとは異なる熱可塑性樹脂Bを用いてなる層(B層)とが交互に51層以上積層している請求項1〜5の何れかに記載の多層積層フィルム。
  7. 前記200nm以上の厚みを有するA層からなる表層側から測定される、波長500nm〜800nmの範囲における平均反射率が3%〜8%の範囲である請求項1〜6の何れかに記載の多層積層フィルム。
  8. 前記200nm以上の厚みを有するA層からなる表層側から測定される、波長240nm〜499nmの範囲、又は波長801nm〜2600nmの範囲のいずれかにおいて、反射率が20%以上である領域を含む請求項1〜7の何れかに記載の多層積層フィルム。
  9. 波長λが500nm、600nm、700nm、800nmのうち少なくとも何れかの波長において、B層の複屈折率ΔnB(λ)が0.01以上である請求項1〜8の何れかに記載の多層積層フィルム。
  10. 請求項1〜9の何れかに記載の多層積層フィルムの前記200nm以上の厚みを有するA層からなる表層の表面に、前記200nm以上の厚みを有するA層の屈折率以下の屈折率を有し、厚みが5μm以上である層を少なくとも1層積層した積層体。
  11. 請求項1〜9の何れかに記載の多層積層フィルム、あるいは、請求項10に記載の積層体を用いた液晶ディスプレイ。
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