JP6497520B2 - 液晶配向処理剤、液晶配向膜および液晶表示素子 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶表示素子の製造において用いられる液晶配向処理剤、この液晶配向処理剤から得られる液晶配向膜およびこの液晶配向膜を使用した液晶表示素子に関するものである。
液晶表示素子は、薄型・軽量を実現する表示デバイスとして、現在、広く使用されている。通常、この液晶表示素子には、液晶の配向状態を決定づけるために液晶配向膜が使用されている。また、一部の垂直配向型の液晶表示素子などを除き、その液晶配向膜のほとんどは、電極基板上に形成された液晶配向膜の表面を、なんらかの配向処理を行うことで作製されている。
液晶配向膜の配向処理方法として、現在、一般的に用いられている方法は、その液晶配向膜表面を、レーヨンなどを素材とする布によって圧力をかけて擦る、いわゆるラビング処理を行う方法である。このようなラビング処理に伴う液晶配向膜の削れカスに対しては、ポリアミド酸またはポリイミドの少なくとも1種の重合体とともに、特定の熱架橋性化合物を含有する液晶配向処理剤を使用する方法(例えば特許文献1参照)や、同様にエポキシ基含有化合物を含有する液晶配向処理剤を使用する方法(例えば特許文献2参照)など、硬化剤を用いることによってラビング耐性を向上させる方法が提案されている。
また、液晶表示素子の高精細化に伴い、液晶表示素子のコントラスト低下の抑制や残像現象の低減といった要求から、そこに使用される液晶配向膜においても電圧保持率が高いことや、直流電圧を印加した際の残留電荷が少ない、および/または直流電圧により蓄積した残留電荷の緩和が早いといった特性が次第に重要となっていた。
ポリイミド系の液晶配向膜において、直流電圧によって発生した残像が消えるまでの時間が短いものとして、ポリアミド酸やイミド基含有ポリアミド酸に加えて特定構造の3級アミンを含有する液晶配向剤を使用したもの(例えば特許文献3参照)や、ピリジン骨格などを有する特定ジアミンを原料に使用した可溶性ポリイミドを含有する液晶配向剤を使用したもの(例えば特許文献4参照)などが知られている。また、電圧保持率が高く、かつ直流電圧によって発生した残像が消えるまでの時間が短いものとして、ポリアミド酸やそのイミド化重合体などに加えて分子内に1個のカルボン酸基を含有する化合物、分子内に1個のカルボン酸無水物基を含有する化合物および分子内に1個の3級アミン基を含有する化合物から選ばれる化合物を極少量含有する液晶配向剤を使用したもの(例えば特許文献5参照)が知られている。
特開平9−185065号公報 特開平9−146100号公報 特開平9−316200号公報 特開平10−104633号公報 特開平8−76128号公報
近年、液晶表示素子の製造プロセス時間の短縮を目的に、ラビング処理は、短時間に強いラビング条件で行われる。そのため、従来に比べて、ラビング処理に伴う液晶配向膜の削れカスやラビング処理に伴う傷が、多く発生してしまう問題がある。そして、これらの異常は、液晶表示素子の特性を低下させ、さらには、歩留まりの低下を引き起こす原因の1つとされている。
また、近年の液晶表示素子の高性能化に伴い、大画面で高精細の液晶テレビや、車載用途、例えば、カーナビゲーションシステムやメーターパネルなどの用途に液晶表示素子が用いられている。こうした用途では、高輝度を得るために、発熱量の大きいバックライトを使用する場合がある。このため、液晶配向膜には、さらに別の観点からの高い信頼性、すなわち、バックライトからの光に対する高い安定性が要求されるようになっている。特に、液晶表示素子の電気特性の1つである電圧保持率が、バックライトからの光照射によって低下してしまうと、液晶表示素子の表示不良の1つである焼き付き不良(線焼き付きともいわれる)が発生しやすくなってしまい、信頼性の高い液晶表示素子を得ることができない。したがって、液晶配向膜においては、初期特性が良好なことに加え、例えば、長時間、光の照射に曝された後であっても、電圧保持率が低下しにくいことが求められている。さらに、もう1つの焼き付き不良である面焼付きに対しても、バックライトからの光照射によって、直流電圧により蓄積する残留電荷の緩和が早い液晶配向膜が求められている。
そこで、本発明は、上記特性を兼ね備えた液晶配向膜を提供することを目的とする。すなわち、本発明の目的は、液晶表示素子の製造プロセス中のラビング処理に伴う液晶配向膜の削れカスやラビング処理に伴う傷が発生しにくい液晶配向膜を提供することにある。また、この特性に加えて、長時間、光の照射に曝されても、電圧保持率の低下が抑制され、かつ直流電圧により蓄積する残留電荷の緩和が早い液晶配向膜を提供することにある。加えて、上記の液晶配向膜を有する液晶表示素子、上記の液晶配向膜を提供することのできる液晶配向処理剤を提供することにある。
本発明者は、鋭意研究を行った結果、特定構造を有するジアミン化合物を含有するジアミン成分と特定構造のテトラカルボン酸二無水物を含有するテトラカルボン酸成分とを反応させて得られるポリイミド前駆体またはポリイミドから選ばれる少なくともいずれか一方を含有する液晶配向処理剤が、上記の目的を達成するために極めて有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の要旨を有するものである。
(1)下記の式[1]で示されるジアミン化合物を含有するジアミン成分と下記の式[2]で示されるテトラカルボン酸二無水物を含有するテトラカルボン酸成分とを反応させて得られるポリイミド前駆体およびポリイミドから選ばれる少なくとも一種の重合体を含有する液晶配向処理剤。
Figure 0006497520
(式[1]中、Xは−O−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−CHO−、−OCO−、−CON(CH)−または−N(CH)CO−を示し、Xは単結合、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、非芳香族環式炭化水素基または芳香族炭化水素基を示し、Xは単結合、−O−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OCO−、−CON(CH)−または−N(CH)CO−、−O(CH−(mは1〜5の整数である)を示し、Xは窒素含有芳香族複素環を示し、nは1〜4の整数を示す)。
Figure 0006497520
(2)前記式[1]中のXが−O−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−CHO−、−OCO−または−CON(CH)−を示すジアミン化合物である上記(1)に記載の液晶配向処理剤。
(3)前記式[1]中のXが単結合、炭素数1〜5のアルキル基、シクロヘキサン環またはベンゼン環を示すジアミン化合物である上記(1)または上記(2)に記載の液晶配向処理剤。
(4)前記式[1]中のXが単結合、−O−、−OCO−または−O(CH−(mは1〜5の整数である)を示すジアミン化合物である上記(1)〜上記(3)のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
(5)前記式[1]中のXがピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環またはピリミジン環を示すジアミン化合物である上記(1)〜上記(4)のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
(6)前記式[1]中のXが−CONH−を示し、Xが炭素数1〜5のアルキル基を示し、Xが単結合を示し、Xがイミダゾール環またはピリジン環を示し、nが1を示すジアミン化合物である上記(1)に記載の液晶配向処理剤。
(7)前記ジアミン成分に、下記の式[3]で示されるジアミン化合物を含むことを特徴とする上記(1)〜上記(6)に記載の液晶配向処理剤。
Figure 0006497520
(式[3]中、Yは下記の式[3−1]〜式[3−6]から選ばれる少なくとも1つの構造の置換基を示し、mは1〜4の整数を示す)。
Figure 0006497520
(式[3−1]中、aは0〜4の整数を示し、[3−2]中、bは0〜4の整数を示し、式[3−3]中、Yは単結合、−(CH−(aは1〜15の整数である)、−O−、−CHO−、−COO−または−OCO−を示し、Yは単結合または−(CH−(bは1〜15の整数である)を示し、Yは単結合、−(CH−(cは1〜15の整数である)、−O−、−CHO−、−COO−または−OCO−を示し、Yはベンゼン環、シクロヘキサン環または複素環から選ばれる2価の環状基、またはステロイド骨格を有する炭素数17〜51の2価の有機基を示し、前記環状基上の任意の水素原子が、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルコキシル基またはフッ素原子で置換されていてもよく、Yはベンゼン環、シクロヘキサン環または複素環から選ばれる2価の環状基を示し、これらの環状基上の任意の水素原子が、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルコキシル基またはフッ素原子で置換されていてもよく、nは0〜4の整数を示し、Yは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜18のアルコキシル基または炭素数1〜18のフッ素含有アルコキシル基を示し、式[3−4]中、Yは−O−、−CHO−、−COO−、−OCO−、−CONH−または−NHCO−を示し、Yは炭素数8〜22のアルキル基を示し、式[3−5]中、YおよびY10はそれぞれ独立して炭素数1〜12の炭化水素基を示し、式[3−6]中、Y11は炭素数1〜5のアルキル基を示す)。
(8)前記テトラカルボン酸成分に、さらに下記の式[4]で示されるテトラカルボン酸二無水物を含むことを特徴とする上記(1)〜上記(7)のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
Figure 0006497520
(式[4]中、Zは下記の式[4a]〜式[4j]から選ばれる構造の基を示す)。
Figure 0006497520
(式[4a]中、Z〜Zは水素原子、メチル基、塩素原子またはベンゼン環を示し、それぞれ同じであっても異なってもよく、式[4g]中、ZおよびZは水素原子またはメチル基を示し、それぞれ同じであっても異なってもよい)。
(9)液晶配向処理剤の溶媒として、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドンまたはγ−ブチロラクトンの溶媒を含有する上記(1)〜上記(8)のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
(10)液晶配向処理剤の溶媒として、下記の式[D−1]〜式[D−3]で示される溶媒から選ばれる溶媒を含有する上記(1)〜上記(9)のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
Figure 0006497520
(式[D−1]中、Dは炭素数1〜3のアルキル基を示し、式[D−2]中、Dは炭素数1〜3のアルキル基を示し、式[D−3]中、Dは炭素数1〜4のアルキル基を示す)。
(11)液晶配向処理剤の溶媒として、1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルまたはジプロピレングリコールジメチルエーテルから選ばれる溶媒を含有する上記(1)〜上記(10)のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
(12)上記(1)〜上記(11)のいずれかに記載の液晶配向処理剤から得られる液晶配向膜。
(13)上記(1)〜上記(11)のいずれかに記載の液晶配向処理剤を用いて、インクジェット法にて得られる液晶配向膜。
(14)上記(12)または上記(13)に記載の液晶配向膜を有する液晶表示素子。
(15)電極を備えた一対の基板の間に液晶層を有してなり、前記一対の基板の間に活性エネルギー線および熱の少なくとも一方により重合する重合性化合物を含む液晶組成物を配置し、前記電極間に電圧を印加しつつ前記重合性化合物を重合させる工程を経て製造される液晶表示素子に用いられることを特徴とする上記(12)または上記(13)に記載の液晶配向膜。
(16)上記(15)に記載の液晶配向膜を有することを特徴とする液晶表示素子。
(17)電極を備えた一対の基板の間に液晶層を有してなり、前記一対の基板の間に活性エネルギー線および熱の少なくとも一方により重合する重合性基を含む液晶配向膜を配置し、前記電極間に電圧を印加しつつ前記重合性基を重合させる工程を経て製造される液晶表示素子に用いられることを特徴とする上記(12)または上記(13)に記載の液晶配向膜。
(18)上記(17)に記載の液晶配向膜を有することを特徴とする液晶表示素子。
本発明の特定構造を有するジアミン化合物を含有するジアミン成分と特定構造のテトラカルボン酸二無水物を含有するテトラカルボン酸成分とを反応させて得られるポリイミド前駆体またはポリイミドから選ばれる少なくともいずれか一方を含有する液晶配向処理剤は、液晶表示素子の製造プロセス中のラビング処理に伴う液晶配向膜の削れカスやラビング処理に伴う傷が発生しにくい液晶配向膜を得ることができる。また、この特性に加えて、長時間、光の照射に曝されても、電圧保持率の低下が抑制され、かつ直流電圧により蓄積する残留電荷の緩和が早い液晶配向膜となる。よって、本発明の液晶配向処理剤から得られた液晶配向膜を有する液晶表示素子は、信頼性に優れたものとなり、大型の液晶テレビ、中小型のカーナビゲーションシステムやスマートフォンなどに好適に利用できる。
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明は、下記の式[1]で示されるジアミン化合物(特定複素環ジアミン化合物ともいう)を含有するジアミン成分と下記の式[2]で示されるテトラカルボン酸二無水物(特定テトラカルボン酸二無水物ともいう)を含有するテトラカルボン酸成分とを反応させて得られるポリイミド前駆体およびポリイミド(合わせて特定ポリイミド系重合体ともいう)から選ばれる少なくとも一種の重合体を含有する液晶配向処理剤、該液晶配向処理剤を用いて得られる液晶配向膜、さらには、該液晶配向膜を有する液晶表示素子である。
Figure 0006497520
(式[1]中、Xは−O−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−CHO−、−OCO−、−CON(CH)−または−N(CH)CO−を示し、Xは単結合、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、非芳香族環式炭化水素基または芳香族炭化水素基を示し、Xは単結合、−O−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OCO−、−CON(CH)−または−N(CH)CO−、−O(CH−(mは1〜5の整数である)を示し、Xは窒素含有芳香族複素環を示し、nは1〜4の整数を示す)。
Figure 0006497520
本発明の特定テトラカルボン酸二無水物は、アミドカルボン酸の熱イミド化反応を促進させる効果がある。そのため、特定テトラカルボン酸二無水物より得られた液晶配向処理剤は、液晶配向膜の焼成工程の際に、熱イミド化が促進され、物理的に安定、すなわち、膜の硬度が高い液晶配向膜を得ることができる。
また、本発明の特定複素環ジアミン化合物は、側鎖に窒素含有芳香族複素環を有する。この窒素含有複素環は、アミドカルボン酸の熱イミド化反応を促進させる触媒の効果がある。そのため、特定複素環ジアミン化合物より得られた液晶配向処理剤は、液晶配向膜の焼成工程の際に、熱イミド化反応が促進され、安定な液晶配向膜を得ることができる。これにより、初期の特性に加え、長時間、光の照射に曝されても、高くて安定な電圧保持率を示す液晶配向膜となる。
さらに、本発明の特定複素環ジアミン化合物の側鎖にある窒素含有芳香族複素環は、その共役構造により電子のホッピングサイトとして機能するので、特定複素環ジアミン化合物より得られた液晶配向処理剤より製造される液晶配向膜では、液晶配向膜中の電荷の移動を促進させることができる。
以上の点から、本発明の特定複素環ジアミン化合物と特定テトラカルボン酸二無水物から得られるポリイミド前駆体またはポリイミドから選ばれる少なくともいずれか一方を含有する液晶配向処理剤は、液晶表示素子の製造プロセス中のラビング処理に伴う液晶配向膜の削れカスやラビング処理に伴う傷が発生しにくい液晶配向膜となる。また、この特性に加えて、長時間、光の照射に曝されても、電圧保持率の低下が抑制され、かつ直流電圧により蓄積する残留電荷の緩和が早い液晶配向膜となる。
<特定複素環ジアミン化合物>
本発明の特定複素環ジアミン化合物は、下記の式[1]で示される化合物である。
Figure 0006497520
式[1]中、Xは−O−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−CHO−、−OCO−、−CON(CH)−または−N(CH)CO−を示す。なかでも、−O−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−CHO−、−OCO−、−CON(CH)−または−N(CH)CO−は、ジアミン化合物を合成し易いので好ましい。特に好ましいのは、−O−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−CHO−、−OCO−または−CON(CH)−である。
式[1]中、Xは単結合、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、非芳香族環式炭化水素基または芳香族炭化水素基を示す。
炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基は、直鎖状でも良いし、分岐していても良い。また、不飽和結合を有していても良い。なかでも、炭素数1〜10のアルキル基が好ましい。
非芳香族環式炭化水素基の具体例としては、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロノナン環、シクロデカン環、シクロウンデカン環、シクロドデカン環、シクロトリデカン環、シクロテトラデカン環、シクロペンタデカン環、シクロヘキサデカン環、シクロヘプタデカン環、シクロオクタデカン環、シクロノナデカン環、シクロイコサン環、トリシクロエイコサン環、トリシクロデコサン環、ビシクロヘプタン環、デカヒドロナフタレン環、ノルボルネン環またはアダマンタン環などが挙げられる。なかでも、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、ノルボルネン環またはアダマンタン環が好ましい。
芳香族炭化水素基の具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、テトラヒドロナフタレン環、アズレン環、インデン環、フルオレン環、アントラセン環、フェナントレン環またはフェナレン環などが挙げられる。なかでも、ベンゼン環、ナフタレン環、テトラヒドロナフタレン環、フルオレン環またはアントラセン環が好ましい。
式[1]における好ましいXとしては、単結合、炭素数1〜10のアルキル基、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、ノルボルネン環、アダマンタン環、ベンゼン環、ナフタレン環、テトラヒドロナフタレン環、フルオレン環またはアントラセン環である。なかでも、単結合、炭素数1〜5のアルキル基、シクロヘキサン環またはベンゼン環が好ましい。
式[1]中、Xは単結合、−O−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OCO−、−CON(CH)−または−N(CH)CO−、−O(CH−(mは1〜5の整数である)を示す。なかでも、単結合、−O−、−COO−、−OCO−または−O(CH−(mは1〜5の整数である)が好ましく、特に好ましいのは、単結合、−O−、−OCO−または−O(CH−(mは1〜5の整数である)である。
式[1]中、Xは窒素含有芳香族複素環であり、下記の式[1a]、式[1b]および式[1c]から選ばれる少なくとも1個の構造を含有する芳香族複素環である。
Figure 0006497520
(式[1c]中、Xは炭素数1〜5のアルキル基を示す)。
の例としては、ピロール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、キノリン環、ピラゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、プリン環、チアジアゾール環、ピリダジン環、ピラゾリン環、トリアジン環、ピラゾリジン環、トリアゾール環、ピラジン環、ベンズイミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、チノリン環、フェナントロリン環、インドール環、キノキサリン環、ベンゾチアゾール環、フェノチアジン環、オキサジアゾール環またはアクリジン環などを挙げることができる。なかでも、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、トリアゾール環、ピラジン環、ベンズイミダゾール環またはベンゾイミダゾール環が好ましく、特に好ましいのは、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環またはピリミジン環である。
また、式[1]におけるXは、Xに含まれる式[1a]、式[1b]および式[1c]と隣り合わない置換基と結合していることが好ましい。
式[1]における好ましいX 、XおよびXの組み合わせは、下記の表1〜表31に示す通りである。
Figure 0006497520
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Figure 0006497520
式[1]中、nは1〜4の整数であり、好ましくはテトラカルボン酸成分との反応性の点から、1または2である。
式[1]における二つのアミノ基(−NH)の結合位置は限定されない。具体的には、側鎖の結合基(X)に対して、ベンゼン環上の2,3の位置、2,4の位置、2,5の位置、2,6の位置、3,4の位置または3,5の位置が挙げられる。なかでも、ポリアミック酸を合成する際の反応性の観点から、2,4の位置、2,5の位置または3,5の位置が好ましい。ジアミン化合物を合成する際の容易性も加味すると、2,4の位置または2,5の位置がより好ましい。
本発明の式[1]で示される特定複素環ジアミン化合物は、本発明の特定ポリイミド系重合体の溶媒への溶解性や塗布性、液晶配向膜にした場合における液晶の配向性、電圧保持率、蓄積電荷などの特性に応じて、1種類または2種類以上を混合して使用することができる。
<特定ジアミン化合物>
本発明の特定ポリイミド系重合体を作製するためのジアミン成分としては、前記式[1]で示される特定複素環ジアミン化合物とともに、それ以外のジアミン化合物を用いることができる。
なかでも、下記の式[3]で示される構造を有するジアミン化合物(特定ジアミン化合物ともいう)を用いることが好ましい。
Figure 0006497520
(式[3]中、Yは下記の式[3−1]〜式[3−6]から選ばれる少なくとも1つの構造の置換基を示し、mは1〜4の整数を示す)。
Figure 0006497520
式[3−1]中、aは、0〜4の整数を示す。なかでも、原料の入手性や合成の容易さの点から、0または1が好ましい。
式[3−2]中、bは0〜4の整数を示す。なかでも、原料の入手性や合成の容易さの点から、0または1の整数が好ましい。
式[3−3]中、Yは単結合、−(CH−(aは1〜15の整数である)、−O−、−CHO−、−COO−または−OCO−を示す。なかでも、原料の入手性や合成の容易さの点から、単結合、−(CH−(aは1〜15の整数である)、−O−、−CHO−または−COO−が好ましい。より好ましいのは、単結合、−(CH−(aは1〜10の整数である)、−O−、−CHO−または−COO−である。
式[3−3]中、Yは単結合または−(CH−(bは1〜15の整数である)を示す。なかでも、単結合または−(CH−(bは1〜10の整数である)が好ましい。
式[3−3]中、Yは単結合、−(CH−(cは1〜15の整数である)、−O−、−CHO−、−COO−または−OCO−を示す。なかでも、合成の容易さの点から、単結合、−(CH−(cは1〜15の整数である)、−O−、−CHO−または−COO−が好ましい。より好ましいのは、単結合、−(CH−(cは1〜10の整数である)、−O−、−CHO−または−COO−である。
式[3−3]中、Yはベンゼン環、シクロヘキサン環または複素環から選ばれる2価の環状基であり、これらの環状基上の任意の水素原子は、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルコキシル基またはフッ素原子で置換されていてもよい。さらに、Yは、ステロイド骨格を有する炭素数17〜51の有機基から選ばれる2価の有機基であってもよい。なかでも、合成の容易さの点から、ベンゼン環、シクロへキサン環またはステロイド骨格を有する炭素数17〜51の有機基が好ましい。
式[3−3]中、Yはベンゼン環、シクロヘキサン環または複素環から選ばれる2価の環状基を示し、これらの環状基上の任意の水素原子が、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルコキシル基またはフッ素原子で置換されていてもよい。なかでも、ベンゼン環またはシクロへキサン環が好ましい。
式[3−3]中、nは0〜4の整数を示す。なかでも、原料の入手性や合成の容易さの点から、0〜3が好ましい。より好ましいのは、0〜2である。
式[3−3]中、Yは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜18のアルコキシル基または炭素数1〜18のフッ素含有アルコキシル基を示す。なかでも、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜10のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜18のアルコキシル基または炭素数1〜10のフッ素含有アルコキシル基が好ましい。より好ましくは、炭素数1〜12のアルキル基または炭素数1〜12のアルコキシル基である。特に好ましくは、炭素数1〜9のアルキル基または炭素数1〜9のアルコキシル基である。
式[3]中の置換基Yを構成するための式[3−3]におけるY、Y、Y、Y、Y、Yおよびnの好ましい組み合わせとしては、国際公開公報WO2011/132751(2011.10.27公開)の13項〜34項の表6〜表47に掲載される(2−1)〜(2−629)と同じ組み合わせが挙げられる。なお、国際公開公報の各表では、本発明におけるY〜Yが、Y1〜Y6として示されているが、Y1〜Y6は、Y〜Yと読み替えるものとする。
式[3−4]中、Yは−O−、−CHO−、−COO−、−OCO−、−CONH−または−NHCO−を示す。なかでも、−O−、−CHO−、−COO−または−CONH−が好ましい。より好ましくは、−O−、−COO−または−CONH−である。
式[3−4]中、Yは炭素数8〜22のアルキル基を示す。
式[3−5]中、YおよびY10はそれぞれ独立して炭素数1〜12の炭化水素基を示す。
式[3−6]中、Y11は炭素数1〜5のアルキル基を示す。
下記に、本発明の前記式[3]で示される特定ジアミン化合物の具体的な構造を挙げるが、これらの例に限定されるものではない。
すなわち、特定ジアミン化合物としては、2,4−ジメチル−m−フェニレンジアミン、2,6−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノ安息香酸、3,5−ジアミノ安息香酸、2,4−ジアミノフェノール、3,5−ジアミノフェノール、3,5−ジアミノベンジルアルコール、2,4−ジアミノベンジルアルコール、4,6−ジアミノレゾルシノールの他に、下記の式[3−7]〜[3−47]で示される構造のジアミン化合物を挙げることができる。
Figure 0006497520
(式[3−7]〜式[3−10]中、Aは、炭素数1〜22のアルキル基またはフッ素含有アルキル基を示す)。
Figure 0006497520
Figure 0006497520
Figure 0006497520
Figure 0006497520
Figure 0006497520
Figure 0006497520
Figure 0006497520
Figure 0006497520
Figure 0006497520
Figure 0006497520
Figure 0006497520
Figure 0006497520
(式[3−35]〜式[3−37]中、Rは−O−、−OCH−、−CHO−、−COOCH−または−CHOCO−を示し、Rは炭素数1〜22のアルキル基、アルコキシ基、フッ素含有アルキル基またはフッ素含有アルコキシ基を示す)。
Figure 0006497520
(式[3−38]〜式[3−40]中、Rは−COO−、−OCO−、−COOCH−、−CHOCO−、−CHO−、−OCH−または−CH−を示し、Rは炭素数1〜22のアルキル基、アルコキシ基、フッ素含有アルキル基またはフッ素含有アルコキシ基を示す)。
Figure 0006497520
(式[3−41]および式[3−42]中、Rは−COO−、−OCO−、−COOCH−、−CHOCO−、−CHO−、−OCH−、−CH−または−O−であり、Rはフッ素基、シアノ基、トリフルオロメタン基、ニトロ基、アゾ基、ホルミル基、アセチル基、アセトキシ基または水酸基である)。
Figure 0006497520
(式[3−43]および式[3−44]中、Rは炭素数3〜12のアルキル基を示す。なお、1,4-シクロヘキシレンのシス−トランス異性は、それぞれトランス異性体が好ましい)。
Figure 0006497520
(式[3−45]および式[3−46]中、Rは炭素数3〜12のアルキル基を示す。なお、1,4-シクロヘキシレンのシス−トランス異性は、それぞれトランス異性体が好ましい)。
Figure 0006497520
(式[3−47]中、Bはフッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜20のアルキル基を示し、Bは1,4−シクロへキシレン基また1,4−フェニレン基を示し、Bは酸素原子または−COO−*(但し、「*」を付した結合手がBと結合する)を示し、Bは酸素原子または−COO−*(但し、「*」を付した結合手が(CH)aと結合する)を示す。また、aは0または1の整数を示し、aは2〜10の整数を示し、aは0または1の整数を示す)。
本発明の式[3]で示される特定ジアミン化合物のなかで、式[3]中の置換基Yが式[3−3]で示される構造の特定ジアミン化合物を用いた特定ポリイミド系重合体から得られる液晶配向処理剤は、液晶配向膜にした場合に、液晶のプレチルト角を高くすることができる。その際、これらの効果を高めることを目的に、上記ジアミン化合物の中でも、式[3−29]〜式[3−40]または式[3−43]〜式[3−47]で示される特定ジアミン化合物を用いることが好ましい。より好ましいのは、式[3−25]〜式[3−40]または式[3−43]〜式[3−47]で示される特定ジアミン化合物である。また、よりこれらの効果を高めるため、この特定ジアミン化合物は、ジアミン成分全体の5モル%以上80モル%以下であることが好ましい。より好ましくは、液晶配向処理剤の塗布性や液晶配向膜としての電気特性の点から、この特定ジアミン化合物は、ジアミン成分全体の5モル%以上60モル%である。
本発明の式[3]で示される特定ジアミン化合物は、本発明の特定ポリイミド系重合体の溶媒への溶解性や塗布性、液晶配向膜にした場合における液晶の配向性、電圧保持率、蓄積電荷などの特性に応じて、1種類または2種類以上を混合して使用することができる。
本発明の特定ポリイミド系重合体を作製するためのジアミン成分としては、前記特定複素環ジアミン化合物および特定ジアミン化合物以外のジアミン化合物(その他ジアミン化合物ともいう)をジアミン成分として用いることができる。下記に、その他ジアミン化合物の具体例を挙げるが、これらの例に限定されるものではない。
例えば、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジフルオロ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−トリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジアミノビフェニル、2,3’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’−ジアミノジフェニルメタン、2,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2’−ジアミノジフェニルエーテル、2,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−スルホニルジアニリン、3,3’−スルホニルジアニリン、ビス(4−アミノフェニル)シラン、ビス(3−アミノフェニル)シラン、ジメチル−ビス(4−アミノフェニル)シラン、ジメチル−ビス(3−アミノフェニル)シラン、4,4’−チオジアニリン、3,3’−チオジアニリン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、3,3’−ジアミノジフェニルアミン、3,4’−ジアミノジフェニルアミン、2,2’−ジアミノジフェニルアミン、2,3’−ジアミノジフェニルアミン、N−(4,4’−ジアミノジフェニル)メチルアミン、N−(3,3’−ジアミノジフェニル)メチルアミン、N−(3,4’−ジアミノジフェニル)メチルアミン、N−(2,2’−ジアミノジフェニル)メチルアミン、N−(2,3’−ジアミノジフェニル)メチルアミン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、1,4−ジアミノナフタレン、2,2’−ジアミノベンゾフェノン、2,3’−ジアミノベンゾフェノン、1,5−ジアミノナフタレン、1,6−ジアミノナフタレン、1,7−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、2,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノナフタレン、2,8−ジアミノナフタレン、1,2−ビス(4−アミノフェニル)エタン、1,2−ビス(3−アミノフェニル)エタン、1,3−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、1,3−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、1,4−ビス(4アミノフェニル)ブタン、1,4−ビス(3−アミノフェニル)ブタン、ビス(3,5−ジエチル−4−アミノフェニル)メタン、1,4−ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4-アミノフェニル)ベンゼン、1,3−ビス(4-アミノフェニル)ベンゼン、1,4−ビス(4-アミノベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−[1,4−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、4,4’−[1,3−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、3,4’−[1,4−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、3,4’−[1,3−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、3,3’−[1,4−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、3,3’−[1,3−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、1,4−フェニレンビス[(4−アミノフェニル)メタノン]、1,4−フェニレンビス[(3−アミノフェニル)メタノン]、1,3−フェニレンビス[(4−アミノフェニル)メタノン]、1,3−フェニレンビス[(3−アミノフェニル)メタノン]、1,4−フェニレンビス(4−アミノベンゾエート)、1,4−フェニレンビス(3−アミノベンゾエート)、1,3−フェニレンビス(4−アミノベンゾエート)、1,3−フェニレンビス(3−アミノベンゾエート)、ビス(4−アミノフェニル)テレフタレート、ビス(3−アミノフェニル)テレフタレート、ビス(4−アミノフェニル)イソフタレート、ビス(3−アミノフェニル)イソフタレート、N,N’−(1,4−フェニレン)ビス(4−アミノベンズアミド)、N,N’−(1,3−フェニレン)ビス(4−アミノベンズアミド)、N,N’−(1,4−フェニレン)ビス(3−アミノベンズアミド)、N,N’−(1,3−フェニレン)ビス(3−アミノベンズアミド)、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)テレフタルアミド、N,N’−ビス(3−アミノフェニル)テレフタルアミド、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)イソフタルアミド、N,N’−ビス(3−アミノフェニル)イソフタルアミド、9,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2’−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2’−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)プロパン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)プロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)プロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ブタン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ブタン、1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタン、1,5−ビス(3−アミノフェノキシ)ペンタン、1,6−ビス(4−アミノフェノキシ)へキサン、1,6−ビス(3−アミノフェノキシ)へキサン、1,7−ビス(4−アミノフェノキシ)ヘプタン、1,7−ビス(3−アミノフェノキシ)ヘプタン、1,8−ビス(4−アミノフェノキシ)オクタン、1,8−ビス(3−アミノフェノキシ)オクタン、1,9−ビス(4−アミノフェノキシ)ノナン、1,9−ビス(3−アミノフェノキシ)ノナン、1,10−ビス(4−アミノフェノキシ)デカン、1,10−ビス(3−アミノフェノキシ)デカン、1,11−ビス(4−アミノフェノキシ)ウンデカン、1,11−ビス(3−アミノフェノキシ)ウンデカン、1,12−ビス(4−アミノフェノキシ)ドデカン、1,12−ビス(3−アミノフェノキシ)ドデカン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノへキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカンまたは1,12−ジアミノドデカンなどが挙げられる。
また、その他ジアミン化合物として、ジアミン側鎖にアルキル基、フッ素含有アルキル基、芳香環、脂肪族環または複素環を有するもの、さらに、これらからなる大環状置換体を有するものなどを挙げることもできる。具体的には、下記の式[DA1]〜[DA7]で示されるジアミン化合物を例示することができる。
Figure 0006497520
Figure 0006497520
Figure 0006497520
(式[DA1]〜式[DA6]中、Aは−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−CH−、−O−、−CO−または−NH−を示し、Aは炭素数1〜22の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基または炭素数1〜22の直鎖状もしくは分岐状のフッ素含有アルキル基を示す)。
Figure 0006497520
(式[DA7]中、pは1〜10の整数を示す)。
本発明の効果を損なわない限りにおいて、その他ジアミン化合物として、下記の式[DA8]〜式[DA13]で示されるジアミン化合物を用いることもできる。
Figure 0006497520
Figure 0006497520
(式[DA10]中、mは0〜3の整数を示し、式[DA13]中、nは1〜5の整数を示す)。
さらに、本発明の効果を損なわない限りにおいて、下記の式[DA14]〜式[DA17]で示されるジアミン化合物を用いることもできる。
Figure 0006497520
(式[DA14]中、Aは単結合、−CH−、−C−、−C(CH−、−CF−、−C(CF−、−O−、−CO−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−CHO−、−OCH−、−COO−、−OCO−、−CON(CH)−または−N(CH)CO−を示し、mおよびmはそれぞれ0〜4の整数を示し、かつm+mは1〜4の整数を示し、式[DA15]中、mおよびmはそれぞれ1〜5の整数を示し、式[DA16]中、Aは炭素数1〜5の直鎖または分岐アルキル基を示し、mは1〜5の整数を示し、式[DA17]中、Aは単結合、−CH−、−C−、−C(CH−、−CF−、−C(CF−、−O−、−CO−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−CHO−、−OCH−、−COO−、−OCO−、−CON(CH)−または−N(CH)CO−を示し、mは1〜4の整数を示す)。
加えて、その他ジアミン化合物として、下記の式[DA18]および式[DA19]で示されるジアミン化合物を用いることもできる。
Figure 0006497520
本発明のジアミン成分においては、すべてのジアミン成分が、本発明の特定複素環ジアミン化合物であっても良い。なかでも、特定複素環ジアミン化合物は、全ジアミン成分中の5モル%以上であることが好ましい。なかでも、10モル%以上が好ましく、特に好ましいのは、20モル%以上である。
また、本発明のジアミン成分に、前記式[3]で示される特定ジアミン化合物を用いる場合、式[3]で示されるテトラカルボン酸二無水物は、全テトラカルボン酸成分中の10モル%以上であることが好ましい。なかでも、20モル%以上が好ましく、特に好ましいのは、30モル%以上である。
さらに、式[3]で示される特定ジアミン化合物のなかで、式[3]中の置換基Yが式[3−3]で示される構造の特定ジアミン化合物を用いた特定ポリイミド系重合体から得られる液晶配向処理剤は、液晶配向膜にした場合に、液晶のプレチルト角を高くすることができる。その際、これらの効果を高めることを目的に、この特定ジアミン化合物は、全ジアミン成分中の5モル%以上80モル%以下であることが好ましい。より好ましくは、液晶配向処理剤の塗布性や液晶配向膜としての電気特性の点から、この特定ジアミン化合物は、ジアミン成分全体の5モル%以上60モル%以下である。
上記のその他ジアミン化合物は、本発明の特定ポリイミド系重合体の溶媒への溶解性や液晶配向処理剤の塗布性、液晶配向膜とした場合における液晶の配向性、電圧保持率、蓄積電荷などの特性に応じて、1種類または2種類以上を混合して使用することもできる。
<特定テトラカルボン酸二無水物・テトラカルボン酸成分>
本発明の特定ポリイミド系重合体を作製するためのテトラカルボン酸成分としては、下記の式[2]で示される特定テトラカルボン酸二無水物を用いる。その際、式[2]で示される特定テトラカルボン酸二無水物だけでなく、そのテトラカルボン酸誘導体であるテトラカルボン酸、テトラカルボン酸ジハライド化合物、テトラカルボン酸ジアルキルエステル化合物またはテトラカルボン酸ジアルキルエステルジハライド化合物を用いることもできる。
Figure 0006497520
さらに、本発明の効果を損なわない限りにおいて、その他のテトラカルボン酸成分を用いることができる。
なかでも、下記の式[4]で示されるテトラカルボン酸二無水物およびそのテトラカルボン酸誘導体を用いることが好ましい。
Figure 0006497520
式[4]中、Zは下記の式[4a]〜式[4j]から選ばれる構造の基である。
Figure 0006497520
式[4a]中、Z〜Zは水素原子、メチル基、塩素原子またはベンゼン環を示し、それぞれ同じであっても異なってもよい。
式[4g]中、ZおよびZは水素原子またはメチル基を示し、それぞれ同じであっても異なってもよい。
式[4]中のZのなかで、合成の容易さやポリマーを製造する際の重合反応性のし易さの点から、式[4a]、式[4c]、式[4d]、式[4e]、式[4f]または式[4g]で示される構造のテトラカルボン酸二無水物およびそのテトラカルボン酸誘導体が好ましい。より好ましいのは、式[4a]、式[4e]、式[4f]または式[4g]で示される構造のものであり、特に好ましいのは、式[4e]、式[4f]または式[4g]のものである。
本発明の特定ポリイミド系重合体には、本発明の効果を損なわない限りにおいて、特定テトラカルボン酸二無水物および前記式[4]で示されるテトラカルボン酸二無水物以外のその他のテトラカルボン酸成分を用いることもできる。
その他のテトラカルボン酸成分としては、以下に示すテトラカルボン酸化合物、テトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン酸ジハライド化合物、テトラカルボン酸ジアルキルエステル化合物またはテトラカルボン酸ジアルキルエステルジハライド化合物が挙げられる。
すなわち、その他のテトラカルボン酸成分としては、ピロメリット酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸、1,2,5,6−アントラセンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジフェニルシラン、2,3,4,5−ピリジンテトラカルボン酸、2,6−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ピリジン、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸または1,3−ジフェニル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸が挙げられる。
本発明のテトラカルボン酸成分においては、すべてのテトラカルボン酸成分が、本発明の特定テトラカルボン酸二無水物であっても良い。なかでも、特定テトラカルボン酸二無水物は、全テトラカルボン酸成分中の10モル%以上であることが好ましい。なかでも、20モル%以上が好ましく、特に好ましいのは、30モル%以上である。
また、本発明のテトラカルボン酸成分に、前記式[4]で示されるテトラカルボン酸二無水物を用いる場合、式[4]で示されるテトラカルボン酸二無水物は、全テトラカルボン酸成分中の10モル%以上であることが好ましい。なかでも、20モル%以上が好ましく、特に好ましいのは、30モル%以上である。
特定テトラカルボン酸二無水物、式[4]で示されるテトラカルボン酸二無水物およびその他のテトラカルボン酸成分は、本発明の特定ポリイミド系重合体の溶媒への溶解性や液晶配向処理剤の塗布性、液晶配向膜とした場合における液晶の配向性、電圧保持率、蓄積電荷などの特性に応じて、1種類または2種類以上を混合して使用することもできる。
<特定ポリイミド系重合体>
本発明の特定ポリイミド系重合体は、ジアミン成分とテトラカルボン酸成分とを反応させて得られるポリイミド前駆体およびポリイミドから選ばれる重合体である。
ポリイミド前駆体は、下記の式[A]で示される構造である。
Figure 0006497520
(式[A]中、Rは4価の有機基であり、Rは2価の有機基であり、AおよびAは水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を示し、それぞれ同じであっても異なってもよく、AおよびAは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基またはアセチル基を示し、それぞれ同じであっても異なってもよく、nは正の整数を示す)。
前記ジアミン成分としては、分子内に1級または2級のアミノ基を2個有するジアミン化合物であり、テトラカルボン酸成分としては、テトラカルボン酸化合物、テトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン酸ジハライド化合物、テトラカルボン酸ジアルキルエステル化合物またはテトラカルボン酸ジアルキルエステルジハライド化合物が挙げられる。
本発明の特定重合体は、下記の式[B]で示されるテトラカルボン酸二無水物と下記の式[C]で示されるジアミン化合物とを原料とすることで比較的簡便に得られるという理由から、下記の式[D]で示される繰り返し単位の構造式からなるポリアミド酸または該ポリアミド酸をイミド化させたポリイミドが好ましい。
Figure 0006497520
(式[B]および式[C]中、RおよびRは式[A]で定義したものと同意義である)。
Figure 0006497520
(式[D]中、RおよびRは式[A]で定義したものと同意義である)。
また、通常の合成手法で、上記で得られた式[D]の重合体に、式[A]で示されるAおよびAの炭素数1〜8のアルキル基、および式[A]で示されるAおよびAの炭素数1〜5のアルキル基またはアセチル基を導入することもできる。
<特定ポリイミド系重合体の製造方法>
本発明において、特定ポリイミド系重合体を合成する方法は特に限定されない。通常、ジアミン成分とテトラカルボン酸成分とを反応させて得られる。一般的には、テトラカルボン酸二無水物およびそのテトラカルボン酸の誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種のテトラカルボン酸成分と、1種または複数種のジアミン化合物からなるジアミン成分とを反応させて、ポリアミド酸を得る方法が挙げられる。具体的には、テトラカルボン酸二無水物と1級または2級のジアミン化合物とを重縮合させてポリアミド酸を得る方法、テトラカルボン酸と1級または2級のジアミン化合物とを脱水重縮合反応させてポリアミド酸を得る方法またはテトラカルボン酸ジハライドと1級または2級のジアミン化合物とを重縮合させてポリアミド酸を得る方法が用いられる。
ポリアミド酸アルキルエステルを得るには、カルボン酸基をジアルキルエステル化したテトラカルボン酸と1級または2級のジアミン化合物とを重縮合させる方法、カルボン酸基をジアルキルエステル化したテトラカルボン酸ジハライドと1級または2級のジアミン化合物とを重縮合させる方法またはポリアミド酸のカルボキシル基をエステルに変換する方法が用いられる。
ポリイミドを得るには、前記のポリアミド酸またはポリアミド酸アルキルエステルを閉環させてポリイミドとする方法が用いられる。
ジアミン成分とテトラカルボン酸成分との反応は、通常、ジアミン成分とテトラカルボン酸成分とを有機溶媒中で行う。その際に用いる有機溶媒としては、生成したポリイミド前駆体が溶解するものであれば特に限定されない。下記に、反応に用いる有機溶媒の具体例を挙げるが、これらの例に限定されるものではない。
例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドンまたはγ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドまたは1,3−ジメチル−イミダゾリジノンが挙げられる。また、ポリイミド前駆体の溶媒溶解性が高い場合は、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンまたは下記の式[D−1]〜式[D−3]で示される溶媒を用いることができる。
Figure 0006497520
(式[D−1]中、Dは炭素数1〜3のアルキル基を示し、式[D−2]中、Dは炭素数1〜3のアルキル基を示し、式[D−3]中、Dは炭素数1〜4のアルキル基を示す)。
これらは単独で使用しても、混合して使用してもよい。さらに、ポリイミド前駆体を溶解させない溶媒であっても、生成したポリイミド前駆体が析出しない範囲で、上記溶媒に混合して使用してもよい。また、有機溶媒中の水分は重合反応を阻害し、さらには生成したポリイミド前駆体を加水分解させる原因となるので、有機溶媒は脱水乾燥させたものを用いることが好ましい。
ジアミン成分とテトラカルボン酸成分とを有機溶媒中で反応させる際には、ジアミン成分を有機溶媒に分散あるいは溶解させた溶液を攪拌させ、テトラカルボン酸成分をそのまま、または有機溶媒に分散あるいは溶解させて添加する方法、逆にテトラカルボン酸成分を有機溶媒に分散、あるいは溶解させた溶液にジアミン成分を添加する方法、ジアミン成分とテトラカルボン酸成分とを交互に添加する方法などが挙げられ、これらのいずれの方法を用いてもよい。また、ジアミン成分またはテトラカルボン酸成分を、それぞれ複数種用いて反応させる場合は、あらかじめ混合した状態で反応させてもよく、個別に順次反応させてもよく、さらに個別に反応させた低分子量体を混合反応させ重合体としてもよい。その際の重合温度は−20℃〜150℃の任意の温度を選択することができるが、好ましくは−5℃〜100℃の範囲である。また、反応は任意の濃度で行うことができるが、濃度が低すぎると高分子量の重合体を得ることが難しくなり、濃度が高すぎると反応液の粘性が高くなり過ぎて均一な攪拌が困難となる。そのため、好ましくは1〜50質量%、より好ましくは5〜30質量%である。反応初期は高濃度で行い、その後、有機溶媒を追加することができる。
ポリイミド前駆体の重合反応においては、ジアミン成分の合計モル数とテトラカルボン酸成分の合計モル数の比は0.8〜1.2であることが好ましい。通常の重縮合反応同様、このモル比が1.0に近いほど生成するポリイミド前駆体の分子量は大きくなる。
本発明のポリイミドは前記のポリイミド前駆体を閉環させて得られるポリイミドであり、このポリイミドにおいては、アミド酸基の閉環率(イミド化率ともいう)は必ずしも100%である必要はなく、用途や目的に応じて任意に調整することができる。
ポリイミド前駆体をイミド化させる方法としては、ポリイミド前駆体の溶液をそのまま加熱する熱イミド化またはポリイミド前駆体の溶液に触媒を添加する触媒イミド化が挙げられる。
ポリイミド前駆体を溶液中で熱イミド化させる場合の温度は、100℃〜400℃、好ましくは120℃〜250℃であり、イミド化反応により生成する水を系外に除きながら行う方が好ましい。
ポリイミド前駆体の触媒イミド化は、ポリイミド前駆体の溶液に、塩基性触媒と酸無水物とを添加し、−20〜250℃、好ましくは0〜180℃で攪拌することにより行うことができる。塩基性触媒の量はアミド酸基の0.5〜30モル倍、好ましくは2〜20モル倍であり、酸無水物の量はアミド酸基の1〜50モル倍、好ましくは3〜30モル倍である。塩基性触媒としてはピリジン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリブチルアミンまたはトリオクチルアミンなどを挙げることができ、なかでも、ピリジンは反応を進行させるのに適度な塩基性を持つので好ましい。酸無水物としては、無水酢酸、無水トリメリット酸または無水ピロメリット酸などを挙げることができ、中でも無水酢酸を用いると反応終了後の精製が容易となるので好ましい。触媒イミド化によるイミド化率は、触媒量と反応温度、反応時間を調節することにより制御することができる。
ポリイミド前駆体またはポリイミドの反応溶液から、生成したポリイミド前駆体またはポリイミドを回収する場合には、反応溶液を溶媒に投入して沈殿させればよい。沈殿に用いる溶媒としてはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、ヘキサン、ブチルセルソルブ、ヘプタン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、ベンゼン、水などを挙げることができる。溶媒に投入して沈殿させたポリマーは濾過して回収した後、常圧あるいは減圧下で、常温あるいは加熱して乾燥することができる。また、沈殿回収した重合体を、有機溶媒に再溶解させ、再沈殿回収する操作を2〜10回繰り返すと、重合体中の不純物を少なくすることができる。この際の溶媒として、例えば、アルコール類、ケトン類または炭化水素などが挙げられ、これらの内から選ばれる3種類以上の溶媒を用いると、より一層精製の効率が上がるので好ましい。
本発明の特定ポリイミド系重合体の分子量は、そこから得られる液晶配向膜の強度、液晶配向膜形成時の作業性および塗膜性を考慮した場合、GPC(Gel Permeation Chromatography)法で測定した重量平均分子量で5,000〜1,000,000とするのが好ましく、より好ましくは、10,000〜150,000である。
<液晶配向処理剤>
本発明の液晶配向処理剤は、液晶配向膜(樹脂被膜ともいう)を形成するための塗布溶液であり、特定ポリイミド系重合体および溶媒を含有する液晶配向膜を形成するための塗布溶液である。
本発明の液晶配向処理剤におけるすべての重合体成分は、すべてが本発明の特定ポリイミド系重合体であってもよく、それ以外の他の重合体が混合されていても良い。その際、それ以外の他の重合体の含有量は、本発明の特定ポリイミド系重合体100質量部に対して、0.5質量部〜15質量部、好ましくは1質量部〜10質量部である。
上記それ以外の他の重合体としては、本発明の特定複素環ジアミン化合物および特定テトラカルボン酸二無水物のいずれか一方または両方を用いていないポリイミド前駆体およびポリイミドが挙げられる。さらには、それ以外の重合体、具体的には、セルロース系重合体、アクリルポリマー、メタクリルポリマー、ポリスチレン、ポリアミドまたはポリシロキサンなどが挙げられる。
本発明の液晶配向処理剤中の溶媒は、塗布により均一な液晶配向膜を形成するという観点から、液晶配向処理剤中の溶媒の含有量が70〜99.9質量%であることが好ましい。この含有量は、目的とする液晶配向膜の膜厚によって適宜変更することができる。
本発明の液晶配向処理剤に用いる溶媒は、特定ポリイミド系重合体を溶解させる溶媒(良溶媒ともいう)であれば特に限定されない。下記に、良溶媒の具体例を挙げるが、これらの例に限定されるものではない。
例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−イミダゾリジノン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノンまたは4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンなどである。
なかでも、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトンを用いることが好ましい。
さらに、特定ポリイミド系重合体の溶媒への溶解性が高い場合は、前記式[D−1]〜式[D−3]で示される溶媒を用いることが好ましい。
本発明の液晶配向処理剤における良溶媒は、液晶配向処理剤に含まれる溶媒全体の10〜100質量%であることが好ましい。なかでも、20〜90質量%が好ましい。より好ましいのは、30〜80質量%である。
本発明の液晶配向処理剤は、本発明の効果を損なわない限り、液晶配向処理剤を塗布した際の液晶配向膜の塗膜性や表面平滑性を向上させる溶媒(貧溶媒ともいう)を用いることができる。下記に、貧溶媒の具体例を挙げるが、これらの例に限定されるものではない。
例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、ネオペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、1,2−ブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、3−エトキシブチルアセタート、1−メチルペンチルアセタート、2−エチルブチルアセタート、2−エチルヘキシルアセタート、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールジアセタート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、2−(メトキシメトキシ)エタノール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソアミルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、フルフリルアルコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、1−(ブトキシエトキシ)プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールジアセタート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアセタート、ジエチレングリコールアセタート、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸メチルエチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、乳酸メチルエステル、乳酸エチルエステル、乳酸n−プロピルエステル、乳酸n−ブチルエステル、乳酸イソアミルエステルまたは前記式[D−1]〜式[D−3]で示される溶媒などを挙げることができる。
なかでも、1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテルまたは上述した前記式[D−1]〜式[D−3]で示される溶媒を用いることが好ましい。
これら貧溶媒は、液晶配向処理剤に含まれる溶媒全体の1〜70質量%であることが好ましい。なかでも、1〜60質量%が好ましい。より好ましいのは5〜60質量%である。
本発明の液晶配向処理剤には、本発明の効果を損なわない限り、エポキシ基、イソシアネート基、オキセタン基またはシクロカーボネート基を有する架橋性化合物、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルキル基および低級アルコキシアルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の置換基を有する架橋性化合物、または重合性不飽和結合を有する架橋性化合物を導入することもできる。これら置換基や重合性不飽和結合は、架橋性化合物中に2個以上有する必要がある。
エポキシ基またはイソシアネート基を有する架橋性化合物としては、例えば、ビスフェノールアセトングリシジルエーテル、フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、テトラグリシジルアミノジフェニレン、テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、テトラグリシジル−1,3−ビス(アミノエチル)シクロヘキサン、テトラフェニルグリシジルエーテルエタン、トリフェニルグリシジルエーテルエタン、ビスフェノールヘキサフルオロアセトジグリシジルエーテル、1,3−ビス(1−(2,3−エポキシプロポキシ)−1−トリフルオロメチル−2,2,2−トリフルオロメチル)ベンゼン、4,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)オクタフルオロビフェニル、トリグリシジル−p−アミノフェノール、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、2−(4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル)−2−(4−(1,1−ビス(4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル)エチル)フェニル)プロパンまたは1,3−ビス(4−(1−(4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル)−1−(4−(1−(4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル)−1−メチルエチル)フェニル)エチル)フェノキシ)−2−プロパノールなどが挙げられる。
オキセタン基を有する架橋性化合物は、下記の式[4A]で示すオキセタン基を少なくとも2個有する架橋性化合物である。
Figure 0006497520
具体的には、国際公開公報WO2011/132751(2011.10.27公開)の58項〜59項に掲載される式[4a]〜式[4k]で示される架橋性化合物が挙げられる。
シクロカーボネート基を有する架橋性化合物としては、下記の式[5A]で示されるシクロカーボネート基を少なくとも2個有する架橋性化合物である。
Figure 0006497520
具体的には、国際公開公報WO2012/014898(2012.2.2公開)の76項〜82項に掲載される式[5−1]〜式[5−42]で示される架橋性化合物が挙げられる。
ヒドロキシル基およびアルコキシル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の置換基を有する架橋性化合物としては、例えば、ヒドロキシル基またはアルコキシル基を有するアミノ樹脂、例えば、メラミン樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂、グリコールウリル−ホルムアルデヒド樹脂、スクシニルアミド−ホルムアルデヒド樹脂またはエチレン尿素−ホルムアルデヒド樹脂などが挙げられる。具体的には、アミノ基の水素原子がメチロール基またはアルコキシメチル基またはその両方で置換されたメラミン誘導体、ベンゾグアナミン誘導体、またはグリコールウリルを用いることができる。このメラミン誘導体またはベンゾグアナミン誘導体は、2量体または3量体として存在することも可能である。これらはトリアジン環1個当たり、メチロール基またはアルコキシメチル基を平均3個以上6個以下有するものが好ましい。
このようなメラミン誘導体またはベンゾグアナミン誘導体の例としては、市販品のトリアジン環1個当たりメトキシメチル基が平均3.7個置換されているMX−750、トリアジン環1個当たりメトキシメチル基が平均5.8個置換されているMW−30(以上、三和ケミカル社製)やサイメル300、301、303、350、370、771、325、327、703、712などのメトキシメチル化メラミン、サイメル235、236、238、212、253、254などのメトキシメチル化ブトキシメチル化メラミン、サイメル506、508などのブトキシメチル化メラミン、サイメル1141のようなカルボキシル基含有メトキシメチル化イソブトキシメチル化メラミン、サイメル1123のようなメトキシメチル化エトキシメチル化ベンゾグアナミン、サイメル1123−10のようなメトキシメチル化ブトキシメチル化ベンゾグアナミン、サイメル1128のようなブトキシメチル化ベンゾグアナミン、サイメル1125−80のようなカルボキシル基含有メトキシメチル化エトキシメチル化ベンゾグアナミン(以上、三井サイアナミド社製)が挙げられる。また、グリコールウリルの例として、サイメル1170のようなブトキシメチル化グリコールウリル、サイメル1172のようなメチロール化グリコールウリル等、パウダーリンク1174のようなメトキシメチロール化グリコールウリル等が挙げられる。
ヒドロキシル基またはアルコキシル基を有するベンゼンまたはフェノール性化合物としては、例えば、1,3,5−トリス(メトキシメチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(イソプロポキシメチル)ベンゼン、1,4−ビス(sec−ブトキシメチル)ベンゼンまたは2,6−ジヒドロキシメチル−p−tert−ブチルフェノール等が挙げられる。
より具体的には、国際公開公報WO2011/132751(2011.10.27公開)の62頁〜66頁に掲載される、式[6−1]〜式[6−48]で示される架橋性化合物が挙げられる。
重合性不飽和結合を有する架橋性化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリロイルオキシエトキシトリメチロールプロパンまたはグリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレート等の重合性不飽和基を分子内に3個有する架橋性化合物、さらに、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイドビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイドビスフェノール型ジ(メタ)アクリレート、1,6−へキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジグリシジルエステルジ(メタ)アクリレートまたはヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどの重合性不飽和基を分子内に2個有する架橋性化合物、加えて、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルフタレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルリン酸エステルまたはN−メチロール(メタ)アクリルアミド等の重合性不飽和基を分子内に1個有する架橋性化合物が挙げられる。
加えて、下記の式[7A]で示される化合物を用いることもできる。
Figure 0006497520
(式[7A]中、Eはシクロヘキサン環、ビシクロヘキサン環、ベンゼン環、ビフェニル環、ターフェニル環、ナフタレン環、フルオレン環、アントラセン環またはフェナントレン環からからなる群から選ばれる基を示し、Eは下記の式[7a]または式[7b]から選ばれる基を示し、nは1〜4の整数を示す)。
Figure 0006497520
上記化合物は架橋性化合物の一例であり、これらに限定されるものではない。また、本発明の液晶配向処理剤に用いる架橋性化合物は、1種類であってもよく、2種類以上組み合わせてもよい。
本発明の液晶配向処理剤における、架橋性化合物の含有量は、すべての重合体成分100質量部に対して、0.1〜150質量部であることが好ましい。架橋反応が進行し目的の効果を発現させるためには、すべての重合体成分100質量部に対して0.1〜100質量部がより好ましく、特に、1〜50質量部が最も好ましい。
本発明の液晶配向処理剤は、本発明の効果を損なわない限り、液晶配向処理剤を塗布した際の液晶配向膜の膜厚の均一性や表面平滑性を向上させる化合物を用いることができる。
液晶配向膜の膜厚の均一性や表面平滑性を向上させる化合物としては、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ノ二オン系界面活性剤などが挙げられる。
より具体的には、例えば、エフトップEF301、EF303、EF352(以上、トーケムプロダクツ社製)、メガファックF171、F173、R−30(以上、大日本インキ社製)、フロラードFC430、FC431(以上、住友スリーエム社製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(以上、旭硝子社製)などが挙げられる。これらの界面活性剤の使用割合は、液晶配向処理剤に含有されるすべての重合体成分100質量部に対して、好ましくは0.01〜2質量部、より好ましくは0.01〜1質量部である。
さらに、本発明の液晶配向処理剤には、液晶配向膜中の電荷移動を促進して素子の電荷抜けを促進させる化合物として、国際公開公報WO2011/132751(2011.10.27公開)の69頁〜73頁に掲載される、式[M1]〜式[M156]で示される窒素含有複素環アミン化合物を添加することもできる。このアミン化合物は、液晶配向処理剤に直接添加しても構わないが、適当な溶媒で濃度0.1質量%〜10質量%、好ましくは1質量%〜7質量%の溶液にしてから添加することが好ましい。この溶媒としては、上述した特定重合体を溶解させる有機溶媒であれば特に限定されない。
本発明の液晶配向処理剤には、上記の貧溶媒、架橋性化合物、樹脂被膜または液晶配向膜の膜厚の均一性や表面平滑性を向上させる化合物および電荷抜けを促進させる化合物の他に、本発明の効果が損なわれない範囲であれば、液晶配向膜の誘電率や導電性などの電気特性を変化させる目的の誘電体や導電物質を添加してもよい。
<液晶配向膜・液晶表示素子>
本発明の液晶配向処理剤は、基板上に塗布、焼成した後、ラビング処理や光照射などで配向処理をして、液晶配向膜として用いることができる。また、垂直配向用途などの場合では配向処理なしでも液晶配向膜として用いることができる。この際に用いる基板としては、透明性の高い基板であれば特に限定されず、ガラス基板の他、アクリル基板やポリカーボネート基板などのプラスチック基板なども用いることができる。プロセスの簡素化の観点からは、液晶駆動のためのITO電極などが形成された基板を用いることが好ましい。また、反射型の液晶表示素子では、片側の基板のみにならばシリコンウェハなどの不透明な基板も使用でき、この場合の電極としてはアルミなどの光を反射する材料も使用できる。
液晶配向処理剤の塗布方法は、特に限定されないが、工業的には、スクリーン印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷またはインクジェット法などで行う方法が一般的である。その他の塗布方法としては、ディップ法、ロールコータ法、スリットコータ法、スピンナー法またはスプレー法などがあり、目的に応じてこれらを用いてもよい。
液晶配向処理剤を基板上に塗布した後は、ホットプレート、熱循環型オーブンまたはIR(赤外線)型オーブンなどの加熱手段により、液晶配向処理剤に用いる溶媒に応じて、30〜300℃、好ましくは30〜250℃の温度で溶媒を蒸発させて液晶配向膜とすることができる。焼成後の液晶配向膜の厚みは、厚すぎると液晶表示素子の消費電力の面で不利となり、薄すぎると液晶表示素子の信頼性が低下する場合があるので、好ましくは5〜300nm、より好ましくは10〜100nmである。液晶を水平配向や傾斜配向させる場合は、焼成後の液晶配向膜をラビングまたは偏光紫外線照射などで処理する。
本発明の液晶表示素子は、上記した手法により、本発明の液晶配向処理剤から液晶配向膜付き基板を得た後、公知の方法で液晶セルを作製して液晶表示素子としたものである。
液晶セルの作製方法としては、液晶配向膜の形成された一対の基板を用意し、片方の基板の液晶配向膜上にスペーサを散布し、液晶配向膜面が内側になるようにして、もう片方の基板を貼り合わせ、液晶を減圧注入して封止する方法、または、スペーサを散布した液晶配向膜面に液晶を滴下した後に基板を貼り合わせて封止を行う方法などが例示できる。
さらに、本発明の液晶配向処理剤は、電極を備えた一対の基板の間に液晶層を有してなり、一対の基板の間に活性エネルギー線および熱の少なくとも一方により重合する重合性化合物を含む液晶組成物を配置し、電極間に電圧を印加しつつ、活性エネルギー線の照射および加熱の少なくとも一方により重合性化合物を重合させる工程を経て製造される液晶表示素子にも好ましく用いられる。ここで、活性エネルギー線としては、紫外線が好適である。紫外線としては、波長が300〜400nm、好ましくは310〜360nmである。加熱による重合の場合、加熱温度は40〜120℃、好ましくは60〜80℃である。また、紫外線の照射と加熱を同時に行ってもよい。
上記の液晶表示素子は、PSA(Polymer Sustained Alignment)方式により、液晶分子のプレチルトを制御するものである。PSA方式では、液晶材料中に少量の光重合性化合物、例えば光重合性モノマーを混入しておき、液晶セルを組み立てた後、液晶層に所定の電圧を印加した状態で光重合性化合物に紫外線などを照射し、生成した重合体によって液晶分子のプレチルトを制御する。重合体が生成するときの液晶分子の配向状態が電圧を取り去った後においても記憶されるので、液晶層に形成される電界などを制御することにより、液晶分子のプレチルトを調整することができる。また、PSA方式では、ラビング処理を必要としないので、ラビング処理によってプレチルトを制御することが難しい垂直配向型の液晶層の形成に適している。
すなわち、本発明の液晶表示素子は、上記した手法により本発明の液晶配向処理剤から液晶配向膜付き基板を得た後、液晶セルを作製し、紫外線の照射および加熱の少なくとも一方により重合性化合物を重合することで液晶分子の配向を制御するものとすることができる。
PSA方式の液晶セル作製の一例を挙げるならば、液晶配向膜の形成された一対の基板を用意し、片方の基板の液晶配向膜上にスペーサを散布し、液晶配向膜面が内側になるようにして、もう片方の基板を貼り合わせ、液晶を減圧注入して封止する方法、または、スペーサを散布した液晶配向膜面に液晶を滴下した後に基板を貼り合わせて封止を行う方法などが挙げられる。
液晶には、熱や紫外線照射により重合する重合性化合物が混合される。重合性化合物としては、アクリレート基やメタクリレート基等の重合性不飽和基を分子内に1個以上有する化合物が挙げられる。その際、重合性化合物は、液晶成分の100質量部に対して0.01〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5質量部である。重合性化合物が0.01質量部未満であると、重合性化合物が重合せずに液晶の配向制御できなくなり、10質量部よりも多くなると、未反応の重合性化合物が多くなって液晶表示素子の焼き付き特性が低下する。
液晶セルを作製した後は、液晶セルに交流または直流の電圧を印加しながら、加熱や紫外線を照射して重合性化合物を重合する。これにより、液晶分子の配向を制御することができる。
加えて、本発明の液晶配向処理剤は、電極を備えた一対の基板の間に液晶層を有してなり、前記一対の基板の間に活性エネルギー線および熱の少なくとも一方により重合する重合性基を含む液晶配向膜を配置し、電極間に電圧を印加する工程を経て製造される液晶表示素子にも好ましく用いられる。ここで、活性エネルギー線としては、紫外線が好適である。紫外線としては、波長が300〜400nm、好ましくは310〜360nmである。加熱による重合の場合、加熱温度は40〜120℃、好ましくは60〜80℃である。また、紫外線の照射と加熱を同時に行ってもよい。
活性エネルギー線および熱の少なくとも一方より重合する重合性基を含む液晶配向膜を得るためには、この重合性基を含む化合物を液晶配向処理剤中に添加する方法や、重合性基を含む重合体成分を用いる方法が挙げられる。本発明の液晶配向処理剤は、加熱や紫外線の照射により、反応する2重結合部位持つ特定化合物を含んでいるため、紫外線の照射および加熱の少なくとも一方により液晶分子の配向を制御することができる。
液晶セル作製の一例を挙げるならば、液晶配向膜の形成された一対の基板を用意し、片方の基板の液晶配向膜上にスペーサを散布し、液晶配向膜面が内側になるようにして、もう片方の基板を貼り合わせ、液晶を減圧注入して封止する方法、または、スペーサを散布した液晶配向膜面に液晶を滴下した後に基板を貼り合わせて封止を行う方法などが挙げられる。
液晶セルを作製した後は、液晶セルに交流または直流の電圧を印加しながら、加熱や紫外線を照射することで、液晶分子の配向を制御することができる。
以上のようにして、本発明の液晶配向処理剤を用いて作製された液晶表示素子は、信頼性に優れたものとなり、大型の液晶テレビ、中小型のカーナビゲーションシステムやスマートフォンなどに好適に利用できる。
以下に実施例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明するが、これらに限定されるものではない。
「本発明の合成例、実施例および比較例で用いる略語」
合成例、実施例および比較例で用いる略語は、以下の通りである。
<本発明のポリイミド系重合体を作製するためのモノマー>
(特定複素環ジアミン化合物)
A1:下記の式[A1]で示されるジアミン化合物
A2:下記の式[A2]で示されるジアミン化合物
Figure 0006497520
(特定ジアミン化合物)
B1:3,5−ジアミノ安息香酸
B2:下記の式[B2]で示されるジアミン化合物
B3:1,3−ジアミノ−4−オクタデシルオキシベンゼン
B4:1,3−ジアミノ−4−〔4−(トランス−4−n−ヘプチルシクロへキシル)フェノキシ〕ベンゼン
B5:1,3−ジアミノ−4−〔4−(トランス−4−n−ヘプチルシクロへキシル)フェノキシメチル〕ベンゼン
B6:1,3−ジアミノ−4−{4−〔トランス−4−(トランス−4−n−ペンチルシクロへキシル)シクロへキシル〕フェノキシ}ベンゼン
B7:下記の式[B7]で示されるジアミン化合物
Figure 0006497520
Figure 0006497520
Figure 0006497520
(その他ジアミン化合物)
C1:p−フェニレンジアミン
C2:m−フェニレンジアミン
Figure 0006497520
(特定テトラカルボン酸二無水物)
D1:下記の式[D1]で示される特定テトラカルボン酸二無水物
Figure 0006497520
(その他テトラカルボン酸成分)
E1:1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
E2:ビシクロ[3,3,0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸二無水物
E3:下記の式[E3]で示されるテトラカルボン酸二無水物
E4:下記の式[E4]で示されるテトラカルボン酸二無水物
Figure 0006497520
<本発明に用いる溶媒>
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
NEP:N−エチル−2−ピロリドン
γ−BL:γ−ブチロラクトン
BCS:エチレングリコールモノブチルエーテル
PB:プロピレングリコールモノブチルエーテル
EC:ジエチレングリコールモノエチルエーテル
DME:ジプロピレングリコールジメチルエーテル
ECS:エチレングリコールモノエチルエーテル
「本発明のポリイミド系重合体の分子量の測定」
合成例におけるポリイミド前駆体およびポリイミドの分子量は、常温ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)装置(GPC−101)(昭和電工社製)、カラム(KD−803,KD−805)(Shodex社製)を用いて、以下のようにして測定した。
カラム温度:50℃
溶離液:N,N’−ジメチルホルムアミド(添加剤として、臭化リチウム−水和物(LiBr・HO)が30mmol/L(リットル)、リン酸・無水結晶(o−リン酸)が30mmol/L、テトラヒドロフラン(THF)が10ml/L)
流速:1.0ml/分
検量線作成用標準サンプル:TSK 標準ポリエチレンオキサイド(分子量;約900,000、150,000、100,000および30,000)(東ソー社製)およびポリエチレングリコール(分子量;約12,000、4,000および1,000)(ポリマーラボラトリー社製)。
「本発明のポリイミドのイミド化率の測定」
合成例におけるポリイミドのイミド化率は次のようにして測定した。ポリイミド粉末20mgをNMR(核磁気共鳴)サンプル管(NMRサンプリングチューブスタンダード,φ5(草野科学社製))に入れ、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d6,0.05質量%TMS(テトラメチルシラン)混合品)(0.53ml)を添加し、超音波をかけて完全に溶解させた。この溶液をNMR測定機(JNW−ECA500)(日本電子データム社製)にて500MHzのプロトンNMRを測定した。イミド化率は、イミド化前後で変化しない構造に由来するプロトンを基準プロトンとして決め、このプロトンのピーク積算値と、9.5ppm〜10.0ppm付近に現れるアミド酸のNH基に由来するプロトンピーク積算値とを用い以下の式によって求めた。
イミド化率(%)=(1−α・x/y)×100
上記式において、xはアミド酸のNH基由来のプロトンピーク積算値、yは基準プロトンのピーク積算値、αはポリアミド酸(イミド化率が0%)の場合におけるアミド酸のNH基プロトン1個に対する基準プロトンの個数割合である。
「本発明のポリイミド系重合体の合成」
<合成例1>
D1(5.50g,25.9mmol)、A2(2.04g,7.88mmol)、B2(1.87g,9.19mmol)およびC2(0.99g,9.19mmol)をNMP(31.2g)中で混合し、60℃で12時間反応させ、樹脂固形分濃度25質量%のポリアミド酸溶液(1)を得た。このポリアミド酸の数平均分子量は、16,100、重量平均分子量は、52,200であった。
<合成例2>
合成例1の合成手法で得られたポリアミド酸溶液(1)(30.0g)に、NMPを加え6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(3.70g)およびピリジン(1.45g)を加え、70℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(2)を得た。このポリイミドのイミド化率は63%であり、数平均分子量は14,800、重量平均分子量は47,300であった。
<合成例3>
D1(3.80g,17.9mmol)、A2(1.41g,5.44mmol)、B2(1.11g,5.44mmol)およびB4(2.76g,7.26mmol)を、NEP(27.2g)中で混合し、60℃で12時間反応させ、樹脂固形分濃度25質量%のポリアミド酸溶液(3)を得た。このポリアミド酸の数平均分子量は、15,100、重量平均分子量は、50,900であった。
<合成例4>
合成例2の合成手法で得られたポリアミド酸溶液(2)(30.0g)に、NEPを加え6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(3.70g)およびピリジン(1.40g)を加え、70℃で2.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(4)を得た。このポリイミドのイミド化率は60%であり、数平均分子量は13,200、重量平均分子量は45,100であった。
<合成例5>
D1(4.20g,19.8mmol)、A2(1.39g,5.35mmol)、B2(0.54g,2.67mmol)およびC1(2.02g,18.7mmol)をNEP(18.9g)中で混合し、60℃で6時間反応させた後、E1(1.29g,6.60mmol)とNEP(9.45g)を加え、40℃で6時間反応させ、樹脂固形分濃度が25質量%のポリアミド酸溶液(5)を得た。このポリアミド酸の数平均分子量は、22,300、重量平均分子量は、70,200であった。
<合成例6>
合成例5の合成手法で得られたポリアミド酸溶液(5)(30.0g)に、NEPを加え6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(3.70g)およびピリジン(1.40g)を加え、70℃で2.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(6)を得た。このポリイミドのイミド化率は60%であり、数平均分子量は20,400、重量平均分子量は57,300であった。
<合成例7>
D1(2.80g,13.2mmol)、A2(1.99g,7.64mmol)、B1(0.58g,3.82mmol)およびB5(3.01g,7.64mmol)をNEP(19.0g)中で混合し、60℃で8時間反応させた後、E1(1.11g,5.66mmol)とNEP(9.49g)を加え、40℃で8時間反応させ、樹脂固形分濃度が25質量%のポリアミド酸溶液(7)を得た。このポリアミド酸の数平均分子量は、21,200、重量平均分子量は、68,500であった。
<合成例8>
合成例7の合成手法で得られたポリアミド酸溶液(7)(30.0g)に、NEPを加え6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(3.80g)およびピリジン(1.45g)を加え、70℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(8)を得た。このポリイミドのイミド化率は65%であり、数平均分子量は19,700、重量平均分子量は、56,300であった。
<合成例9>
E2(0.89g,3.58mmol)、A1(1.76g,7.25mmol)、B1(0.18g,1.21mmol)、B2(0.74g,3.62mmol)およびC1(1.31g,12.1mmol)をNMP(18.4g)中で混合し、80℃で3時間反応させた後、D1(4.30g,20.3mmol)とNMP(9.18g)を加え、60℃で8時間反応させ、樹脂固形分濃度が25質量%のポリアミド酸溶液(9)を得た。このポリアミド酸の数平均分子量は、18,900、重量平均分子量は、60,700であった。
<合成例10>
合成例9の合成手法で得られたポリアミド酸溶液(9)(30.5g)に、NMPを加え6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(3.55g)およびピリジン(1.35g)を加え、60℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(10)を得た。このポリイミドのイミド化率は55%であり、数平均分子量は17,000、重量平均分子量は48,700であった。
<合成例11>
E2(0.93g,3.71mmol)、A1(1.59g,6.58mmol)、B1(0.86g,5.64mmol)およびB6(2.85g,6.58mmol)をNEP(18.8g)中で混合し、80℃で4時間反応させた後、D1(3.15g,14.9mmol)とNEP(9.38g)を加え、60℃で8時間反応させ、樹脂固形分濃度が25質量%のポリアミド酸溶液(11)を得た。このポリアミド酸の数平均分子量は、17,100、重量平均分子量は、57,700であった。
<合成例12>
合成例11の合成手法で得られたポリアミド酸溶液(11)(30.0g)に、NEPを加え6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.21g)およびピリジン(2.10g)を加え、0℃で2.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(12)を得た。このポリイミドのイミド化率は75%であり、数平均分子量は15,900、重量平均分子量は45,600であった。
<合成例13>
D1(2.35g,11.1mmol)、A2(1.45g,5.61mmol)、B1(0.57g,3.74mmol)、B2(0.38g,1.87mmol)およびB5(2.95g,7.48mmol)をNEP(18.7g)中で混合し、60℃で8時間反応させた後、E3(1.66g,7.38mmol)とNEP(9.36g)を加え、40℃で8時間反応させ、樹脂固形分濃度が25質量%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(30.0g)に、NEPを加え6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(3.78g)およびピリジン(1.43g)を加え、70℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(13)を得た。このポリイミドのイミド化率は62%であり、数平均分子量は20,200、重量平均分子量は、56,000であった。
<合成例14>
D1(2.70g,12.7mmol)、A1(1.44g,5.95mmol)、B1(0.91g,5.95mmol)、B2(0.81g,3.97mmol)およびB7(1.95g,3.97mmol)をNEP(18.7g)中で混合し、60℃で8時間反応させた後、E3(1.54g,6.85mmol)とNEP(9.34g)を加え、40℃で8時間反応させ、樹脂固形分濃度が25質量%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(30.2g)に、NEPを加え6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(3.45g)およびピリジン(1.30g)を加え、60℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(14)を得た。このポリイミドのイミド化率は51%であり、数平均分子量は18,900、重量平均分子量は、52,100であった。
<合成例15>
D1(1.85g,8.72mmol)、A2(1.15g,4.42mmol)、B1(0.67g,4.42mmol)、B2(0.36g,1.77mmol)およびB3(2.66g,7.07mmol)をNMP(18.6g)中で混合し、60℃で8時間反応させた後、E4(2.62g,8.72mmol)とNMP(9.31g)を加え、40℃で8時間反応させ、樹脂固形分濃度が25質量%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(30.0g)に、NMPを加え6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(3.65g)およびピリジン(1.45g)を加え、70℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(15)を得た。このポリイミドのイミド化率は58%であり、数平均分子量は19,500、重量平均分子量は、56,900であった。
<合成例16>
E1(5.50g,28.1mmol)、B2(2.02g,9.94mmol)およびC2(2.00g,18.5mmol)をNMP(28.6g)中で混合し、60℃で8時間反応させ、樹脂固形分濃度25質量%のポリアミド酸溶液(16)を得た。このポリアミド酸の数平均分子量は、25,100、重量平均分子量は、81,100であった。
<合成例17>
合成例16の合成手法で得られたポリアミド酸溶液(16)(30.3g)に、NMPを加え6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(3.70g)およびピリジン(2.45g)を加え、70℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(17)を得た。このポリイミドのイミド化率は62%であり、数平均分子量は22,100、重量平均分子量は62,800であった。
<合成例18>
E1(5.50g,28.1mmol)、A2(2.21g,8.52mmol)、B2(2.02g,9.94mmol)およびC2(1.08g,9.94mmol)をNMP(32.4g)中で混合し、60℃で8時間反応させ、樹脂固形分濃度25質量%のポリアミド酸溶液(18)を得た。このポリアミド酸の数平均分子量は、23,500、重量平均分子量は、74,500であった。
<合成例19>
合成例18の合成手法で得られたポリアミド酸溶液(18)(30.0g)に、NMPを加え6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(3.70g)およびピリジン(1.45g)を加え、70℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(19)を得た。このポリイミドのイミド化率は62%であり、数平均分子量は20,100、重量平均分子量は58,800であった。
<合成例20>
D1(5.50g,25.9mmol)、B2(1.87g,9.19mmol)およびC2(1.85g,17.1mmol)をNMP(27.6g)中で混合し、60℃で8時間反応させ、樹脂固形分濃度25質量%のポリアミド酸溶液(20)を得た。このポリアミド酸の数平均分子量は、23,900、重量平均分子量は、76,100であった。
<合成例21>
合成例20の合成手法で得られたポリアミド酸溶液(20)(30.0g)に、NMPを加え6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(3.70g)およびピリジン(2.45g)を加え、70℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(21)を得た。このポリイミドのイミド化率は63%であり、数平均分子量は23,000、重量平均分子量は64,500であった。
<合成例22>
E1(3.90g,19.9mmol)、B2(1.23g,6.04mmol)、B4(3.07g,8.06mmol)およびC2(0.65g,6.04mmol)をNEP(26.6g)中で混合し、60℃で8時間反応させ、樹脂固形分濃度25質量%のポリアミド酸溶液(22)を得た。このポリアミド酸の数平均分子量は、23,000、重量平均分子量は、72,800であった。
<合成例23>
合成例22の合成手法で得られたポリアミド酸溶液(22)(30.0g)に、NEPを加え6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(3.70g)およびピリジン(2.45g)を加え、70℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(23)を得た。このポリイミドのイミド化率は60%であり、数平均分子量は20,700、重量平均分子量は59,900であった。
<合成例24>
E1(3.85g,19.6mmol)、A2(1.55g,5.97mmol)、B2(1.21g,5.97mmol)およびB4(3.03g,7.95mmol)をNEP(28.9g)中で混合し、60℃で8時間反応させ、樹脂固形分濃度25質量%のポリアミド酸溶液(24)を得た。このポリアミド酸の数平均分子量は、22,100、重量平均分子量は、71,200であった。
<合成例25>
合成例24の合成手法で得られたポリアミド酸溶液(24)(30.5g)に、NEPを加え6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(3.70g)およびピリジン(1.40g)を加え、70℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(25)を得た。このポリイミドのイミド化率は61%であり、数平均分子量は20,900、重量平均分子量は59,900であった。
<合成例26>
D1(4.50g,21.2mmol)、B2(1.31g,6.45mmol)、B4(3.27g,8.59mmol)およびC2(0.70g,6.45mmol)をNEP(29.3g)中で混合し、60℃で8時間反応させ、樹脂固形分濃度25質量%のポリアミド酸溶液(26)を得た。このポリアミド酸の数平均分子量は、22,300、重量平均分子量は、72,700であった。
<合成例27>
合成例26の合成手法で得られたポリアミド酸溶液(26)(30.0g)に、NMPを加え6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(3.70g)およびピリジン(2.45g)を加え、70℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(27)を得た。このポリイミドのイミド化率は60%であり、数平均分子量は21,400、重量平均分子量は60,200であった。
本発明のポリイミド系重合体を表32〜表34に示す。
Figure 0006497520
*1:ポリアミド酸。
Figure 0006497520
*2:ポリアミド酸。
Figure 0006497520
*3:ポリアミド酸。
「本発明の液晶配向処理剤の製造」
下記する実施例1〜実施例20および比較例1〜比較例12では、液晶配向処理剤の製造例を記載する。また、この液晶配向処理剤は、下記評価のためにも使用される。
本発明の液晶配向処理剤を表35〜表37に示す。
本発明の実施例および比較例で得られた液晶配向処理剤を用いて、「液晶配向膜のラビング処理耐性の評価」、「液晶セルの作製および電圧保持率・残留電荷の緩和の評価(通常セル)」、「液晶配向処理剤のインクジェット塗布性の評価」および「液晶セルの作製および液晶配向性の評価(PSAセル)」を行った。
「液晶配向膜のラビング処理耐性の評価」
本発明の実施例1〜実施例8で得られた液晶配向処理剤(1)〜液晶配向処理剤(8)、実施例10で得られた液晶配向処理剤(10)、実施例11で得られた液晶配向処理剤(11)、実施例13で得られた液晶配向処理剤(13)、実施例15で得られた液晶配向処理剤(15)、実施例17で得られた液晶配向処理剤(17)、実施例18で得られた液晶配向処理剤(18)、実施例20で得られた液晶配向処理剤(20)および比較例1〜比較例12で得られた液晶配向処理剤(21)〜液晶配向処理剤(32)を、細孔径1μmのメンブランフィルタで加圧濾過し、液晶配向膜のラビング処理耐性の評価を行った。具体的には、これら液晶配向処理剤を純水およびIPAにて洗浄を行った40×30mmITO電極付き基板(縦40mm×横30mm、厚さ0.7mm)のITO面にスピンコートし、ホットプレート上にて100℃で5分間、熱循環型クリーンオーブンにて230℃で30分間加熱処理をして膜厚が100nmのポリイミド液晶配向膜付きのITO基板を得た。
得られた液晶配向膜付きの基板の塗膜面をロール径120mmのラビング装置で、レーヨン布を用いて、ロール回転数:300rpm、ロール進行速度:20mm/sec、押し込み量:0.4mmの条件でラビング処理を行った。
その後、ラビング処理後の塗膜面中心付近の液晶配向膜表面を、倍率100倍に設定したレーザー顕微鏡で、任意の5箇所の状態を観察した。具体的には、これらの箇所ごとに、観察視野である約6.5mm四方の範囲に観察されるラビング傷およびラビング削れカス(付着物)の個数を数えた。そして、これら5箇所の平均値から、ラビング処理耐性を評価した。なお、評価基準は下記の通りとした。
(評価基準)
A:ラビング傷やラビング削れカス:10個以下
B:ラビング傷やラビング削れカス:11〜29個
C:ラビング傷やラビング削れカス:30個以上
表38〜表40に実施例および比較例で得られたラビング処理耐性の結果を示す。
「液晶セルの作製および電圧保持率・残留電荷の緩和の評価(通常セル)」
本発明の実施例1〜実施例8で得られた液晶配向処理剤(1)〜液晶配向処理剤(8)、実施例10で得られた液晶配向処理剤(10)、実施例11で得られた液晶配向処理剤(11)、実施例13で得られた液晶配向処理剤(13)、実施例15で得られた液晶配向処理剤(15)、実施例17で得られた液晶配向処理剤(17)、実施例18で得られた液晶配向処理剤(18)、実施例20で得られた液晶配向処理剤(20)および比較例1〜比較例12で得られた液晶配向処理剤(21)〜液晶配向処理剤(32)を、細孔径1μmのメンブランフィルタで加圧濾過し、液晶セルの作製および電圧保持率・残留電荷の緩和の評価(通常セル)を行った。具体的には、これら液晶配向処理剤を純水およびIPAにて洗浄を行った40×30mmITO電極付き基板(縦40mm×横30mm、厚さ0.7mm)のITO面にスピンコートし、ホットプレート上にて100℃で5分間、熱循環型クリーンオーブンにて230℃で30分間加熱処理をして膜厚が100nmのポリイミド液晶配向膜付きのITO基板を得た。
得られた液晶配向膜付きのITO基板を2枚用意し、液晶配向膜面を内側にして6μmのスペーサー挟んで組み合わせ、シール剤(XN−1500T)(三井化学社製)を印刷した。次いで、他方の基板と液晶配向膜面が向き合うようにして貼り合わせた後、シール剤を熱循環型クリーンオーブン中にて120℃で90分間加熱処理をすることにより硬化して空セルを作製した。この空セルに減圧注入法によって、液晶を注入し、注入口を封止して液晶セル(通常セル)を得た。
なお、実施例1で得られた液晶配向処理剤(1)、実施例2で得られた液晶配向処理剤(2)、実施例5で得られた液晶配向処理剤(5)、実施例6で得られた液晶配向処理剤(6)、実施例10〜実施例12で得られた液晶配向処理剤(10)〜液晶配向処理剤(12)および比較例1〜比較例6で得られた液晶配向処理剤(21)〜液晶配向処理剤(26)を用いた液晶セルには、液晶にネマチック液晶(MLC−2003)(メルク・ジャパン社製)を用いた。
また、実施例3で得られた液晶配向処理剤(3)、実施例4で得られた液晶配向処理剤(4)、実施例7〜実施例9で得られた液晶配向処理剤(7)〜液晶配向処理剤(9)、実施例13〜実施例20で得られた液晶配向処理剤(13)〜液晶配向処理剤(20)および比較例7〜比較例12で得られた液晶配向処理剤(27)〜液晶配向処理剤(32)を用いた液晶セルには、液晶にネマチック液晶(MLC−6608)(メルク・ジャパン社製)を用いた。
上記で得られた液晶セルに、80℃の温度下で1Vの電圧を60μs印加し、50ms後の電圧を測定し、電圧がどのくらい保持できているかを電圧保持率(VHRともいう)として計算した。なお、測定は、電圧保持率測定装置(VHR−1)(東陽テクニカ社製)を使用し、Voltage:±1V、Pulse Width:60μs、Flame Period:50msの設定で行った。
さらに、電圧保持率の測定が終わった液晶セルに、卓上型UV硬化装置(HCT3B28HEX−1)(センライト社製)を用いて、365nm換算で50J/cmの紫外線を照射し、上記と同様の条件で電圧保持率の測定を行った。
評価は、液晶セル作製直後の電圧保持率の値が高く、さらに、液晶セル作製直後の電圧保持率の値に対して、紫外線照射後の値の低下が小さいものほど、良好とした。
上記手法で得られた液晶セルを用いて、残留電荷の緩和の評価を行った。具体的には、液晶セルに、直流電圧10Vを30分印加し、1秒間短絡させた後、液晶セル内に発生している電位を1800秒間測定した。そのなかで、50秒後の残留電荷の値を用いて、残留電荷の緩和の評価とした。なお、測定は、6254型液晶物性評価装置(東陽テクニカ社製)を用いた。
さらに、残留電荷の測定が終わった液晶セルに、卓上型UV硬化装置(HCT3B28HEX−1)(センライト社製)を用いて、365nm換算で30J/cmの紫外線を照射し、上記と同様の条件で残留電荷の測定を行った。
評価は、液晶セル作製直後および紫外線照射後の残留電荷の値が小さいものほど、良好とした。
表38〜表40に、実施例および比較例で得られた液晶セル作製直後および紫外線照射後の電圧保持率と残留電荷の値を示す。
「液晶配向処理剤のインクジェット塗布性の評価」
本発明の実施例9で得られた液晶配向処理剤(9)、実施例12で得られた液晶配向処理剤(12)、実施例14で得られた液晶配向処理剤(14)、実施例16で得られた液晶配向処理剤(16)および実施例19で得られた液晶配向処理剤(19)を細孔径1μmのメンブランフィルタで加圧濾過し、インクジェット塗布性の評価を行った。インクジェット塗布機には、HIS−200(日立プラントテクノロジー社製)を用いた。塗布は、純水およびIPAにて洗浄を行ったITO(酸化インジウムスズ)蒸着基板上に、塗布面積が70×70mm、ノズルピッチが0.423mm、スキャンピッチが0.5mm、塗布速度が40mm/秒、塗布から仮乾燥までの時間が60秒、仮乾燥がホットプレート上にて70℃で5分間の条件で行った。
上記で得られた基板の塗膜性を確認した。具体的には、塗膜をナトリウムランプの下で目視観察することで行い、ピンホールの有無を確認した。その結果、いずれの実施例で得られた塗膜とも、塗膜上にピンホールは見られず、塗膜性に優れていることを確認した。
ピンホールの有無を確認した後、熱循環型クリーンオーブンにて230℃で30分間加熱処理をして膜厚が100nmのポリイミド液晶配向膜付きのITO基板を得た。
さらに、得られた液晶配向膜付きの基板を用いて、上記「液晶配向膜のラビング処理耐性の評価」の条件で、ラビング処理耐性の評価を行った。
表38および表39に実施例で得られたラビング処理の結果を示す。
さらに、上記の手法で得られた液晶配向膜付きの基板を用いて、上記「液晶セルの作製および電圧保持率・残留電荷の緩和の評価(通常セル)」の条件で、電圧保持率および残留電荷の緩和の評価(通常セル)を行った。
なお、実施例9で得られた液晶配向処理剤(9)および実施例12で得られた液晶配向処理剤(12)を用いた液晶セルには、液晶にネマチック液晶(MLC−2003)(メルク・ジャパン社製)を用いた。
また、実施例14で得られた液晶配向処理剤(14)、実施例16で得られた液晶配向処理剤(16)および実施例19で得られた液晶配向処理剤(19)を用いた液晶セルには、液晶にネマチック液晶(MLC−6608)(メルク・ジャパン社製)を用いた。
表38および表39に、実施例および比較例で得られた液晶セル作製直後および紫外線照射後の電圧保持率と残留電荷の値を示す。
「液晶セルの作製および液晶配向性の評価(PSAセル)」
実施例8で得られた液晶配向処理剤(8)、実施例13で得られた液晶配向処理剤(13)、実施例15で得られた液晶配向処理剤(15)および実施例18で得られた液晶配向処理剤(18)を細孔径1μmのメンブランフィルタで加圧濾過し、液晶セルの作製および液晶配向性の評価(PSAセル)を行った。具体的には、これら液晶配向処理剤を純水およびIPAにて洗浄した中心に10×10mmのパターン間隔20μmのITO電極付き基板(縦40mm×横30mm、厚さ0.7mm)と中心に10×40mmのITO電極付き基板(縦40mm×横30mm、厚さ0.7mm)のITO面にスピンコートし、ホットプレート上にて100℃で5分間、熱循環型クリーンオーブンにて230℃で30分間加熱処理をして膜厚が100nmのポリイミド塗膜を得た。
この液晶配向膜付きの基板を、液晶配向膜面を内側にして、6μmのスペーサー挟んで組み合わせ、シール剤で周囲を接着して空セルを作製した。この空セルに減圧注入法によって、ネマティック液晶(MLC−6608)(メルク・ジャパン社製)に、下記の式で示される重合性化合物(1)を、ネマティック液晶(MLC−6608)の100質量%に対して重合性化合物(1)を0.3質量%混合した液晶を注入し、注入口を封止して、液晶セルを得た。
Figure 0006497520
得られた液晶セルに、交流5Vの電圧を印加しながら、照度60mWのメタルハライドランプを用いて、350nm以下の波長をカットし、365nm換算で20J/cmの紫外線照射を行い、液晶の配向方向が制御された液晶セル(PSAセル)を得た。液晶セルに紫外線を照射している際の照射装置内の温度は、50℃であった。
この液晶セルの紫外線照射前と紫外線照射後の液晶の応答速度を測定した。応答速度は、透過率90%から透過率10%までのT90→T10を測定した。
いずれの実施例で得られたPSAセルは、紫外線照射前の液晶セルに比べて、紫外線照射後の液晶セルの応答速度が速くなったことから、液晶の配向方向が制御されたことを確認した。また、いずれの液晶セルとも、偏光顕微鏡(ECLIPSE E600WPOL)(ニコン社製)での観察により、液晶は均一に配向していることを確認した。
<実施例1>
合成例1の合成手法で得られた樹脂固形分濃度25質量%のポリアミド酸溶液(1)(10.5g)に、NMP(23.0g)およびBCS(10.3g)を加え、25℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(1)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(1)を用いて、「液晶配向膜のラビング処理耐性の評価」および「液晶セルの作製および電圧保持率・残留電荷の緩和の評価(通常セル)」を行った。
<実施例2>
合成例2の合成手法で得られたポリイミド粉末(2)(2.25g)に、NEP(26.4g)を加え、70℃にて24時間攪拌して溶解させた。その後、この溶液に、BCS(8.80g)を加え、25℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(2)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(2)を用いて、「液晶配向膜のラビング処理耐性の評価」および「液晶セルの作製および電圧保持率・残留電荷の緩和の評価(通常セル)」を行った。
<実施例3>
合成例3の合成手法で得られた樹脂固形分濃度25質量%のポリアミド酸溶液(2)(10.0g)に、NEP(14.0g),BCS(9.80g)およびPB(7.80g)を加え、25℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(3)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(3)を用いて、「液晶配向膜のラビング処理耐性の評価」および「液晶セルの作製および電圧保持率・残留電荷の緩和の評価(通常セル)」を行った。
<実施例4>
合成例4の合成手法で得られたポリイミド粉末(4)(2.10g)に、NEP(18.1g)を加え、70℃にて24時間攪拌して溶解させた。その後、この溶液に、BCS(8.20g)およびPB(6.60g)を加え、25℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(4)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(4)を用いて、「液晶配向膜のラビング処理耐性の評価」および「液晶セルの作製および電圧保持率・残留電荷の緩和の評価(通常セル)」を行った。
<実施例5>
合成例5の合成手法で得られた樹脂固形分濃度25質量%のポリアミド酸溶液(5)(11.0g)に、NEP(24.1g)およびBCS(10.8g)を加え、25℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(5)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(5)を用いて、「液晶配向膜のラビング処理耐性の評価」および「液晶セルの作製および電圧保持率・残留電荷の緩和の評価(通常セル)」を行った。
<実施例6>
合成例6の合成手法で得られたポリイミド粉末(6)(2.10g)に、NEP(24.7g)を加え、70℃にて24時間攪拌して溶解させた。その後、この溶液に、BCS(8.20g)を加え、25℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(6)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(6)を用いて、「液晶配向膜のラビング処理耐性の評価」および「液晶セルの作製および電圧保持率・残留電荷の緩和の評価(通常セル)」を行った。
<実施例7>
合成例7の合成手法で得られた樹脂固形分濃度25質量%のポリアミド酸溶液(7)(10.0g)に、NEP(16.0g)、BCS(3.90g)およびPB(11.8g)を加え、25℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(7)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(7)を用いて、「液晶配向膜のラビング処理耐性の評価」および「液晶セルの作製および電圧保持率・残留電荷の緩和の評価(通常セル)」を行った。
<実施例8>
合成例8の合成手法で得られたポリイミド粉末(8)(2.10g)に、NEP(19.7g)を加え、70℃にて24時間攪拌して溶解させた。その後、この溶液に、BCS(3.30g)およびPB(9.90g)を加え、25℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(8)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(8)を用いて、「液晶配向膜のラビング処理耐性の評価」、「液晶セルの作製および電圧保持率・残留電荷の緩和の評価(通常セル)」および「液晶セルの作製および液晶配向性の評価(PSAセル)」を行った。
<実施例9>
合成例8の合成手法で得られたポリイミド粉末(8)(1.55g)に、NEP(23.5g)を加え、70℃にて24時間攪拌して溶解させた。その後、この溶液に、BCS(4.30g)、PB(12.9g)およびDME(2.14g)を加え、25℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(9)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(9)を用いて、「液晶配向処理剤のインクジェット塗布性の評価」、「液晶配向膜のラビング処理耐性の評価」および「液晶セルの作製および電圧保持率・残留電荷の緩和の評価(通常セル)」を行った。
<実施例10>
合成例9の合成手法で得られた樹脂固形分濃度25質量%のポリアミド酸溶液(9)(10.5g)に、NMP(16.8g)、BCS(8.20g)およびPB(8.20g)を加え、25℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(10)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(10)を用いて、「液晶配向膜のラビング処理耐性の評価」および「液晶セルの作製および電圧保持率・残留電荷の緩和の評価(通常セル)」を行った。
<実施例11>
合成例10の合成手法で得られたポリイミド粉末(10)(2.10g)に、NMP(19.7g)を加え、70℃にて24時間攪拌して溶解させた。その後、この溶液に、BCS(6.60g)およびECS(6.60g)を加え、25℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(11)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(11)を用いて、「液晶配向膜のラビング処理耐性の評価」および「液晶セルの作製および電圧保持率・残留電荷の緩和の評価(通常セル)」を行った。
<実施例12>
合成例10の合成手法で得られたポリイミド粉末(10)(1.50g)に、NEP(24.8g)を加え、70℃にて24時間攪拌して溶解させた。その後、この溶液に、PB(12.5g)およびEC(4.10g)を加え、25℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(12)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(12)を用いて、「液晶配向処理剤のインクジェット塗布性の評価」、「液晶配向膜のラビング処理耐性の評価」および「液晶セルの作製および電圧保持率・残留電荷の緩和の評価(通常セル)」を行った。
<実施例13>
合成例11の合成手法で得られた樹脂固形分濃度25質量%のポリアミド酸溶液(11)(10.0g)に、NEP(16.0g)およびPB(15.7g)を加え、25℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(13)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(13)を用いて、「液晶配向膜のラビング処理耐性の評価」、「液晶セルの作製および電圧保持率・残留電荷の緩和の評価(通常セル)」および「液晶セルの作製および液晶配向性の評価(PSAセル)」を行った。
<実施例14>
合成例11の合成手法で得られた樹脂固形分濃度25質量%のポリアミド酸溶液(11)(5.20g)に、NEP(21.3g)およびPB(16.8g)を加え、25℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(14)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(14)を用いて、「液晶配向処理剤のインクジェット塗布性の評価」、「液晶配向膜のラビング処理耐性の評価」および「液晶セルの作製および電圧保持率・残留電荷の緩和の評価(通常セル)」を行った。
<実施例15>
合成例12の合成手法で得られたポリイミド粉末(12)(2.10g)に、NEP(16.5g)を加え、70℃にて24時間攪拌して溶解させた。その後、この溶液に、PB(13.2g)およびDME(3.30g)を加え、25℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(15)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(15)を用いて、「液晶配向膜のラビング処理耐性の評価」、「液晶セルの作製および電圧保持率・残留電荷の緩和の評価(通常セル)」および「液晶セルの作製および液晶配向性の評価(PSAセル)」を行った。
<実施例16>
合成例12の合成手法で得られたポリイミド粉末(12)(1.50g)に、NEP(22.7g)を加え、70℃にて24時間攪拌して溶解させた。その後、この溶液に、PB(16.6g)およびDME(2.10g)を加え、25℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(16)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(16)を用いて、「液晶配向処理剤のインクジェット塗布性の評価」、「液晶配向膜のラビング処理耐性の評価」および「液晶セルの作製および電圧保持率・残留電荷の緩和の評価(通常セル)」を行った。
<実施例17>
合成例13の合成手法で得られたポリイミド粉末(13)(2.15g)に、NEP(18.5g)を加え、70℃にて24時間攪拌して溶解させた。その後、この溶液に、PB(10.1g)、EC(3.40g)およびECS(1.70g)を加え、25℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(17)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(17)を用いて、「液晶配向膜のラビング処理耐性の評価」および「液晶セルの作製および電圧保持率・残留電荷の緩和の評価(通常セル)」を行った。
<実施例18>
合成例14の合成手法で得られたポリイミド粉末(14)(2.10g)に、NEP(19.7g)を加え、70℃にて24時間攪拌して溶解させた。その後、この溶液に、PB(13.2g)を加え、25℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(18)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(18)を用いて、「液晶配向膜のラビング処理耐性の評価」、「液晶セルの作製および電圧保持率・残留電荷の緩和の評価(通常セル)」および「液晶セルの作製および液晶配向性の評価(PSAセル)」を行った。
<実施例19>
合成例14の合成手法で得られたポリイミド粉末(14)(1.50g)に、NEP(22.7g)を加え、70℃にて24時間攪拌して溶解させた。その後、この溶液に、PB(14.5g)およびEC(4.10g)を加え、25℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(19)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(19)を用いて、「液晶配向処理剤のインクジェット塗布性の評価」、「液晶配向膜のラビング処理耐性の評価」および「液晶セルの作製および電圧保持率・残留電荷の緩和の評価(通常セル)」を行った。
<実施例20>
合成例15の合成手法で得られたポリイミド粉末(15)(2.10g)に、γ−BL(14.1g)を加え、70℃にて24時間攪拌して溶解させた。その後、この溶液に、BCS(8.20g)およびECS(1.20g)を加え、25℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(20)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(20)を用いて、「液晶配向膜のラビング処理耐性の評価」および「液晶セルの作製および電圧保持率・残留電荷の緩和の評価(通常セル)」を行った。
<比較例1>
合成例16の合成手法で得られた樹脂固形分濃度25質量%のポリアミド酸溶液(16)(10.0g)に、NMP(21.9g)およびBCS(9.80g)を加え、25℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(21)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(21)を用いて、「液晶配向膜のラビング処理耐性の評価」および「液晶セルの作製および電圧保持率・残留電荷の緩和の評価(通常セル)」を行った。
<比較例2>
合成例17の合成手法で得られたポリイミド粉末(17)(2.00g)に、NMP(23.5g)を加え、70℃にて24時間攪拌して溶解させた。その後、この溶液に、BCS(7.80g)を加え、25℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(22)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(22)を用いて、「液晶配向膜のラビング処理耐性の評価」および「液晶セルの作製および電圧保持率・残留電荷の緩和の評価(通常セル)」を行った。
<比較例3>
合成例18の合成手法で得られた樹脂固形分濃度25質量%のポリアミド酸溶液(18)(10.5g)に、NMP(23.0g)およびBCS(10.3g)を加え、25℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(23)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(23)を用いて、「液晶配向膜のラビング処理耐性の評価」および「液晶セルの作製および電圧保持率・残留電荷の緩和の評価(通常セル)」を行った。
<比較例4>
合成例19の合成手法で得られたポリイミド粉末(19)(2.00g)に、NMP(23.5g)を加え、70℃にて24時間攪拌して溶解させた。その後、この溶液に、BCS(7.80g)を加え、25℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(24)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(24)を用いて、「液晶配向膜のラビング処理耐性の評価」および「液晶セルの作製および電圧保持率・残留電荷の緩和の評価(通常セル)」を行った。
<比較例5>
合成例20の合成手法で得られた樹脂固形分濃度25質量%のポリアミド酸溶液(20)(10.0g)に、NMP(21.9g)およびBCS(9.80g)を加え、25℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(25)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(25)を用いて、「液晶配向膜のラビング処理耐性の評価」および「液晶セルの作製および電圧保持率・残留電荷の緩和の評価(通常セル)」を行った。
<比較例6>
合成例21の合成手法で得られたポリイミド粉末(21)(2.00g)に、NMP(23.5g)を加え、70℃にて24時間攪拌して溶解させた。その後、この溶液に、BCS(7.80g)を加え、25℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(26)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(26)を用いて、「液晶配向膜のラビング処理耐性の評価」および「液晶セルの作製および電圧保持率・残留電荷の緩和の評価(通常セル)」を行った。
<比較例7>
合成例22の合成手法で得られた樹脂固形分濃度25質量%のポリアミド酸溶液(22)(10.0g)に、NEP(14.0g)、BCS(9.80g)およびPB(7.80g)を加え、25℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(27)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(27)を用いて、「液晶配向膜のラビング処理耐性の評価」および「液晶セルの作製および電圧保持率・残留電荷の緩和の評価(通常セル)」を行った。
<比較例8>
合成例23の合成手法で得られたポリイミド粉末(23)(2.00g)に、NEP(17.2g)を加え、70℃にて24時間攪拌して溶解させた。その後、この溶液に、BCS(7.80g)およびPB(6.30g)を加え、25℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(28)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(28)を用いて、「液晶配向膜のラビング処理耐性の評価」および「液晶セルの作製および電圧保持率・残留電荷の緩和の評価(通常セル)」を行った。
<比較例9>
合成例24の合成手法で得られた樹脂固形分濃度25質量%のポリアミド酸溶液(24)(10.0g)に、NEP(14.0g)、BCS(9.80g)およびPB(7.80g)を加え、25℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(29)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(29)を用いて、「液晶配向膜のラビング処理耐性の評価」および「液晶セルの作製および電圧保持率・残留電荷の緩和の評価(通常セル)」を行った。
<比較例10>
合成例25の合成手法で得られたポリイミド粉末(25)(2.00g)に、NEP(17.2g)を加え、70℃にて24時間攪拌して溶解させた。その後、この溶液に、BCS(7.80g)およびPB(6.30g)を加え、25℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(30)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(30)を用いて、「液晶配向膜のラビング処理耐性の評価」および「液晶セルの作製および電圧保持率・残留電荷の緩和の評価(通常セル)」を行った。
<比較例11>
合成例26の合成手法で得られた樹脂固形分濃度25質量%のポリアミド酸溶液(26)(11.0g)に、NEP(15.4g)、BCS(10.8g)およびPB(8.60g)を加え、25℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(31)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(31)を用いて、「液晶配向膜のラビング処理耐性の評価」および「液晶セルの作製および電圧保持率・残留電荷の緩和の評価(通常セル)」を行った。
<比較例12>
合成例27の合成手法で得られたポリイミド粉末(27)(2.20g)に、NEP(19.0g)を加え、70℃にて24時間攪拌して溶解させた。その後、この溶液に、BCS(8.60g)およびPB(6.90g)を加え、25℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(32)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(32)を用いて、「液晶配向膜のラビング処理耐性の評価」および「液晶セルの作製および電圧保持率・残留電荷の緩和の評価(通常セル)」を行った。
Figure 0006497520
*1:液晶配向処理剤中のポリイミド系重合体の占める割合を示す。
Figure 0006497520
*2:液晶配向処理剤中のポリイミド系重合体の占める割合を示す。
Figure 0006497520
*3:液晶配向処理剤中のポリイミド系重合体の占める割合を示す。
Figure 0006497520
Figure 0006497520
Figure 0006497520
上記の結果からわかるように、本発明の実施例の液晶配向処理剤では、比較例の液晶配向処理剤に比べて、液晶表示素子の製造プロセス中のラビング処理に伴う液晶配向膜の削れカスやラビング処理に伴う傷が発生しにくい液晶配向膜を得ることができた。また、この特性に加えて、紫外線の照射に曝されても、電圧保持率の低下が抑制され、かつ直流電圧により蓄積する残留電荷の緩和が早い液晶配向膜が得られた。
具体的には、本発明の特定複素環ジアミン化合物と特定テトラカルボン酸二無水物を用いた実施例と、それらを用いていない比較例との比較(それら以外の成分は同一)、すなわち、実施例1と比較例1との比較、実施例2と比較例2との比較、実施例3と比較例7との比較および実施例4と比較例8との比較において、これら比較例の液晶配向処理剤では、ラビング処理に伴いラビング傷やラビング削れカスが見られ、さらには、紫外線の照射により、電圧保持率が低下し、残留電荷の緩和が遅い液晶配向膜となった。
また、本発明の特定複素環ジアミン化合物は用い、特定テトラカルボン酸二無水物を用いた実施例と、特定テトラカルボン酸二無水物を用いていない比較例との比較(それら以外の成分は同一)、すなわち、実施例1と比較例3との比較、実施例2と比較例4との比較、実施例3と比較例9との比較および実施例4と比較例10との比較において、比較例の液晶配向処理剤は、実施例の液晶配向処理剤に対して、上記特性に劣る液晶配向膜となった。
同様に、本発明の特定テトラカルボン酸二無水物は用い、特定複素環ジアミン化合物を用いた実施例と、特定複素環ジアミン化合物を用いてない比較例との比較(それら以外の成分は同一)、すなわち、すなわち、実施例1と比較例5との比較、実施例2と比較例6との比較、実施例3と比較例11との比較および実施例4と比較例12との比較において、比較例の液晶配向処理剤は、実施例の液晶配向処理剤に対して、上記特性に劣る液晶配向膜となった。
本発明の液晶配向処理剤は、液晶表示素子の製造プロセス中のラビング処理に伴う液晶配向膜の削れカスやラビング処理に伴う傷が発生しにくい液晶配向膜を提供することができる。また、この特性に加えて、長時間、光の照射に曝されても、電圧保持率の低下が抑制され、かつ直流電圧により蓄積する残留電荷の緩和が早い液晶配向膜を提供することができる。特に、側鎖を有するジアミン化合物を用いて得られるポリアミド酸や溶媒可溶性ポリイミドを用いた液晶配向処理剤であっても、これら特性に優れる液晶配向膜を提供することができる。加えて、上記の液晶配向膜を有する液晶表示素子、上記の液晶配向膜を提供することのできる液晶配向処理剤を提供することができる。
よって、本発明の液晶配向処理剤から得られた液晶配向膜を有する液晶表示素子は、信頼性に優れたものとなり、大画面で高精細の液晶テレビなどに好適に利用でき、TN素子、STN素子、TFT液晶素子、特に垂直配向型の液晶表示素子に有用である。
さらに、本発明の液晶配向処理剤から得られた液晶配向膜は、液晶表示素子を作製する際に、紫外線を照射する必要がある液晶表示素子に対しても有用である。すなわち、電極を備えた一対の基板の間に液晶層を有してなり、前記一対の基板の間に活性エネルギー線および熱の少なくとも一方により重合する重合性化合物を含む液晶組成物を配置し、前記電極間に電圧を印加しつつ前記重合性化合物を重合させる工程を経て製造される液晶表示素子、さらには、電極を備えた一対の基板の間に液晶層を有してなり、前記一対の基板の間に活性エネルギー線および熱の少なくとも一方で重合する重合性基を含む液晶配向膜を配置し、前記電極間に電圧を印加しつつ前記重合性基を重合させる工程を経て製造される液晶表示素子に対しても有用である。

Claims (12)

  1. 下記の式[1]で示されるジアミン化合物を含有するジアミン成分と下記の式[2]で示されるテトラカルボン酸二無水物を含有するテトラカルボン酸成分とを反応させて得られるポリイミド前駆体およびポリイミドから選ばれる少なくとも一種の重合体を含有し、
    前記式[1]中のXが−CONH−を示し、Xが炭素数1〜5のアルキル基を示し、Xが単結合を示し、Xがイミダゾール環またはピリジン環を示し、nが1を示すジアミン化合物であり、前記ジアミン成分に、下記の式[3]で示されるジアミン化合物を含む液晶配向処理剤。
    Figure 0006497520
    Figure 0006497520
    Figure 0006497520
    (式[3]中、Yは下記の式[3−1]〜式[3−6]から選ばれる少なくとも1つの構造の置換基を示し、mは1〜4の整数を示す)。
    Figure 0006497520
    (式[3−1]中、aは0〜4の整数を示し、[3−2]中、bは0〜4の整数を示し、式[3−3]中、Yは単結合、−(CH−(aは1〜15の整数である)、−O−、−CHO−、−COO−または−OCO−を示し、Yは単結合または−(CH−(bは1〜15の整数である)を示し、Yは単結合、−(CH−(cは1〜15の整数である)、−O−、−CHO−、−COO−または−OCO−を示し、Yはベンゼン環、シクロヘキサン環または複素環から選ばれる2価の環状基、またはステロイド骨格を有する炭素数17〜51の2価の有機基を示し、前記環状基上の任意の水素原子が、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルコキシル基またはフッ素原子で置換されていてもよく、Yはベンゼン環、シクロヘキサン環または複素環から選ばれる2価の環状基を示し、これらの環状基上の任意の水素原子が、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルコキシル基またはフッ素原子で置換されていてもよく、nは0〜4の整数を示し、Yは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜18のアルコキシル基または炭素数1〜18のフッ素含有アルコキシル基を示し、式[3−4]中、Yは−O−、−CHO−、−COO−、−OCO−、−CONH−または−NHCO−を示し、Yは炭素数8〜22のアルキル基を示し、式[3−5]中、YおよびY10はそれぞれ独立して炭素数1〜12の炭化水素基を示し、式[3−6]中、Y11は炭素数1〜5のアルキル基を示す)。
  2. 前記テトラカルボン酸成分に、さらに下記の式[4]で示されるテトラカルボン酸二無水物を含むことを特徴とする請求項1に記載の液晶配向処理剤。
    Figure 0006497520
    (式[4]中、Zは下記の式[4a]〜式[4j]から選ばれる構造の基を示す)。
    Figure 0006497520
    (式[4a]中、Z〜Zは水素原子、メチル基、塩素原子またはベンゼン環を示し、それぞれ同じであっても異なってもよく、式[4g]中、ZおよびZは水素原子またはメチル基を示し、それぞれ同じであっても異なってもよい)。
  3. 液晶配向処理剤の溶媒として、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドンまたはγ−ブチロラクトンの溶媒を含有する請求項1又は請求項2に記載の液晶配向処理剤。
  4. 液晶配向処理剤の溶媒として、下記の式[D−1]〜式[D−3]で示される溶媒から選ばれる溶媒を含有する請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の液晶配向処理剤。
    Figure 0006497520
    (式[D−1]中、Dは炭素数1〜3のアルキル基を示し、式[D−2]中、Dは炭素数1〜3のアルキル基を示し、式[D−3]中、Dは炭素数1〜4のアルキル基を示す)。
  5. 液晶配向処理剤の溶媒として、1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルまたはジプロピレングリコールジメチルエーテルから選ばれる溶媒を含有する請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の液晶配向処理剤。
  6. 請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の液晶配向処理剤から得られる液晶配向膜。
  7. 請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の液晶配向処理剤を用いて、インクジェット法にて得られる液晶配向膜。
  8. 請求項または請求項に記載の液晶配向膜を有する液晶表示素子。
  9. 電極を備えた一対の基板の間に液晶層を有してなり、前記一対の基板の間に活性エネルギー線および熱の少なくとも一方により重合する重合性化合物を含む液晶組成物を配置し、前記電極間に電圧を印加しつつ前記重合性化合物を重合させる工程を経て製造される液晶表示素子に用いられることを特徴とする請求項または請求項に記載の液晶配向膜。
  10. 請求項に記載の液晶配向膜を有することを特徴とする液晶表示素子。
  11. 電極を備えた一対の基板の間に液晶層を有してなり、前記一対の基板の間に活性エネルギー線および熱の少なくとも一方により重合する重合性基を含む液晶配向膜を配置し、前記電極間に電圧を印加しつつ前記重合性基を重合させる工程を経て製造される液晶表示素子に用いられることを特徴とする請求項または請求項に記載の液晶配向膜。
  12. 請求項11に記載の液晶配向膜を有することを特徴とする液晶表示素子。
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