以下に、必要により添付図面を参照しつつ本発明を詳細に説明する。
一戸建てや高層住宅(マンションなど)などの建造物や構造物の外壁又は外面を補修又はリフォームするため、建造物や構造物の壁面から所定距離離れて骨組みが構築されている。図1〜図13に示す例では、1つの区画(骨組み)が示されており、横方向に所定間隔を置いて立設された複数のレール部材(この例では、中空多角形状の案内部材、長尺棒状体又はポール)1と、これらのレール部材(又はポール)間を縦方向に間隔をおいて横方向に連結された複数の長尺な架設部材(この例では、中空多角形状の棒状体)61とで区画を形成しており、この区画内には上下方向に開閉可能な開閉シート88が配設されている。また、前記レール部材(又はポール)1は、クランプ機構48により長尺な立設支持体(この例では、円筒状支柱)41と連結されて支持されており、この立設支持体41には、クランプ機構52,53により、横方向に十字状に横断する足場部材51が連結されている。
より具体的には、図3に示されるように、レール部材(長尺棒状体又はポール)1は、断面中空多面体状(断面六角形状)の骨格を有し、横断壁1aを介して接続され、互いに平行に延びる一対の基準壁2(2a,2b)と、一対の基準壁の双方の側部に隣接して形成されたガイド壁3とを備えており、前記横断壁1aを中心線として対称構造(例えば、アルミニウムのダイカストにより対称構造)のレール本体4を形成している。また、ガイド壁3には、長手方向に沿って、スライド溝5が形成されている。すなわち、この例では、前記ガイド壁3は、一対の基準壁2の一方の側部から基準壁2に対して斜め外方向に傾斜して延びる第1の傾斜壁3aと、一対の基準壁の他方の側部から斜め外方向に前記第1の傾斜壁の端部(側部)に向かって延びる延出壁(第2の傾斜壁)3bとを備えており、この延出壁(第2の傾斜壁)には、長手方向に沿って延びるスリットによりスライド溝(案内路)5が形成されている。さらに、レール本体4は、前記ガイド壁3(延出壁3b)のうちスライド溝(スリット)5の両側部内面に形成され、かつ走行部材21の車輪(回動部材又はローラ)23が走行可能な走行路(底部走行路又は底部平坦部)6と、この走行路に対して平行に形成された対向路(上部走行路又は上部平坦部)9とを備えている。さらに、レール本体4は、走行部材21が走行に伴って揺動するのを規制するための規制部を備えており、この例では、スライド溝(スリット)5の両側内縁部(前記走行路6の内側)に傾斜して形成され、かつ走行部材21の車輪部23が走行路6から内方向(スライド溝5側)に外れるのを規制するための傾斜規制部7と、走行路6の外側に形成され、前記車輪部23が走行路6から外方向(傾斜壁3a側及び基準壁2b側)に外れるのを規制するための規制壁部8とが形成されている。内側の傾斜規制部7は前記車輪部23の傾斜内側壁と接触可能であり、外側の規制壁部8は車輪部23の外周端と接触可能である。なお、スライド溝(スリット)5の両側のガイド壁3(延出壁3b)は肉厚に形成されている。
前記レール部材(長尺棒状体又はポール)1のスライド溝(案内路)5には、開閉シート88の両側部と接続又は連結した状態で、縦方向に間隔をおいて複数の走行部材21が走行可能に配設されている。前記走行部材21は、図3及び図4に示されるように、前記レール部材1のスライド溝5の両側部内面の走行面を走行可能な走行ユニット22と、介在部26を介して、この走行ユニットに形成された取り付け部27とを備えており、走行ユニット22は、一対の車輪部(ローラ)23と、この一対の車輪部(ローラ)を回転可能に軸支する軸部24と、一対の車輪部(ローラ)23の間で前記軸部24を回転可能に支持する支持部25とを備えている。この例では、摺接音の発生を抑制するため、車輪部(ローラ)23、軸部24及び支持部25はプラスチックで形成されている。また、支持部25は、耐久性を高めるため、厚板状又はブロック状に形成され、一対の車輪部(ローラ)23の両側部にまで延びている。前記支持部25と取り付け部27との間に介在する介在部26は、L字状又はV字状の形態で屈曲又は湾曲しており、取り付け部27には、シート88を取り付けるための取り付け部位(取り付け面)が形成され、この取り付け部位にはネジ棒部29が延出して形成され、このネジ棒部には、開閉シート88の両側部の孔部(周縁部が補強されたハトメ孔部)89aが挿入可能であるとともに、リング部材又はワッシャ31を介してナット部材(蝶ネジ)30が螺合可能である。ネジ棒部29とナット部材30(並びにワッシャ31)は、取り付け手段を形成している。そのため、ネジ棒部29に開閉シート88の孔部を挿入した状態で、ワッシャ31を介して取り付け部27の取り付け部位とナット部材30とで開閉シート88を挟着可能である。また、前記介在部26には、環状リング部28が突出した形態で形成されている。
このような形態では、走行部材21の取り付け部27は、車輪部23の軸線の長手方向の中央部(又は支持部25の中央部)と前記取り付け部27の中央部(ネジ棒部29)とを結ぶ線が、車輪部23の軸線に対して角度θ(この例では、25〜35°の角度)で交差した形態で、前記取り付け部27が一方の車輪部23の側に位置している。換言すれば、基準壁2bに対してガイド壁3は角度(90°+θ)で外方向に傾斜しており、レール部材1への走行部材21の装着状態において、前記取り付け部27は、レール部材1の基準壁2b側(レール部材1の基準壁2bとガイド壁3bとのコーナー部側において、基準壁2bと平行)に位置している。なお、走行部材21は、レール部材1の両側部の2つのスライド溝5のうち少なくとも一方のスライド溝に装着でき、双方のスライド溝に装着することもできる。この例では、一方のスライド溝5に走行部材21が装着された状態を図示している。
このようなレール部材1と走行部材21を利用すると、走行部材21の取り付け部27が一方の車輪部23の側に位置しているため、開閉シート88を横方向に緊張又は張った状態で、開閉シート88の両側部のハトメ孔部、ネジ棒部29とナット部材30(並びにワッシャ31)を利用して走行部材21に取り付けることができる。また、走行部材21の両側の車輪部23,23が走行路6と対向路9との間の通行路に収容され、かつ傾斜規制部7と規制壁部8とで車輪部23が内外方向に外れるのを規制しており、縦横方向及び斜め方向からの力にも強度的に耐えることができる。しかも、両側に車輪部23,23を有する双輪構造であるため、斜め方向の力が作用しても強度を保つことができる。そのため、開閉シート88を横方向に緊張又は張った状態でも、走行部材21をレール部材1のスライド溝5に沿って円滑に走行できる。
立設状態で前記レール部材1の一方の基準壁2aには、長手方向に沿って、断面四角形状であり、かつ開口部が狭まった断面アリ溝状のガイド溝(装着凹部)10aが形成され、このガイド壁は立設支持体41との連結に利用される。また、前記レール部材1の他方の基準壁2bには、長手方向に沿って、開口部が狭まった断面円弧状の接続溝10bが形成されており、この接続溝は、ピン状(細棒状)の連結部材を挿入し、隣接するレール部材1を接続(連設)するために利用できる。
このようなレール部材(長尺棒状体又はポール)1のガイド溝(装着凹部)10aを利用して支持体(支柱)41と足場部材51とを連結できる。図2及び図5〜図6に示されるように、前記ガイド溝10aには、スライド部材(位置決め部材,中間連結部材)42がスライド可能に装着され、このスライド部材を介して、前記レール部材1と支持体(支柱)41とがクランプ機構により連結されている。すなわち、クランプ機構は、前記ガイド溝(装着凹部)10aにスライド式に装着でき、長手方向に間隔をおいて2つのネジ部材(ネジ棒)43が形成(又は溶接され)された板状のスライド部材42と、このスライド部材のネジ部材(ネジ棒)43の軸部に対してそれぞれ装着可能なU字状の切り欠き部46を有するプレート45と、このプレートに取り付けられ(又は溶接され)、前方方向にL字状の形態で延出するL字状のアングル部材47と、このアングル部材に取り付けられ(又は溶接され)たクランプ(開閉式クランプ)48とを備えており、スライド部材42とプレート45とアングル部材47とでブラケットを形成している。また、ナット44の脱離を防止するため、プレート45の両端部(長手方向においてU字状の切り欠き部46の両端部)は外側方向(ナット44側)に湾曲又は屈曲され、この湾曲又は屈曲部位45aに座金としての機能を付与している。
なお、クランプ(開閉式クランプ)48は、それぞれ支持体(支柱)41を保持するための湾曲部を有し、かつ一方に対して他方が回動自在な一対の締結部材(閉じ部材及び受け部材)48a,48bと、受け部材(固定部材)48bの先端部に揺動可能に取り付けられたネジ部材48cと、閉じ部材(可動部材)48aの先端部に形成され、前記ネジ部材48cが装着可能な溝部48dとを備えており、前記ネジ部材48cには締結ナット48eが螺合可能である。なお、受け部材48bは前記アングル部材47に取り付け(又は溶接)されている。
このようなクランプ機構では、ガイド溝10aにスライド部材(中間連結部材)42をスライドさせて高さ位置を調整し、各ネジ部材(ネジ棒)43の軸部をプレート45の各切り欠き部46に装着し、ネジ部材(ネジ棒)43にナット44を螺合することにより、スライド部材42の高さ位置を固定できる。そして、開閉式クランプ48を開放してクランプの締結部材48a,48bの湾曲部に支持体(支柱)41を配置し、クランプ48を閉じて、受け部材48bのネジ部材48cを他方の閉じ部材(可動部材)48aの溝部48dに挿入して係止し、ネジ部材48cにナット48eを螺合して締結することにより、立設したレール部材1を支持体(支柱)41で支持できる。
また、支持体(支柱)41と足場部材51とをクランプ機構52,53で連結することにより足場(横桟)を形成できる。すなわち、支持体(支柱)41と足場部材51とは、前記支持体(支柱)41を把持して締結するための第1のクランプ52と、この第1のクランプ52に対して相対的に回転可能に連結され、かつ足場部材51を把持して締結するための第2のクランプ53とで構成された一対のクランプ(自在クランプ)とで連結されており、第1及び第2のクランプ52,53は、それぞれ前記クランプ48と同様に、閉じ部材(可動部材)及び受け部材(固定部材)と、受け部材(固定部材)の先端部に揺動可能に取り付けられたネジ部材と、閉じ部材(可動部材)の先端部に形成され、前記ネジ部材が装着可能な溝部と、前記ネジ部材に螺合可能な締結ナットとを備えている。このようなクランプ機構では、支持体(支柱)41を第1のクランプ52で締結し、足場部材51を第2のクランプ53で締結することにより、支持体(支柱)41に対して足場部材51を直交する方向に締結・連結できる。また、L字状のアングル部材47により足場部材51とレール部材1との間に作業空間を確保できる。
図7〜図11に示されるように、レール部材(長尺棒状体又はポール)1のガイド溝(装着凹部)10aを利用して架設部材61を連結し、開閉空間(区画)を形成できる。すなわち、前記足場部材51よりも上方では、前記と同様にガイド溝10aにスライド式に装着可能な板状のスライド部材54を介して、レール部材1に対して横方向に仮設可能な架設部材61と、前記レール部材1の上部に取り付け可能であり、かつ滑車82が取り付け可能な滑車取付部材81とが取り付けられる。前記スライド部材54は、前記と同様に、長手方向に間隔をおいて形成(又は溶接され)された複数(この例では、2つ)のネジ部材(ネジ棒)55a,55bを備えており、このネジ部材には締結ナット(ガイド溝10aよりも直径が大きなナット又はガイド溝10aよりも直径が大きなワッシャを備えたナット)56a,56bが螺合可能である。
また、前記架設部材61は、断面H字状の骨格を有し、上下両側壁及び左右両側壁が平面状の中空多面体状(断面八角形状)の架設部材本体62と、この架設部材本体の内部両側部に形成され、かつ断面コ字状の連結部(連結部材)71が装着可能な装着壁63とを備えており、架設部材本体62の上下両側壁には、長手方向に沿って、ランナー66が走行可能な断面アリ溝状のスライド溝64が形成され、左右両側壁の対向壁には、長手方向に沿ってガイド溝65が形成されている。また、前後左右が対称構造(例えば、アルミニウムのダイカストにより対称構造)に形成されている。
前記スライド溝(スリット)64に沿って走行可能なランナー66は、スライド溝64に隣接する両側内面の走行路を回転しつつ走行可能な一対の車輪67と、この一対の車輪を回転可能に軸支する軸支部(図示せず)と、この軸支部を回転可能に支持する支持部(フレーム状支持部)68と、この支持部に対して回転可能に取り付けられた軸部69と、この軸部に揺動自在に取り付けられ、開閉シート88に対してワンタッチ式に取り付け可能なフック部70とを備えており、このフック部には、開閉シートの孔部に対して装着するため、弾発片70aにより弾発的に開閉可能な開放部(切り欠き装着部)が形成されている。
前記連結部(連結部材)71の側縁からはコ字状開口部とは反対方向に延出する係合延出壁(断面コ字状の対向壁72bを結ぶ立設壁72aの側部から折り曲げて形成された延出壁)73と、この延出壁に形成され、かつ入り口側が狭く、深部が幅広(横長)のT字状の形態を有する切り欠き部74が形成されている。なお、架設部材61と連結部(連結部材)71とは、ランナー66の走行性を損なうことなく、架設部材61のスライド溝64を通じて、ネジ棒75とナット76とを用いて装着壁63に対向壁72bを締結できる。連結部(連結部材)71は、レール部材1の一方の側方(横方向)、図11に示す例では、レール部材1の両側方に連結可能である。
また、前記滑車取付部材81は、滑車82が取り付け可能な側壁83と、この側壁から前方方向に延出する延出係合壁84と、この延出係合壁に形成され、ネジ部材55bの軸部に対して左右方向から装着可能なスリット状切り欠き部(側壁の先端部に形成された切り欠き部)85と、前記側壁83から屈曲し、架設部材61の上壁に対して掛止可能な掛止壁(上壁)86とを備えており、滑車82は側壁83の内側(すなわち、開閉シート88側)に取り付けられている。また、ネジ部材55bからの脱離を防止するため、スリット状切り欠き部85の深部には落とし部(ネジ部材の軸部を収容可能なU字状凹部)85aが形成されている。さらに、ネジ部材55bから延出係合壁84の脱離を防止するため、延出係合壁84の先端部は、側壁83とは反対側の外方向(ネジ部材55bのナット56b側)に湾曲又は屈曲して湾曲又は屈曲部位84aを有している。なお、滑車82は、前記側壁83に取り付け可能であり、かつ断面コ字状のアダプタ(又はブラケット)87に滑車82の軸部が回転可能に取り付けられている。すなわち、アダプタ87の断面コ字状の収容部(収容壁)に滑車82の軸部が回転可能に取り付けられた形態で、前記アダプタ87の側壁87aが滑車取付部材81の側壁83に取り付けられている。
また、必ずしも必要ではないが、この例では、区画の下部にも、上記と同様に、ネジ部材55a,55bを有するスライド部材54及び締結ナット56a,56bを利用して、架設部材61が仮設されている。
なお、前記ガイド溝(装着凹部)10aにスライド式に装着可能な板状のスライド部材(中間連結部材)54と、このスライド部材の長手方向に間隔をおいて形成された複数のネジ部材55a,55bと、各ネジ部材に対して螺合可能な締結ナット56a,56bとで、前記レール部材1と架設部材61とを連結するための連結機構を形成している。すなわち、前記ガイド溝10aに沿ってスライド部材54の高さ位置を調整し、前記スライド部材54の下部のネジ部材55aへ締結ナット56aを螺合することにより、前記レール部材1とスライド部材54とを締結して位置決め固定可能である。また、上部のネジ部材55bの軸部に、連結部(連結部材)71の切り欠き部74と滑車取付部材81のスリット状切り欠き部85とを挿入又は装着し、締結ナット56bをネジ部材55bに螺合することにより、前記レール部材1に架設部材61と滑車取付部材81とを締結可能である。
前記レール部材(案内部材、長尺棒状体又はポール)1と架設部材61とで形成される区画を開閉シート88で開閉するための開閉機構は、前記滑車82及び開閉操作紐90を備えている。すなわち、この例では、開閉シート88を縦方向に開閉するため、開閉操作紐90の端部が、開閉シート88の両側部の下部でそれぞれ抜け不能に取り付けられ(又は固定され)、開閉シート88の両側部に縦方向に間隔をおいて形成された複数のハトメ部89aを、それぞれ、前記走行部材21のネジ棒部29に装着し、ナット部材30(並びにワッシャ31)を螺合して取り付け部27に取り付けられている。このような状態で、各紐90が上部の架設部材61の両側部及び幅方向の中央部で各滑車82に掛け渡されている。そのため、他方の滑車82に掛け渡された2本の紐を下方に牽引すると、開閉シート88の下部が持ち上げられて前記区画を開放し、牽引操作を解除すると、開閉シート88の下部が下降して前記区画が閉じられる。なお、一方の側部の滑車82から垂れ下がる紐90を、前記走行部材21の環状リング部28に挿通すると、風などにより紐90が揺れ動くのを防止できる。なお、上下方向の開閉機構は、前記滑車82及び開閉操作紐90に加えて、前記開閉シート88下部での紐90の抜け止め部(固定部)、走行部材21に取り付け可能なハトメ部89a、紐90が挿通可能なハトメ部56も備えている。
また、開閉シート88の上部に横方向に間隔をおいて形成されたハトメ部(補強部)89bには、架設部材61のスライド溝64に沿って走行可能なランナー61のフック部70が装着されている。このような形態では、前記走行部材21の取り付け部27から開閉シート88の両側部のハトメ部89aを解除することにより、左右方向にも開閉シート88を開閉できる。
さらに、開閉シート88の両側部には、レール部材(長尺棒状体又はポール)1と開閉シート88の両端部との隙間を隠すためのカバー部材91が所定の幅で長手方向に取り付けられている。
このような開閉構造(開閉式遮蔽構造)は、支持体(支柱)41と足場部材51とをクランプ機構52,53で締結でき、前記支持体(支柱)41とレール部材(長尺棒状体又はポール)1とをクランプ機構48で締結できる。特に、L字状のアングル部材47が介在したクランプ機構48を利用することにより、施工空間を確保して足場を形成でき、複数の支柱41と足場部材51とで建造物の外壁に対して縦横方向に足場を有する骨組みを構築できる。また、連結機構により前記レール部材1に架設部材61を仮設することにより各区画を容易に構築できる。特に、レール部材1のガイド溝10aにスライド可能なスライド部材(中間連結部材)54の下部のネジ部c55aに締結ナット56aを螺合することにより、高さ位置を固定でき、上部のネジ部材55bと、架設部材61の切り欠き部74と、滑車取付部材81のスリット状切り欠き部85と、ネジ部材55bに螺合可能な締結ナット56bとを利用して、前記レール部材1に架設部材61と滑車取付部材81とを締結でき、簡単な構造で簡便かつ容易に前記区画を形成できる。また、一方の方向(右方向)に延びる架設部材61と他方の方向(左方向)に延びる架設部材61とを、係合延出壁73で重ね合わせた状態で、上部のネジ部55bに切り欠き部74を挿入して締結ナット56bを締結することにより、レール部材1を中心として左右方向に延びる架設部材61を連結できる。
特に、上記レール部材1のスライド溝(案内路)5に前記走行部材21を配設しているため、取り付け部27を走行部材21の車輪23側に位置させ、開閉シート88を左右方向に緊張させて取り付けることができ、風雨によってもシート88が弛むのを防止できる。また、走行部材21の揺動を規制しているため、開閉シート88を緊張させた状態で縦横方向から荷重及び引っ張り力が作用しても、双輪の車輪部23の揺動を規制部(接触部)7,8との接触で防止でき、前記区画に配された開閉シート88を円滑に上下方向に開閉でき、風により遮蔽又は開閉シート88が舞い上がったり、なびくことがない。さらに、開閉シート88が左右方向に緊張しているため、開閉操作紐90による上下方向への開閉操作に伴って開閉シート88が自然に襞折り状に折り畳まれ、所定の区画を開閉シート88で円滑に開閉できる。そのため、外壁などの補修工事の間であっても、窓を開けても景色を見ることができ、新鮮な空気を取り込むこともできる。また、走行部材21の接触部がプラスチックで形成されているため、風などにより遮蔽シート88が揺れて走行部材21がスライド溝(案内路)5の側縁に衝突しても、消音され、騒音の発生を抑制できる。なお、開閉式遮蔽シート88を備えた骨組み(開閉式遮蔽構造)を容易に形成できるとともに、レール部材1と架設部材61との連結及び連結解除(すなわち、組立及び解体)も容易である。さらに、レール部材1が左右対称構造であるため、レール部材1の向きを間違って区画を形成することがなく、組立効率を向上できる。また、ガイド溝10aにスライド式に装着可能なスライド部材42(支柱及び足場部材とで足場を形成するためのスライド部材)とスライド部材52(架設部材61との連結用スライド部材)とを共用することも可能である。
[レール部材]
本発明のレール部材は、直線状又は湾曲状であってもよく、直線部と湾曲部とを備えていてもよい。さらに、レール部材は、中心線を基準として断面対称形状(左右対称形状)であってもよい。レール部材は、一対の基準壁とスライド溝(案内路)が形成されたガイド壁とを備えており、断面多角枠(例えば、断面三角〜八角形状の中空枠体状)であってもよく、通常、断面四角形〜八角形状の中空体状である場合が多い。一対の基準壁は、所定間隔(少なくとも一方の端部が所定間隔)をおいて延びていればよく、通常、互いに非平行であってもよいが、互いに対向して、特に、互いに並行に延びている場合が多い。また、ガイド壁は、一対の基準壁の少なくとも一方の側部(レール部材の片側)に隣接して形成すればよく、開閉シートを隣接する区画でそれぞれ開閉する場合には、通常、前記のように、一対の基準壁の双方の側部に隣接して形成する場合が多い。
なお、ガイド壁は、前記基準壁(例えば、互いに平行な基準壁であれば、一対の基準壁を結ぶ基準線)に対して斜め方向(斜め外方向)に傾斜していればよく、ガイド壁は、通常、一対の基準壁のうち一方の基準壁の側部から基準壁に対して斜め外方向に傾斜して延びる第1の傾斜壁と、他方の基準壁の側部から斜め外方向前記第1の傾斜壁の端部(側部)に向かって延びる延出壁とを備えている。この延出壁は、前記第1の傾斜壁と交差する方向に基準壁に沿って延びる延出壁(平坦壁)で形成してもよく、基準壁に対して斜め方向に傾斜し、かつ前記第1の傾斜壁の端部(側部)に向かって延びる第2の傾斜壁(延出壁)で形成してもよい。
また、レール部材のスライド溝(案内路,スリット)は、基準壁に対して傾斜した少なくとも一方のガイド壁(又は傾斜壁)に形成すればよく、スライド溝(案内路)が形成されていないガイド壁(非傾斜壁など)の断面形状は直線状、屈曲又は湾曲状であってもよい。
図12は本発明のレール部材の他の例を示す概略図である。なお、前記図に示す部材及び部位と同じ要素には同じ符号を付して説明する。
この例では、断面形状において、レール部材101は、横断壁1aを中心線として一方の側にのみスライド溝(案内路)5が形成されている。すなわち、レール部材101は、前記と同様に、互いに平行に延びる一対の基準壁2a,2bと、一対の基準壁の一方の側部に隣接して形成されたガイド壁3(第1の傾斜壁3a、延出壁(第2の傾斜壁)3b)とを備えており、ガイド壁3(第2の傾斜壁3b)には、長手方向に沿って、スライド溝(案内路,スリット)5が形成されている。さらに、スライド溝5の両側部内面には、走行路(底部走行路又は底部平坦部)6と、対向路(上部走行路又は上部平坦部)9と、規制部(傾斜規制部7及び規制壁部8)を備えている。一方、一対の基準壁2a,2bの他方の側部には、横断壁1aと並行に延び、かつ断面コ字状の連結部(連結部材)71の立設壁72a(図11参照)又は架設部材61の端面と面接触可能な側壁102が形成されている。
このようなレール部材101では、前記レール部材1の作用効果に加えて、連結部(連結部材)71の立設壁72aを介して、架設部材61の端面をレール部材101の側壁102に面接触でき、安定かつ強固に連結できる。
なお、レール部材のスライド溝(案内路,スリット)に沿って走行部材が走行可能である限り、レール部材には必ずしも走行路を形成する必要はないが、通常、前記ガイド壁のうちスライド溝の両側部内面には、前記走行部材の車輪(回動部材又はローラ)が走行可能な走行路が形成されている。この走行路は、車輪を支持し、車輪の周面(円周面)と接触可能な底部走行部を形成し、通常、平坦部で形成する場合が多い。また、必ずしも対向路を形成する必要もないが、強い力で緊張させた状態でも開閉シートを円滑に開閉するためには、走行路に対して所定間隔をおいて対向する対向路、特に走行路に対して平行に延びる対向路を形成するのが有効である。対向路は車輪の周面(円周面)と接触可能であり、通常、平坦部で形成する場合が多い。前記走行路と対向路との間で(又は前記走行路と対向路との間に収容した形態で)車輪を走行させると、走行路を走行する走行部材の揺動を防止できる。なお、車輪は走行路及び対向路と接触していてもよい(挟み込んだ状態であってもよい)が、種々の方向からの負荷に耐えて円滑に走行させるため、車輪と走行路及び対向路との間には若干の隙間がある場合が多い。
さらに、車輪の形態に応じて、車輪の側面と接触可能な側部走行部とを備えていてもよい。例えば、前記傾斜規制部7のように、断面形状において、車輪が周面の少なくとも一方の側部に隣接して傾斜側部(直線状、段差状又は湾曲状などの形態で傾斜した側部)を有する場合、この傾斜側部に対応して傾斜した側部走行部を有していてもよい。
前記レール本体には、前記スライド溝(案内路)に沿って走行可能な前記走行部材の揺動を規制するための規制部が形成されている。この規制部は、前記走行路及び対向路の少なくとも一方の通行路に隣接して、前記通行路の一方の側部(内側又は外側)又は両側部に形成できる。また、規制部は、走行部材の車輪の周端(内周端及び/又は外周端)及び/又は周壁(内周壁及び/又は外周壁)と接触して走行部材の揺動を規制してもよい。規制部は、通常、車輪の外周端及び/又は外周壁と接触する。また、スライド溝に隣接して走行路の内側に前記傾斜規制部7のような傾斜した規制部を形成すると、この傾斜規制部が車輪を走行路に案内するため、大きな負荷が作用した状態でも円滑に走行部材を走行できる。
さらに、レール部材には、支持体などと連結するため、長手方向に沿って装着凹部(前記ガイド溝10a)を形成してもよい。この装着凹部は、通常、スライド溝に隣り合う辺に形成され、一対の基準壁の少なくとも一方の基準壁(特に、一方の基準壁)に形成する場合が多い。この装着凹部は、通常、開口部が狭まったアリ溝構造を有しており、装着凹部には、前記プレート42,54などの中間連結部材がスライド式に装着可能である。前記装着凹部は、長尺支持体(支柱41)及び/又は架設部材61に対する連結などに利用できる。
なお、本発明のレール部材は、前記構造の走行部材(前記介在部又は中間部を有する走行部材)に限らず、レール部材のスライド溝に沿って走行可能な種々の走行部材(摺動部材,摺動子又はランナー)、例えば、前記架設部材61のスライド溝64に沿って走行可能なランナー66などと組み合わせて使用してもよい。
[走行部材]
本発明の走行部材は、車輪を回転可能に支持する支持部を有しており、この支持部は、前記スライド溝(案内路)にスライド自在に挿入又は収容可能である。車輪は単一輪であってもよいが、安定した走行させる上では双輪であるのが好ましい。前記支持体は、一対の車輪を軸支する軸支部(車輪を回転可能に又は回転不能な形態で軸支する軸支部)を回転可能に支持してもよく、両側部が車輪部を形成するローラの長手方向の中央部(両側部よりも細く形成されていてもよい中央部)を回転可能に支持してもよい。このように、本明細書において、「車輪」「車輪部」とは、支持部に対して回転可能に形成された部位を意味し、車輪又は細幅のローラに限らず、支持部で回転可能に支持されたローラや周面が円弧状の回転部材をも含む意味に用いる。走行部材は、通常、一対の車輪部と、この車輪部を軸支する軸部と、この軸部を回転可能に支持する支持部とを備えている。
図13は本発明の走行部材の他の例を示す概略図である。この例の走行部材111は、前記リング部38を備えていない点、内壁にソロバン玉状の傾斜側壁を有する車輪部23に代えて、タイヤ状の車輪部112を備えている点を除き、前記走行部材21と同様に構成されている。このような走行部材111でも、レール部材に走行路と対向路と規制部とを形成することにより、レール部材のスライド溝に沿って走行部材111を安定に走行できる。
なお、車輪部の形状は特に制限されず、ソロバン玉状、O−リング状、ベアリング状などであってもよい。前記支持部は、前記スライド溝(案内路)に挿入又は収容されるため、支持部は肉厚に形成するのが有利であり、両側の車輪部間よりも細幅に形成してもよく車輪間に亘って(又は双輪の車輪部の側部にまで延びて)幅広に形成してもよい。支持部は、車輪部などを有効に保護するとともに強度を大きくするため、肉厚又はブロック状形態を有し、車輪の両側部の側方にまで延びて形成してもよい。なお、車輪部、軸支部と支持部は金属やセラミックスなどで形成してもよいが、走行音を低減するため、車輪部と支持部とはプラスチックで形成するのが好ましく、軸支部は金属であってもよいがプラスチックで形成してもよい。支持部と取り付け部との間に介在する介在部(又は中間部、接続部)は、屈曲又は湾曲した形態を有しており、取り付け部を所定の位置に位置させている。介在部(又は中間部)は、支持部からL字状、V字状又はコ字状の形態で延びている場合が多い。なお、介在部にリング部又は挿通部(環状リング部)を形成する必要はなく、介在部に形成した挿通部(リング部)は、必要により被取付部材を取り付けるための取り付け部として機能させてもよい。
本発明の走行部材では、前記開閉シートに限らず、種々の被取付部材又は物品が取り付け可能である。取り付け部は、被取付部材又は物品が取り付け可能であればよく、着脱自在に又は脱着不能に被取付部材又は物品を取り付けてもよい。取り付け部は、被取付部材の形態に応じて、種々の取り付け手段を備えていてもよく、この取り付け手段は、被取付部材又は物品の種類に応じて、係合又は掛合手段(フック部材、面ファスナ、被取付部材又は物品の頭部が係止可能な幅狭路など)、嵌合手段(凹凸嵌合部など)、螺着手段や挟着手段(取り付け部に取り付けられたネジやボルトに対する螺合部材など)などであってもよい。例えば、被取付部材又は物品が取付孔を有する場合には、取り付け部は、取り付け手段として、前記のように、(1)被取付部材の取付孔(前記ハトメ部)が挿入可能なネジ棒部又はネジ部と、このネジ棒又はネジに螺合可能なナット部材(蝶ネジなど)とを備えていてもよい。
被取付部材又は物品は、移動又は搬送を必要とする種々の部材や物品、例えば、前記シートなどの開閉又は遮蔽部材の他、種々の被搬送部材(被加工部材や部品、例えば、乾燥、塗装などの加工が必要な部材や物品)などであってもよい。なお、取り付け部の取り付け手段と被取付部材又は物品との間には、種々の連結部材又は取付部材が介在してもよい。
前記取り付け部は、車輪の軸線の長手方向の中央部と前記取り付け部の中央部とを結ぶ線が、車輪の軸線に対して所定の角度θで交差した形態で位置しており、前記取り付け部が車輪の一方の側に位置している。前記交差角度θは、走行部材の用途に応じて、例えば、10〜70°、好ましくは15〜60°(例えば、15〜45°)、さらに好ましくは20〜40°程度であってもよい。
レール部材への装着状態において、取り付け部(又は取り付け面)は、レール部材の基準壁側に位置しており、通常、被取付部材を容易に取り付けるため、レール部材の基準壁に対して平行に位置している。
さらに、走行部材はレール部材の走行路を走行可能であればよく、走行部材には、レール部材の規制部と接触可能な接触部を有する必要はないが、縦横方向に荷重及び引っ張り力が作用しても、安定に走行させるためには、前記規制部と接触又は当接可能な接触部を有するのが好ましい。例えば、車輪部(前記一対の車輪部)の外側壁は、レール部材の規制部と接触可能であってもよく、車輪部(前記一対の車輪部)の内側壁は、レール部材の走行路に隣接して形成された傾斜壁と接触可能であってもよい。
なお、本発明の走行部材は、前記構造のレール部材(前記傾斜したガイド壁を有するレール部材)に限らず、スライド溝(案内路)に隣接して走行部材が走行可能な走行部を有する種々の案内部材又はレール部材、例えば、スライド溝64を有する前記架設部材61などのように、スライド溝を有する種々の案内部材と組み合わせて使用してもよい。
好ましい態様では、本発明の前記レール部材と、このレール部材のスライド溝に沿って走行可能な前記走行部材とを組み合わせると、被取付部材(開閉シートなど)を緊張させて又は取り付け部に負荷を作用させても、スライド溝に沿って円滑に走行部材が走行可能な走行セットを構成できる。そのため、この走行セットでは、前記開閉シートに限らず、走行部材の取り付け部に負荷が作用する被取り付け物品又は部材を取り付けて、レール部材に沿って円滑に搬送することもできる。
[開閉構造]
前記走行セットは、開閉シートで開閉自在な開閉構造の構築又は形成に利用できる。この開閉構造は、互いに対向可能な案内部材と、これらの案内部材間に仮設可能(例えば、案内部材を横方向に横断して仮設可能)な架設部材と、前記案内部材と架設部材とを連結するための連結部材(又は連結機構)と、滑車と、この滑車に掛け渡され、前記案内部材と架設部材とで形成される区画を開閉シートで開閉するための紐とを備えており、前記滑車は、前記案内部材及び/又は架設部材(特に、前記案内部材又は架設部材の上部)に取り付け可能である。なお、滑車は、前記案内部材及び/又は架設部材に取り付け可能な滑車取付部材に取り付けてもよい。
このような開閉構造において、案内部材及び架設部材のうち少なくとも一方の部材は、本発明の前記傾斜ガイド壁を備えたレール部材で形成してもよい。例えば、前記例示の横方向に架設される架設部材を、傾斜ガイド壁を備えたレール部材で形成し、開閉シートを横方向に開閉してもよい。さらに、開閉構造は、縦横方向に限らず、案内部材及び架設部材で構成された開閉構造を水平方向又は斜め方向に形成し、開閉シートが水平方向又は斜め方向に傾斜した状態で開閉可能であってもよい。例えば、開閉シートが緊張した状態又は弛緩した状態で、パーゴラ状の開閉構造を形成してもよい。開閉構造において、前記レール部材は、前記のように、前記基準壁の側部(スライド溝が形成されたガイド壁側)を互いに対向させて配設される。縦方向に開閉可能な開閉構造を構築するには、縦方向に立設して配設されたレール部材と、レール部材に対して横方向に仮設可能な架設部材とが利用できる。
前記レール部材で案内部材を構成する場合、架設部材は必ずしもスライド溝(ランナーが走行可能なスライド溝(案内路))を備えている必要はなく、架設部材は棒状体又は筒体(中空又は中実の断面円形状又は多角形状棒状体又は筒体)であってもよい。さらに、レール部材(案内部材)と架設部材との連結構造は特に制限されず、種々の連結手段、例えば、連結機構(クランプ機構、ボルト・ナットなどの螺合又は締結機構など)で構成でき、嵌合機構、係合機構などを介して、この連結機構で連結してもよい。
特に、連結部材(又は連結機構)は、前記ガイド溝にスライド式に装着可能な板状のスライド部材(中間連結部材)と、このスライド部材の長手方向に間隔をおいて形成された複数の被係合凸部(ネジ部材など)と、各被係合凸部に対して係合可能な係合部材(ネジ部材に対して螺合可能な締結ナット)とを備えている。また、前記架設部材は、中空筒状の架設部材本体と、この架設部材本体の両端部に装着して連結可能な断面コ字状の連結部と、この連結部から延出する延出壁に形成され、かつ前記被係合凸部(ネジ部材の軸部)に対して上方向から装着可能な切り欠き部を備えていてもよい。前記スライド部材の複数の被係合凸部(ネジ部材)のうち下部の被係合凸部(ネジ部材)への締結ナットの螺合により前記案内部材とスライド部材とが締結可能であってもよい。
前記レール部材(案内部材)と架設部材とを連結して取り付けるための連結取付部材(連結手段)は、前記被係合凸部に対して係合可能な係合凹部を備えていてもよい。また、前記連結取付部材は、被係合凸部(ネジ部材の軸部)に対して左右方向から装着可能なスリット状切り欠き部と、前記架設部材の上壁に対して掛止可能な掛止壁と、この掛止壁から下方に延びて形成され、かつ前記滑車が開閉シート側に取り付けられた側壁(又は遮蔽壁)とを備えていてもよい。
さらに、前記案内部材の被係合凸部に対して前記架設部材の係合部と前記連結取付部材(連結手段)の係合凹部とが係合した状態で、被係合凸部に締結可能な締結部材を備えていてもよい。具体的には、上部の被係合凸部(ネジ部材)に、架設部材の切り欠き部と連結取付部材のスリット状切り欠き部とが装着された状態で、締結ナットの螺合により前記案内部材と架設部材とが締結可能である。
図14は、本発明の他の架設部材を示す分解斜視図である。この例でも、連結部(連結部材)71は、断面コ字状の立設壁72a及び対向壁72bで構成され、立設壁72aの側部から対向壁72bとは反対方向に延びる係合延出壁73には、前記と同様に、前記ネジ部材55bの軸部に対して上方向から装着可能な切り欠き部74が形成されている。一方、架設部材121は、断面中空四角形状に形成され、架設部材121の対向する側壁は、前記対向壁72b間に装着可能である。そして、前記対向壁72b間に架設部材121の対向する側壁を装着した状態で、ビス122で連結部(連結部材)71と架設部材121とを連結できる。
なお、連結部(連結部材)の構造は特に制限されず、例えば、延出壁73の両側に立設壁72aを形成し、これらの立設壁の上下部から互いに対向する対向壁72bを反対方向に延ばして形成し、延出壁73を中心として、両側方向に架設部材を連結してもよい。また、架設部材61の前後両側壁の少なくとも一方の側壁に長手方向に沿って形成された断面アリ溝状のガイド溝65と、このガイド溝に装着可能であり、かつ長手方向の側部又は中央部に切り欠き部74が形成されたスライド部材又は連結部材(例えば、前記スライド部材54と同様のスライド部材)とを用い、スライド部材又は連結部材をガイド溝65に装着して、ネジ部材(ネジ棒)に締結ナットを螺合して架設部材とスライド部材又は連結部材とを締結し、切り欠き部74を、レール部材のガイド溝に装着されたスライド部材54のネジ部材(ネジ棒)55a,55bに係止してネジ部材(ネジ棒)に締結ナット56a,56bを螺合してレール部材と連結してもよい。また、架設部材と連結部(連結部材)とを個別に形成することなく、連結部(連結部材)は架設部材と一体に形成してもよい。
走行部材及び/又は架設部材と開閉シートとの接続構造は特に制限されず、種々の構造が採用できる。例えば、走行部材に対する開閉シートの接続構造(取付構造)は、開閉シートが取り付け部で取り付け可能であればよく、前記の通り種々の取付構造、例えば、(1)開閉シート(被取付部材)の取付孔が挿入可能なネジ棒部(取り付け部の取付手段)と、このネジ棒に螺合可能なナット部材とを備えた前記ネジ止めによる取り付け又は締結構造、(2)抜け止め構造などが採用できる。この抜け止め構造(2)は、頭部を有し、開閉シート(被取付部材)の取付孔が挿入可能な軸部(取り付け部の取付手段)と、この軸部に挿入可能であり、かつ前記頭部からの抜けが規制可能な装着孔部を有し、軟質樹脂で形成されたキャップ部材とを備えていてもよい。
架設部材と開閉シートとの接続構造は、前記のように、一対のレール部材間に架設可能な架設部材(例えば、前後両側壁と左右両側壁とを備えた断面多面体状の架設部材)と、この架設部材(例えば、対向壁)に長手方向に沿って形成された装着路(アリ溝状のスライド溝又は案内路)と、この装着路(スライド溝)に摺動又はスライド可能な形態で装着可能な複数の摺動部材(スライド溝に走行可能に装着された複数の摺動子,ランナー)とを備えていてもよく、この摺動部材(ランナーなど)は、前記のように、摺動部材(ランナーなど)に対して揺動自在に取り付けられ、かつ開閉シートを取り付けるための取り付けユニットを備えていてもよい。ランナーは金属製又はプラスチック製であってもよいが、消音性を高めるため、ランナーのうち架設部材と接触する可能性がある部位(例えば、ローラ部及び支持部)はプラスチックで形成されているのが好ましい。
取り付けユニットは、前記フック部70の構造、例えば、(a)摺動部材(摺動子,ランナー)に対して揺動可能に取り付けられ、かつ開閉シート(被取付部材)の取付孔に挿入して開閉シート(被取付部材)と係合可能な鈎状のフック部材で構成してもよい。
取り付けユニットは、前記構造のフック部70に限らず、鈎状のフック部材(S字状の係合部材、シートの孔部に係合可能な鈎状の係合部材など)、少なくとも一対の部材が閉じ方向に付勢され、挟着可能な挟着機構(例えば、洗濯ばさみ、ダブルクリップなどと称される挟圧又は挟着部材、開閉シートの端部が配置可能な受け部材と、この受け部材に係合し、かつ押圧に伴って先端部で前記シートを挟圧可能な挟圧部材(板バネ材)と、閉じ操作に伴って前記挟圧部材を押圧し可能な押圧部材とを備えた挟着機構など)などで構成してもよい。さらに、架設部材にはランナーを装着する必要はなく、架設部材に開閉シートを直接的に取り付けてもよい。
図15は架設部材と開閉シートとの関係を示す概略斜視図である。この例では、開閉シート88の上部は袋縫い状に形成され、この中空袋縫い部88aには架設部材61が挿入されている。さらに、開閉シート88の下部の中空袋縫い部88bには横方向に延びる重り(金属棒状体など)131が装着されている。
架設部材と開閉シートとの取り付けユニットは、(b)摺動部材(摺動子)に前記装着路から突出可能な形態で形成され、かつ被取付部材の取付孔が挿入可能な頭部を有する軸部と、この軸部に挿入可能であり、かつ前記頭部からの抜けが規制可能な装着孔部を有し、軟質樹脂で形成されたキャップ部材を備えていてもよい。
滑車(例えば、滑車を備えた滑車取付部材)は、前記案内部材及び/又は架設部材に取り付けることができ、通常、滑車は、通常、案内部材と架設部材とで形成される区画の両側のコーナー部に位置しており、各滑車には、開閉シートと関連づけて前記区画を開閉可能な形態で開閉操作紐が掛け渡し可能である。操作紐の掛け渡し形態は特に制限されず、前記のように、一方の滑車からの紐が他方の滑車に掛け渡し可能であり、開閉操作紐が区画の一方の側部に収束可能であってもよい。また、開閉操作紐の種類は特に制限されず、天然又は合成繊維の紐を用いる場合が多いものの、強靱なワイヤなどの金属製紐などであってもよい。なお、ワイヤなどの金属製紐を用いる場合、前記環状リング部28の孔部は金属製リング部材などで補強してもよい。
なお、縦方向に配設されたレール部材のスライド溝に走行可能に配設された複数の走行部材のうち、上部(特に最上位)の走行部材は、架設部材の側部に位置する滑車に形成されたストッパー部により、下降するのを規制してもよい。
図16〜図19は、本発明の開閉構造の他の例を示す概略図である。
この例では、前記と同様の少なくとも一対のレール部材1が縦方向に配設され、このレール部材のスライド溝5には複数の走行部材131が走行可能に配設されている。この走行部材131は、取り付け部の構造を除いて、前記走行部材21と同様に形成されている。すなわち、走行部材131の取り付け部27には軸部132の端部が埋設され、頭部133を有する軸部132が延出している。また、レール部材1のガイド溝10aには、前記と同様に、ネジ部材55a,55bを有するスライド部材(中間連結部材)54がスライド自在に配設され、下部のネジ部材55aに対するナット56aの締結により位置決め可能である。
一方、上部及び下部において、レール部材1,1間に架設可能な架設部材141は、断面E字状に形成された架設部材本体142と、この架設部材本体142の背面側の側壁の端部には係合取付部材143が取り付けられ、この係合取付部材143には、スライド部材54の上部のネジ部材55bに係合可能な切り欠き部144(この例では、係合取付部材143の下縁部から逆L字状に延びる切り欠き部)が形成されている。この例では、スライド部材54の上部のネジ部材55bに切り欠き部144を係合させ、下部のネジ部材55aにナット56aを締結することにより、レール部材1,1間の上部と下部とに、それぞれ架設部材141が位置決めして取り付けられている。
架設部材本体142の前面側の側壁には、断面E字状の形態に対応して、長手方向に沿って、互いに並行に上部の第1の装着路(装着溝)145と下部の第2の装着路(装着溝)146とが形成されており、各装着路(装着溝)145,146の入り口側は、開口端縁から延びる延出側壁147a,147b,147cによりそれぞれ狭まって、断面角形C字状又はアリ溝状の装着路(装着溝)145,146を形成している。
第1の装着路(装着溝)145には、複数の摺動部材148が摺動又はスライド可能な形態で装着されている。摺動部材148は、延出側壁147b,147cの内外壁を挟んで第1の装着路(装着溝)145に装着可能な一対の円盤部149a,149bと、この円盤部を連結する軸部(前記延出壁の厚みよりも若干長い軸部)(図示せず)とを備え、延出側壁147b,147cを跨いで軸部がコロ状に転動可能な転動子で形成されている。前記軸部は、架設部材本体142の前面側に位置する円盤部149bから延出しており、この軸部150の頂部には頭部151が形成されている。この例では、頭部を有するネジで軸部150及び頭部151を形成している。
このような摺動部材148には、開閉シート(被取付部材)88の上部のハトメ部(補強取付孔)89bを前記軸部150に挿入し、抜け止めキャップ部材161を軸部150に装着することにより、開閉シート(被取付部材)88を着脱可能に取り付けることができる。すなわち、前記キャップ部材161は、円形平板状の本体部162と、この本体部の中央部に形成された装着孔部163と、本体部の中心部を跨いで、本体部からアーチ状に湾曲した摘み部164とを備えており、軟質塩化ビニル樹脂などの軟質樹脂で形成されている。装着孔部163の内径は、前記軸部150よりも大きく、かつ前記頭部151よりも若干小さく形成されており、前記頭部151からのキャップ部材161の抜けが規制可能である。そのため、前記頭部151から軸部150に、軟質樹脂の柔軟性及び伸縮性を利用して前記装着孔部163を嵌入させることにより、開閉シート(被取付部材)88を抜け止め可能に取り付けることができる。一方、摘み部164と軟質樹脂の柔軟性とを利用して前記装着孔部163から軸部150の頭部151を離脱させることもできる。
前記第2の装着路(装着溝)146にスライド式に配設されたスライド部材(中間連結部材)176を利用して、滑車ユニット171が取付可能である。この滑車ユニット171は、断面コ字状に形成され、かつ互いに対向する取付壁172,173と、この取付壁の間に回転自在に取り付けられた滑車174と、前記取付壁172,173の上部壁に取り付けられ、かつレール部材のスライド溝5に配設された複数の走行部材131のうち最上部の走行部材131の下部壁134を支持可能(又は下部壁134の下面と接触可能)に延び、かつ走行部材131が下降するのを規制するためたストッパー部材175とを備えている。第2の装着路(装着溝)146の所定位置の前記スライド部材176は、奥部(架設部材141側)の取付壁172にネジ部材177によりネジ止め可能であり、延出側壁147a,147bを介して、取付壁172と前記スライド部材176とが締結され、滑車174が位置決めされる。
さらに、レール部材1の下部の走行部材131には、開閉シート88を均一に垂下させた状態とするため、重りとしての横桟181が走行部材131の走行に伴って上下方向に移動可能に取り付けられている。すなわち、横桟181は、断面角形C字状に形成され、長手方向に沿ってアリ溝状の装着路(装着溝)182が形成され、この装着路には、摺動部材183が摺動又はスライド式に装着可能である。この例では、摺動部材183は、前記装着路(装着溝)182内に摺動可能に配設された四角形状の板状摺動体184と、この摺動体に形成され、かつ前記装着路(装着溝)182から延出する軸部185と、この軸部の頂部に形成された頭部186とで摺動子を形成している。さらに、前記横桟181の両端部には、走行部材131の取り付け部27の軸部132に挿入可能な孔部(長手方向に細長い長孔部)187が形成されている。
そして、走行部材131の取り付け部27の軸部132に横桟181の孔部(長手方向に細長い長孔部)187を挿入した状態で、開閉シート(被取付部材)88の下部のハトメ部(補強取付孔)89bを、走行部材131の軸部132と、摺動部材183の軸部185にそれぞれ挿入し、前記と同様の抜け止めキャップ部材161を軸部132,185に装着することにより、開閉シート(被取付部材)88の抜けを防止した形態で着脱可能に取り付けることができる。また、前記軸部132,185に対する蝶ネジ30の装着に比べて、キャップ部材161は、軸部132,185に差し込むだけで装着でき、装着操作が容易であり、かつ開閉シート(被取付部材)88の脱落を有効に防止できる。さらに、蝶ネジ30と異なり、高所からキャップ部材161が落下したとしても安全である。さらには、同様の構造のキャップ部材161を利用して、レール部材1の走行部材131、架設部材141の摺動部材148並びに横桟181の摺動部材183に対して、開閉シート88を取り付けることができる。
なお、摺動部材(転動子、摺動子)148,183の形態は、円形状や四角形状に限らず、装着路(装着溝)を摺動又はスライド可能な楕円形状、多角形状などであってもよい。摺動部材(転動子、摺動子)148,183は、装着路(装着溝)で走行又は転動可能な車輪を備えたランナーなどで形成してもよい。また、走行部材の取り付け部、および摺動部材(転動子、摺動子)に形成された軸部及び頭部は、金属(頭部を有するネジや棒状体)、樹脂成形体などで形成してもよい。
キャップ部材の本体部は、頭部からの抜けを規制できればよく、円形平板状に限らず、種々の形態、例えば、多角形状などであってもよく、頭部側に位置する底壁は窪んでいてもよい。装着孔部は、前記頭部からの抜けが規制可能であればよく、軟質樹脂の伸縮度に応じて、頭部を通過して軸部に挿入可能な内径を有していればよく、通常、頭部よりも内径が小さく、軸部よりも内径が大きく形成されている。また、装着孔部は、本体部の適所に形成できるが、通常、本体部の中央部に形成される。さらに、摘み部は必ずしも必要ではないが、摘み部は、単に本体部から線状の形態で延出していてもよく、本体部からアーチ状に湾曲(又はコ字状に屈曲)した摘み部(特に、本体部の中心部を跨いで形成された摘み部)を形成すると、頭部が延出していても、摘み部により作業者が頭部に接触するのを防止でき、作業者を有効に保護できる。そのため、摘み部は保護部ということもできる。また、摘み部には、本体部の中心部を跨いで、十字状などの形態で交差する摘み部を形成してもよい。さらに、摘み部では、頭部との接触部(例えば、前記交差部)の面積を大きくしてもよい。キャップ部材は、軟質樹脂、例えば、軟質塩化ビニル樹脂、オレフィン系樹脂、ゴムやエラストマーなどで形成できる。
さらに、滑車には、必ずしもストッパー部材を取り付ける必要はないが、前記レール部材の上部に配設された走行部材が下降するのを規制するためのストッパー部を備えているのが好ましい。このストッパー部は、走行部材を支持可能であればよい。
[開閉シート]
開閉シートは前記案内部材と架設部材とで形成される区画を開閉(又は遮蔽)可能である限りその種類は特に制限されず、布帛(織布/不織布などの布帛)、プラスチックシート又はフィルムや樹脂含浸布帛などで形成でき、メッシュ状又は網目状などであってもよい。シートは透明、半透明又は不透明であってもよく、着色していてもよい。開閉シートとしては、前記構造に適合した種々のシートが使用でき、既製のシート、例えば、JIS A 8952:1995に規定の建築工事用シートも使用できる。
なお、開閉シートの上部は案内部材又は架設部材に挿入する必要はなく、案内部材又は架設部材と接続又は連結されていればよい。開閉シートの側部(両側部)には、開閉操作紐が挿通している。前記の例のように、横方向に延びる襞折り部を形成し、この襞折り部に開閉操作紐が通じるハトメ部を形成してもよく、襞折り部又は開閉シートに取り付けたリング部材(環状部材など)、開閉シートに形成した孔部(挿通部)に開閉操作紐を通してもよい。シートのハトメ部又は孔部の周辺部は、金属などで構成されたリング体で補強してもよい。また、開閉シートには、必ずしも折り目を形成する必要はないが、横方向に延びる折り目を形成することにより、円滑に開閉シートを開閉できる。例えば、縦方向に間隔をおいて横方向に延びる襞折り部を形成してもよく、開閉シートの襞折り部の両側部には環状のハトメ部を形成してもよい。
開閉シートの下部は遊離状態であってもよく、開閉シートの下部には錘を取り付けてもよく、錘は、横方向に比較的均等に荷重を作用できる限り特に制限されず、例えば、棒状体、鎖などであってもよく、横方向に間隔をおいて複数の錘を取り付けてもよい。また、脱離を防止するため、錘はシートの下部で縫合、収納、締結などの形態で取り付けてもよい。
開閉シートの下部は、前記架設部材に装着されたランナーに取り付けてもよく、開閉シートの下部を袋縫い状にし、この中空袋縫い部には横方向に延びる重り(金属製チェイン、棒状体など)を取り付けてもよい。なお、開閉シートの下部(被接続部)(特に、開閉シートの両側部の下部)には、開閉操作紐の端部が抜け不能の形態で接続される。
さらに、開閉シートの両側部には、必ずしもカバー部材91を取り付ける必要はないが、ポールと開閉シートの両端部との隙間を隠すためには、カバー部材を長手方向に取り付けるのが有効である。
[支持体(支柱)及び足場部材]
なお、立設支持体(支柱)は、案内部材又は架設部材を立設して支持可能であればよく、前記L字状アングル部材を利用することなく、種々の連結部材又は締結部材で直接的に連結してもよい。連結部材又は締結部材としては、クランプ機構(自在クランプなど)を利用する場合が多い。なお、施工空間を確保するため、立設支持体と又は架設部材案内部材の間(例えば、スライド部材とクランプとの間)には、直線的又は非直線的なスペーサ部材(例えば、前記L字状アングル部材)が介在するのが有利である。
また、足場部材は、立設支持体に対して十字状に横断して立設支持体に連結可能であればよい。立設支持体と足場部材とは、クランプ機構(自在クランプ、直交クランプなど)、嵌合装着機構(例えば、クサビによる緊結又は連結機構)、締結金属線などの連結部材又は締結部材で連結又は締結してもよい。嵌合装着機構は、例えば、図5において、立設部材(支持体)41の周面(少なくとも対向する周面部、例えば、周方向に角度が90°ずれた4箇所の位置など)から突出して形成(又は溶接)されたソケット部(又は受け部、ポケット)と、足場部材51の端部の切り欠き部(縦方向に延びる切り欠き部など)に取り付けられた係止金具と、この係止金具の切り欠き部を通じて前記ソケット部(又は受け部)に嵌合又は装着可能(挿入して打ち込み可能)なクサビ部材とで構成してもよい。クサビ案内部材とこの嵌合装着機構(クサビ機構)において、クサビ部材は足場部材51に一体に形成してもよい。また、この嵌合装着機構(クサビ機構)は、ソケット部(又は受け部)に対するクサビ部材の緩みを防止するため、クサビ部材の装着(上部からの打ち込み)及び脱着(下部から上部への打ち込み)に伴って、ソケット部(又は受け部)に形成された被係合部(被係合凹部又は係合孔)に対して係合及び離脱可能な係合部(抜け止めピンなど)を備えたロック機構を有していてもよい。前記係合部(ロックピンなど)は、バネ部材により側部方向に付勢されていてもよい。なお、抜け止めピンを備えたロック機構を有するクサビによる緊結又は連結機構については、クサビ部材を案内し、ピン収納孔を有するクサビ案内部材と、前記ピン収納孔を通じて、ソケット部に形成されたピン受け入れ孔に進退道可能な抜け止めピン(板バネにより付勢されたピン)とを備えた公知の機構、例えば、特開2008−280741号公報、特開2008−280742号公報、特開2008−280743号公報などを参照できる。
足場部材と立設支持体とはクランプ機構又は嵌合装着機構(クサビ機構)で連結する場合が多い。さらに、前記の例では、案内部材に支持体(支柱)を連結しているが、案内部材に足場部材を連結してもよい。
図20は案内部材に対する足場部材の連結構造を示す概略分解斜視図である。この例では、L字状のアングル部材47を用いることなく、クランプ機構を利用して、レール部材1に対して足場部材51が連結されている。すなわち、レール部材1のガイド溝10aには、前記と同様に、長手方向に間隔をおいて2つのネジ部材(ネジ棒)43が溶接された板状のスライド部材(中間連結部材)42がスライド式に装着され、このスライド部材のネジ部材(ネジ棒)43の軸部に対してプレート191のU字状の切り欠き部192が装着され、このプレートに取り付けられ(又は溶接され)たクランプ(開閉式クランプ)194で足場部材51を締結している。なお、前記と同様に、下部のネジ部材(ネジ棒)43に締結ナット193を螺合してスライド部材42を位置決めしつつ強固に固定している。また、スライド部材42の両端部(長手方向においてU字状の切り欠き部192の両端部)を外側方向に湾曲又は屈曲させ、湾曲又は屈曲部位191aを座金として利用することにより、締結ナット193をネジ部材(ネジ棒)43に螺合し、ナット193の緩み及び脱離を防止している。このように、レール部材1を利用することにより足場部材51とも強固に連結できる。
なお、必要であれば、L字状のアングル部材47を用いて案内部材1に対して足場部材51を連結してもよい。また、L字状のアングル部材47を用いることなく、レール部材又は案内部材に対して支持体(支柱)を連結してもよい。例えば、図5において、L字状のアングル部材47及びクランプ(開閉式クランプ)48を用いることなく、前記と同様のロック機構を有していてもよい嵌合装着機構(クサビ機構)を利用して、レール部材(案内部材)1と支持体(支柱)41とを連結してもよい。この場合、支持体(支柱)41の周面から突出してソケット部(又は受け部)を形成し、L字状のアングル部材47に代えて、プレート45から横方向に延出する結合連結部を形成し、この結合連結部の端部に縦方向に延びる切り欠き部(入り口が狭まった切り欠き部など)を形成し、この切り欠き部を通じて前記ソケット部(又は受け部)にクサビ部材を嵌合又は装着して(挿入して打ち込んで)もよい。
立設支持体13及び足場部材14は必ずしも必要ではない。例えば、案内部材を支持体(支柱)として利用し、架設部材15を足場部材14として利用してもよい。