JP6504373B2 - エアバルブ - Google Patents

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本発明は、合成樹脂の射出成型用金型から射出成型後の成型樹脂製品を分離させる際に用いられるエアバルブに関する。
合成樹脂材の射出成型を行う場合、射出成型後の成形器(成型樹脂製品)が金型に抱きついたまま密着していることから、型開閉する一方の型に押出ピンを設け、該ピンにより成形器を押し出し剥離させるとともに、該ピンを備える金型成形面にエア噴出口を設け、該噴出口からエアを成型機の被剥離面に噴出供給する押出方法がとられている(例えば、特許文献1参照)。
上記押出方法を行う装置部品として従来、図10に示す構造のエアバルブが開示されている。このエアバルブは、筒孔を有した円筒型のシリンダチューブ100´内にピストンロッド2´が突出可能に収容され、ピストンロッド2´の収容端に座金5´を介して抜け止め用のボルト9´が螺子止めされてなる(図10)。前記シリンダチューブ100´の筒孔内にはスプリング4´が座金5´と共に組み込まれ、スプリング4´によってピストンロッド2´が下方に常時弾性付勢されている(図10(a))。このエアバルブは金型に埋め込み固定された状態で、ピストンロッド2´上部のヘッド部が成型樹脂製品F´の成型表面側に露出し、周囲の金型7´表面と同一面を構成する。なおピストンロッド2´は、回り止めピン140´によって軸周りの回転が抑制されている。
エアバルブの作動時には、図10(b)に示すように、シリンダチューブ100´の下方から圧搾空気を吹き込んで、ピストンロッド2´を上方に押し出した突出状態とする。この突出状態では、ピストンロッド2´のヘッド部が金型7´の成型面よりも上方へ押し出されて、吹き込まれた圧搾空気が金型の表面側へ噴出される。これにより、成型樹脂製品F´と金型7´との間に遊離空間701´が形成されて、成型樹脂製品F´が金型7´から遊離する。かかる作動の直後、ピストンロッド2´はスプリング4´の弾性復帰力によって図10(a)に示す収容状態に自動復帰する。
公開実用昭和63−3420号公報
しかしながら、図10に記載のエアバルブは、ピストンロッドの下端のねじ込み穴から抜け止め用のボルト9´をねじ込んでなるところ、当該ピストンロッドは、作動の度に座金5´の衝突衝撃を受け(図10b)、また、弾性復帰によりシリンダチューブ100´との衝突衝撃を受ける(図10a)。このため、繰り返しの作動によって抜け止め用のボルト9´のネジゆるみが生じる虞がある。かかるネジゆるみは、バルブの埋め込み状態での確認が困難であるにもかかわらず、ピストンロッドの外れ故障や、作動不良に基づく金型装置の破損といった大型事故の原因になる。すなわち前記エアバルブはネジゆるみによる故障のおそれから頻繁な内部メンテナンスが必要とされ、耐久性に優れるとは言えなかった。
また、従来の他のエアバルブの構造として、図10のボルト9´の代わりに、ピストンロッドの下端にかしめ用の小型のリベットを突出させ、座金5´の下部で当該リベットをかしめ変形させた抜け止め構造が考えられる。しかし、このようなかしめ変形による抜け止め構造は、バルブの繰り返しの作動によって衝突衝撃を受けたリベットのかしめ部が再変形してしまう可能性がある。このかしめ部の再変形も、バルブの埋め込み状態での確認が困難であるため、ピストンロッドの外れ故障や、動作不良に基づく金型装置の破損といった大型事故の原因になる。すなわち、他のエアバルブの構造もまた、かしめ部の再変形による故障のおそれから頻繁な内部メンテナンスが必要とされ、耐久性に優れるとは言えなかった。
そこで本発明は、ネジゆるみや部品の変形による故障がなく耐久性に優れるエアバルブを提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく、本発明では以下の手段を講じている。なお、以下において構成名称又は状態名称の後ろに括弧付きで示す数字列、または数字及びアルファベットの組み合わせ列は、相当する各図面の構成箇所を示した参照用符号である。同参照用符号は実施例の理解のために便宜的に付したものであり、これによって構成ないし状態を限定したり特定したりするものではない。
本発明に係るエアバルブ(100)は、所定の軸孔方向の軸孔(10)、及び、前記軸孔(10)の一端側に連通すると共に拡径した開口部(110)を有するシリンダ(1)と、前記開口部(110)の開口形状に対応したピストンヘッド(21)、及び、前記ピストンヘッド(21)の下部から伸長したピストンロッド(22)を有するピストン(2)と、を具備し、前記ピストンヘッド(21)及び前記ピストンロッド(22)が、それぞれ前記開口部(110)内及び前記軸孔(10)内に収容されて、前記ピストン(2)が、シリンダ(1)の軸孔方向へ往動可能に組み込まれたエアバルブであって、前記シリンダ(1)及び前記ピストンロッド(22)には、前記シリンダ(1)の軸孔(10)内に組み込まれた前記ピストンロッド(22)を前記シリンダ(1)と共に側方へ一軸横断する貫通孔が形成され、また、前記貫通孔(13,23)内に挿入されるノックピン(3)をさらに具備してなり、前記貫通孔(13,23)の少なくとも一部分は前記軸孔(10)の軸孔方向を長孔方向とする長孔断面を有し、前記ピストン(2)が前記シリンダ(1)内を往動したとき、前記ノックピン(3)が貫通孔(13,23)の前記一部分内で前記長孔方向へ相対移動することを特徴とする。
上記の構成によれば、ノックピン(3)が長孔断面内を長孔方向へ相対移動することで、ピストン(2)の往動方向が規制されると共に、ピストン(2)がシリンダ(1)から抜けるのを防止する抜け止めの機能を果たす(例えば図2の(a)(b)、ないし図5の(a)(b)の各状態参照)。また、ノックピン(3)の側方挿入によって閂式の抜け止め構造をなすため、耐久性に優れる(例えば図1のノックピン(3)の挿入方向参照)。特に本発明の上記構成は、前記従来のエアバルブのような、抜け止め用のボルトをねじ込む構造(図10参照)と比較して、繰り返し動作後のネジゆるみ等で事故が発生する可能性を抑制されるといった利点を有する。すなわち上記本発明の構造は正常作動の信頼性があり、頻繁な内部メンテナンスが不要となる。
貫通孔は具体的には、ピストンロッド(22)の下端近傍を横断貫通する内貫通孔(23)と、前記内貫通孔(23)の両端に位置してシリンダ(1)の筒側部を横断貫通する外貫通孔(13)と、から構成され、シリンダ(1)を側方貫通する孔経路で一軸上に配置される(例えば図5の各図面参照)。また、内貫通孔(23)と、外貫通孔(13)のうち少なくともいずれか一方が、ノックピン(3)のピン径(D3)よりも大きい長孔幅(長孔の長手方向の孔幅、例えば図1の外貫通孔(13)の縦方向の孔幅を言う。)の長孔断面を有する。
また、本発明に係るエアバルブ(100)において、前記貫通孔は、ピストンロッド(22)を側方へ横断貫通する内貫通孔(23)と、シリンダ(1)を側方へ横断貫通する外貫通孔(13)とから構成され、
前記内貫通孔(23)はノックピン(3)に周着する孔断面を有してなり、また、前記外貫通孔はノックピン(3)を遊挿する長孔断面を有してなり、
前記ピストン(2)が前記シリンダ(1)内を往動したとき、前記内貫通孔(23)に周着されたノックピン(3)がピストンロッド(22)と共に軸孔方向へ一体的に往動し、これによってノックピン(3)の両端が外貫通孔(13)内を長孔方向へ相対移動することが好ましい。
例えば図1のように、ノックピン(3)がピストンロッド(22)の内貫通孔(23)内に周着されてピストン(2)と一体的に構成することで、エアバルブが比較的簡易な構造となり、より優れた耐久性を得ることができる。また、ピストン(2)と共にノックピン(3)が往動したときに、ノックピン(3)の両端が長孔断面の外貫通孔(13)内を長孔方向へ遊動することで、ノックピン(3)の遊動範囲をピン両端部で確実に規制することができる(例えば図2、図5)。
なお後述の実施例では、ピストンロッド(22)がシリンダ(1)内を突出移動したときに、長孔の長孔幅内を相対移動したノックピン(3)が一方の長孔端に掛止する。このノックピン(3)の掛止によって、ピストンロッド(22)のそれ以上の移動が確実に規制される(図2(b)、図5(b))。
また、本発明に係るエアバルブ(100)においては、前記シリンダ(1)の内部であって、前記ピストンヘッド(21)の下部と前記ノックピン(3)の上側部との間に、前記ピストン(2)を前記軸孔方向下方(他端側)へ弾性付勢する弾性材(4)をさらに具備し、前記ピストン(2)は前記弾性材(4)の弾性付勢によって前記シリンダ(1)内に収容された収容状態となり、
この収容状態において、前記ピストンヘッド(21)が開口部(110)内に嵌着して、前記ピストンヘッド(21)の上端面が前記シリンダ(1)の筒体の上端面(一端側の端面)と同一面を構成することが好ましい。
上記の構成によれば、弾性材(4)によって、シリンダ(1)内に組み込まれた状態のピストン(2)が常時下方向へ弾性付勢され、収容状態(S1)を保持する(例えば、図2(a)、図5(a)の状態)。この収容状態(S1)において、シリンダ(1)の上端面とピストンヘッド(21)の上端面とが、突出部や窪み部を有さない、いわゆる同一面(ツライチ)を構成し、金型面と一様の成型面をなす(例えば図2(a)、図5(a)の上部参照)。なお、これらシリンダ(1)の上端面とピストンヘッド(21)の上端面それぞれに、成型金型の金型面と一様の面処理を施すことで、エアバルブとの接触部分における成型樹脂製品の違和感を抑制することができる。
動作時には、この弾性付勢力よりも大きい力でピストン(2)が加圧されて、弾性付勢方向と逆方向へピストンヘッド(21)が押し出された突出状態(S2)となる(例えば、図2(b)、図5(b)の状態)。合成樹脂のインジェクション成型後には、一組の成形金型の一方を離形させると共に、当該一方の成形金型に予め埋め込まれた一方のエアバルブ(100)を、圧搾空気の吹き込みによって収容状態(S1)から突出状態(S2)に状態遷移させることで、密着している成型後の合成樹脂材(成形製品)が当該一方の金型から遊離する(例えば図7参照)。また、一方の成形金型を離形した後には、残る他方の成形金型に予め埋め込まれた他方のエアバルブ(100)を、圧搾空気の吹き込みによって収容状態(S1)から突出状態(S2)に状態遷移させることで、密着している成型後の成型樹脂製品が当該他方の金型から遊離する(例えば図9参照)。
また、本発明に係るエアバルブ(100)において、前記シリンダ(1)内部であって前記軸孔(10)の上部付近には、前記ピストンロッド(22)を挿通し得る中央孔(112)を有した固定板(11)が固定され、また、前記シリンダ(1)内部であって前記固定板(11)の下方には、前記ピストンロッド(22)を挿通し得る中央孔(50)を有したワッシャ(5)が前記軸孔方向へ移動可能に収容され、前記ピストンロッド(22)が前記固定板(11)の中央孔(112)と前記ワッシャ(5)の中央孔(50)のそれぞれに挿入されて、前記ピストン(2)が前記シリンダ(1)内に組み込まれ、この組み込まれた状態で、前記固定板(11)と前記ワッシャ(5)によって前記弾性材(4)を前記軸孔(10)内に挟設すると共に、前記弾性材(4)によってピストンロッド(2)を軸孔方向下方に弾性付勢してなることが好ましい。
上記の構成によれば、組み込み状態では、固定板(11)及びワッシャ(5)が、それぞれ弾性材(4)の上端及び下端に当接する。このとき、ワッシャ(5)は下方へ常時弾性付勢された状態であり、かつ、ノックピン(3)の上側面に接触した状態となっている(例えば、図2(a)、図5(a)の状態)。なお、実施例の弾性材(4)は軸孔(10)内に収容可能なコイルスプリングからなり、軸孔(10)内において、ピストンロッド(22)の周囲に遊装されると共に軸孔(10)の軸方向に弾性圧縮された状態で、固定板(11)とワッシャ(5)とに挟設されて組み込まれる。
なおさらに言えば、弾性材(4)がワッシャ(5)の上面側に配置されてワッシャ(5)を軸方向下方へ常時弾性付勢し、ワッシャ(5)が前記ノックピン(3)の側上部に接して配置されることが好ましい。この場合、下方へ弾性付勢されたワッシャ(5)の下面がノックピン(3)の上側面に接してノックピン(3)を下方へ押圧付勢した収容状態となり、収容状態においてノックピン(3)は下方へ押圧付勢されたまま、長孔断面内の下方寄りに位置する。
本発明に係るエアバルブ(100)において、前記固定板(11)は開口部(110)の底板を構成するものであり、前記固定板(11)の中央孔(112)の周囲には、固定板(11)を厚さ方向に貫通する一または複数の通気孔(11D)が設けられ、また、前記ワッシャ(5)の中央孔(50)の周囲には、前記ワッシャ(5)を厚さ方向に貫通する一または複数の通気孔(51)が設けられることが好ましい。
上記の構成によれば、組み込まれたワッシャ(5)の複数の通気孔(51)と、シリンダ(1)の複数の通気孔(11D)とによって圧搾空気の流通断面が確保され、シリンダヘッド(21)の周囲から噴出させる圧搾空気の必要流量を確保することができる。特に、弾性材(4)をコイルばねからなるものとした場合は、シリンダ(1)内の圧搾空気が弾性材(4)の部分を流通する際にも圧搾空気の流通断面がより確実に確保される。
なお、後述の実施例では、ワッシャ(5)には、図3(b)に示すように、4つの通気孔(51)が中央孔(50)の周囲に等間隔に設けられると共に、シリンダ(1)の上部開口(110)の底部を構成する固定板(11)には、図4(a)及び図3(a)に示すように、通気孔(51)と同数の4つの通気孔(11D)が、中央孔(112)の周囲に等間隔に設けられる。
またさらに、後述の実施例の4つの通気孔(11D)はそれぞれ、固定板(11)の厚さ方向上下で、互いに大きさ及び孔形状が異なるものとなっている。すなわち4つの通気孔(11D)はそれぞれ、固定板(11)の厚さ方向下半部においては、2つの円弧線が対向してなる略「木の葉」形状の重なり領域(11DA)(図3、図4におけるドット領域)からなり、固定板(11)の厚さ方向上半部においては、前記重なり領域(11DA)を含む真円形状(図3(a)、図4(a))の円形領域からなる。各重なり領域(11DA)と各円形領域とは厚さ方向に連通しており、下半部から上半部へ向かって通気孔(11D)の断面が拡大した拡大断面孔となっている。
通気孔(11D)がこのような拡大断面孔からなることで、シリンダヘッド(21)の周囲から噴出させる圧搾空気の噴出流域を確実に確保することができる。
本発明に係るエアバルブ(100)においては、前記シリンダ(1)の周囲の一部には多角形柱の部分側面からなる嵌合部(14)が形成されることが好ましい。
上記の構成によれば、シリンダ(1)の円柱側面の一部に、多角形柱の部分側面からなる嵌合部(14)を設けることで、シリンダ(1)を予め埋め込むための、成形金型の埋め込み部分(図6〜図9参照)において、曲面嵌合と平面嵌合とを組み合わせた埋め込み構造をなす。具体的には、成形金型の埋め込み部に、シリンダ(1)の円柱形状に対応した埋め込み穴を形成すると共に、その穴側面の一部分に、当該嵌合部(14)の部分側面に対応した嵌合側面を設けることで、シリンダ(1)を不要に回転させることなく埋め込み穴内に埋め込み固定することができる。
なお、本発明に係るエアバルブ(100)において、前記シリンダ(1)は所定の筒外径(D1)及び筒内径(D2)の略円筒体からなり、前記ノックピン(3)のピン長さ(3L)は、前記筒内径(D2)よりも長く且つ筒外径(D1)よりも短く設定されることが好ましい。
上記の構成によれば、ノックピン(3)のピン長さ(3L)は、筒内径(D2)よりも長いため、確実にピストン(2)の往動方向を規制することができる。また、ノックピン(3)のピン長さ(3L)は、筒外径(D1)よりも短いため、ノックピン(3)がシリンダ(1)の外周面(貫通孔端)から突出することがない。このため、ノックピン(3)の貫通孔内の貫通孔方向の位置(図5の左右方向の位置)に関わらず、シリンダ(100)が確実に抜け止め機能を発揮する。また、シリンダ(100)の繰り返し使用によるノックピン(3)の突出事故を防ぎ、エアバルブの使用耐久性を確保することができる。
本発明に係るエアバルブ(100)において、前記ノックピン(3)は交換可能に設けられることが好ましい。
上記の構成によれば、ピストン(2)の往動方向を規制することによる負荷が掛かるノックピンが破損しても交換することができるので、容易に修理することができる。このため、合成樹脂成型用金型のダウンタイムを最小限とすることができる。
本発明によれば、ネジゆるみによる故障がなく耐久性に優れるエアバルブを提供することができるものとなった。
本発明の実施例に係るエアバルブの分解斜視図である。 エアバルブの側面図であり、(a)はピストンヘッドが収容された収容状態(S1)、(b)はピストンヘッドが突出(浮上)した突出状態(S2)を示す図である。 (a)はエアバルブの平面図であり、(b)はエアバルブの底面図である。 (a)はシリンダの平面図であり、(b)はシリンダの底面図である エアバルブが中空ボルトに接続された断面図であり、(a)は図2(a)のA−Aにおけるピストンヘッドが収容された状態の断面図、(b)は図2(b)のA’−A’におけるピストンヘッドが突出(浮上)した状態を示す断面図である。 実施例に係るエアバルブを用いた射出成型後の合成樹脂材の遊離工程を示す図である。 実施例に係るエアバルブを用いた射出成型後の合成樹脂材の遊離工程を示す図である。 実施例に係るエアバルブを用いた射出成型後の合成樹脂材の遊離工程を示す図である。 実施例に係るエアバルブを用いた射出成型後の合成樹脂材の遊離工程を示す図である。 従来のエアバルブの側面図であり、(a)はピストンロッドが収容された収容状態、(b)はピストンロッドが突出(浮上)した突出状態を示す図である。
以下、本発明に係るエアバルブの実施例について図1〜図9を参照して説明する。なお、以下において構成名称又は状態名称の後ろに続けて示す数字列、または数字及びアルファベットの組み合わせ列は、相当する各図面の構成箇所ないしそれらの状態位置を示した参照用符号である。同参照用符号は実施例の理解のために便宜的に付したものであり、これによって構成ないし状態を限定したり特定したりするものではない。
初めに、本発明の実施例に係るエアバルブの構成を図1〜図5を参照して説明する。実施例に係るエアバルブは、金型外部に連通する空気路と連通して、金型内に予め埋め込み設置されるものであり、下端内部から圧搾空気を吹き込むことでエアバルブを作動させ、金型表面に密着している射出成型後の成型樹脂製品の所定箇所を押し出すことによって、金型と合成樹脂材とを遊離させるために使用されるものである。
実施例に係るエアバルブ100は、図1、図2及び図5に示すように、筒体からなるシリンダ1と、このシリンダ1に取り付けられるピストン2とを具備する。シリンダ1は、所定の軸孔方向の軸孔10と、軸孔10の一端側に連通すると共に拡径した開口部110とを有する。また、シリンダ1の軸孔10は、下端側に圧搾空気を供給するための中空ロッドを螺合するための螺合部10Sが設けられており、この螺合部10S上に弾性材14を収容するための空間10Cが設けられている。ピストン2は、シリンダ1の開口部110の開口形状に対応したピストンヘッド21と、このピストンヘッド21の下部から伸長したピストンロッド22とを有する。なお、本実施例では、ピストンヘッド21とピストンロッド22とは同一部材で一体的に形成されている。
また、実施例に係るエアバルブ100は、ピストンヘッド21及びピストンロッド22が、それぞれシリンダ1の開口部110内及び軸孔10内に収容されており、ピストン2が、シリンダ1の軸孔方向へ往動可能に組み込まれている。また、ピストンヘッド21の外周面(側面)は、断面形状が、上部から下部へと向かうに従い外径が狭くなるテーパ部21Tを有しており、ピストン2が収容されるシリンダ1の上部には、外周近傍が上部に突出したリブ11Tが設けられている。そして、ピストン2がシリンダ1に収容される際には、ピストンヘッド21がシリンダ1上部の外周近傍に設けられたテーパ状のリブ11Tにテーパ部11Tが当接するようにして収容される。また、シリンダ1及びピストンロッド22には、シリンダ1の軸孔10内に組み込まれたピストンロッド22をシリンダ1と共に側方へ一軸横断する貫通孔が形成される。この貫通孔は、ピストンロッド22の軸中心を通って側方へ横断貫通する、真円断面の内貫通孔23と、シリンダ1の筒体中心を通って筒側部の2箇所の軸対称位置を横断貫通する、長孔断面の外貫通孔13とから構成される。
前記内貫通孔23の真円断面はノックピン3に周着し、また、前記外貫通孔の長孔断面はノックピン3を遊挿する。
また、実施例に係るエアバルブ100においては、前記貫通孔の少なくとも一部分が、シリンダ1の軸孔10の軸孔方向を長孔方向とする長孔断面を有してなり、さらに、前記貫通孔内に挿入して設置されるノックピン3をさらに具備してなる。このノックピン3はピストンロッド22とシリンダ1とをまとめて貫通するように設置された閂部材からなり、ピストン2のシリンダ1からの脱落を防止する、いわゆる抜け止め機能を果たす(図1、図5参照)。具体的には、ノックピン3の軸方向中央部は貫通孔の一部分である内貫通孔23に密着して挿入され、ピストンロッド22と一体的に構成される。また、ノックピン3の軸方向両端部は貫通孔の他の一部分である外貫通孔13に遊挿され、外貫通孔13の長孔断面内を遊動し、長孔方向に相対移動可能となっている(図2、図5)。なお、ノックピン3の両端はテーパ部3Tが設けられ、ピン端部の過度な応力集中の発生を抑えるものとなっている。
ピストン2の収容状態S1ではノックピン3は貫通孔の一部分である外貫通孔13の長孔断面内の略中央に位置する(図2(a))。このときノックピン3は上側部にワッシャ5の下面5LEが圧接されるのみで、外貫通孔13の長孔上端13UE,長孔下端13LEのいずれにも接していない(図2(a)、図5(a))。これは、ノックピン3のシリンダロッド22への接触挿入位置によるものであり、シリンダ2の収容状態S1ではノックピン3が長孔下端13LEに接触しないように内貫通孔23を配置することで、ノックピンの接触摩耗を防ぐものとしている。
収容状態S1(図2(a)、図5(a))にあるエアバルブ100の軸孔10内下部から上方へ圧搾空気が封入されることで、エアバルブ100は突出状態S2へと状態遷移する(図2(b)、図5(b))。その直後、弾性材4の弾性復帰力によって、再び突出状態S2から収容状態S1へ状態遷移する。収容状態S1から突出状態S2へ状態遷移する際、又は突出状態S2から収容状態S1へ状態遷移する際、前記ピストン(2)が前記シリンダ(1)内を往動し、前記内貫通孔(23)に周着されたノックピン(3)がピストンロッド(22)と共に軸孔方向へ一体的に往動する。これによってノックピン(3)の両端が外貫通孔(13)内を長孔幅方向へ相対移動する(図2、図5)。
ピストン2がシリンダ1内を上方へ突出移動した突出状態S2では、ノックピン3は横軸方向を向いたまま、前記貫通孔の一部分内で長孔方向上方へ相対移動し、一方の長孔端である長孔上端13UEに掛止する(図2、図5)。このときノックピン3は上側部にワッシャ5の下面5LEが圧接されると共に、外貫通孔13の長孔上端13UEと接している。すなわち外貫通孔13の長孔上端13UEとの接触によってそれ以上の上方移動が規制される。
前記収容状態S1と突出状態S2の繰り返し状態遷移によってノックピン3が受ける変動外力は、ピン両端部分の上側部が受ける外貫通孔13の長孔上端13UEへの接触外力のみとなっており、閂状態のまま軸対称位置で外力を均等に受けるため、耐久性に優れるものとなっている。
本実施例のエアバルブ100は全体が閂構造による比較的簡易な組み構造からなるため、設置されていたノックピン3を貫通孔の孔端から押し出すことで、貫通孔からノックピン3を取り外し、バルブの構成を図1に示す各部品へと容易に分解することができる。また、組み立て前ないし分解後には、弾性体4を収容してワッシャ5を上方へ押し上げた状態のまま側方からノックピン3を貫通孔内に挿入することで、容易に組み立てることができる。
これにより、ピストンヘッド2やシリンダ11の上端面に表面加工を施す場合や、弾性疲労が生じた弾性材4などの各部品を交換する場合など、必要に応じて、分解した一部の部品を別部品に組み替えたり、表面加工/分解後に再組立てしたりすることができる。
或いは、エアバルブ100の組み立て状態のまま、別に用意した交換用のノックピン3を貫通孔の孔端から内貫通孔23内に押し込み、設置されていた使用済みのノックピン3を押し出すことで、内貫通孔23からノックピン3を新たなものに容易に交換することができる。
ここで、前記貫通孔は、ピストンロッド22の下端近傍を横断貫通する一つの内貫通孔23と、内貫通孔23の両端に位置してシリンダ1の筒側部のうち互いに軸対称位置にある2箇所を横断貫通する2つの外貫通孔13とから構成され、これらがシリンダ1を側方貫通する孔経路で一軸上に配置されている。また、ピストン2の内貫通孔23と、シリンダ1の外貫通孔13のうちいずれか一方が、ノックピン3のピン径D3よりも大きい長孔幅の長孔断面を有している。
本実施例では、シリンダ1の外貫通孔13がその全孔長に亘って、ノックピン3を遊挿する長孔断面からなり、また、ピストン2の内貫通孔23が全孔長に亘って、ノックピン3の全周に周着する真円孔断面からなる。この場合、ピストン2が最も突出した突出状態S2で、ノックピン3が外貫通孔13の長孔上端13LEに掛止する(図2(b))。
なお他の構造として、ピストン2の内貫通孔23が長孔断面からなり、シリンダ1の外貫通孔13が真円孔断面からなるものとしてもよい(図示せず)。この場合、ピストン2が最も突出した突出状態S2で、ノックピン3が内貫通孔23の長孔下端3LEに掛止するものとなる。
そして、エアバルブ100の作動時には、ノックピン3が長孔断面内を片側の孔端から反対側の孔端まで移動することで、図2及び図5に示すように、ピストン2がシリンダ1に収容された収容状態S1から、ピストン2がシリンダ1から突出した突出状態S1に状態変移する。突出状態S2では、ノックピン3が長孔の片側の孔端に掛止することで、ピストン2の脱落が防止されると共に、それ以上のピストン2の移動が規制される。具体的には、ピストン2の突出量2PLが、シリンダ1の外貫通孔13の長径と、ノックピン3の外径D3との差によって規制される。
実施例に係るエアバルブ100は、シリンダ1の内部で、かつ、ピストンヘッド21の下部とノックピン3の上側部との間に、ピストン2をシリンダ1の他端側(下方)へ弾性付勢する弾性材4をさらに具備している。本実施例の弾性材4は軸孔10内に収容されるコイルスプリングからなり、シリンダロッド22の周りに巻回するように配置収容されることで、圧搾空気の流通のための隙間を有した構造となっている。この他、ピストン2をシリンダ1の他端側(下方)へ弾性付勢できるものであれば他の弾性材であってもよい。そして、ピストン2は弾性材4によってシリンダ1内に収容された収容状態S1を保持し、この収容状態S1において、ピストンヘッド21が開口部110内に嵌着して、ピストンヘッド21の端面がシリンダ1の筒体の一端面と同一面を構成している。
また、実施例に係るエアバルブ100は、シリンダ1内部であって軸孔10の上部付近に、ピストンロッド22を挿通し得る中央孔112を有した固定板11が固定されている。また、シリンダ1内部で固定板11の下方、かつノックピン3の側上部には、ピストンロッド22を挿通し得る中央孔50を有したワッシャ5が、シリンダ1の軸孔10内を移動可能に収容されている。
そして、ピストンロッド22が固定板11の中央孔112とワッシャ5の中央孔50のそれぞれに挿入されて、ピストン2がシリンダ1内に組み込まれ、この組み込まれた状態で、固定板11とワッシャ5によって弾性材4が軸孔10内に挟設されるとともに、ワッシャ5の下面によってノックピン3の上側面が弾性付勢される。
実施例に係るエアバルブ100では、固定板11がシリンダ1の開口部110の底板を構成しており、固定板11の中央孔112の周囲には、固定板11を厚さ方向に貫通する複数の通気孔11Dが設けられている。この通気孔11Dは、図3(a)、図4(a)に示すように、シリンダ1の開口部110と少なくとも一部が、略木の葉形状の重なり領域11DAを有している。また、図3に示すように、ワッシャ5の中央孔50の周囲のワッシャ面には、ワッシャ5を厚さ方向に貫通する、真円形状の複数の通気孔51が設けられている。そして、固定板11の通気孔11Dと、ワッシャ5の通気孔51とは同数であり、平面視の孔断面面積は通気孔51よりも通気孔11Dのほうが大きくなっており、さらに通気孔11Dは固定板11の厚さ方向下部から上部に向けて孔断面が段階的に大きくなるよう面積変化してなる。これにより、下部から吹き込まれた圧搾空気が、ワッシャ5の通気孔51から中央孔10の周部を通って通気孔11Dに連通するまで、相当の流量で流通する。これにより、ピストンヘッド21の周囲から上方への圧搾空気の噴出量を確保することができる。
また、本実施例に係るエアバルブ100は、シリンダ1の下端部の外周面(周囲)の一部に多角形柱の部分側面(中央側面14F及びその両側の隣接側面14FC)からなる嵌合部14が形成されている。この嵌合部14は、シリンダ1の下端部の外周面の一部を切り欠くようにして形成されており、このため、シリンダ1の下端部には底面14Dを有する窪みが形成される。
一方、エアバルブ100を埋め込み固定する下金型71(金型)には、シリンダ1の外形状に合わせた円形の埋め込み穴7Hが形成される。但し、埋め込み穴7Hの底部付近の一側部には、エアバルブ100下部の多角形柱の中央側面14Fに対応した中央嵌合側面7HFが段状突設されている(図3(b))。この中央嵌合側面7HFがエアバルブ100下部の多角形柱の中央側面14Fと面接触して嵌合することで、エアバルブ100が金型(下金型71)内に回転不能に埋め込まれる。
なお、実施例では中央嵌合側面7HFの両側の隣接部には湾曲側面14FSを形成しており、この湾曲側面14FSは埋め込み状態のシリンダ1の隣接側面14FCと接触することなく逃げ空間を形成している(図3(b))。これにより、埋め込み穴7Hの加工を容易なものとし、中央嵌合側面7HFの加工精度を確保することができる。また、本発明のエアバルブ100の、埋め込み穴7H内への埋め込み設置作業や、埋め込み設置後の取り外しの作業が簡易なものとなる。
本実施例に係るエアバルブ100は、図5に示すように、シリンダ1は所定の筒外径D1及び筒内径D2の略円筒体からなり、ノックピン3のピン長さ3Lは、筒内径D2よりも長く且つ筒外径D1よりも短く設定されている。また、本実施例に係るエアバルブ100は、ノックピン3が交換可能に設けられている。
次に、本実施例に係るエアバルブ100を用いた射出成型後の合成樹脂材(製品)の遊離工程について、図6〜図9を参照して説明する。
初めに、本実施例に係るエアバルブ100が装着された射出成型装置の構成について説明する。射出成型装置は、上金型8と下金型7とを具備し、下金型7は、第1下金型71と第2下金型72とを備える。また、上金型8および下金型7(第1下金型71)には、嵌合溝内に本発明の実施例に係るエアバルブ100が中空ボルト6とともに装着されている。
また、上金型8には、中空ボルト6の軸孔60および通気路820に連通する空間部80が設けられ、この空間部80および中空ボルト6の軸孔60を介して、通気路820からの圧搾空気(高圧気体)をエアバルブ100へと供給できるように構成されている。また、下金型7には、中空ボルト6の軸孔60および通気路720に連通する空間部70が設けられ、この空間部70および中空ボルト6の軸孔60を介して、通気路720からの圧搾空気(高圧気体)をエアバルブ100へと供給できるように構成されている。
さらに、上金型8および第1下金型71とは、図示しない駆動機構により、紙面上下方向に駆動可能に構成されている。
次に、射出成型後の合成樹脂材の遊離工程について説明する。
図6は、上金型8と、下金型7との隙間に溶融状態の合成樹脂材を注入し、成型樹脂製品Fを成型した後の断面図である。
次に、合成樹脂材が冷却後、図示しない駆動機構により上金型8の上昇を開始すると共に、通気路820から圧搾空気を送り込み、空間部80および中空ボルト6の軸孔60を介して、圧搾空気(高圧気体)を上金型8に装着されたエアバルブ100へと供給する。
すると、供給された圧搾空気によりエアバルブ100のピストン2が突出量2PLだけ突出し、上金型8に密着している成型樹脂製品Fが上金型8から遊離する。そして、開口部110からピストンヘッド21の周囲に沿って圧搾空気を斜め上方へ放射噴出させながら、上金型8を上昇駆動させることで、図7に示すように、成型樹脂製品Fと上金型8とが遊離した状態となる。なお、エアバルブ100に圧搾空気を供給した後、上金型8の上昇を開始してもよい。
そのまま、上金型8を上昇駆動させて、図8に示すように、成型樹脂製品Fと上金型8とを完全に遊離した状態とさせる。
次に、図示しない駆動機構により第2下金型72の上昇を開始すると共に、通気路720から圧搾空気を送り込み、空間部70および中空ボルト6の軸孔60を介して、圧搾空気(高圧気体)を下金型7に装着されたエアバルブ100へと供給する。
すると、供給された圧搾空気によりエアバルブ100のピストン2が突出量2PLだけ突出し、第1下金型71に密着している成型樹脂製品Fが第1下金型71から遊離する。そして、開口部110からピストンヘッド21の周囲に沿って圧搾空気を斜め上方へ放射噴出させながら、第2下金型72を上昇駆動させることで、図9に示すように、成型樹脂製品Fと第1下金型71とが遊離した状態となる。なお、エアバルブ100に圧搾空気を供給した後、第2下金型72の上昇を開始してもよい。
以上のように、本実施例に係るエアバルブは、ノックピン3が長孔断面内を移動することで、ピストン2の往動方向が規制されると共に、ピストン2がシリンダ1から抜けるのを防止する抜け止めの機能を果たす。また、ノックピン3の側方挿入によって閂式の抜け止め構造をなすため、耐久性に優れる。特に、ねじ込み式の抜け止め構造や、かしめ式の抜け止め構造と比較して、繰り返し使用による影響(ネジゆるみや再変形による事故)が少ない利点を有する。
また、本実施例に係るエアバルブは、ピストンヘッド21とピストンロッド22とは同一部材で一体的に形成されてなる。ピストンヘッド21とピストンロッド22とを同一部材で一体的に形成することで、ピストン2の往動に対して耐久性に優れたものとなり、繰り返し使用による影響(ネジゆるみや再変形等)を抑制することができる。
また、本実施例に係るエアバルブは、弾性材4によって、シリンダ1内に組み込まれた状態のピストン2が常時下方向へ弾性付勢され、収容状態を保持する。動作時には、この弾性付勢力よりも大きい力でピストン2が加圧されて、弾性付勢方向と逆方向へピストンヘッド21が押し出され、突出状態S2となり、金型に密着している加熱成型後の成型樹脂製品Fが遊離する。
また、本実施例に係るエアバルブは、組込み状態では、固定板11及びワッシャ5が、それぞれ弾性材4の上端及び下端に当接する。このとき、ワッシャ5は下方へ常時弾性付勢された状態であり、かつ、ノックピン3の上側面に接触した状態となっている。なお、実施例では、弾性材4は軸孔10内に収容可能な外径で巻回されたコイルスプリングからなり、シリンダロッド22の周囲に遊装され、かつ軸孔10方向に弾性圧縮された状態で固定板11及びワッシャ5に挟設される。このため、圧搾空気の通気路が軸孔方向に沿って形成されることとなる。これによって、軸孔下端から圧入された圧搾空気が通気路の先の通気孔11Dを通じてピストンヘッド21の下面に直接衝撃圧を加えることができる。これにより、エアバルブが確実に作動することとなる。
また、本実施例に係るエアバルブは、シリンダ1の周囲の一部には多角形柱の部分側面からなる嵌合部14を設けることでシリンダ1が回転することなく固定される。
また、本実施例に係るエアバルブは、ノックピン3のピン長さ3Lは、筒内径D2よりも長いため、確実にピストン2の往動方向を規制することができる。また、ノックピン3のピン長さ3Lは、筒外径D1よりも短いため、ノックピン3がシリンダ1の外周面から突出することがない。このため、エアバルブをコンパクトに設計することができる。
また、本実施例に係るエアバルブは、ピストン2の往動方向を規制することによる負荷が掛かるノックピンが破損しても交換することができるので、容易に修理することができる。このため、合成樹脂成型用金型のダウンタイムを最小限とすることができる。
(その他の実施例)
本発明のいくつかの実施例を説明したが、各実施例に示した構成、各種条件に限定されることはなく、これらの実施例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施例やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10 軸孔
1 シリンダ
11 固定板
11D 通気孔
11T リブ
13 外貫通孔
14 嵌合部
100 エアバルブ
110 開口部
112 中央孔
2 ピストン
21 ピストンヘッド
21T テーパ部
22 ピストンロッド
23 内貫通孔
3 ノックピン
4 弾性材
5 ワッシャ
50 中央孔
51 通気孔
6 中空ボルト
60 軸孔
D1 筒外径
D2 筒内径
3L ノックピン長さ
S1 収容状態
S2 突出状態

Claims (7)

  1. 所定の軸孔方向の軸孔、及び、前記軸孔の一端側に連通すると共に拡径した開口部を有するシリンダと、前記開口部の開口形状に対応したピストンヘッド、及び、前記ピストンヘッドの下部から伸長したピストンロッドを有するピストンと、を具備し、
    前記ピストンヘッド及び前記ピストンロッドが、それぞれ前記開口部内及び前記軸孔内に収容されて、前記ピストンが、シリンダの軸孔方向へ往動可能に組み込まれたエアバルブであって、
    前記シリンダ及び前記ピストンロッドには、前記シリンダの軸孔内に組み込まれた前記ピストンロッドを前記シリンダと共に側方へ横断する貫通孔が形成され、
    また、前記貫通孔内に挿入されるノックピンをさらに具備してなり、
    前記貫通孔の少なくとも一部分は前記軸孔の軸孔方向を長孔方向とすると共に、両側縁を直線状としかつ上下端を半円状とした長孔断面を有し、
    前記ピストンが前記シリンダ内を往動したとき、前記ノックピンが貫通孔の前記一部分内で前記両側縁に沿って長孔方向へ相対移動して前記上下端のいずれかの孔端に係止することで、所定の突出量以上のピストンの移動及び回転が規制されることを特徴とするエアバルブ。
  2. 前記貫通孔は、ピストンロッドを貫通する内貫通孔と、シリンダを側方へ横断貫通する外貫通孔とから構成され、
    前記ピストンが前記シリンダ内を往動して突出したとき、前記内貫通孔に周着されたままノックピンがピストンロッドと共に軸孔方向へ往動することで、ノックピンの両端が外貫通孔内を長孔方向へ相対移動するものであり、
    ピストンの突出量は、前記外貫通孔の長孔方向の長径とノックピンの所定外径との差によって規定される、請求項1記載のエアバルブ。
  3. 前記シリンダの内部であって、前記ピストンヘッドの下部と前記ノックピンの上側部との間に、前記ピストンを前記軸孔方向へ弾性付勢する弾性材と、
    前記弾性材の下端に当接するワッシャと、をさらに具備し、
    前記ピストンは前記弾性材の弾性付勢によって前記シリンダ内に収容され、下方へ常時弾性付勢された収容状態となり、
    この収容状態において、ピストンヘッドが開口部内に嵌着して、前記ピストンヘッドの端面が前記シリンダの片端面と同一面を構成すると共に、
    前記ワッシャが下方へ常時弾性付勢された状態であり、かつ、ノックピンの上側面に接触した状態となっている、
    請求項2記載のエアバルブ。
  4. 前記シリンダ内部であって前記軸孔の上部付近には、前記ピストンロッドを挿通し得る中央孔を有した固定板が固定され、
    また、前記シリンダ内部であって前記固定板の下方には、前記ピストンロッドを挿通し得る中央孔を有したワッシャが前記軸孔方向へ移動可能に収容され、
    前記ピストンロッドが前記固定板の中央孔と前記ワッシャの中央孔のそれぞれに挿入されて、前記ピストンが前記シリンダ内に組み込まれ、
    この組み込まれた状態で、前記固定板と前記ワッシャによって前記弾性材を前記軸孔内に挟設すると共に、前記弾性材によってピストンロッドを軸孔方向に弾性付勢してなる、請求項3記載のエアバルブ。
  5. 前記固定板は開口部の底板を構成するものであり、
    前記固定板の中央孔の周囲には、固定板を厚さ方向に貫通する一または複数の通気孔が設けられ、
    また、前記ワッシャの中央孔の周囲には、前記ワッシャを厚さ方向に貫通する一または複数の通気孔が設けられる、請求項4記載のエアバルブ。
  6. 前記シリンダの周囲の一部には多角形柱の部分側面からなる嵌合部が形成される、請求項1ないし5のいずれか記載のエアバルブ。
  7. 前記軸孔は内螺子を有してなり、この内螺子は、金型の成形面の開口部内にて成形面方向を向いて設けられた中空ボルトに螺合するものであり、
    軸孔の前記内螺子を前記中空ボルトから螺合解除することでエアバルブを金型の成形面側に取り外し可能とすると共に、
    エアバルブを金型の成形面側に取り外した状態で、前記ノックピンが交換可能に設けられる、請求項1ないし6のいずれか記載のエアバルブ。
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