JP5408538B2 - 電子写真用キャリアの芯材を被覆するための被覆コートの製造方法 - Google Patents
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Description
また、キャリアに関しては、画像形成をより速く、より美しくという要望は高まる一方で、近年のマシンの高速化に伴ない、キャリアとトナーを含む現像剤が受けるストレスも飛躍的に増大しており、従来、高寿命とされたキャリアにおいても充分な寿命が得られなくなってきている。更に、高画質という面においては、トナー小径化、キャリアの小径化に伴ない、帯電量分布に対する画質面での許容幅が狭くなっており、特に非画像部におけるトナーの汚れ(地肌かぶり)については、非常に欠陥画像となりやすくなっている。
(1)「電子写真用キャリアの芯材を被覆するための被覆コート液の製造方法であって、少なくとも結着樹脂と固体粒子を含む溶液を、ビーズ径が5mm以下のビーズを用いて分散する本分散工程を有し、該本分散工程内の分散機として分散室内の攪拌機構の形状がピン型でビーズ分離に遠心分離機構を有する分散機を用いることを特徴とする被覆コート液の製造方法」;
(2)「前記本分散工程の前に、前記ビーズを用いないプレ分散工程を有することを特徴とする、前記第(1)項に記載の被覆コート液の製造方法」;
(3)「前記ビーズの真密度が、2.8g/cm3以上であることを特徴とする、前記第(1)項又は第(2)項のいずれかに記載の被覆コート液の製造方法」。
従って、本発明の課題である、経時での抵抗低下に伴なうベタ画像部におけるキャリア付着や、非画像部におけるトナーの汚れ(地肌かぶり)を改善することができる。
つまり、目的の分散粒径とするためには、できるだけ小粒径のビーズを用いた方がよいが、従来の分散機で5mm以下の小粒径ビーズを採用することは困難であった。
そして、更に好ましい範囲としては、5g/cm3以上である。一方、2.8g/cm3を下回った場合には、密度が小さいことから充分な分散効果が得られないため、好ましくはない。それに加え、ガラス素材のようなビーズの場合、真密度が小さいだけではなく脆性が高いため、分散処理中に割れが発生し、分散効率の低下、製品へのコンタミの原因となるため、好ましくない。そして、本発明でいう真密度2.8g/cm3以上のビーズとしては、ジルコニア、アルミナ、窒化ケイ素、スチール、ステンレス等が挙げられ、これらは真密度だけではなく、耐脆性(割れ)や耐磨耗に関しても、非常に良好であるが、あくまでも例示であり、これらに限定するものではない。
本発明のキャリア用芯材粒子としては、電子写真用二成分キャリアとして公知のもの、例えば、鉄、フェライト、マグネタイト、ヘマタイト、コバルト、鉄系、マグネタイト系、Mn−Mg−Sr系フェライト、Mn系フェライト、Mn−Mgフェライト、Li系フェライト、Mn−Zn系フェライト、Cu−Zn系フェライト、Ni−Zn系フェライト、Ba系フェライト、等キャリアの用途、使用目的に合わせ適宜選択して用いればよく、上記例に限るものではない。
本発明のキャリアの被覆層を形成する樹脂は、一般的にキャリアに用いられるものであれば特に限定はない。例えば、シリコン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、アクリル樹脂とアミノ樹脂の反応生成物、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フッ素樹脂変性シリコン樹脂、アクリル変性シリコン樹脂、エポキシ変性シリコン樹脂、ウレタン変性シリコン樹脂等が挙げられるが、特にこれらに限定するものではない。また、被覆樹脂は、1種類を単独で用いても、複数で用いても良いし、変性タイプにして使用しても良い。
本発明では、固体粒子として、分散用ビーズと濾別でできる程度の小粒径のもの、すなわち一次粒子の平均粒径が5〜500nmのものを好ましく用いることができる、例えば、酸化スズ、酸化インジウムドープした酸化スズ、導電処理した酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、亜酸化鉄、チタンブラック、カーボンブラック等の微粒粉体を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、針状粉末(酸化チタン、酸化亜鉛等)、燐片状粉末(黒鉛、アルミフレーク、銅フレーク、ニッケルフレークのような金属フレーク、導電処理マイカ等)を用いることができる。これらは、単独でまたは混合して用いることができる。さらに、これらに、疎水化シリカやアルミナ粉のような高抵抗のものを併用することができる。
本発明におけるコート液は、液媒体100重量部中に、0.02〜90重量部の結着樹脂を溶解または分散したものであり、他に固体粒子、及び、所望により用いるその余の成分(例えば樹脂の架橋剤、抵抗調節剤等)を含み得る。結着樹脂に対する固体粒子の割合は、5/100〜600/100の範囲であることが好ましい。結着樹脂を溶解または分散し得る液媒体としては、通常用いられているものであってよく、例えばノルマルへキサン、ケロシンのような石油系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノールのようなアルコール系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチルのようなエステル系溶媒、ジエチルエーテルのようなエーテル系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサンのような環状エーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、メチルセロソルブ(登録商標)、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチルセロソルブ(登録商標)のようなグリコールエーテル、ジメチルホルムアミドのような含窒素有機溶媒などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明でいうカラー用とは、一般的にカラー単色で用いられるカラートナーだけではなく、フルカラー用として用いられるイエロー、マゼンダ、シアン、レッド、グリーン、ブルーなどに加え、ブラックトナーも含まれる。更に、本発明でいうトナーとは、モノクロトナー、カラートナー、フルカラートナーを問わず、一般的にいうトナーを用いることができる。例えば、従来より用いられている混練粉砕型のトナーや、近年用いられるようになってきた多種の重合トナーなどが挙げられる。
黒色顔料としては、カーボンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、アニリンブラック等のアジン系色素、金属塩アゾ色素、金属酸化物、複合金属酸化物が挙げられる。また、これら着色剤は1種または2種以上を使用することができる。
本発明の画像形成装置例(例えば、図1〜4に示される画像形成装置)により本発明の画像形成方法を実施する態様について、図1を参照しながら説明する。
図1に示す例の画像形成装置(100)は、静電潜像担持体としての感光体ドラム(10)(以下「感光体(10)」という)と、ローラ状帯電手段(20)と、露光手段(30)と、現像手段(40)と、中間転写体(50)と、クリーニングブレードを有するクリーニング手段(60)と、除電手段(70)としての除電ランプとを備える。
次に、タンデム型現像手段(120)を用いたフルカラー画像の形成(カラーコピー)について説明する。即ち、先ず、原稿自動搬送装置(ADF)(400)の原稿台(130)上に原稿をセットするか、あるいは原稿自動搬送装置(400)を開いてスキャナ(300)のコンタクトガラス(32)上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置(400)を閉じる。
スタートスイッチ(不図示)を押すと、原稿自動搬送装置(400)に原稿をセットした時は、原稿が搬送されてコンタクトガラス(32)上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス(32)上に原稿をセットした時は直ちに、スキャナ(300)が駆動し、第1走行体(33)及び第2走行体(34)が走行する。このとき、第1走行体(33)により、光源からの光が照射されると共に原稿面からの反射光を第2走行体(34)におけるミラーで反射し、結像レンズ(35)を通して読取りセンサ(36)で受光されてカラー原稿(カラー画像)が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像情報とされる。
次に、本発明による電子写真用キャリアについて、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
・グアナミン溶液(固形分率;70質量%) 26質量部
・酸性触媒(固形分率;40質量%) 1質量部
・シリコン樹脂溶液(固形分率;20質量%) 290質量部
・アミノシラン(固形分率;100質量%) 2質量部
・導電処理酸化チタン粒子(表面;ITO処理,1次粒子径;50nm,
体積固有抵抗;1.0×102Ω・cm) 185質量部
・トルエン 1300質量部
を、循環用タンクに投入し、以下分散条件にて分散処理を行ない、被覆膜形成溶液を得た。
・ビーズミル分散機: LMZ(LMZ4型)[アシザワ・ファインテック社製](ピン型)
・ビーズ: ジルコニア(真密度;6.0g/cm3)/0.1mm
・ビーズ充填率(嵩): 50%
・ローター線速: 10m/sec
次に、芯材粒子として平均粒径;35μm焼成フェライト粉[DFC−400M(Mnフェライト,DOWA IP クリエイション株式会社製)]を用い、上記被覆膜形成溶液を芯材粒子表面に膜厚0.2μmになるように、スピラコーター(岡田精工社製)によりコーター内温度40℃で塗布し乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて150℃で1時間放置して焼成した。冷却後フェライト粉バルクを目開き63μmの篩を用いて解砕し、帯電量;32.5(−μc/g)、体積固有抵抗:11.9[Log(Ω・cm)]の[キャリア1]を得た。
一方、トナーは、
・結着樹脂:ポリエステル樹脂 100質量部
・離型剤:カルナウバワックス 5質量部
・帯電制御剤:E−84[オリエント化学工業社製] 1質量部
・着色剤:C.I.P.Y.180 8質量部
t%の現像剤を調製した。
体積固有抵抗:12.6[Log(Ω・cm)]の[キャリア6]を得た。こうして得た[キャリア6]と[トナー1]を、実施例1と同様の方法により現像剤を製作した。
キャリア7]を得た。こうして得た[キャリア7]と[トナー1]を、実施例1と同様の方法により現像剤を製作した。
実施例1において、分散機を
・ビーズミル分散機: GRAIN MILL(NM−L型)[浅田鉄工社製](ディスク型)
・ビーズ: ジルコニア(真密度;6.0g/cm3)/0.1mm
・ビーズ充填率(嵩): 50%
・ローター線速: 10m/sec
に変更になったこと以外は同様にしてキャリア化し、帯電量:32.4(−μc/g),体積固有抵抗:11.2[Log(Ω・cm)]の[キャリア4]を得た。こうして得た[キャリア4]と[トナー1]を、実施例1と同様の方法により現像剤を製作した。
芯材粒子の平均粒径測定については、マイクロトラック粒度分析計(日機装株式会社製)のSRAタイプを使用し、0.7μm以上、125μm以下のレンジ設定で行ったものを用いた。〔帯電量測定方法〕
帯電量は、キャリア93重量%に対して、トナー7重量%の割合で混合し、摩擦帯電させたサンプルを、ブローオフ装置TB−200(東芝ケミカル社製)]を用いて測定した。
体積固有抵抗は、ギャップ2mmを隔てた平行電極間にキャリアを投入しタッピングした後、両電極間にDC1000Vを印加し、30sec後の抵抗値をハイレジスト計で計測した値を体積抵抗率に変換して求めた。なお、ハイレジスト計の測定可能下限を下回った場合には、実質的には体積固有抵抗値は得られず、ブレークダウンしたものとして扱かった。
市販のデジタルフルカラープリンター(株式会社リコー製、imagio MP C5000)改造機に現像剤をセットし、画像面積5%のA4画像を1枚/JOBで1000枚出力した後、画像面積0%のA3画像を出力し、地肌部のトナーかぶり状態を観察し、トナーかぶり全くなしを◎、殆ど判らないを○、若干見られるを△、はっきりと見られるを×として判定し、◎、○、△を合格とし、×を不合格とした。
市販のデジタルフルカラープリンター(株式会社リコー製、imagio MP C5000)改造機に現像剤をセットし、単色による300,000枚のランニング評価を行った。そして、このランニングを終えた現像剤のベタキャリア付着を評価した。
ベタ画像のキャリア付着評価方法については、上記複写機を用いて、地肌ポテンシャルを150Vに固定し、A3サイズ用紙に全面ベタ画像を現像し、ルーペで観察することにより評価した。画像上の白抜け個所の個数及び実際に付着しているキャリアの個数の総数が0個である場合を◎、1〜5個である場合を○、6〜10個である場合を△、11個以上である場合を×として判定し、◎、○、△を合格とし、×を不合格とした。
表1で示す評価結果から、本発明による実施例1〜3による現像剤は、比較例1と比較して地肌かぶり、経時ベタキャリア付着が抑制されていることが明らかである。
10K ブラック用感光体
10Y イエロー用感光体
10M マゼンタ用感光体
10C シアン用感光体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング装置
18 画像形成手段
20 ローラ帯電手段
21 露光手段
22 二次転写手段
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着手段
26 定着ベルト
27 加圧ベルト
28 シート反転装置
30 露光手段
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像手段
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック用現像手段(現像ユニット)
45Y イエロー用現像手段(現像ユニット)
45M マゼンタ用現像手段(現像ユニット)
45C シアン用現像手段(現像ユニット)
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 ローラ
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電器
59 帯電手段
60 クリーニング手段
61 現像手段
62 転写帯電器
63 感光体クリーニング手段
64 除電器
70 除電手段(除電ランプ)
80 転写ローラ
90 クリーニング手段
95 転写紙
100 画像形成装置
101 プロセスカートリッジ
110 ベルト式定着装置
120 タンデム型現像手段
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
Claims (3)
- 電子写真用キャリアの芯材を被覆するための被覆コート液の製造方法であって、少なくとも結着樹脂と固体粒子を含む溶液を、ビーズ径が5mm以下のビーズを用いて分散する本分散工程を有し、該本分散工程内の分散機として分散室内の攪拌機構の形状がピン型でビーズ分離に遠心分離機構を有する分散機を用いることを特徴とする被覆コート液の製造方法。
- 前記本分散工程の前に、前記ビーズを用いないプレ分散工程を有することを特徴とする、請求項1に記載の被覆コート液の製造方法。
- 前記ビーズの真密度が、2.8g/cm3以上であることを特徴とする、請求項1又は2のいずれかに記載の被覆コート液の製造方法。
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