JP6011130B2 - 電子写真用キャリアの製造方法 - Google Patents
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Description
近年、電子写真方式を用いたコピアやプリンタの技術は、モノクロからフルカラーへの展開が急速になりつつあり、フルカラーの市場は拡大する傾向にある。
従って、色再現性に優れ、鮮明なフルカラー画像を得るためには、定着されたトナー画像表面をある程度平滑にして光散乱を減少させる必要がある。このような理由から従来のフルカラー複写機等の画像光沢は10〜50%の中〜高光沢のものが多かった。
この方法は熱効率が高く高速定着が可能であり、カラートナーに光沢や透明性を与えることが可能であるという利点がある反面、加熱定着部材表面と溶融状態のトナーとを加圧下で接触させた後加熱定着部材表面から剥離するために、トナー像の一部が加熱定着部材表面に付着して別の画像上に転移する、いわゆるオフセット現象が生じる。
しかしこの方法は、トナーのオフセットを防止する点ではきわめて有効であるが、離型オイルを供給するための装置が必要であり、定着装置が大型化しマシンの小型化に不向きである。
このためモノクロトナーでは、溶融したトナーが内部破断しないように結着樹脂の分子量分布の調整等でトナーの溶融時の粘弾性を高め、さらにトナー中にワックス等の離型剤を含有させることにより、定着ローラに離型オイルを塗布しない(オイルレス化)、或いはオイル塗布量をごく微量とする方法が採用される傾向にある。
しかし、前述したようにカラートナーでは色再現性を向上させるために定着画像の表面を平滑にする必要があるため溶融時の粘弾性を低下させねばならず、光沢のないモノクロトナーよりオフセットし易く、定着装置のオイルレス化や微量塗布化がより困難となる。
また、トナー中に離型剤を含有させると、トナーの付着性が高まり転写紙への転写性が低下し、さらにトナー中の離型剤がキャリア等の摩擦帯電部材を汚染し帯電性を低下させることにより耐久性が低下するという問題を生じる。
例えば、新品の現像剤を現像ユニットにセットする場合、通常は新品の現像剤を詰めたケースから、現像ユニット側へ容易に落下移行するので、容易に現像ユニット内に現像剤を移すことができるが、固化した現像剤は容易に落下せず、現像ユニット内に現像剤が移らないので、まともに絵出しができないという問題が生じたり、現像ユニット内に現像剤が移ったとしても、固化した塊が現像剤中に残っている場合には、現像ローラ上の現像剤量を一定量に整える規制板にこの塊が引っかかることで、現像ローラ上に現像剤が汲み上がらない箇所が発生するため、異常画像が発生したりする。
また、現像ユニット内で固化した場合や、最初から現像剤が現像ユニット内に投入されており現像剤を詰めたケースを持たない場合において、現像ユニット内の攪拌羽根により崩せないレベルまで固化が進むと、異常画像の発生や、駆動不可能といった不具合が生じる。
また、近年のマシンの小型化に伴う現像ユニットの小型化、レイアウト上の現像剤の落下のし難さが、現像剤が固化した場合に不具合を生じさせ易くしていることもあげられる。
更に、市場の多様化に伴い、使用を保証する環境も従来に比べ広くする必要があり、現像剤にはより厳しい品質が求められていることも事実である。
従って、高速化に伴う遠心力の増大に対しては、キャリアの磁化が同じであれば粒径の影響はない(重量当りの磁化は同じ)が、高画質化に伴うトナー及びキャリアの小径化に対しては、小径化が進むに連れて重量当りの表面積が増えるため、磁化に対して帯電量が大きくなってしまう。即ち、キャリアは感光体からの電気的な力に対して弱くなってしまい、キャリア付着が生じ易くなってしまうという問題がある。
そして、近頃では、静電特性、磁気特性、比重及び密度、粒径等の諸性質等の改善のため、キャリアとしては、樹脂被覆キャリア又は芯材分散型樹脂キャリアなど、樹脂加工されたものが多用されている。
ところで、樹脂被覆キャリア(コートキャリア)の製造法について見ると、キャリアの強度と耐摩耗性、粒子表面の忌避性(Repellency)等を満たす観点から、硬化型の樹脂が使用されることが多く、したがって、芯材に樹脂液や樹脂粉をコートした後、加熱流動床、回転式キルン、電気炉等を用いて加熱・乾燥或いは溶融し、かつ硬化させる工程を有するものを含めて、多くの製造法が提案されている。
例えば、特許文献9の特開2010−250281号公報には、低密度(見掛密度)かつ比較的低残留磁化のキャリア芯材と1μm以下の体積粒径を有する熱可塑性炭素系樹脂微粒子とシリコーン系樹脂微粒子の混合物を、加熱下で攪拌しながら衝撃力を加えることによって、芯材表面に該混合物微粒子を付着、膜化させて、樹脂被覆層を形成する工程と、ロータリーキルン中で熱処理する工程とからなる乾式製造方法が記載されているが、これは、高周波加熱でない。
また、特許文献10の特開平5−341579号公報には、誘電体(典型的には酸化物絶縁体)であるキャリア芯材の表面に樹脂を被覆した後、マイクロ波加熱により焼付けすることを含む樹脂被覆キャリアの製造法が記載されているが、これは、「誘導加熱」とは区別される透磁性の非誘電性材料に対する「誘電加熱」である。また、サセプタを用いることを示唆するものではない。
すなわち、本件発明は以下に記載するとおりのものである。
(2)前記サセプタを高周波誘導加熱装置によって加熱した場合の温度T1、前記芯材を高周波誘導加熱装置によって加熱した場合の温度T2とした場合、T1>T2であることを特徴とする、上記(1)に記載の電子写真用キャリアの製造方法。
(3)上記(1)又は(2)に記載の製造方法により製造されたことを特徴とする、電子写真用キャリア。
(4)少なくとも上記(3)に記載の電子写真用キャリアとトナーとからなることを特徴とする、電子写真用現像剤。
(5)潜像担持体上に潜像を形成する手段と、該潜像を現像する現像手段とを少なくとも有し、該現像手段は現像剤を保持し、該現像剤が上記(4)に記載の電子写真用現像剤であることを特徴とする画像形成装置。
(6)潜像担持体と、少なくとも現像手段を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱可能であるプロセスカートリッジにおいて、該現像手段は現像剤を保持し、該現像剤が上記(4)に記載の電子写真用現像剤であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
本発明者らは、上記従来技術の問題点を解決するために鋭意検討を続けてきた結果、少なくとも、芯材と該芯材の表面に形成された被覆材料層とからなる電子写真用キャリアの製造方法であって、芯材に被覆材料を被覆する工程と被覆された材料を加熱処理する焼成工程とを含み、該焼成工程が高周波誘導加熱装置によって芯材およびサセプタを高周波誘導加熱することによって、被覆材料を加熱処理させることにより改善効果が顕著であることが判った。
すなわち、高周波誘導加熱による焼成では、高周波電流が流れる導線もしくはコイルから発生する交番磁界により、金属である芯材およびサセプタの損失(ヒステリシス損とうず電流損)により芯材およびサセプタが加熱する。
本発明のサセプタとしては、前述したように高周波電流が流れる導線もしくはコイルから発生する交番磁界により、金属であるサセプタの損失(ヒステリシス損とうず電流損)のため加熱する材質であり、さらに加熱された熱が、被覆された被覆材料もしくは被覆材料を被覆した芯材へ伝達することができる形状であることとして定義する。
サセプタの材質としては電子写真用二成分キャリアとして公知のものが使用できるが、サセプタを高周波誘導加熱装置によって加熱した場合の温度T1、前記芯材をサセプタと同条件で高周波誘導加熱装置によって加熱した場合の温度T2とした場合、T1>T2となることが好ましい。
例えば、高周波誘導加熱にて加熱する材質であり、粒子の形状であることにより、均一に配置することができ、被覆された被覆材料もしくは被覆材料に、均一に熱を伝達させることができる。また、キャリア用芯材粒子とは粒径の異なる粒子を用いることで、サセプタは焼成後にキャリアと分離しやすくなる。具体的には用いるキャリア用芯材粒子径の3倍以上の粒径をもつサセプタを選択する。また、サセプタの粒径が大きすぎても均一加熱の観点から好ましくなく、6倍以下が好ましい。
これに対し、従来の電気炉やロータリーキルン等の焼成機では、被覆材料を被覆した芯材の外側からのみ熱をかけるため、被覆層は外側から乾燥や架橋反応が進むので、内側の残留溶剤が抜け難くなり結果として残留溶剤を低く抑えることが難しい。さらに、キャリアが積層された状態において、外側から熱が伝わるため、昇温速度も遅くなる。
被覆層からの残留溶剤の乾燥は、溶剤蒸気の微小な気泡が被覆層中を表面側に上昇するにつれて、或いは会合し、或いは温度上昇による膨張で、ますます大きな気泡になり、大きくなった気泡が被覆層表面を破ってガスとして放出されるが、乾燥が進行するにつれて、被覆層の硬度が増し、硬度が増せばバリヤーとしての働きがより強くなって、乾燥が益々難かしくなる。
したがって、トレース程度に残った残留溶剤の完全脱気が難かしいのである。このような事情から、溶剤乾燥効率を上げるには、最表層が未だ軟らかいうちに気泡を通過させること(より速やかに脱気すること)、例えば、より迅速(短時間で)脱気すること、が好ましいことを意味する。そして、本発明は、このような樹脂被覆層層の急速加熱だけでなく、層の内側からの加熱も加わって、最表層が比較柔らかな状態うちに、内部からの残留溶剤(気泡)を通過させることができるので、より速やか、かつ充分に乾燥させることができるものと考えられる。
これに対し、従来の電気炉やロータリーキルン等の焼成機では、積層されたキャリア粒子の外側から熱をかけるため、熱源に対し近い側(外側)に配置されたキャリア粒子には所望の熱量がきっちりと入るが、熱源に対し遠い側(内側)に配置されたキャリア粒子には、熱が伝わり難く所望の熱量を入れることができない。従って、キャリア全体での架橋具合のバラツキが大きく、全てのキャリア粒子被覆層を均一な架橋反応状態にすることが難しい。
また、この耐保管性を向上させるために、従来では焼成温度を引き上げる手段をとっている。しかし、図1に示すように、高周波誘導加熱装置により加熱される芯材の飽和磁化と芯材を昇温できる最高温度に相関があることが判った。前述したように高周波電流が流れる導線から発生する交番磁界により、芯材が繰り返し磁化されることで加熱される(ヒステリシス損)ため、芯材の飽和磁化が大きい芯材は、昇温速度が速く、昇温できる最高温度が高くなる。
しかし、芯材の飽和磁化は現像担持体上に形成される穂立ちの状態や現像装置とのマッチングなどにて決められるので、必ずしも高い飽和磁化の芯材が用いられる訳ではない。
図2は本発明における高周波誘導加熱の様子を模式的に示す図であり、高周波発信器(1)から供給される高周波電流をコイル(2)に流して磁束を発生させ、この磁束によって被覆材料(5)を被覆した芯材(4)およびサセプタ(3)に渦電流を発生させて発熱させ、この熱によって被覆材料を架橋反応させる。
また、この固化が進むと、例えば、現像ユニット内で現像剤が固化した場合には、現像ユニット内の攪拌により塊が崩せないレベルにまで固化が進むと、固化した塊が現像ローラ上の現像剤量を一定量に整える規制板に引っかかり、現像ローラ上に現像剤が汲み上がらない箇所が発生するため、白スジ等の異常画像が発生する。更に、固化が酷い場合には、現像ユニット内の攪拌力で現像剤が全く崩せない状況となり、駆動力不足で攪拌不可能という状況に陥ることにもなり得る。
更に、芯材組成がMn−Mg系フェライト、Mn系フェライトも同様に、昇温速度が速く、且つ昇温できる最高温度も高い。これはMn−Mg系フェライト、Mn系フェライトの飽和磁化は、比較的大きい範囲にあるためである。
前述のようにキャリア一粒一粒の被覆層を内側から昇温でき、内側から乾燥し始め溶剤が被覆層外へ抜け易く、残留溶剤の量を低く抑えることが可能となり、耐固化性に対して有利に働く。
また、キャリア一粒一粒が被覆層の内側から昇温できるため、全ての被覆層に同等の熱が入り、キャリア一粒一粒の被覆層が充分に架橋反応を進行させることができ、ストレスによる被覆層の耐磨耗性が向上すると考えられる。
以下に記載する方法は数あるキャリアの製造方法の一例に過ぎず、本発明のキャリアの製造方法は以下の例示された方法に限定されるものではない。
まずは、キャリアの製造方法の大きな流れは、以下に記すとおりである。[原材料計量]→[被覆液分散]→[被覆層コーティング]→[焼成]→[解砕]
即ち、まず所望の割合に原材料を計量したものを、分散機により分散処理を行なう。ここで用いる分散機としては、一般に用いられる分散機であれば何でもよく、例えばホモミキサー、羽根回転型分散機(エバラマイルダー、キャビトロン、等)、ビーズミル等が挙げられ、原材料処方に適した分散機を適宜用いればよい。
こうして得た分散液を、芯材表面へコーティング装置により被覆を行なう。ここで用いるコーティング装置としては、一般に用いられるコーティング装置であれば何でもよく、例えばスプレーを用いた転動流動層や、分散液中に芯材を浸漬させ溶媒を乾燥させる方法などが挙げられる。
そして、このコーティングがされた粒子の被覆層を乾燥や架橋反応を進めるため、焼成を行なう。ここで用いる焼成装置としては、一般に用いられる装置であれば何でもよく、例えば電気炉、ロータリーキルン等が挙げられる。最後に、焼成により凝集した粒子を解すため解砕を行なう。ここで用いる解砕装置としては、粒子が1粒に解れれば何でもよいが、一般的には篩装置を用いることが多く、例えば、振動篩や超音波振動篩等が挙げられる。
更に、この篩装置を用いる場合には、粒子の凝集を解すだけではなく、粗大粒子の除去や異物の除去も同時に行なうことも可能となるため、非常に効率がよい。
このようにして得られた粒子が、本発明でいうキャリア粒子であるが、ここではその製造方法の1つを例示しただけで、ここに記した内容に限定するものではない。
更に、本発明でいうトナーとは、モノクロトナー、カラートナー、フルカラートナーを問わず、一般的にいうトナーを用いることができる。例えば、従来より用いられている混練粉砕型のトナーや、近年用いられるようになってきた多種の重合トナーなどが挙げられる。
一般的に、オイルレストナーは離型剤を含有するため、この離型剤がキャリア表面に移行するいわゆるスペントが生じやすいが、本発明のキャリアは耐スペント性が優れているため、長期にわたり良好な品質を維持できる。特にオイルレスフルカラートナーにおいては、結着樹脂が軟らかいため一般的にスペントし易いといわれるが、本発明のキャリアは非常に向いているといえる。
例えばポリスチレン、ポリ−p−スチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸共重合隊、スチレン−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプロピル共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体、ポリチメルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は芳香族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂などが単独であるいは混合して使用できる。
例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂等のオレフィン共重合体、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸、マレイン酸変性フェノール樹脂、フェノール変性テルペン樹脂などが単独あるいは混合して使用でき、これらに限られるものではない。
また、これら着色剤は1種または2種以上を使用することができる。
例えば、本発明のカラートナーは必要に応じ荷電制御剤をトナー中に含有させることができる。
例えば、ニグロシン、炭素数2〜16のアルキル基を含むアジン系染料(特公昭42−1627号公報参照)、塩基性染料(例えばC.I.Basic Yello 2(C.I.41000)、C.I.Basic Yello 3、C.I.Basic Red 1(C.I.45160)、C.I.BasicRed 9(C.I.42500)、C.I.Basic Violet 1(C.I.42535)、C.I.Basic Violet 3(C.I.42555)、C.I.Basic Violet 10(C.I.45170)、C.I.Basic Violet 14(C.I.42510)、C.I.Basic Blue 1(C.I.42025)、C.I.Basic Blue 3(C.I.51005)、C.I.Basic Blue 5(C.I.42140)、C.I.Basic Blue 7(C.I.42595)、C.I.Basic Blue 9(C.I.52015)、C.I.Basic Blue 24(C.I.52030)、C.I.Basic Blue25(C.I.52025)、C.I.Basic Blue 26(C.I.44045)、C.I.Basic Green 1(C.I.42040)、C.I.Basic Green 4(C.I.42000)など、これらの塩基性染料のレーキ顔料、C.I.Solvent Black 8(C.I.26150)、ベンゾイルメチルヘキサデシルアンモニウムクロライド、デシルトリメチルクロライド、等の4級アンモニウム塩、或いはジブチル又はジオクチルなどのジアルキルスズ化合物、ジアルキルスズボレート化合物、グアニジン誘導体、アミノ基を含有するビニル系ポリマー、アミノ基を含有する縮合系ポリマー等のポリアミン樹脂、特公昭41−20153号公報、特公昭43−27596号公報、特公昭44−6397号公報、特公昭45−26478号公報に記載されているモノアゾ染料の金属錯塩、特公昭55−42752号公報、特公昭59−7385号公報に記載されているサルチル酸、ジアルキルサルチル酸、ナフトエ酸、ジカルボン酸のZn、Al、Co、Cr、Fe等の金属錯体、スルホン化した銅フタロシアニン顔料、有機ホウ素塩類、含フッ素四級アンモニウム塩、カリックスアレン系化合物等が挙げられる。ブラック以外のカラートナーは、当然目的の色を損なう荷電制御剤の使用は避けるべきであり、白色のサリチル酸誘導体の金属塩等が好適に使用される。
これらの無機微粒子はその表面が疎水化処理されていることが好ましく、疎水化処理されたシリカや酸化チタン、といった金属酸化物微粒子が好適に用いられる。樹脂微粒子としては、ソープフリー乳化重合法により得られた平均粒径0.05〜1μm程度のポリメチルメタクリレートやポリスチレン微粒子が好適に用いられる。
上記の無機微粒子と併用して、比表面積20〜50m2/gのシリカや平均粒径がトナーの平均粒径の1/100〜1/8である樹脂微粒子のように従来用いられていた外添剤より大きな粒径の外添剤をトナーに外添することにより耐久性を向上させることができる。
ジメチルジクロルシラン、トリメチルクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルジクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、p−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、クロルメチルトリクロルシラン、p−クロルフェニルトリクロルシラン、3−クロルプロピルトリクロルシラン、3−クロルプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメトキシシラン、ビニル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ジビニルジクロルシラン、ジメチルビニルクロルシラン、オクチル−トリクロルシラン、デシル−トリクロルシラン、ノニル−トリクロルシラン、(4−t−プロピルフェニル)−トリクロルシラン、(4−t−ブチルフェニル)−トリクロルシラン、ジベンチル−ジクロルシラン、ジヘキシル−ジクロルシラン、ジオクチル−ジクロルシラン、ジノニル−ジクロルシラン、ジデシル−ジクロルシラン、ジドデシル−ジクロルシラン、ジヘキサデシル−ジクロルシラン、(4−t−ブチルフェニル)−オクチル−ジクロルシラン、ジオクチル−ジクロルシラン、ジデセニル−ジクロルシラン、ジノネニル−ジクロルシラン、ジ−2−エチルヘキシル−ジクロルシラン、ジ−3,3−ジメチルベンチル−ジクロルシラン、トリヘキシル−クロルシラン、トリオクチル−クロルシラン、トリデシル−クロルシラン、ジオクチル−メチル−クロルシラン、オクチル−ジメチル−クロルシラン、(4−t−プロピルフェニル)−ジエチル−クロルシラン、オクチルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサエチルジシラザン、ジエチルテトラメチルジシラザン、ヘキサフェニルジシラザン、ヘキサトリルジシラザン等。この他チタネート系カップリング剤、アルミニューム系カップリング剤も使用可能である。この他、クリーニング性の向上等を目的とした外添剤として、脂肪酸金属塩やポリフッ化ビニリデンの微粒子等の滑剤等も併用可能である。
例えば粉砕法の場合、トナーを混練する装置としては、バッチ式の2本ロール、バンバリーミキサーや連続式の2軸押出し機、例えば神戸製鋼所社製KTK型2軸押出し機、東芝機械社製TEM型2軸押出し機、KCK社製2軸押出し機、池貝鉄工社製PCM型2軸押出し機、栗本鉄工所社製KEX型2軸押出し機や、連続式の1軸混練機、例えばブッス社製コ・ニーダ等が好適に用いられる。
本発明においては、上述の潜像担持体、帯電手段、現像手段およびクリーニング手段等の構成要素のうち、少なくとも潜像担持体および現像手段をプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やプリンタ等の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成する。このとき、現像装置においては、本発明の現像剤を用いて現像が行なわれる。
・シリコン樹脂溶液(固形分率;20質量%) 860質量部
・酸性触媒(固形分率;40質量%) 3質量部
・アミノシラン(固形分率;100質量%) 14質量部
・カーボンブラック粒子(1次粒子径;40nm,体積固有抵抗;1.0×10Ω・cm)
93質量部
・トルエン 700質量部
を、ホモミキサーで10分間分散して、被覆層形成用溶液を調製した。
また、高周波誘導電流の発信機には、AMBRELL社製のHOTSHOT5(6kW)型(発信周波数150〜400kHz、最大RFコイル電流は750A)を用いた。
こうして焼成を行なったキャリアを冷却後、目開き105μmの篩を用いて解砕し、サセプタと分離して[キャリア1]を得た。
・結着樹脂:ポリエステル樹脂 100質量部
・離型剤:カルナウバワックス 5質量部
・帯電制御剤:E−84[オリエント化学工業社製] 1質量部
・着色剤:C.I.P.Y.180 8質量部
上記材料のうち、着色剤と結着樹脂及び純水を1:1:0.5の割合で、混合し、2本ロールにより混練した。混練を70℃で行ない、その後ロール温度を120℃まで上げて、水を蒸発させマスターバッチを予め作成した。こうして得たマスターバッチを使用して、上記処方と同じになるように材料を計量し、ヘンシェルミキサーにより混合し、2本ロールで120℃で40分溶融混練し、冷却後、ハンマーミルで粗粉砕後、エアージェット粉砕機で微粉砕し得られた微粉末を分級して重量平均粒径5μmのトナー母体粒子を作った。
こうして得た[トナー1]7質量部と[キャリア1]93質量部を混合攪拌し、トナー濃度7質量%の現像剤を調製した。
実施例1において、平均粒径;50μm、飽和磁化75[Am2/kg]のMn系フェライト組成である芯材粒子を用いた以外は実施例1と同様に、コーティングした。
得られたコート上がりキャリア70重量部と、平均粒径;250μm、飽和磁化81[Am2/kg]のMn−Mg系フェライト組成であるサセプタ粒子を30重量部を混合攪拌し、実施例1と同様に焼成し、品温320℃の焼成を行なった。
キャリアを冷却後、目開き105μmの篩を用いて解砕し、サセプタと分離して[キャリア2]を得た。こうして得た[キャリア2]と[トナー1]を、実施例1と同様の方法により現像剤を製作した。
実施例2において得られたコート上がりキャリア70重量部と、平均粒径;250μm、飽和磁化62[Am2/kg]のCu−Zn系フェライト組成であるサセプタ粒子を30重量部を混合攪拌し、実施例1と同様に焼成し、品温270℃の焼成を行なった。
キャリアを冷却後、目開き105μmの篩を用いて解砕し、サセプタと分離して[キャリア2]を得た。こうして得た[キャリア3]と[トナー1]を、実施例1と同様の方法により現像剤を製作した。
実施例1において、サセプタ粒子を使用せず、コート上がりキャリアのみを実施例1と同様に焼成した。中空導線直径6mmの3巻コイル内側に静置させ、該コイルに出力電力5kW、出力電流400Aを該コイルに流し、品温200℃の焼成を行なった。
こうして焼成を行なったキャリアを冷却後、目開き105μmの篩を用いて解砕し、[キャリア4]を得た。こうして得た[キャリア4]と[トナー1]を、実施例1と同様の方法により現像剤を製作した。
実施例2において得られたコート上がりキャリア100重量部を、焼成方法を高周波誘導加熱から電気炉に変更し、電気炉中にて270℃で1時間放置して焼成した。キャリアを冷却後、目開き105μmの篩を用いて解砕し[キャリア5]を得た。こうして得た[キャリア5]と[トナー1]を、実施例1と同様の方法により現像剤を製作した。
評価結果を表1に示す。
なお実施例及び比較例で得たキャリアの物性値の測定方法及びキャリアの上記評価項目に関する評価方法は下記に従った。
市販のデジタルフルカラープリンタ(株式会社リコー製、imagio MP C5000)改造機に現像剤をセットし、キャリア付着を評価した。キャリア付着評価方法については、上記複写機を用いて、地肌ポテンシャルを150Vに固定し、A3サイズ用紙に全面画像を5枚現像し、ルーペで観察することにより評価した。
現像した5枚の画像上の白抜け個所の個数及び実際に付着しているキャリア総数の5枚の平均が0個である場合を◎、1〜5個である場合を○、6〜10個である場合を△、11個以上である場合を×として判定し、◎、○、△を合格とし、×を不合格とした。
現像ユニット内の現像剤の固化具合を確認するため、A4ハーフトーンベタ画像により評価する。固化具合が悪い場合は、現像部ドクターブレードの後ろに現像剤の塊が詰まり、画像中にスジが生じ欠陥画像となるため、この程度を以下に示すランク付けを行なった。
評価方法は、市販のデジタルフルカラープリンタ(リコー社製IPSiO CX 8200)の改造現像ユニットの現像剤ホッパーに、攪拌部へ現像剤が落ちないようにシールをした状態で現像剤をセットし、マシン本体にセットした状態で、55℃、95%RHの環境試験室に投入し48時間の保存を行なった。注意点としては、環境試験室に投入の際には結露させないために、温湿度を徐々に上げながら55℃、95%RHに調整する必要がある。そして、48時間の保管が終了したら、常温環境下に取り出し2時間以上放置させて常温湿度に戻した。この際の注意点としては、現像ユニットに振動を与えてはならない。理由は、振動は固化したものをほぐすことになるので、評価結果に大きく影響を与えるためである。
○:初期剤設定は可能だが、スジがうっすら確認できる。
△:初期剤設定は可能だが、スジがはっきり確認できる。
×:現像剤の落下が少ないもしくはなく初期設定不能で実用上使用できないレベル。
◎、○を合格とし、△、×を不合格とした。
市販のデジタルフルカラープリンタ(株式会社リコー製、imagio MP C5000)改造機の現像ユニットに現像剤をセットし、現像ユニット単独で190時間攪拌を実施。
こうして得た現像剤をブロー装置によりキャリアとトナーを分離させた後、キャリアを蛍光X線にて、被覆膜中のSi元素の付着量を測定し、被覆膜残存率を下式により求め、Si元素被覆膜残存率△Si、100≧△Si>80を◎、80≧△Si>75を○、75≧△Si>70を△、△Si≦70を×とし◎、○、△を合格とし、×を不合格とした。
Claims (2)
- 少なくとも、芯材と該芯材の表面に形成された被覆材料層とからなる電子写真用キャリアの製造方法であって、芯材に被覆材料を被覆する工程と、被覆された材料を加熱処理させる焼成工程とを含み、該焼成工程が、高周波誘導加熱装置によって芯材および粒子形状のサセプタを高周波誘導加熱することによって、被覆材料を加熱処理させる工程であることを特徴とする、電子写真用キャリアの製造方法。
- 前記粒子形状のサセプタを高周波誘導加熱装置によって加熱した場合の温度T1、前記芯材を高周波誘導加熱装置によって加熱した場合の温度T2とした場合、T1>T2であることを特徴とする、請求項1に記載の電子写真用キャリアの製造方法。
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