JP6514636B2 - 大麦粉末を含む食品 - Google Patents

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Description

本発明は、大麦粉末を含む食品であって、大麦に起因する粘度上昇が抑制された食品に関する。また、本発明は、大麦粉末を含みながらも、大麦に起因する粘度上昇が抑制されており、更には喫食した際に口内に後残りする不快な食味が抑制された食品に関する。
大麦には、コレステロール低下、血糖値上昇抑制、抗肥満、血圧低下等、生活習慣病の予防又は改善に有効な作用があることが多数報告されている。この作用は大麦に含まれるβグルカンによる作用に起因するところが大きいと考えられている。大麦は古来より摂取されてはいたものの、現在ではその食味が白飯に比べ劣ることや食文化の変化により、摂取の機会が激減している。つまり、大麦を食べやすい形に加工し、摂取しやすい形態にすれば、現代人の健康に大きく貢献できるものと考えられる。
そこで、大麦の効果がそれに含まれるβグルカンの作用によるところが大きいのであれば、大麦からβグルカンを抽出して純度を高めたものを食品に添加すれば効率よく大麦による有用な作用を享受できると考えられる。しかしながら、大麦そのものを材料として食品形態に調製する方がより自然に摂取することができ、消費者にも受け入れられやすいであろう。とは言え、大麦の粒を添加するとメニューによってはその粒感が好ましくない場合もある。従って、大麦粒そのものよりも粉末状態にした大麦を使用する方が、より様々な加工方法の可能性が広がり、食品に添加させるという観点から望ましいと考えられる。
一方、大麦粉末には、βグルカン以外に、他の成分が混在しており、食品の粘度を著しく上昇させ易いという特有の性質がある。食品中の大麦、或いはβグルカンの含有目標値によっては、高濃度で大麦粉末を食品に添加することが必要とされるが、前述する大麦粉末の特有の性質に起因して、大麦粉末を添加すると、食品の粘度が著しく上昇することが問題となっている。特に、大麦粉末を水分と共に含有する食品を加熱した場合には粘度上昇が顕著である。そのため、大麦粉末を添加する食品が、スープやカレー等の液状またはペースト状の流動性を有する形態である場合、多量の大麦粉末を添加すると食品の粘度が著しく上昇してしまい、適切な流動性を保持できないことがある。そこで、大麦粉末を高濃度で含有しつつも、大麦粉末に由来する粘度上昇を抑制して、流動性を有する食品として適当な粘度に調整することが求められている。
従来、食品の粘度を調整するための技術としては、例えば、澱粉もしくは澱粉を含有した材料を使用して製造される食品に豆由来のヘミセルロースを約0.1〜10重量%添加することによって、冷却保存時の流動性の低下やゲル化を防止する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。さらに、澱粉、増粘多糖類等に対し、環状構造を有する澱粉分解物を添加することによって低粘度化させる方法も知られている(例えば、特許文献2を参照)。
このように、食品の粘度調整には様々な手段が講じられているが、大麦粉末を配合することに起因する粘度上昇を抑制する方法については十分な検討がなされていないのが現状である。
更に、大麦粉末を含有する食品には、喫食した際(特に喫食後)、口内に不快な口残り(残存感、ぬめり)を感じさせるという特有の性質があり、大麦粉末を含有する食品は、舌触りや喉ごしが悪くなり、消費者の嗜好を満足できないという問題がある。そのため、大麦粉末を含有する食品では、このような不快な食味を改善しておくことも求められる。従来、食品において、ぬめり等の食味を改善するための手法についても、報告されている。例えば、特許文献3には、キサンタンガムを含有する液状食品における糸曳きやぬめりを改善する上で、ガティガムの配合が有効であることが報告されている。また、特許文献4及び5には、キサンタンガム等のガム質に起因する糸曳やぬめりの欠点を改良するために、低メトキシルペクチンが有効であることが報告されている。更に、特許文献6には水性蛋白質原料と油脂原料を含むレトルトソースにおいて、リゾレシチン、キサンタンガム及び化工澱粉を併用することにより、糸曳を抑制して滑らかな食感を実現できることが報告されている。しかしながら、食品のぬめり等の食味は添加する食品素材に応じて、その改善手法は異なるため、大麦粉末を食した際に感じられる特有の残存感やぬめり等の食味を改善するために、前記特許文献3〜6の手法を適用できることにはならない。
前述のように、大麦を継続的に摂取することにより生活習慣病対策等の健康寄与が期待される。従って、大麦を粉末状として種々の食品形態に加工することで手軽に摂取することを可能とし、更に喫食の際の食感や見た目を重視する消費者の嗜好や要求にも応え得る食品が求められている。そこで、大麦粉を含む食品において、大麦粉末に由来する粘度の上昇が抑制された食品の開発、更には、大麦粉末を含みながらも、大麦に起因する粘度上昇が抑制されており、更には喫食した際に口内に後残りする不快な食味感が抑制された食品の開発が切望されている。
特開平9−289880号公報 特許第3066568号公報 特開2008−263918号公報 特開昭60−87741号公報 特開昭60−118162号公報 特開平8−322520号公報
本発明の目的は、大麦粉末に由来する粘度の上昇が抑制された食品を提供することである。更に、本発明の他の目的は、本発明は、大麦粉末を含みながらも、大麦に起因する粘度上昇が抑制されており、且つ喫食した際に感じられるぬめり感が抑制され、良好な食味を示す食品を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、ゼラチン、DE5以下のデキストリン、アラビアガム、大豆水溶性食物繊維、プルラン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、低粘性ガラクトキシログルカン、ゼラチン分解物、ガティガム、ホエータンパク質、カゼイン及びカゼイン塩からなる群より選択される少なくとも1種を粘度調整剤として選択し、これを大麦粉末と組み合わせて使用することにより、大麦粉末に起因する食品の粘度上昇を効果的に抑制できることを見出した。更に、前記粘度調整剤の内、ゼラチン、DE5以下のデキストリン及びアラビアガムからなる群より選択される少なくとも1種を利用することによって、大麦粉末に起因する食品の粘度上昇の抑制に加えて、大麦粉末に起因するぬめり感を効果的に抑制し、優れた食味を実現できることをも見出した。本発明は、これらの知見に基づいて、さらに研究を重ねた結果、完成されたものである。
即ち、本発明は、下記態様の食品を提供する。
項1. ゼラチン、DE5以下のデキストリン、アラビアガム、大豆水溶性食物繊維、プルラン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、低粘性ガラクトキシログルカン、ゼラチン分解物、ガティガム、ホエータンパク質、カゼイン及びカゼイン塩からなる群より選択される少なくとも1種の粘度調整剤と、大麦粉末とを含む食品。
項2. 前記粘度調整剤が、ゼラチン、DE5以下のデキストリン及びアラビアガムからなる群より選択される少なくとも1種である、項1に記載の食品。
項3. 前記粘度調整剤が、ゼラチン、及びDE5以下のデキストリンからなる群より選択される少なくとも1種である、項1又は2に記載の食品。
項4. 喫食時の前記大麦粉末の含有量が、0.1〜40重量%である、項1〜3のいずれかに記載の食品。
項5. 前記粘度調整剤が、大麦粉末100重量部に対して1重量部以上含まれる、項1〜4のいずれかに記載の食品。
項6. 喫食時の形態が、液状又はペースト状である、項1〜5のいずれかに記載の食品。
項7. 喫食時の形態が液状であり、且つ喫食時の40℃における粘度が1〜1000mPasである、項1〜6のいずれかに記載の食品。
項8. 乾燥物状態である、項1〜7のいずれかに記載の食品。
項9. 顆粒状である、項7に記載の食品。
項10. 即席スープである、項7又は8に記載の食品。
項11. ゼラチン、DE5以下のデキストリン、アラビアガム、大豆水溶性食物繊維、プルラン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、低粘性ガラクトキシログルカン、ゼラチン分解物、ガティガム、ホエータンパク質、カゼイン及びカゼイン塩からなる群より選択される少なくとも1種の粘度調整剤と、大麦粉末とを含む食品原料。
項12. 大麦粉末による粘度上昇を抑制するために使用される粘度調整剤であって、
ゼラチン、DE5以下のデキストリン、アラビアガム、大豆水溶性食物繊維、プルラン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、低粘性ガラクトキシログルカン、ゼラチン分解物、ガティガム、ホエータンパク質、カゼイン及びカゼイン塩からなる群より選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする、粘度調整剤。
項13. 大麦粉末を含む食品に、ゼラチン、DE5以下のデキストリン、アラビアガム、大豆水溶性食物繊維、プルラン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、低粘性ガラクトキシログルカン、ゼラチン分解物、ガティガム、ホエータンパク質、カゼイン及びカゼイン塩からなる群より選択される少なくとも1種を配合する工程を含む、大麦粉末を含む食品における粘度調整方法。
項14. ゼラチン、DE5以下のデキストリン、アラビアガム、大豆水溶性食物繊維、プルラン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、低粘性ガラクトキシログルカン、ゼラチン分解物、ガティガム、ホエータンパク質、カゼイン及びカゼイン塩からなる群より選択される少なくとも1種の、大麦粉末による粘度上昇を抑制するために使用される粘度調整剤の製造のための使用。
項15. 大麦粉末に起因する喫食時のぬめりを抑制するための食品添加剤であって、
ゼラチン、DE5以下のデキストリン及びアラビアガムからなる群より選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする、ぬめり抑制用食品添加剤。
項16. 大麦粉末を含む食品に、ゼラチン、DE5以下のデキストリン及びアラビアガムからなる群より選択される少なくとも1種を配合する工程を含む、大麦粉末に起因する喫食時のぬめりを抑制する方法。
項17. ゼラチン、DE5以下のデキストリン及びアラビアガムからなる群より選択される少なくとも1種の、大麦粉末に起因する喫食時のぬめりを抑制するためのぬめり抑制用食品添加剤の製造のための使用。
本発明によれば、特定の粘度調整剤を添加することにより、大麦粉末に由来する食品の粘度上昇が効果的に抑制された食品を提供することができる。特に、従来技術では、大麦粉末を含む食品を液状やペースト状(例えばスープ、ソース等)にすると、粘度が上昇してしまい、適切な流動性を保持することができなかったが、本発明によれば、比較的多量の大麦粉末が配合されている場合であっても、流動性を有する食品として好適な粘度を保持することが可能になっている。更に、本発明の食品原料は、前記粘度調整剤を含有することによって大麦に由来する粘度上昇が抑制され、適度な流動性を維持することができるため、攪拌機や充填装置等の製造設備に対して良好な適性を有するものである。
更に、本発明の食品において、粘度調整剤として、ゼラチン、DE5以下のデキストリン及びアラビアガムからなる群より選択される少なくとも1種を採用することによって、大麦粉末に起因する粘度上昇を抑制しつつ、大麦粉末由来の不快なぬめり感(口残りする不快な食味)を改善できるので、大麦粉末を含む食品に良好な食味を備えさせることも可能になる。
図1は、異なる種類の粘度調整剤による粘度上昇の抑制効果を示すグラフである。 図2は、(a)大豆水溶性食物繊維、(b)ゼラチンの添加量による粘度上昇の抑制効果を示すグラフである。 図3は、大麦粉末による口内のぬめり感の抑制効果を評価した結果を表すグラフである。
発明において、ぬめり、又はぬめり感とは、大麦粉末を含む食品を喫食した際、特に喫食後に、口内に感じられるヌルヌル感、糸曳き感、口内に膜が張ったような感触等の、口内に後残りする不快な食味を指す。
1.食品
本発明の食品は、大麦粉末と、ゼラチン、DE5以下のデキストリン、アラビアガム、大豆水溶性食物繊維、プルラン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、低粘性ガラクトキシログルカン、ゼラチン分解物、ガティガム、ホエータンパク質、カゼイン及びカゼイン塩からなる群より選択される少なくとも1種の粘度調整剤とを含有することを特徴とする。以下、本発明の食品について詳細に説明する。
大麦粉末
本発明の食品に使用される大麦粉末は、イネ科植物、学名Hordeum vulgareの種子を粉末状に調製したものである。大麦の種類としては、二条大麦、四条大麦、六条大麦、裸大麦等が知られており、これらのいずれを使用してもよい。また、大麦の品種も特に限定されないが、例えばCDC Alamo、CDC Fibar、CDC Kendall等のCDC種、サルート種、BG種、ビューファイバー、トヨノカゼ、マンネンボシ、ダイシモチ、イチバンボシ、サンシュウ、センボンハダカ、ハヤテハダカ、ビワイロハダカ、キカイハダカ、ハヤジロハダカ、シラヒメハダカ、ユウナギハダカ、ヒノデハダカ、シロシンリキ、ヤマテハダカ、シラヌイハダカ、ハヤウレハダカ、ミナミハダカ、ハシリハダカ、ツクバハダカ、バンダイハダカ、リモハダカ、ミシマハダカ、キラリモチ、シュンライ、ハルシラネ、白妙二条、トチノイブキ、ニシノホシ、カシマムギ、すずかぜ、さやかぜ、ネバリゴシ、ファイバースノー等が例示される。本発明においては大麦粉末の材料として、これらのうち1種の大麦を単独で使用してもよく、2種以上の大麦を混合して使用してもよい。また、必要に応じて大麦の種子を搗精したものを大麦粉末の材料として用いてもよい。
本発明で使用される大麦粉末は、焙煎処理に供された大麦種子の粉末、あるいはα化処理に供された大麦種子の粉末であってもよい。焙煎処理の条件は、穀物の焙煎において採用される公知の条件に基づいて適宜設定することができる。また、焙煎の際の加熱方法についても公知の方法から適宜選択すればよく、例えば直火式、熱風式、遠赤外線式、マイクロ波式等が挙げられる。α化処理は、従来公知の方法に従って行えばよく、大麦中の澱粉がα化される限り特に限定されないが、例えば大麦の種子を水に浸漬した後、又は水と共に加熱し、乾燥することにより行うことができる。
本発明で使用される大麦粉末は、前記大麦の種子を粉砕することによって得られる。粉砕方法は従来公知の方法に従えばよいが、例えば、乳鉢、石臼(マイコロイダー、マスコロイダー)、ボールミル、コーヒーミル、パワーミル、ピンミル、気流式粉砕機(ジェットミル)、せん断摩擦式粉砕機、カッター式粉砕機、衝撃式粉砕機(ハンマーミル、ボールミル)、ロール式粉砕機、ホモジナイザー、超音波破砕機等の乾式破砕機を使用する方法、液体窒素を利用した凍結粉砕機を使用する方法等が挙げられる。
本発明で大麦粉末の平均粒子径は、調製される食品の形態に応じて適切な大きさを選択すればよく特に限定されないが、例えば20〜210μm程度の範囲が挙げられる。ここで、平均粒子径はレーザー粒度分析計LMS−2000e((株)セイシン製)を用いて測定されるd(0.5)の値である。
本発明で使用される大麦粉末中に含有される澱粉量としては特に限定されないが、例えば20〜90重量%、好ましくは30〜70重量%の範囲が挙げられる。
本発明の食品において、大麦粉末の配合量は特に制限されないが、喫食される際の最終形態における大麦粉末の含有量として、例えば0.1〜40重量%、好ましくは0.1〜26重量%、より好ましくは0.1〜23重量%、更に好ましくは1.5〜10重量%が挙げられる。通常、前記範囲の配合量で大麦粉末を食品に配合すると、食品の粘度が著しく上昇し、流動性が低下するため、製造容易性や喫食容易性等の観点から、液状又はペースト状の食品としての価値を損ねるという問題が生じる。しかしながら、本発明によれば、後述する特定の粘度調整剤を添加することによって粘度の上昇が効果的に抑制され、このような問題を解消することができている。また、前記範囲の配合量で大麦粉末を食品に配合すると、大麦粉末に起因するぬめり感が顕著になるという問題も生じるが、本発明では、後述する粘度調整剤の中から特定のものを選択することによって、このようなぬめり感も抑制して、良好な食味を実現することもできる。
また、本発明の食品を後述する含水濃縮物又は乾燥物の形態で提供する場合であれば、喫食される際の最終形態において、大麦粉末の含有量が前記範囲を充足するように、その濃縮倍率等に応じて、大麦粉末の配合量を適宜設定すればよい。具体的には、本発明の食品を乾燥物の形態で提供する場合であれば、乾燥物形態の食品に含まれる大麦粉末の含有量として、例えば、1〜99重量%、好ましくは5〜80重量%、更に好ましくは10〜60重量%が挙げられる。
粘度調整剤
本発明の食品には、前記大麦粉末に加えて、粘度調整剤として、ゼラチン、DE5以下のデキストリン、アラビアガム、大豆水溶性食物繊維、プルラン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、低粘性ガラクトキシログルカン、ゼラチン分解物、ガティガム、ホエータンパク質、カゼイン及びカゼイン塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する。このような特定の粘度調整剤を選定して配合することによって、前記大麦粉末に特有の粘度上昇を効果的に抑制することが可能になる。以下、本発明において粘度調整剤として使用される物質についてそれぞれ詳述する。
(ゼラチン)
ゼラチンは、牛、豚、鶏、魚等の骨、皮膚、靭帯、腱、魚鱗等を酸又はアルカリで処理し、加熱抽出して得られる。これらの材料の中でも、好ましくは、豚皮、魚鱗、豚骨、牛骨、更に好ましくは豚骨、牛骨が挙げられる。本発明において、これらのゼラチンは、1種を選択して単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。本発明において粘度調整剤として使用されるゼラチンの重量平均分子量は、5万〜20万、好ましくは15万〜20万が例示される。本明細書において、重量平均分子量は、GPC分析により算出される値を指す。
また、本発明で使用されるゼラチンについて、そのゼリー強度については、特に制限されないが、後述する実施例において示されているように、同じ動物種由来のゼラチンで比較すると、ゼリー強度が高い方が粘度上昇の抑制効果が顕著になる傾向がある。大麦粉末に起因する粘度上昇をより効果的に抑制させるという観点から、ゼラチンのゼリー強度として、10〜500g、好ましくは20g以上かつ500g未満、より好ましくは50〜400g、更に好ましくは85〜350gが挙げられる。ここで、ゼリー強度は、JIS K6503−1996に定められる方法に従って測定される。即ち、6.67%ゼラチン溶液を、10℃で17時間冷却して調製したゼリーの表面を、2分の1インチ(12.7mm)径のプランジャーで4mm押し下げるのに必要な荷重(g)を、ゼリー強度とする。
本発明で使用されるゼラチンは商業的に入手可能であり、商業的に入手可能なものとしては、例えば、GSN、APH−100、GQS−20、GBL−250,GBL−100等(いずれも重量平均分子量50000〜200000:新田ゼラチン(株)製)が挙げられる。
(DE5以下のデキストリン)
デキストリンとは、デンプンを部分加水分解したものを指し、デンプンの部分加水分解の程度により、さまざまな分子量を有するデキストリンが存在する。デンプンの部分加水分解の程度(つまりデキストリンの分子量分布)を理解する指標に、DE(Dextrose Equivalent)値が一般的に用いられている。DEの数値が高いことは、分解程度が高いことを意味し、DE値が低いことは分解程度が低いことを意味する。DEは0〜100までの値をとり、DE0は未分解であることを意味し、DE100はグルコースまでの完全分解を意味する。本発明において、「DE」とは、ウイルシュテッターシューデル法により求められる値であり、[(直接還元糖(ブドウ糖としての表示)の質量)/(固形分の質量)]×100の式より算出される。
本発明では、デキストリンの中でも、DE5以下のものを選択して使用する。このようにDE5以下のデキストリンを使用することによって、大麦粉末に起因する粘度上昇を効果的に抑制させることが可能になる。本発明で使用されるデキストリンとして、好ましくはDE4以下のデキストリンが挙げられる。
本発明で使用されるDE5以下のデキストリンは商業的に入手可能であり、商業的に入手可能なものとしては、例えば、DE4のコーン由来デキストリン(パインデックス#100:松谷化学工業(株)製)、サンデック#30(DE2〜5:三和澱粉工業(株)製)等が挙げられる。
また、本発明では、DE5以下のデキストリンとして、分子内に環状構造を有しているデキストリンを使用してもよい。このようなデキストリンとして、具体的には高度分岐環状デキストリン等が挙げられる。
高度分岐環状デキストリンとは、澱粉に1,4−α−グルカンブランチングエンザイム(枝作り酵素)やサイクロデキストリングルカノトランスフェラーゼ等の酵素を作用させて低分子化したものであり、α−1,4−グルコシド結合とα−1,6−グルコシド結合とで形成される内分岐環状構造部分と、その環状構造部分に結合した外分岐構造部分からなるグルカンである。高度分岐環状デキストリンの重量平均分子量は約20万である。高度分岐環状デキストリンは商業的に入手可能であり、例えばクラスターデキストリン(DE5未満;日本食品化工(株)製)が挙げられる。
(アラビアガム)
アラビアガムとは、Acacia senegal Willdenow又はその他同属植物(Leguminosae)の幹及び枝から得られるガム状の分泌物である。アラビアガムは、ガラクトース、アラビノース、ラムノース、グルクロン酸、4−O−メチルグルクロン酸等の糖類と、ヒドロキシプロリン、プロリン、セリン等のアミノ酸を含む約2%のタンパク質で構成される。アラビアガムは商業的に入手可能であり、商業的に入手可能なものとしては、例えば、アラビアガムJ(伊那食品工業(株)製:平均分子量20万〜58万)等が挙げられる。
(大豆水溶性食物繊維)
大豆水溶性食物繊維とは、大豆に由来する水溶性の食物繊維であり、大豆又は大豆処理物(例えば、おから、脱脂大豆等)から抽出、精製することにより得られる。大豆水溶性食物繊維の抽出方法、抽出溶媒等については従来公知の方法から適宜選択すればよい。抽出溶媒としては、食品分野において通常使用される水性溶媒(例えば水等)が挙げられる。また、必要に応じて、大豆又は大豆処理物を酵素処理した後に抽出を行ってもよく、抽出過程で加温(加熱)を行ってもよい。更に、必要に応じて抽出後に、抽出物を従来公知の方法に従って精製、乾燥、殺菌等の処理に供してもよい。また、本発明において使用される大豆水溶性食物繊維は、水難溶性物質が除去されていることが好ましい。このような大豆水溶性食物繊維は商業的に入手可能であり、商業的に入手可能なものとしては、例えば、SM−1200(三栄源エフ・エフ・アイ製)、ソヤファイブS−DN(不二製油(株)製)等が挙げられる。
(プルラン)
プルランとは、Aureobasidum pullulansを培養する際に菌体外に生産される中性単純多糖であり、その構造はα−1,4結合による3個のグルコースで構成されるマルトトリオースがα−1,6結合で繰り返し、鎖状に結合したものである。本発明で使用されるプルランの重量平均分子量については、特に制限されないが、好適な一例として約20万が挙げられる。プルランは商業的に入手可能であり、商業的に入手可能なものとしては、例えば、プルラン((株)林原製)等が挙げられる。
(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)
ヒドロキシプロピルメチルセルロースとは、セルロースにメトキシル基及びヒドロキシプロポキシル基を修飾したセルロース誘導体である。修飾の程度として好ましくは、メトキシル基28〜30%、ヒドロキシプロポキシル基7〜12%が挙げられる。このようなヒドロキシプロピルメチルセルロースは商業的に入手可能であり、商業的に入手可能なものとしては、例えば、メトローズSE−06(平均分子量30万〜35万:信越化学工業(株)製)等が挙げられる。
(低粘性ガラクトキシログルカン)
低粘性ガラクトキシログルカンとは、タマリンド種子の胚乳部分から抽出して得られるタマリンド(シード)ガムを、化学的、物理的又は酵素的処理に供することによりえられる多糖である。低粘性ガラクトキシログルカンを得るために行われる化学的、物理的又は酵素的処理としては、例えば、酸又はアルカリ処理による加水分解;熱処理、高圧ホモジナイズ処理、超音波処理、機械的せん断処理による物理的方法;多糖類分解酵素(例えばβ−1,4−グルカナーゼ等のセルラーゼ活性を有する植物組織崩壊酵素)により酵素処理する方法等が挙げられる。本発明で使用される低粘性ガラクトキシログルカンが呈する粘度としては、特に制限されないが、例えば、低粘性ガラクトキシログルカンの1.5重量%水溶液の状態で、1〜150mPa・s、更に好ましくは1〜100mPa・sが挙げられる。当該粘度は、粘度計TVB−10M(東機産業製)及び同粘度計用ローターM2を用いて、測定温度が25℃、回転数30rpmの測定条件にて測定される値である。低粘性ガラクトキシログルカンは商業的に入手可能であり、商業的に入手可能なものとしては、例えば、グリエイト(大日本住友製薬(株)製)等が挙げられる。
(ゼラチン分解物)
ゼラチン分解物とは、前述のゼラチンが分解された低分子化物であり、前述のゼラチンをタンパク質分解酵素等で処理し、所望の分子量まで低分子化して得られる。本発明で使用されるゼラチン分解物の重量平均分子量としては、特に制限されないが、例えば2000以上、好ましくは4000〜20000、より好ましくは5000〜20000、更に好ましくは2万が挙げられる。ゼラチン分解物は商業的に入手可能であり、商業的に入手可能なものとしては、例えば、発酵コラーゲンペプチドLCP微粉(重量平均分子量2000)、コラーゲンペプチド800F(重量平均分子量4000)、コラーゲンペプチドSCP−5000(重量平均分子量5000)、コラーゲンペプチドHBC−P20(重量平均分子量2万)(いずれも新田ゼラチン(株)製)等が挙げられる。
(ガティガム)
ガティガムとは、インドの乾燥した落葉樹林地帯で見られるシクンシ科ガティノキ(Anogeissus latifolia)から得られる不定形で半透明の分泌物であり、l−アラビノース、d−ガラクトース、d−グルクロン酸などを構成糖とする酸性複合多糖類で約3%程度のタンパク質を含有する水溶性ガムである。ガティガムは、商業的に入手可能であり、商業的に入手可能なものとしては、例えば、ガティガムSD(三栄源エフ・エフ・アイ(株)製)等が挙げられる。
(ホエータンパク質)
ホエータンパク質とは、乳清タンパク質とも呼ばれる乳由来のタンパク質である。ホエーは、乳から乳脂肪分やカゼイン等のタンパク質を除いた水溶液であり、チーズを作る際に固形物と分離された副産物として得られる。ホエータンパク質は、ホエーを限外濾過、逆浸透法、クロマトグラフィー、透析等で処理して得られ、主にα−ラクトアルブミンとβ−ラクトグロブリンにより構成されている。原料の乳の種類は限定されないが、通常牛乳が用いられる。入手や取扱いが容易であることから、本発明では、ホエータンパク質としてホエータンパク質濃縮物(WPC:Whey Protein Concentrate)、ホエータンパク質分離物(WPI:Whey Protein Isolate)等を用いてもよい。ホエータンパク質は商業的に入手可能であり、商業的に入手可能なものとしては、例えば、エンラクトSAT(日本新薬(株)製)、ミルプロM(三栄源エフ・エフ・アイ(株)製)等が挙げられる。
(カゼイン及びその塩)
カゼインとは、乳タンパク質の主体をなすリンタンパク質であり、乳に酸を加えてpH4.6にすることによって、沈殿物として得られる。また、本発明において、カゼイン塩とは、前記カゼインの塩の形態である。カゼイン塩としては、食品への添加が許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、カゼインナトリウム、カゼインカリウム、カゼインカルシウム、カゼインマグネシウム等が挙げられる。これらのカゼイン塩の中でも、好ましくは、カゼインナトリウムが挙げられる。カゼインナトリウムは、例えば、乳原料に酸を加えて沈殿して得られたカゼインを水酸化ナトリウム、もしくは炭酸水素ナトリウムと反応させる等して製造されたもの等を用いることができる。カゼイン又はカゼイン塩は商業的に入手可能であり、商業的に入手可能なものとしては、例えば、カゼインNa EMLV(日本新薬(株)製)等が挙げられる。
(粘度調整剤の好適な例)
前述する粘度調整剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前述する粘度調整剤の中でも、大麦粉末に由来する粘度の上昇をより一層効果的に抑制させるという観点からは、好ましくは、ゼラチン、DE5以下のデキストリン、アラビアガム、大豆水溶性食物繊維、プルラン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びガティガム;更に好ましくは、ゼラチン、DE5以下のデキストリン、アラビアガム、大豆水溶性食物繊維、プルラン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びガティガム、特に好ましくはゼラチンが挙げられる。
本発明において、2種以上の粘度調整剤を組み合わせて使用する場合、粘度調整剤の組み合わせとして、大麦末に起因する粘度上昇の抑制をより一層効果的に抑制させるという観点から、好ましくは、ゼラチンと、大豆水溶性食物繊維、プルラン、DE5以下のデキストリン、又はヒドロキシプロピルメチルセルロースとの組み合わせ;大豆水溶性食物繊維と、プルラン、又はヒドロキシプロピルメチルセルロースとの組み合わせが挙げられ;更に好ましくは、ゼラチンとDE5未満のデキストリン(特に好ましくはDE4以下のデキストリン)との組み合わせ、ゼラチンと大豆水溶性食物繊維との組み合わせ;大豆水溶性食物繊維とヒドロキシプロピルメチルセルロースとの組み合わせ、特に好ましくはゼラチンとDE5未満のデキストリン(特に好ましくはDE4以下のデキストリン)との組み合わせが挙げられる。
更に、前述する粘度調整剤の中でも、ゼラチン、DE5以下のデキストリン及びアラビアガムには、大麦粉末に起因する粘度上昇の抑制効果に加えて、大麦粉末に起因する不快なぬめり感も抑制して、大麦粉末を含む食品の食味を改善できるという特筆すべき効果があり、本発明において粘度調整剤として好適に使用される。とりわけ、DE5以下のデキストリン及びゼラチンには、大麦粉末に起因する粘度上昇の抑制効果と、大麦粉末に起因する不快なぬめり感の低減効果が卓越しており、本発明における粘度調整剤として特に好適である。
本発明の食品において、大麦末に起因する粘度上昇の抑制効果と、大麦粉末に起因する不快なぬめり感の抑制効果の双方を効果的に奏させ、より一層良好な流動性と呈味を備えさせるという観点から、好適な粘度調整剤として、ゼラチン、DE5未満のデキストリン(特に好ましくはDE4以下のデキストリン)、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
本発明の食品において、前記粘度調整剤の配合割合は、各粘度調整剤の種類や大麦粉末の配合量に応じて適宜設定され得るが、喫食される際の最終形態における粘度調整剤の含有量として、例えば0.001〜80重量%、好ましくは0.005〜70重量%、更に好ましくは0.01〜60重量%が挙げられる。このような配合割合及び後述する大麦粉末に対する粘度調整剤の配合比率に基づいて、得られる食品が所望の粘度を有するように適宜調整すればよい。
また、本発明の食品を後述する含水濃縮物又は乾燥物の形態で提供する場合であれば、喫食される際の最終形態において、前記粘度調整剤の含有量が前記範囲を充足するように、その濃縮倍率等に応じて前記粘度調整剤の配合量を適宜設定すればよい。具体的には、本発明の食品を乾燥物の形態で提供する場合であれば、乾燥物形態の食品に含まれる前記粘度調整剤の含有量として、例えば、0.01〜99重量%、好ましくは0.1〜80重量%、更に好ましくは1〜50重量%が挙げられる。
また、本発明の食品において、大麦粉末と前記粘度調整剤の配合比率については適宜設定され得るが、例えば、大麦粉末100重量部当たり前記粘度調整剤が、通常1重量部以上、より好ましくは5重量部以上、更に好ましくは9重量部以上が挙げられる。
より具体的には、大麦粉末100重量部に対する各粘度調整剤の配合比率として、以下の範囲が例示される:
ゼラチンを使用する場合:通常1重量部以上、好ましくは5重量部以上、より好ましくは6重量部以上、更に好ましくは9重量部以上、特に好ましくは10重量部以上、より具体的には10〜2000重量部、好ましくは10〜200重量部、更に好ましくは15〜100重量部;
DE5以下のデキストリンを使用する場合:通常1重量部以上、好ましくは10重量部以上、より好ましくは18重量部以上、更に好ましくは20重量部以上、特に好ましくは35重量部以上、より具体的には20〜2000重量部、好ましくは20〜200重量部、更に好ましくは25〜100重量部;DE5以下のデキストリンの中でも、DE4以下のデキストリンを使用する場合であれば、通常1重量部以上、好ましくは20重量部以上、より好ましくは40重量部以上、より具体的には20〜2000重量部、好ましくは20〜200重量部、更に好ましくは25〜100重量部;DE5以下のデキストリンの中でも、高度分岐環状デキストリンを使用する場合であれば、通常1重量部以上、好ましくは10重量部以上、より好ましくは18重量部以上、更に好ましくは20重量部以上、より具体的には20〜2000重量部、好ましくは20〜200重量部、更に好ましくは25〜100重量部;
アラビアガムを使用する場合:通常1重量部以上、好ましくは15重量部以上、更に好ましくは20重量部以上、より具体的には20〜4000重量部、好ましくは20〜400重量部、より好ましくは25〜300重量部、更に好ましくは25〜100重量部;
大豆水溶性食物繊維を使用する場合:通常1重量部以上、好ましくは6重量部以上、より好ましくは10重量部以上、更に好ましくは15重量部以上、特に好ましくは30重量部以上、より具体的には10〜4000重量部、好ましくは10〜400重量部、更に好ましくは15〜250重量部;
プルランを使用する場合:通常1重量部以上、好ましくは10重量部以上、更に好ましくは15重量部以上、より具体的には15〜2000重量部、好ましくは15〜200重量部;
ヒドロキシプロピルメチルセルロースを使用する場合:通常1重量部以上、好ましくは5重量部以上、更に好ましくは15重量部以上、より具体的には15〜2000重量部、好ましくは15〜200重量部;
低粘性ガラクトキシログルカンを使用する場合:通常1〜700重量部、好ましくは1〜70重量部、より好ましくは8〜50重量部、更に好ましくは15〜35重量部;
ゼラチン分解物を使用する場合:通常1重量部以上、好ましくは25重量部以上、更に好ましくは40重量部以上、より具体的には40〜4000重量部、好ましくは40〜400重量部;
ガティガムを使用する場合:通常1重量部以上、好ましくは15重量部以上、更に好ましくは20重量部以上、より具体的には20〜4000重量部、好ましくは20〜400重量部;
ホエータンパク質を使用する場合:通常1重量部以上、好ましくは45重量部以上、更に好ましくは80重量部以上、より具体的には80〜4000重量部、好ましくは80〜400重量部;
カゼイン及び又はその塩を使用する場合:通常1重量部以上、好ましくは30重量部以上、更に好ましくは60重量部以上、より具体的には60〜2000重量部、好ましくは60〜200重量部。
また、粘度調整剤としてゼラチンとDE5以下のデキストリンとを組合せて使用する場合であれば、大麦末に起因する粘度上昇の抑制効果と、大麦粉末に起因する不快なぬめり感の抑制効果の双方をより一層効果的に奏させるという観点から、これらの配合比率として、ゼラチン1重量部に対してDE5以下のデキストリンを0.1〜10重量部、好ましくは1〜5重量部、更に好ましくは2〜3重量部が挙げられる。
食品の形態
本発明の食品は、喫食される際の最終形態において、適度な流動性が求められる食品(即ち水を含む食品)であればよい。本発明の食品は、必要に応じて加熱した後にそのまま喫食される形態で提供されてもよく、また含水濃縮物又は乾燥物の形態で提供されてもよい。含水濃縮物又は乾燥物の形態の場合は、用時に、お湯を添加、又は水を添加して加熱することによって、喫食される形態に調製される。
本発明の食品において、喫食される際の最終形態における水含有量については、食品の種類等に応じて適宜設定されるが、例えば20〜99.9重量%、好ましくは40〜99重量%、更に好ましくは60〜95重量%が挙げられる。
本発明の食品は、喫食される際の最終形態としてとしては、水を含むことを限度として特に制限されないが、例えば、液状、ペースト状、ソース状等が挙げられる。また、本発明の食品に使用される粘度調整剤は、特に、加熱により発現される大麦粉末による粘度上昇作用を効果的に抑制し得ることから、本発明の食品の好適な一態様として、最終形態に調製される過程で加熱される食品が挙げられる。ここで、加熱とは、35℃以上、好ましくは40℃以上、更に好ましくは60℃以上に加熱されることを指す。また、本発明においては、例えば、水に大麦粉末及び粘度調整剤を溶解又は分散させて前記温度以上に加熱する場合、及び大麦粉末及び粘度調整剤を含む本発明の食品に湯(例えば80℃以上)を添加する場合のいずれもが包含される。
本発明の食品をそのまま喫食可能な形態で提供する場合、その食品形態としては、水を含むことを限度として特に制限されないが、例えば、コンソメスープ、ポタージュスープ、クリームスープ、中華スープ、味噌汁等の液状食品;穀物飲料、コーヒー、お茶等の飲料;グラタン、マヨネーズ、クリーム(例えば、ウェハース、クッキー、ケーキ等に挟む菓子用クリーム)等のペースト状食品;シチュー、カレー、ハヤシ、ハッシュドビーフ、漬汁、ドレッシング、ケチャップ、たれ、パスタソース、つゆ、シロップ等のソース状食品等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは液状食品又はペースト状食品、更に好ましくは液状食品が挙げられる。
また、本発明の食品を含水濃縮物形態で提供する場合、前述するは液状食品又はペースト状食品において、水含有量を減じることにより所望の濃縮倍率となるように設定していればよい。含水濃縮物形態の食品として、具体的には、液状、ペースト状、ソース状等の形態が挙げられる。
また、本発明の食品を乾燥物形態で提供する場合、前述する液状食品又はペースト状食品において、水以外の含有成分を含んでいればよい。その食品形態としては、例えば、粉末状、顆粒状、任意の形状の塊状等であればよい。乾燥物形態の食品として、具体的には、カレー、シチュー、ハヤシ、ハッシュドビーフ等の固形ルウ;即席タイプのスープ;ソース;即席タイプの穀物飲料等の食品が例示される。
本発明の食品の中でも、乾燥物形態の食品、とりわけ乾燥物形態のスープ(即席スープ)は、お湯又は水を添加して大麦粉末を分散させる際に、簡易に撹拌できることが必要とされ、大麦粉末に起因する粘度上昇抑制が強く求められる形態である。このような乾燥物形態の食品に求められる特質を鑑みれば、本発明の食品の形態として、好ましくは乾燥物形態、更に好ましくは乾燥物形態の即席タイプのスープ、特に好ましくは顆粒状の即席スープが挙げられる。
また、本発明の食品は、大麦粉末を水と共に加熱することで発現する粘度上昇に対して、効果的に粘度上昇抑制作用を奏することから、本発明の食品の好適な一例として、加熱処理に供される食品が挙げられる。より具体的には、50〜150℃で数十秒〜数十分間加熱処理される食品、例えば、レトルト殺菌に供されるレトルト食品が挙げられる。
本発明の食品が喫食される際の最終形態において呈する粘度については、食品の種類に応じて異なり、一律に規定することはできないが、例えば、測定温度40℃において500000mPas以下、好ましくは1〜100000mPasが挙げられる。より具体的には、本発明の食品が液状である場合には、1〜1000mPas、より好ましくは1〜800mPas、更に好ましくは1〜500mPas;ペースト状である場合には、1000〜500000mPas、好ましくは5000〜100000mPas;ソース状である場合には、1〜500000mPas、好ましくは1〜100000mPasが挙げられる。食品の粘度を前記範囲に保持することにより、流動性を有する食品として喫食した際の好ましい食感や食味を実現することができる。
本明細書において、粘度は、粘度計TVB−10M(東機産業製)、及び同粘度計用ローターM2、M3、又はM4を使用し、検体品温40℃にて30rpmで30秒測定して得られる値を指す。なお、粘度計用ローターについては、粘度が0〜1000mPasの場合はローターM2、粘度が1000〜4000mPasの場合はローターM3、粘度が4000〜2000000mPasの場合はローターM4を使用する。
製造方法
本発明の食品は、前記大麦粉末と粘度調整剤を、他の食品素材や食品添加剤等と共に混合し、必要に応じて種々の調理処理に供することにより製造される。
本発明の食品を含水濃縮物として調製する場合、その調製方法については、特に限定されず、従来公知の方法から適宜選択でき、例えば、喫食時の水含有量よりも少量の水を原料に混合する方法、原料と水を混合した後に、減圧濃縮、加熱濃縮等により所定の倍率まで濃縮する方法等が挙げられる。
本発明の食品を粉末状として調製する場合、その加工方法は特に限定されず従来公知の方法から適宜選択すればよいが、例えば、原料と水を混合した後に、必要に応じてデキストリン、還元水飴等のバインダーを添加し、スプレードライ法、フリーズドライ法、CVD(連続真空乾燥装置)等により乾燥粉末化して調製することができる。また、本発明の食品を顆粒状として調製する場合、例えば、粉末化した各原料を混合し顆粒化すればよい。顆粒化の方法は特に限定されず、噴霧造粒、流動層造粒、攪拌造粒等の従来公知の造粒方法から適宜選択して行うことができる。
2.食品原料
また、本発明は、大麦粉末及び前述の粘度調製剤を含む食品原料を提供する。本発明の食品原料は、大麦粉末が配合される食品の原料として使用され、製造過程又は最終製品の少なくとも一方において粘度上昇の抑制が求められる食品の製造に使用される。即ち、本発明の食品原料が使用される食品は、製造過程で粘度上昇の抑制が求められ、最終製品は固形(即ち流動性を有していない形態)であってもよい。本発明の食品原料によれば、前記所定の粘度調整剤を併用することによって、特に、加熱された際に顕著に発現される大麦粉末の粘度上昇を抑制することができる。従って、本発明の食品原料が使用される食品の好適な態様として、最終的に加熱されて消費者に提供される加熱用食品原料が例示される。
本発明においては、食品原料の形状については、特に制限されないが、好ましくは液状又はペースト状が挙げられる。従来技術では、大麦粉末を材料に含む食品原料は、製造過程で粘度が上昇して材料が均一に混合できない、製造設備に対する適性が損なわれる(例えば、粘度が高すぎるため撹拌翼が回転せず混合できない、流動性に乏しいため型に流し込めない、充填装置に詰まりが生じる)等の問題を生じることがあった。しかしながら、本発明の食品原料に使用することによって適度な流動性を付与することができ、このような問題を解消することができる。本発明の食品原料として、具体的には、レトルト包装されて提供されるソース(例えばカレーソースやパスタソース)、スープ、どんぶりの素、合わせ調味料(例えば麻婆豆腐の素)等、加熱されて流動性を有する状態で喫食される形態の食品原料が挙げられる。また、本発明の食品原料の他の例として、シュークリームの皮等の洋菓子、せんべい、あられ、おかき、ういろう等の生地;羊羹、ゼリー、グミ等の寒天やゲル化剤で固めるゼリー状食品の原液等、製造過程で加熱を要する食品原料が例示される。
本発明の食品原料において、大麦粉末及び前述の粘度調整剤の配合比率については、前記「1.食品」の欄の記載の通りである。また、本発明の食品原料の食品(最終製品)への添加量は、食品(最終製品)に必要とされる大麦粉末の配合量に応じて適宜設定すればよい。
3.粘度調整剤
前述するように、ゼラチン、DE5以下のデキストリン、アラビアガム、大豆水溶性食物繊維、プルラン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、低粘性ガラクトキシログルカン、ゼラチン分解物、ガティガム、ホエータンパク質、カゼイン及びカゼイン塩からなる群より選択される少なくとも1種は、大麦粉末に起因する粘度上昇を効果的に抑制することができる。従って、本発明は、更に、ゼラチン、DE5以下のデキストリン、大豆水溶性食物繊維、プルラン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アラビアガム、低粘性ガラクトキシログルカン、ゼラチン分解物、ガティガム、ホエータンパク質、カゼイン及びカゼイン塩からなる群より選択される少なくとも1種を含む、大麦粉末による粘度上昇を抑制するために使用される粘度調整剤を提供する。
本発明の粘度調整剤の使用態様、好ましいもの等は、前記「1.食品」の欄の記載の通りである。
4.ぬめり抑制用食品添加剤
前述するように、ゼラチン、DE5以下のデキストリン及びアラビアガムからなる群より選択される少なくとも1種には、大麦粉末を含む食品の喫食時のぬめりを抑制し、食味を良好にすることができる。従って、本発明は、更に、大麦粉末に起因する喫食時のぬめりを抑制するための食品添加剤であって、DE5以下のデキストリン、ゼラチン及びアラビアからなる群より選択される少なくとも1種を含む、ぬめり抑制用食品添加剤を提供する。
本発明のぬめり抑制用食品添加剤の使用態様、好ましいもの等は、前記「1.食品」の欄の記載の通りである。
以下、実施例等を示して本発明についてより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
大麦粉末の調製
CDC種大麦を50%搗精して12時間水に浸漬した後、30分蒸し、熱風乾燥(120℃、20分間)することによりα化処理を行った。α化された大麦の種子を粉砕し、得られた大麦粉末を60メッシュパス(JIS Z8801に規定される標準篩(目開き250μm)を使用)により粒子径を調整した(平均粒子径:81.6μm)。ここで、平均粒子径は、平均粒子径はLMS−2000e((株)セイシン製)を用いて測定されるd(0.5)の値である。このように調製されたα化大麦粉末を以下の評価に使用した。
粘度の測定方法
以下の試験例において、粘度の測定は次のように行った。
粘度計TVB−10M(東機産業製)、及び同粘度計用ローターM2、M3、M4を使用し、検体品温を40℃として、30rpmで30秒測定した。なお、粘度が0〜1000mPasの場合はローターM2、粘度が1000〜4000mPasの場合はローターM3、粘度が4000〜2000000mPasの場合はローターM4を使用した。但し、試験例6については官能評価を併せて行うため、検体品温を60℃としてより飲食に適した温度で試験を行った。
試験例1.粘度調整剤の種類による粘度上昇の抑制効果
α化大麦粉末(2g)及びデキストリン(1g:(株)ニッシ製NSD500(DE10〜13))に下表1に示される粘度調整剤(粉末)を添加し、85〜95℃の湯(50g)に溶解した。溶解は、約5分間スターラーで撹拌することにより行った。得られた溶解液の粘度を、測定した。粘度の測定は上記『粘度の測定方法』の欄に記載に従って行った。コントロールとして、大麦粉末及びデキストリン(DE10〜13)の溶解液(即ち、粘度調整剤無添加)を使用した。コントロールの粘度域は、1581〜1711mPasであった。なお、デキストリンは、正確に粘度を測定するため、粘度調整剤の湯に対する分散性を高め、ダマが生じるのを防ぐ目的で添加した。結果を表1及び図1に示す。表1〜3において、添加割合を示す数値は、大麦粉末に対する粘度調整剤の配合割合(大麦粉100重量部に対する粘度調整剤の割合(単位:重量部))を表す。
図1及び表1〜3に示されるように、ゼラチン、DE5以下のデキストリン、アラビアガム大豆水溶性食物繊維、プルラン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ガティガム、低粘性ガラクトキシログルカン、ゼラチン分解物、ホエータンパク質、カゼインナトリウムは、大麦粉末に由来する粘度上昇に対して優れた抑制効果を示した。これらの中でもゼラチン、DE5以下のデキストリン、アラビアガム、大豆水溶性食物繊維、プルラン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ガティガムは大麦粉末に由来する粘度上昇に対しより優れた抑制効果を示し、特にゼラチン、DE5以下のデキストリン、アラビアガム、大豆水溶性食物繊維、プルラン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ガティガムは、更に顕著な抑制効果を示した。
試験例2.粘度調整剤を組み合わせて使用した場合の粘度上昇の抑制効果
α化大麦粉末(4.5g:平均粒子径81.6μm)と下表4に示される各粘度調整剤(総量0.75g又は1.5g)を混合し、85〜95℃の湯75gにスターラーで撹拌しながら溶解させた。なお、粘度調整剤を2種以上併用する場合の各粘度調整剤の配合量は等分となるように調製した。粘度の測定は、上記『粘度の測定方法』の欄に記載に従って行った。結果を表4に示す。
表4より、大豆水溶性食物繊維、プルラン、高度分岐環状デキストリン(DE5未満)又はヒロドキシプロピルメチルセルロースのいずれにおいても、これらの各粘度調整剤を単独で使用した場合に比べ、ゼラチンと併用することにより、大麦粉末に由来する粘度上昇の抑制効果がより一層顕著に発揮されることが示された。特に、高度分岐環状デキストリンとゼラチンを併用した場合には、高度分岐環状デキストリンを単独で使用した場合に比べて、粘度が1/3程度になり、さらに粘度上昇の抑制効果に優れることが示された。また、大豆水溶性食物繊維と、プルラン、高度分岐環状デキストリン又はヒドロキシプロピルメチルセルロースを併用した場合にも粘度上昇が効果的に抑制された。
試験例3.大麦粉末の配合割合による粘度上昇の抑制効果
全重量に対して2.5〜23重量%のα化大麦粉末(平均粒子径81.6μm)と、当該α化大麦粉末の添加量の0.5倍の粘度調整剤(大豆水溶性食物繊維、ゼラチン、プルラン、又は高度分岐環状デキストリン(DE5未満))を混合し、全量が100gとなるように湯(85〜95℃の)を添加した。これをスターラーで撹拌しながら、粉末材料を溶解させた。粘度の測定は上記『粘度の測定方法』の欄に記載に従って行った。結果を表5〜8に示す。なお、表中「測定不能」とは、大麦粉末の量が多すぎるために均一に分散させることができず、ダマが生じてしまって粘度の測定ができない状態であったことを示す。
表5〜8より、大麦粉添加量2.5〜23重量%の範囲において大麦粉粉末の含有量にかかわらず、大麦粉末に対して各粘度調整剤を0.5倍量添加することによって大麦粉末に由来する粘度上昇が顕著に抑制されることが示された。また、大麦粉末を23重量%含有すると均一に分散させることができない場合であっても、大豆水溶性食物繊維又はゼラチンを添加することにより粘度上昇が抑制されて流動性が付与されることが示された。
試験例4.各粘度調整剤の添加量による粘度上昇の抑制効果
α化大麦粉末(平均粒子径81.6μm)(5g)と、大麦粉末100重量部(5g)に対して0.6重量部(0.03g)〜200重量部(10g)の量の大豆水溶性食物繊維(商品名:ソヤファイブ(不二製油(株)製))、ゼラチン(商品名:GBL−250微粉(新田ゼラチン(株)製))又はプルラン(林原(株)製)を混合し、スターラーで撹拌しながら85〜95℃のお湯(75g)に溶解させた。得られた混合溶液の粘度は、上記『粘度の測定方法』に記載される方法に従って行った。また、コントロールとして大麦粉末(5g)のみの溶解液の粘度を測定したところ、40℃で11937mPasであった。結果を下表9〜11及び図2に示す。
表9及び図2(a)に示されるように、大麦粉末100重量部に対して大豆水溶性食物繊維を6.5重量部添加した場合の溶解液の粘度(5783mPas)の低下は、大豆水溶性食物繊維無添加の場合の粘度(11937mPas)の1/2程度に留まった。一方、大豆水溶性食物繊維を大麦粉末に対して32.3重量部を添加した場合、溶解液の粘度(871mPas)を、大豆水溶性食物繊維無添加の場合の粘度の約1/10まで低下させることができ、更に大豆水溶性食物繊維を100重量部添加した場合には1/100程度まで粘度が低下した。大豆水溶性食物繊維を200重量部添加した場合には、100重量部添加した時に比べ、わずかに粘度が上昇したが、大豆水溶性食物繊維を添加しなかった場合に比べると明らかな粘度上昇の抑制効果が示された。
一方、表10及び図2(b)に示されるように、大麦粉末100重量部に対してゼラチンを9.7重量部添加した場合の粘度(2693mPas)は、ゼラチン無添加の場合の粘度(11937mPas)の約1/5程度に低下し、ゼラチンを45.2重量部を添加した場合に粘度(334mPas)は約1/50、ゼラチンを100重量部添加した場合に粘度(144Pas)は約1/100まで低下した。ゼラチンを200重量部添加した場合には、100重量部添加した時に比べ、わずかに粘度が上昇したが、ゼラチンを添加しなかった場合に比べると明らかな粘度上昇の抑制効果が示された。
更に、表11に示されるように、大麦粉末100重量部に対してプルランを20重量部添加した場合の粘度(1847mPas)は、プルラン無添加の場合の粘度(11937mPas)の約1/6程度に低下し、プルランを100重量部添加した場合に粘度(507mPas)は約1/24程度まで低下した。プルランを200重量部添加した場合には、粉末成分の増加に伴って粘度の上昇傾向が見られたが、プルラン無添加の場合と比べて明らかな粘度上昇の抑制効果が認められた。
試験例5.ゼラチン又はゼラチン分解物による粘度上昇の抑制効果
(5-1)ゼラチンによる粘度上昇の抑制効果
α化大麦粉末(4.5g:平均粒子径81.6μm)と、下表12に示される重量平均分子量の異なるゼラチンを粘度調整剤(1.5g)として混合し、85〜95℃の湯75gにスターラーで撹拌しながら溶解させて、溶解液の粘度を測定した。粘度の測定は上記『粘度の測定方法』の欄に記載の通りである。ここで、重量平均分子量は、GPC分析により算出される値である。また、ゼリー強度は、JIS K6503−1996に定められる方法に従って測定される値である。即ち、6.67%ゼラチン溶液を、10℃で17時間冷却して調製したゼリーの表面を、2分の1インチ(12.7mm)径のプランジャーで4mm押し下げるのに必要な荷重(g)を、ゼリー強度とした。コントロールとして大麦粉末のみを溶解させた溶解液の粘度を測定したところ、8570mPasであった。結果を下表12に示す。
表12に示されるように、重量平均分子量が5万〜20万のゼラチンを添加した場合、コントロール(粘度:8570mPas)に比べて溶液の粘度が約4/100〜15/100まで低下された。また、豚皮由来のゼラチンよりも魚鱗由来のゼラチンの方が粘度上昇の抑制効果が高い傾向にあり、更に豚骨や牛骨由来のものの方が粘度上昇の抑制効果がより一層高い傾向にあった。また、ゼラチンの由来及びゼリー強度と粘度上昇の抑制効果について比較すると、同由来のゼラチンを使用した場合、ゼリー強度が高い方が粘度上昇の抑制効果に優れていることが示された。
(5-2)ゼラチン分解物による粘度上昇の抑制効果
α化大麦粉末(5.0g:平均粒子径81.6μm)と、下表13に示される重量平均分子量の異なるゼラチン分解物を粘度調整剤(5.0g)として混合し、85〜95℃の湯75gにスターラーで撹拌しながら溶解させて、溶解液の粘度を測定した。粘度の測定は上記『粘度の測定方法』の欄に記載の通りである。ここで、重量平均分子量は、GPC分析により算出される値である。粘度の測定結果を表13に併せて示す。
表13に示されるように、ゼラチン分解物を添加することによって大麦粉末に由来する粘度の上昇を抑制することができた。特に重量平均分子量5000以上のゼラチン分解物を添加することにより優れた粘度上昇の抑制作用が示された。更に、重量平均分子量が2万のもの(HBC−P20)ではコントロールに比べて溶液の粘度が約1/100程度まで低下しており、より一層顕著な粘度上昇の抑制効果を示した。
試験例6.大麦粉末に由来するぬめり感の抑制効果
CDC種大麦を180℃で47分間遠赤外線焙煎を行い、粉砕して焙煎大麦粉末を得た。得られた焙煎大麦粉末の粒子径をJIS Z8801に規定される標準篩(目開き250μm)により粒子径を60メッシュパスに調整した。大麦粉末を焙煎することによって評価対象となる溶液の粘度の変動を抑制することができ、大麦粉末と組み合わせて配合される物質によるぬめり感の抑制効果について適切に官能評価を行うことができる。このようにして得られた焙煎大麦粉末20gと、下表15において実施例6-1〜6-4、比較例6-1〜10、及び参考例6-1〜6-4に示す物質(各6g)を混合したものを85℃〜95℃の湯240gを加え均一に攪拌した溶液を調製し、ぬめり感に関する官能評価(パネラー5名)に供した。
本試験例において、ぬめり感に関する相対評価の基準として、前記焙煎大麦粉末(20g)のみを湯に添加して撹拌したものを調製し、これを喫食した際のぬめり感の点数0とした。評価点−1以下の場合を、ぬめり感の抑制効果有りとした。評価基準を下表14に示す。
このように調製された溶液を喫食した後の口内のぬめり感(喫食後の口内のヌルヌル感)の評価を5名のパネラーにより行った。評価は、下表14に示す基準に従って、焙煎大麦粉末のみを含む溶液を基準(0点)とした相対評価を行い、得られた点数の合計から平均値を算出した。結果を表15に示す。また、ぬめり感の官能評価に加えて、上記「粘度の測定方法」の記載に従って、検体品温60℃にて粘度の測定を行った。なお、粘度調整剤の添加量は焙煎大麦粉に起因する粘度の発現に影響のない範囲であった。
表15及び図3に示されるように、高度分岐環状デキストリン(DE5未満)、DE4のデキストリン、アラビアガム又はゼラチン(実施例6-1〜6-4)と大麦粉末を含有する溶液は、喫食した際の口内のぬめり感を顕著に抑制することが示された。また、DE4のデキストリン、ゼラチン、アラビアガムについては、ぬめり感の抑制効果が更に優れていることが示された。一方、比較例6-1〜6-10及び参考例6-1〜6-4の各物質は、いずれも十分なぬめり感の抑制効果を達成することができず、中にはぬめり感をより強く感じさせるものもあった(例えば、デキストリン(DE9)、デキストリン(DE22)、グラニュー糖、プルラン、ガティガム、グアーガム酵素分解物)。また、粘度の測定結果より、実施例6-1〜6-4、比較例6-1〜6-10及び参考例6-1〜6-のいずれにおいても大きな粘度の差はなく、ぬめり感の抑制が、高度分岐環状デキストリン(DE5未満)、DE4のデキストリンアラビアガム及びゼラチンによって発揮されていることが示された。
処方例1:粉末状スープ(即席タイプ)
表16に、粉末状スープ(即席タイプ)の処方例を示す。
上記表16に示される処方の粉末状スープ22.1gを150gの湯(85〜95℃)に溶解させた時の粘度を、上記粘度の測定方法に従って測定したところ200〜700mPasであった。また、喫食した際の口内のぬめり感も抑制されていた。
処方例2:粉末状スープ(即席タイプ)
表17に、粉末状スープ(即席タイプ)の処方例を示す。
上記表17に示される処方の粉末状スープをそれぞれ150gの湯(85〜95℃)に溶解させた時の粘度を上記粘度の測定方法に従って測定したところ200〜700mPasの範囲内であった。また、喫食した際の口内のぬめり感も抑制されていた。
処方例3:粉末カレーソース
表18に、粉末カレーソースの処方例を示す。
上記表18に示される処方の粉末状カレーソース23gを180gの湯(85〜95℃)に溶解させた時の粘度を、上記粘度の測定方法に従って測定したところ500〜2000mPasであった。また、喫食した際の口内のぬめり感も抑制されていた。

Claims (9)

  1. 大麦粉末による粘度上昇を抑制するために使用される粘度上昇抑制剤であって、
    ゼラチン、DE5以下のデキストリン、アラビアガム、大豆水溶性食物繊維、プルラン、メトキシル基28〜30%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、低粘性ガラクトキシログルカン、ゼラチン分解物、ガティガム、カゼイン及びカゼイン塩からなる群より選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする、大麦粉末の粘度上昇抑制剤。
  2. 大麦粉末を含み且つ喫食時における水含有量が40〜99重量%である食品において、大麦粉末による粘度上昇を抑制するために使用される粘度上昇抑制剤であって、
    ホエータンパク質を含む、大麦粉末の粘度上昇抑制剤。
  3. 大麦粉末を含む食品に、ゼラチン、DE5以下のデキストリン、アラビアガム、大豆水溶性食物繊維、プルラン、メトキシル基28〜30%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、低粘性ガラクトキシログルカン、ゼラチン分解物、ガティガム、カゼイン及びカゼイン塩からなる群より選択される少なくとも1種を配合する工程を含む、大麦粉末を含む食品における大麦粉末の粘度上昇抑制方法。
  4. 大麦粉末を含み且つ喫食時における水含有量が40〜99重量%である食品に、ホエータンパク質を配合する工程を含む、大麦粉末を含む食品における大麦粉末の粘度上昇抑制方法。
  5. ゼラチン、DE5以下のデキストリン、アラビアガム、大豆水溶性食物繊維、プルラン、メトキシル基28〜30%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、低粘性ガラクトキシログルカン、ゼラチン分解物、ガティガム、カゼイン及びカゼイン塩からなる群より選択される少なくとも1種の、大麦粉末による粘度上昇を抑制するために使用される大麦粉末の粘度上昇抑制剤の製造のための使用。
  6. ホエータンパク質の、大麦粉末を含み且つ喫食時における水含有量が40〜99重量%である食品における大麦粉末による粘度上昇を抑制するために使用される大麦粉末の粘度上昇抑制剤の製造のための使用。
  7. 大麦粉末に起因する喫食時のぬめりを抑制するために使用されるぬめり抑制剤であって、
    ゼラチン、DE5以下のデキストリン及びアラビアガムからなる群より選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする、大麦粉末のぬめり抑制剤。
  8. 大麦粉末を含む食品に、ゼラチン、DE5以下のデキストリン及びアラビアガムからなる群より選択される少なくとも1種を配合する工程を含む、大麦粉末に起因する喫食時のぬめりを抑制する方法。
  9. ゼラチン、DE5以下のデキストリン及びアラビアガムからなる群より選択される少なくとも1種の、大麦粉末に起因する喫食時のぬめりを抑制するために使用される大麦粉末のぬめり抑制剤の製造のための使用。
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