JP6515406B2 - キャリア及び該キャリアを用いた電子写真現像剤 - Google Patents

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Description

本発明は、低比重で、しかも揮発性有機化合物(VOC)の含有量が一定範囲に抑制されたキャリアに関し、詳しくは複写機、プリンター等に用いられる二成分系電子写真現像剤に使用されるキャリア及び該キャリアを用いた電子写真現像剤に関する。
電子写真現像方法は、現像剤中のトナー粒子を感光体上に形成された静電潜像に付着させて現像する方法であり、この方法で使用される現像剤は、トナー粒子とキャリア粒子からなる二成分系現像剤及びトナー粒子のみを用いる一成分系現像剤に分けられる。
こうした現像剤のうち、トナー粒子とキャリア粒子からなる二成分系現像剤を用いた現像方法としては、古くはカスケード法等が採用されていたが、現在では、マグネットロールを用いる磁気ブラシ法が主流である。
二成分系現像剤において、キャリア粒子は、現像剤が充填されている現像ボックス内において、トナー粒子と共に攪拌されることによって、トナー粒子に所望の電荷を付与し、さらにこのように電荷を帯びたトナー粒子を感光体の表面に搬送して感光体上にトナー像を形成するための担体物質である。マグネットを保持する現像ロール上に残ったキャリア粒子は、この現像ロールから再び現像ボックス内に戻り、新たなトナー粒子と混合・攪拌され、一定期間繰り返して使用される。
二成分系現像剤は、一成分系現像剤とは異なり、キャリア粒子はトナー粒子と混合・攪拌され、トナー粒子を帯電させ、さらに搬送する機能を有しており、現像剤を設計する際の制御性が良い。従って、二成分系現像剤は高画質が要求されるフルカラー現像装置及び画像維持の信頼性、耐久性が要求される高速印刷を行う装置等に適している。
このようにして用いられる二成分系現像剤においては、画像濃度、カブリ、白斑、階調性、解像力等の画像特性が、初期の段階から所定の値を示し、しかもこれらの特性が耐刷期間中に変動せず、安定に維持されることが必要である。これらの特性を安定に維持するためには、二成分系現像剤中に含有されるキャリア粒子の特性が安定していることが必要になる。
二成分系現像剤を形成するキャリア粒子として、従来は、各種の、鉄粉キャリア、フェライトキャリア、樹脂被覆フェライトキャリア、磁性粉分散型樹脂キャリア等が使用されていた。
最近、オフィスのネットワーク化が進み、単機能の複写機から複合機への時代に進化し、サービス体制も、契約したサービスマンが定期的にメンテナンスを行って現像剤等を交換するようなシステムから、メンテナンスフリーシステムの時代へシフトしてきており、市場からは、現像剤の更なる長寿命化に対する要求が一層高まってきている。
このような中で、キャリアの低比重化を図り、攪拌によるストレスを軽減し、皮膜の削れや剥離を防止し、キャリア、ひいては現像剤の長寿命化を図る試みがなされている。
特許文献1(特開2007−034249号公報)には、造粒時に磁性成分と併せて発泡剤を加えることで、焼成時に中空を形成し、低比重の芯材を作製している。しかし、粒子内に大きな空隙が存在するため強度が弱く、現像剤として使用していくと割れ欠けが発生し、帯電能の低下やキャリア飛散を生じる。また、造粒時にシリカを加えることでコンポジットを形成し、低比重の芯材を作製している。しかし、焼成時にSiが磁性成分と反応するため芯材に必要な磁化を満足できず、また芯材にシリカが存在することによる帯電特性上の不具合や、上記強度の低下も懸念される
また、特許文献2(特開2009−244572号公報)では、比重の軽い造粒物を原料とし、これを溶射することで中空の芯材を作製し、低比重化を図っている。しかし、全ての粒子が中空構造を有している訳ではないため、見掛け上は軽くても重い粒子が混在しており、トナー粒子との混合撹拌により、トナーがキャリアに融着するトナースペントを生じる。
特許文献3(特開2012−215858号公報)では、多孔質のフェライト粒子に樹脂をコーティングすることで低比重化を達成している。しかし、樹脂の一部がフェライト粒子の空隙に浸入し得る製造方法であるため、浸入の具合によってコート厚みにバラツキが生じやすく、帯電特性の制御が困難である。また、非多孔質の芯材と比べると、多孔質芯材への樹脂の浸入量を加味して樹脂の被覆量を調整することとなり、経済的なデメリットが生まれる。
特許文献4(特開2013−250455号公報)には、磁性粒子の分散した樹脂前駆体溶液を用い、重合させる過程で磁性粒子が分散した樹脂粒子を形成することで、低比重な、所謂樹脂キャリアを作製している。しかし、キャリア抵抗が高いために画像濃度が得られない、磁性微粒子が脱離して感光体を傷つける、残留磁化及び保磁力が高いため帯電立上性が悪い等の問題が生じる。
特許文献5(特開2014−197040号公報)には、多孔質フェライト粒子からなるフェライトキャリア芯材及びその空隙に樹脂を充填した樹脂充填型フェライトキャリアが記載されている。これにより低比重化に伴う課題であった、強度、磁力、帯電、抵抗等をすべて満足できるキャリアが作製可能となった。
これら特許文献1〜5に記載されているように、キャリアの低比重化の試みは数多くなされており、その試みは一部達成されている。
他方、キャリアにおいても、環境負荷の低減が要求され、キャリア組成としてCu、Zn、Ni等の重金属を不可避不純物(随伴不純物)の範囲を超えて含まないことが好ましいとされている。
また、同様に、環境負荷の低減の見地から、キャリア中の揮発性有機化合物(VOC)、特に毒性の強いアルデヒド類を低減することが要望されている。
しかるに、引用文献4では、製造過程でアルデヒドを使用するためキャリアに揮発性有機化合物としてアルデヒド類が残存するという問題があり、引用文献5では、製造工程においてトルエン等の有機溶剤を使用するため、キャリアにトルエン等の揮発性有機化合物が残存するという課題を有する。
特開2007−034249号公報 特開2009−244572号公報 特開2012−215858号公報 特開2013−250455号公報 特開2014−197040号公報
従って、本発明の目的は、低比重化を達成すると共に、揮発性有機化合物(VOC)が低減されたキャリア及び該キャリアを用いた電子写真現像剤を提供することにある。
本発明者らは、上記のような課題を解決すべく鋭意検討した結果、非磁性物と磁性物の複合物を芯材として用い、該複合物は潜在的な揮発性有機化合物(VOC)の発生源を積極的に使用せずに調製することによって、上記課題が解決し得ることを見出し、本発明に至った。本発明は、これらの知見に基づきなされたものである。
すなわち、本発明は、磁性成分と非磁性成分からなる芯材に樹脂が被覆されたキャリアであって、当該芯材は、非磁性成分としてシランカップリング剤又はシリコーンオリゴマーの硬化物を含むものであり、 揮発性有機化合物の総和が1ppb以上、1.5ppm以下であり、真比重が3.0〜4.5g/cm であることを特徴とするものである。
本発明に係る上記キャリアは、上記揮発性有機化合物の総和中のアルデヒド類の総和が1ppb以上、0.1ppm以下であることが望ましい。
本発明に係る上記キャリアは、上記芯材の揮発性有機化合物の総和が1ppb以上、0.5ppm以下であることが望ましい。
本発明に係る上記キャリアは、上記芯材の揮発性有機化合物の総和中のアルデヒド類の総和が1ppb以上、0.05ppm以下であることが望ましい。
本発明に係る上記キャリアの芯材は、磁性成分が多孔質フェライト粒子であり、その空隙に上記シランカップリング剤又はシリコーンオリゴマーの硬化物が充填されていることが望ましい。
本発明は、上記キャリアとトナーとからなる電子写真現像剤を提供するものである。
本発明に係るキャリアは、磁性成分と非磁性成分からなる芯材に樹脂を被覆したキャリアであり、低比重化が達成され、またVOC、特にアルデヒド類が低減されるため、環境負荷低減の要請にも合致する。そして、このキャリアを用いた電子写真現像剤は、キャリアの低比重化が図られていることから耐久性が向上したものとなる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
<本発明に係るキャリア>
本発明に係るキャリアは、磁性成分と非磁性成分からなる芯材に樹脂を被覆したものである。
磁性成分としては、フェライト粒子が好ましく、その組成は特に制限はないが、Mn、Mg、Li、Ca、Sr、Cu、Zn、Niから選ばれる少なくとも1種を含むことが望ましい。近年の廃棄物規制を始めとする環境負荷低減の流れを考慮すると、Cu、Zn、Ni等の重金属を不可避不純物(随伴不純物)の範囲を超えて含まないことが好ましい。ここでフェライト粒子とは、特記しない限り個々のフェライト粒子の集合体を意味し、また単に粒子とは、個々のフェライト粒子をいう。
フェライト粒子としては、多孔質フェライト粒子が好ましく、多孔質フェライト粒子の細孔容積は40〜100mm/g、ピーク細孔径は0.3〜1.5μmであることが望ましい。
多孔質フェライト粒子の細孔容積及びピーク細孔径が上記範囲にあることによって、適度に軽量化された非磁性成分充填型キャリアを得ることができる。細孔容積が40mm/g未満では、十分な量の非磁性成分を充填することができないため軽量化が図れず、100mm/gを超えると、非磁性成分を充填してもキャリアの強度を保つことができない。また、ピーク細孔径が0.3μm以上であると、芯材表面の凹凸の大きさが適度な大きさとなるため、トナーの接触面積が増加し、トナーとの摩擦帯電が効率よく行われるため、低比重でありながら、帯電の立ち上がり特性が良好化する。ピーク細孔径が0.3μm未満では、このような効果が得られず、非磁性成分充填後のキャリア表面は平滑となるため、低比重であるキャリアにとっては、トナーとの十分なストレスが与えられず、帯電の立ち上がりが悪化する。また、ピーク細孔径が1.5μmを超えると、粒子の表面積に対して、非磁性成分が存在する面積が大きくなるため、非磁性成分を充填する際に、粒子間の凝集が発生し易く、非磁性成分を充填したあとのキャリア粒子中に、凝集粒子や異形粒子が多く存在する。このため、耐刷におけるストレスで凝集粒子が解れ、帯電変動を引き起こす原因となる。更に、ピーク細孔径が1.5μmを超えるような多孔質フェライト粒子は、粒子表面の凹凸が大きいことを表し、このことは、粒子そのものの形状が悪いということであり、また強度的にも劣るため、耐刷におけるストレスにより、キャリア粒子自体の割れが生じ、帯電変動を引き起こす原因となる。
(細孔容積及びピーク細孔径)
細孔容積及びピーク細孔径の測定は、次のようにして行われる。すなわち、水銀ポロシメーターPascal140とPascal240(ThermoFisher Scientific社製)を用いて測定した。ディラトメーターはCD3P(粉体用)を使用し、サンプルは複数の穴を開けた市販のゼラチン製カプセルに入れて、ディラトメーター内に入れた。Pascal140で脱気後、水銀を充填し低圧領域(0〜400Kpa)を測定し、1st Runとした。次に再び脱気と低圧領域(0〜400Kpa)の測定を行い、2nd Runとした。2nd Runの後、ディラトメーターと水銀とカプセルとサンプルを合わせた重量を測定した。次にPascal240で高圧領域(0.1Mpa〜200Mpa)を測定した。この高圧部の測定で得られた水銀圧入量をもって、フェライト粒子の細孔容積、細孔径分布及びピーク細孔径を求めた。また、細孔径を求める際には水銀の表面張力を480dyn/cm、接触角を141.3°として計算した。
非磁性成分としては、カップリング剤や樹脂、オリゴマー等が用いられ、特にシランカップリング剤及びシリコーンオリゴマーが好ましく用いられる。シランカップリング剤としては、例えば3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等が例示される。樹脂としては、シリコーン樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。シリコーンオリゴマーとしてはメチルシリコーンオリゴマー、メチルフェニルシリコーンオリゴマー等が挙げられる。ここでシリコーンオリゴマーとは、低分子のシリコーン樹脂の総称であり、2量体から分子量1000程度のものである。
磁性成分と非磁性成分からなる芯材の最も好ましい態様は、多孔質フェライト粒子の空隙に非磁性成分が充填された非磁性成分充填フェライト粒子である。
多孔質フェライト粒子に対する非磁性成分の充填量は2〜20重量%が望ましい。非磁性成分充填量が2重量%未満では、粒子内部に十分非磁性成分を充填させることができず、現像剤としたときに高電界を印加した場合絶縁破壊を起こし、白斑等の画像欠陥の原因となる可能性がある。また非磁性成分充填量が20重量%を超えると、過剰な樹脂が表面に溢れてしまうため、抵抗が高くなりすぎ、現像剤としたときに画像濃度が低くなってしまう可能性がある。なお、非磁性成分の充填量は多孔質フェライト粒子の細孔容積に応じて適当に調整されることが好ましい。
充填される非磁性成分は、トルエン等の揮発性有機化合物を使用せずに、多孔質フェライト粒子の空隙に充填可能なものであることが必要である。そのような見地から、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤やメチルシリコーンオリゴマー等のシリコーンオリゴマーが好ましく用いられる。充填される非磁性成分には、硬化触媒等としてチタン、ジルコニウム、アルミニウム、ケイ素、スズのアルコキシドやキレート等の金属有機化合物を適宜、適量配合することができる。
本発明に係るキャリアは、磁性成分と非磁性成分からなる芯材に樹脂が被覆されている。
ここで用いられる樹脂は、特に制限されないが、例えば、フッ素樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、フッ素アクリル樹脂、アクリル−スチレン樹脂、シリコーン樹脂、あるいはアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂等の各樹脂で変性した変性シリコーン樹脂等が挙げられる。本発明では、アクリル樹脂、シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂等が好ましく用いられる。
この樹脂には、導電剤として、例えば導電性カーボン、酸化チタンや酸化スズ等の酸化物、各種の有機系導電剤等を適宜、適量配合することができる。また、帯電制御剤として、例えばニグロシン系染料、4級アンモニウム塩、有機金属錯体、含金属モノアゾ染料等、アミノシランカップリング剤やフッ素系シランカップリング剤等のカップリング剤を適宜、適量配合することができる。
樹脂の被覆量は、芯材に対して0.5〜4重量%が望ましい。樹脂被覆量が0.5重量%未満では、キャリア表面に均一な被覆層を形成することが難しく、また樹脂被覆量が4重量%を超えると、キャリア同士の凝集が発生してしまい、歩留まり低下等の生産性の低下と共に、現像剤とし用いたときに実機内での流動性あるいは帯電量等の現像剤特性変動の原因となる。
非磁性成分を充填又は樹脂を被覆する方法としては、公知の方法、例えば刷毛塗り法、流動床によるスプレードライ方式、ロータリドライ方式、万能攪拌機による液浸乾燥法等により行うことができる。また、非磁性成分を充填又は樹脂を被覆後、焼き付けする場合には、外部加熱方式又は内部加熱方式のいずれでもよく、例えば固定式又は流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉でもよく、もしくはマイクロウェーブによる焼き付けでもよい。被覆樹脂としてUV硬化樹脂を用いる場合は、UV加熱器を用いる。焼き付けの温度は使用する樹脂により異なるが、融点又はガラス転移点以上の温度は必要であり、熱硬化性樹脂又は縮合架橋型樹脂等では、充分硬化が進む温度まで上げる必要がある。
本発明に係るキャリアの揮発性有機化合物の総和は、1ppb以上、1.5ppm以下である。キャリアの揮発性有機化合物の総和が1ppb未満は分析装置の測定限界値以下である。また、キャリアの揮発性有機化合物の総和が1.5ppmを超えると、現像機外へ排出されるVOC量が顕著となる。
上記キャリアの揮発性有機化合物の総和中のアルデヒド類の総和は、1ppb以上、0.1ppm以下であることが望ましい。アルデヒド類の総和が1ppb未満は分析装置の測定限界値以下である。また、キャリアの揮発性有機化合物の総和が0.1ppmを超えると、現像機外へ排出されるVOC量が顕著となる。
本発明に係るキャリアに用いられる芯材の揮発性有機化合物の総和は、1ppb以上、0.5ppm以下であることが望ましい。芯材の揮発性有機化合物の総和が1ppb未満は、分析装置の測定限界値以下である。また、芯材の揮発性有機化合物の総和が0.5ppmを超えると、キャリアとしての総和に影響し現像機外へ排出されるVOC量が顕著となる。
上記芯材の揮発性有機化合物の総和中のアルデヒド類の総和は、1ppb以上、0.05ppm以下であることが望ましい。アルデヒド類の総和が1ppb未満は、分析装置の測定限界値以下である。また、キャリアの揮発性有機化合物の総和が0.05ppmを超えると、キャリアとしての総和に影響し現像機外へ排出されるVOC量が顕著となる。
(揮発性有機化合物)
揮発性有機化合物の測定方法は、JIS A 1901:2003を参考に下記手順にて評価した。
試料を底面積80cmのSUS製シャーレに100g入れ、試料片とした。10Lのテドラーバッグ(GLサイエンス製)に窒素を充填し、80℃×30分の加熱処理を3回繰り返してバッグを洗浄した。加熱処理したテドラーバッグに試料片を入れてシールし、活性炭を通過させた高純度窒素を5L加えた。オーブンで60℃×2時間加熱することでVOC成分を揮発させた。
揮発成分を含むガスのうち、1Lを固体捕集剤であるSupelco製 TENAX−TA捕集管に吸着させ、非アルデヒド成分をガスクロマトグラフ質量分析計にて定量分析を行った。
加熱導入装置 : PerkinElmer TurboMatrix ATD
ガスクロマトグラフ : Agilent Technologies 7890A
カラム : Agilent Technologies DB−5MS
質量分析計 : Agilent Technologies 5975C
スプリット比 : 30:1
解析においては、TICクロマトグラム上でヘキサンのピークが検出された時間をT1、ヘキサデカンが検出された時間をT2とし、T1からT2の間に検出されたピークを全て足し合わせてトルエン換算の濃度にしたものを非アルデヒド成分の揮発総量とした。
揮発成分を含むガスのうち、3Lを誘導体化捕集剤であるGLサイエンス製 InertSepmini AERO DNPH捕集管に吸着させ、アルデヒド成分を溶剤に抽出して高速液体クロマトグラフィーにて定量分析を行った。
高速液体クロマトグラフ : Waters ACQUITY UPLC H―Classシステム
検出器 : Waters ACQUITY UPLC PDA eλ Detector(360nm)
カラム : Waters ACQUITY UPLC HSS C18
移動相 : 水/アセトニトリル/THF
注入量 : 2μL
解析においては、検出された各アルデヒド誘導体について、検量線法による定量分析を行い、それらの総和をアルデヒド成分の揮発総量とした。
アルデヒド成分及び非アルデヒド成分の揮発総量の合計を揮発性有機化合物の総量(T−VOC)とした。
芯材又はキャリア中の揮発性有機化合物や揮発性有機化合物中のアルデヒド類の含有量を上記範囲とするためには、種々の方法が可能である。例えば、非磁性成分の選択、充填時に揮発性有機溶媒を用いないこと等が挙げられる。さらに、樹脂を被覆させる際に、揮発性有機溶媒を用いないこと等が挙げられる。
本発明に係るキャリアの真比重は3.0〜4.5g/cmであることが望ましい。真比重が3.0g/cmで未満では、十分なキャリア強度が確保できず、真比重が4.5g/cmを超えると、キャリアの軽量化が図れない。
(真比重)
真比重は、JIS R9301−2−1に準拠して、ピクノメーターを用いて測定した。ここで溶媒としてメタノールを用い、温度25℃にて測定した。
本発明に係るキャリアは、トナーと共に電子写真現像剤として用いられる。
<本発明に係る電子写真現像剤>
上述のようにして得られた本発明に係るキャリアは、トナーと混合して二成分系電子写真現像剤として用いられる。
本発明に用いられるトナーは、懸濁重合法、乳化重合法、粉砕法等の公知の方法で製造できる。製造法の一例としては、バインダー樹脂、着色剤、帯電制御剤等を、例えばヘンシェルミキサー等の混合機で充分混合し、次いで二軸押出機等で溶融混練して均一分散し、冷却後に、ジェットミル等により微粉砕化し、分級後、例えば風力分級機等により分級して所望の粒径のトナーを得ることができる。必要に応じて、ワックス、磁性粉、粘度調節剤、その他の添加剤を含有させてもよい。さらに分級後に外添剤を添加することもできる。
上記トナーに使用するバインダー樹脂としては、特に限定されるものではないが、ポリスチレン、クロロポリスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、さらにはロジン変性マレイン酸樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、シリコーン樹脂等の樹脂を必要に応じて、単独又は混合して使用することができる。
上記トナーに用いられることのできる荷電制御剤としては、ニグロシン系染料、4級アンモニウム塩、有機金属錯体、キレート錯体、含金属モノアゾ染料等が挙げられる。
上記トナーに用いられる着色剤としては、従来より知られている染料及び/又は顔料が使用可能である。例えばカーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントレッド、クロムイエロー、フタロシアニングリーン等を使用することができる。
その他外添剤としては、シリカ、酸化チタン、チタン酸バリウム、フッ素樹脂微粒子、アクリル樹脂微粒子等を単独又は併用して用いることができる。
以下、実施例等に基づき本発明を具体的に説明する。
[実施例1]
MnO:38mol%、MgO:11mol%、Fe:50.3mol%及びSrO:0.7mol%になるように原料を秤量し、乾式のメディアミル(振動ミル、1/8インチ径のステンレスビーズ)で4.5時間粉砕し、得られた粉砕物をローラーコンパクターにて、約1mm角のペレットにした。MnO原料としては四酸化三マンガンを、MgO原料としては水酸化マグネシウムを、SrO原料としては、炭酸ストロンチウムを用いた。このペレットを目開き3mmの振動篩にて粗粉を除去し、次いで目開き0.5mmの振動篩にて微粉を除去した後、ロータリー式電気炉で、1050℃で3時間加熱し、仮焼成を行った。
次いで、乾式のメディアミル(振動ミル、1/8インチ径のステンレスビーズ)を用いて平均粒径が約4μmまで粉砕した後、水を加え、さらに湿式のメディアミル(縦型ビーズミル、1/16インチ径のステンレスビーズ)を用いて10時間粉砕した。このスラリーに分散剤を適量添加し、バインダーとしてPVA(20%溶液)を固形分に対して0.2重量%添加し、次いでスプレードライヤーにより造粒、乾燥し、得られた粒子(造粒物)の粒度調整を行い、その後、ロータリー式電気炉で、700℃で2時間加熱し、分散剤やバインダーといった有機成分の除去を行った。
その後、トンネル式電気炉にて、焼成温度1071℃、酸素ガス濃度1.1容量%雰囲気下にて、5時間保持した。この時、昇温速度を150℃/時、降温速度を110℃/時とした。その後、解砕し、さらに分級して粒度調整を行い、磁力選鉱により低磁力品を分別し、多孔質フェライト粒子からなるフェライトキャリア芯材を得た。
次に、非磁性成分としてシランカップリング剤である3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(成分濃度100%)を用意した。
上記多孔質フェライト粒子100重量部とこの3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン10重量部とを万能混合機にて液浸乾燥法により十分乾燥するまで非磁性成分(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)の充填を行った。その後、装置内から取り出し、熱風加熱式のオーブンに入れ、250℃で1.5時間、加熱処理を行った。
その後、室温まで冷却し、非磁性成分が硬化されたフェライト粒子を取り出し、200Mの目開きの振動篩にて粒子の凝集を解し、磁力選鉱機を用いて、充填されていない非磁性物を取り除いた。その後、再度振動篩にて粗大粒子を取り除き非磁性成分が充填されたフェライト粒子を得た。
次に、固形のアクリル樹脂(製品名:BR−73、三菱レーヨン社製)を準備し、上記アクリル樹脂20重量部をトルエン80重量部に混合して、アクリル樹脂をトルエンに溶解させ、樹脂溶液を調製した。この樹脂溶液に、更に導電性制御剤として、カーボンブラック(製品名:Mogul L、Cabot社製)をアクリル樹脂に対して3重量%添加し、被覆樹脂溶液を得た。
得られた非磁性成分が充填されたフェライト粒子を万能混合撹拌器に投入し、上記のアクリル樹脂溶液を添加して、液浸乾燥法により樹脂被覆を行った。この際、アクリル樹脂は、非磁性成分充填後のフェライト粒子100重量部に対して2重量部とした。被覆した後、145℃で2時間加熱を行ったのち、200Mの目開きの振動篩にて粒子の凝集を解し、磁力選鉱機を用いて、非磁性物を取り除いた。その後、再度振動篩にて粗大粒子を取り除き表面に樹脂被覆を施した非磁性成分充填型フェライトキャリアを得た。
[実施例2]
実施例1と同様にして得られた多孔質フェライト粒子(フェライトキャリア芯材)の空隙に非磁性成分(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)の充填を行った後、熱風加熱式のオーブンに入れ、145℃で1.5時間、加熱処理を行った以外は、実施例1と同様にして非磁性成分が充填されたフェライト粒子を得た。さらに、実施例1と同様にして表面に樹脂被覆を施した非磁性成分充填型フェライトキャリアを得た。
[実施例3]
実施例1と同様にして得られた多孔質フェライト粒子(フェライトキャリア芯材)の空隙に非磁性成分を充填する際に、非磁性成分(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)10重量部を水30重量部で希釈してから充填する以外は、実施例1と同様にして非磁性成分が充填されたフェライト粒子を得た。さらに、実施例1と同様にして表面に樹脂被覆を施した非磁性成分充填型フェライトキャリアを得た。
[実施例4]
実施例1と同様にして得られた多孔質フェライト粒子(フェライトキャリア芯材)の空隙に非磁性成分(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)の充填を行った後、加熱処理を行わず、さらに振動篩による解砕を行わなかった以外は、実施例1と同様にして非磁性成分が充填されたフェライト粒子を得た。さらに、実施例1と同様にして表面に樹脂被覆を施した非磁性成分充填型フェライトキャリアを得た。
[実施例5]
実施例1と同様にして得られた多孔質フェライト粒子(フェライトキャリア芯材)の空隙に非磁性成分を充填する際に、非磁性成分として3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシシラン(成分濃度100%)と3−アミノプロピルトリエトキシシラン(成分濃度100%)の混合物を用い、その混合割合を多孔質フェライト粒子100重量部に対して3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシシラン9重量部、3−アミノプロピルトリエトキシシラン1重量部とした以外は、実施例1と同様にして非磁性成分が充填されたフェライト粒子を得た。さらに、実施例1と同様にして表面に樹脂被覆を施した非磁性成分充填型フェライトキャリアを得た。
[実施例6]
実施例1と同様にして得られた多孔質フェライト粒子(フェライトキャリア芯材)の空隙に非磁性成分を充填する際に、非磁性成分として3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(成分濃度100%)を用い、かつ触媒(テトラノルマルブチルチタネート、成分濃度100%)をシランカップリング剤に対して1重量%用いた以外は、実施例1と同様にして非磁性成分が充填されたフェライト粒子を得た。さらに、実施例1と同様にして表面に樹脂被覆を施した非磁性成分充填型フェライトキャリアを得た。
[実施例7]
実施例1と同様にして得られた多孔質フェライト粒子(フェライトキャリア芯材)の空隙に非磁性成分を充填する際に、非磁性成分非磁性成分としてメチルシリコーンオリゴマー(成分濃度100%)を多孔質フェライト粒子100重量部に対して7.5重量部充填した以外は、実施例1と同様にして非磁性成分が充填されたフェライト粒子を得た。さらに、実施例1と同様にして表面に樹脂被覆を施した非磁性成分充填型フェライトキャリアを得た。
[実施例8]
実施例1と同様にして得られた多孔質フェライト粒子(フェライトキャリア芯材)及び非磁性成分((3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン))が充填されたフェライト粒子を用い、非磁性成分が充填されたフェライト粒子100重量部に、固形のアクリル樹脂(製品名:BR−73、三菱レーヨン社製)を2重量部配合し、これらを万能混合機にて30分間撹拌混合した。次に、これらを加熱型ニーダーに投入し、常温から5℃/minの速度で、145℃まで昇温し、2時間撹拌混練を行った後、ヒーターを切り、撹拌しながら30分間冷却し、装置より排出した。
その後、200Mの目開きの振動篩にて粒子の凝集を解し、磁力選鉱機を用いて非磁性物を取り除いた。その後、再度振動篩にて粗大粒子を取り除き、樹脂被覆を施した非磁性成分充填型フェライトキャリアを得た。
[比較例1]
メチルシリコーン樹脂溶液を25重量部(樹脂濃度20%のトルエン溶液のため固形分としては5重量部)に、触媒としてチタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)を、樹脂固形分に対して25重量%(Ti原子換算で3重量%)加えたあと、アミノシランカップリング剤として3−アミノプロピルトリエトキシシシランを樹脂固形分に対して5重量%添加し、非磁性成分充填溶液を得た。
この充填溶液25重量部を、実施例1と同様にして得られた多孔質フェライト粒子(フェライトキャリア芯材)100重量部と、60℃、6.7kPa(約50mmHg)の減圧下で混合撹拌し、トルエンを揮発させながら、非磁性成分(メチルシリコーン樹脂)を多孔質フェライト粒子の空隙に浸透、充填させた。容器内を常圧に戻し、常圧下で撹拌を続けながら、トルエンをほぼ完全に除去したのち、充填装置内から取り出し、容器に入れ、熱風加熱式のオーブンに入れ、220℃で1.5時間、加熱処理を行った以外は、実施例1と同様にして非磁性成分が充填されたフェライト粒子を得た。さらに、実施例1と同様にして表面に樹脂被覆を施した非磁性成分充填型フェライトキャリアを得た。
[比較例2]
実施例1と同様にして得られた多孔質フェライト粒子(フェライトキャリア芯材)の空隙に非磁性成分(メチルシリコーン樹脂)の充填を行った後、熱風加熱式のオーブンに入れ、250℃で3時間、加熱処理を行った以外は、比較例1と同様にして非磁性成分が充填されたフェライト粒子を得た。さらに、実施例1と同様にして表面に樹脂被覆を施した非磁性成分充填型フェライトキャリアを得た。
[比較例3]
実施例1と同様にして得られた多孔質フェライト粒子(フェライトキャリア芯材)を用い、比較例1と同様にして非磁性成分(メチルシリコーン樹脂)が充填されたフェライト粒子を得た。
この非磁性成分が充填されたフェライト粒子100重量部に、固形のアクリル樹脂(製品名:BR−73、三菱レーヨン社製)を2重量部配合し、これらを万能混合機にて30分間撹拌混合した。次に、これらを加熱型ニーダーに投入し、常温から5℃/minの速度で、145℃まで昇温し、2時間撹拌混練を行ったのち、ヒーターを切り、撹拌しながら30分間冷却し、装置より排出した。
その後、200Mの目開きの振動篩にて粒子の凝集を解し、磁力選鉱機を用いて、非磁性物を取り除いた。その後、再度振動篩にて粗大粒子を取り除き、樹脂被覆を施した樹脂充填型フェライトキャリアを得た。
[比較例4]
実施例1と同様にして得られた多孔質フェライト粒子(フェライトキャリア芯材)の空隙に非磁性成分(メチルシリコーン樹脂)充填を行った後、熱風加熱式のオーブンに入れ、250℃で3時間、加熱処理を行った以外は、比較例1と同様にして非磁性成分が充填されたフェライト粒子を得た。さらに、比較例3と同様にして表面に樹脂被覆を施した非磁性成分充填型フェライトキャリアを得た。
[比較例5]
実施例1と同様にして得られた多孔質フェライト粒子(フェライトキャリア芯材)の空隙に非磁性成分を充填する際に、非磁性成分としてイソブチレン・無水マレイン酸共重合ポリマー粉末(製品名:#110、クラレ社製)5重量部を水30重量部で希釈してから用いたが、多孔質フェライト粒子の空隙に非磁性成分(イソブチレン・無水マレイン酸共重合ポリマー粉末)を充填できなかった。
[比較例6]
トンネル式電気炉にて、焼成温度1160℃、酸素ガス濃度0.7容量%雰囲気下にて、5時間保持すること以外は実施例1と同様にしてフェライトキャリア芯材を得た。
この非磁性成分が充填されていないフェライト粒子100重量部に固形のアクリル樹脂(製品名:BR−73、三菱レーヨン社製)を2重量部配合し、これらを万能混合機にて30分間撹拌混合した。次に、これらを加熱型ニーダーに投入し、常温から5℃/minの速度で、145℃まで昇温し、2時間撹拌混練を行ったのち、ヒーターを切り、撹拌しながら30分間冷却し、装置より排出した。
その後、200Mの目開きの振動篩にて粒子の凝集を解し、磁力選鉱機を用いて、非磁性物を取り除いた。その後、再度振動篩にて粗大粒子を取り除き、樹脂被覆を施した樹脂充填型フェライトキャリアを得た。
実施例1〜8及び比較例1〜6の芯材(フェライト粒子)の本焼成条件(本焼成温度、酸素濃度)、芯材特性(細孔容積、ピーク細孔径、真比重)、非磁性成分充填仕様(充填剤の種類及び添加量、キュア温度)を表1に示す。また、実施例1〜8及び比較例1〜6の非磁性成分充填芯材特性(T−VOC含有量、アルデヒド類含有量、非アルデヒド類含有量、真比重)、キャリア仕様(被覆樹脂、被覆量)、キャリア特性(T−VOC含有量、アルデヒド類含有量、非アルデヒド類含有量、真比重、帯電量変化率)を表2に示す。ここにおいて、表2に示す帯電量変化率の測定方法は下記の通りである。また、その他の各測定方法は上述の通りである。
(帯電量変化率)
帯電量は、キャリアとトナーとの混合物を、吸引式帯電量測定装置(Epping q/m−meter、PES−Laboratoriumu社製)により測定し求めた。トナーはフルカラープリンターに使用されている市販の負極性トナー(シアントナー、富士ゼロックス株式会社製DocuPrintC3530用;平均粒径約5.8μm)を用い、現像剤量を10g、トナー濃度を10重量%に調製した。調製した現像剤を50ccのガラス瓶に入れ、そのガラス瓶を直径130mm、高さ200mmの円柱のホルダーに収納、固定し、株式会社シンマルエンタープライズ社製のターブラーミキサーにて、30分攪拌し、635Mの網を用いて、帯電量測定を行った。
上述したトナーと同じ市販の負極性トナー(シアントナー、富士ゼロックス株式会社製DocuPrintC3530用;平均粒径約5.8μm)を用い、現像剤量を20g、トナー濃度を10重量%に調整し、50ccのガラス瓶に入れ、そのガラス瓶を浅田鉄工株式会社製のペイントシェーカーにて、30時間攪拌した。攪拌終了後、現像剤を取り出し、635Mの網を用いて、トナーを吸引し、キャリアのみを取り出した。得られたキャリアを上述した帯電量の測定方法にて、帯電量を測定し、強制攪拌後の帯電量とした。
そして、下記式により、帯電量変化率を算出した。
Figure 0006515406
Figure 0006515406
Figure 0006515406
表2に示されるように、実施例1〜8は、キャリアの揮発性有機化合物の含有量が許容範囲にあり、かつ低比重化が達成されるのに対し、比較例1〜4は、キャリアの揮発性有機化合物の含有量が許容範囲を超えていた。また、比較例5は、上記のように、非磁性成分が多孔質フェライト粒子の空隙に充填できなかった。比較例6は、キャリアの揮発性有機化合物の含有量は許容範囲にあるものの、真比重及び帯電量変化率の結果から明らかなように、低比重化が図れなかった。
本発明に係るキャリアは、低比重化が達成されると共に、揮発性有機化合物(VOC)、特にアルデヒド類が低減される。
従って、このキャリアをトナーと共に電子写真現像剤としたときに、耐久性に優れ、しかも環境負荷低減という要請に合致できる。

Claims (6)

  1. 磁性成分と非磁性成分からなる芯材に樹脂が被覆されたキャリアであって、
    当該芯材は、非磁性成分としてシランカップリング剤又はシリコーンオリゴマーの硬化物を含むものであり、
    揮発性有機化合物の総和が1ppb以上、1.5ppm以下であり、真比重が3.0〜4.5g/cm であることを特徴とするキャリア。
  2. 上記揮発性有機化合物の総和中のアルデヒド類の総和が1ppb以上、0.1ppm以下である請求項1に記載のキャリア。
  3. 上記芯材の揮発性有機化合物の総和が1ppb以上、0.5ppm以下である請求項1又は請求項2に記載のキャリア。
  4. 上記芯材の揮発性有機化合物の総和中のアルデヒド類の総和が1ppb以上、0.05ppm以下である請求項3に記載のキャリア。
  5. 上記芯材は、磁性成分が多孔質フェライト粒子であり、その空隙に上記シランカップリング剤又はシリコーンオリゴマーの硬化物が充填されている請求項1〜請求項4のいずれかに記載のキャリア。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のキャリアを用いた電子写真現像剤。
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