以下に本発明の好適な実施形態について説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施形態例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々を採ることができ、各実施例に記載された内容を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
図1は、本実施例におけるパチンコ機の遊技盤1の正面図である。図1に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が、第1遊技領域3aと第2遊技領域3bとに分けられており、ほぼ中央部に配置されたセンターケース5の左側が第1遊技領域3a、右側が第2遊技領域3bとなり、第1遊技領域3aは本発明の「所定の発射強度未満で発射された遊技球が流下可能な第1遊技領域」に相当し、第2遊技領域3bは「前記所定の発射強度以上で発射した遊技球が流下可能な第2遊技領域」に相当する。
従って、所定の発射強度以上で発射した遊技球が第2遊技領域3bを流下することになり、所定の発射強度以上で発射され図に示したA部まで到達した遊技球が、第2遊技領域誘導路A1を転動し、第2遊技領域3b(センターケース5の右側)に至り、所定の発射強度未満で発射されAに到達しない遊技球が第1遊技領域3a(センターケース5の左側)を流下することになる。また、この第1遊技領域3a,第2遊技領域3bには多数の遊技釘が植設されている。
センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ5a、演出図柄表示装置6(本発明の表示装置の一つに相当)の画面を臨ませる窓等を備えており、これは、本発明の「表示装置の表示部を視認可能とする窓部を形成し、遊技球を転動させた後に下方の遊技領域に流下させるステージ部を設けたセンターケース」に相当する。
センターケース5のステージ5a下には、第1始動口11(本発明の始動口及び第1始動口に相当)が配置され、第1始動口11の下には排出口16が設けられ、その下に第1種非電動役物からなる第2始動口B13(本発明の入賞装置、始動口及び第2始動口に相当)が配置されている。第1種非電動役物は、規則的には、電動役物以外の役物のうち、大入賞口以外の入賞口の入口を拡大するもので、遊技球が当該入賞口に入賞した場合に作動するものとなり、例えば、本実施例が採用する機械式のチューリップ役物などがそれに相当する。本実施例においては、閉状態(本発明の閉状態に相当)の第2始動口B13に遊技球が入球すると、第2始動口Bは開状態(本発明の開状態に相当)に変化し、開状態で2個の遊技球が入球すると閉状態に変化する。
第1始動口11の右方には大入賞口14が配置され、第1始動口の左方には3個の一般入賞口31,32,33、大入賞口14の右方には1個の一般入賞口34が設けられている。なお、この一般入賞口31から34は、入球率が変化しない普通入賞口である。
ここで、図2を用いて、センターケース5が備えるステージ5aと、入球口5b、ステージ5a下部に配置された第1始動口11、排出口16、第2始動口B13の構成を説明する。図2に示すように、ステージ5aは、上方から見ると遊技者に向かって前側のステージ前方部と後ろ側のステージ後方部からなり、ステージ前方部は、そのほぼ中央に第1始動口11の直上から遊技球を流下(落下)させるための溝部を備えている。これにより、遊技球がステージ5aに誘導されステージ前方部の溝部まで転動すると、第1始動口11の直上部から第1始動口11に向けて遊技球が落下するため、第1始動口11へ入球する確率が他の経路からよりも高くなる。
ステージ後方部は、そのほぼ中央に入球口5b(本発明の入球口に相当)を備えている。この入球口5bに遊技球が入球すると、遊技球は盤面内部の入球口誘導経路として第1始動口11へ入球した遊技球の誘導路とは異なる経路を転動し、第1始動口11の下に設けられた排出口16から再び遊技領域3に排出される。排出口16の直下には第2始動口B13が配置されているため、排出口16から遊技領域3に排出された遊技球は、高確率で第2始動口B13に入球する構成となっている。本実施例では、排出口16の位置を第1始動口11の直下としたが、排出口16はこの位置に限るわけではなく、排出口16から排出された遊技球が自然落下して第2始動口B13に入球が可能な位置にあればよい。
図1の説明に戻り、センターケース5の右の第2遊技領域3bには、普通図柄始動ゲート17(本発明の作動口に相当)が配置され、普通図柄始動ゲート17の下には普通電動役物(本発明の可変入賞装置に相当)からなる第2始動口A12(本発明の第2始動口に相当)が配置され、第2始動口A12の下方には、大入賞口14が配置されている。従って、第1遊技領域誘導路A1は、第2遊技領域3b(第2遊技領域)を流下する全ての遊技球が通過し、第2遊技領域3bには普通図柄始動ゲート17、第2始動口A12、大入賞口14が配置された構成となっている。第2始動口A12はアタッカータイプの普通電動役物からなり、扉が開放(電気的なアクチュエータが作動)しないと遊技球は第2始動口A12に入球できない構成となっている。
なお、第1始動口11は、植設された遊技釘とセンターケース5の成形部により、第2遊技領域3bを流下した遊技球が入球困難(ほぼ不可)な構成となっている。第1始動口11は、ほぼ第1遊技領域3aを流下した遊技球のみが入球可能となるが、第2始動口B13は最下部に配置されているため、第2始動口B13の開状態時には第1遊技領域3aを流下した遊技球も第2遊技領域3bを流下した遊技球もどちらも容易に入賞可能となっている。但し、第2始動口B13が閉状態の場合は、上記した入球口5b(排出口16)以外からは閉状態の入り口に誘導する釘が無いため入球が困難となり、上述した第1始動口11への入球条件と同じ理由で第2遊技領域3bを流下する遊技球は入球口5bにはほぼ入球不可な構成となっている。
第2遊技領域3bの下部には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7、普通図柄保留数表示装置8と、7セグメント表示装置からなる第1特別図柄表示装置9(本発明の表示装置の一つに相当)、第2特別図柄表示装置10(本発明の表示装置の一つに相当)と、複数個のLEDからなる第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19とが配置されている。この位置に配置した各種表示装置の表示内容を遊技者が確実に認識することは困難となり、遊技中の遊技者は演出図柄表示装置6の表示内容に注目して遊技を行う。
上記のように遊技盤1を構成することによって、第1遊技領域3aに遊技球を流下させた場合に限り遊技球が第1始動口11へ入球(第1始動口スイッチ11a(図3参照)が遊技球を検出)し、第1特別図柄表示装置9において第1特別図柄が変動を開始し、所定時間後に停止する。また、ステージ5aが備える入球口5bにも遊技球が第1遊技領域3aを流下した場合に限り入球する構成となる。
第1遊技領域3aを流下した遊技球が、閉状態の第1種非電動役物である第2始動口B13に入球口5bと排出口16を経て入球するか開状態の第2始動口B13に入球(第2特図始動Bスイッチ13a(図3参照)が遊技球を検出)すると、第2特別図柄表示装置10において第2特別図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。但し、この場合第2始動口Bが閉状態か開状態かによって第2特別図柄が変動する時間が異なる(異なる変動パターン選択テーブルを用いる)構成となり、詳細は図を用いて後述する。
第2遊技領域3bに遊技球を流下させると、普通図柄始動ゲート17に遊技球が入球(普通図柄作動スイッチ17a(図3参照)が遊技球を検出)し、普通図柄表示装置7で普通図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普通図柄の態様に応じて、後述する普通電役ソレノイド12b(図3参照)を駆動させる。普通電役ソレノイド12bが駆動すると、ほぼ同期して普通電動役物の扉部材が開放して、第2始動口A12への入球(第2始動口スイッチA12a(図3参照)の検出)が可能となるように構成されている。第2始動口A12である普通電動役物に遊技球が入球(第2特図始動スイッチA12a(図3参照)が遊技球を検出)すると、第2特別図柄表示装置10において第2特別図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。
発射した遊技球が第2遊技領域3bに到達するように発射ハンドルを調整するのは、大入賞口14が開放動作を行う大当り遊技中か、開放延長状態(普通図柄の当否判定が当り時に行われる可変入賞装置(第2始動口A12)の作動時間が、通常状態よりも延長される状態となり、開放延長状態中は、特別図柄の可変表示時間と、普通図柄の可変表示時間とが共に短縮される時短状態にもなる。)中となるため、特別図柄の変動時間(変動パターン)は平均変動時間が短い変動パターン選択テーブルから選択されることになる。
また、本実施例では、第2始動口A12は普通電動役物の扉部材が駆動しなければ遊技球が入球不可能な構成となっているが、入球が困難なだけで入球可能な構成としてもよい。
第1特別図柄(以降、第1特図ともいう)及び第2特別図柄(以降、第2特図ともいう)の変動中は、演出図柄表示装置6において各々の特別図柄の変動に連動した演出態様を表示する。また、第1特別図柄と第2特別図柄は、同時に変動することはなく、第1始動口と第2始動口への入球順に関係なく、第2特別図柄の変動(当否判定)を優先して実施する。具体的には、第1特別図柄の保留記憶がある場合、第2特別図柄の変動が停止し、且つ、第2特別図柄保留記憶が無い状態となって、第1特別図柄保留記憶分の変動を開始する。但し、第1特図と第2特図が同時に変動する構成、第2特別図柄の変動を優先することなく入球順に変動する構成としても本発明の効果は発揮される。
第1特別図柄及び第2特別図柄の確定表示した態様に応じて、後述する大入賞口ソレノイド14b(図3参照)が駆動する。大入賞口ソレノイド14bが駆動すると、ほぼ同期して大入賞口14の扉部材が開放し、大入賞口14への遊技球の入球(カウントスイッチ14a(図3参照)が遊技球を検出)が可能となるように構成されている。
尚、本実施形態におけるパチンコ機は確率変動機として構成されている。具体的に説明すると、本実施形態のパチンコ機による遊技は、大入賞口14を閉鎖した遊技と大入賞口14を開放する大当たり遊技とに大別され、大入賞口14を閉鎖した遊技には、大きく分類して、通常確率状態(以下、通常状態)と、該通常状態に比べて遊技者にとって有利な状態(大当りとなる確率が高く、大当りし易い)となる高確率状態(以下、確率変動状態とも記載)とが存在する。
特別図柄は、確率変動図柄及び非確率変動図柄とからなり、確率変動状態は確率変動図柄での大当たり遊技終了後に移行可能に設定され、通常状態、確率変動状態のうち、いずれの遊技状態でも確率変動図柄で大当りすれば、大当り遊技終了後、確率変動状態に移行する。同様に通常状態は、非確率変動図柄での大当たり遊技終了後に移行可能に設定され、通常状態、確率変動状態のうち、いずれの遊技状態でも非確率変動図柄で大当たりすれば、大当たり遊技終了後、通常状態に移行する。
通常状態に移行後は、規定回数(例えば、100回)だけ特別図柄及び普通図柄の変動時間が短縮され、かつ普通電動役物の開放延長機能が作動する時短状態となる。特別図柄及び普通図柄の変動時間(変動開始から結果が表示されるまでの時間)が短縮されると、一定時間内に変動表示が行なわれる回数が増大される。
具体的には、本実施形態の時短状態では、特別図柄の変動時間の短縮とともに、普通図柄表示装置に表示される普通図柄の時間短縮も行われるが、この普通図柄の変動表示を短縮させることで、一定時間内で多数回普通図柄の確定表示を行う。従って、一定時間内での普通図柄が当りとなる回数が増大し、これにより普通電動役物の作動回数も増大する。また、普通電動役物の開放時間が長くなるように設定されている(開放延長状態)ので、多数の遊技球が入賞し易くなる。このように多数の遊技球が入賞し易くなることにより、特別図柄の変動表示回数が更に増大されるとともに、普通電動役物入賞で得る賞球により、遊技者の持ち玉が減り難くなり、有利な遊技を行うことができる。
尚、確率変動状態でも、時短状態と同様に特別図柄及び普通図柄の変動時間が短縮され、普通電動役物の開放延長機能が作動する。各種図柄の短縮と普通電動役物開放延長機能に関わる設定は時短状態と同一であるが、確率変動状態は時短状態に加えて特別図柄の大当り確率が高くなる(大当りし易い状態)ため、更に遊技者に有利な遊技状態となる。
本実施例のパチンコ遊技機は、第1特別図柄が大当りとなった場合には、大入賞口14が10回の開放動作を行う大当り遊技と15回の開放動作を行う大当り遊技がそれぞれ二分の一の確率で設定されている。また、第2特別図柄が大当りとなった場合には、毎回大入賞口14が15回の開放動作を行う大当り遊技を行う。従って、第2特別図柄の方が大当りとなった場合に獲得できる遊技球の期待値が大きいため、遊技者にとっては第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも有利な特別図柄となる。
図3は、パチンコ機50の電気的構成を示すブロック図となり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するだけのためのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。また、詳細な図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施例では発射制御装置84にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口A12に入球した遊技球を検出する第2始動口Aスイッチ12a、第2始動口B13に入球した遊技球を検出する第2始動口Bスイッチ13a、普通図柄を作動させるゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ14a、第2始動口B13となる第1種非電動役物の開状態を検出する状態検出スイッチ15a(本発明の状態検出手段に相当)、一般入賞口31,32,33,34に入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ31a等の検出信号が入力される。状態検出スイッチ15aは開状態又は閉状態の何れかを検出可能であればよく、例えば、所謂マイクロスイッチを用いてもよいし、フォトセンサを用いてもよい。
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。また主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10及び普通図柄表示装置7の表示、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19、普通図柄保留数表示装置8の点灯を制御する。
更に、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普通電動役物ソレノイド(図3では普電役物ソレノイドと表記)12bを制御することで第2始動口A12となる普通電動役物の扉部材の開閉動作を制御する。主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り(特別遊技ともいう)等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールコンピュータ87に送られる。
主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が行われ、払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を制御して賞球を払い出す。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出スイッチ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
なお、払出制御装置81はガラス枠開放スイッチ35、内枠開放スイッチ36、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してプリペイドカードユニットと交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、CRユニット端子板24は精算表示基板25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン、精算を要求するための返却ボタン、残高表示器が接続されている。
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。なお本実施例では遊技球を機外に払い出す構成であるが、入賞等に応じて発生した賞球に応じた遊技球を払い出さずに遊技機が記憶する封入式の構成としても良い。
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技領域3に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドルからの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止信号が入力される。回動量信号は、遊技者が発射ハンドルを操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドルを触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドルを触っていても遊技球は発射できないようになっている。
サブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカからの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。
また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67の操作を検出する演出ボタンスイッチ67aが接続されており、遊技者が演出ボタン67を操作した際には、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が主制御装置80からの入力及び演出ボタン67の入力に基づいて生成したものとがある)に基づく制御を行い、擬似図柄等の演出画像を演出図柄表示装置6の画面に表示させる。尚、サブ統合制御装置83と主制御装置80とは間に演出中継端子板65を介した主制御装置80からサブ統合制御装置83への一方向通信回路として構成され、サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とはサブ統合制御装置83から演出図柄制御装置82への一方向通信回路として構成されている。
次に、図4を用いて、主制御装置80が実行するメインルーチンを説明する。メインルーチンは、約2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される。本実施形態では、S10〜S75までの1回だけ実行される処理を「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS80の処理を「残余処理」と称する。「本処理」は上記割り込みにより定期的に実行されることになる。
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、ほとんどが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
S10が否定判定、即ち、正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)が為され(S15)、残余処理(S80)に移行する。
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:yes)、初期値乱数更新処理(S20)、大当り決定用乱数更新処理(S25)、大当り図柄決定用乱数1更新処理(S30)、大当り図柄決定用乱数2更新処理(S35)、小当り図柄判定用乱数更新処理(S40)、当り決定用乱数更新処理(S45)、リーチ判定用乱数更新処理(S50)、変動パターン決定用乱数更新処理(S55)、続く入賞確認処理(S60)、当否判定処理(S65)、画像出力処理等の各出力処理(S70)、不正監視処理(S75)を行って、次に割り込み信号が入力されるまでの残余時間内には初期乱数更新処理(S80)をループ処理する。
次に、図5に示したフローチャートを用いて、実施例1において主制御装置80が実行する始動入賞確認処理1を説明する。始動入賞確認処理1は、第1始動口11、第2始動口A12、第2始動口B13に遊技球が入球したとき、又は普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過したときに取得する当否乱数等の種々の乱数を、保留記憶として主制御装置80に格納(記憶)するとともに、記憶した乱数が予め設定された値か否かを後述する当否判定を実施する以前に確認する処理を行い、第1始動口11、第2始動口A12及び第2始動口B13への入球に起因する各種コマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理となる。以後、第1始動口11に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第1保留記憶、第2始動口A12及び第2始動口B13に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第2保留記憶、普通図柄始動ゲート17を遊技球が通過したときに格納される保留記憶を普図保留記憶として説明する。
本実施形態においては、普通図柄保留数表示装置8、第1特図保留数表示装置18、第2特図保留数表示装置19による各々の点灯数の最大個数は4個(最大保留記憶数が4個)となっているが、これに限るわけではなく、例えばそれぞれの最大記憶個数が8個であってもよい。また、それぞれの保留記憶数が0であっても、第1始動口11、第2始動口A12及び第2始動口B13に遊技球が入球したとき、又は普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過したときに取得される当否乱数等の種々の乱数は、最大値未満の記憶数がある場合と同様に主制御装置80に格納される。
始動入賞処理1を開始すると、第1始動口スイッチ11aが遊技球を検出したか否か判定する(S100)。否定判定なら(S100:no)S130に進み、肯定判定なら(S100:yes)、主制御装置80に格納されている第1保留記憶の数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S105)。否定判定なら(S105:no)S130に進み、肯定判定であれば(S105:yes)、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、小当り図柄判定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を第1保留記憶として記憶し第1保留記憶の数を示す第1保留記憶カウンタに1を加算する第1抽出乱数保留記憶処理(S110)を行う。
S110に続いては、記憶した第1保留記憶の先読判定を行う(S115)。具体的には、大当り判定用乱数の値が大当りを生起する値か否かを確認し、大当り値なら大当り図柄の種類を確認する。大当り判定がハズレなら、リーチ決定用乱数がスーパーリーチとなる値か否かを確認する。スーパーリーチでなければ、リーチとなる値か否かを確認し、変動パターン決定用乱数の値から変動時間を確認する。上記判定を行うことによって、記憶した乱数値が、遊技者が大当りの期待が持てる特定の値か否か(はずれでも大当りを期待させる演出が可能な否か)を判定する。
続いて、S115の判定結果から第1先読判定コマンドを生成してサブ統合制御装置83に送信し(S120)、S110で加算した第1保留記憶カウンタの値を示す第1保留数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信する(S125)。
S125の処理、又はS100、S105の否定判定(S100:no、S105:no)に続いては、第2始動口Aスイッチ12aが遊技球を検出したか否か判定する(S130)。否定判定なら(S130:no)、第2始動口Bスイッチ13aが遊技球を検出したか否か判定し(S135)、否定判定なら(S135:no)、S165に進み、S130、又はS135が肯定判定なら(S130:yes、S135:yes)、主制御装置80に格納されている第2保留記憶の数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S140)。否定判定なら(S140:no)S165に進み、肯定判定であれば(S140:yes)、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、小当り図柄判定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を第2保留記憶として記憶し第2保留記憶数を示す第2保留記憶カウンタに1を加算する第2抽出乱数保留記憶処理1(S145)を行い、S115と同様に記憶した第2保留記憶の先読判定を行う(S150)。本実施例の第2抽出乱数保留記憶処理1では、抽出した各種乱数のみを記憶する処理を行う。
続いて、S150の判定結果から第2先読判定コマンドを生成しサブ統合制御装置53に送信し(S155)、S145で加算した第2保留記憶カウンタの値を示す第2保留数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信して(S160)、S165に進む。
S165では、普通図柄作動スイッチ17aが遊技球を検出したか否か判定する(S165)。否定判定なら(S165:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S165:yes)、主制御装置80に格納されている普図保留記憶数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S170)。否定判定なら(S170:no)リターンに抜け、肯定判定であれば(S170:yes)、抽出した当り判定用乱数と当り図柄決定用乱数とを普図保留記憶として記憶し、普図保留記憶数を示す普図保留記憶カウンタに1を加算し(S175)、加算した普図保留記憶カウンタの値を示す普図保留記憶数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S180)、リターンする。
サブ統合制御装置83は第1及び第2保留記憶数指示コマンドを受信すると、受信したコマンドが示す保留記憶数に応じて演出図柄表示装置6上で表示する各保留記憶数を変化させる指示信号を演出図柄制御装置82に送信する。また、本実施例では、演出図柄表示装置6上では普通図柄の保留記憶数表示は行わないが、普図保留記憶数指示コマンドの受信に応じて表示する構成としてもよいし、普図保留記憶数指示コマンド自体を送信しない構成としてもよい。また、普図の先読判定を実施し判定結果をサブ統合制御装置に送信する構成も考えられる。これにより、普通電動役物(第2始動口12)の開放を期待させる先読予告の実施が可能となる。本実施例では、始動入賞確認処理時に当否判定結果を報知する図柄の種類と変動パターンを選択する乱数(大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数)を取得したが、これらの乱数を特図当否判定処理時に取得する構成であってもよい。
次に、図6,7,8に示したフローチャートを用いて、実施例1において主制御装置80が実行する特図当否判定処理1を説明する。この処理は、第1始動口スイッチ11a又は第2始動口Aスイッチ12a及び第2始動口Bスイッチ13aでの遊技球の検出に起因して抽出された乱数値に基づいて特別遊技を実行するか否かを判定(始動口への遊技球の入球に起因する抽選)する処理となり、本発明の「前記抽選の結果に基づいて前記導出表示の変動パターンを選択する変動パターン選択テーブルを前記状態検出手段の検出結果を参照して設定する」構成を含む処理となる。
特図当否判定処理1を開始すると、特図の始動条件が成立しているか否か判定する(S200)。この判定処理では、大当り遊技中でないこと、第1特別図柄及び第2特別図柄が変動中又は確定表示中でないことを確認する。否定判定なら(S200:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S200:yes)、第2保留記憶が有るか否か判定する(S205)。肯定判定なら(S205:yes)、S215に進み、否定判定なら(S205:no)第1保留記憶が有るか否か判定し(S210)、否定判定なら(S210:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S210:yes)、S215に進む。S205とS210の判定順により、優先して第2保留記憶の当否判定を実施する構成となっている。尚、本実施例では、特別図柄が複数(第1特別図柄と第2特別図柄)の構成となっているが、特別図柄を1つとした構成であってもその効果に何ら変わりはない。
S215では、保留記憶のシフト処理を行い(S215)、これにより上記した優先順位を考慮したうえで最も古い保留記憶を当否判定の対象とするとともに、保留記憶数を示す保留記憶カウンタから1を減算する。
S215に続いては、確変フラグの値が0か否か判定する(S220)。確変フラグは、主制御装置80が記憶する値であり、値が「0」のときは、大当り確率が低確率(通常遊技状態)であることを、値が「1」のときは、大当り確率が高確率(高確率遊技状態)であることを主制御装置80が判断する。
S220が肯定判定、即ち通常遊技状態なら(S220:yes)、当否判定の対象とした保留記憶の大当り判定用乱数値と予め設定された低確率用の当否判定テーブル(低確率1/300)とを比較して、判定対象の乱数値が当否判定テーブル内の判定値と一致するか比較する処理を行う(S225)。S220が否定判定、即ち高確率遊技状態なら(S220:no)、当否判定の対象とした保留記憶の大当り判定用乱数値と予め設定された高確率用の当否判定テーブル(高確率1/30)とを比較して、判定対象の乱数値が当否判定テーブル内の判定値と一致するか比較する処理を行う(S230)。
続いてS225、又はS230の比較処理の結果が大当り(判定値と同一)であるか否か判定する(S235)。肯定判定、即ち、大当りなら(S235:yes)、図柄モード設定処理を行う(S240)。図柄モード設定処理では、当否判定の対象とした保留記憶の種類(第1保留記憶又は第2保留記憶)と、判定対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数1に基づいて、大当り遊技の内容と大当り遊技終了後の遊技状態を決定する図柄モードを設定する。続いて、設定した図柄モードの種類と判定対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数2に基づいて大当り図柄選択処理を行う(S245)。これは、図柄モードの設定によって決定した大当りの種類(大当り遊技の内容と大当り遊技終了後の遊技状態)を大当り図柄によって報知するために、図柄モードの種類毎に設定された図柄郡の中から表示する図柄を決定する処理となる。
次にS240で設定した図柄モードに基づいてモードバッファ設定処理を行う(S250)。モードバッファは当否判定時に決定した大当り遊技終了後の遊技状態の内容を、該遊技状態を設定する大当り遊技終了時まで記憶する装置である(大当り遊技中は遊技状態を設定する確変フラグ及び時短フラグをクリアする必要があるため)。モードバッファとしては、具体的な遊技内容(確変機能および開放延長機能(時短機能)の作動とその作動回数)は記憶せず、複数種類の具体的な遊技内容のそれぞれに対応した値を記憶する構成となっている。
次に、S240で設定した図柄モードに基づいて大当り遊技の内容となる大入賞口の開放パターン設定処理を行い(S255)、第1変動パターン選択処理1を行う(S260)。第1変動パターン選択処理1は、第2始動口B13の開閉状態に応じて特別図柄の変動パターンを選択する処理となり、本発明の「抽選の結果に基づいて前記導出表示の変動パターンを選択する変動パターン選択テーブルを前記状態検出手段の検出結果を参照して設定する」の構成に相当する処理を含む。
第1変動パターン選択処理1を図7に示すフローチャートを用いて説明する。本処理を開始すると、時短フラグが0か否か判定する(S300)。時短フラグは主制御装置80が記憶する値であり、値が1なら時短状態及び開放延長状態であることを、値が0なら時短状態及び開放延長状態ではないことを判断する。
S300が否定判定、即ち、時短状態なら(S300:no)、当否判定の対象とした保留記憶のリーチ決定用乱数および変動パターン決定用乱数に基づいて、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10、及び演出図柄表示装置6に表示する図柄の変動時間となる変動パターンを、時短状態用の変動パターン選択テーブルから選択する(S325)。
S300が肯定判定なら(S300:yes)、当否判定の対象とした保留記憶が第2保留記憶か否か判定し(S305)、否定判定、即ち、当否判定の対象が第1保留記憶なら(S305:no)、リーチ決定用乱数および変動パターン決定用乱数に基づいて、第1特別図柄表示装置9、及び演出図柄表示装置6に表示する図柄の変動時間となる変動パターンを、通常遊技状態用の変動パターン選択テーブルから選択する(S325)。
S305が肯定判定なら(S305:yes)、状態検出スイッチ15aが、機械式チューリップ役物である第2始動口B13の開状態を検出しているか否か判定する(S310)。S310が肯定判定、即ち、当該特図当否判定の結果が大当りで、当該処理が非時短状態で行われた場合において、判定対象が第2保留記憶で且つ機械式チューリップ役物である第2始動口B13が開状態であったなら(S310:yes)、変動パターン選択テーブルに機械式チューリップ役物が開状態の場合に用いる大当り時用の開状態用変動パターン選択テーブルを設定し(S315)、設定したテーブルから、当否判定の対象とした第2保留記憶のリーチ決定用乱数および変動パターン決定用乱数に基づいて、第2特別図柄表示装置10、及び演出図柄表示装置6に表示する図柄の変動時間となる変動パターンを選択する(S325)。
S310が否定判定、即ち、当該特図当否判定の結果が大当りで、当該処理が非時短状態で行われた場合において、判定対象が第2保留記憶で且つ機械式チューリップ役物である第2始動口B13が閉状態であったなら (S310:no)、変動パターン選択テーブルに機械式チューリップ役物が閉状態の場合に用いる大当り時用の閉状態用変動パターン選択テーブルを設定し(S320)、設定したテーブルから、当否判定の対象とした第2保留記憶のリーチ決定用乱数および変動パターン決定用乱数に基づいて、第2特別図柄表示装置10、及び演出図柄表示装置6に表示する図柄の変動時間となる変動パターンを選択する(S325)。
図6に戻り、S260に続いては、選択した大当り図柄および変動パターンの情報を、変動指示信号(変動指示コマンド)としてサブ統合制御装置83へ送信する(S265)。この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づいて、演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、大当り図柄および変動パターンの情報に対応する図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に、主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
S235が否定判定、即ちハズレなら(S235:no)、ハズレ図柄選択処理を行い(S270)、第2変動パターン選択処理1を行う(S275)。第2変動パターン選択処理1も、第2始動口B13の開閉状態に応じて特別図柄の変動パターンを選択する処理となり、本発明の「抽選の結果に基づいて前記導出表示の変動パターンを選択する変動パターン選択テーブルを前記状態検出手段の検出結果を参照して設定する」の構成に相当する処理を含む。
第2変動パターン選択処理1を図8に示すフローチャートを用いて説明する。本処理を開始すると、時短フラグが0か否か判定し(S350)、否定判定、即ち、時短状態なら(S350:no)、当否判定の対象とした保留記憶のリーチ決定用乱数および変動パターン決定用乱数に基づいて、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10、及び演出図柄表示装置6に表示する図柄の変動時間となる変動パターンを、時短状態用の変動パターン選択テーブルから選択する(S370)。
S350が肯定判定なら(S350:yes)、当否判定の対象とした保留記憶が第2保留記憶か否か判定し(S353)、否定判定、即ち、当否判定の対象が第1保留記憶なら(S353:no)、リーチ決定用乱数および変動パターン決定用乱数に基づいて、第1特別図柄表示装置9、及び演出図柄表示装置6に表示する図柄の変動時間となる変動パターンを、通常遊技状態用の変動パターン選択テーブルから選択する(S370)。
S353が肯定判定なら(S353:yes)、状態検出スイッチ15aが、機械式チューリップ役物である第2始動口B13の開状態を検出しているか否か判定し(S355)、肯定判定なら(S355:yes)、リーチ決定用乱数がリーチとなる値か否か判定し(S360)、肯定判定、即ち、当該特図当否判定の結果がハズレで、当該処理が非時短状態で行われた場合において、判定対象が第2保留記憶で且つ機械式チューリップ役物である第2始動口B13が開状態でリーチ変動を実施するなら (S360:yes)、変動パターン選択テーブルに機械式チューリップ役物が開状態で且つリーチの場合に用いるハズレ時用リーチ開状態用変動パターン選択テーブルを設定し(S365)、設定したテーブルから、当否判定の対象とした第2保留記憶の変動パターン決定用乱数に基づいて、第2特別図柄表示装置10、及び演出図柄表示装置6に表示する図柄の変動時間となる変動パターンを選択する(S370)。
S360が否定判定、即ち、当該特図当否判定の結果がハズレで、当該処理が非時短状態で行われた場合において、判定対象が第2保留記憶で且つ機械式チューリップ役物である第2始動口B13が開状態で非リーチ変動を実施するなら(S360:no)、第2保留記憶の数を参照し(S375)、変動パターン選択テーブルに機械式チューリップ役物が開状態で且つ非リーチの場合に用いるハズレ時用非リーチ開状態用変動パターン選択テーブルを設定し(S380)、設定したテーブルから、当否判定の対象とした第2保留記憶の変動パターン決定用乱数に基づいて、第2特別図柄表示装置10、及び演出図柄表示装置6に表示する図柄の変動時間となる変動パターンを選択する(S370)。
S380で設定される変動パターン選択テーブルには、保留記憶数が所定数(例えば3個)以上であれば平均変動時間が短い変動パターン選択テーブルが設定され、保留記憶数が所定数未満であれば、平均変動時間が短くない変動パターン選択テーブルが設定される。
S355が否定判定、即ち、機械式チューリップ役物が閉状態なら(S355:no) 、リーチ決定用乱数がリーチとなる値か否か判定し(S385)、肯定判定、即ち、当該特図当否判定の結果がハズレで、当該処理が非時短状態で行われた場合において、判定対象が第2保留記憶で且つ機械式チューリップ役物である第2始動口B13が閉状態でリーチ変動を実施するなら(S385:yes)、変動パターン選択テーブルに機械式チューリップ役物が閉状態で且つリーチの場合に用いるハズレ時用リーチ閉状態用変動パターン選択テーブルを設定し(S390)、設定したテーブルから、当否判定の対象とした第2保留記憶の変動パターン決定用乱数に基づいて、第2特別図柄表示装置10、及び演出図柄表示装置6に表示する図柄の変動時間となる変動パターンを選択する(S370)。
S385が否定判定、即ち、当該特図当否判定の結果がハズレで、当該処理が非時短状態で行われた場合において、判定対象が第2保留記憶で且つ機械式チューリップ役物である第2始動口B13が閉状態で非リーチ変動を実施するなら(S385:no)、第2保留記憶の数を参照し(S395)、変動パターン選択テーブルに機械式チューリップ役物が閉状態で且つ非リーチの場合に用いるハズレ時用非リーチ閉状態用変動パターン選択テーブルを設定し(S396)、設定したテーブルから、当否判定の対象とした第2保留記憶の変動パターン決定用乱数に基づいて、第2特別図柄表示装置10、及び演出図柄表示装置6に表示する図柄の変動時間となる変動パターンを選択する(S370)。
図6に戻り、S275に続いてはS265に進み、ハズレに関する図柄及び変動パターンの情報となる変動指示信号(変動指示コマンド)をサブ統合制御装置53へ送信する(S260)。この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づき演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、ハズレ図柄および変動パターンの情報に対応する図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
以上が特図当否判定処理1の説明となる。本実施例では、当該特図当否判定処理1実施時の第2始動口B13の開閉状態によって、選択する第2特別図柄の変動パターンに差が出る構成となっている。これは、第2特別図柄の変動開始時に第2始動口B13が開状態であるなら、当該第2始動口B13への遊技球の入球が容易であるため、平均変動時間が短い変動パターンテーブルから変動パターンを選択することによって迅速に変動表示を終了させて、開状態の第2始動口B13への入球を無駄なく第2保留記憶として記憶できるようにし、第2始動口B13が閉状態である場合は、第2始動口Bへの入球が開状態よりも困難となるため平均変動時間の長い変動パターン選択テーブルを設定する構成となる。
図9は、第2特別図柄の特図当否判定時において変動パターンを選択する構成を示す図となる。なお、この選択構成が実施されるのは、遊技状態が通常確率及び非開放延長状態の場合となる。具体的な内容は、まず特図当否判定の結果の違いによって選択が分岐する。大当り判定に応じて変動パターンを選択する場合は、リーチ変動を実施することが確定しているため、リーチか否かの判定結果に応じた分岐は行われず、第2始動口B13の開閉状態に応じて設定された変動パターン選択テーブルから変動パターンが選択される。
ハズレ判定に応じて変動パターンを選択する場合は、第2始動口B13の開閉状態、リーチか否か、及び保留記憶数に応じて異なる変動パターン選択テーブルが設定される。第2保留記憶数を参照する場合は、その数が多いほど平均変動時間が短い変動パターン選択テーブルが設定される構成となっている。このように機械式チューリップを用いることによって、始動口への入賞率の変化だけでなく、図柄変動にかかる演出の選択の起因にも利用することが可能となる。従って、遊技球の挙動が直接演出に影響を与えることになることから、演出表示にも遊技球の挙動にも注視することになり、興趣の高い遊技機とすることができる。
次に、実施例2を説明する。実施例1では第2始動口(B)に第1種非電動役物を採用したのに対し、本実施例では、第2始動口(B)として第2種非電動役物を採用している。上述したように、第2種非電動役物は、他の入球口へ入球すると遊技球の自重を用いた内部の機械的な連動によって開放し、所定数の遊技球の入球よって閉鎖する役物となり、本実施例の第2始動口(B)が閉状態の時には直接遊技球が入球することは不可となっている。従って、本実施例の第2始動口は、本発明の「遊技球の入球が困難、又は入球が不可な閉状態において、前記入球口に遊技球が入球すると入球した遊技球の自重により入球が容易な開状態に変化し、該開状態において所定数の遊技球が入球すると前記閉状態に変化する入賞装置」に相当する。
また、実施例1では、特図当否判定処理1において第2保留記憶の当否判定に応じて変動パターンを選択する場合は、当該処理時の第2始動口B13の開閉状態を参照して変動パターン選択テーブルを設定したが、本実施例においては、第2保留記憶の内容として当該第2保留記憶を記憶する時点の第2始動口B113(第2種非電動役物)の開閉状態も記憶し、個々に記憶している開閉状態記憶の内容に応じて変動パターン選択テーブルを設定する構成となっている。この構成も、本発明の「前記抽選の結果に基づいて前記導出表示の変動パターンを選択する変動パターン選択テーブルを前記状態検出手段の検出結果を参照して設定する」に相当する。
以下に、実施例1とは異なる内容を説明する。以下の説明において、特別に説明のない部分については実施例1と共通内容であり重複する説明は割愛する。
図10,11を用いて、実施例2における遊技盤101の構成と、ステージ5aと入球口5b、第2始動口B113の構成を説明する。実施例1の遊技盤1と実施例2の遊技盤101とで異なるのは、実施例1の第1始動口11の下方に配置した第2始動口B13が第1種非電動役物であったのに対して、実施例2では、ほぼ同一の位置に第2種非電動役物である第2始動口B113を配置した点となり、これにより、実施例2においては、遊技領域3に排出口(16)は存在しない構成となっている。第1始動口11の下方に配置した第2始動口B113が第2種非電動役物であること、それに伴って排出口(16)が存在しないこと以外は実施例1の遊技盤1と同一である。
図11は、実施例2においてセンターケース5が備えるステージ5aと、入球口5b、ステージ5a下部に配置された第1始動口11、第2始動口B113の構成を示す図となる。実施例1と異なるのは、第1始動口11の下に入球口5bに入球した遊技球を排出する排出口(16)がなく、第1始動口11の直下が第2始動口B113となっている点となる。
本実施例では、ステージ後方部中央の入球口5b(本発明の入球口に相当)に遊技球が入球すると、遊技球は遊技領域3に戻ることなく遊技盤裏面に誘導され排出されるが、その遊技盤裏面への誘導過程において、第2始動口B113が閉状態ならば入球口5bに入球した遊技球の自重による機械的な作動によって第2始動口B113を開状態に変化させる。第2始動口B113が開状態に変化すると、3個の遊技球の入球によって開状態から閉状態に変化する。当然、閉状態に変化する個数は3個に限るものではない。本実施例では、第2始動口113を第1始動口11、即ち入球口5bの直下としたが、入球口5bに入球した遊技球の自重による機械的な作動で第2始動口B113を開状態に変化させることが可能であれば第2始動口113はこの位置に限るわけではなく、入球口5bに対して左右にずれてもよいし、入球口5bよりも上部に配置されてもよい。
上記した構成により、入球口5bに遊技球が入球すると、該入球に連動して第2始動口B113を開状態に変化させるとともに、該入球に応じた賞球(3個)が払出される(実施例1では入球口5bに入球しても、該入球した遊技球が排出口16から排出されるため、入球口5bに入球しただけでは賞球の払出しは行われない)。また、第2始動口B113を第1始動口11の直下に閉鎖時の入球余地がなく配置したことにより、第2始動口B113が閉状態の時には遊技球が入球不可な構成となっている。
次に、図12を用いて、本実施例において主制御装置80が実行する第2抽出乱数保留記憶処理2を説明する。本処理は、実施例1の図5で説明した始動入賞確認処理1のサブルーチンとなり、実施例1の第2抽出乱数保留記憶処理1(S145)に相当する処理となる。
上述したように、本実施例でも、後述する特図当否判定処理2において第2保留記憶の当否判定結果に応じた変動パターンを選択する場合は、第2始動口B113の開閉状態を参照して変動パターン選択テーブルを設定するが、どの時点の開閉状態を参照するかが実施例1とは異なっている。本処理は、参照用の開閉状態を第2保留記憶の記憶時、即ち、第2始動口B113への遊技球入球時の開閉状態を第2保留記憶の記憶内容の一つとして記憶する構成となっている。
本処理を開始すると、即ち、第2始動口A12又は第2始動口B113への遊技球の入球時に第2保留記憶の保留記憶数が上限数に達しておらず第2保留記憶の実施が可能であれば、状態検出スイッチ15aが、機械式チューリップ役物である第2始動口B113の開状態を検出しているか否か判定する(S400)。肯定判定なら(S400:yes)、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数と、第2始動口B113の開状態情報を第2保留記憶として格納(記憶)し第2保留記憶数を示す第2保留記憶カウンタに1を加算する抽出乱数及び開情報保留記憶処理を行う(S405)。
S400が否定判定なら(S400:no)、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数と、第2始動口B113の閉状態情報を第2保留記憶として記憶し第2保留記憶数を示す第2保留記憶カウンタに1を加算する抽出乱数及び閉情報保留記憶処理を行う(S410)。
以上が実施例2において主制御装置80が実行する第2抽出乱数保留記憶処理2となり、第2保留記憶は、第2始動口B113入球時の当該第2始動口B113の開閉状態の情報も第2保留記憶として特図当否判定の実施(抽選を実施する)まで記憶する。
次に、図13,14,15を用いて実施例2において主制御装置80が実行する特図当否判定処理2を説明する。本実施例の特図当否判定処理2は、その処理構成と内容を実施例1の特図当否判定処理1とほぼ同一とするため、相違する箇所のみ説明する。実施例1と異なるのは、図6のS260として説明した第1変動パターン選択処理1(図7)に対応する、図13,S510の第1変動パターン選択処理2(図14)と、図6のS275として説明した第2変動パターン選択処理1(図8)に対応する図13,S525の第2変動パターン選択処理2(図15)となる。
図14に示す第1変動パターン選択処理2において実施例1の第1変動パターン選択処理1と異なるのは、S310の判定に相当するS555の判定となる。S310では当該処理時の第2始動口B13の開閉状態を判定したのに対し、本実施例2の第1変動パターン選択処理2では、判定対象の第2保留記憶が第2始動口B113開情報を記憶しているか否かを判定する(S555)。
図15に示す第2変動パターン選択処理2において実施例1の第2変動パターン選択処理1と異なるのは、S355の判定に相当するS605の判定となる。S355では、第1変動パターン選択処理1と同様に、当該処理時の第2始動口B13の開閉状態を判定したのに対し、本実施例2の第2変動パターン選択処理2では判定対象の第2保留記憶が第2始動口B113の開情報を記憶しているか否かを判定する(S605)。
上記したS555とS605の判定により、本実施例2では、当該判定時の第2始動口B113の開閉状態ではなく、判定対象の第2保留記憶が発生した時点の第2始動口B113の開閉状態に応じて変動パターン選択テーブルを設定する構成となる。
次に、図16,17を用いて、本実施例において、第2始動口113が開状態の場合に設定される変動パターン選択テーブルを用いて変動パターンが実施される場合に、演出図柄表示装置6上で表示される演出表示例を説明する。
本実施例では、第2始動口B113が開状態に変化すると、閉状態に変化するまでに3個の遊技球が連続して入球することが見込める(3個目の入球時に4個目が重なって入球することにより、開状態が更に3個入球するまで継続する場合もある)。この特性に応じて、サブ統合制御装置83が主制御装置80から第2始動口113が開状態の場合に選択される変動パターンに基づく変動指示コマンドを受信すると、期間限定(変動回数を限定した)の表示演出を選択することが可能となり、本実施例では図に示す表示演出を演出図柄表示装置6で実施する。
図16は、第2保留記憶の開閉情報が開状態の場合に実施される専用演出(開状態時専用演出モード)例となり、本実施例では、図に示す3段階の一連の演出(a→b→c又はd)を「1変動中」に実施する。従って、最低3回の専用演出が実施されるが、主制御装置80から受信する先読判定コマンドの内容に基づいて、複数の変動で一連の物語が進行する構成としてもよい。先読判定コマンドの内容に基づく一連の専用演出は、第2始動口B113の開状態で発生した第2保留記憶を使用するのが好適であり、開状態で入賞すると信頼度の高い演出を実施することができる構成となる。
図17は、第1保留記憶の当否判定結果、及び第2保留記憶が閉状態情報を記憶する場合の当否判定結果報知時に実施される通常の演出モード例となる。通常の演出モードの具体的な表示は、左中右の擬似図柄の変動表示が主となり画面中央に表示され、画面右上にキャラクタ(熊の達吉)を表示する。保留記憶が閉鎖状態の時は、通常演出モードで遊技を進行する。
実施例2では、第2保留記憶に開閉情報を含むことにより、当該第2保留記憶が第2始動口B113がどのような状態の時に保留記憶されたのかが判断可能となり、その結果、遊技者は、第2始動口B113の開放時に入球すると特別な演出が行われることが認識でき、非電動役物の開放や当否判定結果にしての期待度を高めることができる。
以上が実施例の説明となる。実施例2では、入球時の第2始動口B113の開閉状態を参照して変動パターン選択テーブルを設定したが、第2始動口B113が開状態で遊技球が入球すると、3個目の遊技球を入球検出スイッチ(第2始動口Bスイッチ13a)が検出した後に機械的な作動で閉状態に変化させる構成となっている。従って、開状態で入球した場合の第2保留記憶には開情報が保留記憶される。
また、第2保留記憶内の開閉情報を毎回判定する構成としたが、最初に開情報と判定した時点で、閉状態に変化するまでの回数(本実施例の場合は残り2回)をセットし、セットされた回数に限り開状態用の変動パターン選択テーブルを用いて変動パターンを選択する構成としても同様の効果(開放時に入球すると特別な演出をお行い期待度を高めることができる)を発揮する。
また、先読み判定手段を備えることにより、開閉情報と絡めて演出内容を選択していく構成も考えられる。例えば開状態の時は保留記憶が増えやすくなるため、効率を良くするために変動時間を短くすることが考えられる。ただ、変動時間を短くするだけでは演出力を低下させることになるため、そのような場合は先読み判定の内容を参照して、複数の変動を跨いで当否に関する演出を行うことが考えられる。
また、単純に開状態の時の保留は先読み演出を可能とし、閉状態の時の保留は先読み演出を行わないとしたり、あるいはその逆にしたりすることが考えられる。
また、機械式チューリップのため、遊技球の入球がなければ開状態をずっと維持することから、そのまま遊技を終了された場合は、待機状態を示す表示を開状態と閉状態で異ならせる事(入賞装置が開状態の場合に表示する開状態待機表示と、入賞装置が閉状態の場合に表示する閉状態待機表示とを、状態検出手段の検出状況に基づいて実施する、待機状態表示手段を備える)が考えられる。このようにすれば遊技者や遊技店のスタッフは、遊技が行われていない遊技機の開閉状態がすぐわかるようになる。
また、演出表示上に保留記憶を図柄として表示する場合、開状態か閉状態かにより、図柄態様を異ならせることが考えられる。このようにすれば、遊技者はどのような状態で保留されたかを把握しやすくなるとともに、多様な保留図柄を表示することが可能となる。
また、もし、チューリップ役物の閉鎖時に機械的な閉状態への作動の後に遊技球を検出する構成の場合は、保留記憶の開閉状態を参照するのではなく、最初にセットされた残り回数を用いるのが好適である。また、非電動役物はチューリップ役物に限るものではない。